説明

動作玩具

【課題】動作制御を行うためのパターンを玩具のデザイン性を損なうことなく自然に配置するとともに、移動体の移動速度に応じて動作制御を変化させ、バリエーション豊かな動作を楽しむことのできる動作玩具を提供する。
【解決手段】経路上に、形象物パターン又は光センサ206のうちの一方が設けられ、自動車模型20に、形象物パターン又は光センサ206のうちの他方が設けられており、制御装置210は、光センサ206によって検知された外部刺激から形象物パターンを検出し、この形象物パターンと光センサ206が外部刺激を検知した速度とに応じて、自動車模型20、又は経路若しくはその近傍に設けられた構造物のうちの少なくともいずれか1つの動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車や電車等の車両を道路や線路に沿って走行させる走行玩具や、ぬいぐるみ、人形等を所定の経路に沿って移動させる玩具等において、車両や人形等が移動すると、その移動に伴って当該車両や人形がサイレンや声等の音を発したり、ライトを点灯する等の動作を行うように制御するものが知られている。
【0003】
具体的には、モータにより走行可能な玩具走行部に走行面からの光を受光する受光部を設け、走行面に玩具走行部の走行移動に対応して受光部が検出する光量が変化する模様を設けて、受光部が検出した光量の変化に応じてモータを制御したり、音発生部から音を発生させるようにした走行玩具や遊技システムが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
このように、玩具走行部の走行移動に対応してモータを制御したり、音を発生させたりすることにより、走行環境に対応した臨場感に富んだ動作をさせることが可能となり、その遊戯性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2913501号公報
【特許文献2】特許第2862135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載されている技術では、同じ模様の上で走行玩具を走行させたときには常に同じ動作をするように制御することしかできず、走行玩具の移動速度等に応じて変化を生じさせることはできないため、反応が単調となり、面白みに欠ける。
【0007】
また、特許文献1、特許文献2に記載されている技術では、走行面に走行玩具の走行移動に対応して受光部が検出する光量を変化させるバーコード状の模様を設けることが必要である。しかし、道路や線路等の走行経路上にこのような模様が存することは不自然であり、より本物らしさを追求すべき模型玩具において、外観を損ない、デザイン的にも好ましくないとの問題がある。
【0008】
そこで、本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、動作制御を行うためのパターンを玩具のデザイン性を損なうことなく自然に配置するとともに、移動体の移動速度に応じて動作制御を変化させ、バリエーション豊かな動作を楽しむことのできる動作玩具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の問題を解決するために、請求項1に記載の動作玩具は、
外部刺激を生じさせる形象物パターンと、
前記形象物パターンにより生じた外部刺激を検知する検知手段と、
所定の経路上を移動する移動体と、
を備える動作玩具であって、
前記経路上には、前記形象物パターン又は前記検知手段のうちの一方が設けられ、
前記移動体には、前記形象物パターン又は前記検知手段のうちの他方が設けられており、
前記移動体は、移動速度が可変であって、
前記検知手段によって検知された前記外部刺激から前記形象物パターンを検出し、この形象物パターンと前記検知手段が前記外部刺激を検知した速度とに応じて、前記移動体、又は前記経路若しくはその近傍に設けられた構造物のうちの少なくともいずれか1つの動作を制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動作玩具であって、
前記形象物パターンは、前記外部刺激として光の明暗を生じさせる透光部及び遮光部により構成されており、
前記検知手段は、前記光の有無又は強弱を検知する光センサであることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の動作玩具であって、
前記光センサは、前記移動体の上面に設けられており、
前記遮光部は、前記経路上に前記移動体の上面を覆うように設けられ、
前記透光部は、前記遮光部に設けられた透光孔であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の動作玩具であって、
前記光センサは、前記経路上に設けられており、
前記移動体は、前記光センサに対向する位置を移動する際に光を遮光する遮光部として機能することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の動作玩具であって、
前記形象物パターンは、前記外部刺激として音を発音させる発音部により構成されており、
前記検知手段は、前記発音部から発音された音を検知する音センサであることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の動作玩具であって、
前記発音部は、前記経路上に設けられた凹部又は凸部の少なくともいずれか一方であって、前記移動体が前記発音部を通過する際に音を発音させるものであることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の動作玩具であって、
前記音センサは、前記経路上に設けられており、
前記移動体は、前記音センサに対向する位置を移動する際に音を発音させる発音部として機能することを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の動作玩具であって、
前記移動体は、前記経路上を走行する走行玩具本体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、経路上又は移動体に形象物パターンを設け、この形象物パターンにより生じた外部刺激を検知して、これを動作玩具の動作制御にフィードバックする。このため、バーコード等を経路上に配置して、これを読み取ることで動作制御を行う場合と比較して、パターンが玩具の背景等に自然に溶け込み、デザイン的にも優れ、より違和感なく楽しむことが可能になる。
また、形象物パターンと検知手段が外部刺激を検知した速度とに応じて、移動体等の動作制御を行うため、同じ形象物パターンが配置された経路上で移動体を移動させても、その移動速度により異なる動作を行わせることができる。このため、ユーザの操作やテクニック等に応じた様々なバリエーションの反応を楽しむことができるとの効果を奏する。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、形象物パターンは、外部刺激として光の明暗を生じさせる透光部及び遮光部により構成されている。このため、比較的安価かつ簡易な検知手段である光センサによって外部刺激を検知することが可能であり、装置の小型化、装置構成の簡素化を図ることができるとともに、製造コストを抑えることができるとの効果を奏する。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、光センサは、移動体の上面に設けられており、遮光部は、経路上に移動体の上面を覆うように設けられ、透光部は、遮光部に設けられた透光孔であるため、例えば動作玩具の経路上に透光孔を設けたトンネル等の構造物を配置することにより透光部及び遮光部を備えることができる。このため、バーコード等を経路上に配置して、これを読み取ることで動作制御を行う場合と比較して、パターンが玩具の背景等に自然に溶け込み、デザイン的にも優れ、より違和感なく楽しむことできるとの効果を奏する。
また、例えばバーコード等を読み取って動作制御を行う場合には、読取対象に対して光を照射し、その反射光を受光することが必要となるため、検知手段としては、発光部と受光部とを備えるものを用いる必要がある。これに対して、請求項3に記載の発明によれば、例えば自然光を遮光する遮光部と自然光を透過させる透光孔とによって、光の有無又は強弱という外部刺激を生じさせることができる。このため、検知手段としての光センサを受光部のみで構成することが可能となり、装置構成の簡易化、コストの低減を実現しつつ、様々な制御を行うことが可能となるとの効果を奏する。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、光センサが経路上に設けられており、移動体が光を遮光する遮光部として機能する。
