説明

動物におけるワクチン接種のための力価の増大

本開示は、ワクチンの有効性を増強するために該ワクチンと組み合わせて使用される、動物飼料に加えられた組成物に関する。効果の中でも特に、該組成物は該ワクチンに対する抗体の力価を上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワクチンに対する抗体の力価を増大させる組成物及びワクチンの組み合わせ、及び該組み合わせを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫応答は二つの異なるシステム:生得的システム及び後天的(抗体仲介)システムを含む。生得的システムは、感染を防止するために多様な戦略を使用する、進化的に古くからのシステムである。これらには、皮膚、消化管及び肺及び乳腺の内張りにより提供される上皮細胞障壁が含まれる。加えて、生得的システムには、胃(又は反芻動物における第4胃)の酸性障壁、及び胃、膵臓及び小腸の消化酵素が含まれる。最後に、生得的システムには白血球、マクロファージ及び好中球が含まれる。これらの細胞は最初に、病原体表面上の独特のマーカーの提示を介して病原体を認識し、次ぎに貪食しそして病原体を殺す。
【0003】
生得的システムは初期免疫応答を提供し、特異的病原体と戦うために必要な抗体が応答する及び発生する後天的抗体システムに必要とされる時間を提供する。通常、抗体応答を発生するため、ヒト又は動物で1週間から数週間が必要とされる。この介在時間において、生物体は生得的システムに依存して感染を阻止している。
【0004】
後天的免疫システムは、特異的病原体、毒素、化学物質又は生物体が抗原と認識するいずれかの分子に応答して抗体を発生することができる(即ち、免疫システムは抗原を非自己として認識する)。病原体がヒト又は動物に感染した場合、病原体に付随する特異的細胞マーカーが抗体産生細胞に提示される。後天的免疫システムは次ぎに、「クローナル増殖」と称されるプロセスを起こす。具体的には、このことは、病原体に付随する特異的抗原に向けられた抗体を産生する細胞の大量産生を可能にする。
【0005】
抗体はT細胞及びB細胞によって合成される。T細胞は胸腺中で成熟し、それらの細胞外表面に結合された抗体を提示する。T細胞は次ぎに、血液中を及びリンパ管組織を介して自由に循環する。結合された抗体を介した病原体へのT細胞の結合は、病原体の同定及び引き続いての破壊を生じる。対照的に、B細胞により産生された抗体は血中に分泌され、そこで自由に循環する。B細胞産生抗体が病原体に結合した場合、病原体の同定及び死滅を生じる諸現象のカスケードを開始する。免疫化に応答して産生される抗体は、抗体アイソタイプに分類される。三つの最も重要な抗体アイソタイプには、IgM、IgG1及びIgG2が含まれる。他のアイソタイプには、限定されるわけではないが、IgA、IgD、IgG3、IgG4及びIgEアイソタイプ、及び家禽においてはIgYアイソタイプが含まれる。
【0006】
適応IgM応答は、抗原に応答してT及びB細胞により産生される最初の抗体である;しかしながら、それは、限定された抗原に対する親和性及び特異的を有する比較的「弱い」抗体である。より「強力な」抗体応答は、IgG1及びIgG2アイソタイプ内に含まれている;しかしながら、IgG1及びIgG2アイソタイプの発生は、より長い時間を必要とする。妊娠個体におけるIgGアイソタイプ応答は、これらが出産時に初乳を介して母親から出生児に伝達され、それにより新生児に受動免疫を伝達する抗体のアイソタイプであるので特に重要である。
【0007】
疾患に対するワクチン接種(免疫化とも称される)は、ヒト医療及び家畜産業で普通に実施されている。例えば、病原体に対してワクチン接種するには、動物に、病原体の非感染性バージョンの形態でワクチンを投与するか、又は病原体の一部のみを投与する。後天的免疫システムは、抗体を産生することによりワクチンに応答する。もし、動物が続いて生きている病原体に暴露されるならば、ワクチンに応答して作製された抗体が迅速に動員され、次ぎに認識し、及び病原体を破壊のための標的とする。
【0008】
家畜産業は、真菌、ウイルス及び細菌感染症に起因する罹患率及び死亡率を最小化するため、家畜特異的疾患に対する免疫化プロトコールに頼っている。例えば、酪農業においては、大腸菌(E.coli)が乳腺感染(即ち、乳腺炎)の最も一般的な形態の一つであり、生産の減少、及び重症の場合にはウシの損失を起こすので、大腸菌に対して動物を免疫化するのが一般的である。
【0009】
いくつかの問題が現在のワクチン接種プロトコールから生じている。例えば、ワクチン接種プロトコールの効力は個体によって異なる。具体的には、一部の個体は特定の免疫化プロトコールに応答して高い力価(抗体の高い血清濃度)を発生する一方で、他の個体は発生しないであろう。抗体の力価及び免疫システムの応答間には直接相関があり、一部の個体はワクチン接種されていても、病原体による感染に対する感受性が残っている。結果的に、動物集団において疾患の発生を減少させるワクチンの有効性を改良する必要が残っている。
【発明の開示】
【0010】
発明の要旨
