説明

動画情報提供サーバ、動画情報提供システム、ナビゲーション装置

【課題】収集された動画情報をより効率的に利用できる。
【解決手段】 動画情報提供サーバは、車両の走行時に撮影された動画情報および該動画情報の属性情報を取得し、記憶装置に格納する手段と、所定の経路に沿った動画情報で構成される経路動画情報の生成指示を外部の装置から受け付ける受付手段と、前記属性情報を用いて該経路動画情報を構成する動画情報を特定し、特定した該動画情報を用いて該経路動画情報を生成する経路動画情報生成手段と、生成した前記経路動画情報を前記外部の装置に送信する送信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画情報提供サーバ、動画情報提供システム、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドライブレコーダで撮影された動画情報を含む車両情報をサーバに送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−11148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サーバで収集された動画情報は、運転者の視点から見た画像情報を記録した利用価値の高い情報にも関わらず、事故原因の分析などに用いられるだけで、効率的な利用が図られていない。
【0005】
そこで、本発明は、収集された動画情報をより効率的に利用できるサーバの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る動画情報提供サーバは、車両の走行時に撮影された動画情報および該動画情報の属性情報を取得し、記憶装置に格納する手段と、所定の経路に沿った動画情報で構成される経路動画情報の生成指示を外部の装置から受け付ける受付手段と、前記属性情報を用いて該経路動画情報を構成する動画情報を特定し、特定した該動画情報を用いて該経路動画情報を生成する経路動画情報生成手段と、生成した前記経路動画情報を前記外部の装置に送信する送信手段と、備える、という構成を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る動画情報提供サーバによれば、収集された動画情報をより効率的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る動画情報提供システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るドライブレコーダの概略構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る動画情報提供サーバの概略構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る領域情報を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るプローブデータ、および、動画情報と動画IDとを対応付けた図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るドライブレコーダの機能ブロックを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の機能ブロックを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る動画情報提供サーバの機能ブロックを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るプローブデータ生成処理を示すフロー図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る動画情報蓄積処理を示すフロー図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る経路動画情報生成処理を示すフロー図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る経路動画情報生成処理の詳細を示すフロー図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る経路動画情報生成処理の詳細を示すフロー図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る不連続走行区間に係るプローブデータ履歴を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る不連続走行区間(右折ポイントが含まれる場合)に係るプローブデータ履歴を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るプローブデータ履歴を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態に係るシミュレーション処理に関する装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る動画情報提供システムについて説明する。
【0010】
図1は、動画情報提供システムの概略構成を示した図である。動画情報提供システムは、車両に搭載されたナビゲーション装置100およびドライブレコーダ50と、情報センタなどに設置される動画情報提供サーバ200と、パーソナルコンピュータであるユーザ端末300と、を備えている。なお、動画情報提供サーバ200は、ユーザ端末300を通じて旅行計画サイトを提供することができるウェブサイトサーバである。
【0011】
ナビゲーション装置100と動画情報提供サーバ200とは、インターネット網などのデジタル通信回線網cを介して、無線通信により相互に接続される。また、ユーザ端末300と動画情報提供サーバ200とは、デジタル通信回線網cを介して、有線通信または無線通信により相互に接続される。
【0012】
また、図示するように、ドライブレコーダ50やナビゲーション装置100で生成された所定の情報は、例えば、着脱可能な記録媒体に保存され、ユーザ端末300を介して、動画情報提供サーバ200へ送信することができる。
【0013】
図2は、本実施形態に係るナビゲーション装置100の概略構成を示した図である。ナビゲーション装置100は、演算処理装置1と、ディスプレイ10と、記憶装置11と、音声入出力装置13と、入力装置16と、ROM装置20と、車速センサ21と、ジャイロセンサ22と、GPS受信装置23と、FM多重放送受信装置24と、ビーコン受信装置25と、データ送受信装置26と、を備えている。また、これらの各装置やセンサは、バス6によって相互に接続され、データの受け渡しが可能な構成となっている。
【0014】
なお、ナビゲーション装置100とは、地図情報、交通情報の表示、推奨経路の探索、経路誘導など、いわゆるナビゲーション機能を実現することができる装置のことである。
【0015】
演算処理装置1は、ナビゲーション装置100の様々な処理を行う中心的なユニットである。演算処理装置1は、例えば、車速センサ21、ジャイロセンサ22といった各種センサや、GPS受信装置23などから出力される情報を用いて、ユーザの現在地を特定する。また、演算処理装置1は、記憶装置11に格納されている地図情報12を用いて、出発地および目的地を結ぶ推奨経路を探索する。また、演算処理装置1は、地図情報12、交通情報、誘導経路情報などをグラフィックス変換し、ディスプレイ10に出力する。また、演算処理装置1は、経路誘導を行うための音声情報を生成し、これをスピーカ15に出力する。
【0016】
また、演算処理装置1は、車両状態を示すプローブデータを生成する。具体的には、演算処理装置1は、ナビゲーション装置100に搭載される他の装置やセンサ、並びに、車両から取得した所定の情報を用いてプローブデータを生成し、データ送受信装置26を介して動画情報提供サーバ200へ送信する。
【0017】
図6(a)は、プローブデータ400の一例を示した図である。プローブデータ400には、車両を識別する車両ID401と、プローブデータを生成した日時を示す日時情報402と、プローブデータの生成時に車両が走行または停車していたリンクのリンクID403と、ドライブレコーダ50から取得した動画情報を識別する動画ID404と、車速情報405と、走行車線情報406と、天気情報407と、車種情報408と、が記録されている。このようなプローブデータ400は、車両状態を示すと同時に、動画情報の属性を示す属性情報でもある。なお、このようなプローブデータ400は、演算処理装置1によって定期的(例えば、1秒ごと)に生成される。
【0018】
図6(b)は、ドライブレコーダ50から取得した動画情報と動画ID404とを対応付けた図である。演算処理装置1は、1つのプローブデータ400を生成する度に、すなわち、1秒ごとに、ドライブレコーダ50から動画情報を取得する。また、後述するように、1つの動画情報には、例えば、所定数(例えば、5コマ)の静止画情報が含まれている。このような1秒間に5コマの静止画情報が含まれている1つの動画情報に対して、演算処理装置1は、1つの動画ID404を対応付ける。