例えばバーコード等を読み取って動作制御を行う場合には、読取対象に対して光を照射し、その反射光を受光することが必要となるため、検知手段としては、発光部と受光部とを備えるものを用いる必要がある。これに対して、請求項4に記載の発明によれば、例えば移動体が通過していないときには自然光が透過し、移動体が通過したときだけ自然光が遮光されるようにすることによって、光の有無又は強弱という外部刺激を生じさせることができる。このため、検知手段としての光センサを受光部のみで構成することが可能となり、装置構成の簡易化、コストの低減を実現しつつ、様々な制御を行うことが可能となるとの効果を奏する。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、形象物パターンは、外部刺激として音を発音させる発音部により構成されている。このため、比較的安価かつ簡易な検知手段である音センサによって外部刺激を検知することが可能であり、装置の小型化、装置構成の簡素化を図ることができるとともに、製造コストを抑えることができるとの効果を奏する。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、発音部は、経路上に設けられた凹部又は凸部の少なくともいずれか一方であるため、バーコード等を経路上に配置して、これを読み取ることで動作制御を行う場合と比較して、パターンが玩具の背景等に自然に溶け込み、デザイン的にも優れ、より違和感なく楽しむことできるとの効果を奏する。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、音センサが経路上に設けられており、移動体が音センサに対向する位置を移動する際に音を発音させる発音部として機能する。このため、装置構成を簡易化しつつ、様々な制御を行うことが可能となるとの効果を奏する。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、移動体として経路上を走行する走行玩具本体を備える走行玩具である。このため、経路上に、トンネル模型やゲート等の構造物を極自然に配置することが可能であり、こうした構造物によって外部刺激を生じさせる形象物パターンを構成することにより、装置制御に用いるパターンを動作玩具の中に違和感なく組み込むことができるとの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態に係る動作玩具の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1におけるトンネル模型周辺を拡大した拡大斜視図である。
【図3】第1の実施形態における形象物パターンを模式的に示す説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る動作玩具の制御構成を示す要部ブロック図である。
【図5】第1の実施形態における動作制御を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る動作玩具の要部構成を示した斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る動作玩具の制御構成を示す要部ブロック図である。
【図8】第3の実施形態に係る動作玩具の全体構成を示した斜視図である。
【図9】トンネル模型の一変形例を示す斜視図である。
【図10】第4の実施形態に係る動作玩具の全体構成を示した斜視図である。
【図11】第4の実施形態に係る動作玩具の一変形例の全体構成を示した斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[第1の実施形態]
先ず、図1から図5を参照しつつ、本発明に係る動作玩具の第1の実施形態について説明する。なお、本発明の範囲は図示例に限定されない。
【0027】
本実施形態において、動作玩具は、所定の経路上を走行する走行玩具本体を備える走行玩具である。
図1は、第1の実施形態における走行玩具1の全体構成例を示したものである。
同図に示すように、走行玩具1は、道路模型10と、道路模型10上を走行する自動車を模した自動車模型20と、道路模型10上の所定位置に配置されたスタートゲート11、トンネル模型12及び踏切模型13とを備えて構成されている。
【0028】
道路模型10は、走行玩具1において後述する自動車模型20が走行する所定の経路を構成するものである。道路模型10は、例えば樹脂により成型されており、一体的に構成されていてもよいし、複数に分割可能な部材を相互に結合することにより構成されていてもよい。
【0029】
スタートゲート11、トンネル模型12及び踏切模型13は、所定の経路である道路模型10若しくはその近傍に設けられた構造物である。スタートゲート11、トンネル模型12及び踏切模型13は、それぞれ樹脂等で形成されており、道路模型10上の所定位置に配置されている。
なお、これらの配置は図示例に限定されず、また、ユーザが任意の位置に配置できるように構成されていてもよい。
【0030】
図1及び図2に示すように、トンネル模型12は、その内部を通過する自動車模型20の上面を覆うように、道路模型10上に設けられており、トンネル模型12の内部を通過する際に自動車模型20を外光(自然光)から遮蔽する遮光部として機能する。
また、トンネル模型12の上面には、自然光を透過させる透光孔121が形成されている。本実施形態では、トンネル模型12の上面に5個の透光孔121が形成されている例を示しているが、透光孔121の数や配置、形状等は図示例に限定されない。
【0031】
このように、経路である道路模型10上に設けられているトンネル模型12は、移動体である自動車模型20に対する外部刺激として光の有無(光の明暗)を生じさせる透光部及び遮光部を備えており、本実施形態では、この透光部及び遮光部により形象物パターンが構成されている。
すなわち、移動体(走行玩具本体)である自動車模型20をスタートゲート11からスタートさせた場合、図3に示すように、トンネル模型12内に入るまでは、自動車模型20が自然光を受けるため「明」であり、トンネル模型12内に入ると、自動車模型20に対する自然光が遮光されるため「暗」となる。そして、自動車模型20が透光孔121の下を通過すると、透光孔121から自然光が透過して「明」となり、透光孔121のない部分を通過している間は再び「暗」となる。このように、本実施形態では、自然光を遮蔽するトンネル模型12自体及びトンネル模型12に形成された透光孔121という形象物により、光の有無(光の明暗)を生じさせるパターン(形象物パターン)が構成される。
なお、ここで「形象物パターン」とは、「形象物」、すなわち、「物理的な構造体」により所定のパターンが表現されているものをいう。
【0032】
踏切模型13は、自動車模型20からの制御指示信号を受信する図示しない受信部を備えており、受信部によって受信された制御指示信号に基づいて踏切バー131の開閉動作を行うようになっている。
【0033】
自動車模型20は、道路模型10(すなわち、所定の経路)上を走行する移動体(走行玩具本体)である。
図4に示すように、自動車模型20は、駆動源としてのモータ201を駆動させるモータ駆動部202、ヘッドライト203、スピーカ204、通信部205及び光センサ206等を備えており、これら各部を制御する制御装置210、記憶装置211及びタイマ212等を内蔵している。
自動車模型20は、モータ駆動部202を制御することにより、その走行速度(移動速度)が可変となっている。
【0034】
モータ駆動部202は、制御装置210から入力される駆動信号に従ってモータ201を駆動することにより、自動車模型20の車輪を回転させて、自動車模型20を走行させるものである。
【0035】
ヘッドライト203は、例えば、発光ダイオード(LED)を備えて構成され、制御装置210から入力される点灯信号に従ってLEDを発光させるものである。
【0036】
スピーカ204は、制御装置210から入力される音信号を出力するものである。
【0037】
通信部205は、制御装置210からの制御指示信号を外部装置に対して送信するものである。
【0038】
光センサ206は、透光部及び遮光部により構成される形象物パターンによって生じた外部刺激としての光の有無(光の明暗)を検知する検知手段である。本実施形態では、図1及び図2に示すように、光センサ206は、自動車模型20の上面に設けられている。なお、光センサ206を設ける位置は図示例に限定されず、バンパー等の自動車の前方部分の上でもよいし、自動車の後方部分の上でもよい。
