説明

動画セキュリティ認証システム

【課題】ネットワーク上のサイトに投稿される動画コンテンツがオリジナル・コンテンツであることを配信者が確認し、利用者に対して保証することを目的とする。
【解決手段】認証要求に含まれる要求元認証情報をあらかじめ登録された登録済要求元認証情報と照合し両者が一致すれば電子証明書を出力するDsec認証サーバと、オリジナル動画コンテンツを入力し、該コンテンツに対する認証要求をDsec認証サーバに要求し、該サーバから出力される電子証明書をオリジナル動画コンテンツに付加したものをDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとして出力するDsecエンコーダと、動画コンテンツがDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツであれば、分離されたオリジナル動画コンテンツをそのまま出力するDsecデコーダを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作成された動画コンテンツがオリジナル・コンテンツであることをその動画コンテンツの利用者に対して保証する、動画セキュリティ認証システムに関するものである。ここでオリジナル・コンテンツとは、作成者が原本として作成したコンテンツ(記憶媒体に記録し伝送媒体を通じて伝送する、人間が観賞するひとまとまりの情報、すなわち、動画や静止画、音楽、文章、あるいはそれらの組み合わせ)であって他者の作成したコンテンツからの複製・引用・盗用・改ざんなどを含まず、かつウィルスや不法な内容を含まないコンテンツのことをいう。
【背景技術】
【0002】
今日インターネット上で流通する動画(この発明では「デジタル化された動画情報」を簡略に「動画」と表現する)は、動画配信サービス事業者が有償・無償で配信し流通させる商品としてだけでなく、さまざまな企業・官公庁・団体などにとっても有効な宣伝・広告・広報手段となっている。またYou Tubeのようにインターネット上で動画を保存・共有・配信するサービスの出現により、個人が作成した動画をインターネット上で広く保存・共有・配信することも可能になるなど、動画は一般企業・官公庁・団体などにとっても個人にとっても、情報発信の有力な手段として一層身近なコンテンツとなりつつある。
【0003】
しかしながら、インターネット上でコンテンツ(動画に限らない)を配信する場合に考慮すべき問題が2つある。第1は、コンテンツの配信者がコンテンツをその正当な利用者に配信する過程で、どうやって第三者による不正利用を防止し、そのコンテンツ製作者の権利(著作権)を適正に保護するか、ということであり、第2は、コンテンツ保存・共有・配信サービス・サイトに配信目的で投稿されるコンテンツがオリジナル・コンテンツ、すなわち投稿者が原本として作成したコンテンツであって他者の作成したコンテンツからの複製・引用・盗用・改ざんなどを含まず、かつウィルスや不法な内容を含まないコンテンツ、であることを配信者がどうやって確認し利用者に対して保証するか、ということである。
【0004】
第1の問題の解決手段としてはデジタル著作権管理(Digital Rights Management;DRM)技術が知られている。DRM技術では、一般にコンテンツ配信側で、動画や音楽などのコンテンツ・データ自体と別に、そのコンテンツ・データの再生に不可欠な鍵となるメタデータ(そのコンテンツ・データに関連する情報)を作成し、そのメタデータを特定の利用者だけに渡すようにする。鍵となるメタデータを持たない利用者は、コンテンツ・データだけを獲得してもそれを再生することができない。このメタデータは、コンテンツ・データを再生するパーソナル・コンピュータ(PC)やその使用者と一意的に対応するように作成されるので、第三者によるコンテンツ・データの不正な再生や複製・引用・盗用・改ざんなどを防ぐことが可能となる。
【0005】
DRM技術は、コンテンツ配信者の配信するコンテンツがオリジナル・コンテンツであることを前提とし、そのコンテンツが正当な利用者に配布されて再生されるまでの過程で第三者が不正に再生・複製・引用・盗用・改ざんするのを防止する技術である。したがってDRM技術は、映画やテレビ放送の有料配信サービスのように、オリジナル・コンテンツとして確認されたコンテンツだけを配信するコンテンツ配信サービスに対して有効に適用することができ、そのような商用システムで実際に使用されている。
【0006】
インターネット上でコンテンツを配信する場合に考慮すべき第2の問題、すなわち、コンテンツ保存・共有・配信サイトに配信目的で投稿されるコンテンツがオリジナル・コンテンツであることを、配信者がどうやって確認し利用者に対して保証するか、という問題については、これまで有効な解決手段が存在しなかった。
【0007】
このため、現在商用されている動画保存・共有・配信サービスにおいて見られるように、不特定多数の個人が不特定多数の利用者に配信する目的で作成し投稿する動画コンテンツが、オリジナル・コンテンツではなく、投稿者の意図の有無に拘らず、他のオリジナル・コンテンツからの複製・引用・盗用・改ざんなどを含んでいる場合、動画保存・共有・配信サービス事業者がそのような投稿コンテンツを確認して排除するのは容易なことではない。その結果として、動画保存・共有・配信サービスを通じ、オリジナルでないコンテンツ、場合によってはウィルスなどの埋め込まれたコンテンツや違法のコンテンツがインターネット上で流通しているのが現状である。このようなオリジナル・コンテンツでないコンテンツの流通に対してはDRM技術も無力である。
【0008】
インターネット上での従来の動画保存・共有・配信サービスには上述の第2の問題があるため、映画会社やテレビ放送事業者など、オリジナル・コンテンツの著作権所有者は、動画保存・共有・配信サービスのサイトを人手により常時巡回監視し、自己の著作権を侵害するコンテンツを発見したら、そのサイトの運用者に当該コンテンツを削除するよう警告する或いは運用者自ら巡回監視して該当コンテンツを探し、削除するという、面倒で多大なコストがかかりしかも不完全な対策に頼らざるを得なかった。
【0009】
また動画保存・共有・配信サービスを行う事業者やインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)にとっては、著作権保有者から上記のような警告を受けるリスクを負うだけでなく、場合によってはウィルスなどが埋め込まれたコンテンツや違法のコンテンツなどを、不特定多数の利用者に配布してしまうリスクも負っていた。
【0010】
さらに動画保存・共有・配信サービスからコンテンツを配信される利用者にとっては、受取るコンテンツがオリジナル・コンテンツからの複製・引用・盗用・改ざんなどを含んでいると、それを再生するだけで、利用者自身の意図に拘らずオリジナル・コンテンツの著作権を侵害してしまう可能性があり、またウィルスなどが埋め込まれたコンテンツや違法のコンテンツなどを不用意に再生してしまう危険性もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−268028号公報
