説明

動物外部寄生虫防除組成物

【課題】優れた効力を有する動物外部寄生虫の防除組成物を提供する。
【解決手段】殺虫成分(I)[Qは少なくとも1つのフッ素原子を含むC1〜C3ハロアルキル基、またはフッ素原子を、R1及びR3は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、または水素原子を、R2及びR4は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基、-C(=G)R5、シアノ基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;Gは酸素原子、または硫黄原子を表す]などとアジピン酸エステルとを含有する動物外部寄生虫防除組成物;及び該動物外部寄生虫防除組成物の有効量を、動物に投与することを特徴とする動物外部寄生虫の防除方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物外部寄生虫防除組成物及び動物外部寄生虫の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物に寄生する外部寄生虫を防除する方法として、殺虫成分を動物に投与する方法が知られている(特許文献1〜2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−313104号公報
【特許文献2】特表2007−534714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた効力を有する動物外部寄生虫の防除組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、殺虫成分とアジピン酸エステルとを含有する組成物が、動物外部寄生虫に対して優れた防除効力を有することを見出し、本発明に至った。
【0006】
即ち、本発明は以下の発明に係るものである。
[1] 殺虫成分とアジピン酸エステルとを含有する動物外部寄生虫防除組成物(以下、本発明組成物と記す。)。
[2] アジピン酸エステルがアジピン酸ジイソプロピル及びアジピン酸ジイソブチルから選ばれる少なくとも1種である[1]記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[3] 殺虫成分とアジピン酸エステルとの重量比が1:0.2から1:500であることを特徴とする[1]または[2]記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[4] 殺虫成分とアジピン酸エステルとの重量比が1:0.2〜1:50であることを特徴とする[1]または[2]記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[5] 殺虫成分とアジピン酸エステルとの重量比が1:0.5〜1:50であることを特徴とする[1]または[2]記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[6] 殺虫成分とアジピン酸エステルとを合計量にして、0.1〜100重量%含有することを特徴とする[1]〜[5]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[7] 殺虫成分とアジピン酸エステルとを合計量にして、10〜100重量%含有することを特徴とする[1]〜[5]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[8] 殺虫成分とアジピン酸エステルとを合計量にして、30〜100重量%含有することを特徴とする[1]〜[5]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[9] 殺虫成分が、含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物、有機リン系化合物、昆虫成長制御活性化合物、フェニルピラゾール系化合物、カーバメート系化合物及びベンゾイル尿素系化合物から選ばれる少なくとも1種である[1]〜[8]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[10] 含ハロゲン有機硫黄系化合物が、下記式(I)

〔式中、mは0または1を表し、nは0、1または2を表し、Aは群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいC3〜C7シクロアルキル基、または群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいC5〜C7シクロアルケニル基を表し;Qは少なくとも1つのフッ素原子を含むC1〜C3ハロアルキル基、またはフッ素原子を表し;R1及びR3は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;R2及びR4は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基、-C(=G)R5、シアノ基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;Gは酸素原子、または硫黄原子を表し;R5はハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、または水素原子を表し;群E1は、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基、-OR6、-SR6、-S(=O)R6、-S(=O)26、-C(=O)R7、-OC(=O)R8、ハロゲン原子、シアノ基、及び、ヒドロキシル基からなる一価基の群を表し;群E2は、=O、=NO-R6、=C=CH2、及び、=C(R11)R12からなる同一の原子からの二価基の群を表し;群E3は、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2−C6アルキレン基、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC4−C6アルケニレン基、-G-T1-G-、及び、-G-T1-G-T2-からなる異なる原子からの二価基の群を表し;T1及びT2は同一または相異なり、メチレン基、またはエチレン基を表し;R6はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基を表し;R7はヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、または水素原子を表し、R8はハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、または水素原子を表し;R11およびR12は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;群Lは、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、-N(R9)R10、C2〜C5環状アミノ基、-C(=O)R7、-OC(=O)R8、及び、ハロゲン原子からなる群を表し;R9及びR10は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、または水素原子を表す。〕で示される含ハロゲン有機硫黄系化合物である[9]に記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[11] 前記式(I)において、mが0である[10]に記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[12] 前記式(I)において、nが2である[10]または[11]記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[13] 前記式(I)において、R2が水素原子である[10]〜[12]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[14] 前記式(I)において、R2がC1〜C4アルキル基である[10]〜[12]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[15] 前記式(I)において、R2がシアノ基である[10]〜[12]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[16] 前記式(I)において、R2が-C(=G)R5であり、Gが酸素原子であり、R5がアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、またはC2〜C5環状アミノ基である[10]〜[12]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[17] 前記式(I)において、R2が-C(=G)R5であり、Gが酸素原子であり、R5がアミノ基である[10]〜[12]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[18] 前記式(I)において、R1が水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基である[10]〜[17]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[19] 前記式(I)において、R1がハロゲン原子である[10]〜[17]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[20] 前記式(I)において、Aが群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である[10]〜[19]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[21] 前記式(I)において、群E1〜E3より選ばれる基が=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である[10]〜[20]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[22] 前記式(I)において、Aがハロゲン原子で置換されたシクロヘキシル基である[10]〜[20]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[23] 液剤の形態で使用する[1]〜[21]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[24] 経口製剤、皮膚外用剤または注射製剤の形態で使用する[1]〜[23]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[25] 対象の動物外部寄生虫が、ノミ目、シラミ目またはダニ目である[1]〜[24]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
[26] [1]〜[25]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物の有効量を、動物に投与することを特徴とする動物外部寄生虫の防除方法。
[27] 動物への投与方法がスポットオン処理またはポアオン処理である[26]に記載の方法。
[28] [1]〜[25]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物を、対象となる動物の生体重1kg当たり、1〜5000mg投与することを特徴とする[26]または[27]記載の方法。
[29] [1]〜[25]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物を、対象となる動物の生体重1kg当たり、10〜1000mg投与することを特徴とする[26]または[27]記載の方法。
[30] [1]〜[25]いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物を、対象となる動物の生体重1kg当たり、50〜500mg投与することを特徴とする[26]または[27]記載の方法。
[31] 対象となる動物が哺乳動物である[26]または[27]記載の方法。
[32] 対象となる動物がイヌまたはネコである[26]または[27]記載の方法。
[33]対象となる動物がウシ、ウマ、ブタ、またはヒツジである[26]または[27]記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明組成物を用いることにより、動物外部寄生虫を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明組成物に用いられるアジピン酸エステルとしては、アジピン酸ビス(2−メトキシエチル)、アジピン酸ビス(2−エトキシエチル)、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイデシル、アジピン酸ジイソオクタデシル、アジピン酸モノメチル、アジピン酸モノエチル、アジピン酸モノベンジル、アジピン酸エチレングリコール、アジピン酸ポリエチレングリコール、これらの混合物などが挙げられ、好ましくは炭素数が1〜5の低級アルコールとの2塩基酸エステルであり、具体的にはアジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチルが挙げられ、より好ましくはアジピン酸ジイソプロピルが挙げられる。本発明組成物における殺虫成分とアジピン酸エステルとの重量比は、通常1:0.1〜1:1000であり、好ましくは1:0.2〜1:500であり、より好ましくは1:0.2〜1:50であり、さらに好ましくは1:0.5〜1:50である。
【0009】
本発明組成物を構成する殺虫成分としては、公知の殺虫成分を用いることができる。含ハロゲン有機硫黄系化合物としては、具体的には、特開2009−1550号公報、特開2009−1551号公報、特開2009−1552号公報、特開2009−256302号公報等に記載される化合物等が挙げられ、該公報に記載される方法により製造することができる。ピレスロイド系化合物としては、例えばメトフルトリン、フェンプロパスリン、ペルメトリン、アレスリン、d−アレスリン、プラレトリン、サイフェノトリン、フェノトリン、レスメトリン、エムペントリン、フェンバレレ−ト、シハロトリン、サイフルトリン、エトフェンプロクス、トラロメトリン、エスビオスリン、トランスフルスリン、テラレスリン、プロフルトリン等が挙げられる。ネオニコチノイド系化合物としては、例えばアセタミプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム、イミダクロプリド、ジノテフラン、クロチアニジン等が挙げられる。昆虫成長制御活性化合物としては、例えばピリプロキシフェン、メソプレン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、ジフルベンズロン、クロロフルアズロン、トリフルムロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、シロマジン、ルフェヌロン等が挙げられる。有機リン系化合物としては、例えばフェニトロチオン、ナレド、フェンチオン、シアホス、クロルピリホス、ダイアジノン、カルクロホス、サリチオン、テトラクロルビンフォス、ジクロルボス等が挙げられる。フェニルピラゾール系化合物としては、例えばアセトプロール、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピリプロール、ピラフルプロール等が挙げられる。カーバメート系化合物としては、例えばアラニカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、BPMC、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メトルカルブ、 メソミル、メチオカルブ、NAC、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル、XMC、チオジカルブ、 キシリルカルブ、アルジカルブ等が挙げられる。ベンゾイル尿素系化合物としては、例えばビストリフルロン、ジアフェンチウロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリアズロン等が挙げられる。
【0010】
好ましい含ハロゲン有機硫黄系化合物としては、次式(I)


〔式中、mは0または1を表し、nは0、1または2を表し、
Aは群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいC3〜C7シクロアルキル基、または群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいC5〜C7シクロアルケニル基を表し;Qは少なくとも1つのフッ素原子を含むC1〜C3ハロアルキル基、またはフッ素原子を表し;R1及びR3は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;R2及びR4は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基、-C(=G)R5、シアノ基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;Gは酸素原子、または硫黄原子を表し;R5はハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、または水素原子を表し;群E1は、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基、-OR6、-SR6、-S(=O)R6、-S(=O)26、-C(=O)R7、-OC(=O)R8、ハロゲン原子、シアノ基、及び、ヒドロキシル基からなる一価基の群を表し;群E2は、=O、=NO-R6、=C=CH2、及び、=C(R11)R12からなる同一の原子からの二価基の群を表し;群E3は、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2−C6アルキレン基、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC4−C6アルケニレン基、-G-T1-G-、及び、-G-T1-G-T2-からなる異なる原子からの二価基の群を表し;T1及びT2は同一または相異なり、メチレン基、またはエチレン基を表し;R6はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基を表し;R7はヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、または水素原子を表し、R8はハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、または水素原子を表し;R11およびR12は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;群Lは、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、-N(R9)R10、C2〜C5環状アミノ基、-C(=O)R7、-OC(=O)R8、及び、ハロゲン原子からなる群を表し;R9及びR10は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、または水素原子を表す。〕で示される含ハロゲン有機硫黄系化合物が挙げられる。
【0011】
式(I)で示される含ハロゲン有機硫黄系化合物には、異性体が存在する場合があるが、本発明にはその各々および任意の異性体比率である化合物を用いることができる。
本明細書中において、例えば「ハロアルキル基」とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子および沃素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子1個または2個以上で置換されたアルキル基を表し、C1〜C6等の記載は、各置換基を構成する全炭素数を意味する。
【0012】
式(I)において、「群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいC3〜C7シクロアルキル基」におけるC3〜C7シクロアルキル基とは3〜7員の飽和炭素環基であり、具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基である。「群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいC5〜C7シクロアルケニル基」におけるC5〜C7シクロアルケニル基とは5〜7員の最多二重結合を有しない不飽和炭素環基であり、具体的には1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、1−シクロヘプテニル基、2−シクロヘプテニル基、3−シクロヘプテニル基及び4−シクロヘプテニル基があげられる。
【0013】
当該C3〜C7シクロアルキル基および当該C5〜C7シクロアルケニル基において、2つ以上の群E1から選ばれる一価基が環上の異なる炭素原子上の2つ以上の水素原子を置換しても、環上の同一の炭素原子上の2つの水素原子を置換していてもよく、更に2つ以上の群E1から選ばれる基は同一でも相異なっていてもよい。以下に、シクロヘキシル基に2つの群E1から選ばれる基が置換した例を示す。

また、当該C3〜C7シクロアルキル基および当該C5〜C7シクロアルケニル基において、群E2または群E3から選ばれる二価基が環上の異なる炭素原子上の2つの水素原子を置換していても、環上の同一の炭素原子上で置換していてもよい。以下に、シクロヘキシル基に1つの群E3から選ばれる基が置換した例を示す。