光センサは、光の有無又は強弱を検知するものであり、例えば明暗センサである。光センサ206としては、例えばCdS等の光電導素子を用いたもの、各種ダイオード等の光起電力素子を用いたもの等、各種受光素子を用いたものが適用可能である。
光センサによって検知された検知結果は、制御装置210に送られるようになっている。
【0039】
タイマ212は、例えば自動車模型20がスタートした時点からの経過時間を取得するものである。タイマ212によって取得された経過時間は随時制御装置210に送られるようになっている。
【0040】
制御装置210は、記憶装置211内に格納されるプログラムに従って、自動車模型20内の各機能部への指示やデータの転送等の処理を実行し、自動車模型20全体を統括的に制御するものである。この制御装置210の機能は、各種プロセッサ等のハードウェアや、プログラム等により実現することができる。
本実施形態において、記憶装置211内には、アクション発生プログラム211aやアクションテーブル211b、音データテーブル211c等、各種のプログラムやデータ等が格納されており、制御装置210は、アクション発生プログラム211aに従って、アクション発生処理を実行する。アクションテーブル211bには、形象物パターンと光センサ206が外部刺激としての光の明暗を検知した速度とに対応して、各種のアクションパターンが格納されている。
【0041】
本実施形態では、制御装置210は、検知手段である光センサ206によって検知された外部刺激としての光の明暗から形象物パターンを検出する。すなわち、自動車模型20がトンネル模型12内に入ると、光センサ206が「明」から「暗」になったと検知し、さらに、透光孔121の下を通ると光センサ206が「明」を検知する。本実施形態の場合、「明」「暗」のパターンは、前述のように図3に示すものとなる。この検知結果は制御装置210に送られ、制御装置210は、この検知結果からトンネル模型12を示す形象物パターンであることを検出し、自動車模型20がトンネル模型12内を通過したことを把握する。
そして、制御装置210は、この形象物パターンと光センサ206が外部刺激としての光の明暗を検知した速度とに応じて、移動体である自動車模型20又は経路である道路模型10若しくはその近傍に設けられた構造物のうちの少なくともいずれか1つの動作を制御する制御手段として機能する。
具体的には、制御装置210は、タイマ212によって取得された経過時間から、自動車模型20がトンネル模型12をどの程度の速度で通過したかを算出するようになっており、制御装置210は、この算出結果に応じてアクションテーブル211bを参照し、対応するアクションパターンに従って該当する機能部を動作させることにより、各種アクションを実行する。
【0042】
このアクションパターンとしては、例えば、自動車模型20の走行動作、ヘッドライト203の点灯/消灯動作、スピーカ204からの音データの出力動作、自動車模型20の変形や合体、ゲームにおける点数の加算又は減算等の各種動作が考えられる。すなわち、例えば、形象物パターンを検知した際の速度が一定の閾値以上である場合には、モータ駆動部202を制御して自動車模型20の走行速度を落とすようにしたり、ヘッドライト203を点灯させたり、自動車模型20の形状を変形させたり、速度超過を警告する警告音やサイレン等をスピーカ204から発生させたりする。スピーカ204から音を発生させる場合には、記憶装置211内の音データテーブル211cに格納されている音データを読み出して対応する音信号をスピーカ204に出力する。また、一定の制限速度を守って走行している場合にはゲームにおける点数を加算する処理を行ったり、速度が一定の閾値以下である場合には点数を減算する処理を行うこと等も考えられる。
また、例えば、形象物パターンを検知した際の速度が一定の閾値以上である場合には、経路である道路模型10上に設けられている構造物である踏切模型13に対して制御指示信号を送信し、踏切模型13の踏切バー131を上げて踏切を開状態とさせる等の動作制御を行うことが考えられる。その他、経路である道路模型10の近傍に図示しない信号機やドライブスルーユニットを設けて、形象物パターンを検知した際の速度が一定の閾値以下である場合には、信号機を青から赤に変化させたり、自動車模型20をドライブスルーユニットの前で停止させるように制御してもよい。
なお、アクションパターンの内容は、ここに例示したものに限定されない。
【0043】
次に、図5を参照しつつ、本実施形態における走行玩具1の作用について説明する。
【0044】
自動車模型20をスタートゲート11にセットし、図示しない電源スイッチをONとすると、自動車模型20が道路模型10上を走行開始する。電源スイッチのONとともに、タイマ212のカウントも開始される(ステップS1)。
【0045】
光センサ206は、常に自動車模型20に対して照射される光の有無を検知し(ステップS2)、その検知結果を制御装置210に出力する(ステップS3)。制御装置210は光センサ206から出力された検知結果から形象物パターンを検出する(ステップS4)。
具体的には、光センサ206が検知した結果が、予め記憶装置211等に記憶されている形象物パターン(本実施形態ではトンネル模型の形象物パターン)に合致するか否かを判断する。そして、形象物パターンに合致しない場合には、当該判断処理を繰り返す。
他方、形象物パターンに合致する場合には、制御装置210は、光センサ206が光の有無を検知した速度を取得する(ステップS5)。
具体的には、初めに「暗」となったところから、形象物パターンを通過するまでの間の経過時間(すなわち、図3に示す「トンネル」区間を通過するのに要した時間)をタイマ212から取得する。
【0046】
制御装置210は、光センサ206が光の有無を検知した速度を取得すると、アクションテーブル211bを参照して、当該形象物パターン及び速度と対応付けられた動作をするように走行玩具1の各部を制御する(ステップS6)。
具体的には、例えば、トンネル模型12を通過するのに所定の閾値以下の時間しかかからなかった場合には、自動車模型20のヘッドライト203を点灯させる、スピーカ204からサイレンを発音させる、通信部205から踏切模型13に対して踏切バー131を上げるように制御指示信号を出力して踏切バー131を上げさせる等の制御を行う。逆に、トンネル模型12を通過するのに所定の閾値の以上の時間がかかった場合には、例えば、点数を減点する、ヘッドライト203を点滅させる等の制御を行う。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、走行玩具1に通常配置される構造物であるトンネル模型12及びこれに設けられた透光孔121が、形象物パターンを構成する透光部及び遮光部として機能する。このため、バーコード等を経路上に配置して、これを読み取ることで自動車模型20等を制御する場合と比較して、パターンが背景に溶け込み、デザイン的にも優れ、より自然に遊ぶことが可能になる。
【0048】
また、自動車模型20等の制御は、形象物パターンと、光センサ206が光の有無(外部刺激)を検知した速度とに応じて行われるため、同じ形象物パターン(本実施形態では、トンネル模型12の遮光部と透光孔121との配置。図3参照)を検出した場合でも、このパターンが配置されている範囲を通過するのに要した時間によって制御内容が変化する。このため、同じ道路模型10上で自動車模型20を走行させた場合でも、ユーザの操作やテクニック等に応じた様々なバリエーションの反応を楽しむことができる。
【0049】
また、本実施形態では、形象物パターンの検出は、自然光の遮蔽、透過を光センサ206で検知することにより行うため、発光部等、発信側の装置を備える必要がない。また、光センサ206も、光の有無、強弱を検知できるものであれば足りるため、明暗センサ等の比較的安価で小型の装置を用いることができる。このため、装置の小型化、装置構成の簡素化を図ることができるとともに、製造コストを抑えることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態のように、動作玩具が移動体として走行玩具本体を備える走行玩具である場合には、経路上に、トンネル模型やゲート等の構造物を極自然に配置することが可能であるため、こうした構造物に透光孔121等を形成して形象物パターンを構成することにより、装置制御に用いるパターンを動作玩具の中に違和感なく組み込むことができる。
【0051】
