説明

動画像編集装置

【発明の詳細な説明】
〔概要〕
テレビ放送製作、ビデオ製作、ハイパーメディアの動画製作などにおける動画像編集装置に関し、 素人でも簡単かつ容易に編集できることを目的とし、 編集されるべき動画像がカット単位で記憶されている動画ランダムアクセス記憶装置と、該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されているカットの順序を予め記憶しているカット順序テーブルと、 該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されている各カットの動画像のうち各カットの代表フレームの画像を該カット順序テーブルのカット番号に従って順次取り出す代表フレーム取り出し装置と、該代表フレーム取り出し装置により順次取り出された代表フレーム画像を夫々静止画像として編集ディスプレイに所定数一覧表示する静止画表示装置と、該カット順序テーブルのカット番号を任意に修正する修正手段と、該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されている各カットの動画像を該カット順序テーブルのカット番号に従って順次再生する動画順序再生装置と、該動画順序再生装置から取り出された動画像を記録媒体に記録する動画記録装置とを有するよう構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は動画像編集装置に係り、特にテレビ放送製作、ビデオ製作、ハイパーメディアの動画製作などにおける動画像編集装置に関する。
近年、イメージをより正確に、より感動を与えるために、動画を使ったプレゼンテーションが多く使われるようになってきた。また、携帯型ビデオカメラや8ミリカメラなどの普及により、誰でも容易に映像を撮影できるようになってきた。
しかし、映像として完成させるためには、撮影してきたビデオテープ(素材テープと呼ぶ)を見易い順序に並べ直したり、標題や説明を入れたり、音楽を付けるなどの編集を行なう必要がある。この編集において最も重要なのが情報の主要部をなす動画像の編集である。
〔従来の技術〕
第9図は従来の動画像編集装置の一例の構成図を示す。同図中、1は一台以上の入力用ビデオデッキで、夫々一つ以上の素材テープを再生する磁気記録再生装置(VTR)である。2は編集機、3は出力用ビデオデッキである。出力用ビデオデッキ3は未記録磁気テープに対して編集結果を記録するVTRである。編集機2は入力用ビデオデッキ1により素材テープ中の所望の動画像を所望の順番で再生させ、その再生動画像を出力用ビデオデッキ3へ入力して出力用ビデオデッキ3によりその未記録テープに記録させる。これにより、出力用ビデオデッキ3の未記録テープは編集された動画像が時系列的に合成されて記録された編集済テープとなる。
ここで、上記の動画像編集(所謂ビデオ編集)には、第10図に示すようにアセンブリ編集とインサート編集があることが知られている(西澤利治「父のビデオ撮影術」実務教育出版)。アセンブリ編集は複数の素材テープA〜Cから必要な部分を取り出し、それらを時系列的に合成して未記録磁気テープに記録して編集済テープを作成する方法である。一方、インサート編集は一つの素材テープの所望区間に、別の素材テープの所望の動画像を挿入記録することにより編集済テープを作成する方法で、素材テープに記録されているコントロール信号に同期させながら上記の挿入記録を行なう。
上記のアセンブリ編集は簡単にはビデオデッキ2台で行なうことができる反面、後から特定のカットの動画像を入れ換えることができないので、事前にでき上がりの構成をよく検討しておかなければならない。これに対し、インサート編集は編集済テープの時間順序にこだわらず編集ができる反面、コントロール信号を制御できる高級なビデオデッキを必要とする。なお、上記のコントロール信号を通常、磁気テープの長手方向に沿って1フレーム周期で既記録映像信号に同期してコントロールヘッドにより記録されていることは周知の通りである。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、上記従来の動画像編集装置では、コントロール信号に基づいて所望の動画像の頭出しをしたり、出力用ビデオデッキ3の編集済テープのコントロール信号と編集機2からの信号中のコントロール信号の位相を同期させたりすることができるビデオデッキが2台以上必要となり、このようなビデオデッキは民生用のものにはなく、数十万円以上の高価な業務用のものが必要である。