説明

動物用耳タグ

動物用耳タグは、タグ本体と係止挿入具を含み、一旦係止挿入具が耳タグ本体の受容部のボス内に配置されると、挿入具がそこから容易に抜けなくなる。加えて、本発明は、係止挿入具が動物用耳タグの係止部品の離脱を防止し、一旦耳タグが動物に取り付けられると、これにより耳タグの紛失を防止する、動物用耳タグと係止挿入具に関する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2005年9月9日にされたアメリカ合衆国仮特許出願第60/715989号に基づく優先権を主張するものであり、全体的にこれに言及することにより、この出願はここに組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、動物用耳タグ(animal ear tag)に関する。特に、本発明は耳タグ用の係止挿入具(locking insert)に関し、係止挿入具が耳タグに係合し、これによって挿入具の耳タグからの離脱を防止する。
【背景技術】
【0003】
耳タグは、識別用及び/又はノサシバエ(Horn flies)、顔面にたかるハエ(Face Flies)、湾岸ダニ(Gulf Coast Ticks)、とげの多い耳ダニ(Spinose Ear Ticks)、サシバエ(Stable Flies)、イエバエ(House Flies)及びシラミのような外部寄生虫からの動物の保護用に用いられる。保護は、耳タグに殺虫剤を含有させることにより行われ、殺虫剤は所定期間にわたって放出される。殺虫剤の散布は、動物の頭のこすりつけ及び/又は揺さぶりのような動物の自然な運動から起こる。
【0004】
現在用いられている耳タグの一つは、雌型部品と雄型部品を有する。雄型部品は、動物の耳に突き刺さり、耳タグの雌型部品に係止されて、タグを耳に固定する。雌型部品はボスとタグ要素を有し、この両者は典型的にはプラスチック材料から成り、殺虫剤が組み込まれている。雄型部品は弾性プラスチックから成り、雄型部品が雌型部品に挿入されたときには余り簡単には外れない。しかし、このようなタグの雌型部品に関する一つの問題は、ボスとタグ要素のプラスチックの軟化である。内蔵された殺虫剤はプラスチックを軟化させ、雄型と雌型の部品の分離をもたらす。軟化プラスチックの問題を解決するために、剛性プラスチック挿入具がボス内に配置され、雄型部品の頭部を雌型の部品に固定する更に強固な手段となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の剛性挿入具は軟化プラスチックの問題に対処するものであるが、ある問題がまだ残っている。特に、剛性挿入具は、成形後に起こるプラスチックの自然の収縮にしばしば起因して、輸送の間やその後に時々ボスから離脱する。一旦離脱すると、挿入具は地上に落下し、紛失し、耳タグが使用不能になる。したがって、剛性挿入具が耳タグの他の部分から容易に離脱しないという耳タグに対する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様によれば、動物の耳タグで受ける挿入具が提供される。挿入具は、内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有する実質的に筒状の側壁から成る。側壁によってこれを通るチャネルが決められる。フランジが側壁の第2の端部に配置され、動物の耳タグ上に定義される対の要素で受けられ、挿入具と動物用耳タグを相互に係止する。
【0007】
本発明のこの態様に従うと、挿入具は、側壁の第1の端部に配置され、側壁から遠心状に外側に延びるリムを有してもよい。その上、側壁は、挿入具の剛性を増すために厚みを拡大した領域すなわち「リブ」を有してもよい。このような厚みを拡大した領域は、フランジから側壁の第1の端部に配置したリムへ、側壁から遠心状に外側に延ばすことができる。複数の厚みを拡大した領域を側壁に設け、側壁の外周に対して等間隔とすることができる。挿入具の筒状の壁は、実質的に円形の断面とすることができる。
【0008】
所望であれば、挿入具の第2の端に端壁を設けることができ、端壁は、側壁から径方向内側に延び、その中で定められる中央開口部を有する。筒状の壁の第1の端にリムを設け、挿入具の周囲に延ばすことができる。筒状の壁の第2の端にフランジを設け、挿入具の周囲に延ばし、及び/又は複数の周方向に間隔を置いたフランジ部を設けることができる。
【0009】
耳タグの対の要素は、耳タグ本体で定められる凹所とすることができ、及び/又は耳タグ本体で定められる受容部(receptacle)に延びる突起によって定めることができる。好ましくは、挿入具は、比較的剛性の材料で形成されるが、そこへの係止要素の挿入の間の撓みが可能な程度にまだ可撓性を有するものである。一つの好ましい実施形態では、挿入具はポリエチレン/ポリプロピレン混合のプラスチック材料からできている。更なる好ましい実施形態では、挿入具は、テキサス州ヒューストンのハンツマンコーポレーション(Huntsman Corporation)から入手できるAP6106−HSである。
【0010】
本発明の他の態様によると、動物用耳タグが規定され、これはタグ本体及び挿入具を有する。タグ本体は、その中で定められる受容部を有し、更に第1の係合手段を有する。挿入具は実質的に筒状の側壁及びタグ本体の第1の係合手段に係合する第2の係合手段を有し、挿入具とタグ本体を相互に係合させる。挿入具の側壁は、内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有する。また側壁は、これを通るチャネルを定める。この実施形態に従えば、挿入具は、タグ本体よりも剛性である。更に、タグ本体に外部寄生虫殺虫用活性化合物を含ませることができる。
【0011】
受容部は、ボスで規定することができ、ボスは、タグ本体と一体的に形成されてタグ本体から延びている。ボスは、その中で定められるチャネルを有することができ、これはタグ本体をタグの第1の側面からタグの第2の側面へ通る。チャネルは、タグの第1の側面に近い第1の開口部及びタグの第2の側面に近い第2の開口部で終端している。
【0012】
タグの受容部は、タグ本体をタグの第1の側面からタグの第2の側面へ通り、耳タグを動物に固定する係止部品の受け入れのためのチャネルを有することができる。更に、タグの第2の側面に保護カバーを設け、係止部品と挿入具の係合に関する不正加工を防止し、係止部品がタグの第1の側面から挿入されるようにしてもよい。
【0013】
本発明に従うと、第1の係合手段は受容部の壁で定められる凹所であり、第2の係合手段は側壁の第2の端部に配置されるフランジであり、対の要素、例えば動物用耳タグで定められる凹所又は溝で受けられ、挿入具と動物用耳タグを相互に係合させる。
