説明

動物飼料をコンディショニングするための向上した方法

以下の工程:以下の成分:a)酢酸、プロピオン酸、酪酸及びこれらの混合物よりなる群から選択される有機酸10〜90重量%;b)HLB4〜18及びモル比としてヒマシ油1分子をエチレンオキシド1〜200分子に対して有するエトキシル化ヒマシ油界面活性剤1〜90重量%;c)抗微生物性のテルペン類又は精油0〜20重量%、を含有するストック組成物を調製すること;水を添加して熱処理組成物を調製すること、及び、該熱処理組成物の有効量を動物飼料に適用し、その際に十分に加熱して飼料をペレット化するか、又は押出すこと;を含む、ペレット化動物飼料を作成するための方法及びその方法により作成された製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
市販の有機酸組成物と比較して、ペレットの品質(澱粉のゼラチン化、ペレットの耐久性、水分保持)、飼料ミルのパラメーター(飼料スループット、エネルギー消費)を向上させ、そしてカビ及び細菌の抑制を向上させる、混合有機酸、エトキシル化(ethoxylated、エトキシ化)ヒマシ油界面活性剤及び抗微生物テルペンを含有する溶液を添加混合することによる、動物飼料をコンディショニングするための熱処理。
【背景技術】
【0002】
動物産業においては、ペレット化された飼料を見受けることは一般的である。ペレット化は動物に対する全ての必要な栄養を有する小型の顆粒にまで粉末飼料を変換することである。典型的にはペレット化による原料からの生産は動物飼料の作成の費用の60〜70%に相当する。飼料の品質を低下させること無く生産の費用を低減するための手順の発見又は改変は動物産業における最も重要な調査の1つとなっている。幾つかの研究はペレット化が12%も飼料変換を向上させることを示している。性能におけるこの向上は飼料の浪費、成分の分離及び摂餌中のエネルギー消耗の低減に起因している(Behnke, K. C., 1994, “Factors affecting pellet quality” pp. 44-54, Proc. Maryland Nutr. Conf. Feed Manuf., College Park, MD. Maryland Feed Ind. Council. And Univ. Maryland, College Park. Briggs; J.L., D.E. Maier, B.A. Watkins、及びK.C. Behnke, 1999, “Effect of ingredients and processing parameters on pellet quality”, Poult. Sci. 78: 1464-1471)。
【0003】
耐久性のあるペレットは廃棄物を低減し、分離を低減し、食味を向上させ、より多くの食糧をより短い時間内に摂食可能とする。マッシュを与えられたニワトリは12時間の日中摂餌の14.3%を費やすのに対してペレットを与えられたニワトリでは4.7%である(Jensen L., L.H. Merill, C.V. Reddy and J. McGinnis, 1962, “Observations on eating patterns and rate of food passage of birds fed pelleted or unpelleted diets”, Poult. Sci. 41:1414-1419)。ペレット化のプロセスは、食餌中の澱粉をゼラチン化し、そして良好な結合を達成することによりペレットの耐久性を上昇させるために蒸気を使用するコンディショニングステップを必要とする。澱粉のゼラチン化は蒸気の形態の水を澱粉顆粒中に拡散させることにより膨潤を起こさせるプロセスである(Parker, R. and S.G. Ring, 2001, “Mini Review: Aspects of the Physical Chemistry of Starch”,. J. Cereal Sci. 34: 1-17)。ゼラチン化された澱粉が冷却されるに従い、それはゲルを形成し、これが接着剤として作用することにより粒子の結合を引き起こす(Lund, D., 1984, “Influence of time, temperature, moisture, ingredients and processing conditions on starch gelatinization”, CRC Crit. Rev. Food Sci. Nutr. 20:249-273)。澱粉顆粒中への大量の添加は膨潤を引き起こす(Parker, R. and S.G. Ring, 2001, “Mini Review: Aspects of the Physical Chemistry of Starch”,. J. Cereal Sci. 34: 1-17)。ゼラチン化された澱粉が冷却されるに従い、それはゲルを形成し、これが接着剤として作用することにより粒子の結合を引き起こす(Lund, D., 1984, “Influence of time, temperature, moisture, ingredients and processing conditions on starch gelatinization”, CRC Crit. Rev. Food Sci. Nutr. 20:249-273)。大量の水分の添加はまた澱粉ゼラチン化が起こるために必要とされる開始温度を低下させる。ゼラチン化した澱粉は一般的にグルコシド結合への酵素的接近を向上させ、そしてその結果、消化性を向上させると考えられている(Parker, R. and S.G. Ring, 2001, “Mini Review: Aspects of the Physical Chemistry of Starch”, J. Cereal Sci. 34: 1-17)。
【0004】
飼料ペレットは荷揚げ、荷降し、保存、運搬及び飼育者への移転の間に損傷を受ける。飼料の取り扱い及び輸送はしばしば増大した微粉化物及び破壊されたペレットをもたらし、そして極端な場合は飼育者に到達するペレットの総パーセンテージを低減する。微粉化物が10%増大する度に飼料転換の1ポイント損失が生じ、これは次に同じ量の食肉を生産するためにより多くの飼料が摂食される事を必要とすると考えられる。ペレットの品質を評価するために使用される最も一般的な尺度はペレット耐久性指数(PDI)及び修正ペレット耐久性指数(MPDI)である。PDIは10分間反転回転箱中に入れた後に残存する未損傷又は部分的なペレットのパーセンテージにより決定される。MPDIは、飼料の取り扱い及び輸送をシミュレーションするために予備反転混合されるペレットに13mmの6角ナット5個を添加すること以外はPDIと同様である。本発明によれば水で処理された対照試料と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%又は20%微粉率が向上する。
【0005】
コンディショニング中、蒸気は飼料に対し6%まで水分を添加する。蒸気を介して飼料に添加された水分の各パーセントはマッシュ温度を約23℃上昇させ、これがペレットミルの操作及びペレットの耐久性を最適化することによりコンディショニングプロセスを向上させる(Fairfield, D., 2003 “Pelleting for Profit-Part 1”, Feed and Feeding digest 54 (6) 2003)が、この水分はペレットを冷却すると消失する。
【0006】
