説明

動線情報収集システム、動線情報収集方法及びプログラム

【課題】プライバシーを害することなく、入居者の動線情報を収集する。
【解決手段】動線情報収集システム10は、設定情報記憶部11、現在情報記憶部12、動線情報記憶部13、演算部14、及びセンサD01〜D12を含んで構成される。センサD01〜D12は、入居者が1人ずつ専有する複数の第1領域と、入居者それぞれが共用する第2領域とからなる複数の領域それぞれに設置され、この複数の領域それぞれにおいて入居者の有無を検知する。センサによる検知の結果が変化した場合に、演算部14は、入居者を検知しているセンサのIDと、このセンサによって検知されている入居者のIDとを関連づけて、動線情報として動線情報記憶部13に記憶させる。また、演算部14は、第1領域で入居者が検知された場合に、動線情報記憶部13に記憶された動線情報を、この第1領域を専有する入居者の動線情報として更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動線情報収集システム、動線情報収集方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や老人ホーム等の施設で生活している入居者は、施設内を自由に移動することが多い。この入居者の移動経路は、動線と呼ばれる。動線に関する情報(以下、動線情報という)は、入居者の安否を確認するための有用な情報である。そのため、動線情報を収集するための技術が提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照)。
【0003】
特許文献1に開示のシステムは、無線IDタグを携行する人の動線情報を収集する。また、特許文献2に開示の装置は、複数のカメラにより撮影される領域内の人物を追跡する。また、特許文献3に開示の装置は、赤外線センサにより検知された人の移動軌跡と、あらかじめ記憶された個人性行とを比較することにより、検知されている人を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−071252号公報
【特許文献2】特開2010−063001号公報
【特許文献3】特開2010−108037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示のシステムは、無線IDタグを携行していない人の動線情報を収集することが困難であった。また、特許文献2に開示の装置は、人物の所作をすべて撮影するため、プライバシーを害するおそれがあった。また、特許文献3に開示の装置は、例えば自動販売機や灰皿に頻繁に立ち寄るという個人性行をあらかじめ記憶するため、プライバシーを害するおそれがあった。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、プライバシーを害することなく、入居者の動線情報を収集することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る動線情報収集システムは、
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置され、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知手段と、
前記検知手段による検知の結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶手段と、
前記検知手段によって前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新手段と、
を備える。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る動線情報収集方法は、
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置された検知手段を用いて、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにおける検知の結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶ステップと、
前記検知ステップにおいて前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶ステップにおいて記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新ステップと、
を含む。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置された、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知手段の検知結果を取得する取得手段、
取得された前記検知結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶手段、
前記検知手段によって前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入居者を検知している検知手段を識別するための第1識別情報と、この検知手段によって検知されている入居者を識別するための第2識別情報とが関連づけられて、動線情報として記憶される。また、入居者それぞれが専有する第1領域において検知手段により入居者が検知された場合に、記憶された動線情報は、この第1領域を専有する入居者の動線情報として更新される。これにより、プライバシーを害することなく、入居者の動線情報を収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る動線情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【図2】センサが設置される施設を示す平面図である。