【0014】
代替的に又は付加的に、第2の係合手段を側壁の第2端部の外周に配置された複数のフランジ部分とし、動物用耳タグで定められる対の要素によって受けられ、挿入具と動物用耳タグ断面とが相互に係合するようにでき、又は、実質的に丸みのある正方形断面を有するものとすることができる。
【0015】
主題である動物用耳タグは、挿入具の剛性を増すために、挿入具の縦軸に平行にその側壁から径方向外側に延びる少なくとも一つの突出物を有してもよい。このような突出物は、挿入具の側壁に設けられ、挿入具の外周の周りに規則的に間隔をあけるようにすることができる。
【0016】
更に、係止部品を挿入具及び/又は本発明に従う動物用タグのタグ本体の係合のために設けることができる。係止部品は、細長い軸、フランジ及びかかりのついた先端部(barbed tip portion)を含むことができる。フランジは、動物用耳タグの動物の耳への取り付けを維持するために細長い軸の第1の端から径方向外側に延び、好ましいボタンの径が軸の径より大となるようにすることができる。かかりのついた先端部は、動物の耳を突き通るために細長い軸の第2の端から延びることが好ましく、挿入具で定められるチャネルに入り、挿入具と係合して動物用耳タグの離脱を防止する。係止部品は、取り付けの前に耳タグの他の部分と分離していてもよく、又は蝶番で取り付けてもよい。
【0017】
本発明の更に他の態様では、動物用耳タグは、タグ本体及び挿入具を有するものとして規定される。タグ本体は、第1と第2の対向する面とその中で定められる受容部を有する。受容部には、側壁及びその先端部の実質的に環状の凹所がある。受容部は、タグ本体の第1と第2の対向する面の一つから延びるボスによって規定される。挿入具には、側壁及びそこから延びる少なくとも一つのフランジがある。側壁は、実質的に筒状で、内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有する。更に、側壁はそれを通るチャネルを定める。フランジは、受容部の実質的に環状の凹所に係合するために側壁から径方向外側に延び、挿入具とタグ本体とを相互に係合させる。
【0018】
本発明の他の態様では、外部寄生虫を抑制するための動物用耳タグの使用方法が提供される。そのステップには、動物用耳タグを形成すること及び耳タグを動物に取り付けることがある。動物用耳タグは、挿入具を耳タグ本体の受容部に配置することにより形成される。タグ本体には、外部寄生虫殺虫用の活性化合物があり、受容部には、第1の係合手段がある。剛性の挿入具は、タグ本体の第1の係合手段に係合するための第2の係合手段を有し、挿入具とタグ本体を相互に係合させる。最後に、この方法には、係止部品で耳タグを動物に固定するステップがある。引き続いて、殺虫剤が長い期間にわたって動物に与えられ、動物に存在する外部寄生虫を抑制する。この長い期間は、約6ヶ月の期間とできる。
【0019】
本発明の更に他の態様では、動物の耳に取り付ける動物用耳タグを調製する方法が提供される。この方法には、タグ本体を供給し、挿入具を提供し、かつ挿入具をタグ本体で定められる受容部内に配置するステップがある。この態様では、受容部には、第1の係合手段があり、挿入具には、内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有する実質的に筒状の側壁がある。側壁は、これを通るチャネルを定める。また、挿入具には、タグ本体の第1の係合手段に係合する第2の係合手段があり、挿入具とタグ本体を相互に係合させる。
【0020】
本発明の他の態様では、耳タグを動物に取り付ける方法が提供される。この方法には、動物用耳タグ及びタグ付け用プライヤを供給し、係止部品をタグ付け用プライヤのピン上に配置し、動物用タグをタグ付け用プライヤの個々の部分に配置し、動物の耳上の所望の位置を定め、係止部品を挿入具のチャネルに挿入するためにタグ付け用プライヤを圧縮し、係止部品とタグ本体とを相互に係合させるステップがある。動物用耳タグには、その中で定められる受容部を有するタグ本体があり、これには第1の係合手段がある。また、耳タグには、内面、外面及び第1と第2の端部を有する実質的に筒状の側壁を有する挿入具がある。側壁は、その中を通るチャネルを定める。第2の係合手段は、タグ本体の第1の係合手段に係合するために挿入具中に設けられ、挿入具とタグ本体とを相互に係合させる。この態様によれば、その方法には、まず挿入具をタグ本体の受容部内に配置するステップもある。
【0021】
当然のことながら、前記の一般的な記載及び以下の詳細な記載は、共に例示であり、請求された発明の更なる説明を提供することを意図するものである。
【0022】
当業者が本発明の耳タグと係止挿入具の製作法及び使用法をよりよく理解するために、その実施形態について図面を参照して記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、動物用耳タグ及びそのための係止挿入具に関する。図1に示されるように、例えば、係止挿入具34は、受容部10で受け、その中に収容する。受容部10は、耳タグ20の本体24から延びるボス22で提供することができる。挿入具と受容部とは、挿入具34が受容部から容易に外れないように形成される。これに加え、本発明の係止挿入具34は、一旦受容部10内に置かれると、係止雄型部品50(不図示)が耳タグ20から外れ、耳タグ20を紛失することを同様に防止する。独特な耳タグ20と剛性挿入具34とは、そのようなものとして与えられ、挿入具の意図せざる外れを防止するために挿入具34と耳タグは相互に他方に係合する。
【0024】
図1、1A及び2の実施形態において、耳タグ20は、第1の面29と反対側の第2の面27とを有する本体24を備える。耳タグは、また、タグ本体24の第1の面29と一体的に形成され、そこから延びるボス22を備える。図1に示すように、ボス22は、挿入具34を受ける受容部10を定める。ボス22に受容部10の壁に沿って形成される凹所13は、挿入具34のフランジと係合し、そこから挿入具34が外れることを防止する。本発明による挿入具のより詳細な説明は、図3〜7、9〜12及び15〜19の説明に関連して、以下に記載する。
【0025】
図1Aは、雄型係止部品を示し、耳タグ本体24によって受けて保持され、耳タグ本体24と共に耳タグ20の動物からの離脱を防止する。係止部品50のかかり端部56は、使用時、タグ20の本体24に形成された開口部32と、挿入具34の端壁に形成された開口部42とを通る。端部56は、一般に円錐形状で、その端の鋭い点、テーパ状の面及び端の反対側の直径が拡大した領域を有する。かかり端部56は、挿入時に圧縮されるように、弾性材料で作られる。一旦開口部32、42を通過すると、かかり端部56は、係止部品50のタグ本体24からの離脱を防止する。軸54は、端部56を反対側のフランジ52に連結し、動物の耳の、軸54も貫通する貫通部を介して係止部品50が引っ張られることを防止する。強化された先端58は、ステンレススチールのような金属で作られ、耳タグ20が搭載される動物の耳を貫通するために用いられる。図1から分かるように、タグ本体24の開口部32は、好ましくは、挿入具34の開口部42に対して同軸に配置される。
