説明

動脈硬化改善剤

【課題】加齢に基づく生理的な動脈硬化の進行を抑制し、改善を促す動脈硬化改善剤の提供。
【解決手段】コエンザイムQ10,システイン,ビタミンA,B1,B2,B6,B12,C,D,Eパントテン酸,ニコチン酸,葉酸及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液及び精製水を主成分とする動脈硬化改善剤。動脈硬化改善剤として精製水1000mlに対して、コエンザイムQ10(0.1〜2.0重量%)、Lシステイン(0.5〜5.0重量%)、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液製剤60〜1600単位、ビタミン適量を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
血管内皮障害による動脈硬化の改善に効果がある動脈硬化改善剤に関する。
【背景技術】
【0002】
動脈硬化は生まれた時より進行すると言われ、血管内皮細胞における慢性的な炎症性増殖性病変で、癌と共に死因の二大要因です。動脈硬化には、加齢に基づく生理的な動脈硬化と、種々のリスクファクターの集積によって起こる動脈硬化とに理論的にわけることができる。リスクファクターの集積によって起こる病的な動脈硬化は、すなわち糖尿病、高血圧、高脂血漿、高尿酸血漿(非特許文献1)の適切な治療により、又禁煙、肥満、ストレス、運動不足の解消、アルコールの過剰摂取の制限により改善される。最近新しい動脈硬化指標で、血圧の影響の少ない心臓足首血管指数(cardio ankle vascular index、以下CAVIと略します。)が開発され(非特許文献2,3)、糖尿病(非特許文献4)、高血圧(非特許文献5)、高脂血漿(非特許文献6)の治療改善により、又禁煙(非特許文献7)、肥満(非特許文献8)、運動不足(非特許文献9)、ストレスの解消(非特許文献10)アルコールの過剰摂取の制限(非特許文献11)によりCAVI値の低下、すなわち動脈硬化の改善が報告されている。これ等の報告は動脈硬化を起こす病的な原因の除去による改善です。一方先に特許を取得した上皮改善剤(特願2007−279618、特許第4300370号、特許文献1)の上皮への塗布、吸入が皮膚、口腔及び気道(鼻、咽頭、喉頭、気管、気管支)性器の粘膜に好影響を及ぼし、皮膚の老化防止、アトピー性皮膚炎等の皮膚疾患の治療、歯肉炎、歯周病の予防、治療に、かぜ症候群、アレルギー性鼻炎、気管支喘息等の気道病変の治療に効果があり、又白髪の部位よりメラニン色素含有の黒色の毛髪が発生し、性感覚の改善にも効果を認めた。以上の様に上皮に好影響を及ぼす上皮改善剤にビタミンB、B、B、B12、D、パントテン酸、ニコチン酸、葉酸を追加し、動脈内皮に作用し動脈硬化を改善する内服薬を作成し、又一方加齢に基づく生理的な血管内皮の動脈硬化は老化現象の一つと考えられ、此れを予防し、かつ治療することは従来困難であったが、上記動脈硬化改善剤の内服による生理的な老化による動脈硬化への効果についてCAVIを用いて測定し、良好な動脈硬化の改善効果を認めた。更に現今副作用なく、長期間使用可能な動脈内皮の硬化改善薬が求められている。
【0003】
【特許文献1】特許公開2008−255089号公報
【非特許文献1】細谷 浩司,他:日本医師会雑誌,臨時増刊,vol.108 No.11.p136
【非特許文献2】白井 厚冶,他:Heart&Wellness,エム.イ.タイムス,No.18 2005年9月 p1〜24
【非特許文献3】鈴木 賢ニ,他:新潟県臨床検査技師会誌48−1別刷2008,1
【非特許文献4】折茂 肇,他:新しい動脈硬化指標CAVIのすべて 日経メディカル開発 佐藤 哲子:2009 p96
【非特許文献5】折茂 肇,他:新しい動脈硬化指標CAVIのすべて 日経メディカル開発 桧垣 実男:2009,p52
【非特許文献6】折茂 肇,他:新しい動脈硬化指標CAVIのすべて 日経メディカル開発 吉田 晃浩,他:2009,p108
【非特許文献7】折茂 肇,他:新しい動脈硬化指標CAVIのすべて 日経メディカル開発 野池 博文:2009,p152
【非特許文献8】折茂 肇,他:新しい動脈硬化指標CAVIのすべて 日経メディカル開発 佐藤 哲子:2009,p96
【非特許文献9】折茂 肇,他:新しい動脈硬化指標CAVIのすべて 日経メディカル開発 朽木 勤:2009,p178
【非特許文献10】鈴川 満男,他:日本医師会雑誌,臨時増刊,vol.108 No.11.p144
【非特許文献11】石川 俊次,他:日本医師会雑誌,臨時増刊,vol.108 No.11.p166