本開示は、ワクチンの有効性を増強するための組み合わせ、及び該組み合わせを使用するための方法に関する。本開示の組み合わせは、以下の構成物を有する組成物を使用する:β−1,3(4)− エンドグルカノハイドロラーゼ、β−1,3(4)グルカン、珪藻土、粘土鉱物及びグルコマンナン。この組成物は、ワクチン接種プロトコールを受けようとしている、又はワクチン接種プロトコールを受けている動物に給餌する。
【0011】
本組み合わせは、ワクチンに対する抗体の血清濃度(力価)を増加させることによりワクチンの有効性を増加させる。抗体の増加した血清濃度は、組成物を動物の食餌から取り除いた後でさえも残っている。
【0012】
要求に応じ、本組成物の詳細な態様が本明細書に開示されている;しかしながら、開示された態様は単に本発明の例示であり、それは多様な形態で具体化することができる。それ故、本明細書に開示された具体的な詳細は、制限しているものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求のための根拠として、及び本組成物を実際上いずれかの適切な様式で多様に用いるために当業者に教示するための代表的根拠として解釈されるべきである。
【0013】
本開示は、動物における免疫機能を増加させる組み合わせ、及び該組み合わせを使用するための方法に取り組む。一般的に、本開示の組み合わせは以下の構成物を有する組成物を使用する:β−1,3(4)−エンドグルカノハイドロラーゼ、β−1,3(4)グルカン、珪藻土、粘土鉱物及びグルコマンナン。該組成物は、動物による該組成物の摂取がワクチンの有効性を増強するように、ワクチンと組み合わせて使用される。本明細書で定義する「ワクチンが免疫システムを刺激する」とは、動物に投与された時の抗体の産生を含む。ワクチンの増強された有効性の一つの指標は、動物の血清中の、ワクチン抗原に対する抗体の増加した力価である。
【0014】
該組み合わせは、ヒトを含む哺乳動物及びトリのような多くの種の個体又は動物のための飼料中で効果的に使用し得る。好ましい態様において、該組み合わせは家畜哺乳動物に使用される。該組み合わせは、反芻動物及び非反芻動物で同様に良好に使用し得る。反芻動物の例には、限定されるわけではないが、ウシ(cattle)、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ(cow)、シカ、バイソン及びバッファローが含まれる。非反芻動物はブタ(pig)、ウマ、雌ブタ(sow)及びその他が含まれる。特に好ましい態様において、該組成物はヒツジ及びウシ(bovine)家畜のために使用される。
【0015】
一つの態様において、該組成物は、動物がワクチン接種プロトコールを受けている期間に該動物に与える。典型的なワクチン接種プロトコールは、免疫システムの刺激及び抗体の産生を最大にするため、決められた期間にわたって少なくとも一回及び通常は数回の用量の投与を必要とする。好ましい態様において、該組成物は、ワクチン接種プロトコールの開始前から始め、そしてワクチン接種プロトコールの開始後継続して動物に毎日与える。代わりの態様において、該組成物は、ワクチン接種プロトコールの開始後又はプロトコールの開始と同時に、動物に与えることができる。
【0016】
該組み合わせのワクチンは、病原体、毒素、薬物又は他の分子に対する応答を惹起することができる。該ワクチンは、抗原をコードするDNA分子が動物に投与され、抗原の合成及び引き続いての抗原に対する免疫応答が生じる、DNAワクチンであることができる。好ましい態様において、該組み合わせのワクチンは、疾患誘発病原体に対する抗体の産生を刺激する。特に好ましい態様において、該ワクチンは、乳腺炎の原因となる病原体に対する抗体の産生を刺激する。J5ワクチンは、こうした市販の乳腺炎ワクチンの一つである(Pfizer から入手可能)。
【0017】
ヒト及び動物が普通にワクチン接種を受ける、及び効力を増強するプロトコールの恩恵を受けることができる、病原体及び疾患の他の例には、限定されるわけではないが、ウシ感染性鼻気管炎(IBR)、パラインフルエンザ3型(PI3)、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、ウシ呼吸系発疹ウイルス(BRSV)、ロタウイルス、コロナウイルス、カンピロバクター菌種、パスツレラ菌種、結膜炎、サルモネラ菌種、クロストリジウム菌種、レプトスピラ症、ブルセラ症、ニューカッスル病、鶏痘、丹毒、家禽コレラ、マレック病ウイルス(MDV)、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、ニワトリ脳脊髄炎、コクシジウム症、鼻肺炎、ウマインフルエンザ、ストレプトコッカス・エクイ、ウマウイルス性動脈炎、ウマ単球性エールリヒア症、脳脊髄炎、西ナイル脳炎、狂犬病、パルボウイルス、アデノウイルス、ボルデテラ、ライム病、ジアルジア、百日咳、麻疹ウイルス、A及びB型肝炎、ジフテリア及び灰白脊髄炎が含まれる。
【0018】