なお、本実施形態では、道路模型10上に形象物パターンを構成するトンネル模型12が1つのみ設けられている場合を例として説明したが、トンネル模型12の数はこれに限定されない。さらに複数のトンネル模型12を配置し、それぞれに異なる配置で透光孔121を形成してもよい。この場合には、各トンネル模型12がそれぞれ異なる形象物パターンを備えているため、制御装置210は、形象物パターンを検出することにより、自動車模型20がどのトンネル模型12を通過したかを把握することができる。このため、各トンネル模型12ごとに異なるアクションパターンを対応付けておけば、さらにバリエーションのある反応を楽しむことができる。
【0052】
また、形象物パターンを構成するトンネル模型12やその他の構造物は、ユーザが自由に並び替え、入れ替え等ができるようにしてもよい。これにより、さらにバリエーションのある遊び方を楽しむことができる。
【0053】
また、本実施形態では、トンネル模型12に透光孔121を形成して形象物パターンを構成したが、形象物パターンを構成する構造物はトンネル模型12に限定されない。例えば各種のゲートや、橋の模型等に透光孔121を形成して形象物パターンを構成してもよい。
【0054】
また、形象物パターンを構成する透光部及び遮光部は、トンネル模型12等の上面に形成されている場合に限定されない。例えば、透光孔121等がトンネル模型12等の構造物の側面に形成されている場合には、移動体である自動車模型20の側面に検知手段である光センサ206を設けるようにする。
【0055】
また、形象物パターンは、光の有無・強弱等の外部刺激を生じさせるものであれば足り、透光部及び遮光部に限定されない。例えば、トンネル模型12等、自然光を遮光する遮光部の内部に、所定のパターンをなすようにLED等で構成される発光部を備えてもよい。また、発光部を道路模型10の走行面上に設け、自動車模型20の底面に発光部からの光を受光可能な光センサ206等の検知手段を設けてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、検知手段としての光センサ206が光電導素子を用いたものや光起電力素子を用いたものである場合を例として説明したが、光センサはこれに限定されない。例えば、カラーセンサのように光複合素子(すなわち、発光素子と受光素子)で構成されるセンサを用いてもよい。
カラーセンサを用いる場合には、透光孔121等の透光部にカラーフィルタ等を配置して、透光部の配置(すなわち、距離・間隔)と各透光部から透過する光の色の違いとの組み合わせを読み取ることにより、より複雑な制御を可能としてもよい。
【0057】
また、透光部に濃い色のフィルタを配置すれば透光部から透過する光が少なくなり、薄い色のフィルタを配置すれば透光部から透過する光が多くなるため、例えば透光部にカラーフィルタ等を配置することにより、透光部から透過する光量を調整することができる。そこで、透光部にカラーフィルタ等を配置した上で、透過する光量の違いを光センサで明度差として読み取ることにより、カラーセンサを用いた場合と同様の複雑な制御を可能とすることもできる。この場合、透光部に配置するカラーフィルタをユーザが自由に入れ替え、並べ替え可能としてもよい。
【0058】
また、トンネル模型12に設けられている透光孔121に嵌め込み、又は透光孔121を被覆することによって透光孔121から透過する光の有無や強弱を調整するフィルタや蓋部材等を用意し、これをユーザが任意にトンネル模型12の透光孔121の部分に配置できるようにしてもよい。
この場合には、同じトンネル模型12であっても、ユーザがフィルタや蓋部材等をどのように配置するかによって形象物パターンを変えることができ、よりバリエーションのある遊び方を楽しむことができる。
また、透光孔121の部分に配置する部材をカラーフィルタとしたり、光の透過性の異なるフィルタとすることにより、透光孔121から透過する光の強弱をユーザが任意に変更できるようにし、この光の強弱を光センサに読み取らせるようにしてもよい。さらに、透光孔121の部分に配置する部材をカラーフィルタとする場合、検知手段として、例えばカラーセンサを用いれば、透光孔121の配置(すなわち、距離・間隔)と各透光孔121から透過する光の色の違いとの組み合わせを読み取ることにより、より複雑な制御を可能とすることができる。
【0059】
また、本実施形態では、走行玩具1の電源スイッチがONとなるとタイマ212がカウントを開始する場合を例として説明したが、タイマ212のカウント開始タイミングはこれに限定されない。例えば、走行開始後、初めて「暗」となったときにタイマ212のカウントが開始されるようにしてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、道路模型10上に透光部及び遮光部からなる形象物パターンが構成されており、自動車模型20に検知手段たる光センサ206が設けられ、自動車模型20が移動することにより光センサ206によって外部刺激が読み取られる場合を例として説明したが、道路模型10上と自動車模型20とは相対的に移動すればよく、ここに示した例に限定されない。例えば、自動車模型20が固定されており、道路模型10側がトンネル模型12とともに順次移動していくものであってもよい。この場合でも道路模型10の移動速度に応じて形象物パターンから生ずる外部刺激を光センサ206が読み取る速度が変わるため、形象物パターンと読取速度との組み合わせによって各部の動作制御を変更させることが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、外部刺激から形象物パターンを検出し、この形象物パターンと光センサ206が外部刺激を検知した速度とに応じて自動車模型20の各部等の動作を制御する制御手段が、自動車模型20に内蔵された制御装置210であり、記憶装置211及びタイマ212等も自動車模型20に内蔵されている場合を例としたが、制御装置210、記憶装置211及びタイマ212等は、自動車模型20に内蔵されている場合に限定されない。例えば、外部のコントローラ等に制御装置等を設けて、自動車模型20の光センサ206が検知した結果を通信部205からこの制御装置に送信するようにしてもよい。この場合には、自動車模型20の各部等を制御する制御指示信号が制御装置から通信部205を介して入力され、この制御指示信号に従った制御がなされることとなる。
【0062】
[第2の実施形態]
次に、図6及び図7を参照しつつ、本発明に係る動作玩具の第2の実施形態について説明する。本実施形態において、動作玩具は、第1の実施形態と同様に所定の経路上を走行する走行玩具本体を備える走行玩具である。本実施形態は、形象物パターンによって生じる外部刺激、及びこれを検知する検知手段の構成が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0063】
図6に示すように、本実施形態において、走行玩具2は、第1の実施形態と同様に道路模型30と、道路模型30上を走行する自動車を模した自動車模型20とを備えている。
【0064】
本実施形態において、所定の経路である道路模型30上には、外部刺激としての音を発音させる発音部として、移動体(走行玩具本体)である自動車模型20が通過する際に音を発音させる凸部31が設けられている。本実施形態では、7個の凸部31が配置されており、この発音部としての凸部31が、形象物パターンを構成している。
なお、凸部31は外部刺激として音を発音させることができるものであればよく、数や形状、配置等は図示例に限定されない。
また、移動体(走行玩具本体)である自動車模型20の側に、凸部31に当たることで音を発生させる図示しない叩打部材を設けて、自動車模型20が凸部31の上を通過する際に、この叩打部材が凸部31を叩くことにより音を発音させるように構成してもよい。この場合、叩打部材の位置は凸部31に接触可能な位置であれば特に限定されないが、例えば、自動車模型20の後部や、底面等に設ける。
【0065】
自動車模型20には、凸部31によって発生した外部刺激としての音を検知する検知手段として音センサ207が設けられている。音センサ207としては、例えば音圧による静電容量の変化をとらえるものや、音圧による変形から電流を直接発生させる圧電素子を用いるもの等を適用することができる。
なお、凸部31によって発生した外部刺激としての音以外の雑音等を外部刺激として検出しないように、音センサ207は、例えば一定レベル以上の音のみを外部刺激として検出したり、所定の周波数の音のみを検出するようになっていることが好ましい。
音センサ207が検知した検知結果は、制御装置210に送られるようになっている。
【0066】