【特許文献2】特表2008−523524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は従来の動画保存・共有・配信サービスにおける上述の第2の問題に鑑みてなされたもので、ネットワーク上のコンテンツ保存・共有・配信サイトに配信目的で投稿される動画コンテンツがオリジナル・コンテンツ、すなわち投稿者が原本として作成し、他者の作成したコンテンツからの複製・引用・盗用・改ざんなどを含まずかつウィルスの埋め込みや違法の内容を含まないコンテンツ、であることを配信者がどうやって確認し、利用者に対して保証するか、という第2の問題を解決することによって、利用者が安心して視聴できる動画コンテンツを提供する動画保存・共有・配信サービスを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するための手段として、本発明の動画セキュリティ認証システムは、ネットワークに接続され、認証要求に含まれる要求元認証情報をあらかじめ登録された登録済要求元認証情報と照合し両者が一致すれば、認証応答としてあらかじめ要求元に対して認定された電子証明書を出力するDsec認証サーバと、オリジナル動画コンテンツを入力し、そのオリジナル動画コンテンツに対する認証要求を前記Dsec認証サーバに要求し、前記Dsec認証サーバの認証応答として出力される前記電子証明書を前記オリジナル動画コンテンツに付加したものを、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとして前記ネットワークに出力するDsecエンコーダと、前記ネットワークから動画コンテンツを入力し、入力した前記動画コンテンツが前記Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツであればそれを前記電子証明書と前記オリジナル動画コンテンツとに分離し、分離された前記電子証明書を出力してその情報をGUI(Graphical User Interface)上に表示させるとともに分離された前記オリジナル動画コンテンツをそのまま出力し、前記入力した動画コンテンツが前記Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツでなければ警告情報を出力して前記GUI上に表示させるDsecデコーダを含む。
【0014】
なお、本発明の動画セキュリティ認証システムが接続されるネットワークは典型的にはインターネットであるがそれに限られるものではなく、たとえばインターネット上でそれぞれ独立に構築される企業・官公庁・団体などのWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Nertwork)のような閉域IPネットワークであっても、通信事業者が構築しサービスを提供する広域IPネットワークであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の手段により、インターネットによる動画保存・共有・配信サービスにおいて、動画コンテンツ保存・共有・配信サイトに配信目的で投稿される動画コンテンツが、オリジナル・コンテンツ、すなわち投稿者が原本として作成し、他者の作成したコンテンツからの複製・引用・盗用・改ざんなどを含まずかつウィルスの埋め込みや違法の内容を含まないコンテンツ、であることを配信者が確認し利用者に対して保証することができるので、利用者が安心して視聴できる動画コンテンツを提供する動画保存・共有・配信サービスの実現が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の手段による動画セキュリティ認証システムの構成を示す図である。
【図2】図1の本発明の構成におけるDsecエンコーダ111の一構成例を説明する図である。
【図3】本発明の構成におけるDsecエンコーダ111の他の構成例を説明する図である。
【図4】図1の本発明の構成におけるDsecデコーダ112の一構成例を説明する図である。
【図5】図1の本発明の構成におけるDsecデコーダ112の他の構成例を説明する図である。
【図6】本発明の構成におけるDsec認証サーバ110の一構成例とその基本動作600を説明する図である。
【図7】本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例1を示す図である。
【図8】本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例2を示す図である。
【図9】本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例3を示す図である。
【図10】本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の手段による動画セキュリティ認証システムの構成を示す図である。同図の動画セキュリティ認証システムは、ネットワーク100に接続され、認証要求101に含まれる要求元認証情報102をあらかじめ登録された登録済要求元認証情報103と照合し両者が一致すれば、認証応答としてあらかじめ要求元に対して認定された電子証明書104を出力するDsec認証サーバ110と、オリジナル動画コンテンツ105を入力し、入力されたオリジナル動画コンテンツ105に対する認証要求101を前記Dsec認証サーバ110に要求し、前記Dsec認証サーバ110の認証応答として出力される前記電子証明書104をDsec認証IDとして前記オリジナル動画コンテンツ105に付加したものを、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツ106としてネットワーク100に出力するDsecエンコーダ111と、前記ネットワーク100から動画コンテンツ107を入力し、入力した前記動画コンテンツ107が前記Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツ106であればそれを前記電子証明書104と前記オリジナル動画コンテンツ105とに分離し、分離された前記電子証明書104を出力してその情報をGUI(Graphical User Interface、図には示していない)上に表示させるとともに、分離された前記オリジナル動画コンテンツ105をそのまま出力し、前記入力した動画コンテンツ107が前記Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツ106でなければ警告情報109を出力してGUI上に表示させるDsecデコーダ112を含む。
【0018】
図2は図1の本発明の構成におけるDsecエンコーダ111の一構成例を説明する図である。Dsecエンコーダ111は、動画保存・共有・配信サービスに動画コンテンツを投稿しようとする投稿者のPCやビデオカメラ、ビデオカメラ付携帯電話端末などの、オリジナル動画コンテンツを作成する装置に典型的には装置のOS(Operation System、基本ソフトウェア)上で動作するアプリケーション・ソフトウェアとして実装される。
【0019】