【0019】
また、演算処理装置1は、ユーザから要求された経路(以下、「要求経路」という)に沿った動画情報(以下、「経路動画情報」という)を動画情報提供サーバ200から取得し、所定のシミュレーション処理を実行する。
【0020】
なお、演算処理装置1は、数値演算、各装置およびセンサの制御など、様々な処理を実行するCPU2(Central Processing Unit)と、プログラムやデータ、演算結果などを一時的に格納するRAM3と、プログラムやデータなどを格納するROM4(Read Only Memory)と、各種ハードウェアを演算処理装置と接続するためのI/F(インターフェース)5と、を有している。また、CPU2、RAM3、ROM4は、バス6によって相互に接続されている。
【0021】
図2に戻ってナビゲーション装置100の説明を続ける。ディスプレイ10は、演算処理装置1により生成されたグラフィックス情報を表示領域に表示させるユニットである。ディスプレイ10は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0022】
記憶装置11は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記録媒体で構成される。記憶装置11には、例えば、ナビゲーション機能に用いられる地図情報12、交通情報、経路情報、区間情報、辞書情報、などが格納されている。なお、地図情報12には、地図上の道路に関する情報であるリンク情報などが含まれ、かかる情報は地図上の所定の領域を複数の区画に分割した領域(例えば、メッシュ領域)ごとの領域情報に格納されている。また、地図情報は、地図上の各地点を一意に特定するため、XY座標で示される地点座標を有している。
【0023】
図5は、領域情報500を示した図である。領域情報500は、地図上の各領域が有するリンク情報503を含んだ情報である。なお、リンクとは、例えば、交差点などの各ノード間を結ぶ道路を意味し、リンク情報503には、かかる道路に関する情報が登録されている。
【0024】
領域情報500は、地図上の領域を識別するメッシュID501ごとに、各メッシュが有する道路のリンクID502と、各リンクID502に対応付けられているリンク情報503と、を有している。また、リンク情報503は、道路の両端を示す開始ノードおよび終了ノードの地点座標504と、一般道、有料道路、国道、県道といった道路の種別を示す道路種別情報505と、道路の名称が登録される道路名称情報506と、道路の長さを示すリンク長情報507と、道路を通過するのに要する時間を示す旅行時間情報508と、道路の開始ノードおよび終了ノードの各々に接続する他の道路のリンクIDが登録されている開始接続リンク/終了接続リンク情報509と、リンクの車線数を示す車線数情報510と、を有している。
【0025】
また、記憶装置11には、動画情報提供サーバ200から取得した経路動画情報が格納される。
【0026】
また、記憶装置11には、道路の白線を識別するための白線パターン情報(図示せず)が記憶されている。後述するように、白線パターン情報は、道路上の白線を識別するパターンマッチング処理に用いられる。
【0027】
再び図2に戻ってナビゲーション装置100の説明を続ける。音声入出力装置13は、音声入力装置としてのマイクロフォン14と、音声出力装置としてのスピーカ15と、を備える。マイクロフォン14は、ユーザが発した声など、ナビゲーション装置100の外部音声を採取する。また、スピーカ15は、演算処理装置1で生成したユーザへのメッセージを音声信号として出力する。
【0028】
入力装置16は、ナビゲーション装置100がユーザから所定の指示を受け付けるための装置である。具体的には、方向キー17、ダイヤルスイッチ18、タッチパネル19などで構成される。
【0029】
ROM装置20は、CD−ROMやDVD−ROMなどのROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記録媒体で構成されている。この記録媒体には、例えば、静止画情報や、音声情報などが記録されている。
【0030】
車速センサ21、ジャイロセンサ22およびGPS受信装置23は、ナビゲーション装置100が搭載される車両の現在地を検出するために使用される。
【0031】
車速センサ21は、車速の算出に用いられる情報を出力する。具体的には、車速センサ21は、検出した車輪の回転数をパルス信号に変換し、所定の時間内におけるパルス信号数といった所定の情報を出力する。
【0032】
ジャイロセンサ22は、光ファイバジャイロや振動ジャイロなどで構成され、移動体の回転による角速度を検出する。
【0033】
GPS受信装置23は、GPS衛星からの信号を受信して、車両とGPS衛星間の距離と、距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、車両の現在地、進行速度および進行方位を測定する。
【0034】
FM多重放送受信装置24は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などや、FM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0035】
ビーコン受信装置25は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコンなどの受信装置である。
【0036】
データ送受信装置26は、ナビゲーション装置100以外の外部装置との間で所定のデータを送受信する。例えば、データ送受信装置26は、演算処理装置1から取得したプローブデータ400および動画情報を動画情報提供サーバ200に送信する。また、データ送受信装置26は、動画情報提供サーバ200から経路動画情報を受信する。
【0037】
図3は、ドライブレコーダ50の概略構成を示した図である。ドライブレコーダ50は、車両に搭載され、ドライバの視点で撮影された映像である動画情報を生成する装置である。ドライブレコーダ50は、演算処理装置51と、撮像装置52と、記憶装置53と、I/F(インターフェース)54と、を備えている。また、これらの各装置は、バス55によって相互に接続され、データの受け渡しが可能な構成となっている。
【0038】
演算処理装置51は、ドライブレコーダ50の様々な処理を行う中心的なユニットである。具体的には、演算処理装置51は、撮像装置52を制御し、所定の時間内(例えば、1秒間)に所定数(例えば、5コマ)の静止画情報が含まれる動画情報を生成する。また、演算処理装置51は、生成した動画情報を記憶装置53に出力する。
【0039】
なお、演算処理装置51は、数値演算、各装置およびセンサの制御など、様々な処理を実行するCPU56(Central Processing Unit)と、プログラムやデータなどを格納するROM57(Read Only Memory)と、プログラムやデータ、演算結果などを一時的に格納するRAM58と、を有している。また、CPU56、ROM57、RAM58は、バス59によって相互に接続されている。
【0040】
撮像装置52は、例えば、CCD(Charge−Coupled Device)などの撮像素子やレンズを備え、演算処理装置51の制御に基づいて、レンズに映る被写体を撮影する。なお、撮像装置は、例えば、車両の前方方向にレンズを向けるようにして車内の運転席寄りに設置される。
【0041】
記憶装置53は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記録媒体で構成される。記憶装置53には、撮像装置52で撮影された所定時間分の動画情報が格納される。
【0042】
I/F(インターフェース)54は、ドライブレコーダ50と他の装置(例えば、ナビゲーション装置100)とを電気的に接続し、相互にデータ通信を可能とする。ドライブレコーダ50は、I/F54を介してナビゲーション装置100に接続され、生成した動画情報を送信する。
【0043】
図4は、動画情報提供サーバ200の概略構成を示した図である。動画情報提供サーバ200は、ユーザからの要求に応じて様々な処理を実行し、生成した情報をユーザに提供する。図示するように、動画情報提供サーバ200は、演算処理装置201と、データ送受信装置202と、記憶装置203と、を備えている。なお、これらの各装置は、バス204によって相互に接続され、データの受け渡しが可能な構成となっている。
【0044】
演算処理装置201は、動画情報提供サーバ200の様々な処理を行う中心的なユニットである。例えば、演算処理装置201は、旅行計画サイト(クラリオン株式会社提供「チズルとススム」)を介したユーザからの要求に応じて、推奨経路の探索やおすすめスポットなどに関する情報を生成する。また、演算処理装置201は、データ送受信装置202を介して、生成した情報をユーザ端末300に送信する。
【0045】
また、演算処理装置201は、ナビゲーション装置100やユーザ端末300から取得した動画情報に加工処理を施す。具体的には、演算処理装置201は、動画情報の映像に映る他の車両のナンバープレートにマスキング処理を施す。
【0046】
