説明

動作モードに対する切換えを有するアクティブセンサ

【解決手段】特別な動作モードに切換えるためのアクティブセンサ(1)であって、このセンサ(1)は、少なくとも1つのセンサ素子(2)と、1つの評価回路(3)と、センサ情報を伝送するための端子(41、51)を備えた2つの接続線(4、5)とを有し、このセンサ(1)の供給電圧は、これらの2つの接続線に印加され、このセンサ(1)は、2つの端子に印加される供給電圧の極性を反転することによって、正常動作モードと特別動作モードとの間を切換える使用することが可能である切換えモジュール(6)を有する。
この発明は、さらに、自動車両において、センサ(1)、特には車輪回転速度センサとして、アクティブセンサを作動するための方法、および、そのセンサ1の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1の前文において請求されたようなアクティブセンサ、請求項14の前文において請求されたようなアクティブセンサを作動する方法、および自動車両におけるアクティブセンサの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
2線式インターフェースを備えたアクティブセンサは、文献DE 44 34 978 A1に記述され、前記センサは、センサとエンコーダとの間のエアギャップの臨界の長さを感知するためのテストモードを有し、センサが連続する電圧ビットパターンで作動するという事実による動作電圧を変更することによって、正常動作モードとこのテストモードとの間で切換えることが可能である。
【0003】
文献DE 102 03 483 A1は、異なるモードで作動することができ、かつデータ送信の異なるモードを有しており、車輪速度センサを提案しており、追加の入力による外部からの動作によって、これらの動作モードの間で切換わることが可能である。
【発明の概要】
【0004】
この発明の目的は、正常動作モードに加えて、少なくとも第2の動作モードを有し、さらにこれらの動作モードの間で切換わることができるアクティブセンサを提案することである。この情況においては、特に動作モードを切換えるための動作の単純で信頼できる方法が、可能であるように意図される。
【0005】
この発明によれば、その目的は、請求項1において請求されるようなアクティブセンサおよび請求項14において請求されるような方法によって達成される。
【0006】
この発明は、動作モードの切換え備えたアクティブセンサを提案する考えに基づくものであり、動作モードの切換えは、供給電圧の極性を逆にすることによって達成され、およびまたは、センサは、動作モードを切換えるためのそのような動作のために構成される。
【0007】
供給電圧の極性を逆にすることによって少なくとも2つの動作モードおよびそれらの切換えによって、特に不足電圧検知およびテストモードの両方を実行するために、この発明によるセンサを使用することが可能である。供給電圧の極性を逆にすることによって、動作モードを切換えるためのセンサを作動することは、特に確実に検知可能で単純な動作プロセスである。干渉信号の入力によって動作中に、例えば好ましくなく実行されているこの種の動作のリスクは、低い。
【0008】
センサ素子は、好ましくは、ホール効果の、または様々なマグネト(発電機)抵抗性効果、特に異方性のマグネト(発電機)抵抗性効果のうちの1つに基づいて機能する磁界センサ素子であると理解される。このセンサは、少なくとも正常動作モードおよび特別動作モードにおいて動作することができる。これらの動作モードは、好ましくはさらなるサブ動作モードを有する。特に、このセンサは、文献DE 102 03 483 A1によれば、センサ配置または対応する典型的な実施例のように、特に好ましくは、センサ出力信号の送信チャネルを画定するために追加情報の割当てが、サブ動作モード間で切換えることによって変更することができる切換え手段を有する。サブ動作モードの間で切換えることは、特に好ましくは、センサの動作状態の機能(function)、およびまたは規定されたパラメータの機能として実行され、それらは、特に好ましくはセンサによって得られる。
【0009】
