説明

動態画像診断支援システム及び胸部診断支援情報生成方法

【課題】喚気の状態だけでなく、呼吸に伴う血流の状態を加味した診断支援情報を提供できるようにする。
【解決手段】本発明に係る動態画像撮影システム100の演算装置4において、撮影装置1で撮影された胸部動態画像の複数のフレーム画像のそれぞれを複数の小領域に分割し、複数のフレーム画像間において対応する小領域毎に画像解析を行い、各小領域の喚気の状態が異常であるか否かを判定する喚気判定処理、各小領域の血流の状態が異常であるか否かを判定する血流判定処理、並びに、喚気判定処理による判定結果及び血流判定処理による判定結果に基づいて各小領域が異常であるか否かを判定する異常判定処理を実行する。そして、診断用コンソール3において、少なくとも異常判定処理における判定結果を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動態画像診断支援システム及び胸部診断支援情報生成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のフィルム/スクリーンや輝尽性蛍光体プレートを用いた放射線の静止画撮影及び診断に対し、FPD(flat panel detector)等の半導体イメージセンサを利用して検査対象部位の動態画像を撮影し、診断に応用する試みがなされるようになってきている。具体的には、半導体イメージセンサの画像データの読取・消去の応答性の早さを利用し、半導体イメージセンサの読取・消去のタイミングと合わせて放射源からパルス状の放射線を連続照射し、1秒間に複数回の撮影を行って、検査対象部位の動態を撮影する。撮影により取得された一連の複数枚の画像を順次表示することにより、医師は検査対象部位の一連の動きを認識することが可能となる。
【0003】
また、動態画像を見やすく表示するための各種技術も提案されている。例えば、特許文献1には、動態画像のフレーム間差分画像を作成し、差分動画像を表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−312434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、肺の疾患には、肺野の喚気状態及び血流の状態の組み合わせにより診断がなされるものがある。例えば、喚気が十分にあるが血流が十分でない箇所があると、その箇所は慢性肺気種の疑いがあると診断される。また、血流が十分にあるが喚気が十分でない箇所があると、その箇所は慢性気管支炎の疑いがあると診断される。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の差分画像では、人体の呼吸に伴う肺野の膨張及び収縮の形態変化や心臓の拍動等は表示可能であるが、肺野における血流の情報は差分処理に伴い消滅してしまう。そのため、血流の状態を加味した診断支援情報を医師に提供することはできなかった。
【0007】
本発明の課題は、喚気の状態だけでなく、呼吸に伴う血流の状態を加味した診断支援情報を提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の動態画像診断支援システムは、
人体の胸部を動態撮影して、前記胸部の動態を示す複数のフレーム画像を取得する撮影手段と、
前記取得された複数のフレーム画像から、喚気の状態が異常であるか否かを示す喚気情報、及び血流の状態が異常であるか否かを示す血流情報の両方を生成する診断支援情報生成手段と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記喚気情報及び前記血流情報に基づいて、前記胸部の動態が異常であるか否かを判定する判定手段を備える。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
撮影手段及び診断支援情報生成手段を備える動態画像診断支援システムにおける胸部診断支援情報生成方法であって、
前記撮影手段により、人体の胸部を動態撮影して、前記胸部の動態を示す複数のフレーム画像を取得する工程と、
前記診断支援情報生成手段により、前記取得された複数のフレーム画像から、喚気の状態が異常であるか否かを示す喚気情報、及び血流の状態が異常であるか否かを示す血流情報の両方を生成する工程と、
を含む。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記動態画像診断支援システムは、判定手段を備え、
前記判定手段により、前記喚気情報及び前記血流情報に基づいて、前記胸部の動態が異常であるか否かを判定する工程を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、喚気の状態だけでなく、呼吸に伴う血流の状態を加味した診断支援情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における動態画像診断支援システムの全体構成例を示す図である。
【図2】図1に示す撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す演算装置の制御部により実行される画像解析処理を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す演算装置の制御部により実行される領域分割処理を示すフローチャートである。
【図5】図4の領域分割処理により取得される小領域を説明するための図である。
【図6】図1に示す演算装置の制御部により実行される喚気判定処理を示すフローチャートである。
【図7】(a)は、図6の喚気判定処理において異常の判定に用いる周辺領域を説明するための図、(b)は、小領域が小さい場合に図6の喚気判定処理において異常の判定に用いる周辺領域を説明するための図である。
【図8】(a)は、図6の喚気判定処理において異常の判定に用いる左右の肺野領域を説明するための図、(b)は、小領域が小さい場合に図6の喚気判定処理において異常の判定に用いる左右の肺野領域を説明するための図である。
【図9】図1に示す演算装置の制御部により実行される血流判定処理を示すフローチャートである。
【図10】図1に示す診断用コンソールの制御部により実行される表示制御処理を示すフローチャートである。
【図11】図1に示す診断用コンソールの表示部に表示される判定結果表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る一実施形態について説明する。ただし、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
〔動態画像診断支援システム100の構成〕
まず、構成を説明する。
【0015】
図1に、本実施の形態における動態画像診断支援システム100の全体構成を示す。
【0016】
図1に示すように、動態画像診断支援システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、診断用コンソール3と、演算装置4と、画像サーバ5とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。動態画像診断支援システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