【0026】
図2は、本発明に従って構成された耳タグ20の上面図である。この図では、タグ本体が木の葉形状で示されているが、例えば三角形、矩形、六角形のような、任意の形状のタグを作ることが可能である。更に、挿入具34のリム38及びタグ本体24の開口部32が示されている。
【0027】
図3〜7、9〜12及び15〜19に示されているように、本発明による挿入具34A〜Lは、挿入具がタグ本体24に比して相対的により堅いものであれば、任意の種類の構成でよい。挿入具は、タグ本体24内及び/又はタグ本体のボス内で決まる受容部(例えば図1の受容部10)で受けて保持するように構成され、適合される。更に、挿入具は、係止要素50(図1A参照)のかかり端部56(図1A参照)を通し、タグを動物に固定する。係止挿入具の構成がこのようになっているため、一旦タグの対応する部分に挿入して受けると、挿入具はタグ本体から容易に離脱しなくなる。本発明に従う挿入具34A〜Lは実質的に筒状の構成を有しており、好ましくは一般的な円筒状の断面をも有している。しかし、本発明の精神を維持するのであれば、他の構成も可能である。
【0028】
図3〜7は、それぞれ挿入具34A〜Eを示す。なお、一般的に「挿入具34」のように言及するが、この言及は、それぞれ図3〜7に示される挿入具34A〜Eの任意の実施形態についての言及であると理解すべきである。図3、4及び7に示されるように、1以上の径方向外側に延びるフランジ36は、挿入具34に対して、一体的に形成されてもよいし、又はその替りに固定されてもよい。このフランジは、好ましくは、挿入具34の側壁31上で、その端壁39の位置又は近傍に配置される。しかし、フランジは、側壁31に沿った任意の位置に配置することができる。単一のフランジとして実施する場合、フランジは、挿入具34の周囲で本質的に連続的である。このようなフランジは、例えば円形(図9)、正方形又は三角形のような任意の所望形状の断面とすることができる。好ましい実施形態では、フランジ36は、全体的に丸められた正方形の形状(図10)を有するものとして提供される。替りに、単一の又は複数の、離散的で間隔をあけられたフランジとすることもできる。このようなフランジは、規則的な間隔とし、例えば挿入具34の周囲90度毎の間隔とすることができる。本発明に従うフランジと取り付け手段のさらなる変形は、図9〜19に関連して以下に記載する。
【0029】
リム38は、好ましくは挿入具34の側壁31上で側壁31の位置又は近傍で、好ましくはフランジ36の反対側に設け、また好ましくは側壁31から径方向外側に突出する。しかし、リムは、内方に突出し、挿入具の各々の端部の密封まで行うものとすることもでき、所望であれば、不正改造できないという特徴を与えることさえできる。リム38は、ボス22の受容部10に挿入されるとき、ボス22(図1及び8)の端壁23に接触する。使用時、リム38は丈夫な強化領域として機能し、動物用耳タグを動物に固定するために、ボス22へ挿入具を配置する間に、また引き続いて挿入具34へ係止部品を挿入する間に、プライヤにより加えられる力に耐えることができるようにする。図示されるように、リム38は、典型的には実質的に環状の構成を有する。好ましくは、リム38は、タグ本体がしかるべく装備されている場合には、ボス22の外径に実質的に等しいか、又は大きい外径を有する。しかし、他の実施形態に関連して以下により詳細に記載するように、耳タグがボス22を有する必要はない点に留意すべきである。しかし、このような場合でも、リム38は、挿入具34を強化するのに役立ち、挿入具をタグ本体に固定することを助け、例えば挿入具が耳タグから抜け出ることを防止することを助ける。
【0030】
図3は本発明に従う挿入具34Aを示し、一つの外方へ突出するフランジ36及びリム38を有し、挿入具の壁31の周囲にわたって延び、壁31の外面37から延びている。
【0031】
図4は、本発明に従う挿入具34Bの他の実施形態を示す。挿入具34Bは、挿入具の両側の端部で定められる開口部42、44と共に、内面35及び外面37を有する、実質的に円筒状の筒状側壁31を備える。壁31の外面は、一般的に円筒状の構成を有し、使用時には、ボス22内に存在する受容部10の内壁に接触する。フランジ36は、側壁31の外面37から径方向外側に突出し、その壁で定められる凹所又は溝のような、タグ本体の対の要素に係合する。内面35はチャネル33を定め、これを係止雄型部品50(図1A参照)が通る。一旦所定位置に納まると、係止雄型部品50は、チャネル33に留まり、挿入具34Bと係合し、耳タグの離脱を防止する。
【0032】
図5〜7に示されるように、1以上の強化用厚み増加部すなわちリブ40が挿入具34の壁31の外面37上に設けられ、このようなリブ40は、もし存在する場合のフランジ36とリム38との間に縦に設けられる。リブ40は、好ましくは、挿入具34の縦軸に平行に走る。図5の挿入具34Cは単一の強化リブ40を有するが、図6及び図7の挿入具34D及び34Eは、いずれも複数の強化リブ40を有する。このようなリブ40は、挿入具34の壁31の周囲に規則的な間隔で配置される。例えば、4つのリブ40が設けられ、各々は隣接するリブ40から90度の位置に置かれる。更なる代替策では、リブは、壁31の全周に延び、これによって壁の厚み増加部を構成する。リブ40は、存在する場合には、挿入具34の剛性を増し、主題である動物用耳タグの動物への取り付けの間の圧縮に対する抵抗を増す。この結果、挿入具34及び/又は耳タグ20全体を紛失する機会は減少する。
【0033】
受容部10を定めるボス22の断面図の図8に示されるように、1以上のリブ40は、存在する場合には、ボス22の内部壁43に沿って設けられる1以上の対応する凹所41で受ける。挿入具の対応する構成に合わせるために、凹所41は、ボス22の内周全部にわたって延びているが、その替りに、壁43で定められる複数のスロットを有していてもよい。このように実施されると、このような特徴を有する動物用耳タグは、ボス22から挿入具34が分離することを上記のように防止できる。このような特徴を、図7のフランジ36のような上記フランジ要素に代えて、又はこれに加えて、取り入れることができる。好ましくは、挿入具と受容部10は、上記の機械的係合という特徴の一つ、すなわち1以上のフランジ36又は延出するリブ40を有する。例えば、図5の挿入具34C及び図6の挿入具34Dは図4のフランジ36のような1以上のフランジを有しないが、本発明によると、挿入具34C及び34Dは少なくとも一つの延出するリブ40を有し、タグ本体の係合を助ける。更に代わりとして、付加的な機械的係止手段を用いることができる。例えば、図11〜13は、バヨネット型の結合を有する挿入具1134とボス1322を示している。この実施形態を以下詳細に記載する。
