勾配形成ブロック製造用型枠及び勾配形成ブロック
【課題】 水路構造物における水路勾配の修正及び変更を簡単な作業で行うことができる勾配形成ブロックを製造するための型枠を提供する。
【解決手段】 型枠10は、ベース11に回転自在に取り付けられた左側板12,右側板13,前妻板14及び後妻板15とベース11に傾斜機構17,18を介して傾動可能に設けられた可動底板16とを備え、該可動底板16は傾斜機構17,18による傾き調整によって勾配形成ブロックBGの上面に長さ方向に沿う所定の勾配を形成できる。
【解決手段】 型枠10は、ベース11に回転自在に取り付けられた左側板12,右側板13,前妻板14及び後妻板15とベース11に傾斜機構17,18を介して傾動可能に設けられた可動底板16とを備え、該可動底板16は傾斜機構17,18による傾き調整によって勾配形成ブロックBGの上面に長さ方向に沿う所定の勾配を形成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水路構築用ブロックによって構築された水路構造物の水路に所定の勾配を形成する勾配形成ブロックを製造するための型枠と勾配形成ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
図1(A)と図1(B)は水路を構築する際に一般的に用いられるブロックをそれぞれ示す。
【0003】
図1(A)に示したブロックB1は、縦断面略四角形の流水路B1aと、該流水路B1aを囲む底版部B1b,左側壁部B1c,右側壁部B1d及び頂版部B1eとを有している。流水路B1aの底面bf1は縦断面V字形を成し、該底面bf1は底版部B1bの下面並びに頂版部B1eの上面と平行である。図1(B)に示したブロックB2は、縦断面略上向きコ字形の流水路B2aと、該流水路B2aを囲む底版部B2b,左側壁部B2c及び右側壁部B2dとを有している。流水路B2aの底面bf2は縦断面V字形を成し、該底面bf2は底版部B2bの下面並びに左右側壁部B2c,B2dの上面と平行である。
【0004】
図2は図1(A)に示したブロックB1を用いて構築された水路構造物を示す。
【0005】
この水路構造物WSは前記ブロックB1を互いの流水路B1aが連続するように複数連結することによって構築されている。各ブロックB1の流水路B1aによって構成される水路WWの勾配Gwは、所定の勾配を有するように予め作成された基礎FB上に前記ブロックB1を載置することによって得ている。図1(B)に示したブロックB2を用いて水路構造物を構築する場合も同様の方法によって水路の勾配を得ている。
【特許文献1】特開平9−60104
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の水路構造物WSにおいて実際上で用いられる水路勾配Gwは数%程度であるため、地震による地殻変動や地盤の陥没等の影響によって水路勾配Gwが0%に近い値になったりマイナス側の値になると所期の水の流れが得られなってしまう。このような場合には、通常、水路構造物WSを構築している複数のブロックB1またはB2を基礎FB上から取り除き、基礎FBを再作成した後に再度ブロックB1またはB2を基礎FB上に載置する作業が行われている。
【0007】
また、降水時における水路構造物からの水の溢れ出し及び該溢れ出しによる災害を回避すること等を理由に、施工後の水路構造物WSの水路勾配Gwの値を変更する場合や水路勾配Gwの向きを逆向きに変更するような場合でも、前記同様の作業が行われている。
【0008】
しかし、水路構築用のブロックB1,B2はそれ自体が重量物であるため、前記各作業は時間及び費用を要するものとなる。特にブロックB1,B2に大きな損傷がなく水路勾配Gw以外は水路構造物WSとして問題がないような場合でも、水路構造物WSを構築している複数のブロックB1またはB2を基礎FB上から取り除く際に亀裂や破損を生じる恐れが高いため、亀裂や破損を生じたブロックB1,B2を新しいものと交換する費用も嵩んでしまう。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、水路構造物における水路勾配の修正及び変更を簡単な作業で行うことができる勾配形成ブロックを製造するための型枠及び勾配形成ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明の勾配形成ブロック製造用型枠は、長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する勾配形成ブロックを製造するための型枠であって、該型枠は、ベースに回転自在に取り付けられた左側板,右側板,前妻板及び後妻板とベースに傾斜機構を介して傾動可能に設けられた可動底板とを備え、該可動底板は傾斜機構による傾き調整によって勾配形成ブロックの上面に長さ方向に沿う所定の勾配を形成する、ことをその特徴とする。
【0011】
この勾配形成ブロック製造用型枠によれば、傾斜機構により可動底板の傾きを調整することによって、長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する勾配形成ブロックを製造することができる。
【0012】
また、本発明の勾配形成ブロックは、前記勾配形成ブロック製造用型枠によって製造され、長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する、ことをその特徴とする。
【0013】
この勾配形成ブロックによれば、水路構築用ブロックの流水路に敷設することによりその上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成できる。つまり、水路構造物を構成する水路構築用ブロックの流水路に勾配形成ブロックを適宜敷設することにより、水路構造物における水路勾配の修正及び変更の作業を簡単に行うことができ該作業に要する時間及び費用を軽減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水路構造物における水路勾配の修正及び変更を簡単な作業で行うことができる勾配形成ブロックを製造するための型枠及び勾配形成ブロックを提供することができる。
【0015】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
図3〜図10は本発明の第1実施形態を示す。図3は型枠(型枠本体と蓋板)の斜視図、図4は図3に示した型枠本体の上面図、図5は図4のa−a線断面図、図6は図4のb−b線断面図、図7は図1に示した型枠による勾配形成ブロックの製造プロセス説明図、図8は型枠により製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図、図9は勾配形成ブロックと水路構築用ブロックとの関係説明図、図10は図9(A)に示したブロックを用いて構築された水路構造物に対して勾配形成ブロックを用いて水路勾配の修正及び変更を行う場合の説明図である。
【0017】
まず、図3〜図6を参照して、型枠(型枠本体と蓋板)の構成を説明する。
【0018】
この型枠は図3に示した型枠本体10と蓋板19とから成る。型枠本体10はベース11と左側板12と右側板13と前妻板14と後妻板15と可動底板16と前側傾斜機構17と後側傾斜機構18とを備えている。
【0019】
ベース11は直方体形状を成し、左側面と右側面に3つのアーム11aをそれぞれ有し、前面と後面に2つのアーム11aをそれぞれ有している。
【0020】
左側板12は矩形板状を成し、下面に3つのアーム12aを有している。各アーム12aはベース11の左側面の各アーム11aにそれぞれ回転自在に支持されている。図3から分かるように、型枠本体10を閉じたときに左側板12の前端面は前妻板14の内面左端部に当接し、左側板12の後端面は後妻板15の内面左端部に当接する。
【0021】
右側板13は左側板12と同一サイズの矩形板状を成し、下面に3つのアーム13aを有している。各アーム13aはベース11の右側面の各アーム11aにそれぞれ回転自在に支持されている。図3から分かるように、型枠本体10を閉じたときに右側板13の前端面は前妻板14の内面右端部に当接し、右側板13の後端面は後妻板15の内面右端部に当接する。
【0022】
前妻板14は矩形板状を成し、下面に2つのアーム14aを有している。各アーム14aはベース11の前面の各アーム11aにそれぞれ回転自在に支持されている。また、前妻板14の内面上部には、可動底板16と同一幅を有する合成ゴム製の矩形板状のパッキン14bが固定されている。図3から分かるように、型枠本体10を閉じたときの前妻板14及びパッキン14bの高さは左側板12及び右側板13の高さよりも高く、型枠本体10を閉じたときにパッキン14bの内面には可動底板16の前端が当接する。
【0023】
後妻板15は前妻板13と同一サイズの矩形板状を成し、下面に2つのアーム15aを有している。各アーム15aはベース11の後面の各アーム11aにそれぞれ回転自在に支持されている。また、後妻板15の内面上部には、前妻板14と同一サイズの矩形板状を成す合成ゴム製のパッキン15bが固定されている。図3から分かるように、型枠本体10を閉じたときの後妻板15及びパッキン15bの高さは左側板12及び右側板13の高さよりも高く、型枠本体10を閉じたときにパッキン15bの内面には可動底板16の後端が当接する。
【0024】
可動底板16は所定厚さで縦断面逆V字形の矩形板から成り、幅方向の両端縁に合成ゴム製の直線状のパッキン(図示省略)を有している。また、可動底板16の下面には直方体形状を成すフレーム16aが固定されている。さらに、フレーム16aの下面4隅には長穴付きのブラケット16bが固定されている。型枠本体10を閉じたときに可動底板16の左側パッキンは左側板12の内面に当接し、可動底板16の右側パッキンは右側板13の内面に当接する。
【0025】