該組み合わせ組成物の構成物は、当該技術分野で公知の方法により調製され、商業的供給源から得ることができる。β−1、3(4)−エンドグルカノハイドロラーゼは、トリコデルマ・ロンギブランキアタム(Trichoderma longibrachiatum)株の液内発酵から産生した。珪藻土は、市販の酸洗浄製品として入手可能であり、95%のシリカ(SiO)及びその残りの成分はアッセイされていないが、主としてAssociation of Analytical Chemists(AOAC、 2002) により定義された灰分(ミネラル)から成る。β−1、3(4)グルカン及びグルコマンナンは主として不活性化酵母(サッカロミセス・セレビシエ)に由来する酵母細胞壁抽出物の市販調製物のものであることができ、表1に示した化学組成を有する:
【0019】
【表1】

【0020】
この組成物に使用された粘土鉱物(アルミノケイ酸)は、限定されるわけではないが、モンモリロナイト粘土、ベントナイト及びゼオライトを含む多様な市販の粘土のいずれかであることができる。
【0021】
該組み合わせの好ましい態様において、β−1、3(4)−エンドグルカノハイドロラーゼ、珪藻土、グルカン及びグルコマンナン、及び粘土鉱物は、それぞれ約0.05〜3%、1〜40%、1〜20%及び40〜92%の範囲の重量比で混合した。別の好ましい態様において、β−1、3(4)−エンドグルカノハイドロラーゼ、珪藻土、グルカン及びグルコマンナン、及び粘土鉱物は、それぞれ0.1〜3%、5〜40%、2〜15%及び40〜80%で混合した。特に好ましい態様において、β−1、3(4)−エンドグルカノハイドロラーゼ、珪藻土、グルカン及びグルコマンナン、及び粘土鉱物は、それぞれ0.2〜3%、20〜40%、4〜10%及び50〜70%で混合した。
【0022】
一つの態様において、該組成物は、市販の飼料、食品内へ直接含有に、又は混合飼料又は食餌のためのサプリメントとして適している乾燥、自由流動性粉末である。該粉末は、固形又は液体飼料又は水と混合することができる。別の態様において、該組成物はペレットに成形される。
【0023】
一つの態様において、飼料の中に直接組み入れられた場合、該組成物は、トン(2000ポンド)当たりの飼料に、約0.1kg〜約20kgの範囲の量で加えることができる。好ましい態様において、該組成物は、トン当たりの飼料に、約0.5kg〜約10kgの量で動物飼料又は食品に加えられる。特に好ましい態様において、該組成物は、トン当たりの飼料に、約1kg〜約5kgの範囲の量を加えることができる。
【0024】
飼料の乾燥物質のパーセンテージとして表現される場合、本組成物は、約0.01〜約2.5重量%、好ましくは約0.0125%〜約2重量%の範囲の量で、動物飼料又は食品に加えることができる。好ましい態様において、該組成物は、約0、05〜約1.5重量%、好ましくは約0.0625%〜約1重量%の量で動物飼料又は食品に加えられる。特に好ましい態様において、本組成物は、飼料の約0.1〜約0.7重量%、好ましくは約0.125%〜約0.5重量%の量で加えられる。
【0025】
もしくは、本組み合わせの組成物は、1日当たり、生体重のキログラム当たり約0.01グラム〜約1グラム、好ましくは、生体重のキログラム当たり約0.012グラム〜約0.5グラム、より好ましくは、生体重のキログラム当たり約0.016グラム〜約0.37グラムの量で、サプリメントとして哺乳類又は鳥類に直接与えることができる。特に好ましい態様において、該組成物は、多くの種で使用するために、1日当たり、生体重のキログラム当たり約0.05グラム〜約0.20グラムの量で与えることができる。
【0026】
例として、該組成物は1頭当たり、1日当たり約2グラム〜1頭当たり、1日当たり約8グラムの範囲でヒツジに与えることができる。ウシ動物のためには、該組成物は1頭当たり、1日当たり約10グラム〜1頭当たり、1日当たり約60グラムの範囲で与えることができる。当業者は、与えられる該組成物の量が、動物種、動物のサイズ及び該組成物が加えられる飼料のタイプに依存して変化し得ることを理解できるであろう。
【0027】
該組成物の概念をある程度の具体性で例示するため、ここで実施例が提供される。
【実施例】
【0028】
実施例1
実験は、免疫抑制動物における生得的免疫システムのマーカー、好中球L−セレクチンの発現を増加させる組成物の能力を決定することを目的に、ヒツジで実施した。動物(群当たり6頭)を2つの群に分割した:対照及び実験。対照群には、アドリブで得ることができる刻み干し草、1頭当たり、1日当たり1ポンドの粉砕トウモロコシ及び1頭当たり、1日当たり1ポンドの焼き小麦ミルラン、から成る高エネルギー飼料を、28日間与えた。この間、それらは毎日2回の免疫抑制剤、デキサメタゾンの注射も受けた。実験群には、28日間、本組成物(1頭当たり、1日当たり5グラム)を毎日摂取させ、及び対照と同一の食餌及びデキサメタゾン注射プロトコールを与えた。実験群のこの組成物は、65.8重量%の粘土鉱物、0.20重量%のエンドグルカノハイドロラーゼ、9.0重量%のグルカン及びグルコマンナン及び25重量%のか焼珪藻土であった。実験終了時、血液サンプルを回収し、好中球をパーコール(Percoll)濃度勾配遠心分離を使用して精製した。好中球中に発現されたL−セレクチンの量は、ウェスタンブロッティング技術及びL−セレクチンについての特異的な抗体を使用して評価した。