幾つかの試験は、コンディショニングプロセス中に添加された水分の上に水を添加することはペレット化を向上させることができることを示している(Fairchild, F. and D. Greer, 1999, “Pelleting with precise mixer moisture control, Feed Int. 20 (8): 32-36; Moritz, J.Sら、2003 “Feed manufacture and feeding of rations with graded levels of added moisture formulated at different densities”, J. Appl. Pout. Res. 12:371-381)。Motitzら、及びHottらは、ミキサーにおいてトウモロコシ−ダイズ系の食餌に2.5〜5%の水分を添加することによるPDIの上昇及びエネルギー使用の低下を報告している(Moritz, J. S.ら、2001, “Effect of moisture addition at the mixer to a corn-soybean-based diet on broiler performance”, J. Appl. Poult. Res. 10: 347-353;. Hottら、2008, “The effect of moisture addition with a mold inhibitor on pellet quality, feed manufacture and broiler performance”, J. Appl. Poult. Res. 17:262-271)。
【0007】
ミキサーにおける水分添加はペレットの品質を向上させ、ペレットミルのエネルギー消費を低下させることがわかっている。水分添加は又、コンディショニングされたマッシュと高温ペレットとの間の温度差(ΔT)を減少させ、これはダイスの磨耗の減少を示す。
【0008】
ミキサー中の飼料に低温で添加された水分は澱粉ゼラチン化のような種々の熱関連反応において結合状態となり、高いPDIをもたらす。また、この水分はコンディショニング中に添加された水分ほど容易にはペレットから除去されない。しかしながら追加的な水分はペレット表面に移行することが可能であり、これが多大な成形障害をもたらす場合がある。水分添加剤中の界面活性剤の使用はマッシュ飼料中への水の吸収を促進し、これにより成形障害を低減する。
【0009】
水分添加は幾つかの懸念を生じさせ、これは高水分とカビ生育の間の関係、及び栄養分希釈である(Rahnema, S. and S.M. Neal, 1992, “Preservation and use of chemically treated high-moisture corn by weanling pigs”, J. Prod. Agric. 5 (4):458-461)。保存された穀粒中に一般的に観察されるカビの例はAspergillus, Penicillium及びFusarium属に由来するもの、例えばA. parasiticus, F. tricinctum及びP. citrinumである(Smith, J.E., 1982, “Mycotoxins and poultry management”, World’s Poult. Sci. J. 38 (3):201-212)。カビの胞子の生育及び出芽はしばしば飼料の腐敗と微生物毒の生産を誘発し、これらは共に家禽生産に損害をもたらす。Tabibらは従来の家禽用食餌をペレット化するプロセスはカビ数を低減するが、カビ抑制剤の添加は更にこの数を低減することを観察している(Tabib, Z., F. Jones, and P.B. Hamilton, 1984, “Effect of pelleting poultry feed on the activity of molds and mold inhibitors”, Poult Sci. 63:70-75)。
【0010】
市販のカビ抑制剤は有機酸1つ以上を含む。これらは主にプロピオン酸、安息香酸、酪酸、酢酸及びギ酸である。有機酸は食物媒介感染症の発生率を低減するための主要な添加剤となっている。短鎖脂肪酸が抗微生物活性を示す機序は、未解離(RCOOH=非イオン化)酸が脂質透過性であり、そしてこのため微生物の細胞壁を通過し、次に微生物のよりアルカリ性の内部において解離(RCOOH→RCOO+H)することができ、これにより細胞質の生存を不安定な状態とする。水素イオンのこの放出は細胞質の機能を途絶させ、そして生育を抑制する(Van Immerseel, F., J.B. Russell, M.D. Flythe, I. Gantois, L.Timbermont, F. Pasmans, F. Haesebrouck, and R. Ducatelle, 2006, “The use of organic acids to combat Salmonella in poultry: a mechanistic explanation of the efficacy”, Avian Pathology. 35(3): 182-188)。有機酸、特にギ酸およびプロピオン酸の使用は当該分野で良く知られている。
【0011】
飼料保存料としてのプロピオン酸及びその他の有機酸の適用は多く報告されている(Paster, N. 1979, “A commercial scale study of the efficiency of propionic acid and calcium propionate as fungistats in poultry feed”, Poult Sci. 58:572-576)。プロピオン酸は酢酸、吉草酸、酪酸、乳酸又は安息香酸よりも強力なカビ抑制剤である。プロピオン酸は0.05〜0.25重量%の範囲で有効用量を有するのに対し、他の酸は0.5重量%超を要する(Higgins C. and F. Brinkhaus, 1999, “Efficacy of several organic acids against mold”, J. Applied Poultry Res. 8:480-487)。高水分量のトウモロコシの保存は80重量%プロピオン酸及び20重量%酢酸を含有する混合物0.5%で処理した場合に達成されている。この製品は離乳ブタに給餌されたが性能に如何なる損害も与えていない。水への0、0.1、0.2、0.3及び0.4重量%酢酸の添加は、ブロイラーニワトリにおいて性能又は腸内微生物数に悪影響を与えなかった(Akbari, M.R., H. Kermanshani and G.A. Kalidari, 2004, “Effect of acetic acid administration in drinking water on performance growth characteristics and ileal microflora of broiler chickens”, J. Sci. & Technol. Agric. & Natur. Resour. 8 (3): 148)。
【0012】
幾つかの特許が抗微生物剤としての有機酸の使用を開示しているが如何なる別の利益も示唆していない。米国特許6,867,233号は食品及び食品接触面の処理のための有機酸及び界面活性剤に基づいた抗微生物性の酸性製剤を教示している。この組成物はプロピレングリコール、消泡剤及び塩により安定化されている。使用される酸には酢酸が包含されるが酪酸は包含されない。これは又アルキルスルフェートの界面活性剤を包含するがエトキシル化ヒマシ油は包含しない。米国特許7,169,424号は2種の緩衝された有機酸、界面活性剤及び精油の混合物を含むカビ抑制剤を開示しており、これは一緒になることで単独の未緩衝の有機酸よりも腐食性が低くなる。PCT/US2007/80001は酪酸のアンモニウム塩の存在に起因する悪臭を導入することなくペレット化プロセスの効率を上昇させるペレット化飼料中の病原体の生育を抑制するための方法を開示している。本発明はアンモニウム緩衝有機酸を包含しておらず、そして異なる有機酸及びより効果的な界面活性剤を使用しているため悪臭の問題は有していない。
