説明

動く細長い固体の被検製品において異物を検出するための方法および装置

動く細長い固体の被検製品(9)、例えば糸において異物を検出するための装置(1)は、被検製品(9)からの静電信号を記録するためのセンサ(2)を含む。センサ(2)は、被検製品(9)上に元々既に存在していた過剰電荷からの静電信号を記録するのに適している。装置(1)は、被検製品(9)からの他の信号、例えば容量信号を記録するためのセンサ(2)をさらに含む。さらに、静電信号、および他の信号を評価して異物を検出するための評価手段(7)が存在する。静電信号と他の信号とを組み合わせることにより、選択性が改良される。誤った応答は減少し、信頼性および感度を高くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長い固体の、好ましくは繊維組織、例えばカードスライバ、ロービング、糸または織物を、電気的手段を用いて検査する分野に関する。本発明は、動く細長い固体の被検製品において異物を検出するための、独立特許請求項の前文に係る方法および装置に関する。好適な用途は、紡績機または巻線機における糸の監視である。
【背景技術】
【0002】
繊維産業界では、糸等の細長い繊維組織においてポリプロピレン等の異物を確実に検出し、場合により定量化する要求が存在する。この目的には光学的手段がしばしば適用される。国際公開パンフレット第98/33061号明細書または欧州特許出願公開第1058112号明細書によれば、糸が紫外光または赤外光により走査される。光吸収のため、異物、特にポリプロピレンを検出することができる。欧州特許出願公開第0399945号明細書は、異なる2つの波長の光で糸を照射することを教示している。したがって2つの出力信号が生じ、これらの出力信号の差が求められる。ポリプロピレン等の異物があると差の信号が変化する。あらゆる光学的測定原理にある欠点として、加えられた光に透明な異物、被検製品と同じ反射率(「色」)を有する異物、あるいは被検製品の内側に隠れていて外側から見えない異物を検出しないということがある。
【0003】
光学的測定原理の不適切さは、電気的手段を適用することにより回避することができる。欧州特許出願公開第0924513号明細書からは、被検繊維製品中の異物の割合を容量式に求めるための方法および装置が知られている。この方法および装置によって、被検製品は平板コンデンサを通って移動して交流電場を受け、被検製品の誘電特性が評価される。誘電特性から2つの電気値が評価されて合成され、被検製品の質量とは無関係な特性値が生じる。特性値は、当該の材料について、既に評価された特性値と比較され、ここから異物の構成部分が求められる。この測定原理の問題とは、特性値が湿気に対して非常に敏感なことである。欧州特許出願公開第0924513号明細書で開示された装置の好適な実施形態では、実際の測定コンデンサと同時に基準コンデンサが適用されることで、空気の湿気によって生じる無用の信号を排除することが試みられている。この基準コンデンサは、2つの測定蓄電板に平行に配置された第3の蓄電板を付加し、3つの蓄電板が共に接続されて容量式ブリッジとなることによって形成することができる。しかしこの測定は、被検製品自体の湿気の変化によって生じる無用の信号は排除しない。従って、この測定原理では、過度に多くの誤った応答が生じる。
【0004】
欧州特許出願公開第0301395号明細書は、動く電気絶縁織布の表面むらを検出するための方法および装置を開示している。織布の近傍には、運動方向に対して横に走る導電性ワイヤが配置されている。織布の表面に存在する電荷がワイヤ内に電気信号を生成する。
【0005】
監視すべき織糸を、静止電極を通り越して導くことにより、動く織糸を監視することも知られている。織糸内で不規則に分布した電荷は、電極内で電圧信号を生成する。このようなセンサが、例えば独国特許出願公開第3215695号明細書、独国実用新案第9216181号明細書、または独国特許出願公開第19535177号明細書に示されている。このようなセンサにより生成された信号は信頼できず、多くの誤った応答をもたらす。
【0006】
スイス特許第526459号明細書によれば、摩擦電気の(摩擦電気式)変換器が使用され、2つの監視機能(停止している織糸の存在の有無を検査すること(存在監視)、および長手方向の運動/停止を検査すること(走行監視))を実行する織糸監視手段が作り出される。
【0007】
