説明

動作体玩具

【課題】 興趣性の高い動作体玩具を低コストで実現する。
【解決手段】 動物または人の形を模した形状を有する動作体玩具100であって、音声出力部を有し、かつ、肢部131〜133が動作可能に取り付けられた胴体部120と、胴体部120に対して、動作可能に取り付けられた首部によって支持されており、移動体通信機器150が嵌合されることで、移動体通信機器150を動作体玩具100の顔面位置において保持する頭部110と、頭部110において保持された移動体通信機器150に対するユーザ入力に応じて出力される信号を、胴体部120が有する音声出力部及び胴体部120に取り付けられた肢部131〜133を動作させる制御部に伝送するための伝送部材114とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作体玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、モータ駆動により四肢が動作可能な人形体に対して、携帯電話機等の移動体通信機器を接続し、該移動体通信機器の制御のもとで、人形体の四肢を動作させる玩具が一般に知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−163725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、携帯電話機に予め格納されたアプリケーションを実行させることで人形体の四肢を動作させる構成を前提としており、例えば、ユーザとの対話を行いながら、その対話内容に応じて人形体の四肢を変化させるといった構成になっていない。また、ぬいぐるみのような人形の四肢を動作させるだけであり、表情の変化等は表現できず、表現に乏しいものものであった。このため、動作が一様であり、興趣性に欠けるという問題があった。
【0005】
また、上記特許文献1の場合、携帯電話機の外部通信用のコネクタに接続することで、人形体の四肢の動作に用いられる信号を受信する構成となっており、人形体側において、携帯電話機の外部通信用のコネクタに接続するためのインタフェースを用意しておく必要があった。このため、コストがかかるという問題もあった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、興趣性の高い動作体玩具を低コストで実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明に係る動作体玩具は以下のような構成を備える。即ち、
動物または人の形等の特定の形状を模した形状を有する動作体玩具であって、
肢部が動作可能に取り付けられた胴体部と、
前記胴体部に対して、動作可能に取り付けられた首部によって支持されており、通信機器が嵌合されることで、該通信機器を前記動作体玩具の顔面位置において保持する頭部と、
前記頭部において保持された前記通信機器から出力される信号を、前記胴体部に取り付けられた前記肢部を動作させる制御部に伝送するための伝送部材とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、興趣性の高い動作体玩具を低コストで実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る動作体玩具の外観構成を示す図である。
【図2】動作体玩具に移動体通信機器を取り付けた様子を示す図である。
【図3】動作体玩具の可動部を示す図である。
【図4】移動体通信機器と動作体玩具との接続を説明するための図である。
【図5】動作体玩具の機能構成を示す図である。
【図6】移動体通信機器の機能構成を示す図である。
【図7】移動体通信機器における処理の流れを示す図である。
【図8】表示制御プログラムにより移動体通信機器の表示部に表示された表示内容の一例を示す図である。
【図9】モータ駆動制御プログラムにより制御された動作体玩具の動作内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
<1.動作体玩具の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る動作体玩具100の外観構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る動作体玩具100は、犬を模した形状を有している。なお、動作体玩具100の形状は、犬を模した形状に限定されるものではなく、他の動物や人等の特定の形状を模した形状であってもよい。
【0012】