〔撮影装置1の構成〕
撮影装置1は、例えば、呼吸に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等を含む人体の胸部を動態撮影する装置である。動態撮影は、人体の胸部に対し、X線等の放射線を連続照射して複数の画像を取得(即ち、連続撮影)することにより行う。この連続撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
【0017】
撮影装置1は、図1に示すように、放射線源11、放射線照射制御装置12、放射線検出部13、読取制御装置14、サイクル検出センサ15、サイクル検出装置16等を備えて構成されている。
【0018】
放射線源11は、放射線照射制御装置12の制御に従って、被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
【0019】
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、連続照射時のパルスレート、パルス幅、パルス間隔、撮影開始/終了タイミング、X線管電流の値、X線管電圧の値、フィルタ種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、連続撮影において、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
【0020】
放射線検出部13は、FPD等の半導体イメージセンサにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の画素がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部により構成されている。
【0021】
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。そして、読取制御装置14は、取得した画像データを撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、連続撮影において、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
【0022】
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
【0023】
サイクル検出センサ15は、被写体Mの呼吸運動の状態を検出して検出情報をサイクル検出装置16に出力する。サイクル検出センサ15としては、例えば、呼吸モニタベルト、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、光学カメラ、スパイロメータ等を適用することができる。
【0024】
サイクル検出装置16は、サイクル検出センサ15により入力された検出情報に基づいて、呼吸サイクル数、及び現在呼吸運動の1サイクル中のどの状態であるか(例えば、吸気、吸気から呼気の変換点、呼気、呼気から吸気の変換点のどの状態か)を検出し、検出結果(サイクル情報)を撮影用コンソール2の制御部21に出力する。サイクル検出装置16は、例えば、サイクル検出センサ15(呼吸モニタベルト、CCDカメラ、光学カメラ、スパイロメータ等)により肺の状態が吸気から呼気への変換点であることを示す検出情報が入力されたタイミングを1サイクルの基点とし、次にこの状態が検出されるタイミングまでの間を1サイクルとして認識する。
〔撮影用コンソール2の構成〕
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された画像データを撮影技師によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
【0025】
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
【0026】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御する。
【0027】
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等により構成される。記憶部22は、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部22は、図2に示す撮影フローの制御を行うための撮影制御処理プログラムを記憶している。また、記憶部22は、検査対象部位に対応付けて放射線照射条件及び画像読取条件を記憶している。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0028】
操作部23は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部23は、表示部24の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
【0029】
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、操作部23からの入力指示やデータ等を表示する。
【0030】
通信部25は、LANアダプタやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔診断用コンソール3の構成〕
診断用コンソール3は、画像サーバ5から動態画像の画像データを取得し、取得した画像データに基づいて動態画像を表示して医師が読影診断するための端末である。
【0031】
診断用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
【0032】
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する表示制御処理を始めとする各種処理を実行し、診断用コンソール3各部の動作を集中制御する。
【0033】
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で実行される表示制御処理プログラムを始めとする各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0034】
操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
【0035】
表示手段としての表示部34は、LCDやCRT等のモニタにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、操作部33からの入力指示やデータ等を表示する。
【0036】
通信部35は、LANアダプタやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔演算装置4の構成〕
演算装置4は、撮影用コンソール2から送信された動態画像の画像データに画像解析処理を施して、画像サーバ5に送信する。
【0037】
演算装置4は、図1に示すように、制御部41、記憶部42、通信部43等を備えて構成され、各部はバス44により接続されている。
【0038】
