説明

包括的な盗難セキュリティシステム

セキュリティタグが結合または埋め込まれた商品であって事業所から持ち出される商品を監視し、商品に関連するデータを報告して、盗難の可能性があると、事業所員にアラートを発する、ネットワーク基盤を使用する盗難防止セキュリティシステムと方法。このシステムおよび方法は、セキュリティタグデータと、関連付けられている周辺機器データとを収集し、分析のためにリモートサーバと通信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業所向けセキュリティシステムに関し、詳細には、セキュリティタグシステムセンサデータと関連データとを収集し、リモートサーバとの間で相互通信するための単一の電子基板を各々使用する電子物品監視(EAS)または無線周波識別(RFID)基盤のネットワークに関する。
【0002】
関連出願の相互参照:本出願は2007年6月12日に出願された「包括的盗難セキュリティシステム」と題する仮出願第60/943,418号に関して米国特許法第119条(e)項の利益を主張するものであり、参照により開示内容全体を本明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
電子物品監視(EAS)セキュリティタグは、少なくとも1つのコイルを利用する共振回路と、EASタグが露出されている所定の電磁界(8.2MHzなど)に露出されたときに共振するように動作する少なくとも1つのコンデンサとを備えるのが一般的である。同様に、無線周波識別(RFID)タグは、アンテナ(ダイポールアンテナなど)または共振回路に結合され、所定の電磁界(13.56MHzなど)に露出されたときに情報を発するように動作する集積回路を備える。適当なハードウェアを有する基盤は、事業所の出口(多くの欧州企業では販売地点(POS))に設けられるのが一般的で、このタグの問い合わせおよび検出動作、さらにはアラーム機能も提供する。デパートやモールなど、複数の通路が使用される場所では、EASまたはRFIDセキュリティタグの存在を検出するための基盤をすべての通路に設けて、店内商品の盗難を検出および警告することが望ましい。
【0004】
窃盗犯がこのようなEASまたはRFIDセキュリティタグシステムの突破試行経験を積むにつれて、これらのシステムを担当する人員(店員やマネージャなど)の評価も含め、これらのシステムの性能を評価することが必要となってきた。さらに、事業主も、棚卸差損(すなわち在庫盗難)に関する情報を定期的に受け取り、このような事態を最小化するために適切な予防措置を講じることを希望している。
【0005】
このような目的およびその他を達成するために、EAS/RFID基盤はこれらの事態の発生日時を含むセキュリティタグ検出に関する記憶および報告機能を統合する。複数の基盤が使用される場合には、これら基盤のハードウェアがこうした事態を報告するための中央プロセッサにリンクされる。たとえば、米国特許第5,748,085号明細書(Davis et al.)、5,745,036号明細書(Clare)、5,963,134号明細書(Bowers et al.)を参照されたい。さらに、本発明の譲受人であるチェックポイントシステムズ社は、複数の基盤からセキュリティ・タグ・データを収集するこのような中央プロセッサを、CHECKPRO MANAGER(登録商標)という商標で市場展開している。一例として、図1は、セキュリティタグを検出し、関連したデータを(企業などの局地で)収集し、リモート管理情報システム(企業の本社など)に提供する既存のEASシステムの1つを表す。図示のとおり、すべてのEASアンテナデータとすべての関連データ(人数データ、理由コード発生器データ、無効化ログデータなど)とが集中CPM(CHECKPRO MANAGER(登録商標))に提供され、その後この情報はリモート管理情報システムへと配送される。
【0006】
他の特徴としては、人々が基盤を通過している方向の検出が可能な方向検出器などを挙げることができる。米国特許第5,030,941号明細書(Lizzi et al.)を参照されたい。場合によっては、基盤ハードウェアの構成を中央ステーションからリモート操作で変更することができる。さらに、販売地点(POS)における、あるいはセキュリティタグアラームなどへの反応時における店員の存在の追跡も、このようなセキュリティタグシステムの重要な一部を成す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,748,085号明細書
【特許文献2】米国特許第5,745,036号明細書
【特許文献3】米国特許第5,963,134号明細書
【特許文献4】米国特許第5,030,941号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、既存の盗難防止セキュリティシステムは、環境ノイズ、タグ付けされた品目による共振、および無効化されなかったタグから発生する傾向のある虚偽アラームに関する問題の影響を受けやすい。加えて、既存のセキュリティタグシステムの多くは、虚偽アラームを出しやすく、アップグレードが容易でない上に、高額な後付部品が必要で、セキュリティタグの読み取り距離が限られており、環境干渉によって劣化する。