また、編集者は特にアセンブリ編集の場合は最終的な編集済テープの記録画像の構成(編集内容)を予め編集前に十分検討しておかなければならないが、素材テープにどのような内容の動画像が記録されているかが簡単に一覧表示できなかったので、経験の浅い編集者や素人には大変使い勝手が悪いものであった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、素人でも簡単かつ容易に編集できる動画像編集装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は請求項1乃至5記載の発明(第1発明乃至第5発明)の原理構成図を示し、各図中、同一構成部分には同一符号を付してある。11は動画ランダムアクセス記憶装置で、編集されるべき動画像がカット単位で記憶されている。12はカット順序テーブルで、動画ランダムアクセス記憶装置11に記憶されているカットの順序を予め記憶している。13は代表フレーム取り出し装置で、動画ランダムアクセス記憶装置11に記憶されている各カットの動画像のうち各カットの代表フレームの画像をカット順序テーブル12のカット番号に従って順次取り出す。
14は静止画表示装置14で、上記の代表フレームの画像を夫々静止画像として編集ディスプレイ15に所定数一覧表示する。16は入力装置、17は修正装置で、これらはカット順序テーブル12のカット番号を任意に修正する修正手段を構成している。18は動画順序再生装置で、動画ランダムアクセス記憶装置11に記憶されている各カットの動画像をカット順序テーブル12のカット番号に従って順次再生する。19は動画記録装置で、動画像を記録媒体に記録する。時刻計算装置21はカット順序テーブル12の各カット情報に基づいて各カットの画像表示の時刻を計算する。また、時刻表示装置22は各カットの表示時刻を編集ディスプレイ15に表示される各カットの代表フレーム静止画像に関連して表示する。
部分動画再生装置24は外部入力によりカット順序テーブル12中の所望カット情報を指定し、その指定カットの動画像を動画ランダムアクセス記憶装置11から読み出して編集ディスプレイ15の対応する代表フレーム表示画面に表示する。
代表フレーム指定装置25は所望カットの動画像中のフレームを外部入力により指定されることにより、指定フレームをそのカットの代表フレームとしてカット順序テーブル12の内容を変更する。
動画再生装置27は編集されるべき動画像がカット単位で時系列的に合成されている映像信号を再生する。カット判別装置28は上記再生映像信号のフレーム間の情報変化量が所定値以上のときカット変更信号を出力し、その時点の動画ランダムアクセス記憶装置11からの記憶アドレスに基づくカット変更情報をカット順序テーブル12に書き込む。
〔作用〕
第1図において、本発明ではカット単位の動画像が時系列的に合成されて記録されている素材テープの記録画像が、ランダムアクセス可能な動画ランダムアクセス記憶装置11にダビング記録されると共に、その順序及び各カットの開始アドレス及び終了アドレスをテーブルとしてカット順序テーブル12に記憶しておく。
代表フレーム取り出し装置13がカット順序テーブル12を参照しながら動画ランダムアクセス記憶装置11からそのカット動画像を取り出し、静止画表示装置14によって編集ディスプレイ15の適当な位置に代表フレーム画像を静止画として表示する。
編集者はこの編集ディスプレイ15の表示画面を見ながら、入力装置16によってカットの再生順序を変更するように指示する。この指示に従って修正装置17はカット順序テーブル12中、再生順序を変更するカットの情報を書き直す。
このようにして、各カットの再生順序を編集者の希望の順序に並べ換えた後、編集者が動画順序再生装置18の再生を指示すると、動画順序再生装置18はカット順序テーブル12に従って、動画ランダムアクセス記憶装置11に記憶されている各カットの動画像を再生し、動画記録装置19へ供給して記録媒体に記録させる。
このようにして、編集者は編集ディスプレイ15に一覧表示されている所定数の各カットの代表フレーム静止画像を見ながら、必要に応じてカットの順番を変更したり取捨選択することができ、これにより希望の構成の編集済記録媒体を製作することができる。
