説明

動的磁気ストライプ通信装置の駆動回路のためのシステム及び方法

動的磁気ストライプ通信装置を、磁気ストライプエミュレータとして提供する。磁気ストライプエミュレータは、コイルを含むことができる。磁気ストライプリーダと通信するコイルから電磁場を生成するために、このコイルに駆動回路を結合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気カード及び装置、並びに関連する支払いシステムに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
カードが、動的磁気通信装置を含むことができる。このような動的磁気通信装置は、磁気エンコーダ又は磁気エミュレータの形をとることができる。磁気エンコーダは、磁気媒体上に存在する情報を変更して、この変更された磁気情報を磁気ストライプリーダが磁気媒体から読み取れるようにすることができる。磁気エミュレータは、磁気ストライプリーダにデータを直接通信する電磁場を生成することができる。このような磁気エミュレータは、磁気ストライプリーダの読取ヘッドにデータを連続的に通信することができる。
【0003】
カードの表面及び裏面の全て又はほぼ全てを(双安定、非双安定、LCD、LED、又はエレクトロクロミックディスプレイなどの)ディスプレイとすることができる。このディスプレイをタッチスクリーンディスプレイとして提供できるように、ディスプレイの電極を1又はそれ以上の容量式タッチセンサに結合することができる。あらゆる種類のタッチスクリーンディスプレイを利用することができる。このようなタッチスクリーンディスプレイは、複数のタッチポイントを特定することができる。従って、カード表面の全て又はほぼ全てにわたってバーコードを表示することができる。これにより、バーコードリーダなどのコンピュータビジョン装置を、表示されたバーコードを読み取る際にエラーを起こしにくくすることができる。
【0004】
カードは、動的情報を出力するためのいくつかの出力装置を含むことができる。例えば、カードは、1又はそれ以上のRFIDリーダ又はICチップリーダにそれぞれ通信するための1又はそれ以上のRFID又はICチップを含むことができる。カードは、情報を受け取るための装置を含むこともできる。例えば、RFID及びICチップは、いずれも情報を受け取り、RFIDリーダ及びICチップリーダにそれぞれ情報を通信することができる。無線情報信号を受け取るための装置を設けることもできる。光感知装置又は音感知装置を利用して、情報を無線で受け取ることができる。カードは、(RFID、ICチップ、及び動的磁気ストライプ通信装置などの)1又はそれ以上の出力装置を介してデータを同時に通信する中央プロセッサを含むことができる。この中央プロセッサは、(RFID、ICチップ、動的磁気ストライプ装置、光感知装置、及び音感知装置などの)1又はそれ以上の入力装置から情報を同時に受け取ることもできる。プロセッサは、例えばEMVチップの処理機能を実行できるように、表面接点に結合することができる。プロセッサは、カードの表面上に露出されないように、ラミネート加工して覆うことができる。
【0005】
カードにボタンを設け、このボタンを起動することにより、(例えば、カード上の読取ヘッド検出器が読取ヘッドを検出した後に)動的磁気ストライプ通信装置を介してコードが通信されるようにすることができる。このコードは、例えば店舗コード又は報奨コードを示すことができる。カードは、(カードのボタンなどに対する)手動入力又は(光、電磁通信、音、又はその他の無線信号などの)無線送信を介してこのコードを受け取ることができる。コードは、ウェブページから(例えば、光及び/又は音を介して)通信することができる。カードは、受け取ったコードをユーザに対して視覚的に表示できるように、ディスプレイを含むことができる。これにより、コードを選択して使用する方法をユーザに提供することができる。
【0006】
動的磁気ストライプ通信装置は、(コイルなどの)インダクタを備えた磁気エミュレータを含むことができる。このコイルに電流を流して、磁気ストライプリーダの読取ヘッドと通信できる電磁場を生成することができる。駆動回路は、コイルを流れる電流量を変動させて、磁気ストライプデータのトラックが磁気ストライプリーダの読取ヘッドに伝わるようにすることができる。例えば、周波数/二重周波数(F2F)符号化アルゴリズムに従って電流の流れを有効又は無効にするためのスイッチ(トランジスタなど)を提供することができる。これにより、データビットを通信することができる。
【0007】
ありとあらゆる時点における電流の流れを正確に定めるための閉ループ線形アナログ駆動回路を提供することもできる。これにより、閉ループ線形アナログ駆動回路は、あらゆる時点であらゆる所望の電磁場を生成することができる。従って、磁気エミュレータの精度及び信頼性を高めることができる。
【0008】
磁気ストライプ情報の各トラックは、例えばコイルを有する別個の磁気エミュレータに結合された駆動回路の別個のインスタンスを利用することができる。1又はそれ以上の駆動回路及び/又は磁気エミュレータにイネーブル回路を結合して、このような構成要素の使用を可能にすることができる。
