説明

動画記録再生装置

【課題】複数の動画を画像の属性に従って自動的に配列し、連続的に途切れず再生することが可能な動画記録再生装置を得る。
【解決手段】動画記録再生装置は、動画の処理を行うファイリング装置100と動画を表示するための表示装置200とから主に構成される。ファイリング装置100は動画の再生時間を計測して、圧縮された動画の動画ファイルに該再生時間を記録する。動画ファイルには被験者を識別するための被験者ID、検査を識別するための検査ID、及び動画の再生時間が記録される。動画ファイルの名称は日付及び時刻を有する。ユーザが再生すべき動画ファイルの選択・抽出をファイリング装置100に指示すると、ファイリング装置100が入力された被験者IDと検査IDとから記憶装置120に記録されている動画ファイルを検索し、抽出する。そして、ファイリング装置100は撮像された日付及び時刻の昇順に動画ファイルの再生を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の動画を連続して再生する動画記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動画記録再生装置は例えば医療用の内視鏡システムに接続されて、該内視鏡システムから送信された画像を記録し、再生する。
【0003】
医療用の内視鏡システムは電子内視鏡と内視鏡プロセッサとを主に有し、例えば人体の内臓内を観察、検査、あるいは治療するために用いられる。電子内視鏡は、その挿入部が人体に挿入されて、内臓内を撮像して得られた動画を内視鏡プロセッサに伝送する。内視鏡プロセッサは伝送された動画を画像処理すると共に、必要に応じて動画記録再生装置に動画像信号を送信する。
【0004】
動画記録再生装置は、内視鏡プロセッサから送信された動画像信号を電気的に処理するファイリング手段であるコンピュータと、コンピュータから送信された動画像ファイルを記録する手段であるハードディスク記録装置等の記憶装置とを有する。
【0005】
記憶装置に記録された画像はコンピュータに接続されたキーボード等の入力装置をユーザが操作することにより再生される。
【特許文献1】特開2001−128098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、内視鏡システムの録画状態により、内視鏡システムから送信される動画が意図せずして複数に分割されてしまうことがある。この分割された動画の複数をユーザが参照したい場合、各動画ファイルを逐次再生しなければならず、操作が非常に煩雑になるとともに、観察部位の時間的変化を的確に把握することが出来ないという問題がある。
【0007】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、複数の動画を画像の属性に従って自動的に配列し、連続的に途切れず再生することが可能な動画記録再生装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明による動画記録再生装置は、複数の動画をファイルとして記録する記憶手段と、動画の属性に従って複数の動画の中から選択された特定の複数の動画の再生処理を決定し、再生処理に従い特定の複数の動画を連続して表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
属性を記録する属性情報ファイルが記憶手段に記録されることが好ましい。
【0010】
属性は、動画の撮像対象者に関わる情報を有し、制御手段は、撮像対象者に関わる情報に従って動画の再生対象を決定することが望ましい。
【0011】
属性は、動画の撮像内容に関わる情報を有し、制御手段は、撮像内容に関わる情報に従って動画の再生対象を決定してもよい。
【0012】
属性は、動画が撮像された日付情報及び時刻情報を有することが望ましく、制御手段は、日付情報及び時刻情報に従って動画の再生順序を決定することが好ましい。
【0013】
制御手段は、内視鏡及び内視鏡プロセッサを有する内視鏡システムに接続され、内視鏡システムから動画が入力されればなおよい。
【0014】
制御手段は、カプセル内視鏡及びカプセル内視鏡と無線信号により通信を行う体外ユニットを有する内視鏡システムに接続され、体外ユニットから動画が入力されることが望ましい。
【0015】
動画記録再生装置は、特定の複数の動画における現在再生する動画の再生位置を表示装置に表示する再生位置表示手段を備えればなおよい。
【0016】
属性は、動画の再生時間に関わる情報を有し、再生位置表示手段は、特定の複数の動画全ての再生時間に占める各動画ごとの再生時間の割合を示すバーが各動画の再生順序に従って配置されるスライダーベースと、スライダーベースにおける動画の現在の再生位置に対応する位置を示すスライダーつまみとを表示装置に表示することが好ましい。
