説明

包接化合物のゲスト化合物の溶出を制御するための組成物及び方法

【課題】包接化合物中のゲスト化合物の初期溶出濃度を低く抑える制御方法を提供する。
【解決手段】式(I)


で表される化合物をホスト化合物とする包接化合物に、o−アセトアニシジド又はo−アセトアセトアニシジドを配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は殺菌剤等をゲスト化合物とする包接化合物について、ゲスト化合物の溶出を制御する組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包接化合物は、水分等に不安定な化合物を安定化すると共に、溶液中へのゲスト化合物の溶出を制御することができる。例えば、下記一般式〔1〕で示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンをホスト化合物とし、一般式〔2〕で示される5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをゲスト化合物とすることを特徴とする包接化合物が知られている。
【0003】
【化1】

【0004】
【化2】

【0005】
上記包接化合物を純水中で撹拌速度を一定に保った時、化合物[2]の溶出が抑えられ、その速度が制御されることが記載されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−4978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記公報において、ゲスト化合物の溶出速度を抑えて薬効を長期持続させることができるものの、溶媒中のゲスト化合物の初期溶出速度は高いという問題点があった。そのため、本発明は、包接化合物中のゲスト化合物の初期溶出濃度を低く抑える制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、包接化合物にo−アセトアニシジド又はo−アセトアセトアニシジド(以下、「o−アニシジド類」ということがある)を添加することにより、ゲスト化合物の溶媒への初期溶出濃度を低く抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、
(1)式(I)
【0010】
【化3】


〔式中、Xは、(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは、0、1、2、又は3であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、(ハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基で置換されていてもよい)フェニル基又はベンジル基を表す。〕で表される化合物をホスト化合物とする包接化合物と、o−アセトアニシジド又はo−アセトアセトアニシジドとを含有することを特徴とする、包接化合物のゲスト化合物の放出が制御された組成物に関し、好ましくは、ゲスト化合物が殺菌剤であり、さらに好ましくは、殺菌剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンである。
【0011】
また、本発明は、
(2)式(I)
【0012】
【化4】