欧州特許出願公開第10370471号明細書は摩擦電気の測定原理を利用している。この特許文献は、動く繊維材料において異物を検出するための方法および装置を記載している。電極を磨くことによって、まず、場合により既に存在する電荷が繊維材料から導かれる。動く繊維材料から摩擦電気信号を受信するための探針が設けられる。探針の出力信号が、異物のない繊維材料の特徴となる基準値と比較される。比較の結果によって、異物が存在するかどうかが確認される。電極を磨くことによって既に存在する電荷を引き離し、繊維材料に電荷を付着させることは、付加的な労力と付加的な空間要件とを必要とする。さらに、この測定原理も、主として静電放電によって引き起こされる多くの誤った応答をもたらす。
【0008】
最新技術で生じる誤った応答は全然望ましくない。というのも、それらにより生産工程の運転が不必要に停止するからである。これによって使用者のところでは生産中止が起こる。これは、停止が約10分続く紡績機に関しては特に大げさなものになることがある。不必要に何度も停止すると、経済的損害は莫大なものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、動く細長い固体の繊維製品において異物を検出するための、上述の欠点を持たない方法および装置を特定することが本発明の目的である。特に、この方法および装置は単純でスペース節約的なものとなる。さらに、選択性が改良されることになる。最新技術と比較して、誤った応答は著しく低減され、異物の検出に関して、同じように高いかまたはそれ以上に高い信頼性および感度を備えることになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的およびその他の目的は、独立特許請求項で規定する装置および方法により達成される。従属特許請求項では、有利な実施形態を特定する。
【0011】
本発明は、特に欧州特許出願公開第10370471号明細書の公知の方法および装置を、既に存在する電荷を被検製品から引き離すこと、および被検製品への新たに制御された電荷の付着を排除するという点で簡素化する。その代わり、本発明は、被検製品上の電荷の存在を想定し、これらの電荷を活用して、被検製品または考えられる異物の分担率に関して、これらの電荷から情報を得る。既に知られている測定原理からのこの逸脱は、異物の検出における根本的な転換を表している。この転換は、方法を簡素化し、装置に関してはスペース節約的となる。
【0012】
本発明によれば、電荷測定によって静電信号および例えば他の容量信号または光信号を、被検製品から記録し、両方の信号を使用して異物を検出するのが好ましい。この理由で、意外なことに選択性が改良される。静電信号を連続的に評価し、これを、他の信号を評価するための誘発として使用すると特に有利であることが示された。その場合、静電信号は粗い測定を提供し、他の信号は、必要な場合、細かい測定を提供する。静電信号が湿気にほとんど影響されないことから、湿気のばらつきにより引き起こされる誤った応答は回避される。他の信号は測定の精度を上げ、必要な場合、静電信号が検出できない影響およびパラメータの検討を可能にする。したがって、他の信号のため、例えば異物構成部分の他に被検製品の厚さを求めることもできる。静電信号および他の信号を、同一のセンサ、例えば測定コンデンサにより記録できることは特に有利かつスペース節約的である。
【0013】
それ故に、本発明は、静電信号を記録して、動く細長い固体の被検製品において異物を検出するためのセンサの使用を含む。センサは、被検製品上に元々既に存在していた過剰電荷からの静電信号を記録するのに適している。これらの過剰電荷は、例えば機械部分(バルーンリミッタ、織糸引張り装置、または案内穴等)での摩擦によって被検製品に例えば付着させることができる。
【0014】
動く細長い固体の被検製品において異物を検出するための発明的方法では、被検製品からの静電信号が記録され、これが異物を検出するのに使用される。これに関して、静電信号は被検製品上に元々存在していた過剰電荷から記録される。好適な実施形態において、被検製品からの他の信号が付加的に記録され、静電信号および他の信号が異物を検出するのに使用される。
【0015】
動く細長い固体の被検製品において異物を検出するための本発明による方法の別の変形では、被検製品は高周波の交流電場を受ける。高周波の電気信号を記録し、これを交流電場の搬送周波数により復調することによって、被検製品と相互作用する交流電場の特性が評価される。被検製品に由来する第2の準静的電気信号が記録される。この第1および第2電気信号が異物を検出するのに使用される。
【0016】
動く細長い固体の被検製品において異物を検出するための本発明による装置は、被検製品からの静電信号を記録するためのセンサと静電信号を評価して異物を検出するための評価手段とを含む。センサは、被検製品上に元々既にあった過剰電荷からの静電信号を記録するのに適している。好適な実施形態において、本発明による装置はさらに、被検製品からの他の信号を記録するためのセンサと、静電信号と他の信号とを評価して異物を検出するための評価手段とを有する。
