説明

勤怠時刻判定装置、プログラム及び方法、並びに勤怠管理システム

【課題】勤怠時刻の判定を高精度に行う。
【解決手段】取得部102がユーザが利用するユーザ端末における消費電力波形を取得し、起動時刻特定部104が、消費電力波形に基づいて、ユーザ端末の起動時刻を特定する。そして、ログイン/ログオフ時刻取得部108が、ユーザ端末におけるユーザのログイン時刻を取得し、判定部110が、ユーザ端末の起動時刻とログイン時刻との差がログイン監視時間よりも小さい場合に、最高値時刻を、ユーザの在席開始時刻(出勤時刻)と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、勤怠時刻判定装置、プログラム及び方法、並びに勤怠管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等における社員の勤怠管理は重要であり、勤怠管理を手間をかけずに高精度に行うための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、企業等における社員の勤怠管理において、社員によるパソコン(PC)へのログイン時刻及びログオフ時刻を、出勤時刻や退勤時刻として管理する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−323533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、PCでは、起動時のセキュリティチェックやメモリチェックなどの処理のため、起動からログインできるまでに長時間を要するおそれがある。また、終了時の処理のため、ログアウトから停止までの間に長時間を要するおそれがある。このため、単に、ログイン時刻やログアウト時刻を出勤時刻や退勤時刻として管理したのでは、正確に管理できない可能性がある。また、PCでは、HDDのトラブルなどにより起動されない場合や、ログアウト後にPCが停止しない(電源が落ちない)場合もあり、この点からも出勤時刻や退勤時間を正確に管理できないおそれがある。
【0005】
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、勤怠時刻の判定を高精度に行うことが可能な勤怠時刻判定装置、プログラム及び方法を提供することを目的とする。また、本件は、正確な勤怠管理が可能な勤怠管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載の勤怠時刻判定装置は、勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得する取得部と、前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定する起動時刻特定部と、前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得するログイン時刻取得部と、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する判定部と、を備える勤怠時刻判定装置である。
【0007】
本明細書に記載の勤怠管理システムは、本明細書に記載の勤怠時刻判定装置と、前記勤怠時刻判定装置における判定結果に基づいて、前記勤怠管理対象者の勤怠情報を管理する勤怠管理装置と、を備える勤怠管理システムである。
【0008】
本明細書に記載の勤怠時刻判定プログラムは、勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得し、前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定し、前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得し、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する、処理をコンピュータに実行させる勤怠時刻判定プログラムである。
【0009】
本明細書に記載の勤怠時刻判定方法は、コンピュータが、勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得する取得工程と、前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定する起動時刻特定工程と、前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得するログイン時刻取得工程と、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する判定工程と、を実行する勤怠時刻判定方法である。
【発明の効果】
【0010】
本明細書に記載の勤怠時刻判定装置、プログラム及び方法は、勤怠時刻の判定を高精度に行うことができるという効果を奏する。また、本明細書に記載の勤怠管理システムは、正確な勤怠管理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態にかかる勤怠管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】勤怠時刻判定サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図3】勤怠時刻判定サーバの機能ブロック図である。
【図4】電力波形テーブルを示す図である。
【図5】ログイン/ログオフ管理テーブルを示す図である。
【図6】図6(a)は、勤怠管理テーブルを示す図であり、図6(b)は、基本時間テーブルを示す図である。
【図7】勤怠時刻判定サーバによる処理を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS10の具体的処理を示すフローチャートである。
【図9】図7のステップS20の具体的処理を示すフローチャートである。
【図10】図7のステップS30の具体的処理を示すフローチャートである。
【図11】図11(a)、図11(b)は、勤怠時刻判定サーバの処理を具体的に説明するための図(その1)である。