制御部41は、CPU、RAM等により構成される。制御部41のCPUは、記憶部42に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する画像解析処理を始めとする各種処理を実行し、演算装置4各部の動作を集中制御する。
【0039】
記憶部42は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等により構成される。記憶部42は、制御部41で実行される画像解析処理プログラムを始めとする各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部41は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0040】
通信部43は、LANアダプタやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔画像サーバ5の構成〕
画像サーバ5は、ハードディスク等により構成される記憶装置を有し、演算装置4から送信された動態画像の画像データを記憶装置に検索可能に記憶し管理するコンピュータ装置である。画像サーバ5は、診断用コンソール3から動態画像の取得要求が送信されると、要求された動態画像の画像データを記憶装置から読み出して診断用コンソール3に送信する。
〔動態画像診断支援システム100の動作〕
次に、上記動態画像診断支援システム100における動作について説明する。
(撮影動作)
まず、動態画像診断支援システム100における撮影の流れについて説明する。
【0041】
図2に、撮影装置1及び撮影用コンソール2において実行される撮影フローを示す。
【0042】
まず、撮影技師により撮影用コンソール2の操作部23が操作され、撮影対象(被写体M)の患者情報(患者の氏名、身長、体重、年齢、性別等)の入力が行われる(ステップS1)。
【0043】
次いで、撮影用コンソール2の制御部21により、放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS2)。
【0044】
次いで、操作部23の操作による放射線照射の指示が待機され、操作部23により放射線照射指示が入力されると(ステップS3;YES)、制御部21により、サイクル検出装置16にサイクル検出開始の指示が出力され、サイクル検出センサ15及びサイクル検出装置16による被写体Mの呼吸運動のサイクル検出が開始される(ステップS4)。サイクル検出装置16により所定の状態(ここでは、吸気から呼気への変換点)であることが検出されると、制御部21により放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、動態撮影が開始される(ステップS5)。即ち、放射線照射制御装置12に設定されたパルス間隔で放射線源11により放射線が照射され、放射線検出部13により画像データ(フレーム画像)が取得される。サイクル検出装置16により予め定められた動態サイクル数が検出されると、制御部21により放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影終了の指示が出力され、撮影動作が停止される。
【0045】
撮影により取得された画像データは順次撮影用コンソール2に入力され、制御部21により、撮影順を示す番号と対応付けて記憶部22に記憶されるとともに(ステップS6)、表示部24に表示される(ステップS7)。撮影技師は、表示された動態画像によりポジショニング等を確認し、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)か、を判断する。そして、操作部23を操作して、判断結果を入力する。
【0046】
操作部23の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると(ステップS8;YES)、制御部21により、動態撮影で取得された一連の画像データ、即ち一連のフレーム画像のそれぞれに、動態画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査対象部位、放射線照射条件、画像読取条件、撮影順を示す番号、サイクル情報等の情報が付帯され(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込まれ)、通信部25を介して演算装置4に送信される(ステップS9)。そして、本処理は終了する。一方、操作部23の所定の操作により撮影NGを示す判断結果が入力されると(ステップS8;NO)、制御部21により、記憶部22に記憶された一連の画像データが削除され(ステップS10)、本処理は終了する。
(演算装置4の動作)
次に、演算装置4における動作について説明する。
【0047】
演算装置4においては、通信部43を介して撮影用コンソール2から動態画像の一連の画像データが受信されると、制御部41と記憶部42に記憶されている画像解析処理プログラムとの協働により図3に示す画像解析処理が実行される。
【0048】
画像解析処理においては、まず、領域分割処理が実行される(ステップS11)。
【0049】
図4に、領域分割処理のフローを示す。当該処理は、制御部41と記憶部42に記憶されている領域分割処理プログラムとの協働により実現される。
【0050】
まず、動態画像を構成する複数のフレーム画像の中から基準画像(基準画像P1とする)が設定される(ステップS101)。基準画像P1は、何れのフレーム画像としてもよいが、ここでは、1番目(最初)に撮影されたフレーム画像として説明する。即ち、本実施の形態における基準画像P1は、吸気→呼気の変換点で撮影された、呼吸1サイクル中で肺野の面積が最大となる画像として説明する。
【0051】
次いで、基準画像P1から肺野領域の抽出が行われる(ステップS102)。
【0052】
肺野領域は、放射線(X線)の透過量が多いため、その周辺の領域に比べて信号値が高くなる。そこで、例えば、以下の処理により肺野領域が抽出される。
【0053】
まず、各画素の信号値から濃度ヒストグラムを作成し、判別分析法等によって閾値を求める。次いで、求められた閾値より高信号の領域を肺野領域の候補として抽出する。次いで、候補領域の境界付近でエッジ検出を行い、境界付近の小領域でエッジが最大となる点を境界に沿って抽出していく。そして、抽出されたエッジ点を多項式関数で近似して肺野領域の境界線を取得する。
【0054】
次いで、抽出した肺野領域を含む矩形領域が設定され、その矩形領域が0.4〜4cm角の小領域A1(図5に点線で示す)に分割される(ステップS103)。
【0055】
次いで、カウンタnに1が設定され(ステップS104)、撮影順がn番のフレーム画像における各小領域A1が(n+1)番のフレーム画像のどの位置に対応するかを求めるローカルマッチング処理が行われる(ステップS105)。
【0056】
ローカルマッチング処理は、例えば、特開2001−157667号に記載されている手法により行うことができる。具体的には、まず、撮影順が(n+1)番のフレーム画像に、撮影順がn番のフレーム画像における各小領域A1の探索領域がそれぞれ設定される。ここで、(n+1)番のフレーム画像に設定される各探索領域のそれぞれは、n番のフレーム画像における各小領域A1における中心点の座標を(x,y)とすると、同一の中心点(x,y)をもち、n番のフレーム画像の各小領域A1よりも縦横の幅が大きくなるように設定される(例えば、縦横の幅がそれぞれ2倍)。