また、演算処理装置201は、ユーザからの求めに応じて、経路動画情報を生成する。具体的には、演算処理装置201は、プローブデータ400によって特定した動画情報を用いて経路動画情報を生成する。
【0047】
データ送受信装置202は、動画情報提供サーバ200以外の外部装置との間で所定のデータを送受信するための装置である。具体的には、データ送受信装置202は、ナビゲーション装置100やユーザ端末300からプローブデータ400および動画情報を取得する。また、データ送受信装置202は、ナビゲーション装置100やユーザ端末300から経路動画情報の取得要求信号を受信する。また、データ送受信装置202は、生成した経路動画情報をナビゲーション装置100やユーザ端末300に送信する。
【0048】
なお、演算処理装置201は、数値演算、各装置およびセンサの制御など、様々な処理を実行するCPU205(Central Processing Unit)と、プログラムやデータなどを格納するROM206(Read Only Memory)と、プログラムやデータ、演算結果などを一時的に格納するRAM207と、を有している。また、CPU205、ROM206、RAM207は、バス208によって相互に接続されている。
【0049】
記憶装置203は、所定の情報を記憶するための装置である。記憶装置203は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書き可能な記録媒体で構成される。記憶装置203には、経路探索に用いる地図情報や交通情報のほか、ナビゲーション装置100やユーザ端末300から取得したプローブデータ400や動画情報などが格納される。
【0050】
また、記憶装置203には、車両のナンバープレートを識別するためのプレートパターン情報(図示せず)が格納されている。ここで、プレートパターン情報とは、様々な寸法および角度から表したナンバープレートの形状が記録された情報である。後述するように、プレートパターン情報は、動画情報の映像に映る車両のナンバープレートを識別するパターンマッチング処理に用いられる。
【0051】
ユーザ端末300は、例えば、ウェブサイトの情報表示や演算処理の実行など、通常の機能を備えたパーソナルコンピュータを想定する。すなわち、このようなユーザ端末300は、少なくとも、ディスプレイと、ユーザが所定の情報を入力するための入力装置と、所定の記録媒体(例えば、着脱可能な記録媒体など)を接続するためのI/Fと、を備え、ウェブサイトを閲覧可能なブラウザソフトがインストールされていればよい。
【0052】
なお、ユーザ端末300は、ナビゲーション装置100で取得された動画情報およびプローブデータ400を着脱可能な記録媒体などから取得し、これを動画情報提供サーバ200に送信する。したがって、例えば、データ送受信装置26を有していないナビゲーション装置100であっても、動画情報およびプローブデータ400は、ユーザ端末300を介して、動画情報提供サーバ200に送信することができる。
【0053】
また、ユーザ端末300は、経路動画情報を動画情報提供サーバ200から取得すると、かかる動画情報を再生し、要求経路を映し出した映像をディスプレイに表示する。
【0054】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置100、ドライブレコーダ50および動画情報提供サーバ200の機能ブロックについて説明する。なお、ナビゲーション装置100、ドライブレコーダ50および動画情報提供サーバ200の各機能ブロックは、各々の演算処理装置1、51、201に実装されるCPU2、56、205が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。そのため、各ROM4、57、206には、各機能部の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0055】
また、ナビゲーション装置100、ドライブレコーダ50および動画情報提供サーバ200の各機能ブロックは、本実施形態において実現されるナビゲーション装置100、ドライブレコーダ50、動画情報提供サーバ200の各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。また、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。なお、ナビゲーション装置100、ドライブレコーダ50および動画情報提供サーバ200の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、一つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0056】
また、ナビゲーション装置100、ドライブレコーダ50および動画情報提供サーバ200の機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0057】
図7は、ドライブレコーダ50の機能ブロックを示した図である。ドライブレコーダ50は、情報制御部601と、動画情報生成部602と、を有している。
【0058】
情報制御部601は、ドライブレコーダ50の様々な処理を行う中心的な機能部である。情報制御部は、他の機能部、ドライブレコーダ50に内蔵される装置、外部装置などから所定の情報や指示を受け付ける。また、情報制御部は、取得した情報や受け付けた指示を、これらの情報や指示の種類または内容に応じて、所定の機能部や装置に出力する。
【0059】
また、情報制御部601は、ナビゲーション装置100との間で同期をとり、ナビゲーション装置100で1つのプローブデータ400が生成されるタイミングで、1つの動画情報、すなわち、1秒間に5コマの静止画情報を含む動画情報を生成するように動画情報生成部602を制御する。
【0060】
また、情報制御部601は、ナビゲーション装置100から動画情報の取得要求を受け付けると、I/F54を介して、動画情報をナビゲーション装置100に送信する。
【0061】
動画情報生成部602は、動画情報を生成する機能部である。具体的には、動画情報生成部602は、撮像装置52を制御して、所定の時間内(例えば、1秒間)に所定のコマ数(例えば、5コマ)の静止画情報を含む動画情報を生成する。なお、動画情報生成部602は、生成した動画情報を情報制御部601に受け渡す。
【0062】
次に、ナビゲーション装置100の機能ブロックについて説明する。図8は、ナビゲーション装置100の機能ブロックを示した図である。ナビゲーション装置100は、情報制御部701と、経路探索部702と、プローブデータ生成部703と、シミュレーション部704と、を有している。
【0063】
情報制御部701は、ナビゲーション装置100の様々な処理を行う中心的な機能部である。情報制御部701は、他の機能部、ナビゲーション装置100が内蔵する他の装置、センサ、並びに、外部装置から所定の情報や指示を受け付ける。また、情報制御部701は、取得した情報や受け付けた指示を、これらの情報や指示の種類または内容に応じて、所定のセンサ、装置、機能部に出力する。
【0064】
また、情報制御部701は、ドライブレコーダ50の情報制御部601との間で同期をとり、1つのプローブデータ400を生成したタイミングで、所定数(例えば、5コマ)の静止画情報を含む1つの動画情報を送信するように、ドライブレコーダ50の情報制御部601に所定の信号を出力する。
【0065】
また、情報制御部701は、経路動画情報の取得要求をユーザから受け付け、要求経路を構成するリンク情報を含む経路動画情報要求信号を生成する。具体的には、情報制御部701は、経路動画情報の取得要求をユーザから受け付けると、要求経路に関する情報を生成する指示を経路探索部702に出力する。また、情報制御部701は、要求経路に関する情報を経路探索部702から取得すると、データ送受信装置26を介して、かかる情報を動画情報提供サーバ200へ出力する。
【0066】
また、情報制御部701は、所定の情報をグラフィックス変換し、これをディスプレイ10に出力する。なお、情報制御部701は、経路動画情報の取得要求をユーザから受け付けると、要求経路の出発地および目的地や、出発時間帯を入力するための情報をグラフィックス変換し、ディスプレイ10に出力する。
【0067】
経路探索部702は、現在地または指定された出発地から目的地までを結ぶ経路を探索する機能部である。例えば、経路探索部702は、ダイクストラ法などを用いて、現在地またはユーザから受け付けた出発地と目的地とを結ぶ最小コストの推奨経路を探索する。また、経路探索部702は、探索した推奨経路に関する情報を情報制御部701に出力する。
【0068】
また、経路探索部702は、要求経路に関する情報の生成指示を受け付けると、ユーザから指定された出発地および目的地や出発時間帯を示す情報を用いて要求経路の探索処理を実行する。また、経路探索部702は、探索した要求経路に関する情報を情報制御部701に出力する。
【0069】
