動作検出装置、動作検出ユニット、動作検出システムおよび動作検出方法
【課題】高齢者等の検出対象者における転倒発生を検出・通報可能にするとともに、平常時から日常生活を見守る機能をも備えた動作検出装置を提供すること。
【解決手段】動作検出装置４は、検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられ、検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサ１と、３軸加速度センサ１によるセンサ信号を処理する信号処理手段２と、信号処理手段２により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段３とを備えて構成される。信号処理手段２としては、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ等が用いられる。また、３軸加速度センサ１により、Ｘ，Ｙ，Ｚ方向の加速度計測を行う。
【解決手段】動作検出装置４は、検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられ、検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサ１と、３軸加速度センサ１によるセンサ信号を処理する信号処理手段２と、信号処理手段２により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段３とを備えて構成される。信号処理手段２としては、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ等が用いられる。また、３軸加速度センサ１により、Ｘ，Ｙ，Ｚ方向の加速度計測を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は動作検出装置、動作検出ユニット、動作検出システムおよび動作検出方法に係り、特に高齢者や障害者等の検出対象者における転倒等の動作を精度よく検知し、家族等への緊急連絡を可能とする情報通信システムの確立のための、動作検出装置等に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
現在、全国的に高齢化が進んでおり、また、出生率を高齢者の死亡率が上回ることで、人口の減少も加速している。かかる社会状況の中、高齢者だけで生活している独居老人の数は年々増加し、周囲の人に知られることなく亡くなっていく孤独死の事例が増え、社会問題となっている。
【０００３】
このような問題を解決するために、ユビキタスネットワークを用いた情報の伝達手法は有効であると考えられている。つまり高齢者の状況について、通常であれば傍に付き添っていなくては得られないような情報を、観測データという形でネットワークを通して確認することができるからである。しかし、プライバシーや精神的負担を考慮すれば、日常生活の中で、高齢者にとって違和感のない状態で計測できる手法が最適であると考えられる。つまり、常時身体に装着したり携帯するにあたって、不便・違和感を感じないような構造・形態・サイズ・仕様であることが望ましい。
【０００４】
これまでも、高齢者の日常生活における挙動をモニタリングするシステムは、数多く開発されてきた。しかしその多くは、特定位置（トイレ・風呂等）に設置したドアスイッチの監視や、赤外線による室内の動態モニタや、ガス・水道・電気の使用状況などによる非リアルタイムでのモニタリングであり、計測領域・計測範囲・計測精度は限定されたものである。また、センサを身体の複数個所に装着するなどの計測方法も報告されているが、実用機として開発されたものの報告は、まだ少ない状態である。
【０００５】
装着式の計測方法として一般的には、押しボタン式の通報装置が簡易で使用しやすく、よく採用されている。これは、高齢者等の監視対象者に常時装着してもらい、何らかの異常発生を認識・認知した場合には自身の手によって押しボタンを操作してもらうことで、異常の情報が通常電話回線を介して監視側に伝達されるという方式である。
【０００６】
なお特許文献１には、転倒検出用システムの提供を目的として、装着する人の全方向における現在の加速度を記述可能な複数の加速度計とプロセッサと、無線送信機を備えた監視装置を基礎とした転倒検出システム技術が開示されている。また特許文献２には、作業者の緊急事態を速やかかつ正確に通報できる倒れセンサー付き携帯無線機として、転倒を傾斜角度だけで感知し、無線送信によって繰り返し自動送信する倒れセンサーを含む構成が開示されている。また特許文献３には、転倒、離床、屋内所在位置等を検知してその情報を一元管理し、安否確認・通知するシステムとして、傾斜スイッチを用いてこれら検知する傾斜センサを含む構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開２００８−５３５０５５号公報「人間の身体の転倒検出用のシステム及び方法」
【特許文献２】実用新案登録第３０４３３８３号公報「倒れセンサー付き携帯無線機」
【特許文献３】特開２００８−２４２７０４４号公報「傾斜スイッチを用いた安否確認システム」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかしながら、一般的に多用されている上記押しボタン方式は、携帯性や省電力性には問題がないものの、通報の中継点となる中継機は屋内に設置されるものであるために、計測領域が限定される。また、計測精度が低いという問題もある。しかも異常発生情報の発信は監視対象者の自発的な操作行為に依存しているため、突然意識を失って転倒する場合や不慮の外力を受けて転倒する場合など、監視対象者が操作できない場合には、その異常発生情報が伝達され得ず、緊急時の対応性は不十分である。
【０００９】
また、高齢者や障害者等の検出対象者において、転倒等の異常の検出・通報のみならず、平常時から日常生活を見守る機能の付加されたシステムがあれば、家族等も安全・安心な生活を営むことができる。そしてこのように高機能な見守りシステムを、たとえば平常時からの検出対象者の歩数計測といった簡易な構成・方式により実現できることが、大いに望ましい。さらに、検出対象者の歩行動作を解析しながら学習し、それに基づき転倒検出も可能とするような学習・成長するシステムであれば、なお有用である。しかしながら従来、上記各文献開示技術も含め、このような着眼も技術も、全くなされていない現状である。
【００１０】
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点を踏まえ、高齢者や障害者等の検出対象者における転倒等の異常発生を精度よく検出・通報可能にするとともに、平常時から日常生活を見守る機能の付加された情報通信システムを確立可能であり、それにより家族等も含めた安全・安心な生活の営みを支援することができる、ヘルスケア型ともいうべき動作検出装置および動作検出システム等を提供することである。特に異常発生の検出については、転倒に限定されずその他の加速度変化も検出して通報可能とすることである。
【００１１】
また本発明が解決しようとする課題は、平常時からの検出対象者の歩数計測といった簡易な構成・方式により、実用的かつ導入しやすい日常生活の見守りシステムを実現できる、高機能で利用性・有用性の高い動作検出装置および動作検出システム等を提供することである。さらにまた本発明が解決しようとする課題は、検出対象者の歩行動作を解析しながら学習し、それに基づき転倒検出もなされる、学習・成長するシステムを可能とする、動作検出装置および動作検出システム等を提供することである。
【００１２】
加えて、本発明が解決しようとする課題は、装置構成として簡素であり、それにより省電力性が高く、コスト軽減も可能であり、高齢者等の検出対象者が違和感なく携帯・装着可能な、動作検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本願発明者は上記課題について検討した結果、センサとして３軸加速度センサのみを必須とする簡易な構成により、また検出対象者の歩行数計測を基礎とすることにより、課題解決が可能であることに想到し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【００１４】
〈１〉 検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられる動作検出装置であって、該装置は、検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサと、該３軸加速度センサによるセンサ信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段とを備えてなる、動作検出装置。
〈２〉 前記信号処理手段においては、予め設定された平常時を示す加速度基準値と現在の加速度測定値との比較に基づき、検出対象者における転倒発生が判断されることを特徴とする、〈１〉に記載の動作検出装置。
〈３〉 前記加速度基準値の設定は検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいてなされるよう、前記信号処理手段には該加速度の解析機能および学習機能が備えられていることを特徴とする、〈２〉に記載の動作検出装置。
〈４〉 前記信号処理手段により、前記センサ信号に基づいて検出対象者の歩行数データが得られることを特徴とする、〈１〉ないし〈３〉のいずれかに記載の動作検出装置。
【００１５】
〈５〉 前記通信手段はＢｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＺｉｇＢｅｅ、Ｘｂｅｅ、無線ＬＡＮまたはその他の無線通信方式により外部の情報端末との間で無線通信可能な無線回路による手段であることを特徴とする、〈１〉ないし〈４〉のいずれかに記載の動作検出装置。
〈６〉 検出対象者自身により操作可能な入力手段を備え、該入力手段による入力に係る信号を前記通信手段を介して外部に対して送信可能に構成されていることを特徴とする、〈１〉ないし〈５〉のいずれかに記載の動作検出装置。
〈７〉 前記動作検出装置からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機との組み合わせによって、検出対象者の動作を通報可能であることを特徴とする、〈１〉ないし〈６〉のいずれかに記載の動作検出装置。
【００１６】
〈８〉 〈１〉ないし〈７〉のいずれかに記載の動作検出装置と、該動作検出装置からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機とからなる、動作検出ユニット。
〈９〉 前記中継機として、屋内にて使用可能な情報端末か、または屋外使用も可能な携帯型情報端末の少なくともいずれか一方が用いられることを特徴とする、〈８〉に記載の動作検出ユニット。