【0014】
群E1において、
「群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C6鎖式炭化水素基」としては、例えばメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−プロピニルオキシメチル基、2−ブチニルオキシメチル基、ヒドロキシメチル基等の群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基;ビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基等の群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C6アルケニル基;3−メトキシ−1−プロピニル基、3−メトキシ−1−ブチニル基、4−メトキシ−1−ブチニル基、4−メトキシ−2−ブチニル基、3−メトキシ−1−ペンチニル基、4−メトキシ−1−ペンチニル基、5−メトキシ−1−ペンチニル基、4−メトキシ−2−ペンチニル基、5−メトキシ−2−ペンチニル基、5−メトキシ−3−ペンチニル基、3−ヒドロキシ1−プロピニル基、3−ヒドロキシ1−ブチニル基、4−ヒドロキシ1−ブチニル基、4−ヒドロキシ2−ブチニル基、3−ヒドロキシ1−ペンチニル基、4−ヒドロキシ1−ペンチニル基、5−ヒドロキシ1−ペンチニル基、4−ヒドロキシ2−ペンチニル基、5−ヒドロキシ2−ペンチニル基、5−ヒドロキシ3−ペンチニル基、3−メチルアミノ1−プロピニル基、3−メチルアミノ1−ブチニル基、4−メチルアミノ1−ブチニル基、4−メチルアミノ2−ブチニル基、3−メチルアミノ1−ペンチニル基、4−メチルアミノ1−ペンチニル基、5−メチルアミノ1−ペンチニル基、4−メチルアミノ2−ペンチニル基、5−メチルアミノ2−ペンチニル基、5−メチルアミノ3−ペンチニル基、3−ジメチルアミノ1−プロピニル基、3−ジメチルアミノ1−ブチニル基、4−ジメチルアミノ1−ブチニル基、4−ジメチルアミノ2−ブチニル基、3−ジメチルアミノ1−ペンチニル基、4−ジメチルアミノ1−ペン
チニル基、5−ジメチルアミノ1−ペンチニル基、4−ジメチルアミノ2−ペンチニル基、5−ジメチルアミノ2−ペンチニル基、5−ジメチルアミノ3−ペンチニル基、3−フェニルアミノ1−プロピニル基、3−フェニルアミノ1−ブチニル基、4−フェニルアミノ1−ブチニル基、4−フェニルアミノ2−ブチニル基、3−フェニルアミノ1−ペンチニル基、4−フェニルアミノ1−ペンチニル基、5−フェニルアミノ1−ペンチニル基、4−フェニルアミノ2−ペンチニル基、5−フェニルアミノ2−ペンチニル基、5−フェニルアミノ3−ペンチニル基、3−メチルフェニルアミノ1−プロピニル基、3−メチルフェニルアミノ1−ブチニル基、4−メチルフェニルアミノ1−ブチニル基、4−メチルフェニルアミノ2−ブチニル基、3−メチルフェニルアミノ1−ペンチニル基、4−メチルフェニルアミノ1−ペンチニル基、5−メチルフェニルアミノ1−ペンチニル基、4−メチルフェニルアミノ2−ペンチニル基、5−メチルフェニルアミノ2−ペンチニル基、5−メチルフェニルアミノ3−ペンチニル基、、3−(1−ピロリジニル)1−プロピニル基、3−(1−ピロリジニル)1−ブチニル基、4−(1−ピロリジニル)1−ブチニル基、4−(1−ピロリジニル)2−ブチニル基、3−(1−ピロリジニル)1−ペンチニル基、4−(1−ピロリジニル)1−ペンチニル基、5−(1−ピロリジニル)1−ペンチニル基、4−(1−ピロリジニル)2−ペンチニル基、5−(1−ピロリジニル)2−ペンチニル基、5−(1−ピロリジニル)3−ペンチニル基、3−(1−ピペリジニル)1−プロピニル基、3−(1−ピペリジニル)1−ブチニル基、4−(1−ピペリジニル)1−ブチニル基、4−(1−ピペリジニル)2−ブチニル基、3−(1−ピペリジニル)1−ペンチニル基、4−(1−ピペリジニル)1−ペンチニル基、5−(1−ピペリジニル)1−ペンチニル基、4−(1−ピペリジニル)2−ペンチニル基、5−(1−ピペリジニル)2−ペンチニル基、5−(1−ピペリジニル)3−ペンチニル基、3−(1−モルホリニル)1−プロピニル基、3−(1−モルホリニル)1−ブチニル基、4−(1−モルホリニル)1−ブチニル基、4−(1−モルホリニル)2−ブチニル基、3−(1−モルホリニル)1−ペンチニル基、4−(1−モルホリニル)1−ペンチニル基、5−(1−モルホリニル)1−ペンチニル基、4−(1−モルホリニル)2−ペンチニル基、5−(1−モルホリニル)2−ペンチニル基、5−(1−モルホリニル)3−ペンチニル基、3−メトキシカルボニル−1−プロピニル基、3−メトキシカルボニル−1−ブチニル基、4−メトキシカルボニル−1−ブチニル基、4−メトキシカルボニル−2−ブチニル基、3−メトキシカルボニル−1−ペンチニル基、4−メトキシカルボニル−1−ペンチニル基、5−メトキシカルボニル−1−ペンチニル基、4−メトキシカルボニル−2−ペンチニル基、5−メトキシカルボニル−2−ペンチニル基、5−メトキシカルボニル−3−ペンチニル基、3−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピニル基、3−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチニル基、4−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチニル基、4−ジメチルアミノカルボニル−2−ブチニル基、3−ジメチルアミノカルボニル−1−ペンチニル基、4−ジメチルアミノカルボニル−1−ペンチニル基、5−ジメチルアミノカルボニル−1−ペンチニル基、4−ジメチルアミノカルボニル−2−ペンチニル基、5−ジメチルアミノカルボニル−2−ペンチニル基、5−ジメチルアミノカルボニル−3−ペンチニル基、3−(1−ピロリジニル)カルボニル−1−プロピニル基、3−(1−ピロリジニル)カルボニル−1−ブチニル基、4−(1−ピロリジニル)カルボニル−1−ブチニル基、4−(1−ピロリジニル)カルボニル−2−ブチニル基、3−(1−ピロリジニル)カルボニル−1−ペンチニル基、4−(1−ピロリジニル)カルボニル−1−ペンチニル基、5−(1−ピロリジニル)カルボニル−1−ペンチニル基、4−(1−ピロリジニル)カルボニル−2−ペンチニル基、5−(1−ピロリジニル)カルボニル−2−ペンチニル基、5−(1−ピロリジニル)カルボニル−3−ペンチニル基、3−(1−ピペリジニル)カルボニル−1−プロピニル基、3−(1−ピペリジニル)カルボニル−1−ブチニル基、4−(1−ピペリジニル)カルボニル−1−ブチニル基、4−(1−ピペリジニル)カルボニル−2−ブチニル基、3−(1−ピペリジニル)カルボニル−1−ペンチニル基、4−(1−ピペリジニル)カルボニル−1−ペンチニル基、5−(1−ピペリジニル)カルボニル−1−ペンチニル基、4−(1−ピペリジニル)カルボニル−2−ペンチニル基、5−(1−ピペリジニル)カルボニル−2−ペンチニル基、5−(1−ピペリジニル)カルボニル−3−ペンチニル基、3−(1−モルホリニル)カルボニル−1−プロピニル基、3−(1−モルホリニル)カルボニル−1−ブチニル基、4−(1−モルホリニル)カルボニル−1−ブチニル基、4−(1−モルホリニル)カルボニル−2−ブチニル基、3−(1−モルホリニル)カルボニル−1−ペンチニル基、4−(1−モルホリニル)カルボニル−1−ペンチニル基、5−(1−モルホリニル)カルボニル−1−ペンチニル基、4−(1−モルホリニル)カルボニル−2−ペンチニル基、5−(1−モルホリニル)カルボニル−2−ペンチニル基、5−(1−モルホリニル)カルボニル−3−ペンチニル基、3−カルボキシ−1−プロピニル基、3−カルボキシ−1−ブチニル基、4−カルボキシ−1−ブチニル基、4−カルボキシ−2−ブチニル基、3−カルボキシ−1−ペンチニル基、4−カルボキシ−1−ペンチニル基、5−カルボキシ−1−ペンチニル基、4−カルボキシ−2−ペンチニル基、5−カルボキシ−2−ペンチニル基、5−カルボキシ−3−ペンチニル基、3−アセトキシ−1−プロピニル基、3−アセトキシ−1−ブチニル基、4−アセトキシ−1−ブチニル基、4−アセトキシ−2−ブチニル基、3−アセトキシ−1−ペンチニル基、4−アセトキシ−1−ペンチニル基、5−アセトキシ−1−ペンチニル基、4−アセトキシ−2−ペンチニル基、5−アセトキシ−2−ペンチニル基、5−アセトキシ−3−ペンチニル基、3−メトキシカルボニルオキシ−1−プロピニル基、3−メトキシカルボニルオキシ−1−ブチニル基、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ブチニル基、4−メトキシカルボニルオキシ−2−ブチニル基、3−メトキシカルボニルオキシ−1−ペンチニル基、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ペンチニル基、5−メトキシカルボニルオキシ−1−ペンチニル基、4−メトキシカルボニルオキシ−2−ペンチニル基、5−メトキシカルボニルオキシ−2−ペンチニル基、5−メトキシカルボニルオキシ−3−ペンチニル基、2−ブロモエチニル基、2−ヨードエチニル基、3−フルオロ−1−プロピニル基、3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、3,3,3−トリジフルオロ−1−プロピニル基、3−フルオロ−1−プロピニル基、3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基、1−フルオロ−2−プロピニル基、1,1−ジフルオロ−2−プロピニル基、3−フルオロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ブチニル基、3−フルオロ−1−ペンチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−フルオロ−1−ペンチニル基、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基等の群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C6アルキニル基があげられる。
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基があげられる。
「-OR6」で示される基としては、例えば群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基;群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C4アルケニルオキシ基;群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C4アルキニルオキシ基;群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルコキシ基があげられ、より具体的には、例えば2−プロピニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基等のハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C4アルケニルオキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C4アルキニルオキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルコキシ基があげられる。
「-SR6」で示される基としては、例えば群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C4アルキルチオ基があげられる。
「-S(=O)R6」で示される基としては、例えば群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルフィニル基があげられる。
「-S(=O)26」で示される基としては、例えば群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルホニル基が挙げられる。
「-C(=O)R7」で示される基としては、例えばR7がハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基である基;R7がハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基である基;R7がハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基である基;R7がハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基である基;R7がアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基である基;R7がC2〜C5環状アミノ基である基;R7がヒドロキシル基である基;R7が水素原子である基があげられる。
「-OC(=O)R8」で示される基としては、例えばR8がハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基である基;R8がハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基である基;R8がハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基である基;R8がハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基である基;R8がアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基である基;R8がC2〜C5環状アミノ基である基;R8が水素原子である基があげられる。
【0015】
群E2の二価基は同一の原子上に遊離原子価を2つ有する二価基であり、群E3の二価基は異なる原子上に遊離原子価が1つづつ有する二価基である。
群E2において、
「=NO-R6」としては、例えばR6が群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基である基;R6が群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C4アルケニル基である基;R6が群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C4アルキニル基である基;R6が群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基である基があげられ、より具体的には、例えばメトキシイミノ基、エトキシイミノ基、イソプロポキシイミノ基、シクロプロピルイミノ基、2,2,2-トリフルオロエトキシイミノ基、アリルイミノ基及び3−プロピニルイミノが挙げられる。
「=C(R11)R12」としては、例えばメチリデン基、エチリデン基、1−メチルエチリ
デン基、プロピリデン基及びジクロロメチリデン基が挙げられる。
【0016】
群E3において、
「群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C6アルキレン基」としては、例えばエタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、2,3−ジクロロブタン−1,4−ジイル基及びペンタン−1,5−ジイル基が挙げられる。
群E3において、
「群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC4〜C6アルケニレン基」としては、例えば2−ブテン−1,4−ジイル基及び3−ペンテン−1,5−ジイル基が挙げられる。「G-T1-G-」で示される基としては、例えば-OCH2O-、-SCH2S-、-OCH2CH2O-及び-SCH2CH2S-が挙げられる。「-G-T1-G-T2-」で示される基としては、例えば-OCH2OCH2-、-SCH2SCH2-、-OCH2CH2OCH2-及び-SCH2CH2SCH2-が挙げられる。
【0017】
「少なくとも1つのフッ素原子を含むC1〜C5ハロアルキル基」としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、2,2−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチル基、1,1−ジフルオロブチル基、2,2―ジフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−ウンデカフルオロペンチル基、1,1−ジフルオロペンチル基及び2,2−ジフルオロペンチル基等のフッ素原子のみで置換されたC1〜C5アルキル基;クロロジフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエチル基、1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロピル基及び2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル基等のフッ素原子と塩素原子とで置換されたC1〜C5アルキル基;2,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,3−ジブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基、1−ブロモ−1,3,3,3−テトラフルオロプロピル基、1−ブロモ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,3−ジブロモ−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、3−ブロモ−2,3,3−トリフルオロプロピル基、3−ブロモ−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,3−ジブロモ−2,3,3−トリフルオロプロピル基及び3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基等のフッ素原子と臭素原子とで置換されたC1〜C5アルキル基があげられる。「少なくとも1つのフッ素原子を含むC1〜C3ハロアルキル基」としては、例えばトリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基及び1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピル基等のフッ素原子で置換されたC1〜C3アルキル基;クロロジフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエチル基、1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプロピル基及び2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル基等のフッ素原子と塩素原子とで置換されたC1〜C3アルキル基;2,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,3−ジブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基、1−ブロモ−1,3,3,3−テトラフルオロプロピル基、1−ブロモ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,3−ジブロモ−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、3−ブロモ−2,3,3−トリフルオロプロピル基、3−ブロモ−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,3−ジブロモ−2,3,3−トリフルオロプロピル基及び3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基等のフッ素原子と臭素原子とで置換されたC1〜C3アルキル基があげられる。
「C1〜C5フルオロアルキル基」としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、2,2−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチル基、1,1−ジフルオロブチル基、2,2―ジフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−ウンデカフルオロペンチル基、1,1−ジフルオロペンチル基及び2,2−ジフルオロペンチル基等が挙げられる。
「C1〜C3フルオロアルキル基」としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基及び1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピル基が挙げられる。
【0018】
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子及び臭素原子があげられ、「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基」としては、例えばハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC2〜C4アルケニル基、及び、ハロゲン原子で置換されていてもよいC2〜C4アルキニル基があげられる。
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基(以下、i−プロピル基を記載する場合もある。)、2,2−ジメチルプロピル基、クロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基及び1,1−ジメチルエチル基(以下、t−ブチル基と記載する場合もある。)があげられる。「ハロゲン原子で置換されていてもよいC2〜C4アルケニル基」としては、例えばビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、1,2,2−トリフルオロビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基及び2−ブテニル基があげられる。
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC2〜C4アルキニル基」としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基及び3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基があげられる。
【0019】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基」としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基,クロロジフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基及び1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基が挙げられる。
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基」としては、例えば1−プロペニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、1,1−ジメチル−2−プロペニルオキシ基及び2,2−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ基が挙げられる。
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基」としては、例えば2−プロピニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、1−メチル−2−ブチニルオキシ基、1,1−ジメチル−2−ブチニルオキシ基及び3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニルオキシ基が挙げられる。
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基」としては、例えばN−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−(1−メチルエチル)アミノ基及びN−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基があげられる。
「ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基」としては、例えばN,N−ジメチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−エチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−エチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、N,N−ジ(1−メチルエチル)アミノ基、N−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基及びN−メチル−N−エチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基があげられる。
「C2〜C5環状アミノ基」としては、例えば1−アジリジノ基、1−アゼチジニル基、1−ピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基があげられる。
【0020】
「群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C6鎖式炭化水素基」としては、例えば群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C6アルケニル基、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C6アルキニル基があげられる。
「群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、2,2−ジメチルプロピル基、クロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基及び1,1−ジメチルエチル基等のハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基及びトリフルオロメトキシメチル等のハロゲン原子で置換されていてもよい(C1〜C4アルコキシ)C1〜C4アルキル基;(1−プロペニルオキシ)メチル基、(2−プロペニルオキシ)メチル基、(1−メチル−2−プロペニルオキシ)メチル基、(1,1−ジメチル−2−プロペニルオキシ)メチル基、(2,2−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ)メチル基、1−(1−プロペニルオキシ)エチル基、1−(2−プロペニルオキシ)エチル基、1−(1−メチル−2−プロペニルオキシ)エチル基、1−(1,1−ジメチル−2−プロペニルオキシ)エチル基、1−(2,2−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ)エチル基、2−(1−プロペニルオキシ)エチル基、2−(2−プロペニルオキシ)エチル基、2−(1−メチル−2−プロペニルオキシ)エチル基、2−(1,1−ジメチル−2−プロペニルオキシ)エチル基及び2−(2,2−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ)エチル基等のハロゲン原子で置換されていてもよい(C3〜C6アルケニルオキシ)C1〜C4アルキル基;(2−プロピニルオキシ)メチル基、(1−メチル−2−プロピニルオキシ)メチル基、(1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ)メチル基、(2−ブチニルオキシ)メチル基、(1−メチル−2−ブチニルオキシ)メチル基、(1,1−ジメチル−2−ブチニルオキシ)メチル基、(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニルオキシ)メチル基、1−(2−プロピニルオキシ)エチル基、1−(1−メチル−2−プロピニルオキシ)エチル基、1−(1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ)エチル基、1−(2−ブチニルオキシ)エチル基、1−(1−メチル−2−ブチニルオキシ)エチル基、1−(1,1−ジメチル−2−ブチニルオキシ)エチル基、1−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニルオキシ)エチル基、2−(2−プロピニルオキシ)エチル基、2−(1−メチル−2−プロピニルオキシ)エチル基、2−(1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ)エチル基、2−(2−ブチニルオキシ)エチル基、2−(1−メチル−2−ブチニルオキシ)エチル基、2−(1,1−ジメチル−2−ブチニルオキシ)エチル基及び2−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニルオキシ)エチル基等のハロゲン原子で置換されていてもよい(C3〜C6アルキニルオキシ)C1〜C4アルキル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシエチル基及び2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基等のハロゲン原子で置換されていてもよい(ヒドロキシ)C1〜C4アルキル基があげられる。
「群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C6アルケニル基」としては、例えばビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、1,2,2−トリフルオロビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基及び1−メチル−2−プロペニル基等のハロゲン原子で置換されていてもよいC2〜C6アルケニル基があげられる。
「群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C6アルキニル基」としては、1−エチニル基、2−ブロモエチニル基、2−ヨードエチニル基及び2−(メトキシカルボニル)エチニル基等のエチニル基;1−プロピニル基、3−フルオロ−1−プロピニル基、3,3−ジフルオロ−1−プロピニル基、3−(ジメチルアミノ)−1−プロピニル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル基、3−メトキシ−1−プロピニル基及び3−(メトキシカルボニル)−1−プロピニル基等の1−プロピニル基;2−プロピニル基、1−フルオロ−2−プロピニル基及び1,1−ジフルオロ−2−プロピニル基等の2−プロピニル基;1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ブチニル基、4−メトキシ−1−ブチニル基、4−(ジメチルアミノ)−1−ブチニル基及び4−(メトキシカルボニル)−1−ブチニル基等の1−ブチニル基;2−ブチニル基、4−フルオロ−2−ブチニル基、4−メトキシ−2−ブチニル基、4−(ジメチルアミノ)−2−ブチニル基及び4−(メトキシカルボニル)−2−ブチニル基等の2−ブチニル基3−ブチニル基及び1,1−ジフルオロ−3−ブチニル基等の3−ブチニル基;1−ペンチニル基、5−フルオロ−1−ペンチニル基、5−メトキシ−1−ペンチニル基、5−(ジメチルアミノ)−1−ペンチニル基及び5−(メトキシカルボニル)−1−ペンチニル基等の1−ペンチニル基;2−ペンチニル基、5−フルオロ−2−ペンチニル基、5−メトキシ−2−ペンチニル基、5−(ジメチルアミノ)−2−ペンチニル基及び5−(メトキシカルボニル)−2−ペンチニル基等の2−ペンチニル基;があげられる。
【0021】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、2,2−ジクロロシクロプロピル基、2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル基、2,2−ジフルオロシクロプロピル基、2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。
【0022】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基」としては、例えばフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2,3−ジブロモフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2,5−ジブロモフェニル、2,6−ジブロモフェニル、3,4−ジブロモフェニル及び3,5−ジブロモフェニルがあげられる。
尚、本明細書において使用している略号は、以下の意味を有する。
Me:メチル基、Et:エチル基、Bn:べンジル基、Ph:フェニル基、Ts:p−トルエンスルホニル基、Ac:アセチル基。
【0023】
式(I)で示される含ハロゲン有機硫黄系化合物として、好ましくは、以下の含ハロゲン有機硫黄系化合物があげられる。
【0024】
式(I)において、mが0である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、nが2である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、R2が水素原子である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、R2がC1〜C4アルキル基である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、R2がシアノ基である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、R2が-C(=G)R5であり、Gが酸素原子であり、R5がアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、またはC2〜C5環状アミノ基である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、R2が-C(=G)R5であり、Gが酸素原子であり、R5がアミノ基である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、R1が水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、R1がハロゲン原子である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、Aが群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、群E1〜E3より選ばれる基が=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
式(I)において、Aがハロゲン原子で置換されたシクロヘキシル基である含ハロゲン有機硫黄系化合物。
【0025】
本発明の有害生物防除組成物の態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
後述の製造例で示す本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソプロピルとを含有する組成物;
後述の製造例で示す本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソブチルとを含有する組成物;
【0026】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:アジピン酸ジイソプロピル1:0.2〜1:500の重量比で含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソブチルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:アジピン酸ジイソプロピル=1:0.2〜1:500の重量比で含有する組成物;
【0027】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:アジピン酸ジイソプロピル=1:0.5〜1:50の重量比で含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソブチルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:アジピン酸ジイソプロピル=1:0.5〜1:50の重量比で含有する組成物;
【0028】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソプロピルとを含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソブチルとを含有する組成物;
【0029】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:ピリプロキシフェン:アジピン酸ジイソプロピル1:0.005:0.2〜1:0.25:500の重量比で含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソブチルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:ピリプロキシフェン:アジピン酸ジイソプロピル=1:0.005:0.2〜1:0.25:500の重量比で含有する組成物;
【0030】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:ピリプロキシフェン:アジピン酸ジイソプロピル=1:0.01:0.5〜1:0.015:50の重量比で含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソブチルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:ピリプロキシフェン:アジピン酸ジイソプロピル=1:0.01:0.5〜1:0.015:50の重量比で含有する組成物;
【0031】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソプロピルとを含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソブチルとを含有する組成物;
【0032】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:アジピン酸ジイソプロピル1:0.2〜1:500の重量比で含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:アジピン酸ジイソプロピル1:0.2〜1:500の重量比で含有する組成物;
【0033】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:アジピン酸ジイソプロピル1:0.5〜1:50の重量比で含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物と、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:アジピン酸ジイソプロピル1:0.5〜1:50の重量比で含有する組成物;
【0034】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソプロピルとを含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソブチルとを含有する組成物;
【0035】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:ピリプロキシフェン:アジピン酸ジイソプロピル1:0.005:0.2〜1:0.25:500の重量比で含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:ピリプロキシフェン:アジピン酸ジイソプロピル1:0.005:0.2〜1:0.25:500の重量比で含有する組成物;
【0036】
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:ピリプロキシフェン:アジピン酸ジイソプロピル1:0.01:0.5〜1:0.015:50の重量比で含有する組成物;
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種の含ハロゲン有機硫黄系化合物が式(I)で示されるAが=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピリプロキシフェンと、アジピン酸ジイソプロピルとを、含ハロゲン有機硫黄系化合物:ピリプロキシフェン:アジピン酸ジイソプロピル1:0.01:0.5〜1:0.015:50の重量比で含有する組成物;