センサの正常動作モードは、少なくとも1つの明示された測定変数が、センサによって得られて処理される動作であると便宜的に理解され、特に、ほぼ故障なし状態に、センサ出力信号に含まれた測定値として利用可能にされる。正常動作モードにおいて、またはセンサの正常通常動作中に、供給電圧は、それに提供される極性、すなわち、「+」に「+」、および「−」に「−」によって接続される。センサの正常動作モードは、特に好ましくは、規定された最低供給電圧が、センサに対して、特に好ましくは、本質的には4Vおよび28Vの間に供給電圧または使用電圧を利用可能である。
【0010】
センサの出力信号は、好ましくは、電子制御装置、特に自動車両制御システムの電子制御装置に送信される。
【0011】
センサは、動作モードの切換えが、自動的に、特に接続線上の動作に基づいて実行されるように構成される。
【0012】
切換えモジュールは、好ましくは、整流器回路、特にブリッジ整流器回路を有しており、それは、特に好ましくは、ダイオードで生じる電圧降下を回避するために4つのMоs−FETから具体化される。整流器回路は、入力側において、センサの2つの接続線に接続される。この整流器回路は、さらに、常に供給電圧の極性の反転の後に、その出力で整流された電圧を利用可能にし、その整流された電圧は、それらの供給電圧の極性の反転を回避しなければならないセンサの、少なくともある部品用の供給電圧として使用される。この整流器回路は、さらに、一般的な極性反転防止手段の効果を有する。
【0013】
切換えモジュールは、便宜的に、センサの供給電圧の極性を識別するための少なくとも第1の比較器回路を有し、この第1の比較器回路は、直接、または間接的に、特に入力側において、特にセンサの2つの接続線、特に好ましくは、この分圧器によって、接続される。代りに、第1の比較器回路は、好ましくは、整流器コンポーネントを横切って、特にダイオードまたはブリッジ整流器回路のトランジスタを横切って、電圧降下を感知することによってセンサの供給電圧を感知する。
【0014】
この第1の比較器回路、およびまたは評価回路の電源端子は、好ましくは、整流器回路の出力端子に接続され、その結果として、上記のコンポーネント用の電源は、センサ供給電圧の極性と無関係にされる。
【0015】
切換えモジュールは、便宜的に、少なくとも1つの規定された電圧閾値に関して、それ自身の動作電圧、およびまたは評価回路の動作電圧を評価するための少なくとも1つのリセット装置を有しており、それは、特に本質的に、具体化され比較器回路として具体化され、さらに、その電源端子によって整流器回路の出力端子に接続される。切換えモジュールは、特に好ましくは、規定された電圧閾値の起こり得る上向きの超過を感知する第1のリセット装置を有し、さらに、定義された電圧閾値の起こり得る到達しないことを感知する第2のリセット装置を有している。これらの2つの電圧閾値は、特に好ましくは、値において完全に等しく、その値は、2つのリセット装置出力をチェックする信頼性を可能にする。
【0016】
切換えモジュールが、特にスイッチとして具体化された、動作モードを切換えるためのスイッチ装置を有し、センサの供給電圧の極性を識別するための第1比較器回路の出力の機能として、さらには、少なくとも1つのリセット装置の出力の機能としてセンサの動作モードを切換えることは、好ましい。この結果として、評価回路が、センサの極性の機能としても、さらには増幅された供給電圧の機能としても作動することができ、また、内部動作モード、またはサブ動作モードをセットすることができる。
【0017】
評価回路は、好ましくは、少なくとも1つのセンサ素子の第1および第2の出力信号が処理される2つのヒステリシス回路を有する信号処理装置を有しており、これらの2つのヒステリシス回路は、並列に接続され、かつ、少なくとも1つの比較器を有する。少なくとも1つのセンサ素子の第1および第2の出力信号は、ここでそれぞれ、非変換入力と変換入力に関して相互に交換された2つの比較器の入力に印加される。結果として、各比較器では、2つのヒステリシス回路の非対称のスイッチング動作が実行される結果、他の比較器の前記電圧差に関して変換される少なくとも1つのセンサ素子の2つの出力信号間の電圧差は、入力側において存在する。特に、分圧器は、ヒステリシス回路の2つの比較器の変換する入力のそれぞれと接続される。前記分圧器は、これらの2つの抵抗器間の第1のノードで第1および第2の抵抗器で構成される。この第1の抵抗器は、第1のノードの反対側に、端子によって、少なくとも1つのセンサ素子の対応する第1または第2の出力信号の信号線に接続され、さらに、その第2の抵抗器は、第1のノードの反対側に、端子によって、トランジスタ経由で、接続端子、特に少なくとも1つのセンサ素子の供給電圧の、マイナス電位の接続する端子に、接続される。