【0009】
例えばマイクロプロセッサ又はその他の回路から入力信号を供給することができる。例えば、カード又は(携帯電話機などの)その他の装置に、複数のマイクロプロセッサを含めることができる。例えば、入力信号の正又は負のレベルの遷移を、規定の傾斜の正又は負の直線ランプに変換するためのランプ生成器を提供することができる。例えば、この代替の正及び負のランプの信号を、追加の信号処理回路に渡すことができる。
【0010】
信号整形回路を提供して、例えばランプ生成器により供給される信号を受け取ることができる。この信号整形回路を利用して、ランプ生成器により供給されるランプ信号を整形することができる。
【0011】
この整形された信号を電流制御回路に供給することができる。電流制御回路を使用して、例えば出力ノードにおける電流レベルを制御することができる。
【0012】
例えば、ミューティング機能を提供する制御入力を供給することができる。このような制御信号が供給電圧まで引き上げられると、例えば、駆動電流を約0A(0Aなど)に強制することができる。このようなミューティング機能を利用して、例えば駆動回路のパワーアップ及びパワーダウン中に動的磁気ストライプ通信装置を抑制することができる。例えば、このような回路を使用していないときには、電力を除去してバッテリ寿命を延ばすことができる。例えば、電力遷移中には、このミュート機能により、(パルスなどの)望ましくない信号が生成されるのを防ぐことができる。
【0013】
電圧調整器は、基準電圧を利用することができる。これにより、例えば、電源電圧への依存をなくすことができる。例えば、バッテリに過給し、このバッテリが、バッテリの使用中に異なる電圧レベルを有することができる。電圧調整器から基準電圧を供給することにより、例えばより信頼性の高い電気エネルギー源を提供ことができる。
【0014】
全体を通じて同じ参照数字が同じ構造要素を示す以下の図面とともに検討する以下の詳細な説明から、本発明の原理及び利点をより明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の原理に従って構成されたカードを示す図である。
【図2】本発明の原理に従って構成された処理フローチャート及び波形を示す図である。
【図3】本発明の原理に従って構成されたアーキテクチャを示す図である。
【図4】本発明の原理に従って構成された回路を示す略図である。
【図5】本発明の原理に従って構成された回路を示す略図である。
【図6】本発明の原理に従って構成された処理フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すカード100は、例えば、ディスプレイ112を介して全体的又は部分的に表示できる動的番号を含むことができる。動的番号は、例えば不変部分111などの不変部分を含むことができる。不変部分111は、カード100上に印刷及びエンボス加工又はレーザエッチング加工することができる。カード上には複数のディスプレイを設けることができる。例えば、ディスプレイ113を利用して、動的セキュリティコードなどの動的コードを表示することができる。ディスプレイ125を設けて、ロゴ、バーコード、及び複数行にわたる情報を表示することができる。ディスプレイは、双安定ディスプレイであっても、又は非双安定ディスプレイであってもよい。不変情報120を含めることもでき、この不変情報120は、(ユーザの名前又はユーザ名などの)ユーザ固有の情報又は(カード発行日及び/又はカード有効期限などの)カード固有の情報などの情報を含むことができる。カード100は、ボタン130〜134などの1又はそれ以上のボタンを含むことができる。このようなボタンは、機械式ボタン、容量性ボタン、又は機械式ボタンと容量性ボタンの組み合わせとすることができる。カード100は、ボタン199を含むことができる。ボタン199を使用して、例えば、単一トラックの磁気ストライプ情報を通信したいというユーザの要望を示す情報を、動的磁気ストライプ通信装置101を介して通信することができる。当業者であれば、(ボタン199などの)ボタンを押すことにより、関連する読取ヘッド検出器が磁気ストライプリーダの読取ヘッドの存在を検出したときに装置101を介して情報を通信できると理解するであろう。ボタン198を利用して、(例えば、ボタン198が押された後であって読取ヘッドがリーダの読取ヘッドを検出した後に)ユーザ選択を示す情報を通信する(例えば、2トラックの磁気ストライプデータを通信する)ことができる。カード上には複数のボタンを設けることができ、各ボタンを異なるユーザ選択に関連付けることができる。
【0017】
