説明

動作追跡装置、方法および媒体

【課題】概略的なユーザの位置を確認した後、ユーザの特定身体部位を持続的に追跡する動作追跡装置、方法および媒体を提供する
【解決手段】本発明の実施形態による動作追跡装置は、入力された映像内に含まれたユーザの位置を確認する位置確認部および前記ユーザの第1身体部位を追跡する目標物追跡部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動作追跡装置、方法および媒体に関するものであって、より詳細に概略的なユーザの位置を確認した後、ユーザの特定身体部位を持続的に追跡する動作追跡装置、方法および媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種通信およびデジタル機器に内蔵され近距離上で無線にて各種データをやり取りできるよう信号を処理する赤外線送受信モジュールの登場によってTV、VCRなどの周辺機器に適用されてきたリモコン技術は双方向TV、ノートブックPC、デジタルカメラおよび移動通信端末機の産業用電子システムにまで適用されつつ、その活用度が大きく高まっている。
【0003】
すなわち、家庭または事務室で使用されている大部分の機器はユーザの利便性のためにリモコンによる制御が可能だが、機器から所定距離に位置しているユーザはリモコンに備えられたボタン等を利用し、機器の電源を制御したり、特定機能が行われるようにできる。
【0004】
また、このようなリモコンの高い活用度によって大部分のオーディオおよびビデオ機器にはリモコンが添付され、市場に発表されているが、それによって多様な周辺機器を一つのリモコンで制御できるようにする統合リモコン(integrated remote control)が登場した。
【0005】
このように、ユーザはリモコンを利用して機器まで移動せず遠隔で機器を制御できるようになったが、万一リモコンをなくしたり、リモコンの故障が起きた場合にユーザは大きな不便を体験し得る。
【0006】
一方、特許文献1は、複数個のカメラを利用して人の手の動きを追跡/認識し、手が示す電子機器を判断し、該当電子機器を動作させ得る手指示認識を利用した遠隔制御システムおよび方法を開示している。
【0007】
しかし、開示された発明は複数個のカメラによって入社される被写体に対した映像処理を通して手の動きを判断することによって、映像処理を遂行するための多くの演算像量が必要となる。
【0008】
したがって、リモコンのような装置の助けおよび多くの演算がなくてもユーザに何の問題もなく機器を動作させ得る発明の登場が要求される。
【特許文献1】韓国公開特許第2003−0037692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は映像処理技術を利用して概略的なユーザの位置を確認した後、レーザ技術を利用してユーザの特定身体部位を持続的に追跡することにその目的がある。
【0010】
また、本発明はレーザを利用してユーザの特定身体部位を追跡するにおいて、目のような部位の追跡は回避することにその目的がある。
【0011】
本発明の目的は以上で言及した目的に制限されず、言及されていないまた他の目的は次の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明の実施形態による動作追跡装置は入力された映像内に含まれたユーザの位置を確認する位置確認部および前記ユーザの第1身体部位を追跡する目標物追跡部を含む。
【発明の効果】
【0013】
前記したような本発明の動作追跡装置および方法によれば次のような効果が一つあるいはそれ以上ある。
最初に、映像処理技術を利用して概略的なユーザの位置を確認した後、レーザ技術を利用してユーザの特定身体部位を持続的に追跡することによってユーザの位置確認および特定身体部位の追跡を迅速に処理することができるという長所がある。
二番目に、レーザを利用してユーザの特定身体部位を追跡するにおいて、目のような部位の追跡は回避することによってユーザに安全性を提供する長所もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態による動作追跡方法は入力された映像内に含まれたユーザの位置を確認する段階および前記ユーザの第1身体部位を追跡する段階を含む。
その他実施形態の具体的な事項は詳細な説明および図に含まれている。