図2において、Dsecエンコーダ111は、オリジナル動画コンテンツ105を入力するとそのオリジナル動画コンテンツ105に対する認証要求101をネットワーク100を通じてDsec認証サーバ110に送り、Dsec認証サーバ110の認証応答として出力される電子証明書104をDsec認証ID201として前記オリジナル動画コンテンツ105に付加したものを、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツ106として出力し、ネットワーク100に乗せる。
【0020】
図3は本発明の構成におけるDsecエンコーダ111の他の構成例を説明する図である。図3において、Dsecエンコーダ111は、オリジナル動画コンテンツ105を入力するとそのオリジナル動画コンテンツ105に対する認証要求101をネットワーク100を通じてDsec認証サーバ110に送り、Dsec認証サーバ110の認証応答として出力される電子証明書104、およびオリジナル動画コンテンツ105に対するCRC(Cyclic Redundancy Check)符号の計算結果301を、あらかじめ定められた埋め込みルール302に従って埋め込んだものをDsec認証ID303とし、それを前記オリジナル動画コンテンツ105に付加したものをDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツ106として出力し、ネットワーク100に乗せる。
【0021】
図3の構成例は図2の構成を拡張したものであり、電子証明書104に加えて、オリジナル動画コンテンツ105に対するCRC符号の計算結果301を、あらかじめ定められた埋め込みルール302に従って埋め込んだものをDsec認証ID303とする点が図2の構成例と異なる。オリジナル動画コンテンツ105に対するCRC符号の計算結果301を加えるのは、ネットワーク伝送中にオリジナル動画コンテンツ105に誤りが生じたり改ざんされたりした場合に受取る側でそれを検出できるようにするためである。Dsec認証IDへの埋め込みルール302は、電子証明書104とCRC符号の計算結果301をそのままDsec認証IDとはしないことでネットワーク伝送中の窃取や改ざんを防止するためのものであり、暗号化やデータ配置変換など、DsecエンコーダとDsecデコーダの間であらかじめ定められた規則であればよい。この構成によるDsecエンコーダとそれに対応するDsecデコーダ(後述する)とを用いることにより、図2の構成のDsecエンコーダとそれ対応するDsecデコーダ(後述する)とを用いる場合に比べ、安全性の高い動画セキュリティ認証システムが実現できる。
【0022】
図4は図1の本発明の構成におけるDsecデコーダ112の一構成例を説明する図である。Dsecデコーダ112は、オリジナル動画コンテンツを再生または保存する装置のOS上で動作するブラウザ・プラグイン型の情報表示ソフトウェアとして実装される。
【0023】
図4において、Dsecデコーダ112は図2の構成のDsecエンコーダに対応して動作するDsecデコーダであり、ネットワーク100から動画コンテンツ107を入力し、入力した前記動画コンテンツ107がDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツか否かをステップ401で判定し、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツであれば、ステップ402においてそれをDsec認証IDすなわち電子証明書104とオリジナル動画コンテンツ105とに分離し、分離された前記電子証明書104を出力してその情報をGUI(Graphical User Interface、図には示していない)上に表示させるとともに、分離された前記オリジナル動画コンテンツ105をそのまま出力し、前記入力した動画コンテンツ107が前記Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツでなければ、ステップ403において警告情報109を作成し出力してGUI上にそれを表示させる。なおステップ402におけるDsec認証IDとオリジナル動画コンテンツの分離は、たとえばDsec認証IDの長さをあらかじめ定めておくことにより、容易に行える。
【0024】
図5は図1の本発明の構成におけるDsecデコーダ112の他の構成例を説明する図である。図5において、Dsecデコーダ112は図3の構成のDsecエンコーダに対応して動作するDsecデコーダであり、ネットワーク100から動画コンテンツ107を入力し、入力した動画コンテンツ107がDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツか否かをステップ501において判定し、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツであればステップ502においてそれをオリジナル動画コンテンツ504とDsec認証ID505とに分離し、図3の構成のDsecエンコーダとの間であらかじめ定められた埋め込みルール302に従ってDsec認証ID505を送信側CRC符号計算結果508と電子証明書104とに分離し、分離された電子証明書104はそのまま出力してその情報をGUI(Graphical User Interface、図には示していない)上に表示させ、分離されたオリジナル動画コンテンツ504のCRC符号をステップ507において計算し、その結果と送信側CRC符号計算結果508がステップ509において一致すればオリジナル動画コンテンツ504を図3の構成のDsecエンコーダが出力したオリジナル動画コンテンツ105と同一と判断してそのまま出力し、一致しなければステップ510で警告情報511を作成し出力する。ステップ501において、入力した動画コンテンツ107がDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツでなければ、ステップ503において警告情報109を作成し出力してGUI上にそれを表示させる。
【0025】
図6は本発明の構成におけるDsec認証サーバ110の一構成例とその基本動作600を説明する図であり、オリジナル動画コンテンツの投稿者(本発明の動画セキュリティ認証システムの利用者)601があらかじめ行っておく利用者登録の手順602とともに示す。
【0026】
図6のDsec認証サーバ110は、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)や通信事業者など、ネットワーク100の運用者が管理・運用するサーバやPCなどの装置のOS上で動作する、ウェブ・アプリケーション・ソフトウェアとして実装される。Dsec認証サーバ110の物理的な設置場所は、ネットワークに接続されていれば何処であってもよく、ISPや動画保存・共有・配信サービスを行う事業者の事業サイトに置かれても、そのような事業者によりアウトソーシングされた認証事業者の事業サイトにおかれてもよい。
【0027】
