包装ケース
【課題】 本発明は、蓋フラップ片の差込み片を差込み口に比較的容易に差込むことができる包装ケースを提供する。
【解決手段】 本発明の包装ケースは、表面シート片3と裏面シート片4とを有するケース本体2と、商品出入れ口21と、表面シート片3の第1端辺31から延出され且つ商品出入れ口21を塞ぐ蓋フラップ片5と、蓋フラップ片5の端部に設けられた差込み片6と、裏面シート片4の面内に形成され且つ差込み片6の横幅よりも短い差込み口7と、を有し、表面シート片3の第1端辺31に沿って第1折り罫線91が形成され、蓋フラップ片5と差込み片6との境界に沿って第2折り罫線92が形成され、蓋フラップ片5の面内であって第1折り罫線91と第2折り罫線92の間に、第3折り罫線93が形成されている。
【解決手段】 本発明の包装ケースは、表面シート片3と裏面シート片4とを有するケース本体2と、商品出入れ口21と、表面シート片3の第1端辺31から延出され且つ商品出入れ口21を塞ぐ蓋フラップ片5と、蓋フラップ片5の端部に設けられた差込み片6と、裏面シート片4の面内に形成され且つ差込み片6の横幅よりも短い差込み口7と、を有し、表面シート片3の第1端辺31に沿って第1折り罫線91が形成され、蓋フラップ片5と差込み片6との境界に沿って第2折り罫線92が形成され、蓋フラップ片5の面内であって第1折り罫線91と第2折り罫線92の間に、第3折り罫線93が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋フラップ片の係止が外れ難い包装ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂製シートなどのシート材を組み立てて形成された包装ケースは、様々な形態が知られている。
シート材から形成された包装ケースは、通常、蓋フラップ片をケース本体に係止することにより、蓋フラップ片にてケース本体の出入れ口が閉塞されるようになっている。さらに、蓋フラップ片の係止がケース本体から解除され難い構造の包装ケースも知られている。
このような包装ケース100は、例えば、図15及び図16に示すように、表面シート片300と裏面シート片400とを有するケース本体200と、表面シート片300及び裏面シート片400の下端辺側に設けられた商品出入れ口210と、表面シート片300の下端辺から延出された蓋フラップ片500と、蓋フラップ片500の端部に設けられた差込み片600と、裏面シート片400の面内に形成され且つ差込み片600の横幅よりも短い横幅を有する差込み口700と、を備える。
【0003】
前記表面シート片300と裏面シート片400の各左右端辺及び各上端辺はそれぞれ連設されている。従って、前記ケース本体200は、その下端に商品出入れ口210が形成された3方封止型の扁平状である(つまり、商品が収納されていない状態では、表面シート片300と裏面シート片400の内面同士が接している)。
また、表面シート片200の下端辺に沿って折り罫線910が形成されている。この折り罫線910において蓋フラップ片500を折り曲げ、差込み片600を差込み口700に差し込むことにより、蓋フラップ片500がケース本体200に係止される。
【0004】
上記包装ケース100においては、差込み片600の横幅が差込み口700の横幅(開口幅)よりも長いので、一旦、差込み口700に差し込んだ差込み片600は簡単に抜けない。従って、蓋フラップ片500の係止が外れ難いという利点がある。
しかしながら、上記差込み片600の横幅は差込み口700の横幅よりも長いので、差込み片600を差込み口700に差し込み難いという問題点がある。つまり、横幅の長い差込み片600は、差込み口700に差し込んだ後にはそこから抜け難い反面、該差込み片600をそこに差し込み難い。特に、ケース本体200が扁平状である場合、表面シート片300の内面と裏面シート片400の内面の間に僅かな隙間しかないため、差込み片600の差し込み作業がより面倒になる。
この種の包装ケースにおいては、差込み片の差し込み作業は、手作業で行われる場合が多いが、器用な作業者でないと、比較的長い作業時間を要したり、差込み片や蓋フラップ片を無用に折り曲げてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、蓋フラップ片の差込み片を差込み口に比較的容易に差込んで、蓋フラップ片の閉塞を完了できる包装ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装ケースは、表面シート片と裏面シート片とを有するケース本体と、前記表面シート片及び裏面シート片の第1端辺側に設けられた商品出入れ口と、前記表面シート片の第1端辺から延出され且つ前記商品出入れ口を塞ぐ蓋フラップ片と、前記蓋フラップ片の端部に設けられた差込み片と、前記裏面シート片の面内に形成され且つ前記差込み片の横幅よりも短い横幅を有する差込み口と、を備える包装ケースであって、前記表面シート片の第1端辺に沿って第1折り罫線が形成され、前記蓋フラップ片と差込み片との境界に沿って、前記第1折り罫線と略平行な第2折り罫線が形成され、前記蓋フラップ片の面内であって前記第1折り罫線と第2折り罫線の間に、前記第1折り罫線と略平行な第3折り罫線が形成されている。