【0015】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるだろう。しかし本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得て、単に本実施形態は本発明の開示が完全なようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されているもので、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。明細書全体にかけて、同一参照符号は同一構成要素を指称する。
【0016】
以下、添付された図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の実施形態によりユーザの動作が追跡されることを示す概念図である。
ユーザの動作を追跡する装置(以下、動作追跡装置という)200はユーザの動作を認識した後、連結した所定の機能を遂行する装置(以下、機能遂行装置という)150に認識された動作に対応する機能信号を伝達し、機能遂行装置150で所定の機能が遂行されるようにする役割をする。
【0018】
このために、動作追跡装置200はまずユーザの位置を確認する。このために、動作追跡装置200には映像入力手段および入力された映像100を処理し得る映像処理手段を具備することができるが、これを利用して入力された映像100内に含まれたユーザの位置を確認するものである。
【0019】
そして、動作追跡装置200は確認されたユーザの位置を基準として所定領域(以下、第1領域という)110に対するスキャンを遂行する。これは追跡対象になる目標物(以下、第1身体部位という)111を感知するためであって、例をあげれば、図1に図示されたようにユーザの顔を基準として右側領域110に対するスキャンが遂行され得るものである。
【0020】
ここで、第1領域110に対するスキャンはレーザを利用したものであり得る。すなわち、動作追跡装置200は第1領域110に対してレーザビームの順次照射を遂行し第1身体部位111を感知するものである。図1にはユーザの右手人差し指が第1身体部位111であることを示しているが、動作追跡装置200はユーザの右手人差し指が感知された場合、これを第1身体部位111として認識することができ、第1領域110に存在する物体の突出部位を第1身体部位111として認識することもできる。また、動作追跡装置200は実際にユーザの身体部位ではなくてもボールペンまたはコインのような物体を第1身体部位111として認識することもできる。
【0021】
第1身体部位111の位置を確認することによって動作追跡装置200は第1身体部位111に対する追跡を遂行できるようになる。すなわち、動作追跡装置200は第1身体部位111でレーザビームを照射するようになるが、一旦第1身体部位111の位置が確認された後、ユーザが第1身体部位111を動かせば、動作追跡装置200はその動きに応じてレーザビームの照射経路を変更し、第1身体部位111に持続的にレーザビームが照射されるようにするものである。このような、動きの追跡は第1身体部位111に照射されたレーザビームの散乱した光を受信し、これを分析することによって遂行され得る。
【0022】
一方、動作追跡装置200はレーザを利用して第1身体部位111の動作を追跡するようになるが、ユーザの無意識の動作に応じてレーザビームがユーザの目のように光に敏感な部分に照射され得る。
【0023】
レーザはその等級によって人体にほとんど影響を及ぼさないものと深刻な影響を及ぼすことに区分されるが、人体にほとんど影響を及ぼさないといっても長時間露出されれば深刻な影響を及ぼすこともありえるため、ユーザの目のように光に敏感な部分は照射されないのが好ましい。
【0024】
このように、ユーザの身体部位のうち特定部位(以下、第2身体部位という)での照射を回避するために動作追跡装置200はユーザの位置を確認するにおいて、第2身体部位が位置している所定領域(以下、第2領域という)120を決定する。
【0025】
例をあげれば、動作追跡装置200は図1に図示された通り、ユーザの顔周辺を第2領域120で決めるのだ。
【0026】
これに伴い、動作追跡装置200はユーザの第1身体部位111を追跡するにおいて、レーザビームが、照射される地点が第2領域120内に含まれる場合レーザビームの発生を制限したりレーザビームの照射経路を制御できるようになる。