【図3】設定情報記憶部に記憶されるデータを示す図である。
【図4】現在情報記憶部に記憶されるデータを示す図である。
【図5】動線情報記憶部に記憶されるデータを示す図である。
【図6】演算部により実行される処理を示すフロー図である。
【図7A】入居者の移動の類型の一を示す図である。
【図7B】入居者の移動の類型の一を示す図である。
【図7C】入居者の移動の類型の一を示す図である。
【図7D】入居者の移動の類型の一を示す図である。
【図8】演算部により実行される移動先センサID取得処理を示すフロー図である。
【図9】演算部により実行される移動入居者ID候補取得処理を示すフロー図である。
【図10】演算部により実行される動線情報登録処理を示すフロー図である。
【図11】演算部により実行される入居者特定処理を示すフロー図である。
【図12】動線情報収集システムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
本実施形態に係る動線情報収集システム10は、病院や老人ホーム等の施設で生活している入居者の動線情報を収集する。動線情報収集システム10は、図1に示されるように、設定情報記憶部11、現在情報記憶部12、動線情報記憶部13、演算部14、及び複数のセンサD01〜D12を有している。
【0014】
センサD01〜D12は、例えば赤外線センサ等の人感センサである。センサD01〜D12は、図2に示されるように、施設内に分散して設置されている。センサD01は、検知範囲A01における入居者の存在を検知する。また、センサD02〜D12それぞれは、検知範囲A02〜A12それぞれにおける入居者の存在を検知する。
【0015】
なお、図2に示される部屋RAは、入居者MAが専用する個人スペース(個室)である。同様に、部屋RBは入居者MBが専用する個人スペースであり、部屋RCは入居者MCが専用する個人スペースである。また、居間RL及びトイレRWは、入居者のいずれもが出入り可能な共用スペースである。
【0016】
検知範囲A01〜A12それぞれは、互いに重なり合わない。また、この施設には、検知範囲A01〜A12以外の領域はない。つまり、この施設内に存在する入居者は、センサD01〜D12のうち少なくともいずれか1つのセンサによって検知される。
【0017】
以下では、1つのセンサと検知範囲が接しているセンサを、隣接センサという。例えば、センサD02の隣接センサは、センサD01及びセンサD09である。なお、センサD04は、センサD02との間に壁があるため、センサD02の隣接センサではない。
【0018】
また、センサD01〜D12それぞれが入居者の存在を検知している状態を、以下では単にオン状態という。オン状態のセンサD01〜D12それぞれは、ハイレベルの信号を演算部14へ送信する。一方、センサD01〜D12それぞれが入居者の存在を検知していない状態を、以下では単にオフ状態という。オフ状態のセンサD01〜D12それぞれは、ローレベルの信号を演算部14へ送信する。
【0019】
設定情報記憶部11は、図3に示されるように、入居者のID(入居者ID)と、この入居者の個人スペースである部屋のID(部屋ID)と、この部屋に配設されているセンサのID(センサID)と、このセンサの隣接センサのIDと、を対応づけて記憶する。また、設定情報記憶部11は、個人スペース以外の部屋のIDと、この部屋に存在する入居者を検知するセンサのIDと、このセンサの隣接センサのIDと、を対応づけて記憶する。
【0020】
なお、説明のため、入居者のIDと入居者に付される符号とは共通のものを用いる。同様に、部屋のIDと符号とを共通とし、センサのIDと符号とを共通とする。
【0021】
現在情報記憶部12は、図4に示されるように、センサIDと、このセンサによって現在検知されている入居者のIDの候補とを対応づけて記憶する。例えば、センサD09によって検知されている入居者のIDが「MB」に特定されている場合に、現在情報記憶部12は、図4に示されるレコードを記憶する。また、センサD09によって検知されている入居者のIDが「MA」又は「MB」のいずれかである場合には、現在情報記憶部12は、センサID「D09」と入居者ID「MA」とが対応づけられたレコードをさらに記憶する。
【0022】
動線情報記憶部13は、図5に示されるように、動線情報を記憶する。本実施形態に係る動線情報は、センサIDと、このセンサによって検知された入居者のIDの候補と、このセンサが配設されている部屋のIDと、このセンサがオン状態へ遷移した日時と、動線IDとが対応づけられた情報である。
【0023】
動線IDは、移動した入居者を1人に特定できない場合に付与されるIDである。例えば、入居者MA、MBのいずれかがセンサD02により検知された場合、動線情報記憶部13には、入居者ID「MA」及び「MB」と、センサID「D02」と、動線IDとが対応づけられたレコードが記憶される。
【0024】
また、移動した入居者が1人に特定される場合には、図5に示されるように動線IDは付与されない。動線情報記憶部13は、動線情報を蓄積することにより、入居者が部屋を移動した経路を記憶する。
【0025】
演算部14は、センサD01〜D12から送信された信号をモニタリングする。また、演算部14は、設定情報記憶部11、現在情報記憶部12及び動線情報記憶部13に記憶されているデータに基づいて、後述の処理を実行する。