なお、代表フレーム取り出し装置13はカットの先頭フレーム、中央フレーム、指定フレーム等いずれのフレームも取り出し可能である。
また、時刻計算装置21はカット順序テーブル12に記憶されているカットのフレーム数から時間を計算し、そのカットが表示され始める時刻を計算する。時刻表示装置22はこれに基づき、編集ディスプレイ15に表示されている代表フレーム画像に関連させて、そのカットの再生される時刻を表示する。その表示方法は数字でも、各代表フレーム画像の間隔でもよい。
このようにして、本発明では編集者が代表フレーム画像が表示される時刻が一見してわかるようになるため、全体の長さ(時間)が制限されている編集用記録媒体に対して、各カットの時間的バランスを容易にとることができる。
さらに、部分動画再生装置24はカット順序テーブル12と動画ランダムアクセス記憶装置11から、そのカットの画像を取り出し、縮小し、編集ディスプレイ15の画面上の対応するカットの表示画面で再生する。
これにより、本発明では任意のカットの代表フレームだけでなく、そのカットの他のフレームも動画像として見ることができる。
また、代表フレーム指定装置25が入力装置16の入力に基づく代表フレームを指示し、カット順序テーブル12に記憶されているそのカットの代表フレームを修正する。これにより、本発明ではカットの代表フレームを先頭や中央のフレームに固定することなく、そのカット中最もそのカットの内容を表わすと思われるフレームを代表フレームとすることができる。
また、カット判別装置28は動画再生装置27で再生され動画ランダムアクセス記憶装置11に記憶される各カットの動画像の時系列合成映像信号が入力され、そのフレーム間の輝度や色度等の情報量が所定値以上変化した時、カット変更信号を出力する。すなわち、各カットの動画像間には映像信号の関連性が無いのが通常だからである。
上記のカット変更信号が出力されると、動画ランダムアクセス記憶装置11からその時の記憶アドレスを読み出して、それに基づいてカット順序テーブル12のカット情報を記憶させる。従って、本発明ではカットの切れ目を編集者が目で見て確認するのではなく、自動的にカットの切れ目が判別され、かつ、自動的にカット順序テーブル12へのカット情報の記憶ができる。
〔実施例〕
第2図に本発明の一実施例の要部の説明図を示す。第2図2図中、31はビデオディスク、32はビデオデッキ、33はモニタである。ビデオディスク31は編集されるべき各カットの動画像が時系列的に合成された映像信号が記録されたビデオディスクで、前記した動画ランダムアクセス記憶装置11に相当する。
カット順序テーブル12は「カット番号」,「開始セクタ」,「終了セクタ」,「代表フレームセクタ」及び「表示位置」がカット単位でまとめられたテーブルで、「カット番号」,「開始セクタ」及び「終了セクタ」は編集前に予めビデオディスク31が作成された段階で記憶される。ここに「開始セクタ」及び「終了セクタ」はビデオディスクのアドレスに相当し、1セクタは1フレームの映像記録再生区間に相当する。
編集開始により、まず代表フレーム取り出し装置13がカット順序テーブル12の代表フレームセクタの欄に、カット順序テーブル12のそのカットの開始セクタを代入し(ステップ131)、その後ビデオディスク記録再生装置31を制御していま代入した代表フレームセクタから始まる画像を1セクタ(1フレーム)分、ビデオディスクから再生する(ステップ132)。これにより、ビデオディスク31からは各カットの代表フレームの1フレーム分の動画像が順次カット番号順に再生されて静止画表示装置14へ供給される。
静止画表示装置14は入力動画像を4ピクセルとばしては1ピクセル取り出すという方法で縮小された静止画像を生成した後(ステップ141)、これを編集ディスプレイ15の画面(編集画面)の左上から順に下方向に配列表示すると共に、その表示位置をカット順序テーブル12の表示位置欄に書き込む(ステップ142)。
第3図は編集画面の一例を示し、401〜408は夫々8つのカットの代表フレームの縮小された静止画像、41は後述のモニタ33へ供給された映像信号によるモニタ画像、42は音量モニタ画像で横軸は時間、縦軸はモニタ画像の音量レベルを示す。また、43は機能ボタンで、モニタ画像を静止画から動画像へ切換えたり、画像を修正したりするため等に用いる。なお、カットが9以上ある場合は、例えば4カット単位で代表フレームの静止画像が切換え表示される。