この情況においては、このトランジスタ、特に、Mos−FETのゲート/ベース端子は、それぞれの場合に、それぞれの比較器の出力に接続される。その結果として、それぞれの比較器が切換わるときに、ヒステリシス効果が生まれる。2本のヒステリシス回路の第1および第2の抵抗器は、特に好ましくは、対の方式におけるそれぞれの場合に、ヒステリシス回路のスイッチング動作における少なくとも1つのセンサ素子に関してある温度影響を回避することができる結果として、相互に異なる温度係数を有する。それぞれの場合においては、2つのヒステリシス回路の第1の抵抗器は、特に好ましくは、完全に本質的に温度独立抵抗器であり、さらに、それぞれの第2の抵抗器は、特には、センサ素子の出力信号振幅の温度係数に依存する規定された、正または負の温度係数を有する。分圧器、または抵抗器のこの配位は、強い加熱が生じる場合さえ少なくとも1つのセンサ素子の2つの出力信号間の振幅の差が常に周期的にヒステリシス閾値を超えることを保証することを可能にする。
【0018】
評価回路は、好ましくはさらに、センサの規定された出力信号をセットするためにインターフェース回路を有しており、このインターフェース回路は、スイッチ装置によって作動される。 それぞれの動作モードの機能として、およびまたは、少なくとも1つのリセット装置のアウトプットの機能としてこのインターフェース回路を始動する。このインターフェース回路は、特に、センサ出力信号の規定された電力レベルをセットするためのセンサ出力信号の規定された電力レベルをセットするための少なくとも1つの電流ミラー、およびまたは、1つまたはそれ以上の電源を有する。
【0019】
スイッチ装置が、信号処理ユニットによって、センサ出力信号を変調するために使用されるインターフェース回路の回路ブランチのスイッチを切ること、およびまたはスイッチを切ったままにしておくことは、規定された閾値電圧より下の評価回路用の動作電圧の存在によって規定された第1の場合において、さらには、インターフェース回路のスイッチによって、規定された閾値電圧以上の評価回路の動作電圧、および特別な動作モードに対応するセンサに加えられる供給電圧の極性の存在によって、規定された第2の場合において、適切であり、そして、そうでなければ、すなわち、上に規定された2つの場合が、存在しないときには、前記回路ブランチのスイッチを入れ、およびまたはスイッチを入れたままにしておく。その結果として、正常動作モードにおける不足電圧、および特別動作モードにおける過電圧は、センサ出力信号の変調のスイッチを切ることによって表示すか、または電子制御ユニットによって検知することができる。
【0020】
適切であることは、評価回路が、さらに分流器コントローラによって、特に好ましくは、ツェナーダイオードによって、特別に提供された、少なくとも1つのセンサ素子の供給電圧を安定させるための、電圧安定化ユニット、およびまたは、センサ出力電流信号を形成するための基準電流を本質的に駆動する電源、およびまたは、基準電圧を利用可能にするための基準電圧ユニットを有することであり、この基準電圧は、特に信号処理ユニット、特に好ましくは、信号処理ユニットの演算増幅器、電源、および電圧安定化ユニットに利用可能にされる。
【0021】
センサは、車輪速度センサであり、相応して構成されることが好ましい。
【0022】
センサが、特にASICとして集積回路として少なくとも部分的に具体化されることは適切である。
【0023】
センサ素子、およびまたは評価回路および切換えモジュールのような特別なある部分において、センサ全体は、好ましくは1つのチップに一体化される。
【0024】
車輪速度センサのようなセンサの実施例については、後者は、適切に、テスト動作モードを有し、そのようなテスト動作モードにおけるセンサは、例えば3Vから4Vの供給電圧によって、作動する。
【0025】
そのようなテスト動作モードは、特に自動車両の車輪速度センサ配置におけるセンサの正確な搭載をチェックする役目をする。この情況において、センサの供給電圧は、センサ信号が不在である限り、減少される。センサ信号がもはや生じない、またはセンサがもはやエンコーダ動作を感知することができない、さらにもはや対応する信号を送信することができない電圧は、センサの搭載品質の尺度であって、エンコーダおよびセンサ素子と、正常動作モードにおける対応するエアギャップの蓄えとの間の磁気エアギャップの長さに関して結論が引き出されることを可能にする。