【図12】図12(a)、図12(b)は、勤怠時刻判定サーバの処理を具体的に説明するための図(その2)である。
【図13】勤怠時刻判定サーバの処理を具体的に説明するための図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、勤怠管理システムの一実施形態について、図1〜図13に基づいて詳細に説明する。図1には、一実施形態にかかる勤怠管理システム100の概略構成が示されている。図1に示すように、勤怠管理システム100は、勤怠時刻判定装置としての勤怠時刻判定サーバ10と、勤怠管理装置としての勤怠管理サーバ70と、ネットワーク管理サーバ80と、電源タップ管理装置20と、情報処理装置としての複数のユーザ端末30と、を備える。これら各装置は、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワーク60に接続されている。
【0013】
勤怠時刻判定サーバ10は、ユーザ端末30を利用するユーザの出勤時刻及び退勤時刻を判定する。なお、勤怠時刻判定サーバ10の具体的構成及び具体的処理については、後述する。
【0014】
勤怠管理サーバ70は、ユーザ端末30を利用するユーザの出勤状況、休暇状況などの勤怠情報を管理するサーバである。ネットワーク管理サーバ80は、ユーザ端末30におけるユーザのログイン、ログオフの状況などを管理するサーバである。
【0015】
電源タップ管理装置20には、複数の電源タップ50が接続されている。電源タップ50は複数のコンセント(outlet)を有し、各コンセントには、ユーザが利用するPC30や、ユーザのデスクに設置されたライト(タスクライト)などが接続されているものとする。また、電源タップ50は、各コンセントにおける消費電力値を検出することが可能な電力センサとしてのセンサ52を有する電源タップであるものとする。電源タップ管理装置20では、センサ52の検出値を取得し、管理する。なお、電源タップ管理装置20は、電源タップ50ごとに設けられていてもよい。また、電源タップ50は、単一のコンセントのみを有することとしてもよい。
【0016】
複数のユーザ端末30は、PC(Personal Computer)などの端末である。各ユーザ端末30には、人感センサ32が設けられ、又は接続されている。人感センサ32としては、赤外線を利用した焦電センサや、温度センサなどを用いることができる。人感センサ32は、ユーザ端末30近傍、ユーザ端末30が設置されているデスク近傍に人が在席しているか否かを検出する。
【0017】
次に、前述した勤怠時刻判定サーバ10の詳細について説明する。図2には、勤怠時刻判定サーバ10のハードウェア構成が示されている。この図2に示すように、勤怠時刻判定サーバ10は、CPU90、ROM92、RAM94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えており、勤怠時刻判定サーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。勤怠時刻判定サーバ10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(勤怠時刻判定プログラム)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(勤怠時刻判定プログラム)をCPU90が実行することにより、図3の各部の機能が実現される。
【0018】
図3には、勤怠時刻判定サーバ10の機能ブロック図が示されている。図3に示すように、勤怠時刻判定サーバ10は、CPU90が勤怠時刻判定プログラムを実行することで、取得部102、起動時刻特定部104、停止時刻特定部106、ログイン/ログオフ時刻取得部108、判定部110、解析部112、設定部114、としての機能を発揮する。なお、図3には、RAM94やHDD96内に格納された、各種テーブル及びデータベースも示されている。各種テーブル及びデータベースには、図3に示すように、電力波形テーブル(以下、「TB」と記述する)122、ログイン/ログオフ管理TB124、勤怠管理TB126、基本時間TB128、及び波形履歴DB130が含まれる。
【0019】
取得部102は、ユーザ端末30において消費される電力値の時系列データ(消費電力波形)を電源タップ管理装置20から取得する。起動時刻特定部104は、取得部102が取得した消費電力波形に基づいて、ユーザ端末30の電源がオンされた時刻(最高値時刻)及び起動時刻を特定する。停止時刻特定部106は、消費電力波形に基づいて、ユーザ端末30の停止時刻(0W時刻)を特定する。
【0020】
ログイン/ログオフ時刻取得部108は、ユーザ端末30におけるユーザのログイン時刻及びログオフ時刻を、ネットワーク管理サーバ80から取得する。判定部110は、ユーザ端末30の起動時刻とログイン時刻との差を考慮して、ユーザ端末30の電源がオンにされた時刻をユーザの在席開始時刻(出勤時刻)と判定する。また、判定部110は、ユーザ端末30の終了時刻と電源がオンにされた時刻との差を考慮して、ユーザ端末30の終了時刻をユーザの在席終了時刻(退勤時刻)と判定する。
【0021】
解析部112は、ユーザ端末30の起動時刻近傍における消費電力波形に異常があるか否かを解析する。設定部114は、基本時間TB128を更新する。
【0022】
電力波形TB122は、取得部102が電源タップ管理装置20から取得した電力値を、所定時間ごとに格納するテーブルである。具体的には、電力波形TB122は、図4に示すように、PC名ごとに、1分ごとの電力値(W)が格納されたテーブルである。なお、電力値の取得間隔は、1分に限らず、1秒、10秒など種々の間隔とすることができる。
【0023】
ログイン/ログオフ管理TB124は、図5に示すように、各PC(ユーザ端末)におけるログイン時刻やログオフ時刻のほか、電力値の最高値(W)、最高値を示した時刻、電力値が0Wとなった時刻を格納する。また、ログイン/ログオフ管理TB124は、在席状況、及び診断レベルを示す数値も格納する。
【0024】