また、経路探索部702は、所定のタイミング(例えば、1秒ごと)で車両の現在地を特定する。具体的には、経路探索部702は、GPS受信装置23、車速センサ21、ジャイロセンサ22から出力される情報を取得し、これを地図上の座標情報に変換することによって車両の現在地を特定する。また、経路探索部702は、特定した現在地の座標情報を用いて、車両が走行または停車しているリンクのリンクID502を特定する。
【0070】
プローブデータ生成部703は、車両状態を示すプローブデータ400を生成する機能部である。例えば、プローブデータ生成部703は、ナビゲーション装置100の各種センサや他の装置、並びに、外部装置から取得する情報を用いてプローブデータ400を生成する。
【0071】
シミュレーション部704は、記憶装置に格納されている経路動画情報を用いて、要求経路に沿った仮想ドライビングのシミュレーション機能を提供する機能部である。シミュレーション部704は、ユーザのアクセル、ブレーキ操作やハンドル操作と経路動画情報の再生速度などを連動させて、所定のシミュレーション機能を提供する。
【0072】
次に、動画情報提供サーバ200の機能ブロックについて説明する。図9は、動画情報提供サーバ200の機能ブロックを示した図である。動画情報提供サーバ200は、情報制御部801と、ウェブサイト提供部802と、動画情報加工部803と、を有している。
【0073】
情報制御部801は、動画情報提供サーバ200の様々な処理を行う中心的な機能部である。情報制御部801は、他の機能部や動画情報提供サーバ200に内蔵される他の装置、並びに、外部装置から所定の情報や指示を受け付ける。また、情報制御部801は、取得した情報や受け付けた指示を、これらの情報や指示の種類または内容に応じて、所定の装置や機能部に出力する。
【0074】
ウェブサイト提供部802は、旅行計画サイトをユーザに提供する機能部である。また、ウェブサイト提供部802は、サイトを通じてユーザから受け付けた要求に応じた情報を生成する。具体的には、ウェブサイト提供部802は、旅行計画サイトを通じてユーザから経路探索の要求を受け付けると、指定された出発地から目的地までを結ぶ経路を探索する。また、ウェブサイト提供部802は、データ送受信装置202を介して、探索した推奨経路をユーザ端末300に送信する。
【0075】
また、ウェブサイト提供部802は、経路動画情報の取得要求をユーザから受け付け、要求経路を構成するリンク情報を含む経路動画情報要求信号を生成する。具体的には、ウェブサイト提供部802は、経路動画情報の取得要求をユーザから受け付けると、要求経路の出発地および目的地や、出発時間帯を入力するための情報をユーザ端末300に出力する。
【0076】
また、ウェブサイト提供部802は、ユーザから指定された出発地および目的地や出発時間帯を示す情報を用いて要求経路の探索処理を実行する。また、ウェブサイト提供部802は、探索した要求経路に関する情報を含む経路動画情報要求信号を動画情報加工部803に出力する。
【0077】
動画情報加工部803は、動画情報を加工する機能部である。例えば、動画情報加工部803は、ナビゲーション装置100やユーザ端末300から取得した動画情報の映像に映る車両のナンバープレートにマスキング処理を施す。
【0078】
また、動画情報加工部803は、経路動画情報を生成する機能部である。具体的には、動画情報加工部803は、ナビゲーション装置100またはユーザ端末300から取得した経路動画情報要求信号から要求経路を構成するリンクのリンクID502を抽出する。また、動画情報加工部803は、抽出したリンクID502と、記憶装置203に格納されているプローブデータ400を用いて、経路動画情報の生成に必要な動画情報を特定する。また、動画情報加工部803は、特定した動画情報を繋ぎ合わせることにより、要求経路に沿った経路動画情報を生成する。
【0079】
また、動画情報加工部803は、データ送受信装置202を介して、生成した経路動画情報をナビゲーション装置100またはユーザ端末300に送信する。
【0080】
[動作の説明]次に、ドライブレコーダ50で実行される動画情報生成処理について説明する。なお、動画情報生成処理は、ドライブレコーダ50の起動とともに開始される。
【0081】
動画情報生成部602は、撮像装置52を制御し、所定の時間内(例えば、1秒間)に所定数(例えば、5コマ)の静止画情報が含まれる動画情報を生成する。また、動画情報生成部602は、生成した動画情報を記憶装置53に出力する。なお、動画情報生成部602は、ドライブレコーダ50が起動している間、このような動画情報生成処理を繰り返し実行する。
【0082】
次に、ナビゲーション装置100で実行されるプローブデータ生成処理について説明する。図10は、かかる処理を示したフロー図である。プローブデータ生成処理は、ナビゲーション装置100の起動とともに開始され、ナビゲーション装置100が起動している間、プローブデータ生成部703により定期的(例えば、1秒ごと)に実行される。
【0083】
ナビゲーション装置100が起動されると、プローブデータ生成部703は、車両状態を示す情報を取得する(ステップS001)。具体的には、プローブデータ生成部703は、ナビゲーション装置100が搭載されている車両をユニークに特定する所定の識別子を取得する。このような車両ID401は、例えば、車両ナンバーとナビゲーション装置100のシリアルナンバーとの組み合わせから生成されるユニークなIDであればよい。
【0084】
また、プローブデータ生成部は703、ナビゲーション装置100に内蔵されるタイマー(図示せず)から日時情報402を取得する。
【0085】
また、プローブデータ生成部703は、車両が走行または停車しているリンクのリンクID403を取得する。具体的には、プローブデータ生成部703は、現在地を示す地点座標から特定されたリンクID403を経路探索部702から取得する。
【0086】
また、プローブデータ生成部703は、車速センサ21から出力される所定の情報に基づいて算出された車速情報405を取得する。
【0087】
また、プローブデータ生成部703は、車両の走行車線406を特定する。具体的には、プローブデータ生成部703は、記憶装置11に格納されている白線パターン情報と、ドライブレコーダ50から取得した動画情報と、を用いて、パターンマッチング処理により走行車線406を特定する。
【0088】
パターンマッチング処理において、車両の左側に白線パターン情報と一致する白線を検出した場合、プローブデータ生成部703は、車両が右側車線を走行していることを特定する。一方で、車両の右側に白線パターン情報と一致する白線を検出した場合、プローブデータ生成部703は、車両が左側車線を走行していることを特定する。なお、車両の両側に白線パターンと一致する白線を検出した場合、プローブデータ生成部703は、地図情報12の車線情報を参照し、車線数が3車線のリンクを走行している場合には、真ん中の道路を走行していることを特定する。このような白線位置の検出は、パターンマッチングなどの従来技術が用いられればよい。
【0089】
また、プローブデータ生成部703は、FM多重放送受信装置24が受信したVICS情報や、ビーコン受信装置25が受信したVICS情報から天気情報407を取得する。
【0090】
また、プローブデータ生成部703は、車種情報408を特定する。具体的には、プローブデータ生成部703は、例えば、セダンやSUVといったナビゲーション装置100が搭載されている車両の車種情報408を記憶装置11などから取得する。
【0091】
車両状態を示す所定の情報を取得すると(ステップS001)、プローブデータ生成部703は、ドライブレコーダ50から動画情報を取得する(ステップS002)。具体的には、プローブデータ生成部703は、ナビゲーション装置の起動時を基準時として、基準時から所定時間(例えば、1秒)の経過後に動画情報を取得する。なお、この動画情報には、基準時から所定時間が経過するまでの間(例えば、1秒間)に撮影された所定数(例えば、5コマ)の静止画情報が含まれている。
【0092】
動画情報を取得すると(ステップS002)、プローブデータ生成部703は、動画情報をユニークに識別する動画ID404を生成し、動画情報に動画IDを対応付けて記憶装置11に出力する(ステップS003)。
【0093】
動画情報に動画ID404を対応付けた動画情報を記憶装置11に出力すると(ステップS003)、プローブデータ生成部703は、車両状態を示す所定の情報401〜403、405〜408と、動画ID404と、を記録したプローブデータ400を生成する(ステップS004)。また、プローブデータ生成部703は、生成したプローブデータ400を記憶装置11に出力し、プローブデータ生成処理を終了する。
【0094】
このようなプローブデータ生成処理(ステップS001〜ステップS004)は、ナビゲーション装置100の起動時を基準時として、1秒ごとに実行される。
【0095】
なお、生成されたプローブデータ400および動画情報は、データ送受信装置26を介して、動画情報提供サーバ200へと送信される。また、例えば、生成されたプローブデータ400および動画情報は、ユーザによって着脱可能な記録媒体に保存され、ユーザ端末300を介して、動画情報提供サーバ200に送信されてもよい。
【0096】