【0026】
その方法に関して、好ましいのは、エンコーダとセンサすなわち少なくとも1つのセンサ素子との間のエアギャップ決定するために、正常動作モードからテスト動作モードへの供給電圧の極性を反転することによって、センサを切換えることである。この後に、供給電圧は、センサがもはやエンコーダ動作によって変調され、規定された最小の振幅を有する出力信号を供給しないときまで、規定された電圧価値からスタートして、減少される。
【0027】
その結果として、センサの上述した搭載品質は、評価することができ、さらに、エンコーダとセンサ素子との間のエアギャップの長さは、感知することができる。
【0028】
代案として、この発明による方法は、好ましくは、供給電圧の極性を逆にすることによってセンサを正常動作モードからプログラミングモードに切換えることによって、開発される。この後に、センサをプログラムし、およびまたは正確に測定するためのデータは、電子制御ユニットからセンサに送信される。
【0029】
プログラミングモードに切換えるこの方法は、欠点に関して比較的単純かつ強健である。
【0030】
この発明は、さらに自動車両において、この発明によるセンサ、特に車輪速度センサの使用に関する。
【0031】
この発明によるセンサは、好ましくは、特に自動車両において安全性に厳しい開発領域において使用される。この情況において、前記センサは、特に好ましくは、直線状の、およびまたは、回転移動を感知するために使用される。このセンサのテスト動作モードは、実際に特に好ましくは、センサがそれぞれのセンサ配置、特にメーカの構内に搭載された後に、搭載品質およびエアギャップ蓄えを評価することができるように、使用される。
【0032】
その結果として、低価格センサの運用上の品質および安全性は、それはエアギャップの長さの独立した感知の可能性を有していないが、改善することができる。
【0033】
さらに、従属請求項、および概要の例証における各場合における図に関する典型的な実施例の以下の記述から、好ましい実施例が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】車輪速度センサとしてのアクティブセンサの典型的な実施例を示す。
【図2】ブリッジ整流器の典型的な実施例を示す。
【図3】ほぼ温度独立したヒステリシス回路を備えた典型的な信号処理ユニットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、車輪速度センサとして具体化され、追加の接続線が接続線4および5の延長として接続される端子41および51に対する接続線4および5を有する、典型的なアクティブセンサ1を例証する。アクティブセンサ1は、これらの追加の接続線を経由して、自動車両ブレーキシステムの電子制御ユニットECUに接続される。
【0036】
センサ出力信号は、接続線4および5、または、追加の接続線を備えた延長としての接続線4および5経由で送信され、さらに、供給電圧は、これらの線4および5で利用可能にされる。センサ1の動作モードは、印加された供給電圧の極性によってセットされるか、切換えられる。「+」で極性「+」を、さらに「−」で「−」を与えられ、センサは、正常動作モードにおいて作動する。「−」に極性「+」を、さらに「+」に「−」を与えられ、センサは、特別な動作モード、または、例えば、テスト動作モードにおいて作動する。正常なセンサモードにおいては、テスト動作モードにおいて、実際の電圧範囲が、3Vと4Vとの間にある一方で、使用電圧範囲は、4Vと28Vとの間にある。4Vを越える電圧の場合には、センサは、リセット状態におけるテスト動作モードにある。このことは、車両におけるセンサ1の正しくない接続が、直ちに知らされることを保証する。アクティブセンサ1は、AMRセンサブリッジ、評価回路3、および切換えモジュール6として具体化されるセンサ素子2を有する。センサブリッジ2は、車輪に恒久的に接続される磁気エンコーダ(例証せず)の回転移動(movement)、またはエンコーダ移動によって変調される磁界を感知する。さらに、センサ1が、過度に高い電圧にリンクされる場合にそれが破損されないように、センサ1は、過電圧保護ユニット7を有する。動作モードを切換えるための切換えモジュール6は、ブリッジ整流器回路61と、第1の比較器回路62と、2つのリセット装置63、64であって、それは、例えば、それぞれ比較器として具体化され、さらに、それは、評価回路3の供給電圧を評価するものと、およびスイッチ装置65とを有する。