【0013】
飼料及び飼料の成分はヒトにまで伝播する可能性がある動物中の病原菌のベクターである。食品媒介病の問題Campylobacter spp., Shigella spp., Listeria monocytogenes, Yersenia enterolitica, Salmonella spp. 及びE. coli感染症による食品媒介病の問題は多くの国において優勢となっている。CDCの統計は加熱不足の食肉、卵、貝類、未殺菌の乳製品、及び未洗浄の野菜の消費により毎年76百万人が病気になっていることを示唆している。食品製造用動物はSalmonella entericaの非チフス血清型の主要な保菌者であり、これは推定で1.4百万症例、16,400入院例、及び580死亡例を合衆国において毎年起こしている。サルモネラはヒト及び動物に感染して感染症をもたらすことができる通性細胞内病原体である。摂取後、サルモネラは腸に生息してこれを貫通することができ、これにより全身性の感染症を誘発する(Henderson, S.ら、1999, “Early events in the pathogenesis of avian salmonellosis”, Infec. Immun. 67(7): 3580-3586)。ヒトにおいて存在しているサルモネラ症の症例の大部分は鶏卵の消費によるとされている(Humphrey, T.J.ら、1994, “Contamination of egg shell and contents with Salmonella enteritidis”, Int. J. Food Microbiol. 21 (1-2): 31-40)。鶏卵中に存在する因子が、同じ雌鶏の卵管から得られた鶏卵がより高値のサルモネラレベル(29%の発生率)を示していたにも関わらず新たに産卵された鶏卵においては低いサルモネラレベル(0.6%の発生率)を維持することに寄与しており;これらの因子は卵黄及び卵白中の抗体、抗細菌酵素及び鉄封鎖性で細菌プロテアーゼ阻害性の蛋白を包含すると考えられる(Keller, L.H.ら、1995, Salmonella enteritidis colonization of the reproductive tract and forming and freshly laid eggs of chickens”, Infec. Immun. 63 (7): 2443-2449)。高温及び高圧の条件におけるペレット化はサルモネラのみならず他の細菌の数も低減する。ペレット化の問題点は動物の消費の前、例えば袋詰め、輸送、供給装置中における飼料の微生物による再汚染に対抗する保護が行われないことである。
【0014】
動物の使用のための水及び飼料の保存のために多くの製品が開発されている。水添加剤の例は、第4アンモニウム生成物、亜塩素酸塩系の生成物、塩素化、二酸化塩素、及び酸化合物(酢酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、クエン酸及びギ酸)である。飼料の保存のための方法は熱処理、有機酸、ホルムアルデヒド、精油及び放射線照射を包含する。有機酸を用いたSalmonellaの排除は高レベルの投与を必要とし、これは動物産業に高経費をもたらす。ホルムアルデヒドは、関連性は明らかにされていないが癌誘発性の化学物質であると考えられている。飼料の放射線照射は経費効率的ではなく、消費者になじまない。過炭酸ナトリウムは食餌の1〜2%のレベルで飼料中において抗微生物剤として使用されている強力な酸化剤である。
【0015】
有機酸は食品媒介感染症の発生率を低下させるための主要な添加剤となっている。短鎖、中鎖及び長鎖の脂肪酸、例えばギ酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸及びその他の使用は良く知られている。
【0016】
エトキシル化ヒマシ油乳化剤はエチレンオキシドとのヒマシ油の反応により生成される。エトキシル化ヒマシ油乳化剤は合成の間に使用されるエチレンオキシドの量に応じて種々の鎖長のものとなる。モル比はヒマシ油1分子対エチレンオキシド1〜200分子に変動することができ、PEG−x(ポリエチレングリコール)ヒマシ油乳化剤と命名されるエトキシル化ヒマシ油乳化剤をもたらすものであり、ここでxはエチレンオキシド部分の数である(Fruijtier-Polloth, C., 2005, “Safety assessment on polyethylene glycols (PEGs) and their derivatives as used in cosmetic products”, Toxicology 214: 1-38)。これらの乳化剤はヒト及び動物の治療のための水不溶性薬剤を可溶化するために広範に使用されている。それらは非揮発性の安定な化合物であり、保存中に加水分解や劣化を起こさない。ヒマシ油はRicinus communisの種子から得られ、そして主としてリシノール酸、イソリシノール酸、ステアリン酸及びジヒドロキシステアリン酸のトリグリセリドよりなる。ヒマシ油は90%リシノール酸(12−ヒドロキシオレイン酸)であり、非毒性、生体分解性及び再生可能な資源である。
【0017】
幾つかのPCT出願がエトキシル化ヒマシ油界面活性剤に関する使用について出願されている。WO99/60865号は熱処理の前又は後に動物飼料に添加される界面活性剤−水乳液に関する。乳液は熱処理中に消失する水を維持するか低減する。乳液は水1〜8部及び界面活性剤0.005〜0.5部よりなる。WO97/28896号は界面活性剤が糖液の分散を促進できると教示している。WO96/11585は飼料の栄養価を向上させるための動物飼料中のエトキシル化ヒマシ油の使用開示している。WO95/28091は栄養物質の利用性を向上させ、動物の成育を増大させ、そして死亡率を低下させるために、従来の乾燥動物飼料にエトキシル化ヒマシ油を添加している。これらの4特許は動物飼料中の疎水性物質の消化性を向上させるための、好ましくは乳液としての、エトキシル化ヒマシ油界面活性剤の添加に言及しているが、エネルギー消費を低下させ、そして飼料中のカビ及び細菌の生育を防止するために、製造プロセスにおいてそれらを如何に最良に使用するかを示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際特許出願WO99/60865号
【特許文献2】国際特許出願WO97/28896号
【特許文献3】国際特許出願WO96/11585号
【特許文献4】国際特許出願WO95/28091
【特許文献5】米国特許7,169,424号
【特許文献6】国際特許出願PCT/US2007/80001
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Behnke, K. C., 1994, “Factors affecting pellet quality” pp. 44-54, Proc. Maryland Nutr. Conf. Feed Manuf., College Park, MD. Maryland Feed Ind. Council. and Univ. Maryland, College Park. Briggs; J.L., D.E. Maier, B.A. Watkins
【非特許文献2】K.C. Behnke, 1999, “Effect of ingredients and processing parameters on pellet quality”, Poult. Sci. 78: 1464-1471
【非特許文献3】Jensen L., L.H. Merill, C.V. Reddy and J. McGinnis, 1962, “Observations on eating patterns and rate of food passage of birds fed pelleted or unpelleted diets”, Poult. Sci. 41:1414-1419