次に、動画情報提供サーバ200で実行される動画情報蓄積処理について説明する。図11は、かかる処理のフロー図である。動画情報蓄積処理は、動画情報提供サーバ200の起動とともに開始される。
【0097】
動画情報加工部803は、ナビゲーション装置100またはユーザ端末300から取得した動画情報に映る車両のナンバープレートにマスキング処理を施す(ステップS011)。マスキング処理にあたり、動画情報加工部803は、例えば、記憶装置203のナンバープレートパターン情報を用いて、映像に映る車両のナンバープレート位置をパターンマッチング処理によって特定する。そして、動画情報加工部803は、特定したナンバープレートにマスキング処理を施す。なお、ナンバープレートの位置検出は、パターンマッチングなどの従来技術が用いられればよい。
【0098】
動画情報加工部803は、マスキング処理を行った後(ステップS011)、動画情報を記憶装置203に出力し(ステップS012)、処理をステップS011に戻す。このように、動画情報提供サーバ200は、ナビゲーション装置100やユーザ端末300から取得した動画情報に所定の加工処理を施し、加工処理後の動画情報を記憶装置203に蓄積する処理を繰り返し実行する。
【0099】
次に、経路動画情報生成処理について説明する。図12は、かかる処理を示したフロー図である。なお、経路動画情報生成処理は、動画情報提供サーバ200の起動とともに開始される。
【0100】
動画情報加工部803は、経路動画情報要求信号を受け付けたか否かを判定する(ステップS021)。具体的には、動画情報加工部803は、ナビゲーション装置100から、または、ユーザ端末300に提供された旅行計画サイトから、経路動画情報要求信号を受け付けたか否かを判定する。
【0101】
経路動画情報要求信号を受け付けた場合(ステップS021でYes)、動画情報加工部803は、要求経路を構成するリンクのリンクID502を、かかる信号から取得する(ステップS022)。一方で、経路動画情報要求信号を受け付けていない場合(ステップS021でNo)、動画情報加工部803は、ステップS021の処理を繰り返し実行する。
【0102】
要求経路を構成するリンクのリンクID502を取得すると(ステップS022)、動画情報加工部803は、経路動画情報を生成する(ステップS023)。なお、かかる処理の詳細は、図13を用いて説明する。
【0103】
図13は、ステップS023の処理の詳細を示したフロー図である。まず、動画情報加工部803は、要求経路を構成するリンクのリンクID502が記録されたプローブデータ400を抽出する(ステップS031)。具体的には、動画情報加工部803は、要求経路の各リンクと同一のリンクID403が記録されているプローブデータ400を記憶装置203から抽出する。
【0104】
そして、動画情報加工部803は、抽出したプローブデータ400から、相互に同一の車両ID401が記録され、かつ、所定の時間間隔(例えば、1秒間隔)で生成された一連のプローブデータ400を、1つのプローブデータ履歴、すなわち、ある特定のタイミングでそのリンクを走行した同一車両から生成されたプローブデータ履歴として特定する。
【0105】
例えば、図17は、あるリンクに対応するプローブデータ履歴を示した図である。動画情報加工部803は、抽出したプローブデータ400の中から、相互に同一の車両ID401が記録され、かつ、所定の時間間隔(例えば、1秒間隔)で生成されているプローブデータ400を特定し、個別のプローブデータ履歴として分類する。図示するように、例えば、グループA、B、Cが、同一の車両ID401が記録され、かつ、所定の時間間隔(1秒間隔)で生成されているプローブデータ400であるため、動画情報加工部803は、グループA、B、Cの各々をプローブデータ履歴として特定する。
【0106】
プローブデータ履歴を特定すると(ステップS031)、動画情報加工部803は、同一履歴内で所定以上の速度差(例えば、30km/h)が生じているプローブデータ履歴が存在するか否かを判定し、存在する場合には、かかる履歴を経路動画情報の生成処理に利用しないようにする(ステップS032)。このようなプローブデータ履歴は、対応するリンクの走行中に渋滞などの問題が生じたことを示しており、経路動画情報の利用に適切ではないからである。
【0107】
車速差の特定にあたり、動画情報加工部803は、プローブデータ履歴ごとの最速値と最遅値を比較する。そして、両値の差が所定以上の速度差(例えば、30km/h以上)である場合、動画情報加工部は、かかる履歴を経路動画情報の生成処理に利用しないようにする。また、動画情報加工部803は、かかるプローブデータ履歴と、これに対応する動画情報と、を記憶装置203から削除する。
【0108】
次に、動画情報加工部803は、連続走行区間に係るプローブデータ履歴を特定する(ステップS033)。ここで、連続走行区間とは、同一車両が隣接するリンクを連続的に、すなわち、他のリンクを経由せずに、走行したリンクの区間を指す。
【0109】
動画情報加工部803は、連続走行区間の特定にあたり、隣接するリンクのプローブデータ履歴を比較する。具体的には、動画情報加工部803は、一方のリンク(例えば、出発地から見て近い方のリンク)のプローブデータ履歴に含まれるプローブデータの最新の日時情報402を特定する。また、動画情報加工部803は、かかるリンクに隣接する他方のリンク(出発地から見て遠い方のリンク)のプローブデータ履歴に含まれるプローブデータの最も古い日時情報402を特定する。そして、特定した2つの時間差が所定未満(例えば、2秒未満)の場合、動画情報加工部803は、これらのプローブデータ履歴を、連続走行区間に係るものであると特定する。
【0110】
一方で、両者の時間差が所定以上(例えば、2秒以上)の場合、動画情報加工部803は、これらのプローブデータ履歴を、連続走行区間に係らないもの(以下、「不連続走行区間」という)であると特定する。
【0111】
例えば、図15は、連続走行区間に係るプローブデータ履歴を示した図である。図示するように、所定の経路を構成するリンク(1)〜(5)に対応するプローブデータ履歴A〜Eがある。
【0112】
ここで、同一の識別符号が付されている区間が連続走行区間に相当する。例えば、リンク(1)およびリンク(2)には、プローブデータ履歴Aが対応付けられている。これは、プローブデータ履歴Aが、ある特定の車両がリンク(1)とリンク(2)とを連続走行した際に生成されたプローブデータ履歴であることを示している。また、例えば、プローブデータ履歴B、Cは、ある特定の車両が、リンク(2)〜(4)を連続走行した際に生成されたプローブデータ履歴であることを示している。
【0113】
次に、動画情報加工部803は、不連続走行区間がより少なくなるように、プローブデータ履歴の組み合わせを所定数以上(例えば、5組以上)生成する(ステップS034)。図15の例では、「A−A−B−B−E」、「A−A−C−C−E」、「A−B−B−B−E」、「A−C−C−C−E」というプローブデータ履歴の組み合わせが、不連続走行区間が最も少ない組み合わせとなる(不連続走行区間を接続する接続点が各々2カ所であるため)。
【0114】
なお、要求経路に右折リンクまたは左折リンクが含まれる場合、動画情報加工部803は、右左折を行うノードの前後のリンクが連続走行区間となるプローブデータ履歴を特定する。例えば、図16の例では、動画情報加工部803は、ノードαの前後のリンク(6)およびリンク(7)を連続走行区間としているプローブデータ履歴Bを特定する。そして、動画情報加工部803は、ノードαの前後のリンクのプローブデータ履歴にBを用いるようにし、その両端のリンクでは、不連続走行区間がより少なくなるように、プローブデータ履歴の組み合わせを生成する。
【0115】
次に、動画情報加工部803は、生成したプローブデータ履歴の組み合わせが有している条件に応じてポイントを加算することにより重み付けを行う。
【0116】
まず、動画情報加工部803は、不連続走行区間を繋ぐ接続点の数に応じて組み合わせごとに所定のポイントを加算した重み付けを行う(ステップS041)。例えば、図15の例では、生成された5つ以上の組み合わせの接続点は、各々2カ所ある。したがって、この場合、動画情報加工部803は、所定のポイント(例えば、10ポイント)に接続点数の2を掛け合わせたポイントを各組み合わせに加算する。
【0117】
次に、動画情報加工部803は、接続点前後のプローブデータ履歴で、車速差が所定以上(例えば、10km/h)の組み合わせに所定のポイントを加算した重み付けを行う(ステップS042)。具体的には、動画情報加工部803は、一方のリンク(例えば、出発地から見て近い方のリンク)に対応するプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400のうち、最新の日時情報402が記録されたプローブデータ400の車速405を特定する。また、動画情報加工部803は、かかるリンクに隣接する他方のリンク(例えば、出発地から見て遠い方のリンク)のプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400のうち、最も古い日時情報402が記録されたプローブデータ400の車速405を特定する。