【0029】
図1の上のパネルに示されたように、本組成物を受けていない動物は、低い及び一定していないL−セレクチンの発現を有していた。図1の下のパネルに示されたように、本組成物を受けた動物は、L−セレクチン発現の一致した増加を示した。上のパネルは6頭の対照免疫抑制動物を表している。下のパネルは、食餌中の本組成物を受け取った6頭の実験免疫抑制動物を表している。
【0030】
実施例2
この研究において、実施例1の実験組成物がペレット状食餌で提供された場合の、ヒツジにおける生得的免疫システムの刺激を試験した。基本食餌は、21.55%オオムギ、10、0%アブラナミール、5%蒸留粕(distillers grains )、40%粉砕トウモロコシ、1.50%石灰石、0.01%硫酸マンガン、0.01%マイクロビタミンE、4.0%モラセス、0.25% モノキャル(mono-cal )、0.25%塩化カリウム、0.60%塩化ナトリウム、0.03%亜セレン酸ナトリウム、15.79%小麦ミルラン、0.01%硫酸亜鉛、0.75%硫酸アンモニウム及び0.25%硫酸コバルトから成っていた。実験組成物をこの食餌に加える場合、小麦ミルランの一部を置き換え、0.6%で包含させた。28頭のヒツジは、対照群、粉末形態の実験組成物を受けた群、ペレット形態の実験組成物を受けた群(ペレットは160°Fの温度で形成された)、及びペレット形態の実験組成物を受けた群(ペレットは180°Fの温度で形成された)、から成る4つの処置に帰属させた。全ての動物はデキサメタゾンの連日注射を介して免疫抑制した。
【0031】
本研究は、実施例1と同一の方法を使用して実施した、但し、本組成物は、高温でペレットを形成させることにより製造したペレットで投与した。この研究を実施した根本的な理由は、本組成物の加熱(ペレット形成に必要とされるので)が生得的免疫を増加させる本組成物の能力を不活性化するかどうかを決定するためであった。図2に示されているように、本組成物を受けていないヒツジ(対照)は、好中球中のL−セレクチンを非常に低いレベルで発現した。ペレット化(加熱した)形態での実験組成物の提供でさえも、好中球L−セレクチンの発現を著しく増加させた。
【0032】
図2において、最も上のパネルは、本組成物を含有していない対照食餌を給餌した免疫抑制動物における好中球L−セレクチン発現を表している。第二のパネル(粉末)は、実施例1(実験群)のような非加熱自由混合性形態の実験組成物を受けた免疫抑制動物におけるL−セレクチン発現を表している。パネル3及び4は、ペレット化形態の実験組成物を受けた免疫抑制動物における好中球L−セレクチン発現を表している。パネル3に使用されたペレットは160°Fに加熱することにより形成され、及びパネル4ペレットは飼料製造間に180°Fに加熱された。
【0033】
実施例3
実験は、本組成物が非反芻動物モデルにおいて生得的免疫を増加させる能力を有しているかどうかを調べるため、ラットで実施した。この研究において、ラットは2つの処置の1つへ割り当てた:対照群(補充されていない食餌)及び実施例1の組成物を飼料乾燥重量の1%で食餌に添加した実験群。この実験において、実験組成物を含有する又は含有しない市販の粉砕ラット固形飼料をラットに給餌した。この研究においては、デキサメタゾン注射プロトコールを使用する免疫抑制は利用しなかった。14日後、血液サンプルは心穿刺を介して麻酔ラットから摂取した。好中球は、パーコールを使用する濃度勾配遠心分離により血液サンプルから単離し、全RNAはTriZol を使用して単離した。
【0034】
好中球RNAサンプル中の、ラットL−セレクチンをコードするメッセンジャーRNA(mRNA)の濃度を、ラットL−セレクチンのアッセイのため特別に開発されたプライマーを使用し、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(QRT−PCR)により決定した。L−セレクチンmRNAの量は、全細胞においてほぼ一定のレベルで発現されるβ-アクチンmRNAとの比率を示すことにより規格化した。図3に示されたように、及び実施例1及び2の結果と一致して、本組成物はL−セレクチンmRNAの発現を6倍より多く増加させた(P<0.05)。
【0035】
この研究は、実施例1及び2においてウェスタンブロッティングにより示されたL−セレクチンタンパク質の増加した発現は、このタンパク質をコードするmRNAの増加により起こされたことを示している。このことは、本組成物がL−セレクチンをコードする遺伝子の転写の速度を変化させることを意味する。
【0036】
実施例4
生得的免疫システムの細胞、好中球は、インターロイキン−1β(IL−1β)の分泌を介して、後天的免疫システムによる抗体産生のシグナルを発生し、及びそれにより上方制御することができる。好中球を誘導してIL−1βの合成を増加させる本組成物の能力を調べるため、実施例1に記載したものと同一のヒツジから採取した好中球のIL−1βの濃度を評価した。この研究を完結させるため、ウェスタンブロッティング及びIL−1βに対する特異的抗体を使用した。