【非特許文献4】Parker, R. and S.G. Ring, 2001, “Mini Review: Aspects of the Physical Chemistry of Starch”,. J. Cereal Sci. 34: 1-17
【非特許文献5】Lund, D., 1984, “Influence of time, temperature, moisture, ingredients and processing conditions on starch gelatinization”, CRC Crit. Rev. Food Sci. Nutr. 20:249-273
【非特許文献6】Fairfield, D., 2003 “Pelleting for Profit-Part 1”, Feed and Feeding digest 54 (6) 2003
【非特許文献7】Fairchild, F. and D. Greer, 1999, “Pelleting with precise mixer moisture control, Feed Int. 20 (8): 32-36
【非特許文献8】Moritz, J.S.ら、2003 “Feed manufacture and feeding of rations with graded levels of added moisture formulated at different densities”, J. Appl. Pout. Res. 12:371-381
【非特許文献9】Moritz, J. S.ら、2001, “Effect of moisture addition at the mixer to a corn-soybean-based diet on broiler performance”, J. Appl. Poult. Res. 10: 347-353
【非特許文献10】Hottら、2008, “The effect of moisture addition with a mold inhibitor on pellet quality, feed manufacture and broiler performance”, J. Appl. Poult. Res. 17:262-271
【非特許文献11】Rahnema, S. and S.M. Neal, 1992, “Preservation and use of chemically treated high-moisture corn by weanling pigs”, J. Prod. Agric. 5 (4):458-461
【非特許文献12】Smith, J.E., 1982, “Mycotoxins and poultry management”, World’s Poult. Sci. J. 38 (3):201-212
【非特許文献13】Tabib, Z., F. Jones, and P.B. Hamilton, 1984, “Effect of pelleting poultry feed on the activity of molds and mold inhibitors”, Poult Sci. 63:70-75
【非特許文献14】Van Immerseel, F., J.B. Russell, M.D. Flythe, I. Gantois, L.Timbermont, F. Pasmans, F. Haesebrouck, and R. Ducatelle, 2006, “The use of organic acids to combat Salmonella in poultry: a mechanistic explanation of the efficacy”, Avian Pathology. 35(3): 182-188
【非特許文献15】Paster, N. 1979, “A commercial scale study of the efficiency of propionic acid and calcium propionate as fungistats in poultry feed”, Poult Sci. 58:572-576
【非特許文献16】Higgins C. and F. Brinkhaus, 1999, “Efficacy of several organic acids against mold”, J. Applied Poultry Res. 8:480-487
【非特許文献17】Akbari, M.R., H. Kermanshani and G.A. Kalidari, 2004, “Effect of acetic acid administration in drinking water on performance growth characteristics and ileal microflora of broiler chickens”, J. Sci. & Technol. Agric. & Natur. Resour. 8 (3): 148
【非特許文献18】Henderson, S. ら、1999, “Early events in the pathogenesis of avian salmonellosis”, Infec. Immun. 67(7): 3580-3586
【非特許文献19】Humphrey, T.J.ら、1994, “Contamination of egg shell and contents with Salmonella enteritidis”, Int. J. Food Microbiol. 21 (1-2): 31-40
【非特許文献20】Keller, L.H.ら、1995, Salmonella enteritidis colonization of the reproductive tract and forming and freshly laid eggs of chickens”, Infec. Immun. 63 (7): 2443-2449
【非特許文献21】Fruijtier-Polloth, C., 2005, “Safety assessment on polyethylene glycols (PEGs) and their derivatives as used in cosmetic products”, Toxicology 214: 1-38
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、動物飼料の、押出しプロセスを使用する場合も含めたペレット化プロセスを向上させ、そして抗微生物活性を有する化学組成物を提供することである。
【0021】
他の目的は、
下記成分:
a)酢酸、プロピオン酸(propionic)、酪酸及びこれらの混合物よりなる群から選択される有機酸10〜90重量%、
b)HLB4〜18及びモル比としてヒマシ油(castor oil)1分子をエチレンオキシド1〜200分子に対して有するエトキシル化(ethoxylated、エトキシ化)ヒマシ油界面活性剤1〜90重量%、
c)抗微生物性(antimicrobial、抗菌性)のテルペン類(terpenes)又は精油0〜20重量%、
を含有する組成物(composition、合成物)を調製する(preparing、調合する、準備する、用意する、作成する)こと;
水を添加して熱処理組成物を調製すること、及び、該熱処理組成物の有効量を動物飼料(animal feed)に適用し、その際に十分に加熱して飼料をペレット化(pelletize)するか、又は押出す(extrude)こと;
を含む、ペレット化動物飼料を作成するための方法を提供することである。