勤怠管理TB126は、図6(a)に示すように、ユーザごとの出勤時刻及び退勤時刻が格納される。出勤時刻には、判定部110が出勤時刻を判定できなかった場合のエラー内容(勤怠エラーやPC異常)も格納される。
【0025】
基本時間TB128は、判定部110が出勤時刻や退勤時刻を判定する際に用いられる、各種パラメータを格納する。図6(b)に示すように、ユーザごとの第1の時間としてのログイン監視時間、ログオフ監視時間、第2の時間としてのPC停止時間を格納する。ログイン監視時間及びログオフ監視時間はユーザごとに異なる(随時更新される)が、PC停止時間は全ユーザ一律の値となっている。なお、これらの時間の詳細については、後述する。
【0026】
波形履歴DB130は、消費電力波形を格納するデータベースである。波形履歴DB130には、少なくとも、直近において取得部102において取得された消費電力波形(今回の消費電力波形)、及びその前に取得された消費電力波形(前回の消費電力波形)がユーザ別に格納される。
【0027】
次に、本実施形態の勤怠管理システム100における処理について、図7〜図10のフローチャートに沿って、かつその他の図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。図7は、勤怠管理システム100のうちの勤怠時刻判定サーバ10による処理を示すフローチャートである。なお、図7の処理は、例えば、1日に1回のバッチ処理などで行われる処理であるものとし、あるユーザ(勤怠管理対象者)を特定して、ユーザごとに行われる処理であるものとする。すなわち、図7の処理は、ユーザの数だけ繰り返される処理である。以下、図7の各処理について、説明する。なお、前提として、図7の処理で用いるパラメータ(診断レベルを示すパラメータN、在席状況を示すパラメータM)は0に設定されているものとする。
【0028】
(ステップS10)
ステップS10では、PC電源ON/OFF時刻、ログイン/ログオフ時刻の、ログイン/ログオフ管理TB124(図5)への格納処理が実行される。具体的には、ステップS10においては、図8のフローチャートに沿った処理が実行される。
【0029】
図8の処理では、まず、ステップS40において、取得部102が、処理対象期間内(例えば、1日)の消費電力波形データ(電力値)を、電源タップ管理装置20から取得し、電力波形TB122(図4)に格納する。なお、取得部102は、各ユーザのPC(ユーザ端末30)がどのコンセントに接続されているかについて、テーブル等に基づいて把握しているものとする。また、消費電力波形データの取得方法については、特開2009−257952号公報等に開示されている。取得部102は、電力波形TB122に格納した消費電力波形データから得られる消費電力波形を波形履歴DB130にも格納する。
【0030】
次いで、ステップS42では、起動時刻判定部104が、電力波形TB122から、ユーザ端末30における電源ON時刻及び起動時刻を特定する。また、停止時刻判定部106が、ユーザ端末30における電源OFF時刻を特定する。そして、起動時刻判定部104と停止時刻判定部106は、判定した時刻を、ログイン/ログオフ管理TB124(図5)に格納する。
【0031】
ここで、電源ON時刻は、電力波形TB122の波形データのうち、最高値を示す時刻を意味する。したがって、電源ON時刻は、図5のログイン/ログオフ管理TB124に、「最高値時刻」として格納される。なお、起動時刻判定部104は、波形データの最高値自体についても、ログイン/ログオフ管理TB124に格納する。また、起動時刻は、消費電力の最高値を記録してから、所定電力近傍で安定した時刻を意味するものとする。また、電源OFF時刻は、電力波形が0(W)を示す時刻を意味する。したがって、電源OFF時刻は、図5において、「0(W)時刻」として格納される。例えば、図5のユーザaaaは、2010年12月17日の消費電力波形では、最高値40Wを8時4分に記録し、0Wを18時3分に記録している。
【0032】
次いで、ステップS44では、ログイン/ログオフ時刻取得部108が、ネットワーク管理サーバ80からログイン時刻、及びログオフ時刻を取得し、ログイン/ログオフ管理TB124に格納する。例えば、図5のログイン/ログオフ管理TB124では、ユーザaaaが、8時10分にログインを行い、17時55分にログアウトを行ったという内容が格納されている。
【0033】
以上のようにして、図8の全処理(ステップS10)が終了すると、図7のステップS20に移行する。
【0034】
(ステップS20)
図7のステップS20では、PC状態の判定処理が実行される。具体的には、図9のフローチャートに沿った処理が実行される。
【0035】
図9の処理では、まず、ステップS50において、解析部112が、波形履歴DB130とログイン/ログオフ管理TB124に格納されている情報を取得する。具体的には、解析部112は、波形履歴DB130から、今回の消費電力波形と前回の消費電力波形(例えば、図11(a)の消費電力波形の図参照)を取得し、ログイン/ログオフ管理TB124からは、当該テーブルに格納されているデータ(図5)を取得する。
【0036】
次いで、ステップS52では、解析部112が、前回と今回の波形(ここでは、最高値時刻近傍の波形とする)に、所定量以上の相違があるか否かを判断する。ここで、所定量とは、ユーザ端末30が正常な場合において発生する波形の誤差程度の量を意味する。例えば、図11(a)の中段に示す消費電力波形の場合には、今回と前回の波形がほぼ一致しているので、ステップS52の判断は否定される。一方、図12(a)の中段に示す、消費電力波形の場合には、今回と前回の波形が不一致であるので、ステップS52の判断は肯定される。
【0037】
ステップS52の判断が否定された場合には、ステップS56に移行する。一方、ステップS52の判断が肯定された場合には、ステップS54を経て、ステップS56に移行する。ステップS54では、解析部112が、診断レベルを示すパラメータNを1インクリメント(N←N+1)する。なお、診断レベルとは、故障の可能性を示すパラメータであり、0であればPCの故障の可能性が低く、0以外の値であればPCの故障の可能性が高いことを意味する。
【0038】