【0007】
本発明の好ましい態様では、前記表面シート片の第2端辺と裏面シート片の第2端辺とが連設され、且つ前記各第2端辺にそれぞれ対向する表面シート片の第3端辺と裏面シート片の第3端辺とが連設されており、前記ケース本体内に商品が未収納の状態において、前記表面シート片と裏面シート片の内面同士が接している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装ケースにおいては、差込み片を差込み口に比較的容易に差し込むことができる。
よって、差込み片の差し込み作業の短時間化を図ることができる上、差込み片や蓋フラップ片などの折れ曲がりも防止でき、差し込み作業に起因する製品不良発生率を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る包装ケースの正面図。
【図2】同包装ケースの背面図。
【図3】同包装ケースの右側面図。
【図4】図2の要部拡大図。
【図5】蓋フラップ片を外した状態における同包装ケースの正面図。
【図6】同包装ケースを形成するシート材の展開図。この展開図においては、全ての折り罫線を点線で表している。
【図7】差込み片の差し込み作業の初期過程であって、差込み片の先端を差込み口に挿入した状態を示す斜視図。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図。
【図9】差込み片の差し込み作業の中間過程であって、差込み片を起立させた状態を示す斜視図。
【図10】図9のX−X線断面図。
【図11】本発明の他の実施形態に係る包装ケースの一部省略正面図。
【図12】本発明の更に他の実施形態に係る包装ケースの背面図。
【図13】同右側面図
【図14】同底面図。
【図15】従来の包装ケースの正面図。
【図16】同斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、該接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の順序や優劣などを意味しない。
【0011】
図1〜図5に於いて、1は、シート材を組み立てて形成された包装ケースを示す。
なお、図6は、包装ケース1を形成するシート材の展開図である。図6の展開図においては、包装ケース1の各部に対応する箇所に、同一符号を付している。
該包装ケース1は、差込み口7と一方側に開口された商品出入れ口とを有するケース本体2と、前記商品出入れ口を開閉する蓋フラップ片5と、前記蓋フラップ片5の端部に設けられた差込み片6と、を有する。
ケース本体2の他方側中央部には、吊下げ用の孔22が穿設されている。本実施形態においては、吊下げ用の孔を上側にした状態を基準にして、上下左右という方向を示す用語を使用する場合がある。
【0012】
ケース本体2は、表面シート片3と裏面シート片4とを有する。このケース本体2内に、商品出入れ口を通じて、商品(図示せず)を収納できる。表面シート片3及び裏面シート片4は、例えば、それぞれ平面視四角形状(好ましくは長方形又は正方形)に形成されている。本明細書において、平面視形状は、対象物の法線方向から見たときの形状をいう。
表面シート片3の第1端辺31(下端辺)と裏面シート片4の第1端辺41(下端辺)は連設されておらず、この第1端辺31,41側に商品出入れ口が開口されている。一方、表面シート片3の第2端辺32(右端辺)と裏面シート片4の第2端辺42(右端辺)は連設され、且つ表面シート片3の第3端辺33(左端辺。表面シート片3の第2端辺32に対向する辺)と裏面シート片4の第3端辺43(左端辺。裏面シート片4の第2端辺42に対向する辺)は連設されている。さらに、表面シート片3の第4端辺34(上端辺。表面シート片3の第1端辺31に対向する辺)と裏面シート片4の第4端辺44(上端辺。裏面シート片4の第1端辺41に対向する辺)は連設されている。これらの各連設部分において、表面シート片3及び裏面シート片4の内面同士が接するように、両シート片3,4が折り曲げられている。
なお、本実施形態においては、表面シート片3の第2端辺32及び第3端辺33からそれぞれ延出された糊代部23,23を折り曲げ、この糊代部23,23を裏面シート片4の外面(又は内面)に貼り合わすことによって、表面シート片3の第2端辺32と裏面シート片4の第2端辺42が連設され、且つ表面シート片3の第3端辺33と裏面シート片4の第3端辺43が連設されている。
【0013】