【0057】
次いで、n番のフレーム画像の各小領域A1毎に、(n+1)番のフレーム画像に設定された探索領域において最もマッチング度合いが高くなる位置が算出され、(n+1)番のフレーム画像上での対応位置として算出される。マッチング度合いとしては、最小二乗法や相互相関係数が指標に用いられる。
【0058】
ローカルマッチング処理により撮影順がn番のフレーム画像の各小領域A1が(n+1)番のフレーム画像のどの位置(小領域)に対応するかが算出されると、(n+1)番のフレーム画像における各小領域A1の中心点の座標(x´,y´)がn番のフレーム画像の各小領域A1の中心点の座標(x,y)に対応する位置として取得され、RAMに記憶される(ステップS106)。
【0059】
次いで、(n+1)>フレーム画像数であるか否かが判断され、(n+1)>フレーム画像数ではないと判断されると(ステップS107;NO)、カウンタnが1インクリメントされ(ステップS108)、処理はステップS105に戻る。(n+1)>フレーム画像数であると判断されると(ステップS107;YES)、各フレーム画像が、図5に実線で示すように、各小領域A1の中心点を頂点とした新たな小領域A2に分割され(ステップS109)、領域分割処理は終了し、図3のステップS12に移行する。
【0060】
なお、上述の領域分割処理においては、基準画像P1における肺野領域を含む領域を縦横等間隔(0.4〜4cm)に区切って小領域A1を生成したが、フレーム画像における肺野内の血管領域の抽出(詳細後述)を行って血管の分岐点等、構造的に特徴のある点を求め、求めた点を中心点とした矩形領域を小領域A1としてローカルマッチング処理を行う対象領域としてもよい。
【0061】
また、上述の領域分割処理においては、各フレーム画像の画像データそのものでローカルマッチング処理を行ったが、グラディエントフィルタ等によりエッジ抽出した画像に対してローカルマッチング処理を行ってもよい。このとき、肋骨の影響を排除するために、各フレーム画像から肋骨部を画像認識し、肋骨部のエッジのみを排除することが好ましい。各フレーム画像における肋骨部の認識は、例えば、特開2005−20338号公報に提案されているように、エッジ検出(放物線近似形状検出)により検出された肋骨の初期形状を肋骨形状モデル(教師データから得られた平均形状と、教師データの主成分分析により得られた複数の主成分形状との線形和として任意の肋骨形状を生成する)に投影して、肋骨のモデル投影形状を求める手法を適用することができる。
【0062】
図3のステップS12においては、喚気判定処理が実行される。
【0063】
図6に、喚気判定処理のフローを示す。当該処理は、制御部41と記憶部42に記憶されている喚気判定処理プログラムとの協働により実現される。
【0064】
まず、各フレーム画像において、新たに生成された小領域A2毎に、基準画像P1に対する面積変化率(具体的には、基準画像P1において対応する小領域A2に対する面積変化率をいう)、及び、撮影順が一つ前のフレーム画像に対する面積変化率(具体的には、撮影順が一つ前のフレーム画像おいて対応する小領域A2に対する面積変化率をいう)が算出される(ステップS201)。ここで、各フレーム画像の各小領域A2毎の、基準画像P1に対する面積変化率は、例えば、各フレーム画像の各小領域A2の面積(aとする)の、基準画像P1において対応する小領域A2の面積(bとする)に対する比の値(a/b)で求めることができる。同様に、各フレーム画像の各小領域A2毎の、撮影順が一つ前のフレーム画像に対する面積変化率は、例えば、各フレーム画像の各小領域A2の面積(aとする)の、撮影順が一つ前において対応する小領域A2の面積(cとする)に対する比の値(a/c)で求めることができる。各小領域A2の面積は、小領域A2内の画素数をカウントし、カウントした画素数に基づいて求めることができる。
【0065】
次いで、各フレーム画像における小領域A2毎に算出された、基準画像P1に対する面積変化率及び撮影順が一つ前のフレーム画像に対する面積変化率を用いて解析が行われ、小領域A2毎に、喚気の状態が異常であるか否が判定される(ステップS202)。ステップS202では、主に、周辺小領域の挙動との整合性と時間変化に対する面積変化率の整合性を調べることで喚気の状態が異常であるか否かの判定を行う。例えば、各フレーム画像における各小領域A2について、基準画像P1に対する面積変化率、及び、撮影順が一つ前のフレーム画像に対する面積変化率を、それぞれ、周辺、左右肺野、上下肺野で比較する。
〔周辺〕
各フレーム画像における各小領域A2の面積変化率(基準画像P1に対する面積変化率、一つ前のフレーム画像に対する面積変化率のそれぞれ)について、垂直位置(垂直方向における位置)が略同一である同一肺野内(左肺野又は右肺野)の周辺の複数の小領域A2における面積変化率の平均値と比較する。そして、求めた平均値に対して予め定められた範囲(例えば、平均値±20%)を超えている小領域A2を異常と判定する。例えば、図7(a)に太線で示す小領域A2については、同図において点線で囲った領域内の複数の小領域A2における面積変化率の平均値と比較し、平均値に対して予め定められた範囲を超えるか否かで異常であるか否かを判定する。各小領域A2のサイズが所定サイズより小さい場合、図7(b)に示すように、面積変化率の平均値を求める領域を複数行としてもよい。
【0066】
異常と判定された各小領域A2については、面積変化(面積の増減量)が周辺に比べて大きすぎるか又は小さすぎるかを判定する。例えば、本実施の形態のように、基準画像P1を肺野面積が最大の画像とした場合、以下の基準1)、2)によりこの判定を行うことができる。
1)基準画像P1に対する面積変化率に基づき異常と判定された場合
・面積変化率が周辺の面積変化率の平均値−20%より小さい→面積変化が大きい(基準画像P1からの変化(縮小率)が大きい)
・面積変化率が周辺の面積変化率の平均値+20%より大きい→面積変化が小さい(基準画像P1からの変化(縮小率)が小さい)
2)一つ前のフレーム画像に対する面積変化率に基づき異常と判定された場合
a)呼気時
・面積変化率が周辺の面積変化率の平均値−20%より小さい→面積変化が大きい(一つ前のフレーム画像からの変化(縮小率)が大きい)
・面積変化率が周辺の面積変化率の平均値+20%より大きい→面積変化が小さい(一つ前のフレーム画像からの変化(縮小率)が小さい)
b)吸気時
・面積変化率が周辺の面積変化率の平均値−20%より小さい→面積変化が小さい(一つ前のフレーム画像からの変化(膨張率)が小さい)
・面積変化率が周辺の面積変化率の平均値+20%より大きい→面積変化が大きい(一つ前のフレーム画像からの変化(膨張率)が大きい)
異常と判定された小領域A2があるフレーム画像のヘッダ領域には、異常の種別を示す情報(例えば、「喚気:周辺」であることを示すコード等)、異常と判定された小領域A2の位置情報(例えば、小領域A2の4つの頂点の座標等)、異常と判定された面積変化率の種類を識別するための情報(例えば、基準画像P1に対する面積変化率又は一つ前のフレーム画像に対する面積変化率の何れが異常かを識別するためのコード等)、異常と判定した理由(面積変化(面積の増減量)が周辺に比べて大きすぎるか又は小さすぎるかの区別を示すコード等)が対応付けて書き込まれる。