【0027】
図2は本発明の実施形態による動作追跡装置を表したブロック図であって、動作追跡装置200は映像入力部210、位置確認部220、制御部230、目標物追跡部240、保存部250、動作認識部260および信号出力部270を含み構成される。
【0028】
映像入力部210は映像の入力を受ける役割をする。すなわち、アナログ映像の入力を受けるものである。映像の入力を受けるために映像入力部210には撮像素子が具備され得るが、撮像素子としてはCCD(Charge−Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)が使用され得る。
【0029】
そして、映像入力部210は入力された映像信号の利益を制御して入力された映像信号を一定量分増幅させることによって以後の段階での映像信号処理が容易なようにでき、所定の変換部(未図示)を具備することによって増幅されたアナログ映像信号をデジタルに変換することもできる。
【0030】
一方、映像入力部210に入力される映像領域は後述する目標物追跡部240によって発生するレーザの追跡領域より大きいのが好ましいが、これは入力された映像の一部であるとしてもレーザの追跡領域に含まれた目標物は目標物追跡部240によって追跡が可能なためである。
【0031】
位置確認部220は入力された映像内に含まれたユーザの位置を確認する役割をする。ここで、位置確認部220は映像入力部210から伝達されたデジタル映像に対するエッジ検出(Edge Detection)またはパターン認識(Pattern Recognition)等の映像処理を通してユーザの位置を確認することができる。
【0032】
本発明で位置確認部220によって確認されるユーザの位置は概略的なものならば充分であるため、位置確認部220は動くユーザでなく停止したユーザを対象と見なし、これに対する位置確認を遂行し得る。換言すれば、映像入力部210から伝達されるすべてのフレームに対する位置確認を遂行するのではなく、伝達されたフレームのうちの一つ、すなわち、停止映像を利用してユーザの位置を確認できるものである。もちろん、演算能力によって位置確認部220は入力されるすべての停止映像すなわち、動画に対してユーザの位置確認を遂行し得る。
【0033】
ユーザの位置を確認した後、位置確認部220は第1領域110および第2領域120の位置を確認し得る。すなわち、確認されたユーザの位置を基準として第1身体部位が存在すると期待される第1領域110および第2身体部位が存在すると期待される第2領域120の位置を確認するものである。
【0034】
ユーザの位置、第1領域110および第2領域120の位置を確認した場合に位置確認部220は確認された位置を制御部230に伝達し、位置確認作業を中断する。
【0035】
一方、ユーザの概略的な位置を確認する位置確認部220とは異なり、後述する目標物追跡部240は、動きは第1身体部位111を持続的に追跡するが、万一目標物追跡部240による追跡が不能な場合、例えばユーザが映像入力部210の視野角以外の位置に移動したり第1身体部位111がユーザまたはその他物体によって隠された場合、位置確認部220は位置確認作業を改めて開始し得る。
【0036】
すなわち、制御部230は目標物追跡部240から第1身体部位111に対する追跡結果を持続的に通知されるが、万一目標物追跡部240によって第1身体部位111に対する追跡が不能という通知を受けると、制御部230は位置確認部220で改めて位置確認作業を遂行するようにするものである。
【0037】
目標物追跡部240はユーザの第1身体部位111を追跡する役割をする。目標物追跡部240による追跡は、動く目標物に対する追跡を意味するものであって、このために目標物追跡部240は図3に図示されたように、レーザビーム発生部310、経路変更部320、レーザ制御部330、集光部340および軌跡測定部350のうち少なくとも一つを含み構成される。
【0038】
レーザビーム発生部310はレーザビームを発生させる役割をする。レーザビーム発生部310によって発生したレーザビームは単純に一直線で一つの方向に照射されるのではなく、所定半径の円を描き照射され得る。このように照射されたレーザビームは被写体に反射して、散乱するが、散乱した光は集光部340によって受信する。このように、円形態のレーザビームが被写体に照射されるあいだ被写体が動けば散乱した光の形態が変わるが、散乱した光の形態は目標物の移動方向を感知することに利用される。散乱した光の形態を分析して目標物の移動方向を感知するに対する詳しい説明は図4によって後述する。