従って、ケース本体2内に商品が未収納の状態において、前記表面シート片3の内面と裏面シート片4の内面が接している。なお、接するとは、内面の一部又は全体が接触している場合だけでなく、内面間に僅かな隙間を有している状態も含まれる。
【0014】
表面シート片3の面内には、窓部35が形成されている。この窓部35には、商品を内部に収納又は保持する収納カバー8が嵌め合わされている。この収納カバー8は、窓部35から突出し得る凸状の本体部81と、前記本体部81の基部周囲から外側に延設された環状の鍔部82と、を有する。表面シート片3の内面側に収納カバー8を挿入し、窓部35から本体部81を外側へ出すと、窓部35の周囲における表面シート片3の内面に鍔部82が係止される。このようにして収納カバー8を表面シート片3の窓部35に嵌め合わすことができる。このように係止された収納カバー8は、外部から取り外すことができず、商品出入れ口から出し入れされる。
【0015】
図示した包装ケース1においては、別体の収納カバー8をケース本体2に付加して商品を収納するようにしているが、収納カバー8を用いず、ケース本体2内に商品を直接収納してもよい。このようにケース本体2内(表面シート片3と裏面シート片4の間)に直接商品を収納する場合、通常、上記のような窓部35は形成されない。
また、例えば、表面シート片3を予め熱成形してその一部分を凸状に膨らませることによって、表面シート片3の一部分に商品を収納するための収納凹部を形成してもよい。このようにシート片に直接収納凹部を形成した場合にも、上記収納カバー8や窓部35を設ける必要はない。
【0016】
また、裏面シート片4の面内には、差込み口7が形成されている。
差込み口7の横幅7W(表面シート片3の第1端辺31と平行な方向における差込み口7の最大幅)は、差込み片6の横幅6W(表面シート片3の第1端辺31と平行な方向における差込み片6の最大幅)よりも短い(図6参照)。
【0017】
具体的には、差込み口7は、例えば、裏面シート片4に形成された有端状の切込み線からなる。この切込み線は、表面シート片3の第1端辺31と略平行な方向に延びる直線状の中央切込み71と、前記中央切込み71の両端部からヘアピン状に曲がる左右一対の湾曲切込み72,72と、から構成されている。
左側の湾曲切込み72,72の外端(変曲点)と右側の湾曲切込み72,72の外端(変曲点)の間の長さが、差込み口7の横幅7Wに相当する。
【0018】
なお、切込み線(差込み口7)は、上記中央切込み71と湾曲切込み72,72から構成される場合に限られず、例えば、中央切込み71のみから構成されていてもよい(図示せず)。また、中央切込み71は、直線状に限られず、山型状、円弧状、鋸刃状などに形成されていてもよい(図示せず)。
さらに、切込み線に代えて、差込み口7として、裏面シート片4の面内を細長く打ち抜いたスリット開口部(図示せず)を適用してもよい。
【0019】
次に、蓋フラップ片5は、表面シート片3の第1端辺31から延設されている。蓋フラップ片5の基部の幅は、通常、表面シート片3の第1端辺31と略同幅又は第1端辺31よりも短い。
この蓋フラップ片5の端部には、差込み片6が一体的に延設されている。
【0020】
表面シート片3の第1端辺31(蓋フラップ片5と表面シート片3の境界(連設部分))に沿って、第1折り罫線91が形成されている。好ましくは、第1折り罫線91は、直線状に形成される。この第1折り罫線91において、蓋フラップ片5を裏面シート片4の外面側に折り曲げることにより、商品出入れ口が蓋フラップ片5にて閉塞される。
さらに、蓋フラップ片5と差込み片6との境界に沿って、第2折り罫線92が形成されている。さらに、蓋フラップ片5の面内であって第1折り罫線91と第2折り罫線92の間の領域に、第3折り罫線93が形成されている。前記第2折り罫線92及び第3折り罫線93は、それぞれ第1折り罫線91と略平行に延び、好ましくは直線状に形成される。
【0021】
第3折り罫線93の形成位置は、特に限定されず、適宜に設定される。もっとも、第3折り罫線93の形成位置が余りに第1折り罫線91又は第2折り罫線92の近くであると、第1領域51又は第2領域52が非常に狭くなる。
第3折り罫線93の形成位置は、第3折り罫線93と第1折り罫線91の間隔Aが5mm以上となる位置が好ましく、さらに、前記間隔Aが8mm以上となる位置がより好ましい。
また、第3折り罫線93の形成位置は、第3折り罫線93と第2折り罫線92の間隔Bが4〜30mmとなる位置が好ましく、さらに、前記間隔Bが5〜15mmとなる位置がより好ましく、特に、前記間隔Bが8〜12mmとなる位置が好ましい。
【0022】
上記蓋フラップ片5は、表面シート片3の第1端辺31に連設された第1領域51と、第1領域51から一体的に延設された第2領域52と、からなる。
図示例の蓋フラップ片5においては、前記第1領域51は、表面シート片3の第1端辺31よりも少し幅狭な基部から次第に幅狭に形成された平面視略台形状に形成されており、前記第2領域52は、前記台形状の第1領域51の上底から一体的に延設された細長い略長方形状に形成されている。