【0017】
スライダーベースは所定の長さを有し、再生位置表示手段は、特定の複数の動画の再生時間に応じて、動画のスライダーベース上におけるバーの長さを割り当てればなおよい。
【0018】
動画記録再生装置は、スライダーつまみを動かす操作手段を備えることが好ましく、スライダーつまみは操作手段により移動されたスライダーベースにおける位置から動画の再生を行えばなおよい。
【0019】
操作手段はキーボード、マウス又はジョイスティックが好適である。
【0020】
第2の発明による動画の再生方法は、複数の動画と複数の動画に対応する属性情報とを記録するステップと、属性情報に従って複数の動画の中から選択された特定の複数の動画を再生する再生処理を決定するステップと、再生処理に従って特定の複数の動画を連続して再生するステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
第3の発明によるプログラムは、動画記録再生装置を、複数の動画及び動画に対応する属性情報を記憶装置に記録する記録手段と、属性情報に従って複数の動画の中から選択された特定の複数の動画を再生する再生処理を決定する処理決定手段と、再生処理に従って特定の複数の動画を連続して再生し表示装置に表示する再生手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の動画を画像の属性に従って自動的に配列し、連続的に途切れず再生することが可能な動画記録再生装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明における動画記録再生装置の第1の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0024】
図1にカプセル内視鏡を有する内視鏡システムが接続された動画記録再生装置のブロック図を、図2に動画ファイルのファイル構造を示す。
【0025】
動画記録再生装置は、動画の処理を行うコンピュータ等の制御手段であるファイリング装置100と、動画等を表示するための表示装置200とから主に構成される。ファイリング装置100には操作手段としてマウス131、キーボード132又はジョイスティック133等の入力装置が接続される。ユーザはこれらの操作手段を操作してファイリング装置100の操作を行う。ファイリング装置100には記憶装置120が接続される。記憶装置120は例えばハードディスクを有し、ファイリング装置100から送信される動画ファイルを記録する。
【0026】
ファイリング装置100には、内視鏡システム310が接続される。内視鏡システム310はカプセル内視鏡311と体外ユニット312とを有する。カプセル内視鏡311は被験者が嚥下することにより体内に送られて、内蔵された照明装置(不図示)により体内を照明すると共に、内蔵された撮像素子(不図示)により臓器内の状況を撮像する。撮像して得られた動画像信号は変調されて無線信号により体外ユニット312に送信される。体外ユニット312は受信した無線信号を復調して得られた動画像信号を体外ユニット312内に動画像データとして一時保存し、検査終了後に一括してファイリング装置100に送信する。カプセル内視鏡による嚥下から排出までの一連の検査において、様々な要因(例えば無線信号の切断)で撮像が間欠的に行われることがあり、この場合、体外ユニット312内に一時保存される動画像データは複数となる。
【0027】
ファイリング装置100はビデオケーブル313及び通信ケーブル314により体外ユニット312と接続される。通信ケーブル314を介してファイリング装置100のコントローラ部(CPU等を含む)101と体外ユニット312との間で制御信号が交わされる。体外ユニット312からの動画像信号はビデオケーブル313を介してファイリング装置100に伝送される。ファイリング装置100には体外ユニット312から送信された動画データを圧縮するためにエンコーダ110が設けられる。エンコーダ110はMotion−JPEG2000方式による動画圧縮フォーマットに従って該動画像データを圧縮して、動画ファイル60を生成する。同時に、ファイリング装置100は該動画の再生時間を計測して、圧縮された動画の動画ファイル60の所定部分(後述)に動画の再生時間を記録する。エンコーダ110はコントローラ部101により適宜制御される。
【0028】