編集者はこの編集画面を見て、必要なカットの代表フレーム静止画像を第2図のマウス161でクリックすることにより、そのカットを選択し、キーボード162により希望のカット番号を入力する。
修正装置17は上記のマウス161とキーボード162の各入力を取り込み(ステップ171)、マウス161のクリックした位置情報とカット順序テーブル12の表示位置欄の値から指定された画像の示すカットを割り出し、その列のカット番号欄にキーボード162から入力された数字(カット番号)を書き込む(ステップ172)。更に、修正装置17はキーボード162から入力されたカット番号と同じ番号がカット順序テーブル12のカット番号欄にあるときは、その番号以降を順次繰り下げる(ステップ173)。
編集者は、再生を指示すると、動画順序再生装置18がカット順序テーブル12のカット番号の小さい順に開始セクタから終了セクタまでの動画像をビデオディスク31から再生し、それをビデオデッキ32に供給する。ビデオデッキ32はこの入力再生動画像を磁気テープに記録して編集済テープを作成すると共に、モニタ33によりその動画像を表示させる。編集者はこのモニタ画像を見て、編集の出来上がりを確めることができる。なお、編集画面中に第3図に41で示す如くモニタ画像を表示させることもできる。
このように、本実施例によれば、編集者は各カットの一覧表示画像を見ながら必要に応じて動画を再生して結果を確認しながら全体の構成を考えることができるため、従来に比べてはるかに簡単かつ容易に動画像の編集ができる。
次に、時刻計算装置21及び時刻表示装置22について説明する。第4図に本発明の一実施例の時刻計算装置及び時刻表示装置の説明図を示す。第4図中、カット順序テーブル12には第1実施例のものに更に時間欄と時刻欄とが付加されている。
時刻表示装置21は各カット毎に(終了セクター開始セクタ)/(1フレームのセクタ数×30)
なる式に基づく演算を行なって表示時間(単位:秒)を算出し、それをカット順序テーブル12の時間欄に書き込んでいく(ステップ211)。なお、動画像の1フレームは1/30秒で表示されるものとし、また1フレームのセクタ数は例えば“1"である。
次に時刻計算装置21は初期値を0秒とし、カット番号の小さい順に時間を積算して各カットの表示開始時刻を算出し、それを対応するカットのカット順序テーブル12中の時刻欄に書き込む(ステップ212)。
次に時刻表示装置22はカット順序テーブル12のカットの小さい順に上記時刻表示欄の値を画像信号に変換すると共に、表示位置欄の値に基づいて編集画面上、そのカットの代表フレームが表示されている位置の例えば左側に上記画像信号を表示するようなタイミングで編集ディスプレイ15へ該画像信号を送出する。
これにより、編集画面は第5図に示す如く、各カットの代表フレーム静止画像の左側に数字で示される時刻が表示される。なお、矢印51はマウスのカーソルで、カットを選択するためのものである。
なお、上記の時刻表示の方法は第5図のものに限らず、第6図(A)に示す如く帯状部52,53上に各カットの代表フレーム静止画像501〜504,505〜508を配置すると共に、時間の長さに応じてそれら静止画像の間隔を変えて表示する方法、あるいは第6図(B)に示す如く、画面中央に縦長の矩形部54を擬似的なテープ画像として配置し、そのどこにくるかを時刻から計算し、矢印などのインデックスで表示する方法などでもよい。第6図(A)の表示方法では、実際のフィルム感覚により近い表示ができ、第6図(B)の表示方法ではカットの配列が一見でわかる。本実施例によれば、編集者は時間的感覚も含めて全体の構成を考え、編集済テープを作成することができる。
次に部分動画再生装置24及び代表フレーム指定装置25について説明する。第7図に本発明の一実施例の部分動画再生装置及び代表フレーム指定装置の説明図を示す。
