説明

動物における障害を治療および予防するための薬剤組成物の経粘膜投与

本発明は、少なくとも1種の活性剤および薬学的に許容される担体を含んでなる、動物に経粘膜投与するための組成物を含む。好ましい活性剤は、メロキシカム、カプロフェン、エンロフロキサシン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジゴキシン、レボチロキシン、シクロスポリン、オンダンセトロン、リシン、ゾルピデム、プロポフォール、ニテンピラム、イベルメクチン、ミルベマイシン、および薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和体およびエステル類からなる群から選択される。他の実施形態において、本発明は、治療的または予防的有効量の活性剤および薬学的に許容される担体を含んでなる組成物を経粘膜投与することを含んでなる、動物における病態を治療または予防する方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【関連技術の相互参照】
【0001】
本出願は、2005年3月23日出願の米国仮特許出願第60/664,183号明細書;2005年2月17日出願の米国仮特許出願第60/653,964号明細書;2005年3月16日出願の米国仮特許出願第60/661,920号明細書;2005年3月25日出願の米国仮特許出願第60/664,939号明細書;2005年3月28日出願の米国仮特許出願第60/665,525号明細書;2005年3月23日出願の米国仮特許出願第60/664,181号明細書;2005年3月25日出願の米国仮特許出願第60/664,938号明細書;2005年4月11日出願の米国仮特許出願第60/669,888号明細書;2005年4月13日出願の米国仮特許出願第60/670,651号明細書;および2005年6月27日出願の米国仮特許出願第60/693,942号明細書に対する優先権を主張する。これらは各々、すべての目的のために参照として、その全体が本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
発明の分野
一実施形態において、本発明は、障害の治療または予防に使用するために、動物に製薬組成物を経粘膜投与することに関する。特に、本発明の実施形態は、予防的または治療的有効量の一種または複数種の活性剤を、それを必要としている動物に経粘膜投与することによる、動物、好ましくは家畜における種々の疾患または病態と闘うための、種々の活性剤を含んでなる組成物および種々の活性剤を使用する方法を包含する。好ましい投与手段としては、限定はしないが、動物の口腔内への一種または複数種の活性剤のスプレーまたはミストが挙げられる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
もともとヒトに使用するために開発された製薬化合物は、獣医学においても使用されている。しかし、ヒトと種々の非ヒト動物種との間の代謝の違いのために、非ヒト動物におけるヒト薬剤の有効性は予測不可能である。ある種内の個体に関してでさえ、具体的な薬剤の有効性は大きく変動し得る。例えば、クレマスチンなどのH受容体アンタゴニストは、ヒトと動物の両方に対する抗ヒスタミン剤として使用されてきた。しかし、ヒトでは有効な用量が、イヌおよびウマの対象では、クレマスチンの経口生物学的利用能が低く、排泄が速いことから有効でないことが分かっている(ハンソン(Hansson)ら、Veterinary Dermatology 2004、15、152−158頁;およびトルネケ(Torneke)ら、J.Vet.Pharmacol.Therap.26、151−157頁、2003年)を参照)。イヌおよびウマの対象でのクレマスチンの治療的血漿中濃度は、比較的高(ヒトに比べて)用量を用いた静脈内投与のみによって得られており、このため、獣医適用に対するクレマスチンの利用が非常に限定されている。
【0004】
一定の生体活性化合物は、胃または腸などによる投与経路によるよりも、口腔粘膜を介してのほうがより良好に吸収されることが知られている。しかしながら、口腔粘膜を介するこのような投与に好適な製剤にはそれら自体の問題がある。例えば、生物活性化合物は、噴射剤、溶媒などの該組成物の他の成分と適合性でなくてはならない。多くのこのような製剤が提案されている。例えば、ドボルスキー(Dvorsky)らに対する米国特許第4,689,233号明細書は、ポリエーテルアルコールの混合物中に溶解させた抗冠状動脈薬のニフェジピン投与のための軟ゼラチンカプセルを記載している。ジョーンズ(Jones)らに対する米国特許第4,755,389号明細書は、ニフェジピンを含有する硬ゼラチンチュアブルカプセルを記載している。薬剤の溶液または分散液を含有するチュアブルゼラチンカプセルは、ボーカン(Borkan)らに対する米国特許第4,935,243号明細書に記載されている。アオウダ(Aouda)らに対する米国特許第4,919,919号明細書およびクロッカーズ−ベスケ(Klokkers−Bethke)に対する米国特許第5,370,862号明細書は、ニトログリセリン、エタノール、および他の成分を含んでなる、口腔粘膜投与のためのニトログリセリンスプレーを記載している。口腔投与ポンプスプレーは、米国特許第5,186,925号明細書において、コルチャ(Cholcha)により記載されている。炭化水素噴射剤および粘膜表面に投与する薬剤を含有するエアロゾル組成物は、スー(Su)に対する英国特許第2,082,457号明細書;シルソン(Silson)らに対する米国特許第3,155,574号明細書;ワング(Wang)らに対する米国特許第5,011,678号明細書、および米国特許第5,128,132号明細書におけるパーネル(Parnell)に記載されている。これらの参考文献は、溶液を投与した粘膜を介する該溶液の生物学的利用能よりもむしろ、溶液の吸入による生物学的利用能を検討していることに注意すべきである。上記に特定した参考文献の各々は、参照として、その全体が本明細書に組み込まれている。
【0005】
口腔粘膜表面を介する経粘膜吸収により、栄養物または薬物などの薬剤を、直接血流へ、次いで細胞内へ、数分の内に浸透させることが可能になる。口腔内では、薬剤を送達するために、限定はしないが、(i)舌下表面、すなわち、口腔底裏の粘膜、(ii)頬側表面、すなわち、頬裏の粘膜、(iii)舌表面、すなわち、舌の表面の膜、(iv)口蓋表面、すなわち、口腔の蓋裏の膜、(v)咽頭表面、すなわち、咽頭の膜、(vi)歯肉粘膜、すなわち、歯茎、および(vii)歯肉溝、すなわち、歯と歯茎との間に形成された空洞などの多数の粘膜表面を使用できる。所有者がかれらの動物に錠剤または液剤を飲み込ませることの困難、投薬された錠剤を嫌い治療に抵抗する動物の取り扱い不能、および経口製剤を服用することを困難にさせる医療状態、などの様々な理由から、従来の服用による薬剤の経口送達は容易に達成されないことが多い。動物は、これらの治療が動物の身体状態を改善するために意図されているに気づいていないために、動物におけるこれらの制限は悪化することが多い。
【0006】
動物に対する薬剤の経口投与は、それに関連した欠点(例えば、嚥下刺激の困難、動物による錠剤の吐き出し、または適切な用量を得られない)を有していることが動物所有者および獣医などによく知られている。また、従来の動物への経口薬剤投与は、特定の種類の薬剤、特にペプチドおよびタンパク質の投与を妨げる肝臓一次通過代謝および胃腸管内での酵素分解などの不利な点を有する。静脈内投与は、これらの欠点を克服できるが、動物に対する侵襲性、動物所有者にとっての困難、ならびにコストおよび感染の危険性の増大により、静脈内投与は実行可能性の低い代替法である。
【0007】
口腔粘膜は、動物への薬剤全身送達のための経粘膜投与の魅力的な経路を提供する。例えば、非毒性のエアロゾルポンプを有する経口スプレーは、薬剤を直接血流内に送達することができる。口腔内にスプレーされると、微小サイズの小滴は粘膜裏層を通って、口腔の裏層表面に近接して存在している毛細血管内へ直ちに吸収される。この方法は、臓器に余分なストレスを引き起こすことなく、短時間の内に薬剤の確実な吸収を与え得る。
【0008】
粘膜表面上に使用するためのフィルム送達系もまた知られている。水不溶性であり、通常、積層、押出しフィルムまたは複合体フィルムの形態にあるこれらのタイプの系は、米国特許第4,517,173号明細書;第4,572,832号明細書;第4,713,243号明細書;第4,900,554号明細書;および第5,137,729号明細書に記載されており、これらは参照として、それらの全体が本明細書に組み込まれている。米国特許第4,517,173号明細書は、薬剤層、水難溶性層、および中間層を含む少なくとも3層からなる膜接着性フィルムを記載し特許請求している。該薬剤層は、薬剤、ならびに、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択されるセルロース誘導体を含む。水難溶性層は、1種または複数種のセルロース誘導体と水難溶性脂肪酸との組み合わせから作製され、中間層は、セルロース誘導体から作製される。米国特許第4,572,832号明細書は、水溶性タンパク質、ポリオール、およびセルロースや多糖などの多価アルコールの組み合わせ使用によって作製される頬側送達用の軟フィルムに関するものであり、着色剤および風味剤の使用も教示している。米国特許第4,713,243号明細書は、40〜95%の水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、5〜60%の水不溶性エチレンオキシド、0〜10%の水不溶性エチルセルロース、プロピルセルロース、ポリエチレン、またはポリプロピレン、および薬剤から作製される単層または複層の生体接着性薄型フィルムを記載している。該フィルムは、3層の積層であり、生体接着層、貯留層、および非水溶性外側保護層を含む。米国特許第4,900,554号明細書は、全身性薬剤を含有し、ビニルアセテート非水溶性ホモポリマー、アクリル酸ポリマー、およびセルロース誘導体の混合物を含んでなる、口腔粘膜に適用できる軟接着性フィルムを教示している。最後に、米国特許第5,137,729号明細書は、アクリル酸ポリマー、水不溶性セルロース誘導体、および薬学的製剤の混合物を含む接着層、ならびに水不溶性、またはわずかに水溶性の裏層を有する、口腔に使用されるデバイスを記載している。該接着層は、薬剤を含有し、粘膜表面へ適用されると該薬剤を送達する。
【0009】
活性剤の頬側投与は、口腔粘膜を通して活性剤の吸収をもたらすことが最近実証されている。例えば、全ての目的のために、各々その全体が参照として本明細書に組み込まれている米国特許第5,869,082号明細書;第5,955,098号明細書;第6,110,486号明細書;および第6,676,931号明細書は、頬側エアロゾルスプレーまたはカプセルを用いる活性剤の投与を開示している。さらに、各々その全体が参照として本明細書に組み込まれている、公開された米国特許出願公開第2005/0025717号明細書、同第2005/0025716号明細書、同第2005/0025715号明細書、同第2005/0025714号明細書、同第2005/0025713号明細書、同第2005/0025712号明細書、同第2005/0002867号明細書、同第2004/0265239号明細書、同第2004/0141923号明細書、同第2004/0136915号明細書、同第2004/0136914号明細書、同第2004/0136913号明細書、同第2004/0120896号明細書、同第2004/0120895号明細書、同第2004/0062716号明細書、同第2003/0211047号明細書、同第2003/0190286号明細書、同第2003/0185761号明細書、同第2003/0095927号明細書、同第2003/0095926号明細書、同第2003/0095925号明細書、同第2003/0082107号明細書、同第2003/0077229号明細書、同第2003/0077228号明細書、同第2003/0077227号明細書、および同第2003/0039680号明細書は、口腔粘膜を介して吸収させる生物活性剤を提供する、極性および非極性溶媒を用いる頬側エアロゾルスプレーまたはカプセルを開示している。
【0010】
しかし、例えば呼吸器系に対して、エアロゾルまたはスプレーを用いて投与された薬剤の生物学的利用能は、用いられる具体的な製剤に著しく依存する可能性があり、また、薬剤の十分な生物学的利用能を提供するエアロゾル製剤であっても、粘膜組織の刺激など、望ましくない副作用を示す可能性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
一実施形態において、本発明は、一種または複数種の活性剤および薬学的に許容される担体を含む、動物に対する経粘膜投与のための組成物に関する。
【0012】
他の実施形態において、本発明は、治療的または予防的有効量の活性剤および薬学的に許容される担体を含む組成物を経粘膜投与することを含む、動物における病態を治療または予防するための方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明の詳細な説明
A.概略
一実施形態において、本発明は、少なくとも1種の活性剤および薬学的に許容される担体を含む、動物に経粘膜投与するための組成物に関する。
【0014】
他の実施形態において、本発明は、治療的または予防的有効量の少なくとも1種の活性剤を含む組成物を、それを必要としている動物に経粘膜投与する新規方法を包含する。
【0015】
一実施形態において、本発明の組成物は、動物の任意の粘膜表面、好ましくは、舌表面、舌下表面、頬側表面、口蓋表面、および咽頭表面などを含む口腔粘膜に投与できる。他の実施形態において、本発明の組成物は、口腔粘膜の2以上の膜、例えば、舌表面と舌下表面、または舌表面と舌下表面と頬側表面などに投与することもできる。さらに他の実施形態において、本発明の組成物は、歯と頬との間にある動物の口腔領域に投与でき、それによって、本発明の組成物を、少なくとも頬側粘膜および歯肉に接触させることができる。
【0016】
本発明の組成物の経粘膜投与は、エアロゾルまたはポンプスプレーなどのスプレーを用いて実施することができる。
【0017】
本発明の組成物の他の実施形態において、少なくとも1種の活性剤が、薬学的に許容される担体と組み合わせて、非ステロイド系抗炎症剤、駆虫薬、抗ヒスタミン剤、心血管薬、ホルモン剤、免疫抑制剤、栄養剤、ビタミン剤、ミネラル剤、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤、制吐剤、抗生物質からなる群から選択される。本発明の組成物は、経粘膜投与、好ましくは、口腔粘膜、より好ましくは、頬側粘膜または他の口腔粘膜の表面への投与に好適である。
【0018】
本明細書に記載された実施形態の経粘膜投与法は、容易に投与され、動物に対して薬剤を投与するための安全で効力の高い方法を提供する。動物の口腔粘膜に経粘膜投与される組成物は、例えば、錠剤よりも投与が容易であり、必要とされる薬剤の量を減少させることができ、次いで、最大の用量反応を提供しつつ、副作用を減少させることができる。さらに、最高血漿中濃度に達するのに要するより短い時間枠およびより大きな生物学的利用能が、本発明の組成物および方法によって提供され得る。
【0019】
本発明は、以下および本出願を通じて記載されたいくつかの定義を用いて本明細書において説明される。
【0020】
B.定義
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「本発明の活性剤」および「活性剤」とは、非ステロイド系抗炎症剤、駆虫薬、抗ヒスタミン剤、心血管系薬、ホルモン剤、免疫抑制剤、栄養剤、ビタミン剤、ミネラル剤、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤、制吐剤、抗生物質、または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物または誘導体(例えば、エステル類)からなる群から選択される活性剤を言う。
【0021】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「非ステロイド系抗炎症剤」とは、動物における炎症または炎症反応を減少させる非ステロイド化合物、例えば、COX−1およびCOX−2阻害剤を言う。
【0022】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「駆虫薬」とは、動物寄生虫を死滅させる、またはそれらの成長および生殖を阻害することのできる任意の薬剤を言う。
【0023】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「抗ヒスタミン剤」とは、動物におけるヒスタミン産生の生理学的作用、例えばアレルギー反応に拮抗する化合物を言う。
【0024】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「心血管薬」とは、動物における心臓の病態または症状、例えば、心拍の異常/不規則、脱力、運動忍容性の減少、嗜眠、低酸素症、失神、息切れ、肺浮腫または腹水症、および/または意識喪失など、ならびにこれらの組み合わせによって引き起こされる疾患または病態を治療または寛解できる化合物を言う。
【0025】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「ホルモン剤」とは、1つの組織によって産生され、血流によって他の組織へ運ばれ、成長または代謝など、動物において生理学的活性をもたらす物質、例えば、ペプチドまたはステロイド、または天然ホルモン様作用をする合成的に調製された化合物を言う。
【0026】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「免疫抑制剤」とは、動物における免疫反応を抑制または阻害する化合物を言う。
【0027】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「栄養剤」とは、食物、植物、または食用物質から単離または精製され、検知可能な生理学的利益を提供する化合物、抽出物、または製品を言う。
【0028】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「ビタミン剤」とは、正常な成長および代謝過程にとって微量(または比較的少量)が必要とされる有機化合物を言い、身体ではこのような有機化合物を作ることができないか、または作らないという点で、それらは少なくともある程度食物または他の合成もしくは天然源から得なければならないか、または代謝されなければならない。
【0029】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「ミネラル剤」とは、正常な成長および代謝過程にとって微量(または比較的少量)が必要とされる無機部分を言い、身体ではこのような有機化合物を作ることができないか、または作らないという点で、それらは典型的に、少なくともある程度食物または他の合成もしくは天然源から得なければならないか、または代謝されなければならない。このような無機部分は、有機部分と結合または会合でき(例えば、共有的に、塩としてイオン的に、水素結合の形態で、複合体などで)、身体内の、または身体による生物学的利用能または吸収を増加させることができる。
【0030】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤」とは、動物に対して、鎮静的、精神安定的、または麻酔的効果を有する化合物を言う。
【0031】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「制吐剤」とは、動物における嘔吐または吐気を予防、減少または止める化合物を言う。
【0032】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「抗生物質」とは、動物における他の微生物(例えば細菌)の増殖を破壊または阻害する化合物を言う。
【0033】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「約」は、通常の当業者に認識されるものであり、その用語が用いられる前後関係によってある程度変化する。それが用いられる前後関係が与えられて、通常の当業者に明確ではない用語の使用法がある場合、「約」とは、その具体的な用語または量の10%プラスまたはマイナスまでを意味する。
【0034】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「アルカノイルエステル」とは、式−C(O)−アルコキシの一価の基を言う。アルコキシ基の炭化水素鎖は、炭素原子1個から8個の長さであることが好ましい。
【0035】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「アルコキシ基」とは、アルキル基が下記に定義されている−O−アルキル基を言う。アルコキシ基は、非置換であっても、1つもしくは2つの好適な置換基によって置換されていてもよい。アルコキシ基のアルキル鎖は、1個から8個の炭素原子の長さであることが好ましく、1個から8個の炭素原子を有するアルコキシ基は、本明細書において「(C〜C)アルコキシ」と称される。
【0036】
用語の「アルキル基」は、飽和、一価、非分枝(線状)または分枝炭化水素鎖、例えば、1個から18個の炭素の長さである飽和炭化水素鎖(すなわち、水素で置換された炭素原子の鎖)(本明細書では、「(C〜C18)アルキル」と称される)、(C〜C)炭化水素鎖、または(C〜C)炭化水素鎖を意味する。本発明のアルキル基は、非置換であっても、1つまたは2つの好適な置換基によって任意に置換されていてもよい。アルキル基の例としては、限定はしないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびヘキシル、などの(C〜C18)アルキル基、ならびにヘプチルおよびオクチルなどのより長いアルキル基が挙げられる。
【0037】
用語の「炭化水素基」は、該「炭化水素基」が飽和炭化水素である場合、用語の「アルキル基」と交換可能に使用できる。しかし、「炭化水素基」という用語はさらに、一価不飽和炭化水素、例えば、アルケニル基およびアルキニル基を含む。したがって、好適な炭化水素基は、例えば、1つまたは2つの好適な置換基によって置換された(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルから選択される一価の基を含む。炭化水素基の炭化水素鎖は、本明細書において「(C〜C)炭化水素」と称される、1個から6個の炭素原子の長さであることが好ましい。炭化水素基の例としては、限定はしないが、上記のアルキル基、およびさらに、ビニル、アリル、1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−エチニル、1−プロピニル、2−プロピニルなどの不飽和炭化水素が挙げられる。
【0038】
同様に、用語の「炭化水素」とは、炭素および水素からなる分子を言う。本発明の炭化水素は、任意に置換されていてもよい。本発明の好適な炭化水素は、4個以上の炭素原子を有し、好ましくは、4個から18個の炭素原子を有する。