新設〈１０〉 前記中継機は、前記動作検出装置から得られる情報を表示可能に構成されていることを特徴とする、〈８〉または〈９〉に記載の動作検出ユニット。
〈１１〉 〈８〉ないし〈１０〉のいずれかに記載の動作検出ユニットと、ネットワークシステムを介して該動作検出ユニットと接続可能なサーバとからなる動作検出システムであって、該サーバは、該動作検出ユニットの中継機から送信される情報を蓄積するとともに検出対象者の動作の情報発信を行い、かかる構成により検出対象者の屋内外全域における行動を可能とすることを特徴とする、動作検出システム。
〈１２〉 前記ネットワークシステムを介して前記サーバに接続される動作検出サービス利用者側端末が含まれることを特徴とする、〈１１〉に記載の動作検出システム。
【００１７】
〈１３〉 前記情報には検出対象者の歩行数データが含まれることを特徴とする、〈１１〉または〈１２〉に記載の動作検出システム。
〈１４〉 前記サーバからは、検出対象者の転倒検出情報に加え、その歩行状況情報の常時出力が可能なように構成されていることを特徴とする、〈１１〉ないし〈１３〉のいずれかに記載の動作検出システム。
新設〈１５〉 前記中継機は、前記サーバからの情報を表示可能に構成されていることを特徴とする、〈１１〉ないし〈１４〉のいずれかに記載の動作検出システム。
〈１６〉 検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサと、該３軸加速度センサによるセンサ信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段とを備えてなる動作検出装置を、検出対象者に携帯もしくは装着させ、該信号処理手段において予め設定された平常時を示す加速度基準値と現在の加速度測定値との比較に基づき検出対象者における転倒発生その他の動作を検出する、動作検出方法。
〈１７〉 前記信号処理手段における加速度の解析機能および学習機能により、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいて前記加速度基準値の設定がなされることを特徴とする、〈１６〉に記載の動作検出方法。
【００１８】
つまり本発明は、検出対象者の歩行動作から転倒等の加速度変化を検出する手法、その手法を組み込んだ機器、その機器と通信する情報端末、およびインターネット接続により家族や関連施設等へ転倒情報を伝達するサーバから構成されるシステムの構築を可能とするものである。さらにいえば本発明は、検出対象者の歩行数をカウントしながら歩行状態を監視し、転倒等を検出・通報可能なシステム構築を可能とするものである。
【発明の効果】
【００１９】
本発明の、ヘルスケア型ともいうべき、動作検出装置、動作検出ユニット、動作検出システムおよび動作検出方法は上述のように構成されるため、これによれば、高齢者や障害者等の検出対象者における転倒等の異常発生を精度よく検出・通報することができる。また、家族等は、検出対象者の日常生活を平常時から見守ることができ、安全・安心な生活の営みを支援することができる。特に、異常発生の検出については、転倒に限定されずその他の異常も検出して通報可能である。
【００２０】
また本発明は、高機能で利用性・有用性の高い動作検出装置および動作検出システム等であるため、平常時からの検出対象者の歩数計測といった簡易な構成・方式により、実用的かつ導入しやすい日常生活の見守りシステムを実現することができる。また本発明によれば、検出対象者の歩行動作を解析しながら学習し、それに基づき転倒等の検出もなされる、学習・成長するシステム構築が可能である。
【００２１】
さらに本発明の転倒検出装置は、装置構成として簡素であり、それにより省電力性が高く、コスト軽減も可能であり、高齢者等の検出対象者が違和感なく携帯・装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明の動作検出装置の基本構成を示す概念図である。
【図１−２】本発明動作検出装置における動作検出過程の構成例を示すフロー図である。
【図２】本発明の動作検出装置の別の構成を示す概念図である。
【図２Ｂ】本発明の動作検出装置のまた別の構成を示す概念図である。
【図３Ａ】本発明動作検出装置およびそれに係る中継機との関係を示す概念図である。
【図３Ｂ】本発明に係る中継機の例を示す説明図である。
【図３−２】本発明動作検出装置およびそれに係る中継機との別の関係を示す概念図である。
【図４】本発明動作検出装置（動作検出ユニット）による転倒検出推移を示す説明図である。
【図５】本発明動作検出システムの基本構成を示す概念図である。
【図６】本発明動作検出システムの構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図１は、本発明の動作検出装置の基本構成を示す概念図である。図示するように本動作検出装置４は、検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられる装置であって、検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサ１と、３軸加速度センサ１によるセンサ信号を処理する信号処理手段２と、信号処理手段２により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段３とを備えてなることを、基本的な構成とする。なお信号処理手段２としては、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ等が好適に用いられる。また、３軸加速度センサ１は、Ｘ，Ｙ，Ｚ方向の加速度計測を行うものである。
【００２４】
かかる構成により、検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられる本動作検出装置４では、検出対象者が歩行等の運動を行うと、３軸加速度センサ１によってその歩行等の運動に基づき加速度が検知され。このようにして３軸加速度センサ１によって得られたセンサ信号は、信号処理手段２によって所定の処理がなされて、それにより一定の処理信号が得られる。当該処理信号は、通信手段３によって外部に対して送信され得る。
【００２５】
つまり本装置４によれば、検出対象者の動作は１つのセンサ１によって常に自動的に検知されてセンサ信号が得られ、センサ信号が信号処理手段２により処理されてなる処理信号が、これを検出対象者における特定の運動（動作）によるものと判断されて、通信手段３による外部送信がなされるものとすることができる。特定の運動（動作）としては、主として転倒を想定しているが、これに限定されない。なお以下では、特定の運動（動作）として転倒を主に説明する。
【００２６】
本動作検出装置４においては、信号処理手段２で、予め設定された平常時を示す加速度基準値と、現在の加速度測定値との比較に基づいて、検出対象者における転倒発生が判断される構成とすることができる。かかる構成により本装置４の信号処理手段２では、現在の加速度測定値は予め設定された平常時を示す加速度基準値と比較されて、その結果最終的に、転倒発生の有無が判断される。
【００２７】
そして本動作検出装置４においては、加速度基準値の設定は、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいてなされるように、信号処理手段２には加速度の解析機能および学習機能が備えられた構成とすることができる。かかる構成により本装置４では、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度は、信号処理手段２が備えた解析機能および学習機能を含む処理方法よって処理され、加速度基準値が設定される。
【００２８】
なお一般的に、特定の個人において、通常の歩行動作時における加速度の値は、ある範囲内に分布する。したがって、本装置４は信号処理手段２においてかかる加速度範囲を学習し、その範囲から著しく逸脱する加速度を検出したときに、検出対象者における「転倒発生」と判断する方法をとることができる。
【００２９】
本発明の動作検出装置は、要するに、歩行動作を計測する３軸加速度センサと、そのセンサ信号を処理するマイクロコンピュータ、および外部の情報端末と無線通信可能なモジュール等の無線回路を用いて構成することができ、検出対象者の歩行動作から転倒を検出する機能が組込まれたものである。そして、高齢者等の検出対象者が携帯・装着するのに全く邪魔にならない小さいサイズにて、構成することができる。
【００３０】
本動作検出装置４では、センサ信号に基づいて信号処理手段２により、検出対象者の歩行数データを得るものとすることができる。つまり、３軸加速度センサ１により計測された信号が信号処理手段２によって処理されて歩行数データが得られる。本発明においては、このようにして日常的に計測された検出対象者の歩行数データを、後述する動作検出システムによって家族等の操作する情報端末に送信し、これをもって高齢者等の日常生活見守りサービスを実現することができる。本システムについては、追って改めて詳述する。
【００３１】
図１−２は、本発明動作検出装置における動作検出過程の構成例を示すフロー図である。図示するように本動作検出装置においては、図１により説明した上記動作検出装置を、検出対象者に携帯もしくは装着させ（ＳＴＡＲＴ）、加速度基準値設定ステップＳ１における処理により予め設定された平常時を示す加速度基準値Ｄ１と、現在の加速度測定ステップＳ２において測定された加速度測定値Ｄ２とが、比較ステップＳ３において比較され、その比較に基づき検出対象者における転倒の発生の有無が判断される。
【００３２】
図において、加速度基準値設定ステップＳ１では、信号処理手段における加速度の解析機能および学習機能により、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいて加速度基準値Ｄ１の設定がなされる構成とすることができる。
【００３３】
なお、比較ステップＳ３において加速度基準値Ｄ１と加速度測定値Ｄ２とが比較され、転倒発生の有無が判断されるが、「無（Ｎ）」の場合には加速度基準値設定ステップＳ１に戻って処理が続行されて基準値の設定の更新がなされ、「有（Ｙ）」の場合には、動作検出に係る信号（情報）が送信手段によって装置外部へと送信される送信ステップＳ４へと進む。
【００３４】
本発明の動作検出装置の通信手段としては、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＺｉｇＢｅｅ、Ｘｂｅｅ、無線ＬＡＮまたはその他の無線通信方式により外部の情報端末との間で無線通信可能な無線回路を用いたものを、好適に採用することができる。有線通信手段を用いるよりも、装置本体の構造も簡素化でき、また信号線等の付属物も不要であるため、検出対象者が携帯・装着するのに便利であり、それとともに、後述する中継機の選択範囲も広がり、適用領域を拡大するのにも便利だからである。