【0017】
欧州特許出願公開第0924513号明細書を通じて「静電信号」とは、被検製品上に位置しそこで不動に静止している電荷に由来する信号のことである。これらの電荷は、ガルバーニ電気接触を介して収集することができ、または非接触式に、例えば静電誘導によって検出することができる。前者の場合、電荷が流れるが、それらの加速度および速度は比較的小さいので、静電信号を参照することがやはり正しい。いずれの場合も、特許文献4に教示されているような高周波の交流電場の能動的な発生とは対照的に、「受動的な電荷移動」という表現により選択的に説明することができよう。
【0018】
本発明の好適な1実施形態を、添付の図面によって以下で詳細に説明する。これに関して、以下の図を略示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に、本発明による装置1の電気接続図を示す。装置1は測定コンデンサ2を含む。これに関して、この実施形態の例において、この測定コンデンサは、基本的に平坦な第1蓄電板21と基本的に平坦な第2蓄電板22とを備えた平坦な2平板コンデンサの事例である。蓄電板21、22は各々約0.8mm厚であり、例えば真鍮から成り、例えばニッケルで被覆して耐摩耗性を高くすることができる。2つの蓄電板21、22は相互に約1〜3mmだけ、好ましくは約1.5〜2.0mm厚の空隙だけ離れており、この空隙は、細長い固体の被検製品9用の通り穴26を形成する。被検製品9は例えば糸とすることができる。この被検製品は、通り穴26を長手方向xに移動するのが好ましい。
【0020】
繊維材料、例えば糸9およびその他の材料は静電的に帯電し得ることが知られている。このような帯電は、例えばバルーンリミッタ、織糸引張り装置、または案内穴等の機械部分での摩擦によって生じることがある。好ましくない異物であるポリプロピレン(この異物を検出するこれについて、要件が繊維産業界に存在する)は例えば負に帯電している。すなわち、ポリプロピレンの表面上の層で過剰電子が生じる。この場合、測定コンデンサ2は、このような電荷を検出するのに適している。具体的には、過剰電荷の電場により、電荷が通り穴26に入り込むとすぐに、蓄電板21、22で電位変化が起こる。この電位変化を、例えば第2蓄電板22に接続された出力リード27によって、糸9からの静電信号として記録することができる。
【0021】
非接触式信号の記録の代案として、糸とガルバーニ電気接触しているコンタクト電極(図示せず)によって静電信号を記録することが可能である。この代案は、より高感度であるという利点を有することができる。一方でその欠点とは、電極が摩耗することが避けられず、糸が装置を汚染して電極をすり減らすこと、および一定の接触によって糸速度が高く確保されがたいことである。この理由で既に、非接触式信号の記録のほうが有利であるように見える。静電信号を記録するために測定コンデンサ2を使用する他の理由とは、他の容量信号というものを記録するために同一の測定コンデンサ2を応用する可能性であり、これを以下で説明する。
【0022】
本発明の好適な実施形態では、糸9からの他の信号を記録する。図1の例示的な非限定的実施形態において、他の信号は容量信号である。糸9は測定コンデンサ2内で高周波の交流電場を受け、糸9と相互作用する交流電場の特性が求められる。
【0023】
図1の実施形態は、測定コンデンサ2とは別に、2つの平坦な蓄電板22、32を備えた基準コンデンサ3を含み、外的影響、例えば気温または空気の湿気を低減する。これによって、中間蓄電板22は両コンデンサ2、3に共通となる。
【0024】
欧州特許出願公開第0924513号明細書からは、被検繊維製品9において固体の異物を容量式に検出し定量化するための方法および装置が知られており、これを本発明によっても採用することができる。欧州特許出願公開第0924513号明細書、特にその段落[0022]〜[0034]を本文献により参照して取り上げる。欧州特許出願公開第0924513号明細書をこうして参照するため、ここで評価方法を詳細に説明することは不必要である。これに関しては、少なくとも2つの測定モードが可能であることのみ言及すべきである。第1測定モードでは、交流電場の2つの異なる励起周波数または搬送周波数を用いて測定される。同じ種類の2つの出力信号、例えば測定電圧は、まず搬送周波数の各々に関して別々に検出され、次に、評価するのに適切なやり方で相互に結合される。第2測定モードでは、単一の搬送周波数を用いて測定されるが、出力信号として、出力電圧および出力電流が使用される。電圧信号と電流信号との間の移相が、適切な評価後の糸9に関して所望する情報を提供する。2つの測定モード、すなわち様々な搬送周波数での測定と、電圧信号と電流信号との間のそれぞれの移相の測定とを組み合わせることが可能である。