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の如く、動脈硬化には、加齢に基づく生理的な動脈硬化と、種々のリスクファクターの集積によって起こる動脈硬化とに理論的にわけることができる。リスクファクターの集積によって起こる病的な動脈硬化は適切な治療で、また原因の除去によりかなり改善される。しかし加齢に基づく生理的な動脈硬化は老化現象の一つと考えられるので、これを予防し且つ治療する薬剤はなかった。一方上皮改善剤は皮膚、粘膜の上皮組織への塗布、吸入により皮膚の老化防止、アトピー性皮膚炎等の皮膚疾患の治療、歯肉炎、歯周病の予防、治療に、かぜ症候群、気管支喘息の治療に効果があり、又白髪の部位よりメラニン色素含有の黒色の毛髪の発生、性感覚の改善の効果を認めた。以上の様に上皮に好影響を及ぼす上皮改善剤にビタミンB,B,B,B12,D,パントテン酸,ニコチン酸,葉酸を追加し内服用動脈硬化改善剤を作成し、リスクファクターの集積によって起こる病的な動脈硬化のない成人に投与し、動脈血管内皮に作用し、加齢に基づく生理的な動脈硬化の改善に効果のある血管内皮の動脈硬化改善剤の提供を課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はコエンザイムQ10,システイン,ビタミンA,B,B,B,B12,C,D,E,パントテン酸,ニコチン酸,葉酸及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を主成分とし動脈内皮に作用し,動脈硬化を改善する動脈硬化改善剤。
【0006】
各薬剤の相互間が化学的に安定する為、また薬剤の安定吸収の為ビタミンC以外のコエンザイムQ10,Lシステイン.ビタミンA,B,B,B,B12,D,E,パントテン酸,ニコチン酸,葉酸及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤は添加物入りの製剤を用いた。
製剤の添加物は、
コエンザイムQ10のアデリール錠10には添加物として乳糖水和物,結晶セルローズ,バレイショデンプン,カルメロースカルシウム,ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸マグネシウムを含有する。
Lシステインのハイチオール散32%には添加物として乳糖、葡萄糖を含有する。
ビタミンA,ビタミンB,B,B,B12、アスコルビン酸,ビタミンD,ビタミンE,パントテン酸,ニコチン酸,葉酸にはジブチルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキシアニソール,安息香酸ナトリウム,デヒドロ酢酸ナトリウム,サッカリンナトリウム水和物,ソルビタン脂肪酸エステル,ゼラチン,白糖,乳糖水和物,軽質無水ケイ酸,レモン油を含有する。
ビタミンEのユベラ顆粒には添加物として軽質無水ケイ酸、乳糖水和物、ポビドンを含有する動脈硬化改善剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明の動脈硬化改善剤使用法:1日量10mlを分2、朝、夕食後内服する。(症例6の1症例のみ短期間1日1回4ml食後に内服した例外がある。)
【0008】
加齢に基づく生理的な動脈硬化への効果
リスクファクターの集積によって起こる病的な動脈硬化は、すなわち糖尿病、高血圧、高脂血漿、高尿酸血漿の適切な治療により、又禁煙、肥満、ストレス、運動不足の解消、アルコールの過剰摂取の制限により改善されるが、これ等リスクファクターの集積の殆どなく,病的な動脈硬化の度合いの少ない男性、女性について、加齢に基づく生理的な動脈硬化への効果を検討した。
【0009】
I.加齢に基づく生理的な動脈硬化への動脈硬化改善剤(以下改善剤と略記す)の効果に就いては男性2名、女性7名に就いて検討した。
【0010】
1) 女性 62才 既往症:低色素性貧血 全治.健康.酒(−)、煙草(−)
改善剤飲用前CAVIを2回測定し、1回目R−CAVI:7.5,L−CAVI:7.5、2回目R−CAVI:7.2,L−CAVI:7.8。CAVI値7.2,7.5,7.8は年令50才代後半の血管の硬さです。改善剤飲用期間85日でR−CAVI:6.55,L−CAVI:6.6と低下した。CAVI値6.55,6.6は年令30才代後半に相当する血管の硬さです。飲用期間127日でR−CAVI:6.75,L−CAVI:6.75に、飲用期間165日でR−CAVI:7.05,L−CAVI:7.05と上昇。飲用期間205日でR−CAVI:70,L−CAVI:6.9と変化なく、飲用期間268日でR−CAVI:6.55,L−CAVI:6.6と再度低下した。飲用期間303日でR−CAVI:7.0,L−CAVI:7.0と、飲用期間352日でR−CAVI:6.9,L−CAVI:6.95になり、さらに飲用期間411日でR−CAVI:6.45,L−CAVI:6.5と低下している。CAVI値6.45,6.5は年令30才代前半に相当する血管の硬さです。(表,図1)
【0011】
2) 女性 49才 既往症:低色素性貧血 全治.健康.酒時々1合位、煙草(−)
改善剤飲用前CAVIを2回測定し、1回目R−CAVI:7.0,L−CAVI:7.2、47日後2回目R−CAVI:7.15,L−CAVI:7.15、CAVI値7.0は年令40才代前半の血管の硬さ、CAVI値7.15,7.2は年令40才代後半の血管の硬さです。改善剤飲用期間89日目R−CAVI:7.0,L−CAVI:7.05と変化無く。飲用期間166日でR−CAVI:6.25,L−CAVI:6.2に低下、CAVI値6.25,6.2は年令30才代前半の血管の硬さです。飲用期間210日でR−CAVI:6.65,L−CAVI:6.8に、飲用期間245日でR−CAVI:6.4,L−CAVI:6.7、飲用期間297日でR−CAVI:6.9,L−CAVI:6.95と軽度の上昇があり、飲用期間326日でR−CAVI:6.7,L−CAVI:6.7と年令40才代前半の血管の硬さに低下した。飲用期間297日目に以前の体重53kgが56kgへと増加した。(表,図2)
【0012】
3) 女性 80才 現病歴:骨粗しょう症 治療中.酒(−)、煙草(−)