【００３５】
図２は、本発明の動作検出装置の別の構成を示す概念図である。図示するように本動作検出装置２４は、検出対象者自身により操作可能な入力手段２０を備え、入力手段２０による入力に係る信号を、通信手段２３を介して外部に対して送信可能であることを、特徴的な構成とする。入力手段２０としては適宜形態・仕様のスイッチを用いることができるが、従来の押しボタン方式の装置に用いられているような押しボタンを用いることが、操作の簡単さの点で望ましい。
【００３６】
したがって本動作検出装置２４では、自動的な運動（動作）検出態勢、特に転倒検出態勢が常時とられている上に、検出対象者自身が入力手段２０を押す等の操作を実行することによって、自身の認知・判断に基づいての、転倒に限らない異常通報を随時実施することもできる。これは、検出対象者に意識があり、しかも自身による異常発生の判断を行えて、入力操作も可能である場合、有用である。
【００３７】
図２Ｂは、本発明の動作検出装置のまた別の構成を示す概念図である。図示するように本動作検出装置２４Ｂでは、信号処理手段２２Ｂを中心としてこれに入力手段２０Ｂ、送信手段２３Ｂが接続されている構成である。本構成例によれば、たとえば、スイッチ等の入力手段２０Ｂによる入力信号を、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ等の信号処理手段２２Ｂで処理し、各種データの送受信が行われる（これには、送信手段２３Ｂによる送信処理も含まれる）、という方式が可能である。
【００３８】
なお、ここに述べたように本発明動作検出装置の送信手段は、信号（情報）を送信するのみならず受信も可能な、送受信手段として構成することも範囲内である。
【００３９】
図３Ａは、本発明動作検出装置およびそれに係る中継機との関係を示す概念図である。また図３Ｂは、本発明に係る中継機の例を示す説明図である。図３Ａに示すように本動作検出装置３４は、本装置３４からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機３５Ｐとの組み合わせによって、屋内外全域における転倒検出を通報可能なものとして構成することができる。図において中継機は３５Ｐの符号にて一つのみを示しているが、これは一例であり、二以上の中継機を設ける構成としてもよい。なお、通信手段としては上述の無線通信方式が採用される。また、図は、検出対象者の操作による別途の入力手段３０の設けられている構成を示すが、もちろん入力手段を設けない構成としてもよい。以降の他の図においても、同様である。また図３Ｂに示すように中継機には、パーソナルコンピュータ（図ではパソコン）や携帯型電話機（図では携帯電話）、Ａｎｄｒｏｉｄ端末、無線ＬＡＮ機器を搭載した情報機器、アクセスポイント、基地局など、本装置３４をネットワークシステムへと接続するための中継を行うことのできるものを、特に限定なく広く含むものとする。
【００４０】
かかる構成により本動作検出装置３４によれば、本装置３４の通信手段３３から適宜の無線通信方式によって送信される転倒検出の信号は、中継機３５Ｐにより受信される。図示しないが、後述するように、中継機３５Ｐにより一旦受信された転倒検出の信号はさらに、適宜のネットワークシステムを介することによって、当該ネットワークシステムに接続した、あるいは接続可能な所定のサーバや情報端末へと送信・伝達されるものとすることができる。
【００４１】
図３−２は、本発明動作検出装置およびそれに係る中継機との別の関係を示す概念図である。図示するように本動作検出装置３４は、中継機３５Ｐを屋内にて使用するものとして位置付け、一方、中継機３５Ｑを屋外においても使用可能なものとして位置付け、これら二つの中継機３５Ｐ、３５Ｑを屋内−屋外で引き継ぎ可能な仕様とし、それにより屋内外全域における転倒検出を通報可能な動作検出装置として構成することができる。
【００４２】
各中継機３５Ｐ、３５Ｑは、図３の説明と同様に、少なくともいずれか一方が二つ以上設けられる構成とすることを、本発明は排除しない。しかしながら、屋内用として一つ、屋外用として一つ、計二つの中継機が設けられていれば、安定した通報経路を確保することができる。
【００４３】
かかる構成により本動作検出装置３４によれば、本装置３４の通信手段３３から適宜の無線通信方式によって送信される転倒検出の信号は、屋内においては、中継機３５Ｐにより受信される。また屋外においては、中継機３５Ｑにより受信される。そしていずれの中継機においても、一旦受信された転倒検出の信号はさらに、適宜のネットワークシステムを介することによって、当該ネットワークシステムに接続した、あるいは接続可能な所定のサーバや情報端末へと送信・伝達されるものとすることができる。したがって、検出対象者が屋内外を問わず本動作検出装置３４を装着・携帯している限り、転倒（異常動作）が発生した場合に、屋内外全域において、検出対象者もまた管理者・関係者も、本装置３４による転倒検出およびその通信、通報の効果を得ることができる。
【００４４】
中継機３５Ｐを屋内用として構成する場合、セットトップポックス（ＳＴＢ）をこれに充てることができる。また、中継機３５Ｑを屋外用として構成する場合、スマートフォンを含む携帯型電話機か、あるいはその他の携帯型情報端末（ＰＤＡなど）をこれに充てることができる。かかる構成により、検出対象者が動作検出装置３４と、中継機３５Ｑとしての携帯型情報端末とを携帯もしくは装着している限り、検出対象者もまた関係者も、屋内外全域における本発明の効果を、問題なく得ることができる。
【００４５】
なお、無線通信手段として無線LANを用いる場合は、中継機としては無線ＬＡＮルータなどの無線ＬＡＮ通信機器が用いられるが、以降の説明では、屋内用の中継機の例としてＳＴＢを主として説明する。
【００４６】
図３、図３−２において、動作検出装置３４と中継機３５Ｐ等により屋内外全域における転倒検出通報可能な機能単位を、特に、動作検出ユニット３６Ｐ等として把握することもできる。つまり本発明は、動作検出装置３４と中継機３５Ｐ等とを機能的に関連する一組として、高齢者等の検出対象者およびその管理者・関係者に対して提供するものとすることができる。
【００４７】
図３−２に示すように、動作検出装置３４と中継機３５Ｐによる動作検出ユニット３６Ｐ、動作検出装置３４と中継機３５Ｑによる動作検出ユニット３６Ｑ、動作検出装置３４と中継機３５Ｐおよび３５Ｑによる動作検出ユニット３６Ｒ、いずれのパターンであっても、本動作検出ユニットに該当する。また上述のように、中継機としては、屋内用としてＳＴＢ、主として屋外用として携帯型電話機その他の携帯型情報端末を、それぞれ用いることができる。なお、中継機３５Ｐ、３５Ｑは、動作検出装置３４から得られる歩行数などの情報を、所定の画面上に表示可能な構成とすることもできる。かかる構成により、歩行数などの情報を動作検出装置３４から取得し次第、中継機３５Ｐ等はその画面上に、すぐにその情報を表示することができる。
【００４８】
図４は、本発明動作検出装置（動作検出ユニット）による転倒検出推移例を示す説明図である。図示するように、検出対象者には、動作検出装置４５および中継機４５Ｐが携帯もしくは装着させられる。通常時（平常時）においては、加速度基準値設定ステップＳ１が実行される。すなわち、信号処理手段における加速度の解析機能および学習機能により、検出対象者における通常時の歩行の際に検知された加速度変化が計測され、これに基づいて通常時を示す加速度基準値（Ｄ１）が設定される。
【００４９】
また、現在の加速度測定ステップＳ２と比較ステップＳ３も常時実施されるが、通常時においては転倒発生が判断されないので、前掲図１−２に示したように、現在の加速度測定ステップＳ２と比較ステップＳ３とが繰り返される。
【００５０】
またこの時、本装置４４が歩行数を算出する構成も備えている場合には、計測される加速度変化のデータに基づいて歩行数が算出され、これは本動作検出装置４４の送信手段によって、中継機４５Ｐを介して、家族等や管理者側の操作に係る情報端末など、外部へと送信される。
【００５１】
緊急時、すなわち３軸加速度センサが通常時よりも強い加速度を検知した時は、比較ステップＳ３において「転倒発生」が判断され、すなわち転倒が検出され、転倒検出の信号（情報）は、送信ステップＳ４により、動作検出装置４４の送信手段から中継機４５Ｐへと送信される。なお、図には、通信方式としてＢｌｕｅｔｏｏｔｈ、中継機としてスマートフォンの記載が含まれるが、これらは一例であり、本発明がこれらに限定されるものではない。
【００５２】
なお、動作検出装置４４が入力手段を備えている場合は、検出対象者自身がこれを操作することによっても、その入力操作に係る信号が送信手段から中継機４５Ｐへと送信される。
【００５３】
また、動作検出装置４４において歩行数データが得られる構成の場合は、歩行数データは外部へと送信されるのみならず、スマートフォン等の中継機４５Ｐにおいても表示されるものとすることもできる。これにより検出対象者も、自身の身体状況を常時、適宜把握し、管理することができる。
【００５４】
図５は、本発明動作検出システムの基本構成を示す概念図である。図示するように本動作検出システム５１０は、動作検出装置５４ならびに一または二以上の中継機５５からなる動作検出ユニット５６と、ネットワークシステム５８を介して動作検出ユニット５６と接続可能なサーバ５７とからなるシステムであって、サーバ５７は、動作検出ユニット５６の中継機５５から送信された転倒の情報を蓄積するとともに、転倒発生時における転倒発生の情報発信を行うものとして構成されていることを、基本とする。なお、図示するように、入力手段５０による情報発信が可能な構成を採れることは、上述のとおりである。
【００５５】
かかる構成により本動作検出システム５１０においては、動作検出装置５４から送信された転倒検出の信号は、中継機５５により一旦受信され、それからネットワークシステム５８を介して、これに接続されたサーバ５７に伝達される、あるいはこれに接続可能なサーバ５７に対して伝達可能である。そしてサーバ５７において、送信された転倒検出の信号（情報）が蓄積され、また新たに、転倒発生時における転倒発生の情報発信がサーバ５７もしくはこれと接続されている情報端末からなされる。
【００５６】
図において本動作検出システム５１０には、ネットワークシステム５８を介してサーバ５７に接続される、または接続可能な動作検出サービス利用者側端末５９を含めることができる。動作検出サービス利用者側端末５９は、検出対象者の管理者・関係者による使用・操作を想定したものである。かかる構成により、サーバ５７から発信される転倒発生の情報は、動作検出サービス利用者側端末５９において受信することができ、検出対象者における転倒発生の管理者・関係者側への通報が完遂される。