各場合に、1つの規定された電圧閾値、またはリセットされた閾値に関して、特に一度は、評価回路3の供給電圧が、4Vより高いかどうかを決定するために、さらに他の時間には評価回路3の供給電圧が、4V未満であるかどうかを決定する。比較器回路62は、センサ1の供給電圧の極性の機能として、比較器回路62が、センサ1の供給電圧の極性をスイッチするか、スイッチしないか、または、感知するのと同様な方法で、ブリッジ整流器回路61に接続される。整流器回路61は、入力側において接続線4および5に接続され、さらに比較器62と、リセット装置63および64と、評価回路3と、およびセンサ素子2とのための供給電圧として整流された電圧を出力側において利用可能にする。評価回路3は、インターフェース回路32用の規定された大きさの電源信号を利用可能にする電源を有する。さらに、評価回路3は、センサ素子2の出力信号を処理し、エンコーダ動作に従って変調されるデジタル交流信号を生成し、出力する信号処理ユニット31を有する。さらに、評価回路3は、信号処理ユニット31と、電源33と、および電圧安定化ユニット34とに、規定された大きさの基準電圧を利用可能にする基準電圧ユニット35を有している。電圧安定化ユニット34は、例えば、センサ素子2の供給電圧および例えば同様に信号処理ユニット31の供給電圧であって、それは並列にそれに接続されるものが、ほぼ一定の規定された値にセットされるツェナーダイオードから構成される。信号処理ユニット31の出力信号は、エンコーダ移動の機能またはこの信号処理ユニット31のデジタル出力信号の周期としてインターフェース回路32のスイッチ321のスイッチを入れたり切ったりし、その結果として、センサ素子2の供給電圧および、例えば同様に信号処理ユニット31の供給電圧であって、インターフェース回路32の利得係数は、それぞれ切換わり、さらに、センサ出力電流信号の振幅は、前記利得係数の関数として2つの規定された振幅値間で変化する。スイッチ装置65は、比較器回路62の出力の機能として、インターフェース回路32のスイッチ322にリセット装置63および64の2つのリセット信号を送信する。このスイッチ322が開かれる場合、エンコーダ移動によって変調された、信号処理デバイス31の出力信号は、切られるか、または、通過(pass on)しない。この設計は、不足電圧リセットが、特に、信号処理デバイス31が、非クロック方式(non-clocked fashion)でセンサ出力信号を変調するか、または前記信号処理装置31が、ECUに対して低振幅を有する規定された一定のセンサ出力信号を送信する正常動作モードにおいて実行することができるという長所を有する。さらに、過電圧リセットを、テスト動作モードにおいて実行することができ、特にそのリセットする間に、上述の手段が、さらに実行される。加えて、上述した設計は、さらに極性反転保護を有する。
【0037】
図2は、ブリッジ整流器回路61の典型的な実施例を例証する。4つのダイオードを備えた通例のブリッジ整流器回路において、規定された電圧が2つのダイオードを横切って降下し、さらにダイオード電圧降下と呼ばれる。したがって、評価回路3に利用可能である実際の電圧は、ダイオードのp−n接合で、ほぼ、電圧降下(0.6V〜0.8V)の2倍を減じたセンサ1の供給電圧に起因する。正常動作モードにおける実際の電圧は、最低で4Vであるので、その評価回路は、この場合には、単に、およそ2.4Vで動作される。このことは、特別に、さらに内部電圧降下が、例えばインターフェース回路32を横切って、評価回路3に生じ、さらにその結果、さらに低い実際の電圧が、対応して下流に配置される回路およびまたは部品に利用可能であるので、望ましくない。図2において例証されるブリッジ整流器回路61は、ダイオードの代わりにMоs−FETを使用し、その結果として、回路の内部電圧低下は著しく減少することができ、さらに、したがって、より高い実際の電圧が、評価回路3に利用可能である。
【0038】