改善剤飲用前CAVIを3回測定し、1回目R−CAVI:8.95,L−CAVI:8.9、CAVI値8.95,8.9は70才代前半、142日後2回目R−CAVI:9.6,L−CAVI:9.65、222日後3回目R−CAVI:9.25,L−CAVI:9.35に、CAVI値,9.6,9.65,9.25,9.35は70才代後半の血管の硬さです。改善剤飲用期間46日でR−CAVI:9.35,L−CAVI:9.3と変化無く。飲用期間70日後R−CAVI:8.35,L−CAVI:8.45と低下。CAVI値8.35,8.45は60才前半の血管の硬さです。飲用期間108日後R−CAVI:8.6,L−CAVI:8.6と、飲用期間151日後R−CAVI:8.95,L−CAVI:9.15となる。飲用期間172日後R−CAVI:9.35,L−CAVI:9.35と70才代後半の血管の硬さに上昇。飲用期間172日目より42日間改善剤飲用せず、その後再度服用中。飲用期間215日後R−CAVI:9.4,L−CAVI:9.3に,飲用期間245日後R−CAVI:9.2,L−CAVI:9.4と−CAVI値は70才代後半の血管の硬さで経過している。(表,図3)
【0013】
4) 男性 85才 現病歴:甲状腺機能亢進症 メルカゾール2.5mg投与で甲状腺機能正常、本検査終了時肺癌発見.酒(−)、20才頃より煙草20〜30本/日,1年前より禁煙
改善剤飲用前CAVIを2回測定し、R−CAVI:10.2,L−CAVI:10.1、CAVI値10.2は80才以上,10.1は70才代後半の血管の硬さです。163日後2回目のCAVI測定R−CAVI:11.0,L−CAVI:10.3と80才以上の血管の硬さでCAVI値上昇気味、改善剤飲用期間35日でR−CAVI:10.4,L−CAVI:9.85に、飲用期間約74日後R−CAVI:10.0,L−CAVI:9.60と70才代後半の血管の硬さに低下があり、飲用期間約104日後R−CAVI:10.5,L−CAVI:10.2と上昇、飲用期間135日後R−CAVI:10.1,L−CAVI:10.2、飲用期間181日後R−CAVI:10.4,L−CAVI:10.2に、飲用期間228日後R−CAVI:10.8,L−CAVI:10.4と80才以上の血管の硬さに上昇、飲用期間275日後R−CAVI:10.3,L−CAVI:9.8に、飲用期間303日後R−CAVI:10.0,L−CAVI:9.6に再度低下した。CAVI値10.0,9.6は70才代後半の血管の硬さです。(表,図4)
【0014】
5) 女性81才 現病歴:高血圧症(治療により血圧は正常に維持)顔面,頚部,胸背部皮膚炎.酒(−)、煙草(−)
改善剤飲用前CAVIを2回測定し、1回目R−CAVI:10.2,L−CAVI:9.9。CAVI値10.2は80才以上,9.9は70才代後半の血管の硬さです。168日後2回目R−CAVI:11.4,L−CAVI:10.65。CAVI値11.4,10.65は80才以上の血管の硬さです。2回目測定より20日後改善剤飲用開始。33日飲用後R−CAVI:12.1,L−CAVI:11.3と80才以上の血管の硬さで最高値。飲用期間63日目R−CAVI:11.0,L−CAVI:10.8と低下、飲用期間101日目R−CAVI:10.9,L−CAVI:10.4と低下した。CAVI値10.9,10.4は80才以上の血管の硬さです。飲用期間133日目R−CAVI:11.3,L−CAVI:11.1と上昇、飲用期間164日目R−CAVI:10.4,L−CAVI:10.1と低下、飲用期間208日目R−CAVI:10.6,L−CAVI:9.9に、飲用期間239日目R−CAVI:10.0,L−CAVI:9.6と70才代後半の血管の硬さに、更に飲用期間271日目R−CAVI:9.15,L−CAVI:9.15に低下した。CAVI値9.15は70才代後半の血管の硬さです。改善剤飲用前の急激なCAVI値上昇の原因は、高血圧、高脂血症等のリスクファクターの動脈硬化要因は治療により正常化しており、加齢による老化現象と考えられるが、当時顔面,頚部,胸背部に皮膚炎が発症していた。(皮膚炎とCAVI値の変動に就いての因果関係は不明)(表,図5)
【0015】
6) 男性82才 現病歴:気管支喘息、アレルギー性鼻炎、治療により症状殆どなし.酒時々1〜2合、煙草43才より禁煙
改善剤飲用前CAVIを2回測定し1回目R−CAVI:10.2,L−CAVI:10.6、7日後2回目R−CAVI:10.55、L−CAVI:10.4。2回目CAVI測定翌日より改善剤1日1回4mlを食後に17日間飲用後3回目CAVI測定R−CAVI:10.3,L−CAVI:10.2と変化はない。1,2,3回測定のCAVI値はすべて80才以上の血管の硬さです。68日間4ml飲用後4回目のCAVI値はR−CAVI:9.95,L−CAVI:9.75と軽度の低下を示した。CAVI値9.95は80才以上の血管の硬さで,9.75は70才代後半の血管の硬さです。4回目CAVI測定より3日後改善剤1日10ml朝夕食後2回の飲用開始、88日飲用後R−CAVI:9.0,L−CAVI:9.15と低下。CAVI値9.0は60才代後半,9.15は70才代前半の血管の硬さです。飲用期間128日でR−CAVI:9.35、L−CAVI:9.85と上昇。飲用期間約165日後R−CAVI:9.2,L−CAVI:9.1と再度低下。CAVI値9.2,9.1は70才代前半の血管の硬さです。