本実施形態において、制御装置210は、音センサ207から送信された検知結果から形象物パターンを検出し、この形象物パターンと音センサ207が外部刺激としての音を検知した速度とに応じて、自動車模型20等の動作を制御する制御手段として機能する。
【0067】
なお、その他の構成は、第1の実施形態で示したものと同様であるため、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0068】
次に、本実施形態における走行玩具2の作用について説明する。
【0069】
自動車模型20をスタートゲートにセットし、図示しない電源スイッチをONとすると、自動車模型20が道路模型30上を走行開始するとともに、タイマ212のカウントが開始される。
【0070】
音センサ207は、常に音の有無を検知し、その結果を制御装置210に出力する。制御装置210は音センサ207から出力された検知結果が、予め記憶装置211等に記憶されている形象物パターン(本実施形態では凸部31により構成される形象物パターン)に合致するか否かを判断し、形象物パターンに合致しない場合には、この判断処理を繰り返す。
他方、形象物パターンに合致する場合には、制御装置210は、音センサ207が音の有無を検知した速度を取得する。
具体的には、制御装置210は、音センサ207が初めに音を検知したところから、形象物パターンを通過するまでの間の経過時間(すなわち、図6に示す凸部31の設置区間を通過するのに要した時間)をタイマ212から取得する。
【0071】
制御装置210は、音センサ207が音の有無を検知した速度を取得すると、アクションテーブル211bを参照して、当該形象物パターン及び速度と対応付けられた動作をするように走行玩具1の各部を制御する。具体的なアクションパターンは第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
以上のように、本実施形態によれば、走行玩具1の道路模型30上に設けられた凸部31が、形象物パターンを構成する発音部として機能する。このため、バーコード等を経路上に配置して、これを読み取ることで自動車模型20等を制御する場合と比較して、パターンが背景に溶け込み、デザイン的にも優れ、より自然に遊ぶことが可能になる。
【0073】
また、自動車模型20等の制御は、形象物パターンと、音センサ207が音の有無(外部刺激)を検知した速度とに応じて行われるため、同じ形象物パターン(本実施形態では、凸部31の配置。)を検出した場合でも、このパターンが配置されている範囲を通過するのに要した時間によって制御内容が変化する。このため、同じ道路模型30上で自動車模型20を走行させた場合でも、ユーザの操作やテクニック等に応じた様々なバリエーションの反応を楽しむことができる。
【0074】
また、本実施形態では、音を検知可能な検知手段を設けるだけで形象物パターンの検出を行うことができるため、音センサ207等の比較的安価で小型の装置を用いることができる。このため、装置の小型化、装置構成の簡素化を図ることができるとともに、製造コストを抑えることが可能となる。
【0075】
また、本実施形態のように、動作玩具が移動体として走行玩具本体を備える走行玩具である場合には、例えば、道路模型30の凹凸として形象物パターンを構成する発音部を極自然に配置することが可能である。このため、装置制御に用いるパターンを動作玩具の中に違和感なく組み込むことができる。
【0076】
なお、本実施形態では、形象物パターンを構成する発音部が道路模型30上に設けられた凸部31である場合を例としたが、発音部は、外部刺激として音を発音させることができるものであればよく、凸部31に限定されない。例えば、発音部は道路模型30上に設けられた凹部であってもよい。また、音を発音させることができるものであれば、単なる段差であってもよい。さらに、道路模型30上に木琴や鉄琴を配置したり、道路模型30上、又は経路上の側面部分に、自動車模型20の一部が接触することにより発音するベル等を配置して、自動車模型20が通過することにより音が発音されるように構成してもよい。
【0077】
また、本実施形態では、検知手段が音センサ207である場合を例として説明したが、検知手段は音の発生を検知することができるものであればよく、音センサに限定されない。例えば検知手段としてマイク等を適用することも可能である。
【0078】
また、例えば形象物パターンを構成する発音部を木琴や鉄琴、オルゴール等、様々な音を発音させることのできるもので構成した場合、検知手段として音の高さや種類等を識別可能なセンサを用いることにより、発音された音の種類等によって制御内容を変化させるようにしてもよい。この場合、音の種類等ごとに異なるアクションパターンを対応付けておけば、さらにバリエーションのある反応を楽しむことができる。
【0079】
また、凸部31の配置をユーザが任意に変更できる等、発音部の位置や間隔を変更可能に構成してもよい。
また、例えば、発音部として、木琴や鉄琴、ベル等を配置する場合に、これらのうちのどれをどの位置に配置するか等をユーザが任意に決められるようにしてもよい。この場合、前記のように、検知手段として音の高さや種類等を識別可能なセンサを用いることにより、発音された音の種類等によって制御内容を変化させるようにし、音の種類等ごとに異なるアクションパターンを対応付けておけば、ユーザの任意の設定に応じたバリエーションのある反応を楽しむことができる。
【0080】
また、凸部31は、道路模型30の上に設けられているものに限定されない。例えば、道路模型30に沿って側壁を設け、この側壁に凸部31を設けてもよい。
この場合には、例えば自動車模型20の側面であって凸部31に接触可能な位置に、凸部31に当たることで音を発生させる叩打部材を設け、自動車模型20が凸部31の横を通過する際に、この叩打部材が凸部31を叩くことにより音を発音させるように構成する。
【0081】
また、本実施形態では、道路模型30上に形象物パターンを構成する発音部を設け、自動車模型20に検知手段としての音センサ207を設ける場合を例としたが、両者の配置はこれに限定されない。例えば、道路模型30上に、音センサ等の検知手段を配置し、移動体である自動車模型20に、検知手段に対向する位置を移動する際に音を発音させ形象物パターンを構成する発音部を設け、道路模型30上の検知手段の上を自動車模型20が通過した際にその発する音を検知手段が検知するように構成してもよい。
この場合、例えば、異なる種類の自動車模型20を備え、それぞれに異なるパターンで音を発生させる形象物パターンとしての発音部を設ければ、道路模型30上に設けられた音センサで音を検知することにより、どの種類の自動車模型20が通過したのかを検出することができる。
【0082】
その他、本実施形態が適宜変更可能であることは第1の実施形態と同様である。
【0083】
[第3の実施形態]
次に、図8を参照しつつ、本発明に係る動作玩具の第3の実施形態について説明する。本実施形態において、動作玩具は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に所定の経路上を走行する走行玩具本体を備える走行玩具である。以下においては、特に第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。
図8は、第3の実施形態における動作玩具である走行玩具3の全体構成例を示したものである。
同図に示すように、走行玩具3は、線路模型50と、線路模型50上を走行する新幹線を模した電車模型60と、線路模型50上の所定位置に配置されたトンネル模型51及びポイント切替模型52とを備えて構成される。
【0084】
線路模型50は、走行玩具1において後述する電車模型60が走行する所定の経路を構成するものである。線路模型50は、例えば樹脂により成型されており、一体的に構成されていてもよいし、複数に分割可能な部材を相互に結合することにより構成されていてもよい。
【0085】
トンネル模型51及びポイント切替模型52は、所定の経路である線路模型50若しくはその近傍に設けられた構造物である。トンネル模型51及びポイント切替模型52は、それぞれ樹脂等で形成されており、線路模型50上の所定位置に配置されている。本件では、電車模型60のスタートポイント53から順に、51a,51b,51c,51dの4つのトンネル模型51が線路模型50上に設けられている。
なお、これらの数や配置等は図示例に限定されず、また、ユーザが任意の位置に配置できるように構成されていてもよい。
【0086】