【0022】
本発明の他の目的は、
下記成分:
a)酢酸、プロピオン酸、酪酸及びこれらの混合物よりなる群から選択される有機酸10〜90重量%、
b)HLB4〜18を有するエトキシル化ヒマシ油界面活性剤1〜90重量%、
c)抗微生物性のテルペン類又は精油0〜20重量%、
を含有する組成物を調製すること;
水を添加して熱処理組成物を調製すること;及び、
該熱処理組成物の有効量を動物飼料に適用し、その際に十分に加熱して飼料をペレット化するか、又は押出すこと;
を含むプロセスにより作成されたペレット化動物飼料を提供することである。
【0023】
本発明の利点は以下を包含する。
【0024】
微粉率(percent fines)が水で処理した対照試料(control sample)と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%又は20%向上する。
【0025】
エネルギー消費が水で処理した対照試料と比較して少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%又は25%向上する。
【0026】
ペレット水分(moisture)が水で処理した対照試料と比較して少なくとも0.4%、好ましくは少なくとも0.5%又は0.6%向上する。
【0027】
処理された飼料が20000cfu/g未満、好ましくは10000cfu/g未満の細菌負荷(load)を有する。
処理された飼料が20000cfu/g未満、好ましくは10000cfu/g未満のカビ(mold、モールド)負荷を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】F.tricinctumの生育に対する本発明の作用(mm2)の図。
【図2】A.parasiticusの生育に対する本発明の作用(mm2)の図。
【図3】P.citrinumの生育に対する本発明の作用(mm2)の図。
【図4】
【図5】4時間後のサルモネラの生育の図。
【図6】24時間後のサルモネラの生育の図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
定義
成分の「重量%」とは成分が包含される製剤又は組成物の総重量に基づく。
【0030】
「有機酸」とはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸及び他のC〜C24脂肪酸、又はC〜C24有機脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセリドを包含する。
【0031】
「抗微生物性(antimicrobial、抗菌性)テルペン(terpene)」とは、アリルジスルフィド(allyl disulfide)、シトラール、ピネン、ネロール、ゲラニオール、カルバクロール、オイゲノール、カルボン、アネトール、カンファー、メントール、リモネン、ファルネソール、カロテン、チモール、ボルネオール、ミルセン(myrcene)、テルペネン(terpenene)、リナロール、又はこれらの混合物を包含することができる。より特定すれば、テルペンはアリルジスルフィド、チモール、シトラール、オイゲノール、リモネン、カルバクロール、及びカルボン又はこれらの混合物を含んでよい。テルペン成分は抗微生物性を有する他のテルペン類を包含してよい。
【0032】
化合物の「有効量」という用語は、ペレット化、ミリング又は抗微生物性の利益の所望のレベルを与えるために非毒性であるが十分である量のような、有効量の表示対象である、機能を発揮又は特性を有することができる量を意味する。即ち、有効量は通常の実験のみを用いて当業者が決定してよい。
【0033】
飼料をペレット化する場合、蒸気をマッシュに注入し、次にマッシュをペレット化する。押出された飼料においては、蒸気を加圧下にマッシュに注入し、次にマッシュをペレット化する。押出された飼料はマッシュ飼料よりも密度が低い。
【0034】
製剤は主要な成分例えば有機酸の濃度においてのみならず、テルペン、界面活性剤の種類及び水の濃度においても変動する。本発明はテルペンの加減、有機酸の種類、及び界面活性剤の種類により改変できる。
【0035】
「相乗作用(synergistic effect)」又は「相乗性(synergy)」という用語は個々の成分と比較して混合物として成分を添加した場合の向上したペレット化又は保存の作用を意味する。
【0036】
組成物
一般的に、本発明の組成物は、下記成分:
a)酢酸、プロピオン酸(propionic)、酪酸及びこれらの混合物よりなる群から選択される有機酸10〜90重量%、
b)HLB4〜18及びモル比としてヒマシ油(castor oil)1分子をエチレンオキシド1〜200分子に対して有するエトキシル化(ethoxylated、エトキシ化)ヒマシ油界面活性剤1〜90重量%;
c)抗微生物性(antimicrobial、抗菌性)のテルペン類(terpenes)又は精油0〜20重量%、
を含有し、;
水を添加して熱処理組成物を調製すること、及び、該熱処理組成物の有効量を動物飼料(animal feed)に適用し、その際に十分に加熱して飼料をペレット化(pelletize)すること;
を含む。
【0037】
また、本発明の組成物は1〜24個の炭素を有する有機酸の有効量を含有してよい。
【0038】
抗微生物性のテルペン、テルペンを含有する植物抽出液又は精油も、より精製されたテルペン類と同様に、本発明の組成物において使用できる。テルペンは市販品として容易に入手でき、或いは、当該分野で知られている方法、例えば溶媒抽出又は水蒸気抽出/蒸留又は化学合成により生成することができる。
【0039】
界面活性剤は平均、好ましくは40〜80の平均の周囲に正規分布している1〜200のエチレン分子を有するエトキシル化ヒマシ油界面活性剤を包含する非イオン性のものである。
【0040】
ストック溶液の組成物は有機酸1〜99重量%、好ましくは20〜70重量%を含有してよく;例示される酸は酢酸0〜99重量%、プロピオン酸0〜99重量%、及び酪酸0〜99重量%を包含する。組成物は抗微生物性のテルペン又は精油0〜10重量%、及び、界面活性剤1〜9重量%を含んでよい。ストック組成物は水0〜40%を含んでよい。
【0041】
成分(components)a)、b)及びc)のストック組成物を水で希釈することにより熱処理組成物を形成し、これは5〜15重量%水性混合物であり、好ましくは5〜10重量%混合物である。この水性混合物を総飼料に基づいて1〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の量で非ペレット化飼料に適用する。
【0042】
成分a)の酸は緩衝されていても未緩衝でも良い。緩衝物質は水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム又は水酸化ナトリウムであってよい。
【0043】
熱処理組成物は初期動物飼料の重量に基づいて0.25〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の量で動物飼料に適用してよい。
【0044】
一般的に、該組成物の重量を基にして、成分a)は約20〜70重量%、成分b)は約0.5〜20重量%、成分c)は約0.1〜5重量%である。
【0045】
成分b)は非イオン性界面活性剤である第2の界面活性剤を含有してよい。第2の界面活性剤が存在する場合は、それは好ましくはポリソルベート及びポリオキシエチレン(polyoxyethylenes)から選択された非イオン性界面活性剤である。
【0046】
成分c)は好ましくはアリルジスルフィド(allyl disulfide)、チモール、シトラール、オイゲノール、カルバクロール、リモネン又はカルボン又はこれらの混合物よりなる群から選択されるテルペンを含有する。
【0047】
方法
本発明はカビに対して有効である。これらの感染体の例はAspergillus fumigatus, Rhizoctonia solani, Penicillum spp.その他である。
【0048】
本発明は細菌に対して有効である。これらの感染体の例はE. coli, Salmonella spp., Clostridia spp., Campylobacter spp., Shigella spp., Brachyspira spp., Listeria spp., Arcobacter spp.その他である。
【0049】
本発明の方法は未処理の飼料又は従来のペレット化方法よりも高値にペレット化飼料中の水分レベルを維持する。
【0050】
本発明の水性混合物はミキサー投入前に原料に適用される。水性混合物はミキサー中の未混合原料に適用するか、原成分の混合中に適用してよく、そして湿式混合サイクル中に適用してよい。
【0051】
本発明の混合物はスプレーノズルにより適用される。
【0052】
水性混合物は飼料全体に渡って混合物の均一及び均質な分布をもたらすように適用する。
【0053】
種々の特許及び公開物が本明細書を通して参照される。各文書の開示は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0054】
実施例
実施例1
本発明の種々の有機酸および異なる製剤の表面張力を測定した。溶液を水中5%まで希釈し、Fisher Surface Tensiomat Model 21を用いながら試験した。未緩衝の酸及びポリソルベート80を含む製剤2は表1に示す通り低減された表面張力をもたらした。
【0055】
【表1】