飲用期間200日後R−CAVI:9.95,L−CAVI:10.0に上昇、飲用期間235日後R−CAVI:9.8,L−CAVI:9.85になり、飲用期間290日目R−CAVI:10.1,L−CAVI:10.2と上昇、飲用期間319日目R−CAVI:9.8,L−CAVI:10.0に、飲用期間347日目R−CAVI:9.65,L−CAVI:9.75に低下。これは70代後半の血管の硬さです。飲用期間382日目R−CAVI:9.25,L−CAVI:9.7になり、飲用期間417日目R−CAVI:9.1,L−CAVI:9.4に低下した。CAVI値9.1,9.4は70才代前半の血管の硬さです。CAVI測定始め頃より血圧やや高め、高い時血圧150〜90位になり,改善剤飲用348日目より血圧降下剤カルデルサルタン シレキセチル2mg/日服用した。(有意差検定に於いて改善剤投与後のCAVI値は血圧降下剤服用前日のCAVI値で計算した。「図12,13」)(表,図6)
【0016】
7) 女性78才 既往症:直腸癌(76才)全治.現病歴:気管支喘息、心不全、心房細動.酒(−)、煙草15〜20本、3年前より禁煙
改善剤飲用前CAVIを3回測定し1回目、R−CAVI:8.5,L−CAVI:9.0。CAVI値8.5は60才代後半、9.0は70才代後半の血管の硬さです。161日後2回目R−CAVI:8.6,L−CAVI:8.7、CAVI値8.6は70才代前半、8.7は70才代後半の血管の硬さです。252日後3回目R−CAVI:9.3,L−CAVI:9.3です。CAVI値9.3は70才代後半の血管の硬さです。3回目測定より42日目改善剤飲用開始、14日飲用後R−CAVI:8.0,L−CAVI:7.85に低下。CAVI値8.0は60才代後半、7.85は60才代前半の血管の硬さです。飲用期間63日目R−CAVI:8.1,L−CAVI:8.3に、飲用期間112日目R−CAVI:8.0,L−CAV:8.25に、飲用期間153日目R−CAVI:8.3,L−CAV8.25に上昇。飲用期間216日目R−CAVI:8.1,L−CAV:8.05に、飲用期間272日目R−CAVI:7.3,L−CAV7.4に低下した。CAVI値7.3,7.4は50才代前半の血管の硬さです。(表,図7)
【0017】
8) 女性76才 現病歴:鬱病.酒(−)、煙草(−)
改善剤飲用前3回CAVIを測定し,1回目R−CAVI:8.8,L−CAVI:8.6。CAVI値8.8,8.6は70才代前半の血管の硬さです。160日後2回目R−CAVI:9.55,L−CAVI:9.15。CAVI値9.55,9.15は70才代後半の血管の硬さです。237日後3回目R−CAVI:9.0,L−CAVI:8.8に、CAVI値9.0は70才代後半、8.8は70才代前半の血管の硬さです。3回目測定日より改善剤飲用開始、42日飲用後R−CAVI:9.25,L−CAVI:8.85、飲用期間84日目膀胱炎になり、R−CAVI:9.75,L−CAVI:9.35と上昇し70才代後半血管の硬さに、飲用期間122日目R−CAVI:9.1,L−CAV:8.95に、飲用期間157日目R−CAVI:9.05,L−CAVI:8.65に、飲用期間185日目R−CAVI:9.0,L−CAVI:8.9に、CAVI値9.0は70才代後半、8.8は70才代前半の血管の硬さです。(表,図8)
【0018】
9) 女性78才 既往症:子宮体癌(77才).酒たまに少し、たばこ(ー)
改善剤飲用前1回CAVIを測定、R−CAVI:8.95,L−CAVI:9.05。CAVI値8.95、9.05は70才代後半の血管の硬さです。改善剤90日飲用後2回目、R−CAVI:8.2,L−CAVI:8.5と低下。CAVI値8.2、8.5は70才代前半の血管の硬さです。飲用期間138日目R−CAVI:9.05,L−CAVI:9.25に上昇。飲用期間187日目R−CAVI:7.85,L−CAV7.75に低下。CAVI値7.85、7.75は60才代前半の血管の硬さです。飲用期間222日目R−CAVI:8.76,L−CAV:8.56に上昇、飲用期間250日目R−CAVI:8.65,L−CAV8.6に、飲用期間304日目R−CAVI:8.4,L−CAVI:8.3に低下。CAVI値8.4、8.3は70才代前半の血管の硬さです。飲用期間334日目R−CAVI:8.7,L−CAVI:9.05と上昇、CAVI値8.7、9.05は70才代後半の血管の硬さです。飲用期間367日目R−CAVI:8.7,L−CAVI:8.9に、飲用期間418日目R−CAVI:8.75,L−CAVI:8.55に、飲用期間458日目R−CAVI:8.45,L−CAVI8.7に低下している。CAVI値8.45、8.7は70才代前半の血管の硬さです。(表,図9)
【0019】
II.対照として健康成人、男性1名、女性3名。高血圧症、高脂血症で血圧、脂質が治療により正常化し、安定した女性6名で動脈硬化改善剤を飲用せずCAVIを測定した。
【0020】
1.男性35才 健康 酒時々1合位 煙草1日10本位
CAVIを4回測定し1回目R−CAVI:5.6,L−CAVI:5.8、99日後2回目R−CAVI:5.75,L−CAVI:5.85、187日後3回目R−CAVI:5.75,L−CAVI:5.85に、299日後4回目R−CAVI:5.8,L−CAVI:5.7と安定。CAVI値は左右共20才代前半の血管の硬さに相当し,安定している。(表10,図10の1,対照Iの1)