図1において、110は頭部であり、嵌合部113にスマートフォン150等の移動体通信機器が嵌合されるよう構成されている。このように、スマートフォン150が動作体玩具100の頭部110の一部(顔面部)を形成するよう、該スマートフォン150を動作体玩具100の顔面位置において保持する構成とすることで、嵌合部113に嵌合された状態でも、ユーザは、容易にスマートフォン150を操作することが可能となる。この結果、スマートフォン150側にて、ユーザと対話しながら、動作体玩具100を動作させることができる興趣性の高いアプリケーションを搭載することが可能となる。
【0013】
なお、本実施形態では、スマートフォン等の移動体通信機器を用いて説明しているが、表示部を有し、かつ、動作体玩具の動作を制御する信号または動作体玩具に設けられた音声出力部から音声を出力するための信号を出力可能な通信機器であればこれに限られることはない。
【0014】
嵌合部113の側壁には信号を伝送する伝送部材としてのイヤホンジャック114が配されており、スマートフォン150が嵌合部113に嵌合された状態で、スマートフォン150と動作体玩具100とが、当該イヤホンジャック114により電気的に接続されることで、信号の伝送が可能となる。
【0015】
更に、頭部110の外側側面には、右耳部111と左耳部112とがそれぞれ配されており、嵌合部113に嵌合されたスマートフォン150の表示部に表示される、犬の顔を示す顔面画像と協働して、犬の頭部を形成する。
【0016】
120は胴体部であり、肢部(右前足部131、左前足部132、図1において不図示の右後足部、左後足部133)と、尻尾部141とが、スマートフォン150からの制御信号に基づいて動作可能に取り付けられている。胴体部120に取り付けられた各足部(131〜133)の先端には、それぞれ、回動自在に構成された車輪が取り付けられており、これにより、四肢が動作した際に、動作体玩具100が床面上を滑らかに移動することができる。
【0017】
また、胴体部120には、スピーカ部等の音声出力部(不図示)が設けられており、スマートフォン150からの音声信号に基づいて音声が出力されるよう構成されている。
【0018】
<2.移動体通信機器を取り付けた場合の動作体玩具の全体構成>
次に、移動体通信機器を取り付けた場合の動作体玩具の全体構成について説明する。図2は、動作体玩具100にスマートフォン150を取り付けた様子を示す図である。図2に示すように、動作体玩具100の頭部110にスマートフォン150を嵌合させた状態で、所定の動作体玩具動作アプリケーションを動作させ、スマートフォン150の表示部に犬の顔を示す顔面画像(イヤホンジャック114が接続された側を頭側とし、イヤホンジャック114が接続された側と対向する側を顎側とする顔面画像)を表示させることで、全体として、犬型の動作体玩具を形成することができる。
【0019】
<3.可動部についての説明>
次に、スマートフォン150からの制御信号に基づいて動作する、動作体玩具100の可動部について説明する。図3は、動作体玩具100の可動部について説明するために、動作体玩具100を側面から見た様子を示す図である。
【0020】
図3に示すように、頭部110は首部300により背面から支持されている。首部300は、胴体部120に対して、回動軸301周りに回動するよう構成されている。首部300が回動軸301周りを矢印301A方向に所定角度回動することで、犬が顔を上げた状態を表現することができ、矢印301B方向に所定角度回動することで、犬がうつむいた状態を表現することができる。
【0021】
尻尾部141は、胴体部120に対して、回動軸302周りに回動するよう構成されている。尻尾部141が回動軸302周りを所定角度の範囲内で往復動作することで、犬が尻尾を振っている状態を表現することができる。
【0022】
左前足部132及び左後足部133は、胴体部120に対して、回動軸303及び回動軸304周りにそれぞれ回動するよう構成されている。また、右前足部131及び右後足部134は、胴体部120に対して、回動軸305及び306周りにそれぞれ回動するよう構成されている。
【0023】
各足部131〜134が回動軸303〜306周りにそれぞれ所定角度回動することで、犬が歩いたり、おすわりしたりする状態を表現することができる。
【0024】
<4.移動体通信機器と動作体玩具との電気的接続>
次に、移動体通信機器と動作体玩具との電気的接続について説明する。図4は、スマートフォン150と動作体玩具100とを電気的に接続するためのインタフェースを示した図である。図4に示すように、スマートフォン150と動作体玩具100とは、いわゆるイヤホンジャック114と呼ばれるインタフェースにより接続される。このように、スマートフォン150と動作体玩具100との電気的接続において、イヤホンジャック114を用いる構成とすることで、従来のような外部通信用のコネクタを介して接続する場合と比較して、低コストにより実現することが可能となる。
【0025】
