説明

動植物性残物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等製造装置及び製造方法

【課題】動植物性残渣物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等を製造する装置及び方法。
【解決手段】動植物性残渣物の発酵過程で生じる発酵熱を利用し、発酵槽内で該残渣物を移動、攪拌しながら該残渣物を浮遊させて下方から空気を供給し、該残渣物を該発酵槽の下部から上部に繰り返し気流搬送することにより、前記残渣物が乾いた空気に満遍なく接する機会と面積を増やし、乾燥までの時間短縮を飛躍的に向上させ、発酵のためのエネルギーの低減を可能とし、循環用ダクトにおいて循環用排出口下部内壁及び曲折部内壁に前記被乾燥物を空気とともに吹き上げる気流の外側に誘引気流を生じるように空気噴射ノズルを設けることにより、前記被乾燥物の該ダクト内の付着、損傷を防ぎ、スムーズに循環させることを実現し、発酵による付加価値のある、均一で良質な動植物性残渣物発酵飼料・乾燥発酵肥料等の製品を製造することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動植物性残差物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弊社出願による特許第4221617号で動植物性残渣物に発酵菌を添加し生じる発酵熱を利用して装置内を空気とともに繰り返し循環させる動植物性残渣物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等製造装置が開示されているが、その装置及び製造方法を発展させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4221617号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許第4221617号で開示されている装置では、動植物性残渣物の投入、排出場所が限定されており、機械の設置場所等が限定されてしまう。
【0005】
前記開示されている装置では、堆積、貯留場所において前記残渣物を静置しているため、乾燥発酵した製品となるまで時間を要する。
【0006】
湿潤な残渣物は循環する際に装置内において付着することがあり、スムーズな循環が維持できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発酵槽、サイクロン、循環用のスクリューコンベアを具えたホッパーを分離することにより、動植物性残渣物の多種の投入手段を確保し、製品となった乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等の排出を容易にし、規模の拡大を可能とする。
【0008】
発酵過程にある動植物性残渣物を堆積、貯留している発酵槽内で移動、攪拌しながら浮遊させ下方から空気を供給することにより、発酵、乾燥を促進し製品となるまでのより一層の時間短縮を可能する。
【0009】
前記残渣物を発酵槽の下部から上部に繰り返し気流搬送する際に、循環用排出口の下部内壁及び曲折部内壁に前記残渣物を空気とともに吹き上げる気流の外側に誘引気流を生じるように空気噴射ノズルを設けることにより被乾燥物の付着、損傷を低減しながらスムーズに循環させることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
前記動植物性残渣物の発酵過程で生じる発酵熱を利用し、発酵槽内で該残渣物を移動、攪拌しながら該残渣物を浮遊させて下方から空気を供給し、該残渣物を該発酵槽の下部から上部に繰り返し気流搬送することにより、該残渣物が乾いた空気に満遍なく接する機会と面積を増やし、乾燥までの時間短縮を飛躍的に向上させ、発酵のために用いるエネルギー使用の低減を可能とし、循環用ダクトにおいて循環用排出口下部内壁及び曲折部内壁に該残渣物を空気とともに吹き上げる気流の外側にさらに誘引気流を生じるように空気噴射ノズルを設けることにより、該残渣物をスムーズに循環させることを実現し、発酵による付加価値のある、同時にエネルギーを十分に留めた、均一で良質な動植物性残渣物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等の製品を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例の動植物性残渣物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等製造装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上方に、導入口5c、排出口5aと排気口5bを備えたサイクロン5を設け、下部に排出口1gを具えた容体なる発酵槽1と、該排出口1gの下方に、下部に循環用排出口2b、製品排出口2cとモーター2aを備えたスクリューコンベア2bを具備したホッパー2と、該循環用排出口2bと連なりブロワ3から該サイクロン5の導入口5cに連なる循環用ダクト6とによって構成される動植物性残渣物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等製造装置において、
該発酵槽1を円筒形の容体とし、回転軸1cを設け、該回転軸1cの該槽近傍に攪拌を助長し、空気の供給口となる孔1fを備えた空気噴射管1aを設け、該噴射管1aの該孔1fの上方から該孔1fを覆うようにプレート1bを斜設し、該噴射管1aには、該孔1fまで回転軸の内部を経て連通するブロワ1eを設け、
前記循環用ダクト6において、前記循環用排出口2dの下方の該循環用ダクト6下部内壁及び曲折部内壁に気流の外側に誘引気流を生じるようにブロワ3を備えた空気噴射ノズル4を設けた製造装置。
【0013】
動植物性残渣物の投入場所を発酵槽1、ホッパー2、サイクロン5又は循環用ダクト6に任意に設け、発酵過程にある動植物性残渣物を原料として投入し、該発酵槽においてプレート1bを斜設した空気噴射管1aによって浮遊させながら該空気噴射管に備えられた孔1fから原料の下方から空気を供給、移動し、該発酵槽1の下部からホッパー2、循環用ダクト6とサイクロン5を経由して該発酵槽1の上部に気流とともに吹上げ移動し、装置内を繰り返し循環させることにより、空気と接触する機会と面積を増やして発酵と乾燥を促進し、動植物性残渣物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等を製造する。
【符号の説明】
【0014】
1 発酵槽
1a 空気噴射管
1b プレート
1c 回転軸
1d モーター
1e ブロワ
1f 孔
1g 排出口
2 ホッパー
2a モーター
2b スクリューコンベア
2c 製品排出口
2d 循環用排出口
3 ブロワ
4 空気噴射ノズル
5 サイクロン
5a 排出口
5b 排気口
5c 導入口、
6 循環用ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に、導入口、排出口と排気口を備えたサイクロンを設け、排出口を具えた容体なる発酵槽、
該発酵槽の排出口の下方に、下部に循環用排出口、製品排出口を備えたスクリューコンベアを具備したホッパー
該循環用排出口と連なりブロワから該サイクロンの導入口に連なる循環用ダクト
によって構成される動植物性残渣物乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等製造装置。
【請求項2】
前記発酵槽において、円筒形の容体とし、回転軸を設け、該回転軸の該槽近傍に孔を備えた噴射管を設け、該噴射管の該孔の上方から該孔を覆うようにプレートを斜設し、該噴射管には、該孔まで連通し圧力空気を供給する手段を設けた請求項1記載の製造装置。
【請求項3】
前記循環用ダクトにおいて、前記循環用排出口の下方の該循環用ダクト下部内壁及び曲折部内壁に気流の外側に誘引気流を生じるように圧縮空気の供給手段を備えた空気噴射ノズルを設けた請求項1、2又は3記載の製造装置。
【請求項4】
発酵過程にある動植物性残差物を空気とともに吹上、飛散させることにより空気に接触する機会と面積を増やすことを特徴とする動植物性残渣物発酵乾燥発酵飼料・乾燥発酵肥料等製造方法。
【請求項5】
堆積した動植物性残渣物の発酵を促す貯留場所において、該動植物性残渣物を移動しながら、該動植物性残渣物を浮かせ、浮かせた該動植物性残渣物に空気を供給し、空気に接触する機会と面積を増やし、発酵及び乾燥を促進し、製品となるまでの時間を短縮することを特徴とする請求項5記載の製造方法。
【請求項6】
発酵過程にある動植物性残渣物を循環させる際、循環用気流の外側に気流を設けることにより、装置内に湿潤な残渣物の付着、損傷を防ぐことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−40553(P2012−40553A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170517(P2011−170517)
【出願日】平成23年7月17日(2011.7.17)
【出願人】(507206000)北海道特殊飼料株式会社 (8)
【Fターム(参考)】