【0039】
経路変更部320はレーザビームの照射経路を変更させる役割をする。このために、経路変更部320はレーザビーム発生部310によって発生したレーザビームを反射させる反射鏡と反射鏡の角度を調節する駆動部を含み構成され得る。
【0040】
図5は本発明の実施形態によってレーザビームの照射経路が変更されることを示す図面であって、経路変更部320に具備される二つの反射鏡511、512すなわち、垂直反射鏡および水平反射鏡が各駆動部521、522によって微細に角度が変更されつつ、レーザビーム発生部310によって発生したレーザビームの照射経路が変更されることを示す図である。前述したレーザの円形態は垂直反射鏡511および水平反射鏡512の微細な角度変化によって具現されるものである。
【0041】
経路変更部320に照射されたレーザビームは第1身体部位111に伝達され反射して、その結果散乱した光は集光部340に伝達される。
【0042】
一方、図5は二つの反射鏡511、512および駆動部521、522によってレーザビームの照射経路が変更されることを示しているが、3個以上の反射鏡および駆動部が使用されることもあり、垂直角度および水平角度の変更が可能な一つの駆動部により、一つの反射鏡が制御されることによってレーザビームの照射経路が変更され得る。
【0043】
前述したように、レーザによる第1身体部位111の追跡は映像入力部210に入力された映像に基づいて遂行されるが、このために映像入力部210の映像入射方向と経路変更部320によって照射されるレーザビームの照射方向は互いに平行なのが好ましい。これは映像入射方向とレーザビーム照射方向の差異による領域感知の誤差を防止するためである。
【0044】
図6は本発明の実施形態による映像の入力方向とレーザビームの照射方向の関係を表した図面であって、映像入力方向の中心軸610とレーザビーム照射方向の中心軸620間の距離D600によって、最初第1身体部位111の追跡に誤差が発生し得ることを示している。
【0045】
すなわち、映像入力部210を通して入力された方向に第1身体部位111が存在する場合、経路変更部320はレーザビーム照射方向の中心軸620を基準としてスキャンを遂行するが、中心軸間の距離600が大きい場合、経路変更部320によって認識される第1領域110には第1身体部位111が存在し得ない。
【0046】
したがって、映像入力方向の中心軸610およびレーザビーム照射方向の中心軸620は互いに平行を維持しつつも、その距離を最大限近く維持するのが好ましい。
【0047】
改めて図3を説明すれば、レーザ制御部330はレーザビームのスキャンを利用して第1領域110に存在する第1身体部位111の位置を確認する役割をする。すなわち、レーザ制御部330は経路変更部320を制御してレーザビームの照射経路を変更させつつ、第1領域110に対するスキャンを遂行しスキャン結果を参照して、第1身体部位111の位置を確認するものである。ここで、スキャンは第1領域110全般に対してレーザビーム照射を遂行して、それにより受信された散乱した光を受信するものと理解され得る。
【0048】
スキャンによって確認される対象である第1身体部位111は第1領域110に存在するユーザの身体部位の突出の部分であり得、ユーザの身体部位に連結された特定形態の物体でもあり得る。
【0049】
また、第1身体部位111はユーザの身体部位のうち優先順位が付与された少なくとも一つ以上の身体部位を含み得る。例えば、右手の人差し指、左手の人差し指、右手の親指および左手の親指順で優先順位が設定されている場合、レーザ制御部330は、まず右手の人差し指が検索されるのか確認し、右手の人差し指が検索されない場合に左手の人差し指を検索することができるが、このような検索は既設定されたすべての優先順位の身体部位に対して遂行され得る。
【0050】
前述した通り、位置確認部220は第1領域110だけでなく第2領域120の位置まで確認するが、これを参照しレーザ制御部330は第2領域120内にレーザビームが照射されないようにレーザビームの照射経路を制御することができ、第2領域120内にレーザビームが照射された場合にレーザビームの発生を制限し得る。
【0051】