【0039】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「追加の治療薬」とは、活性剤の他に追加される第2(または第3などの)薬剤(および/またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステル)を言い、限定はしないが、透過増強剤または生体接着剤などの薬剤の吸収を増強させる薬剤または組み合わせを挙げることができる。
【0040】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「動物」とは、哺乳類、鳥類、爬虫類、有袋類、両生類、および魚類などの任意の非ヒト動物を言う。好ましい一実施形態において、用語の「動物」は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、アヒル、カモ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、またはモルモット、および好ましくは、イヌ、ネコ、またはウマなどの家畜を含む。用語の「動物」はまた、監禁状態の野生の非家畜動物および外来動物、例えば、飼いならされていない「ペット」および動物園または他の監禁環境に置かれている動物を含む。
【0041】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「生体接着剤」および「生体接着ポリマー」とは、生体表面上、好ましくは口腔粘膜上、より好ましくは頬側粘膜上に接着でき、薬剤が口腔粘膜に接触する時間を増加することによってその吸収を増大させる任意の薬剤を言う。
【0042】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「頬側粘膜」とは、頬の裏側の口腔粘膜を言う。
【0043】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「経粘膜経口投与」は、活性剤の実質的部分が口腔のいずれかの粘膜を介する拡散または移動によって動物の血流に入る、動物の口腔に活性剤を投与する任意の方法を含む。「実質的部分」とは、口腔の粘膜を介する移動によって動物の血流に入る、投与された用量中の活性成分の少なくとも20%を意味する。好ましくは、少なくとも50%、より好ましくは、少なくとも80%が、口腔の粘膜を介する移動によって動物の血流に入る。
【0044】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「経粘膜経口ミスト」は、製剤が動物の口腔粘膜に接触する小滴の形態で製剤が投与される経粘膜経口投与法によって動物への投与が意図されている製剤の形態を含む。該小滴は、任意のサイズまたはサイズ分布であってもよく、空気中に懸濁され得るきわめて微小な小滴(例えば、エアロゾル)、またはポンプスプレー、エアロゾルスプレーなどの従来のスプレー装置によって提供される種類のより粗い小滴を含む。
【0045】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「有効量」とは、任意の医療処置に伴う妥当な利益/危険比で所望の局所的または全身的効果を提供する上で十分な量の活性剤、またはその薬学的に許容される塩を意味する。特に、「有効量」という用語は、本発明による組成物によって、治療中の疾患または病態に関連した少なくとも1つの有害作用、または、治療が求められている病態、疾病、または疾患の少なくとも1つの識別可能な症状を軽減する、寛解させる、実質的に減少させる、または停止を生じさせる上で十分な量の活性剤、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物またはエステル類を意味する。「治療的に有効な」とはまた、動物によって必ずしも識別可能ではない少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善をもたらす量の活性剤を言う。さらに他の実施形態において、用語の「治療的に有効な」とは、身体的(例えば、識別可能な症状の安定化)であろうと、生理学的(例えば、身体的パラメータの安定化)であろうと、または両方であろうと、少なくとも1つの有害作用の進行を阻止する上で十分な量の活性剤を言う。さらに他の実施形態において、用語の「治療的に有効な」とは、疾患または障害の発症の遅延をもたらす量の活性剤を言う。「治療的有効量」を構成する量の活性剤は、治療または予防される疾患、病態、障害、または疾病、病態の重症度、および治療される動物の年齢および体重に依って変化するが、通常の当業者が彼/彼女自身の知識およびこの開示を考慮して、慣例的に決定することができる。
【0046】
該活性剤が非ステロイド系抗炎症剤である場合、非ステロイド系抗炎症剤の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、動物における痛み、炎症、および/もしくは熱に関連した少なくとも1つの有害作用、またはそれらの少なくとも1つの識別可能な症状の改善を生じさせることのできる量の非ステロイド系抗炎症剤を言う。
【0047】
該活性剤が駆虫薬である場合、駆虫薬の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、動物の寄生虫感染に関連した少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善、例えば、該寄生虫の死滅をもたらす量の駆虫薬を言う。
【0048】
該活性剤が抗ヒスタミン剤である場合、抗ヒスタミン剤の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善、例えば、かゆみの減少、紅斑、腫脹または皮膚瘡痕の減少として示される皮膚炎症の減少、皮膚患部領域に対する引っ掻き、噛み付き、またはなめる行為の減少、自己外傷に起因する皮膚損傷の消散および二次的皮膚感染の消散をもたらす量の抗ヒスタミン剤を言う。
【0049】
該活性剤が心血管薬である場合、心血管薬の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、動物における心拍の異常/不規則、脱力、運動忍容性の減少、嗜眠、低酸素症、失神、息切れ、肺浮腫または腹水症、および/または意識喪失などに関連した少なくとも1つの有害作用、または本発明による組成物による治療が求められる病態、疾病または疾患の少なくとも1つの識別可能な症状の改善を生じさせることのできる量の心血管薬を言う。
【0050】
該活性剤がホルモン剤である場合、ホルモン剤の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、ホルモンまたはその代謝物の産生減少または産生しないことに関連した少なくとも1つの有害作用(例えば、甲状腺機能低下症、糖尿病、インスリン抵抗性疾患、インスリン血症、またはそれらの組み合わせ)を軽減するか、実質的に減少させるか、停止を生じさせる上で十分な量のホルモン剤を言う。
【0051】
該活性剤が免疫抑制剤である場合、免疫抑制剤の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、例えば、免疫反応を有意に阻害または制限する量の免疫抑制剤を言う。
【0052】
該活性剤が、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤である場合、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、動物における不眠、ストレス、分離不安、活動過多、動揺病、および/または旅行ストレスなどに関連した少なくとも1つの有害作用の改善を生じさせることのできる量の鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤を言う。
【0053】
該活性剤が抗生物質である場合、抗生物質の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、動物における細菌感染などを減少させるかまたは排除することのできる量の抗生物質を言う。
【0054】
該活性剤が制吐剤である場合、制吐剤の量に関して、用語の「治療的に有効な」とは、動物における吐気および嘔吐を予防するか、減少させるか、または排除することのできる量の制吐剤を言う。
【0055】
本明細書に用いられる用語の「実質的に減少させる」とは、例えば、下記に記載された少なくとも1つの有害作用を減少させる本発明の活性剤または組成物の能力を言う。好ましい一実施形態において、実質的に減少させるとは、疾患または病態に関連した全ての有害作用を減少させるか、または予防する本発明の活性剤または組成物の能力を言う。
【0056】
該活性剤が非ステロイド系抗炎症剤である場合、有害作用としては、限定はしないが、痛み、炎症、発熱、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
該活性剤が駆虫薬である場合、有害作用としては、限定はしないが、動物寄生虫に起因する疾患に関連した作用が挙げられる。
【0058】
該活性剤が抗ヒスタミン剤である場合、有害作用としては、限定はしないが、アレルギー反応が挙げられる。「有効な」を定義すると解釈される臨床的結果としては、以下のものが挙げられる:かゆみの減少、紅斑、腫脹または皮膚瘡痕の減少として示される皮膚炎症の減少、皮膚患部領域に対する引っ掻き、噛み付き、またはなめる行為の減少、自己外傷に起因する皮膚損傷の消散および二次的皮膚感染の消散。
【0059】
該活性剤が免疫抑制剤である場合、有害作用としては、限定はしないが、免疫反応の増強または過敏が挙げられる。例えば、免疫抑制剤は、関節炎、移植片拒絶などの治療に使用できる。
【0060】
該活性剤が抗心血管薬である場合、有害作用としては、限定はしないが、心拍の異常/不規則、脱力、息切れ、運動忍容性の減少、嗜眠、低酸素症、肺浮腫、腹水症、意識喪失など、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
該活性剤がホルモン剤である場合、有害作用としては、限定はしないが、ホルモンまたはその代謝物の産生減少または産生しないこと(例えば、甲状腺機能低下症、糖尿病、インスリン抵抗性疾患、インスリン血症、またはそれらの組み合わせ)が挙げられる。
【0062】
該活性剤が鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤である場合、有害作用としては、限定はしないが、不眠、ストレス、分離不安、活動過多など、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
該活性剤が栄養剤である場合、有害作用としては、限定はしないが、栄養物、ビタミン剤、ミネラル剤、それらの組み合わせ、またはそれらの代謝物の産生または食事による摂取の減少もしくは不在が挙げられる。
【0064】
該活性剤が抗生物質である場合、有害作用としては、限定はしないが、細菌感染に関連した発熱、腫脹、分泌などが挙げられる。
【0065】
該活性剤が制吐剤である場合、有害作用としては、限定はしないが、吐気、嘔吐、脱水、および体重減少が挙げられる。
【0066】
該活性剤が非ステロイド系抗炎症剤である場合、非ステロイド系抗炎症剤の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、関節炎、痛み、炎症、発熱、またはそれらの組み合わせに起因する疾患または病態に関連した有害作用を予防的に軽減するか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の非ステロイド系抗炎症剤を言う。非ステロイド系抗炎症剤を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、痛み、炎症、および/または発熱の有害作用を予防しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、嘔吐および/または下痢を治療)に使用できる。
【0067】
該活性剤が駆虫薬である場合、駆虫薬の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、動物寄生虫に起因する疾患に関連した有害作用を軽減するか、または実質的に減少させることのできる量の駆虫薬を言う。したがって、駆虫薬を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、寄生虫の有害作用を予防しつつ、他の有害作用の治療)に使用できる。
【0068】
該活性剤が抗ヒスタミン剤である場合、抗ヒスタミン剤の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、アレルギー性の反応または病態に起因する疾患または病態に関連した有害作用を予防的に軽減できるか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の活性剤を言う。抗ヒスタミン剤を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、アレルギー性の反応または病態の有害作用を予防しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、嘔吐、下痢、および/またはかゆみの治療)に使用できる。
【0069】
該活性剤が心血管薬である場合、抗心血管薬の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、心拍の異常/不規則、脱力、息切れ、運動忍容性の減少、嗜眠、失神、低酸素症、肺浮腫、腹水症、意識喪失など、およびそれらの組み合わせに起因する疾患または病態に関連した有害作用を予防的に軽減できるか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の活性剤を言う。心血管薬を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、心拍の異常/不規則、脱力、息切れ、運動忍容性の減少、嗜眠、失神、低酸素症、肺浮腫、腹水症、意識喪失など、およびそれらの組み合わせの有害作用を予防しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、嘔吐および/または下痢の治療)に使用できる。治療中の疾患または病態としては、限定はしないが、重度または鬱血性心不全、犬糸状虫または他の薬剤による心不全、心房細動、心房粗動、心房性頻脈、拡張心筋症、肥大性心筋症、先天性異常、糸球体腎炎を有する心不全、特発性大動脈弁下部狭窄、急性心筋梗塞、心筋炎、粘液水腫、慢性閉塞性心膜炎、心室性頻脈、期外心室収縮、不完全房室ブロック、重度の肺疾患または低酸素症、頚動脈洞過敏症、徐脈または完全房室ブロック(ブロックがジゴキシンによるものでない場合)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0070】
該活性剤がホルモン剤である場合、ホルモン剤の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、ホルモン剤またはその代謝物の産生の減少または不在に起因する疾患または病態に関連した有害作用を予防的に軽減できるか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の活性剤を言う。ホルモン剤を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、ホルモン剤またはその代謝物の産生の減少または不在の有害作用を予防しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、心臓事象、嘔吐、および/または下痢の治療)に使用できる。
【0071】
該活性剤が免疫抑制剤である場合、免疫抑制剤の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、免疫反応の増強または過敏に起因する疾患または病態に関連した有害作用を予防的に軽減できるか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の活性剤を言う。免疫抑制剤を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、免疫反応の増強または過敏の有害作用を予防しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、アレルギーに関連してかゆみおよび引っ掻き行為を生じさせるアトピー性皮膚炎の治療)に使用できる。
【0072】
該活性剤が栄養剤、ビタミン剤、および/またはミネラル剤である場合、栄養剤、ビタミン剤、および/またはミネラル剤の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、栄養剤、ビタミン剤、ミネラル剤、それらの組み合わせ、またはそれらの代謝物の産生もしくは摂取の減少または不在に起因する疾患または病態に関連した有害作用(例えば、栄養不足に典型的または症候性のもの)を予防的に軽減できるか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の活性剤を言う。「予防的に有効な」という用語はまた、栄養剤、ビタミン剤、ミネラル剤、それらの組み合わせ、またはそれらの代謝物の自然な産生もしくは摂取を治療的に補助することのできる量の活性剤を言う。栄養剤、ビタミン剤、および/またはミネラル剤を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、栄養剤、ビタミン剤、ミネラル剤、それらの組み合わせ、またはそれらの代謝物の産生もしくは食事による摂取の減少または不在の有害作用を予防しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、アレルギー、嘔吐、および/または下痢の治療)に使用できる。
【0073】
該活性剤が、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤である場合、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、不眠、ストレス、分離不安、活動過多など、およびそれらの組み合わせに起因する疾患または病態に関連した有害作用を予防的に軽減できるか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤を言う。睡眠補助剤を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、不眠、ストレス、分離不安、活動過多など、およびそれらの組み合わせの有害作用を予防しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、嘔吐および/または下痢の治療)に使用できる。
【0074】
該活性剤が、抗生物質である場合、抗生物質の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、細菌感染に起因する疾患または病態に関連した有害作用を予防的に軽減できるか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の抗生物質を言う。抗生物質を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、細菌感染を排除しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、発熱および痛みの治療)に使用できる。
【0075】
該活性剤が、制吐剤である場合、制吐剤の量に関して、用語の「予防的に有効な」とは、吐気、嘔吐など、およびそれらの組み合わせに関連した有害作用を予防的に軽減できるか、または予防的に実質的に減少させることのできる量の制吐剤を言う。制吐剤を含んでなる本発明の組成物は、少なくとも1つの有害作用の予防、ならびに同時に他の有害作用の治療(例えば、脱水、体重減少などの有害作用を予防しつつ、他の症状、疾患、または病態、例えば、癌または痛みの治療)に使用できる。
【0076】
本明細書に用いられる用語の「風味剤」および「隠蔽剤」とは、動物に対する薬剤または組成物の味または受容性を改善する薬剤を言う。このような薬剤は、動物が本発明による治療をより容易に受け入れるように、味、におい、または両方を改善できる。
【0077】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「非極性溶媒」は、限定はしないが、(C〜C24)脂肪酸、(C〜C)エステル類、(C〜C18)炭化水素、(C〜C)アルカノイルエステル類、および対応する酸のトリグリセリドを含む。
【0078】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「経粘膜投与」とは、粘膜を介して本発明の活性剤を拡散させる、本発明の活性剤の粘膜への投与を言う。
【0079】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「口腔粘膜」とは、限定はしないが、口腔に見られる、または:(i)舌表面、すなわち、舌の表面粘膜、(ii)舌下表面、すなわち、口腔底部裏層の粘膜、(iii)頬側表面、すなわち、頬裏層の粘膜、(iv)口蓋表面、すなわち、口蓋裏層の粘膜、(v)咽頭表面、すなわち、咽頭裏層の粘膜、(vi)歯肉表面、すなわち、歯肉の粘膜、および(vii)歯肉溝、すなわち、歯と歯肉との間に形成された空洞、などの口腔に投与することによって到達できる任意の粘膜表面を言う。該動物が魚類の場合、「口腔粘膜」という用語は、魚類の任意の鰓粘膜を含む。
【0080】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「透過増強剤」とは、口腔粘膜を介した薬剤の流入を増加させるために用いられる任意の物質を言う。
【0081】
本明細書に用いられる用語の「薬剤」は、限定はしないが、分子組成に関わりなく、動物において、検出可能な生理学的、代謝的、表現型的、または他の変化を誘起する任意の剤、化合物またはその混合物を含み、必ずしも限定はしないが、小型有機分子、生物学的分子、栄養物、ビタミン類、代謝物、食物、ワクチン、タンパク質、脂質、および炭水化物を含み得る。
【0082】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「薬学的に許容される」は、動物における使用に関して、連邦または州の政府の監督機関によって承認されているか、もしくは承認され得るか、または、米国薬局方または他の一般に認められた薬局方に記載されていることを意味する。用語の「媒体」とは、本発明の活性剤と共に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、または担体を言う。このような製薬媒体は、水または水性アルコール(例えば、水性エタノール)および石油、動物、植物の油類、または落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの合成源の油類などの液体であり得る。製薬媒体はまた、例えば、生理食塩水、水性アルコール、または水を含み得る。動物に投与する場合、本発明の活性剤および薬学的に許容される媒体は滅菌してあることが好ましい。本発明の薬剤は経粘膜投与されるため、水性エタノールが好ましい媒体である。当該組成物は、所望の場合、少量の湿潤剤または乳化剤、および/またはpH緩衝剤もまた含有できる。