【0026】
続いて、以上の構成要素を有する動線情報収集システム10により実行される処理について説明する。
【0027】
動線情報収集システム10は、入居者が個人スペースに存在する可能性が高い時刻に処理を開始する。動線情報収集システム10が処理を開始する時刻は、例えば、毎朝午前4時である。
【0028】
まず、演算部14は、オン状態のセンサのIDを取得する(ステップS1)。演算部14は、このセンサIDに対応する部屋IDを、設定情報記憶部11から取得する(ステップS2)。演算部14は、この部屋が個人スペースであるか否かを判定する(ステップS3)。
【0029】
個人スペースであると判定された場合(ステップS3;Yes)、演算部14は、この部屋IDに対応する入居者IDを、設定情報記憶部からを取得する(ステップS4)。そして、演算部14は、入居者IDとセンサIDとを対応づけて現在情報記憶部12に記憶させる(ステップS5)。
【0030】
例えば、午前4時にセンサD02、D04がオン状態であるとする。この2個のセンサそれぞれに対応する部屋RA、RBは個人スペースである。そのため、演算部14は、部屋RAに居住する入居者のID「MA」と、センサID「D02」とを対応づけて現在情報記憶部12に記憶させる。また、演算部14は、部屋RBに居住する入居者のID「MB」と、センサID「D04」とを対応づけて現在情報記憶部12に記憶させる。
【0031】
一方、ステップS3にて個人スペースではないと判定された場合(ステップS3;No)、演算部14は、個人スペースにいない入居者のIDとセンサIDとを対応づけて現在情報記憶部12に記憶させる(ステップS6)。
【0032】
例えば、センサD02、D04に加えてセンサD06がオン状態である場合、演算部14は、センサD07、D08がオフ状態であるため、入居者MCが個人スペースに存在しないと判定する。そして、演算部14は、個人スペースにいない入居者MCと、センサD06とを対応づけて、さらに現在情報記憶部12に記憶させる。
【0033】
次に、演算部14は、状態が遷移したセンサがあるか否かを判定する(ステップS7)。状態が遷移したセンサがないと判定された場合(ステップS7;No)、演算部14は、再度ステップS7を実行する。このように、演算部14は、状態が遷移したセンサがあると判定されるまで、例えば100msごとにステップS7を繰り返し実行する。
【0034】
状態が遷移したセンサがあると判定された場合(ステップS7;Yes)、演算部14は、一の検知範囲からこの検知範囲に隣接する検知範囲へ入居者が移動したと判定して、処理をステップS8へ移行する。
【0035】
入居者が移動することによって、ステップS7の判定が肯定される場合には、図7A〜7Cに示されるように3通りの類型がある。
【0036】
1つめの類型は、図7Aに示されるように、移動元の検知範囲に1人だけ存在していた入居者が、誰も存在していなかった検知範囲へ移動する場合である。この場合、移動元の検知範囲のセンサの状態は、オン状態からオフ状態へ遷移する。また、移動先の検知範囲のセンサの状態は、オフ状態からオン状態へ遷移する。
【0037】
2つめの類型は、図7Bに示されるように、移動元の検知範囲に存在していた複数の入居者のうち1人が、誰も存在していなかった検知範囲へ移動する場合である。この場合、移動元のセンサの状態はオン状態のまま遷移しない。また、移動先の検知範囲のセンサの状態は、オフ状態からオン状態へ遷移する。
【0038】
3つめの類型は、図7Cに示されるように、移動元の検知範囲に1人だけ存在していた入居者が、誰かが存在している検知範囲へ移動する場合である。この場合、移動元の検知範囲のセンサの状態は、オン状態からオフ状態へ遷移する。移動先の検知範囲のセンサの状態は、オン状態のまま遷移しない。
【0039】
なお、図7Dには、移動元の検知範囲に存在していた複数の入居者のうち1人が、誰かが存在している検知範囲へ移動する場合が示されている。この場合は、移動元のセンサ及び移動先のセンサの状態がオン状態のまま遷移しない。したがって、図7Dに示されるように入居者が移動した場合には、ステップS7の判定は否定される。
【0040】
図6に戻り、ステップS8にて、演算部14は、移動先センサID取得処理を実行する(ステップS8)。この移動先センサID取得処理について、図8を用いて具体的に説明する。
【0041】
まず、演算部14は、オン状態からオフ状態へ遷移したセンサがあるか否かを判定する(ステップS21)。
【0042】
オン状態からオフ状態へ遷移したセンサがあると判定された場合(ステップS21;Yes)、演算部14は、状態の遷移したセンサが1個だけであるか否かを判定する(ステップS22)
【0043】
状態の遷移したセンサが1個だけであると判定された場合(ステップS22;Yes)、演算部14は、ステップS23へ処理を移行する。すなわち、図7A〜図7Cに示される3通りの類型のうち、図7Cに示される場合に、演算部14は、ステップS23へ処理を移行する。
【0044】
ステップS23にて、演算部14は、オン状態からオフ状態へ遷移したセンサの隣接センサのうち、オン状態のセンサのIDを取得する(ステップS23)。その後、演算部14は、移動先センサID取得処理を終了する。
【0045】
また、ステップS21にてオン状態からオフ状態へ遷移したセンサがないと判定された場合(ステップS21;No)、及び、ステップS22にて状態の遷移したセンサが1個だけではないと判定された場合(ステップS22;Yes)、演算部14は、ステップS24へ処理を移行する。すなわち、図7A〜図7Cに示される3通りの類型のうち、図7A及び図7Bに示される場合に、演算部14は、ステップS24へ処理を移行する。