上記処理を経てステップS56に移行すると、判定部110は、起動時刻からログイン時刻までの時間がログイン監視時間以上であるか、あるいは、ログオフ時刻から停止時刻までの時間がログオフ監視時間以上であるかを判断する。具体的には、判定部110は、基本時間TB128(図6(b))に格納されているログイン監視時間(ユーザaaaであれば、10分)を取得する。そして、判定部110は、ユーザ端末30の起動時刻から、ログイン時刻までの時間がログイン監視時間以上であるか否かを判断する。また、判定部110は、基本時間TB128(図6(b))に格納されているログオフ監視時間(ユーザaaaであれば、10分)を取得する。そして、判定部110は、ログオフ時刻からユーザ端末30の停止時刻までの時間がログオフ監視時間以上であるか否かを判断する。なお、ユーザ端末30の起動時刻は、図11(a)の消費電力波形に示すように、消費電力の最高値を記録してから、所定電力(図11(a)では25W)近傍で安定した時刻である。また、停止時刻は、0W時刻であり、ログイン時刻、ログオフ時刻は、ステップS44において取得した時刻(例えば、図11(a)の下段(ログイン監視のグラフ)参照)である。
【0039】
このステップS56の判断が否定された場合(例えば、図11(a)のような場合)には、ステップS60に移行する。一方、ステップS56の判断が肯定された場合(図11(b)、図12(a)のような場合)には、ステップS58を経て、ステップS60に移行する。ステップS58では、判定部110が、診断レベルを示すパラメータNを1インクリメント(N←N+1)する。
【0040】
上記処理を経てステップS60に移行すると、判定部110は、ユーザが在席しているか否かを判断する。この場合、判定部110は、人感センサ32の検出結果を常時取得している。したがって、判定部110は、人感センサ32の検出結果に基づいて、例えば、ログイン監視時間の終了時刻において人感センサ32がユーザの在席を検出しているか否かを判断する。ステップS60の判断が肯定された場合には、ステップS64に移行するが、ステップS60の判断が否定された場合には、ステップS62を経て、ステップS64に移行する。ステップS62に移行した場合には、判定部110は、在席状況を示すパラメータMを1に設定する。なお、在席状況を示すパラメータMは、0又は1の値をとり、0の場合には、在席していることを意味し、1の場合には、在席していないことを意味する。
【0041】
上記処理を経てステップS64に移行すると、判定部110は、診断レベルNの値と、在席状況Mの値を、ログイン/ログオフ管理TB124(図5)に格納する。
【0042】
以上のようにして、図9の全処理が終了すると、図7のステップS30に移行する。
【0043】
(ステップS30)
図7のステップS30では、PC状態と在席状況からの勤怠情報記録処理が実行される。具体的には、図10のフローチャートに沿った処理が実行される。
【0044】
図10の処理では、まず、ステップS70において、判定部110が、ログイン/ログオフ管理TB124(図5)を参照して、Mが0であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS80において、判定部110が、勤怠管理TB126(図6(a))の出勤記録に、在席情報=不在のエラーを記録して、ステップS81に移行する。一方、ステップS70の判断が肯定された場合には、ステップS72に移行する。
【0045】
ステップS72では、判定部110は、N=0であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS78において、判定部110が、勤怠管理TB126(図6(a))の出勤記録に、PC状態=異常のエラーを記録して、ステップS81に移行する。一方、ステップS72の判断が肯定された場合(N=0、M=0の場合)には、ステップS81に移行する。
【0046】
上記処理を経てステップS81に移行した場合、判定部110は、電源OFF/ON時間がPC停止時間内か否かを判断する。ここで、電源OFF/ON時間とは、消費電力が0Wになった時刻から最高値になった時刻までの間の時間を意味する。例えば、図12(b)に示すように、0W時刻から最高値時刻までの時間が、予め定められているPC停止時間(図6(b)では、30分)以内であれば、ここでの判断は肯定される。一方、通常の勤務状態のように、前日の夕方や夜にPCの電源がOFFにされ、翌日の朝にONされるような場合には、ここでの判断は否定される。
【0047】
ステップS81の判断が肯定された場合には、そのまま図10の全処理を終了する。一方、ステップS81の判断が否定された場合には、ステップS82に移行する。
【0048】
ステップS82に移行した場合、判定部110が、ログイン時刻から電力波形最高値の時刻(電源がオンになった時刻)に遡った時刻を勤怠管理TB126(図6(a))の出勤記録とする(図11(a)の矢印t参照)。次いで、ステップS83では、判定部110が、ログオフ時刻から0(W)値になった時刻(0W時刻)を勤怠管理TB126(図6(a))の退勤時刻として記録する。
【0049】
すなわち、逆に言えば、ステップS81における判断が肯定された場合(図12(b)のような場合)には、勤怠管理TB126には、出勤時刻と退勤時刻が記録される処理は行われない(更新されない)ことを意味する。
【0050】
ステップS83の処理が終了してステップS84に移行すると、判定部110は、起動時刻からログイン時刻までの差分時間を算出する。そして、判定部110は、当該差分時間(今回差分時間)と前回の差分時間(前回差分時間)とを用いて、ログイン監視時間の平均化を行う。具体的には、判定部110は、次式(1)に基づいて、平均化演算を行う。
ログイン監視時間
=(α÷100×今回差分時間)+(1−α÷100)×前回差分時間)+β
…(1)
【0051】
なお、αは%係数(今回差分時間と前回差分時間の重みを表す係数)、βは補正値を意味する。例えば、今回差分時間が10分、前回差分時間が8分、αが60%、βが0であるとすると、ログイン監視時間は、(0.6×10)+(0.4×8)+0=9.2(分)となる。
【0052】