【0021】
2.女性57才 健康 酒(−) 煙草(−)
CAVIを4回測定し1回目R−CAVI:8.15,L−CAVI:7.9.175日後2回目R−CAVI:7.85,L−CAVI:7.5、293日後3回目R−CAVI:7.75,L−CAVI:7.55、367日後4回目R−CAVI:7.9,L−CAVI:7.8と安定。CAVI値は左右共50才代前半か後半の血管の硬さに相当し,安定している。(表11,図10の2,対照Iの2)
【0022】
3.女性42才 健康 酒(−) 煙草(−)
CAVIを5回測定し1回目R−CAVI:6.6,L−CAVI:6.65、63日後2回目R−CAVI:6.6,L−CAVI:6.44、119日後3回目R−CAVI:6.75,L−CAVI:6.65、195日後4回目R−CAVI:6.7,L−CAVI:6.6に、272日後5回目R−CAVI:6.5,L−CAVI:6.3と安定。CAVI値は左右共30才代後半か、40才代前半の血管の硬さに相当し,安定している。(表12,図10の3,対照Iの3)
【0023】
4.女性38才 健康 酒(−) 煙草(−)
CAVIを3回測定し1回目R−CAVI:5.9,L−CAVI:6.0、64日後2回目R−CAVI:5.9,L−CAVI:5.9、143日後3回目R−CAVI:5.6、L−CAVI:5.65と安定。CAVI値は左右共20才代未満か、20才代前半の血管の硬さに相当し,安定している。
(表13,図10の4,対照Iの4)
【0024】
5.女性74才 高血圧、高脂血漿:治療により正常値維持 酒(−)煙草(−)
CAVIを4回測定し1回目、R−CAVI:8.4,L−CAVI:8.6、149日後2回目R−CAVI:8.2,L−CAVI:8.25、289日後3回目R−CAVI:8.25,L−CAVI:8.45、450日後4回目R−CAVI:8.1,L−CAVI:8.5と安定。CAVI値は左右共60才代後半か、70才代前半の血管の硬さに相当し,安定している。(表14,図11の1,対照IIの1)
【0025】
6.女性73才 高血圧、高脂血漿:治療により正常値維持 酒(−)煙草(−)
CAVIを4回測定し1回目R−CAVI:9.05,L−CAVI:8.95、161日後2回目R−CAVI:9.45,L−CAVI:9.3、268日後3回目R−CAVI:8.85,L−CAVI:9.1、383日後4回目R−CAVI:9.2,L−CAVI:9.4と安定。CAVI値は左右共70才代前半の血管の硬さに相当し,安定している。(表15,図11の2,対照IIの2)
【0026】
7.女性80才 高血圧、高脂血漿:治療により正常値維持 酒(−)煙草(−)
CAVIを5回測定し1回目R−CAVI:10.45,L−CAVI:10.35、132日後2回目R−CAVI:10.3,L−CAVI:10.1、224日後3回目R−CAVI:10.3,L−CAVI:10.3、324日後4回目R−CAVI:10.5,L−CAVI:10.5、418日後5回目R−CAVI:10.25,L−CAVI:10.05と安定。血管の硬さは左右共80才以上の硬さ、左右のCAVI値は10.05から10.5の間で安定している。(表16,図11の3,対照IIの3)
【0027】
8.女性68才 高血圧、高脂血漿、糖尿病:治療により正常値維持 酒(−)煙草(−)
CAVIを4回測定し1回目R−CAVI:8.55,L−CAVI:8.65、80日後2回目R−CAVI:8.35,L−CAVI:8.7、168日後3回目R−CAVI:8.35,L−CAVI:8.7、323日後4回目R−CAVI:8.6,L−CAVI:8.55と安定。CAVI値は左右共60才代後半の硬さに相当し,安定している。(表17,図11の4,対照IIの4)。
【0028】
9. 女性74才 高血圧、高脂血漿:治療により正常値維持 酒(−)煙草(−)
CAVIを5回測定し1回目、R−CAVI:10.15,L−CAVI:10.1、119日後2回目R−CAVI:10.0,L−CAVI:10.1、204日後3回目R−CAVI:9.75,L−CAVI:10.0、282日後4回目R−CAVI:9.55,L−CAVI:9.55、422日後5回目R−CAVI:9.85,L−CAVI:9.85と安定。CAVI値は左右共70才代後半の硬さに相当し,安定している。(表18,図11の5,対照IIの5)。
【0029】
10.女性49才 高血圧、高脂血漿:治療により正常値維持 酒(−)煙草(−)
CAVIを6回測定し1回目R−CAVI:6.55,L−CAVI:6.4、88日後2回目R−CAVI:6.7,L−CAVI:6.8、186日後3回目R−CAVI:6.95,L−CAVI:7.05、275日後4回目R−CAVI:6.9,L−CAVI:6.7、322日後5回目R−CAVI:6.6,L−CAVI:6.4、390日目6回目R−CAVI:6.85,L−CAVI:6.75と安定。CAVI値は左右40才代前半,後半の硬さに相当し,安定している。(表19,図11の6,対照IIの6)。
【0030】
IV.結果