図6において、本発明の動画セキュリティ認証システムを利用して動画保存・共有・配信サービスにオリジナル動画コンテンツを投稿しようとする者(利用者)601は、まずDsec認証サーバ110に利用者登録を要求する(603)。利用者登録にはたとえばIDとパスワードを用いるが、第三者によるなりすましを防止するにはそれだけでは不十分なので、利用者は図6に示すように公的認証機関604による個人認証を電子証明書605としてあらかじめ取得しておき、それを利用者登録の際の認証情報として用いるのが望ましい。
【0028】
Dsec認証サーバ110は、投稿者のオリジナル動画コンテンツに対する認証(電子証明書の発行)を行う際のなりすまし防止のため、あらかじめ公的認証機関604から認証(電子証明書)を受けておくのが望ましい(607)。
【0029】
Dsec認証サーバ110は、Dsec認証サーバの利用者(601)から登録要求603を受取ると、利用者の個人認証(電子証明書605)を含む認証情報を確認し利用者として登録するとともに(ステップ606)、認証情報を登録済要求元認証情報103として保存する。Dsec認証サーバ110は、その後ステップ608で、ネットワーク100を介して利用者601にDsecエンコーダ111を送付することができる。
【0030】
図6において、Dsec認証サーバ110は動画投稿者601からの認証要求101をネットワーク100から受取り、ステップ609において、認証要求101に含まれる要求元認証情報102をあらかじめ登録された登録済要求元認証情報103と照合し、両者が一致すれば、要求元である動画投稿者601に対してあらかじめ登録された登録済要求元認証情報103を電子証明書としてステップ610において発行・保存し、ステップ611で認証応答104として出力し動画投稿者601に送付する。
【実施例1】
【0031】
図7は本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例1を示す図であり、本発明の動画セキュリティ認証システムを用いてオリジナル動画コンテンツの保存・共有・配信サービスを実現する例である。実施例1において動画セキュリティ認証システムは、Dsec認証サーバ700とオリジナル動画コンテンツ投稿者703とオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者(サービス・プロバイダ)704とオリジナル動画コンテンツ視聴者705で構成されるオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信システムにおいて使用され、Dsec認証サーバ700からオリジナル動画コンテンツ投稿者703にDsecエンコーダが配信され、Dsec認証サーバ700からオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者704およびオリジナル動画コンテンツ視聴者705にDsecデコーダが配信される。
【0032】
実施例1における利用者登録ステップ701として、Dsec認証サーバ700は、公的認証機関702の承認のもとに、オリジナル動画コンテンツ投稿者703、オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者(サービス・プロバイダ)704およびオリジナル動画コンテンツ視聴者705をそれぞれ利用者として登録し(706)、投稿者703にDsecエンコーダを、サービスプロバイダ704と視聴者705にDsecデコーダをそれぞれ配布する。なお、図7では投稿者703と視聴者705をひとつずつ示しているが、それぞれが複数あってもよい。
【0033】
実施例1のオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信サービスにおける基本動作ステップ707は、以下のようになる。まずオリジナル動画コンテンツの投稿者703がDsec認証サーバ700に対し認証要求を行い、その応答として投稿者703に対する電子証明書708を受取る。投稿者703は、Dsecエンコーダ710において、投稿者が作成したオリジナル動画コンテンツ709にこの電子証明書708を付加してDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとし、それをサービス・プロバイダ704にアップロード(投稿)する。サービス・プロバイダ704は、Dsecデコーダ711によって投稿者の電子証明書を確認し、正しければ、アップロードされたDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツを保存するとともに(ステップ712)、視聴者705からの要求に応じて、保存したDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツを視聴者705にダウンロードする(ステップ713)。正しくなければ警報情報をGUI上に表示し、取り込んだ動画コンテンツを廃棄するなどの処置を行う(ステップ714)。視聴者705は、ダウンロードされたDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツに付加された投稿者の電子証明書をDsecデコーダ715によって確認し、正しければオリジナル動画コンテンツを分離して再生し(ステップ716)、正しくなければ警報情報をGUI上に表示するとともに警報情報をサービスプロバイダに伝え、取り込んだ動画コンテンツを廃棄するなどの処置を行う(ステップ717)。
【0034】
実施例1のオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信サービスによれば、サービス・プロバイダ704は、アップロードされた動画コンテンツの投稿者がDsec認証サーバに登録された利用者か否かをDsecデコーダ711により確認できるので、Dsec認証サーバに登録されていない投稿者による投稿動画コンテンツ、換言すれば作成者が不明なため他のオリジナル・コンテンツからの複製・引用・盗用・改ざんの恐れがあったり、ウィルスや違法の内容含む恐れがあったりするコンテンツ、を自動的に例外なく排除することが容易であり、従来の動画コンテンツ保存・共有・配信サービスのプロバイダにとって避けられなかった人手による巡回監視と該当コンテンツの削除に費やす膨大な手間とコストを省くことができる。このことはサービス・プロバイダの信頼性・安全性の向上にも直結する。
【0035】
また実施例1のオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信サービスによれば、保存・共有・配信される動画コンテンツはすべてその投稿者がDsec認証サーバへの登録者として特定できるオリジナル動画コンテンツであるため、視聴者705は著作権侵害やウィルス感染の恐れの無い安全な視聴を楽しむことができる。
【0036】
さらに実施例1のオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信サービスによれば、仮に他のオリジナル動画コンテンツの著作権を侵害する動画コンテンツがオリジナル動画コンテンツと偽って投稿された場合でも、著作権者は容易に投稿者を特定して対応策をとることができる。
【実施例2】
【0037】