【0034】
図9は本発明による挿入具34Fの底面図であり、フランジ936は円形フランジである。このような円形フランジ936は、上記の又は下記の任意の実施形態に取り入れられる。このようなフランジ936は、タグ本体に形成される受容部の壁で定められる環状の凹所又は溝で受ける。留意すべきは、このような凹所又は溝がタグ本体の受容部の壁で形成される窪みによって定められることであり、又は受容部の壁から延びる盛り上がり領域によって定められることである。ここで使われているように、用語「溝」及び「凹所」はこのような変化を含むことを意図している。理解可能なように、挿入具34Fの端部壁39で定められる開口部42により、そこを通る係止部品の通過が可能となる。側壁31の相対的な位置は、フランジ936に関して、破線で示されている。
【0035】
図10は、本発明に従う挿入具の底面図であり、フランジ1036は実質的に正方形のフランジであるが、角が丸められている。フランジ1036は、挿入具34Gの側壁31から延び、このように、フランジ1036の他の部分よりも多く側壁31から延出する角部1036aを有する。フランジ1036と角部1036aの形状のために、耳タグ本体の同様形状の受容部に与えられて挿入されるとき、挿入具34Gは、受容部に対して相対的に、例えば90度、回転でき、挿入具を受容部に係止する。例えば、この実施形態に関して使用が好ましいのは、図10Aに示される受容部1010のような受容部である。
【0036】
図10Aの受容部1010はボス1022により定められ、チャネル1033を有するタグ本体の表面から延び、挿入具34Gのフランジ1036の大きさと形状にぴったりと合っている。凹所1045は、ボス1022内に有り、構成的には実質的に円形であり、正方形のフランジ1036の対角線の長さに実質的に等しい径を有する。それ故、挿入具34Gが受容部1010に置かれるとき、挿入具34Gは所定量だけ回転され、角部1036aが凹所1045の弧状部1045aにくるようにする。チャネル1033が実質的に正方形であるから、挿入具34Gは、正方形のフランジ1036が正方形のチャネル1033に合う位置まで挿入具34Gを回転しないと容易には外れない。挿入に引き続いて、本体1024の開口部1032と挿入具34Gの開口部42により、動物の耳への取り付け時に係止部品を通すことができる。替りに、挿入具と受容部が同様の形状を有し、相互に係止するための相対的な回転を不要とすることもできる。
【0037】
図11と12は、それぞれ本発明に従って構成された他の挿入具34Hの側断面図と側平面図(side plan views)を示し、耳タグの本体1324に係合する係止突起を有しており、その一部は図13で断面が示されている。
【0038】
上記実施形態同様に、挿入具34Hは、実質的に筒状の側壁31の一端にリム38を有する。しかし、図4のフランジ36のような上記フランジに替えて突起1136が代わりに置かれている。突起は、任意の数でよいが、好ましくは1と4の間であり、2、3又は4個の突出部に対しては180、120又は90度で、規則的な間隔で配置される。図示された実施形態では、2つの突起1136が挿入具34Hの側壁31上に置かれ、挿入具34Hの縦軸に関して各々が他に対し180度となっている。挿入具34Hを耳タグの本体1324に取り付けるために、使用者は、単純に各々の突起1136をそれぞれL字型の溝1326に合わせなければならない。そして、使用者は、挿入具34Hを軸方向に、突起1136がL字型溝1326の底壁1326aに達するまで動かし、この位置で使用者は挿入具34Hを本体1324に対して回転しなければならない。一旦十分に係合すると、直接的な軸方向の離脱は防止され、離脱には挿入具34Hをまず回転することを要する。
【0039】
図14は、本発明に従って構成される耳タグの本体壁1424の側断面図であり、図15の挿入具34Iを受ける受容部1410の端部に設けられる係止凹所1445を有する。挿入具34Iは、底壁1539及び径方向外側に延びるフランジ1536を有し、各々は挿入具の端から内側にある。したがって、理解可能なように、フランジ(単数又は複数)1536又は底壁1539を挿入具34Iの側壁31の端に設ける必要はない。更に、フランジ1536は未だ挿入具34Iの端部領域1528に設けられているが、これもその必要はない。代わりに、フランジ1536は、共に使用される耳タグ本体1424に対となる特徴が存在するのであれば、挿入具34Iの側壁31に沿った任意の位置に置くことができる。
【0040】
図16は、本発明に従う挿入具34B(図4にも図示)の側断面図であり、本発明に従って構成される耳タグ本体1624のボス1622で保持される。この実施形態のボス1622は、挿入具に係合するための内部凹所1645に対応する階段状特徴部1621を有する。このような階段状特徴部1621は、ボス1622に不可欠な力を与え、凹所1645の必要な係合を可能とし、さもなければボス1622の壁1625を弱くする。また図16から分かるように、それぞれ本体1624及び挿入具34Bの中央の開口部32、42は、軸に関して互いに整列する。それ故、タグ本体に形成された開口部に対する挿入具の段形後退(setback)は、図1の実施形態から明らかであるが、随意である。
【0041】
図17は、本発明に従って構成される挿入具34Jの更なる実施形態を示す断面図である。挿入具34Jは、耳タグ本体1724の壁を完全に通過して延びている。挿入具34Jは、その一方の端のリム1738及び側壁31の他方の端のフランジ1736を有する。このように、挿入具34Jはタグ本体1724に固定され、偶発的な離脱に抗する。
【0042】
図18は、本発明に従う挿入具34Kの更なる実施形態を示す断面図である。挿入具34Kは、挿入具34Kの側壁1831の端から後退したリム1838を有する。更に、耳タグ1824の壁は、その中に挿入具34Kが保持されるのであるが、輪郭を示した厚み増加部1824aを有し、挿入具34Kのフランジ1836と係合するために、ここに係止凹所1845が形成される。
【0043】