【0067】
上述の判定を行うことにより、周辺領域と異なる挙動をする小領域A2を異常個所として検出することができる。
〔左右肺野〕
各フレーム画像の左右それぞれの肺野領域において、垂直位置(垂直方向における位置)が略同一の小領域A2の面積変化率(基準画像P1に対する面積変化率、一つ前のフレーム画像に対する面積変化率のそれぞれ)を平均化して平均値を算出し、垂直位置が略同じ左右の肺野領域の平均値を比較する。そして、一方の平均値が他方の平均値に対して予め定められた範囲(例えば、対となる肺野の平均値±20%)を超えている場合に、この左右の肺野領域に含まれる全小領域A2を異常と判定する。例えば、図8(a)に示す斜線で囲まれた領域B1に含まれる小領域A2の面積変化率の平均値と、領域B2に含まれる小領域A2の面積変化率の平均値を比較し、その結果、予め定められた範囲を超えている場合は、領域B1、B2に含まれる小領域A2全てを異常と判定する。小領域A2のサイズが所定サイズより小さい場合、図8(b)に示すように、面積変化率の平均値を求める領域を複数行としてもよい。
【0068】
異常と判定された左右の肺野領域については、面積変化(面積の増減量)が対となる肺野領域(左右の他方の肺野の垂直位置が略同一の領域)に比べて大きすぎるか又は小さすぎるかを判定する。例えば、本実施の形態のように、基準画像P1を肺野面積が最大の画像とした場合、以下の基準1)、2)によりこの判定を行うことができる。
1)基準画像P1に対する面積変化率に基づき異常と判定された場合
・面積変化率の平均値が対となる肺野領域の面積変化率の平均値−20%より小さい→面積変化が大きい(基準画像P1からの変化(縮小率)が大きい)
・面積変化率の平均値が対となる肺野領域の面積変化率の平均値+20%より大きい→面積変化が小さい(基準画像P1からの変化(縮小率)が小さい)
2)一つ前のフレーム画像に対する面積変化率に基づき異常と判定された場合
a)呼気時
・面積変化率の平均値が対となる肺野領域の面積変化率の平均値−20%より小さい→面積変化が大きい(一つ前のフレーム画像からの変化(縮小率)が大きい)
・面積変化率の平均値が対となる肺野領域の面積変化率の平均値+20%より大きい→面積変化が小さい(一つ前のフレーム画像からの変化(縮小率)が小さい)
b)吸気時
・面積変化率の平均値が対となる肺野領域の面積変化率の平均値−20%より小さい→面積変化が小さい(一つ前のフレーム画像からの変化(膨張率)が小さい)
・面積変化率の平均値が対となる肺野領域の面積変化率の平均値+20%より大きい→面積変化が大きい(一つ前のフレーム画像からの変化(膨張率)が大きい)
異常と判定された小領域A2があるフレーム画像のヘッダ領域には、異常の種別を示す情報(例えば、「喚気:左右肺野」であることを示すコード)、異常と判定された小領域A2の位置情報(例えば、小領域A2の4つの頂点の座標等)、異常と判定された面積変化率を識別するための情報(例えば、基準画像P1との面積変化率又は一つ前のフレーム画像との面積変化率の何れが異常かを識別するためのコード)、各小領域Aについて異常と判定した理由(対となる肺野領域(左右の他方の肺野の垂直位置が略同一の領域)に比べて面積変化が大きすぎるか又は小さすぎるかの区別を示すコード等))が対応付けて書き込まれる。
【0069】
上述の判定を行うことにより、右と左の挙動がアンバランスな領域を異常として検出することができる。
〔上下肺野〕
まず、各小領域A2毎に、呼吸運動1サイクル分のフレーム画像間における面積変化率最大値(最大の面積/最小の面積)を算出し、左右それぞれの肺野領域において、算出した各小領域A2の面積変化率最大値を水平方向に(行方向に)平均化して、垂直位置が略同じ複数の小領域A2の面積変化率最大値の平均値を算出する。そして、「面積の変化率は上肺野ほど小さい」という正常動作に反する箇所を異常と判定する(第1の例)。具体的には、各垂直位置より下に位置する垂直位置に、その垂直位置において算出された面積変化率最大値の平均値より小さいところがあった場合、その垂直位置に属する全小領域A2を異常と判定する。また、別の例として、各垂直位置の面積変化率最大値の平均値と、肺底からの垂直位置に応じた面積変化率最大値の正常値(標準値)を比較し、正常値に対して予め定められた範囲(例えば、正常値±20%)を超える場合に、その垂直位置の全ての小領域A2を異常と判定する。上述の正常値は、肺底からの垂直位置に関する関数となっている。この正常値の関数は、患者情報(年齢、身長、性別)、及び撮影状態(通常時/深呼吸時)に応じて予め決定される。
【0070】
また、「面積の変化は上肺野ほど、変化の開始タイミングが遅い(肺底に対して変化タイミングが遅れる)」という正常動作に反する箇所を異常と判定する(第2の例)。具体的には、各垂直位置より下に位置する垂直位置に、その垂直位置より面積変化開始タイミングが遅いところがあった場合、その垂直位置に属する全小領域A2を異常と判定する。面積変化開始タイミングとは、基準画像P1に対する面積変化率が所定値を超えるタイミングである。このタイミングは、基準画像P1から当該基準画像P1に対する面積変化率が所定値を超えるフレーム画像までの画像枚数によりカウントすることができる。また、別の例として、各垂直位置の面積変化開始タイミングと、肺底からの垂直位置に応じた面積変化開始タイミングの正常値(標準値)を比較し正常値に対して予め定められた範囲(例えば、正常値±20%)を超える場合に、その垂直位置の全ての小領域A2を異常と判定する。上述の正常値は、肺底からの垂直位置に関する関数となっている。この正常値の関数は、患者情報(年齢、身長、性別)、及び撮影状態(通常時/深呼吸時)に応じて決定される。正常値との比較判定の際は、正常値と呼吸周期が一致するように計測データ(基準画像P1からの面積変化率が所定以上となるタイミング)を正規化してから(基準画像P1からの面積変化率が所定以上となるタイミング/フレーム画像撮影時の呼吸周期×正常値の呼吸周期、を算出してから)比較してもよい。
【0071】
第1の例において異常と判定された小領域がある場合は、基準画像P1のヘッダ領域等に、異常の種別を示す情報(例えば、「喚気:上下肺野(面積変化率最大値)」を示すコード)、異常と判定された小領域A2の位置情報(例えば、小領域A2の4つの頂点の座標等)が書き込まれる。第2の例において異常と判定された小領域A2がある場合は、基準画像P1のヘッダ領域等に、異常の種別(例えば、「喚気:上下肺野(面積変化開始タイミング)」を示すコード)、異常と判定された小領域A2の位置情報(例えば、小領域A2の4つの頂点の座標等)が書き込まれる。
【0072】
上述の判定を行うことにより、立位撮影における正常性を検証し、異常を検出することができる。上述の第1の例では1患者のデータ内での上下の相対比較により、第2の例では正常値(標準値)との絶対値比較により異常を検出する。
【0073】
ステップS202における判定が終了すると、処理は図3のステップS13に移行し、血流判定処理が実行される。