【００５７】
図６は、本発明動作検出システムの構成例を示す説明図である。図示するように本システム６１０は、動作検出装置６４、中継機６５Ｐならびに６５Ｑと、ネットワークシステム６８を介して中継機６５Ｐ等と接続可能なサーバ６７とからなるシステムであって、サーバ６７は、中継機６５Ｐ等から送信された転倒の情報を蓄積するとともに、転倒発生時における転倒発生の情報発信を行うものとして構成される。ここで、中継機６５Ｐとしては屋外でも使用可能なスマートフォン等の携帯型情報端末を、また中継機６５Ｑとしては屋内で使用可能なセットトップボックス（ＳＴＢ）を、それぞれ用いるものとすることができる。さらに本システム６１０には、ネットワークシステム６８を介してサーバ６７に接続される動作検出サービス利用者側端末６９を含めることができる。なお、図示しないが、入力手段による情報発信が可能な構成を採れることは、上述のとおりである。
【００５８】
かかる構成により本動作検出システム６１０によれば、検出対象者が動作検出装置６４および中継機６５Ｐを常時携帯・装着している限り、該装置６４から送信された転倒検出の信号は、屋内の場合には中継機６５Ｑにより、また屋外の場合には中継機６５Ｐにより一旦受信され、それからネットワークシステム６８を介して、サーバ６７に伝達され、サーバ６７では、送信された転倒検出の信号（情報）が蓄積され、転倒発生時における転倒発生の情報発信がなされ、動作検出サービス利用者側端末６９ではこれが受信されて、検出対象者における転倒発生の管理者・関係者側への通報が完遂される。
【００５９】
なお本動作検出システム６１０においては、動作検出装置６４と中継機６５Ｐ等の組によってネットワークシステム６８へ向けて転倒検出通報可能な機能単位を、特に、動作検出ユニット６６Ｐ等として把握することもできる。図では、動作検出装置６４と中継機６５Ｐによる動作検出ユニット６６Ｐ、動作検出装置６４と中継機６５Ｑによる動作検出ユニット６６Ｑのいずれも、動作検出ユニットに該当する。また、図示しないが、動作検出装置６４と中継機６５Ｐおよび６５Ｑ双方によるものも、動作検出ユニットに該当する。
【００６０】
本動作検出システムはまた、中継機のＧＰＳ機能を利用すること等によって、中継機からの情報に基づき、検出対象者の転倒発生地点を判別可能なものとして構成することもできる。かかる構成とすることで、特に屋外において検出対象者の転倒が発生した場合に、その地理的位置を特定ないし推測することができ、検出対象者の発見、保護・救助など、異常発生検出後におけるより有効な対応を取ることが可能となる。
【００６１】
このように本発明動作検出システムによれば、携帯型電話機やインターネットなど広く普及している情報端末やネットワークシステムにより、異常発生を、家族や対処する関連施設等の管理者側にリアルタイムで通報することができるため、高齢者等検出対象者は、その生活・行動範囲を拡大することが可能となり、実用性が高く、かつ人間性を重視した日常生活見守りシステムを提供することができる。
【００６２】
なお、図５、図６いずれにおいても、本発明動作検出システム５１０、６１０は、ネットワークシステム５８、６８を介し取り扱われる動作検出装置５４、６４からの情報には、検出対象者の歩行数データが含まれているものとすることができる。そしてサーバ５７、６７は歩行状況情報を常時出力し、サービス利用者側端末５９、６９はこれを受信可能な構成とすることができる。
【００６３】
かかる構成により、家族や対処する関連施設等の管理者側では、その操作に係る動作検出サービス利用者側端末５９、６９において歩行数データも受信することができる。これにより、検出対象者に転倒等の緊急事態が発生していない平常時においても、家族等は常時、検出対象者の歩行状況情報を得て、その挙動を把握・管理することができ、検出対象者の日常生活を平常時から見守ることができる。なお、本発明動作検出システム５１０等においては、中継機５５等が、前記サーバ５７等からの情報を、所定の画面上に表示可能な構成とすることもできる。かかる構成により、サーバ５７等に蓄積されている様々な情報を、中継機５５等はその画面上に表示することができる。上述した動作検出装置５４等から得た情報も表示可能な構成とできることは、いうまでもない。したがって、中継機５５等には動作検出装置５４等からの情報とサーバ５７等からの情報とを同時に表示可能な構成とすることもできる。サーバ５７等からの情報の表示は、動作検出装置５４等からの情報取得・表示に連動したもの、自動的なものとしてもよいし、別個独立のものとしてもよく、具体的な表示方法については、適宜に設計するものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【００６４】
本発明の動作検出装置、動作検出ユニット、動作検出システムおよび動作検出方法によれば、簡易な構成により、家族等は検出対象者の日常生活を平常時から見守ることができ、安全・安心な生活を営むことができ、ヘルスケア型ともいうべき日常生活見守りシステムを構築することができる。本発明に係る動作検出装置等は、携帯・装着にも便利で違和感がなく、しかも省電力かつ低コストであるため、実用性が高い。
【００６５】
しかも本発明によれば、高齢者等検出対象者の安全・安心な屋外活動が可能となり、生活・行動範囲を拡大できるため、実用性が高く、かつ人間性を重視した日常生活見守りシステムを提供することができる。もちろん検出対象者は高齢者だけではなく、身体的にあるいは知的に障害のある者、幼児等にも、本発明を適用することができる。したがって、福祉、介護、医療、警備、情報・通信・ネットワーク技術等の分野を初めとする広い産業分野において、利用性が高い発明である。
【符号の説明】
【００６６】
１、２１、２１Ｂ、３１、５１…３軸加速度センサ
２、２２、２２Ｂ、３２、５２…信号処理手段
３、２３、２３Ｂ、３３、５３…通信手段
４、２４、２４Ｂ、３４、４４、５４、６４…動作検出装置
２０、２０Ｂ、３０、５０、６０…入力手段
３５Ｐ、３５Ｑ、４５Ｐ、５５、６５Ｐ、６５Ｑ…中継機
３６Ｐ、３６Ｑ、３６Ｒ、５６、６６Ｐ、６６Ｑ…動作検出ユニット
５１０、６１０…動作検出システム
５７、６７…サーバ
５８、６８…ネットワークシステム
５９、６９…動作検出サービス利用者側端末
Ｄ１…加速度基準値
Ｄ２…加速度測定値
Ｓ１…加速度基準値設定ステップ
Ｓ２…現在の加速度測定ステップ
Ｓ３…比較ステップ
Ｓ４…送信ステップ
【技術分野】
【０００１】
本発明は動作検出装置、動作検出ユニット、動作検出システムおよび動作検出方法に係り、特に高齢者や障害者等の検出対象者における転倒等の動作を精度よく検知し、家族等への緊急連絡を可能とする情報通信システムの確立のための、動作検出装置等に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
現在、全国的に高齢化が進んでおり、また、出生率を高齢者の死亡率が上回ることで、人口の減少も加速している。かかる社会状況の中、高齢者だけで生活している独居老人の数は年々増加し、周囲の人に知られることなく亡くなっていく孤独死の事例が増え、社会問題となっている。
【０００３】
このような問題を解決するために、ユビキタスネットワークを用いた情報の伝達手法は有効であると考えられている。つまり高齢者の状況について、通常であれば傍に付き添っていなくては得られないような情報を、観測データという形でネットワークを通して確認することができるからである。しかし、プライバシーや精神的負担を考慮すれば、日常生活の中で、高齢者にとって違和感のない状態で計測できる手法が最適であると考えられる。つまり、常時身体に装着したり携帯するにあたって、不便・違和感を感じないような構造・形態・サイズ・仕様であることが望ましい。
【０００４】
これまでも、高齢者の日常生活における挙動をモニタリングするシステムは、数多く開発されてきた。しかしその多くは、特定位置（トイレ・風呂等）に設置したドアスイッチの監視や、赤外線による室内の動態モニタや、ガス・水道・電気の使用状況などによる非リアルタイムでのモニタリングであり、計測領域・計測範囲・計測精度は限定されたものである。また、センサを身体の複数個所に装着するなどの計測方法も報告されているが、実用機として開発されたものの報告は、まだ少ない状態である。
【０００５】
装着式の計測方法として一般的には、押しボタン式の通報装置が簡易で使用しやすく、よく採用されている。これは、高齢者等の監視対象者に常時装着してもらい、何らかの異常発生を認識・認知した場合には自身の手によって押しボタンを操作してもらうことで、異常の情報が通常電話回線を介して監視側に伝達されるという方式である。
【０００６】
なお特許文献１には、転倒検出用システムの提供を目的として、装着する人の全方向における現在の加速度を記述可能な複数の加速度計とプロセッサと、無線送信機を備えた監視装置を基礎とした転倒検出システム技術が開示されている。また特許文献２には、作業者の緊急事態を速やかかつ正確に通報できる倒れセンサー付き携帯無線機として、転倒を傾斜角度だけで感知し、無線送信によって繰り返し自動送信する倒れセンサーを含む構成が開示されている。また特許文献３には、転倒、離床、屋内所在位置等を検知してその情報を一元管理し、安否確認・通知するシステムとして、傾斜スイッチを用いてこれら検知する傾斜センサを含む構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開２００８−５３５０５５号公報「人間の身体の転倒検出用のシステム及び方法」
【特許文献２】実用新案登録第３０４３３８３号公報「倒れセンサー付き携帯無線機」
【特許文献３】特開２００８−２４２７０４４号公報「傾斜スイッチを用いた安否確認システム」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかしながら、一般的に多用されている上記押しボタン方式は、携帯性や省電力性には問題がないものの、通報の中継点となる中継機は屋内に設置されるものであるために、計測領域が限定される。また、計測精度が低いという問題もある。しかも異常発生情報の発信は監視対象者の自発的な操作行為に依存しているため、突然意識を失って転倒する場合や不慮の外力を受けて転倒する場合など、監視対象者が操作できない場合には、その異常発生情報が伝達され得ず、緊急時の対応性は不十分である。
【０００９】
また、高齢者や障害者等の検出対象者において、転倒等の異常の検出・通報のみならず、平常時から日常生活を見守る機能の付加されたシステムがあれば、家族等も安全・安心な生活を営むことができる。そしてこのように高機能な見守りシステムを、たとえば平常時からの検出対象者の歩数計測といった簡易な構成・方式により実現できることが、大いに望ましい。さらに、検出対象者の歩行動作を解析しながら学習し、それに基づき転倒検出も可能とするような学習・成長するシステムであれば、なお有用である。しかしながら従来、上記各文献開示技術も含め、このような着眼も技術も、全くなされていない現状である。
