説明

動物給餌用生成品及び動物用生成品の製造工程

湿分の割合が6%未満で、乾式プレスにより固形飼料の形態に圧密化された粉末状成分の混合物により形成される。この成分は、低温乾燥圧縮法を用いて成分を一緒に圧密化するための、特にイナゴマメ粉及びトウモロコシ澱粉で構成される増粘剤と、錠剤のその他の成分から湿分を吸収し、プレスにより固形飼料の形態に圧密化される混合物の分離を促進するための、例えばステアリン酸マグネシウム又はシリカ等の親水性無機物と、動物を治療するための少なくとも1種類の治療物質とを含み、ビタミンC、リゾチーム、バイオフラボノイド、コンドロイチン、グルコサミン、又はサメの軟骨を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1乃至XXの導入に基づく動物用固形飼料及びその製造方法に関する。
【0002】
本発明は、具体的にはイヌ及びネコ等、ペット動物向けの食品及び医療用品産業の範囲に入る。
【0003】
本発明の固形飼料は、有用なものとして医薬品、サプリメント、ビタミン、フィトセラピー又は熱及び/又は酸化剤/還元剤に反応する物質の投与、より一般的には治療、医療、又は予防を目的とする有効成分の投与に使用される。
【背景技術】
【0004】
獣医学、具体的にはペット動物医療の分野では既知のとおり、特に懸念されるのは医薬品又はフィトセラピーと食品を、治療的有効成分の特性及び活性を損なわずに保持できる形態で投与することに関する問題である。
【0005】
現在、実用上の理由から、動物医療に使用される多くの医薬品は直接食品に添加され投与されている。
【0006】
実際、医薬品やサプリメント等は、動物にとっておいしいものではないのが普通であるため、単独で投与すると容易に気付かれ、拒絶される。
【0007】
医薬品及びサプリメントを食品に添加して動物に投与するこの方法は、間違いなく実用面で有利な統合法であると広く考えられている。
【0008】
しかし、そのような投与法は、食品内の有効成分の正確な用量及び活性の保存性に関する問題を引き起こす。
【0009】
動物用食品は、現代の製造工程により固形飼料の形態で得られるのが一般的であり、この形態は種々の動物種、具体的にはイヌ及びネコ等のペット動物に給餌するのに特に適していることが実証されている。
【0010】
固形飼料は多成分から開始する加熱押出工程により得られ、固形飼料へ成形された後、乾燥させ、包装される。
【0011】
より詳細には、具体的には想定される動物種にとって必要な栄養に基づいて調製された押出食品は、概して規定の量で、1種類又は複数の穀類又はその副産物、小麦粉、動物性又は植物性の蛋白質濃縮物、脂肪を適切に混合したものである。
【0012】
このようにして得られた成形品の混合物を押出チャンバーに入れ、概して85℃から130℃の範囲で加熱し、その後、1つ又は複数のウォームスクリューの作用を利用して押出機の上部に配列される金型の穴を通過させる。金型から出る混合物は、ブレードにより任意の固形飼料の形態に切断される。
【0013】
乾燥後の生成物は微生物に汚染されておらず、特に消化されやすい。
【0014】
最後に、固形飼料の風味をよくするため、押出された顆粒を脂肪コーティング工程にかける及び/又は例えば肉、臓物、脂肪等、動物性製品を噴霧することができる。
【0015】
医薬品を投与するための賦形剤として固形飼料を使用する場合、前述の製造工程において、医療用物質、ビタミン、フィトセラピー(ハーブ)抽出物、及びそれらに含まれる有効成分を相当な熱応力にかけることに留意するべきである。
【0016】
これらの有効成分のほとんどは、熱により部分的に不活化され、有効な抗酸化機能を失う。具体的には、多くのビタミンは温度に対する影響を受けやすい、つまり最低限の熱にさらされても熱に対し不安定性を持つ。
【0017】
さらに、製造工程中に医薬品は、ほとんどの有効成分の酸化及び機能的劣化を促進させる水分又は湿分の割合が大きな混合物と接触する。
【0018】
最後に、本製造工程と関連のある熱応力及び湿分は、固形飼料に添加される医薬品成分の活性特性を急速に劣化させる。
【0019】