アーキテクチャ150は、あらゆるカードとともに利用することができる。アーキテクチャ150は、プロセッサ120を含むことができる。プロセッサ120は、(ドライブコードなどの)情報を記憶するためのオンボードメモリを有することができる。あらゆる数の構成要素が、プロセッサ120に通信を行い、及び/又はプロセッサ120から通信を受け取ることができる。例えば、プロセッサ120に(ディスプレイ140などの)1又はそれ以上のディスプレイを結合することができる。当業者であれば、特定の構成要素とプロセッサ120の間に構成要素を配置できると理解するであろう。例えば、ディスプレイ140とプロセッサ120の間にディスプレイ駆動回路を結合することができる。プロセッサ120には、メモリ142を結合することもできる。メモリ142は、特定のカードに特有のデータを含むことができる。例えば、メモリ142は、カード150のボタンに関連する任意のデータコードを記憶することができる。このようなコードを遠隔サーバが認識して、特定の動作を行うことができる。例えば、メモリ142には、(カード発行者のウェブサイトに結合された遠隔サーバなどの)遠隔サーバによってプロモーションが行われるようにするコードを記憶することができる。メモリ142は、ユーザが装置にダウンロードして、使用するために装置上で選択した可能性のあるプロモーションの種類を記憶することができる。各プロモーションをボタンに関連付けることもできる。或いは、例えばユーザが、カードの表側のディスプレイ上でプロモーションのリストを(例えば、リストをスクロールするためのボタンを使用して)スクロールすることもできる。
【0018】
アーキテクチャ150には、あらゆる数のリーダ通信装置を含めることができる。例えば、ICチップリーダに情報を通信するためのICチップ152を含めることができる。ICチップ152は、例えばEMVチップであってもよい。別の例によれば、RFIDリーダに情報を通信するためのRFID151を含めることができる。磁気ストライプリーダに情報を通信するための磁気ストライプ通信装置を含めることもできる。このような磁気ストライプ通信装置は、磁気ストライプリーダに電磁信号を供給することができる。磁気ストライプリーダに異なる電磁信号を通信して、異なるデータトラックを提供することができる。例えば、電磁場生成器170、180及び185を含めて、磁気ストライプリーダに別個の情報トラックを通信することができる。このような電磁場生成器は、周囲に(軟磁性材料及び非磁性材料などの)1又はそれ以上の材料を巻き付けたコイルを含むことができる。各電磁場生成器は、特定の磁気ストライプトラック用の磁気ストライプリーダの受信機に連続的に情報を通信することができる。読取ヘッド検出器171及び172を利用して、磁気ストライプリーダの存在(磁気ストライプリーダの読取ヘッドハウジングなど)を感知することができる。この感知した情報をプロセッサ120に通信して、プロセッサ120が、電磁生成器170、180及び185から磁気ストライプリーダの読取ヘッドハウジング内の磁気ストライプトラック受信機に連続的に情報を通信するようにすることができる。従って、磁気ストライプ通信装置は、磁気ストライプリーダに通信する情報をあらゆる時点で変更することができる。プロセッサ120は、例えば、RFID151、ICチップ152、及び電磁生成器170、180及び185を介して、(購入認証サーバなどの)遠隔情報処理サーバに結合されたカードリーダに、ユーザ固有の情報及びカード固有の情報を通信することができる。プロセッサ120は、駆動回路141を利用して、例えば電磁生成器170、180及び185を制御することができる。
【0019】
図2に、例えば、ランプ生成器202、信号整形203、及び電流制御204を含むことができる処理201を示す。例えば、マイクロプロセッサ又はその他の制御回路が、制御信号を生成することができる。このような制御信号をランプ生成器202が利用して、例えば線形増加信号又は線形減少信号を生成することができる。信号の傾斜は、事前に決定してメモリに記憶することができる。信号の傾斜は変更することができる。例えば、信号の傾斜は、例えば、カード又はその他の装置が感知した環境(読取ヘッド検出器が、特定の種類のリーダが利用されていると判断することなど)に応じて異なることができる。ランプ生成器202により生成された信号を、マイクロプロセッサが周波数/二重周波数(F2F)符号化情報を生成するように制御することもできる。このような情報を、例えば信号整形203によって整形することができる。信号整形203を利用して、ランプ生成器202により生成された信号を、例えば信号内に非線形形状を提供するように整形することができる。電流制御回路204を利用して、例えば処理201からの出力信号の電流を制御することができる。
【0020】
信号210は、例えば、ランプ生成器信号を供給するランプ生成器から供給することができる。ランプ生成器は、例えば、いつ増加信号を生成し、信号を減少させ、又は出力信号を安定したままにすべきかに関する制御信号を受け取ることができる。増加信号は、例えば、電圧閾値において正方向又は負方向に制限することができる。減少信号は、例えば、電圧閾値において正方向又は負方向に制限することができる。例えば、ランプは、単一の極性で、又は正及び負の極性の両方にわたって存在することができる。
【0021】