【0074】
図9に、血流判定処理のフローを示す。当該処理は、制御部41と記憶部42に記憶されている血流判定処理プログラムとの協働により実現される。
【0075】
まず、各フレーム画像において、心臓領域が抽出され、心臓領域の形状変化から心周期が認識され、各フレーム画像と心周期との対応付けが行われる(ステップS301)。
【0076】
各フレーム画像における心臓領域の抽出は、例えば、以下の処理により行われる。
【0077】
まず、肺野領域が認識される。次いで、肺野領域の外接矩形領域から探索領域を限定する。次いで、探索領域の各画素の信号値から濃度ヒストグラムを作成し、判別分析法等によって閾値を求め、閾値より低信号の領域を心臓の候補領域として抽出する。次いで、候補領域内でエッジ検出を行い、所定の大きさ以上の微分値の極大値を追跡することで、心臓領域の輪郭線を抽出する。このとき、背景若しくは心臓内部のエッジを追跡しないように、近似的心臓領域の形状をもとに輪郭エッジ点の探索領域を限定する。そして、抽出された心臓領域の輪郭線画像に対して、心臓輪郭線テンプレートでテンプレートマッチングを行い、相関値が最大となる位置でのテンプレート領域を心臓領域として認識する。ここで、心臓輪郭線テンプレートは、心周期において心室が拡張期→収縮期に変わるタイミングのテンプレート、心室の収縮期のテンプレート、心室が収縮期→拡張期に変わるタイミングのテンプレート、心室の拡張期のテンプレート等、心周期における心室がとり得る各状態のテンプレートを予め用意しておき、心周期における心室の各状態のテンプレートとの相関値が最大となるフレーム画像を、その状態を示すフレーム画像として認識する。なお、撮影時に心電計を患者に取り付けておき、放射線照射と同時に心電波形のデータ収集を行い、得られた心電波形に基づいて、撮影用コンソール2において各フレーム画像が心周期におけるどの状態に相当する画像であるかを判定し、各フレーム画像のヘッダ領域に予め書き込んでおくようにしてもよい。
【0078】
ステップS301においては、各フレーム画像において心臓領域を抽出後、心周期における所定タイミングから次に同じタイミングとなるまでの一連の画像(ここでは、例えば、心室が拡張期から収縮期へ変わるタイミングから次に心室が拡張期から収縮期へ変わるタイミングまでの一連のフレーム画像とする)が一心周期単位として抽出される。そして、各フレーム画像のヘッダ領域に、心周期単位を識別する番号(ここでは、1から始まる連続番号)を書き込むとともに、少なくとも心周期において心室が拡張期→収縮期に変わるタイミングに相当するフレーム画像、及び、心周期において心室が収縮期→拡張期に変わるタイミングに相当するフレーム画像のテンプレートには、その旨を示す情報が書き込まれる。
【0079】
次いで、カウンタnに1が設定され(ステップ302)、撮影順が(n+1)番のフレーム画像のワーピング処理が実行される(ステップS303)。
【0080】
ワーピング処理は、例えば、以下のようにして行われる。
【0081】
まず、撮影順がn番のフレーム画像の各小領域A1の中心点(中心画素)と(n+1)番のフレーム画像の対応する各小領域A1の中心点のシフト値(Δx,Δy)がそれぞれ算出される。小領域A1は、領域分割処理のステップS103又はステップS105において求められた領域であり、各シフト値(Δx,Δy)は、n番のフレーム画像の各小領域A1の中心点を(x,y)、(n+1)番のフレーム画像の対応する各小領域A1の中心点を(x´,y´)とすると、(Δx=x´−x,Δy=y´−y)を算出することにより求められる。
【0082】
次いで、求められた各シフト値(Δx,Δy)を用いた2次元10次多項式による近似処理により(n+1)番のフレーム画像の各画素毎のシフト値(Δx,Δy)が算出される。そして、得られた各画素のシフト値(Δx,Δy)に基づいて、(n+1)番のフレーム画像に非線形歪変換処理(ワーピング処理)が施され、(n+1)番のフレーム画像の各画素がシフトされた新たなフレーム画像が、ワーピング処理前のフレーム画像とは別に作成される。各フレーム画像におけるワーピング処理前後の各画素の対応関係は、RAMに記憶される。これにより、ワーピング処理後の各画素がワーピング処理前のどの画素に対応しているか(どの小領域A2に含まれるか)を求めることが可能となる。ワーピング処理で得られた新たなフレーム画像は、n番のフレーム画像との対応する画素におけるマッチングが非常に良い画像となっている。ワーピング処理を行うことで、フレーム画像間の肺野内の形状を基準画像P1と一致させることができる。
【0083】
次いで、(n+1)>フレーム画像数であるか否かが判断され、(n+1)>フレーム画像数ではないと判断されると(ステップS304;NO)、カウンタnが1インクリメントされ(ステップS305)、処理はステップS303に戻る。(n+1)>フレーム画像数であると判断されると(ステップS304;YES)、処理はステップS306に移行する。
【0084】
ステップS306においては、一連のフレーム画像が心周期単位に(ステップS301で付与された同一の識別番号毎に)グループ化される。次いで、カウンタnに1が設定され(ステップS307)、番号nのグループにおけるワーピング処理により作成された各フレーム画像の対応する画素値同士が加算され、更に番号nに属するフレーム画像数で除算されることにより平均化画像が作成される(ステップS308)。次いで、作成された平均化画像において血管領域の抽出が行われる(ステップS309)。
【0085】
ステップS308の平均化画像における血管領域の抽出は、例えば、ヘッセ行列の各画素から計算された最大固有値を用いて線状構造物を抽出する方法(「医用画像における円形・線状パターン検出のためのフィルタバンク構築」電子情報通信学会論文誌D-II Vol.J87-D-II No.1pp175-185)を適用することができる。また、ヘッセ行列の各要素を生成する帯域分割フィルタバンクを構築することにより、各解像度レベルでの線状構造物の抽出が可能となり、大きさの異なる血管領域を抽出することができる。この方法では、血管影と同時に肋骨も抽出されるが、上述のように、肋骨の形状モデルを用いることで肋骨を認識し、抽出結果の中から削除する。更に、抹消血管の抽出に対しては、例えば血管構造のモデルとして血管影の形状を考慮した伸長や併合、分割といった変形が可能な樹状図形モデルを用い、評価関数が最大化する樹状構造を抽出する方法(「Deformable Modelを用いた胸部X線像からの血管影の自動抽出手順」MEDICAL IMAGENG TECHNOLOGY Vol.17 No.5September 1999)を用いることで、抹消血管の領域を抽出することができる。
【0086】
次いで、抽出された血管領域上の各画素の濃度変化量が算出されて解析され、各小領域A2の血流の状態が異常であるか否かが判定される(ステップS310)。
【0087】