【0025】
容量信号を記録する目的で、本発明による装置1は交流電圧源4を含み、測定コンデンサ2と基準コンデンサ3とに高周波の交流電圧を印加する。「高周波」とは、電気工学の平凡な言葉遣いに照らして、100kHz〜300GHzの間の周波数と理解される。好ましくは、印加交流電圧の周波数は1MHz〜100MHzの間であり、例えば10MHzである。その場合、2つのコンデンサ2、3を備えた容量分圧器が存在し、これを被検製品9により離調できるということが言える。コンデンサ2、3の出力リード27にはインピーダンス変換器5が接続されているのが好ましい。インピーダンス変換器5は、例えば、コレクタ回路として、または演算増幅器を備えたトランスインピーダンス増幅回路として設計することができる。インピーダンス変換器5の後には、コンデンサ2、3の出力信号をアナログ検出するための検出回路6が接続されている。図1の実施形態の例では、検出回路6は基本的には測定コンデンサ2の出力信号と、コンデンサ2、3に印加された交流電圧信号との乗算を実行してそれを復調する。復調された容量測定信号が評価回路7に導かれる。
【0026】
高周波の容量信号とは対照的に、静電信号は準静的である。静電信号は、例えば5〜10kHzの帯域幅により検出することができる。高周波信号から準静的信号を抽出するには、測定コンデンサ2の出力リード27に電気的に接続されたピーク値整流器8を適用し、好ましくは、インピーダンス変換器5の後に接続する。ピーク値整流器8の出力信号も同様に評価回路7に導かれる。
【0027】
評価回路7は、静電信号と容量信号とからの実結果(具体的には糸9内の異物構成物質)を評価し、装置の出力リード79にて出力信号を発する。異物の定量的分担率、場合によっては異物の材料を、また、糸の厚さ等のその他のパラメータも求めることが可能である。評価回路7は、アナログ電気回路またはデジタル処理装置として設計することができる。この評価回路は応用特有の集積回路(ASIC)の一部とすることができ、集積回路には、インピーダンス変換器5、検出回路6、および/またはピーク値整流器8等のその他の素子も同様に一体化することができる。評価回路7は、静電信号を評価するための第1モジュール71と、他の信号を評価するための第2モジュール72とを含むことができる。
【0028】
図2は、本発明による方法の好適な実施形態の流れ図を略示する。これによれば、被検製品9からの静電信号、具体的には、ステップ101において被検材料上に元々既に存在していた過剰電荷からの静電信号が記録される。ステップ102において被検製品からの他の信号が記録される。他の信号は容量信号とすることができる。ステップ101における静電信号の記録は図1に表す装置1によって、特に測定コンデンサ2、インピーダンス変換器5およびピーク値整流器8によって行うことができる。ステップ102における他の信号の記録は図1に表す装置1によって、特に測定コンデンサ2、インピーダンス変換器5および検出回路6によって行うことができる。
【0029】
静電信号は、例えばステップ103において評価回路7の第1モジュール71(図1を参照)において連続的に評価される。ステップ103における評価の結果はステップ104において特定事象に関して連続的に照査される。「特定」事象と判断されるものはそれぞれの用途によって決まっており、それは、限定値を超えるかまたはこれに達しない公称値からの偏差、急激な信号変化、その導関数が所定の値を超えるかまたはこれに達しない信号変化、あるいは、評価結果の別の特徴とすることができる。
【0030】
特定事象を確認するステップ104は、例えば評価回路7の第2モジュール72(図1を参照)において、他の信号の評価105を誘発する。次に、この評価105の結果も、静電信号での特定事象104と同じかこれとは異なる基準に応じて規定することのできる特定事象に関して、ステップ106において同様に検査される。ステップ106においていずれの特定事象も確認されない場合、これは、静電放電等の理由で静電信号が間違って表示したことを示しており、信号の記録101、102が継続される。他方で、他の信号の評価105がステップ106において特定事象を示す場合、当該の糸区域に、十中八九、異物による汚染が存在する。その場合、ステップ107において評価ユニット7が出力リード79に異物信号を発する。異物信号は単純な信号とすることができ、この信号は、肯/否の2値の決定に照らして、糸の切断を誘発し、計数ステップを始動し、アラームを誘発するか、あるいは機械を停止させる。一方で、検出された異物の種類および/または量、あるいは異物構成物質に関する情報も得ることができる。両方の信号を評価するので、評価ユニット7によりこのような異物構成物質を求めることができる。当然ながら、信号の記録101、102は、出力ステップ107の間、および/またはその後に継続することができるが、簡単にする理由から図2には示していない。