【００１０】
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点を踏まえ、高齢者や障害者等の検出対象者における転倒等の異常発生を精度よく検出・通報可能にするとともに、平常時から日常生活を見守る機能の付加された情報通信システムを確立可能であり、それにより家族等も含めた安全・安心な生活の営みを支援することができる、ヘルスケア型ともいうべき動作検出装置および動作検出システム等を提供することである。特に異常発生の検出については、転倒に限定されずその他の加速度変化も検出して通報可能とすることである。
【００１１】
また本発明が解決しようとする課題は、平常時からの検出対象者の歩数計測といった簡易な構成・方式により、実用的かつ導入しやすい日常生活の見守りシステムを実現できる、高機能で利用性・有用性の高い動作検出装置および動作検出システム等を提供することである。さらにまた本発明が解決しようとする課題は、検出対象者の歩行動作を解析しながら学習し、それに基づき転倒検出もなされる、学習・成長するシステムを可能とする、動作検出装置および動作検出システム等を提供することである。
【００１２】
加えて、本発明が解決しようとする課題は、装置構成として簡素であり、それにより省電力性が高く、コスト軽減も可能であり、高齢者等の検出対象者が違和感なく携帯・装着可能な、動作検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本願発明者は上記課題について検討した結果、センサとして３軸加速度センサのみを必須とする簡易な構成により、また検出対象者の歩行数計測を基礎とすることにより、課題解決が可能であることに想到し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【００１４】
〈１〉 検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられる動作検出装置であって、該装置は、検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサと、該３軸加速度センサによるセンサ信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段とを備えてなる、動作検出装置。
〈２〉 前記信号処理手段においては、予め設定された平常時を示す加速度基準値と現在の加速度測定値との比較に基づき、検出対象者における転倒発生が判断されることを特徴とする、〈１〉に記載の動作検出装置。
〈３〉 前記加速度基準値の設定は検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいてなされるよう、前記信号処理手段には該加速度の解析機能および学習機能が備えられていることを特徴とする、〈２〉に記載の動作検出装置。
〈４〉 前記信号処理手段により、前記センサ信号に基づいて検出対象者の歩行数データが得られることを特徴とする、〈１〉ないし〈３〉のいずれかに記載の動作検出装置。
【００１５】
〈５〉 前記通信手段はＢｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＺｉｇＢｅｅ、Ｘｂｅｅ、無線ＬＡＮまたはその他の無線通信方式により外部の情報端末との間で無線通信可能な無線回路による手段であることを特徴とする、〈１〉ないし〈４〉のいずれかに記載の動作検出装置。
〈６〉 検出対象者自身により操作可能な入力手段を備え、該入力手段による入力に係る信号を前記通信手段を介して外部に対して送信可能に構成されていることを特徴とする、〈１〉ないし〈５〉のいずれかに記載の動作検出装置。
〈７〉 前記動作検出装置からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機との組み合わせによって、検出対象者の動作を通報可能であることを特徴とする、〈１〉ないし〈６〉のいずれかに記載の動作検出装置。
【００１６】
〈８〉 〈１〉ないし〈７〉のいずれかに記載の動作検出装置と、該動作検出装置からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機とからなる、動作検出ユニット。
〈９〉 前記中継機として、屋内にて使用可能な情報端末か、または屋外使用も可能な携帯型情報端末の少なくともいずれか一方が用いられることを特徴とする、〈８〉に記載の動作検出ユニット。
新設〈１０〉 前記中継機は、前記動作検出装置から得られる情報を表示可能に構成されていることを特徴とする、〈８〉または〈９〉に記載の動作検出ユニット。
〈１１〉 〈８〉ないし〈１０〉のいずれかに記載の動作検出ユニットと、ネットワークシステムを介して該動作検出ユニットと接続可能なサーバとからなる動作検出システムであって、該サーバは、該動作検出ユニットの中継機から送信される情報を蓄積するとともに検出対象者の動作の情報発信を行い、かかる構成により検出対象者の屋内外全域における行動を可能とすることを特徴とする、動作検出システム。
〈１２〉 前記ネットワークシステムを介して前記サーバに接続される動作検出サービス利用者側端末が含まれることを特徴とする、〈１１〉に記載の動作検出システム。
【００１７】
〈１３〉 前記情報には検出対象者の歩行数データが含まれることを特徴とする、〈１１〉または〈１２〉に記載の動作検出システム。
〈１４〉 前記サーバからは、検出対象者の転倒検出情報に加え、その歩行状況情報の常時出力が可能なように構成されていることを特徴とする、〈１１〉ないし〈１３〉のいずれかに記載の動作検出システム。
新設〈１５〉 前記中継機は、前記サーバからの情報を表示可能に構成されていることを特徴とする、〈１１〉ないし〈１４〉のいずれかに記載の動作検出システム。
〈１６〉 検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサと、該３軸加速度センサによるセンサ信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段とを備えてなる動作検出装置を、検出対象者に携帯もしくは装着させ、該信号処理手段において予め設定された平常時を示す加速度基準値と現在の加速度測定値との比較に基づき検出対象者における転倒発生その他の動作を検出する、動作検出方法。
〈１７〉 前記信号処理手段における加速度の解析機能および学習機能により、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいて前記加速度基準値の設定がなされることを特徴とする、〈１６〉に記載の動作検出方法。
【００１８】
つまり本発明は、検出対象者の歩行動作から転倒等の加速度変化を検出する手法、その手法を組み込んだ機器、その機器と通信する情報端末、およびインターネット接続により家族や関連施設等へ転倒情報を伝達するサーバから構成されるシステムの構築を可能とするものである。さらにいえば本発明は、検出対象者の歩行数をカウントしながら歩行状態を監視し、転倒等を検出・通報可能なシステム構築を可能とするものである。
【発明の効果】
【００１９】
本発明の、ヘルスケア型ともいうべき、動作検出装置、動作検出ユニット、動作検出システムおよび動作検出方法は上述のように構成されるため、これによれば、高齢者や障害者等の検出対象者における転倒等の異常発生を精度よく検出・通報することができる。また、家族等は、検出対象者の日常生活を平常時から見守ることができ、安全・安心な生活の営みを支援することができる。特に、異常発生の検出については、転倒に限定されずその他の異常も検出して通報可能である。
【００２０】
また本発明は、高機能で利用性・有用性の高い動作検出装置および動作検出システム等であるため、平常時からの検出対象者の歩数計測といった簡易な構成・方式により、実用的かつ導入しやすい日常生活の見守りシステムを実現することができる。また本発明によれば、検出対象者の歩行動作を解析しながら学習し、それに基づき転倒等の検出もなされる、学習・成長するシステム構築が可能である。
【００２１】
さらに本発明の転倒検出装置は、装置構成として簡素であり、それにより省電力性が高く、コスト軽減も可能であり、高齢者等の検出対象者が違和感なく携帯・装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明の動作検出装置の基本構成を示す概念図である。
【図１−２】本発明動作検出装置における動作検出過程の構成例を示すフロー図である。
【図２】本発明の動作検出装置の別の構成を示す概念図である。
【図２Ｂ】本発明の動作検出装置のまた別の構成を示す概念図である。
【図３Ａ】本発明動作検出装置およびそれに係る中継機との関係を示す概念図である。
【図３Ｂ】本発明に係る中継機の例を示す説明図である。
【図３−２】本発明動作検出装置およびそれに係る中継機との別の関係を示す概念図である。
【図４】本発明動作検出装置（動作検出ユニット）による転倒検出推移を示す説明図である。
【図５】本発明動作検出システムの基本構成を示す概念図である。
【図６】本発明動作検出システムの構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図１は、本発明の動作検出装置の基本構成を示す概念図である。図示するように本動作検出装置４は、検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられる装置であって、検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサ１と、３軸加速度センサ１によるセンサ信号を処理する信号処理手段２と、信号処理手段２により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段３とを備えてなることを、基本的な構成とする。なお信号処理手段２としては、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ等が好適に用いられる。また、３軸加速度センサ１は、Ｘ，Ｙ，Ｚ方向の加速度計測を行うものである。
【００２４】
かかる構成により、検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられる本動作検出装置４では、検出対象者が歩行等の運動を行うと、３軸加速度センサ１によってその歩行等の運動に基づき加速度が検知され。このようにして３軸加速度センサ１によって得られたセンサ信号は、信号処理手段２によって所定の処理がなされて、それにより一定の処理信号が得られる。当該処理信号は、通信手段３によって外部に対して送信され得る。
【００２５】