図8は本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例2を示す図であり、ホームネットワーク(家庭内LAN)に接続されるビデオカメラと、AV機器や白物家電などのホームネットワーク機器と、インターネット上のDsec認証サーバと、オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者の間で本発明の動画セキュリティ認証システムを使用し、オリジナル動画コンテンツの保存・共有・配信サービスを実現する例である。
【0038】
図8の実施例2において、本発明の動画セキュリティ認証システムは、インターネット800上のオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者801と、インターネット800上のDsec認証サーバ802と、DsecエンコーダおよびDsecデコーダをあらかじめ実装しホームネットワーク803経由でインターネット800に接続される個人用ビデオカメラ804と、Dsecデコーダをあらかじめ実装しホームネットワーク803に接続されるホームネットワーク機器805により構成される。
【0039】
図8の実施例2において、ビデオカメラ804は、あらかじめ認証された電子証明書806をDsec認証サーバ802に要求して取得し、ステップ807でそれを保存するとともに、ホームネットワーク803を介してホームネットワーク機器805(たとえばデジタル・ビデオプレーヤ)に配信し、ホームネットワーク機器805に内蔵されているDsecデコーダがDsec認証つきオリジナル動画コンテンツをオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者(サービス・プロバイダ)801から受信できるようにする。ビデオカメラ804で撮影(ステップ808)されたオリジナル動画コンテンツは、ビデオカメラ804のアップロード・コマンド(ステップ809)により、内蔵されたDsecエンコーダ(810)に渡されてDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとなり、ホームネットワーク803、インターネット800を介してオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者801に送られる(ステップ811)。オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者801は受信動画コンテンツの送信者をDsecデコーダ812で確認し、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとして保存する(ステップ813)。オリジナル動画コンテンツの撮影者はビデオカメラ804またはホームネットワーク機器805(たとえばデジタル・ビデオプレーヤ)からオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者801に対して、保存されたDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツのダウンロードを要求しダウンロードを受け(ステップ814、815)、再生することができる。なお、撮影者の意向により、オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者801は受信したDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツをDsec認証IDのつかない動画として公開保存し(ステップ816)、Dsecデコーダを持たない不特定多数の一般視聴者が視聴できる(ステップ817)ようにしてもよい。
【実施例3】
【0040】
図9は本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例3を示す図であり、DsecエンコーダおよびDsecデコーダをあらかじめ実装しインターネット接続機能を有するビデオカメラ付携帯電話端末(ビデオカメラ付多機能携帯端末を含む)900と、インターネット902上のDsec認証サーバ903および動画保存・共有・配信事業者910の間で本発明の動画セキュリティ認証システムを構成し、オリジナル動画コンテンツの保存・共有・配信サービスを実現する例である。
【0041】
図9の実施例3において、ビデオカメラ付携帯電話端末900は、あらかじめ認証された電子証明書901をインターネット902を介してDsec認証サーバ903に要求して取得し、保存する(ステップ904)。ビデオカメラ付携帯電話端末900は専用のアプリケーション・ソフトウェアを容易にダウンロードして使用することができるので、動画セキュリティ認証システムを用いる種々のアプリケーション・ソフトウェアをビデオカメラ付携帯電話端末900にダウンロードして(ステップ905)保存し(ステップ906)、使用することができる。ビデオカメラ付携帯電話端末900で撮影(ステップ907)されたオリジナル動画コンテンツは、ビデオカメラ付携帯電話端末900のアップロード・コマンド(ステップ908)により、内蔵されたDsecエンコーダ(909)に渡されてDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとなり、インターネット902を介してオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者910に送られる(ステップ911)。オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者910は受信動画コンテンツの送信者をDsecデコーダ912で確認し、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとして保存する(ステップ913)。オリジナル動画コンテンツの撮影者はビデオカメラ付携帯電話900からオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者910に対して、保存されたDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツのダウンロードを要求して取得し(ステップ914)、再生することができる。なお、撮影者の意向により、オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者910は受信したDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツをDsec認証のつかない動画として公開保存し(ステップ915)、それをDsecデコーダを持たない不特定多数の一般視聴者が視聴できる(ステップ916)ようにしてもよい。
【実施例4】
【0042】
図10は本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例4を示す図であり、Dsecエンコーダをあらかじめ実装しインターネット接続機能を有する監視用ビデオカメラ1000と、インターネット1002上のDsec認証サーバ1003およびリアルタイム監視サービス事業者1010と、Dsecデコーダをあらかじめ実装しインターネット接続機能を有するリアルタイム監視サービス加入者端末1015(PCや携帯端末など)の間で本発明の動画セキュリティ認証システムを構成し、リアルタイム動画監視サービスを実現する例である。