図8に示すように、トンネル模型51(51a〜51d)は、その内部を通過する電車模型60の上面を覆うように、線路模型50上に設けられており、トンネル模型51の内部を通過する際に電車模型60を外光(自然光)から遮蔽する遮光部として機能する。
【0087】
このように、経路である線路模型50は、トンネル模型51が設けられていない部分(電車模型60に自然光が照射される透光部)と、トンネル模型51が設けられている部分(電車模型60を自然光から遮蔽する遮光部)とにより、移動体である電車模型60に対する外部刺激として光の有無(光の明暗)を生じさせる形象物パターンが構成されている。
すなわち、移動体(走行玩具本体)である電車模型60をスタートポイント53からスタートさせた場合、1つ目のトンネル模型51a内に入るまでは、電車模型60が自然光を受けるため「明」であり、トンネル模型51a内に入ると、電車模型60に対する自然光が遮光されるため「暗」となる。そして、トンネル模型51aを抜けると、次のトンネル模型51bまでの間は再び「明」となる。このように、本実施形態では、線路模型50上のトンネル模型51が設けられていない部分(透光部)と、トンネル模型51が設けられている部分(遮光部)という形象物により、光の有無(光の明暗)を生じさせるパターン(形象物パターン)が構成される。
【0088】
ポイント切替模型52は、電車模型60からの制御指示信号を受信する図示しない受信部を備えており、受信部によって受信された制御指示信号に基づいてポイント切替バー521の切替動作を行うようになっている。
【0089】
電車模型60は、線路模型50(すなわち、所定の経路)上を走行する移動体(走行玩具本体)である。
電車模型60は、駆動源としてのモータを駆動させるモータ駆動部、ヘッドライト、スピーカ、通信部及び光センサ61等を備えており、これら各部を制御する制御装置、記憶装置及びタイマ等を内蔵している。電車模型60は、モータ駆動部を制御することにより、その走行速度(移動速度)が可変となっている。
なお、これらの具体的な構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であることから、その説明を省略する。
【0090】
本実施形態において制御装置は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、形象物パターンと光センサ61が外部刺激としての光の明暗を検知した速度とに応じてアクションテーブルを参照し、各種のアクション発生処理を行うようになっているが、本実施形態において、アクションテーブルに用意されているアクションパターンとしては、以下のようなものが考えられる。
【0091】
すなわち、例えば、電車模型60の走行動作、ヘッドライトの点灯/消灯動作、スピーカからの音データの出力動作、ゲームにおける点数の加算又は減算等の各種動作が考えられる。すなわち、例えば、形象物パターンを検知した際の速度が一定の閾値以上である場合には、モータ駆動部を制御して電車模型60の走行速度を落とすようにしたり、ヘッドライトを点灯させたり、警告音やサイレン等をスピーカから発生させたりする。また、一定の制限速度を守って走行している場合にはゲームにおける点数を加算する処理を行ったり、速度が一定の閾値以下である場合には点数を減算する処理を行うこと等も考えられる。
また、例えば、形象物パターンを検知した際の速度に応じて、適宜経路である線路模型50上に設けられている構造物であるポイント切替模型52に対して制御指示信号を送信し、ポイント切替模型52のポイント切替バー521の向きを切り替えてコース変更を行う等の動作制御を行うことが考えられる。この場合、例えば、新幹線と在来線とで走行速度を変えておき、形象物パターンを検知した際の速度が一定の閾値以上である新幹線の場合には、図8に示すAコース、速度が一定の閾値以下である在来線の場合には、図8に示すBコースが選択されるようにポイントの切替が行われるように制御する。なお、コース変更は、ポイントの切り替えによらず、電車模型60の車輪の向きを変える制御によって行うようにしてもよい。
なお、アクションパターンの内容は、ここに例示したものに限定されない。
【0092】
次に、本実施形態における走行玩具3の作用について説明する。
【0093】
電車模型60をスタートポイント53にセットし、図示しない電源スイッチをONとすると、電車模型60が線路模型50上を走行開始するとともに、タイマのカウントも開始される。
【0094】
光センサ61は、常に電車模型60に対して照射される光の有無を検知し、その結果を制御装置に出力する。制御装置は、光センサ61から出力された検知結果から形象物パターン(本実施形態ではトンネル模型が配置されている部分と配置されていない部分とで構成される形象物パターン)を検出し、光センサ61が光の有無を検知した速度を取得する。具体的には、電車模型60がスタートしてから形象物パターンを通過するまでの間(すなわち、図8に示すスタートポイント53から再度スタートポイント53に戻ってくるまでの間)の経過時間をタイマから取得する。
【0095】
そして、制御装置は、光センサ61が光の有無を検知した速度を取得すると、アクションテーブルを参照して、当該形象物パターン及び速度と対応付けられた動作をするように走行玩具3の各部を制御する。
具体的には、例えば、形象物パターンを通過するのに所定の閾値以上の時間がかかった場合には、次の周回時の電車模型60の走行速度を上げるようにモータ駆動部を制御したり、ヘッドライトを点滅させたり、点数を減点したりする。逆に、形象物パターンを通過するのに所定の閾値以下の時間しかかからなかった場合には、例えば、スピーカからサイレンを発音させたり、ヘッドライトを点灯させたり、点数を加点したりする。
また、例えば、電車模型60がトンネル模型51a〜51cを通過するのに要した時間が所定の閾値以上であれば、通信部205からポイント切替模型52に対してポイント切替バー521を図8に示すBコース側に切り替えるように制御指示信号を出力してポイント切替バー521の向きを変更させる等の制御を行うようにしてもよい。このように、速度に応じて異なるポイント切り替えを行うことにより、例えば速度が速く設定されている新幹線の模型と速度が遅く設定されている在来線の模型とを同じ線路模型50上で走行させた場合でも、自動的に異なるコースに振り分けることが可能となる。なお、ポイントを切り替えるか否かの判断は、ここに示した以外の基準を考慮して行われてもよい。
【0096】
以上のように、本実施形態によれば、走行玩具3の線路模型50上のトンネル模型51a〜51dの配置されていない部分とトンネル模型51a〜51dとにより透光部及び遮光部が構成され、形象物パターンとして機能する。このため、バーコード等を経路上に配置して、これを読み取ることで電車模型60等を制御する場合と比較して、パターンが背景に溶け込み、デザイン的にも優れ、より自然に遊ぶことが可能になる。
【0097】
また、電車模型60等の制御は、形象物パターンと、光センサ206が光の有無(外部刺激)を検知した速度とに応じて行われるため、同じ形象物パターン(本実施形態では、線路模型50上のトンネル模型51のない部分とある部分との配置。)を検出した場合でも、このパターンが配置されている範囲を通過するのに要した時間によって制御内容が変化する。このため、同じ線路模型50上で電車模型60を走行させた場合でも、ユーザの操作やテクニック等に応じた様々なバリエーションの反応を楽しむことができる。
【0098】
また、本実施形態では、形象物パターンの検出は、自然光の遮蔽、透過を光センサ61で検知することにより行うため、発光部等、発信側の装置を備える必要がない。また、光センサ61も、光の有無、強弱を検知できるものであれば足りるため、明暗センサ等の比較的安価で小型の装置を用いることができる。このため、装置の小型化、装置構成の簡素化を図ることができるとともに、製造コストを抑えることが可能となる。
【0099】
また、本実施形態のように、動作玩具が移動体として走行玩具本体を備える走行玩具である場合には、経路上に、トンネル模型やゲート等の構造物を極自然に配置することが可能であるため、こうした構造物によって、移動体の走行経路上に透光部及び遮光部を設けて形象物パターンを構成することにより、装置制御に用いるパターンを動作玩具の中に違和感なく組み込むことができる。
【0100】
なお、本実施形態では、遮光部をトンネル模型51のみで構成しているが、遮光部は自然光をさえぎることが可能なものであればよく、トンネル模型51に限定されない。例えば、各種のゲートや、橋の模型等を線路模型50上の一部を覆うように設けて、これを遮光部として機能させてもよい。
【0101】