【0046】
ステップS24にて、演算部14は、オフ状態からオン状態へ遷移したセンサのIDを取得する(ステップS24)。その後、演算部14は、移動先センサID取得処理を終了する。
【0047】
以上の移動先センサID取得処理により、図7A〜図7Cに示される3通りの類型のいずれの場合にも、演算部14は、移動先の検知範囲のセンサIDを取得する。
【0048】
図6に戻り、ステップS8に続いて、演算部14は、移動入居者ID候補取得処理を実行する(ステップS9)。この移動入居者ID候補取得処理について、図9を用いて詳細に説明する。
【0049】
まず、演算部14は、オフ状態からオン状態へ遷移したセンサがあるか否かを判定する(ステップS31)。
【0050】
オフ状態からオン状態へ遷移したセンサがあると判定された場合(ステップS31;Yes)、演算部14は、状態の遷移したセンサが1個だけであるか否かを判定する(ステップS32)。
【0051】
状態の遷移したセンサが1個だけであると判定された場合(ステップS32;Yes)、演算部14は、ステップS33へ移行する。すなわち、図7A〜図7Cに示される3通りの類型のうち、図7Bに示される場合に、演算部14は、ステップS33へ処理を移行する。
【0052】
ステップS33にて、演算部14は、オフ状態からオン状態へ遷移したセンサの隣接センサのIDを、設定情報記憶部11から取得する(ステップS33)。
【0053】
次に、演算部14は、この隣接センサにより検知されていた入居者のIDすべてを現在情報記憶部12から取得する(ステップS34)。
【0054】
演算部14は、この入居者IDのいずれかに対応し、かつ日時が最新の動線IDを、動線情報記憶部13から取得する(ステップS35)。なお、この入居者に対応する動線IDが動線情報記憶部13に記憶されていない場合には、演算部14は、動線IDとして空のデータを取得する。
【0055】
演算部14は、動線IDを作成する(ステップS36)。具体的には、演算部14は、ステップS35で取得した動線IDに1を加算することにより、動線IDを作成し、この動線IDを保持する。その後、演算部14は、移動入居者ID候補取得処理を終了する。
【0056】
ステップS31にてオフ状態からオン状態へ遷移したセンサがないと判定された場合(ステップS31;No)、及び、ステップS32にて状態の遷移したセンサが1個だけではないと判定された場合(ステップS32;No)、演算部14は、ステップS37へ処理を移行する。すなわち、図7A〜図7Cに示される3通りの類型のうち、図7A及び図7Cに示される場合に、演算部14は、ステップS37へ処理を移行する。
【0057】
ステップS37にて、演算部14は、オン状態からオフ状態へ遷移したセンサのIDを取得する(ステップS37)。
【0058】
次に、演算部14は、このセンサにより検知されていた入居者のIDを、現在情報記憶部12から取得する(ステップS38)。
【0059】
そして、演算部14は、この入居者のIDに対応し、かつ日時が最新のレコードの動線IDを、動線情報記憶部13から取得して、この動線IDを保持する(ステップS39)。なお、この入居者のIDに対応する動線IDが動線情報記憶部13に記憶されていない場合、演算部14は、動線IDとして空のデータを取得して、この動線IDを保持する。
【0060】
その後、演算部14は、移動入居者ID候補取得処理を終了する。
【0061】
以上の移動入居者ID候補取得処理により、演算部14は、図7A〜7Cいずれの場合にも、移動した入居者のIDの候補を取得する。また、演算部14は、図7Bに示されるように、複数の入居者のいずれが移動したかを特定できない場合には、動線IDを作成する(ステップS36)。また、演算部14は、図7A及び図7Cに示されるように入居者が移動した場合には、この入居者のIDに対応する動線IDを取得する。
【0062】
図6に戻り、演算部14は、ステップS9に続いて動線情報登録処理を実行する(ステップS10)。この動線情報登録処理について、図10を用いて詳細に説明する。
【0063】
まず、演算部14は、オン状態からオフ状態へ遷移したセンサがあれば、このセンサのIDに対応するレコードを現在情報記憶部12から削除する(ステップS41)。
【0064】
次に、演算部14は、移動先センサID取得処理にて取得したセンサIDと、移動入居者ID候補取得処理にて取得した入居者IDとを対応づけて、現在情報記憶部12に記憶させる(ステップS42)。
【0065】
演算部14は、現在の日時を取得する(ステップS43)。
【0066】
演算部14は、移動先センサID取得処理にて取得したセンサIDに対応する部屋IDを取得する(ステップS44)。すなわち、演算部14は、取得したIDのセンサが配設されている部屋のIDを、設定情報記憶部11から取得する。
【0067】
そして、演算部14は、ステップS43にて取得した日時と、ステップS44にて取得した部屋IDと、移動先センサID取得処理にて取得したセンサIDと、移動入居者ID候補取得処理にて取得した入居者ID及び動線IDとが対応づけられたレコードを、動線情報記憶部13に登録する(ステップS45)。
【0068】
その後、演算部14は、動線情報登録処理を終了する。以上の動線情報登録処理により、現在情報記憶部12のデータが最新のものに更新され、動線情報記憶部13に動線情報のレコードが追加される。
【0069】