次いで、ステップS86では、判定部110が、ログオフ時刻からPC停止時刻までの差分時間を算出する。そして、判定部110は、当該差分時間(今回差分時間)と前回の差分時間(前回差分時間)とを用いて、ログイン監視時間の平均化を行う。具体的には、判定部110は、次式(2)に基づいて、平均化演算を行う。
ログオフ監視時間
=(γ÷100×今回差分時間)+(1−γ÷100)×前回差分時間)+δ
…(2)
【0053】
なお、γは%係数(今回差分時間と前回差分時間の重みを表す係数)、δは補正値を意味する。
【0054】
なお、上記ログイン監視時間やログオフ監視時間の算出方法は、一例である。したがって、その他の方法(例えば、差分時間の平均を算出するなど)により、ログイン監視時間やログオフ監視時間を算出することとしてもよい。
【0055】
次いで、ステップS88では、判定部110が、勤怠情報(出勤時刻/退社時刻)を勤怠管理TB126から読み出して、勤怠管理サーバ70に通知する。以上のようにして、図10(ステップS30)の全処理が終了すると、図7の全処理が終了することになる。
【0056】
ここで、上記処理の具体例について、図11〜図13に基づいて詳細に説明する。
【0057】
図11(a)には、ユーザaaaの出勤時における、人感センサ32の検出結果、消費電力波形、ログイン監視結果が示されている。図11(a)に示すように、人感センサ32の検出結果からは、在席状態が在席であることが分かるので、M=0である。また、消費電力波形が前回とほぼ同一で、かつ起動時刻からログイン時刻までの時間がログイン監視時間内であるので、N=0である。したがって、ユーザaaaは、エラー(ステップS78、S80)とはならず、勤怠管理TB126に出勤時刻が記録される(図6(a)参照)。
【0058】
また、図13には、ユーザaaaの退勤時における、人感センサ32の検出結果、消費電力波形、ログイン監視結果が示されている。図13では、0(w)時刻からPC停止時間が経過しても、PCが起動しない(電力波形最高値とはならない)。したがって、ステップS81の判断は否定されて、ステップS83〜S88が実行され、勤怠管理TB126に退勤時刻が記録される(図6(a)参照)
【0059】
図11(b)には、ユーザcccの出勤時における、人感センサ32の検出結果、消費電力波形、ログイン監視結果が示されている。図11(b)に示すように、人感センサ32の検出結果からは、在席状態が不在であることが分かるので、M=1である。また、消費電力波形が前回とほぼ同一である一方、起動時刻からログイン時刻までの時間がログイン監視時間内であるので、N=1である。したがって、ユーザccc出勤時刻には、エラー(在席情報=不在)が記録される(図6(a)参照)。
【0060】
図12(a)には、ユーザeeeの出勤時における、人感センサ32の検出結果、消費電力波形、ログイン監視結果が示されている。図12(a)に示すように、人感センサ32の検出結果からは、在席状態が在席であることが分かるので、M=0である。一方、消費電力波形は前回と異なり、かつ、起動時刻からログイン時刻までの時間はログイン監視時間内であるので、N=2である。したがって、ユーザeeeの出勤時刻には、エラー(PC状態=異常)が記録される(図6(a)参照)。
【0061】
図12(b)には、ユーザfffのユーザ端末の再起動時における、人感センサ32の検出結果、消費電力波形、ログイン監視結果が示されている。図12(b)では、0(W)時刻から電力波形最高値までの時間がPC停止時間以内である(ステップS81が肯定される)。したがって、勤怠管理TB126の出勤時刻及び退勤時刻は、ログイン/ログオフ管理TB124の値で更新されることはない(図5及び図6(a)参照)。
【0062】
以上、詳細に説明したように、本実施形態の勤怠時刻判定サーバ10によると、取得部102がユーザが利用するユーザ端末30における消費電力波形を取得し、起動時刻特定部104が、消費電力波形に基づいて、ユーザ端末30の電源がオンにされた時刻(最高値時刻)と起動時刻を特定する。そして、ログイン/ログオフ時刻取得部108が、ユーザ端末30におけるユーザのログイン時刻を取得し、判定部110が、ユーザ端末30の起動時刻とログイン時刻との差がログイン監視時間よりも小さい場合に、ユーザ端末30の電源がオンにされた時刻(最高値時刻)を、ユーザの在席開始時刻(出勤時刻)と判定する。したがって、起動時刻とログイン時刻との差がログイン監視時間よりも小さく、ユーザ端末に異常がなく、起動後の通常ログインすべき間にログインが行われている場合に、ユーザ端末30の電源がオンにされた時刻(最高値時刻)を出勤時刻とするので、出勤時刻の判定を高精度に行うことが可能となる。
【0063】
また、本実施形態では、判定部110は、ユーザ端末30の起動時刻とログイン時刻との差がログイン監視時間よりも大きい場合、エラーと判定する。これにより、ログイン監視時間に基づいて、異常状態(PC異常又は人的異常(不在))を、適切に判定することができる。また、本実施形態では、判定部110は、ログオフ時刻とユーザ端末30の停止時刻との差がログオフ監視時間よりも大きい場合、エラーと判定する。これにより、ログオフ監視時間に基づいて、異常状態(PC異常)を、適切に判定することができる。
【0064】
また、本実施形態では、解析部112が、ユーザ端末30の起動時刻近傍における消費電力波形の異常を解析し、判定部110は、エラーと判定した場合において、人感センサ32により人が検出されており(M=0)、かつ解析部112による解析結果が異常であった場合(N=1又は2)には、エラーを装置エラー(PC状態が異常)であると判定し、人感センサ32により人が検出されていない場合(M=0)には、エラーを人的エラー(在席情報=不在)であると判定する。このように、本実施形態では、人感センサ32との検出結果と解析部112の解析結果とにより、適切なエラー判定が可能である。
【0065】
また、本実施形態では、解析部112は、起動時刻近傍における消費電力波形と、過去の起動時刻近傍における消費電力の波形との比較結果に基づいて、消費電力波形の異常を解析する。したがって、起動時の異常を適切に解析することが可能である。
【0066】