【0037】
図4に示されたように、本組成物の毎日の供給を受けていない動物は、IL−1βを実質的に検出不能なレベルでしか含有していなかった;しかしながら、動物への本組成物の供給は、IL−1βの発現の顕著な増加を起こした(P<0.05)。図4において、上のパネルは、6頭の対照給餌免疫抑制動物を表している。下のパネルは、本組成物を受けた6頭の実験組成物給餌免疫抑制動物を表している。IL−1βの濃度は、ウェスタンブロット分析及びIL−1βに対する特異的抗体を使用して決定した。
【0038】
これらのデータは、本組成物は生得的免疫のマーカー(例えば、L−セレクチン;実施例1、2及び3)を増加させるだけでなく、適応免疫システムを上方制御する鍵となるシグナル分子(即ち、IL−1β)の発現も増加させる能力を有していることを示している。
【0039】
実施例5
この実験の目的は、分娩前後の乳牛に本組成物を給餌した後、どの遺伝子が好中球中で差次的に発現されるのかを決定することである。この本研究において、本組成物が好中球中でのIL−1βの発現を増加させる機構(一つ又は複数)を試験した。分娩前後の乳牛は、妊娠のストレスが免疫抑制を導き、雌ウシを感染に対して特に感受性にしているので、良いモデルである。
【0040】
この実験において、8頭の分娩前後の乳牛を、実験組成物を含んでいない対照食餌に割り当て、8頭の乳牛を、食餌中の実施例1の組成物を受ける(1頭当たり、1日当たり56グラム)実験群に割り当てた。動物には分娩までおよそ28日間、食餌を給餌した。分娩12〜15時間後、頚静脈穿刺を介して500mlの血液サンプルを採取し、好中球を大規模パーコール濃度勾配遠心分離により調製した。
【0041】
RNAはTriZol法を使用して好中球から単離し、次ぎに、逆転写酵素を使用してcDNAに逆転写した。逆転写の間、2つの異なった処置(対照及び実験)群から合成された相補DNA(cDNA)が異なった色を取り込むように、異なって色付けされたヌクレオチド塩基色素(Cy3及びCy5)を用いた。実験及び対照群からのcDNAサンプルをBoTL-5 マイクロアレイスライドに適用した。このマイクロアレイは、Center for Animal Functional Genomics at Michigan State University で調製されており、ガラススライド上に1500の遺伝子を含有する(それぞれ3重に配列されている)。実験及び対照群サンプルから発生されたcDNAがアレイ上の1500遺伝子と結合するのを完了させ、遺伝子の相対的発現は、アレイ上の各スポットのCy3及びCy5シグナルの相対的存在量を比較することにより評価した。データを次ぎに統計的に分析し、差次的に発現された遺伝子を同定した(P<0.05の遺伝子)。
【0042】
結果は、実験群から採取したウシ好中球において20を超える遺伝子が差次的に発現されたことを示した(P<0.05)。インターロイキン変換酵素(ICE)は、このような上方制御された遺伝子の1つである。このことは、QRT−PCR及びウシICE配列に特異的なプライマーを使用して確認された。ICEは、不活性プロIL−1βから活性分泌IL−1βへの変換における律速酵素である。それ故、本組成物は、好中球ICE活性の発現及び結果的にIL−1βの分泌を増加させるその能力を介して、適応免疫を上方制御すること(即ち、抗体力価を増加させること)ができる。
【0043】
実施例6
本組成物がワクチンの有効性を増強するという仮説を試験するため、ワクチン接種プロトコール後の力価の発生を試験した。18頭の肉牛(各群6頭のウシ)を3つの処置の1つに割り当てた:対照、処置1(1頭当たり、1日当たり食餌中に15グラムの組成物)及び処置2(1頭当たり、1日当たり30グラムの組成物)。動物の食餌は、14%粗タンパク質、3%粗脂肪及び20%粗繊維を提供するデイリーサプリメント(daily supplement)(表2)と、アドリブで与えられた牧草の干し草から成っていた。動物には試験を通して、1頭当たり、1日当たり12ポンドのこのサプリメントが与えられた。処置1及び2のウシにそれぞれ、1頭当たり、1日当たり食餌中に15グラム及び1頭当たり、1日当たり30グラムの予想摂取で送達されるように、実施例1の実験組成物がこのサプリメントに直接混合された。
【0044】
動物にこれらの食餌処置を56日間行い、その後本組成物は、処置1及び2の食餌から取り除かれた。すべての動物は、84日目まで本組成物を含まない同一の対照食餌で維持した。第7日、21日及び35日の全ての実験動物に、大腸菌J5ワクチン(Pfizer)を投与した。このワクチン接種プロトコール(即ち、14日離して3回注射)は製造元の推奨に従っていた。このワクチンは、大腸菌型乳腺炎の可能性を減少させる手段として酪農業において商業的に使用されている。このワクチン、及びほとんどの他のワクチンの限界は、力価が一定ではなく及び限定された応答であることである。
【0045】