図6に戻り、ステップS10に続いて、演算部14は、入居者特定処理を実行する(ステップS11)。この入居者特定処理について、図11を用いて詳細に説明する。
【0070】
まず、演算部14は、オフ状態からオン状態へ遷移したセンサがあるか否かを判定する(ステップS51)。
【0071】
オフ状態からオン状態へ遷移したセンサがないと判定された場合(ステップS51;No)、演算部14は入居者特定処理を終了する。すなわち、図7A〜図7Cに示される3通りの類型のうち、図7Cに示される場合、演算部14は入居者特定処理を終了する。
【0072】
オフ状態からオン状態へ遷移したセンサがあると判定された場合(ステップS51;Yes)、演算部14は、このセンサが配設されている部屋が個人スペースであるか否かを判定する(ステップS52)。
【0073】
個人スペースではないと判定された場合(ステップS52;No)、演算部14は、入居者特定処理を終了する。
【0074】
個人スペースであると判定された場合(ステップS52;Yes)、演算部14は、この部屋に対応する入居者のIDを取得する(ステップS53)。すなわち、演算部14は、この部屋に居住する入居者のIDを設定情報記憶部11から取得する。
【0075】
演算部14は、この入居者IDに対応し、かつ日時が最新のレコードの動線IDを動線情報記憶部13から取得する(ステップS54)。なお、この動線IDが動線情報記憶部13に記憶されていない場合、演算部14は、空のデータを取得する。
【0076】
次に、演算部14は、動線情報記憶部13に記憶されているレコードのうち、ステップS54にて取得した動線IDのいずれかに対応するすべてのレコードの入居者IDと動線IDとを更新する(ステップS55)。具体的には、演算部14は、このレコードの入居者IDを、ステップS53にて取得した入居者IDに更新し、動線IDのデータを削除する。なお、演算部14は、ステップS54にて空のデータを取得した場合には、動線情報を更新しない。その後、演算部14は、入居者特定処理を終了する。
【0077】
以上の入居者特定処理により、個人スペースに入室した入居者が、この個人スペースに居住する入居者であると特定される。
【0078】
図6に戻り、ステップS11を実行した演算部14は、ステップS7〜S11の処理を繰り返す。
【0079】
続いて、具体例において実行されるステップS7〜S11の処理について説明する。この具体例では、入居者MBが検知範囲A09に存在し、入居者MAが検知範囲A02から検知範囲A09へ移動したものとする。また、設定情報記憶部11には図3に示されるデータが記憶されているものとする。同様に、現在情報記憶部12には図4に示されるレコードが記憶され、動線情報記憶部13には図5に示されるレコードが記憶されているものとする。
【0080】
まず、演算部14は、センサD02の状態がオン状態からオフ状態へ遷移するため、ステップS7の判定を肯定して、ステップS8を実行する。ステップS8にて、演算部14は、移動先のセンサのID「D09」を取得する。
【0081】
次に、移動入居者ID候補取得処理にて、演算部14は、オン状態からオフ状態へ遷移したセンサD02により検知されていた入居者のID「MA」を取得する(ステップS38)。また、ステップS39にて、演算部14は、入居者MAに対応するレコードが動線情報記憶部13に記憶されていないため、動線IDとして空のデータを取得する。
【0082】
演算部14は、オン状態からオフ状態へ遷移したセンサD02に対応するレコードを、現在情報記憶部12から削除する(ステップS41)。また、演算部14は、センサID「D09」と入居者ID「MA」とを対応づけて現在情報記憶部12に記憶させる(ステップS42)。
【0083】
ステップS44にて、演算部14は、センサD09に対応する部屋(居間)のID「RL」を、設定情報記憶部11から取得する(ステップS44)。
【0084】
そして、演算部14は、ステップS43にて取得した日時と、入居者ID「MA」と、部屋ID「RL」と、センサID「D09」とを対応づけて、動線情報記憶部13に登録する。なお、登録される動線IDは、ステップS39にて取得された空のデータである。
【0085】
オフ状態からオン状態へ遷移したセンサはないため、ステップS51の判定は否定される。演算部14は、入居者特定処理を終了する。
【0086】
次に、上記の具体例に続いて実行されるステップS7〜S11の処理について説明する。ここで、検知範囲A09に存在する入居者MA、MBのうち、入居者MAが検知範囲A02へ移動したものとする。
【0087】
まず、演算部14は、センサD02の状態がオフ状態からオン状態へ遷移するため、ステップS7の判定を肯定して、ステップS8を実行する。ステップS8にて、演算部14は、移動先のセンサのID「D02」を取得する。
【0088】
次に、移動入居者ID候補取得処理にて、演算部14は、オフ状態からオン状態へ遷移したセンサD02の隣接センサのID「D01」及び「D09」を取得する(ステップS33)
【0089】
演算部14は、センサD01及びセンサD09により検知されていた入居者のIDすべてを取得する(ステップS34)。すなわち、演算部14は、センサID「D09」と対応する入居者のID「MA」及び「MB」を、現在情報記憶部12から取得する。
【0090】
入居者ID「MA」及び「MB」のいずれかに対応する動線IDが動線情報記憶部13に記憶されていないため、演算部14は、動線IDとして空のデータを取得する(ステップS35)。演算部14は、空のデータを取得したため、このデータをID「0」とみなして、新たに動線ID「1」を作成する(ステップS36)。