【0037】
式(I)で示される含ハロゲン有機硫黄系化合物としては、具体的には、例えば以下の参考製造例に示す本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)が挙げられる。
【0038】
参考製造例1
〔工程1−1〕
1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−8−メタノール5.45gをピリジン30mlに溶解し、これにp−トルエンスルホニルクロライド6.64gを加え、室温で6時間攪拌した。該反応混合物に水100mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を1N塩酸水溶液100mlで2回、更に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで1回、飽和食塩水100mlで1回順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−8−イルメチル=p−トルエンスルホナート9.86gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.17-1.28(2H, m), 1.43-1.57(3H, m), 1.71-1.73(4H, m)
, 2.45(3H, S), 3.83(2H, d), 3.88-3.95(4H, m), 7.33(2H, d), 7.77(2H, d)
【0039】
〔工程1−2〕
1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−8−イルメチル=p−トルエンスルホナート9.86gをジメチルスルホキシド40mlに溶解し、これにチオ酢酸カリウム4.00gを加え、70℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、該反応混合物に水100mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−8−イルメチル=チオアセテート5.41gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.29-1.36(2H, m), 1.49-1.52(3H, m), 1.73-1.80(4H, m
), 2.33(3H, s), 2.82(2H, d), 3.93(4H, s)
【0040】
〔工程1−3〕
1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−8−イルメチル=チオアセテート5.41gをメタノール20mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれに28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液6.75gを加えた。該混合物に3,3,3−トリフルオロ−1−ヨードプロパン7.81gを加え、室温で1時間攪拌後、70℃で1時間攪拌した。該反応混合物を室温まで冷却後、水100mlを加え、減圧下濃縮し、水層を酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を飽和食塩水100mlで洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される8−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオメチル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)と記す。)3.69gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.25-1.35(2H, m), 1.48-1.58(3H, m), 1.73-1.79(2H, m), 1.84-1.88(2H, m), 2.33-2.43(2H, m), 2.46(2H, d), 2.65-2.69(2H, m), 3.94(4H, s)
【0041】
参考製造例2

で示される8−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(2)と記す。)4.10gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.43-1.53(2H, m), 1.58-1.66(2H, m), 1.73-1.79(2H, m), 1.97-2.01(2H, m), 2.15-2.17(1H, m), 2.64-2.74(2H, m), 2.95(2H, d), 3.16-3.20(2H, m), 3.92-3.97(4H, m)
【0042】
参考製造例3
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(2)4.00gをアセトン30mlに溶解し、これにトルエンスルホン酸0.43gを加え、窒素雰囲気下、50℃で8時間攪拌した。該反応溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキサノン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(3)と記す。)3.35gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.59-1.70(2H, m), 2.33-2.36(2H, m), 2.43-2.46(4H, m), 2.58-2.67(1H, m), 2.2.69-2.73(2H, m), 3.03(2H, d), 3.20-3.25(2H, m)
【0043】
参考製造例4
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(3)0.82gをクロロホルム6mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれにジエチルアミノサルファトリフルオリド1.06gを加え、室温で5時間攪拌した。該反応溶液をクロロホルム30mlで希釈し、水30mlを加え、有機層を分離した。
水層をクロロホルム30mlで2回抽出し、有機層を合一して、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1,1−ジフルオロ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(4)と記す。)0.30g及び1−フルオロ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)メチル〕シクロヘキセン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(5)と記す。)0.27gを得た。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(4)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.45-1.56(2H, m), 1.72-1.88(2H, m), 2.05-2.23(5H, m), 2.63-2.75(2H, m), 2.97(2H, d), 3.02-3.22(2H, m)
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(5)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.65-1.73(1H, m), 1.99-2.10(2H, m), 2.19-2.25(1H, m), 2.33-2.43(3H, m), 2.63-2.75(2H, m), 3.02(2H, d), 3.18-3.22(2H, m), 5.11-5.19(1H, m)
【0044】
参考製造例5
参考製造例5
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(3)0.83gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれに0.5Mエチニルマグネシウムブロミド/テトラヒドロフラン溶液7.2mlを加え、0℃で5時間攪拌した。該反応溶液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を合一して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ml、飽和食塩水30mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−エチニル−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキサノール(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(6)と記す。)0.43gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.50-1.59(4H, m), 2.03-2.11(6H, m), 2.53(1H, s), 2.63-2.74(2H, m), 2.97(2H, d), 3.16-3.20(2H, m)
【0045】
参考製造例6
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(6)0.29gをクロロホルム2mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれにジエチルアミノサルファトリフルオリド0.32gを加え、室温で5時間攪拌した。該反応溶液をクロロホルム20mlで希釈し、水20mlを加えた後に、有機層を分離した。水層をクロロホルム20mlで2回抽出した。有機層を合一して、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−エチニル−1−フルオロ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(7)と記す。)0.14gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.52-1.59(2H, m), 1.72-1.94(4H, m), 2.17-2.28(3H, m), 2.62-2.72(3H, m), 2.95(2H, d), 3.17-3.22(2H, m)
【0046】
参考製造例7
〔工程7−1〕
ジイソプロピルアミン4.86gをテトラヒドロフラン50mlに溶解し、窒素雰囲気下、−50℃に冷却した。1.6Mのn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液30mlを該溶液に加え、−50℃で30分間攪拌した。更に、該混合物にテトラヒドロフラン40mlに溶解した2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デシ−8−イル)酢酸メチル9.28gを15分かけて滴下後、0℃で30分間攪拌した。該混合物を−50℃に冷却し、テトラヒドロフラン30mlに溶解したN−ブロモコハクイミド8.54gを加え、0℃で2時間、室温で5時間攪拌した。該反応混合物に水100mlを加えて、有機層を分離した。水層を酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、1N塩酸水溶液100mlで2回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水100mlで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をジメチルスルホキシド50mlに溶解し、チオ酢酸カリウム5.04gを加え、50℃で4時間攪拌した。室温まで冷却後、該反応混合物に水100mlを加え、酢酸エチル100lで2回抽出した。合わせた有機層を1N塩酸水溶液100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水100mlで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記


で示される2−(アセチルチオ)−2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)酢酸メチル4.27gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.36-1.59(4H, m), 1.65-1.81(4H, m), 1.83-1.93(1H, m), 2.33(3H, s), 3.73(3H, s), 3.93(4H, s)4.17(1H, d)
【0047】
〔工程7−2〕
2−(アセチルチオ)−2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)酢酸メチル4.27gをメタノール30mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれに28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液3.14gを加えた。更に、該混合物に3,3,3−トリフルオロ−1−ヨードプロパン4.31gを加え、室温で1時間攪拌後、70℃で1時間攪拌した。該反応混合物を室温まで冷却後、該反応混合物に水100mlを加えた後、全量が約100mlになるまで減圧下濃縮し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオ)酢酸メチル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(8)と記す。)3.60gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.31-1.81(8H, m), 2.11-2.16(1H, m), 2.34-2.41(2H, m), 2.71-2.78(2H, m), 3.04(1H, d), 3.75(3H, s), 4.91-4.96(4H, m)
【0048】
参考製造例8
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(8)3.60gをクロロホルム20mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれにm−クロロ過安息香酸4.75gを加えた。該混合物を室温で1時間攪拌後、50℃で3時間攪拌した。該反応混合物を0℃まで冷却し、5%亜硫酸ナトリウム水溶液50mlを加え、1時間攪拌した後、有機層を分離した。水層をクロロホルム50mlで抽出後、有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで2回洗浄し、飽和食塩水100mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)酢酸メチル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(9)と記す。)2.41gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.50-1.83(7H, m), 2.14-2.17(1H, m), 2.26-2.29(1H, m), 2.66-2.74(2H, m), 3.19-3.27(1H, m), 3.48-3.53(1H, m), 3.75(1H, d), 3.84(3H, s), 3.91-3.96(4H, m)
【0049】
参考製造例9
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(9)2.41gをアセトン25mlに溶解し、これにトルエンスルホン酸0.11gを加え、窒素雰囲気下、50℃で8時間攪拌した。該反応溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)酢酸メチル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(10)と記す。)1.24gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.73-1.86(2H, m), 2.10-2.13(1H, m), 2.40-2.49(5H, m), 2.68-2.77(3H, m), 3.28-3.35(1H, m), 3.47-3.53(1H, m), 3.85(2H, d), 3.87(3H, s)
【0050】
参考製造例10
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(9)1.24gをクロロホルム17mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれにジエチルアミノサルファトリフルオリド1.37gを加え、室温で5時間攪拌した。該反応溶液をクロロホルム40mlで希釈し、水30mlを加えた後、有機層を分離した。水層をクロロホルム30mlで2回抽出し、有機層を合一し、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)酢酸メチル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(11))0.87gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.67-1.83(6H, m), 2.14-2.37(3H, m), 2.66-2.74(2H, m), 3.22-3.29(1H, m), 3.45-3.52(1H, m), 3.77(1H, d), 3.86(3H, s)
【0051】
参考製造例11
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(11)0.50gをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれに60%ナトリウムヒドリド0.07gを加えた後、更にN−フルオロベンゼンスルホンイミド0.50gを加え、室温で5時間攪拌した。該反応溶液に水30mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル30mlで2回抽出し、有機層を合一し、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−フルオロ−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)酢酸メチル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(12)と記す。)0.43gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.67-1.89(5H, m), 2.12-2.43(3H, m), 2.55-2.74(3H, m), 3.21-3.40(2H, m), 3.98(3H, s)
【0052】
参考製造例12
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(12)0.33gをメタノール3mlに溶解し、0℃でこれに2.0Mアンモニア/メタノール溶液3mlを加えた後、室温で18時間攪拌した。該反応溶液に水30mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出し、有機層を合一し、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−フルオロ−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトアミド(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(13)と記す。)0.43gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.73-1.88(4H, m), 2.21-2.61(4H, m), 2.61-2.77(3H, m), 3.28-3.35(1H, m), 3.40-3.48(1H, m), 5.90(1H, s), 6.53(1H, s)
【0053】
参考製造例13
シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノトシレート(trans/cis=6/4)22.8g及びジメチルスルホキシド100mlに、チオ酢酸カリウム8.68gを加え、室温で1時間、60℃で6時間攪拌した。該混合物を室温まで冷却後、飽和食塩水100mlを加え、t−ブチルメチルエーテル200mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水100ml、水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣にメタノール100mlを加え、氷浴で冷却下、これに28%ナトリウムメトキシド15.43gをメタノール50mlの希釈液を30分かけて滴下後、30分攪拌した。その後、該混合物に3,3,3−トリフルオロ−1−ヨードプロパン17.92gを加え、60℃で6時間攪拌した。該反応混合物を室温に冷却後、飽和食塩水150mlを加え、メタノールを減圧留去した。得られた濃縮物をt−ブチルメチルエーテル200mlで2回抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される4−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオメチル)シクロヘキサンメタノール(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(14)と記す。)8.46gを得た。尚、得られた本含ハロゲン有機硫黄系化合物(14)は、trans体/cis体=6/4の混合物であった。
trans−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオメチル)シクロヘキサンメタノール
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 0.96-1.01(4H, m), 1.40-1.47(4H, m), 1.58-1.83(1H, m), 1.92-1.94(1H, m), 2.34-2.40(2H, m), 2.43(2H, d), 2.64-2.68(2H, m)3.45(2H, dd)cis−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオメチル)シクロヘキサンメタノール1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.22-1.27(4H, m), 1.40-1.62(6H, m), 2.34-2.40(2H, m), 2.52(2H, d), 2.64-2.68(2H, m)3.53(2H, dd)
【0054】
参考製造例14
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(14)(但し、trans体/cis体=6/4)7.4gをクロロホルム60mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれにm−クロロ過安息香酸10.85gを加え、室温で1時間、50℃で3時間攪拌した。該反応混合物を0℃まで冷却し、5%亜硫酸ナトリウム水溶液50mlを加え、1時間攪拌した。有機層を分離し、水層をクロロホルム50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで2回洗浄し、飽和食塩水100mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した後、t−ブチルメチルエーテルで結晶化し、下記式