イヤホンジャック114は、胴体部120の信号受信部(後述)から延設され、首部300の内部を通って頭部110まで配設されており、その先端部は、頭部110の嵌合部113の上側側壁から外部に露出している(図1参照)。
【0026】
イヤホンジャック114の先端部は、少なくとも3極のコネクタを有しており、一般に、接地用に用いられるスリーブ部401と、右チャンネル用の音声信号に用いられるリング部402と、左チャンネル用の音声信号に用いられるチップ部403とで構成され、各部は、絶縁リング404により絶縁されている。
【0027】
本実施形態に係る動作体玩具100では、右チャンネル用の音声信号に用いられるリング部402または左チャンネル用の音声信号に用いられるチップ部403のうちのいずれか一方を、音声信号の伝送に利用し、他方を上記回動軸周りの回動動作に用いられる制御信号の伝送に利用する。なお、以下では、説明の便宜上、チップ部403を回動軸周りの回動動作に用いられる制御信号の伝送に利用するものとする。
【0028】
411は、リング部402と接続された配線(第1の伝送経路)であり、スマートフォン150から出力された音声信号(アナログ信号)を胴体部120の音声出力部(例えば、スピーカ部)に向けて伝送する。412は、チップ部403と接続された配線(第2の伝送経路)であり、スマートフォン150から出力された制御信号(例えば、パルス信号)を胴体部120内の動作制御部(後述)に向けて伝送する。413は、スリーブ部401と接続された配線であり、胴体部120内において接地される。
【0029】
本実施形態に係る動作体玩具100では、イヤホンジャックの右チャンネル用の音声信号出力端子または左チャンネル用の音声信号出力端子からそれぞれ異なる信号を出力している。それにより、イヤホンジャックから単一の信号が出力され、動作体玩具100の内部で音声出力用の音声信号と動作体玩具の動作制御信号とに分けるための制御部を設ける場合に比べて、動作体玩具100を簡易な構成で実現することができる。したがって、本実施形態に係る動作体玩具100では、回路構成を簡易化することができ、コストを低減することができる。
【0030】
なお、本実施形態では、イヤホンジャックの右チャンネル用の音声信号出力端子または左チャンネル用の音声信号出力端子からそれぞれ、音声信号または制御信号を出力しているが、これに限られることはなく、動作体玩具100の動作に応じて、適宜信号を出力すればよい。例えば、動作体玩具100が音声出力部と発光部とを有するものの場合、イヤホンジャックの右チャンネル用の音声信号出力端子または左チャンネル用の音声信号出力端子からそれぞれ、音声出力部または発光部の動作信号を出力するようにすればよいし、動作体玩具100が発光部と玩具本体の四肢等を駆動する駆動機構とを有するものの場合、イヤホンジャックの右チャンネル用の音声信号出力端子または左チャンネル用の音声信号出力端子からそれぞれ、発光部または該駆動機構の動作信号を出力するようにすればよい。
【0031】
<5.動作体玩具の機能構成>
次に、動作体玩具100の胴体部120内部の機能構成について説明する。図5は、動作体玩具100の胴体部120の機能構成を示す図である。図5において、510は信号受信部であり、イヤホンジャック114が接続されている。
【0032】
信号受信部510は、配線411を介してスマートフォン150から伝送された音声信号をスピーカ部520に送信する。また、配線412を介してスマートフォン150から伝送された制御信号を動作制御部530に伝送する。更に、配線413を接地する。
【0033】
520はスピーカ部であり、信号受信部510から送信された音声信号に基づいて、音声を出力する。530は動作制御部であり、信号受信部510から送信された制御信号に基づいて、動作対象と動作内容を識別する。更に、識別した動作対象の動作モータを、識別した動作内容に従って動作させるよう、各動作モータに対して駆動信号を出力する。
【0034】
動作制御部530には、各動作モータが接続されている。541は首部動作モータであり、回動軸301周りに首部300を回動させるためのモータである。542は右前足動作モータであり、回動軸305周りに右前足部131を回動させるためのモータである。543は左前足動作モータであり、回動軸303周りに左前足部132を回動させるためのモータである。
【0035】
更に、544及び545はそれぞれ右後足動作モータ及び左後足動作モータであり、回動軸306及び回動軸304周りに右後足部134または左後足部133を回動させるためのモータである。更に、546は尻尾動作モータであり、尻尾部141を回動軸302周りに回動させるためのモータである。
【0036】
<6.移動体通信機器の機能構成>