【0031】
本発明は、当然ながら、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、他の信号を測定するのに、平坦な蓄電板を備えた測定コンデンサ2を使用することは不要であるし、別のコンデンサの形状を検討することもできる。他の信号は、電気的種類、光学的種類、またはその他の種類のものとすることができる。方法ステップの順序を図2の順序に対応させることは必ずしも必要ではない。他の信号の記録102は、例えば、ステップ104において静電信号内で特定事象の確認後にのみ行うことができる。同時に、ステップ106において他の信号をまず検査し、その後にのみ、ステップ104において特定事象に関して静電信号を検査することが可能である。信号の記録101、102、信号評価103、105および/または検査104、106は、その都度同時に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 本発明による装置の1実施形態の電気接続図である。
【図2】 本発明による方法の1実施形態の流れ図である。
【符号の説明】
【0033】
1 装置
2 測定コンデンサ
21 第1測定コンデンサ
21 第2測定コンデンサ
26 通り穴
27 出力リード
3 基準コンデンサ
32 蓄電板
4 交流発電機
5 インピーダンス変換器
6 検出回路
7 評価回路
71、72 評価回路の第1、第2モジュール
79 装置の出力リード
8 ピーク値整流器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動く細長い固体の被検製品(9)において異物を検出するための方法であって、ステップ(101)において前記被検製品(9)からの静電信号が記録され、異物を検出するのに使用される方法において、前記被検製品(9)上に元々既に存在していた過剰電荷からの前記静電信号が記録されることを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップ(102)において前記被検製品(9)からの他の信号が記録され、前記静電信号および前記他の信号が異物を検出するのに使用される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ステップ(103)において前記静電信号が連続的に評価され、その評価(103)の結果がステップ(104)において使用され、前記他の信号の評価(105)が誘発される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記他の信号が容量信号である、先行請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ステップ(102)において前記容量性信号を記録すると共に、前記被検製品(9)が高周波の交流電場を受け、前記被検製品(9)と相互作用する前記交流電場の特性が求められ、求められたこれらの特性が前記容量性信号の前記評価(105)と共に使用される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記交流電場の搬送周波数が1MHz〜100MHz、好ましくは約10MHzである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
2つの電気的変量が、前記被検製品(9)と相互作用する前記交流電場の特性として求められ、かつ前記被検製品(9)の質量とは無関係な特性値が生じるようなやり方で相互に結合される、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
評価された前記2つの電気的変量が、2つの異なる搬送周波数により復調された2つの電圧信号および/または1つの搬送周波数により復調された電圧信号、および同一の搬送周波数により復調された電流信号である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記静電信号(101)と前記容量信号(102)とを記録するのに、同一のセンサ、好ましくは測定コンデンサ(2)が使用される、請求項4〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