つまり本装置４によれば、検出対象者の動作は１つのセンサ１によって常に自動的に検知されてセンサ信号が得られ、センサ信号が信号処理手段２により処理されてなる処理信号が、これを検出対象者における特定の運動（動作）によるものと判断されて、通信手段３による外部送信がなされるものとすることができる。特定の運動（動作）としては、主として転倒を想定しているが、これに限定されない。なお以下では、特定の運動（動作）として転倒を主に説明する。
【００２６】
本動作検出装置４においては、信号処理手段２で、予め設定された平常時を示す加速度基準値と、現在の加速度測定値との比較に基づいて、検出対象者における転倒発生が判断される構成とすることができる。かかる構成により本装置４の信号処理手段２では、現在の加速度測定値は予め設定された平常時を示す加速度基準値と比較されて、その結果最終的に、転倒発生の有無が判断される。
【００２７】
そして本動作検出装置４においては、加速度基準値の設定は、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいてなされるように、信号処理手段２には加速度の解析機能および学習機能が備えられた構成とすることができる。かかる構成により本装置４では、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度は、信号処理手段２が備えた解析機能および学習機能を含む処理方法よって処理され、加速度基準値が設定される。
【００２８】
なお一般的に、特定の個人において、通常の歩行動作時における加速度の値は、ある範囲内に分布する。したがって、本装置４は信号処理手段２においてかかる加速度範囲を学習し、その範囲から著しく逸脱する加速度を検出したときに、検出対象者における「転倒発生」と判断する方法をとることができる。
【００２９】
本発明の動作検出装置は、要するに、歩行動作を計測する３軸加速度センサと、そのセンサ信号を処理するマイクロコンピュータ、および外部の情報端末と無線通信可能なモジュール等の無線回路を用いて構成することができ、検出対象者の歩行動作から転倒を検出する機能が組込まれたものである。そして、高齢者等の検出対象者が携帯・装着するのに全く邪魔にならない小さいサイズにて、構成することができる。
【００３０】
本動作検出装置４では、センサ信号に基づいて信号処理手段２により、検出対象者の歩行数データを得るものとすることができる。つまり、３軸加速度センサ１により計測された信号が信号処理手段２によって処理されて歩行数データが得られる。本発明においては、このようにして日常的に計測された検出対象者の歩行数データを、後述する動作検出システムによって家族等の操作する情報端末に送信し、これをもって高齢者等の日常生活見守りサービスを実現することができる。本システムについては、追って改めて詳述する。
【００３１】
図１−２は、本発明動作検出装置における動作検出過程の構成例を示すフロー図である。図示するように本動作検出装置においては、図１により説明した上記動作検出装置を、検出対象者に携帯もしくは装着させ（ＳＴＡＲＴ）、加速度基準値設定ステップＳ１における処理により予め設定された平常時を示す加速度基準値Ｄ１と、現在の加速度測定ステップＳ２において測定された加速度測定値Ｄ２とが、比較ステップＳ３において比較され、その比較に基づき検出対象者における転倒の発生の有無が判断される。
【００３２】
図において、加速度基準値設定ステップＳ１では、信号処理手段における加速度の解析機能および学習機能により、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいて加速度基準値Ｄ１の設定がなされる構成とすることができる。
【００３３】
なお、比較ステップＳ３において加速度基準値Ｄ１と加速度測定値Ｄ２とが比較され、転倒発生の有無が判断されるが、「無（Ｎ）」の場合には加速度基準値設定ステップＳ１に戻って処理が続行されて基準値の設定の更新がなされ、「有（Ｙ）」の場合には、動作検出に係る信号（情報）が送信手段によって装置外部へと送信される送信ステップＳ４へと進む。
【００３４】
本発明の動作検出装置の通信手段としては、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＺｉｇＢｅｅ、Ｘｂｅｅ、無線ＬＡＮまたはその他の無線通信方式により外部の情報端末との間で無線通信可能な無線回路を用いたものを、好適に採用することができる。有線通信手段を用いるよりも、装置本体の構造も簡素化でき、また信号線等の付属物も不要であるため、検出対象者が携帯・装着するのに便利であり、それとともに、後述する中継機の選択範囲も広がり、適用領域を拡大するのにも便利だからである。
【００３５】
図２は、本発明の動作検出装置の別の構成を示す概念図である。図示するように本動作検出装置２４は、検出対象者自身により操作可能な入力手段２０を備え、入力手段２０による入力に係る信号を、通信手段２３を介して外部に対して送信可能であることを、特徴的な構成とする。入力手段２０としては適宜形態・仕様のスイッチを用いることができるが、従来の押しボタン方式の装置に用いられているような押しボタンを用いることが、操作の簡単さの点で望ましい。
【００３６】
したがって本動作検出装置２４では、自動的な運動（動作）検出態勢、特に転倒検出態勢が常時とられている上に、検出対象者自身が入力手段２０を押す等の操作を実行することによって、自身の認知・判断に基づいての、転倒に限らない異常通報を随時実施することもできる。これは、検出対象者に意識があり、しかも自身による異常発生の判断を行えて、入力操作も可能である場合、有用である。
【００３７】
図２Ｂは、本発明の動作検出装置のまた別の構成を示す概念図である。図示するように本動作検出装置２４Ｂでは、信号処理手段２２Ｂを中心としてこれに入力手段２０Ｂ、送信手段２３Ｂが接続されている構成である。本構成例によれば、たとえば、スイッチ等の入力手段２０Ｂによる入力信号を、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ等の信号処理手段２２Ｂで処理し、各種データの送受信が行われる（これには、送信手段２３Ｂによる送信処理も含まれる）、という方式が可能である。
【００３８】
なお、ここに述べたように本発明動作検出装置の送信手段は、信号（情報）を送信するのみならず受信も可能な、送受信手段として構成することも範囲内である。
【００３９】
図３Ａは、本発明動作検出装置およびそれに係る中継機との関係を示す概念図である。また図３Ｂは、本発明に係る中継機の例を示す説明図である。図３Ａに示すように本動作検出装置３４は、本装置３４からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機３５Ｐとの組み合わせによって、屋内外全域における転倒検出を通報可能なものとして構成することができる。図において中継機は３５Ｐの符号にて一つのみを示しているが、これは一例であり、二以上の中継機を設ける構成としてもよい。なお、通信手段としては上述の無線通信方式が採用される。また、図は、検出対象者の操作による別途の入力手段３０の設けられている構成を示すが、もちろん入力手段を設けない構成としてもよい。以降の他の図においても、同様である。また図３Ｂに示すように中継機には、パーソナルコンピュータ（図ではパソコン）や携帯型電話機（図では携帯電話）、Ａｎｄｒｏｉｄ端末、無線ＬＡＮ機器を搭載した情報機器、アクセスポイント、基地局など、本装置３４をネットワークシステムへと接続するための中継を行うことのできるものを、特に限定なく広く含むものとする。
【００４０】
かかる構成により本動作検出装置３４によれば、本装置３４の通信手段３３から適宜の無線通信方式によって送信される転倒検出の信号は、中継機３５Ｐにより受信される。図示しないが、後述するように、中継機３５Ｐにより一旦受信された転倒検出の信号はさらに、適宜のネットワークシステムを介することによって、当該ネットワークシステムに接続した、あるいは接続可能な所定のサーバや情報端末へと送信・伝達されるものとすることができる。
【００４１】
図３−２は、本発明動作検出装置およびそれに係る中継機との別の関係を示す概念図である。図示するように本動作検出装置３４は、中継機３５Ｐを屋内にて使用するものとして位置付け、一方、中継機３５Ｑを屋外においても使用可能なものとして位置付け、これら二つの中継機３５Ｐ、３５Ｑを屋内−屋外で引き継ぎ可能な仕様とし、それにより屋内外全域における転倒検出を通報可能な動作検出装置として構成することができる。
【００４２】
各中継機３５Ｐ、３５Ｑは、図３の説明と同様に、少なくともいずれか一方が二つ以上設けられる構成とすることを、本発明は排除しない。しかしながら、屋内用として一つ、屋外用として一つ、計二つの中継機が設けられていれば、安定した通報経路を確保することができる。
【００４３】
かかる構成により本動作検出装置３４によれば、本装置３４の通信手段３３から適宜の無線通信方式によって送信される転倒検出の信号は、屋内においては、中継機３５Ｐにより受信される。また屋外においては、中継機３５Ｑにより受信される。そしていずれの中継機においても、一旦受信された転倒検出の信号はさらに、適宜のネットワークシステムを介することによって、当該ネットワークシステムに接続した、あるいは接続可能な所定のサーバや情報端末へと送信・伝達されるものとすることができる。したがって、検出対象者が屋内外を問わず本動作検出装置３４を装着・携帯している限り、転倒（異常動作）が発生した場合に、屋内外全域において、検出対象者もまた管理者・関係者も、本装置３４による転倒検出およびその通信、通報の効果を得ることができる。
【００４４】
中継機３５Ｐを屋内用として構成する場合、セットトップポックス（ＳＴＢ）をこれに充てることができる。また、中継機３５Ｑを屋外用として構成する場合、スマートフォンを含む携帯型電話機か、あるいはその他の携帯型情報端末（ＰＤＡなど）をこれに充てることができる。かかる構成により、検出対象者が動作検出装置３４と、中継機３５Ｑとしての携帯型情報端末とを携帯もしくは装着している限り、検出対象者もまた関係者も、屋内外全域における本発明の効果を、問題なく得ることができる。
【００４５】
なお、無線通信手段として無線LANを用いる場合は、中継機としては無線ＬＡＮルータなどの無線ＬＡＮ通信機器が用いられるが、以降の説明では、屋内用の中継機の例としてＳＴＢを主として説明する。
【００４６】
図３、図３−２において、動作検出装置３４と中継機３５Ｐ等により屋内外全域における転倒検出通報可能な機能単位を、特に、動作検出ユニット３６Ｐ等として把握することもできる。つまり本発明は、動作検出装置３４と中継機３５Ｐ等とを機能的に関連する一組として、高齢者等の検出対象者およびその管理者・関係者に対して提供するものとすることができる。
【００４７】