【0083】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「極性溶媒」は、限定はしないが、400〜1000Mw(好ましくは、400〜600Mw)の低分子量ポリエチレングリコール(PEG)、低分子量(C〜C)モノおよびポリオールならびに(C〜C18)直鎖または分枝鎖炭化水素のアルコールを含む。スプレーには、グリセリンが存在していてもよく、水もまた使用できる。好ましい極性溶媒は水性エタノールである。
【0084】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「非極性溶媒」は、限定はしないが、線状または分枝状構造のC〜C18炭化水素、脂肪酸エステル、トリグリセリド、またはミグリオール(miglyol)を含む。
【0085】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「経粘膜」とは、粘膜、好ましくは、口腔粘膜、より好ましくは、頬側粘膜を介した本発明の活性剤の拡散を言う。
【0086】
別に指示されない限り、本明細書に用いられる用語の「AUC」、「Tmax」、「Cmax」、および「t1/2」は通常の意味を有する。したがって、「AUC」は、曲線下面積または投与後、動物に曝露した活性剤の総量を表す。用語の「Cmax」は、動物への投与後、指示された単位で測定された活性剤の最高血漿中濃度を表す。用語の「Tmax」は、投与後、活性剤が動物における最高血漿中濃度に到達するのにかかる時間を表す。t1/2は、投与後、活性剤の分散または排出について算出された速度である。吸収t1/2は、活性剤の算出された吸収半減期である。
【0087】
C.本発明の組成物
本発明は、少なくとも1種の活性剤を含んでなる非ステロイド系抗炎症活性剤組成物の経粘膜投与、ならびに少なくとも1種の活性剤および少なくとも1種の追加の治療薬の経粘膜投与を包含する。
【0088】
経粘膜投与に好適な製剤としては、国際公開第2005/030167号パンフレット、国際公開第2005/032520号パンフレット、国際公開第2005/032518号パンフレット、国際公開第2005/032519号パンフレット、および国際公開第2005/032517号パンフレットに記載されているものが挙げられ、これらの各々は、全ての目的のために参照として、その全体が本明細書に組み込まれている。
【0089】
本発明の種々の実施形態の組成物の活性剤(1種または複数種)は、該組成物の約0.01重量%から約10重量%の範囲の濃度を有し得る。他の実施形態において、該活性剤濃度は、約0.05重量%、0.10重量%、0.5重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.5重量%、5.0重量%、5.5重量%、6.0重量%、6.5重量%、7.0重量%、7.5重量%、8.0重量%、8.5重量%、9.0重量%、および9.5重量%であり得、それらの間の全ての値および部分的範囲を含む。
【0090】
好適な非ステロイド系抗炎症剤の非限定的な例は、メロキシカム、カルプロフェン、テポキサリン、フィロコキシブ、デラコキシブ、エトドラク、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、セレコキシブ、およびロフェコキシブである。一実施形態において、非ステロイド系抗炎症剤は、メロキシカム、(4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(5−メチル−2−チアゾリル)−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボキサミド−1,1−ジオキシド)または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物もしくはエステルである。本発明による組成物に使用できるメロキシカムの種々の塩は、欧州特許第0002482B1号明細書、米国特許第4,233,299号明細書、およびPCT国際公開第99/49867号パンフレットに記載されており、それらの各々の開示は、全ての目的のために参照として、それらの全体が各々組み込まれている。
【0091】
本発明の駆虫薬は、動物における寄生虫の存在を治療的に、または予防的に処置することのできる任意の薬剤、例えば、アバメクチン、イベルメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、ミルベマイシンオキシムなどの大環状ラクトンが挙げられる。一実施形態において、該駆虫薬としては、限定はしないが、内部寄生虫用薬剤、外部寄生虫用薬剤、および体内外部寄生虫用薬剤が挙げられる。特定の一実施形態において、該駆虫薬は、アベルメクチン、ミルベマイシン、フェニルピラゾール、結節胞子酸(nodulisporic acid)、クロルスロン、クロサンテル、キナクリン、クロロキン、ビダラビン、ニテンピラム、イベルメクチン、ミルベマイシンオキシム、ルフェヌロン、サリメクチン、モキシデクチン、またはドリメクチンである。さらに特定の一実施形態において、該駆虫薬は、ニテンピラム、イベルメクチン、ミルベマイシンオキシム、ルフェヌロン、サリメクチン、モキシデクチン、ドリメクチン、もしくはパラヘルクアミド、または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物、またはエステル類である。
【0092】
好適な抗ヒスタミン剤の非限定的な例としては、クレマスチン、フマル酸クレマスチン(2(R)−〔2−〔1−(4−クロロフェニル)−1−フェニル−エトキシ〕エチル−1−メチルピロリジン)、デクスメデトミジン、ドキシルアミン、ロラチジン、デスロラチジンおよびプロメタジン、ならびにジフェンヒドラミン、または薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物またはエステル類が挙げられる。
【0093】
好適な心血管薬の非限定的な例としては、ジゴキシン、または(3β,5β,12β)−3−〔(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1,4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1,4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ〕12,14−ジヒドロキシ−カード−20(22)−エノリド、リシノプリル、カプトプリル、ラミプリル、トランドラプリル、ベナゼプリル、シラザプリル、エナラプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、およびエナラプリラートなどのACE阻害剤が、薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物またはエステル類を含めて挙げられる。ジゴキシンは、230℃超で溶解/分解し、水およびエーテルにほとんど溶けず、希釈(例えば、約50%)アルコールおよびクロロホルムにわずかに溶け、ピリジンに溶けやすい、白色結晶形態で存在し得る。
【0094】
好適なホルモン剤の非限定的な例としては、レボチロキシン塩、例えば、レボチロキシンナトリウム、エピネフリン、インスリン、および薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物またはエステル類が挙げられる。
【0095】
好適な鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤の非限定的な例としては、ゾルピデム、またはN,N−6−トリメチル−2−p−トリル−イミダゾ(1,2−a)ピリジン−3−アセトアミド、およびプロポフォールが挙げられる。ゾルピデムの好ましい塩は、酒石酸塩、より好ましくは、酒石酸水素塩(すなわち、例えば、ニューヨーク州、ニューヨークのサノフィ−シンセラボ(Sanofi−Synthelabo)から市販されているAmbien(登録商標)における活性成分として記載されており、本明細書において酒石酸ゾルピデムと総称されている)。また、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤として、クロミプラミンなどの選択的セロトニン再取り込み阻害剤、またはセレギリンなどのモノアミンオキシダーゼ阻害剤を挙げることができる。
【0096】
好適な制吐剤の非限定的な例としては、フェノチアジン(例えば、プロクロペラジン、プロメタジン、チエチルペラジン、ペルフェナジン、クロルプロマジン、メトピマジン、アセプロマジンなど);オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、ドラセトロン、ヒドロドラセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、レリセトロン、インジセトロンおよびパロノセトロンなどの5HT−3受容体アンタゴニスト;および他のもの、例えば、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン剤としても作用し得る)、シクリジン、メクリジン、プロメタジン、ヒロキシジン、メトクロプラミド、ドンペリドン、ヒヨスチン、臭化水素酸ヒヨスチン、塩酸ヒヨスチン、スコポラミン、クレボプリド、アリザプリド、イトプリド、ブロモプリド、ドロペリドール、ハロペリドール、ベンズキナミド、シュウ酸セリウム、ジフェニドール、ドロナビノール、ナビロン、ジンジャー、レボスルピリド、ブトルファノールおよびアプレピタントが挙げられる。
【0097】
好適な抗生物質の非限定的な例としては、ペニシリン、アミノペニシリン(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、ヘタシリンなど)、ペニシリナーゼ抵抗性抗生物質(例えば、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリンなど)、拡張スペクトル抗生物質(例えば、アクスロシリン、カルベニシリン、メズロシリン、ピペラシリン、チカルシリンなど)などのベータラクタム;セファロスポリン(例えば、セファドロキシル、セファゾリン、セファリキシン、セファロチン、セファピリン、セフラジン、セファクロル、セファクマンドール、セフメタゾール、セフォニシド、セフォラニド、セフォテタン、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、ロラカルベフ、セフィキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチオフル、セフチゾキシム、セフトリアクソン、モクサラクタムなど);アズトレオナムなどのモノバクタム;イミペネムおよびエロペネムなどのカルバペネム;キノロン(シプロフロキサシン、エンロフロキサシン、ジフロキサシン、オルビフロキサシン、マルボフロキサシンなど);クロラムフェニコール(例えば、クロラムフェニコール、チアムフェニコール、フロルフェニコールなど);テトラサイクリン(クロルテトラサイクリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンなど);マクロライド(例えば、エリスロマイシン、タイロシン、トリミコシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど);リンコサミド(例えば、リンコマイシン、クリンダマイシンなど);アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、アプラマイシン、トブラマイシン、ネオマイシン、ジヒドロストレプトマイシン、パロモマイシンなど);スルホンアミド(例えば、スルファドメトキシン、スルファメタジン、スルファキノキサリン、スルファメラジン、スルファチアゾール、スルファサラジン、スルファジアジン、スルファブロモメタジン、スルファエトキシピリダジンなど);グリコペプチド(例えば、バンコマイシン、テイコプラニン、ラモプラニン、およびデカプラニン);および他の抗生物質(例えば、リファンピン、ニトロフラン、バージニアマイシン、ポリミキシン、トブラマイシンなど)が挙げられる。
【0098】
栄養剤としては、限定はしないが、ビタミン剤およびミネラル剤などの微量栄養物質、米国食品医薬品局によって規制されているものなどの食事サプリメント、アミノ酸、香料植物、抗酸化剤、部族的薬剤、プレバイオティックス、プロバイオティックス、マクロバイオティックス、栄養サプリメントなど、ならびに、それらの組合せが挙げられる。栄養剤の例としては、限定はしないが、アストララグス(Astralagus)、ビルベリー(Bilberry)、ブラックコホシュ(Black cohosh)、エキナセア(Echinacea)、エルダーベリー(Elderberry)、イチョウ(Ginkgo)、イチョウ(Ginkgo Biloba)、チョウセンニンジン、オリーブ葉、パルメット(Palmetto)、ソーパルメット(Saw Palmetto)、ソーパルメットベリー(Saw Palmetto Berries)、アムラ(Amla)、チュチュサイ(Chuchusai)、ライオンズメイン(Lion’s Mane)、アガリクス(Agaricus)、ロイヤルアガリクス(Royal Agaricus)、シャタバリ(Shatavari)、アロエベラ(Aloe Vera)、チョウセンアザミ葉(Artichoke Leaves)、カラスムギ(Avena Sativa)(ワイルドオート)、ベーベリ(Bayberry)、ベーベリ樹皮(Bayberry Bark)、ベーベリ根(Bayberry Root)、ベーベリ根樹皮(Bayberry Bark of Root)、ビート根(Beet Root)、苦橙皮(Bitter Orange Herb)、ブラックコホシュ根(Black Cohosh Root)、ブラックウォルナッツ殻(Black Walnut Hull)、ブラダーラック(Bladderwrack)、アザミ(Thistle)、ブルーコホシュ(Blue Cohosh)、ゴボウ根(Burdock Root)、ブッチャーズブルーム(Butcher’s Broom)、カスカラサグラダ(Cascara Sagrada)、カシアノマーメ(Cassia Nomame)、キャッツクロー(Cat’s Claw)、キャッツクロー樹皮(Cat’s Claw Bark)、カツアバ樹皮(Catuaba Bark)、カイエン(Cayenne)、チックウィード(ChickWeed)、カモミレ(Chamomile)、コルジセプス(Cordyceps)、クランベリー抽出物(Cranberry extract)、タンポポ根(Dandelion Root)、デビルスクロー(Devil’s Claw)、ドンクワイ(Dong Quai)、エキナセア根(Echinacea Root)、エキナセアアングストフォリア根(Echinacea angustfolia Root)、エキナセアパープリアハーブ(Echinacea purpurea Herb)、エキナセアパープリア根(Echinacea purpurea Root)、エキナセアピリダ(Echinacea pillida)、エルダーベリー果粒(Elderberry Berries)、エルダーベリー花(Elderberry Flowers)、スウィートエルダー(Sweet Elder)、エリウセロ(Eleuthero)、アイブライト(Eyebright)、フィーバーフュー葉(Feverfew leaves)、Fo−Ti、イラクサ葉(Nettle Leaf)、ショウガ(Ginger)、ゴールデンシール(Goldenseal)、ゴーツーコーラ(Gotu Kola)、グレープフルーツ種子抽出物、ガラナ(Guarana)、ホーソン果粒(Hawthorn berries)、ホップ(Hops)、トクサ(Horsetail)、ヒソップ(Hyssop)、ジュニパーベリー(Juniper Berries)、ケルプ(Kelp)、ケルプヨード(Kelp Iodine)、レモンバームハーブ(Lemon Balm Herb)、甘草根(Licorice root)、マカ(Maca)、マカ根(Maca Root)、舞茸(Maitake Mushroom)、マシュマロ根、ミルクシスル(Milk Thistle)、ミルクシスル抽出物(Milk Thistle extract)、ムイラプアマ(Muira Puama)、ムイラプアマ根(Muira Puama Root)、ムレイン葉(Mullein Leaves)、ミルラ(Myrrh)、ミルラゴム(Myrrh Gum)、ニーム(Neem)、イラクサ根(Nettle Root)、イラクサ根抽出物(Nettle Root extract)、ノニ(Noni)、ノニ果実(Noni Fruit)、オレガノ油(Oregano oil)、ブドウ根(Grape Root)、アルファルファ(Alfalfa)、セントジョーンズウォート(St.John’s Wort)、吉草根(Valerian Root)、パセリ(Parsley)、トケイソウ(Passion Flower)、ポーダルコ(Pau D’Arco)、ポーダルコ内樹皮(Pau D’Arco inner bark)、オオバコ(Psyllium)、オオバコ殻(Psyllium husk)、オオバコ種子(Psyllium Seeds)、ステビア抽出物(Stevia extract)、レッドクローバー(Red Clover)、レッドクローバー花(Red Clover Blossoms)、レッドラズベリー葉(Red Raspberry Leaves)、レッドルート(Red Root)、霊芝(Reishi mushroom)、ローズヒップ(Rose hips)、ローズマリー抽出物(Rosemary extract)、サフラワー(Safflower)、サルサパリラ根(Sarsaparilla Root)、センナ葉(Senna leaves)、シイタケ(Shiitake mushroom)、タツナミソウ(Skullcap)、スリッパリーエルム樹皮(Slippery Elm Bark)、スピルリナ(Spirulina)、ステビアシロップ(Stevia syrup)、スマ(Suma)、ウバウルシ(Uva Ursi)、クマツヅラ(Vervain)、ビテックス(Vitex)、ホワイトオーク樹皮(White Oak Bark)、ホワイトウィロー樹皮(White Willow Bark)、ワイルドヤム根(Wild Yam Root)、シオガマギク(Wood Betony)、ヤロー(Yarrow)、イエロードック(Yellow Dock)、ヨヒンベ(Yohimbe)、ヨヒンベ樹皮(Yohimbe Bark)、ヨヒンベ樹皮抽出物(Yohimbe Bark extract)、ユカ(Yucca)、コエンザイムQ10、ウシ軟骨、サメ軟骨、ニンニク、リシン、ヤドリギ抽出物、オメガ−3脂肪酸、S−アデノシル−L−メチオニン、カワ(Kava)、カワカワ(Kawa kawa)、チャッパラル(Chapparal)、コンフリー(Comfrey)、マオウ(Ma Huang)、ジャーマンダー(Germander)、ロベリア(Lobelia)、ホオノキ(Magnolia)、ステファニア(Stephania)、ニガヨモギ(Wormwood)、トリプトファン(Tryptophan)、アンドログラフィス(Andrographis)、ザクロ抽出物(Pomegranate extract)、アルジュナ(Arjuna)、コリン、イノシトール、リコペン、パントテン(パンテチン)、パントテン酸、ビオフラボノイド、アセロラ、ケルセチン(Quercetin)、ルチン、ブロメライン、5−HTP、7−ケトDHEA、DHEA、リポ酸、アルゼンチンレバー濃縮物、ベータグルカン、D−マンノース、DMAE、ガンマオリザノール、グルコサミンコンドロイチン、ヒアルロン酸、ホーニーゴートウィード(Horny Goat Weed)、L−グルタミン、ブドウ種子、MSM、グルコサミンMSM、オイスターマッシュルーム(Oyster mushroom)、ポリコサノール(Policosanol)、ピコリン酸(ピコリネート)、ピルビン酸(ピルベート)、レッドイーストライス(Red Yeast Rice)、II型コラーゲン、I型コラーゲン、クレアチン、ナットウキナーゼ、ゼラチン加水分解物、キシリトール、カルニチン、アルファ−L−カルニチン、硫酸コンドロイチン、初乳、コレスタチン、ラクトフェリン、ガグル(Guggul)、ルテイン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、大豆抽出物(Soy extract)、ティートリー油(Tea Tree oil)、レシチン、スティンギングネットル(Stinging Nettle)、ユーカリ(Eucalyptus)、サンブカスカナデンシス(Sambucous canadensis)、カメリアシネンシス(Camellia sinensis)、カメリアテア(Camelliathea)、カメリアテイフェラ(Camellia theifera)、テアシネンシス(Thea sinensis)、テアボヘア(Thea bohea)、テアビリディス(Thea viridis)、ワイルドチェリー(Wild Cherry)、クルクミン、エンブリカオフィシナリス(Emblica officinalis)、エイコサペンタン酸、ドコサヘキサン酸、サクラソウ油(primrose oil)、セイヨウワサビ根(horseradish root)、L−グルタミン、抗壊血病ビタミン、セビタミン酸、膜性ミルクベッチ(membranous milk vetch)、ミルクベッチ(milk vetch)、モンゴリアンミルク(mongolian milk)、モリンガ(moringa)、酵母、ジペプチド、トリペプチドなど、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0099】
ビタミン剤の例としては、限定はしないが、ビタミンA(レチノール)、ベータカロテンなどのカロテン、カロテノイド、ビタミンB(チアミン)、ビタミンB(リボフラビン)、ビタミンB(ナイアシン)、ビオチン、ビタミンB(ピリドキシン)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、葉酸(フォレート)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンK、それらの代謝物、本出願時に知られているそれらの誘導体(例えば、メチルコバラミン、ナイアシンアミド、レチノイド、トコトリエノールなど)、それらの塩(例えば、アスコルビルパルミテート、トコフェロールスクシネートなど)、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0100】
ミネラル剤の例としては、決して限定はしないが、カルシウム、マグネシウム、鉄、セレニウム、亜鉛、クロム、銅、マンガン、コバルト、銀、バナジウム、スズ、ケイ素、ニッケル、ホウ素、モリブデン、ヨウ素、リン、チタン、ビスマス、アルミニウムなど、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0101】