【0118】
そして、動画情報加工部803は、これらの車速差が所定の値よりも大きい(例えば、10km/h以上)場合、かかる接続点を有する組み合わせに対して、所定のポイント(例えば、10ポイント)を加算する。例えば、10km/h以上の速度差が生じている接続点が2カ所ある場合、動画情報加工部803は、かかる組み合わせに対して20ポイントを加算する。
【0119】
次に動画情報加工部803は、接続点の前後で同一車線を走行していない組み合わせに所定のポイントを加算した重み付けを行う(ステップS043)。具体的には、動画情報加工部803は、一方のリンク(例えば、出発地から見て近い方のリンク)のプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400のうち、最新の日時情報402が記録されたプローブデータの走行車線406を特定する。また、動画情報加工部803は、かかるリンクに隣接する他方のリンク(例えば、出発地から見て遠い方のリンク)のプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400のうち、最も古い日時情報402が記録されたプローブデータ400の走行車線406を特定する。
【0120】
そして、動画情報加工部803は、これらの車線が不一致の場合、かかる接続点を有する組み合わせに対して、所定のポイント(例えば、10ポイント)を加算する。例えば、走行車線が一致しない接続点が2カ所ある場合、動画情報加工部803は、かかる組み合わせに20ポイントを加算する。
【0121】
次に、動画情報加工部803は、経路動画情報の取得要求信号に含まれる各リンクの走行日時(以下、「予定走行日時」という)と、各組み合わせを構成するリンクに対応するプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400の日時情報402と、の乖離に応じて、所定のポイントを加算した重み付けを行う(ステップS044)。具体的には、動画情報加工部803は、月範囲、日範囲、時刻範囲の各要素に基づいて、各リンクの予定走行日時とプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400の日時情報402との乖離の度合いを判定する。
【0122】
ここで、月範囲は、1月〜3月、4月〜6月、7月〜9月、10月〜12月の各々を月範囲とする。また、日範囲は、1日〜9日、10日〜19日、20日〜31日の各々を日範囲とする。また、時刻範囲は、0時台〜2時台、3時台〜5時台、6時台〜8時台、9時台〜11時台、12時台〜14時台、15時台〜17時台、18時台〜20時台、21時台〜23時台の各々を時刻範囲とする。
【0123】
乖離の度合いを判定する際、動画情報加工部803は、要求経路に含まれる各リンクの予定走行日時を経路動画情報の取得要求信号から特定する。具体的には、動画情報加工部803は、リンクごとに、予定走行日時を特定する。また、動画情報加工部803は、要求経路を構成するリンクに対応するプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400の日時情報402を特定する。そして、動画情報加工部803は、リンクごとに、予定走行日時とプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400の日時情報402とを比較する。
【0124】
比較にあたり、動画情報加工部803は、プローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400の日時情報402が、予定走行日時の月範囲、日範囲、時刻範囲の各々の範囲に含まれているか否かを判定する。そして、プローブデータ400の日時情報402が、予定日時の各範囲に含まれない場合、動画情報加工部803は、かかるプローブデータ400を有する組み合わせに対して所定のポイント(3ポイント)を加算する。
【0125】
例えば、月範囲、日範囲、時刻範囲の全てが予定走行日時の各範囲に含まれないプローブデータ400がある場合、動画情報加工部803は、かかるプローブデータ400が含まれたプローブデータ履歴を有する組み合わせに9ポイントを加算する。また、例えば、月範囲と日範囲のみが予定走行日時の範囲に含まれないプローブデータ400がある場合、動画情報加工部803は、かかるプローブデータ400が含まれたプローブデータ履歴を有する組み合わせに6ポイントを加算する。
【0126】
また、例えば、予定走行日時の各範囲に含まれないプローブデータ400を含むプローブデータ履歴を2つ有している組み合わせに対して、動画情報加工部803は、18ポイントを加算する。
【0127】
次に、動画情報加工部803は、接続点前後のプローブデータ履歴で、天気情報407が異なる場合に所定のポイントを加算した重み付けを行う(ステップS045)。具体的には、動画情報加工部803は、一方のリンク(例えば、出発地から見て近い方のリンク)のプローブデータ履歴内で、最新の日時情報402が記録されたプローブデータ400の天気情報407を特定する。また、動画情報加工部803は、かかるリンクに隣接する他方のリンク(例えば、出発地から見て遠い方のリンク)のプローブデータ履歴内で、最も古い日時情報402が記録されたプローブデータ400の天気情報407を特定する。
【0128】
そして、動画情報加工部803は、両者の天気情報407が異なる場合、かかる接続点を有する組み合わせに対して、所定のポイント(例えば、5ポイント)を加算する。例えば、一方のリンクの最新のプローブデータ400には「晴れ」が記録され、これに隣接する他方のリンクの最も古いプローブデータ400に「雨」が記録されている場合、動画情報加工部803は、かかる組み合わせに5ポイントを加算する。また、例えば、このような不一致の接続点が2カ所ある場合、動画情報加工部803は、かかる組み合わせに10ポイントを加算する。
【0129】
次に、動画情報加工部803は、接続点前後のプローブデータ履歴で、車種情報408が異なる場合に所定のポイントを加算した重み付けを行う(ステップS046)。具体的には、動画情報加工部803は、一方のリンク(例えば、出発地から見て近い方のリンク)のプローブデータ履歴内で、最新の日時情報402が記録されたプローブデータ400の車種情報408を特定する。また、動画情報加工部803は、かかるリンクに隣接する他方のリンク(例えば、出発地から見て遠い方のリンク)のプローブデータ履歴内で、最も古い日時情報402が記録されたプローブデータ400の車種情報408を特定する。
【0130】
そして、動画情報加工部803は、両者の車種情報408が異なる場合、かかる接続点を有する組み合わせに対して、所定のポイント(例えば、3ポイント)を加算する。例えば、一方のリンクの最新のプローブデータ400には「セダン」が記録され、かかるリンクに隣接する他方のリンクの最も古いプローブデータ400に「SUV」が記録されている場合、動画情報加工部803は、かかる組み合わせに3ポイントを加算する。また、例えば、このような不一致のリンクが2カ所ある場合、動画情報加工部803は、かかる組み合わせに6ポイントを加算する。
【0131】
次に、動画情報加工部803は、加算されたポイントが最も小さい組み合わせを特定する(ステップS047)。具体的には、動画情報加工部803は、加算されたポイントの合計を算出し、かかる合計ポイントが最も小さい組み合わせを特定する。
【0132】
次に、動画情報加工部803は、特定されたプローブデータ履歴を用いて経路動画情報を生成する(ステップS048)。具体的には、動画情報加工部803は、合計ポイントが最も小さい組み合わせのプローブデータ履歴から動画ID404を取得し、これらと同一の動画ID404が記録されている動画情報を記憶装置203から抽出する。そして、動画情報加工部803は、抽出した動画情報を用いて、要求経路に沿った経路動画情報を生成する(ステップS049)。
【0133】
なお、動画情報加工部803は、生成した経路動画情報に所定の情報を記録する。具体的には、動画情報加工部803は、経路動画情報を構成する各動画情報の動画ID404を用いてプローブデータ履歴を特定し、かかる履歴から対応するリンクID403と、車速情報405と、を特定する。そして、動画情報加工部803は、特定したリンクID403と車速情報405とを各々の動画情報に対応付けて記録する。また、動画情報加工部803は、経路動画情報を構成するリンクに右左折リンクがある場合、かかるリンクにその旨を示す情報を対応付けて記録する。
【0134】
次に、動画情報加工部803は、生成した経路動画情報をデータ送受信装置202に出力する(ステップS024)。データ送受信装置25は、経路動画情報をナビゲーション装置100またはユーザ端末300に送信する。
【0135】
以上、本実施形態に係る経路動画情報生成処理について説明した。このような処理によれば、動画情報提供サーバ200に蓄積されている動画情報を、より違和感なく繋ぎ合わせることができる。
【0136】