【0023】
上記第3折り罫線93は、第1領域51と第2領域52の境界に沿って形成されている。必要に応じて、第3折り罫線93の両端部に、切り目が形成されていてもよい。具体的には、図示したように、第1領域51と第2領域52の境界上において、第1領域51(又は第2領域52)の左右端縁から中央方向に一対の切り目3C,3Cが形成され、この一対の切り目3C,3Cの間に第3折り罫線93が形成されている。
【0024】
上記差込み片6は、蓋フラップ片5の第2領域52の端部(第2領域52が略長方形状に形成されている図示例では、第2領域52の一方の長辺)から延設されている。
差込み片6は、差込み口7の横幅よりも長い横幅を有する。差込み片6の横幅6Wと差込み口7の横幅7Wの差は特に限定されないが、余りに両者の差が大きいと、差込み片6を差込み口7に物理的に差し込むことができず、一方、余りに両者の差が小さいと、差し込んだ差込み片6が差込み口7から簡単に抜けてしまう。このような点を考慮すると、差込み片6の横幅6Wと差込み口7の横幅7Wの差は、1mm〜8mmが好ましく、さらに、2mm〜6mmがより好ましい。
【0025】
差込み片6の平面視形状は特に限定されず、四角形状、半円形状、台形状、三角形状などに形成できる。好ましくは、先端側に向かうに従って幅狭に形成された形状(例えば、図示したような台形状の他、三角形状、半円状など)が好ましい。
【0026】
上記第2折り罫線92は、差込み片6と蓋フラップ片5の第2領域52の境界に沿って形成されている。必要に応じて、第2折り罫線92の両端部に、切り目が形成されていてもよい。具体的には、図示したように、差込み片6と第2領域52の境界上において、差込み片6(又は第2領域52)の左右端縁から中央方向に一対の切り目2C,2Cが形成され、この一対の切り目2C,2Cの間に第2折り罫線92が形成されている。
【0027】
好ましくは、前記一対の切り目2C,2Cは、非直線状に形成される。具体的には、一対の切り目2C,2Cは、左右端縁から中央方向に直線状に延びる第1切り目2C’と、この第1切り目2C’の端部から差込み片6の先端中央方向に延びる傾斜状の第2切り目2C”と、からなる。もっとも、前記一対の切り目2C,2Cは、その全体が直線状(第2折り罫線92の延長線上)に形成されていてもよい。
上記非直線状の切り目2Cが形成されていることにより、差込み片6の両端部には、第2折り罫線92よりも蓋フラップ片5側に延出した左右一対の延出部61,61が形成される。左側の延出部61の外端と右側の延出部61の外端の間の長さが、差込み片6の横幅6Wに相当する。
【0028】
上記差込み片6を差込み口7に差し込んだとき、図4に示すように、第2折り罫線92が裏面シート片4の内面側に入り込むと共に、差込み片6の両延出部61,61の外端が湾曲切込み72,72よりも外側に位置し且つ差込み片6の両延出部61,61が前記湾曲切込み72,72上に交わる(第1切り目2C’が湾曲切込み72,72上に交わる)。
従って、差し込まれた差込み片6は差込み口7から簡単に抜けない。特に、上記両延出部61,61を有する差込み片6によれば、差込み口7から抜けることを効果的に防止できる。
【0029】
また、差込み片6の面内には、第2折り罫線92と略直交する方向に延びる第4折り罫線94が形成されており、好ましくは前記第4折り罫線94は所定間隔を開けて2本形成される。本実施形態においては、差込み片6の面内であって、前記切り目2C,2Cの端部から差込み片6の先端側に向かって第2折り罫線92と略直交する方向に、2本の第4折り罫線94,94が形成されている。かかる第4折り罫線94が設けられていることにより、差込み口7に差込み片6を差し入れるときに、第4折り罫線94において差込み片6が折れて湾曲し得る。湾曲した差込み片6はその横幅の直線長さが短くなるので、差込み口7に差込み片6を更に差し入れ易くなる。
【0030】
包装ケース1を形成するシート材は、特に限定されず、従来公知のシートを用いることができる。シート材としては、例えば、合成樹脂製シート、金属蒸着層を有する合成樹脂製シート、厚紙、及びこれらの積層シートなどが挙げられる。好ましくは、合成樹脂製シートを含むシートが用いられ、より好ましくは、合成樹脂製シート(2枚以上の合成樹脂製シートが積層された樹脂製シートを含む)が用いられる。合成樹脂製シートの材質としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系などが挙げられる。特に、耐屈曲性(ヒンジ特性)に優れていることから、ポリプロピレン製シート、又はポリプロピレン製シートが積層された樹脂製シートが好ましい。上記シート材は、無色であることが好ましいが、透明性を損なわない範囲で着色されていてもよい。また、シート材には、必要に応じて、デザインが印刷されていてよいし、或いは、デザインが印刷されたラベルが貼付されていてもよい。シート材の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.2mm〜1.0mm程度である。ポリプロピレン製シートを用いる場合には、適度な剛性を有することから、シート材の厚みは、0.2mm〜0.6mmが好ましい。