次に、移動体通信機器の機能構成について説明する。図6はスマートフォン150の機能構成を示す図である。図6に示すようにスマートフォン150は、制御部(コンピュータ)611、メモリ部612、表示部613、イヤホンジャック用コネクタ部614、マイクロフォン部615、スピーカ部616、カメラ部617、無線通信部618、外部通信用I/F部619、電源制御部620を備える。
【0037】
制御部611ではメモリ部612に記憶された各種プログラムやデータを読み出し、処理を実行することにより、後述する動作体玩具動作機能を実現する。
【0038】
メモリ部612は、動作体玩具動作機能を実現するための動作体玩具動作アプリケーション600を記憶している。動作体玩具動作アプリケーション600は、表示部613の表示を制御する表示制御プログラム601と、動作体玩具100のスピーカ部520に出力する音声を制御する音声出力制御プログラム602と、動作体玩具100の動作制御部530に制御信号を出力するためのモータ駆動制御プログラム603とを備える。
【0039】
表示部613は表示制御プログラム601による制御のもと、各種画像を表示する。なお、表示部613はタッチパネル機能を有しており、ユーザは、表示部613に直接触れることで、各種指示を入力することができる。
【0040】
イヤホンジャック用コネクタ部614は、通常は、イヤホンジャックが接続され、音声信号(ステレオ信号)を当該接続されたイヤホンジャックに対して出力する。なお、本実施形態においては、イヤホンジャック114が接続され、動作体玩具動作アプリケーション600が起動された場合にあっては、音声信号と制御信号とを出力する。
【0041】
マイクロフォン部615は、ユーザの音声を検出するものであり、通常は、通話時等に用いられる。なお、動作体玩具動作アプリケーション600が起動された場合にあっては、ユーザからの音声指示を検出するために用いられる。
【0042】
スピーカ部616は、イヤホンジャック用コネクタ部614にイヤホンジャックが接続されていない状態において音声を出力するのに用いられ、通常は、音楽視聴時や通話時等に用いられる。
【0043】
カメラ部617は、静止画像または動画像を撮像する際に用いられる。ただし、本実施形態においては、動作体玩具動作アプリケーション600が起動した場合においても動作させることが可能であり、この場合、カメラ部617を介して撮像された静止画像または動画像を処理し、その処理結果に基づいて、表示部613の表示内容を変更させたり、動作体玩具100のスピーカ部520に出力する音声信号を変更させたり、動作体玩具100の動作制御部530に出力する制御信号を変更させたりすることができる。
【0044】
無線通信部618は、通話やメールの送受信等のように、外部の装置と無線通信を行う際に用いられる。なお、動作体玩具動作アプリケーション600が起動された場合にあっては、無線通信部618において着呼やメール受信を認識した際に、表示部613の表示内容を変更させたり、動作体玩具100のスピーカ部520に出力する音声信号を変更させたり、動作体玩具100の動作制御部530に出力する制御信号を変更させたりすることができる。
【0045】
外部通信用I/F部619は、外部機器と有線での通信を行うために、外部機器との間で通信ケーブルを接続する際に用いられる。なお、動作体玩具100へ出力される音声信号や制御信号は、上述したように、イヤホンジャック用コネクタ部614を介して出力されるため、これらの信号出力に際して、外部通信用I/F部619が用いられることはない。
【0046】
電源制御部620は、スマートフォン150の各部に電力を供給する内部電池(不図示)を管理する機能を有しており、内部電池の残容量を監視することができる。なお、動作体玩具動作アプリケーション600が起動された場合にあっては、電源制御部620において内部電池の残容量が所定値以下となったことを検知したことに応じて、動作制御部530に出力する制御信号にその旨を付加することで、動作体玩具100における動作内容を変更させることができる。
【0047】
<7.移動体通信機器における処理の流れ>
次に、移動体通信機器における処理の流れについて説明する。図7は、スマートフォン150を用いて動作体玩具100を動作させるための、スマートフォン150における処理の流れを示す図である。
【0048】
スマートフォン150の電源を投入した後、イヤホンジャック114を接続し、スマートフォン150を動作体玩具100の頭部110に嵌合させた状態で、図7に示す処理が開始される。
【0049】
ステップS701では、ユーザからの指示に応じて動作体玩具動作アプリケーション600を起動する。ステップS702では、表示部613が有するタッチパネル機能を介してユーザより入力された指示内容を認識する。
【0050】