次に、ナビゲーション装置100で実行されるシミュレーション処理について説明する。なお、シミュレーションとは、ユーザによる仮想ドライビングのことである。具体的には、車両のハンドル操作、アクセル、ブレーキ操作と、ナビゲーション装置100のディスプレイ10に表示される経路動画情報と、を連動させて、ユーザに仮想ドライビングを体験させることを指す。
【0137】
図18は、ナビゲーション装置100と車両の様々な動作を制御する車両制御装置900との接続状態を示した図である。図示するように、車両制御装置900には、アクセル910やブレーキ911の踏み込み量を所定の信号に変換する信号変換器Aと、ハンドル920の操舵角を所定の信号に変換する信号変換器Bと、が接続されている。
【0138】
例えば、信号変換器Aからアクセル910の踏み込み量に関する信号を取得すると、車両制御装置900は、取得した信号によって特定される加速度を生じさせるように、車両の動力源930に対して所定の指示を出力する。
【0139】
また、例えば、信号変換器Bからハンドル920の操舵角に関する信号を取得すると、車両制御装置900は、取得した信号によって特定される車両向きとなるように、タイヤの向きを制御する制御装置940に対して所定の指示を出力する。
【0140】
なお、このような車両制御装置900が搭載される車両は、例えば、アクセル910やハンドル920がエンジンやタイヤと機械的な繋がりを持たずに実現できる車両を想定している。例えば、かかる車両には電気自動車(EV)が含まれる。
【0141】
また、車両には、車両の走行時に設定される走行モードと、ナビゲーション装置100を使用したシミュレーション走行を行うシミュレーションモードと、を設定するためのモード設定スイッチが設置されている。
【0142】
ここで、走行モードとは、車両を走行させる際に設定されるモードである。具体的には、走行モードでは、ハンドル操作やアクセル、ブレーキ操作を所定の信号に変換し、かかる信号で特定される指示を、動力源930や制御装置940に出力することにより、車両の走行を制御する。
【0143】
一方で、シミュレーションモードでは、ハンドル操作やアクセル、ブレーキ操作により生成される信号を、車両の動力源930や制御装置940に出力せず、ナビゲーション装置100にのみ出力する。
【0144】
このようなシミュレーションモードでは、ユーザがアクセル910を踏み込むと、車両制御装置900は、アクセル910の踏み込み量に応じた加速度指示信号を生成し、これをナビゲーション装置100に送信する。また、ユーザがハンドル920を回すと、車両制御装置900は、ハンドルの操舵角に応じた操舵角指示信号を生成し、これをナビゲーション装置100に送信する。
【0145】
なお、車両制御装置900は、モード設定スイッチから出力される所定の信号を取得し、走行モードまたはシミュレーションモードを設定し、信号の出力先を制御する。
【0146】
なお、モードの設定は、ナビゲーション装置100側の設定により実現されるようにしてもよい。具体的には、I/F5を介して車両制御装置900に接続されたナビゲーション装置100の演算処理部1が、ハンドル操作やアクセル操作などを示す制御信号を取得し、これをナビゲーション装置100側にのみ出力するようにしてもよい。
【0147】
次に、シミュレーション処理について説明する。シミュレーション処理は、ナビゲーション装置100のシミュレーション部により実行される。シミュレーション部は、動画情報提供サーバ200から取得した経路動画情報と、車両制御装置900から取得したアクセル、ブレーキ操作およびハンドル操作を示す信号と、により所定のシミュレーション処理を実行する。
【0148】
ナビゲーション装置100の情報制御部701は、動画情報提供サーバ200から取得した経路動画情報を記憶装置11などの記録媒体に格納する。また、シミュレーション部704は、シミュレーションモードが選択されたことを示す信号を車両制御装置900から取得すると、シミュレーション処理を開始する。
【0149】
シミュレーション部704は、車両制御装置900から取得した信号に応じて、ナビゲーション装置100のディスプレイ10に表示する経路動画情報の再生速度を変化させる。例えば、速度50km/hの車速情報が記録されている経路動画情報を再生している際に、車両制御装置900から取得した加速度指示信号によって特定される車速が60km/hである場合、シミュレーション部704は、経路動画情報の再生速度を徐々に変化させ、最終的に1.2倍速で再生する。その結果、ディスプレイ10に表示される経路動画情報は、車速60km/hで走行しているように表示される。
【0150】
同様に、速度50km/hの車速情報が記録されている経路動画情報を再生している際に、車両制御装置900から、車両制御装置900から取得した加速度指示信号によって特定される車速が70km/hである場合、シミュレーション部704は、経路動画情報の再生速度を徐々に変化させ、最終的に1.4倍速で再生する。その結果、ディスプレイ10に表示される経路動画情報は、車速70km/hで走行しているように表示される。
【0151】
また、シミュレーション部704は、右折および左折箇所に差し掛かると、車両制御装置900から取得する車速指示信号が所定以下の車速(例えば、10km/h以下)を示しているか否かを判定する。具体的には、シミュレーション部704は、経路動画情報に記録されている右左折リンクを示す情報から、再生中のリンクが右左折リンクであるか否かを判定する。
【0152】
再生中の車両位置が右左折リンクである場合、シミュレーション部704は、かかるリンクのリンクID403を有する動画情報のうち、新しい日時情報402が記録されている所定数(例えば、5つ)の動画情報を再生している間に取得した加速度指示信号が、所定以下の車速(例えば、10km/h以下)を示す信号であるか否かを判定する。
【0153】
そして、加速度指示信号が所定以下の車速を示すものである場合、シミュレーション部704は、車両制御装置900から、操舵角指示信号を取得したか否かを判定する。そして、操舵角指示信号を取得した場合、シミュレーション部704は、取得した信号によって特定される車速となるように、経路動画情報の再生速度を変化させ、経路動画情報の再生を継続する。このとき、ディスプレイには、所定以下の速度で右折または左折する経路動画情報が再生される。
【0154】
一方で、取得した加速度指示信号が所定以下の速度でない場合、シミュレーション部704は、経路動画情報の再生を停止する。また、取得した加速度指示信号が所定以下の速度であった場合でも、操舵角指示信号を取得していない場合、シミュレーション部704は、経路動画情報の再生を停止する。
【0155】
以上、本実施形態に係る発明について説明した。本発明によれば、収集された動画情報をより効率的に利用することができる。また、本発明では、より違和感なの少ない経路動画情報を生成し、これを提供することができる。また、本発明では、より違和感の少ない動画情報をドライビングシミュレーションに利用することができる。
【0156】
また、本発明では、指定された日時から比較的乖離しない日時に撮影された動画情報を提供することができるため、ユーザは、指定日時付近の道路状況(積雪の具合や路面状況など)や交通状況(渋滞状況や工事など)などについて、動画を通じて確認することができる。
【0157】
なお、本発明は前述の実施形態に限られるものではない。例えば、前述の実施形態の第一変形例では、経路動画情報の生成にあたり、動画情報の画質、輝度、彩度が考慮される。
【0158】
第一変形例に係る発明では、プローブデータ400に画質、輝度、彩度を示す情報が記録される。すなわち、ドライブレコーダ50は、動画情報と動画情報の画質、輝度、彩度に関する情報とをナビゲーション装置100に送信する。なお、このような画質情報、輝度情報、彩度情報は、その質に応じて、所定のランク(例えば、ランク1、2、3…など)付けがされていればよい。
【0159】
そして、動画情報提供サーバ200は、経路動画情報の生成にあたり、動画情報の画質、輝度、彩度に関する情報を考慮した重み付けを行う。具体的には、動画情報提供サーバ200は、一方のリンク(例えば、出発地から見て近い方のリンク)のプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400のうち、最新の日時情報402が記録されたプローブデータの画質情報(または輝度、彩度)を特定する。また、動画情報提供サーバ200は、かかるリンクに隣接する他方のリンク(例えば、出発地から見て遠い方のリンク)のプローブデータ履歴に含まれるプローブデータ400のうち、最も古い日時情報402が記録されたプローブデータ400の画質情報(または輝度、彩度)を特定する。
【0160】
そして、動画情報提供サーバ200は、これらの画質情報のランクが不一致の場合、かかる接続点を有する組み合わせに対して、所定のポイント(例えば、10ポイント)を加算する。例えば、画質情報のランクが一致しない接続点が2カ所ある場合、動画情報提供サーバ200は、かかる組み合わせに20ポイントを加算する。
【0161】
このような第一変形例に係る発明によれば、不連続走行区間を有する経路動画情報であっても、より違和感のない経路動画情報を提供することができる。
【0162】