図3は、典型的な信号処理ユニット31を示す。センサ素子出力信号SIGAおよびSIGB、およびそれらの電圧差Vdsigであって、相互に関して180°だけ位相変更されたものが、後者に接続される。信号処理ユニット31は、4つの演算増幅器を備えた増幅回路313を有する。代案として、例証されていない典型的な実施例によれば、増幅回路313も、少なくとも1つの機器増幅器(instrument amplifier)から形成することができる。さらに、信号処理ユニット31は、2つのヒステリシス回路311および312と、入力側でそのヒステリシス回路311および312の出力に接続されるANDゲート314と、および入力側でANDゲート314に接続されるトグルフリップフロップ315を有する。ヒステリシス回路311および312は、それぞれ、演算増幅器として具体化された比較器3112、3122と、それぞれトランジスタ3113および3123だけでなく第1の抵抗器1kおよび第2の抵抗器82kを備えた分圧器3111、3121とを有する。演算増幅器は、すべてセンサブリッジBRP(ブリッジ供給プラス)およびBRM(ブリッジ供給マイナス)の電圧供給に、ともに接続される。
【0039】
磁界センサ素子、特にはマグネト抵抗性(magneto-resistive)センサ素子は、とりわけ、温度が増加しながら信号振幅がより低くなる特性を有する。したがって、信号電圧の温度によって切換えヒステリシスを適応することは、アナログからデジタル信号に変換する場合に、望ましい。
【0040】
このことは、ヒステリシスを決定し、かつ、その2つの抵抗器が異なる温度係数を備えた異なる材料から構成される分圧器3111および3121によってなされる。対応する寸法取りによって、ヒステリシス電圧の温度依存性は、信号電圧の温度依存性に適応されることができる。さらに、信号処理装置31、および、そのヒステリシス回路311および312は、2つの比較器3112、3122に関して非対称のヒステリシスを有する。これらの比較器3112および3122は、それぞれ、増幅回路313 SIG_OUT1およびSIG_OUT2の2つの出力信号の振幅のゼロのクロスオーバー、または横断地点でスイッチされ、そのことは、これらの2つの信号のプロファイルの停止(the rest of the signal profile)に依存しない2つの比較器3112および3122のスイッチングに帰着する。例えば、その端子に印加された差動電圧の極性における変化がある場合は,
常に、比較器3112はスイッチされる。SIG_OUT2の振幅が、SIG_OUT1(比較器3112の「−」に印加される)の振幅を超える(比較器3112の「+」に印加される)場合には、「1」、または高い信号が、比較器3112の出力に印加される。この「1」は、トランジスタ3113をスイッチし、この場合に、Mos−FETは、それぞれの場合に、SIG_OUT1の電圧に起因し、かつ、分圧器3111の電気抵抗値に対応する電圧に応じて、抵抗器1kおよび82k5でセットされる。このMos−FET 3113のスイッチオンの結果、潜在的なBRM(ブリッジ供給マイナス)は、比較器の反対側に、抵抗器82k5の端子に印加され、その潜在的なBRMは、磁界センサブリッジの供給電圧の負電位である。その結果として、比較器3112の反転入力に印加される電圧は、より多くの負となる。したがって、SIG_OUT2が、活性化された分圧器に起因する比較器K1の反転入力に完全には印加されないので、SIG_OUT1からSIG_OUT2の振幅の値までの振幅の上昇は、「0」出力信号に対して比較器を切換えるには十分ではない。それから、信号SIG_OUT1およびSIG_OUT2の通常より低い振幅が結果するのであるが、磁界センサブリッジのより高温において、このヒステリシスは、著しくSIG_OUT2と比較器1の反転入力に適用されるSIG_OUT1の割合との間の振幅における最大の差が、ヒステリシス閾値より低いので、平均温度では、または、ある温度より上で、それが全く起こりさえしなかったより著しく遅く生じる比較器3112の切換えに先行する。この理由のために、抵抗器1kおよび分圧器の82k5は、異なる温度係数を有する。この典型的な実施例においは、抵抗器1kは、温度とほぼ無関係に構成され、また、抵抗器82k5は、例えば、センサ素子ブリッジの振幅プロファイルの負の温度係数を補償するために、正の温度係数を有する。その結果として、温度が上昇すると、より高電圧が、抵抗器82k5に現われ、そして、比較的に高い電位が、比較器3112の反転入力(「−」)に現われる。このことは、比較的高い度合いの加熱がある場合に、SIG_OUT2と比較器3112の反転入力にさらに周期的に現われるSIG_OUT1の割合との間の振幅の差がヒステリシス閾値を越えることを保証する。