動画ファイル60の先頭部65の所定位置(ユーザ領域等)には動画ファイル60の属性が記録される。この属性には、撮像対象である被験者を識別するための被験者ID61、撮像内容である検査を識別するための検査ID62、及び動画の再生時間情報63が含まれる。被験者ID61は内視鏡検査を受診した人それぞれに割り振られる番号であり、検査ID62は内視鏡検査ごとに割り振られる番号である。再生時間情報63には、取得された該動画の再生時間が記録される。動画ファイル60の先頭部に続いて、圧縮された動画の情報である動画データ64が記録される。被験者ID61及び検査ID62はキーボード132により入力される。
【0029】
圧縮され属性が記録された動画ファイル60はファイリング装置100に接続される記憶装置120に記録される。記録される際の動画ファイル60の名称は日付情報及び時刻情報を含む属性を有する。つまり、動画ファイル60の名称が有する属性を参照することによって動画が撮像された日付及び時刻を認識することができる。
【0030】
ファイリング装置100には表示装置200が接続される。体外ユニット312から送信される動画像信号はファイリング装置100を経て表示装置200に送信され、動画ファイルの記録とほぼ同時に、表示装置200が有する表示画面210中の画像情報表示画面220に設けられた画像表示画面230にサムネイル画像が表示される。画像表示画面230に表示される動画に隣接して、被験者の名前、及び検査の名称等といった動画の属性が画像情報表示画面220の属性表示部260に表示される。
【0031】
次に、図3及び4を用いて表示装置200における動画の再生について説明する。
【0032】
動画の再生は、内視鏡システム310を接続せずに動画記録再生装置のみで行うことが出来る。ユーザはマウス131、キーボード132、又はジョイスティック133を用いて、ファイリング装置100に複数の動画の再生を指示する。コントローラ部101はこの指示を受けて記憶装置120から記録された動画ファイルの中から再生すべき動画ファイルを全て読み出し、Motion−JPEG2000方式のデコーダ112で伸張後、動画を再生して、表示装置200の所定位置に表示するようにファイリング装置100を制御する。
【0033】
画像表示画面230には記憶装置120から読み出された動画を表示する。画面210において画像表示画面230の下には動画の再生状況を示すスライダー(またはトラックバー)240が表示される。スライダー240の下には動画再生のための操作用アイコン250が設けられる。
【0034】
操作用アイコン250は、ファイリング装置100に動画の再生を開始するための再生アイコン251、動画の再生を停止させるための停止アイコン252及び動画の早送りをさせるための早送りアイコン253を有する。ユーザはマウス131、キーボード132又はジョイスティック133を操作して、操作用アイコン250をクリックし、ファイリング装置100に対して動画再生に関する動作の指示を行う。
【0035】
スライダー240は動画の再生時間軸を示すスライダーベース242と、スライダーベース242上に置かれて現在再生中の動画の表示位置を示すスライダーつまみ241とから構成される。スライダーベース242は一定の長さを有し、図において横方向に伸びる。スライダーベース242は、再生されるそれぞれの動画毎に色分けされ、それぞれの横方向の長さは各動画の再生時間の割合に応じて定められる。
【0036】
スライダーつまみ241は最初に再生されるべき動画が再生される前には、図4においてスライダーベース242の最も左側に置かれる。動画の再生が始まると、動画の再生時間の経過に応じてスライダーつまみ241は図において右方向へ自動的に移動する。
【0037】
図5を用いて、再生前に動画ファイルを再生する順序を決定し、スライダーベース242に各動画ファイルの再生時間を割り当てる処理について説明する。
【0038】
キーボード132等の操作により、ユーザが再生すべき動画ファイルの選択・抽出をファイリング装置100に指示すると、この処理が開始される。ステップS41ではファイリング装置100がユーザに被写体を区別するための属性である被験者ID又は検査IDの入力を求める。ユーザは視聴したい動画の被験者IDと検査IDとの少なくとも一方をキーボード132等を用いてファイリング装置100に入力する。被験者IDだけを入力した場合は、対応する特定の被験者が指定され、検査IDだけを入力した場合は、特定の被験者の対応する内視鏡検査が指定される。
【0039】
ステップS42では、ファイリング装置100が入力された被験者ID又は検査IDから記憶装置120に記録されている動画ファイルを検索し、抽出する。ここで、ステップS41で、被験者IDだけが入力されていた場合は、対応する特定の被験者の内視鏡検査の動画ファイルが全て抽出され、検査IDだけが入力されていた場合は、特定の被験者の対応する内視鏡検査の動画ファイルが全て抽出される。ステップS43では、ファイリング装置100は検索・抽出された動画ファイルに記録されている再生時間情報63から再生時間を読み出す。