【0009】
そのため、リモートサーバでの使用効果を高めるために適切なセキュリティタグと関連データとを収集し、虚偽アラームを最小限に抑え、セキュリティタグの読み取り距離を伸ばし、リモート診断の実行力を強化し、環境干渉に対する耐性を高める包括的なセキュリティタグシステムに対するニーズが依然として存在する。本明細書におけるすべての引例は、参照によりそれら全体が本明細書に援用される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、セキュリティタグが結合または埋め込まれた商品であって事業所から持ち出される商品を監視し、商品に関連するデータを報告して、盗難の可能性があると、事業所員にアラートを発する盗難防止セキュリティシステムを提供する。セキュリティシステムは、セキュリティタグの存在についてそれぞれの基盤区域を自動的に監視し、セキュリティタグの存在と、関連付けられている製品データとに関するデータを収集するための複数の電子物品監視(EAS)または無線周波識別(RFID)基盤を備える。基盤の各々は電子基板を含む。この電子基板は、セキュリティタグからの無線信号を受信して、ソフトウェア無線通信方式を用いて広範囲の周波数にわたり無線信号を復調するための受信機を含むセキュリティタグリーダまたは問い合わせ電子回路と、通信媒体との仲介を行うための通信プロセッサおよび関連電子回路と、収集データを記憶するための記憶機器と、それぞれ1つの基盤に結合されて、セキュリティタグ存在データおよび関連付けられている製品データを、それぞれ対応する基盤内の電子基板に搭載されている記憶機器に提供するための複数の関連機器(例えば、人数カウンタ、金属検出器(即ち、ブースタバッグ検出用)、デタッチャ、ディアクティベータ、無効化ログ、理由コード発生器、アラーム/音響器(例えば、報知器および/またはインジケータ)など)と、通信媒体を介して複数の基盤の記憶機器から収集データを取り出すための少なくとも1つのリモートサーバとを含み、基盤の各々は、人が基盤を通過する方向を検出するための方向検出器と、基盤と関連付けられて、人が基盤を通過する動きを明示するための個別のアラームとを含んでおり、このうち、第1のアラームは、基盤を通過して事業所から出る動きを示し、第2のアラームは、基盤を通過して事業所内に入る動きを示し、第3のアラームは、基盤における静止位置を示す。
【0011】
本発明はまた、商品にセキュリティタグが結合または埋め込まれた商品であって事業者から持ち出される商品を監視し、商品に関連するデータを報告して、盗難の可能性があると、事業所員にアラートを発する方法を提供する。この方法は、セキュリティタグの存在についてそれぞれの基盤区域を自動的に監視し、セキュリティタグの存在と、関連付けられている製品データとに関するデータを収集する複数の電子物品監視(EAS)または無線周波識別(RFID)基盤を提供すること、人がそれぞれの基盤区域を通過する方向を検出して、事業所から離れる動き、事業所内に入る動き、基盤での静止位置を表す個別のアラームを提供すること、それぞれ1つの基盤に複数の関連機器(例えば、人数カウンタ、金属検出器(即ち、ブースタバッグ検出用)、デタッチャ、ディアクティベータ、無効化ログ、理由コード発生器、アラーム/音響器(例えば、報知器および/またはインジケータ)など)を結合して、それぞれ対応する1つの基板内の電子基板にセキュリティタグ存在データと前記関連付けられている製品データとを提供すること、ネットワーク内の各基盤をリンクさせること、通信媒体を介して、少なくとも1つのリモートサーバによって複数の基盤から収集データを取り出すことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】収集されたEASセキュリティシステムデータをリモート管理情報システムに伝達するための集中プロセッサを使用する既存のEASセキュリティシステムのブロック図である。
【図2】EASまたはRFID出口基盤と、それに関連付けられている周辺機器とを表す本発明のブロック図であって、各周辺機器は、関連付けられている基盤と通信して、リモート管理情報システムによる分析のためにそれぞれのデータを提供する。
【図3】インターネット経由でまたは直接的にリモート管理情報システムと通信するEASまたはRFID基盤(関連機器を含む)の分散ネットワークシステムを表す本発明のブロック図である。
【図4】本発明で使用される基盤電子基板(PEB)のCPUボード例を表すブロック図である。
【図5A】本発明の基盤を通過する動きを表しており、これらの動きに対して本発明のシステムがそれぞれのアラートを出す。
【図5B】本発明の基盤を通過する動きを表しており、これらの動きに対して本発明のシステムがそれぞれのアラートを出す。