前側傾斜機構17は、ベース11の上面前部に前後に間隔をおいて固定された2つの固定部17a及び17bと、2つの固定部17a及び17bの左右中央に回転自在に設けられたねじロッド17cと、ねじロッド17cの前端に設けられた6角柱状の操作部17c1と、ネジロッド17cに螺合されたナット17dと、前側固定部17aの左右両側にその一端を回転自在に支持された左右一対の第1リンク17eと、後側固定部17bの左右両側にその一端を回転自在に支持された左右一対の第2リンク17fとを有しており、各第1リンク17eの他端は第2リンク17fの略中間部にそれぞれ回転自在に支持され、各第2リンク17fの他端は可動底板16の2つの前側ブラケット16bの長穴にそれぞれ回転自在に支持されている。つまり、操作部17c1を所定方向に回転させてナット17dを前側固定部17aに近寄らせると第1,第2リンク17e,17fの形態が変化して可動底板16の前部が上昇し、逆にナット17dを後側固定部17bに近寄らせると第1,第2リンク17e,17fの形態が変化して可動底板16の前部が下降する。
【0026】
後側傾斜機構18は、ベース11の上面後部に前後に間隔をおいて固定された2つの固定部18a及び18bと、2つの固定部18a及び18bの左右中央に回転自在に設けられたねじロッド18cと、ねじロッド18cの後端に設けられた6角柱状の操作部18c1と、ネジロッド18cに螺合されたナット18dと、後側固定部18aの左右両側にその一端を回転自在に支持された左右一対の第1リンク18eと、前側固定部18bの左右両側にその一端を回転自在に支持された左右一対の第2リンク18fとを有しており、各第1リンク18eの他端は第2リンク18fの略中間部にそれぞれ回転自在に支持され、各第2リンク18fの他端は可動底板16の2つの後側ブラケット16bの長穴にそれぞれ回転自在に支持されている。つまり、操作部18c1を所定方向に回転させてナット18dを後側固定部18aに近寄らせると第1,第2リンク18e,18fの形態が変化して可動底板16の後部が上昇し、逆にナット18dを前側固定部18bに近寄らせると第1,第2リンク18e,18fの形態が変化して可動底板16の後部が下降する。
【0027】
蓋板19は、2つの平板部19aと、中央の屈曲板部19bと、前後2つの屈曲板部19cとを有している。蓋板19の全体の長さは型枠本体10を閉じたときのパッキン14bとパッキン15bとの間隔よりも僅かに大きく、全体の幅は型枠本体10を閉じたときの左側板12の外面と右側板13の外面との間隔にほぼ一致している。
【0028】
2つの平板部19aは所定厚さの板材から成り、長さ方向両端部をそれぞれ折り曲げて形成した縦壁19a1を有している。2つの平板部19aの長さは同じであり、各平板部19aの縦壁19a1の高さも全て同じである。
【0029】
中央の屈曲板部19bは所定厚さの板材から成り、縦断面逆V字形の屈曲部分19b1を幅方向中央に有し、型枠本体10を閉じたときの左側板12の上面と右側板13の上面とそれぞれ向き合う平面部分19b2を屈曲部分19b1の幅方向両側に連続して有している。また、屈曲部分19b1の頂点に近い位置にはコンクリート打設孔19b3が形成されている。この屈曲板部19bは、各平面部分19b2の下面が平板部19aの下面と面一となるように、その長さ方向両端縁をその長さ方向両側に位置する2つの平板部19aの縦壁19a1にそれぞれ固定されている。
【0030】
前後2つの屈曲板部19cは所定厚さの板材から成り、縦断面逆V字形の屈曲部分19c1を幅方向中央に有し、型枠本体10を閉じたときの左側板12の上面と右側板13の上面とそれぞれ向き合う平面部分19c2を屈曲部分19c1の幅方向両側に連続して有している。各屈曲板部19cの縦断面形状は中央の屈曲板部19bと同じであるが、各屈曲板部19cの長さは中央の屈曲板部19bよりも短い。また、屈曲部分19c1の頂点に近い位置には空気抜き孔19c3が形成されている。各屈曲板部19cは、各平面部分19c2の下面が平板部19aの下面と面一となるように、その長さ方向一端縁をその長さ方向片側に位置する1つの平板部19aの縦壁19a1にそれぞれ固定されている。
【0031】
次に、図7及び図8を参照して、勾配形成ブロックの製造プロセスと製造された勾配形成ブロックの形状について説明する。
【0032】
図8に示した勾配形成ブロックBGを製造するときには、前側傾斜機構17の操作部17c1と後側傾斜機構18の操作部18c1をそれぞれ回転して可動底板16の上面高さ位置及び上面勾配(長さ方向に沿う勾配)を調整する。そして、左側板12と右側板13を閉じ、左側板12の上面と右側板13の上面に蓋板19を乗せ、前妻板14と後妻板15を閉じ、前妻板14と後妻板15を図示省略の型締め機構によって内側に締め付ける。
【0033】
図7に示した型閉じ状態では、左側板12の前端面は前妻板14の内面左端部に当接し、左側板12の後端面は後妻板15の内面左端部に当接する。また、右側板13の前端面は前妻板14の内面右端部に当接し、右側板13の後端面は後妻板15の内面右端部に当接する。さらに、可動底板16の左側パッキンは左側板12の内面に当接し、可動底板16の右側パッキンは右側板13の内面に当接し、可動底板16の前端は前妻板14のパッキン14bの内面に当接し、可動底板16の後端は後妻板15のパッキン15bの内面に当接する。
【0034】
蓋板19はその前後端を前妻板14のパッキン14bと後妻板15のパッキン15bとに挟み込まれた状態となるが、長さ方向中央部分の浮き上がりを防止するために、望ましくは、型閉じ後に蓋板19の幅方向両側を左側板12の上面と右側板13の上面にボルト等を用いて固定する。
【0035】
そして、蓋板19の中央の屈曲板部19bのコンクリート打設孔19b3を通じて、型枠本体10内、詳しくは、左側板12と右側板13と前妻板14のパッキン14bと後妻板15のパッキン15bと可動底板16と蓋板19で囲まれる空間内にコンクリートを打設する。コンクリートの打設は蓋板19の前後2つの屈曲板部19cの空気抜き孔19c3からコンクリートが漏れ出すまで継続し、これにより前記空間内にコンクリートが密に充填される。
【0036】
そして、打設したコンクリートを養生して硬化させる。硬化後は、蓋板19の固定を解除すると共に型締め機構による前妻板14と後妻板15の締め付けを解除し、蓋板19を外し、前妻板14と後妻板15を開き、左側板12と右側板13を開き、製造された勾配形成ブロックBG(図8参照)を取り出す。
【0037】
製造後の勾配形成ブロックBG(図8は勾配形成ブロックBGを下面側から見た斜視図)は所定幅Wと所定長さLを有し、可動底板16の前端の上面高さ位置と後端の上面高さ位置に基づいて定められた前端厚さt1と後端厚さt2を有する。また、勾配形成ブロックBGの上面には、可動底板16の上面の形状及び勾配に準じた形状及び勾配(長さ方向に沿う勾配)を有する上面BGaが形成されている。さらに、勾配形成ブロックBGの下面側には、蓋板19の2つの平板部19aの下面形状に準じた2つの平面部分BGbと、蓋板19の中央の屈曲板部19bの屈曲部分19b1の下面形状に準じた縦断面V字形の係合突起BGcと、蓋板19の前後2つの屈曲板部19cの屈曲部分19c1の下面形状に準じた縦断面V字形の係合突起BGcが形成されている。
【0038】
次に、図9(A)及び図9(B)を参照して、勾配形成ブロックと水路構築用ブロックとの関係について説明する。
【0039】
図9(A)に示したブロックB1は図1(A)に示したブロックB1と同じであり、図9(B)に示したブロックB2は図1(B)に示したブロックB2と同じである。
【0040】
ブロックB1用として製造された勾配形成ブロックBGは、上面BGaの幅W及び長さLがブロックB1の流水路B1aの幅及び長さにほぼ一致しており、上面BGaの縦断面形は流水路B1aの底面bf1の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致している。また、勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGcの下面の縦断面形(縦断面V字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGdの下面の縦断面形(縦断面V字形)は、それぞれ流水路B1aの底面bf1の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致している。
【0041】
この勾配形成ブロックBGは、ブロックB1の流水路B1aの一端側から挿入して該流水路B1aに敷設することができる。勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGcの下面の縦断面形(縦断面V字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGdの下面の縦断面形(縦断面V字形)は、それぞれ流水路B1aの底面bf1の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致しているため、敷設後の勾配形成ブロックBGの下面側の各係合突起BGc,BGdは流水路B1aの底面bf1に嵌り込んだような状態となる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B1aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0042】