例えば、一心周期分のワーピング処理されたフレーム画像から所定期間(心室が拡張期→収縮期に変わるタイミングから収縮期→拡張期に変わるタイミングまで)のフレーム画像を抽出し、その中から定めた基準画像P2(ここでは、心室が拡張期→収縮期に変わるタイミングのフレーム画像とする)と各フレーム画像との対応する画素同士の信号値(濃度値)の差分をとって差分画像を算出することで、各画素の濃度変化量を算出する。そして、ステップS309で抽出された各血管領域上の各画素において、所定期間での濃度変化量の積分値を、撮影条件(例えば、管電圧)/血管径に応じて予め定められた基準値と比較し、予め定められた基準値±αの範囲を超えている場合は、その画素を含む小領域A2の血流の状態を異常と判定する。なお、各画像における血管径は、抽出した血管領域の幅の端から端までの間の画素数に基づいて求めることができる。基準値は、患者情報(患者の身長、体重、年齢、性別)に応じて変更してもよい。
【0088】
また、各血管領域上の各画素における濃度変化タイミング(その心周期における基準画像P2からの濃度変化量が撮影条件/血管径に応じて予め定められた所定値以上となるタイミング)と、心臓からの距離/血管径に応じた濃度変化タイミングの正常値(標準値)を比較し、正常値に対して予め定められた範囲(例えば、正常値±20%)を超える場合に、その画素を含む小領域A2の血流を異常と判定する。この正常値は、心臓からの距離に関する関数となっている。この正常値は、患者情報(年齢、身長、性別)及び撮影情報(通常時/深呼吸時)によって決定される。正常値との比較判定の際は、正常値と心周期が一致するように計測データ(基準画像P2からの濃度変化量が所定以上となるタイミング)を正規化してから(基準画像P2からの濃度変化量が所定以上となるタイミング/フレーム画像撮影時の心周期×正常値の心周期、を算出してから)比較してもよい。
【0089】
異常と判定された小領域A2がある場合は、各心周期単位における基準画像P2のヘッダ領域等に、異常の種別を示す情報(例えば、「血流:濃度変化量」を示すコード又は「血流:濃度変化タイミング」を示すコード)、異常と判定された小領域A2の位置情報(例えば、小領域A2の4つの頂点の座標等)が対応付けて書き込まれる。
【0090】
なお、ここでは、平均化画像を作成して血管領域を抽出し、血管領域上の各画素の濃度変化から各小領域A2の血流状態の異常を判定したが、血管領域を抽出せず、単に心周期単位の小領域A2で平均信号値を算出し、その平均信号値の変動を血流の指標として用いることも可能である。例えば、周囲の小領域との信号値変化量の差や信号値変化のタイミングのズレに基づいて血流状態の正常/異常を判定する。
【0091】
また、濃度変化だけでなく、血管径を計測/解析することで、血流状態の正常/異常を判定することも可能である。例えば、ガウス・へシアン行列を用いて所定領域内の最大血管直径を算出し、求めた値を肺野の垂直方向で比較する手法(「胸部X線画像からの上下肺野における最大血管径比による僧帽弁狭窄症の診断支援」MEDICAL IMAGENG TECHNOLOGYVol.19 No.5 September 1999)を用いることにより、血流の正常/異常を判定することができる。また、濃度変化による解析と、血管径による解析を組み合わせて血流の正常/異常を判定することもできる。
【0092】
番号nのグループにおける解析及び判定が終了すると、n>(心周期単位の数)であるか否かが判断され、n>(心周期単位の数)ではないと判断されると(ステップS311;NO)、カウンタnが1インクリメントされ(ステップS312)、処理はステップS307に戻る。n>(心周期単位の数)であると判断されると(ステップS311;YES)、心周期単位の結果が統合される(ステップS313)。例えば、少なくとも一つの心周期単位で異常と判定された小領域A2を異常であると判定し、統合判定結果を、例えば基準画像P2(撮影順が1のフレーム画像)に書き込む。そして、本処理は終了し、図3のステップS14に移行する。
【0093】
図3のステップS14においては、異常判定処理が実行される。具体的には、一連のフレーム画像における各小領域A2毎に、上述の喚気判定処理による判定結果及び血流判定処理による判定結果が照合され、喚気判定処理による判定結果及び血流判定処理による判定結果の組み合わせに基づいて、最終的に各小領域A2が異常であるか否かが判定される。例えば、喚気判定処理で「異常なし」と判定され、血流判定処理で「血流の濃度変化が閾値より小さく異常である」と判定された小領域A2は、慢性肺気種の疑いがある異常領域であると判定される。また、喚気判定処理で、「周辺より面積変化が小さい」又は「対となる肺野領域に比べて面積変化が小さい」と判定され、血流判定処理で「異常なし」と判定された小領域A2は、慢性気管支炎の疑いがある異常領域であると判断される。
【0094】
最終判定結果、具体的には、喚気判定処理の判定結果及び血流判定処理の判定結果の組み合わせにより最終的に異常と判定された小領域A2の位置情報(例えば、小領域A2の4つの頂点の座標)、病名等は、各フレーム画像のヘッダ情報に書き込まれる。
【0095】
異常判定処理が終了すると、入力された一連の画像データ(フレーム画像)が通信部43を介して画像サーバ5に送信され(ステップS15)、本処理は終了する。
【0096】
画像サーバ5においては、演算装置4から動態画像の一連の画像データが受信されると、受信した一連の画像データを記憶装置に記憶する。
(診断用コンソール3の動作)
次に、診断用コンソール3における動作について説明する。
【0097】
診断用コンソール3においては、操作部33により表示対象の動態画像の識別IDが入力され、画像表示が指示された際に、制御部31と記憶部32に記憶されている表示制御処理プログラムとの協働により図10に示す表示制御処理が実行される。
【0098】
まず、通信部35を介して、画像サーバ5に入力された識別IDを有する動態画像の一連の画像データ(フレーム画像)の取得要求が送信され、画像サーバ5から表示対象の動態画像の一連の画像データ(フレーム画像)が取得される(ステップS21)。
【0099】
次いで、各フレーム画像のヘッダ領域に付帯されている喚気判定結果、血流判定結果、最終判定結果が取得され(ステップS22)、取得された喚気判定結果、血流判定結果、及び最終判定結果に基づいて、表示部34に判定結果表示画面が表示され(ステップS23)、本処理は終了する。
【0100】
図11(a)に、ステップS23において表示部34に表示される判定結果表示画面341の一例を示す。図11(a)に示すように、判定結果表示画面341は、喚気判定結果を表示する喚起判定結果表示領域341a、血流判定結果を表示する血流判定結果表示領域341b、最終判定結果を表示する最終判定結果表示領域341cを有しており、喚気判定結果、血流判定結果、最終判定結果を1画面上に表示している。
【0101】