結果的に、市販の固形飼料の大半は動物用の医療用物質の投与に適する賦形剤としてふさわしくないことが判明した。
【0020】
この欠点を克服するため、同時押出により得られ、医薬品又は高感度物質の有効成分を含むコアを保護する外側シェルコーティングを備えた特殊な二成分固形飼料について試験が行われ、市場へ出されている。
【0021】
より詳細には、例えば特許文献1は水分の使用を低減させ、熱、光、及び酸素から保護された、例えば抗炎症性機能や呼吸器系に関する問題に対する治療機能を有する機能性、栄養性、及び薬剤性の成型品を添加することができる動物用食品の製造問題に取り組み、抗酸化機能、寄生虫防御機能、抗菌機能等を有する免疫反応を改善させている。本特許に記載されている二成分生成物は同時押出により得られるものであり、水相を通過することなく内部成分が得られる。湿分の割合は15重量%未満であり、クリームを形成する脂質及び固形成分の混合物を含んでいる。第2成分が第1成分を完全に被覆するが、そのような生成物は湿分の割合が20重量%未満であり、炭水化物、脂肪、蛋白質、又はそれらの混合物を含む少なくとも1つの成分を含有する。
【0022】
特許文献2は、熱、光、又は酸素に影響を受けやすい種々の栄養性、機能性、又は薬剤性の添加物を動物に投与するために食品賦形剤を提供し、熱性又は酸性条件を含む工程によりこれらの添加物が変化又は破壊されないようにすることを提示している。このため、本特許は、水相がなくても得られる第1成分の同時押出により得られる食用の二成分生成物の製造法に対応するものである。そのような生成物の湿分の割合は15重量%未満であり、クリームを形成する脂質及び固形成分の混合物を含み、不安定な工程により1つの成分を含有する、あるいは熱、光、又は酸素に感受性を示す成分を使用する。第2成分は湿分の割合が20重量%であり、炭水化物、脂肪、蛋白質、又はそれらの混合物を含む少なくとも1つの成分を含み、クリーム状の第1成分を完全にコーティングする。そのため、熱、光、酸素、又は不安定な工程に対して感受性を示す成分の活力が保たれる。
【0023】
同様に、特許文献3は、動物の毛球の消化を助けるのに使用される、乳剤と麦芽シロップとを含み、水相及び油相を有する形態の食用生成物を提供し、従来とは異なる第2の被覆用食用成形品を適用して、製剤をカプセルに詰めるためのコーティングしている。
【0024】
これらにより有効成分の活性を部分的に保存する薬剤の効果は増強されるが、前述の同時押出工程では特に満足できる結果は得られなかった。
【0025】
実際、この押出工程は有効成分を含む心臓形の生成物を提供する必要があり、クリーム状で押出される必要があるため少量だが湿分を含んでおり、医薬品の有効成分の特性を完全に保存するのには適合していない。
【0026】
さらに、同時押出工程は依然として伝導により挿入した混合物の中心部に熱を部分的に伝達させる外側シェルを加熱する必要がある。そのような加熱は、心臓形の成形品を添加した医薬品に含まれるほとんどの治療的成分の活性を阻害するのに十分である。
【0027】
さらに、同時押出工程は現実面でかなり費用がかかり、製造が複雑である。
【発明の概要】
【0028】
このような状況において、本発明の基礎となる問題は、医薬品、ビタミン、サプリメント、フィトセラピー物質、及び一般に治療目的でこれらに添加される有効成分の機能性活性を保存できるような、動物用固形飼料を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、医薬品、サプリメント、フィトセラピー物質、及び一般に治療目的の有効成分を含んでいても動物にとっておいしい固形飼料を提供することである。
【0030】
本発明の別の目的は、医薬品、サプリメント、フィトセラピー物質、及び一般に治療目的の有効成分を含み、その中に均一に分布する給餌目的の別の固形飼料とさまざまな用量又は分量で混合可能な固形飼料を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、医薬品、サプリメント、フィトセラピー物質、及び一般に治療目的の有効成分を含み、給餌目的の別の固形飼料の用量又は分量について容易に見分けられる固形飼料を提供することである。