本発明による活性剤ならびに本発明による組成物中に存在する任意の活性剤または治療薬は、それらの遊離塩基(すなわち、純粋または非結合)形態で、または薬学的に許容される塩の形態で存在できる。該活性剤の性質に依存して、好適な薬学的塩としては、限定はしないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩、(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))など、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。追加して、または代替として、該活性剤は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、TRIS塩、塩基性アミノ酸による塩など、またはそれらの組み合わせの形態で存在し得る。
【0102】
本発明はまた、限定する意図はないが、集合的に担体と称される1つまたは複数の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、または媒体と一緒に活性剤組成物を含む。該組成物および薬学的に許容される担体は、経粘膜用に、好ましくは、口腔粘膜に対して、より好ましくは、頬側粘膜に対して製剤化される。
【0103】
該組成物は、少なくとも1種の活性剤を含んでなり、経粘膜投与に、好ましくは口腔粘膜への、より好ましくは頬側粘膜への投与に好適であることが好ましい。本発明の例示的実施形態において、少なくとも1種の活性剤および任意にさらなる治療薬の経粘膜投与の新規方法が記載されており、その使用方法が教示されている。
【0104】
本発明の種々の実施形態の組成物はまた、可溶化剤、好ましくは、FDA不活性成分の手引き(全ての目的のために参照として、その全体が本明細書に組み込まれている)に記載された可溶化剤を含み得る。可溶化剤の例としては、限定はしないが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリソルベート80またはツイーン80などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、およびグリセリンなどのポリオールが挙げられる。
【0105】
本発明の種々の実施形態の組成物はまた、微生物の活性を阻害するか、または防ぐために、保存剤を含み得る。好適な保存剤の例としては、限定はしないが、プライト(Purite)(登録商標)、ベンジルアルコール、および安息香酸ナトリウムが挙げられる。エタノールが極性溶媒として十分な量で使用される場合、エタノールはまた、保存剤としても役立ち得る。
【0106】
一般に、該活性剤の吸収率は、投与様式(例えば、従来の経口摂取または飲み込ませる投与に比較した経粘膜)に依存して増加し得る。活性剤を含んでなる組成物を経粘膜投与するいくつかの開示された方法では、本発明の製薬組成物の粒子のサイズおよびサイズ範囲を制御するために努力が払われている。経粘膜投与に好適な活性剤製剤は、例えば、スプレーまたはミストを用いて口腔粘膜に投与されることが好ましい。
【0107】
従来の経口製剤または静脈内製剤に比較して、本発明の種々の実施形態の活性剤組成物の経粘膜投与の利点としては、限定はしないが、以下のことが挙げられる:(1)投与形態サイズがより小さい;(2)同一の薬理学的効果を得るために要する薬剤の投与量がより少ない;(3)生物学的利用能が高まる;(4)食物を与えられた状態でも空腹状態でも該組成物の薬理学的プロフィールは実質的に同様である;(5)薬理学的プロフィールが改善される;(6)投与する者(専門家または素人)にとって投与が容易である;(7)該組成物を、他の活性剤と関連させて使用できる;(8)患畜のストレスまたは不快感が減少する;(9)従来の経口摂取または飲み込ませる投与と比較して、送達用量の曝露がより多い;(10)意識喪失動物に対して投与できる;および(11)特に大型動物において、経口胃管栄養法または投薬銃と比較して、投与が容易である。
【0108】
好ましくも、本発明の活性剤組成物の経粘膜投与は、従来の先行活性剤製剤(例えば、従来の経口投与)に比較して、高い生物学的利用能を示し、必要とする用量がより少なく、投与後、最高血漿中濃度に到達するのにより短い時間を示す。例示的な一実施形態において、本発明の活性剤組成物の経粘膜投与によるより高い生物学的利用能によって、同一の治療的または予防的効果を達成するための剤形サイズをより小さくすることができる。反復的な治療または全群の、または全集団の治療を必要とする場合があり得る家畜などの動物集団にとって、これは特に重要である。本発明の他の例示的実施形態において、活性剤組成物の経粘膜投与は、該活性剤の用量を減少させることができ、このような活性剤に関連した毒性の危険性を減少をもたらす生物学的利用能の増強を与える。驚くべきことに、本発明において、活性剤組成物の経粘膜投与の方法により、従来の投与法よりも望ましくもより低用量の治療的および予防的濃度を可能にすることが見出されている。
【0109】
好ましくも、本発明はまた、動物に投与した際、望ましい薬物動態プロフィールを有する活性剤組成物の経粘膜投与法を提供する。該活性剤組成物の望ましい薬物動態プロフィールは、限定はしないが、好ましくも、以下のことを含む:(1)経粘膜投与後、動物の血漿中でアッセイした際、活性剤のTmaxが、好ましくも、同一用量で投与された同一の活性剤の従来の形態(例えば、錠剤)に関するTmax未満である;(2)経粘膜投与後、動物の血漿中でアッセイした際、活性剤のCmaxが、好ましくも、同一用量で投与された同一の活性剤の従来の形態(例えば、錠剤)に関するCmaxよりも大きい;および/または(3)経粘膜投与後、動物の血漿中でアッセイした際、活性剤のAUCが、好ましくも、同一用量で投与された同一の活性剤の従来の形態(例えば、錠剤)に関するAUCよりも大きい。
【0110】
本明細書に用いられる場合、望ましい薬物動態プロフィールは、ある用量の活性剤の最初の経粘膜投与後に測定された薬物動態プロフィールである。該組成物は、当業者に知られている方法を用いて、下記の様式で製剤化することができる。
【0111】
本発明の好ましい活性剤経粘膜組成物は、同一用量で投与された同一の活性剤の非経粘膜製剤による薬物動態比較試験において、同一の活性剤の非経粘膜製剤によって示されたTmaxの約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、または約10%以下のTmaxを示し得る。本発明の活性剤経粘膜組成物のTmax値の範囲は、同一用量で投与された同一の活性剤の非経粘膜製剤による薬物動態比較試験において、同一の活性剤の非経粘膜製剤によって示されたTmaxの10%〜90%であり得、それらの間の全ての部分的範囲を含む(例えば、10%〜80%、20%〜90%、50%〜70%など)。
【0112】
本発明の好ましい活性剤経粘膜組成物はまた、同一用量で投与された同一の活性剤の非経粘膜製剤による薬物動態比較試験において、同一の活性剤の非経粘膜製剤によって示されたCmaxの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、約500%、または約1000%のCmaxを示し得る。本発明の活性剤経粘膜組成物のCmax値の範囲は、同一用量で投与された同一の活性剤の非経粘膜製剤による薬物動態比較試験において、同一の活性剤の非経粘膜製剤によって示されたCmaxの10%〜90%であり得、それらの間の全ての部分的範囲を含む(例えば、10%〜80%、20%〜90%、50%〜70%など)。
【0113】
本発明の好ましい活性剤経粘膜組成物はまた、同一用量で投与された同一の活性剤の非経粘膜製剤による薬物動態比較試験において、同一の活性剤の非経粘膜製剤によって示されたAUCの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、約500%、または約1000%のAUCを示し得る。本発明の活性剤経粘膜組成物のAUC値の範囲は、同一用量で投与された同一の活性剤の非経粘膜製剤による薬物動態比較試験において、同一の活性剤の非経粘膜製剤によって示されたAUCの10%から約1000%であり得、それらの間の全ての部分的範囲を含む(例えば、20%から約1000%、50%から約500%、500%から約1000%など)。
【0114】
所望の薬物動態プロフィールを与える経粘膜組成物の任意の投与形態が、本発明による口腔粘膜への投与に好適である。このようなプロフィールを与える経粘膜製剤の典型的な投与形態は、活性剤組成物の液体分散剤、エアロゾル剤、ポンプスプレー剤、またはミスト剤である。本発明の経粘膜組成物は液体ミスト投与形態であることが好ましいが、動物の口腔粘膜への経粘膜投与のための任意の薬学的に許容される投与形態を利用することができる。
【0115】
本発明の活性剤組成物はまた、本明細書にさらに記載されているさらなる治療薬、例えば、1種または複数種の他の薬剤、透過増強剤、生体接着剤、風味剤、遮蔽剤などと組み合わせて経粘膜投与できる。
【0116】
本発明の非ステロイド系抗炎症剤組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されている痛み、炎症、および/または発熱を治療または予防する方法において有用である。本発明の抗ヒスタミン剤組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されているアレルギー性の反応または病態を治療または予防する方法において有用である。本発明の心血管用組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されている心拍の異常/不規則、脱力、息切れ、運動忍容性の減少、嗜眠、失神、低酸素症、肺浮腫、腹水症、高血圧、および/または意識喪失などを治療または予防する方法において有用である。本発明のホルモン組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されている特定のホルモン産生の減少または不在を治療または予防する方法において有用である。本発明の免疫抑制剤組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されている免疫反応の増強または過敏を治療または予防する方法において有用である。本発明の栄養剤組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されている特定の栄養剤の産生または食事による摂取の減少もしくは不在を治療または予防する方法において有用である。本発明の鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されている不眠、ストレス、分離不安、および/または活動過多などを治療または予防する方法において有用である。本発明の抗生物質組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されている細菌感染などを治療または予防する方法において有用である。本発明の制吐剤組成物の経粘膜投与は、本明細書でさらに記載されている吐気および嘔吐などを治療または予防する方法において有用である。
【0117】
D.治療的/予防的投与および組成物
本発明の組成物の経粘膜投与からもたらされる生物学的利用能の増大の可能性および低用量の可能性または他の利点により、該組成物は獣医学の薬剤において有利に有用である。本明細書に記載されているとおり、本発明の組成物の経粘膜投与方法は、本明細書に記載されている種々の病態、疾患、または障害の治療または予防に有用である。
【0118】
本発明の1種または複数種の活性剤を含んでなる該組成物は、経粘膜、好ましくは、口腔粘膜、より好ましくは、頬側粘膜または歯肉粘膜に投与される。本発明の組成物は、任意の都合の良い経路により、例えば、上皮または粘膜皮膚の裏層(例えば、口腔粘膜または頬側粘膜)を介した吸収によって投与でき、さらなる薬剤と一緒に投与できる。本発明の活性剤を投与するための種々の送達系が知られている。投与方法としては、限定はしないが、例えば、ポンプスプレーまたはエアロゾルスプレーを用いた、特に、口腔粘膜、好ましくは、頬側粘膜への経粘膜投与が挙げられる。好ましい投与様式は担当医の裁量に委ねることができ、部分的には、対象となっている特定のタイプの医学的病態に依存し得る。多くの場合、投与は、血流中への本発明の活性剤の放出をもたらす。
【0119】
本発明の活性剤を含んでなる組成物の経粘膜投与の方法は、所望の治療的または予防的活性に関して、インビトロおよび/またはインビボでアッセイできる。例えば、本発明の特定の薬剤の投与が好ましいか、または本発明の活性剤の組み合わせが好ましいかどうかを判定するために、インビトロアッセイを用いることができる。本発明の活性剤はまた、実験動物モデル系を用いて、有効および安全であることを実証することもできる。このようなインビトロおよびインビボアッセイは当業界に知られている。
【0120】
該組成物は、動物への経粘膜投与用の形態を提供するために、好適な量の薬学的に許容される媒体と一緒に、本発明の治療的または予防的に有効な量の活性剤、任意に本発明の2種以上の活性剤(またはそれらの塩、溶媒和物または誘導体)を、好ましくは、純粋形態で含有する。
【0121】
本発明の方法に使用される組成物は、溶液、懸濁液、乳液、エアロゾル、ドライパウダーまたは微粒子、スプレー、ミスト、カプセルの形態、または動物の口腔粘膜、好ましくは、頬側粘膜への薬剤の経粘膜投与における使用に好適な他の任意の形態をとることができる。一実施形態において、薬学的に許容される媒体は、経粘膜経口スプレーである(例えば、参照として本明細書に組み込まれている米国特許第6,676,931号明細書を参照)。好適な製薬媒体の他の例は、やはり参照として本明細書に組み込まれている、E.W.マーチン(E.W.Martin)による「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。
【0122】
例示的な一実施形態において、本発明の活性剤は、動物の口腔粘膜への経粘膜投与に適合させた製薬組成物として、所定の方法に従って製剤化される。典型的には、経粘膜投与用の本発明の組成物は、滅菌等張性水性アルコール緩衝液の溶液である。任意に、該組成物は風味剤を含んでもよい。一般に、該成分は、別個に、または、例えば、活性剤の量を示すエアロゾルスプレーまたはポンプスプレーとして、単位用量形態で一緒に混合して供給される。任意の風味剤としては、薬学的に快い製剤を提供するために、例えば、天然または合成の動物の風味剤または風味増強剤、動物に対する該組成物の嗜好性風味または香りを改善する薬剤、および保存剤が挙げられる。例えば、使用できる着香料としては、限定はしないが、レバー、鶏肉、牛肉、またはベーコンの着香料が挙げられる。いくつかの例において、本発明の組成物は:イヌに対してはレバー、牛肉、鶏肉、チーズ、または蜂蜜;ネコに対しては、魚類、マグロ、イワシまたはタラの肝油;ウマに対してはアップル、アップル/キャラメル、クローバーまたは蜂蜜、ウシに対してはエッグノッグ、アニス、アルファルファまたはカエデ、爬虫類に対しては、レモンカスタードまたはバナナクリーム;フェレットに対しては、チョコレートまたはピーナッツ;ウサギに対しては、ニンジン、セロリまたはレタス;および鳥類に対しては、砂糖づけ果物、ピナコラーダまたはタンジェリン、などの種に特異的な薬剤を含むように製剤化できる。
【0123】
本発明の多様な実施形態の組成物はまた、該組成物の嗜好性風味を改善するために、甘味料を含むことができる。好適な甘味料の例としては、限定はしないが、スクラロース(sucralose)(Splenda(登録商標)として市販されている)、スクロース、ネオテーム(neotame)、およびアセスルファメートK(acesulfamate K)が挙げられる。
【0124】
本明細書に開示された特定の障害、疾患、または病態の治療に有効となる本発明の活性剤の量は、その障害、疾患、または病態の性質にしばしば依存する可能性があり、標準的な臨床的方法によって決定することができる。また、最適な用量範囲の確認を助けるために、インビトロまたはインビボのアッセイを必要に応じて使用できる。該組成物において使用される正確な用量はまた、投与経路および疾患、障害、または病態の重症度、および治療される動物にも依存する可能性があり、担当医の判断および各動物の具体的な状況に従って決定すべきである。
【0125】
本明細書に記載されている用量は、投与される総量を言い、すなわち、本発明の2種以上の薬剤が投与される場合は、好ましい用量は、投与される各薬剤の総量に相当する。経口組成物は、典型的には、約10重量%から約95重量%の活性剤を含有する。
【0126】
i.エアロゾルスプレー
例示的な一実施形態において、本発明は、エアロゾルスプレーを用いる口腔粘膜への本発明の組成物の経粘膜投与を包含する。該エアロゾルスプレーは、懸濁液、乳液、または溶液の形態における1種または複数種の活性剤を含み、該活性剤の経粘膜送達のために使用できる。特定のある適用は、微粒子形態における活性剤の経粘膜投与用の薬学的懸濁液を含む。
【0127】
特定の一実施形態は、口腔粘膜に投与される、容器内に保持された薬剤の懸濁液の個々の用量を測定するための一定の容量の計測バルブを有する加圧容器からなる定量エアロゾルスプレーを包含する。例えば、獣医学的使用に好都合なように、エアロゾルスプレーは、各動物の種類、例えば、イヌ、ネコ、またはウマに対して、治療的または予防的有効量の活性剤の正確な適用を可能にする定量を含有できる。さらに、個々の動物の具体的なサイズに対して、用量を計測できる。例えば、大型(約50ポンド超)または小型(約25ポンド未満)犬のために定量が調製される。正確な用量の活性剤の経粘膜投与を確実にするためには、該懸濁液が一定に、均一に分散されており、容器の寿命を通じて、バルブ性能の再現性があり、有効であることが不可欠である。該懸濁液は、通常、使用時に噴射剤として働く液化ガス中に分散された活性剤粒子を含んでなる。計測バルブのバルブステムを押し下げると、懸濁している微粒子活性剤をエアロゾル化するために、定量の噴射剤画分が速やかに気化し、次いで口腔粘膜に投与される。
【0128】
経粘膜口腔ミストを投与するために、動物の(例えば、イヌの、ネコの、またはウマの)唇の交連を掴んで歯肉から引き離し、頬側空間を開ける。該ミストは、典型的には、尾方向にして、歯肉および/または頬側の粘膜面に向ける。ミスト頭部を十分に押し下げ、口からミストが漏れていないことを確認する。用量が約300マイクロリットルを超えて500マイクロリットルまでの場合は、その用量を口腔の両側で分割してもよい。
【0129】
伝統的に、CFC−11、CFC−12、およびCFC−114などのクロロフルオロカーボンが、定量吸入器における噴射剤として用いられてきた。経粘膜投与に意図された微粒子薬剤は、約0.05μmから約11μmの空気力学的中位径の粒子サイズを有し得る。約0.05μmと約11μmとの間の粒子は、高表面エネルギーを有し得、したがって、初めは噴射剤中に分散させるのが困難であり、いったん分散すると、望ましくない凝集が急速に生じる傾向を示し得、結果的に、該粒子の非可逆的凝集に至り得る。噴射剤としてCFCを使用する場合、薬剤粒子を被覆して、立体的妨害により凝集を防ぐためのCFCに可溶性の界面活性剤の添加によって、この問題は克服された。界面活性剤の存在はまた、バルブ性能を助けるとも考えられる。実際、薬剤粒子は、例えば、レシチン、オレイン酸、またはソルビタントリオレエートなどの噴射剤可溶性の界面活性剤を含んだ液体噴射剤中に均一化される。次いで、得られたバルク懸濁液を個々の定量吸入器に分散させ、高蒸気圧噴射剤を加える。
【0130】
先に使用されたCFC噴射剤の物理的性質といくらか類似した物理的性質を共有し、定量吸入器における使用が提案されていた代替噴射剤は、ハイドロフルオロアルカン類、特にHFA−134aおよびHFA−227である。該噴射剤は典型的に、非フレオン材料、好ましくは、線状または分枝状(C〜C)炭化水素である。該噴射剤は、実質的に非水性であるべきで、予想される通常の使用下で、バルブを作動させた際に、容器から溶媒を放出させる上で十分な圧力が生じるが、容器またはバルブ封止装置を損なうような過剰な圧力は生じないように、エアロゾル容器内に圧力を生じさせることができる。
【0131】
特定の一実施形態において、薬学的に許容される非極性溶媒に可溶性の生理学的活性剤の経粘膜投与のための本発明のエアロゾルスプレー組成物は、全組成物の重量%で:約5%から約80%の薬学的に許容される噴射剤、約19%から約85%の非極性溶媒、約0.05%から約50%の活性剤を含んでなり、好適にはさらに、全組成物の重量で、約0.01%から約10%(存在する場合)の任意の風味剤または香り増強剤を含んでなる。一実施形態において、該組成物は:(a)約10%から約70%の噴射剤、約25%から約89.9%の非極性溶媒、約0.01%から約40%の活性剤、および約0.01%から約8%(存在する場合)の任意の風味剤または香り増強剤(1種または複数種);または(b)約20%から約70%の噴射剤、約25%から約74.75%の非極性溶媒、約0.25%から約35%の活性剤、および約0.02%から約7.5%(存在する場合)の任意の風味剤または香り増強剤(1種または複数種)を含んでなる。
【0132】
本発明の他の特定の実施形態は、薬学的に許容される極性溶媒に可溶性の生理学的活性剤の経粘膜投与のための極性エアロゾルスプレー組成物を含んでなり、これもまた、噴射剤によって推進されるエアロゾル形態で投与される。この場合、該組成物は、全組成物の重量%で:約10%から約99%の水性極性溶媒、約0.1%から約25%の活性剤を含んでなり、好適にはさらに、全組成物の重量で、約0.01%から約10%(存在する場合)の任意の風味剤または香り増強剤(1種または複数種)および約2%から約10%の噴射剤を含んでなる。
【0133】
他の実施形態において、該組成物は:(1)約20%から約99%の水性極性溶媒、約0.01%から約15%の活性剤、約0.1%から約5%(存在する場合)の任意の風味剤または香り増強剤(1種または複数種)、および約2%から約5%の噴射剤;または(2)約25%から約99%の水性極性溶媒、約0.2%から約25%の活性剤、約0.02%から約2.5%(存在する場合)の任意の風味剤または香り増強剤(1種または複数種)、および約2%から約4%の噴射剤を含んでなる(全組成物の重量%で)。
【0134】
本発明の他の特定の実施形態は、非極性または極性のエアロゾルスプレー製剤の組成物を含有する密封エアロゾルスプレー容器、および前記容器から予め決められた量の前記組成物を放出するのに好適な計測バルブを包含する。
【0135】
該非極性または極性の溶媒は、活性剤を溶解し、噴射剤に混和性でなければならない(すなわち、約0℃から約40℃の間の温度、および約1atmから約3atmの間の圧力範囲で、溶媒と噴射剤は単相を形成しなくてはならない)。
【0136】
本発明の非極性または極性エアロゾルスプレー組成物は、密封加圧容器から投与されることが意図されている。各駆動後に、容器への空気の流入を許すポンプスプレーとは違って、本発明のエアロゾル容器は製造時に密封される。該容器の内容物は、各駆動により大気ガスを流入させない計測バルブの駆動によって放出される。このような容器は市販されている。
【0137】
ii ポンプスプレー
本発明の他の実施形態は、ポンプスプレー製剤の経粘膜投与のための組成物を含有するポンプスプレー容器、および前記容器から予め決められた量の前記組成物を放出するのに好適な計測バルブを包含する。