【図5C】本発明の基盤を通過する各動きを表しており、これらの動きに対して本発明のシステムがそれぞれのアラートを出す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面を参照して説明する。図面において、同じ参照番号は同じ要素を示す。本発明は、図2に示すとおり、EASまたはRFID基盤のシステム20を備える。EASまたはRFID基盤は、通常の業務の流れの間にセキュリティタグ関連データを収集し、次いで、このデータを分析するリモートサーバに当該データを取得させる。既存のEASセキュリティタグおよびデータ収集システムに対する本発明20の重要な改良の1つは、本発明が分散システムであり、それによって、さまざまなEASまたはRFID基盤22からのデータや、各基盤の関連機器(例えば、人数カウンタ26A、デタッチャ(スマートデタッチャを含む)26B、ディアクティベータ26C、無効化ログ26D、理由コード発生器26E、金属検出器26F、音声アラーム/音響器26Gなど)が、図1に示すCPMハブ/ユニットなどの中央プロセッサを必要とすることなく、リモート管理情報システム28(例えば、顧客サーバ28Aまたは他のリモートサーバ28Bなど、図3を参照)で利用できるという点である。効率が向上したこのシステムが、事象(基盤事象など)発生時の判断を支援する。
【0014】
本発明のシステムの構成は、特に、既存のセキュリティタグシステムと新たな周辺機器とのシステム統合の強化、接続オプションの増加、およびシステム診断の強化をもたらす。本発明は、タグ、アンテナ、検出電子回路、周辺機器およびホストコンピュータを提供することにより、これらの目的を達成する。
【0015】
特に、図3に最も明確に示すとおり、本発明は、通常の業務の流れの間にセキュリティタグ関連データを収集し、その後、このデータを分析するリモートサーバに当該データを取得させるEASまたはRFID出口基盤のシステム20を備える。本発明のシステム20の構成は、特に、既存のセキュリティタグシステムと新たな周辺機器とのシステム統合の強化、接続オプションの増加、およびシステム診断の強化をもたらすと同時に、雑音や余計な共振に対する耐性も高める。本発明は、タグ、アンテナ、検出電子回路、周辺機器およびホストコンピュータを提供することにより、これらの目的を達成する。不所望のアラームの影響を大幅に減らすために、本発明20は、タグ識別(tag discrimination)を含むアルゴリズムも含む。
【0016】
特に、図3に示すとおり、各基盤22は、リーダ(EAS送受信器やRFIDリーダなど)と、プロセッサと、不揮発性メモリとを備えた基盤電子基板(PEB)24を備える。リーダは、基盤区域に存在するセキュリティタグを検出/通信するための「基盤区域」に電磁界を生成する。一連の関連機器26(例えば、人数カウンタ26A、デタッチャ26Bまたは26C、ディアクティベータ/無効化ログ26D、理由コード発生器26E、金属検出器26F(すなわち、盗まれた商品が従来のEASアンテナには見えないようにすることが可能な金属線入りバッグ「ブースタバッグ」を検出するための検出器)、アラーム/音響器26G(例えば、報知器および/またはインジケータ)など)が、既存の盗難防止セキュリティシステムに対する主な利点を提供するPEB検出電子回路と統合されている。これらの関連機器26は、PEBと通信して、関連付けられているデータをPEBに提供する。
【0017】
基盤22は、マスタ・スレーブ構成を形成するように配置され、それによって1つのPEB24が、複数のスレーブPEB(以降「S」と表示)に対するマスタPEB(以降「M」と表示)として機能する。その結果、スレーブPEBからのそれぞれのセキュリティタグデータと、関連付けられている製品データとが、対応するマスタPEBに伝達される。マスタPEBは、これらのスレーブPEBからの全データと、自身のセキュリティタグデータおよび関連付けられているデータとを、不揮発性メモリに1日に1回記憶する。
【0018】
本発明20は、有線および無線通信を使用する。本発明20はまた、顧客のデータベースシステムとの直接FTP接続も提供し、これによって簡単なデータ統合を可能にする。一例として、これらのPEBはイーサネット接続の一部であってもよい(本発明20は、プライベートローカルネットワーク機能とイーサネット機能との両方をネイティブで備えており、たとえば、イーサネット、CAT5、WiFi(b+g)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)を接続のために使用してもよい)。リモートサーバまたはホストコンピュータ28Aあるいは28Bはその後、インターネット経由またはマスタPEBとの直接接続により、記憶データを分析のために取り出すことができる。加えて、モデムを使用するか、ネットワーク(イーサネットなど)リンクを介して、PEB24向けにリモートサービス診断装置32を実装することもできる。
【0019】