ステップS703では、ステップS702において入力された指示内容が、動作体玩具動作アプリケーション600を終了させるための指示であるか否かを判定する。ステップS703において、動作体玩具動作アプリケーション600を終了させるための指示であると判定された場合には、ステップS707に進み、動作体玩具動作アプリケーション600を終了する。
【0051】
一方、ステップS702において入力された指示内容が、動作体玩具動作アプリケーション600を終了させるための指示でないと判定された場合には、ステップS704に進む。
【0052】
ステップS704では、スマートフォン150の電源制御部620において検知された内部電池の残容量が、所定値以下であるか否かを判定する。ステップS704において、所定値以下でないと判定された場合には、ステップS705に進み、ステップS702において入力された指示内容に対応した動作を行うよう制御する。具体的には、指示内容に対応した顔面画像を表示部613に表示したり、指示内容に対応した音声信号を動作体玩具100に出力したり、指示内容に対応した制御信号を動作体玩具100に出力したりする。
【0053】
一方、ステップS704において、所定値以下であると判定された場合には、ステップS706に進み、ステップS702において入力された指示内容に対応した動作を行うよう制御するとともに、指示内容に対応した制御信号を動作体玩具100に出力するにあたり、内部電池の残容量が所定値以下であることを示す制御信号もあわせて出力する。これにより、当該制御信号を受信した動作体玩具100では、通常の動作速度よりも遅い動作速度により、各動作モータ541〜546を動作させることができる。
【0054】
このように内部電池の残容量が少なくなってきた場合に、動作体玩具100の動作速度を落とすことで、ユーザは、動作体玩具100の緩慢な動作(つまり、元気のない犬の動き)を見て、スマートフォン150の充電が必要であることを知ることができる。
【0055】
ステップS705またはステップS706において指示内容に対応した動作を行うよう制御した後は、ステップS702に戻り、ユーザにより次の指示が入力されるのを待つ。
【0056】
以上の処理を繰り返すことで、ユーザは、動作体玩具100を擬似ペットとして扱うことができるようになる。
【0057】
<8.実施例>
次に、図7に示すフローチャートに従って動作体玩具動作アプリケーション600が実行された場合の、スマートフォン150の表示部613に表示される顔面画像の一例及び動作体玩具100の動作内容の一例を説明する。
【0058】
図8は、スマートフォン150の表示部613に表示される顔面画像の一例を示す図である。図8に示すように、犬の表情として、(a)困った顔、(b)普通の顔、(c)驚いた顔、(d)すました顔、(e)感激した顔、(f)怒った顔等、様々な表情の顔面画像を表示することができる。
【0059】
図9は、動作体玩具100の動作内容の一例を示す図である。図9に示すように、犬の動作として、(a)尻尾を振る、(b)歩きまわる、(c)おすわりをする等、様々な動作内容を実現することができる。
【0060】
更に、これらの表情及び動作内容を組み合わせることができるとともに、これらの表情及び動作内容に適した音声出力を更に組み合わせることで、ユーザにとってはより興趣性の高い動作体玩具を提供することが可能となる。
【0061】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る動作体玩具では、頭部の一部を形成するように、移動体通信機器を動作体玩具の顔面位置において保持する構成とした。これにより、ユーザは、移動体通信機器を運動対玩具に取り付けた状態であっても移動体通信機器を容易に操作することが可能となり、興趣性の高い対話型の動作体玩具を実現することが可能となった。
【0062】
また、本実施形態に係る動作体玩具では、移動体通信機器のイヤホンジャック用コネクタ部を介して、移動体通信機器からの信号を受信するように構成した。これにより、従来のような外部通信用のコネクタを介して接続する場合と比較して、低コストにより実現することが可能となった。
【0063】
つまり、興趣性の高い動作体玩具を低コストで実現することが可能となった。
【0064】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、図7において、ユーザの操作に応じて動作体玩具100が動作する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、無線通信部618の処理結果(例えば、着呼、メール受信等)に応じて動作する構成としてもよい。あるいは、カメラ部617を起動させ、カメラ部617を介して撮像された静止画像または動画像を処理することにより得られた処理結果に応じて動作する構成としてもよい。この場合、図7のステップS702では、無線通信部618の着呼、メール受信の識別処理、あるいはカメラ部617により撮像された静止画像または動画像の処理結果の識別処理が実行されることとなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物または人の形等の特定の形状を模した形状を有する動作体玩具であって、