9例中1,2,4,5,6,7の症例は動脈硬化改善剤の飲用によりCAVI値の低下、すなわち動脈硬化改善の効果を示しています。3の症例は飲用当初CAVI値の低下を認めましたが、飲用しない期間もあり、更に検討が必要です。8の症例はCAVI値低下を認めませんが、全体としてCAVI値の増加も認めません。9の症例は飲用当初CAVI値の低下を認めましたが、軽度の高脂血症のためCAVI値は変動していますが、全体としてCAVI値の増加傾向はなく、軽度の低下傾向を認めます。以上9例中6例にCAVI値の低下,すなわち動脈硬化改善剤が動脈内皮に作用し動脈硬化改善に効果がある事を示しており、又8,9の2例は全体としてCAVI値の増加はなく動脈硬化の進行が無い事を示しています。更に有意差検定において9名の動脈硬化改善剤飲用者の飲用前と飲用後のCAVI値の変動は対照者(改善剤非飲用者)に比べ左右共動脈硬化改善効果の有意差を認めています。(図,表12,13)更にこの動脈硬化改善の効果は直接いのちに関係がある微小循環(毛細血管,組織間,毛細淋巴管)中の動脈と同じ内皮組織を持つ毛細血管,毛細淋巴管にも好影響を及ぼし,寿命の延長に寄与するものと確信します。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明において使用されるコエンザイムQ10は補酵素として生物活性を有し、ミトコンドリアの電子伝達系の構成成分で、ATPの生合成賦活成分としてエネルギーを生み出す働きがある。コエンザイムQ10はユビキノン類(2.3−ジメトキシー5−メチルー6ポリプレニルー1、4ベンゾキノン)の側鎖のイソプレン単位が10である人特有のユビキノン類であり、ユビデカレノン又は補酵素UQ10とも呼ばれている。分子量は863.36で、融点が約48度の黄色から橙黄色の結晶性の粉末で、匂い及び味はない。エーテルに溶けやすく、光によって分解し、着色が強くなる。コエンザイムQ10の添加量としては特に制限されることはないが、好ましくは0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%である。これ以上の濃度では動脈内皮への好影響が向上することが期待できず、又これ以下の濃度では動脈内皮への好影響が期待されない。
【0032】
本発明において使用されるシステインは、生体内代謝系において、SH供与体としての役割を果たし、SH酵素の賦活剤として作用する。皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒作用がある。システインもしくはその誘導体としても特に限定されるものではないが、L−システインの誘導体としては、N−アセチルーL−システイン、L−ホモシステイン、L−システイン酸、L−ホモシステイン酸、L−システインスルフィン酸、S−スルフイノーL−システイン、S−スルホーL−システイン、シスチンなどを挙げる事が出来る。又L−システインおよびその誘導体の塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を挙げることが出来る。本発明において、L−システイン、その誘導体またはそれらの塩としてはL−システインが好ましい。
【0033】
本発明において使用されるビタミンAは網膜の暗順応を高める作用、皮膚、粘膜の異常乾燥、角化を改善し、疾病に対する抵抗力を増す作用がある。ビタミンA類としては特に限定されるものではないが、その具体例として、レチノール、デヒドロレチノール、酢酸レチノ−ル、パルミチン酸レチノールもしくはこれらの誘導体等が挙げられ、レチノールの類縁化合物であるレチノイドとしてはレチナール、レチニールエステル、レチノイン酸等の誘導体が挙げられる。本発明において、レチノール、その誘導体としてはパルミチン酸レチノールが好ましい。
【0034】
本発明において使用されるビタミンB1はチアミンで、チアミンピロリン酸として作用し、欠乏症に脚気、ウエルニッケ脳症がある。ビタミンB群は補酵素となり生体化学反応に寄与し、チアミンピロリン酸は解糖、すなわち細胞が糖質をエネルギーとして利用する際に欠かせない補酵素であり、又中枢神経、末梢神経の働きを正常に保つ働きがある。ビタミンB1としては特に限定されるものではないが、その具体例としてチアミンピロリン酸,フルスルチアミン、ベンフォチアミン等の誘導体が挙げられる。本発明において、チアミン、その誘導体としてはチアミン硝化物が好ましい。
【0035】
本発明において使用されるビタミンB2はリボフラビンで、体内ではフラビンアデニンジヌクレオチドとして作用し、脂肪代謝の補酵素として作用し、セレンというミネラルとともに過酸化脂質の分解に働く、欠乏症に口角炎、口唇炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、眼瞼炎等がある。本発明においてはリボフラビンが好ましい。
【0036】
本発明において使用されるビタミンB6はピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンと、これらにリン酸が結合した6種類あり、体内ではリン酸ピリドキサールとして作用し、アミノ酸の合成、分解酵素の補酵素として、又神経細胞の興奮を抑制するγ−アミノ酪酸(GABA)という神経伝達物質の合成に働き、B6欠乏症はあまり知られていないが、B2、ニコチン酸欠乏に合併して皮膚炎を助長している可能性がある。本発明においてはピリドキシンが好ましい。
【0037】
本発明において使用されるビタミンB12はコバラミンで、シアンがついてシアノコバラミン、ヒドロキソコバラミンがあり、肝臓で活性型のアデノシルコバラミンやメチルコバラミンになり作用する。生理作用は核酸の合成作用があり、欠乏症に悪性貧血、消化器疾患、知覚異常の神経障害がある。本発明においてはシアノコバラミンが好ましい