また、図9に示すように、トンネル模型51a〜51dの上面に、第1の実施形態に示したような自然光を透過させる透光孔511を形成してもよい。各透光孔511の形状は同じでなくてもよく、例えば図9に示すように、丸孔と長孔とが組み合わさっていてもよい。
この場合、例えば透光孔511の数や配置を各トンネル模型51a〜51dごとに変えることにより、電車模型60がどのトンネル模型51を通過したのかを制御装置が把握することが可能となる。
【0102】
また、本実施形態では、線路模型50上に透光部及び遮光部からなる形象物パターンが構成されており、電車模型60に検知手段たる光センサ61が設けられ、電車模型60が移動することにより光センサによって外部刺激が読み取られる場合を例として説明したが、線路模型50上と電車模型60とは相対的に移動すればよく、ここに示した例に限定されない。例えば、電車模型60が固定されており、線路模型50側がトンネル模型51とともに順次移動していくものであってもよい。この場合でも線路模型50の移動速度に応じて形象物パターンから生ずる外部刺激を光センサが読み取る速度が変わるため、形象物パターンと読取速度との組み合わせによって各部の動作制御を変更させることが可能となる。
【0103】
また、本実施形態では、外部刺激として光の明暗を生じさせる透光部及び遮光部により形象物パターンが構成されている場合を例として説明したが、外部刺激は光の明暗に限定されない。例えば、第2の実施形態に示したように、外部刺激として音を発音させる発音部により形象物パターンが構成されているものでもよい。この場合には、電車模型60に検知手段として音センサを設ける。
【0104】
その他、本実施形態が適宜変更可能であることは第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
【0105】
[第4の実施形態]
次に、図10を参照しつつ、本発明に係る動作玩具の第4の実施形態について説明する。本実施形態において、動作玩具は、所定の経路上を移動体が移動する動作玩具である。以下においては、特に第1の実施形態から第3の実施形態と異なる点について説明する。
【0106】
図10は、第4の実施形態における動作玩具4の全体構成例を示したものである。
同図に示すように、動作玩具4は、搬送用ベルト70と、この搬送用ベルト70を一定方向に搬送する回転軸71と、搬送用ベルト70の上に載置され、搬送用ベルト70の移動に伴って移動する移動体75と、移動体75の搬送経路上に配置された検知手段77とを備えて構成されている。
【0107】
搬送用ベルト70は、回転軸71の回転速度を調整することにより搬送速度を変化させることができるようになっている。
【0108】
本実施形態において、移動体75は、例えばリスやキリン、ゾウ、カメ等の動物の形状のぬいぐるみ等であり、各移動体75の上部には、例えばリスであれば1個、キリンであれば2個というように、動物の種類ごとに異なる数の発光部751が設けられている。なお、発光部751の数や配置は図示例に限定されない。動物の種類ごとに発光部751を設ける位置や配置を変えるようにしてもよい。
【0109】
検知手段77は、例えば、移動体75の搬送経路上であって、搬送される移動体75の上方に配置されている。検知手段77は、例えば、光センサであり、移動体75の上部に取り付けられた発光部751からの光を外部刺激として検知するように構成されている。
【0110】
動作玩具4は、第1の実施形態から第3の実施形態と同様に、検知手段77によって検知された外部刺激から形象物パターンを検出し、この形象物パターンと、検知手段77によって外部刺激が検知された時間とに応じて各部の動作を制御する制御装置(図示せず)を備えている。
本実施形態では、制御装置は、検知手段77によって検知された発光部751からの光のパターンにより、搬送用ベルト70の上にどのぬいぐるみがどのような順番でどの程度の間隔を空けて配置されているかを形象物パターンとして検出する。そして、制御装置は、検出された形象物パターンと検知手段77が光を検知した時間とに応じて、それぞれ対応付けられた動作制御を行う。
【0111】
例えば、リス、キリン、ゾウのぬいぐるみは、順次間を空けずに配置されているが、カメのぬいぐるみが遅れている場合には、搬送用ベルト70による搬送を一時的に止めるようにする。
また、例えば、問いに対して、ユーザである子供が回答となる動物のぬいぐるみを順次搬送用ベルト70の上に並べていく玩具の場合、問いを発してからすぐにぬいぐるみが置かれれば高い点数を加点し、間違ったぬいぐるみを置いた場合には加点せず、正しいぬいぐるみが置かれたが置くまでに時間がかかった場合には低い点数を加点する等の制御を行うことが考えられる。具体的には、「冬眠する動物は?」の問いに対して、正解であるリスのぬいぐるみがすぐに置かれれば高い点数が加点される。これに対して、「卵で生まれる動物は?」の問いに対して、正解であるカメのぬいぐるみが置かれたが、ぬいぐるみを置くまでに時間がかかった場合、すなわち、その前のぬいぐるみとの間に所定以上の間隔が空いている場合には、低い点数が加算されるようにする。
【0112】
次に、本実施形態における動作玩具4の作用について説明する。
【0113】
動作玩具4の図示しない電源スイッチをONとすると、回転軸71が回転して搬送用ベルト70が一定方向に搬送され、これと同時にタイマのカウントも開始される。
例えば、問いに対して、ユーザである子供が回答となる動物のぬいぐるみを順次搬送用ベルト70の上に並べていく玩具の場合、「冬眠する動物は?」の問いに対して、正解であるリスのぬいぐるみがすぐに置かれた場合、検知手段77は移動体75であるリスのぬいぐるみの上の発光部751を検知して、制御装置に検知結果を出力する。制御装置は、この検知結果から、発光部751が検知した形象物パターンがリスのぬいぐるみであることを検出するとともに、発光部751が検知した速度をタイマから取得する。そして、当該形象物パターンと速度とに対応付けられている高い点数が加点する処理を実行する。
これに対して、問いに対して正解のぬいぐるみが置かれなかった場合、すなわち、検知手段77が検知した発光部751が正解のぬいぐるみを表す形象物パターンでない場合には、制御装置は点数を加算しない。
また、例えば、「卵で生まれる動物は?」の問いに対して、正解であるカメのぬいぐるみが置かれたが、ぬいぐるみを置くまでに時間がかかった場合、すなわち、その前のぬいぐるみとの間に所定以上の間隔が空いており、検知手段77が発光部751を検知するまでに時間を要した場合には、低い点数が加算されるようにする。
なお、形象物パターンとその検出速度とによって制御される対象はゲームの得点に限定されない。例えば、早く正解した場合には音楽やチャイムが流れるようにしてもよいし、図示しないランプが点灯するようにしてもよい。また、正解が一定程度続いた場合には搬送用ベルト70の搬送速度を上げるように制御する等、搬送用ベルト70の搬送速度の制御等にフィードバックさせてもよい。
【0114】
以上のように、本実施形態によれば、動作玩具4の搬送用ベルト70上を移動する移動体75の発光部751が形象物パターンとして機能する。このため、バーコード等を経路上に配置して、これを読み取ることで動作玩具4を制御する場合と比較して、パターンが玩具自体に溶け込み、デザイン的にも優れ、より自然に遊ぶことが可能になる。
【0115】
また、動作玩具4の制御は、形象物パターンと、検知手段77が光の有無(外部刺激)を検知した速度とに応じて行われるため、同じ形象物パターン(本実施形態では、移動体75であるぬいぐるみの発光部751とその配置。)を検出した場合でも、このパターンが検知手段77の下を通過するのに要した時間によって制御内容が変化する。このため、移動体75を用いても、ユーザの操作やテクニック等に応じた様々なバリエーションの反応を楽しむことができる。
【0116】
また、本実施形態では、形象物パターンの検出は、発光部751からの光を検知することにより行われるため、検知手段77は、光の有無、強弱を検知できるものであれば足り、明暗センサ等の比較的安価で小型の装置を用いることができる。このため、装置の小型化、装置構成の簡素化を図ることができるとともに、製造コストを抑えることが可能となる。
【0117】
また、検知手段が固定されており、移動体75の並び順等を形象物パターンとして検出することで各部の制御を行うようになっている。このため、装置構成を簡易化しつつ、各種の制御を行うことが可能となる。
【0118】
なお、本実施形態では、移動体75が発光部751を備える構成としたが、発光部を備えず、検知手段(すなわち、本件では光を検知する受光手段)のみを構成としてもよい。
図11に、発光部を備えない構成の一例を示す。
【0119】