【0032】
本発明の別の目的は、最終生成物として同じ固形飼料に含まれる有効成分の機能性を損なわない、悪化させない、脅かさない化学的/物理的条件を維持できる動物用固形飼料の製造工程を提供することである。
【0033】
これらの目的及びその他の目的は、いずれも添付の請求項による動物用固形飼料により得られる。
【0034】
前述の目的による本発明の技術的特性は、以下の請求項の内容から明確に確認可能であり、本発明の利点は以下の詳細な説明でより明確にされ、厳密には例示及び非制限的目的のため実施形態を参照するものである。
【詳細な説明】
【0035】
これ以降、固形飼料という用語は、概して従来の方法でも使用可能なサイズ及び硬さで、小型の形態の凝塊を示すのに使用され、動物、特にイヌやネコ等のペットに対する通常の給餌でよく使用される従来の固形飼料での使用とまったく同じであり、当業者には既知である。したがって、そうでなければ、問題の固形飼料は錠剤又は依然としてビスケット又は顆粒となる予定であり、その意味で本特許の予防の範囲から外れていない。
【0036】
本発明の固形飼料は、動物への給餌を意図したより大量の固形飼料内に既定の割合で、なお且つ容易に見分けられる方法で、均一に混合されるものである。
【0037】
本発明の第1の重要な特性により、製造後の固形飼料は、割合が6%未満の湿分を含む。
【0038】
そのような特性により、医薬品、ビタミン、サプリメント、フィトセラピー物質、及び一般に治療目的の有効成分の機能活性の特性が損なわれず保持された状態で固形飼料に添加され、その後の使用が改善される。そうしなければそこに保持される水及び酸素の作用によりこれらの特性は劣化すると考えられる。
【0039】
固形飼料は粉末状の成分の混合物から得られ、そのような成分は単純押型成形法を用いて低温圧密化され、液体は添加されないため、乾燥相もない。
【0040】
本発明の第2の重要な特性により、本成分は、前述の通り低温乾燥圧縮法を用いて成分を一緒に圧密化するための増粘剤成分と、錠剤のその他の成分から湿分を吸収し、プレスにより固形飼料の形態に圧密化される混合物の分離を促進するための少なくとも1種類の親水性無機物と、易熱性の有効成分を有する動物を治療するための1種類又は複数の治療物質とを含む。
【0041】
固形飼料に添加される治療物質は、後で詳細に述べる達成が意図される治療目的により単独又はその他の物質と組み合わせて選択される。
【0042】
給餌のため炭水化物及びその他の物質を含んでいるが、本発明の固形飼料は単独では動物に給餌することを意図しておらず、本質的には治療物質を投与するための賦形剤である。
【0043】
有効なこととして、本発明の別の特性により、前述の治療目的の固形飼料は、治療と給餌の二重機能を有する動物用の固形飼料において5から15重量%で混合される。
【0044】
給餌目的の固形飼料は、押出チャンバーに入れられた成分の混合物から開始する押出法により得られ、少なくとも1つのウォームスクリューの作用を利用して押出機の上部に配列される金型の穴を通過させる。金型から出る混合物は、ブレードにより任意の固形飼料の形態に切断される。
【0045】
最後に、例えば肉、臓物、脂肪(専門用語でいわゆる「消化物」)等、動物性又は植物性の生成製品を用いて、押出された顆粒を脂肪コーティング及び/又は噴霧工程にかける。
【0046】
本発明の固形飼料は脂肪コーティング及び/又は噴霧にかけないが、親油性特性を有しているため、給餌目的の固形飼料と単純接触させることで脂肪性の食欲促進物質を吸収する。この方法で、食欲促進物質の一部は主に鶏レバー、臓物、イヌやネコにとって特においしいと感じられる物質から抽出した濃縮蛋白質加水分解物で構成され、治療目的の固形飼料の表面に移されるため、固形飼料もかなりおいしくなる。
【0047】
澱粉網状にし、成分を圧密化できるようにするのに熱相を使用しないのであれば、低温法でも単純圧縮法により成分を圧密化できる1種類又は複数の増粘物質を添加する必要がある。
【0048】
増粘物質は、好ましくはイナゴマメ粉、第二燐酸カルシウム、トウモロコシ澱粉、マルトデキストリンから選択される1種類又は複数の成分から選択する。