また、本実施形態では、停止時刻特定部106が、消費電力波形に基づいて、ユーザ端末30の停止時刻を特定し、判定部110は、ユーザ端末30の停止時刻と、次にユーザ端末の起動時刻との差が、予め定められたPC停止時間よりも大きい場合に、停止時刻をユーザの在席終了時刻(退勤時刻)と判定する。したがって、本実施形態によれば、PC停止時間よりも小さい場合、すなわち、ユーザ端末30が再起動されたような場合を、退勤時刻と判定するようなことがなく、これにより適切な退勤時刻の判定が可能である。
【0067】
また、本実施形態では、設定部114が、ログイン監視時間、ログオフ監視時間を過去の履歴に基づいて設定する。このため、本実施形態では、ユーザの過去の実績に基づく適切なログイン監視時間、ログオフ監視時間の設定が可能であり、ひいては、適切な勤怠時刻の管理が可能となる。
【0068】
また、本実施形態では、電源タップ50に設けられたセンサ52からユーザ端末30の消費電力波形(電力値)を取得するので、簡易に消費電力波形を取得することが可能である。
【0069】
なお、上記実施形態では、起動時刻からログイン時刻までの時間がログイン監視時間内である場合に、出勤時刻を電源オン時刻(最高値時刻)とする場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、電源オン時刻(最高値時刻)からログイン時刻までの時間が、ログイン監視時間内であるか否かを判断することとしてもよい。また、出勤時刻を、起動時刻に設定するようにしてもよい。同様に、上記実施形態では、電源オフ時刻と次の電源オン時刻との間の時間がPC起動時間よりも長い場合(ステップS81が否定される場合)に、電源オフ時刻を退勤時刻とすることとしたが、これに限られるものではない。例えば、ステップS81の判断を電源オフ時刻と次のログイン時刻との間の時間で判断することとしてもよい。
【0070】
なお、上記実施形態では、取得部102が、1日の全時間の消費電力値を取得する場合について説明したが、これに限られるものではない。出勤時間、及び退勤時間の判定を行うという点からすると、取得部102は、朝の所定時間(始業時刻前2時間など)と夜の所定時間(終業時刻以降など)の消費電力のみを取得することとしてもよい。これにより、判定部110等が処理するデータ量が少なくなるので、勤怠時刻判定サーバ10の付加を軽減することが可能である。
【0071】
また、上記実施形態では、第1の時間としてのログイン監視時間、及びログオフ監視時間が変動する(更新される)場合について説明したが、これに限らず、各時間は、予め定めた時間であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、出勤時刻が判定できない場合(エラーが発生した場合)に、判定部110は、当該エラーが、PC異常で発生したのか、ユーザが不在で発生したのかを特定する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、判定部110は、エラーの原因を特定しないこととしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、判定部110が、出勤時刻と退勤時刻とを判定する場合について説明したが、これに限られるものではなく、判定部110は、出勤時刻のみを判定することとしてもよい。
【0074】
なお、上記実施形態では、勤怠時刻判定サーバ10、勤怠管理サーバ70、ネットワーク管理サーバ80がそれぞれ別個のサーバである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各サーバの機能が1つのサーバにより実現されてもよい。
【0075】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0076】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0077】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0078】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0079】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得する取得部と、前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定する起動時刻特定部と、前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得するログイン時刻取得部と、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する判定部と、を備える勤怠時刻判定装置。
(付記2) 前記判定部は、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも大きい場合、エラーと判定することを特徴とする付記1に記載の勤怠時刻判定装置。
(付記3) 前記勤怠管理対象者の席近傍に人が存在しているか否かを検出する人感センサと、前記起動時刻近傍における前記消費電力波形の異常を解析する解析部と、を更に備え、前記判定部は、前記エラーと判定した場合において、前記人感センサにより人が検出されており、かつ前記解析部による解析結果が異常であった場合には、前記エラーを前記情報処理装置における装置エラーであると判定し、前記人感センサにより人が検出されていない場合には、前記エラーを人的エラーであると判定することを特徴とする付記2に記載の勤怠時刻判定装置。
(付記4) 前記解析部は、前記起動時刻近傍における前記消費電力波形と、過去の起動時刻近傍における消費電力の波形との比較結果に基づいて、前記消費電力波形の異常を解析することを特徴とする付記3に記載の勤怠時刻判定装置。