すなわち、レーザ制御部330は経路変更部320およびレーザビーム発生部310を制御し、照射経路を制御したりレーザビームの発生を制限するもので、これに伴い、ユーザの目にようにレーザの露出を回避しようとする身体部位でのレーザビーム照射が防止され得る。ここで、第2領域120は少なくとも一つ以上設定され得る。
【0052】
軌跡測定部350は経路変更部320によって変更されたレーザビームの照射経路の軌跡を測定する役割をする。すなわち、第1身体部位111の動きの形態を測定するものであって、これは後述する動作認識部260によるユーザの動作認識の基礎資料となる。ここで、軌跡測定部350は集光部340に入射した光の強さと経路変更部320に含まれた少なくとも一つ以上の反射鏡の回転角を利用して第1身体部位111の3次元軌跡を測定することができる。
【0053】
改めて図2を説明すれば、動作認識部260は軌跡測定部350から伝達された軌跡を利用して、第1身体部位111の動作を認識する役割をする。すなわち、動作認識部260は伝達された軌跡の特性を分析してその結果を保存部250に保存されている動作コードと比較した後、その一致の可否により該当動作コードに対応して保存された機能信号を抽出するものである。このために、保存部250には少なくとも一つ以上の動作コードおよび各動作コードに対する機能信号が互いに対応して保存される。
【0054】
ここで、機能信号は機能遂行装置150の所定機能を遂行するために発生する信号であって、例えば機能遂行装置150がTVの場合に機能信号は電源制御、チャネル変更および音量変更等のための信号であり得る。
【0055】
信号出力部270は機能信号を出力する役割をする。出力された信号は機能遂行装置150に伝達され、これに伴い機能遂行装置150は該当機能を遂行する。
【0056】
図4は本発明の実施形態による第1身体部位の動きが感知され、追跡されることを示す図である。
410aは第1身体部位111に円形態のレーザ451が照射されたことを示した図面であって、第1身体部位111の内部に円形態のレーザが全て含まれたことを示している。照射されたレーザビームは第1身体部位111で反射し散乱するが、集光部340は散乱した光を受信するようになり、410bはこれを示している。すなわち、第1身体部位111の内部に円形態のレーザ451が全て含まれているため、散乱した光の強さは全て均一な値を有するようになる。
【0057】
420aは移動した第1身体部位111を示した図面であって、円形態のレーザ451の一部450が第1身体部位111の外部に照射されたことを示している。これに伴い、第1身体部位111の内部および外部に反射して、散乱した光の強さは互いに異なるようになるが、420bはこれを示している。
【0058】
420bのように散乱した光が強さが検出された場合、レーザ制御部330は経路変更部320を制御してレーザビームの照射経路を変更させる。すなわち、円形態のレーザ451のうち第1身体部位111の外部に照射された部分450の反対方向にレーザビームの照射経路が移動するようにすることであって、その結果、430aのように円形態のレーザ452は改めて第1身体部位111内に全て含まれ、散乱した光の強さは430bように全て均一になる。
【0059】
レーザ制御部330は散乱した光の強さの変化だけでなく入射する散乱した光の全般的な強さによって、3次元空間上の第1身体部位111の位置を確認することができ、これに伴い、経路変更部320でレーザビームの照射経路を変更するようにすることができる。そして、動作追跡装置200と第1身体部位111との距離によって円の大きさが変わり得るが、レーザ制御部330は第1身体部位111との距離を参照して円の大きさを調節することもできる。
【0060】
また、第1身体部位111がユーザまたは別途の物体によって隠されたり経路変更部320によって追跡される追跡領域の範囲をはずれた場合、集光部340に入射する散乱した光の強さが減少し得るが、レーザ制御部330は入射された光の強さが所定の閾値未満の場合、これを第1身体部位111の追跡が不可能なものと見なし、その結果を制御部230に伝達する。これに伴い、制御部230は位置確認部220でユーザ、第1領域110および第2領域120の位置を改めて確認するようにする。
【0061】
図7は本発明の実施形態によりユーザの動作が認識される過程を示すフローチャートである。