【0038】
本発明において使用されるアスコルビン酸もしくはその塩は、当初は抗壊血病作用を有すると考えられてきたが、更に生体内における細胞間基質とコラーゲンの形成維持に必要で、アスコルビン酸の投与により、コラーゲンの増加が見られる。又メラニン色素生成に関与し、チロジンからメラニンへの生成過程を抑制する。更に酸化型の濃色メラニンを還元型の淡色メラニンに変える作用があり、色素の異常沈着を防ぐ。更に蛋白質の代謝、内分泌機能にも関与する重用な物質である。ビタミンC類としては特に限定されるものではないが、その具体例として、L−アスコルビン酸およびその誘導体またはそれらの塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を挙げることが出来る。L−アスコルビン酸、およびその誘導体またはそれらの塩としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸マグネシウムなどのL−アスコルビン酸塩、L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレエート等のアスコルビン酸モノアルキルまたはモノアルケニルエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレエート等のL−アスコルビン酸ジアルキルまたはジアルケニルエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレエート等のL−アスコルビン酸トリアルキルまたはトリアルケニルエステル類;L−アスコルビル硫酸、L−アスコルビル硫酸ナトリウム、L−アスコルビル硫酸カリウム、L−アスコルビル硫酸マグネシウム、L−アスコルビル硫酸カルシウム等のL−アスコルビン酸硫酸エステル類;L−アスコルビルリン酸、L−アスコルビルリン酸ナトリウム、L−アスコルビルリン酸カリウム、L−アスコルビルリン酸マグネシウム、L−アスコルビルリン酸カルシウム等のL−アスコルビン酸リン酸エステル類など;L−アスコルビン酸グリコシド等のアスコルビン酸配糖体などを挙げることが出来る。本発明において、L−アスコルビン酸、その誘導体またはそれらの塩としてはL−アスコルビン酸が好ましい。
【0039】
本発明において使用されるビタミンDはD2(エルゴカルシフエロール)、D3(コレカルシフエロール)で、肝臓、腎臓で活性型Dとなり、カルシウム代謝調節ホルモンの作用がある。骨粗しよう症に効果があり、欠乏症は乳幼児のくる病、成人でも骨軟化症になる。本発明においてはD2、エルゴカルシフエロールが好ましい。
【0040】
本発明において使用されるビタミンEは妊娠、出産と関係あり、不老長寿の薬と言われ、末梢血管を拡張し血液循環をよくする働きがあり、ビタミンEとコエンザイムQ10は両成分が協力して電子の移動を調整し、体内の酸化反応を抑制するなど、非常に関係の強い成分同士として知られている。ビタミンE類としては、特に限定されるものではないが、その具体例としてはコハク酸トコフエロール、酢酸トコフエロール、ニコチン酸トコフエロールもしくはこれらの誘導体が挙げられる。本発明において、ビタミンE、その誘導体としては酢酸トコフエロールが好ましい。
【0041】
本発明において使用されるパントテン酸カルシウムは細胞内糖質代謝のコエンザイムAの構成成分で生命活動に必須で、紫外線による皮膚炎に、毛髪の健康に効果がある。本発明においてはパントテン酸カルシウムが好ましい。
【0042】
本発明において使用されるニコチン酸アミドは脱水素酵素の補酵素で糖質、脂肪からエネルギー産生に不可欠のビタミンで、高脂血漿に効果があり、欠乏症にペラグラがあり、欠乏が進むと認知障害をきたす。本発明においてはニコチン酸アミドが好ましい。
【0043】
本発明において使用される葉酸は核酸の成分となるプリン核、ピリミジン核合成酵素の補酵素で、欠乏症に悪性貧血がある。本発明においては葉酸が好ましい。
【0044】
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液は皮膚の掻痒、冷感、異常知覚に、腰痛症、神経痛等の痛みに効果があり、抗アレルギー作用もある医薬品である。
【0045】
以下に実施例を示して本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0046】
動脈硬化改善剤の製法
動脈硬化改善剤は以下の組成で、常法により製造した。ビタミンA,B,D,E,ニコチン酸には過剰症があり、過剰にならぬよう注意が必要。
アデリール錠10mg(コエンザイムQ10) 600錠
ハイチオール散32%(Lシステイン) 52g
レチノールパルミチン酸エステル レチノールとして500000IU
チアミン硝化物 200mg
リボフラビン 300mg
ピリドキシン塩酸塩 200mg
シアノコバラミン 200μg
アスコルビン酸(日本薬局方) 40g
エルゴカルシフエロール 40000IU
トコフエロール酢酸エステル 20g
パントテン酸カルシウム 1g
ニコチン酸アミド 2g
葉酸 100mg
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤4単位 20錠
精製水 1800ml
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
【表7】

