説明

動力伝動用ベルト

【課題】石油・石炭資源の使用を低減して、環境に優しい動力伝動用ベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】ベルト長手方向に沿って心線1を埋設し、圧縮ゴム層2を備えた動力伝動用ベルトに関する。圧縮ゴム層2を形成する材料のうち、非石油・非石炭由来の材料の比率が80質量%以上であることを特徴とする。石油・石炭資源の使用を大幅に低減して動力伝動ベルトを製造することができ、環境に優しい動力伝動用ベルトを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムを主材料とする動力伝動用ベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
動力伝動用ベルトはゴム組成物を主材料として製造されているが、全重量の半分以上が、石油や石炭を資源とする材料から構成されている。例えばローエッジベルトでは圧縮ゴム層が大半を占めるが、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物は、合成ゴムを約50〜60質量%、カーボンブラックを約15〜25質量%含み、他にアロマオイルや合成繊維を含んで調製されており、これらはいずれも石油資源由来の材料である。従って圧縮ゴム層を形成するゴム組成物の80質量%以上が石油資源由来の材料からなっている(例えば特許文献1,2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−347108号公報
【特許文献2】特開2009−249519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、石油の消費はCOの排出を増加させることになるところ、近年、CO排出等の環境問題が重視されるようになり、CO排出の規制が強化されている。また石油や石炭のような化石燃料資源は有限であり、特に石油はその供給量が年々減少していることから、将来的に石油価格の高騰が予測され、石油資源からなる原材料の使用には限界がみられる。そして石油資源由来の材料を多く消費して製造されている動力伝導用ベルトにおいては、このような石油価格の高騰などの問題が、大きく影響することになる。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、石油・石炭資源の使用を低減して、環境に優しい動力伝動用ベルトを提供することを目的とするものであり、また石油・石炭資源の使用を低減しつつ高い特性を有する動力伝動用ベルトを得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る動力伝動用ベルトは、ベルト長手方向に沿って心線1を埋設し、圧縮ゴム層2を備えた動力伝動用ベルトであって、圧縮ゴム層2を形成する材料のうち、非石油・非石炭由来の材料の比率が80質量%以上であることを特徴とするものである。
【0007】
圧縮ゴム層2は動力伝動用ベルトのなかで大きな比重を占めるものであるが、圧縮ゴム層2の材料の80質量%以上を非石油・非石炭由来の材料から形成することによって、石油・石炭資源の使用を大幅に低減して動力伝動ベルトを製造することが可能になるものであり、環境に優しい動力伝動用ベルトを得ることができるものである。
【0008】
また本発明において、上記の圧縮ゴム層2は、天然系ゴム100質量部に対して、天然短繊維10〜40質量部、シリカ50〜80質量部、植物系軟化剤2〜5質量部を配合したゴム組成物からなることを特徴とするものである。
【0009】
この発明によれば、非石油・非石炭由来の材料を低減しつつ、耐摩耗性などの特性に優れた動力伝動用ベルトを得ることができるものである。
【0010】
また本発明において、上記の圧縮ゴム層2を形成するゴム組成物には、シリカ50〜80質量部に対して、シランカップリング剤が2〜5質量部配合されていることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、非石油・非石炭由来の材料を低減しつつ、耐摩耗性などの特性に優れた動力伝動用ベルトを得ることができるものである。
【0012】
また本発明において、上記の圧縮ゴム層2を形成するゴム組成物には、天然系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックが10質量部以下配合されていることを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、非石油・非石炭由来の材料を低減しつつ、耐摩耗性や耐屈曲性などの特性に優れた動力伝動用ベルトを得ることができるものである。
【0014】