図19は、本発明に従う耳タグ集合体1900の部分断面図である。この実施形態では、不正加工できないようにするカバー1922aが挿入具34L及びその雄型係止部品1956の上に置かれる。この実施形態では、不正加工できないようにするカバー1922aは、ボス1922の延長である。この実施形態では、挿入具34Lは、リム(例えば、図4の実施形態のリム38)を有さず、ボス1922は、タグ本体1924に対する末端で閉じている。ボスは、本体1924の面1924aから延び、挿入具34Lを包囲し、挿入具34Lの受容部を定める。挿入具34Lの挿入を簡便にするために、ボス1922は、挿入具34Lの上で本体1924に当てられる。ボス1922は、例えば超音波、熱、摩擦若しくは溶剤接着又は接着剤により、取り付けられる。
【0044】
動物に耳タグが取り付けられた後に使用者が図19の耳タグを動物から取り去ることを望む場合、使用者は、係止部品の軸1954を切断しなければならず、この結果、かかり頭部1956及び軸1954の一部は、ボス1922と係止挿入具34Lの中に残る。かかり頭部1956及び軸1954の一部は、それ故ボス1922に残るのであるが、雄型部品のボスへの2度目の挿入を防止し、耳タグの他の動物への再取り付けを効果的に防止する。しかし、係止部品のフランジ1952が外されると、タグを動物の耳から外すことができる。
【0045】
本発明の動物用耳タグは、牛、豚、山羊、羊及び耳タグを使うことのできる任意の他の動物を含む種々の動物に使用することができる。
【0046】
本発明に従う動物用耳タグの本体は、一般的には、プラスチックのような軽量の材料で作成される。例えば、使用される材料は、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等のような高分子を含む。タグ部品24は、殺虫剤材料を含んでいてもよく、識別票を有していてもよく、殺虫剤材料と識別票の双方を有していてもよい。加えて、耳タグは、殺虫剤が耳タグに含まれているか、又は単に識別表示の区別用であるかを判別するためにカラーコードが付されてもよい。その上、タグを付された動物の夜間識別を容易にするために、光反射顔料のような反射要素が含まれていてもよい。
【0047】
更に、所望であれば、RFID(無線周波識別)トランスポンダを本発明に従う耳タグに用いることができる。トランスポンダは、耳タグの本体、又は、例えば図19のフランジ1952のような係止部品のフランジを含む、耳タグの任意の部分に配置することができる。
【0048】
本発明に従う耳タグは、好ましくは、少なくとも一つの殺虫剤又は外部寄生虫殺虫用の活性化合物を、高分子耳タグの内部に含むか、表面に塗布することにより、含有する。このような耳タグは、ノサシバエ、顔面にたかるハエ、湾岸ダニ、とげの多い耳ダニ、シラミ、サシバエ及びイエバエのような動物に対する外部寄生虫を除去、処理、又は抑制する方法に用いることができる。
【0049】
液体及び固体の合成物の一方又は双方を含む様々な殺虫用合成物を上記高分子に関連して採用することができる。例えば、外部寄生虫殺虫用活性化合物は、有機リン酸エステル若しくはピレスロイドの単体、又は、例えばピペロニルブトキシドと組み合わせたものでよい。適当な有機リン酸エステルの殺虫剤は、O,O−ジエチル O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イル ホスホロチオエート、一般にジアジノン(diazinon)として知られるもの、S−1,2−ビス(エトキシカルボニル)エチル O,O−ジメチルホスホロジチオエート、一般にマラチオン(malathion)として知られるもの、O−O−ジメチル O−4−ニトロ−m−トリルホスホロチオエート、一般にスミチオン(Sumithion、登録商標)として知られるもので住友化学株式会社によって販売されているもの、O−O−O−O’−テトラエチル S,S’−メチレン ビス(ホスホロジチオエート)、一般にエチオン(ethion)として知られるもの、O,O−ジエチル 0−(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)ホスホロチオエート、一般にクロルピリフォス(chlorpyrifos)として知られるもの、O,O−ジエチル 0−(3−クロロ−4−メチル−2−オクソ−2H−l−ベンゾピラン−7−イル)ホスホロチオエート、一般にクーマホス(coumaphos)として知られるもの、O−2−ジエチルアミノ−6−メチルピリミジン−4−イル O,O−ジメチルホスホロチオエート、一般にピリミホスメチル(pirimiphosmethyl)、及びこれらの混合物を含有する。
【0050】
適当なピレスロイド殺虫剤は、例えば、ゼータシペルメトリン、シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル 4−クロロ−α−(1−メチルエチル)ベンゼンアセテート、一般にフェンバレレート(fenvalerate)として知られるもの、及びその活性異性体でエスフェンバレレート(esfenvalerate)として知られるもの、シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル 3−(2,2−ジクロロエテニル)−2−2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、一般にシペルメトリン(cypermethrin)として知られるもの、(3−フェノキシフェニル)メチル 3−(2,2−ジクロロエテニル)−2−2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、一般にペルメトリン(permethrin)として知られるもの、(3−フェノキシフェニル)メチル 2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、一般にフェノトリン(phenothrin)として知られるもの、シアノ(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)メチル 3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、一般にシフルトリン(cyfluthrin)として知られるもの、[1α,3α(Z)]−±−シアノ−(3−フェノキシフェニル)メチル 3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、一般にシハロトリン(cyhalothrin)として知られるもの、[1α(S),3α(Z)]−(±)−シアノ−(3−フェノキシフェニル)メチル 