【0138】
特定の一実施形態において、薬学的に許容される非極性溶媒に可溶性である活性剤の経粘膜投与のための本発明のポンプスプレー組成物(すなわち、噴射剤の無い組成物)は、全組成物の重量%で;約30%から約99.69%の水性非極性溶媒、約0.005%から約55%の活性剤、好適にはさらに、約0.1%から約10%(存在する場合)の任意の風味剤(1種または複数種)を含んでなる。
【0139】
他の特定の実施形態は、薬学的に許容される極性溶媒に可溶性である生理学的活性剤の経粘膜投与のための本発明のポンプスプレー組成物(すなわち、噴射剤の無い組成物)が、全組成物の重量%で;約30から約99.69%の水性非極性溶媒、約0.001%から約60%の活性剤、好適にはさらに、約0.1%から約10%(存在する場合)の任意の風味剤(1種または複数種)を含んでなる。好ましくは、該組成物は:(a)約37%から約98.8%の水性極性溶媒、約0.005%から約55%の活性剤、および約0.5%から約8%(存在する場合)の任意の風味剤;または(b)約60.9%から約98.8%の水性極性溶媒、約0.01%から約40%の活性剤、および約0.75%から約7.5%(存在する場合)の任意の風味剤、を含んでなる。
【0140】
他の実施形態において、該組成物は:(a)約70%から約99%の水性極性溶媒、および約0.01%から約1.0%の活性剤;または(b)約80%から約99%の水性極性溶媒、および約0.1%から約0.5%の活性剤、を含んでなる。さらに他の実施形態において、該組成物の極性溶媒は、7.5%から20%のエタノール、好ましくは、7.5%から15%のエタノール水溶液を含んでなる。
【0141】
iii.用量および組成物
本明細書に記載された投与量とは、投与される総量を言う。すなわち、本発明の2種以上の薬剤が投与される場合、好ましい投与量は、投与される各薬剤の総量に相当する。経口用組成物は、典型的には、約10重量%から約95重量%の活性成分を含有する。
【0142】
抗炎症薬
本発明の一実施形態は、本発明の非ステロイド系抗炎症薬を含んでなる治療的または予防的有効量の組成物を、それを必要とする動物の口腔粘膜に経粘膜投与することによる治療方法または予防方法を包含する。好ましい非ステロイド系抗炎症薬は、メロキシカムまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物またはエステル類である。
【0143】
口腔粘膜への経粘膜投与に好適な投与量の範囲は、通常、本発明の非ステロイド系抗炎症薬が体重1キログラム当り約0.001ミリグラムから約200ミリグラムである。本発明の特定の好ましい実施形態において、非ステロイド系抗炎症薬の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約100ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約50ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.03ミリグラムから約20ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約5ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明の非ステロイド系抗炎症薬の経口用量は、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムである。
【0144】
本発明による組成物は、関節炎の治療ため、急性炎症の治療のため、術後の状況において、疝痛の治療において、または鎮痛が望まれる任意の状況下で動物に利用できる。さらにまた、ヒトにおける公知の選択的COX−2阻害剤(例えば、メロキシカム)でもある、本発明による非ステロイド系抗炎症薬組成物は、選択的COX−2阻害剤が、望ましく、および/または治療的に有効であると考えられる疾患、病態、または障害を治療するために使用できる。
【0145】
抗ヒスタミン剤
口腔粘膜への経粘膜投与に好適な投与量の範囲は、通常、本発明の抗ヒスタミン剤が体重1キログラム当り約0.001ミリグラムから約200ミリグラムである。本発明の特定の好ましい実施形態において、抗ヒスタミン剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.001ミリグラムから約70ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約50ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.5ミリグラムから約20ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約1ミリグラムから約10ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明の抗ヒスタミン剤の経口用量は、体重1キログラム当り約5ミリグラムである。
【0146】
本発明の特定の好ましい実施形態において、抗ヒスタミン剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約70ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約50ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.5ミリグラムから約20ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約1ミリグラムから約10ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明の抗ヒスタミン剤の経口用量は、体重1キログラム当り約5ミリグラムである。
【0147】
心血管薬
口腔粘膜への経粘膜投与に好適な投与量範囲は、通常、本発明の心血管薬、例えば、強心配糖体が体重1キログラム当り約0.001ミリグラムから約200ミリグラムである。本発明の特定の好ましい実施形態において、心血管薬の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約175ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約150ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.02ミリグラムから約100ミリグラム、例えば、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約50ミリグラムである。好ましい実施形態において、本発明の心血管薬の経口用量は、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約25ミリグラムである。
【0148】
本発明の特定の好ましい実施形態において、心血管薬の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約175ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約150ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.02ミリグラムから約100ミリグラム、例えば、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約50ミリグラムである。好ましい実施形態において、本発明の心血管薬の経口用量は、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約25ミリグラムである。
【0149】
ホルモン剤
口腔粘膜への経粘膜投与に好適な投与量範囲は、通常、本発明のホルモン剤が体重1キログラム当り約0.001ミリグラムから約200ミリグラムである。本発明の特定の好ましい実施形態において、ホルモン剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.002ミリグラムから約100ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.003ミリグラムから約50ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.004ミリグラムから約20ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約5ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明のホルモン剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約0.5ミリグラムである。
【0150】
本発明の特定の好ましい実施形態において、ホルモン剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.002ミリグラムから約100ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.003ミリグラムから約50ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.004ミリグラムから約20ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約5ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明のホルモン剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約0.5ミリグラムである。
【0151】
免疫抑制剤
口腔粘膜への経粘膜投与に好適な投与量範囲は、通常、本発明の免疫抑制剤が体重1キログラム当り約0.001ミリグラムから約200ミリグラムである。本発明の特定の好ましい実施形態において、免疫抑制剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約100ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約50ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.03ミリグラムから約20ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約5ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明の免疫抑制剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約1ミリグラムである。
【0152】
本発明の特定の好ましい実施形態において、免疫抑制剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約100ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約50ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.03ミリグラムから約20ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約5ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明の免疫抑制剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約1ミリグラムである。
【0153】
栄養剤、ビタミン剤、および/またはミネラル剤
口腔粘膜への経粘膜投与に好適な投与量の範囲は、通常、本発明の栄養剤が体重1キログラム当り約0.001ミリグラムから約200ミリグラムである。本発明の特定の好ましい実施形態において、栄養剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約150ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約125ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.02ミリグラムから約100ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約75ミリグラムである。幾つかの実施形態において、本発明の栄養剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約50ミリグラムである。
【0154】
本発明の特定の好ましい実施形態において、栄養剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約150ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約125ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.02ミリグラムから約100ミリグラム、さらにより好ましくは、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約75ミリグラムである。幾つかの実施形態において、本発明の栄養剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約50ミリグラムである。
【0155】
鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤
口腔粘膜への経粘膜投与に好適な投与量範囲は一般に、本発明の睡眠補助剤が体重1キログラム当り約0.001ミリグラムから約200ミリグラムである。本発明の特定の好ましい実施形態において、睡眠補助剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約150ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約100ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約50ミリグラム、例えば、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約25ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明の睡眠補助剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.2ミリグラムから約10ミリグラムである。
【0156】
本発明の特定の好ましい実施形態において、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.005ミリグラムから約150ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約100ミリグラム、より好ましくは、体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約50ミリグラム、例えば、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約25ミリグラムである。最も好ましい実施形態において、本発明の鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤の経口用量は、体重1キログラム当り約0.2ミリグラムから約10ミリグラムである。
【0157】
駆虫薬
本発明の駆虫薬は、動物における外部寄生虫または内部寄生虫の存在を、治療的または予防的に治療できる任意の薬剤を含む。好ましい駆虫薬としては、限定はしないが、内部殺寄生虫剤、外部殺寄生虫剤、および体内外殺寄生虫剤が挙げられる。特定の実施形態において、駆虫薬は、アベルメクチン、ミルベマイシン、フェニルピラゾール、ノデュリスポリン酸、クロルスロン、クロサンテル、パラヘルクアミド、キナクリン、クロロキン、ビダラビン、ニテンピラム、イベルメクチン、ミルベマイシンオキシム、ルフェヌロン、サリメクチン、モキシデクチン、またはドリメクチンである。さらに特定の実施形態において、駆虫薬は、ニテンピラム、イベルメクチン、ミルベマイシンオキシム、ルフェヌロン、サリメクチン、モキシデクチン、またはドリメクチンである。
【0158】
駆虫薬は、全組成物の約0.001重量パーセントから約80重量パーセントの量で存在する。別の例示的な実施形態において、薬学的に許容される担体は、全組成物の約20重量パーセントから約99.999重量パーセントの量で存在する。別の例示的な実施形態において、該組成物は、全組成物の約0.1重量パーセントから約10重量パーセントの量で風味剤を含んでなる。別の例示的な実施形態において、薬学的に許容される担体は、全組成物の約30重量パーセントから約95重量パーセントの量で存在し、駆虫薬は、全組成物の約0.005重量パーセントから約55重量パーセントの量で存在し、風味剤は、全組成物の約0.5重量パーセントから約8重量パーセントの量で存在する。
【0159】
特定の実施形態において、本発明は、全組成物の約0.1重量パーセントから約25重量パーセントの量の駆虫薬;全組成物の約10重量パーセントから約重量97パーセントの量の極性または非極性溶媒;全組成物の約0.05重量パーセントから約重量10パーセントの量の風味剤を含んでなる経粘膜投与のための組成物を包含する。
【0160】
経粘膜口腔ミストは、内部寄生虫(体内寄生虫)、外部寄生虫(体外寄生虫)および幾つかの場合、体内および体外両方の寄生虫(体内外寄生虫)に対する活性を有する。外部寄生虫(体外寄生虫)駆除の場合、製剤化された経粘膜ミストは、ペットの成体ノミを駆除し、昆虫の発育を阻止することによってノミのライフサイクルを破壊する。具体的には、ルフェヌロンは、ノミの卵の発育を阻止し、ニテンピラムは、成体ノミを死滅させる。経粘膜送達は、錠剤よりも作用の迅速な開始を可能にし、外部殺寄生虫剤および体内外殺寄生虫剤に関してより迅速なノミの死滅をもたらす。内部寄生虫(体内)駆除の場合、製剤化された経粘膜ミストは、種々の寄生虫を駆除する。ミルベマイシンオキシムの場合、経粘膜経口ミストは、イヌ糸状虫により引き起こされる犬糸状虫疾患を制御し、成体鈎虫(イヌ鈎虫)の駆除、イヌおよびネコにおける成体回虫(トキサカラカニス(toxacara canis)、イヌ小回虫、および鞭虫(イヌ鞭虫))の除去と駆除、具体的には、犬糸状虫疾患(イヌ糸状虫)の制御、成体回虫(トキサカラカチ(toxacara cati))および成体鈎虫(鈎虫属ツバエフォーム)(tubaeforme))を駆除する。イヌにおける経粘膜経口ミストにより送達されるキャップスターは、成体ノミを駆除する。経粘膜経口ミストにより投与されるルフェヌロンは、ノミの卵および幼生の発育を阻止する。イヌにおける経粘膜経口ミストにより送達されるセラメクチンは、成体ノミ(イヌノミ属)、犬糸状虫疾患(イヌ糸状虫)を死滅させ、ミミダニ外寄生(ミミヒゼンダニ属シアノティス(cyanotis))および他の重要な外部寄生虫を処理し、駆除する。イヌにおける経粘膜経口ミストにより投与されるイベルメクチンおよびモキシデクチンは、犬糸状虫疾患および体内寄生虫を駆除する。ウマ、ウシおよびヒツジ対象に対して経粘膜経口ミストにより投与されるイベルメクチン、モキシデクチン、ドラメクチンおよびアバメクチンなどのアベルメクチン類は、動物の健康および行動に影響を及ぼす体内および体外両方の経済的に重要な寄生虫を駆除する。
【0161】
例示的な一実施形態において、薬学的に許容される非極性溶媒に可溶性の駆虫薬化合物の経粘膜投与のために、本発明の組成物は、全組成物の重量%で、薬学的に許容される噴射剤が約5〜80%、非極性溶媒が約19〜85%、駆虫薬化合物が約0.05〜50%を含むことができ、さらに好適には、全組成物の重量%で約0.01〜10%の風味剤を任意に含む。該組成物は、全組成物の重量%で:噴射剤が約10〜70%、非極性溶媒が約25〜89.9%、活性化合物が約0.01〜40%、風味剤が約1〜8%;最も好適には、噴射剤が約20〜70%、非極性溶媒が約25〜74.75%、活性化合物が約0.25〜35%、風味剤が約2〜7.5%を含むことが好ましい。
【0162】
薬学的に許容される極性溶媒に可溶性の駆虫薬化合物の経粘膜投与のために、本発明の種々の実施形態の組成物は、噴射剤により駆動されるエアロゾル剤の形態でも投与できる。この場合、該組成物は、全組成物の重量%で:水性極性溶媒が約10〜97%、活性化合物が約0.1〜25%を含み、さらに好適には、全組成物の重量%で約0.05〜10%の風味剤および噴射剤が:約2〜10%を含む。該組成物は全組成物の重量%で:極性溶媒が約20〜97%、活性化合物が約0.1〜15%、風味剤が約0.1〜5%および噴射剤が約2〜5%;最も好適には、極性溶媒が約25〜97%、活性化合物が約0.2〜25%、風味剤が約0.1〜2.5%および噴射剤が約2〜4%を含むことが好ましい。
【0163】
本発明の種々の実施形態の組成物は、駆虫薬化合物の経粘膜投与のために噴射剤無しのポンプを用いて投与でき、前記活性化合物が薬学的に許容される非極性溶媒に可溶性であり、該組成物は、全組成物の重量%で:非極性溶媒が約30〜99.99%、活性化合物が約0.005〜55%、さらに好適には、風味剤が約0.1〜10%を含む。
【0164】
本発明の種々の実施形態の経粘膜用組成物は、ポンプによっても投与できる(例えば、噴射剤無しの組成物)。薬学的に許容される極性溶媒に可溶性の薬理学的駆虫薬化合物の経粘膜投与のために、全組成物の重量%で:水性極性溶媒が約30〜99.69%、活性化合物が約0.001〜60%を含み、さらに好適には、全組成物の重量%で約0.1〜10%の風味剤を含む。該組成物は全組成物の重量%で:極性溶媒が約37〜98.58%、活性化合物が約0.005〜55%、風味剤が約0.5〜8%;最も好適には、極性溶媒が約60.9〜97.06%、活性化合物が約0.01〜40%、風味剤が約0.75〜7.5%を含むことが好ましい。
【0165】
一実施形態において、経粘膜用組成物の投与は、動物への単回適用を提供できる。すなわち、意図した用量は、例えば、動物の口腔粘膜への、活性剤の意図した容量および濃度を含んでなる単回スプレーをすることにより適用され、それによって動物の治療に好適な活性剤の適切量を提供する。別の実施形態において、より高用量の活性剤を必要とする大型動物は、反復適用により治療できる(すなわち、複数回スプレーの各々が、規定された活性剤の濃度を有する組成物の規定されたスプレー容量を有する)。動物の口腔粘膜への反復適用は、短時間内で実施でき(すなわち、追加の各スプレーは、先行するスプレーの直後に実施される)、または各適用は、動物への活性剤の意図した放出プロフィールに依って、先行するスプレーから時間を(すなわち、数分または数時間)あけることができる。
【0166】
E.併用療法