【0031】
上記構成からなる包装ケース1は、下記のようにして使用される。
商品を入れた収納カバー8を商品出入れ口から挿入し、窓部35に嵌め入れる。
次に、第1折り罫線91において蓋フラップ片5を表面シート片3に対して折り曲げ、さらに、第3折り罫線93において蓋フラップ片5を略90度に折り曲げ且つ第2折り罫線92において差込み片6を蓋フラップ片5に対して鈍角に折り曲げる。
そして、図7及び図8に示すように、差込み片6の先端を差込み口7に挿入する。
【0032】
次に、蓋フラップ片5の第1領域51(第1折り罫線91と第3折り罫線93の間の領域)を指で裏面シート片4側に押し込む。
この押し込みによって、図9及び図10に示すように、前記第1領域51が裏面シート片4の外面に接すると同時に、蓋フラップ片5の第2領域52(第3折り罫線93と第2折り罫線92の間の領域)が裏面シート片4に対して略直角状に立ち上がると共に、先端部が差込み口7に差し込まれた差込み片6が前記第2領域52の内面及び裏面シート片4に対して鋭角状になって起立する。
この立ち上がった第2領域52の外面を差込み口方向に押し込むと、差込み片6は簡単に差込み口7内に差し込まれる。このとき、第4折り罫線94において差込み片6が若干湾曲するので、差込み片6を特に簡単に差し込むことができる。このようにして、図1〜図4に示すような包装ケース1が得られる。
本発明によれば、差込み片6を差込み口7に比較的容易に差し込むことができる。従って、差込み片6の差し込み作業の短時間化を図ることができ、さらに、差込み片6や蓋フラップ片5の折れ曲がりに起因する製品不良発生率を低くできる。
【0033】
特に、ケース本体2が扁平状である場合、差込み片6を差込み口7に差し込むことが難しいが、本発明によれば、このような扁平状のケース本体2でも、容易に差込み片6を差し込むことができる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態に示す包装ケース1に限られず、本発明の意図する範囲で適宜設計変更できる。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号を援用する。
上記実施形態では、差込み片6に第4折り罫線94が設けられているが、第4折り罫線94を有しない差込み片6でもよい。
また、上記実施形態では、切り目2Cが直線状に延びる第1切り目2C’と傾斜状に延びる第2切り目2C”とからなるが、例えば、図11に示すように、この第2切り目2C”が第2折り罫線92に略直交する方向に延びていてもよい。また、特に図示しないが、切り目2Cは、その全体が直線状(第2折り罫線92の延長線上)に形成されていてもよい。
なお、上記実施形態では、切り目2C及び切り目3Cがそれぞれ設けられているが、これらの切り目2C及び/又は切り目3Cは、設けられていなくてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、ケース本体2は、表面シート片3と裏面シート片4とを有し、商品を未収納の状態では略扁平状であるが、ケース本体2は、略扁平状に限られない。例えば、図12〜図14に示すように、ケース本体2が、表面シート片3と裏面シート片4と底面シート片11とを有していてもよい。
この他の実施形態においては、表面シート片3の第2端辺32と裏面シート片4の第2端辺42が連設され、且つ表面シート片3の第3端辺33と裏面シート片4の第3端辺43が連設され、表面シート片3の第1端辺31と裏面シート片4の第1端辺41及び表面シート片3の第4端辺34と裏面シート片4の第4端辺44は連設されていない。この表面シート片3の第4端辺34と裏面シート片4の第4端辺44の間に、底面シート片11の両側辺がそれぞれ連設されている。底面シート片11は、底面視略紡錘形状であり、表面シート片3と裏面シート片4の内面に略直交するように、両シート片3,4の間に介在されている。
そして、上記実施形態と同様に、蓋フラップ片5は、表面シート片3の第1端辺31から延設され、この第1端辺31に沿って、第1折り罫線91が形成されている。蓋フラップ片5には、同様の差込み片6が設けられ、蓋フラップ片5と差込み片6との境界に沿って、第2折り罫線92が形成されていると共に、蓋フラップ片5の面内であって第1折り罫線91と第2折り罫線92の間の領域に、第3折り罫線93が形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の包装ケースは、様々な商品を収納して陳列販売する用途に利用できる。