3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、一般にラムダ−シハロトリン(lambda−cyhalotrin)として知られるもの、シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、一般にシフェノトリン(cyphenothrin)として知られているもの、(RS)−シアノ−(3−フェノキシフェニル)メチル(S)−4−(ジフルオロメトキシ)−α−(1−メチルエチル)ベンゼンアセテート、一般にフルシトリネート(flucythrinate)として知られるもの、シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル 2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシレート、一般にトラロメトリン(tralomethrin)として知られるもの、[1α,3α(Z)]−(±)(2−メチル[1,1’−ビフェニ]−3−yl)メチル 3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、一般にビフェントリン(bifenthrin)として知られるもの、及びこれらの混合物を含有する。
【0051】
この代わりとしては、活性化合物は、好ましくは、1以上のピレスロイドと組み合わせた有機リン酸エステルからなる2又はそれ以上の外部寄生虫殺虫用活性化合物である。外部寄生虫殺虫用活性化合物が光学又は幾何異性体として存在する範囲までは、全ての異性体及びラセミ混合物はここに含まれるものと理解される。化合物の他の全ての可能な異性体は、同様にここに含まれる。
【0052】
外部寄生虫殺虫用活性化合物は、外部寄生虫殺虫が有効な量で、通常は少なくとも約3重量%(最終製品に基いて)で、許容可能な約70重量%までの水準で、動物に取り付けられる装置に存在する。このようにして高分子成分は、最終製品重量の約30%から97%で存在する。外部寄生虫殺虫用活性化合物は、液体であれば、加熱、吸着過程で樹脂中に導入され、固体であれば、アセトン、メチルエチルケトン、メチレンクロライド等のような揮発性の溶剤でまず溶解され、次に、高分子中に浸され、例えば溶剤が除去される。一般的には、高能力の混合機で30分混合すると、均一で、自由に流動する、高分子/殺虫剤混合物(「乾燥混合物」といわれる。)が生成される。
【0053】
当然ながら、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾールのような紫外線安定剤、充填剤、潤滑剤、染料、オクタデシル 3,5−ジ−タート−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシナメート、顔料及び他の不活性材料を、当業者にはよく知られ、認められた機能を提供するために、処方時に最終製品の重量比で0から2%まで取り入れられることを理解すべきである。活性材料及び任意の他の材料は、押出し成形、射出成形又は圧縮成形のような任意の周知の方法により、耳タグに形成される。
【0054】
本発明の係止挿入具34は、好ましくは相対的に剛性のブラチック材料から成り、特に動物用耳タグのタグ本体に用いられる材料よりも剛性の材料から成る。相対的に剛性の係止挿入具34は、タグ本体及び/又は動物用耳タグの雌型部品又は受容部をより強力に支持し、加えて、雄型係止部品が雌型部品/受容部から離脱することを防止する。係止挿入具34は、雄型係止部品50の頭部56を係止挿入具34内に保持するのに十分なだけの強固でしっかりした任意の適切な材料から成る。例えば、係止挿入具34は、ポリウレタン、ナイロン−6、アセタール樹脂、ポリウレタンとポリプロピレンの共重合体ブレンド、又は他の熱可塑性樹脂から成る。加えて、係止挿入具34は、ガラス繊維のような適当な補強材料で強化することができる。他の類似の材料を使うこともできる。好ましくは、挿入具の形成に使用される材料の弾性率は、雄型係止要素がこれを通過できるために僅かに屈曲する程度に低いが、一旦挿入されると、雄型係止要素が挿入具から容易に離脱しない程度に高い。好ましい実施形態では、挿入具は、ポリエチレン/ポリプロピレンのブレンドのプラスチック材料から成る。更に好ましい実施形態では、挿入具は、テキサス州ヒューストンのハンツマン社のAP6106−HSから成る。
【0055】
本発明の動物用耳タグの使用に先立って、係止挿入具は、雌型部品又は受容部を定めるボス、そしてタグ本体の中に置かれ、係止雄型部品を用いて動物に取り付けられる。挿入具34の受容部への挿入は、製造過程で行われるか、又は代わりに、使用者によって動物への耳タグの取り付けの前に行われる。動物用耳タグが動物に取り付けられた後、殺虫剤が、もし含まれるのであれば、所定期間散布される。典型的には、殺虫剤は、6ヶ月間散布される。
【0056】
本発明に従って、耳タグを動物に取り付ける方法が提供される。この方法は、次のステップを有する。
(a)上記のような本発明に従う動物用タグを用意する。
(b)耳タグ取り付けのためにタグ付け用プライヤを用意する。このタグ付けプライヤは、係止雄型部品を受容部及び/又は挿入具に係合できる任意の適当なプライヤでよい。このようなプライヤは、例えば、テキサス州ダラスの東14番街2805のオールフレックスユーエスエー社(Allflex USA, INC.)により販売されているユニバーサル・トータル・タガーでよい。
(c)係止雄型部品をタグ付けプライヤのピン上に置く。
(d)動物用タグをタグ付けプライヤの対応する部分に置く。この位置は、典型的にはプライヤのクリップの下であり、タグをその取り付けの期間に保持する。
(e)動物の耳の希望の位置を定める。
(f)係止部品を挿入具のチャネルに挿入するためにタグ付けプライヤを圧迫し、これにより係止部品とタグ本体を相互に係合させる。そして、更に、プライヤをタグと動物から外す。
【0057】
その上に、挿入具が別途供給され、使用者によってタグに挿入される場合には、この方法は、更に、まず挿入具をタグ本体の受容部内に置くというステップを有する。
【0058】
上記記載から、発明の幾つかの目的が達成され、他の有利な効果が達成されることが分かる。
【0059】
本発明又はその好ましい実施形態の要素の紹介に関しては、冠詞は、1以上の要素を意味しているつもりである。用語「備える」、「含む」及び「有する」は、包含的であることを意図しており、列挙された要素以外に追加的な要素が存在することを意味している。
【0060】
本発明がその特定の実施形態により記述されたが、これによって構成又は設計の細部に限定することを意図するものではなく、本発明はここに開示された新規な特徴又は特徴の新規な組み合わせを意図し、含むことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明の好適な実施形態の動物用耳タグの側断面図であり、タグ本体の受容部に収容されたタグ本体と係止挿入具の組立体を示す。