ヒステリシス回路312の機能化の方法は、一致し、信号SIG_OUT1およびSIG_OUT2用の比較器K1の信号分枝に関して反転している。ヒステリシス回路311および312の出力信号は、1つの信号の負の端縁が他の信号の正の端縁よりも遅く生じるので、ヒステリシスに起因する高いレベルまたは状態「1」とオーバーラップし、その結果として、「1」または正の信号の端縁が、ANDゲート314で各周期のための出力側で生じる。したがって、その周期がエンコーダの移動の速度または回転速度と相互に関連するとともに、その信号端縁が入力信号のゼロのクロスオーバーと年代順に相互に関連するほぼ矩形波交流信号が、信号処理装置31の出力信号として生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ(1)は、少なくとも1つのセンサ素子(2)と、それぞれセンサ情報を送信するための端子(41、51)を備えた1つの評価回路(3)および2つの接続線(4、5)とを有し、このセンサ(1)の供給電圧は、これらの2つの接続線に印加されてなり、このセンサ(1)は、2つの端子に印加される供給電圧の極性を反転することによって正常動作モードおよび特別動作モードの間に切換えることが可能である切換えモジュール(6)を有することを特徴とする特別な動作モードに切換えるためのアクティブセンサ(1)。
【請求項2】
切換えモジュール(6)は、整流器回路(61)、特にはブリッジ整流器回路を有しており、それは、入力側において2つの接続線(4、5)に接続されることを特徴とする請求項1記載のセンサ(1)。
【請求項3】
整流器回路(61)は、4つのMos−FETを備えたブリッジ整流器回路として具体化されることを特徴とする請求項2記載のセンサ(1)。
【請求項4】
切換えモジュール(6)は、供給電圧の極性を識別するための少なくとも第1の比較器回路(62)を有し、この第1の比較器回路(62)は、その入力側において2つの接続線(4、5)に、直接または間接的に接続されることを特徴とする請求項1〜3の少なくとも1項記載のセンサ(1)。
【請求項5】
第1の比較器回路(62)およびまたは評価回路(3)の電源端子が、整流器回路(61)の出力端子に接続されることを特徴とする請求項4記載のセンサ(1)。
【請求項6】
切換えモジュール(6)は、少なくとも1つの規定された電圧閾値に関してそれ自身の動作電圧およびまたは評価回路(3)の動作電圧を評価するための、少なくとも1つのリセット装置(63、64)を有することを特徴とする請求項1〜5の少なくとも1項記載のセンサ(1)。
【請求項7】
切換えモジュール(6)は、動作モードを切換えるためのスイッチ装置(65)を有し、このスイッチ装置(65)は、供給電圧の極性を識別するための第1の比較器回路(62)の出力の機能として、さらには少なくとも1つのリセット装置(63、64)の1つまたはそれ以上の出力の機能として、センサ(1)の動作モードを切換えることを特徴とする請求項4〜6の少なくとも1項記載のセンサ(1)。
【請求項8】
評価回路(3)は、少なくとも1つのセンサ素子(2)の第1および第2の出力信号(SIGA、SIGB)が処理される2つのヒステリシス回路(311、312)を有する信号処理ユニット(31)を有するとともに、これらの2つのヒステリシス回路(311、312)は、並列に接続され、それぞれ少なくとも1つの比較器(3112、3122)を有し、少なくとも1つのセンサ素子(2)の第1および第2の出力信号(SIGA、SIGB)は、非反転入力および反転入力に関して相互に交換された2つの比較器(3112、3122)の入力にそれぞれ印加されることを特徴とする請求項1〜7の少なくとも1項記載のセンサ(1)。
【請求項9】
分圧器(3111、3121)は、ヒステリシス回路(311、312)の2つの比較器(3112、3122)の反転入力のそれぞれに接続され、前記分圧器(3111、3121)は、これらの2つの抵抗器間の第1のノードの、第1および第2の抵抗器から構成され、さらに、第1の抵抗器は、この第1のノードとは反対側で端子によって、接続端子、特には少なくとも1つのセンサ素子(2)の対応する第1または第2の出力信号の信号線に接続され、第2の抵抗器は、第1のノードの反対側で端子によって、接続端子、特にはトランジスタ(3113、3123)によって少なくとも1つのセンサ素子(2)の供給電圧の負電位の接続端子に接続され、さらに、このトランジスタ(3113、3123)のゲート/ベース端子は、それぞれの比較器(3112、3122)の出力に接続され、その結果として、それぞれの比較器(3112、3122)が切換る場合には、ヒステリシス効果が生じることを特徴とする請求項8記載のセンサ(1)。