一方、ブロックB2用として製造された勾配形成ブロックBGは、上面BGaの幅W及び長さLがブロックB2の流水路B2aの幅及び長さにほぼ一致しており、上面BGaの縦断面形は流水路B2aの底面bf2の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致している。また、勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGcの下面の縦断面形(縦断面V字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGdの下面の縦断面形(縦断面V字形)は、それぞれ流水路B2aの底面bf2の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致している。
【0043】
この勾配形成ブロックBGは、ブロックB2の流水路B2aの上側から挿入して該流水路B2aに敷設することができる。勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGcの下面の縦断面形(縦断面V字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGdの下面の縦断面形(縦断面V字形)は、それぞれ流水路B2aの底面bf2の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致しているため、敷設後の勾配形成ブロックBGの下面側の各係合突起BGc,BGdは流水路B2aの底面bf2に嵌り込んだような状態となる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B2aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0044】
次に、図10を参照し、且つ、図2を引用して、図9(A)に示したブロックB1を用いて構築された水路構造物WSに対して勾配形成ブロックBGを用いて水路勾配の修正及び変更を行う方法について説明する。
【0045】
図2に示した水路構造物WSにあって、地震による地殻変動や地盤の陥没等の影響によって水路勾配Gwが0%に近い値になったりマイナス側の値になって所期の水の流れが得られなったときには、水路構造物WSを構成する少なくとも1つのブロックB1を基礎FB上から取り除き、取り除いた後に生じるスペースを利用して、予め用意した複数の勾配形成ブロックBG、具体的には、上面BGaの勾配が同じで前端高さt1及び後端高さt2が異なる複数の勾配形成ブロックBGを基礎FB上の各ブロックB1の流水路B1a内に順次挿入する。そして、先に取り除いたブロックB1の流水路B1aに勾配形成ブロックBGを敷設したものを基礎FB上に載置する。
【0046】
予め用意した複数の勾配形成ブロックBGは段差なく連なるように各々の前端高さt1及び後端高さt2が設定されているので、水路WWはこれら勾配形成ブロックBGにより新たに形成される水路勾配Gwを有するものとなる(図10参照)。
【0047】
前記の勾配形成ブロックBGは水路勾配Gwの修正だけでなく、施工後の水路構造物WSの水路勾配Gwの値を変更する場合や水路勾配Gwの向きを逆向きに変更する場合にも用いることができ、この水路勾配Gwの変更に係る作業も前記と同様に行うことができる。
【0048】
また、図9(B)に示したブロックB2を用いて水路構造物が構築されている場合には、水路構造物WSを構成するブロックB2を基礎FB上から取り除くことなく、基礎FB上の各ブロックB2の流水路B2aにその上側から予め用意した複数の勾配形成ブロックBGを順次挿入して敷設することによって、前記同様の水路勾配の修正と変更を行うことができる。
【0049】
このように、前記勾配形成ブロックBGによれば、水路構築用ブロックB1,B2の流水路B1a,B2aに敷設することによりその上面によって流水路B1a,B2aの底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成できる。つまり、水路構造物WSを構成する水路構築用ブロックB1,B2の流水路B1a,B2aに勾配形成ブロックBGを敷設することにより、水路構造物WSにおける水路勾配Gwの修正及び変更の作業を簡単に行うことができ該作業に要する時間及び費用を軽減することができる。しかも、勾配形成ブロックBGの下面側には部分的に係合突起BGc,BGdを設けているので、下面全体に同一縦断面形の係合突起を形成する場合には比べて材料の節約を図って勾配形成ブロックBGの単価を低減することができる。
【0050】
また、前記型枠(型枠本体10及び蓋板19)によれば、必要とする幅W及び長さLと上面勾配と前端厚さt1及び後端t2と下面側の係合突起BGc,BGdを有する勾配形成ブロックBG、即ち、水路構造物WSにおける水路勾配Gwの修正及び変更に適した勾配形成ブロックBGを任意に、且つ、的確に製造することができる。
【0051】
尚、図9(A)及び図9(B)には流水路B1a,B2aの底面bf1,bf2と左右内壁との境に境界線を便宜上記してあるが、両者の境に丸み付けや面取りが施されている場合にはこれに対応する丸み付けや面取りを勾配形成ブロックBGの下面両側縁に施せばよく、このような勾配形成ブロックBGは型枠本体10の左側板12と右側板13の内面上端縁に丸み付けや面取りに対応する突条を設けることで簡単に形成できる。
【0052】
また、図8には計3つの係合突起BGc,BGdを下面側に形成した水路構成ブロックBGを示してあるが、係合突起は少なくとも2個あれば用をなすものであり、該係合突起の数及び位置は蓋板19の形状を変えることによって簡単に変更できることは言うまでもない。
【0053】
[第2実施形態]
図11〜図13は本発明の第2実施形態を示す。図11(A)及び図11(B)は水路構築用ブロックの斜視図、図12は図11(A)及び図11(B)に示した水路構築用ブロックに適合した勾配形成ブロックを製造する際に用いられる蓋板の斜視図、図13は型枠により製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【0054】
図11(A)及び図11(B)に示したブロックB1,B2が図9(A)及び図9(B)に示したブロックB1,B2と異なるところは、流水路B1a,B2aの底面bf1a,bf2aが縦断面U字形を成す点にある。
【0055】
このようなブロックB1,B2に適合した勾配形成ブロックBGを製造する際には前記蓋板19に変えて図12に示した蓋板20を用いればよい。
【0056】
この蓋板20は、2つの平板部20aと、中央の湾曲板部20bと、前後2つの湾曲板部20cとを有している。蓋板20の全体の長さは型枠本体10を閉じたときのパッキン14bとパッキン15bとの間隔よりも僅かに大きく、全体の幅は型枠本体10を閉じたときの左側板12の外面と右側板13の外面との間隔にほぼ一致している。
【0057】
2つの平板部20aは所定厚さの板材から成り、長さ方向両端部をそれぞれ折り曲げて形成した縦壁20a1を有している。2つの平板部20aの長さは同じであり、各平板部20aの縦壁20a1の高さも全て同じである。
【0058】
中央の湾曲板部20bは所定厚さの板材から成り、縦断面逆U字形の湾曲部分20b1を幅方向中央に有し、型枠本体10を閉じたときの左側板12の上面と右側板13の上面とそれぞれ向き合う平面部分20b2を湾曲部分20b1の幅方向両側に連続して有している。また、湾曲部分20b1の頂点に近い位置にはコンクリート打設孔20b3が形成されている。この湾曲板部20bは、各平面部分20b2の下面が平板部20aの下面と面一となるように、その長さ方向両端縁をその長さ方向両側に位置する2つの平板部20aの縦壁20a1にそれぞれ固定されている。
【0059】
前後2つの湾曲板部20cは所定厚さの板材から成り、縦断面逆U字形の湾曲部分20c1を幅方向中央に有し、型枠本体10を閉じたときの左側板12の上面と右側板13の上面とそれぞれ向き合う平面部分20c2を湾曲部分20c1の幅方向両側に連続して有している。各湾曲板部20cの縦断面形状は中央の湾曲板部20bと同じであるが、各湾曲板部20cの長さは中央の湾曲板部20bよりも短い。また、湾曲部分20c1の頂点に近い位置には空気抜き孔20c3が形成されている。各湾曲板部20cは、各平面部分20c2の下面が平板部20aの下面と面一となるように、その長さ方向一端縁をその長さ方向片側に位置する1つの平板部20aの縦壁20a1にそれぞれ固定されている。
【0060】
図12に示した蓋板20及び型枠本体10を用いて勾配形成ブロックBGを製造する際のプロセスは蓋板19及び型枠本体10を用いて勾配形成ブロックBGを製造する場合と同じである。
【0061】
製造後の勾配形成ブロックBG(図13は勾配形成ブロックBGを下面側から見た斜視図)は所定幅Wと所定長さLを有し、可動底板16の前端の上面高さ位置と後端の上面高さ位置に基づいて定められた前端厚さt1と後端厚さt2を有する。また、勾配形成ブロックBGの上面には、可動底板16の上面の形状及び勾配に準じた形状及び勾配(長さ方向に沿う勾配)を有する上面BGaが形成されている。さらに、勾配形成ブロックBGの下面側には、蓋板20の2つの平板部20aの下面形状に準じた2つの平面部分BGbと、蓋板20の中央の湾曲板部20bの湾曲部分20b1の下面形状に準じた縦断面U字形の係合突起BGc’と、蓋板20の前後2つの湾曲板部20cの湾曲部分20c1の下面形状に準じた縦断面U字形の係合突起BGc’が形成されている。
【0062】
ブロックB1用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB1の流水路B1aの一端側から挿入して該流水路B1aに敷設することができる。勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGc’の下面の縦断面形(縦断面U字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGd’の下面の縦断面形(縦断面U字形)は、それぞれ流水路B1aの底面bf1aの縦断面形(縦断面U字形)とほぼ一致しているため、敷設後の勾配形成ブロックBGの下面側の各係合突起BGc’,BGd’は流水路B1aの底面bf1aに嵌り込んだような状態となる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B1aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0063】