例えば、正の極性のランプ信号を供給するように信号215を供給することができる。最大閾値は、例えば、約2.2〜3.6ボルト(約2.7ボルトなど)とすることができる。最小閾値は、例えば、約0〜0.1ボルト(0ボルトなど)とすることができる。当業者であれば、ランプ生成器が特定の時間にわたってピークを保持できると理解するであろう。例えば、ランプ生成器は、ランプ生成器から以前の(又は以降の)ランプが提供されたときにかかった時間よりも長い時間ピークを保持することができる。これにより、例えば、磁気ストライプリーダの読取ヘッドにクリーナ信号を供給することができる。或いは、例えば、ランプ生成器は、ランプ生成器から以前の(又は以降の)ランプが提供されたときにかかった時間よりも短い時間、又はこれに等しい時間ピークを保持することができる。信号215は、例えば台形波信号として供給することができる。
【0022】
信号220は、例えば、(例えば、信号整形回路から)電流制御回路に供給される整形信号とすることができる。この整形信号は、電流制御回路に、例えば(セグメント221などの)整形した台形セグメントを与えることができる。次に、例えば電流制御回路から磁気エミュレータのコイルに、信号整形回路から供給される電圧の関数である電流を供給することができる。信号220は、例えば、ランプ生成器からのランプ信号内に存在する特性を超える正弦波及び逆正接信号特性を含むことができる。より詳細には、この整形信号は、(信号215のポイント219などの)ランプ信号内の遷移点を平滑化及び曲線化することができる。これにより、例えば、磁気ストライプリーダの読取ヘッドに、ノイズ及びリンギングの少ない信号を供給することができる。当業者であれば、(信号215の部分217などの)ランプ信号の定電圧部分が、整形信号内に定電圧範囲を提供することもできると理解するであろう。しかしながら、ランプ生成信号の定電圧範囲と整形信号の定電圧範囲は、長さが異なることもある(例えば、整形信号内の定電圧の長さの方が短いことがある)。
【0023】
信号225は、例えば、制御回路204が生成した電流信号により駆動されるコイルから信号を受け取った結果として生じる、磁気ストライプリーダの読取ヘッドが受け取った時間信号の変化に対する電流の変化とすることができる。当業者であれば、信号220の電圧が増加することにより、信号225が(パルス226のような)正のパルスになり、信号220の電圧が低下することにより、信号225が(パルス227のような)負パルスになり得ると理解するであろう。
【0024】
図3に、(駆動回路320などの)駆動回路に(信号311などの)駆動信号及び(信号312などの)ミュート信号を供給し、イネーブル回路360に(信号319などの)制御信号を供給するプロセッサ310を示す。駆動回路は、(装置370などの)動的磁気通信装置に(信号321などの)動的磁気通信装置駆動信号を供給することができる。例えば、(磁気ストライプデータの異なるトラックを通信するための、コイルを有する異なるエミュレータなどの)異なる動的磁気通信装置には、異なる駆動回路を利用することができる。このような異なる駆動回路には、異なるプロセッサによって、例えば駆動信号及びミュート信号を供給することができる。
【0025】
駆動回路は、例えば、(図2のランプ生成器202などの)ランプ生成器回路、(図3の信号整形回路203などの)信号整形回路、及び(図2の電流制御回路204などの)電流制御回路を含むことができる。(駆動回路320などの)駆動回路は、(装置370などの)動的磁気ストライプ通信装置に整形信号を供給することができる。同様に、例えば、イネーブル回路360は、例えば駆動回路及び動的磁気ストライプ通信装置に(信号361などの)イネーブル信号を供給することができる。
【0026】
例えば、単一のプロセッサを利用して、1つ、2つ、3つ又は4つの駆動回路及び磁気エミュレータを、磁気ストライプデータの別個のトラックを通信するように制御することができる。単一のイネーブル回路を利用して、例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つの磁気エミュレータを有効にすることができる。例えば、単一のイネーブル回路を利用して2つの磁気エミュレータを有効にすることができ、単一のプロセッサを利用して制御信号及びミュート信号を供給し、(例えば、エミュレータごとに1つの)2つの回路を駆動することができる。或いは、1つよりも多くのプロセッサを利用して、例えば別個の駆動回路を制御し、1つよりも多くのイネーブル回路を利用して別個の磁気エミュレータを有効にすることもできる。
【0027】
図4は、回路400を含むことができ、この回路400は、例えば、第1のソース電圧401、第2のソース電圧402、接地499、駆動信号412、ミュート信号411、出力信号413、トランジスタ441〜445、コンデンサ451及び452、抵抗器421〜431、ダイオード471〜473、及び演算増幅器461及び462を含むことができる。当業者であれば、回路400を、磁気エミュレータを介して磁気ストライプデータのトラックを通信するための駆動回路として利用できると理解するであろう。磁気エミュレータは、例えばコイルなどのインダクタを含むことができる。このようなコイルを、例えば、多層式の柔軟性のあるプリント回路基板などの、柔軟性のあるプリント回路基板上に製造することができる。