【0049】
好ましくは、これらの成分の組み合わせの割合を選択する。具体的には第二リン酸カルシウムは40から55%、イナゴマメ粉5から25%、トウモロコシ澱粉25から50%である。
【0050】
リン酸カルシウムが大量であるのは、動物に必要量の塩分を与えるという目的及びこれが優れた圧縮剤であるという事実から妥当である。そのような量は、固形飼料をすでにそのような塩類が豊富な給餌目的の別の固形飼料と混合する場合は減らしてもよい。
【0051】
有効なものとして、5から25%の範囲の量で、好ましくは10%で混合物に添加されたイナゴマメ粉は、圧縮により高度に圧密化されることと動物とってかなりおいしくするという2つの目的を満たすことが確認された。さらに、この固形飼料を従来の給餌用固形飼料に添加又は混合する際に、イナゴマメ粉とその他の成分を、食欲を促進させる脂肪で外的に処理すると、固形飼料がこの部分を吸収するため、動物にとってよりおいしくなる。
【0052】
驚くべきことに、この部分を吸収すると、イナゴマメ粉がその中に含まれているため、固形飼料の色合いが非常に暗く(濃茶)なり、給餌目的の別の固形飼料との混合物内で本発明の固形飼料を容易に識別できるようになる。これにより通常の給餌時に、本発明の治療目的の固形飼料を実質的に同一用量で、動物に必ず投与される方法で外見を調節できるのであれば、これは明らかに有利である。それ以外に、動物への投与を意図した治療用固形飼料の1日投与量を、混合物から単に取り出すことで増減させることができる。さらに、そのような識別性を全く自然な方法で得られ、合成着色料を使用する必要がない。
【0053】
前に検討した通り、本発明のさらなる特徴により、本固形飼料は錠剤のその他の成分から湿分を吸収するため1種類又は複数の親水性無機物を含んでいることから、プレスにより混合物が分離して固形飼料へと圧縮される。
【0054】
好ましくは、そのような鉱物はステアリン酸マグネシウム又はシリカであり、湿分を吸収することでその他の物質をより乾燥させ、有効成分が水分中の酸素と接触して酸化するのを防ぎ、湿分により促進される細菌などの問題が回避される。
【0055】
治療物質は、好ましくはビタミンC、リゾチーム、バイオフラボノイド、サメの軟骨、コンドロイチン、グルコサミン、プロポリス、エキナシア、アスタキサンチン、パパイヤ、アロエ、チョウセンニンジン、パイナップル、ロサ・カニナ、パパイヤ、レスベラトロール、カルニチン、レスベラトロール、及びその他のフィトセラピー物質、酸素又は熱下では安定性に問題が生じる市販の薬剤性成分を含む生成物群の中から、単独又は組み合わせて選択される。
【0056】
脂肪でコーティングする際に、低温条件下で通常固形飼料に添加されるビタミンも、本発明の治療目的の固形飼料の配合物に有効に添加される。
【0057】
本発明の固形飼料の第1の実施形態により、好ましくは前述の固形飼料と給餌目的の固形飼料を使用するための完全生成物内に、歯科衛生とイヌやネコの栄養系及び上気道を保護するための固形飼料を提供する。
【0058】
最新の統計によると、特に小型及び中型のイヌ及びネコの大部分は、口腔に関する病気に罹っている。臭い息、歯石、及び歯肉炎がよくみられ、非常にやっかいなため、飼い主との関係に強く影響する。
【0059】
有効に治療用固形飼料で使用されるのは、サルビア、タイム、プロポリス、ビタミンC、バイオフラボノイド、リゾチーム等の天然有効成分であり、これらを特に海水魚(オメガ‐3及びオメガ‐6脂肪酸、蛋白質値が極めて高く、消化率が高い)及び有機飼育された肉の構成比により得られる給餌用固形飼料に組み込み、正確な蛋白質量を得る。
【0060】
関節の問題の治療を意図した別の生成物は、コンドロイチン、グルコサミン、又はサメの軟骨、易熱性の高い物質等の有効成分の使用に対応している。
【0061】
また、そのような治療用固形飼料は、給餌目的の固形飼料に有効に添加される。
【0062】
本発明により効率よく給餌できるようになり、食事目的の固形飼料に本発明の固形飼料を適切に加えたものを単に投与することで、種々の疾患を予防できるようになる。
【0063】