0、14、28、42日目及び動物の食餌から本組成物が取り除かれる56日目に、頸静脈穿刺を使用して血液サンプルを採取した。すべての動物は、84日目まで本組成物を含んでいない共通の食餌にした。本組成物により誘導された力価のいずれかの変化が、食餌からのその離脱に続いて維持されていたかどうかを決定するため、82日目にも血液サンプルを採取した。血清を、遠心分離により全ての動物から調製した。大腸菌J5ワクチン接種に対する特異的抗体の濃度は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して、3つの異なった免疫グロブリン分画(IgM、IgG1及びIgG2)で評価した。IgM、IgG1及びIgG2免疫グロブリン分画における大腸菌J5力価をアッセイするため、大腸菌の培養物(Dr. Jeanne Burton, Center for Animal Functional Genomics, Department of Animal Sciences,- Michigan State University から入手)を増殖させ、収集し、そして96ウェルプレートを被覆するために使用した。続いて、動物からの血清サンプル(1:5000希釈)を、被覆プレートの個々のウェルに加え、1時間インキュベートさせ、動物血清中の抗体を大腸菌J5抗原に結合させた。ELISAプレートをTween-20 含有リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した。
【0046】
ウシIgM、IgG1か又はIgG2に特異的に結合する二次抗体(西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートヒツジ抗ウシ)(Beth Laboratories, Montgomery, TX)を洗浄したプレート添加した。二次抗体は西洋わさびペルオキシダーゼにコンジュゲートされている。二次抗体とさらに1時間インキュベーション後、プレートをPBS及びTween-20 で再び洗浄した。ペルオキシダーゼ基質TMB(テトラメチルベンジジン)をプレートに加え、生じた呈色反応を、ELISAプレートリーダーを使用し、450nmの吸光度を測定することにより定量した。
【0047】
表3に示したように、実験組成物はIgM抗体アイソタイプに関連する大腸菌J5力価の発生には何の効果もなかった(P>0.05の閾値で)。しかしながら、本組成物は、図5及び6及び表4及び5に示されているように、IgG1及びIgG2抗体アイソタイプのJ5力価を刺激し及び維持した。処置1及び処置2の両方を受けた動物において、第56日目にIgG1力価が増加した(P<0.05)(表4及び図5)。82日目までに、対照動物の力価は実験前(0日目)のレベルに後退した。しかしながら、処置1又は処置2で給餌した動物は、対照動物と比較して上昇したJ5力価を有していた(P<0.05)。実際、処置1又は処置2を受けた動物は、56日以後に食餌から本発明の組成物が除去されても、IgG1力価の喪失を示さなかった(表4及び図5)。
【0048】
表5及び図6に示されたように、IgG2分画に関しては、本組成物の1頭当たり、1日当たり15g(処置1)又は1頭当たり、1日当たり30g(処置2)の添加は、42日目にJ5 IgG2力価の段階的増加を起こしたが(即ち、対照と比較して、より高い投与量は57%及び低い投与量は30%力価を増加させた)、この効果はP<0.05で統計的に有意ではなかった(P値は0.16であった)。56日目以後、処置2(本組成物のより高い投与量)はJ5力価の有意な上昇を起こした(P<0.05)。処置1(本組成物の低い投与量)は、この時点でIgG2分画内のJ5力価の上昇を起こしたが、この効果はP<0.05の閾値で統計的に有意ではなかった(P値=0、12)。食餌から本組成物がすでに取り除かれた後の本研究の第82日目、本組成物のより高い投与量を給餌した動物は、IgG2分画内に上昇した力価を有していた(対照と比較して14%の増加);しかしながら、この効果はP<0.05の閾値で有意ではなかった(P値は=0.09)。
【0049】
これらのデータは、本組成物がIgG1分画中の力価を増加させ、そしてさらに、食餌から本組成物を除去した後もその力価を維持する能力を有することを示している(P<0.05)。本組成物は、IgG2分画内の力価の発生を増加させる能力も有する(P<0.05)。
【0050】
IL−1β濃度も、IL−1βのためのELISA(R+D Systems Minneapolis, MN)を使用し、対照、処置1及び処置2動物からの血清サンプルにおいて試験した。図7に示されているように、結果は、処置1及び処置2の両方が、28日後にIL−1βの血清濃度を増加させたことを示している。56日後、本組成物の低い投与量もIL−1βの血清濃度を有意に上昇させた(P<0.05)。本組成物の高い投与量は、研究の第56日目に、血清IL−1βの数値の上昇を起こした;しかしながら、この効果はP<0.05で有意ではなかった(P値=0.23)。理論に拘束されようとは思わないが、本組成物は生得的免疫システム(例えば、好中球活性化を介して)及び好中球を刺激することができ、次ぎにIL−1βの分泌により後天的免疫システムを刺激することができる。IL−1βは、IgG2力価の発生の速度を増加させ、及びIgG1分画内の力価を維持するB細胞の能力を特異的に増加させた。