【0028】
コンデンサ451は、例えば、約1800〜3500pF(約2200pFなど)を有することができる。例えば、コンデンサ451を利用して、磁気ストライプリーダの読取ヘッドが受け取る信号のパルス幅(図2の信号225のパルス226の幅など)を制御することができる。
【0029】
駆動信号412は、例えばプロセッサから供給することができる。例えば、抵抗器421及び422、トランジスタ441〜444、コンデンサ451及び演算増幅器461を含むことができるランプ生成器回路を設けることができる。
【0030】
このランプ生成器回路は、ランプ生成器回路の出力用のインピーダンスバッファとして機能できる演算増幅器461を含むことができる。従って、例えば、コンデンサ451の電圧を後続の回路が加えることはできない。例えば、トランジスタ443及び444を結合して、温度補償型定電流源を形成することができる。電流レベルは、例えば抵抗器422によって定めることができる。(駆動信号412などの)入力信号は、例えば(接地499に等しいゼロ電圧などの)接地、又は(駆動されたオープンコレクタアクティブプルダウンなどの)フローティングしたままのいずれかとすることができる。結果として生じる定電流を、例えばコンデンサ451に選択的に印加することができ、この結果コンデンサ451の電圧は、所望の場合に線形に増加して正のランプ到達を形成できるが、例えば供給電圧401を超えることはない。
【0031】
マイクロプロセッサは、ランプ生成器、整形信号回路、及び電流制御回路の特性を与えるように構成することができる。或いは、例えばこのようなランプ生成器、整形信号及び電流制御回路を、ASIC又は複数のASIC上に設けることもできる。ASIC上に複数の駆動回路を設けることもできる。例えば、単一のASICが、2つ又は3つの駆動回路を提供し、これらを利用して、(磁気エミュレータなどの)2つ又は3つの動的磁気通信装置が、それぞれ磁気ストライプリーダの読取ヘッドに異なるデータトラックを通信するようにすることができる。
【0032】
トランジスタ441及び442を結合して、例えば、抵抗器421により定義された電流レベルの温度補償型定電流シンクを形成することができる。トランジスタ441及び442を含む回路は、例えば常に定電流を引き出すことができ、この結果トランジスタ443及び444からの電流源が動作できない場合にはコンデンサ451上の電荷が枯渇する恐れがあり、従ってトランジスタ443及び444からの電流源が動作できる場合には、この電流源からの電流を引き出す。
【0033】
トランジスタ443及び444により形成される電流源は、例えば441及び442により形成される電流シンクが利用する電流の約2倍の電流を送出することができる。このことは、例えば抵抗器421を抵抗器422の値の約2倍に設定することによって実現することができる。この結果、例えば、入力部412の状態により、コンデンサ451を充電するかそれとも枯渇させるかを、一致する逆符号の電流値によって定めることができる。この結果、例えば等しい傾斜ではあるが符号が逆の正又は負の線形ランプを出力することができる。
【0034】
例えば、ランプ生成器回路により生成された信号に、信号整形機能を適用することができる。従って、例えば信号整形回路を設けることができ、この信号整形回路は、例えば抵抗器423〜428及びダイオード471〜472を含むことができる。ランプ回路からのランプ信号を、例えば抵抗器423に供給することができる。結果として得られる整形回路からの整形信号を、例えば抵抗器424と428の間の共通ポイントに供給することができる。
【0035】
信号整形回路は、ダイオード471及び472を含むことができる。信号整形回路は、追加のダイオードを含むこともできる。これらのダイオードに、整形回路が受け取る信号にこれらのダイオードの線形特性を与えるようにバイアスをかけることができる。抵抗器423〜426及び428は、例えば、約ゼロボルト/秒の傾斜から開始して約ゼロボルト/秒の傾斜で終わる、ゼロボルトレベルから基準電圧401へのスムーズな遷移を実現するように選択されたバイアス抵抗器とすることができる。この結果得られる形状は、例えばほぼ逆正接曲線に類似することができる。抵抗器ペア424及び428は、例えば、この結果として得られた整形信号の一部を演算増幅器462の正端子に与えることができる。
【0036】
例えば、信号整形回路により生成された信号に、電流制御機能を適用することができる。従って、例えば電流制御回路を設けることができ、この電流制御回路は、例えば抵抗器429〜431、演算増幅器462、トランジスタ445、コンデンサ452及びダイオード473を含むことができる。信号整形回路からの整形信号は、例えば出力部413における電流レベルを制御する演算増幅器462の正端子に提供することができる。出力部413からの電流は、例えば、出力部413と(供給電圧402などの)正の供給電圧の間に接続された磁気エミュレータを(コイルなどを介して)通過することができる。このコイルを利用して、磁気ストライプデータのトラックを連続送信することができる。