【0043】
リアルタイム動画監視サービスは、たとえば道路や街頭、乗り物内、公共施設内、企業内、家庭内などに設置した監視用ビデオカメラで撮影した動画を、サービス加入者にリアルタイム或いは年月日時分秒や場所の情報を付加して配信するサービスで、防犯や防災上特に有用であり幅広く使用されている。このサービスに動画セキュリティ認証システムを適用することにより、サービス加入者(たとえば公共事業体、警察、施設管理者、企業、個人)は安全で信頼のおける映像情報を入手することが可能になる。
【0044】
図10の実施例4において、監視用ビデオカメラ1000は、あらかじめ認証された電子証明書1001をインターネット1002を介してDsec認証サーバ1003に要求して取得し、保存する(ステップ1004)。監視用ビデオカメラ1000は、動画セキュリティ認証システムを用いる種々のアプリケーション・ソフトウェアを、ダウンロードして(ステップ1005)保存し(ステップ1006)使用することができる。監視用ビデオカメラ1000で撮影(ステップ1007)されたオリジナル動画コンテンツは、監視用ビデオカメラ1000のアップロード・コマンド(ステップ1008)により、内蔵されたDsecエンコーダ(1009)に渡されてDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとなり、インターネット1002を介してリアルタイム動画監視サービス事業者1010に送られる(ステップ1011)。リアルタイム動画監視サービス事業者1010は受信動画コンテンツの送信者をDsecデコーダ1012で確認し、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとして保存する(ステップ1013)。リアルタイム監視サービス加入者1015はリアルタイム監視サービス事業者1010に対して、保存されたDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツのダウンロードを要求して取得し(ステップ1014)、Dsecデコーダで撮影者を確認後(ステップ1016)、再生する(1017)ことができる。
【0045】
はじめに説明したDRM技術はコンテンツの配信者がコンテンツをその正当な利用者に配信する過程で第三者により不正利用されるのを防止する技術なので、この技術を本発明の動画セキュリティ認証システムに適用すれば、本発明の動画セキュリティ認証システムにより認証されたオリジナル動画コンテンツを、配信の途中で不正に利用されることなく利用者に配信できる。
【0046】
たとえば図10の本発明の動画セキュリティ認証システムの実施例4において、監視用ビデオカメラ1000からリアルタイム監視サービス事業者1010にオリジナル動画コンテンツをアップロードするステップ1011、およびリアルタイム監視サービス事業者1010からリアルタイム監視サービス加入者1015にオリジナル動画コンテンツをダウンロードするステップ1014にDRM技術を使用することにより、安全で信頼のおける監視映像情報を他者に不正利用されることなく利用者に伝達できるようになり、高い信頼性と高度な秘匿性をもつリアルタイム動画監視サービスの実現が可能になる。また、従来は証拠の効力が無かった動画が証拠力を持つようになる。
【0047】
以上詳細に説明したように、本発明の動画セキュリティ認証システムによれば、ネットワーク上のコンテンツ保存・共有・配信サイトに配信目的で投稿される動画コンテンツがオリジナル・コンテンツ、すなわち投稿者が原本として作成し、他者の作成したコンテンツからの複製・引用・盗用・改ざんなどを含まずかつウィルスの埋め込みや違法の内容を含まないコンテンツ、であることを配信者が確認し、利用者に対して保証することが可能となるので、利用者が安心して視聴できる動画コンテンツを提供する動画保存・共有・配信サービスが可能となる。
【0048】
なお以上の説明において、本発明の動画セキュリティ認証システムはオリジナル動画コンテンツの配信者の認証を行うシステムとして説明したが、保存・共有・配信の対象となるオリジナル・コンテンツは動画のみに限られるものではなく、オリジナル静止画コンテンツ、オリジナル音コンテンツ、オリジナル文章コンテンツまたはそれらの組合わせを含むものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の動画セキュリティ認証システムにより利用者が安心して視聴できる動画コンテンツを提供する動画保存・共有・配信サービスが可能となるので、ネットワークの管理・運用者やISPにとって利用価値が大きい。さらにネットワーク上でのコンテンツ著作権侵害防止に有効であり、著作権者の権利を守ることができる。
【符号の説明】
【0050】
100 ネットワーク
101 認証要求
102 要求元認証情報
103 登録済要求元認証情報
104 電子証明書
105 オリジナル動画コンテンツ
106 Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツ
107 動画コンテンツ
109 警告情報
110 Dsec認証サーバ
111 Dsecエンコーダ
112 Dsecデコーダ
201 Dsec認証ID
301 CRC符号の計算結果
302 埋め込みルール
303 Dsec認証ID
401 ステップ
402 ステップ
403 ステップ
501 ステップ
502 ステップ
503 ステップ
504 オリジナル動画コンテンツ
505 Dsec認証ID505
507 ステップ
508 送信側CRC符号計算結果
509 ステップ
510 ステップ
511 警告情報
600 Dsec認証サーバ110の基本動作
601 オリジナル動画コンテンツの投稿者
602 利用者登録の手順
603 ステップ
604 公的認証機関
605 電子証明書
606 ステップ
607 ステップ607
608 ステップ
609 ステップ
610 ステップ
611 ステップ
700 Dsec認証サーバ
701 利用者登録ステップ
702 公的認証機関
703 利用者登録ステップ
704 オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者
705 オリジナル動画コンテンツ視聴者
706 ステップ
707 基本動作ステップ
708 電子証明書
709 オリジナル動画コンテンツ
710 Dsecエンコーダ
711 Dsecデコーダ
712 ステップ
713 ステップ
714 ステップ
715 Dsecデコーダ
716 ステップ
717 ステップ
800 インターネット
801 オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者
802 Dsec認証サーバ
803 ホームネットワーク
804 個人用ビデオカメラ
805 ホームネットワーク機器
806 電子証明書
807 ステップ
808 ステップ