で示される4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキサンメタノール(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(15)と記す。)のtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(15t)と記す。)4.13g及びcis体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(15c)と記す。但し、trans体/cis体=1/9)3.38gを得た。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(15t)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.04-1.19(4H, m), 1.30(1H, t), 1.45-1.49(1H, m), 1.84-1.89(2H, m), 2.04-2.10(3H, m), 2.62-2.74(2H, m), 2.93(2H, d), 3.15-3.19(2H, m), 3.45(2H, dd)
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(15c)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.04-1.19(4H, m), 1.30(1H, t), 1.45-1.49(1H, m), 1.84-1.89(2H, m), 2.04-2.10(3H, m), 2.62-2.74(2H, m), 2.93(2H, d), 3.15-3.19(2H, m), 3.45(2H, dd)
【0055】
参考製造例15
オキザリルクロライド7.46gをジクロロメタン50mlに溶解し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。該溶液にジクロロメタン50mlに溶解したジメチルスルホキシド9.53gを20分間かけて滴下し、−50℃で30分間攪拌した。該反応混合物にジクロロメタン150mlに溶解した本含ハロゲン有機硫黄系化合物(15t)13.51gを30分間かけて滴下し、−50℃で40分間攪拌し、トリエチルアミン15.70gを40分間かけて滴下した。該反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物に水100mlを加え、有機層を分離後、クロロホルム100mlで2回抽出した。有機層を合一し、1N塩酸水溶液150ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150ml、水150mlで順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される4−(3,3,3−トリフルオロプロパンスルホニルメチル)シクロヘキサンカルバルデヒド(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(16)と記す。)のtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(16t)と記す。)10.04gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.18-1.27(2H, m), 1.33-1.43(2H, m), 2.06-2.24(6H, m), 2.63-2.74(2H, m), 2.95(2H, d), 3.16-3.21(2H, m), 9.62(1H, s)
【0056】
参考製造例16
四臭化炭素23.21gをジクロロメタン100mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却し、これにトリフェニルホスフィン36.72gを30分かけて加え、さらに30分攪拌した。該溶液にジクロロメタン50mlに溶解した本含ハロゲン有機硫黄系化合物(16t)10.4gを30分かけて滴下し、室温にて6時間攪拌した。該反応混合物にt−ブチルメチルエーテル150mlを加え、固体をろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−(2,2−ジブロモビニル)−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(17)と記す。)のtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(17t)と記す。)12.9gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.16-1.29(4H, m), 1.84-1.86(2H, m), 2.04-2.08(2H, m), 2.21-2.26(1H, m), 2.62-2.74(2H, s), 2.92(2H, d), 3.15-3.22(2H, m), 6.19(2H, d)
【0057】
参考製造例17
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(17t)12.90gをテトラヒドロフラン60mlに溶解し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。該溶液に1.6Mのn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液を30分間かけて滴下し、−50℃で1時間、0℃で2時間攪拌した。該反応混合物を氷浴で冷却した1N塩酸水溶液100mlに注ぎ、t−ブチルメチルエーテル200mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−エチニル−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(18)と記す。)のtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(18t)と記す。)5.59gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.11-1.20(2H, m), 1.43-1.53(2H, m), 2.02-2.13(6H, m), 2.19-2.23(1H, m), 2.62-2.73(2H, m), 2.91(2H, d), 3.15-3.19(2H, m)
【0058】
参考製造例17
〔工程17−1〕
オキザリルクロライド7.87gをジクロロメタン50mlに溶解し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。該溶液にジクロロメタン50mlに溶解したジメチルスルホキシド4.85gを20分間かけて滴下し、−50℃で30分間攪拌した。該反応混合物にジクロロメタン150mlに溶解した本含ハロゲン有機硫黄系化合物(15)(但し、trans体/cis体=6/4)9.28gを30分間かけて滴下し、−50℃で40分間攪拌し、トリエチルアミン18.22gを40分間かけて滴下した。該反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物に水100mlを加え、有機層を分離後、クロロホルム100mlで2回抽出した。
あわせた有機層を1N塩酸水溶液150ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150ml、水150mlで順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(16)8.41gを得た。尚、得られた本含ハロゲン有機硫黄系化合物(16)はtrans体/cis体=6/4の混合物であった。
【0059】
〔工程17−2〕
四臭化炭素19.90gをジクロロメタン100mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却し、これにトリフェニルホスフィン31.48gを30分かけて加え、さらに30分攪拌した。該溶液にジクロロメタン50mlに溶解した本含ハロゲン有機硫黄系化合物(16)(但し、trans体/cis体=6/4)8.41gを30分かけて滴下し、室温にて6時間攪拌した。該反応混合物にt−ブチルメチルエーテル150mlを加え、固体をろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(17)12.7gを得た。尚、得られた本含ハロゲン有機硫黄系化合物(17)はtrans体/cis体=6/4であった。
【0060】
〔工程17−3〕
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(17)(但し、trans/cis=6/4)12.7gをテトラヒドロフラン60mlに溶解し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。該溶液に1.6Mn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液40mlを30分間かけて滴下し、−50℃で1時間、0℃で2時間攪拌した。該反応混合物を氷浴で冷却した1N塩酸水溶液100mlに注ぎ、t−ブチルメチルエーテル200mlで2回抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(18)のcis体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(18c)と記す。)1.68gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.58-1.67(2H, m), 1.82-1.84(3H, m), 2.01-2.17(5H, m), 2.62-2.74(2H, m), 2.78(1H, br.s), 2.97(2H, d), 3.15-3.19(2H, m)
【0061】
参考製造例18
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(17)1.88gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。該溶液に1.6Mのn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液2.8mlを10分間かけて滴下し、−50℃で1時間攪拌し、アクリル酸メチル0.37gを加え、0℃で2時間攪拌した。該反応混合物を氷浴で冷却した1N塩酸水溶液30mlに注ぎ、t−ブチルメチルエーテル30mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ml、飽和食塩水30mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される5−〔4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキシル〕−4−ペンチン酸メチルエステル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(19)と記す。)0.70gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.14-1.20(2H, m), 1.43-1.56(2H, m), 2.02-2.22(8H, m), 2.31-2.40(2H, m), 2.54-2.60(1H, m), 2.60-2.71(1H, m), 2.89-2.96(3H, m), 3.24-3.26(1H, m), 3.70(3H, s)
【0062】
参考製造例19
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(16)0.57gにピリジン0.32g及びヒドロキシルアミン塩酸塩0.14gを加え、1時間攪拌した。該混合物に無水酢酸1mlを加え、100℃で2時間攪拌した。該反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水30mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−シアノ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(20)と記す。)0.32gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.14-1.26(2H, m), 1.63-1.73(1H, m), 2.03-2.43(7H, m), 2.64-2.74(2H, m), 2.92(2H, d), 3.16-3.20(2H, m)
【0063】
参考製造例20
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(3)0.19gをピリジン1mlに溶解し、これにO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩0.08gを加え、室温で5時間攪拌した。該反応溶液に水30mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)−シクロヘキサノン O−メチルオキシム(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(21)と記す。)0.19gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.30-1.39(2H, m), 1.84-1.92(1H, m), 2.12-2.23(3H, m), 2.37-2.46(2H, m), 2.65-2.72(2H, m), 2.96(2H, d), 3.17-3.24(2H, m)
【0064】
参考製造例21
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(7)0.58gをテトラヒドロフラン4mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれに0.9M臭化メチルマグネシウム/テトラヒドロフラン溶液2.2mlを加え、室温で5時間攪拌した。該反応溶液に水20mlを加え、酢酸エチル20mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−エチニル−4−(3,3,3−トリフルオロプロピル−1−スルホニルメチル)シクロヘキセン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(22)と記す。)0.21gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.47-1.61(1H, m), 1.97-2.06(2H, m), 2.24-2.30(2H, m), 2.42-2.47(2H, m), 2.65-2.75(2H, m)2.84(1H, s), 3.00-3.03(2H, m), 3.17-3.21(2H, m), 6.14(1H, br.s)
【0065】
参考製造例22
オキザリルクロライド62.83gをジクロロメタン250mlに溶解し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。該溶液にジクロロメタン250mlに溶解したジメチルスルホキシド77.35gを60分間かけて滴下し、−50℃で60分間攪拌した。該反応混合物にジクロロメタン250mlに溶解した本含ハロゲン有機硫黄系化合物(14)(trans体/cis体=6/4の混合物)84.54gを60分間かけて滴下し、−50℃で90分間攪拌し、トリエチルアミン100.18gを90分間かけて滴下した。該反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物に水300mlを加え、有機層を分離後、水層をクロロホルム200mlで2回抽出した。有機層を合一し、1N塩酸水溶液300ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300ml、水300mlで順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される4−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオメチル)シクロヘキサンカルバルデヒド(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(23)と記す。)のcis体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(23c)と記す。)23.03g及びtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(23t)と記す。)38.51gを得た。本含ハロゲン有機硫黄系化合物(23c)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.05-1.16(2H, m), 1.49-1.66(3H, m), 1.72-1.80(2H, m), 2.07-2.16(2H, m), 2.30-2.47(5H, m), 2.63-2.67(2H, m), 9.62(1H, d)本含ハロゲン有機硫黄系化合物(23t)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 0.99-1.10(2H, m), 1.24-1.34(2H, m), 1.40-1.53(1H, m
), 1.97-2.08(4H, m), 2.13-2.25(1H, m), 2.31-2.43(2H, m), 2.46(2H, m), 2.65-2.69(
2H, m), 9.69(1H, d)
【0066】
参考製造例23
四臭化炭素100.48gをジクロロメタン300mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却し、これにトリフェニルホスフィン158.86gを90分かけて加え、さらに30分攪拌した。該溶液にジクロロメタン100mlに溶解した本含ハロゲン有機硫黄系化合物(23t)38.51gを30分かけて滴下し、室温にて6時間攪拌した。該反応混合物にt−ブチルメチルエーテル500mlを加え、固体をろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−(2,2−ジブロモビニル)−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオメチル)シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(24)と記す。)のtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(24t)と記す。)66.56gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 0.98-1.08(2H, m), 1.10-1.20(2H, m), 1.37-1.49(1H, m), 1.78-1.85(2H, m), 1.88-1.95(2H, m), 2.17-2.29(1H, m), 2.31-2.41(2H, m), 2.43(2H, m), 2.64-2.68(2H, m), 6.19(1H, d)
【0067】
参考製造例24
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(24t)53.78gをテトラヒドロフラン300mlに溶解し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。該溶液に1.6Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液180mlを60分間かけて滴下し、−50℃で1時間、0℃で2時間攪拌した。該反応混合物を氷浴で冷却した1N塩酸水溶液300mlに注ぎ、t−ブチルメチルエーテル300mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300ml、飽和食塩水300mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−エチニル−4−(3,3,3−トリフルオロプロピル−1−スルホニルメチル)シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(25)と記す。)のtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(25t)と記す。)31.54gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 0.92-1.03(2H, m), 1.34-1.53(3H, m), 1.86-1.94(2H, m), 1.98-2.06(3H, m), 2.15-2.24(1H, m), 2.30-2.41(2H, m), 2.42(2H, d), 2.64-2.68(2H, m)
【0068】
参考製造例25
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(23t)に代えて、含ハロゲン有機硫黄系化合物(23c)を用いて、参考製造例23及び参考製造例24に記載の方法に準じて行い、含ハロゲン有機硫黄系化合物25のcis体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(25c)と記す。)を製造した。
1H-NMR(CDCl3,TMS,δ(ppm)): 1.38-1.53(5H,m),1.67-1.75(2H,m),1.78-1.86(2H,m),2.05(1H,d),2.31-2.44(2H,m),2.47(2H,d),2.65-2.69(2H,m),2.74-2.79(1H,m)
【0069】
参考製造例26
2KHSO5・KHSO4・K2SO4の複塩(Oxone、登録商標)20.30gを水60mlに懸濁し、窒素雰囲気下、−20℃で本含ハロゲン有機硫黄系化合物(24t)7.51gのメタノール60ml溶液を60分かけて滴下し、2時間攪拌した。該反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液50mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−エチニル−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルフィニルメチル)シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(26)と記す。)のtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(26t)と記す。)4.88gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)): 1.02-1.21(2H, m), 1.41-1.53(2H, m), 1.82-2.00(2H, m), 2.00-2.09(4H, m), 2.20-2.27(1H, m), 2.40-2.46(1H, m), 2.57-2.68(2H, m), 2.71-2.92(3H, m)
【0070】
参考製造例27
〔工程27−1〕
チオ酢酸カリウム7.35gをN−メチル−2−ピロリドン30mlに懸濁し、窒素雰囲気下、0℃で3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロプロパン11.39gを15分かけて滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物を80℃に加熱して、減圧下蒸留して、下記式

で示される3,3,3−トリフルオロプロピルチオ酢酸エステル9.99gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.35-2.43(2H,m), 2.36(3H, s), 3.01-3.06(2H, m)
3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロプロパンに代えて、3−ヨード−1,1,1−トリフルオロプロパンを用いて、同様に反応を行い、3,3,3−トリフルオロプロピルチオ酢酸エステルを得る。
【0071】
〔工程27−2〕
3,3,3−トリフルオロプロピルチオ酢酸エステル9.99gをテトラヒドロフラン60mlに溶解し、0℃に冷却した後、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液11.2gを15分かけて滴下し、室温で1時間攪拌した。該混合物に、0℃でクロロアセトニトリル4.38gを加え、室温で3時間攪拌した。反応容器を氷浴で冷却し、飽和食塩水を加え、t−ブチルメチルエーテル100mlで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される(3,3,3−トリフルオロプロピルチオ)アセトニトリル7.56gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.44-2.55(2H,m), 2.92-2.98(2H, m), 3.36(2H, s)
【0072】
〔工程27−3〕
(3,3,3−トリフルオロプロピルチオ)アセトニトリル4.97gとタングステン酸ナトリウム二水和物0.07gを水7mLに混合した懸濁液を撹拌しながら、31%過酸化水素水2.3mlを加えた。反応途中、反応液中に析出する固体を一部採取し、薄層クロマトグラフィーにて精製したところ、(3,3,3−トリフルオロプロピルスルフィニル)アセトニトリル(1H-NMRは下記に記載)が生じていることが確認できた。該混合物を65℃に昇温し、更に31%過酸化水素水2.3mlを加え、70℃で1時間攪拌した。該反応混合物を室温まで冷却し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液5mlを加え、酢酸エチル30mlで3回抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をクロロホルム:ヘキサン=1:2で結晶化し、下記式

で示される(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル5.44gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.73-2.85(2H,m), 3.50-3.56(2H, m), 4.07(2H, s)

【0073】
(3,3,3−トリフルオロプロピルスルフィニル)アセトニトリル
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.66-2.73(2H,m), 3.15-3.23(2H, m), 3.67-3.81(2H, m)
【0074】
〔工程27−4〕
(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル2.01g、トルエン50ml、DL-プロリン0.12gおよび1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール1.56gを1時間、還流条件下で加熱攪拌した。該反応混合物よりトルエンを常圧下、20mlまで留去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下式に示される2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イリデン)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル1.55gを得た。