【0037】
演算増幅器462及びフィードバック抵抗器430は、例えばトランジスタ445のコレクタベースの電流を、感知抵抗器431の着信信号に関連する電圧を確立するように制御することができる。このようにして、例えば、磁気エミュレータのコイルを通じて引き出された電流を正確に制御することができる。
【0038】
抵抗器429は、ゼロボルトレベルの信号入力に対応する駆動電流が、到達はしないがほぼゼロミリアンペアに近付くように補正することができる。例えば、この電流を、例えば約2〜3ミリアンペア(約2ミリアンペアなど)に制限することができる。従って、トランジスタ445をアクティブ状態のままシャットオフしなくてもよく、これにより、例えば最終的な出力信号における電流の望ましくない非線形的な及び急激な変化を避けることができる。
【0039】
抵抗器431は、例えばセンス抵抗器であってもよい。抵抗器431は、例えば動的磁気ストライプ通信装置を動作させるのに必要なレベルに電流をスケール調整するように選択することができる。最大入力信号に関連する(基準電圧401などにおける)電流は、例えば50〜100ミリアンペアを有することができる。或いは、例えば電流がこの範囲を上回っても又は下回ってもよい。
【0040】
例えば、出力部413と供給電圧402の間に動的磁気ストライプ通信装置を設けることができる。ハイパスフィルタを設けることもできる。このようなハイパスフィルタは、例えばコンデンサ452などのコンデンサを含むことができる。このようなハイパスフィルタは、例えば高周波成分を含む突然の信号変化が動的磁気ストライプ通信装置に達するのを防ぐことができる。
【0041】
ダイオード473を設けることもできる。ダイオード473は、例えば出力が誘導負荷を引き起こした場合に、駆動回路に対してバックEMF保護を行うことができる。
【0042】
例えば、ミュート機能を提供するための補助制御信号を供給することができる。このような(信号411などの)ミュート信号を利用して、駆動電流を、(急上昇などの場合に)例えばゼロアンペアに強制することができる。例えば、通常のフィードバック制御中に、必要に応じて信号をフローティングしたままにしておくことができる。ミュート機能を利用して、例えば駆動回路のパワーアップ及びパワーダウン中に動的磁気ストライプ通信装置を抑制することができる。例えば、非使用時には、バッテリ寿命を延ばすためにこれらの回路から電力を除去することができる。しかしながら、電力遷移中には、望ましくない信号/パルスが生成されることがある。ミュート機能を利用して、このような望ましくない信号/パルスを防ぐことができる。
【0043】
例えば、あるシーケンスは、ミュート信号を高く保持するステップ、駆動回路に電力を印加するステップ、ミュート信号を放出するステップ、動的磁気ストライプ通信装置にデータを供給するステップ、ミュート信号を引き上げるステップ、駆動回路から電力を除去するするステップ、及び最適な低電力スタンバイ動作に合わせて回路を設定するするステップを含むことができる。
【0044】
当業者であれば、低電力動作を最適化できると理解するであろう。図5に、例えば、イネーブル回路511、抵抗器531、切り換え要素521、構成要素561、コンデンサ551〜563、電源電圧501、502及び503、及び接地599を含むことができる電力制御回路500を示す。
【0045】
切り換え要素521は、例えばMOSFETであってもよい。切り換え要素521を使用して、例えば(電源501などの)バッテリとすることができる電力供給装置からの電流、従って電力を切り換えることができる。MOSFETは、オンモードでの直列抵抗が低い切り換え要素として利用することができる。切り換え要素521は、マイクロプロセッサ又はその他の回路により供給できる(信号511などの)制御信号を利用してオン又はオフにすることができる。
【0046】
当業者であれば、切り換え装置521をオフ状態にすべき場合、例えば高インピーダンス状態(フローティング状態)の制御信号511を供給することにより電力使用を最小化できると理解するであろう。このため、例えば切り換え装置521をオフ状態に保つための抵抗器531が設けられる。
【0047】
切り換え装置521の出力は、例えば図4の回路400の電流制御回路の出力段階に、及び例えば図4の回路400の演算増幅器にVCC電力を供給することができる。また、例えば、基準電圧を利用して追加回路に電力を供給することもできる。
【0048】
(図4の電圧401及び図5の電圧503などの)基準電圧は、例えば(図5の構成要素561などの)電圧調整器によって供給することができる。基準電圧により、例えば(図4の電圧402などの)供給電圧への依存をなくすことができる。例えば、バッテリを全体的な電源として利用し、このバッテリが使用を通じて放電できる場合、供給電圧が変化することがある。