【請求項10】
2つヒステリシス回路(311、312)の第1および第2の抵抗器は、対の方式(paired fashion)におけるそれぞれの場合において、相互に異なる温度係数を有することを特徴とする請求項9記載のセンサ(1)。
【請求項11】
それぞれの場合において、2つのヒステリシス回路(311、312)の第1の抵抗器は、ほぼ温度非依存の抵抗器であり、さらにそれぞれ第2の抵抗器は、規定された、正または負の温度係数を備えた抵抗器であることを特徴とする請求項9または10記載のセンサ(1)。
【請求項12】
評価回路(3)は、センサ(3)の規定された出力信号をセットするためのインターフェース回路(32)を有し、さらにこのインターフェース回路(32)は、それぞれの動作モードの機能として、スイッチ装置(65)によって動作することを特徴とする請求項7〜11の少なくとも1項記載のセンサ(1)。
【請求項13】
スイッチ装置(65)は、第1の場合において、規定された閾値電圧より下の評価回路(3)用の動作電圧があり、センサ(1)に印加される供給電圧の極性が、正常動作モードに対応する場合に、また、第2の場合において、規定された閾値電圧以上の評価回路(3)の動作電圧があり、センサに印加される供給電圧の極性が、インターフェース回路(32)のスイッチ(322)によって、特別の動作モードに対応する場合に、信号処理ユニット(31)によってセンサ出力信号を変調するために使用されるインターフェース回路(321)の回路分枝をスイッチを切る、およびまたは、スイッチを切ったままにし、そして、そうでない場合には、回路分枝においてスイッチを入れる、およびまたは、スイッチを入れたままにすることを特徴とする請求項12記載のセンサ(1)。
【請求項14】
センサ(1)は、少なくとも1つのセンサ素子(2)と、評価回路(3)と、およびそれぞれセンサ情報を送信するための端子(41、51)を備えた2つの接続線(4、5)とを有し、センサ(1)は、少なくとも2つの動作モードにおいて動作することができ、かつ2つの接続線(4、5)によって活動的に作動し、供給され、その切換えは、2つの接続線(4、5)に印加された供給電圧の極性を反転することによって、正常動作モードと特別動作モードとの間で実行されることを特徴とするアクティブセンサ、特には、請求項1〜13の少なくとも1項記載のアクティブセンサセンサを作動するための方法。
【請求項15】
エンコーダとセンサ(1)との間のエアギャップを決定するために、前記センサ(1)は、供給電圧の極性を反転することによって正常動作モードから、テスト動作モードに切換えられ、その後に、供給電圧は、規定された電圧値から開始して、センサが、エンコーダ移動によって変調され、もはや、規定された最小振幅を有する出力信号を供給しないまで、減少されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
センサ(1)は、供給電圧の極性を反転することによって、正常動作モードからプログラミングモードへセンサ(1)に切換え、その後に、センサ(1)をプログラムし、および/または調整するためのデータが、電子制御ユニット(ECU)からセンサ(1)に送信されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項17】
自動車両において、特に車輪速度センサとして、請求項1〜13の少なくとも1項記載のセンサの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−501920(P2010−501920A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525033(P2009−525033)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058554
【国際公開番号】WO2008/022968
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(500030596)コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー (126)
【Fターム(参考)】