一方、ブロックB2用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB2の流水路B2aの上側から挿入して該流水路B2aに敷設することができる。勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGc’の下面の縦断面形(縦断面U字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGd’の下面の縦断面形(縦断面U字形)は、それぞれ流水路B2aの底面bf2aの縦断面形(縦断面U字形)とほぼ一致しているため、敷設後の勾配形成ブロックBGの下面側の各係合突起BGc’,BGd’は流水路B2aの底面bf2aに嵌り込んだような状態となる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B2aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0064】
図11(A)及び図11(B)に示したブロックB1,B2を用いて構築された水路構造物WSに対して図13に示した勾配形成部材BGを用いて水路勾配の修正及び変更を行う方法は第1実施形態で述べた方法と同じである。
【0065】
また、前記勾配形成ブロックBGによって得られる作用効果、並びに、型枠(型枠本体10及び蓋板20)によって得られる作用効果は、第1実施形態で述べた作用効果と同じである。
【0066】
尚、図11(A)及び図11(B)には流水路B1a,B2aの底面bf1a,bf2aと左右内壁との境に境界線を便宜上記してあるが、両者の境に丸み付けや面取りが施されている場合にはこれに対応する丸み付けや面取りを勾配形成ブロックBGの下面両側縁に施せばよく、このような勾配形成ブロックBGは型枠本体10の左側板12と右側板13の内面上端縁に丸み付けや面取りに対応する突条を設けることで簡単に形成できる。
【0067】
また、図13には計3つの係合突起BGc’,BGd’を下面側に形成した水路構成ブロックBGを示してあるが、係合突起は少なくとも2個あれば用をなすものであり、該係合突起の数及び位置は蓋板209の形状を変えることによって簡単に変更できることは言うまでもない。
【0068】
[第3実施形態]
図14及び図15は本発明の第3実施形態を示す。図14(A)及び図14(B)は水路構築用ブロックの斜視図、図15は型枠によって製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【0069】
図14(A)及び図14(B)に示したブロックB1,B2が図9(A)及び図9(B)に示したブロックB1,B2と異なるところは、流水路B1a,B2aの底面bf1b,bf2bが平坦面から成る点にある。
【0070】
このようなブロックB1,B2に適合した勾配形成ブロックBGを形成する際には蓋板19を用いずに型枠本体10のみを用いればよい。
【0071】
図15に示した勾配形成ブロックBGを製造するときには、前側傾斜機構17の操作部17c1と後側傾斜機構18の操作部18c1をそれぞれ回転して可動底板16の上面高さ位置及び上面勾配(長さ方向に沿う勾配)を調整する。そして、左側板12と右側板13を閉じ、前妻板14と後妻板15を閉じ、前妻板14と後妻板15を図示省略の型締め機構によって内側に締め付ける。
【0072】
型閉じ状態では、左側板12の前端面は前妻板14の内面左端部に当接し、左側板12の後端面は後妻板15の内面左端部に当接する。また、右側板13の前端面は前妻板14の内面右端部に当接し、右側板13の後端面は後妻板15の内面右端部に当接する。さらに、可動底板16の左側パッキンは左側板12の内面に当接し、可動底板16の右側パッキンは右側板13の内面に当接し、可動底板16の前端は前妻板14のパッキン14bの内面に当接し、可動底板16の後端は後妻板15のパッキン15bの内面に当接する。
【0073】
そして、型枠本体10内、詳しくは、左側板12と右側板13と前妻板14のパッキン14bと後妻板15のパッキン15bと可動底板16で囲まれる空間内にコンクリートを打設する。
【0074】
そして、打設したコンクリートを養生して硬化させる。硬化後は、型締め機構による前妻板14と後妻板15の締め付けを解除し、前妻板14と後妻板15を開き、左側板12と右側板13を開き、製造された勾配形成ブロックBG(図15参照)を取り出す。
【0075】
製造後の勾配形成ブロックBG(図15は勾配形成ブロックBGを下面側から見た斜視図)は所定幅と所定長さを有し、可動底板16の前端の上面高さ位置と後端の高さ位置に基づいて定められた前端厚さt1と後端厚さt2を有する。また、勾配形成ブロックBGの上面には、可動底板16の上面の形状及び勾配に準じた形状及び勾配(長さ方向に沿う勾配)を有する上面BGaが形成されている。さらに、勾配形成ブロックBGの下面側には、その全域において平面部BGbが形成されている。
【0076】
ブロックB1用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB1の流水路B1aの一端側から挿入して該流水路B1aに敷設することができる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B1aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0077】
一方、ブロックB2用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB2用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB2の流水路B2aの上側から挿入して該流水路B2aに敷設することができる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B2aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0078】
図14(A)及び図14(B)に示したブロックB1,B2を用いて構築された水路構造物WSに対して図15に示した勾配形成部材BGを用いて水路勾配の修正及び変更を行う方法は第1実施形態で述べた方法と同じである。
【0079】
また、前記勾配形成ブロックBGによって得られる作用効果、並びに、型枠(型枠本体10)によって得られる作用効果は、第1実施形態で述べた作用効果と実質的に同じである。
【0080】
尚、図11(A)及び図11(B)には流水路B1a,B2aの底面bf1b,bf2bと左右内壁との境に境界線を便宜上記してあるが、両者の境に丸み付けや面取りが施されている場合にはこれに対応する丸み付けや面取りを勾配形成ブロックBGの下面両側縁に施せばよく、このような勾配形成ブロックBGは型枠本体10の左側板12と右側板13の内面上端縁に丸み付けや面取りに対応する突条を設けることで簡単に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】水路を構築する際に一般的に用いられる水路構築用ブロックを示す図である。
【図2】図1(A)に示したブロックを用いて構築された水路構造物の縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す型枠(型枠本体と蓋板)の斜視図である。
【図4】図3に示した型枠本体の上面図である。
【図5】図4のa−a線断面図である。
【図6】図4のb−b線断面図である。
【図7】図1に示した型枠による勾配形成ブロックの製造プロセス説明図である。
【図8】型枠により製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【図9】勾配形成ブロックと水路構築用ブロックとの関係説明図である。
【図10】図9(A)に示したブロックを用いて構築された水路構造物に対して勾配形成ブロックを用いて水路勾配の修正及び変更を行う場合の説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示す水路構築用ブロックの斜視図である。
【図12】図11(A)及び図11(B)に示した水路構築用ブロックに適合した勾配形成ブロックを製造する際に用いられる蓋板の斜視図である。
【図13】型枠により製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【図14】本発明の第3実施形態を示す水路構築用ブロックの斜視図である。
【図15】型枠によって製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0082】
10…型枠本体、11…ベース、12…左側板、13…右側板、14…前妻板、15…後妻板、16…底板、17…前側傾斜機構、18…後側傾斜機構、19,20…蓋板、B1,B2…水路構築用ブロック、B1a,B2a…流水路、BG…勾配形成ブロック、WS…水路構造物、WW…水路、Gw…水路勾配。
【技術分野】
【0001】
本発明は、水路構築用ブロックによって構築された水路構造物の水路に所定の勾配を形成する勾配形成ブロックを製造するための型枠と勾配形成ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
図1(A)と図1(B)は水路を構築する際に一般的に用いられるブロックをそれぞれ示す。
【0003】