編集者は編集画面を見ながら動画像を表示しようとするカットの代表フレーム静止画像にマウス161のカーソルを合わせてクリックする。すると、部分動画再生装置24はまずマウス161からの入力位置とカット順序テーブル12中の表示位置欄の情報から、カット順序テーブル12のどのカット番号をクリックしたかを見付ける(ステップ241)。そして、見付けたカット番号の開始セクタ欄の値を表示中セクタという変数に代入し(ステップ242)、表示中セクタから始まる1フレーム分の画像をビデオディスク31から再生し(ステップ243)、それを4ピクセル飛ばしに1ピクセル取り出し縮小画像を作り(ステップ244)、そのセクタ番号の表示位置欄の表示位置にその縮小画像を表示する(ステップ245)。そして表示中セクタの値を1フレーム分のセクタ数を加算した値に更新した後(ステップ246)、再びステップ243に戻り、更新後の表示中セクタから始まる1フレーム分の値をビデオディスク31から再生し、その縮小画像を作って同じ表示位置に表示する(ステップ244,245)。そして、再び表示中セクタの値を1フレーム分のセクタ数だれ更新する(ステップ246)。
以下、上記のステップ243〜246の動作は表示中セクタの値がそのカット番号の終了セクタを超す値になるまで繰り返される。これにより、指定したカットの代表フレーム静止画像表示位置には、そのカット全体の動画像が縮小して表示される。これにより、編集者はそのカットがどんなカットであったかを簡単に確認することができる。
なお、部分動画再生装置24の動作としては、指定カット番号の開始セクタから終了セクタまでの画像をまとめて再生し、縮小し、その後一括して1秒に30枚の速度でフレーム画像を表示するようにしてもよい。
なお、ステップ245で1画面表示した後、代表フレーム指定装置25がマウス161からのクリックがあったか調べ(ステップ251)、クリックがあった場合はカット順序テーブル12の代表フレームをセクタ欄に表示中セクタの値を代入する(ステップ252)。
これにより、そのカットの代表フレームがクリックしたときの画像になり、次に編集ディスプレイ15のカット代表フレーム一覧表示があったとき、そのカットの代表フレームとしてその画像が表示されるようになる。従って、この場合は編集者がそのカットのイメージを想起し易い代表フレームを見ながら全体の構成を考えることができるようになる。
次に動画再生装置27及びカット判別装置28について説明する。第8図に本発明の一実施例の動画再生装置及びカット判別装置の説明図を示す。第8図中、ビデオデッキ60は動画再生装置27に相当するVTRである。ビデオデッキ60で再生されたアナログ映像信号(例えばNTSC方式カラー映像信号)は、各カットの動画像の時系列合成信号でビデオディスク31に記録される一方、A/D変換器281に供給され、ここでディジタル信号に変換された後2分岐され、一方は1フレーム遅延回路282を通して減算回路283に入力され、他方は直接減算回路283に入力される。
減算回路283からは1フレーム間隔の2つのピクセルの輝度の差分値が取り出され、この差分値は加算回路284で1フレーム分加算されて輝度の差分値の総和とされる。比較回路285は上記の1フレームにおける輝度の差分値の総和と定数回路286よりの予め定めた定数とを夫々比較し、輝度の差分値がこの定数より大なるときはカットが変わったものとしてカット変更信号を出力する。なお、上記の定数は経験的に、全ピクセルの最高輝度の総和の1/6である。
上記のカット変更信号が出力されると、カット判別装置28はビデオディスク31から現在書き込んでいるセクタを読み出し、この一つ前のセクタでカットが変わっていると考え、読み出したセクタから“1"を差し引いた値を列ポインタが示すカット順序テーブル12中の終了セクタの欄に書き込み(ステップ287)、カットが変わったのでカット順序テーブル12の列ポインタを“1"加算し(ステップ288)、その後カット順序テーブル12中列ポインタの指す列の開始セクタの欄に上記の読み出したセクタの値を書き込む(ステップ289)。
これにより、編集前のカット分け作業が自動化されるため、編集者がカットの切れ目をモニタ画像を目で見て判定する作業をなくすことができ、編集者はこの前処理から開放されるため、編集の作業に集中することができる。
なお、カット判別装置28は再生映像信号のフレーム間の情報変化量として輝度の代りに色度を用いてもよく、また、1フレーム分の総和の代りに変化のあったピクセルの数を数えるようにしてもよい。