図11に示すように、この場合には、動作玩具を、例えば、動物等の形状に形成された板状の移動体85と、これを載置して一定方向に回転させる搬送用ベルト80と、搬送用ベルト80の下方に搬送用ベルト80に対向するように配置された検知手段87とを備えて構成する。
この場合、搬送用ベルト80は、上方からの自然光(外光)を透過させることが可能な透明又は半透明のものとなっている。
また、移動体85は、光を透過しない材料で形成されており、光センサ等で構成される検知手段87に対向する位置を移動する際に光を遮光する遮光部として機能する。また、移動体85には、例えば、イルカであれば斜めに2個、ハリネズミであれば1個、ハムスターであれば一列に並んで3個、サルであれば一列に並んで2個というように、動物の種類ごとに異なる位置、異なる数の透光孔851が透光部として設けられている。
検知手段87は、移動体85による遮光及び移動体85に設けられている透光孔851からの光の透過を検知し、検知結果を図示しない制御装置に送るようになっている。制御装置は、検知手段87からの検知結果から搬送用ベルト80の上に配置された移動体85の並び順、間隔等を形象物パターンとして検出する。
このように、発光部を備えない構成とすれば、装置構成をより簡易化、小型化することができ、製造コストも低く抑えることが可能となる。
【0120】
なお、この場合、動物の種類ごとに透光孔851に異なる色のカラーフィルタを嵌め込み、カラーセンサにフィルタの色の違いを読み取らせることによって移動体85の違いを識別できるようにしてもよい。また、動物の種類ごとに光の透過性の異なるフィルタを透光孔851に嵌め込んだり、透光孔851の大きさを変えることにより、動物の種類ごとに透光孔851から透過する光の強弱が異なるようにしてもよい。この場合、透光孔851から透過する光の強弱を光センサに読み取らせることによって移動体85の違いを識別する。
このように、動物の種類ごとに色や透過する光の強弱を変えた場合には、移動体85に設ける透光孔851の数を同じにしても、センサが色の違いや光の強弱を読み取ることで、その種類を識別することができる。
【0121】
なお、本実施形態では、移動体が動物の形状をしている場合を例としたが、移動体の形状等はここに示したものに限定されない。
【0122】
また、本実施形態では、遮光部及び透光部により形象物パターンを構成し、光センサ等、光の有無・明暗を検出することのできるセンサを検知手段としたが、形象物パターンの構成及び検知手段の構成はここに例示したものに限定されない。例えば、動物の種類ごとに異なる音質の音を発音したり、異なる間隔で音を発音する発音部を設け、この発音部により外部刺激として音を発する形象物パターンを構成してもよい。この場合には、検知手段として音センサ等、音を検知できるものを適用する。
【0123】
その他、本発明は、上記各実施形態に記載したものに限定されず、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。
すなわち、例えば、人形のステッキの先等に光センサ等の検知手段を設け、ステッキの先が辿ることのできる移動経路上に形象物パターンとして白黒の模様等、明度差を生じさせる柄を施しておく。そして、ステッキを振ると、光センサ等の検知手段により、外部刺激としての光の明暗を検知するようにしてもよい。この場合、ステッキに付された形象物パターンと、ステッキの振り下ろされる速さに応じて、各種の動作制御を行うようにフィードバックすることが考えられる。
さらに、人の腕に装着するバンドや、頭に被る帽子、ヘルメット等に検知手段を設け、人がトンネル等、自然光(外光)を遮ることのできる障害物を配置した経路上を移動する遊具に応用することも可能である。この場合、配置された障害物が外部刺激である光の有無・明暗を生じさせる形象物パターンを構成する。そして、例えば人が障害物をくぐりながら移動した際に、どの障害物をどの程度の速度で通過したかを検出し、早く通過できたときは高い点数が表示される等の制御を行ってもよい。
【0124】
また、上記第1の実施形態(例えば図2参照)、第3の実施形態の変形例(図9参照)、第4実施形態の変形例(図11参照)においては、外部刺激としての光の有無、明暗を生じさせる透光部及び遮光部が、光を遮蔽する遮光部及び光を透過させる透光孔である場合を例として説明したが、透光部及び遮光部は、光の有無、明暗を生じさせるものであればよく、遮光部及び透光孔に限定されない。例えば、樹脂等で形成され光を遮蔽するトンネル模型の上面等の一部に透光部として肉厚の薄い部分を設けて、この肉薄部分から光が透過するように構成してもよい。
さらに、このような肉薄部分を複数設け、各肉薄部分の肉厚を変えることにより、各肉薄部分から透過する光の強弱が異なるようにしてもよい。この場合、肉薄部分から透過する光の強弱を光センサに読み取らせることによって、よりバリエーションに富んだ制御を実現することができる。
このように、遮光部となるトンネル模型等に透光孔を設ける代わりに、肉厚の薄い肉薄部分によって透光部を構成した場合には、トンネル模型等の外観を損なうことなく、より自然に形象物パターンを配置することが可能となる。
【0125】
また、その他、本発明が上記の実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0126】
1 走行玩具
10 道路模型
12 トンネル模型
20 自動車模型
30 道路模型
31 凸部
50 線路模型
52 ポイント切替模型
60 電車模型
61 光センサ
70 搬送用ベルト
75 移動体
77 検知手段
121 透光孔
206 光センサ
207 音センサ
210 制御装置
211 記憶装置
212 タイマ
751 発光部
851 透光孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部刺激を生じさせる形象物パターンと、
前記形象物パターンにより生じた外部刺激を検知する検知手段と、
所定の経路上を移動する移動体と、
を備える動作玩具であって、
前記経路上には、前記形象物パターン又は前記検知手段のうちの一方が設けられ、
前記移動体には、前記形象物パターン又は前記検知手段のうちの他方が設けられており、
前記移動体は、移動速度が可変であって、
前記検知手段によって検知された前記外部刺激から前記形象物パターンを検出し、この形象物パターンと前記検知手段が前記外部刺激を検知した速度とに応じて、前記移動体、又は前記経路若しくはその近傍に設けられた構造物のうちの少なくともいずれか1つの動作を制御する制御手段を備えていることを特徴とする動作玩具。
【請求項2】
前記形象物パターンは、前記外部刺激として光の明暗を生じさせる透光部及び遮光部により構成されており、
前記検知手段は、前記光の有無又は強弱を検知する光センサであることを特徴とする請求項1に記載の動作玩具。
【請求項3】
前記光センサは、前記移動体の上面に設けられており、
前記遮光部は、前記経路上に前記移動体の上面を覆うように設けられ、
前記透光部は、前記遮光部に設けられた透光孔であることを特徴とする請求項2に記載の動作玩具。
【請求項4】
前記光センサは、前記経路上に設けられており、
前記移動体は、前記光センサに対向する位置を移動する際に光を遮光する遮光部として機能することを特徴とする請求項2に記載の動作玩具。
【請求項5】
前記形象物パターンは、前記外部刺激として音を発音させる発音部により構成されており、
前記検知手段は、前記発音部から発音された音を検知する音センサであることを特徴とする請求項1に記載の動作玩具。
【請求項6】
前記発音部は、前記経路上に設けられた凹部又は凸部の少なくともいずれか一方であって、前記移動体が前記発音部を通過する際に音を発音させるものであることを特徴とする請求項5に記載の動作玩具。
【請求項7】
前記音センサは、前記経路上に設けられており、
前記移動体は、前記音センサに対向する位置を移動する際に音を発音させる発音部として機能することを特徴とする請求項5に記載の動作玩具。
【請求項8】
前記移動体は、前記経路上を走行する走行玩具本体であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の動作玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−45186(P2012−45186A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190356(P2010−190356)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】