動く細長い固体の被検製品(9)において異物を検出するための方法であって、前記被検製品(9)が高周波の交流電場を受け、高周波の電気信号を記録するステップ(102)によって、前記被検製品(9)と相互作用する前記交流電場の特性が求められる方法において、前記被検製品(9)から来る第2の準静的電気信号がステップ(101)で記録され、前記第1電気信号および前記第2電気信号も異物を検出するのに使用されることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記第2電気信号が、前記被検製品(9)上に元々既に存在していた過剰電荷から記録される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
ステップ(103)において前記準静的信号が絶えず評価され、ステップ(104)においてその評価の結果が使用されて、前記高周波信号の評価(105)が誘発される、請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
前記交流電場の搬送周波数が1MHz〜100MHz、好ましくは約10MHzである、請求項10〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
2つの電気的変量が、前記被検製品(9)と相互作用する前記交流電場の特性として求められ、かつ前記被検製品(9)の質量とは無関係な特性値が生じるようなやり方で相互に結合される、請求項10〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
求められた前記2つの電気的変量が、2つの異なる搬送周波数により復調された2つの電圧信号および/または1つの搬送周波数により復調された電圧信号、および同一の搬送周波数により復調された電流信号である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記第1電気信号(102)と前記第2電気信号(101)とを記録するのに、同じセンサ、好ましくは測定コンデンサ(2)が使用される、請求項10〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
動く細長い固体の被検製品(9)において異物を検出するための装置(1)であって、前記被検製品(9)からの静電信号を記録するためのセンサ(2)と前記静電信号を評価して異物を検出するための評価手段(7)とを有する装置において、前記センサ(2)が、前記被検製品(9)上に元々既に存在していた過剰電荷からの静電信号を記録するのに適していることを特徴とする装置。
【請求項18】
前記被検製品(9)からの他の信号を記録するための他のセンサ(2)が存在する、請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記他の信号を記録するための前記センサ(2)が容量式センサである、請求項18記載の装置(1)。
【請求項20】
前記容量式センサが、前記被検製品(9)用の通り穴(26)を備えた測定コンデンサ(2)を含み、前記装置(1)が、前記通り穴(26)に高周波の交流電場を印加する目的で、前記測定コンデンサ(4)に高周波の交流電圧を印加するための手段(4)を有する、請求項18記載の装置(1)。
【請求項21】
静電信号を記録するための前記センサ(2)と前記容量式センサ(2)とが同じセンサ(2)内に実現されている、請求項19または20記載の装置(1)。
【請求項22】
動く細長い固体の被検製品(9)において異物を検出するために静電信号を記録するセンサ(2)の使用において、前記センサ(2)が、前記被検製品(9)上に元々既に存在していた過剰電荷からの静電信号を記録するのに適していることを特徴とする使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−546915(P2008−546915A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516099(P2008−516099)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000306
【国際公開番号】WO2006/133584
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(503169552)ウステル・テヒノロジーズ・アクチエンゲゼルシヤフト (37)
【Fターム(参考)】