(付記5) 前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の停止時刻を特定する停止時刻特定部を更に備え、前記判定部は、前記情報処理装置の停止時刻と、次の前記電源オン時刻又は前記起動時刻との差が、第2の時間よりも大きい場合には、前記停止時刻を前記勤怠管理対象者の在席終了時刻と判定することを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の勤怠時刻判定装置。
(付記6) 前記第1の時間を、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差の履歴に基づいて設定する設定部を更に備える付記1〜5のいずれかに記載の勤怠時刻判定装置。
(付記7) 前記取得部は、前記情報処理装置が接続されたコンセントに設けられた電力センサから、前記情報処理装置における消費電力波形を取得することを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の勤怠時刻判定装置。
(付記8) 付記1〜7のいずれかに記載の勤怠時刻判定装置と、前記勤怠時刻判定装置における判定結果に基づいて、前記勤怠管理対象者の勤怠情報を管理する勤怠管理装置と、を備える勤怠管理システム。
(付記9) 勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得し、前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定し、前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得し、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する、処理をコンピュータに実行させる勤怠時刻判定プログラム。
(付記10) 前記判定する処理では、コンピュータに、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも大きい場合、エラーと判定させることを特徴とする付記9に記載の勤怠時刻判定プログラム。
(付記11) 前記コンピュータに、前記起動時刻近傍における前記消費電力波形の異常を解析する処理を更に実行させ、前記判定する処理では、前記エラーと判定された場合において、前記勤怠管理対象者の席近傍に人が存在しているか否かを検出する人感センサにより人が検出されており、かつ前記解析する処理での解析結果が異常であった場合には、前記エラーが前記情報処理装置における装置エラーであると、前記コンピュータに判定させ、前記人感センサにより人が検出されていない場合には、前記エラーが人的エラーであると、前記コンピュータに判定させることを特徴とする付記10に記載の勤怠時刻判定プログラム。
(付記12) 前記解析する処理では、前記コンピュータに、前記起動時刻近傍における前記消費電力波形と、過去の起動時刻近傍における消費電力の波形との比較結果に基づいて、前記消費電力波形の異常を解析させることを特徴とする付記11に記載の勤怠時刻判定プログラム。
(付記13) 前記コンピュータに、前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の停止時刻を特定する処理を更に実行させ、前記判定する処理では、前記情報処理装置の停止時刻と、次の前記電源オン時刻又は前記起動時刻との差が、第2の時間よりも大きい場合には、前記停止時刻が前記勤怠管理対象者の在席終了時刻であると、前記コンピュータに判定させることを特徴とする付記9〜12のいずれかに記載の勤怠時刻判定プログラム。
(付記14) 前記コンピュータに、前記第1の時間を、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差の履歴に基づいて設定する処理を更に実行させる付記9〜13のいずれかに記載の勤怠時刻判定プログラム。
(付記15) 前記取得する処理では、前記コンピュータに、前記情報処理装置が接続されたコンセントに設けられた電力センサから、前記情報処理装置における消費電力波形を取得させることを特徴とする付記9〜14のいずれかに記載の勤怠時刻判定プログラム。
(付記16) コンピュータが、勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得する取得工程と、前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定する起動時刻特定工程と、前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得するログイン時刻取得工程と、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する判定工程と、を実行することを特徴とする勤怠時刻判定方法。
(付記17) 前記判定工程では、コンピュータが、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも大きい場合、エラーと判定することを特徴とする付記16に記載の勤怠時刻判定方法。
(付記18) 前記コンピュータが、前記起動時刻近傍における前記消費電力波形の異常を解析する解析工程を更に実行し、前記判定工程では、前記エラーと判定した場合において、前記勤怠管理対象者の席近傍に人が存在しているか否かを検出する人感センサにより人が検出されており、かつ前記解析する処理での解析結果が異常であった場合には、前記エラーが前記情報処理装置における装置エラーであると前記コンピュータが判定し、前記人感センサにより人が検出されていない場合には、前記エラーが人的エラーであると前記コンピュータが判定することを特徴とする付記17に記載の勤怠時刻判定方法。
(付記19) 前記解析工程では、前記コンピュータが、前記起動時刻近傍における前記消費電力波形と、過去の起動時刻近傍における消費電力の波形との比較結果に基づいて、前記消費電力波形の異常を解析することを特徴とする付記18に記載の勤怠時刻判定方法。
(付記20) 前記コンピュータが、前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の停止時刻を特定する停止時刻特定工程を更に実行し、前記判定工程では、前記コンピュータが、前記情報処理装置の停止時刻と、次の前記電源オン時刻又は前記起動時刻との差が、第2の時間よりも大きい場合に、前記停止時刻が前記勤怠管理対象者の在席終了時刻であると判定することを特徴とする付記16〜19のいずれかに記載の勤怠時刻判定方法。