この2種類の固形飼料を組み合わせて得られる食品も本発明の目的であり、実用的且つ効果的な方法で、免疫欠乏又は感染を起因とするさまざまな疾患を治療できるようになる。さまざまな研究により、免疫系は種々の環境汚染及び食品汚染の存在にもっとも脆弱であることが示されている。結果として、免疫系は過剰(アレルギー、自己免疫疾患)又は不足(癌及び例えばフィリアス症、リケッチア症、ライム病、リーシュマニア症等の感染症に対し非常に脆弱)した状態として反応する。
【0064】
したがって、本発明のさらなる実施形態により、天然成分(エキナシア、アスタキサンチン、パパイヤ、アロエ)の有効成分を治療目的の固形飼料に添加すると、具体的には海水魚(オメガ‐3脂肪酸。蛋白質値が極めて高く、消化率が高い)及びヒマワリ油(酸化が遅い)を含む給餌目的の固形飼料と組み合わせたときに完全生成物が得られる。そのような生成物は、そのような疾患の予防及び特定の療法中にも基本的に役に立つ。
【0065】
本発明の固形飼料に使用できるさらなる有効成分は、専門知識を有する化学者及び獣医により選択される、多くの配合物中に存在するチョウセンニンジン、パイナップル、ロサ・カニナ、パパイヤ、レスベラトロール、カルニチン、及びレスベラトロールである。
【0066】
本発明の固形飼料の配合物に単独又は組み合わせて含める重要な治療物質については、後でより詳細に検討する。
【0067】
その一部について、加熱後に有効成分の活性が低下する度合いに焦点を当てて実施された試験は特になかった。
【0068】
その活性度及び特性上、サメの軟骨は炎症性の現象を予防し、免疫防御能を強化するのに役立つ。サメの軟骨はもともとカルシウム、亜リン酸、蛋白質、ムコ多糖、ビタミン、及びコラーゲンが豊富である。
【0069】
天然に存在するコンドロイチン硫酸、ジャルロニク酸及びグルコサミンは、軟骨組織を再生し、全関節の健康状態を一斉に改善するのに役立つ。本固形飼料で使用される粉末は、サメの骨格を酵素加水分解させることで得られる。
【0070】
サメの軟骨の生物学的活性は特に易熱があり、さまざまな研究の対象となっていて、有効な天然の抗炎症作用を発揮することと、瘢痕形成過程を促進し、骨組織の強化及び回復に寄与し、細胞の再生過程を刺激することと、動物生体による抗体産生を促進して免疫反応を改善することと、神経筋を速やかに回復させることが可能であることが確認されている。
【0071】
問題の物質は、種々の病気、関節炎、皮膚炎、乾癬、ヘルペス、白内障等の眼疾患用に意図された治療法の食品補助剤として適応と考えられる。そのような物質は、抗血管形成因子により生体の組織に新しい血管が形成されるのを防止し、治療するのに役立つ。
【0072】
サメの軟骨は、最大の生物活性及び有効性を維持できる方法で乾燥及び凍結させた軟骨を100%含んでいる。
【0073】
これは軟骨を収集し、その品質を調節し、真空下で脱水して粉砕する、厳密には「冷却」する工程により確実に実行される。この工程では煮沸、調理、酵素、酸は使用しない。
【0074】
このようにして、本発明の固形飼料を製造する際に、活性時に損なわれない蛋白質及びムコ多糖の効果が最大限に保たれる。
【0075】
エキネシアは合成チュビフロア属の植物で、その根から風邪により生じる疾患の治療及び軽微な呼吸器疾患(咽頭炎、気管炎、咳)を予防するのに有益な抽出物が得られる。
【0076】
エキナシアは通常、インフルエンザから口唇ヘルペスまで、風邪と関連のある疾患の症状を予防(特に生体に対するストレスがより大きい期間)、短縮、緩和するのに役立つと考えられる。
【0077】
エキナシアは予防にも有用である。あらゆる軽微な疾患(咳、副鼻腔炎、風邪)に関しても、予防効果が確認されている。
【0078】
アロエ・ベラは、アフリカ、スペイン、オーストラリア、中央アメリカの砂漠地域で典型的にみられる多肉植物である。そのような植物は、新生物疾患の予防及び治療に使用される。
【0079】
アロエ・ベラのゲルは植物の部分の中でもっとも効果が高く、毒性はない。
【0080】
アロエの葉を絞って得られるゲルは抗炎症作用を有することが実証されている。実際、このゲルは炎症の程度を軽減し、新たなコラーゲンの産生を刺激する。さまざまな試験により、アロエ・ベラのゲルは、自然治癒過程を促進することが証明されている。