各PEB24は、中央プロセッサユニット(CPU)ボード45(図4)とメインボードとを備える。図4は、本発明20(図3)で使用されるCPUボード45のハードウェアダイアグラム例であり、デジタル信号処理装置34と、フィールドプログラマブルゲート配列(FPGA)36と、受信器38(8.2MHz受信器など)と、セキュリティタグリーダを形成する2つの送信器40Aおよび40Bとを含む。図4に示すとおり、各送信器は、各送信器の電磁界によって生まれた基盤区域に存在するセキュリティタグ44との通信を問い合わせたり開始したりするための対応アンテナ(42Aおよび42B)を独立して動かす。セキュリティタグ44は、対応するアンテナ周波数に同調する応答信号を発し、この信号は受信器38に伝達される。なお、RFIDセキュリティタグが使用されている場合、本発明は13.56MHzやUHF(902〜928MHzなど)などを含む。FPGA36は、DSP34と連動して応答信号を復調するための各種アルゴリズムを備える。特に、本発明20を適応させやすい別の態様は、受信器38にSDR(ソフトウェア無線(software defined radio))手法を利用することである。これにより、固定周波数方式に縛られることなく、任意の変調装置/復調装置動作の局部発振器部も変えることができる。2つの通信経路47A/47Bにより、CPUボードとの外部通信が実現される。
【0020】
セキュリティタグの検出日時は、対応するPEBメモリに記録される。
本発明は、人が基盤を通過する動きの方向を検出できる一対の光線によって形成される人数カウンタを含む。どちらの光線が先に遮断されるかによって、人の方向を知ることができる。
【0021】
基盤には、「スマートアラーム」動作が組み込まれている。これにより、(人数カウンタ機器を使用して)検出されたセキュリティタグが基盤を通過する動きに伴って対応するアラームが鳴る。つまり、事業所から出る動きによって第1のアラームが鳴り、事業所内に入る動きによって第2のアラームが鳴り、基盤間で静止していると第3のアラームが鳴る。たとえば、図5Aに示すように、事業所のある場所からの退出に対応する基盤を通過する動きは、品目の盗難を示す可能性が高い。これにより、アラーム音響器が作動して、「速く」「慌しい」音が鳴り、同時に「速く」「慌しい」アラームランプが点灯する。IPカメラなどの閉回路テレビ(CCTV)がその位置と関連付けられていれば、CCTVが作動する。その一方で、事業所のある場所への進入に対応する基盤を通過する動き(図5B)は、得意客が着用または携帯している物と関連付けられたEAS/RFIDラベルを所持している人が入店したことを示す可能性が高い。これにより、アラーム音響器は「ゆっくり」と作動し、アラームランプが短時間点灯する。CCTVが作動してもよい。最後に、店内または店外への動きを伴わない状態(図5C)で基盤間にタグが検出された場合には、アラーム音響器が「短く」作動して静かな音を発し、アラームランプも短時間だけ点灯することになる。それぞれのCCTVが作動してもよい。また、顧客別にアラーム構成を変更して、各種アラートを出すこともできる。
【0022】
なお、CCTV/IPカメラが使用されている場合には、このようなデータを、個別サーバ(先述のCPMなど)によって管理情報サーバ28に提供することができる。
本発明20は、電子広告をサポートするためのディスプレイを含む。
【0023】
従来のタグ検出方法は、掃引周波数を使用するというものであった。この方法では、1つのアンテナが連続的に周波数を送信し、第2のアンテナが周波数を受信した結果、システムで送信器の音を上回るタグが「聞こえる」必要がある。しかし、本発明20における好適な方法は、単一のアンテナシステムを使用して、タグが存在するかどうかをシステムが効果的に「質問し」、送信器からの発信のない応答を聴取するパルス聴取方式である。
【0024】
本発明20は、異なる周波数範囲におけるタグの区別を含み、検出されたタグの中心周波数とQとが記憶され、後で取り出される。これには、検出された周波数を保存しながらハードタグとソフトタグとを区別する処理も含まれる。特にQ認定は、「相関係数」評価を使用してEmeraldで実装されている。相関係数は、2つの配列が相関しているかどうかを判断する統計手段である。
【0025】
【数1】

相関係数は−1から+1までの値を取り、−1であれば負の相関(つまり反比例)があり、0であれば相関がなく、+1であれば正の相関(つまり比例)がある。
【0026】
本発明20において、相関係数:
【0027】
【数2】

は、データサンプル(x)とリングダウンプロファイルのライブラリ(y)との間の最良一致を見つけるためのマーカとして使用される。他のライブラリプロファイルの中で最も高い相関係数を持つ特定の一致ライブラリプロファイルの既知のQ値を基に、タグのQ値が推定される。その結果が、Q推定による「一致係数」指数である。これにより、計算された相関係数が小さい場合に、検出アルゴリズムがQ推定を拒否することができる。
【0028】
なお、ディアクティベータは、パッドまたはスキャナアンテナを無効化として渡した場合であっても、ハードタグとソフトタグを区別し、ハードタグをカウントしない。
また、アラーム26Gは、音声アラーム(「レジに戻ってください」など)や、「ビープ音」を発したり、「点滅」したりして事業所員に警告する報知器を備えてもよい。
【0029】
さらに、図示されている基盤22は一例であり、限定的なものではない点にも留意すべきである。「基盤」という用語は広く解釈されるべきであり、床下、頭上、販売地点に位置するセキュリティタグ検出器を含んでも良い。
【0030】