1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.84-1.90(2H,m),1.94-1.97(2H,m),2.80-2.89(2H,m),2.89-2.92(2H,m),3.12-3.16(2H,m),3.40-3.44(2H,m),4.01(4H,br.s)
〔工程27−5〕
2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イリデン)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル1.55gにテトラヒドロフラン20mlを加え、0℃に冷却後、水素化ホウ素ナトリウム0.19gを加えた。室温で6時間攪拌後、0℃に冷却し、水50mlおよび酢酸エチル50mlを加えた。該溶液を攪拌しながら、1N塩酸50mlに滴下し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下式に示される2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(27)と記す。)1.38gを得た。
本有機硫黄化合物(27)

1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.61-1.90(7H,m), 2.13-2.23(1H,m), 2.39-2.51(1H, m), 2.67-2.86(2H, m), 3.39-3.47(1H, m), 3.51-3.60(1H, m), 3.85(1H, d), 3.92-3.99(4H, m)
【0075】
参考製造例28
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(27)3.20gに酢酸7mlおよび水3mlを加え、70℃に加熱し、10時間攪拌した。該反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル100mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水100mlにゆっくりと加えた。該溶液を1時間攪拌し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(28)と記す。)2.59gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.87-1.97(2H,m), 2.18-2.25(1H,m), 2.42-2.60(5H, m), 2.73-2.95(3H, m), 3.41-3.51(1H, m), 3.55-3.66(1H, m), 3.97(1H, d)
【0076】
参考製造例29
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(28)0.15gをジクロロメタン5mlに溶解し、窒素雰囲気下、−20℃でこれにジエチルアミノサルファトリフルオリド0.21gを加え、室温で5時間攪拌した。該反応溶液をクロロホルム30mlで希釈し、水30mlを加え、有機層を分離した。水層をクロロホルム30mlで2回抽出し、有機層を合一して、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(29)と記す。)0.16を得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.41-1.99(5H,m), 2.16-2.32(3H,m), 2.42-2.58(1H, m), 2.70-2.86(2H, m), 3.38-3.49(1H, m), 3.54-3.68(1H, m), 3.87(1H, d)
【0077】
参考製造例30
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(28)1.49gをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれに0.5Mエチニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液30mlを加え、0℃で5時間攪拌した。該反応溶液に1N塩酸水溶液50mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一して、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4−エチニル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(30)と記す。)1.69gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.59-2.28(9H,m), 2.28-2.47(1H, m), 2.61(1H, s), 2.71-2.84(2H, m), 3.40-3.48(1H, m), 3.52-3.60(1H, m), 3.87(1H, d)
【0078】
参考製造例31
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(30)0.65gをジクロロメタン6mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃でこれにジエチルアミノサルファトリフルオリド0.48gを加え、室温で5時間攪拌した。該反応溶液をクロロホルム20mlで希釈し、水20mlを加えた後に、有機層を分離した。水層をクロロホルム20mlで2回抽出した。有機層を合一して、飽和食塩水50mlで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4−エチニル−4−フルオロシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(31)と記す。)0.31g及び2−(4−エチニル−シクロヘキセン−3−イル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(32)と記す。)0.23gを得た。尚、得られた本含ハロゲン有機硫黄系化合物(32)は、1:1の異性体混合物であった。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(31)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.73-2.15(6H,m), 2.25-2.2.39(2H, m), 2.44-2.54(1H, m), 2.66(1H, d), 2.71-2.84(2H, m), 3.40-3.48(1H, m), 3.53-3.61(1H, m), 3.87(1H, d)
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(32)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.68-2.84(9H,m), 2.84(1H, d), 3.39-3.49(1H, m), 3.51-3.66(1H, m), 3.89(1H, d), 6.10-6.18(2H, m)
【0079】
参考製造例32
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(28)2.81gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、ピリジン0.75g、メトキシアミン塩酸塩0.79を加え、室温にて3時間攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出した。
有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)と記す。)2.86gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.50-1.71(2H,m), 1.80-1.91(1H, m), 1.95-2.08(1H, m), 2.16-2.27(1H, m), 2.30-2.44(1H, m), 2.49-2.57(1H, m), 2.62-2.71(1H, m), 2.72-2.86(2H, m), 3.32-3.48(2H, m), 3.52-3.61(1H, m), 3.83(3H, s), 3.87(1H, d)
【0080】
参考製造例33
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(28)0.20gをピリジン2mlに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩0.06gを加え、室温にて3時間攪拌した。該反応液にヘキサン50mlを加え、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−〔4−(ヒドロキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(34)と記す。)0.093gを得た。
1H-NMR(CD3OD, TMS, δ(ppm)):1.29-1.48(2H, m), 1.69-1.85(1H, m), 1.87-2.01(1H, m), 2.07-2.27(2H, m), 2.29-2.38(1H, m), 2.51-2.59(1H, m), 2.67-2.81(2H, m), 3.18-3.22(1H, m), 3.26-3.34(2H, m), 4.47(1H, br.s)
【0081】
参考製造例34
ヒドロキシルアミン塩酸塩に代えて、エトキシアミン塩酸塩0.008gを用いて、参考製造例33に記載の方法に準じて、下記式

で示される2−〔4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(35)と記す。)0.095gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm)):1.25(3H, t), 1.51-1.72(2H, m), 1.79-1.92(1H, m), 1.95-2.07(1H, m), 2.17-2.27(1H, m), 2.31-2.43(1H, m), 2.49-2.59(1H, m), 2.61-2.71(1H, m), 2.72-2.86(2H, m), 3.35-3.49(2H, m), 3.51-3.61(1H, m), 3.85(1H, d), 4.05(2H, q)
【0082】
参考製造例35
ヒドロキシルアミン塩酸塩に代えて、t−ブトキシアミン塩酸塩0.01gを用いて、参考製造例33に記載の方法に準じて、下記式

で示される2−〔4−(t−ブトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(36)と記す。)0.19gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm)):1.26(9H, s), 1.49-1.70(2H, m), 1.75-1.88(1H, m), 1.91-2.06(1H, m), 2.14-2.25(1H, m), 2.27-2.42(1H, m), 2.51-2.59(1H, m), 2.59-2.70(1H, m), 2.71-2.88(2H, m), 3.35-3.48(2H, m), 3.52-3.68(1H, m), 3.86-3.88(1H, m)
【0083】
参考製造例36
ヒドロキシルアミン塩酸塩に代えて、O−アリルヒドロキシルアミン塩酸塩0.009gを用いて、参考製造例33に記載の方法に準じて、下記式

で示される2−〔4−(O−アリルヒドロキシルイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(37)と記す。)0.061gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm)):1.52-1.72(2H, m), 1.79-1.94(1H, m), 1.96-2.09(1H, m), 2.16-2.28(1H, m), 2.31-2.42(1H, m), 2.50-2.59(1H, m), 2.61-2.72(1H, m), 2.72-2.86(2H, m), 3.38-3.48(2H, m), 3.52-3.61(1H, m), 3.85-3.88(1H, m), 4.52-4.55(2H, m), 5.19-5.33(2H, m), 5.92-6.04(2H, m)
【0084】
参考製造例37
ヒドロキシルアミン塩酸塩に代えて、O−ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩0.009gを用いて、参考製造例33に記載の方法に準じて、下記式

で示される2−〔4−(O−ベンジルヒドロキシルイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(38)と記す。)0.10gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm)):1.49-1.72(2H, m), 1.81-2.08(2H, m), 2.16-2.27(1H, m), 2.30-2.43(1H, m), 2.50-2.58(1H, m), 2.61-2.70(1H, m), 2.72-2.83(2H, m), 3.38-3.48(2H, m), 3.51-3.61(1H, m), 3.84-3.87(1H, m), 5.07(2H, s), 7.28-7.34(1H, m), 7.35-7.36(4H, m)
【0085】
参考製造例38
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(28)0.20gをピリジン2mlに溶解し、O−カルボキシメチルヒドロキシルアミン塩酸塩0.06gを加え、室温にて3時間攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−〔4−(O−カルボキシメチルヒドロキシルイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(39)と記す。)0.094gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm)):1.56-1.72(2H, m), 1.88-2.11(2H, m), 2.17-2.29(1H, m), 2.31-2.43(1H, m), 2.47-2.56(1H, m), 2.60-2.70(1H, m), 2.73-2.84(2H, m), 3.38-3.43(4H, m), 4.57(2H, s)
【0086】
参考製造例39
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)0.16gをジメチルスルホキシド3mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。該混合物に60%水素化ナトリウム0.05gを加え、30分間攪拌した後、ヨウ化メチル0.11gを加え、室温にて一晩攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液10mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10ml、飽和食塩水10mlで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)プロピオニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(40)と記す。)0.13gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm)):1.31-1.64(2H,m), 1.75(3H, s), 1.76-1.91(1H, m), 2.13-2.32(3H, m), 2.48-2.62(2H, m), 2.69-2.87(2H, m), 3.32-3.47(2H, m), 3.55-3.64(1H, m), 3.83(3H, s)
【0087】
参考製造例40
ヨウ化メチルに代えて、ヨウ化エチル0.13gを用いて、参考製造例39に記載の方法に準じて、下記式

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)ブチロニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(41)と記す。)0.13gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm))::1.27(3H, t), 1.43-1.69(2H,m), 1.73-1.87(1H, m), 2.10-2.31(5H, m), 2.49-2.61(2H, m), 2.71-2.87(2H, m), 3.33-3.47(2H, m), 3.55-3.66(1H, m), 3.83(3H, s)
【0088】
参考製造例41
ヨウ化メチルに代えて、1-ヨードプロパン0.14gを用い、参考製造例39に記載の方法に準じて、下記式

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)ペンタンニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(42)と記す。)0.055gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.06(3H, t), 1.44-1.71(4H, m), 1.73-1.86(1H, m), 1.94-2.13(2H, m), 2.15-2.31(3H, m), 2.48-2.61(2H, m), 2.73-2.83(2H, m), 3.32-3.46(2H, m), 3.55-3.65(1H, m), 3.83(3H, s)
【0089】
参考製造例42
ヨウ化メチルに代えて、3−ブロモプロペン0.10gを用いて、参考製造例39に記載の方法に準じて、下記式

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−3−メチル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)−4−ペンテンニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(43)と記す。)0.14gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.41-1.68(2H, m), 1.73-1.87(1H, m), 2.12-2.33(3H, m), 2.47-2.82(5H, m), 2.86-2.91(1H, m), 3.31-3.48(2H, m), 3.61-3.68(1H, m), 3.83(3H, s), 5.40-5.49(2H, m), 5.87-6.02(1H, m)
【0090】
参考製造例43
ヨウ化メチルに代えて、3−ブロモプロピン0.10gを用いて、参考製造例39に記載の方法に準じて、下記式

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−3−メチル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)−4−ペンチンニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(44)と記す。)0.14gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.29-1.47(1H, m), 1.50-1.68(1H, m), 1.74-1.91(1H, m), 2.13-2.35(3H, m), 2.43-2.45(1H, m), 2.49-2.61(1H, m), 2.73-2.86(3H, m), 2.91-3.11(2H, m), 3.32-3.47(1H, m), 3.73-3.89(2H, m), 3.83(3H, s)
【0091】
参考製造例44
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)0.45gをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。60%水素化ナトリウム0.10gを加え、30分間攪拌した後、N−クロロこはく酸イミド0.20gを加え、室温にて一晩攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液10mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10ml、飽和食塩水10mlで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−クロロ−2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(45)と記す。)0.39gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.52-1.91(3H,m), 2.16-2.29(1H, m), 2.34-2.48(2H, m), 2.52-2.63(1H, m), 2.74-2.89(3H, m), 3.36-3.46(1H, m), 3.64-3.82(2H, m), 3.84(3H, s)
【0092】
参考製造例45
(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル1.00g、テトラヒドロフラン30ml、DL-プロリン0.12gおよびシクロペンタノン1.01gを6時間、還流条件下で加熱攪拌した。該反応混合物を0℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム0.42gを加え、室温で6時間攪拌した。該反応混合物を0℃に冷却した後、水10mlおよび酢酸エチル30mlを加えた。該混合物を攪拌しながら1N塩酸50mlを滴下した後、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水30ml、飽和食塩水30mlで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記の式(46)

で示される2−シクロペンチル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(46)と記す。)1.01gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.46-1.56(1H, m), 1.59-1.71(3H, m), 1.73-1.85(2H, m), 2.02-2.17(2H, m), 2.66-2.86(3H, m), 3.38-3.56(2H, m), 4.03(1H, d)
【0093】
参考製造例46
シクロペンタノンに代えて、シクロヘキサノン1.14gを用いて、参考製造例45に記載の方法に準じて、下記の式(47)

で示される2−シクロヘキシル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(47)と記す。)1.01gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.16-1.28(1H, m), 1.30-1.47(4H, m), 1.69-1.77(1H, m), 1.79-1.88(3H, m), 2.15-2.22(1H, m), 2.39-2.49(1H, m), 2.70-2.84(2H, m), 3.37-3.46(1H, m), 3.48-3.56(1H, m), 3.80(1H, d)
【0094】
参考製造例47
シクロペンタノンに代えて、シクロヘプタノン1.23gを用いて、参考製造例45に記載の方法に準じて、下記の式(48)

で示される2−シクロヘキシル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(48)と記す。)1.24gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.50-1.86(11H, m), 2.14-2.22(1H, m), 2.56-2.62(1H, m), 2.70-2.83(2H, m), 3.36-3.44(1H, m), 3.48-3.56(1H, m), 3.84(1H, d)
【0095】
参考製造例48
シクロペンタノンに代えて、4−メチルシクロヘキサノン1.34gを用いて、参考製造例45に記載の方法に準じて、下記の式(49)

で示される2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(49)と記す。)1.12gを得た。尚、得られた本含ハロゲン有機硫黄系化合物(49)は6/4の異性体混合物であった。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(49)の主異性体
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):0.98(3H, d), 1.00-1.12(1H, m), 1.32-1.97(8H, m), 2.45-2.54(1H, m), 2.71-2.87(2H, m), 3.37-3.59(2H, m), 3.92(1H, d)
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(49)の副異性体
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):0.91(3H, d), 1.32-1.97(8H, m), 2.14-2.23(1H, m), 2.33-2.43(1H, m), 2.71-2.87(2H, m), 3.37-3.59(2H, m), 3.82(1H, d)
【0096】
参考製造例49
シクロペンタノンに代えて、4,4−ジメチルシクロヘキサノン1.24gを用いて、参考製造例45に記載の方法に準じて、下記の式(50)

で示される2−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(50)と記す。)0.98gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):0.93(3H, s), 0.94(3H, s), 1.25-1.36(2H, m), 1.45-1.69(5H, m), 1.94-2.03(1H, m), 2.30-2.39(1H, m), 2.69-2.83(2H, m), 3.37-3.46(1H, m), 3.48-3.56(1H, m), 3.84(1H, d)
【0097】
参考製造例50
(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル3.31g、テトラヒドロフラン60ml、DL-プロリン0.19gおよび4−シアノシクロヘキサノン2.03gを6時間、還流条件下で加熱攪拌した。該反応混合物を0℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム0.62gを加え、室温で6時間攪拌した。該反応混合物を0℃に冷却した後、水30mlおよび酢酸エチル50mlを加えた。該混合物を攪拌しながら、1N塩酸90mlを滴下した後、酢酸エチル50mlで3回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記の式(51)