【0051】
好中球L−セレクチンのタンパク濃度も、図8に示したようにウェスタンブロッティングを使用して評価した。L−セレクチンについてのmRNA濃度もラット研究(実施例4)のように決定したが、但しウシ特異的プライマーを使用した。処置1(15gの実験組成物/頭/日)及び処置2(30gの実験組成物/頭/日)の両方が、対照と比較して、好中球L−セレクチンの濃度を増加させたことが(P<0.05)、決定された。
【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
【表5】

【0056】
実施例7
実験はヒツジで行い、実施例6で用いられた、J5大腸菌ワクチン接種プロトコールに応答した適応免疫を増加させる実施例1の実験組成物の能力を調べた。動物(処置当たり12匹の動物)を3つの処置に割り振った:対照、処置1(実施例1の実験組成物を1頭当たり、1日当たり3グラム)又は処置2(実施例1の実験組成物を1頭当たり、1日当たり6グラム)。動物にこれらの食餌を75日間与え、試験の7、21及び35日目にPfizerJ5ワクチンをワクチン接種した。血液サンプルを0、35及び75日目に採取した。この組成物が力価を維持するための能力を有していたかどうかを決定するため、処置1又は処置2組成物が食餌から取り除かれた後、第90日目にも血液サンプルを採取した。
【0057】
この研究においては、IgG1及びIgG2ヒツジアイソタイプの両方を認識する二次抗体(HRPコンジュゲートウサギ抗ヒツジIgG:Beth Laboratories, Montgomery, Texas)を使用した。表6及び図9は、合併したヒツジIgG1及びIgG2分画からのデータを示している。ELISAを実施するためにこの研究で使用した方法は、代わりに抗ヒツジIgG抗体(VMRD, Pullman, WA)を使用したことを除いて、実施例6に概説した方法と同一であった。
【0058】
第35日目に、実験組成物の高投与量は、IgG1及びIgG2力価の総量での上昇を起こした。第75日目に、組成物の低及び高投与量は、J5力価の段階的な増加を起こした。具体的には、低投与量は、力価に17%の増加を起こし、高投与量はJ5力価に31%の増加を起こした。第90日目には、処置1の動物は、対照給餌動物と比較して力価の上昇を有していなかった。しかしながら、本組成物の高投与量を受けた処置2の動物は、J5力価に24%の上昇を示した。
【0059】
これらのデータは、実験組成物の投与がIgG1及びIgG2分画内の力価の発生を増加させ、そしてさらに15日間、食餌からの実験組成物の除去後にも力価を維持していたという、実験6の観察を支持している。
【0060】
【表6】

【0061】
記載されてきた本組成物の態様は、本組成物の原理のいくつかの応用の例示であることが理解されるであろう。多数の改変を、本組成物の真の精神及び範囲から離れることなく行うことができる。本明細書に記載された多様な特色を、いずれの組み合わせでも使用することが可能であり、本明細書で特別に概説された組み合わせを得ることに限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、実施例1に記載されている好中球L−セレクチンの発現に対する、本組成物の効果を実証する、ウェスタンブロッティング実験からの結果を示している。
【図2】図2は、実施例2に記載されている好中球L−セレクチンの発現に対する、非加熱及び加熱(ペレット化)形態の本組成物の効果を実証する、ウェスタンブロッティング実験からの結果を示している。
【図3】図3は、実施例3に記載されているラット好中球における、L−セレクチンをコードするmRNAの発現に対する、本組成物の効果を要約しているグラフである。
【図4】図4は、実施例4に記載されている好中球インターロイキン−1β(IL−1β)の発現に対する、本組成物の効果を実証する、ウェスタンブロッティング実験からの結果を示している。
【図5】図5は、実施例6に記載されているJ5ワクチンに対するIgG1力価を定量するために使用したELISAの結果を要約する棒グラフである。
【図6】図6は、実施例6に記載されているJ5ワクチンに対するIgG2力価を定量するために使用したELISAの結果を要約する棒グラフである。
【図7】図7は、実施例6に記載されている肉牛におけるインターロイキン−1βの発現に対する本組成物の低(15グラム/日)及び高投与量(30グラム/日)の効果を例示する棒グラフである。
【図8】図8は、実施例6に記載されている肉牛における好中球L−セレクチンの発現に対する本組成物の効果を実証する、ウェスタンブロッティング実験からの結果を示している。
【図9】図9は、実施例7に記載されているIgG1及びIgG2力価の総量を定量するために使用したELISAの結果を要約した棒グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワクチン有効性を増強するための組み合わせであって:
ワクチン;
β−グルカン、β−1,3(4)−エンドグルカノハイドロラーゼ、か焼珪藻土、粘土鉱物及びグルコマンナンを含んでなる組成物;を含んでなり、及び