図1(A)に示したブロックB1は、縦断面略四角形の流水路B1aと、該流水路B1aを囲む底版部B1b,左側壁部B1c,右側壁部B1d及び頂版部B1eとを有している。流水路B1aの底面bf1は縦断面V字形を成し、該底面bf1は底版部B1bの下面並びに頂版部B1eの上面と平行である。図1(B)に示したブロックB2は、縦断面略上向きコ字形の流水路B2aと、該流水路B2aを囲む底版部B2b,左側壁部B2c及び右側壁部B2dとを有している。流水路B2aの底面bf2は縦断面V字形を成し、該底面bf2は底版部B2bの下面並びに左右側壁部B2c,B2dの上面と平行である。
【0004】
図2は図1(A)に示したブロックB1を用いて構築された水路構造物を示す。
【0005】
この水路構造物WSは前記ブロックB1を互いの流水路B1aが連続するように複数連結することによって構築されている。各ブロックB1の流水路B1aによって構成される水路WWの勾配Gwは、所定の勾配を有するように予め作成された基礎FB上に前記ブロックB1を載置することによって得ている。図1(B)に示したブロックB2を用いて水路構造物を構築する場合も同様の方法によって水路の勾配を得ている。
【特許文献1】特開平9−60104
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の水路構造物WSにおいて実際上で用いられる水路勾配Gwは数%程度であるため、地震による地殻変動や地盤の陥没等の影響によって水路勾配Gwが0%に近い値になったりマイナス側の値になると所期の水の流れが得られなってしまう。このような場合には、通常、水路構造物WSを構築している複数のブロックB1またはB2を基礎FB上から取り除き、基礎FBを再作成した後に再度ブロックB1またはB2を基礎FB上に載置する作業が行われている。
【0007】
また、降水時における水路構造物からの水の溢れ出し及び該溢れ出しによる災害を回避すること等を理由に、施工後の水路構造物WSの水路勾配Gwの値を変更する場合や水路勾配Gwの向きを逆向きに変更するような場合でも、前記同様の作業が行われている。
【0008】
しかし、水路構築用のブロックB1,B2はそれ自体が重量物であるため、前記各作業は時間及び費用を要するものとなる。特にブロックB1,B2に大きな損傷がなく水路勾配Gw以外は水路構造物WSとして問題がないような場合でも、水路構造物WSを構築している複数のブロックB1またはB2を基礎FB上から取り除く際に亀裂や破損を生じる恐れが高いため、亀裂や破損を生じたブロックB1,B2を新しいものと交換する費用も嵩んでしまう。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、水路構造物における水路勾配の修正及び変更を簡単な作業で行うことができる勾配形成ブロックを製造するための型枠及び勾配形成ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明の勾配形成ブロック製造用型枠は、長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する勾配形成ブロックを製造するための型枠であって、該型枠は、ベースに回転自在に取り付けられた左側板,右側板,前妻板及び後妻板とベースに傾斜機構を介して傾動可能に設けられた可動底板とを備え、該可動底板は傾斜機構による傾き調整によって勾配形成ブロックの上面に長さ方向に沿う所定の勾配を形成する、ことをその特徴とする。
【0011】
この勾配形成ブロック製造用型枠によれば、傾斜機構により可動底板の傾きを調整することによって、長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する勾配形成ブロックを製造することができる。
【0012】
また、本発明の勾配形成ブロックは、前記勾配形成ブロック製造用型枠によって製造され、長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する、ことをその特徴とする。
【0013】
この勾配形成ブロックによれば、水路構築用ブロックの流水路に敷設することによりその上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成できる。つまり、水路構造物を構成する水路構築用ブロックの流水路に勾配形成ブロックを適宜敷設することにより、水路構造物における水路勾配の修正及び変更の作業を簡単に行うことができ該作業に要する時間及び費用を軽減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水路構造物における水路勾配の修正及び変更を簡単な作業で行うことができる勾配形成ブロックを製造するための型枠及び勾配形成ブロックを提供することができる。
【0015】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
図3〜図10は本発明の第1実施形態を示す。図3は型枠(型枠本体と蓋板)の斜視図、図4は図3に示した型枠本体の上面図、図5は図4のa−a線断面図、図6は図4のb−b線断面図、図7は図1に示した型枠による勾配形成ブロックの製造プロセス説明図、図8は型枠により製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図、図9は勾配形成ブロックと水路構築用ブロックとの関係説明図、図10は図9(A)に示したブロックを用いて構築された水路構造物に対して勾配形成ブロックを用いて水路勾配の修正及び変更を行う場合の説明図である。
【0017】
まず、図3〜図6を参照して、型枠(型枠本体と蓋板)の構成を説明する。
【0018】
この型枠は図3に示した型枠本体10と蓋板19とから成る。型枠本体10はベース11と左側板12と右側板13と前妻板14と後妻板15と可動底板16と前側傾斜機構17と後側傾斜機構18とを備えている。
【0019】
ベース11は直方体形状を成し、左側面と右側面に3つのアーム11aをそれぞれ有し、前面と後面に2つのアーム11aをそれぞれ有している。
【0020】
左側板12は矩形板状を成し、下面に3つのアーム12aを有している。各アーム12aはベース11の左側面の各アーム11aにそれぞれ回転自在に支持されている。図3から分かるように、型枠本体10を閉じたときに左側板12の前端面は前妻板14の内面左端部に当接し、左側板12の後端面は後妻板15の内面左端部に当接する。
【0021】
右側板13は左側板12と同一サイズの矩形板状を成し、下面に3つのアーム13aを有している。各アーム13aはベース11の右側面の各アーム11aにそれぞれ回転自在に支持されている。図3から分かるように、型枠本体10を閉じたときに右側板13の前端面は前妻板14の内面右端部に当接し、右側板13の後端面は後妻板15の内面右端部に当接する。
【0022】
前妻板14は矩形板状を成し、下面に2つのアーム14aを有している。各アーム14aはベース11の前面の各アーム11aにそれぞれ回転自在に支持されている。また、前妻板14の内面上部には、可動底板16と同一幅を有する合成ゴム製の矩形板状のパッキン14bが固定されている。図3から分かるように、型枠本体10を閉じたときの前妻板14及びパッキン14bの高さは左側板12及び右側板13の高さよりも高く、型枠本体10を閉じたときにパッキン14bの内面には可動底板16の前端が当接する。
【0023】
後妻板15は前妻板13と同一サイズの矩形板状を成し、下面に2つのアーム15aを有している。各アーム15aはベース11の後面の各アーム11aにそれぞれ回転自在に支持されている。また、後妻板15の内面上部には、前妻板14と同一サイズの矩形板状を成す合成ゴム製のパッキン15bが固定されている。図3から分かるように、型枠本体10を閉じたときの後妻板15及びパッキン15bの高さは左側板12及び右側板13の高さよりも高く、型枠本体10を閉じたときにパッキン15bの内面には可動底板16の後端が当接する。
【0024】
可動底板16は所定厚さで縦断面逆V字形の矩形板から成り、幅方向の両端縁に合成ゴム製の直線状のパッキン(図示省略)を有している。また、可動底板16の下面には直方体形状を成すフレーム16aが固定されている。さらに、フレーム16aの下面4隅には長穴付きのブラケット16bが固定されている。型枠本体10を閉じたときに可動底板16の左側パッキンは左側板12の内面に当接し、可動底板16の右側パッキンは右側板13の内面に当接する。
【0025】
前側傾斜機構17は、ベース11の上面前部に前後に間隔をおいて固定された2つの固定部17a及び17bと、2つの固定部17a及び17bの左右中央に回転自在に設けられたねじロッド17cと、ねじロッド17cの前端に設けられた6角柱状の操作部17c1と、ネジロッド17cに螺合されたナット17dと、前側固定部17aの左右両側にその一端を回転自在に支持された左右一対の第1リンク17eと、後側固定部17bの左右両側にその一端を回転自在に支持された左右一対の第2リンク17fとを有しており、各第1リンク17eの他端は第2リンク17fの略中間部にそれぞれ回転自在に支持され、各第2リンク17fの他端は可動底板16の2つの前側ブラケット16bの長穴にそれぞれ回転自在に支持されている。つまり、操作部17c1を所定方向に回転させてナット17dを前側固定部17aに近寄らせると第1,第2リンク17e,17fの形態が変化して可動底板16の前部が上昇し、逆にナット17dを後側固定部17bに近寄らせると第1,第2リンク17e,17fの形態が変化して可動底板16の前部が下降する。
【0026】