図３−２に示すように、動作検出装置３４と中継機３５Ｐによる動作検出ユニット３６Ｐ、動作検出装置３４と中継機３５Ｑによる動作検出ユニット３６Ｑ、動作検出装置３４と中継機３５Ｐおよび３５Ｑによる動作検出ユニット３６Ｒ、いずれのパターンであっても、本動作検出ユニットに該当する。また上述のように、中継機としては、屋内用としてＳＴＢ、主として屋外用として携帯型電話機その他の携帯型情報端末を、それぞれ用いることができる。なお、中継機３５Ｐ、３５Ｑは、動作検出装置３４から得られる歩行数などの情報を、所定の画面上に表示可能な構成とすることもできる。かかる構成により、歩行数などの情報を動作検出装置３４から取得し次第、中継機３５Ｐ等はその画面上に、すぐにその情報を表示することができる。
【００４８】
図４は、本発明動作検出装置（動作検出ユニット）による転倒検出推移例を示す説明図である。図示するように、検出対象者には、動作検出装置４５および中継機４５Ｐが携帯もしくは装着させられる。通常時（平常時）においては、加速度基準値設定ステップＳ１が実行される。すなわち、信号処理手段における加速度の解析機能および学習機能により、検出対象者における通常時の歩行の際に検知された加速度変化が計測され、これに基づいて通常時を示す加速度基準値（Ｄ１）が設定される。
【００４９】
また、現在の加速度測定ステップＳ２と比較ステップＳ３も常時実施されるが、通常時においては転倒発生が判断されないので、前掲図１−２に示したように、現在の加速度測定ステップＳ２と比較ステップＳ３とが繰り返される。
【００５０】
またこの時、本装置４４が歩行数を算出する構成も備えている場合には、計測される加速度変化のデータに基づいて歩行数が算出され、これは本動作検出装置４４の送信手段によって、中継機４５Ｐを介して、家族等や管理者側の操作に係る情報端末など、外部へと送信される。
【００５１】
緊急時、すなわち３軸加速度センサが通常時よりも強い加速度を検知した時は、比較ステップＳ３において「転倒発生」が判断され、すなわち転倒が検出され、転倒検出の信号（情報）は、送信ステップＳ４により、動作検出装置４４の送信手段から中継機４５Ｐへと送信される。なお、図には、通信方式としてＢｌｕｅｔｏｏｔｈ、中継機としてスマートフォンの記載が含まれるが、これらは一例であり、本発明がこれらに限定されるものではない。
【００５２】
なお、動作検出装置４４が入力手段を備えている場合は、検出対象者自身がこれを操作することによっても、その入力操作に係る信号が送信手段から中継機４５Ｐへと送信される。
【００５３】
また、動作検出装置４４において歩行数データが得られる構成の場合は、歩行数データは外部へと送信されるのみならず、スマートフォン等の中継機４５Ｐにおいても表示されるものとすることもできる。これにより検出対象者も、自身の身体状況を常時、適宜把握し、管理することができる。
【００５４】
図５は、本発明動作検出システムの基本構成を示す概念図である。図示するように本動作検出システム５１０は、動作検出装置５４ならびに一または二以上の中継機５５からなる動作検出ユニット５６と、ネットワークシステム５８を介して動作検出ユニット５６と接続可能なサーバ５７とからなるシステムであって、サーバ５７は、動作検出ユニット５６の中継機５５から送信された転倒の情報を蓄積するとともに、転倒発生時における転倒発生の情報発信を行うものとして構成されていることを、基本とする。なお、図示するように、入力手段５０による情報発信が可能な構成を採れることは、上述のとおりである。
【００５５】
かかる構成により本動作検出システム５１０においては、動作検出装置５４から送信された転倒検出の信号は、中継機５５により一旦受信され、それからネットワークシステム５８を介して、これに接続されたサーバ５７に伝達される、あるいはこれに接続可能なサーバ５７に対して伝達可能である。そしてサーバ５７において、送信された転倒検出の信号（情報）が蓄積され、また新たに、転倒発生時における転倒発生の情報発信がサーバ５７もしくはこれと接続されている情報端末からなされる。
【００５６】
図において本動作検出システム５１０には、ネットワークシステム５８を介してサーバ５７に接続される、または接続可能な動作検出サービス利用者側端末５９を含めることができる。動作検出サービス利用者側端末５９は、検出対象者の管理者・関係者による使用・操作を想定したものである。かかる構成により、サーバ５７から発信される転倒発生の情報は、動作検出サービス利用者側端末５９において受信することができ、検出対象者における転倒発生の管理者・関係者側への通報が完遂される。
【００５７】
図６は、本発明動作検出システムの構成例を示す説明図である。図示するように本システム６１０は、動作検出装置６４、中継機６５Ｐならびに６５Ｑと、ネットワークシステム６８を介して中継機６５Ｐ等と接続可能なサーバ６７とからなるシステムであって、サーバ６７は、中継機６５Ｐ等から送信された転倒の情報を蓄積するとともに、転倒発生時における転倒発生の情報発信を行うものとして構成される。ここで、中継機６５Ｐとしては屋外でも使用可能なスマートフォン等の携帯型情報端末を、また中継機６５Ｑとしては屋内で使用可能なセットトップボックス（ＳＴＢ）を、それぞれ用いるものとすることができる。さらに本システム６１０には、ネットワークシステム６８を介してサーバ６７に接続される動作検出サービス利用者側端末６９を含めることができる。なお、図示しないが、入力手段による情報発信が可能な構成を採れることは、上述のとおりである。
【００５８】
かかる構成により本動作検出システム６１０によれば、検出対象者が動作検出装置６４および中継機６５Ｐを常時携帯・装着している限り、該装置６４から送信された転倒検出の信号は、屋内の場合には中継機６５Ｑにより、また屋外の場合には中継機６５Ｐにより一旦受信され、それからネットワークシステム６８を介して、サーバ６７に伝達され、サーバ６７では、送信された転倒検出の信号（情報）が蓄積され、転倒発生時における転倒発生の情報発信がなされ、動作検出サービス利用者側端末６９ではこれが受信されて、検出対象者における転倒発生の管理者・関係者側への通報が完遂される。
【００５９】
なお本動作検出システム６１０においては、動作検出装置６４と中継機６５Ｐ等の組によってネットワークシステム６８へ向けて転倒検出通報可能な機能単位を、特に、動作検出ユニット６６Ｐ等として把握することもできる。図では、動作検出装置６４と中継機６５Ｐによる動作検出ユニット６６Ｐ、動作検出装置６４と中継機６５Ｑによる動作検出ユニット６６Ｑのいずれも、動作検出ユニットに該当する。また、図示しないが、動作検出装置６４と中継機６５Ｐおよび６５Ｑ双方によるものも、動作検出ユニットに該当する。
【００６０】
本動作検出システムはまた、中継機のＧＰＳ機能を利用すること等によって、中継機からの情報に基づき、検出対象者の転倒発生地点を判別可能なものとして構成することもできる。かかる構成とすることで、特に屋外において検出対象者の転倒が発生した場合に、その地理的位置を特定ないし推測することができ、検出対象者の発見、保護・救助など、異常発生検出後におけるより有効な対応を取ることが可能となる。
【００６１】
このように本発明動作検出システムによれば、携帯型電話機やインターネットなど広く普及している情報端末やネットワークシステムにより、異常発生を、家族や対処する関連施設等の管理者側にリアルタイムで通報することができるため、高齢者等検出対象者は、その生活・行動範囲を拡大することが可能となり、実用性が高く、かつ人間性を重視した日常生活見守りシステムを提供することができる。
【００６２】
なお、図５、図６いずれにおいても、本発明動作検出システム５１０、６１０は、ネットワークシステム５８、６８を介し取り扱われる動作検出装置５４、６４からの情報には、検出対象者の歩行数データが含まれているものとすることができる。そしてサーバ５７、６７は歩行状況情報を常時出力し、サービス利用者側端末５９、６９はこれを受信可能な構成とすることができる。
【００６３】
かかる構成により、家族や対処する関連施設等の管理者側では、その操作に係る動作検出サービス利用者側端末５９、６９において歩行数データも受信することができる。これにより、検出対象者に転倒等の緊急事態が発生していない平常時においても、家族等は常時、検出対象者の歩行状況情報を得て、その挙動を把握・管理することができ、検出対象者の日常生活を平常時から見守ることができる。なお、本発明動作検出システム５１０等においては、中継機５５等が、前記サーバ５７等からの情報を、所定の画面上に表示可能な構成とすることもできる。かかる構成により、サーバ５７等に蓄積されている様々な情報を、中継機５５等はその画面上に表示することができる。上述した動作検出装置５４等から得た情報も表示可能な構成とできることは、いうまでもない。したがって、中継機５５等には動作検出装置５４等からの情報とサーバ５７等からの情報とを同時に表示可能な構成とすることもできる。サーバ５７等からの情報の表示は、動作検出装置５４等からの情報取得・表示に連動したもの、自動的なものとしてもよいし、別個独立のものとしてもよく、具体的な表示方法については、適宜に設計するものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【００６４】
本発明の動作検出装置、動作検出ユニット、動作検出システムおよび動作検出方法によれば、簡易な構成により、家族等は検出対象者の日常生活を平常時から見守ることができ、安全・安心な生活を営むことができ、ヘルスケア型ともいうべき日常生活見守りシステムを構築することができる。本発明に係る動作検出装置等は、携帯・装着にも便利で違和感がなく、しかも省電力かつ低コストであるため、実用性が高い。
【００６５】
しかも本発明によれば、高齢者等検出対象者の安全・安心な屋外活動が可能となり、生活・行動範囲を拡大できるため、実用性が高く、かつ人間性を重視した日常生活見守りシステムを提供することができる。もちろん検出対象者は高齢者だけではなく、身体的にあるいは知的に障害のある者、幼児等にも、本発明を適用することができる。したがって、福祉、介護、医療、警備、情報・通信・ネットワーク技術等の分野を初めとする広い産業分野において、利用性が高い発明である。
【符号の説明】
【００６６】
１、２１、２１Ｂ、３１、５１…３軸加速度センサ
２、２２、２２Ｂ、３２、５２…信号処理手段
３、２３、２３Ｂ、３３、５３…通信手段
４、２４、２４Ｂ、３４、４４、５４、６４…動作検出装置
２０、２０Ｂ、３０、５０、６０…入力手段
３５Ｐ、３５Ｑ、４５Ｐ、５５、６５Ｐ、６５Ｑ…中継機
３６Ｐ、３６Ｑ、３６Ｒ、５６、６６Ｐ、６６Ｑ…動作検出ユニット
５１０、６１０…動作検出システム
５７、６７…サーバ
５８、６８…ネットワークシステム
５９、６９…動作検出サービス利用者側端末
Ｄ１…加速度基準値
Ｄ２…加速度測定値
Ｓ１…加速度基準値設定ステップ
Ｓ２…現在の加速度測定ステップ