【図1a】図1aは、本発明による動物用耳タグのロッキング雄型部品の側面図であり、フランジ、軸及びかかり端部を含む。
【図2】図2は、本発明による動物用耳タグの上面図であり、挿入具が供給されるボスを持つタグ本体を有する。
【図3】図3は、本発明に従う係止挿入具の側断面図であり、一端で外側に延びる一つのフランジ及び他端で径方向外側に延びるリムを有する。
【図4】図4は、本発明に従う好ましい係止挿入具の側断面図であり、係止挿入具の一端の周りで外側に延びるフランジ及び係止挿入具の他端の周りで外側に延びるリムを有する。
【図5】図5は、本発明に従う他の係止挿入具の側断面図であり、径方向外側に延び、挿入具の縦軸に平行でその外壁に配置される一つのリブ及び係止挿入具の一端の周りで外側に延びるリムを有する。
【図6】図6は、本発明に従う更に他の係止挿入具の側断面図であり、挿入具の縦軸に平行でその外壁に配置される複数の延出リブ及び係止挿入具の一端の周りに外側に延びるリムを有する。
【図7】図7は、本発明に従う他の係止挿入具の側断面図であり、挿入具の縦軸に平行でその外壁に配置される複数の延出リブ、一端の周りで外側に延びるリム及びその他端で径方向外側に延びる複数のフランジを有する。
【図8】図8は、本発明に従って構成される耳タグのボスの側断面図であり、図7の挿入具の挿入と係合を容易化するための輪郭を持つ受容部を有する。
【図9】図9は、本発明に従う挿入具の底面図であり、フランジは、円形のフランジである。
【図10】図10は、本発明に従う挿入具の底面図であり、フランジは、実質的に正方形のフランジであり、角を丸めている。
【図10A】図10Aは、本発明に従う受容部の上面図であり、図10の挿入具に係合するように適合している。
【図11】図11は、本発明に従う更なる挿入具の側断面図であり、耳タグとの係合用の係止突起を有する。
【図12】図12は、図11の挿入具の側面図である。
【図13】図13は、本発明に従って構成される耳タグの一部の側断面図であり、ボスが備えられ、ボスは、図11の挿入具の突起が係合するための係止チャネルを有する。
【図14】図14は、本発明に従って構成された耳タグの壁の側断面図であり、挿入具を受けるための受容部の端部に配置された係止凹所を有する。
【図15】図15は、図14の受容部に挿入する挿入具の側断面図であり、底壁及び径方向外側に延びるフランジを有し、共に挿入具の端より後退している。
【図16】図16は、本発明に従う挿入具の側断面図であり、本発明に従って構成された耳タグのボス中に保持されている。この実施形態のボスは、挿入具の係合用の凹所に対応する階段状の特徴を有する。
【図17】図17は、本発明に従う挿入具の更なる実施形態を示す側断面図であり、挿入具は、耳タグの壁を通って延びており、リムとフランジを有し、各々がその個々の側面にある。
【図18】図18は、本発明に従う挿入具の更なる実施形態を示す側断面図であり、挿入具は、挿入具の側壁の端から後退したリムを有する。更に、挿入具が保持される耳タグの壁は、輪郭を示した厚み増加部を有し、その中に挿入具のフランジと係合するために係止チャネルが形成されている。
【図19】図19は、本発明に従う耳タグ集合体の部分側断面図であり、不正加工できないようにするカバーが挿入具及びその係止要素の上に置かれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物用耳タグで受ける挿入具であって、
(a)内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有する実質的に筒状の側壁であって、これを通るチャネルを定める側壁、並びに
(b)動物用耳タグ上に定められる対の要素で受けるように側壁の第2の端部に配置され、挿入具と動物用耳タグを相互に係合させるフランジ
を備える挿入具。
【請求項2】
更に側壁の第1の端部に配置され、側壁から遠心方向外側に延びるリムを備える、請求項1の挿入具。
【請求項3】
挿入具の剛性を増すために、側壁が厚みを大きくした領域を有する、請求項1の挿入具。
【請求項4】
厚みを大きくした領域が、フランジから側壁の第1の端部に配置されるリムまで延び、側壁から遠心方向外側に延びる、請求項3の挿入具。
【請求項5】
複数の厚みを大きくした領域が側壁に設けられ、側壁の周囲に等間隔で配置されている、請求項3の挿入具。
【請求項6】
更に挿入具の第2の端に配置される端壁を備え、この端壁が側壁から径方向内側に延び、その内部に定められる中央開口部を有する、請求項1の挿入具。
【請求項7】
リムが筒状の壁の第1の端に配置されている、請求項1の挿入具。
【請求項8】
フランジが筒状の壁の第2の端に配置されている、請求項1の挿入具。
【請求項9】
耳タグの対の要素が耳タグの本体で定められる凹所である、請求項1の挿入具。
【請求項10】
耳タグの対の要素が耳タグの本体で定められる受容部に延びる突起で定められる、請求項1の挿入具。
【請求項11】
フランジが挿入具の周囲に延びている、請求項1の挿入具。
【請求項12】
フランジが周方向に間隔をおいて配置された複数のフランジ部分を有する、請求項1の挿入具。
【請求項13】
リムが挿入具の周囲に延びている、請求項1の挿入具。
【請求項14】
実質的に筒状の壁が実質的に円形の断面を有する、請求項1の挿入具。
【請求項15】
挿入具がプラスチック材料から成り、プラスチック材料はポリエチレン/ポリプロピレン混合物である、請求項1の挿入具。
【請求項16】
動物用耳タグであって、
(a) その中で定められる受容部を有し、受容部が第1の係合手段を含むタグ本体、並びに
(b) 次のものを有する挿入具
(i) 内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有する実質的に筒状の側壁であって、これを通るチャネルを定める側壁及び
(ii) タグ本体の第1の係合手段と係合して挿入具と動物用耳タグを相互に係合させる第2の係合手段
を備える動物用耳タグ。
【請求項17】
挿入具がタグ本体よりも剛性である、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項18】
受容部がボスに規定され、ボスがタグ本体と一体的に形成され、タグ本体から延びている、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項19】
ボスにはその中で定められるチャネルがあり、チャネルはタグ本体をタグの第1の側からタグの第2の側へ通っている、請求項18の動物用耳タグ。
【請求項20】
チャネルがタグの第1の側に近い第1の開口部で終端し、かつタグの第2の側に近い第2の開口部で終端している、請求項19の動物用耳タグ。