で示される2−(4−シアノシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(51)と記す。)のtrans体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(51t)と記す。)0.51g及びcis体(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(51c)と記す。)0.59gを得た。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(50c)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.40-1.54(2H, m), 1.64-1.79(2H, m), 1.89-1.99(1H, m), 2.21-2.30(2H, m), 2.30-2.38(1H, m), 2.41-2.54(2H, m), 2.69-2.84(2H, m), 3.37-3.47(1H, m), 3.51-3.59(1H, m), 3.83(1H, d)
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(50t)
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.64-1.88(4H, m), 1.95-2.02(1H, m), 2.09-2.19(2H, m), 2.19-2.29(1H, m), 2.41-2.51(1H, m), 2.51-2.69(2H, m), 3.00-3.05(1H, m), 3.41-3.50(1H, m), 3.54-3.63(1H, m), 3.83(1H, d)
【0098】
参考製造例51
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(27)0.34gをアセトニトリル10mlに溶解し、1,2−エタンジチオール0.21g、テトラブチルアンモニウムトリブロミド0.05gを加え、室温で1時間攪拌した。該反応混合物に酢酸エチル100mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水50mlを加えた。該溶液を1時間攪拌し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(1,4−ジチアスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(52)と記す。)0.36gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.67-1.83(2H,m), 1.88-1.97(1H, m), 1.98-2.09(2H, m), 2.17-2.30(3H,m), 2.36-2.48(1H, m), 2.67-2.85(2H, m), 3.24-3.36(4H, m), 3.48-3.50(1H, m), 3.60-3.83(1H, m), 3.86(1H, d)
【0099】
参考製造例52
〔工程52−1〕
チオ酢酸カリウム22.85gをメタノール200mlに懸濁し、窒素雰囲気下、0℃で1−ヨード−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブタン54.79gを30分かけて滴下し、室温で1時間攪拌した。この際、反応溶液をTLC(薄層クロマトグラフィー)で分析し、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルチオアセテートの生成を確認した。該混合物を0℃に冷却した後、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液40.52gを15分かけて滴下し、室温で1時間攪拌した。該混合物に、0℃でクロロアセトニトリル16.61gを加え、室温で3時間攪拌した。反応容器を氷浴で冷却し、1N塩酸水溶液を加え、メタノールを減圧留去した。t−ブチルメチルエーテル200mlで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルチオ)アセトニトリル17.81gを得た。

(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルチオ)アセトニトリル
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.35-2.52(2H,m), 2.94-3.03(2H, m), 3.36(2H, s)
【0100】
尚、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルチオアセテートの標品は、1−ヨード−3,3,3−トリフルオロプロパンに代えて、1−ヨード−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブタン1.22gを用いて、参考製造例27の〔工程27−1〕に記載の方法に準じて、0.82gを得た。
【0101】
〔工程52−2〕
(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルチオ)アセトニトリル17.81gとタングステン酸ナトリウム二水和物0.28gを水30mLに混合した懸濁液を撹拌しながら、31%過酸化水素水8.94mlを加えた後、65℃に昇温し、31%過酸化水素水8.94mlを加え、70℃で1時間攪拌した。反応途中、スルホキシド体と推測される化合物の生成がTLC(薄層クロマトグラフィー)分析にて確認された。該反応混合物を室温まで冷却し、亜硫酸ナトリウム水溶液30mlを加え、酢酸エチル150mlで3回抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をクロロホルム:ヘキサン=1:2で結晶化し、下記式

で示される(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル17.84gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.66-2.80(2H,m), 3.53-3.58(2H, m), 4.09(2H, s)
【0102】
〔工程52−3〕
(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル7.74g、トルエン100ml、DL-プロリン0.23gおよび1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール4.81gを3時間、還流条件下で加熱攪拌した。該反応混合物よりトルエンを20ml留去した後、室温まで冷却した。該反応混合物にテトラヒドロフラン100mlを加え、0℃に冷却後、水素化ホウ素ナトリウム1.17gを加えた。室温で6時間攪拌後、0℃に冷却し、水100mlおよび酢酸エチル100mlを加えた。該溶液を攪拌しながら、1N塩酸100mlを滴下し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100ml、水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記の式(53)

で示される2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)−2−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(53)と記す。)5.00gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.58-1.91(7H,m), 2.13-2.22(1H, m), 2.39-2.51(1H, m), 2.58-2.82(2H, m), 3.40-3.50(1H, m), 3.53-3.63(1H, m), 3.87(1H, d), 3.93-3.98(4H, m)
【0103】
参考製造例53
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(53)5.00gに酢酸14mlおよび水6mlを加え、70℃に加熱し、10時間攪拌した。該反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル100mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水100mlにゆっくりと加えた。該溶液を1時間攪拌し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(54)と記す。)3.56gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.84-1.97(2H,m), 2.17-2.26(1H,m), 2.40-2.61(5H, m), 2.81-2.85(2H, m), 3.44-3.54(1H, m), 3.59-3.70(1H, m), 3.99(1H, d)
【0104】
参考製造例54
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(54)0.35gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、ピリジン0.75g、メトキシアミン塩酸塩0.79gを加え、室温にて3時間攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(55)と記す。)0.34gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.55-1.72(2H,m), 1.80-1.92(1H, m), 1.95-2.11(1H, m), 2.17-2.28(1H, m), 2.31-2.45(1H, m), 2.48-2.58(1H, m), 2.61-2.80(3H, m), 3.33-3.40(1H, m), 3.42-3.50(1H, m), 3.55-3.65(1H, m), 3.83(3H, s), 3.89(1H, d)
【0105】
参考製造例55
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(15)2.88gをピリジン10mlに溶解し、p−トルエンスルホニルクロライド1.91を加え、室温にて3時間攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をトルエン20mlに溶解し、ヨウ化ナトリウム1.50g、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン1.52gを加え、110℃に加熱し、10時間攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで順次洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1−メチレン−4−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)−シクロヘキサン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(56)と記す。)1.01gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.20-1.31(2H, m), 2.03-2.17(4H, m), 2.22-2.36(3H, m), 2.62-2.74(2H, m), 2.95(2H, d), 3.16-3.21(2H, m), 4.66(2H, s)
【0106】
参考製造例56
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(56)0.60gをジクロロメタン4mlに溶解し、ブロモホルム0.86g、水酸化ナトリウム0.44g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.02gを加え、超音波照射条件下に30℃で4時間攪拌した。該反応混合物に2N塩酸水溶液20mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ml、飽和食塩水30mlで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される1,1−ジブロモ−6−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)−スピロ〔2.5〕オクタン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(57)と記す。)0.31gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.23-1.34(2H, m), 1.39(2H, s), 1.59-1.67(2H, m), 1.85-1.95(2H, m), 2.07-2.15(2H, m), 2.16-2.25(1H, m), 2.63-2.75(2H, m), 2.99(2H, d), 3.17-3.21(2H, m)
【0107】
参考製造例57
ブロモホルムに代えて、クロロホルム0.71gを用いて、参考製造例56に記載の方法に準じて、下記式

で示される1,1−ジクロロ−6−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニルメチル)−スピロ〔2.5〕オクタン(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(58)と記す。)0.41gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.24-1.35(2H, m), 1.53-1.62(4H, m), 1.84-1.93(2H, m), 2.08-2.15(2H, m), 2.16-2.26(1H, m), 2.63-2.75(2H, m), 2.99(2H, d), 3.18-3.22(2H, m)
【0108】
参考製造例58
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(54)0.46gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、ピリジン0.86g、30%エトキシアミン塩酸塩水溶液0.86gを加え、室温にて3時間攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−〔4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(59)と記す。)0.34gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm)):1.25(3H, t), 1.55-1.73(2H, m), 1.76-1.92(1H, m), 1.94-2.09(1H, m), 2.16-2.29(1H, m), 2.31-2.44(1H, m), 2.48-2.57(1H, m), 2.62-2.79(3H, m), 3.36-3.51(2H, m), 3.54-3.65(1H, m), 3.88(1H, d), 4.08(2H, q)
【0109】
参考製造例59
〔工程59−1〕
1−ヨード−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブタンに代えて、1−ヨード−3−(トリフルオロメチル)−3,4,4,4−テトラフルオロブタン4.19gを用いて、参考製造例52の〔工程52−1〕に記載の方法に準じて、(3−(トリフルオロメチル)−3,4,4,4−ペンタフルオロブチルチオ)アセトニトリル4.77gを得た。

【0110】
〔工程59−2〕
2KHSO5・KHSO4・K2SO4の複塩(Oxone、登録商標)16.14gを水50mlに懸濁し、窒素雰囲気下、(3−(トリフルオロメチル)−3,4,4,4−ペンタフルオロブチルチオ)アセトニトリル4.77gのメタノール50ml溶液を60分かけて滴下し、2時間攪拌した。該反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液50mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される(3−(トリフルオロメチル)−3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル4.00gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.70-2.81(2H,m), 3.50-3.55(2H, m), 4.08(2H, s)
【0111】
〔工程59−3〕
(3−(トリフルオロメチル)−3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル4.00g、トルエン50ml、DL-プロリン0.15gおよび1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール2.28gを3時間、還流条件下で加熱攪拌した。該反応混合物よりトルエンを30ml留去した後、0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム0.25g、N,N−ジメチルホルムアミド2mlを加えた。室温で6時間攪拌後、0℃に冷却し、水50mlおよび酢酸エチル50mlを加えた。該溶液を攪拌しながら、1N塩酸20mlを滴下し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記の式(60)

で示される2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)−2−(3−(トリフルオロメチル)−3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(60)と記す。)4.41gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.51-2.22(8H, m), 2.40-2.51(1H, m), 2.64-2.83(2H, m), 3.37-3.48(1H, m), 3.49-3.61(1H, m), 3.86-3.89(1H, m), 3.90-3.99(4H, m)
【0112】
参考製造例60
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(60)4.41gに酢酸14mlおよび水6ml、メトキシアミン塩酸塩1.50g、酢酸ナトリウム1.47gを加え、100℃に加熱し、10時間攪拌した。
該反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル100mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水100mlにゆっくりと加えた。該溶液を1時間攪拌し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4−メトキシイミノシクロヘキシル)−2−(3−(トリフルオロメチル)−3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(61)と記す。)3.61gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.52-1.72(2H,m), 1.81-1.91(1H, m), 1.96-2.08(1H, m), 2.16-2.28(1H, m), 2.31-2.44(1H, m), 2.50-2.57(1H, m), 2.62-2.82(3H, m), 3.33-3.48(2H, m), 3.53-3.63(1H, m), 3.83(3H, s), 3.89(1H, d)
【0113】
参考製造例61
〔工程61−1〕
3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル−1−トルエンスルホナート42.65g、チオ酢酸カリウム11.65g及びN,N−ジメチルホルムアミド100mlの混合物を窒素雰囲気下、80℃で4時間攪拌した。反応容器を氷浴で冷却し、1N塩酸水溶液を加え、酢酸エチル200mlで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルチオ酢酸エステル18.91gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.28-2.45(5H,m),3.04-3.13(2H, m)
【0114】
〔工程61−2〕
3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルチオ酢酸エステル18.91gをテトラヒドロフラン60mlに溶解し、0℃に冷却した後、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液11.32gを15分かけて滴下し、室温で1時間攪拌した。該混合物に、0℃でクロロアセトニトリル4.40gを加え、室温で3時間攪拌した。反応容器を氷浴で冷却し、飽和食塩水を加え、t−ブチルメチルエーテル100mlで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルチオ)アセトニトリル15.70gを得た。

1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.40-2.59(2H,m), 2.93-3.06(2H, m), 3.38(2H, s)
【0115】
〔工程61−3〕
2KHSO5・KHSO4・K2SO4の複塩(Oxone、登録商標)15.10gを水100mlに懸濁し、窒素雰囲気下、−20℃で(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルチオ)アセトニトリル15.70gのメタノール100ml溶液を60分かけて滴下し、2時間攪拌した。該反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液50mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルスルフィニル)アセトニトリル12.56gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.56-2.79(2H,m), 3.10-3.29(2H, m), 3.63-3.84(2H, m)

【0116】
〔工程61−4〕
2KHSO5・KHSO4・K2SO4の複塩(Oxone、登録商標)9.21gを水50mlに懸濁し、窒素雰囲気下、((3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルスルフィニル)アセトニトリル6.80gのメタノール50ml溶液を60分かけて滴下し、一晩攪拌した。該反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液25mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液25ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルスルホニル)アセトニトリル5.40gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.69-2.83(2H,m), 3.54-3.60(2H, m), 4.09(2H, s)
【0117】
〔工程61−5〕
(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルスルホニル)アセトニトリル5.40g、トルエン60ml、DL-プロリン0.18gおよび1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール2.77gを3時間、還流条件下で加熱攪拌した。該反応混合物よりトルエンを40ml留去した後、0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム0.61g、N,N−ジメチルホルムアミド3mlを加えた。室温で6時間攪拌後、0℃に冷却し、水50mlおよび酢酸エチル50mlを加えた。該溶液を攪拌しながら、1N塩酸20mlを滴下し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣に酢酸14mlおよび水6mlを加え、100℃に加熱し、8時間攪拌した。該反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル100mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水100mlにゆっくりと加えた。該溶液を1時間攪拌し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(62)と記す。)2.94gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.83-1.98(2H, m), 2.17-2.26(1H, m), 2.38-2.59(5H, m), 2.67-2.97(3H, m), 3.44-3.54(1H, m), 3.60-3.70(1H, m), 4.00(1H, d)
【0118】
参考製造例62
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(62)2.69gをテトラヒドロフラン12mlに溶解し、ピリジン0.52g、メトキシアミン塩酸塩0.55を加え、室温にて3時間攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(63)と記す。)2.86gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.49-1.73(2H,m), 1.77-1.91(1H, m), 1.95-2.09(1H, m), 2.17-2.27(1H, m), 2.31-2.43(1H, m), 2.49-2.57(1H, m), 2.62-2.86( 3H, m), 3.32-3.39(1H, m), 3.42-3.53(1H, m), 3.55-3.66(1H, m), 3.84(3H, s), 3.90(1H, d)
【0119】
参考製造例63
〔工程63−1〕
1−ヨード−4,4,4−トリフルオロブタン23.8g、N,N−ジメチルホルムアミド100ml、チオ酢酸カリウム11.42gの混合物を窒素雰囲気下、80℃で4時間攪拌した。反応容器を氷浴で冷却し、1N塩酸を滴下し、t−ブチルメチルエーテル100mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される4,4,4−トリフルオロブチルチオ酢酸エステル18.20gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.82-1.92(2H,m), 2.08-2.23(2H, m), 2.35(3H, s) , 2.8
8-2.99(2H, m)
【0120】
〔工程63−2〕
4,4,4−トリフルオロブチルチオ酢酸エステル18.20gをテトラヒドロフラン60mlに溶解し、0℃に冷却した後、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液19.29gを15分かけて滴下し、室温で1時間攪拌した。該混合物に、0℃でクロロアセトニトリル7.50gを加え、室温で3時間攪拌した。反応容器を氷浴で冷却し、飽和食塩水を加え、t−ブチルメチルエーテル200mlで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される(4,4,4−トリフルオロブチルチオ)アセトニトリル17.82gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.91-1.99(2H,m), 2.17-2.32(2H, m), 2.80-2.87(2H, m), 3.32(2H, s)
【0121】
〔工程63−3〕
2KHSO5・KHSO4・K2SO4の複塩(Oxone、登録商標)67.50gを水100mlに懸濁し、窒素雰囲気下、(4,4,4−トリフルオロブチルチオ)アセトニトリル17.82gのメタノール100ml溶液を60分かけて滴下し、一晩間攪拌した。該反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液50mlを加え、酢酸エチル200mlで2回抽出した。有機層を合一し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式

で示される(4,4,4−トリフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル22.34gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):2.11-2.28(2H,m), 2.32-2.46(2H, m), 3.31-3.43(2H, m), 4.03(2H, s)
【0122】
〔工程63−4〕
(4,4,4−トリフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル24.10g、トルエン200ml、DL-プロリン1.11gおよび1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール16.58gを5時間、還流条件下で加熱攪拌した。該反応混合物よりトルエンを100ml留去した後、0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム1.89g、N,N−ジメチルホルムアミド5mlを加えた。室温で12時間攪拌後、0℃に冷却し、水200mlおよび酢酸エチル200mlを加えた。該溶液を攪拌しながら、1N塩酸100mlを滴下し、酢酸エチル200mlで2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記の式(64)