【0040】
ステップS44において、ファイリング装置100は各動画ファイルの再生時間に応じて、各動画ファイルに対応したバーがスライダーベース242上に占める長さを算出する。この長さは、動画ファイルの再生時間を、再生する全ての動画ファイルの再生時間を合計した値で除し、これにスライダーベース242の全長を乗じて求められる。さらに、動画ファイルのファイル名から認知される撮像された日付及び時刻を用いて、各動画のバーが日付及び時刻の昇順、すなわち、撮像された日付及び時刻が古い順に図4左から、求められた長さでスライダーベース242上に順次配置される。
【0041】
次に、図6を用いて、図5の処理が終了し、最初に再生されるべき動画ファイルが記憶装置120から読み出され、伸張されて再生準備が整った後の動画再生時におけるファイリング装置100の動作について説明する。
【0042】
マウス131等の操作により動画再生のための操作用アイコン250(図4)がクリックされて、ユーザが動画ファイルの再生をファイリング装置100に指示すると、この処理が開始される。ステップS51において、マウス131等の操作により停止アイコン252(図4)がクリックされて、再生停止操作がされたか否かを判断する。ここで、停止アイコン252がクリックされたと判断したら、動画ファイルの再生を停止する。一方、停止アイコン252がクリックされていないと判断したら、ステップS52に進む。
【0043】
ステップS52において、ユーザがマウス131、キーボード132又はジョイスティック133を用いて、スライダーベース242上でスライダーつまみ241を移動させているか否かを判断する。スライダーつまみ241を移動させていないと判断すると、ステップS53に進み、スライダーベース242上でスライダーつまみ241を右方向に所定距離移動させて、再生する画像ファイルの移動先相当のフレームにジャンプし、ステップS54にて、該フレームを再生する。次いで、ステップS55に進む。
【0044】
ステップS55において、スライダーつまみ241の位置が現在再生中の動画ファイルの終了位置に近いか否か、すなわち、スライダーベース242上でスライダーつまみ241の位置が次に再生すべき動画のバーとの境界まで所定距離を有する終了直前位置となった否かを判断する。ここで、スライダーつまみ241の位置が該終了位置に近いと判断されると、ステップS56に進み、次に再生すべき動画ファイルを記憶装置120から読み出し、デコード(伸張)して再生準備を行うと共に、スライダーつまみ241の位置を次の動画ファイルの左端の始点に移動した後、次の動画ファイルの再生を開始して、ステップS51に戻る。一方、ステップS55において、スライダーつまみ241の位置が現在再生中の動画ファイルの終了位置に近くないと判断されると、直ちにステップS51に戻る。
【0045】
他方、ステップS52において、スライダーつまみ241を移動させていると判断すると、ステップS57に進む。ステップS57において、ファイリング装置100はスライダーつまみ241の位置が現在再生している動画ファイルの領域内にあるか否かを判断する。スライダーつまみ241が同一ファイルのバーの領域内に無いときには、ステップS53でスライダーつまみ241の移動先に位置する動画ファイルを記憶装置120から読み出して開いて再生する。一方、ステップS57において、スライダーつまみ241が同一ファイルのバーの領域内にあるときには、ステップS53に進む。
【0046】
これにより、大量の動画ファイルを属性によって選別及び配列して、動画を切れ目無く再生することが容易となる。
【0047】
なお、第1の実施形態において、動画の再生時間は動画ファイル60の先頭部65の所定位置(ユーザ領域等)に記録された再生時間情報63に基づいて認知されたが、動画データをMotion−JPEG2000方式で圧縮した際に標準で作成されるパラメータ「duration」に基づいて認知しても良い。
【0048】
また、第1の実施形態において、動画は内視鏡システム310の体外ユニット312に非圧縮の動画像データとして一時保存され、適時動画記録再生装置のファイリング装置100に伝送されてエンコーダ110でMotion−JPEG2000方式の圧縮動画ファイルに変換されているが、体外ユニット312にMotion−JPEG2000方式のエンコーダを設けて動画像データを圧縮して動画ファイルとして一時保存し、ファイリング装置100に該動画ファイルをそのまま伝送して、エンコーダ110を経ずに記憶装置120に記録しても良い。このことにより、体外ユニット312における動画ファイルのデータ保存容量が少なくてすむと共に、ファイリング装置100のエンコーダ110が不要となる。