【0081】
アロエ・ベラのゲルは、特に腸及び皮膚の病原菌の増殖を阻害する。
【0082】
われわれが使用する特に柑橘類に大量に存在するバイオフラボノイドは、選択的に作用して毛細血管の自然な完全性を保っている。この見地から、組織の細胞の健康及び適切な働きが、組織に存在する毛細血管を介して細胞が受け取る栄養に依存しているのであれば、バイオフラボノイドの役割は必要不可欠である。
【0083】
バイオフラボノイドは、ビタミンCと相乗的に水素の輸送及び循環する遊離基の捕捉に役立つ。次に、生体を解毒する重要な物質として作用する。
【0084】
植物のあらゆる野菜部分はビタミン、無機塩類、及び炭水化物等、重要な植物性栄養素を含んでいるが、フィトセラピーの活性にとってもっとも重要な成分は、パイナップルのブロメラインと同一系統の酵素に属するパパインである。
【0085】
パパインは、蛋白質をアミノ酸に変換する酵素、プロテイナーゼのグループに属する。
【0086】
従来の抽出工程により、パパイヤの果実から濃縮された粉末が得られ、蛋白分解作用が標準化される。パパイヤの抽出物の色は淡黄色で、水溶性である。あらゆる酵素と同様、安定しているが熱によって不活化される。
【0087】
パパイヤには消化作用、瘢痕形成作用、抗炎症作用、及び防腐作用があり、口内炎及び歯肉炎に有益である。豊富なビタミン、無機塩類、及び炭水化物により、再生作用、細胞エネルギー作用、調節作用など、さまざまな作用が保証される。
【0088】
化合物から抗酸化作用を取り除くことにより、循環器病及び癌等の慢性疾患の発生リスクが低減された。特定の抗酸化化合物レスベラトロールが健康に対して及ぼす影響について試験するための研究プロトコルは増加の一途をたどっている。レスベラトロールは赤ワインに認められ、脂肪と赤身が多い食事をしているのにフランスでは循環器病の発現率が低いという、いわゆる「フレンチパラドクス」に関与する因子の1つと考えられている。
【0089】
この強力な抗酸化物質を取り除くことにより、慢性疾患に罹患するリスクが低減された。
【0090】
この化合物のさらなる薬理的及び臨床的活性を収集する必要はあるが、予備結果により、特に心血管系に関して生体の酸化ストレスを予防できる抗酸化特性を有する成分としてレスベラトロールを使用することが合理的であることがすでに確認されている。
【0091】
免疫系に関して、ビタミンCは生体を防御するため細胞の活性を増強する作用を発揮する。高用量のビタミンCを使用することで、発熱時に過剰に失われたビタミンCを埋め合わせる。細胞内輸送により、ビタミンCは有効成分のバイオアベイラビリティを増大させる(担体効果)。さらに、ビタミンCは血管系に対し防御作用を発揮し、血管系の防御力及び免疫力を活性化させるのに役立つ。
【0092】
ビタミンCは、特にバイオフラボノイドと相乗的に防御作用を発揮することから、この2つの成分は互いに必要不可欠である。2つの有効成分が同時に存在するのは天然抽出物だけである。ビタミンCは特に植物源からの鉄分吸収を促進する。事実、ビタミンCを適切に毎日補充すると、代謝を支える微妙なバランスを修復するのに役立つという意味で動物の完全性が保持され、健康が促進される。
【0093】
セージ及びタイムは、防腐性、防エデミゲン性、及び瘢痕形成性が知られている。その中のフィトコンプレックス値は、重要な作用又は防御作用を有する有効成分が非常に豊富であることを示す。
【0094】
セージ及びタイムは、気管支における過剰なカタル形成と闘うのに有効である。これらは口咽頭腔の炎症に対する収斂薬、防腐薬、去痰薬、抗菌薬として使用され、喘息性の咳に対しても役に立つ。
【0095】
プロポリスは、ミツバチにより産生される茶色の樹脂物質である。
【0096】
有効なことには、本発明の治療目的の固形飼料の密度は給餌目的の固形飼料とほぼ同じであり、給餌目的の同一の固形飼料の塊内部での分布が均一になるようにし、経時的に抵抗可能であり、治療用固形飼料が例えば包装の底部に積み上げられ動物に不均一に投与されることがなくなる。
【0097】