また本発明に係る動力伝動用ベルトは、断面V字形状のローエッジベルト、Vリブドベルトのいずれかであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、圧縮ゴム層2の材料の80質量%以上を非石油・非石炭由来の材料から形成しているので、石油・石炭資源の使用を大幅に低減して動力伝動ベルトを製造することができるものであり、環境に優しい動力伝動用ベルトを得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)はローエッジベルトを示す断面図、(b)はVリブドベルトを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1(a)は、動力伝動用ベルトの一種であるローエッジVベルトAを示すものであり、ベルト下面(内周面)からベルト上面に向かって順に、下補強布5、圧縮ゴム層2、ベルト長手方向に心線1を埋入した接着ゴム層6、上補強布7を積層して構成されるものであり、圧縮ゴム層2には短繊維10が含有させてある。このローエッジVベルトAは全体の断面形状が略V字形(逆台形)に形成されるものである。ローエッジVベルトAには、図1(a)の形態のものだけでなく、圧縮ゴム層2にコグ部を有するローエッジコグドベルトや、ベルト上面にもコグ部を有するローエッジダブルコグドベルトなども含まれるものであり、また上補強布7の代わりに伸張ゴム層を積層した構造のものある。
【0019】
このローエッジVベルトAの製造の一例を示す。まず円筒状金型の外周に、下補強布5を形成する帆布、圧縮ゴム層2を形成する未加硫ゴムシート、接着ゴム層6を形成する未加硫ゴムシートを巻き付け、この上に心線1を形成するコートをスパイラルに巻き付けた後、さらにこの上に上補強布7を形成する帆布を巻き付け、これを所定の温度と圧力で、加熱・加圧することによって、加硫スリーブを作製する。そしてこの加硫スリーブを所定幅で、Vカットして輪切りすることによって、個々のローエッジVベルトAを得ることができるものである。
【0020】
図1(b)は、動力伝動用ベルトの一種であるVリブドベルトBを示すものであり、ベルト下面(内周面)からベルト上面に向かって順に、圧縮ゴム層2、ベルト長手方向に心線1を埋入した接着ゴム層6、カバー帆布からなる伸張ゴム層8を積層して構成されるものであり、圧縮ゴム層2には短繊維10が含有させてある。圧縮ゴム層2にはベルト長手方向に伸びる断面V字形(逆台形)の複数のリブ9が形成してある。
【0021】
図1(a)(b)にみられるように、動力伝動用ベルトは圧縮ゴム層2が重量の大半を占めるものであり、本発明は、この圧縮ゴム層2を形成するゴム組成物を、非石油・非石炭由来の材料を80質量%以上用いて調製するようにしたものである。ここで、本発明において非石油・非石炭由来の材料とは、石油あるいは石炭を原料として製造される材料を除く趣旨であり、石油あるいは石炭を原料としない材料をいうものである。
【0022】
圧縮ゴム層2を形成するゴム組成物は、ゴム、短繊維、シリカ、カーボンブラック、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤などを配合して調製されるものであり、これら各材料の80質量%以上が非石油・非石炭由来の材料となるように、配合設計を行なうものである。
【0023】
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物の主材料であるゴムには、石油・石炭由来の材料である合成ゴムと、非石油・非石炭由来の材料である天然系ゴムがあるが、本発明では天然系ゴムを用いるのが好ましい。この天然系ゴムの種類は特に限定されるものではないが、天然ゴム、エポキシ化天然ゴムなどを使用することができる。なかでも、ベルトの耐寒性を考慮すると、天然ゴムを使用するのが好ましい。
【0024】
圧縮ゴム層を補強する短繊維には、石油・石炭由来の材料である合成短繊維や、非石油・非石炭由来の材料である天然短繊維(植物短繊維)があるが、本発明では天然短繊維を使用するのが好ましい。この天然短繊維としては、特に限定されるものではないが、例えば綿、麻、絹、羊毛、パルプ、竹、レーヨン、セルロース系繊維等の短繊維を使用することができるものであり、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
シリカは自然界の地下資源であって、非石油・非石炭由来の材料である。またシリカとともにシランカップリング剤を併用するのが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、具体的には、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルジメチルクロロシラン、3−[N−アリル−N−(2−アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシラン、p−[N−(2−アミノエチル)アミノメチル]フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−メルカプトメチル)ポリジメチルシロキサン、N,N′−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N′−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N′−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N′−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、3−メルカプトプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、1−トリメトキシシリル−4,7,10−トリアザデカン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]トリエチレンテトラミン、N−3−トリメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジアミンなどを例示することができる。これらのシランカップリング剤は1種を単独で用いる他、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0026】