本発明の一定の実施形態において、本発明の活性剤は、少なくとも1種の追加の治療薬との併用療法に使用できる。本発明の活性剤および追加の治療薬は、相加的またはより好ましくは、相乗的に作用し得る。好ましい実施形態において、本発明の活性剤を含んでなる組成物は、本発明の活性剤と同じ組成物の一部または異なる組成物の一部であり得る別の治療剤の投与と同時に投与される。別の実施形態において、本発明の活性剤を含んでなる組成物は、さらなる治療剤の添加前または添加後に投与される。さらに、追加の治療剤は本発明の活性剤であることもできる。したがって、本発明による併用療法は、2種以上(例えば、2種、3種、4種またはそれ以上)の活性剤の組合せを含むことができる。例えば、該併用療法は、2種以上の抗ヒスタミン剤、および抗ヒスタミン剤と制吐剤、などを含むことができる。
【0167】
別の実施形態において、本発明の組成物は、本発明の活性剤と第二の治療薬との投与を包含する。第二の治療薬の非限定例としては、鎮痙剤、抗痙攣性剤、骨再吸収阻害剤、平滑筋収縮剤、カルシウム吸収増強剤、筋弛緩剤、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0168】
別の実施形態において、第二の治療薬は、尿失禁を治療するための薬剤である。経粘膜投与による尿失禁の治療に好適な薬剤としては、限定はしないが、ダリフェナシン、バミカミド、デトロール、ジトロパン、イミプラミン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0169】
別の実施形態において、第二の治療薬は、止瀉薬である。経粘膜投与に好適な止瀉薬としては、限定はしないが、オンダンセトロン、パルノセトロン、トロピセトロン、アッタプルガイト、アトロピン、ビスマス、ジフェノキシレート、ロペラミド、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0170】
別の実施形態において、第二の治療薬は、吐き気および/または嘔吐を処置するための薬剤である。経粘膜投与による吐き気および/または嘔吐の処置に好適な薬剤としては、限定はしないが、アロセトロン、ドラセトロン、グラニセトロン、メクリジン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、パルノセトロン、プロクロペラジン、プロメタジン、トリメトベンザミオード、トロピセトロン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0171】
別の実施形態において、第二の治療薬は、オピオイドである。経粘膜投与に好適なオピオイド類としては、限定はしないが、アルフェンタニル、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルフィン、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルフォン、プロポキシフェン、ペンタゾシン、スフェンタニル、トラマドール、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0172】
別の実施形態において、第二の治療薬は、抗菌剤である。経粘膜投与に好適な抗菌剤としては、限定はしないが、アミノグリコシド、アゾール、セファロスポリン、クロルヘキシジン、GAR−936、メトロニダゾール、パズフロアキサシン、ペネム、ペニシリン、リファペンテン、スルファベンズアミド、スルファセタミド、スルファチアゾール、テイコールプラニン、テリトロマイシン、エンロフロキサシン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0173】
別の実施形態において、第二の治療薬は、真菌感染を治療するための薬剤である。経粘膜投与による真菌感染の治療に好適な薬剤としては、限定はしないが、ボリコナゾール、グリセオフルビン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0174】
別の実施形態において、第二の治療薬は、鎮静剤である。経粘膜投与に好適な鎮静剤としては、限定はしないが、デキスメデトミジン、エスゾピクロン、インジプロン、ゾルピデム、およびザレプロンが挙げられる。
【0175】
別の実施形態において、活性剤は、ステロイドと併用して投与される抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、制吐剤、抗生物質、または駆虫薬である。このような組合せの非限定例としては:プレドニゾンなどのステロイドと併用して投与されるクレマスチンまたはジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン剤;プレドニゾンなどのステロイドと併用するシクロスポリンなどの免疫抑制剤;プレドニゾンなどのステロイドと併用するオンダンセトロンなどの制吐剤;プレドニゾンなどのステロイドと併用するエンロフロキサシンなどの抗生物質;およびプレドニゾンなどのステロイドと併用するニテンピラム、イベルメクチンまたはミルベマイシンなどの駆虫薬が挙げられる。プレドニゾン以外のステロイド類もまた考慮されている。さらに、用語の「組合せ」は、単一の剤形中に、活性剤または薬剤と第二の治療薬(例えば、ステロイド)との物理的組合せ、ならびに別々の剤形中に、活性剤または薬剤と第二の治療薬との投与(例えば、TMOM(商標)を介する活性剤の投与、次いでまたは先行して任意の剤形での第二の治療薬の投与)を含むことができる。あるいは、活性剤または薬剤および第二の治療剤は、殆ど同時に投与できる。
【0176】
i.生体接着剤
幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、活性剤に加えて任意に生体接着剤を含むことができる。本発明の種々の実施形態の生体接着剤は、活性剤の生体基質、好ましくは、口腔粘膜、より好ましくは、頬側への接着を可能にして、非ステロイド系抗炎症薬と送達部位との継続的な接触を維持する。該基質が粘膜組織である場合、この過程は、粘膜接着と称されている(例えば、全ての目的のために参照としてその全体が組み込まれている、チャング(Chang)ら、J.Pharm.Sci.(1985)74、4、399−405頁を参照)。
【0177】
一実施形態において、本発明の生体接着剤は、下記に、より詳細に記載されている少なくとも1種の表面安定化剤(例えば、カチオン性表面安定化剤)を含んでなる。本発明の種々の実施形態の生体接着剤は、口腔粘膜または頬側粘膜などの生体表面に対して経粘膜用組成物の生体接着またはさらなる生体接着をもたらす。用語の生体接着は、2つの生体表面の間または生体表面と合成的表面との間の任意の誘引性相互作用を含む。生体接着剤の場合、用語の生体接着は、本発明の経粘膜用組成物と生体基質(例えば、口腔粘膜または頬側粘膜)との間の接着を述べるために用いられる(例えば、全ての目的のために参照としてその全体が組み込まれている、「Bioadhesive Nanoparticulate Compositions Having Cationic Surface Stabilizers」に関する米国特許第6,428,814号明細書を参照)。
【0178】
生体接着現象の原因となり得る機序としては、限定はしないが、機械的または物理的相互作用および化学的相互作用が挙げられる。これらのうちの最初の機械的または物理的機序は、生体接着剤と受容体組織との間の物理的かみ合わせまたは相互浸透を含み、生体接着表面の湿潤、生体接着ポリマーの膨潤、組織表面の間隙内への生体接着剤の浸透、または生体接着組成物の鎖と口腔粘膜または他のこのような関連組織の鎖との浸透から生じる。生体接着の第二の可能な機序は、イオン性誘引、双極子力、ファンデルワールス相互作用、および水素結合などの力を含む。この主として本発明の経粘膜組成物の生体接着性の主な原因となっているのは、第二の、または化学的な生体接着形態であると考えられている。しかしながら、物理的および機械的相互作用もまた、このような組成物の生体接着において役割を果たし得る。
【0179】
さらに生体接着剤を含んでなる本発明の種々の実施形態の経粘膜用組成物は、該組成物を生体表面に適用することが望ましい任意の状況において有用である。該組成物は、典型的にヒトの裸眼には見えないが活性剤の浸透を可能にする、連続的かつ均一のフィルムで標的表面を被覆できる。
【0180】
生体接着剤の例としては、限定はしないが、23−ラウリルエーテル、アプロチニン、オン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、シクロデキストリン、硫酸デキストリン、ラウリン酸、ラウリン酸/プロピレングリコール、リソホスファチジルコリン、メントール、メトキシサリシレート、メチルオレエート、オレイン酸、ホスファチジルコリン、ポリオキシエチレン、ポリソルベート80、EDTAのナトリウム塩類、グリココレート、グリコデオキシコレート、ラウリルサルフェート、サリシレート、タウロコレート、およびタウロデオキシコレート、スルホキシド類、または種々のアルキルグリコシド類が挙げられる。
【0181】
ii.透過増強剤
本発明の種々の実施形態の組成物は、活性剤の口腔粘膜を介する通過を増加させるために透過増強剤を任意に含むことができる。透過増強剤または浸透増強剤または同様の用語は、口腔粘膜を介する活性剤の治療的または予防的有効量の透過を増強する物質を述べるために用いられる。透過増強剤を用いてかなり大きな分子量の製剤でも頬側送達が可能であることが研究により示唆されている(参照として本明細書に組み込まれている、オングスト(Aungst)およびロジャース(Rogers)、Int.J.Pharm.(1989)53、227−235頁)。口腔粘膜を通過する活性剤のフラックスは、抵抗(すなわち、拡散係数)または駆動力(すなわち、拡散勾配)のいずれかを変化させることにより増加させることができる。フラックスは、いわゆる透過増強剤の使用により増加させることができる。
【0182】
本発明の種々の実施形態の経粘膜送達経の使用に好ましい透過増強剤としては、限定はしないが、細胞外被不規則化剤、溶媒、ステロイド系界面活性剤、胆汁酸塩、キレート化剤、界面活性剤、非界面活性剤、脂肪酸、およびそれらの混合物が挙げられ、胆汁酸塩の増強剤がより好ましい。
【0183】
細胞外被不規則化剤は、局所用製剤に有用なものとして当業界に知られており、皮膚または粘膜を介する薬物送達においても機能する。これらの薬剤は、角質層細胞外被の脂質構造を不規則化することにより皮膚浸透を補助するものと考えられている。このような薬剤のリストは、参照として本明細書に組み込まれている、1982年6月13日に公開された欧州特許出願第43,738号明細書に記載されている。任意の細胞外被不規則化剤が、本発明の組成物および方法の種々の実施形態に使用できると考えられる。
【0184】
好適な溶媒としては、水;プロピレングリコールおよびグリセロールなどのジオール類;エタノール、プロパノール、および高級アルコールなどのモノアルコール類;DMSO;ジメチルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド;2−ピロリドン;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドン、N−メチルピロリドン、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、および他のn−置換−アルキル−アザシクロアルキル−2−オン類(アトン類);などが挙げられる。
【0185】
本発明の組成物および方法の種々の実施形態に使用できる他の透過増強剤としては、ハーシュラー(Herschler)に対する米国特許第3,551,554号明細書、ハーシュラー(Herschler)に対する米国特許第3,711,602号明細書、およびハーシュラー(Herschler)に対する米国特許第3,711,606号明細書に教示されたものなどのDMSOまたはDMSOの水性溶液、およびクーパー(Cooper)に対する米国特許第4,557,943号明細書に記載されたものなどのアトン類(例えば、n−置換−アルキル−アザシクロアルキル−2−オン類)が挙げられる。
【0186】
本発明の組成物および方法の種々の実施形態と組合わせて使用される透過増強剤としては、限定はしないが、ポリソルベート−80、ソルビトール、およびホスファチジルコリンが挙げられる。
【0187】
F.キット
本発明の種々の実施形態はまた、口腔粘膜への少なくとも1回の経粘膜投与、例えば、動物の口腔粘膜に1回のエアロゾルスプレーとして好適な本発明の1種または複数種の薬剤または組成物を充填した1つまたは複数の容器を含んでなる薬剤パックまたはキットを提供する。容器およびキットは、複数回投与のために2以上のアクチュエータ、用量調節を可能にする調節用アクチュエータ、粒子スプレーサイズまたはミストサイズを調節するために、または特定のタイプまたはサイズの動物に投与できるように、種々の形状およびサイズのアクチュエータを含むことができる。場合によっては、このような容器に関して、医薬品または生物学的製品の製造、使用、または販売を規制する政府当局により定められた形式での通達が存在する場合もあり、この通達が、動物投与のための製造、使用、または販売の当局による承認または認可を示している。一定の実施形態において、キットは、1種超の本発明の非ステロイド系抗炎症薬を含んでいる。別の実施形態において、キットは、本発明の非ステロイド系抗炎症薬および、限定はしないが、生体接着促進剤、透過増強剤、風味剤あるいは香り隠蔽剤、またはそれらの組合わせなどのさらなる治療剤を含んでなる。
【0188】
本発明を、例示を意図しているが、限定的でない以下の実施例を参照にしてさらに明らかにする。
【実施例】
【0189】
G.実施例
本発明は、本発明の幾つかの態様の例示を意図した実施例で開示された具体的な実施形態による範囲内に限定されず、機能的に等価であるいずれの実施形態も本発明の範囲内に入る。実際、本明細書に示され、記載された修飾に加えて本発明の種々の修飾が、当業者にとって明らかであろうし、それらは添付の特許請求の範囲に入るように意図されている。
【0190】
非ステロイド系抗炎症薬
本発明による組成物は、全ての目的のために参照として各々、その全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第5,869,082号明細書、米国特許第5,955,098号明細書、米国特許第6,110,486号明細書、および米国特許第6,676,931号明細書の1つ以上の教示に従って作製され、これらの組成物は、メロキシカム(0.5〜1.0%)、エタノール、ポリエチレングリコール400、ポビドン、塩化ナトリウムおよび水を含有するように作製された。
【0191】
実施例1:メロキシカム製剤
本発明による組成物の例は、下記の表1に示されている:
【0192】
【表1】

【0193】
表1の製剤は、おおよそ8.4のpHを有し、以下の方法により調製することができる:
【0194】
0.93%のメロキシカム貯蔵液の調製
250mLの媒体用容器に、94.00gの精製水(USP)中のメロキシカム、BP(0.93g)および4.95gの1Mの水酸化ナトリウム液を入れる。メロキシカムが完全に溶解後、pHはおおよそ11.5になるはずである。pH調整が必要でない場合、さらに精製水を加えて全溶液重量を100gに調整する。pHが、11.5±0.2の範囲外である場合、1Mの水酸化ナトリウムを加えてpHをこの範囲内の値に調整し、さらに精製水を加えて合計100gの溶液重量を用意する。
【0195】
アルカリ性ホウ酸緩衝液の調製
ホウ酸、NF(12.37g)および14.91gの塩化カリウム(USP)を、750mLの精製水と共に1000mLのメスフラスコに加える。溶液を十分に混合し、1000mLに希釈する。生じた溶液(50mL)を、200mLのメスフラスコ中、8.6mLの0.2Mの水酸化ナトリウムと共に混合し、さらに精製水で希釈して、200mLのアルカリ性ホウ酸緩衝液を用意する。
【0196】
表1の製剤の調製
メロキシカム貯蔵液(上記のとおり調製された)を、10gの5%ポリビニルアルコール(水溶液)と混合し、完全に混合する。20gのアルカリ性ホウ酸緩衝液(上記のとおり調製された)を加え、十分に混合する。最後に、15gの無水エチルアルコールを加え、溶液を混合する。次いでpHを試験し、必要な場合、0.2MのHClを用いてpH8.5±0.2に調整する。次にアルカリ性ホウ酸緩衝液をさらに加えて、メロキシカムの0.47%(w/w)溶液を用意する。
【0197】
メロキシカムの溶解度
メロキシカムは、可溶性に乏しく、その溶解度はpHに依存する。種々の溶液中のメロキシカムの溶解度は、下記の表2に示している。
【0198】
【表2】

【0199】
しかしながら、ごく少量の1MのNaOHを添加すると、メロキシカムは完全に溶解する。
【0200】
種々の他の溶媒系中のメロキシカムの溶解度を評価した。十分なメロキシカムを、80%水/15%EtOH/5%ポロキサマー188の混合物に加えて、最終濃度が1%のメロキシカムを得た。メロキシカムは、完全には溶解せず、生じた混合物は、おおよそ5.8のpHを有した。NaOH溶液(1M)をこの混合物に加えるとpH10を呈した。メロキシカムの溶解が見られた。次いでこの溶液を、0.2MのHClによりpH7の酸性にすると、メロキシカムの沈殿が見られた。さらに1MのNaOHを加え、pHを8に調整すると、メロキシカムが再度溶解し、溶液状態のままであった。
【0201】
十分なメロキシカムを、100%水または85:15の水:エタノールに加えて、1%メロキシカム溶液を得た。次いで各々の場合、1MのNaOHを加えてメロキシカムの完全溶解を確実にした。次いで各溶液をHCl(水溶液)により滴定した。100%水溶液に関して、pHを7.2の値に低下させた場合にメロキシカムの沈殿が見られた。pHを10.1に調整後、メロキシカムは再度溶解した。次に、pHをおおよそ7.8の値に低下させたが、さらなる沈殿は見られなかった。同様に、85:15の水:エタノール溶媒系に関して、初期の見かけのpH12を、(HClの添加により)7.7に低下した場合に沈殿が形成された。
【0202】
メロキシカムの1%溶液を、95:5の水:プロピレングリコール溶媒系中に調製した。濃NaOH溶液(10M)を加えてメロキシカムの溶解を補助した。しかしながら、NaOH溶液の濃度が高過ぎたため、メロキシカムは溶解しなかった。8未満のpH値を有する溶液は、メロキシカムの沈殿を生じたことが確認された。メロキシカムが溶液状態のままであることを確保するためには、pHが約8.0よりも大きいことが必要がある。しかしながら、安全性および動物(例えば、イヌ)の嗜好性のためには、pHが約9.0未満である必要がある。
【0203】
貯蔵安定性
組成物の製剤化が、スプレータイプのデバイスにより投与されることが意図されている場合、貯蔵安定性は重要な考慮事項である。例えば、本発明の活性剤の沈殿または分解により、所望の用量未満の送達、および/またはスプレーデバイスの目詰まりが生じ得る。したがって、本発明の組成物は、5℃での安定性を評価した。メロキシカム(0.5%w/w)を、下表3に示された各々の溶媒系に溶解した。
【0204】
【表3】

【0205】
各溶液を2つのアリコートに分け、その1つをろ過し、他はろ過しないままにした。24時間後、表3の各々の溶液は透明でかつ黄色であり、沈殿はなかった。7日後、以下の溶液だけが、沈殿の無い状態のままであった:95:5の水:EtOH中の0.5%メロキシカム、95:5の水:プロピレングリコール中の0.5%メロキシカム、および95:5の水:プロピレングリコール中の0.75%メロキシカム、これらは全てろ過した。16日後および19日後、以下のもののみが、沈殿の無い状態のままであった:95:5の水:EtOH中の0.5%メロキシカム、ろ過およびメタカム(Metacam(登録商標))(すなわち、ベーリンガー−インゲルハイム(Boehringer−Ingelheim)から入手できる注射用メロキシカム溶液;各mLには、5.0mgのメロキシカム、15%アルコール、10%グリコフラール(テトラグリコール)、5%ポロキサマー188、0.6%NaCl、0.5%グリシン、0.3%メグルミン、平衡水を含有する)。27日後、メタカム(Metacam(登録商標))のみに、沈殿が無かった。
【0206】
種々の可溶化剤によるメロキシカムの安定性
PVA、ポリソルベート80、またはグリセリンのいずれかを用いたメロキシカムの貯蔵において、ポリソルベート80またはグリセリンよりもPVAによる方が、メロキシカム溶液の物理的安定性が大きいことを示した。
【0207】
スプレー特性
安定化剤としてPVAをさらに含んでなるメロキシカムの水溶液は、噴霧パターンの「肉眼」の観察により、比較的不良なスプレー特性を提供することが分かった。エタノールは、2つの濃度:7.5%および15%でこれらの水/PVA/メロキシカム溶液に加えた。スプレー特性試験結果を、表4および表5に示している。用語の「<10μm」とは、10μm未満の直径を有する粒子のパーセンテージを称す。用語の「Dv(10)」、「Dv(50)」、および「Dv(90)」とは、それ以下で、示されたパーセンテージの累積集団が生じる粒径を称す。したがって、「Dv(10)」とは、粒子の累積集団の10%が、それ未満かまたはそれに等しい粒径を示す。用語の「楕円率」は、Dmax/Dmin比であり、Dmaxは、基本単位でCOMw(すなわち、噴霧パターンの質量中心)を通過する噴霧パターン内に描くことのできるmmにおける最大弦であり、Dminは、基本単位でCOMwを通過する噴霧パターン内に描くことのできる最小弦である。楕円率が1.0に接近するほど、噴霧パターンの形状がより対称的になる。より対称的な噴霧パターンが望ましい。0.5%のPVA製剤は、1.26の楕円率を有し、0.25%のPVA製剤は、1.51の楕円率を有する。したがって、0.50%のPVA製剤の噴霧パターンが好ましい。
【0208】
エタノールの濃度の増加は、溶液粘度を減じることにより組成物の流動学的特性を改善した。さらに、エタノールのより高い濃度は、抗菌保存剤として役立つ。15%のエタノールを含有する製剤は、好適なスプレー「プルーム」を提供した。
【0209】
【表4】

【0210】
【表5】

【0211】
グリコフラールを含有するメロキシカム製剤の安定性
グリコフラールは、局所用および鼻腔内用製剤の浸透増強剤として使用され、市販の注射用メタカム(Metacam(登録商標))製剤の成分である。しかしながら、下表4〜6に示されるように、メロキシカムは、エタノールを含有する製剤よりもグリコフロールを含有する製剤の方が安定性は低かった。
【0212】
【表6】

【0213】
【表7】

【0214】
【表8】

【0215】
グリコフロールとの製剤に関して、初期メロキシカム濃度は、ラベル主張で96.8%であったが、40℃/75%R.H.での4ヵ月目の時点で82.2%まで低下した。さらに、不純物「B」を確認した。不純物「B」の濃度は、2週目での0.1%から始まり、4ヵ月目で0.7%まで増加した。グリコフロールを含有する製剤は、特に加速安定性条件下で、時間と共に化学的安定性の不足を示した。
【0216】
7.5%エタノール製剤に関して、初期メロキシカム濃度は、95.0%であり、40℃/75%R.H.での4ヵ月後に96.4%であった。40℃/75%R.H.条件下で、不純物「B」の濃度は、試験の8週間に亘って0.1%未満であった。観察可能な不純物「B」の濃度は、12週目で出現し(0.2%)、4ヵ月目で0.4%まで増加した。この不純物「B」の形成は、グリコフロールを含有する製剤に見られたものよりも少なかった。
【0217】