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、ビデオディスク31の代りに動画ランダムアクセス記憶装置11として、半導体を用いた画像記憶装置、磁気ディスクを用いた画像記憶装置でもよい。また、代表フレームは終了フレーム、中央フレームいずれでもよい。更に修正装置17はマウスでカットをつかみ、入れたいカットとカットとの間へ持っていくことで順序を指定してもよい。また、カットの代表フレームの表示はカット順序テーブル12の列の順、カット番号の順のいずれでもよく、またこの時順序の指定を行なった毎に編集画面の画像を入れ換えてもよい。また更に、カットはシーンでもよい。
〔発明の効果〕
上述の如く、第1発明によれば、編集者は各カットの代表フレームの静止画像の一覧表示を見て、必要に応じて代表フレームを指示することにより、指示された代表フレームの動画像が表示されるので、実際の動画像を見ながら編集ができるため、編集の全体の構成をまとめやすくでき、編集作業が使い易くでき、また、第2発明によれば、各カットの時間的バランスを考慮に入れることができ、また、第3発明によれば、カットのイメージを想起し易い代表フレームを表示することができるため、編集者は全体の構成を考えて編集済記録媒体を完成することが容易にでき、また、第4発明によれば、編集前のカット分け作業から編集者が開放されるため、編集作業に集中でき、編集装置をより一層使い勝手のよいものとすることができ、さらに、第5発明によれば、カットのイメージを想起し易い代表フレームを表示することができるため、編集者は全体の構成を考えて編集済記録媒体を完成することが容易にできる等の特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理構成図、
第2図は本発明の一実施例の要部の説明図、
第3図は編集画面の一例を示す図、
第4図は本発明の一実施例の時刻計算装置及び時刻表示装置の説明図、
第5図は編集画面の時刻表示例を示す図、
第6図は編集画面の時刻表示の他の例を示す図
第7図は本発明の一実施例の部分動画再生装置及び代表フレーム指定装置の説明図、
第8図は本発明の一実施例の動画再生装置及びカット判別装置の説明図、
第9図は従来の装置の一例の構成図、
第10図は編集の種類の説明図である。
図において、
11は動画ランダムアクセス記憶装置、
12はカット順序テーブル、
13は代表フレーム取り出し装置、
14は静止画表示装置、
15は編集ディスプレイ、
16は入力装置、
17は修正装置、
18は動画順序再生装置、
19は動画記録装置、
21は時刻計算装置、
22は時刻表示装置、
24は部分動画再生装置、
25は代表フレーム指定装置、
27は動画再生装置、
28はカット判別装置、
31はビデオディスク
を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】編集されるべき動画像がカット単位で記憶されている動画ランダムアクセス記憶装置と、該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されているカットの順序を予め記憶しているカット順序テーブルと、該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されている各カットの動画像のうち各カットの代表フレームの画像を該カット順序テーブルのカット番号に従って順次取り出す代表フレーム取り出し装置と、該代表フレーム取り出し装置により順次取り出された代表フレーム画像を夫々静止画像として編集ディスプレイに所定数一覧表示する静止画表示装置と、外部入力により前記カット順序テーブル中の所望のカット情報を指定し、前記動画ランダムアクセス記憶装置から該指定カットの動画像を読み出して前記編集ディスプレイの対応する前記代表フレーム表示画面に表示する部分動画再生装置と、該カット順序テーブルのカット番号を任意に修正する修正手段と、該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されている各カットの動画像を該カット順序テーブルのカット番号に従って順次再生する動画順序再生装置と、該動画像順序再生装置から取り出された動画像を記録媒体に記録する動画記録装置とを有することを特徴とする動画像編集装置。
【請求項2】前記カット順序テーブルのカット情報に基づいて各カットの画像表示の時刻を計算する時刻計算装置と、該時刻計算装置により計算された各カットの表示時刻を前記編集ディスプレイに表示される各カットの代表フレーム静止画像に関連して該編集ディスプレイに表示する時刻表示装置とを更に有することを特徴とする請求項1記載の動画編集装置。