【0049】
電圧調整器としては、低ドロップアウト(LDO)線形調整器を利用することができる。ツェーナーダイオード回路を利用することもできる。結果として得られる電圧基準を、例えばコンデンサ563又はその他の回路によってフィルタ処理することができる。例えば、最低可能供給電圧よりも低い点に電圧基準を設けることができる。従って、バッテリを提供して、これを約2.8ボルトに放電することができる。従って、基準電圧を約2.7ボルトで供給することができる。従って、供給電圧と基準電圧の差を、0.2ボルト〜0.5ボルト(約0.1ボルトなど)とすることができる。
【0050】
信号整形回路は、例えばあらゆる数のダイオード(約9個のダイオードなど)及びバイアス抵抗器を利用して、より正確な逆正接波形を実現することができる。ダイオードを追加することにより、例えば所望の波形の区分近似に追加の区切り点を導入することができる。例えば、抵抗器425、427及び426を、電圧401とは異なることができる(例えば電圧401の電圧の半分とすることができる、及び/又は電圧401と約0.5〜1.5又は1ボルトだけ異なることができる)2つの調整可能な電圧基準に置き換えることができる。
【0051】
例えば、演算増幅器を開ループ制御構成の1又はそれ以上の個々のトランジスタに置き換えることにより、電流駆動を行うことができる。当業者であれば、(図4の回路400などにおいて)トランジスタを、例えばMOSFETに置き換えることができると理解するであろう。ランプ生成器回路内の演算増幅器は、例えばプッシュプル構成の1対のトランジスタに置き換えることができる。
【0052】
図6に、磁気ストライプデータを磁気ストライプリーダに通信するためのシーケンスを示す。このシーケンスは、例えば、ミュート信号を高く保持するステップ(図6のステップ601など)、駆動回路に電力を印加するステップ(図6のステップ602など)、ミュート信号を解放するステップ(図6のステップ603など)、動的磁気ストライプ通信装置にデータを供給するステップ(図6のステップ604など)、ミュート信号を引き上げるステップ(図6のステップ605など)、駆動回路から電力を除去するステップ、及び最適な低電力スタンバイ動作に合わせて回路を設定するステップを含むことができる。磁気ストライプリーダにカードを複数回通せるように、これらの処理の全部又は一部を複数回繰り返すことができる。例えば、カード上に読取ヘッド検出器を設けて、カードが磁気ストライプリーダに再び通されているかどうかを判定することができる。低電力スタンバイ動作は、例えばマイクロプロセッサをスリープモードに入れるステップを含むことができる。マイクロプロセッサは、例えばカード(又はその他の装置)がユーザから手動入力を受け取ったことによってスリープモードから覚めることができる。例えば、ユーザは、カード上のボタンを押して機能を選択することができ、マイクロプロセッサをスリープモードから覚ますことができ、カード上の回路が、動的磁気ストライプ通信装置が磁気ストライプデータを通信するために磁気ストライプリーダの読取ヘッドの近くに存在すると(例えば、カード又はその他の装置に設けられた1又はそれ以上の磁気ストライプ読取ヘッド検出器を介して)判断した場合には、駆動回路及び動的磁気ストライプ通信装置によって磁気ストライプデータを磁気ストライプリーダに通信することができる。
【0053】
当業者であれば、ブースト回路を設けてもよいと理解するであろう。バッテリ(例えば、通常動作で約3.6ボルトを有するバッテリ)は、高電圧(例えば、約4.2ボルトなどの約3.8〜4.5ボルト)に過給することができる。しかしながら、マイクロプロセッサは、過給されたバッテリからの電圧を直接利用することができない。この結果、例えばブースト回路を設けて、過給されたバッテリの電圧をマイクロプロセッサが利用できるレベルに落とすことができる。ブースト回路は、バッテリが特定の閾値を超えて(例えば、マイクロプロセッサに直接給電するのに適した電圧まで)放電した時点を特定し、これによりバッテリの電圧の降下を中止することができる。ブースト回路は、バッテリが降下する電圧を変更することもできる。従って、例えばバッテリにより供給される電圧が低下すると、ブースト回路は、バッテリが降下する電圧量を減少させることができる。これにより、例えばマイクロプロセッサを損傷したり、又はマイクロプロセッサの誤作動を引き起こすことなくバッテリから追加電力を取得することができる。
【0054】
当業者であれば、本発明が、説明した実施形態のみに限定されるものではないことも理解するであろう。むしろ、本発明は、より広く動的情報に関する。当業者であれば、本明細書で説明した以外の方法で本発明の装置を実現できることも理解するであろう。全てのこのような修正は本発明の範囲に含まれ、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0055】
100 カード