後側傾斜機構18は、ベース11の上面後部に前後に間隔をおいて固定された2つの固定部18a及び18bと、2つの固定部18a及び18bの左右中央に回転自在に設けられたねじロッド18cと、ねじロッド18cの後端に設けられた6角柱状の操作部18c1と、ネジロッド18cに螺合されたナット18dと、後側固定部18aの左右両側にその一端を回転自在に支持された左右一対の第1リンク18eと、前側固定部18bの左右両側にその一端を回転自在に支持された左右一対の第2リンク18fとを有しており、各第1リンク18eの他端は第2リンク18fの略中間部にそれぞれ回転自在に支持され、各第2リンク18fの他端は可動底板16の2つの後側ブラケット16bの長穴にそれぞれ回転自在に支持されている。つまり、操作部18c1を所定方向に回転させてナット18dを後側固定部18aに近寄らせると第1,第2リンク18e,18fの形態が変化して可動底板16の後部が上昇し、逆にナット18dを前側固定部18bに近寄らせると第1,第2リンク18e,18fの形態が変化して可動底板16の後部が下降する。
【0027】
蓋板19は、2つの平板部19aと、中央の屈曲板部19bと、前後2つの屈曲板部19cとを有している。蓋板19の全体の長さは型枠本体10を閉じたときのパッキン14bとパッキン15bとの間隔よりも僅かに大きく、全体の幅は型枠本体10を閉じたときの左側板12の外面と右側板13の外面との間隔にほぼ一致している。
【0028】
2つの平板部19aは所定厚さの板材から成り、長さ方向両端部をそれぞれ折り曲げて形成した縦壁19a1を有している。2つの平板部19aの長さは同じであり、各平板部19aの縦壁19a1の高さも全て同じである。
【0029】
中央の屈曲板部19bは所定厚さの板材から成り、縦断面逆V字形の屈曲部分19b1を幅方向中央に有し、型枠本体10を閉じたときの左側板12の上面と右側板13の上面とそれぞれ向き合う平面部分19b2を屈曲部分19b1の幅方向両側に連続して有している。また、屈曲部分19b1の頂点に近い位置にはコンクリート打設孔19b3が形成されている。この屈曲板部19bは、各平面部分19b2の下面が平板部19aの下面と面一となるように、その長さ方向両端縁をその長さ方向両側に位置する2つの平板部19aの縦壁19a1にそれぞれ固定されている。
【0030】
前後2つの屈曲板部19cは所定厚さの板材から成り、縦断面逆V字形の屈曲部分19c1を幅方向中央に有し、型枠本体10を閉じたときの左側板12の上面と右側板13の上面とそれぞれ向き合う平面部分19c2を屈曲部分19c1の幅方向両側に連続して有している。各屈曲板部19cの縦断面形状は中央の屈曲板部19bと同じであるが、各屈曲板部19cの長さは中央の屈曲板部19bよりも短い。また、屈曲部分19c1の頂点に近い位置には空気抜き孔19c3が形成されている。各屈曲板部19cは、各平面部分19c2の下面が平板部19aの下面と面一となるように、その長さ方向一端縁をその長さ方向片側に位置する1つの平板部19aの縦壁19a1にそれぞれ固定されている。
【0031】
次に、図7及び図8を参照して、勾配形成ブロックの製造プロセスと製造された勾配形成ブロックの形状について説明する。
【0032】
図8に示した勾配形成ブロックBGを製造するときには、前側傾斜機構17の操作部17c1と後側傾斜機構18の操作部18c1をそれぞれ回転して可動底板16の上面高さ位置及び上面勾配(長さ方向に沿う勾配)を調整する。そして、左側板12と右側板13を閉じ、左側板12の上面と右側板13の上面に蓋板19を乗せ、前妻板14と後妻板15を閉じ、前妻板14と後妻板15を図示省略の型締め機構によって内側に締め付ける。
【0033】
図7に示した型閉じ状態では、左側板12の前端面は前妻板14の内面左端部に当接し、左側板12の後端面は後妻板15の内面左端部に当接する。また、右側板13の前端面は前妻板14の内面右端部に当接し、右側板13の後端面は後妻板15の内面右端部に当接する。さらに、可動底板16の左側パッキンは左側板12の内面に当接し、可動底板16の右側パッキンは右側板13の内面に当接し、可動底板16の前端は前妻板14のパッキン14bの内面に当接し、可動底板16の後端は後妻板15のパッキン15bの内面に当接する。
【0034】
蓋板19はその前後端を前妻板14のパッキン14bと後妻板15のパッキン15bとに挟み込まれた状態となるが、長さ方向中央部分の浮き上がりを防止するために、望ましくは、型閉じ後に蓋板19の幅方向両側を左側板12の上面と右側板13の上面にボルト等を用いて固定する。
【0035】
そして、蓋板19の中央の屈曲板部19bのコンクリート打設孔19b3を通じて、型枠本体10内、詳しくは、左側板12と右側板13と前妻板14のパッキン14bと後妻板15のパッキン15bと可動底板16と蓋板19で囲まれる空間内にコンクリートを打設する。コンクリートの打設は蓋板19の前後2つの屈曲板部19cの空気抜き孔19c3からコンクリートが漏れ出すまで継続し、これにより前記空間内にコンクリートが密に充填される。
【0036】
そして、打設したコンクリートを養生して硬化させる。硬化後は、蓋板19の固定を解除すると共に型締め機構による前妻板14と後妻板15の締め付けを解除し、蓋板19を外し、前妻板14と後妻板15を開き、左側板12と右側板13を開き、製造された勾配形成ブロックBG(図8参照)を取り出す。
【0037】
製造後の勾配形成ブロックBG(図8は勾配形成ブロックBGを下面側から見た斜視図)は所定幅Wと所定長さLを有し、可動底板16の前端の上面高さ位置と後端の上面高さ位置に基づいて定められた前端厚さt1と後端厚さt2を有する。また、勾配形成ブロックBGの上面には、可動底板16の上面の形状及び勾配に準じた形状及び勾配(長さ方向に沿う勾配)を有する上面BGaが形成されている。さらに、勾配形成ブロックBGの下面側には、蓋板19の2つの平板部19aの下面形状に準じた2つの平面部分BGbと、蓋板19の中央の屈曲板部19bの屈曲部分19b1の下面形状に準じた縦断面V字形の係合突起BGcと、蓋板19の前後2つの屈曲板部19cの屈曲部分19c1の下面形状に準じた縦断面V字形の係合突起BGcが形成されている。
【0038】
次に、図9(A)及び図9(B)を参照して、勾配形成ブロックと水路構築用ブロックとの関係について説明する。
【0039】
図9(A)に示したブロックB1は図1(A)に示したブロックB1と同じであり、図9(B)に示したブロックB2は図1(B)に示したブロックB2と同じである。
【0040】
ブロックB1用として製造された勾配形成ブロックBGは、上面BGaの幅W及び長さLがブロックB1の流水路B1aの幅及び長さにほぼ一致しており、上面BGaの縦断面形は流水路B1aの底面bf1の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致している。また、勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGcの下面の縦断面形(縦断面V字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGdの下面の縦断面形(縦断面V字形)は、それぞれ流水路B1aの底面bf1の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致している。
【0041】
この勾配形成ブロックBGは、ブロックB1の流水路B1aの一端側から挿入して該流水路B1aに敷設することができる。勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGcの下面の縦断面形(縦断面V字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGdの下面の縦断面形(縦断面V字形)は、それぞれ流水路B1aの底面bf1の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致しているため、敷設後の勾配形成ブロックBGの下面側の各係合突起BGc,BGdは流水路B1aの底面bf1に嵌り込んだような状態となる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B1aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0042】
一方、ブロックB2用として製造された勾配形成ブロックBGは、上面BGaの幅W及び長さLがブロックB2の流水路B2aの幅及び長さにほぼ一致しており、上面BGaの縦断面形は流水路B2aの底面bf2の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致している。また、勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGcの下面の縦断面形(縦断面V字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGdの下面の縦断面形(縦断面V字形)は、それぞれ流水路B2aの底面bf2の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致している。
【0043】
この勾配形成ブロックBGは、ブロックB2の流水路B2aの上側から挿入して該流水路B2aに敷設することができる。勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGcの下面の縦断面形(縦断面V字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGdの下面の縦断面形(縦断面V字形)は、それぞれ流水路B2aの底面bf2の縦断面形(縦断面V字形)とほぼ一致しているため、敷設後の勾配形成ブロックBGの下面側の各係合突起BGc,BGdは流水路B2aの底面bf2に嵌り込んだような状態となる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B2aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0044】
次に、図10を参照し、且つ、図2を引用して、図9(A)に示したブロックB1を用いて構築された水路構造物WSに対して勾配形成ブロックBGを用いて水路勾配の修正及び変更を行う方法について説明する。