で示される2−(1,4−ジオキサスピロ〔4,5〕デカ−8−イル)−2−(4,4,4−トリオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(64)と記す。)22.03gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.56-2.49(13H, m), 3.27-3.43(2H, m), 3.81(1H, d), 3.90-4.00(4H, m)
【0123】
参考製造例64
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(64)20.03gに酢酸70mlおよび水30mlを加え、100℃に加熱し、8時間攪拌した。該反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル300mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水300mlにゆっくりと加えた。該溶液を1時間攪拌し、酢酸エチル200mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水300ml、飽和食塩水300mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記の式(65)

で示される2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4,4,4−トリオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(65)と記す。)15.82gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.81-1.99(2H, m), 2.17-2.64(10H, m), 2.82-2.95(1H, m), 3.30-3.89(2H, m), 3.93(1H, d)
【0124】
参考製造例65
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(65)3.11gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、ピリジン0.87g、メトキシアミン塩酸塩0.92gを加え、室温にて3時間攪拌した。該反応液に1N塩酸水溶液30mlを加え、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合一し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水50mlで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記の式(66)

で示される2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(4,4,4−トリオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(66)と記す。)3.26gを得た。
1H-NMR(CDCl3, TMS, δ(ppm)):1.49-2.08(4H, m), 2.14-2.44(6H, m), 2.47-2.57(1H, m), 2.59-2.70(1H, m), 3.28-3.45(3H, m), 3.80-3.85(4H, m)
【0125】
参考製造例66
ヒドロキシルアミン塩酸塩に代えて、エトキシアミン塩酸塩1.72gを用いて、参考製造例35に記載の方法に準じて、下記式(67)

で示される2−〔4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(4,4,4−トリオロブチルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(67)と記す。)2.87gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS, δ(ppm)):1.25(3H, t), 1.46-2.07(4H, m), 2.14-2.43(6H, m), 2.48-2.56(1H, m), 2.59-2.70(1H, m), 3.28-3.44(3H, m), 3.83(1H, d), 4.05(2H, q)
【0126】
参考製造例67
ジエチルアミノサルファトリフルオリドに代えて六塩化タングステン25gを用い、また、化合物(28)8.5gを用いて、参考製造例29に記載の方法に準じて、下記式(68)

で示される2−(4,4−ジクロロシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(以下、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(68)と記す。)6.1gを得た。
1H-NMR(CDCl3,TMS,δ(ppm)):1.85-2.03(3H,m),2.18-2.33(3H,m),2.45-2.54(1H,m),2.62-2.68(2H,m),2.74-2.86(2H,m),3.39-3.47(1H,m),3.54-3.63(1H,m),3.88(1H,d)
【0127】
式(I)で示される含ハロゲン有機硫黄系化合物として、より好ましくは、次式(II)

〔式中、R1、R2、R3、R4、A及びQは、前記と同じ意味を表す。〕
で示される含ハロゲン有機硫黄系化合物が挙げられ、具体的には、2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(上記、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)。)、2−〔4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(上記、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(35)。)、2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−3−メチル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)−4−ペンテンニトリル(上記、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(43)。)、2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−3−メチル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)−4−ペンチンニトリル(上記、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(44)。)、2−クロロ−2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(上記、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(45)。)、2−〔4−(メトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル(上記、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(55)。)、2−〔4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル〕−2−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルスルホニル)アセトニトリル(上記、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(59)。)、2−(4,4−ジクロロシクロヘキシル)−2−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)アセトニトリル(上記、本含ハロゲン有機硫黄系化合物(68)。)等が挙げられる。
【0128】
本発明組成物の殺虫成分はこれらの例に限定されるものではない。
本発明組成物に於いて、殺虫成分として、上記の殺虫成分の1種以上を用いることができ
る。
【0129】
本発明組成物が防除対象とする動物外部寄生虫としては、用いる殺虫成分により多岐にわたるが、ノミ目害虫としてはネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、ヒトノミ(Pulex irritans)、スナノミ(Tunga penetrans)、ヨーロッパネズミノミ(Nosopsyllus fasciatus)等が挙げられ、シラミ目害虫としてはアタマジラミ(Pediculus humanus capitis)、ケジラミ(Pthirus pubis)、ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)、ヒツジジラミ(Dalmalinia ovis)、ブタジラミ(Haematopinus suis)、ウシホソジラミ(Linognathus vituli)、ウシハジラミ(Bovicola bovis)、ニワトリハジラミ(Menopon gallinae)、ニワトリオオハジラミ(Menacanthus stramineus)、ケブカウシジラミ(Solenopotes capillatus)、ケモノジラミspp.(Haematopinus spp.)、ケモノホソジラミspp.(Linognathus spp.)、ヒトジラミspp.(Pediculus spp.)、ケジラミspp.(Phtirus spp.)、ソレノポテスspp.(Solenopotes spp)等が挙げられ、ダニ目害虫としてはフタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis) ヤマトチマダニ(Haemaphysalis flava)、タイワンカクマダニ(Dermacentor taiwanicus) アメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)、ヤマトマダニ(Ixodes ovatus)、シュルツマダニ(Ixodes persulcatus)、ブラックレッグドチック(Ixodes scapularis)、ローンスターチック(Amblyomma americanum)、ウシマダニ(Boophilus microplus)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、イキソデス・ホロシクラス(Ixodes holocyclus)、西部クロアシマダニ(Ixodes pacificus)、デルマセントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、アンブリオンマ・マクラタム(Ambryomma maculatum)、ミミヒゼンダニ(Octodectes cynotis)、キュウセンヒゼンダニspp.(Psoroptes spp.)、ショクヒヒゼンダニspp.(Chorioptes spp.)、ミミヒゼンダニspp.(Otodectes spp.)、ヒゼンダニspp.(Sarcoptes spp.)、ショウセンコウヒゼンダニspp.(Notoedres spp.)、トリヒゼンダニspp.(Knemidocoptes spp.)、ヒゼンダニ(Sacroptes scabiei)、ニキビダニspp.(Demodex spp.) 、イヌニキビダニ(Demodex canis)トリサシダニ(Ornithonyssus sylvairum)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、ツツガムシspp.(Trombicula spp.)、アオツツガムシ(Leptotrombidium akamushi)、イキソデス・ホロシクラス(Ixodes holocyclus)、西部クロアシマダニ(Ixodes pacificus)、デルマセントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、アンブリオンマ・マクラタム(Ambryomma maculatum)、オルニトドルス・ヘルムシ(Ornithodorus hermsi)、オルニトドルス・ツリカタ(Ornithodorus turicata)、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、アカラピスspp.(Acarapis spp.)、チェイレティエラspp.(Cheyletiella spp.)、オルニトチェイレティラspp.(Ornithocheyletia spp.)、ミオビアspp.(Myobia spp.) ソレルガテスspp.(Psorergates spp.)、ニキビダニspp.(Demodex spp.)、ツツガムシspp.(Trombicula spp.)、リストロホラスspp.(Listrophorus spp.)、コナダニspp.(Acarus spp.)、ケナガコナダニspp.(Tyrophagus spp.)、ゴミコナダニspp.(Caloglyphus spp.)、ハイポデクテスspp.(Hypodectes spp.)、プテロリクスspp.(Pterolichus spp.)、キュウセンヒゼンダニspp.(Psoroptes spp.)、ショクヒヒゼンダニspp.(Chorioptes spp.)、ミミヒゼンダニspp.(Otodectes spp.)、ヒゼンダニspp.(Sarcoptes spp.)、ショウセンコウヒゼンダニspp.(Notoedres spp.)、トリヒゼンダニspp.(Knemidocoptes spp.)、サイトジテスspp.(Cytodites spp.)、ラミノシオプテスspp.(Laminosioptes spp)、等が挙げられ、異翅亜目害虫としてはトコジラミ(Cimex lectularius)、ネッタイトコジラミ(Cimex hemipterus)、レジュヴァイアス・セニリス(Reduvius senilis)、サシガメspp.(Triatoma spp.)、ロドニウスspp.(Rhodnius ssp.)、パンストロンギルスspp.(Panstrongylus ssp.)、アリラス・クリタツス(Arilus critatus)等が挙げられ、ハジラミ目(マルツノハジラミ亜目およびホソツノハジラミ亜目) 害虫としてはトリメノポンspp.(Trimenopon spp.)、メノポンspp.(Menopon spp.)、トリノトンspp.(Trinoton spp.)、ボビコラspp.(Bovicola spp.)、ウェルニッキエラspp.(Werneckiella spp.)、レピケントロンspp.(Lepikentron spp.)、ハジラミspp.(Trichodectes spp.)、フェリコラspp.(Felicola spp)等が挙げられ、好ましくはノミ目、シラミ目またはダニ目が挙げられる。
【0130】
本発明組成物の投与対象となる動物としては、前記動物外部寄生虫の宿主となり得る動物が挙げられ、通常、ヒトに加えて、家畜やペットとして飼養されている恒温動物および変温動物が挙げられる。恒温動物としては、例えば、哺乳動物としてヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ラクダ、シカ、ウマ、ウサギ、イヌ、ネコ、フェレット、スイギュウ、ロバ、ファロージカ、トナカイ、マウス、ラット、ハムスター、リス、サル等が挙げられ、さらには毛皮動物としてミンク、チンチラ、アライグマ等が挙げられ、鳥類としてはニワトリ、ガチョウ、シチメンチョウ、アヒル、ハト、オウム、ウズラ等が挙げられる。変温動物としては、例えば、爬虫類としてはリクガメ、ウミガメ、ミドリガメ、ゼニガメ、トカゲ、イグアナ、カメレオン、ヤモリ、ニシキヘビ、ナミヘビ、コブラ等が挙げられる。好ましくは恒温動物であり、より好ましくはイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ等の哺乳動物であり、さらに好ましくはイヌ、ネコである。
【0131】
本発明組成物の有効量を、動物に投与することにより、治療的、抑制的、予防的および保護的に動物外部寄生虫を防除することができる。本発明組成物は、動物外部寄生虫の全身的抑制または非全身的抑制を行うことができ、動物外部寄生虫の発生段階の全てまたは一部に対して用いることができる。
【0132】
本発明組成物は、殺虫成分とアジピン酸エステルとの混合物とを単に混合したものでもよいが、通常は液剤等の製剤として使用することができ、好ましくは経口製剤、皮膚外用剤または注射製剤等の製剤として使用することができる。製剤形態にもよるが、本発明組成物には、殺虫成分とアジピン酸エステルとを合計量にして通常0.1〜100重量%の割合で含有すし、好ましくは10〜100、より好ましくは30〜100重量%の割合で含有する。
【0133】
動物に経口製剤として投与する場合は、本発明組成物は、例えば動物用飼料、動物用飼料予混合物、動物用飼料濃縮物、丸剤、液剤、ペースト剤、サスペンジョン剤、水剤、ゲル剤、錠剤、ボーラス剤、およびカプセル剤の形態で用いることができる。
動物に皮膚外用剤として投与する場合は、本発明組成物は、例えばディップ剤、ダスト剤、粉末剤、スプレー剤、シャンプー、ならびに液剤、軟膏剤または水中油型もしくは油中水型のエマルジョン剤の形態で用いることができ、スポットオン処理、ポアオン処理、浸漬、噴霧、入浴、洗浄、摩り込み、散布により投与することができる。
動物に注射製剤として投与する場合は、反芻胃内注射、筋肉内注射、静脈内注射、または皮下注射により投与することができる。好ましい投与方法としては、スポットオン処理、ポアオン処理である。スポットオン処理とは、通常、宿主動物の頭部や肩胛骨背部等の皮膚に液状の製剤を滴下または塗布する方法であり、ポアオン処理とは、通常、宿主動物体の背中線に沿って液状の製剤を注ぐ方法である。
【0134】
本発明組成物の動物への投与量は、対象となる動物または防除する外部寄生虫によっても変わり得るが、対象となる動物の生体重1kg当たり、通常1〜5000mg、好ましくは10〜1000mgであり、より好ましくは50〜500mgである。
【0135】
本発明組成物は、殺虫成分とアジピン酸エステルのみからなるものであってもよいが、必要に応じて、補助溶剤、酸化防止剤、着色剤、光安定剤、粘着剤等の助剤を含有することができる。
【0136】
本発明組成物の補助溶剤としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノキシエタノール等のアルコールやグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン等のアルキルピロリドン類、ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル類、γ-ブチロラクトン、炭酸プロピレン、水、パラフィン油、シリコーンオイル、トリグリセリド、界面活性剤、水これらの混合物などが挙げられる。
【0137】
本発明組成物の界面活性剤は非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステルとしてステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン等が挙げられ、グリセリン脂肪酸エステルとしてステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリポキシエチレンスチリルフェニルエーテル等が挙げられ、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしてヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられ、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとしてはテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等が挙げられ、その他としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルフェノールポリグリコールエーテル等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタインとしてラウリルベタイン、ステアリルベタイン等が挙げられ、イミダゾリン誘導体としてはジ-ナトリウムN-ラウリル−p−イミノジプロピオネート等が挙げられ、その他としてレシチン等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩としてラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられ、アルキルベンゼンスルホン酸塩としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩としてはジポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ジポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩としてセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0138】
シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、高重合ジメチルシリコーンオイル、環状シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等が挙げられる。
【0139】
酸化防止剤としてはジブチルヒドロキシトルエン(以下、BHTと記す。)、BHA等、着色剤としては、赤色2号(アマランス)、赤色3号(エリスロシン)、黄色4号(タートラジン)、緑色3号(ファストグリーンFCF)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)等の食用タール色素等、光安定剤としてはベンゾフェノン系化合物等、粘着剤としては、ベントナイト、コロイド状ケイ酸、セルロース誘導体、澱粉誘導体、ポリアクリレート、天然ポリマー、アルギン酸塩、ゼラチン等が挙げられる。
【実施例】
【0140】
以下、製剤例及び試験例等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
まず、本発明組成物の製剤例を示す。尚、実施例において、特に明記しない限り、部は質量部を意味する。
【0141】
製剤例1
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gに、アジピン酸ジイソプロピル80gを加えて混合し、液剤を得る。
【0142】
製剤例2
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソブチル80gを加えて混合し、液剤を得る。
【0143】
製剤例3
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソプロピル39.35g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル39.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0144】
製剤例4
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソブチル39.35g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル39.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0145】
製剤例5
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1g、シリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル)10gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソプロピル34.35g、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル34.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0146】
製剤例6
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1g、シリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル)10gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソブチル34.35g、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル34.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0147】
製剤例7
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1g、シリコーンオイル(ポリエーテル変性シリコーンオイル)10gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソプロピル34.35g、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル34.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0148】
製剤例8
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1g、シリコーンオイル(ポリエーテル変性シリコーンオイル)10gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソブチル34.35g、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル34.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0149】
製剤例9
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソプロピル36.85g、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル36.85g、トリグリセリド5gを加えて混合し、液剤を得る。
【0150】
製剤例10
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソブチル36.85g、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル36.85g、トリグリセリド5gを加えて混合し、液剤を得る。
【0151】
製剤例11
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソプロピル39.35g、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル39.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0152】
製剤例12
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソブチル39.35g、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル39.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0153】
製剤例13
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソプロピル39.35g、γ-ブチロラクトン39.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0154】
製剤例14
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソブチル39.35g、γ-ブチロラクトン39.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0155】
製剤例15
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、メトフルトリン10g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソプロピル34.35g、γ-ブチロラクトン34.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0156】
製剤例16
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20g、メトフルトリン10g、ピリプロキシフェン1gおよびBHT0.3gにアジピン酸ジイソブチル34.35g、γ-ブチロラクトン34.35gを加えて混合し、液剤を得る。
【0157】
製剤例17
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種5g、メトフルトリン4gにアジピン酸ジイソプロピル37.5g、N,N−ジメチルホルムアミド37.5gを加えて混合し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル10gおよびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6gを加え、よく撹拌混合して乳剤を得る。
【0158】
製剤例18
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種5g、メトフルトリン4gにアジピン酸ジイソブチル37.5g、N,N−ジメチルホルムアミド37.5gを加えて混合し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル10gおよびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6gを加え、よく撹拌混合して乳剤を得る。
【0159】
製剤例19
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種0.5gにアジピン酸ジイソプロピル10g、ニッコールTEALS−42(日光ケミカルズ・ラウリル硫酸トリエタノールアミンの42%水溶液)50g、プロピレングリコール20gを添加し、均一溶液になるまで充分撹拌混合した後、水19.5gを加えてさらに充分撹拌混合し、均一溶液のシャンプー剤を得る。
【0160】
製剤例20
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種0.5gにアジピン酸ジイソブチル10g、ニッコールTEALS−42(日光ケミカルズ・ラウリル硫酸トリエタノールアミンの42%水溶液)50g、プロピレングリコール20gを添加し、均一溶液になるまで充分撹拌混合した後、水19.5gを加えてさらに充分撹拌混合し、均一溶液のシャンプー剤を得る。
【0161】
製剤例21
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種0.1gにアジピン酸ジイソプロピル0.4gを加えて混合し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルに詰め、カプセル製剤を得る。
【0162】
製剤例22
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種0.1gにアジピン酸ジイソブチル0.4gを加えて混合し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルに詰め、カプセル製剤を得る。
【0163】
製剤例23
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソプロピル10g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル70gを加えて混合し、液剤を得る。
【0164】
製剤例24
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソブチル10g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル70gを加えて混合し、液剤を得る。
【0165】
製剤例25
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソプロピル40g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル40gを加えて混合し、液剤を得る。
【0166】
製剤例26
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソブチル40g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル40gを加えて混合し、液剤を得る。
【0167】
製剤例27
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソプロピル10g、炭酸プロピレン70gを加えて混合し、液剤を得る。
【0168】
製剤例28
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソブチル10g、炭酸プロピレン70gを加えて混合し、液剤を得る。
【0169】
製剤例29
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソプロピル40g、炭酸プロピレン40gを加えて混合し、液剤を得る。
【0170】
製剤例30
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソブチル40g、炭酸プロピレン40gを加えて混合し、液剤を得る。
【0171】
製剤例31
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソプロピル10g、ミリスチン酸イソプロピル70gを加えて混合し、液剤を得る。
【0172】
製剤例32
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソブチル10g、ミリスチン酸イソプロピル70gを加えて混合し、液剤を得る。
【0173】
製剤例33
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソプロピル40g、ミリスチン酸イソプロピル40gを加えて混合し、液剤を得る。
【0174】
製剤例34
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(1)〜(68)より選ばれる1種20gにアジピン酸ジイソブチル40g、ミリスチン酸イソプロピル40gを加えて混合し、液剤を得る。
【0175】
次に、本発明組成物が動物外部寄生虫に対して優れた除効力を有することを試験例として示す。
【0176】
試験例1
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)、(35)、(43)、(44)、(45)、(55)、(59)について、各々19.2mg/mlとなるようにアジピン酸ジイソプロピルに溶解し、本発明組成物(33)、(35)、(43)、(44)、(45)、(55)、(59)を得た。直径7cmのガラスシャーレ底面にろ紙を置き、上記本発明組成物0.1mlを処理した。フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)10頭をろ紙上に放し、2時間接触させた後に別の容器に移した。当該容器を25度下で静置し、24時間後に致死を観察した。
その結果、本発明組成物(33)、(35)、(43)、(44)、(45)、(55)、(59)は、フタトゲチマダニに対して高い致死効果を示した。
【0177】
試験例2
イヌ寄生フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)に対する滴下投与試験
滴下投与前日、イヌ(ビーグル)に供試ダニ(フタトゲチマダニ、若ダニ)50頭ずつ接種した。滴下投与前に、寄生マダニを数えた。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)を、表1で示した重量比(%)にてジエチレングリコールモノエチルエーテル(表中、EDGと記す。)あるいはアジピン酸ジイソブチルに溶解し、薬液を作成した。該薬液をイヌ体重(kg)あたり0.1mlの用量で、頚背部の被毛をかき分け皮膚上に直接滴下した。これを、試験群とした。一方、プラセボ群は、エチレングリコールモノエチルエーテルのみを滴下投与した。投与後1日目、2日目にイヌに寄生している生存マダニ数を観察した。投与後2日目の観察終了時には全寄生マダニをイヌより除去した。1群あたり3反復実施した。以下の計算式を用い、寄生率及び駆除率を求した。
投与初期(1、2日目)寄生率・駆除率計算法:
・X日目寄生率(%)=(X日目生存マダニ数/投与前生存マダニ数)×100
・X日目駆除率(%)=(試験群投与前寄生率−試験群X日目寄生率)/試験群投与
前寄生率×100
試験結果を表2に示した。
【0178】
【表1】