【0091】
動線情報登録処理にて、演算部14は、入居者ID「MA」とセンサID「D02」とを対応づけて現在情報記憶部12に記憶させる。また、演算部14は、入居者ID「MB」とセンサID「D02」とを対応づけて現在情報記憶部12に記憶させる(ステップS42)。
【0092】
また、演算部14は、センサD02に対応する部屋のID「RA」を取得する(ステップS44)。その後、演算部14は、ステップS43にて取得した日時と、入居者ID「MA」及び「MB」と、部屋ID「RA」と、センサID「D02」と、動線ID「1」とを対応づけて動線情報記憶部13に記憶させる(ステップS45)。
【0093】
入居者特定処理にて、演算部14は、ステップS51及びステップS52の判定を肯定する。次に、演算部14は、部屋ID「RA」に対応する入居者ID「MA」を取得する(ステップS53)。演算部14は、この入居者ID「MA」に対応し、かつ日時が最新のレコードの動線ID「1」を動線情報記憶部13から取得する(ステップS54)。
【0094】
そして、演算部14は、動線ID「1」を含むレコードの入居者IDを、入居者ID「MA」1個に更新する。また、演算部14は、このレコードの動線IDを空のデータに更新する(ステップS55)。
【0095】
以上説明したように、本実施形態に係る動線情報収集システム10は、センサIDと、このセンサにより検知されている入居者のIDの候補とが対応づけられて動線情報記憶部13に記憶される。また、ステップS7にて状態が遷移したセンサがある場合には、ステップS10にて動線情報記憶部13のデータが更新される。そして、入居者の個人スペース(個室)に配設されたセンサがオン状態に遷移すると、このセンサにより検知されている入居者が、個人スペースに居住する入居者に特定され、動線情報記憶部13のデータが更新される。
【0096】
これにより、入居者の所作がすべて監視されたり、入居者の歩行の軌跡が追跡されたりすることなく、動線情報収集システム10は、センサの検知範囲間における入居者の移動に関する情報のみを収集する。すなわち、プライバシーを害することなく、特別な装置を携行していない入居者の動線情報を収集することができる。
【0097】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0098】
例えば、上記実施形態に係るセンサD01〜D12は、赤外線センサとしたが、赤外光以外の波長の光を検知するセンサでもよい。また、超音波等の音波を検知するセンサその他の人感センサであってもよい。
【0099】
また、動線情報記憶部13は、現在情報記憶部12に記憶されるデータを含むデータが記憶される。そのため、現在情報記憶部12を省いて動線情報収集システム10を構成してもよい。この場合には、例えば、上記実施形態において演算部14が現在情報記憶部12を参照する処理を、演算部14が動線情報記憶部13を参照する処理に置き換えればよい。
【0100】
また、上記実施形態に係る演算部14は、ステップS36にて、動線情報記憶部13に記憶されている動線IDのうち数値が最大のものに1を追加し、ステップS35で取得した動線IDに結合して新しい動線IDを作成してもよい。
【0101】
図12は、上記実施形態に係る動線情報収集システム10をコンピュータに実装する場合のハードウェア構成例を示すブロック図である。動線情報収集システム10は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現することができる。動線情報収集システム10は、プロセッサH1、主記憶部H2、補助記憶部H3、出力部H4、入力部H5及び送受信部H6を備える。主記憶部H2、補助記憶部H3、出力部H4、入力部H5及び送受信部H6はいずれも内部バスH7を介してプロセッサH1に接続されている。
【0102】
プロセッサH1は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、補助記憶部H3に記憶されるプログラムH8に従って、上記実施形態に係る演算部14の処理を実行する。
【0103】
主記憶部H2は、RAM(Random-Access Memory)等から構成され、補助記憶部H3に記憶されるプログラムH8をロードし、プロセッサH1の作業領域として用いられる。
【0104】
補助記憶部H3は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、上述の処理をプロセッサH1に実行させるためのプログラムH8や通信内容のデータ等をあらかじめ記憶する。また、補助記憶部H3は、プロセッサH1の指示に従って、プログラムH8が記憶するデータをプロセッサH1に供給し、プロセッサH1から供給されたデータを記憶する。補助記憶部H3は、設定情報記憶部11、現在情報記憶部12及び動線情報記憶部13を物理的に実現する。
【0105】
出力部H4は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される表示装置、スピーカ等から構成される音響装置又は印刷装置等を有し、種々の情報をユーザに提供する。例えば、出力部H4は、設定情報記憶部11、現在情報記憶部12又は動線情報記憶部13に記憶されているデータを、動線情報収集システム10の管理者に表示する。
【0106】
入力部H5は、キーボード及びマウス等のポインティングデバイス等と、キーボード及びポインティングデバイス等を内部バスH7に接続するインタフェース装置等から構成される。例えば、動線情報収集システム10の使用者は、入力部H5を介して、設定情報記憶部11の情報を書き換える。
