説明

動物介護用マット

【課題】
開示の動物介護用マットは、日常的に使用している動物用寝具を利用しつつ、介護対象の動物を飼い主などが一人で移動させることができる。
【解決手段】
開示の動物介護用マットは、犬用寝具と同程度の広さのマットと、前記マット裏面であって、該マット長手方向の中心付近について対称となる各位置にループ状に縫い付けた帯状ロープの、前記マットの短手方向両端からはみ出た部分である持ち手と、前記マット表面長手方向の両端に設置され、ひっくり返すことで該マット裏面長手方向の両端に配置される袋状機構と、前記マット短手方向の同じ側に備えられた2つの前記持ち手に装着される肩掛け用ベルトと、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫などの動物を乗せたまま、一人で持ち運びができる器具に関する。
【背景技術】
【0002】
老犬と共に生活をする家族にとっては、犬が病気になった時など緊急時の対処が気がかりである。特に、大型犬ともなるとその体重が相当大きいので、犬の足が不自由であれば宅内外の移動手段が問題となる。
一方、犬・猫などの動物介護用手持ち付きマットに関する従来技術として、特許文献1などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3120875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術は、介護対象の動物を一人で持ち運びすることができないという問題点がある。
【0005】
また、犬や猫などの動物を寝具上に寝かせている場合、上記文献に記載されるように厚手のマットである必要が無いばかりか、マットの重さの分だけ持ち運び時の負担が大きくなるという問題点がある。
【0006】
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、日常的に使用している動物用寝具を利用しつつ、介護対象の動物を飼い主などが一人で移動させることができる動物介護用マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する動物介護用マットの一形態は、開示の動物介護用マットは、犬用寝具と同程度の広さのマットと、前記マット裏面であって、該マット長手方向の中心付近について対称となる各位置にループ状に縫い付けた帯状ロープの、前記マットの短手方向両端からはみ出た部分である持ち手と、前記マット表面長手方向の両端に設置され、ひっくり返すことで該マット裏面長手方向の両端に配置される袋状機構と、前記マット短手方向の同じ側に備えられた2つの前記持ち手に装着される肩掛け用ベルトと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する動物介護用マットは、日常的に使用している動物用寝具を利用しつつ、介護対象の動物を飼い主などが一人で移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態に係る動物介護用マットの表面側平面図である。
【図2】本実施の形態に係る動物介護用マットの裏面側平面図である。
【図3】本実施の形態に係る動物介護用マットの使用状態図(その1)である。
【図4】本実施の形態に係る動物介護用マットの使用状態図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る動物介護用マットの構造)
【0011】
図1及び図2を用いて、本実施の形態に係る動物介護用マット1の構造について説明する。図1は、動物介護用マット1の表面側平面図であり、図2は、動物介護用マット1の裏面側平面図である。
【0012】
図1及び図2で示すように、動物介護用マット1は、マット10、持ち手20、袋状機構30、肩掛け用ベルト40を有する。マット10は、犬用寝具と同程度の大きさ(例えば、88cm×56cm、80cm×53cmなど)であって、ある程度の強度(引っ張り強度)が確保されていれば、例えば、風呂敷のような薄手の布であっても良い。また、マット10の材質は、特に限定されないが、大型犬など重量が大きい動物を乗せて運ぶ際、破れない程度の強度が必要である。
【0013】
また、マット10は、動物介護用マット1上に大型犬など重量が大きい動物を乗せて使用する際の撓みを小さくすることを目的に、マット10内にやや硬めの中敷き部材を挿入する形態でも良い。なお、中敷き部材の材質は、マット10の撓みを小さくするという目的を達成する限りにおいて、特に限定されない。
【0014】
図2で示すように、持ち手20は、マット10の裏面であって、長手方向の1/2から振り分け位置に、帯状ロープを並行してループ状に縫い付け、当該ループ状に縫い付けたロープがマット10よりはみ出した部分で構成される。なお、持ち手20は、シート10の短手方向両端の片側に2つずつで合計4つが備えられる。
【0015】
図1で示すように、袋状機構30は、マット10表面の長手方向両端に設置される袋状の機構である。また、袋状機構30は、マット10裏面側にひっくり返し、マット10裏面の長手方向両端に配置させることができる。
【0016】
図1及び図2で示すように、肩掛け用ベルト40は、マット10の短手方向端部の同じ側に配置される2つの持ち手20に着脱可能に装着される。例えば、肩掛け用ベルト40は、図1及び図2で示すようにバックル機構によって持ち手20に着脱可能となる形態であっても良いが、その他の機構によって当該機能が実現されても良い。また、肩掛け用ベルト40は、長さ調節を可能とする機構を備えていても良い。
(本実施の形態に係る動物介護用マットの使用方法)
【0017】
図3及び図4を用いて、本実施の形態に係る動物介護用マット1の使用方法について説明する。動物介護用マット1の使用者(以下、単に「使用者」という。)は、動物介護用マット1を床など地面に敷き、マット10上に、日常的に使用する動物用(例えば、犬用など)寝具50を配置する(敷く)。なお、図3で示すように、肩掛け用ベルト40は、通常使用時において邪魔にならないように、持ち手20から外しておく。また、袋状機構30は、ひっくり返しマット10の裏面側に配置させておいても良い。
次に使用者は、マット10上に敷いた動物用寝具50の上に、移動対象(介護対象)の動物60を誘導し休ませる。
【0018】
図4で示すように、何らかの理由により動物60を移動させる必要がある場合、使用者は、持ち手20に肩掛け用ベルト40を装着し、寝具50に動物60を乗せたまま、肩掛け用ベルト40を自分の肩に掛け、動物介護用マット1ごと動物60を持ち上げ、そのまま移動させる。
【0019】
また、図4で示すように、使用者は、マット10表面に設置される袋状機構30によって、動物用寝具50及び動物60の前方及び後方を覆い、動物介護用マット1上から動物用寝具50及び動物60が滑り落ちないようにする。
【0020】
こうすることで、動物介護用マット1は、飼い主など使用者が一人であっても、日常的に使用する動物用寝具50を利用しつつ、介護対象の動物60を自在に移動させることができる。
【0021】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 動物介護用マット
10 マット
20 持ち手
30 袋状機構
40 肩掛け用ベルト
50 動物用寝具(犬用寝具)
60 移動対象の動物(介護対象の犬)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
犬用寝具と同程度の広さのマットと、
前記マット裏面であって、該マット長手方向の中心付近について対称となる各位置にループ状に縫い付けた帯状ロープの、前記マットの短手方向両端からはみ出た部分である持ち手と、
前記マット表面長手方向の両端に設置され、ひっくり返すことで該マット裏面長手方向の両端に配置される袋状機構と、
前記マット短手方向の同じ側に備えられた2つの前記持ち手に装着される肩掛け用ベルトと、を有することを特徴とする動物介護用マット。
【請求項2】
前記肩掛け用ベルトが、前記持ち手に着脱自在に装着されることを特徴とする請求項1に記載の動物介護用マット。
【請求項3】
前記肩掛け用ベルトが、長さ調節が自在であることを特徴とする請求項1又は2に記載の動物介護用マット。
【請求項4】
前記マットが、該マットの撓みを小さくするための補強材として中敷き部材を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の動物介護用マット。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−80(P2013−80A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135821(P2011−135821)
【出願日】平成23年6月18日(2011.6.18)
【出願人】(510092236)
【Fターム(参考)】