【0049】
次に図7を用いて第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0050】
図7は通常の内視鏡システムが接続された動画記録再生装置のブロック図である。
【0051】
ファイリング装置100には電子内視鏡装置320が接続される。電子内視鏡装置320は、先端に撮像素子(不図示)を設け、体内に挿入される挿入部(不図示)を備えた電子内視鏡321、内視鏡プロセッサ323及び表示装置(TVモニタ等)324を有する。内視鏡プロセッサ323は、電子内視鏡321から伝達された動画像信号をビデオ信号に変換する。ビデオ信号に変換された動画はビデオケーブル313を介してファイリング装置100に送信される。内視鏡プロセッサ323には表示装置324が接続され、電子内視鏡321が撮像した動画を表示する。ユーザが電子内視鏡321の録画ボタン322を操作することにより、通信ケーブル314を介して、内視鏡プロセッサ323とファイリング装置100のコントローラ部101との間で制御信号が交わされると共に、この時内視鏡プロセッサ323から送信されたビデオ信号に基づいて、第1の実施形態と同様に必要に応じた圧縮動画ファイルが生成され、記憶装置120に記録される。動画の再生についても、第1の実施形態と同様に行われる。
【0052】
これにより、電子内視鏡321により撮像された複数の動画についても、切れ目無く連続して再生することが容易となる。また、電子内視鏡装置320に、通常内視鏡画像だけでなく、自家蛍光画像も取得でき、且つ通常内視鏡画像と自家蛍光画像の各動画を個別に出力可能な特殊な機種を用いた場合でも、被検者ID及び検査IDに加えて検査の種類を識別するためのID情報の属性を付加する一方、被験者ID及び検査IDで適宜動画像を抽出することにより、同一患者についての通常内視鏡画像と自家蛍光画像を再生し比較することが容易となる。
【0053】
なお、動画の撮像した日付及び時刻は動画ファイルのファイル名として記録するのではなく、動画ファイルの属性に含めて記録されても良い。このとき、ファイリング装置100は動画ファイルの属性情報の中から撮像日時を読み取って、動画の並び替えを行う。
【0054】
また、動画の再生時間は動画ファイルの属性に記録されなくても良く、動画ファイルとは別のCSV形式等の情報ファイルに、動画特定情報(ファイル名等)と関連付けて全動画ファイルのそれぞれの再生時間を一括して記録して、動画ファイルと共に記憶装置120に保存しても良い。これにより、特定の動画の再生時間を参照するために当該ファイルだけを参照するだけで済む。
【0055】
動画の圧縮フォーマットは、Motion−JPEG2000に限定されず、撮像された動画に適したものであれば、他の方式(Motion−JPEG方式、MPEG−2方式等)でも良い。
【0056】
スライダーベース242上に順次配置される複数の動画は、色により区別するものでなくても良く、ハッチングのように斜線、点等で区別するものでも良い。
【0057】
操作用アイコン250は、再生アイコン251、停止アイコン252、及び早送りアイコン253だけに限定されず、動画の再生を巻き戻すための巻き戻しアイコン等の動画の視聴に役立つ機能を動作させるものを追加しても良い。
【0058】
さらに、ファイリング装置100に接続されるものは内視鏡システム310ではなく、ファイリング装置100に動画を入力することが可能な機器であっても良い。その機器から入力される大量の動画を記録すると共に、抽出及び再配列して切れ目無く連続して再生することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1の実施形態による動画記録再生装置のブロック図である。
【図2】動画ファイルの構成を示した図である。
【図3】動画を再生するときの動画記録再生装置のブロック図である。
【図4】表示装置の画面を模式的に示した図である。
【図5】動画の再生の準備を行う処理を示したフローチャートである。
【図6】動画の再生を行う処理を示したフローチャートである。
【図7】第2の実施形態による動画記録再生装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
100 ファイリング装置
120 記憶装置
200 表示装置
240 スライダー
241 スライダーつまみ
242 スライダーベース
250 操作アイコン
310 カプセル内視鏡システム
311 カプセル内視鏡