【0013】
〔式中、Xは、(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは、0、1、2、又は3であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、(ハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基で置換されていてもよい)フェニル基又はベンジル基を表す。〕で表される化合物をホスト化合物とする包接化合物にo−アセトアニシジド又はo−アセトアセトアニシジドを添加することを特徴とする包接化合物のゲスト化合物の放出を制御する方法に関し、好ましくは、ゲスト化合物が殺菌剤であり、さらに好ましくは、殺菌剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンである。
【発明の効果】
【0014】
o−アニシジド類を配合した場合には、包接化合物単独で使用する場合、p−アセトアセトアニシジドなど他の類似化合物を配合する場合に比べて、包接化合物のゲスト化合物の初期溶出速度を顕著に低下させることができた。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(包接化合物)
本発明において使用される包接化合物は、式(I)で表される化合物からなるホスト化合物にゲスト化合物が包接されたものである。
【0016】
式(I)中、(CH)nまたはp−フェニレン基を表し、nは、0、1、2、又は3であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子;フッ素原子、クロル原子、ブロム原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のC1−C6アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等のC1−C6アルコキシ基;フェニル基、4−クロルフェニル基、4−メトキシフェニル基などのハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基及びベンジル基を表す。
【0017】
具体的には、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、
α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、
α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5,−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5,−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン等を例示することができる。
【0018】
本発明に使用されるゲスト化合物として、具体的には、殺菌剤、害虫忌避剤、天然精油、合成香料、塗料・樹脂・接着剤用硬化剤又は硬化促進剤等を例示することができる。
殺菌剤としては2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,3,3―トリヨードアリルアルコール等のアルコール類、4−クロロフェニル=(3−ヨード)プロパギル=エーテル、4−クロロフェニル=(3−ヨード)プロパギルオキシメチル=エーテル等のエーテル類、2−ブロモ−4’−ヒドロキシアセトフェノン等のケトン類、2,2−ジブロモグルタルニトリル、2,4,5,6−テトラクロロイソフタルニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等のニトリル類、ジブロムニトリルプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、N,N―ジエチル−m−トルアミド、3−ヨードプロパルギル=N−ブチルカーバメイト等のアミド類、p−クロロ−m−クレゾール等のフェノール類、N,N―ジメチルジクロロフェニル尿素等の尿素、テトラメチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類、フェニル−(2−シアノ−2−クロロビニル)スルホン、ヘキサブロモジメチルスルホン、ジヨードメチルパラトリルスルホン等のスルホン類、チオシアン酸メチルエステル、イソチオシアン酸メチルエステル等のチオシアン酸類及びイソチオシアン酸塩、メチレンビスチオシアネート、チレンビスチオシアネート等のチオシアネート類及びイソチオシアネート類、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン等のニトロ化合物類、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メタンスルホニルピリジン、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)、N−メチルピロリドン、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド等の含窒素複素環化合物、5−メチルオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、4,4’−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジホルモリン等の含窒素及び酸素複素環化合物、3,3,4,4−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−1,2,−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェニル−1,2−ジチオラン−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド等の含硫黄複素環化合物、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール等の含窒素及び硫黄複素環化合物が挙げられる。
【0019】
天然精油類としては、コレステロール等のステロイド類、ブルシン、キニン、テオフィリン等のアルカロイド類、シネオール、ヒノキチオール、メントール、テルピネオール、ボルネオール、ノポール、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニオール、メントン、オイゲノール、リナロール、ジメチルオクタノール等が挙げられる。
【0020】
合成香料類としてはキンモクセイ、ジャスミン、レモン等が挙げられる。
【0021】
ビタミン及びその関連化合物としては、アスコルビン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等が挙げられる。
【0022】
塗料・樹脂・接着剤用硬化剤及び硬化促進剤としては、アミン系、イミダゾール系、アミド系、エステル系、アルコール系、チオール系、エーテル系、チオエーテル系、フェノール系、リン系、尿素系、チオ尿素系、酸無水物系、ルイス酸系、オニウム塩系、活性珪素化合物−アルミニウム錯体系等が挙げられる。
【0023】
これらの硬化剤もしくは硬化促進剤としては、具体的に以下の物質が挙げられる。
【0024】
アミノ系化合物としては、
脂肪族アミン:エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、アルキル−t−モノアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(トリエチレンジアミン)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロへキシルアミン、ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノール等、
脂環式及び複素環式アミン類:ピペリジン、ピペラジン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、N−アミノエチルピペラジン、トリエメチルアミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(4,5,0)ウンデセン−7等、
芳香族アミン類:o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルメチルアミン、ジメチルベンジルアミン、m−キシレンジアミン、ピリジン、ピコリン等、
変成ポリアミン類:エポキシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミン等、
その他アミン系:ジシアンジアミド、グアニジン、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、アミンイミド、三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体などのアミン類が挙げられる。
【0025】
イミダゾール系化合物としては、
イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシリルイミダゾリル−)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−イミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトなどを挙げることができる。
【0026】
イミダゾリン系化合物としては2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリンなどを挙げることができる。
【0027】
アミド系化合物としては、例えばダイマー酸とポリアミンとの縮合により得られるポリアミドなどが挙げられる。
エステル系化合物としては、例えばカルボン酸のアリール及びチオアリールエステルのような活性カルボニル化合物が挙げられる。
【0028】
さらに、フェノール、アルコール系、チオール系、エーテル系、並びにチオエーテル系化合物としては、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ポリオール、ポリメルカプタン、ポリサルファイド、2−(ジメチルアミノメチルフェノール)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,3,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルへキシル塩酸塩などが挙げられる。
【0029】
尿素系、チオ尿素系、並びにルイス酸系の硬化剤として、例えばブチル化尿素、ブチル化メラミン、ブチル化チオ尿素、三フッ化ホウ素などが挙げられる。
【0030】
リン系の硬化剤としては、エチルホスフィン、ブチルホスフィン等のアルキルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジプロピルホスフィン等のジアルキルホスフィン、ジフェニルホスフィン、メチルエチルホスフィン等の第2ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン等の第3ホスフィン等の有機ホスフィン化合物が挙げられる。
酸無水物系の硬化剤としては、例えば無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラメチレン無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、ドデセニル無水コハク酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水、ポリアゼライン酸無水物などが挙げられる。
【0031】
オニウム塩系や活性珪素化合物−アルミニウム錯体系の硬化剤としては、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリフェニルシラノール−アルミニウム錯体、トリフェニルメトキシシラン−アルミニウム錯体、シリルペルオキシド−アルミニウム錯体、トリフェニルシラノール−トリス(サリシルアルデヒダート)アルミニウム錯体などが挙げられる。
【0032】
上記したホスト化合物とゲスト化合物からなる包接化合物の製造方法としては、特に制限されず、両者を溶解する溶媒中で混合する方法、どちらか一方のみを溶解する溶媒中に他方を懸濁させて混合する方法、両者を溶媒を用いずに混合する方法等を例示することができ、混合後、必要に応じて加熱することもできるし、加熱下に両者を混合することもできる。
たとえば、式(I)で表される化合物と5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMI)との包接化合物は、以下のようにして製造することができる。
通常、前記ホスト化合物を水中に懸濁したスラリー中に、前記CMIを添加、常温〜50℃で15〜180分間攪拌して反応させる。その結果、CMIがホスト化合物に包接される。CMIの包接量は、ホスト化合物の種類、反応温度、反応時間により異なるがホスト化合物1モルに対し、1.2〜2.0モルである。
【0033】
(包接化合物のゲスト化合物の溶出を制御する組成物及び方法)
本発明の組成物は、上記包接化合物とo−アセトアニシジド又はo−アセトアセトアニシジドを含有する。これらo−アニシジド類を含有させることにより、包接化合物のゲスト化合物、好ましくは殺菌剤、さらに好ましくは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMI)の初期溶出速度を制御、すなわち抑制することができる。
包接化合物とアニシジド類との配合方法としては、特に制限はないが、粉末どうしを直接混合する方法や、混合した粉末を造粒または打錠する方法などが挙げられる。こうして得た組成物の形態としては、特に制限はないが粉末、顆粒および錠剤などが挙げられる。
本発明の組成物における、包接化合物とアニシジド類との配合割合は、重量比で、包接化合物1に対して0.5〜20倍であり、好ましくは1〜10倍である。
【実施例】
【0034】
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲は本実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、略号の意味は以下の通り。
TEP:1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン
CMI:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
【0035】
[実施例1及び2]
1)包接化合物の調製
メタノール500mL中にTEP113.55gを加え、TEPが完全に溶解するまで加温しながら攪拌した。この溶液を40℃に保持しながら、ケーソンWT2000gを徐々に滴下し、40℃で15分反応させた。次いで、この液を室温まで冷却した後、析出物を吸引濾過し、濾物を真空乾燥して淡黄色結晶物の包接化合物を得た。
尚、使用したケーソンWTの分析値はCMI10.1wt%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが3.8wt%、残分(塩化マグネシウム+硝酸マグネシウム+水)であった。
【0036】
2)CMI溶出試験1
表1に示す割合で、上記のようにして調製した包接化合物TEP−CMIの結晶性粉末1gと各試験化合物10gをそれぞれ混合した。混合した粉末を300mL共栓付き三角フラスコにそれぞれ入れ、精製水200mLを加えた。
室温で、マグネチックスターラーにより攪拌し、3時間、25時間、51時間、75時間及び100時間後に5mL採取して、0.2μmのフィルターで濾過した。濾液をHPLCで分析し、水に溶出しているCMI濃度を測定した結果を表2に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
3)CMI溶出試験2
300mL共栓付き三角フラスコに、上記のようにして調製した包接化合物TEP−CMIの結晶性粉末1gとo−アセトアセトアニシジドを、それぞれ0g、1g、3g及び10g添加し混合した。混合した粉末を300mL共栓付き三角フラスコにそれぞれ入れ、精製水200mLを加えた。室温で、マグネチックスターラーにより攪拌した。1時間、3時間、6時間、24時間、48時間及び72時間後に5mL採取し、0.2μmのフィルターで濾過した。濾液をHPLCで分析し、水に溶出しているCMI濃度を測定した。表3に結果を示す。
【0040】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