肢部が動作可能に取り付けられた胴体部と、
前記胴体部に対して、動作可能に取り付けられた首部によって支持されており、表示部を有する通信機器が嵌合されることで、該通信機器を前記動作体玩具の顔面位置において保持する頭部と、
前記頭部において保持された前記通信機器から出力される信号を、前記胴体部に取り付けられた前記肢部を動作させる制御部に伝送するための伝送部材と
を備えることを特徴とする動作体玩具。
【請求項2】
前記動作体玩具は、前記通信機器から出力される信号に基づいて音声が出力される音声出力部を有し、
前記伝送部材は、少なくとも2つの伝送経路を有するイヤホンジャックであり、第1の伝送経路により伝送された信号は前記音声出力部に入力され、第2の伝送経路により伝送された信号は前記制御部に入力されることを特徴とする請求項1に記載の動作体玩具。
【請求項3】
前記イヤホンジャックは、リング部を介して前記通信機器から出力される信号を前記音声出力部に伝送し、チップ部を介して前記通信機器から出力される信号を前記制御部に伝送するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の動作体玩具。
【請求項4】
前記制御部では、前記通信機器より、内部電池の残容量が所定値以下であることを示す信号が伝送された場合に、前記肢部の動作速度を落として、前記肢部を動作させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動作体玩具。
【請求項5】
前記通信機器の表示部には、前記音声出力部により出力される音声または前記制御部により制御される前記肢部の動作内容の少なくともいずれか一方と対応した顔面画像が表示されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の動作体玩具。
【請求項6】
前記通信機器に対してユーザが入力した指示に従って、該通信機器から前記信号が出力されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動作体玩具。
【請求項7】
前記通信機器において入力された音声または前記通信機器において撮像された画像に基づいて、該通信機器から前記信号が出力されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動作体玩具。
【請求項8】
前記通信機器は、無線通信部を有し、
前記無線通信部の処理結果に基づいて、該通信機器から前記信号が出力されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動作体玩具。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動作体玩具に前記伝送部材を介して接続される前記通信機器のコンピュータに、制御方法を実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
音声出力部により出力される音声または前記制御部により制御される前記肢部の動作内容の少なくともいずれか一方に対応した顔面画像を表示する工程と、
前記通信機器において入力された指示に従って、該通信機器から前記信号を出力する工程と、
前記通信機器において入力された音声または前記通信機器において撮像された画像に基づいて、該通信機器から前記信号を出力する工程と
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記制御方法は、更に、前記通信機器の内部電池の残容量が所定値以下であることを示す信号を出力する工程を有することを特徴とする請求項9に記載のプログラム。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−39207(P2013−39207A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177239(P2011−177239)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【特許番号】特許第4972218号(P4972218)
【特許公報発行日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】