ユーザの動作を認識するために動作追跡装置200の映像入力部210は映像の入力を受ける(S710)。入力された映像はアナログ映像であって、これはデジタルに変換された後、制御部230に伝達される。
【0062】
デジタル映像を伝達された制御部230は映像内に目標物すなわち、ユーザが存在するのか確認する(S720)。伝達された映像内には複数のユーザが存在したり一つのユーザの身体の一部だけが含まれることがあり、ユーザが存在しないこともあり得るが、制御部230は目標対象として有効なユーザが存在するのか確認するものである。
【0063】
複数のユーザのうち目標対象であるユーザが存在したりユーザの身体の一部であるとしてもユーザとして認識される程度ならば、制御部230は位置確認部220でユーザの位置を確認するようにする(S730)。ここで、目標対象であるユーザの存在を決定したりユーザの身体の一部を利用して、これをユーザで認識するのは顔認識(Face Recognition)、エッジ検出(Edge Detection)およびパターン認識(Pattern Recognition)等の技術を利用して遂行され得る。
【0064】
制御部230の制御命令により位置確認部220はユーザの位置を確認する。そして、確認されたユーザの位置に基づいて第1領域110および第2領域120の位置を確認する(S740)。
【0065】
確認された第1領域110および第2領域120の位置は目標物追跡部240に伝達され、目標物追跡部240は第1領域110に存在する第1身体部位111に対する追跡を遂行する(S750)。
【0066】
目標物追跡部240による追跡結果は持続的に制御部230に伝達されるが、制御部230はその結果を確認しておき追跡が不能なのか否かを確認する(S760)。そして、追跡が不能な場合に位置確認部220でまたユーザ、第1領域110および第2領域120の位置を確認するようにし得る(S730)。
【0067】
一方、追跡が持続的に遂行される場合に目標物追跡部240は第1身体部位111の動作に対する軌跡を測定した後(S770)を制御部230に伝達する。
【0068】
伝達された軌跡は動作認識部260に伝達され、動作認識部260は伝達された軌跡が有効な動作なのかを確認する(S780)。すなわち、伝達された軌跡に対する特性を分析した後、その結果が保存部250に保存されている動作コードと一致するのか確認するものである。そうして、分析された特性が動作コードと一致する場合に動作認識部260は保存部250で該当動作コードに対応して保存された機能信号を抽出して(S790)制御部230に伝達する。
【0069】
そして、信号出力部270は機能信号を出力するが(S800)、このように出力された機能信号によって動作追跡装置200に連結された機能遂行装置150は該当機能を遂行する。
【0070】
図8は本発明の実施形態による第1身体部位が追跡される過程を示すフローチャートである。
ユーザの第1身体部位111を追跡するために目標物追跡部240のレーザ制御部330はまず制御部230から第1領域110および第2領域120の位置を伝達される(S810)。
【0071】
そして、レーザ制御部330はレーザビーム発生部310でレーザビームが発生するようにし、経路変更部320で第1領域110に対するスキャンを遂行する(S820)。すなわち、経路変更部320に具備される反射鏡の角度を変更させ、レーザビームが第1領域110の全般的な領域に順次に照射されるようにするものであって、これに伴い照射されたレーザビームは第1領域110に存在する物体に反射して散乱した光は集光部340によって受信される(S830)。
【0072】
受信された光はレーザ制御部330に伝達されるが、レーザ制御部330は光の強さおよび形態などを分析して第1領域110に第1身体部位111が存在するのか確認する(S840)。この時、第1領域110と第2領域120に重畳された領域が存在する場合、レーザ制御部330は経路変更部320で重畳された領域に対するスキャンが遂行されないように制御することもできる。
【0073】
スキャン結果、第1身体部位111が検出された場合にレーザ制御部330は経路変更部320を制御し、第1身体部位111でレーザビームが持続的に照射されるようにレーザビームの照射経路を変更するようにする(S850)。すなわち、集光部340に入力された散乱した光の強さおよび形態を参照して、第1身体部位111が移動したのか判断した後、レーザ制御部330はその結果に応じて経路変更部320で反射鏡の角度を調節するようにするものである。