分布の均一性は、本発明の治療用固形飼料の形状により促進される。この形状は角を備えており、給餌目的の別の固形飼料の塊内部で治療用固形飼料が簡単に動いてしまわないようにしている。具体的には、実質的に上面及び下面が三角形の角柱形状が好ましい。
【0098】
好ましくは、トコフェロール及びローズマリー抽出物等の天然保存薬を給餌用固形飼料に使用する。治療物質を運搬する前述の固形飼料では保存薬を使用しなかった。
【0099】
さらに有効なこととして、製造工程はヒト用の食品グレードシステムを用いて実施する。
【0100】
工程中圧縮時に生じる摩擦力があるとしても、本発明の固形飼料は25℃を超えない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式プレスにより固形飼料の形態に圧密化された粉末状成分の混合物において6%未満の湿分を含み、前記成分が冷温及び常温乾式プレスにより前記成分を一緒に圧密化するための少なくとも1種類の増粘剤と、前記錠剤の前記その他の成分から前記湿分を吸収し、前記プレスにより固形飼料の形態に圧密化される前記混合物の前記分離を促進するための少なくとも1種類の親水性無機物と、易熱性の有効成分を含む動物を治療するための少なくとも1種類の治療物質とを含む、動物用固形飼料。
【請求項2】
前記治療物質が、ビタミンC、リゾチーム、バイオフラボノイド、サメの軟骨、コンドロイチン、グルコサミン、プロポリス、エキナシア、アスタキサンチン、パパイヤ、アロエ、チョウセンニンジン、パイナップル、ロサ・カニナ、パパイヤ、レスベラトロール、カルニチン、レスベラトロール、及びその他の無機物、熱及び/又は酸化物質に影響を受けやすい医学的効果を有する植物性及び動物性物質を含む生成物群の中から、単独又は組み合わせて選択される、請求項1に記載の固形飼料。
【請求項3】
前記増粘物質の中でイナゴマメ粉が含まれている、請求項1に記載の固形飼料。
【請求項4】
前記増粘物質の中で、第二リン酸カルシウム、トウモロコシ澱粉、マルトデキストリンの中の1種類又は複数の成分が含まれる、請求項1に記載の固形飼料。
【請求項5】
前記親水性無機物の中で親水性ステアリン酸マグネシウム又はシリカが含まれる、請求項1に記載の固形飼料。
【請求項6】
脂肪で外的にコーティングされる、あるいは食欲促進物質を噴霧される、治療目的の固形飼料における割合が5乃至15%である給餌目的の固形飼料を含む、先行する請求項のいずれか1つ又は複数に記載の動物に給餌するための生成物。
【請求項7】
前記治療目的の固形飼料が、増粘物質として前記別の成分と混合され、給餌目的の固形飼料と接触後、毛管現象により脂肪を吸収しやすくなり、特に暗い色、具体的には茶色いイナゴマメ粉を含む、請求項6に記載の動物に給餌するための生成物。
【請求項8】
粉末状の少なくとも1種類の増粘成分と、粉末状の少なくとも1種類の親水性無機物と、動物を治療するための、易熱性の有効成分を含む粉末状の少なくとも1種類の治療物質とを提供することと、前記成分を一緒に均一化するための少なくとも1つの混合ステップと、前記混合粉末を乾式プレスし、固形飼料の形態で小型の凝塊を得るための1つのステップである前記操作ステップを含む、
請求項1から5の1つ又は複数の請求項に記載の治療目的の固形飼料を製造するための、工程。
【請求項9】
前記治療目的の固形飼料が5から15%の割合で給餌目的の固形飼料と混合され、その中で均一に分布される、請求項8に記載の工程。
【請求項10】
前記混合ステップにより、前記給餌目的の固形飼料の前記表面の脂肪部分を吸収するためのステップが、前記治療目的の固形飼料により実行される、請求項9に記載の工程。

【公表番号】特表2010−535493(P2010−535493A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519541(P2010−519541)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002107
【国際公開番号】WO2009/019593
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(510032438)
【Fターム(参考)】