101 動的磁気ストライプ伝送装置
111 不変部分
112 ディスプレイ
113 ディスプレイ
120 不変情報
125 ディスプレイ
130〜134 ボタン
140 ディスプレイ
141 精密駆動回路
142 メモリ(駆動コードなど)
143 バッテリ
150 アーキテクチャ
151 RFID
152 ICチップ
170 電磁場生成器
171、172 読取ヘッド検出器
180 電磁場生成器
185 電磁場生成器
198 ボタン
199 ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ストライプデータトラックを通信するための、コイルを含む磁気ストライプエミュレータと、
プロセッサと、
前記磁気ストライプエミュレータに結合された、第1の演算増幅器及び第2の演算増幅器を含む駆動回路と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
バッテリをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記磁気ストライプエミュレータが、多層式の柔軟なプリント回路基板を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ボタンを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
第1のボタン及び第2のボタンを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
RFIDをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
磁気ストライプデータトラックを通信するための、コイルを含む磁気ストライプエミュレータと、
プロセッサと、
台形信号を供給するためのランプ生成器を含む、前記磁気ストライプエミュレータに結合された駆動回路と、
を備え、前記ランプ生成器が、1,500〜4,000pFの容量のコンデンサを含む、
ことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記ランプ生成器がランプ生成器出力信号を供給し、前記駆動回路が、前記ランプ生成器出力信号を整形するための信号整形回路をさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ランプ生成器がランプ生成器出力信号を供給し、前記駆動回路が、前記ランプ生成器出力信号を整形するための、整形出力を供給する信号整形回路をさらに含み、前記駆動回路が、前記整形信号を受け取って出力電流レベルを制御する電流制御回路をさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記磁気ストライプエミュレータが、多層式の柔軟なプリント回路基板を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
バッテリをさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
インダクタを介して磁気ストライプデータを通信するための駆動回路であって、
台形信号を供給するためのランプ生成器と、
前記台形信号の遷移点を平滑化して平滑化信号を供給するための信号整形回路と、
を含むことを特徴とする駆動回路。
【請求項13】
電流制御回路をさらに含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の駆動回路。
【請求項14】
前記ランプ生成器が、コンデンサを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の駆動回路。
【請求項15】
前記ランプ生成器が、演算増幅器を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の駆動回路。
【請求項16】
前記ランプ生成器が、コンデンサ及び演算増幅器を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の駆動回路。
【請求項17】
前記ランプ生成器が、コンデンサ、抵抗器、及び演算増幅器を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−519964(P2013−519964A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553989(P2012−553989)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2011/025047
【国際公開番号】WO2011/103160
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512298306)ダイナミックス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】