また、第二変形例に係る発明では、不連続走行区間に対応する動画情報に、違和感を無くすための加工処理を施す。具体的には、動画情報提供サーバ200は、モーフィング処理を施す。
【0163】
例えば、不連続走行区間の一方のリンクに対応する動画情報と、他方のリンクに対応する動画情報との間では、ドライブレコーダ50の設置位置によって生じる視点のずれ、撮影時間、撮影日、天気の違いによる映像の相違、搭載されるドライブレコーダ50の種類の相違による画質、輝度、彩度の違い、などが生じる。第二変形例に係る発明では、これらの相違要素を動画情報提供サーバ200で補完し(モーフィング処理)、一方のリンクに対応する動画情報の映像から他方のリンクに対応する動画情報の映像へと自然に移り変わっていくように、動画情報に加工処理を施す。
【0164】
このような第二変形例に係る発明によれば、不連続走行区間を有する経路動画情報であっても、非常に違和感の少ない経路動画情報を提供することができる。
【符号の説明】
【0165】
100・・・ナビゲーション装置100、1・・・演算処理装置、
10・・・ディスプレイ、11・・・記憶装置、13・・・音声入出力装置
16・・・入力装置、20・・・ROM装置、21・・・車速センサ、
22・・・ジャイロセンサ、23・・・GPS受信装置、
24・・・FM多重放送受信装置、25・・・ビーコン受信装置、
26・・・データ送受信装置
200・・・動画情報提供サーバ、
201・・・動画情報提供サーバの演算処理装置、
202・・・動画情報提供サーバのデータ送受信装置
203・・・動画情報提供サーバの記憶装置
300・・・ユーザ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行時に撮影された動画情報および該動画情報の属性情報を取得し、記憶装置に格納する手段と、
所定の経路に沿った動画情報で構成される経路動画情報の生成指示を外部の装置から受け付ける受付手段と、
前記属性情報を用いて該経路動画情報を構成する動画情報を特定し、特定した該動画情報を用いて該経路動画情報を生成する経路動画情報生成手段と、
生成した前記経路動画情報を前記外部の装置に送信する送信手段と、を備える
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の動画情報提供サーバであって、
前記経路動画情報生成手段は、
前記所定の経路を構成するリンクのうち、隣接するリンク間の動画情報に対応する属性情報が所定の条件を満たすように、各リンクの動画情報を、前記経路動画情報に用いる動画情報として特定する
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項3】
請求項1に記載の動画情報提供サーバであって、
前記経路動画情報生成手段は、
前記所定の経路を構成するリンクのうち、隣接するリンク間の動画情報が、同一の車両によって撮影され、かつ、撮影日時が所定の範囲内である動画情報を、前記経路動画情報に用いる動画情報として特定する
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項4】
請求項1に記載の動画情報提供サーバであって、
前記経路動画情報生成手段は、
前記所定の経路を構成するリンクの動画情報を用いて経路動画情報の候補を複数通り生成し、
前記所定の経路を構成するリンクのうち、隣接するリンク間の動画情報に対応する属性情報が所定の条件を満たしていないリンク間の数を前記経路動画情報の候補ごとに算出し、
算出した数が少ない順に所定数の前記経路動画情報の候補を特定する
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項5】
請求項4に記載の動画情報提供サーバであって、
前記経路動画情報生成手段は、
特定した前記経路動画情報の候補ごとに、前記所定の条件を満たしていないリンク間の数に応じた重み値を設定し、前記所定の経路全体に渡る重み値の合計が最小の候補を前記経路動画情報とする
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項6】
請求項4に記載の動画情報提供サーバであって、
前記属性情報は、撮影時の車速情報を含み、
前記経路動画情報生成手段は、
特定した前記経路動画情報の候補ごとに、隣接するリンク間の動画情報の撮影時の車速差に応じた重み値を設定し、前記所定の経路全体に渡る重み値の合計が最小の候補を前記経路動画情報とする
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項7】
請求項4に記載の動画情報提供サーバであって、
前記属性情報は、撮影時の走行車線情報を含み、
前記経路動画情報生成手段は、
特定した前記経路動画情報の候補ごとに、隣接するリンク間の動画情報の撮影時の車線不一致に応じた重み値を設定し、前記所定の経路全体に渡る重み値の合計が最小の候補を前記経路動画情報とする
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項8】
請求項4に記載の動画情報提供サーバであって、
前記受付手段は、前記所定の経路の走行予定日時を受け付け、
前記経路動画情報生成手段は、
特定した前記経路動画情報の候補ごとに、各リンクの動画情報の撮影日時と前記走行予定日時との差に応じた重み値を設定し、前記所定の経路全体に渡る重み値の合計が最小の候補を前記経路動画情報とする
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項9】
請求項4に記載の動画情報提供サーバであって、
前記属性情報は、撮影時の天気情報を含み、
前記経路動画情報生成手段は、
特定した前記経路動画情報の候補ごとに、隣接するリンク間の動画情報の撮影時の天気不一致に応じた重み値を設定し、前記所定の経路全体に渡る重み値の合計が最小の候補を前記経路動画情報とする
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項10】
請求項4に記載の動画情報提供サーバであって、
前記属性情報は、撮影時の車種情報を含み、
前記経路動画情報生成手段は、
特定した前記経路動画情報の候補ごとに、隣接するリンク間の動画情報の撮影時の車種不一致に応じた重み値を設定し、前記所定の経路全体に渡る重み値の合計が最小の候補を前記経路動画情報とする
ことを特徴とする動画情報提供サーバ。
【請求項11】
車両の走行時に撮像装置で撮影された動画情報および該動画情報の属性情報を動画情報提供サーバに送信する所定の装置と、
前記動画情報および前記属性情報を取得し、記憶装置に格納する手段と、
所定の経路に沿った動画情報で構成される経路動画情報の生成指示を外部の装置から受け付ける受付手段と、
前記属性情報を用いて該経路動画情報を構成する動画情報を特定し、特定した該動画情報を用いて経路動画情報を生成する経路動画情報生成手段と、
生成した経路動画情報を前記外部の装置に送信する送信手段と、を備える
ことを特徴とする動画情報提供システム。
【請求項12】
所定の経路に沿った動画情報である経路動画情報の取得要求信号を送信する送信手段と、
動画情報提供サーバから受信した前記経路動画情報を記憶手段に格納する手段と、
車両の動力源および操舵角に関する所定の信号を、該車両を制御する制御装置から取得する信号取得手段と、
前記信号取得手段が取得した信号に応じて、前記表示部に表示する経路動画情報の画像情報を変化させる表示手段と、を備える
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項12に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路動画情報は、所定の経路を構成するリンクの走行時の車速情報を有し、
前記表示手段は、
前記所定の信号によって特定される車速と経路動画情報が有する車速情報とにより、該経路動画情報の再生速度を決定する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
請求項13に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路動画情報は、所定の経路を構成するリンクの右左折情報を有し、
前記表示手段は、
右左折情報を有するリンクの走行時に撮影された経路動画情報を表示部に表示しているときに、前記所定の信号によって特定される車速が所定以下であるか否かを判定し、
所定以下の車速である場合、所定の操舵角を示す信号を取得したか否かを判定し、取得した場合、前記経路動画情報の再生を継続し、
所定以下の車速でない場合、または、所定の操舵角を示す信号を取得していない場合、前記経路動画情報の再生を停止する
ことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−16004(P2013−16004A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148096(P2011−148096)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】