【請求項3】前記部分動画再生装置により前記編集ディスプレイに表示されている所望カットの動画像中のフレームを外部入力により指定されることにより、該指定フレームをそのカットの代表フレームとして前記カット順序テーブルの内容を変更する代表フレーム指定装置を更に有することを特徴とする請求項1記載の動画像編集装置。
【請求項4】編集されるべき動画像がカット単位で記憶されている動画ランダムアクセス記憶装置と、該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されているカットの順序を予め記憶しているカット順序テーブルと、該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されている各カットの動画像のうち各カットの代表フレームの画像を該カット順序テーブルのカット番号に従って順次取り出す代表フレーム取り出し装置と、該代表フレーム取り出し装置により順次取り出された代表フレーム画像を夫々静止画像として編集ディスプレイに所定数一覧表示する静止画表示装置と、該カット順序テーブルのカット番号を任意に修正する修正手段と、該動画ランダムアクセス記憶装置に記憶されている各カットの動画像を該カット順序テーブルのカット番号に従って順次再生する動画順序再生装置と、該動画像順序再生装置から取り出された動画像を記録媒体に記録する動画記録装置と、編集されるべき動画像がカット単位で時系列に合成されている映像信号を再生して前記動画ランダムアクセス記憶装置に記憶する動画再生装置と、該動画再生装置から再生映像信号のフレーム間の情報変化量が所定値以上のときカット変更信号を出力し、その時点の該動画ランダムアクセス変更信号を出力し、その時点の該動画ランダムアクセス記憶装置からの記憶アドレスに基づくカット変更情報を前記カット順序テーブルに書き込むカット判別装置とを有することを特徴とする動画像編集装置。
【請求項5】前記カット順序テーブルのカット情報に基づいて各カットの画像表示の時刻を計算する時刻計算装置と、該時刻計算装置により計算された各カットの表示時刻を前記編集ディスプレイに表示される各カットの代表フレーム静止画像に関連して該編集ディスプレイに表示する時刻表示装置とを更に有することを特徴とする請求項4記載の動画編集装置。

【第3図】
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【第1図】
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【第2図】
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【第4図】
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【第5図】
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【第6図】
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【第7図】
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【第8図】
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【第9図】
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【第10図】
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【特許番号】第2698695号
【登録日】平成9年(1997)9月19日
【発行日】平成10年(1998)1月19日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平2−237698
【出願日】平成2年(1990)9月7日
【公開番号】特開平4−117686
【公開日】平成4年(1992)4月17日
【出願人】(999999999)富士通株式会社
【参考文献】
【文献】特開 昭63−131389(JP,A)