ステップS23においては、まず、各フレーム画像から取得した喚気判定結果、血流判定結果、最終判定結果に基づいて、喚気判定処理により異常と判定された小領域A2、血流判定処理により異常と判定された小領域A2、異常判定処理により最終的に異常と判定された小領域A2がそれぞれ抽出される。ここでは、一連のフレーム画像のうち何れかのフレーム画像で異常と判定された小領域A2が抽出される。次いで、喚起判定結果表示領域341a、血流判定結果表示領域341b、最終判定結果表示領域341cのそれぞれに、小領域A2が描画された基準画像P1が表示されるとともに、喚起判定結果表示領域341aに表示された基準画像P1上に喚気判定処理において異常と判定された小領域A2を示すアノテーションが重畳表示され、血流判定結果表示領域341bに表示された基準画像P1上に血流判定処理において異常と判定された小領域A2を示すアノテーションが重畳表示され、最終判定結果表示領域341cに表示された基準画像P1上に異常判定処理において異常と判定された小領域A2を示すアノテーションが重畳表示される。アノテーションの表示方法としては、例えば、図11(a)に示すW1、W2のように、異常と判定された小領域A2が太枠で囲って表示される。また、色を変えて表示するようにしてもよい。更に、異常と判定された小領域A2において、その小領域A2が異常と判定されたフレーム画像の数によって、太枠や表示の色を変えて、異常の度合いを医師が確認できるようにしてもよい。
【0102】
なお、判定結果表示画面341は、図11(a)に示す画面に限定されない。例えば、演算装置4から一連のフレーム画像を診断用コンソール3に送信する際に、併せて平均化画像及び平均化画像における血管抽出結果を送信するようにしておき、血流判定結果領域341bには、図11(b)に示すように、抽出した血管を強調した平均化画像上において、異常と判定された小領域A2にアノテーションを表示するようにしてもよい。
【0103】
また、判定結果表示画面341の他の例として、喚起判定結果表示領域341a、血流判定結果表示領域341b、最終判定結果表示領域341cのそれぞれに、動態画像の一連のフレーム画像を撮影順に順次切り替えて表示することにより、動態画像を動画表示し、各フレーム画像の表示時に、当該フレーム画像において異常と判定された小領域A2にアノテーションを表示することで、異常となったタイミングを医師に通知するようにしてもよい。
【0104】
また、判定結果表示画面341においては、最終判定結果の根拠を示すため、喚気判定結果、血流判定結果を併せて表示することとしているが、少なくとも最終判定結果が表示されていればよい。異常判定結果においては、疑わしいと判定された病名を表示することが好ましい。
【0105】
また、判定結果表示画面341の他の例として、例えば、1つの基準画像P1上に、喚気と血流のどちらも正常、喚気のみ異常、血流のみ異常、喚気と血流のどちらも異常、の箇所をそれぞれ色を変えて表示するようにしてもよい。
【0106】
以上説明したように、本発明に係る動態画像診断支援システム100によれば、演算装置4において、撮影装置1で撮影された胸部動態画像の複数のフレーム画像のそれぞれを複数の小領域に分割し、複数のフレーム画像間において対応する小領域毎に画像解析を行い、各小領域の喚気の状態が異常であるか否かを判定する喚気判定処理、各小領域の血流の状態が異常であるか否かを判定する血流判定処理、及び、喚気判定処理による判定結果及び血流判定処理による判定結果に基づいて各小領域が異常であるか否かを判定する異常判定処理を実行する。そして、診断用コンソール3において、少なくとも異常判定処理における判定結果を表示する。
【0107】
従って、喚気の状態だけでなく、呼吸に伴う血流の状態を加味した診断支援情報を提供することが可能となる。
【0108】
また、血流の判定を行う際には、複数のフレーム画像にワーピング処理を施して複数のフレーム画像間の肺野領域の形状を一致させてから血管領域を抽出するので、肺野の形状を各フレーム間であわせるために撮影時に患者が息をとめる必要がない。
【0109】
また、判定結果表示画面においては、異常判定処理において異常と判定された基準画像P1上の小領域にアノテーションが表示されるので、医師が異常と判定された箇所を容易に認識することが可能となる。
【0110】
また、判定結果表示画面の表示方法として、動画表示した各フレーム画像において異常判定処理で異常と判定された小領域にアノテーションを表示することにより、異常と判定されたタイミングを医師が容易に認識することが可能となる。
【0111】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な動態画像診断支援システムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0112】
例えば、判定結果表示画面において、動画表示に異常個所のアノテーションを表示する場合、血流判定結果については、心周期単位で判定された異常個所を表示するようにしてもよい。
【0113】
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0114】
その他、動態画像診断支援システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0115】
100 動態画像診断支援システム
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
15 サイクル検出センサ
16 サイクル検出装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 診断用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス
4 演算装置
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 バス
5 画像サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の胸部を動態撮影して、前記胸部の動態を示す複数のフレーム画像を取得する撮影手段と、
前記取得された複数のフレーム画像から、喚気の状態が異常であるか否かを示す喚気情報、及び血流の状態が異常であるか否かを示す血流情報の両方を生成する診断支援情報生成手段と、
を備える動態画像診断支援システム。
【請求項2】
前記喚気情報及び前記血流情報に基づいて、前記胸部の動態が異常であるか否かを判定する判定手段を備える請求項1に記載の動態画像診断支援システム。
【請求項3】
撮影手段及び診断支援情報生成手段を備える動態画像診断支援システムにおける胸部診断支援情報生成方法であって、
前記撮影手段により、人体の胸部を動態撮影して、前記胸部の動態を示す複数のフレーム画像を取得する工程と、
前記診断支援情報生成手段により、前記取得された複数のフレーム画像から、喚気の状態が異常であるか否かを示す喚気情報、及び血流の状態が異常であるか否かを示す血流情報の両方を生成する工程と、
を含む胸部診断支援情報生成方法。
【請求項4】
前記動態画像診断支援システムは、判定手段を備え、
前記判定手段により、前記喚気情報及び前記血流情報に基づいて、前記胸部の動態が異常であるか否かを判定する工程を含む請求項3に記載の胸部診断支援情報生成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−39427(P2013−39427A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−249895(P2012−249895)
【出願日】平成24年11月14日(2012.11.14)
【分割の表示】特願2009−549997(P2009−549997)の分割
【原出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】