【0107】
送受信部H6は、モデム又は網終端装置、及びそれらと接続するシリアルインタフェース又はLANインタフェース等から構成される。例えば、送受信部H6は、センサD01〜D12から出力された検知結果を取得する。
【0108】
図1に示される動線情報収集システム10の演算部14が実行する処理は、プログラムH8が、プロセッサH1、主記憶部H2、補助記憶部H3、出力部H4、入力部H5、送受信部H6等を資源として用いて処理することによって実行される。
【0109】
上述の実施形態に係る動線情報収集システム10の機能は、専用のハードウェアによっても、また、通常のコンピュータシステムによっても実現することができる。
【0110】
例えば、補助記憶部H3に記憶されているプログラムH8を、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムH8をコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することができる。
【0111】
また、プログラムH8をインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしても良い。
【0112】
また、通信ネットワークを介してプログラムH8を転送しながら起動実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
【0113】
更に、プログラムH8の全部又は一部をサーバ装置上で実行させ、その処理に関する情報をコンピュータが通信ネットワークを介して送受信しながらプログラムH8を実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
【0114】
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等しても良い。
【0115】
上述の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0116】
(付記1)
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置され、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知手段と、
前記検知手段による検知の結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶手段と、
前記検知手段によって前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新手段と、
を備える動線情報収集システム。
【0117】
(付記2)
前記記憶手段は、
前記検知手段による検知の結果が変化した場合に、前記検知手段によって検知されていた前記入居者が、一の領域から該一の領域に隣接する領域へ移動したと判定し、該判定の結果に基づいて、前記動線情報を記憶する、
付記1に記載の動線情報収集システム。
【0118】
(付記3)
前記記憶手段は、
複数の前記検知手段のうち、第1検知手段が前記入居者を検知するとともに、第2検知手段が前記入居者を検知しなくなった場合に、前記第2検知手段の前記第1識別情報に関連づけられて記憶された前記入居者の前記第2識別情報と、前記第1検知手段の前記第1識別情報とを関連づけて記憶する第1記憶手段と、
検知の結果が変化した前記検知手段が、前記入居者を検知した第3検知手段のみである場合に、前記第3検知手段が設置された領域に隣接する領域に設置された第4検知手段の前記第1識別情報を取得し、該第1識別情報に関連づけて記憶された前記入居者の前記第2識別情報と、前記第3検知手段の前記第1識別情報とを関連づけて記憶する第2記憶手段と、
検知の結果が変化した前記検知手段が、前記入居者を検知しなくなった第5検知手段のみである場合に、前記第5検知手段の前記第1識別情報に関連づけて記憶された前記入居者の前記第2識別情報と、前記第5検知手段が設置された領域に隣接する領域に設置された前記検知手段のうち、前記入居者を検知している第6検知手段の前記第1識別情報とを関連づけて記憶する第3記憶手段と、
を備える、付記1又は2に記載の動線情報収集システム。
【0119】
(付記4)
前記検知手段は、
人感センサである、
付記1乃至3のいずれか1つに記載の動線情報収集システム。
【0120】
(付記5)
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置された検知手段を用いて、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにおける検知の結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶ステップと、
前記検知ステップにおいて前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶ステップにおいて記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新ステップと、
を含む動線情報収集方法。
【0121】
(付記6)
コンピュータを、
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置された、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知手段の検知結果を取得する取得手段、