【0045】
図2に示した水路構造物WSにあって、地震による地殻変動や地盤の陥没等の影響によって水路勾配Gwが0%に近い値になったりマイナス側の値になって所期の水の流れが得られなったときには、水路構造物WSを構成する少なくとも1つのブロックB1を基礎FB上から取り除き、取り除いた後に生じるスペースを利用して、予め用意した複数の勾配形成ブロックBG、具体的には、上面BGaの勾配が同じで前端高さt1及び後端高さt2が異なる複数の勾配形成ブロックBGを基礎FB上の各ブロックB1の流水路B1a内に順次挿入する。そして、先に取り除いたブロックB1の流水路B1aに勾配形成ブロックBGを敷設したものを基礎FB上に載置する。
【0046】
予め用意した複数の勾配形成ブロックBGは段差なく連なるように各々の前端高さt1及び後端高さt2が設定されているので、水路WWはこれら勾配形成ブロックBGにより新たに形成される水路勾配Gwを有するものとなる(図10参照)。
【0047】
前記の勾配形成ブロックBGは水路勾配Gwの修正だけでなく、施工後の水路構造物WSの水路勾配Gwの値を変更する場合や水路勾配Gwの向きを逆向きに変更する場合にも用いることができ、この水路勾配Gwの変更に係る作業も前記と同様に行うことができる。
【0048】
また、図9(B)に示したブロックB2を用いて水路構造物が構築されている場合には、水路構造物WSを構成するブロックB2を基礎FB上から取り除くことなく、基礎FB上の各ブロックB2の流水路B2aにその上側から予め用意した複数の勾配形成ブロックBGを順次挿入して敷設することによって、前記同様の水路勾配の修正と変更を行うことができる。
【0049】
このように、前記勾配形成ブロックBGによれば、水路構築用ブロックB1,B2の流水路B1a,B2aに敷設することによりその上面によって流水路B1a,B2aの底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成できる。つまり、水路構造物WSを構成する水路構築用ブロックB1,B2の流水路B1a,B2aに勾配形成ブロックBGを敷設することにより、水路構造物WSにおける水路勾配Gwの修正及び変更の作業を簡単に行うことができ該作業に要する時間及び費用を軽減することができる。しかも、勾配形成ブロックBGの下面側には部分的に係合突起BGc,BGdを設けているので、下面全体に同一縦断面形の係合突起を形成する場合には比べて材料の節約を図って勾配形成ブロックBGの単価を低減することができる。
【0050】
また、前記型枠(型枠本体10及び蓋板19)によれば、必要とする幅W及び長さLと上面勾配と前端厚さt1及び後端t2と下面側の係合突起BGc,BGdを有する勾配形成ブロックBG、即ち、水路構造物WSにおける水路勾配Gwの修正及び変更に適した勾配形成ブロックBGを任意に、且つ、的確に製造することができる。
【0051】
尚、図9(A)及び図9(B)には流水路B1a,B2aの底面bf1,bf2と左右内壁との境に境界線を便宜上記してあるが、両者の境に丸み付けや面取りが施されている場合にはこれに対応する丸み付けや面取りを勾配形成ブロックBGの下面両側縁に施せばよく、このような勾配形成ブロックBGは型枠本体10の左側板12と右側板13の内面上端縁に丸み付けや面取りに対応する突条を設けることで簡単に形成できる。
【0052】
また、図8には計3つの係合突起BGc,BGdを下面側に形成した水路構成ブロックBGを示してあるが、係合突起は少なくとも2個あれば用をなすものであり、該係合突起の数及び位置は蓋板19の形状を変えることによって簡単に変更できることは言うまでもない。
【0053】
[第2実施形態]
図11〜図13は本発明の第2実施形態を示す。図11(A)及び図11(B)は水路構築用ブロックの斜視図、図12は図11(A)及び図11(B)に示した水路構築用ブロックに適合した勾配形成ブロックを製造する際に用いられる蓋板の斜視図、図13は型枠により製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【0054】
図11(A)及び図11(B)に示したブロックB1,B2が図9(A)及び図9(B)に示したブロックB1,B2と異なるところは、流水路B1a,B2aの底面bf1a,bf2aが縦断面U字形を成す点にある。
【0055】
このようなブロックB1,B2に適合した勾配形成ブロックBGを製造する際には前記蓋板19に変えて図12に示した蓋板20を用いればよい。
【0056】
この蓋板20は、2つの平板部20aと、中央の湾曲板部20bと、前後2つの湾曲板部20cとを有している。蓋板20の全体の長さは型枠本体10を閉じたときのパッキン14bとパッキン15bとの間隔よりも僅かに大きく、全体の幅は型枠本体10を閉じたときの左側板12の外面と右側板13の外面との間隔にほぼ一致している。
【0057】
2つの平板部20aは所定厚さの板材から成り、長さ方向両端部をそれぞれ折り曲げて形成した縦壁20a1を有している。2つの平板部20aの長さは同じであり、各平板部20aの縦壁20a1の高さも全て同じである。
【0058】
中央の湾曲板部20bは所定厚さの板材から成り、縦断面逆U字形の湾曲部分20b1を幅方向中央に有し、型枠本体10を閉じたときの左側板12の上面と右側板13の上面とそれぞれ向き合う平面部分20b2を湾曲部分20b1の幅方向両側に連続して有している。また、湾曲部分20b1の頂点に近い位置にはコンクリート打設孔20b3が形成されている。この湾曲板部20bは、各平面部分20b2の下面が平板部20aの下面と面一となるように、その長さ方向両端縁をその長さ方向両側に位置する2つの平板部20aの縦壁20a1にそれぞれ固定されている。
【0059】
前後2つの湾曲板部20cは所定厚さの板材から成り、縦断面逆U字形の湾曲部分20c1を幅方向中央に有し、型枠本体10を閉じたときの左側板12の上面と右側板13の上面とそれぞれ向き合う平面部分20c2を湾曲部分20c1の幅方向両側に連続して有している。各湾曲板部20cの縦断面形状は中央の湾曲板部20bと同じであるが、各湾曲板部20cの長さは中央の湾曲板部20bよりも短い。また、湾曲部分20c1の頂点に近い位置には空気抜き孔20c3が形成されている。各湾曲板部20cは、各平面部分20c2の下面が平板部20aの下面と面一となるように、その長さ方向一端縁をその長さ方向片側に位置する1つの平板部20aの縦壁20a1にそれぞれ固定されている。
【0060】
図12に示した蓋板20及び型枠本体10を用いて勾配形成ブロックBGを製造する際のプロセスは蓋板19及び型枠本体10を用いて勾配形成ブロックBGを製造する場合と同じである。
【0061】
製造後の勾配形成ブロックBG(図13は勾配形成ブロックBGを下面側から見た斜視図)は所定幅Wと所定長さLを有し、可動底板16の前端の上面高さ位置と後端の上面高さ位置に基づいて定められた前端厚さt1と後端厚さt2を有する。また、勾配形成ブロックBGの上面には、可動底板16の上面の形状及び勾配に準じた形状及び勾配(長さ方向に沿う勾配)を有する上面BGaが形成されている。さらに、勾配形成ブロックBGの下面側には、蓋板20の2つの平板部20aの下面形状に準じた2つの平面部分BGbと、蓋板20の中央の湾曲板部20bの湾曲部分20b1の下面形状に準じた縦断面U字形の係合突起BGc’と、蓋板20の前後2つの湾曲板部20cの湾曲部分20c1の下面形状に準じた縦断面U字形の係合突起BGc’が形成されている。
【0062】
ブロックB1用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB1の流水路B1aの一端側から挿入して該流水路B1aに敷設することができる。勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGc’の下面の縦断面形(縦断面U字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGd’の下面の縦断面形(縦断面U字形)は、それぞれ流水路B1aの底面bf1aの縦断面形(縦断面U字形)とほぼ一致しているため、敷設後の勾配形成ブロックBGの下面側の各係合突起BGc’,BGd’は流水路B1aの底面bf1aに嵌り込んだような状態となる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B1aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0063】
一方、ブロックB2用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB2の流水路B2aの上側から挿入して該流水路B2aに敷設することができる。勾配形成ブロックBGの下面の中央に形成された係合突起BGc’の下面の縦断面形(縦断面U字形)と勾配形成部材BGの下面の前後に形成された2つの係合突起BGd’の下面の縦断面形(縦断面U字形)は、それぞれ流水路B2aの底面bf2aの縦断面形(縦断面U字形)とほぼ一致しているため、敷設後の勾配形成ブロックBGの下面側の各係合突起BGc’,BGd’は流水路B2aの底面bf2aに嵌り込んだような状態となる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B2aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0064】
図11(A)及び図11(B)に示したブロックB1,B2を用いて構築された水路構造物WSに対して図13に示した勾配形成部材BGを用いて水路勾配の修正及び変更を行う方法は第1実施形態で述べた方法と同じである。
【0065】
また、前記勾配形成ブロックBGによって得られる作用効果、並びに、型枠(型枠本体10及び蓋板20)によって得られる作用効果は、第1実施形態で述べた作用効果と同じである。