【符号の説明】
【0037】
1…包装ケース、2…ケース本体、3…表面シート片、31〜34…表面シート片の第1〜第4端辺、4…裏面シート片、41〜44…裏面シート片の第1〜第4端辺、5…蓋フラップ片、6…差込み片、6W…差込み片の横幅、7…差込み口、7W…差込み口の横幅、91…第1折り罫線、92…第2折り罫線、93…第3折り罫線
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋フラップ片の係止が外れ難い包装ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂製シートなどのシート材を組み立てて形成された包装ケースは、様々な形態が知られている。
シート材から形成された包装ケースは、通常、蓋フラップ片をケース本体に係止することにより、蓋フラップ片にてケース本体の出入れ口が閉塞されるようになっている。さらに、蓋フラップ片の係止がケース本体から解除され難い構造の包装ケースも知られている。
このような包装ケース100は、例えば、図15及び図16に示すように、表面シート片300と裏面シート片400とを有するケース本体200と、表面シート片300及び裏面シート片400の下端辺側に設けられた商品出入れ口210と、表面シート片300の下端辺から延出された蓋フラップ片500と、蓋フラップ片500の端部に設けられた差込み片600と、裏面シート片400の面内に形成され且つ差込み片600の横幅よりも短い横幅を有する差込み口700と、を備える。
【0003】
前記表面シート片300と裏面シート片400の各左右端辺及び各上端辺はそれぞれ連設されている。従って、前記ケース本体200は、その下端に商品出入れ口210が形成された3方封止型の扁平状である(つまり、商品が収納されていない状態では、表面シート片300と裏面シート片400の内面同士が接している)。
また、表面シート片200の下端辺に沿って折り罫線910が形成されている。この折り罫線910において蓋フラップ片500を折り曲げ、差込み片600を差込み口700に差し込むことにより、蓋フラップ片500がケース本体200に係止される。
【0004】
上記包装ケース100においては、差込み片600の横幅が差込み口700の横幅(開口幅)よりも長いので、一旦、差込み口700に差し込んだ差込み片600は簡単に抜けない。従って、蓋フラップ片500の係止が外れ難いという利点がある。
しかしながら、上記差込み片600の横幅は差込み口700の横幅よりも長いので、差込み片600を差込み口700に差し込み難いという問題点がある。つまり、横幅の長い差込み片600は、差込み口700に差し込んだ後にはそこから抜け難い反面、該差込み片600をそこに差し込み難い。特に、ケース本体200が扁平状である場合、表面シート片300の内面と裏面シート片400の内面の間に僅かな隙間しかないため、差込み片600の差し込み作業がより面倒になる。
この種の包装ケースにおいては、差込み片の差し込み作業は、手作業で行われる場合が多いが、器用な作業者でないと、比較的長い作業時間を要したり、差込み片や蓋フラップ片を無用に折り曲げてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、蓋フラップ片の差込み片を差込み口に比較的容易に差込んで、蓋フラップ片の閉塞を完了できる包装ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装ケースは、表面シート片と裏面シート片とを有するケース本体と、前記表面シート片及び裏面シート片の第1端辺側に設けられた商品出入れ口と、前記表面シート片の第1端辺から延出され且つ前記商品出入れ口を塞ぐ蓋フラップ片と、前記蓋フラップ片の端部に設けられた差込み片と、前記裏面シート片の面内に形成され且つ前記差込み片の横幅よりも短い横幅を有する差込み口と、を備える包装ケースであって、前記表面シート片の第1端辺に沿って第1折り罫線が形成され、前記蓋フラップ片と差込み片との境界に沿って、前記第1折り罫線と略平行な第2折り罫線が形成され、前記蓋フラップ片の面内であって前記第1折り罫線と第2折り罫線の間に、前記第1折り罫線と略平行な第3折り罫線が形成されている。
【0007】
本発明の好ましい態様では、前記表面シート片の第2端辺と裏面シート片の第2端辺とが連設され、且つ前記各第2端辺にそれぞれ対向する表面シート片の第3端辺と裏面シート片の第3端辺とが連設されており、前記ケース本体内に商品が未収納の状態において、前記表面シート片と裏面シート片の内面同士が接している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装ケースにおいては、差込み片を差込み口に比較的容易に差し込むことができる。