15%エタノール製剤に関して、初期メロキシカム濃度は、94.0%であり、40℃/75%R.H.での4ヵ月後に100.8%まで増加した。このメロキシカム濃度の増加は、エタノールの幾らかの蒸発によるものと考えられる。40℃/75%R.H.条件下で、不純物「B」の濃度は、試験の8週間に亘って0.1%未満であった。観察可能な不純物「B」の濃度は、12週目で出現し(0.1%)、4ヵ月目で0.4%まで増加した。この不純物「B」の形成は、グリコフロールを含有する製剤、および7.5%エタノールを含有する製剤に見られたものよりも少なかった。
【0218】
上記の本発明の組成物を、約0.2mg/kg(おおよそ0.1mg/lb)体重の標的用量で各動物の唇と歯との間の頬側粘膜を介してイヌに投与されるスプレー中に形成した。
【0219】
獣医学の当業者は、標的用量が、治療または予防する病態の性質および重症度、治療を受ける動物種、治療を受ける動物のサイズなどに依って変わり得ることを認識するであろう。
【0220】
さらに、種々の治療プロトコルを使用できる。例えば、動物は、治療される病態の性質、治療を受ける動物のサイズおよび病態に依って1回の治療、または1日の間の複数間隔での反復治療、あるいは長期に亘って複数間隔で治療できる。例えば、急性病態は、本発明による組成物の1回または複数回の投与により短期間で治療し得るが、一方、慢性病態は、長期に亘って組成物の反復投与(例えば、毎日)を必要とし得る。
【0221】
実施例2:イヌのメロキシカム吸収試験
メロキシカムの従来の経口投与(すなわち、メタカム(Metacam(登録商標)経口用懸濁液)と、メロキシカムの経粘膜投与(すなわち、経粘膜経口用スプレーを介して適用される市販のメタカム(Metacam(登録商標)注射用溶液)とを比較する、6匹のイヌによる二方向交差実験を実施した。標的用量は、メロキシカムの0.2mg/kgであった。経口用懸濁液の平均用量は、0.20mg/kg(範囲0.19〜0.21mg/kg)であり、経粘膜経口投与を用いる平均用量は、0.20mg/kg(範囲0.19〜0.21mg/kg)であった。血液サンプルを、投与後、0分、5分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間、48時間、および72時間目に得た。
【0222】
図1は、TMOM(商標)を用いるメロキシカムの投与後、吸収時間、ピーク血漿中濃度、および全吸収が、経口用懸濁液により得られた送達プロフィールに比して同等か、またはより良好であることを示している。したがって、TMOM(商標)は、従来の経口用製剤と同じく有効にメロキシカムを送達する、より簡便な投与法を提供する。
【0223】
図2は、該経口用懸濁液の投与およびTMOM(商標)を用いる投与に関する薬物動態学的パラメータを示している。AUCは、2つの異なる剤形による投与後の動物への薬物曝露の曲線下面積または全量を表す。Cmaxは、その剤形により投与された際のng/mlで測定されたメロキシカムの最高血漿中濃度を表す。Tmaxは、両方の剤形の投与後、メロキシカムの最高血漿中濃度に達するのにかかる時間を示す。t1/2は、両方の剤形により投与された場合の、活性剤(この場合、メロキシカム)の算出された排泄半減期(血漿中の濃度が50%まで減少するのにかかる時間)である。吸収半減期は、吸収される吸収部位にその半分が残るのにかかる時間量である。
【0224】
図3は、TMOM(商標)を介して投与されたメロキシカムが、経口用懸濁液を介して投与されたメロキシカムと生物学的同等性であることを示している。
【0225】
実施例3:麻酔下のイヌのメロキシカム吸収試験
麻酔下のイヌの吸収試験もまた実施した。対象は、最少量の前麻酔薬(気管内チューブを介したイソフルラン)を用いる麻酔下のイヌであった。胃腸管への流れ込みおよび吸収の可能性は、フォーリーカテーテルにより食道を塞ぐことにより防止した。メロキシカムは、経粘膜経口ミストを用いて投与し、30分後、イヌの口腔を洗浄して残りの経口ミスト製剤を除去した。血液サンプルを、投与後、0分、5分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間、および72時間目に採取した。頚静脈および橈側皮静脈サンプルを、投与後、5分、30分、ならびに4時間、8時間目に得た。標的用量は、0.1mg/kg(15%エタノール中、4.66mg/mLメロキシカム、0.5%ポリビニルアルコール、8.5に調整されたpH、200μL(0.09mg)、用量範囲0.08〜0.15mg/kg)であった。この結果を、図4および図5に示す。
【0226】
メロキシカムの経粘膜送達は、明瞭に確認された。メロキシカムの吸収は、胃腸管吸収が不可能である、経粘膜であることを図4は示している。この結果は、30分目と4時間目に橈側皮静脈(全身)濃度と比較して、メロキシカムのより高い頚静脈血漿(すなわち、口腔粘膜の排水経路)中濃度により確認された。さらに、この結果は、経粘膜吸収が麻酔下で生じ得ることを示している。
【0227】
さらに、覚醒下の動物において用量のおおよそ90%までが、経粘膜的に送達された。図5は、麻酔下のイヌおよび覚醒下の動物(図1に示される以前の試験から、0.2mg/kgの橈側皮静脈におけるTMOM(商標)投与)におけるメロキシカムの血漿中濃度を比較している。覚醒下の動物に投与されたより高用量のTMOM(商標)の補正後、麻酔下の動物に関するAUCは、覚醒下の動物に関するAUCと同等(約92%)である。
【0228】
実施例4:イヌのカルプロフェン試験
カルプロフェンの従来の経口投与(リマジル(Rimadyl(登録商標))キャプレット、25mg;平均用量1.06mg/lb(0.93〜1.14mg/lb))、カルプロフェンの経粘膜経口投与(リマジル(Rimadyl(登録商標))注射用溶液、50mg/mL;平均用量1.08mg/lb(0.96〜1.14mg/lb))、およびカルプロフェンの皮下注射(リマジル(Rimadyl(登録商標))注射用溶液、50mg/mL;平均用量1.08mg/lb(0.96〜1.16mg/lb))を比較する6匹のイヌによる三方向交差実験を実施した。血液サンプルを、投与後、0分、5分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、および24時間目に得た。この結果を、図6および図7に示す。
【0229】
経粘膜経口投与は、皮下注射(図6)よりもキャプレット投与と類似していた。皮下注射投与は、キャプレット投与またはTMOM(商標)投与のいずれよりも吸収が遅く、ピーク濃度(Tmax)に達する時間が長い結果となった。図7は、この3つの投与法のAUC値全てが類似しており、皮下注射のCmaxは、キャプレットまたは経粘膜経口投与のおおよそ半分であったことを示している。経粘膜経口投与では、キャプレットよりもカプロフェン吸収が僅かに速かった−遅延時間がなく、Tmaxがより短かった。カルプロフェンのキャプレットおよび経粘膜経口投与に関するCmaxおよびAUC値は、極めて類似していた。
【0230】
実施例5:麻酔下のイヌのカプロフェン吸収試験
麻酔下のイヌの吸収試験もまた実施した。対象は、最少量の前麻酔薬(気管内チューブを介してのイソフルラン)を用いる麻酔下のイヌであった。胃腸管への流れ込みおよび吸収の可能性は、フォーリーカテーテルにより食道を塞ぐことにより防止した。カプロフェンは、経粘膜経口ミストを用いて投与した。血液サンプルを、投与後、0分、5分、15分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、および24時間目に採取した。頚静脈および橈側皮静脈サンプルを、投与後、5分、15分および30分、ならびに1時間および2時間目に得た。標的用量は、2.2mg/kg(50mg/mLのリマジル(Rimadyl(登録商標))注射用溶液、300μL(15mg)、標的用量範囲1.9〜2.5mg/kg)であった。この結果は、図8および図9に示す。
【0231】
図8により、30分目での橈側皮静脈濃度と比較して、カプロフェンのより高い頚静脈の血漿中濃度により確認され、胃腸管吸収が不可能なカプロフェンの経粘膜送達が確認された。図9は、麻酔下および覚醒下のイヌにおけるカプロフェンの血液血漿中濃度(図6の橈側皮静脈から)を示している。麻酔下の動物に関するAUCは、覚醒下の動物に関するAUCのおおよそ25%であった。
【0232】
抗ヒスタミン剤
本発明による組成物は、米国特許第5,869,082号明細書、米国特許第5,955,098号明細書、米国特許第6,110,486号明細書、および米国特許第6,676,931号明細書の1つまたは複数の教示に従って作製された。この組成物を、約0.1mg/kg体重または約1mg/kg体重の標的用量で各動物の唇と歯との間の頬側粘膜を介してイヌ、ウマ、およびネコに投与されるスプレー中に形成した。
【0233】
実施例6
クレマスチン錠剤(タビスト(Tavist(登録商標)))およびクレマスチンの経粘膜経口投与組成物(25mg/mLのフマル酸クレマスチン、媒体:75%エタノール、25%水)を用いて、6匹の動物(各種において:イヌ、ネコ、ウマ)による二方向交差実験を実施した。イヌ対象に関する標的用量は、1mg/kg(経粘膜経口投与および錠剤の両方)であった。平均錠剤用量は、0.96mg/kg(0.95〜0.97mg/kg)であり、平均経粘膜経口投与用量は、スプレーデバイスの4〜7つのポンプを用いて400〜650μLのスプレー容量で投与される0.97mg/kg(0.91〜1.06mg/kg)であった。ネコ対象に関する標的用量は、経粘膜経口投与および錠剤の両方に関して1mg/kgであった。平均錠剤用量は、1.07mg/kg(0.89〜1.22mg/kg)であり、平均経粘膜経口投与用量は、スプレーデバイスの1〜2つのポンプを用いて100〜200μLのスプレー容量で投与される0.95mg/kg(0.83〜1.14mg/kg)であった。ウマ対象に関する標的用量は、経粘膜経口投与および錠剤の両方に関して0.1mg/kgであった。平均錠剤用量(胃チューブを介して)は、0.1mg/kg(0.10〜0.11mg/kg)であり、平均経粘膜経口投与用量は、スプレーデバイスの14〜17つのポンプを用いて1.4〜1.7mLのスプレー容量で投与される0.1mg/kg(0.09〜0.11mg/kg)であった。
【0234】
血液サンプルを、投与後、5分、15分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間、7時間、12時間、24時間目に採取した。変動性(無しから中程度、軽度から重度)の唾液分泌が、イヌおよびネコにそれぞれ見られた。
【0235】
図10および図11は、従来の経口投与と比較して経粘膜経口投与を用いるネコ対象においてクレマスチン吸収が速いこと(Tmaxがより短い)を示している。ネコ対象に関してより低いAUC値は、これらの対象に見られた唾液分泌のアーチファクトであると思われる。
【0236】
図12および図13は、ウマ対象において経粘膜経口投与による、有意により良好なクレマスチンの生物学的利用能およびより迅速な薬物吸収(より短いTmax)を示す。錠剤形態のクレマスチンのウマ対象における著しく不良な生物学的利用能のために、従来の経口投与アプローチ(すなわち、経口胃管栄養法)と経粘膜経口投与のPKパラメータとを比較することは困難であった。しかしながら、経粘膜経口投与によるt1/2は、文献に記載されたものと類似している(経粘膜経口投与による2.8時間対経口胃管栄養法よる2.9時間;トルネケ(Torneke)ら、J.Vet.Pharmacol.Therap.26、151−157頁、2003年)。
【0237】
図14および図15は、イヌ対象において従来の経口(すなわち、錠剤)投与と比較して、経粘膜経口投与により達成されたはるかにより高いピーク(Cmax)を有した、有意により良好なクレマスチンの相対的生物学的利用能(AUC)を示している。
【0238】
クレマスチン組成物の経粘膜経口用スプレー製剤は、各動物タイプに対して経口用錠剤形態を介した同様の用量(mg/kgベースで)の投与と比較して、イヌ(図14および図15を参照)およびウマ(図12および図13を参照)において予想外に高い血漿中薬物濃度を示した。ネコにおいて(図10および図11を参照)、クレマスチンは、十分に吸収されたが、その種における薬物代謝は他の種と異なり、その結果、経粘膜経口用スプレー製剤と経口用錠剤との間での血漿中濃度の差が低かった。
【0239】
イヌでは、例えば、図15から見ることができるように、AUCにより表される利用できるクレマスチンの血流への全送達、およびCmaxにより表される血液中の最大クレマスチン濃度の両方が、経口用錠剤投与経路よりも、TMOM(商標)の投与経路でおおよそ一桁大きな数値である。さらに、イヌの血流への抗ヒスタミン剤の最大放出は、TMOM(商標)の投与経路では、Tmax値により示されるように、経口用錠剤投与経路よりも約10分速く生じる。
【0240】
したがって、TMOM(商標)投与は、従来の経口用剤形(例えば、錠剤)と比較して、動物、特にイヌおよびウマにおいて、クレマスチンの実質的により高い血漿中濃度を提供すると思われ、有意により便利でかつより安全な、静脈内投与の代替法を提供する。
【0241】
実施例7:麻酔下のイヌの吸収試験
麻酔下のイヌの吸収試験もまた実施した。対象は、最少量の前麻酔薬(気管内チューブを介してのイソフルラン)を用いる麻酔下のイヌであった。胃腸管への流れ込みおよび吸収の可能性は、フォーリーカテーテルにより食道を塞ぐことにより防止された。クレマスチンは、TMOM(商標)を用いて投与された。血液サンプルを、投与後、0分、5分、15分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、および24時間目に採取した。頚静脈および橈側皮静脈サンプルを、投与後、5分、15分および30分、ならびに1時間および2時間目に得た。標的用量は、0.33mg/kg(75%エタノール中、16.67mg/mLのクレマスチン、25%水、200μL(3.3mg)、用量範囲0.30〜0.55mg/kg)であった。
【0242】
図16および図17は、クレマスチンが経粘膜経路を介して、麻酔下のイヌ対象により容易に吸収されたことを示している。用量を変化させても(すなわち、覚醒条件は1.0mg/kgであり、麻酔条件は0.46mg/kg)曝露の類似性があったことは、麻酔効果のために飽和(例えば、吸収、肝代謝)が生じた可能性があることを示した。
【0243】
実施例8:アトピー性イヌ対象に対する経粘膜経口投与
経粘膜経口投与により投与されたクレマスチンの有効性を、自発性食物アレルギーのアトピー性イヌ対象(マルチーズ×ビーグル犬)の集団に対して評価した。図18は、肥満細胞からのヒスタミン放出により生じた皮膚膨疹・潮紅反応に対してTMOM(商標)(16.67mg/mL、4.17mg/mLのフマル酸クレマスチン、75%エタノールおよび25%水)を介した数回の投与量(0.125mg/kg、0.5mg/kgおよび1.0mg/kg)で送達されたクレマスチンの有効性を示している。クレマスチンの経粘膜経口投与は、24時間までにこの反応のおおよそ40〜70%阻害を提供した。
【0244】
実施例9:ジフェンヒドラミンによるイヌの試験
市販の注射用製剤(ベナドリル(Benadryl)、滅菌、50mgの塩酸ジフェンヒドラミン/mL;標的用量3mg/kg;平均用量2.7mg/kg(2.5〜2.9mg/kg)を含有する発熱物質の無い溶液;400μLの容量)を用いてジフェンヒドラミンのTMOM(商標)投与を評価するために3匹のイヌの試験を実施した。血液サンプルを、投与後、10分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、および12時間目に採取し、10分および30分、4時間目のサンプルを、頚静脈および橈側皮静脈穿刺から採取した。この結果を、図19および図20に示す。ジフェンヒドラミンの有意な濃度が得られ、頚靜脈/橈側皮静脈の差異は、経粘膜経路を介したジフェンヒドラミンの送達を裏付ける。
【0245】
心血管薬
本発明による組成物は、該組成物が:体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約25ミリグラムのジゴキシン、および少なくとも1種の担体を含有するように、米国特許第5,869,082号明細書、米国特許第5,955,098号明細書、米国特許第6,110,486号明細書、および米国特許第6,676,931号明細書の1つ以上の教示に従って作製される。このような組成物は、動物、例えば、イヌおよびネコにおける異常/不規則心拍動、弱さ、息切れ、耐運動量の減少、傾眠、失神、無酸素症、肺浮腫、腹水症、および/または意識喪失などを治療するために治療的および/または予防的に有効であり得る。多くの場合、動物1匹当りジゴキシンの全投与量は、1日、体重1kg当り約4ミリグラムから約25ミリグラムである。
【0246】
ホルモン剤
該組成物が、動物におけるチロキシンなどの甲状腺ホルモンの産生減少または不在を治療するために治療的および/または予防的に有効であるように、該組成物が:体重1キログラム当り約0.01ミリグラムから約0.5ミリグラムのレボチロキシンナトリウム、および少なくとも1種の担体を含有するように、本発明による組成物を、米国特許第5,869,082号明細書、米国特許第5,955,098号明細書、米国特許第6,110,486号明細書、および米国特許第6,676,931号明細書の1つ以上の教示に従って作製する。
【0247】
レボチロキシンの推奨される平均用量比は、イヌでは1日、1回または2回投与される約0.2mg/kg体重であり、ネコでは1日、約0.05mg/kgから約0.2mg/kgである。典型的に獣医師は、4〜12週後、レボチロキシン(T)が十分な血中濃度あるように投与回数を調整する。甲状腺ホルモンの産生減少または不在は、通常、不可逆的であるので、治療は、典型的にその動物の残りの一生に亘って継続される。
【0248】
この組成物を、適切な標的用量で各動物の唇と歯との間で頬側粘膜を介してイヌに投与されるスプレー中に形成する。
【0249】
別の実施例において、該組成物が、動物におけるインスリンの産生減少または不在を治療するために治療的および/または予防的に有効であるように、該組成物が:インスリン(自然由来のブタからの供給源、組換えDNA技法を含む供給源から、またはそれらの組合わせから)、および少なくとも1種の担体を含有するように、本発明による組成物を、米国特許第5,869,082号明細書、米国特許第5,955,098号明細書、米国特許第6,110,486号明細書、および米国特許第6,676,931号明細書の1つ以上の教示に従って作製する。
【0250】
この組成物を、適切な標的用量で各動物の唇と歯との間で頬側粘膜を介してイヌに投与されるスプレー中に形成する。
【0251】
免疫抑制剤
該組成物が、動物における免疫反応の増強または過敏性を治療するために治療的および/または予防的に有効であるように、該組成物が、体重1キログラム当り約0.1ミリグラムから約1ミリグラムのシクロスポリンA、および少なくとも1種の担体を含有するように、本発明による組成物を、米国特許第5,869,082号明細書、米国特許第5,955,098号明細書、米国特許第6,110,486号明細書、および米国特許第6,676,931号明細書の1つ以上の教示に従って作製する。
【0252】
シクロスポリンの推奨される平均用量比は、以下のスキームに従って投与される1日、約5mg/kg体重である。一例としてアトピー性皮膚炎に関して、満足すべき臨床改善が見られるまで、本発明の組成物を最初は毎日投与する。臨床改善は一般に、4週から8週後である。アトピー性皮膚炎の臨床的徴候が、十分に制御されたら、本発明の組成物を、おおよそ2日おきに投与できる。次いでこの投与により徴候が制御されたら、本発明の組成物を、おおよそ3日から4日おきに投与できる。獣医外科医は、この応答に対して投与回数を調整するであろう。臨床徴候が制御されたら、治療を中止できる。臨床徴候が再発した場合は、毎日の投与による治療を再開する必要があり、ある特定の症例においては、反復治療過程が必要となり得る。
【0253】
この組成物は、適切な標的用量で各動物の唇と歯との間で頬側粘膜を介してイヌに投与されるスプレー中に形成される。該方法および組成物は、イヌなどの動物において、例えば、腎臓移植などの臓器移植中の免疫系を全身的に調節するために使用でき、および/またはアトピー皮膚炎、免疫媒介溶血性貧血、円板状紅斑性狼瘡、乾性角結膜炎を治療するために使用できる。該方法および組成物は、ドイツシェパードパンヌスを治療するためにも使用できる。
【0254】
栄養剤、ビタミン剤、および/またはミネラル剤
該組成物が、動物におけるリシンの産生減少あるいは不在を治療するために、または食事摂取のために治療的および/または予防的に有効であるように、該組成物が:リシンまたは薬学的に許容されるその塩;および少なくとも1種の担体を含有するように、本発明による組成物を、米国特許第5,869,082号明細書、米国特許第5,955,098号明細書、米国特許第6,110,486号明細書、および米国特許第6,676,931号明細書の1つ以上の教示に従って作製する。
【0255】
この組成物を適切な標的用量で各動物の唇と歯との間で頬側粘膜を介してイヌ、ウマ、および/またはネコに投与されるスプレー中に形成する。
【0256】
鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤
該組成物が:体重1キログラム当り約0.05ミリグラムから約0.6ミリグラムの酒石酸ゾルピデム、および少なくとも1種の担体を含有するように、本発明による組成物を、米国特許第5,869,082号明細書、米国特許第5,955,098号明細書、米国特許第6,110,486号明細書、および米国特許第6,676,931号明細書の1つ以上の教示に従って作製した。このような組成物は、動物、例えば、イヌおよびネコにおいて不眠症、ストレス、分離不安、および/または活動亢進を治療するために治療的および/または予防的に有効であり得る。
【0257】
実施例10:ゾルピデム
対象に、ゾルピデム錠剤または2.5%酒石酸ゾルピデム溶液の経粘膜経口用ミストを投与する、6匹の動物(イヌおよびネコ)による二方向交差実験を実施した。
【0258】
イヌの対象に、錠剤(平均用量0.55mg/kg(0.40〜0.63mg/kg))または経粘膜経口用ミスト(平均用量0.55mg/kg(0.42〜0.62mg/kg))を投与した。経粘膜経口用ミストの投与は、スプレーディスペンサーの2〜3つのポンプにおいて200〜250μLのスプレー容量を用いた。比較すると、平均的なヒトの用量は、0.08〜0.17mg/kgである。
【0259】
ネコの対象は、錠剤(平均用量0.74mg/kg)または経粘膜経口用ミスト(平均用量0.72mg/kg)であった。経粘膜経口用ミストは、スプレーディスペンサーの1つのポンプにおいて100μLのスプレー容量を用いた。
【0260】
両対象に関して、血液サンプルは、投与後、5分、15分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間および8時間目に採取した。
【0261】