前記組成物が、該ワクチンに対する抗体の力価を、前記組成物がない場合の前記抗体の力価と比較して増加させる、前記組み合わせ。
【請求項2】
前記組成物及び前記ワクチンが家畜に投与される、請求項1の組み合わせ。
【請求項3】
前記組成物が、乾燥重量ベースで前記飼料の約0.01重量%〜約2.5重量%の範囲で動物の飼料に添加される、請求項1の組み合わせ。
【請求項4】
前記組成物が、前記動物の体重キログラム当たり約0.01グラム〜前記動物の生体重キログラム当たり約1グラムの範囲で動物の飼料に添加される、請求項1の組み合わせ。
【請求項5】
前記ワクチン及び組成物がウシ家畜(bovine livestock)に投与される、請求項1の組み合わせ。
【請求項6】
前記組成物が、動物当たり、1日当たり約10グラム〜約60グラムの範囲でウシ家畜に投与される、請求項1の組み合わせ。
【請求項7】
前記ワクチン及び組成物がヒツジに投与される、請求項1の組み合わせ。
【請求項8】
前記組成物が、動物当たり、1日当たり約2グラム〜約10グラムの範囲でヒツジに投与される、請求項1の組み合わせ。
【請求項9】
前記ワクチンが乳腺炎に対する抗体の産生を刺激する、請求項1の組み合わせ。
【請求項10】
前記ワクチンがPfizer J5ワクチンである、請求項1の組み合わせ。
【請求項11】
前記組成物が抗体のIgG1又はIgG2クラスの力価を、前記組成物がない場合の前記IgG1又はIgG2抗体の力価と比較して増加させる、請求項1の組み合わせ。
【請求項12】
前記組成物が抗体のIgG1クラスの力価を、前記組成物がない場合の前記IgG1抗体の力価と比較して増加させる、請求項1の組み合わせ。
【請求項13】
前記組成物が抗体のIgG2クラスの力価を、前記組成物がない場合の前記IgG2抗体の力価と比較して増加させる、請求項1の組み合わせ。
【請求項14】
抗体のIgG1又はIgG2クラスの前記力価が、前記組成物がない場合の前記IgG1又はIgG2抗体の力価と比較して、前記動物の食餌からの前記組成物の除去後にも維持されている、請求項1の組み合わせ。
【請求項15】
抗体のIgG1クラスの前記力価が、前記組成物がない場合の前記IgG1抗体の力価と比較して、前記動物の食餌からの前記組成物の除去後にも維持されている、請求項1の組み合わせ。
【請求項16】
ワクチンの有効性を増強するための方法であって:
a.一つ又はそれより多くのワクチン接種された個体を提供すること;及び
b.β−グルカン、β−1,3(4)−エンドグルカノハイドロラーゼ、か焼珪藻土、粘土鉱物及びグルコマンナンを含んでなる組成物を個体に投与すること;
を含んでなる、前記方法。
【請求項17】
前記組成物が前記個体に毎日投与される、請求項16の方法。
【請求項18】
前記組成物が、乾燥重量ベースで前記飼料の約0.01重量%〜約2.5重量%の範囲で前記個体の飼料に添加される、請求項16の方法。
【請求項19】
前記組成物が、前記動物の生体重のキログラム当たり約0.01グラム〜生体重のキログラム当たり1グラムの範囲で前記個体の飼料に添加される、請求項16の方法。
【請求項20】
前記組成物が、抗体のIgG1又はIgG2クラスの力価を、前記組成物がない場合の前記IgG1又はIgG2抗体の力価と比較して増加させる、請求項16の方法。
【請求項21】
前記組成物が、IgG2クラス抗体の力価を、前記組成物がない場合の前記IgG2抗体の力価と比較して増加させる、請求項16の方法。
【請求項22】
前記個体がウシ(cattle)であり、及びワクチン及び前記組成物が前記ウシに投与される、請求項16の方法。
【請求項23】
前記個体がウシ家畜であり、及び前記組成物が、動物当たり、1日当たり約10グラム〜約60グラムの範囲で前記ウシ家畜に投与される、請求項16の方法。
【請求項24】
前記個体がヒツジであり、及びワクチン及び前記組成物が前記ヒツジに投与される、請求項16の方法。
【請求項25】
前記個体がヒツジであり、及び前記組成物が動物当たり、1日当たり約2グラム〜約10グラムの範囲で前記ヒツジに投与される、請求項16の方法。
【請求項26】
前記一つ又はそれより多くのワクチン接種される個体が、乳腺炎に対する抗体の産生を刺激するワクチンでワクチン接種されている、請求項16の方法。
【請求項27】
前記ワクチンがPfizer J5ワクチンである、請求項26の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−535354(P2009−535354A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507902(P2009−507902)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/066968
【国際公開番号】WO2007/127667
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(508318661)オムニゲン・リサーチ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】