【0074】
この時、レーザ制御部330は変更されるレーザビームの照射経路が第2領域120に含まれるのか持続的に確認し(S860)、万一レーザビームの照射経路が第2領域120に含まれる場合に経路変更部320を制御し、レーザビームの照射経路が第2領域120に含まれないように照射経路を変更させたりレーザビーム発生部310でレーザビームの発生を中断させることができる(S870)。
【0075】
また、レーザ制御部330は集光部340に入射する散乱した光の強さが閾値未満なのか持続的に確認するが(S880)、万一閾値未満の場合にその結果を制御部230に伝達して追跡を中断する。
【0076】
集光部340に入射する散乱した光の強さおよび形態、そして経路変更部320によって、変更されたレーザビームの照射経路は軌跡測定部350に伝達されるが、軌跡測定部350は伝達された情報を参照し、3次元空間上で第1身体部位111の動きに対する軌跡を測定する(S890)。
【0077】
そして、測定された軌跡情報はレーザ制御部330に伝達され、レーザ制御部330は伝達された軌跡情報を制御部230に伝達する(S900)。
【0078】
以上、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずとも、他の具体的な形態で実施され得るということを理解するはずだ。したがって以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態によりユーザの動作が追跡されることを示す概念図である。
【図2】本発明の実施形態による動作追跡装置を示すブロック図である。
【図3】図2に図示された目標物追跡部の細部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による第1身体部位の動きが感知され、追跡されることを示す図である。
【図5】本発明の実施形態によるレーザビームの照射経路が変更されることを示す図である。
【図6】本発明の実施形態による映像の入力方向とレーザビームの照射方向の関係を示す図である。
【図7】本発明の実施形態によりユーザの動作が認識される過程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態により第1身体部位が追跡される過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
210 映像入力部
220 位置確認部
230 制御部
240 目標物追跡部
250 保存部
260 動作認識部
270 信号出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された映像内に含まれたユーザの位置を確認する位置確認部、および
前記入力された映像内に存在する前記ユーザの第1身体部位を追跡する目標物追跡部を含む動作追跡装置。
【請求項2】
前記位置確認部は、映像処理を利用して前記確認を遂行する請求項1に記載の動作追跡装置。
【請求項3】
前記目標物追跡部は、レーザビームを発生させるレーザビーム発生部と、
前記レーザビーム発生部を制御して第1特定領域に存在する前記第1身体部位の位置を確認するレーザ制御部と、
前記第1身体部位に照射されるように前記レーザビームの照射経路を変更させる経路変更部と、
前記第1身体部位に照射された前記レーザビームの散乱した光を受信する集光部、および
前記受信された光の強さおよび前記変更された照射経路を参照して前記第1身体部位の移動軌跡を測定する軌跡測定部のうち少なくとも一つを含む請求項1に記載の動作追跡装置。
【請求項4】
前記レーザビームの照射経路および前記映像の入力方向は平行なことを特徴とする請求項3に記載の動作追跡装置。
【請求項5】
前記位置確認部は、前記入力された映像内に存在する前記ユーザの第2身体部位の位置を確認する請求項3に記載の動作追跡装置。
【請求項6】
前記レーザ制御部は、前記受信された光を参照し、前記第2身体部位を基準として第2特定領域内に前記レーザビームが照射されないように前記レーザビームの照射経路を制御する請求項5に記載の動作追跡装置。
【請求項7】
前記レーザ制御部は、前記受信された光を参照し、前記第2身体部位を基準として第2特定領域内に前記レーザビームが照射された場合に前記レーザビームの発生を制限する請求項5に記載の動作追跡装置。
【請求項8】