【請求項21】
耳タグを動物に固定する係止部品を受け入れるために、受容部にはチャネルがあり、チャネルはタグ本体をタグの第1の側からタグの第2の側へ通っている、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項22】
係止部品がタグの第1の側から挿入される係止部品と挿入具との係合について不正加工がされることを防止するために、タグの第2の側に保護カバーが設けられる、請求項21の動物用耳タグ。
【請求項23】
第1の係合手段が受容部の壁で定められる凹所である、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項24】
第2の係合手段が、側壁の第2の端部に配置され、動物用耳タグ上で定められる対の要素で受けられ、挿入具と動物用耳タグを相互に係合させるフランジである、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項25】
フランジが実質的に円形の断面を有する、請求項24の動物用耳タグ。
【請求項26】
フランジが実質的に丸みのある正方形の断面を有する、請求項24の動物用耳タグ。
【請求項27】
第2の係合手段が第2の端部の側壁の周囲に配置された複数のフランジ部分であり、動物用耳タグ上で定められる対の要素によって受けられ、挿入具と動物用耳タグを相互に係合させる、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項28】
挿入具の剛性を増すために、挿入具の側壁からその縦軸に平行に径方向外側に延びる少なくとも一つの延出部を更に備える、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項29】
挿入具の側壁に複数の延出部が備えられ、挿入具の周囲に規則的な間隔をあけられている、請求項28の動物用耳タグ。
【請求項30】
更に挿入具に係合する係止部品を備え、この係止部品が、
(a) 第1と第2の端を有する細長い軸、
(b) 動物用耳タグの動物への取り付けを維持するために細長い軸の第1の端から径方向外側に延びるフランジで、ボタンの径が軸の径より大であるもの、及び
(c) 動物の耳を突き通り、挿入具で定められるチャネルに入り、挿入具に係合して動物用耳タグの離脱を防止するための、細長い軸の第2の端から延びるかかりのついた先端
を備える、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項31】
取り付けの前には係止部品が耳タグの他の部分と分離している、請求項30の動物用耳タグ。
【請求項32】
タグ本体が外部寄生虫殺虫用活性化合物を備える、請求項16の動物用耳タグ。
【請求項33】
動物用耳タグであって、
(a) 第1と第2の対向する面及びその中で定められる受容部を有し、受容部が側壁とその末端の実質的に環状の凹所を含むタグ本体、並びに
(b) 次のものを有する挿入具
(i) 内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有する実質的に筒状の側壁であって、これを通るチャネルを定める側壁及び
(ii) 受容部の実質的に環状の凹所に係合し、挿入具とタグ本体を相互に係合させるために側壁から径方向外側に延びる少なくとも一つのフランジ
を備える動物用耳タグ。
【請求項34】
受容部がタグ本体の第1と第2の対向する面の一方から延びるボスによって与えられる、請求項33の動物用耳タグ。
【請求項35】
請求項16の耳タグを動物の耳に取り付けることにより動物の外部寄生虫を抑制する方法。
【請求項36】
外部寄生虫を抑制するために動物用耳タグを使用する方法であって、
(a) 動物用耳タグを耳タグ本体の受容部に挿入具を配置することによって形成し、タグ本体が外部寄生虫殺虫用の活性化合物を含有し、受容部が第1の係合手段を含みかつ剛性挿入具がタグ本体の第1の係合手段に係合する第2の係合手段を有し、相互に挿入具とタグ本体を係合させて、殺虫剤を内部に有する動物用耳タグを形成すること、及び
(b) 殺虫剤が長い期間動物に与えられ、動物に存在する外部寄生虫を抑制するように、耳タグを係止部品により動物の耳へ固定すること
を備える、方法。
【請求項37】
長い期間が約6ヶ月の期間である、請求項36の方法。
【請求項38】
動物の耳に装着する動物用耳タグの調製方法であって、
(a) 内部に定められる受容部であって第1の係合手段を含む受容部を有するタグ本体を用意すること、
(b) 次のものを有する挿入具を用意すること
(i) 内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有し、側壁がそれを通るチャネルを定める、実質的に筒状の側壁、
(ii) タグ本体の第1の係合手段に係合し、挿入具とタグ本体を相互に係合させる第2の係合手段
(c) タグ本体の受容部に挿入具を配置すること
のステップを備える方法。
【請求項39】
更に、挿入具をタグ本体に対して相対的に回転させ、挿入具とタグ本体を相互に係合させることを備える、請求項38の方法。
【請求項40】
耳タグを動物に装着する方法であって、
(a) 次のものを備える動物用タグを用意すること
(i)内部で定められる受容部を有し、受容部が第1の係合手段を含む、タグ本体
(ii) 内面、外面及び第1と第2の対向する端部を有する実質的に筒状の側壁であってそれを通るチャネルを定める側壁及びタグ本体の第1の係合手段に係合して挿入具とタグ本体を相互に係合させる第2の係合手段を有する挿入具
(b) 耳タグの装着のためのタグ付けプライヤを用意すること
(c) 係止部品をタグ付けプライヤのピンに配置すること
(d) 動物用タグをタグ付けプライヤの個々の部分に配置すること
(e) 動物の耳上の所望の位置を定めること
(f) タグ付けプライヤを圧縮して係止部品を挿入具のチャネルに挿入し、これによって係止部品とタグ本体とを係合させること
のステップを備える方法。
【請求項41】
更に挿入具をタグ本体の受容部内に配置するステップを備える、請求項40の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2009−507491(P2009−507491A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530001(P2008−530001)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/035205
【国際公開番号】WO2007/030794
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)