【0056】
実施例2
ポリソルベート−80はミルク代替物中の使用のみ許可されており、飼料適用には許可されていない。欧州連合においては、エトキシル化ヒマシ油界面活性剤は全ての動物における使用について許可されている。ポリソルベート−80の代替となる適当な界面活性剤を決定するために、種々異なるPEGエトキシル化ヒマシ油界面活性剤の表面張力を5%溶液中で試験した。
【0057】
【表2】

【0058】
実施例3
実施例1の2つの最良の製剤をポリソルベート−80及びヒマシ油PEG−60を使用しながら調製した。水中の各製剤の5%溶液の表面張力を測定した。
【0059】
【表3】

【0060】
実施例4
本発明の種々異なる製剤を開発し、そしてカビプラグ試験におけるカビの生育に対抗したそれらの有効性に関して試験した。化学物質は個々の寒天プレート中のバレイショデキストロース寒天(半濃度)に添加し、24時間固化させた。5又は7mm直径の寒天プラグをA. parasiticus, F. tricinctum又はP. citrinumの4日間培養物から無菌的に採取し、そして化学物質添加又は無添加の寒天を含有するペトリプレートの中央に置いた。プレートを25℃でインキュベートし、そして培養物の生育領域を6日間まで毎日計測した。使用した製剤を表4に示す。カビ生育結果は図1〜3に示す。
【0061】
【表4】