〔式中、Xは、(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは、0、1、2、又は3であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、(ハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基で置換されていてもよい)フェニル基又はベンジル基を表す。〕で表される化合物をホスト化合物とする包接化合物と、o−アセトアニシジド又はo−アセトアセトアニシジドとを含有することを特徴とする、包接化合物のゲスト化合物の放出が制御された組成物。
【請求項2】
ゲスト化合物が殺菌剤である請求項1記載の包接化合物のゲスト化合物の放出が制御された組成物。
【請求項3】
殺菌剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンである請求項2記載の包接化合物のゲスト化合物の放出が制御された組成物。
【請求項4】
式(I)
【化2】


〔式中、Xは、(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは、0、1、2、又は3であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、(ハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基で置換されていてもよい)フェニル基又はベンジル基を表す。〕で表される化合物をホスト化合物とする包接化合物にo−アセトアニシジド又はo−アセトアセトアニシジドを添加することを特徴とする、包接化合物のゲスト化合物の放出を制御する方法。
【請求項5】
ゲスト化合物が殺菌剤である請求項4記載の包接化合物のゲスト化合物の放出を制御する方法。
【請求項6】
殺菌剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンである請求項5記載の包接化合物のゲスト化合物の放出を制御する方法。



【公開番号】特開2011−144142(P2011−144142A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7143(P2010−7143)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】