取得された前記検知結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶手段、
前記検知手段によって前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0122】
10 動線情報収集システム
11 設定情報記憶部
12 現在情報記憶部
13 動線情報記憶部
14 演算部
A01、A02、A03、A04、A05、A06、A07、A08、A09、A10、A11、A12 検知範囲
D01、D02、D03、D04、D05、D06、D07、D08、D09、D10、D11、D12 センサ
H1 プロセッサ
H2 主記憶部
H3 補助記憶部
H4 出力部
H5 入力部
H6 送受信部
H7 内部バス
H8 プログラム
MA、MB、MC 入居者
RA、RB、RC 部屋
RL 居間
RW トイレ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置され、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知手段と、
前記検知手段による検知の結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶手段と、
前記検知手段によって前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新手段と、
を備える動線情報収集システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、
前記検知手段による検知の結果が変化した場合に、前記検知手段によって検知されていた前記入居者が、一の領域から該一の領域に隣接する領域へ移動したと判定し、該判定の結果に基づいて、前記動線情報を記憶する、
請求項1に記載の動線情報収集システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、
複数の前記検知手段のうち、第1検知手段が前記入居者を検知するとともに、第2検知手段が前記入居者を検知しなくなった場合に、前記第2検知手段の前記第1識別情報に関連づけられて記憶された前記入居者の前記第2識別情報と、前記第1検知手段の前記第1識別情報とを関連づけて記憶する第1記憶手段と、
検知の結果が変化した前記検知手段が、前記入居者を検知した第3検知手段のみである場合に、前記第3検知手段が設置された領域に隣接する領域に設置された第4検知手段の前記第1識別情報を取得し、該第1識別情報に関連づけて記憶された前記入居者の前記第2識別情報と、前記第3検知手段の前記第1識別情報とを関連づけて記憶する第2記憶手段と、
検知の結果が変化した前記検知手段が、前記入居者を検知しなくなった第5検知手段のみである場合に、前記第5検知手段の前記第1識別情報に関連づけて記憶された前記入居者の前記第2識別情報と、前記第5検知手段が設置された領域に隣接する領域に設置された前記検知手段のうち、前記入居者を検知している第6検知手段の前記第1識別情報とを関連づけて記憶する第3記憶手段と、
を備える、請求項1又は2に記載の動線情報収集システム。
【請求項4】
前記検知手段は、
人感センサである、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動線情報収集システム。
【請求項5】
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置された検知手段を用いて、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにおける検知の結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶ステップと、
前記検知ステップにおいて前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶ステップにおいて記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新ステップと、
を含む動線情報収集方法。
【請求項6】
コンピュータを、
入居者それぞれに割り当てられ、前記入居者が1人ずつ専用する複数の第1領域と、前記入居者それぞれが共用する第2領域と、からなる複数の領域それぞれに設置された、前記複数の領域それぞれにおいて前記入居者の有無を検知する検知手段の検知結果を取得する取得手段、
取得された前記検知結果が変化した場合に、前記入居者を検知している前記検知手段を識別するための第1識別情報と、該検知手段によって検知されている前記入居者を識別するための第2識別情報とを関連づけて、動線情報として順次記憶する記憶手段、
前記検知手段によって前記第1領域で前記入居者が検知された場合に、前記記憶手段によって記憶された前記動線情報を、該第1領域を専用する前記入居者の前記動線情報として更新する更新手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−73280(P2013−73280A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209909(P2011−209909)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、エネルギー有効利用基盤技術先導研究開発、インテリジェントタップを用いた簡易型HEMSの研究開発に係る委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】