312 体外ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動画をファイルとして記録する記憶手段と、
前記動画の属性に従って前記複数の動画の中から選択された特定の複数の動画の再生処理を決定し、前記再生処理に従い前記特定の複数の動画を連続して表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする動画記録再生装置。
【請求項2】
前記属性は前記動画のファイルの所定部分に記録される情報であることを特徴とする請求項1に記載の動画記録再生装置。
【請求項3】
前記属性を記録する属性情報ファイルが前記記憶手段に記録されることを特徴とする請求項1に記載の動画記録再生装置。
【請求項4】
前記属性は、前記動画の撮像対象者に関わる情報を有し、前記制御手段は、前記撮像対象者に関わる情報に従って前記動画の再生対象を決定することを特徴とする請求項1に記載の動画記録再生装置。
【請求項5】
前記属性は、前記動画の撮像内容に関わる情報を有し、前記制御手段は、前記撮像内容に関わる情報に従って前記動画の再生対象を決定することを特徴とする請求項1に記載の動画記録再生装置。
【請求項6】
前記属性は、前記動画が撮像された日付情報及び時刻情報を有することを特徴とする請求項1に記載の動画記録再生装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記日付情報及び時刻情報に従って前記動画の再生順序を決定することを特徴とする請求項6に記載の動画記録再生装置。
【請求項8】
前記制御手段は、内視鏡及び内視鏡プロセッサを有する内視鏡システムに接続され、前記内視鏡システムから前記動画が入力されることを特徴とする請求項1に記載の動画記録再生装置。
【請求項9】
前記制御手段は、カプセル内視鏡及び前記カプセル内視鏡と無線信号により通信を行う体外ユニットを有する内視鏡システムに接続され、前記体外ユニットから前記動画が入力されることを特徴とする請求項1に記載の動画記録再生装置。
【請求項10】
前記特定の複数の動画における現在再生する動画の再生位置を前記表示装置に表示する再生位置表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の動画記録再生装置。
【請求項11】
前記属性は、前記動画の再生時間に関わる情報を有し、
前記再生位置表示手段は、
前記特定の複数の動画全ての再生時間に占める各動画ごとの前記再生時間の割合を示すバーが各動画の再生順序に従って配置されるスライダーベースと、
前記スライダーベースにおける前記動画の現在の再生位置に対応する位置を示すスライダーつまみとを前記表示装置に表示することを特徴とする請求項10に記載の動画記録再生装置。
【請求項12】
前記スライダーベースは所定の長さを有し、
前記再生位置表示手段は、前記特定の複数の動画の前記再生時間に応じて、前記動画の前記スライダーベース上における前記バーの長さを割り当てることを特徴とする請求項11に記載の動画記録再生装置。
【請求項13】
前記スライダーつまみを動かす操作手段を備えることを特徴とする請求項11に記載の動画記録再生装置。
【請求項14】
前記スライダーつまみが前記操作手段により移動された前記スライダーベースにおける位置から前記動画の再生を行うことを特徴とする請求項13に記載の動画記録再生装置。
【請求項15】
前記操作手段はキーボード、マウス又はジョイスティックであることを特徴とする請求項13に記載の動画記録再生装置。
【請求項16】
複数の動画と前記複数の動画に対応する属性情報とを記録するステップと、
前記属性情報に従って前記複数の動画の中から選択された特定の複数の動画を再生する再生処理を決定するステップと、
前記再生処理に従って前記特定の複数の動画を連続して再生するステップとを備えることを特徴とする動画の再生方法。
【請求項17】
動画記録再生装置を、
複数の動画及び前記動画に対応する属性情報を記憶装置に記録する記録手段と、
前記属性情報に従って前記複数の動画の中から選択された特定の複数の動画を再生する再生処理を決定する処理決定手段と、
前記再生処理に従って前記特定の複数の動画を連続して再生し表示装置に表示する再生手段として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−136759(P2008−136759A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327914(P2006−327914)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】