【0066】
尚、図11(A)及び図11(B)には流水路B1a,B2aの底面bf1a,bf2aと左右内壁との境に境界線を便宜上記してあるが、両者の境に丸み付けや面取りが施されている場合にはこれに対応する丸み付けや面取りを勾配形成ブロックBGの下面両側縁に施せばよく、このような勾配形成ブロックBGは型枠本体10の左側板12と右側板13の内面上端縁に丸み付けや面取りに対応する突条を設けることで簡単に形成できる。
【0067】
また、図13には計3つの係合突起BGc’,BGd’を下面側に形成した水路構成ブロックBGを示してあるが、係合突起は少なくとも2個あれば用をなすものであり、該係合突起の数及び位置は蓋板209の形状を変えることによって簡単に変更できることは言うまでもない。
【0068】
[第3実施形態]
図14及び図15は本発明の第3実施形態を示す。図14(A)及び図14(B)は水路構築用ブロックの斜視図、図15は型枠によって製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【0069】
図14(A)及び図14(B)に示したブロックB1,B2が図9(A)及び図9(B)に示したブロックB1,B2と異なるところは、流水路B1a,B2aの底面bf1b,bf2bが平坦面から成る点にある。
【0070】
このようなブロックB1,B2に適合した勾配形成ブロックBGを形成する際には蓋板19を用いずに型枠本体10のみを用いればよい。
【0071】
図15に示した勾配形成ブロックBGを製造するときには、前側傾斜機構17の操作部17c1と後側傾斜機構18の操作部18c1をそれぞれ回転して可動底板16の上面高さ位置及び上面勾配(長さ方向に沿う勾配)を調整する。そして、左側板12と右側板13を閉じ、前妻板14と後妻板15を閉じ、前妻板14と後妻板15を図示省略の型締め機構によって内側に締め付ける。
【0072】
型閉じ状態では、左側板12の前端面は前妻板14の内面左端部に当接し、左側板12の後端面は後妻板15の内面左端部に当接する。また、右側板13の前端面は前妻板14の内面右端部に当接し、右側板13の後端面は後妻板15の内面右端部に当接する。さらに、可動底板16の左側パッキンは左側板12の内面に当接し、可動底板16の右側パッキンは右側板13の内面に当接し、可動底板16の前端は前妻板14のパッキン14bの内面に当接し、可動底板16の後端は後妻板15のパッキン15bの内面に当接する。
【0073】
そして、型枠本体10内、詳しくは、左側板12と右側板13と前妻板14のパッキン14bと後妻板15のパッキン15bと可動底板16で囲まれる空間内にコンクリートを打設する。
【0074】
そして、打設したコンクリートを養生して硬化させる。硬化後は、型締め機構による前妻板14と後妻板15の締め付けを解除し、前妻板14と後妻板15を開き、左側板12と右側板13を開き、製造された勾配形成ブロックBG(図15参照)を取り出す。
【0075】
製造後の勾配形成ブロックBG(図15は勾配形成ブロックBGを下面側から見た斜視図)は所定幅と所定長さを有し、可動底板16の前端の上面高さ位置と後端の高さ位置に基づいて定められた前端厚さt1と後端厚さt2を有する。また、勾配形成ブロックBGの上面には、可動底板16の上面の形状及び勾配に準じた形状及び勾配(長さ方向に沿う勾配)を有する上面BGaが形成されている。さらに、勾配形成ブロックBGの下面側には、その全域において平面部BGbが形成されている。
【0076】
ブロックB1用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB1の流水路B1aの一端側から挿入して該流水路B1aに敷設することができる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B1aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0077】
一方、ブロックB2用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB2用として製造された勾配形成ブロックBGは、ブロックB2の流水路B2aの上側から挿入して該流水路B2aに敷設することができる。また、敷設後の勾配形成ブロックBGの上面BGaは流水路B2aの新たな底面となり、該底面は勾配形成ブロックBGの上面BGaの勾配に準じた勾配を有することになる。
【0078】
図14(A)及び図14(B)に示したブロックB1,B2を用いて構築された水路構造物WSに対して図15に示した勾配形成部材BGを用いて水路勾配の修正及び変更を行う方法は第1実施形態で述べた方法と同じである。
【0079】
また、前記勾配形成ブロックBGによって得られる作用効果、並びに、型枠(型枠本体10)によって得られる作用効果は、第1実施形態で述べた作用効果と実質的に同じである。
【0080】
尚、図11(A)及び図11(B)には流水路B1a,B2aの底面bf1b,bf2bと左右内壁との境に境界線を便宜上記してあるが、両者の境に丸み付けや面取りが施されている場合にはこれに対応する丸み付けや面取りを勾配形成ブロックBGの下面両側縁に施せばよく、このような勾配形成ブロックBGは型枠本体10の左側板12と右側板13の内面上端縁に丸み付けや面取りに対応する突条を設けることで簡単に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】水路を構築する際に一般的に用いられる水路構築用ブロックを示す図である。
【図2】図1(A)に示したブロックを用いて構築された水路構造物の縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す型枠(型枠本体と蓋板)の斜視図である。
【図4】図3に示した型枠本体の上面図である。
【図5】図4のa−a線断面図である。
【図6】図4のb−b線断面図である。
【図7】図1に示した型枠による勾配形成ブロックの製造プロセス説明図である。
【図8】型枠により製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【図9】勾配形成ブロックと水路構築用ブロックとの関係説明図である。
【図10】図9(A)に示したブロックを用いて構築された水路構造物に対して勾配形成ブロックを用いて水路勾配の修正及び変更を行う場合の説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示す水路構築用ブロックの斜視図である。
【図12】図11(A)及び図11(B)に示した水路構築用ブロックに適合した勾配形成ブロックを製造する際に用いられる蓋板の斜視図である。
【図13】型枠により製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【図14】本発明の第3実施形態を示す水路構築用ブロックの斜視図である。
【図15】型枠によって製造された勾配形成ブロックを下面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0082】
10…型枠本体、11…ベース、12…左側板、13…右側板、14…前妻板、15…後妻板、16…底板、17…前側傾斜機構、18…後側傾斜機構、19,20…蓋板、B1,B2…水路構築用ブロック、B1a,B2a…流水路、BG…勾配形成ブロック、WS…水路構造物、WW…水路、Gw…水路勾配。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する勾配形成ブロックを製造するための型枠であって、
該型枠は、ベースに回転自在に取り付けられた左側板,右側板,前妻板及び後妻板とベースに傾斜機構を介して傾動可能に設けられた可動底板とを備え、該可動底板は傾斜機構による傾き調整によって勾配形成ブロックの上面に長さ方向に沿う所定の勾配を形成する、
ことを特徴とする勾配形成ブロック製造用型枠。
【請求項2】
請求項1に記載の勾配形成ブロック製造用型枠によって製造され、長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する、
ことを特徴とする勾配形成ブロック。
【請求項1】
長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する勾配形成ブロックを製造するための型枠であって、
該型枠は、ベースに回転自在に取り付けられた左側板,右側板,前妻板及び後妻板とベースに傾斜機構を介して傾動可能に設けられた可動底板とを備え、該可動底板は傾斜機構による傾き調整によって勾配形成ブロックの上面に長さ方向に沿う所定の勾配を形成する、
ことを特徴とする勾配形成ブロック製造用型枠。
【請求項2】
請求項1に記載の勾配形成ブロック製造用型枠によって製造され、長さ方向に沿って所定の勾配を有する上面を有し水路構築用ブロックの流水路に敷設した状態で該上面によって流水路の底面を構成すると共に該底面に所定の勾配を形成する、
ことを特徴とする勾配形成ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−88778(P2008−88778A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273966(P2006−273966)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(390027568)株式会社カイエーテクノ (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(390027568)株式会社カイエーテクノ (12)
【Fターム(参考)】
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