【0054】
【表8】

【0055】
【表9】

【0056】
【表10】

【0057】
【表11】

【0058】
【表12】

【0059】
【表13】

【0061】
【表14】

【0062】
【表15】

【0063】
【表16】

【0064】
【表17】

【0065】
【表18】


【0066】
【表19】

【図面の簡単な説明】
【0070】
1.図1から図9までの症例は動脈硬化改善剤10mlを朝夕食後2回に分けて服用し、動脈硬化改善剤の動脈硬化への効果をCAVIで検討した。但し図6の6の症例は動脈硬化改善剤1日10ml服用前に動脈硬化改善剤1日4mlを68日間服用している。
2.対照I,IIの図表は動脈硬化改善剤を飲用せずにCAVIで動脈硬化の変化を測定したもので図表中の1,2,3等は各例の番号です。
3.図表12,13は有意差検定の図:動脈硬化改善剤飲用者の飲用前と飲用後のCAVI値の変動は対照者に比べ有意差検定で有意差を認めます。
【符号の説明】
【0071】
60前:60才代前半の血管の硬さに相当します。
40後:40才代後半の血管の硬さに相当します。 の略です。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コエンザイムQ10、システイン、ビタミン及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤を含有し、内服により動脈硬化の改善を目的とする動脈硬化改善剤。
【請求項2】
前記ビタミンがビタミンA,B,B,B,B12,C,D,E,パントテン酸,ニコチン酸,葉酸もしくはこれらの誘導体である請求項1に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項3】
動脈内皮機能改善による動脈硬化改善に使用する請求項1又は2記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項4】
システインが、Lシステインもしくはこの誘導体である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項5】
ビタミンAが、レチノールもしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項6】
ビタミンBが、チアミンもしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項7】
ビタミンBが、リボフラビンもしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項8】
ビタミンBが、ピリドキシンもしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項9】
ビタミンB12が、コバラミンもしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項8のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項10】
ビタミンCが、アスコルビン酸もしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項9のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項11】
ビタミンDが、エルゴカルシフェロールもしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項10のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項12】
ビタミンEが、トコフェロールもしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項11のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項13】
パントテン酸が、パントテン酸もしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項12のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項14】
ニコチン酸が、ニコチン酸もしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項13のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項15】
葉酸が、プテロイルグルタミン酸もしくはこの誘導体である請求項2ないし請求項14のいずれか1項に記載の内服用動脈硬化改善剤。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15記載の内服用動脈硬化改善剤において、動脈硬化改善剤として精製水1000mlに対して、コエンザイムQ10(0.1〜2.0重量%)、Lシステイン(0.5〜5.0重量%)、ビタミンA(0.002〜0.01重量%)、ビタミンB(0.005〜0.02重量%)ビタミンB(0.0075〜0.03重量%),ビタミンB(0.005〜0.02重量%)ビタミンB12(0.000005〜0.0001重量%)ビタミンC(0.5〜6重量%)、ビタミンD(0.00002〜0.0002重量%)ビタミンE(0.2〜4重量%)、パントテン酸カルシウム(0.02〜0.2重量%)ニコチン酸アミド(0.05〜0.5重量%)葉酸(0.003〜0.01重量%)ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液製剤60〜1600単位を含有する動脈硬化改善剤。

【公開番号】特開2011−236191(P2011−236191A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122056(P2010−122056)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(506013092)
【Fターム(参考)】