以上、本発明を詳細に具体例を参照しながら説明したが、その趣旨および範囲から逸脱しない範囲で各種変形および変更が可能であることは当業者には明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティタグが結合または埋め込まれた商品であって事業所から持ち出される商品を監視し、商品に関連するデータを報告して、盗難の可能性があると、事業所員にアラートを発する盗難防止セキュリティシステムであって、
前記セキュリティタグの存在についてそれぞれの基盤区域を自動的に監視し、前記セキュリティタグの存在と、関連付けられている製品データとに関するデータを収集するための複数の電子物品監視(EAS)または無線周波識別(RFID)基盤を備え、各基盤は電子基板を有し、前記電子基板は、
前記セキュリティタグから無線信号を受け取って、ソフトウェア無線通信方式を使用して広範囲の周波数にわたり前記無線信号を復調するための受信器を含むセキュリティタグリーダまたは問い合わせ電子回路と、
通信媒体との仲介を行うための通信プロセッサおよび関連電子回路と、
前記収集データを記憶するための記憶機器と、
それぞれ1つの前記基盤に結合されて、セキュリティタグ存在データおよび前記関連付けられている製品データを、それぞれ対応する1つの前記基盤内の前記電子基板の前記記憶機器に提供するための複数の関連機器と、
前記通信媒体を介して前記複数の基盤の前記記憶機器から前記収集データを取得するための少なくとも1つのリモートサーバと、を含み、
前記基盤の各々は、
人が前記基盤を通過している方向を検出するための方向検出器と、
前記基盤と関連付けられて、人が前記基盤を通過する動きを明示するための個別のアラームとを備え、第1のアラームが、前記基盤を通過して事業所から外に出る動きを示し、第2のアラームが、前記基盤を通過して事業所の中に入る動きを示し、第3のアラームが、前記基盤での静止位置を示す、盗難防止セキュリティシステム。
【請求項2】
前記方向検出器が、前記基盤を通過する動きの方向を判断するために順番に遮断される一対の光線を備える、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項3】
前記方向検出器が人数カウンタである、請求項2に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項4】
前記複数のEASまたはRFID基盤がマスタおよびスレーブ基盤のグループに配置されており、前記グループの各々は、複数のスレーブ基盤を有する単一のマスタ基盤を備え、前記複数のスレーブ基盤は、それぞれの前記セキュリティタグ存在データと前記関連付けられている製品データとを前記マスタ基盤に送信し、前記マスタ基盤は、前記複数のスレーブ基盤からのそれぞれの前記セキュリティタグ存在データと前記関連付けられている製品データとに加え、マスタ・スレーブの自身のセキュリティタグ存在データと前記関連付けられている製品データとを、前記通信媒体を介した前記少なくとも1つのリモートサーバによる取り出しのために提供する、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項5】
前記複数の関連機器のうちの1つが金属検出器である、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項6】
前記複数の関連機器のうちの1つがディアクティベータである、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項7】
前記複数の関連機器のうちの1つがデタッチャである、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項8】
前記複数の関連機器のうちの1つが理由コード発生器である、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項9】
前記複数の関連機器のうちの1つが無効化ログである、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項10】
前記システムが前記セキュリティタグのQを検出し、前記システムが、あらかじめ記憶されているタグプロファイルと応答信号とを比較するアルゴリズムを備える、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項11】
前記アルゴリズムが、次式からなり、
【数1】

式中、xは前記セキュリティタグの応答信号を表し、yは前記あらかじめ記憶されているタグプロファイルを表し、rは相関係数を表し、最大のr値を生成する前記yによってQの値が決定される、請求項10に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項12】
前記通信媒体がグローバル通信ネットワークである、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項13】
前記通信媒体がモデムを使用する電話回線である、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項14】
前記セキュリティシステム用のサービス診断を実現するためのリモート装置をさらに備える、請求項1に記載の盗難防止セキュリティシステム。
【請求項15】