ゴム組成物の加工性を高めるために配合される軟化剤には、石油・石炭由来の材料であるパラフィン系軟化剤などもあるが、本発明では非石油・非石炭由来の材料である植物系軟化剤を用いるのが好ましい。植物系軟化剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には綿実油、大豆油、ひまし油、パインタール油、パーム油、なたね油、オリーブ油、べに花油、ひまわり油、ごま油などを例示することができる。
【0027】
加硫剤としては、硫黄を用いるのが一般的であるが、硫黄は自然界の地下資源であって、非石油・非石炭由来の材料である。
【0028】
加硫促進剤は、ゴムの加硫度を増加させ、物性低下を防止する目的でゴム組成物に配合されるものである。加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系のものを挙げることができる。これらの加硫促進剤は、1種を単独で用いる他、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの加硫促進剤は、一般に石油を原料として合成されたものであり、石油・石炭由来の材料である。
【0029】
上記の材料を配合して混練することによって、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物を調製することができる。混練の方法は特に限定されるものではなく、バンバリーミキサー、ロール、ニーダなどを用いて行なうことができる。
【0030】
ここで、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物において、ゴムとして天然系ゴムを用い、また短繊維として天然短繊維を用い、天然系ゴム100質量部に対して、天然短繊維10〜40質量部、シリカ50〜80質量部、植物系軟化剤2〜5質量部を配合するのが好ましい。このような配合にすることによって、非石油・非石炭由来の材料の比率を80質量%以上に設定しつつ、耐摩耗性など動力伝動用ベルトに必要な特性が低下することを防ぐことができるものである。
【0031】
天然短繊維の配合量が天然系ゴム100質量部に対して10質量部未満であると、ベルトがプーリから受ける側圧に耐え切れずに圧縮ゴム層が大きく変形し、耐摩耗性が低下するおそれがある。天然短繊維の配合量が逆に40質量部を超えると、圧縮ゴム層の中で短繊維の分散不良が発生して、却って耐摩耗性が低下するおそれがある。
【0032】
シリカの配合量が天然系ゴム100質量部に対して50質量部未満であると、シリカの配合による圧縮ゴム層の補強効果が不十分になり、耐摩耗性が低下するおそれがある。シリカの配合量が逆に80質量部を超えると、圧縮ゴム層が圧縮と伸張の変形をする際に、この変形に伴なって発生する発熱が大きくなるおそれがある。
【0033】
植物系軟化剤の配合量が天然系ゴム100質量部に対して2質量部未満であると、ゴム組成物を混練したり、圧延して未加硫ゴムシートを作製したりする際に、柔軟性不足によって加工性が低下するおそれがある。植物系軟化剤の配合量が逆に5質量部を超えると、圧縮ゴム層が柔らくなり過ぎて、耐摩耗性が低下するおそれがある。
【0034】
また、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物において、シリカとともにシランカップリング剤を併用する場合、シリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を2〜5質量部配合するのが好ましい。シランカップリング剤の配合量がシリカ100質量部に対して2質量部未満であると、ゴムに対するシリカの密着性が不十分になって、シリカを配合することによる補強効果を十分に得ることができなくなって、耐摩耗性が低下するおそれがある。シランカップリング剤の配合量が逆に5質量部を超える場合、シランカップリング剤は余剰となり、配合量に見合う効果は得られず、コスト面で不利になる。
【0035】
また圧縮ゴム層を形成するゴム組成物には、必要に応じて、圧縮ゴム層を黒色に着色できる程度にカーボンブラックを配合することができる。カーボンブラックの配合量は、天然系ゴム100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。カーボンブラックの配合量が10質量部を超えると、圧縮ゴム層が圧縮と伸張の変形をする際に、この変形に伴なって発生する発熱が大きくなるおそれがある。さらにシリカ以外にカーボンブラックによっても圧縮ゴム層が補強されることになるため、圧縮ゴム層の硬度が過度に上昇し、耐屈曲疲労性が低下するおそれがある。特に、カーボンブラックは石油を原料として製造される石油・石炭由来の材料であるので、カーボンブラックの配合量が多いと、非石油・非石炭由来の材料の比率を高めることが難しくなる。カーボンブラックは、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物において任意成分であり、特に必要でなければ配合しなくてもよい。
【実施例】
【0036】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0037】