809 ステップ
810 Dsecエンコーダ
811 ステップ
812 Dsecデコーダ
813 ステップ
814 ステップ
815 ステップ
816 ステップ
817 ステップ
900 ビデオカメラ付携帯電話端末
901 電子証明書
902 インターネット
903 Dsec認証サーバ
904 ステップ
905 ステップ
906 ステップ
907 ステップ
908 ステップ
909 Dsecエンコーダ
910 オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者
911 ステップ
912 Dsecデコーダ
913 ステップ
914 ステップ
915 ステップ
916 ステップ
1000 監視用ビデオカメラ
1001 電子証明書
1002 インターネット
1003 Dsec認証サーバ
1004 ステップ
1005 ステップ
1006 ステップ
1007 ステップ
1008 ステップ
1009 Dsecエンコーダ
1010 リアルタイム動画監視サービス事業者
1011 ステップ
1012 Dsecデコーダ
1013 ステップ
1014 ステップ
1015 リアルタイム監視サービス加入者
1016 ステップ
1017 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、認証要求に含まれる要求元認証情報をあらかじめ登録された登録済要求元認証情報と照合し両者が一致すれば、認証応答としてあらかじめ要求元に対して認定された電子証明書を出力するDsec認証サーバと、
オリジナル動画コンテンツを入力し、そのオリジナル動画コンテンツに対する認証要求を前記Dsec認証サーバに要求し、前記Dsec認証サーバの認証応答として出力される前記電子証明書を前記オリジナル動画コンテンツに付加したものを、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとして前記ネットワークに出力するDsecエンコーダと、
前記ネットワークから動画コンテンツを入力し、入力した前記動画コンテンツが前記Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツであればそれを前記電子証明書と前記オリジナル動画コンテンツとに分離し、分離された前記電子証明書を出力してその情報をGUI(Graphical User Interface)上に表示させるとともに分離された前記オリジナル動画コンテンツをそのまま出力し、前記入力した動画コンテンツが前記Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツでなければ警告情報を出力して前記GUI上に表示させるDsecデコーダと、
を含むことを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項2】
前記請求項1記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
接続されるネットワークがインターネット、インターネット上に構築されるWAN、広域IPネットワーク、閉域IPネットワークのいずれかであることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項3】
前記請求項2記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsecエンコーダが、オリジナル動画コンテンツを作成する装置のOS(Operation System、基本ソフトウェア)上で動作するアプリケーション・ソフトウェアとして実装されることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項4】
前記請求項2記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsecエンコーダが、オリジナル動画コンテンツを入力するとそのオリジナル動画コンテンツに対する認証要求をネットワークを通じてDsec認証サーバに送り、Dsec認証サーバの認証応答として出力される電子証明書をDsec認証IDとして前記オリジナル動画コンテンツに付加したものをDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとして出力することを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項5】
前記請求項2記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsecエンコーダが、オリジナル動画コンテンツを入力するとそのオリジナル動画コンテンツに対する認証要求をネットワークを通じてDsec認証サーバに送り、Dsec認証サーバの認証応答として出力される電子証明書、および前記オリジナル動画コンテンツに対するCRC(Cyclic Redundancy Check)符号の計算結果を、あらかじめ定められた埋め込みルールに従って埋め込んだものをDsec認証IDとし、それを前記オリジナル動画コンテンツに付加したものをDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツとして出力することを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項6】
前記請求項2記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsecデコーダが、オリジナル動画コンテンツを再生または保存する装置のOS上で動作するブラウザ・プラグイン型の情報表示ソフトウェアとして実装されることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項7】
前記請求項2記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsecデコーダが、請求項4のDsecエンコーダに対応して動作するDsecデコーダであって、ネットワークから動画コンテンツを入力し、入力した前記動画コンテンツがDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツか否かを判定し、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツであれば、それを前記Dsec認証IDすなわち電子証明書と前記オリジナル動画コンテンツとに分離し、分離された前記電子証明書を出力してその情報をGUI上に表示させるとともに、分離された前記オリジナル動画コンテンツをそのまま出力し、前記入力した動画コンテンツが前記Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツでなければ、警告情報を作成・出力してGUI上にそれを表示させることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項8】