よって、差込み片の差し込み作業の短時間化を図ることができる上、差込み片や蓋フラップ片などの折れ曲がりも防止でき、差し込み作業に起因する製品不良発生率を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る包装ケースの正面図。
【図2】同包装ケースの背面図。
【図3】同包装ケースの右側面図。
【図4】図2の要部拡大図。
【図5】蓋フラップ片を外した状態における同包装ケースの正面図。
【図6】同包装ケースを形成するシート材の展開図。この展開図においては、全ての折り罫線を点線で表している。
【図7】差込み片の差し込み作業の初期過程であって、差込み片の先端を差込み口に挿入した状態を示す斜視図。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図。
【図9】差込み片の差し込み作業の中間過程であって、差込み片を起立させた状態を示す斜視図。
【図10】図9のX−X線断面図。
【図11】本発明の他の実施形態に係る包装ケースの一部省略正面図。
【図12】本発明の更に他の実施形態に係る包装ケースの背面図。
【図13】同右側面図
【図14】同底面図。
【図15】従来の包装ケースの正面図。
【図16】同斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、該接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の順序や優劣などを意味しない。
【0011】
図1〜図5に於いて、1は、シート材を組み立てて形成された包装ケースを示す。
なお、図6は、包装ケース1を形成するシート材の展開図である。図6の展開図においては、包装ケース1の各部に対応する箇所に、同一符号を付している。
該包装ケース1は、差込み口7と一方側に開口された商品出入れ口とを有するケース本体2と、前記商品出入れ口を開閉する蓋フラップ片5と、前記蓋フラップ片5の端部に設けられた差込み片6と、を有する。
ケース本体2の他方側中央部には、吊下げ用の孔22が穿設されている。本実施形態においては、吊下げ用の孔を上側にした状態を基準にして、上下左右という方向を示す用語を使用する場合がある。
【0012】
ケース本体2は、表面シート片3と裏面シート片4とを有する。このケース本体2内に、商品出入れ口を通じて、商品(図示せず)を収納できる。表面シート片3及び裏面シート片4は、例えば、それぞれ平面視四角形状(好ましくは長方形又は正方形)に形成されている。本明細書において、平面視形状は、対象物の法線方向から見たときの形状をいう。
表面シート片3の第1端辺31(下端辺)と裏面シート片4の第1端辺41(下端辺)は連設されておらず、この第1端辺31,41側に商品出入れ口が開口されている。一方、表面シート片3の第2端辺32(右端辺)と裏面シート片4の第2端辺42(右端辺)は連設され、且つ表面シート片3の第3端辺33(左端辺。表面シート片3の第2端辺32に対向する辺)と裏面シート片4の第3端辺43(左端辺。裏面シート片4の第2端辺42に対向する辺)は連設されている。さらに、表面シート片3の第4端辺34(上端辺。表面シート片3の第1端辺31に対向する辺)と裏面シート片4の第4端辺44(上端辺。裏面シート片4の第1端辺41に対向する辺)は連設されている。これらの各連設部分において、表面シート片3及び裏面シート片4の内面同士が接するように、両シート片3,4が折り曲げられている。
なお、本実施形態においては、表面シート片3の第2端辺32及び第3端辺33からそれぞれ延出された糊代部23,23を折り曲げ、この糊代部23,23を裏面シート片4の外面(又は内面)に貼り合わすことによって、表面シート片3の第2端辺32と裏面シート片4の第2端辺42が連設され、且つ表面シート片3の第3端辺33と裏面シート片4の第3端辺43が連設されている。
【0013】
従って、ケース本体2内に商品が未収納の状態において、前記表面シート片3の内面と裏面シート片4の内面が接している。なお、接するとは、内面の一部又は全体が接触している場合だけでなく、内面間に僅かな隙間を有している状態も含まれる。
【0014】
表面シート片3の面内には、窓部35が形成されている。この窓部35には、商品を内部に収納又は保持する収納カバー8が嵌め合わされている。この収納カバー8は、窓部35から突出し得る凸状の本体部81と、前記本体部81の基部周囲から外側に延設された環状の鍔部82と、を有する。表面シート片3の内面側に収納カバー8を挿入し、窓部35から本体部81を外側へ出すと、窓部35の周囲における表面シート片3の内面に鍔部82が係止される。このようにして収納カバー8を表面シート片3の窓部35に嵌め合わすことができる。このように係止された収納カバー8は、外部から取り外すことができず、商品出入れ口から出し入れされる。
【0015】