(実施例1〜6、比較例1〜3)
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物の材料を表1に示す。表1において、非石油・非石炭由来の材料は、天然ゴム、天然系短繊維、ZnO、シリカ、植物油系軟化剤、硫黄であり、その他は石油・石炭由来の材料である。尚、表1において、非石油・非石炭由来の材料に「○」を付して示した。
【0038】
そして表1の配合で各材料を、密閉式混練機(バンバリーミキサー)によって混練りし、ゴム組成物を調製した。また混練りしたゴム組成物をカレンダーロールで圧延して、未加硫ゴムシートを作製した。
【0039】
この未加硫ゴムシートを153℃で20分間加熱して加硫して、加硫ゴムシートを作製した。動力伝動用ベルトの重要特性である耐摩耗性を評価するために、この加硫ゴムシートのウィリアムス摩耗量をJIS K6264に準じて試験した。結果を表1に示す。尚、表1に示す数値は、実施例1のウィリアムス摩耗量を100としたときの相対値であり、この数値が小さいほど、耐摩耗性に優れていることを表すものである。
【0040】
また上記のように作製した未加硫ゴムシートを圧縮ゴム層に用いて、既述した方法で、周長1055mmのローエッジVベルト(図1(a)参照)を製造した。
【0041】
このベルトの耐摩耗性を評価するために、6%スリップ走行試験を行なった。6%スリップ走行試験は、駆動プーリ(直径65mm)、従動プーリ(直径65mm)、テンションプーリ(直径120mm)を配置した試験機の各プーリにローエッジVベルトを懸架し、従動プーリのトルクを9.8N・mとなるように張力を自動調整しながら、駆動プーリを回転数3000rpmで回転駆動して、室温で24時間走行させることによって行なった。そして走行試験前と試験後のベルト重量を測定し、重量減量から摩耗率を算出した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
実施例1〜6は、いずれも非石油・非石炭由来の材料の比率を80質量%以上に高めたものであり、石油・石炭資源の使用を低減して、環境に優しい動力伝動用ベルトを得ることができるものであった。そして実施例2〜6はいずれも、実施例1よりも、ウィリアムス摩耗量や6%スリップ摩耗率が低く、耐摩耗性が向上しているが、これらは、シリカ及びシランカップリング剤の増量や、天然短繊維の増量、植物系軟化剤の減量によるものと考えられる。
【0044】
一方、比較例1〜3は、石油を資源とする材料、すなわち合成ゴム、カーボンブラック、合成短繊維、石油系軟化剤を多用したものであり、非石油・非石炭由来の材料の比率が低い。そして比較例1〜3は、実施例1〜6と比較して、いずれもウィリアムス摩耗量や6%スリップ摩耗率が高く、耐摩耗性が悪い。この原因は、比較例1は、シリカ及びシランカップリング剤が配合されていないため、比較例2は、シリカ及びシランカップリング剤が配合されているが、シリカの配合量が少ないため、比較例3は、シリカの配合量は十分であるが、シランカップリング剤が配合されていないため、であると考えられる。従って、シリカを配合すること、さらにシリカとシランカップリング剤を併用することは、圧縮ゴム層の耐摩耗性を維持するうえで重要であり、好ましい配合量は、ゴム100質量部に対してシリカ50〜80質量部の範囲、シリカ50〜80質量部に対してシランカップリング剤2〜5質量部の範囲である。
【符号の説明】
【0045】
1 心線
2 圧縮ゴム層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト長手方向に沿って心線を埋設し、圧縮ゴム層を備えた動力伝動用ベルトであって、圧縮ゴム層を形成する材料のうち、非石油・非石炭由来の材料の比率が80質量%以上であることを特徴とする動力伝動用ベルト。
【請求項2】
上記の圧縮ゴム層は、天然系ゴム100質量部に対して、天然短繊維10〜40質量部、シリカ50〜80質量部、植物系軟化剤2〜5質量部を配合したゴム組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の動力伝動用ベルト。
【請求項3】
上記の圧縮ゴム層を形成するゴム組成物には、シリカ50〜80質量部に対して、シランカップリング剤が2〜5質量部配合されていることを特徴とする請求項2に記載の動力伝動用ベルト。
【請求項4】
上記の圧縮ゴム層を形成するゴム組成物には、天然系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックが10質量部以下配合されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の動力伝動用ベルト。
【請求項5】
断面V字形状のローエッジベルト、Vリブドベルトのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の動力伝動用ベルト。

【図1】
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【公開番号】特開2011−214663(P2011−214663A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83496(P2010−83496)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】