(付記21) 前記コンピュータが、前記第1の時間を、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差の履歴に基づいて設定する設定工程を更に実行する付記16〜20のいずれかに記載の勤怠時刻判定方法。
(付記22) 前記取得工程では、前記コンピュータが、前記情報処理装置が接続されたコンセントに設けられた電力センサから、前記情報処理装置における消費電力波形を取得することを特徴とする付記16〜21のいずれかに記載の勤怠時刻判定方法。
【符号の説明】
【0080】
10 勤怠時刻判定サーバ(勤怠時刻判定装置)
30 ユーザ端末(情報処理装置)
32 人感センサ
52 センサ(電力センサ)
70 勤怠管理サーバ(勤怠管理装置)
100 勤怠管理システム
102 取得部
104 起動時刻特定部
106 停止時刻特定部
108 ログイン/ログオフ時刻取得部(ログイン時刻取得部)
110 判定部
112 解析部
114 設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得する取得部と、
前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定する起動時刻特定部と、
前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得するログイン時刻取得部と、
前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する判定部と、を備える勤怠時刻判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも大きい場合、エラーと判定することを特徴とする請求項1に記載の勤怠時刻判定装置。
【請求項3】
前記勤怠管理対象者の席近傍に人が存在しているか否かを検出する人感センサと、
前記起動時刻近傍における前記消費電力波形の異常を解析する解析部と、を更に備え、
前記判定部は、前記エラーと判定した場合において、前記人感センサにより人が検出されており、かつ前記解析部による解析結果が異常であった場合には、前記エラーを前記情報処理装置における装置エラーであると判定し、前記人感センサにより人が検出されていない場合には、前記エラーを人的エラーであると判定することを特徴とする請求項2に記載の勤怠時刻判定装置。
【請求項4】
前記解析部は、前記起動時刻近傍における前記消費電力波形と、過去の起動時刻近傍における消費電力の波形との比較結果に基づいて、前記消費電力波形の異常を解析することを特徴とする請求項3に記載の勤怠時刻判定装置。
【請求項5】
前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の停止時刻を特定する停止時刻特定部を更に備え、
前記判定部は、前記情報処理装置の停止時刻と、次の前記電源オン時刻又は前記起動時刻との差が、第2の時間よりも大きい場合には、前記停止時刻を前記勤怠管理対象者の在席終了時刻と判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の勤怠時刻判定装置。
【請求項6】
前記第1の時間を、前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差の履歴に基づいて設定する設定部を更に備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の勤怠時刻判定装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記情報処理装置が接続されたコンセントに設けられた電力センサから、前記情報処理装置における消費電力波形を取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の勤怠時刻判定装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の勤怠時刻判定装置と、
前記勤怠時刻判定装置における判定結果に基づいて、前記勤怠管理対象者の勤怠情報を管理する勤怠管理装置と、を備える勤怠管理システム。
【請求項9】
勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得し、
前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定し、
前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得し、
前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する、処理をコンピュータに実行させる勤怠時刻判定プログラム。
【請求項10】
コンピュータが、
勤怠管理対象者が利用する情報処理装置における消費電力波形を取得する取得工程と、
前記消費電力波形に基づいて、前記情報処理装置の電源がオンにされた電源オン時刻及び前記情報処理装置の起動時刻を特定する起動時刻特定工程と、
前記情報処理装置における前記勤怠管理対象者のログイン時刻を取得するログイン時刻取得工程と、
前記電源オン時刻又は前記起動時刻と前記ログイン時刻との差が第1の時間よりも小さい場合に、前記電源オン時刻又は前記起動時刻を、前記勤怠管理対象者の在席開始時刻と判定する判定工程と、を実行することを特徴とする勤怠時刻判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−164230(P2012−164230A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25479(P2011−25479)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(598097552)株式会社富士通マーケティング (30)
【Fターム(参考)】