商品にセキュリティタグが結合または埋め込まれた商品であって事業者から持ち出される商品を監視し、商品に関連するデータを報告して、盗難の可能性があると、事業所員にアラートを発する方法であって、
前記セキュリティタグの存在についてそれぞれの基盤区域を自動的に監視し、前記セキュリティタグの存在と、関連付けられている製品データとに関するデータを収集する複数の電子物品監視(EAS)または無線周波識別(RFID)基盤を提供すること、
人が前記基盤区域を通過している方向を検出して、事業所から離れる動き、事業所内に入る動き、または基盤における静止位置用の個別のアラームを提供すること、
それぞれ1つの前記基盤に複数の関連機器を結合して、それぞれ対応する1つの基板内の電子基板にセキュリティタグ存在データと前記関連付けられている製品データとを提供すること、
ネットワーク内の前記各基盤をリンクさせること、
前記通信媒体を介して、少なくとも1つのリモートサーバによって前記複数の基盤から前記収集データを取り出すこと、
を備える方法。
【請求項16】
前記複数のEASまたはRFID基盤を提供するステップが、前記セキュリティタグから無線信号を受信すること、およびソフトウェア無線通信方式を使用して広範囲の周波数にわたる前記無線信号を復調することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記人が前記基盤区域を通過している方向を検出するステップが、前記各基盤と関連付けられた一対の光線が遮断される順序を監視することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記人が前記基盤区域を通過している方向を検出するステップが、人が通過する動きを基盤によって明示するための個別のアラームを提供することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記各基盤をリンクさせるステップが、前記複数の基盤をマスタおよびスレーブ基盤のグループに配置することを含み、前記グループの各々は、複数のスレーブ基盤を有する単一のマスタ基盤を備え、前記複数のスレーブ基盤は、それぞれの前記セキュリティタグ存在データと前記関連付けられている製品データとを前記マスタ基盤に送信し、前記マスタ基盤は、前記複数のスレーブ基盤からのそれぞれの前記セキュリティタグ存在データと前記関連付けられている製品データとに加え、マスタ・スレーブの自身のセキュリティタグ存在データと前記関連付けられている製品データとを、前記通信媒体を介した前記少なくとも1つのリモートサーバによる取り出しのために提供する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の関連機器のうちの1つが金属検出器である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の関連機器のうちの1つがディアクティベータである、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の関連機器のうちの1つがデタッチャである、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の関連機器のうちの1つが理由コード発生器である、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の関連機器のうちの1つが無効化ログである、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記セキュリティタグからの応答信号とあらかじめ記憶されているタグプロファイルとを比較することによって前記セキュリティタグのQを検出するステップをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記Qを検出するステップが、以下の関係式を使用することを含み、
【数2】

式中、xは前記セキュリティタグの応答信号を表し、yは前記あらかじめ記憶されたタグプロファイルを表し、rは相関係数を表し、最大のr値を生む前記yによってQの値が決定される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記通信媒体がグローバル通信ネットワークである、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記通信媒体がモデムを使用する電話回線である、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2010−531013(P2010−531013A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512286(P2010−512286)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/066322
【国際公開番号】WO2008/157113
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(396026846)チエツクポイント システムズ, インコーポレーテツド (47)
【Fターム(参考)】