前記レーザ制御部は、前記受信された光の強さが臨界値未満の場合前記第1身体部位の追跡が不能なことで決める請求項3に記載の動作追跡装置。
【請求項9】
前記位置確認部は、前記入力された映像内に存在する前記第1身体部位の追跡が不能な場合に前記位置確認を遂行する請求項8に記載の動作追跡装置。
【請求項10】
前記測定された移動軌跡を利用して前記第1身体部位の動作を認識する動作認識部をさらに含む請求項3に記載の動作追跡装置。
【請求項11】
前記認識された動作に応じて信号を出力する信号出力部をさらに含む請求項10に記載の動作追跡装置。
【請求項12】
前記第1身体部位は、前記ユーザの身体部位のうち優先順位が付与された少なくとも一つ以上の身体部位を含む請求項1に記載の動作追跡装置。
【請求項13】
入力された映像内に含まれたユーザの位置を確認する段階、および
前記入力された映像内に存在する前記ユーザの第1身体部位を追跡する段階を含む動作追跡方法。
【請求項14】
前記位置を確認する段階は、映像処理を利用して前記確認を遂行する段階を含む請求項13に記載の動作追跡方法。
【請求項15】
前記第1身体部位を追跡する段階は、レーザビームを発生させる段階と
前記発生したレーザビームを利用して第1特定領域に存在するユーザの前記第1身体部位をスキャンすることで前記第1特定領域に存在する前記第1身体部位を確認する段階と、
前記第1身体部位に照射されるように前記レーザビームの照射経路を変更させる段階と、
前記第1身体部位に照射された前記レーザビームの散乱した光を受信する段階、および
前記受信された光の強さおよび前記変更された照射経路を参照し、前記第1身体部位の移動軌跡を測定する段階のうち少なくとも一つを含む請求項13に記載の動作追跡方法。
【請求項16】
前記レーザビームの照射経路および前記映像の入力方向は平行なことを特徴とする請求項15に記載の動作追跡方法。
【請求項17】
前記入力された映像内に存在する前記ユーザの第2身体部位の位置を確認する段階をさらに含む請求項15に記載の動作追跡方法。
【請求項18】
前記受信された光を参照し、前記第2身体部位を基準として第2特定領域内に前記レーザビームが照射されないように前記レーザビームの照射経路を制御する段階をさらに含む請求項17に記載の動作追跡方法。
【請求項19】
前記受信された光を参照し、前記第2身体部位を基準として第2特定領域内に前記レーザビームが照射された場合に前記レーザビームの発生を制限する段階をさらに含む請求項17に記載の動作追跡方法。
【請求項20】
前記受信された光の強さが閾値未満の場合に前記第1身体部位の追跡が不能なものと決定する段階を含む請求項15に記載の動作追跡方法。
【請求項21】
前記位置を確認する段階は、前記第1身体部位の追跡が不能な場合に遂行される段階を含む請求項20に記載の動作追跡方法。
【請求項22】
前記測定された移動軌跡を利用して前記第1身体部位の動作を認識する段階をさらに含む請求項15に記載の動作追跡方法。
【請求項23】
前記認識された動作に応じて信号を出力する段階をさらに含む請求項22に記載の動作追跡方法。
【請求項24】
前記第1身体部位は、前記ユーザの身体部位のうち優先順位が付与された少なくとも一つ以上の身体部位を含む請求項13に記載の動作追跡方法。
【請求項25】
第13項の方法を実行する少なくとも一つ以上のプロセッサを制御するためのコンピュータ判読命令語を保存する少なくとも一つ以上のコンピュータ判読媒体。
【請求項26】
入力された映像内に存在する第1身体部位および第2身体部位を含むユーザの位置を確認する位置確認部と、
レーザビームが前記第1身体部位に向かうようにし前記第2身体部位に向かわないように経路変更部を制御して前記レーザビームの経路を変更する制御部と、
前記第1身体部位に照射された前記レーザビームの散乱した光を受信する集光部、および
前記受信された光の強さおよび前記変更された照射経路を参照し、前記第1身体部位の移動軌跡を測定する軌跡測定部を含む動作追跡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−148287(P2008−148287A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286244(P2007−286244)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】