【0062】
実施例6
本試験の目的はサルモネラの生育を低下させる場合の本発明の薬効を測定することであった。試験は以下の投与よりなるものとした。即ち、対照、37%ホルムアルデヒド(F)を0.025%、0.0125%、0.0625%、0.00312%の濃度とし、本発明(T)は0.2%、0.1%、0.05%及び0.025%の濃度とした。被験生成物を滅菌脱イオン水に添加して適切な溶液とした。Salmonella typhimurium (ATTC 14028)の培養物を含有する栄養ブロス100uLを各希釈試験管に添加した。添加後、試験管を回転混合し、室温で放置した。種菌添加の4時間及び24時間後、溶液100uLをStandard Methods Agar(3連)上にプレーティングした。プレートを35±2℃で24時間インキュベートした後に計数した。0.025%の濃度の本発明はホルムアルデヒドの同じ濃度と同様にサルモネラ生育低減に有効であった。結果を図5及び6に示す。
【0063】
実施例7
試験(study)1:商業規模の飼料ミルにおいて試験を実施した。試験の目的はコンディショニング、エネルギー低減、ミルスループット、収縮低減、品質向上における改善点を示すため、及び、費用節約を明らかにすることであった。試行は新しいペレット化機械を用いながら実施した。使用食餌は#6401ダックフィードとした。処理溶液を6トンシングルシャフトのリボンミキサー内に噴霧し、そして6つの霧状化ノズルを介して適用した。処理飼料中の包含レベルは水中本発明の5重量%溶液の1重量%適用とした。
【0064】
【表6】

【0065】
要約:
1.充填水分は7.5%増大した。
2.ミルスループットは2.3%上昇した。
3.kWh/トンは14%低減され。
4.デルタT価は54.4%低減され、ダイスとロールの節約になった。
5.水分保持は適用1%処理の77%であった。
6.PDIは97%から97.15%に上昇した。
【0066】
試験2:第2の試験を商業規模の飼料ミルにおいて実施した。試験の目的はコンディショニング、エネルギー低減、ミルスループット、収縮低減、品質向上における改善点を示すため、及び、費用節約を明らかにすることであった。試験のためには2種のブタ飼料を使用した。処理飼料中の包含レベルは水中本発明の5%溶液の1重量%であった。1パーセントの水を対照群には添加した。
【0067】
【表7】

【0068】
要約:
1.持続性の充填水分は12.9%増大し、水分保持は投与用量の75%であった。
2.スループットは平均で11%上昇した。
3.エネルギーは平均で18.1%低減された。
4.デルタT価は平均で37.8%低減され、ダイスとロールの磨耗減少をもたらした。
5.ペレットモーターアンプは平均で9.4%低減された。
6.コンディショナー温度は平均で1.6℃上昇した。
【0069】
試験3:第3の試験を商業規模の飼料ミルにおいて実施した。試験の目的はコンディショニング、エネルギー低減、ミルスループット、収縮低減、品質向上及び費用節約における改善点を示すためであった。612Saブロイラーグロワー食餌を使用した。処理飼料中の包含レベルは水中本発明の5%溶液の1重量%であった。1パーセントの水を対照群には添加した。
【0070】
【表8】

【0071】
要約:
1.スループットは平均で16.0%上昇した。
2.エネルギー使用は平均で19.2%減少した。
3.デルタT価は平均で53.1%低減され、ダイスとロールの磨耗減少をもたらした。
4.ペレットモーターアンプは平均で7.6%(16Amp)低減された。
【0072】
試験4:パイロット飼料プラントにおいて試行を行った。これらの試行の目的は水と比較した場合の本発明の水分保持を評価し、同時にミリングのパラメーター、例えばコンディショニング温度(℃)、エネルギー消費(kWh/ton)及びペレット品質(微粉率(%)として表示)を比較することであった。3種の異なる種類の飼料、即ちブロイラー、ブタおよび乳製品用の食餌を使用した。対照食餌にはコンディショナーにおいて水1重量%を添加し、そして処理飼料に対しては水中の本発明の5重量%溶液の1重量%をミキサーにおいて添加した。測定した全てのパラメーターは表9〜11に示す通り本発明の使用により向上していた。
【0073】
【表9】

【0074】
【表10】

【0075】
【表11】

【0076】
実施例8
食味試験を実施することにより飼料の食味に対する未処理又は本発明処理の食餌を給餌することの作用を試験した。200羽の雄性ブロイラーニワトリを群で計量し、そして4投与に割り付けた。各投与は各々ニワトリ10羽の5反復よりなるものとした。投与は以下の表に記載した。
【0077】
【表12】

【0078】
食味は上記示唆された通り調製した市販のトウモロコシ−ダイズの食餌とし、そして21日間給餌した。第1週には全てのニワトリに対照食餌を給餌した。ニワトリは1週齢で計量し、そして重量により各投与に分類した。飼料は有機酸の存在に関して、そして熱処理溶液の示唆された用量に関して試験した。
【0079】
第2週齢よりニワトリには未処理及び処理飼料を同時に与えた。各ケージの各側に1つずつ置いた2つの給餌器を投与に基づいてマークした。初期飼料重量は毎日の重量と共に計量した。給餌器は毎日スイッチした。この試験は処理及び未処理の飼料を比較した場合の摂餌量における相違の有無を測定するものであった。
【0080】
家畜小屋のニワトリ重量(pen chick weights)を3週間毎週計測した。飼料転換及び摂餌量は体重と同じ時期について計算した。
【0081】
食味(palatability)は摂取比(IR)として評価した。
【0082】
IR = A / (A+C) 式中A=被験飼料、C=対照飼料
IR < 0.5 = 被験飼料の優先性無し。
IR > 0.5 = 被験飼料の優先性有り。
【0083】
体重増加や週当たり摂餌量に差は無かった。前投与期間(1週齢時)の間は、摂餌量及び体重増加は全投与に関して同様であった。第2週の開始時において、ニワトリは投与レベルとは無関係に投与飼料を好んで食べ、そしてこれは第3週齢期中も観察された。摂餌比(IR)に基づけば、ニワトリは投与飼料を好んだ。
【0084】
【表13】