Ｓ３…比較ステップ
Ｓ４…送信ステップ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられる動作検出装置であって、該装置は、検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサと、該３軸加速度センサによるセンサ信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段とを備えてなる、動作検出装置。
【請求項２】
前記信号処理手段においては、予め設定された平常時を示す加速度基準値と現在の加速度測定値との比較に基づき、検出対象者における転倒発生が判断されることを特徴とする、請求項１に記載の動作検出装置。
【請求項３】
前記加速度基準値の設定は検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいてなされるよう、前記信号処理手段には該加速度の解析機能および学習機能が備えられていることを特徴とする、請求項２に記載の動作検出装置。
【請求項４】
前記信号処理手段により、前記センサ信号に基づいて検出対象者の歩行数データが得られることを特徴とする、請求項１ないし３のいずれかに記載の動作検出装置。
【請求項５】
前記通信手段はＢｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＺｉｇＢｅｅ、Ｘｂｅｅ、無線ＬＡＮまたはその他の無線通信方式により外部の情報端末との間で無線通信可能な無線回路による手段であることを特徴とする、請求項１ないし４のいずれかに記載の動作検出装置。
【請求項６】
検出対象者自身により操作可能な入力手段を備え、該入力手段による入力に係る信号を前記通信手段を介して外部に対して送信可能に構成されていることを特徴とする、請求項１ないし５のいずれかに記載の動作検出装置。
【請求項７】
前記動作検出装置からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機との組み合わせによって、検出対象者の動作を通報可能であることを特徴とする、請求項１ないし６のいずれかに記載の動作検出装置。
【請求項８】
請求項１ないし７のいずれかに記載の動作検出装置と、該動作検出装置からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機とからなる、動作検出ユニット。
【請求項９】
前記中継機として、屋内にて使用可能な情報端末か、または屋外使用も可能な携帯型情報端末の少なくともいずれか一方が用いられることを特徴とする、請求項８に記載の動作検出ユニット。
新設
【請求項１０】
前記中継機は、前記動作検出装置から得られる情報を表示可能に構成されていることを特徴とする、請求項８または９に記載の動作検出ユニット。
【請求項１１】
請求項８ないし１０のいずれかに記載の動作検出ユニットと、ネットワークシステムを介して該動作検出ユニットと接続可能なサーバとからなる動作検出システムであって、該サーバは、該動作検出ユニットの中継機から送信される情報を蓄積するとともに検出対象者の動作の情報発信を行い、かかる構成により検出対象者の屋内外全域における行動を可能とすることを特徴とする、動作検出システム。
【請求項１２】
前記ネットワークシステムを介して前記サーバに接続される動作検出サービス利用者側端末が含まれることを特徴とする、請求項１１に記載の動作検出システム。
【請求項１３】
前記情報には検出対象者の歩行数データが含まれることを特徴とする、請求項１１または１２に記載の動作検出システム。
【請求項１４】
前記サーバからは、検出対象者の転倒検出情報に加え、その歩行状況情報の常時出力が可能なように構成されていることを特徴とする、請求項１１ないし１３のいずれかに記載の動作検出システム。
新設
【請求項１５】
前記中継機は、前記サーバからの情報を表示可能に構成されていることを特徴とする、請求項１１ないし１４のいずれかに記載の動作検出システム。
【請求項１６】
検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサと、該３軸加速度センサによるセンサ信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段とを備えてなる動作検出装置を、検出対象者に携帯もしくは装着させ、該信号処理手段において予め設定された平常時を示す加速度基準値と現在の加速度測定値との比較に基づき検出対象者における転倒発生その他の動作を検出する、動作検出方法。
【請求項１７】
前記信号処理手段における加速度の解析機能および学習機能により、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいて前記加速度基準値の設定がなされることを特徴とする、請求項１６に記載の動作検出方法。
【請求項１】
検出対象者に携帯もしくは装着されて用いられる動作検出装置であって、該装置は、検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサと、該３軸加速度センサによるセンサ信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段とを備えてなる、動作検出装置。
【請求項２】
前記信号処理手段においては、予め設定された平常時を示す加速度基準値と現在の加速度測定値との比較に基づき、検出対象者における転倒発生が判断されることを特徴とする、請求項１に記載の動作検出装置。
【請求項３】
前記加速度基準値の設定は検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいてなされるよう、前記信号処理手段には該加速度の解析機能および学習機能が備えられていることを特徴とする、請求項２に記載の動作検出装置。
【請求項４】
前記信号処理手段により、前記センサ信号に基づいて検出対象者の歩行数データが得られることを特徴とする、請求項１ないし３のいずれかに記載の動作検出装置。
【請求項５】
前記通信手段はＢｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＺｉｇＢｅｅ、Ｘｂｅｅ、無線ＬＡＮまたはその他の無線通信方式により外部の情報端末との間で無線通信可能な無線回路による手段であることを特徴とする、請求項１ないし４のいずれかに記載の動作検出装置。
【請求項６】
検出対象者自身により操作可能な入力手段を備え、該入力手段による入力に係る信号を前記通信手段を介して外部に対して送信可能に構成されていることを特徴とする、請求項１ないし５のいずれかに記載の動作検出装置。
【請求項７】
前記動作検出装置からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機との組み合わせによって、検出対象者の動作を通報可能であることを特徴とする、請求項１ないし６のいずれかに記載の動作検出装置。
【請求項８】
請求項１ないし７のいずれかに記載の動作検出装置と、該動作検出装置からの通信を受信しかつ送信可能な一または二以上の中継機とからなる、動作検出ユニット。
【請求項９】
前記中継機として、屋内にて使用可能な情報端末か、または屋外使用も可能な携帯型情報端末の少なくともいずれか一方が用いられることを特徴とする、請求項８に記載の動作検出ユニット。
新設
【請求項１０】
前記中継機は、前記動作検出装置から得られる情報を表示可能に構成されていることを特徴とする、請求項８または９に記載の動作検出ユニット。
【請求項１１】
請求項８ないし１０のいずれかに記載の動作検出ユニットと、ネットワークシステムを介して該動作検出ユニットと接続可能なサーバとからなる動作検出システムであって、該サーバは、該動作検出ユニットの中継機から送信される情報を蓄積するとともに検出対象者の動作の情報発信を行い、かかる構成により検出対象者の屋内外全域における行動を可能とすることを特徴とする、動作検出システム。
【請求項１２】
前記ネットワークシステムを介して前記サーバに接続される動作検出サービス利用者側端末が含まれることを特徴とする、請求項１１に記載の動作検出システム。
【請求項１３】
前記情報には検出対象者の歩行数データが含まれることを特徴とする、請求項１１または１２に記載の動作検出システム。
【請求項１４】
前記サーバからは、検出対象者の転倒検出情報に加え、その歩行状況情報の常時出力が可能なように構成されていることを特徴とする、請求項１１ないし１３のいずれかに記載の動作検出システム。
新設
【請求項１５】
前記中継機は、前記サーバからの情報を表示可能に構成されていることを特徴とする、請求項１１ないし１４のいずれかに記載の動作検出システム。
【請求項１６】
検出対象者の歩行等の運動に基づき加速度を検知する３軸加速度センサと、該３軸加速度センサによるセンサ信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段により得られた処理信号を外部に対して送信可能な通信手段とを備えてなる動作検出装置を、検出対象者に携帯もしくは装着させ、該信号処理手段において予め設定された平常時を示す加速度基準値と現在の加速度測定値との比較に基づき検出対象者における転倒発生その他の動作を検出する、動作検出方法。
【請求項１７】
前記信号処理手段における加速度の解析機能および学習機能により、検出対象者における平常時の歩行の際に検知された加速度に基づいて前記加速度基準値の設定がなされることを特徴とする、請求項１６に記載の動作検出方法。
【図１】
【図１−２】
【図２】
【図２Ｂ】
【図３Ａ】
【図３−２】
【図４】
【図５】
【図６】
【図３Ｂ】
【図１−２】
【図２】
【図２Ｂ】
【図３Ａ】
【図３−２】
【図４】
【図５】
【図６】
【図３Ｂ】
【公開番号】特開２０１３−３１１（Ｐ２０１３−３１１Ａ）
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１３３８６７（Ｐ２０１１−１３３８６７）
【出願日】平成２３年６月１６日（２０１１．６．１６）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ
２．ＺＩＧＢＥＥ
【出願人】（３０９０１５０１９）地方独立行政法人青森県産業技術センター (52)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月１６日（２０１１．６．１６）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ
２．ＺＩＧＢＥＥ
【出願人】（３０９０１５０１９）地方独立行政法人青森県産業技術センター (52)
【Ｆターム（参考）】
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