図21および図22は、経口投与用錠剤製剤の同様の用量と比較して、上記の睡眠補助剤組成物による、それぞれイヌおよびネコの治療の経時的平均血漿中濃度を示す。図23および図24は、イヌおよびネコそれぞれにおけるその試験から測定され、および/または算出された薬物動態学的パラメータの比較を示す。図21の副次的ピークは、経口−胃腸吸収を示している。しかしながら、幾らかの経口−胃腸吸収が生じる場合でも、経粘膜投与は一般に、従来の経口投与法と比較して、血漿中濃度のより迅速な上昇を提供する。図21のデータは、TMOM(商標)を用いた酒石酸ゾルピデムの投与後、錠剤で見られた送達プロフィールと比較して、吸収時間と吸収半減期とが、有意により低く(より短く)、ピーク血漿中濃度が、より高いことを示している。図22のデータは、TMOM(商標)を用いた酒石酸ゾルピデムの投与後、錠剤で見られた送達プロフィールと比較すると、吸収時間と、吸収半減期と全吸収とが、同等である(実験誤差範囲内)ことを示している。
【0262】
図23は、錠剤による従来の経口投与と比較して、イヌ対象への経粘膜経口投与が、より速い薬物吸収(例えば、より短いTmax、より大きなCmax、およびより短い吸収半減期)を提供することを示している。さらに、従来の経口法と比較して、経粘膜経口投与は、ゾルピデムの良好な吸収(例えば、より大きなAUC)を提供する。
【0263】
図23および図24は、良好な薬物動態学/薬力学的一致を伴って経粘膜経口投与を用いたイヌおよびネコにおける迅速な薬物の取込みを示している。しかしながら、ネコ対象の唾液分泌は、経粘膜経口投与を用いた吸収を減少(より低いAUC)させ得る。また、頚靜脈のサンプル採取により得られたAUCおよびCmax値は、橈側皮静脈サンプル採取により得られた値よりも高いことがあり得る(図24のみ)。
【0264】
イヌ対象のうちの1匹は、ゾルピデムのTMOM(商標)投与12分後に嘔吐した。この動物におけるゾルピデムの血漿中濃度は、この試験で嘔吐しなかった残りのイヌに見られたゾルピデムの血漿中濃度と変わらなかった。このことは、実質的に全てのゾルピデム用量は、投与12分以内に吸収されたことを示している。さらに、このことは、従来の経口用剤形(すなわち、錠剤または経口用懸濁液)よりも動物における経粘膜投与の利点を立証している。従来の経口用剤形の投与直後の対象動物の嘔吐により、その動物の投与不足が生じることが予想されると思われる(活性剤の有意な吸収が生じる前に、錠剤または経口用懸濁液が、動物の消化管から排出されると考えられるからである)。対照的に、経粘膜投与により動物の血流に供された活性剤の用量は、比較的嘔吐により影響されないと思われる。したがって、経粘膜投与は、患蓄が、従来の経口用剤形に抵抗または嫌がる可能性のある獣医学医療において明確な利点を提供する。
【0265】
実施例11:プロポフォール
IVにより投与された標的用量の6.0mg/kgのプロポフォール、および経粘膜投与を用いて30mg/kgのプロポフォールより、6匹のイヌによる二方向交差実験を実施した。IVの平均用量(プロポフロ(Propoflo(商標))、10mg/mL)は、5.9mg/kg(5.7〜6.2mg/kg)であり、経粘膜経口投与の平均用量(プロポフォール、950mg/mL)は、31.3mg/kg(28.6〜34.2mg/kg;スプレーデバイスの4〜6つのポンプを用いて350〜550μL)であった。血液サンプルを、投与後、0分、2分、5分、15分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間および6時間目に得た。
【0266】
プロポフォールの平均血漿中濃度は図25に示され、薬物動態パラメータは図26に示されている。IV投与とは異なるが、経粘膜経口投与を用いるプロポフォールの取込みは速かった。経粘膜投与されたプロポフォールの90%超は、2時間までに吸収された。しかしながら、プロポフォールの急速な分布により、IV投与と比較して、いくぶんより低いCmax値が提供された。
【0267】
駆虫薬
例示的な駆虫薬製剤は下記に示される。
【0268】
【表9】

【0269】
【表10】

【0270】
生物学的データ
広い重量範囲の標的動物患蓄にわたって、所望の用量レベルを達成させるために製剤中の活性成分の濃度は変わり得る。例えば、経粘膜経口ミストの1回から3回のスプレーで投与された120ポンドのイヌでは、1回から3回のスプレーにより12ポンドのイヌの治療に必要な濃度よりも高くなる。適用ごとのスプレー回数は、同じ理由で変わり得る。
【0271】
活性成分は、いずれの製品においても標的化された寄生虫のスペクトルに依って変わり得る。何千という寄生虫により標的動物種は感染され、活性成分は、所望の医療結果を達成するために変わり得る。
【0272】
治療を受けた口腔粘膜表面積は変動する可能性があり、頬側、歯肉、舌、または舌下表面など、口腔内の任意の表面を含み得る。
【0273】
実施例12:ミルベマイシンによるイヌの試験
経粘膜経口投与によるミルベマイシンの従来の経口投与(すなわち、錠剤)と比較するために、12匹のイヌの無作為平行デザインを実施した。使用された錠剤は、インターセプター(Interceptor(登録商標))フレーバータブ(Flavor Tab(登録商標))、5.75mgおよび11.5mgであり、0.78mg/kg(0.50〜0.99mg/kg)の平均用量を供した。経粘膜経口投与用製剤(14.3mg/mLのミルベマイシン(4.9%)、31.9%DMSO、14.7%エタノール、4.9%ベンジルアルコール、2.45%ツイーン−20、2.45mg/mLのBAC、2.45mg/mLの肝臓抽出物、1.96%タラ肝油エステル、17.2%プロピレングリコールおよび22.1%水)は、0.28mg/kg(0.24〜0.34mg/kg;スプレーデバイスの2〜3つのポンプを用いて200〜300μLのスプレー容量)の平均用量(投与後の分析に基づき)を提供した。血液サンプルを、投与後、0分、5分、15分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間および8時間目に得た。
【0274】
この試験結果を図27および図28に示す。経粘膜経口投与によるミルベマイシンの取込みは良好であった。経粘膜経口投与により、従来の錠剤を用いた生物学的利用能は、類似していたが、経粘膜投与は、より変動性の少ない血漿中濃度を示した。
【0275】
抗生物質
実施例13:エンロフロキサシンによるネコの試験
従来の経口投与(すなわち、錠剤、ベイトリル(Baytril(登録商標)))と経粘膜経口投与(ベイトリル(Baytril(登録商標))100;100mgのエンロフロキサシン、200mgのL−アルギニン塩基、30mgのn−ブチルアルコール、20mgのベンジルアルコール(保存剤として)、および注射用水、適量)とを比較するために、6匹のネコによる二方向交差実験を実施した。標的用量は、5mg/kgのエンロフロキサシンであった。平均錠剤用量は、4.7mg/kgであり、TMOM(商標)の平均用量は、4.9mg/kg(250〜300μL)であった。血液サンプルを、投与後、5分、30分、ならびに1時間、2時間、4時間、8時間、12時間および24時間目に得た。この結果を図29〜31に示しているが、これらの図は、経粘膜投与が、本質的にAUC、Cmax、Tmaxまたはt1/2値に相違はなく、従来の投与により提供されたものと類似のエンロフロキサシンプロフィールを提供することを示している。さらに、TMOM(商標)によるエンロフロキサシンの取込みにおいて遅延時間が見られず、有意な5分の血漿濃度が達成された。5分の時点で、橈側皮静脈中濃度と比較して、一定かつ有意により高い頚靜脈の血漿中濃度が測定されたことにより、エンロフロキサシンに関する送達が経粘膜経路であることが確認される。
【0276】
実施例14:受容性試験
経粘膜経口投与および種々の経粘膜経口投与製剤の受容性を、動物対象について評価した。この結果を図32〜44に示す。全体的に、経粘膜経口投与は、大抵の対象により容易に耐容性を示すものと思われる(図44を参照)。
【0277】
図32および図33は、TMOM(商標)により投与された種々の媒体のイヌ対象による受容性および反応の苛酷性を示す。試験された全ての媒体は、大抵の対象に受容されたが、グリコフロールを含有する製剤は、僅かに受容性が低いことが判った。
【0278】
図34および図35は、TMOM(商標)により投与された種々の媒体のネコ対象により受容体および反応の苛酷性を示す。サーモン風味剤を含有する製剤は、他の風味剤を含有するか、または風味剤のない他の製剤よりも幾分受容性が低いことが判った。
【0279】
図36〜39は、種々のメロキシカム製剤が、イヌ対象により容易に受容されたことを示す。
【0280】
図40〜43は、種々の媒体に対し、TMOM(商標)投与に対する多くの用量に亘ってのイヌおよびネコの対象の受容性および反応の苛酷性を示す。
【0281】
図44は、イヌおよびネコの対象に対しTMOM(商標)投与を用いて成功した用量投与パーセントを示す。TMOM(商標)投与は、殆ど99%成功し、投与の99%超は補助を必要としなかった。したがって、経粘膜投与は、活性剤を動物に投与するために簡便かつ非常に有効な方法である。
【0282】
実施例15:TMOM(商標)投与による複数用量
複数のTMOM(商標)投与を用いてクレマスチンの種々の用量をイヌに投与した。図45は、13mg/mLのフマル酸クレマスチンを含有する製剤のTMOM(商標)用量を増やすと(スプレー数を増やすことにより)、血漿中濃度が増加したことを示している。口腔の両側のうちの一方、口腔の両側間の割れ目に投与された複数用量は、同様の結果を得た。
【図面の簡単な説明】
【0283】
図面の簡単な説明
【図1】同一用量(約0.2mg/kg)での2つの異なる投与形態(経口用懸濁液および経粘膜経口ミスト(以下、「TMOM(商標)」))を用いて投与した際のメロキシカムの平均血漿中濃度を示す図である。経口用懸濁液は、イヌに経口投与し、飲み込ませた。ミストは、イヌの口腔にスプレーした。
【図2】イヌへの、約0.2mg/kgの用量のメロキシカムの経口用懸濁液による投与およびTMOM(商標)を用いた投与に関する薬物動態パラメータの比較を示す図である。AUCは、2つの異なる投与形態による投与後の、曲線下面積または動物に対する薬剤曝露の総量を表している。Cmaxは、その投与形態によって投与された際のng/mlで測定されたメロキシカムの最高血漿中濃度を表す。Tmaxは、両方の投与形態の投与後に達成されるメロキシカムの最高血漿中濃度に到達するのにかかる時間を表す。t1/2は、両方の投与形態によって投与された際のメロキシカムの分散または排泄の算出速度である。
【図3】イヌにおける、メロキシカムのTMOM(商標)による投与と経口用懸濁液の投与(約0.2mg/kg)との間の生物学的同等性試験の結果を示す図である。
【図4】麻酔下イヌにおける、TMOM(商標)により投与されたメロキシカムの橈側皮静脈および頚静脈の平均血漿中濃度を示す図である。
【図5】麻酔下および覚醒下のイヌにおいて2つの異なるメロキシカムTMOM(商標)製剤に関してメロキシカムの血液血漿中濃度を示す図である。
【図6】イヌにおいて、キャプレット、TMOM(商標)、または注射を介して投与されたカプロフェンの血液血漿中濃度の比較を示す図である。
【図7】キャプレット、TMOM(商標)および皮下注射を介してイヌへのカプロフェン投与後の薬物動態パラメータおよび生物学的同等性を示す図である。
【図8】TMOM(商標)を介して投与された麻酔下のイヌにおいてカプロフェンの橈側皮静脈および頚靜脈の平均血液血漿中濃度を示す図である。
【図9】麻酔下および覚醒下のイヌにおいてTMOM(商標)を介して投与されたカプロフェンの血液血漿中濃度を示す図である。
【図10】ネコに対し、同じ投与量(1mg/kg)で2つの異なる剤形(正規の嚥下錠剤およびTMOM(商標))を用いて投与され、および経口経路により両方が投与され場合のフマル酸クレマスチンの平均血漿中濃度を示す図である。
【図11】ネコに対し、おおよそ1mg/kgの投与量で錠剤によるフマル酸クレマスチンの投与およびTMOM(商標)を用いる投与に関して薬物動態パラメータの比較を示す図である。
【図12】ウマに対し、同じ投与量(0.1mg/kg)で2つの異なる剤形(正規の嚥下錠剤およびTMOM(商標))を用いて投与され、および経口経路により両方が投与され場合のフマル酸クレマスチンの平均血漿中濃度を示す図である。錠剤は砕き、胃管栄養法として経鼻胃管を介して投与され、TMOM(商標)は、頬側口腔粘膜に投与された。フマル酸クレマスチンの血漿中濃度は、対数スケールで示される。錠剤による投与後、血漿中濃度が検出濃度に達した3つの時点でのみフマル酸クレマスチンを測定することが可能であり、それ故、その曲線は、短時間でのみ描かれる。
【図13】ウマに対し、TMOM(商標)および胃管栄養法を介してフマル酸クレマスチンの投与後、薬物動態パラメータを示す図である。
【図14】イヌにおいて約1.0mg/kgでのTMOM(商標)および錠剤投与後のフマル酸クレマスチンの平均血漿中濃度を示す図である。
【図15】イヌに対し、1mg/kgでフマル酸クレマスチンを投与した場合の錠剤およびTMOM(商標)に関する薬物動態パラメータの比較を示す図である。
【図16】麻酔下のイヌにおいて、TMOM(商標)を介して投与されたフマル酸クレマスチンの橈側皮静脈および頚靜脈の血液血漿中濃度を示す図である。
【図17】覚醒下および麻酔下のイヌにおいて、TMOM(商標)を介して投与されたフマル酸クレマスチンの血液血漿中濃度を示す図である。
【図18】アトピー性イヌに関して、TMOM(商標)を介して投与されたフマル酸クレマスチンのPK/PD阻害パーセント対IgE−IDTのプロットを示す図である。
【図19】イヌにおいて、TMOM(商標)を介して投与された塩酸ジフェンヒドラミンの橈側皮静脈および頚靜脈の血液血漿中濃度を比較する図である。
【図20】イヌに対し、TMOMを介して投与された塩酸ジフェンヒドラミン投与後の薬物動態パラメータを示す図である。
【図21】イヌに対し、同じ投与量で(約0.5mg/kg)で2つの異なる剤形(TMOM(商標)および錠剤)を用いて投与される場合の酒石酸ゾルピデムの平均血漿中濃度を示す図である。
【図22】ネコに対し、同じ投与量(約0.5mg/kg)で2つの異なる剤形(TMOM(商標)および錠剤)を用いて投与され、および経口経路により両方が投与され場合の酒石酸ゾルピデムの平均血漿中濃度を示す図である。
【図23】イヌに対し、約0.5mg/kgの投与量で経口用懸濁液による酒石酸ゾルピデムの投与およびTMOM(商標)を用いる投与に関する薬物動態パラメータの比較を示す図である。
【図24】ネコに対し、約0.6mgの用量で酒石酸ゾルピデムが投与される場合の経口用懸濁液およびTMOM(商標)に関する薬物動態パラメータの比較を示す図である。
【図25】約6.0mg/kgでの静脈内投与および約30.0mg/kgでのTMOM(商標)を介する投与後のプロポフォールの平均血漿中濃度を示す図である。
【図26】イヌに対し、静脈内投与およびTMOM(商標)を介してプロポフォールの投与後の薬物動態パラメータを示す図である。
【図27】イヌにおいて、TMOM(商標)および経口咀嚼錠を介して投与されるミルベマイシンの平均血液血漿中濃度を示す図である。
【図28】イヌに対し、錠剤およびTMOM(商標)を介してミルベマイシンオキシムの投与後の薬物動態パラメータ(投与量に関して補正)を示す図である。
【図29】ネコにおいて、錠剤およびTMOM(商標)を介して投与されたエンロフロキサシンの平均血漿中濃度曲線を示す図である。
【図30】ネコにおいて、錠剤およびTMOM(商標)を介して投与されたエンロフロキサシンの薬物動態パラメータを示すチャートである。
【図31】ネコにおいて、TMOM(商標)を介して投与後の頚靜脈および橈側皮静脈の血漿中濃度を示すチャートである。
【図32】種々の媒体のTMOM(商標)投与に関してイヌの受容性を示すチャートである。
【図33】種々の媒体のTMOM(商標)投与に関してイヌの反応苛酷性を示すチャートである。
【図34】種々の媒体のTMOM(商標)投与に関してネコの受容性を示すチャートである。
【図35】種々の媒体のTMOM(商標)投与に関してネコの反応苛酷性を示すチャートである。
【図36】種々のメロキシカム製剤のTMOM(商標)投与に関してイヌの受容性を示すチャートである。
【図37】種々のメロキシカム製剤のTMOM(商標)投与に関してイヌの受容性を示すチャートである。
【図38】種々のメロキシカム製剤のTMOM(商標)投与に対してイヌの反応苛酷性を示すチャートである。
【図39】種々のメロキシカム製剤のTMOM(商標)投与に対してイヌの反応苛酷性を示すチャートである。
【図40】用量数および製剤により種々の媒体のTMOM(商標)投与に対してネコの反応苛酷性を示すチャートである。
【図41】用量数および製剤により種々の媒体のTMOM(商標)投与に対してネコの反応苛酷性を示すチャートである。
【図42】用量数および製剤により種々のメロキシカム製剤のTMOM(商標)投与に対してイヌの反応苛酷性を示すチャートである。
【図43】用量数および製剤により種々のメロキシカム製剤のTMOM(商標)投与に対してイヌの反応苛酷性を示すチャートである。
【図44】TMOM(商標)投与に対してイヌおよびネコの応答を示すチャートである。
【図45】TMOM(商標)投与を介して0.25mg/kgから1mg/kgまでの用量を増加させて投与されたイヌにおけるクレマスチンの平均血漿中濃度を示すプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ヒト動物における病態を治療または予防する方法であって、
少なくとも1種の活性剤および薬学的に許容される担体を含む組成物を、それを必要とする動物の口腔粘膜に投与し、それによって前記動物の全身循環器系への前記活性剤の薬学的有効量の経粘膜吸収を提供することを含む方法。
【請求項2】
前記投与が、噴霧を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記噴霧が、前記非ヒト動物の頬側粘膜、歯肉粘膜、舌粘膜、口蓋粘膜、咽頭粘膜、舌下粘膜、またはそれらの組合せに対する噴霧を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記噴霧が、頬側粘膜に対する噴霧を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記活性剤が、非ステロイド系抗炎症薬、駆虫薬、抗ヒスタミン剤、心血管薬、ホルモン剤、免疫抑制剤、栄養剤、ビタミン剤、ミネラル剤、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤、制吐剤、および抗生物質、または薬学的に許容されるそれらの塩類、溶媒和物あるいはエステル類からなる群から選択される請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記活性剤が、メロキシカム、カルプロフェン、エンロフロキサシン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジゴキシン、レボチロキシン、シクロスポリン、オンダンセトロン、ゾルピデム、プロポフォール、ニテンピラム、イベルメクチン、ミルベマイシン、および薬学的に許容されるそれらの塩類、溶媒和物あるいはエステル類からなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記薬学的に許容される担体が、水性エタノールを含む請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記活性剤が、全組成物の約0.01重量パーセントから約10重量パーセントの濃度を有する請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記薬学的に許容される担体が、全組成物の約15重量パーセントから約99.999重量パーセントの濃度を有する請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記薬学的に許容される担体が、全組成物の約10重量パーセントから約99重量パーセントの濃度を有し、前記活性剤が、全組成物の約0.005重量パーセントから約10重量パーセントの濃度を有する請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記非ヒト動物が、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、または家禽である請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記活性剤が、非ステロイド系抗炎症薬、駆虫薬、抗ヒスタミン剤、心血管薬、ホルモン剤、免疫抑制剤、栄養剤、ビタミン剤、ミネラル剤、鎮静剤/精神安定剤/行動改変剤、制吐剤、および抗生物質、または薬学的に許容されるそれらの塩類、溶媒和物あるいはエステル類からなる群から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記活性剤が、メロキシカム、カルプロフェン、エンロフロキサシン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジゴキシン、レボチロキシン、シクロスポリン、オンダンセトロン、ゾルピデム、プロポフォール、ニテンピラム、イベルメクチン、ミルベマイシン、および薬学的に許容されるそれらの塩類、溶媒和物あるいはエステル類からなる群から選択される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記活性剤が、メロキシカムである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記活性剤が、クレマスチンである請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記活性剤が、ミルベマイシンである請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記活性剤が、エンロフロキサシンである請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記薬学的に許容される担体が、水性エタノールであり、前記組成物が、約8超で約9未満のpHを有する請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、少なくとも1種の追加の治療薬を投与することをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記非ヒト動物が、麻酔される請求項2に記載の方法。
【請求項21】
前記活性剤の薬学的有効量が、前記動物の口腔粘膜に2回以上噴霧することによって投与される請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公表番号】特表2008−530233(P2008−530233A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556306(P2007−556306)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/005575
【国際公開番号】WO2006/089082
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(507276140)ベルセラ ファーマシューティカルズ (2)
【出願人】(507277435)ノバデル ファーマ,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】