【0179】
【表2】

【0180】
試験例3
イヌ寄生アメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)に対する滴下投与試験
滴下投与前日、イヌ(ビーグル)に供試ダニ(アメリカイヌカクマダニ、成ダニ)50頭ずつ接種した。滴下投与前に、寄生マダニを数えた。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)とピリプロキシフェンを表3で示した重量比(%)にてγ―ブチロラクトン(表中、BLOと記す。)、アジピン酸ジイソプロピルおよびテトラオレイン酸POEソルビットに溶解し、薬液を作成した。該薬液をイヌ体重(kg)あたり0.1mlの用量で、頚背部の被毛をかき分け皮膚上に直接滴下した。これを、試験群とした。一方、プラセボ群は、エチレングリコールモノエチルエーテルのみを滴下投与した。投与後14日目、28日目に供試ダニを50頭ずつ接種した。それぞれ接種後2日目にイヌに寄生している生存マダニ数を観察した。再接種後2日目の観察終了時には全寄生マダニをイヌより除去した。1群あたり3反復実施した。以下の計算式を用い、寄生率及び駆除率を求した。
投薬後14日目、28日目および42日目接種後の寄生率・駆除率計算法:
・X日目寄生率(%)=(X日目生存マダニ数/マダニ接種数)×100
・X日目駆除率(%)=(プラセボ群X日目寄生率−試験群X日目寄生率)
/プラセボ群X日目寄生率×100
なお、試験群の寄生率がプラセボ群よりも高値である場合は0%とした。
試験結果を表4に示した。
【0181】
【表3】

【0182】
【表4】

【0183】
試験例4
イヌ寄生フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)に対する滴下投与試験
滴下投与前日、イヌ(ビーグル)に供試ダニ(フタトゲチマダニ、若ダニ)100頭ずつ接種した。滴下投与前に、寄生マダニを数えた。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)およびピリプロキシフェンを表5で示した重量比(%)にてジエチレングリコールモノエチルエーテル(表中、EDGと記す。)、アジピン酸ジイソプロピルおよびアジピン酸ジイソブチルに溶解し、薬液を作成した。該薬液をイヌ体重(kg)あたり0.1mlの用量で、頚背部の被毛をかき分け皮膚上に直接滴下した。これを、試験群とした。一方、プラセボ群は、エチレングリコールモノエチルエーテルのみを滴下投与した。
投与後14日目に供試ダニを100頭ずつ接種した。再接種後2日目にイヌに寄生している生存マダニ数を観察した。1群あたり3反復実施した。以下の計算式を用い、寄生率及び駆除率を求した。
投薬後14日目接種後の寄生率・駆除率計算法:
・X日目寄生率(%)=(X日目生存マダニ数/マダニ接種数)×100
・X日目駆除率(%)=(プラセボ群X日目寄生率−試験群X日目寄生率)
/プラセボ群X日目寄生率×100
なお、試験群の寄生率がプラセボ群よりも高値である場合は0%とした。
試験結果を表6に示した。
【0184】
【表5】

【0185】
【表6】

【0186】
試験例5
ネコ寄生ネコノミ(Ctenocephalides felis)に対する滴下投与試験
滴下投与前日、ネコに供試ノミ(ネコノミ成虫)50頭ずつ接種した。滴下投与前に、寄生ノミを数えた。
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)およびピリプロキシフェンを表7で示した重量比(%)にてジエチレングリコールモノエチルエーテル(表中、EDGと記す。)、アジピン酸ジイソプロピルおよびBHTに溶解し、薬液を作成した。該薬液をネコ体重(kg)あたり0.1mlの用量で、頚背部の被毛をかき分け皮膚上に直接滴下した。これを、試験群とした。一方、プラセボ群は、エチレングリコールモノエチルエーテルのみを滴下投与した。投与後1日目、2日目にネコに寄生している生存ノミ数を観察した。投与後2日目の観察終了時には全寄生ノミをネコより除去した。
また、投与後14日目、28日目に供試ノミを50頭ずつ再接種した。それぞれ再接種後1日目、2日目にネコに寄生している生存ノミ数を観察した。再接種後2日目の観察終了時には全寄生ノミをネコより除去した。1群あたり3反復実施した。以下の計算式を用い、寄生率及び駆除率を求した。
投与初期(1、2日目)寄生率・駆除率計算法:
・X日目寄生率(%)=(X日目生存ノミ数/投与前生存ノミ数)×100

・X日目駆除率(%)=(試験群投与前寄生率−試験群X日目寄生率)/試験群投与
前寄生率×100
投薬後14日目、28日目および42日目再接種後の寄生率・駆除率計算法:
・X日目寄生率(%)=(X日目生存ノミ数/ノミ接種数)×100
・X日目駆除率(%)=(プラセボ群X日目寄生率−試験群X日目寄生率)
/プラセボ群X日目寄生率×100
なお、試験群の寄生率がプラセボ群よりも高値である場合は0%とした。
試験結果を表8に示した。
【0187】
【表7】

【0188】
【表8】

【0189】
試験例6
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)および(35)について、各々63.6mg/mlとなるように各溶剤(アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、または炭酸プロピレン)に混合し、薬液を作成した。直径9cmのガラスシャーレ底面にろ紙を置き、該薬液0.2mlを処理した(面積あたりの処理量は2000mg/m2となる)。フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)10頭をろ紙上に放した。当該シャーレを25度下で静置し、24時間後に致死を観察した。試験結果を表9に示す。
【0190】
【表9】

【0191】
試験例7
本含ハロゲン有機硫黄系化合物(33)および(35)について、各々溶液中の濃度が10重量%となるように、あらかじめ混合しておいたアジピン酸ジイソプロピルおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル(表中、EDGと記す。)の混合液に混合し、薬液を作成した。直径9cmのガラスシャーレ底面にろ紙を置き、該薬液0.2mlを処理した。フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)10頭をろ紙上に放した。当該シャーレを25度下で静置し、24時間後に致死を観察した。試験結果を表10、表11に示す。
【0192】
【表10】

【0193】
【表11】

【産業上の利用可能性】
【0194】
本発明の動物外部寄生虫防除組成物を用いることにより、動物外部寄生虫を効率よく防除することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺虫成分とアジピン酸エステルとを含有する動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項2】
アジピン酸エステルがアジピン酸ジイソプロピル及びアジピン酸ジイソブチルから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項3】
殺虫成分とアジピン酸エステルとの重量比が1:0.2から1:500であることを特徴とする請求項1または2記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項4】
殺虫成分とアジピン酸エステルとの重量比が1:0.2〜1:50であることを特徴とする請求項1または2記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項5】
殺虫成分とアジピン酸エステルとの重量比が1:0.5〜1:50であることを特徴とする請求項1または2記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項6】
殺虫成分とアジピン酸エステルとを合計量にして、0.1〜100重量%含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項7】
殺虫成分とアジピン酸エステルとを合計量にして、10〜100重量%含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項8】
殺虫成分とアジピン酸エステルとを合計量にして、30〜100重量%含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項9】
殺虫成分が、含ハロゲン有機硫黄系化合物、ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物、有機リン系化合物、昆虫成長制御活性化合物、フェニルピラゾール系化合物、カーバメート系化合物及びベンゾイル尿素系化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜8いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項10】
含ハロゲン有機硫黄系化合物が、下記式(I)

〔式中、mは0または1を表し、nは0、1または2を表し、Aは群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいC3〜C7シクロアルキル基、または群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいC5〜C7シクロアルケニル基を表し;
Qは少なくとも1つのフッ素原子を含むC1〜C3ハロアルキル基、またはフッ素原子を表し;
1及びR3は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;
2及びR4は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4鎖式炭化水素基、-C(=G)R5、シアノ基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;Gは酸素原子、または硫黄原子を表し;
5はハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、または水素原子を表し;
群E1は、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基、-OR6、-SR6、-S(=O)R6、-S(=O)26、-C(=O)R7、-OC(=O)R8、ハロゲン原子、シアノ基、及び、ヒドロキシル基からなる一価基の群を表し;
群E2は、=O、=NO-R6、=C=CH2、及び、=C(R11)R12からなる同一の原子からの二価基の群を表し;
群E3は、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC2−C6アルキレン基、群Lから選ばれる基で置換されていてもよいC4−C6アルケニレン基、-G-T1-G-、及び、-G-T1-G-T2-からなる異なる原子からの二価基の群を表し;
1及びT2は同一または相異なり、メチレン基、またはエチレン基を表し;R6はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基を表し;
7はヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、または水素原子を表し、R8はハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、C2〜C5環状アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、または水素原子を表し;
11およびR12は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、または水素原子を表し;
群Lは、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニルオキシ基、-N(R9)R10、C2〜C5環状アミノ基、-C(=O)R7、-OC(=O)R8、及び、ハロゲン原子からなる群を表し;
9及びR10は同一または相異なり、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6アルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、または水素原子を表す。〕で示される含ハロゲン有機硫黄系化合物である請求項9に記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項11】
前記式(I)において、mが0である請求項10記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項12】
前記式(I)において、nが2である請求項10または11記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項13】
前記式(I)において、R2が水素原子である請求項10〜12いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項14】
前記式(I)において、R2がC1〜C4アルキル基である請求項10〜12いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項15】
前記式(I)において、R2がシアノ基である請求項10〜12いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項16】
前記式(I)において、R2が-C(=G)R5であり、Gが酸素原子であり、R5がアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジ(C1〜C4アルキル)アミノ基、またはC2〜C5環状アミノ基である請求項10〜12いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項17】
前記式(I)において、R2が-C(=G)R5であり、Gが酸素原子であり、R5がアミノ基である請求項10〜12いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項18】
前記式(I)において、R1が水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基である請求項10〜17いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項19】
前記式(I)において、R1がハロゲン原子である請求項10〜17いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項20】
前記式(I)において、Aが群E1〜E3より選ばれる基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である請求項10〜19いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項21】
前記式(I)において、群E1〜E3より選ばれる基が=NO-R6であり、R6がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4鎖式炭化水素基である請求項10〜20いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項22】
前記式(I)において、Aがハロゲン原子で置換されたシクロヘキシル基である請求項10〜20いずれかに記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項23】
液剤の形態で使用する請求項1〜22いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項24】
経口製剤、皮膚外用剤または注射製剤の形態で使用する請求項1〜23いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項25】
対象の動物外部寄生虫が、ノミ目、シラミ目またはダニ目である請求項1〜24いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物。
【請求項26】
請求項1〜25いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物の有効量を、動物に投与することを特徴とする動物外部寄生虫の防除方法。
【請求項27】
動物への投与方法がスポットオン処理またはポアオン処理である請求項26記載の方法。
【請求項28】
請求項1〜25いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物を、対象となる動物の生体重1kg当たり、1〜5000mg投与することを特徴とする請求項26または27記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜25いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物を、対象となる動物の生体重1kg当たり、10〜1000mg投与することを特徴とする請求項26または27記載の方法。
【請求項30】
請求項1〜25いずれか一項記載の動物外部寄生虫防除組成物を、対象となる動物の生体重1kg当たり、50〜500mg投与することを特徴とする請求項26または27記載の方法。
【請求項31】
対象となる動物が哺乳動物である請求項26または27に記載の方法。
【請求項32】
対象となる動物がイヌまたはネコである請求項26または27に記載の方法。
【請求項33】
対象となる動物がウシ、ウマ、ブタ、またはヒツジである請求項26または27に記載の方法。

【公開番号】特開2011−153129(P2011−153129A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282764(P2010−282764)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】