前記請求項2記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsecデコーダが、請求項5のDsecエンコーダに対応して動作するDsecデコーダであって、ネットワークから動画コンテンツを入力し、入力した前記動画コンテンツがDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツか否かを判定し、Dsec認証ID付オリジナル動画コンテンツであればそれをオリジナル動画コンテンツとDsec認証IDとに分離し、前記請求項5のDsecエンコーダとの間であらかじめ定められた埋め込みルールに従って前記Dsec認証IDを送信側CRC符号計算結果と電子証明書とに分離し、分離された前記証明書はそのまま出力してその情報をGUI上に表示させ、前記分離されたオリジナル動画コンテンツのCRC符号を計算し、その結果と送信側CRC符号計算結果が一致すれば前記分離されたオリジナル動画コンテンツを請求項5のDsecエンコーダが出力したオリジナル動画コンテンツと同一と判断してそのまま出力し、前記入力した動画コンテンツがDsec認証ID付オリジナル動画コンテンツでなければ警告情報を作成し出力してGUI上にそれを表示させることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項9】
前記請求項2記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsec認証サーバが、ネットワークに接続され、認証要求に含まれる要求元認証情報をあらかじめ登録された登録済要求元認証情報と照合し、両者が一致すれば、認証応答としてあらかじめ要求元に対して認定された電子証明書を発行し、保存し、出力することを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項10】
前記請求項9記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsec認証サーバが、前記ネットワークの運用者が管理・運用する装置のOS上で動作するウェブ・アプリケーション・ソフトウェアとして実装されることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項11】
前記請求項9記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsec認証サーバが、あらかじめ公的認証機関から認証(電子証明書)を受けることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項12】
前記請求項1〜11の内、いずれか1項記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsec認証サーバとオリジナル動画コンテンツ投稿者とオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者とオリジナル動画コンテンツ視聴者により構成されるオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信システムに使用され、前記Dsec認証サーバから前記オリジナル動画コンテンツ投稿者にDsecエンコーダが配信され、前記Dsec認証サーバから前記オリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者および前記オリジナル動画コンテンツ視聴者にDsecデコーダが配信されることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項13】
前記請求項12記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
前記オリジナル動画コンテンツ投稿者と前記オリジナル動画コンテンツ視聴者がそれぞれ複数存在することを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項14】
前記請求項1〜11の内、いずれか1項記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
インターネット上のオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者と、インターネット上のDsec認証サーバと、DsecエンコーダおよびDsecデコーダをあらかじめ実装しホームネットワーク経由でインターネットに接続される個人用ビデオカメラと、Dsecデコーダをあらかじめ実装し前記ホームネットワークに接続されるホームネットワーク機器により構成されるオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信システムに使用されることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項15】
前記請求項1〜11の内、いずれか1項記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
DsecエンコーダおよびDsecデコーダをあらかじめ実装しインターネット接続機能を有するビデオカメラ付多機能携帯端末と、インターネット上のDsec認証サーバおよびDsecデコーダをあらかじめ実装し、インターネット上のオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信事業者より構成されるオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信システムに使用されることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項16】
前記請求項1〜11の内、いずれか1項記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
Dsecエンコーダをあらかじめ実装しインターネット接続機能を有する監視用ビデオカメラと、インターネット上のDsec認証サーバおよびリアルタイム監視サービス事業者と、Dsecデコーダをあらかじめ実装しインターネット接続機能を有するリアルタイム監視サービス加入者端末により構成されるオリジナル動画コンテンツ保存・共有・配信システムに使用されることを特徴とする動画セキュリティ認証システム。
【請求項17】
前記請求項1〜16の内、いずれか1項記載の動画セキュリティ認証システムにおいて、
オリジナル動画コンテンツがオリジナル静止画コンテンツ、オリジナル音コンテンツ、オリジナル文章コンテンツまたはそれらの組合わせを含むことを特徴とする動画セキュリティ認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−223364(P2011−223364A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91012(P2010−91012)
【出願日】平成22年4月11日(2010.4.11)
【出願人】(508162798)アクロスゲートグローバルソフトウエア株式会社 (1)
【Fターム(参考)】