【0085】
当業者であれば本発明の範囲から逸脱することなく本発明において多くの改変および変更を行えることは明らかである。明細書及び実施例は例示に過ぎず、限定的ではないことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分:
a)酢酸、プロピオン酸(propionic)、酪酸及びこれらの混合物よりなる群から選択される有機酸10〜90重量%、
b)HLB4〜18及びモル比としてヒマシ油(castor oil)1分子をエチレンオキシド1〜200分子に対して有するエトキシル化(ethoxylated、エトキシ化)ヒマシ油界面活性剤1〜90重量%、
c)抗微生物性(antimicrobial、抗菌性)のテルペン類(terpenes)又は精油0〜20重量%、
を含有するストック(stock、備蓄、貯蔵、資源、家畜)組成物(composition、合成物)を調製する(preparing、調合する、準備する、用意する、作成する)こと;
水を添加して熱処理組成物を調製すること、及び、該熱処理組成物の有効量を動物飼料(animal feed)に適用し、その際に十分に加熱して飼料をペレット化(pelletize)するか、又は押出す(extrude)こと;
を含む、ペレット化動物飼料を作成するための方法。
【請求項2】
該熱処理組成物が、水中の約5〜20重量%混合物として動物飼料に適用される請求項1記載の方法。
【請求項3】
熱処理組成物が、飼料の重量を基にして0.25〜10重量%の量で動物飼料に適用される請求項1記載の方法。
【請求項4】
該ストック組成物の重量を基にして、成分a)が20〜70重量%、成分b)が0.5〜20重量%、成分c)が0.1〜5重量%である請求項1記載の方法。
【請求項5】
エネルギー消費が、水で処理した対照試料と比較して少なくとも15%向上している請求項1記載の方法。
【請求項6】
ペレットの水分が、水で処理した対照試料と比較して少なくとも0.4%向上している請求項1記載の方法。
【請求項7】
微粉率が、水で処理した対照試料と比較して少なくとも10%向上している請求項1記載の方法。
【請求項8】
処理された飼料が10000cfu/g未満の細菌負荷を有する請求項1記載の方法。
【請求項9】
処理された飼料が10000cfu/g未満のカビ負荷を有する請求項1記載の方法。
【請求項10】
a)が酢酸を含有する請求項1記載の方法。
【請求項11】
a)がプロピオン酸を含有する請求項1記載の方法。
【請求項12】
a)が酪酸を含有する請求項1記載の方法。
【請求項13】
a)の酸が緩衝されていない請求項1記載の方法。
【請求項14】
b)が非イオン性界面活性剤である第2の界面活性剤を含有する請求項1記載の方法。
【請求項15】
b)がポリソルベート及びポリオキシエチレン(polyoxyethylenes)から選択される非イオン性界面活性剤である第2の界面活性剤を含有する請求項1記載の方法。
【請求項16】
c)がアリルジスルフィド(allyl disulfide)、チモール、シトラール、オイゲノール、カルバクロール、リモネン又はカルボン又はこれらの混合物よりなる群から選択されるテルペン類を含有する請求項1記載の方法。
【請求項17】
下記成分:
a)酢酸、プロピオン酸、酪酸及びこれらの混合物よりなる群から選択される有機酸10〜90重量%、
b)HLB4〜18を有するエトキシル化ヒマシ油界面活性剤1〜90重量%、
c)抗微生物性のテルペン類又は精油0〜20重量%、
を含有するストック組成物を調製すること;
水を添加して熱処理組成物を調製すること;及び、
該熱処理組成物の有効量を動物飼料に適用し、その際に十分に加熱して飼料をペレット化するか、又は押出すこと;
を含むプロセスにより作成されたペレット化動物飼料。
【請求項18】
該熱処理組成物が、水中の約5〜20重量%混合物として動物飼料に適用される請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項19】
熱処理組成物が、飼料の重量を基にして0.25〜20重量%の量で適用される請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項20】
該ストック組成物の重量を基にして、成分a)が20〜70重量%、成分b)が0.5〜20重量%、成分c)が0.1〜5重量%である請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項21】
エネルギー消費が、水で処理した対照試料と比較して少なくとも15%向上した請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項22】
ペレットの水分が、水で処理した対照試料と比較して少なくとも0.4%向上している請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項23】
微粉率が、水で処理した対照試料と比較して少なくとも10%向上している請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項24】
10000cfu/g未満の細菌負荷を有する請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項25】
10000cfu/g未満のカビ負荷を有する請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項26】
a)が酢酸を含有する請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項27】
a)がプロピオン酸を含有する請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項28】
a)が酪酸を含有する請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項29】
a)の酸が緩衝されていない請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項30】
b)が非イオン性界面活性剤である第2の界面活性剤を含有する請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項31】
b)がポリソルベート及びポリオキシエチレンから選択される非イオン性界面活性剤である第2の界面活性剤を含有する請求項17記載のペレット化動物飼料。
【請求項32】
c)がアリルジスルフィド、チモール、シトラール、オイゲノール、カルバクロール、リモネン又はカルボン又はこれらの混合物よりなる群から選択されるテルペン類を含有する請求項17記載のペレット化動物飼料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−502924(P2013−502924A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526702(P2012−526702)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/055472
【国際公開番号】WO2011/025496
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(512028035)アニトックス コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】