図示した包装ケース1においては、別体の収納カバー8をケース本体2に付加して商品を収納するようにしているが、収納カバー8を用いず、ケース本体2内に商品を直接収納してもよい。このようにケース本体2内(表面シート片3と裏面シート片4の間)に直接商品を収納する場合、通常、上記のような窓部35は形成されない。
また、例えば、表面シート片3を予め熱成形してその一部分を凸状に膨らませることによって、表面シート片3の一部分に商品を収納するための収納凹部を形成してもよい。このようにシート片に直接収納凹部を形成した場合にも、上記収納カバー8や窓部35を設ける必要はない。
【0016】
また、裏面シート片4の面内には、差込み口7が形成されている。
差込み口7の横幅7W(表面シート片3の第1端辺31と平行な方向における差込み口7の最大幅)は、差込み片6の横幅6W(表面シート片3の第1端辺31と平行な方向における差込み片6の最大幅)よりも短い(図6参照)。
【0017】
具体的には、差込み口7は、例えば、裏面シート片4に形成された有端状の切込み線からなる。この切込み線は、表面シート片3の第1端辺31と略平行な方向に延びる直線状の中央切込み71と、前記中央切込み71の両端部からヘアピン状に曲がる左右一対の湾曲切込み72,72と、から構成されている。
左側の湾曲切込み72,72の外端(変曲点)と右側の湾曲切込み72,72の外端(変曲点)の間の長さが、差込み口7の横幅7Wに相当する。
【0018】
なお、切込み線(差込み口7)は、上記中央切込み71と湾曲切込み72,72から構成される場合に限られず、例えば、中央切込み71のみから構成されていてもよい(図示せず)。また、中央切込み71は、直線状に限られず、山型状、円弧状、鋸刃状などに形成されていてもよい(図示せず)。
さらに、切込み線に代えて、差込み口7として、裏面シート片4の面内を細長く打ち抜いたスリット開口部(図示せず)を適用してもよい。
【0019】
次に、蓋フラップ片5は、表面シート片3の第1端辺31から延設されている。蓋フラップ片5の基部の幅は、通常、表面シート片3の第1端辺31と略同幅又は第1端辺31よりも短い。
この蓋フラップ片5の端部には、差込み片6が一体的に延設されている。
【0020】
表面シート片3の第1端辺31(蓋フラップ片5と表面シート片3の境界(連設部分))に沿って、第1折り罫線91が形成されている。好ましくは、第1折り罫線91は、直線状に形成される。この第1折り罫線91において、蓋フラップ片5を裏面シート片4の外面側に折り曲げることにより、商品出入れ口が蓋フラップ片5にて閉塞される。
さらに、蓋フラップ片5と差込み片6との境界に沿って、第2折り罫線92が形成されている。さらに、蓋フラップ片5の面内であって第1折り罫線91と第2折り罫線92の間の領域に、第3折り罫線93が形成されている。前記第2折り罫線92及び第3折り罫線93は、それぞれ第1折り罫線91と略平行に延び、好ましくは直線状に形成される。
【0021】
第3折り罫線93の形成位置は、特に限定されず、適宜に設定される。もっとも、第3折り罫線93の形成位置が余りに第1折り罫線91又は第2折り罫線92の近くであると、第1領域51又は第2領域52が非常に狭くなる。
第3折り罫線93の形成位置は、第3折り罫線93と第1折り罫線91の間隔Aが5mm以上となる位置が好ましく、さらに、前記間隔Aが8mm以上となる位置がより好ましい。
また、第3折り罫線93の形成位置は、第3折り罫線93と第2折り罫線92の間隔Bが4〜30mmとなる位置が好ましく、さらに、前記間隔Bが5〜15mmとなる位置がより好ましく、特に、前記間隔Bが8〜12mmとなる位置が好ましい。
【0022】
上記蓋フラップ片5は、表面シート片3の第1端辺31に連設された第1領域51と、第1領域51から一体的に延設された第2領域52と、からなる。
図示例の蓋フラップ片5においては、前記第1領域51は、表面シート片3の第1端辺31よりも少し幅狭な基部から次第に幅狭に形成された平面視略台形状に形成されており、前記第2領域52は、前記台形状の第1領域51の上底から一体的に延設された細長い略長方形状に形成されている。
【0023】
上記第3折り罫線93は、第1領域51と第2領域52の境界に沿って形成されている。必要に応じて、第3折り罫線93の両端部に、切り目が形成されていてもよい。具体的には、図示したように、第1領域51と第2領域52の境界上において、第1領域51(又は第2領域52)の左右端縁から中央方向に一対の切り目3C,3Cが形成され、この一対の切り目3C,3Cの間に第3折り罫線93が形成されている。
【0024】
上記差込み片6は、蓋フラップ片5の第2領域52の端部(第2領域52が略長方形状に形成されている図示例では、第2領域52の一方の長辺)から延設されている。
差込み片6は、差込み口7の横幅よりも長い横幅を有する。差込み片6の横幅6Wと差込み口7の横幅7Wの差は特に限定されないが、余りに両者の差が大きいと、差込み片6を差込み口7に物理的に差し込むことができず、一方、余りに両者の差が小さいと、差し込んだ差込み片6が差込み口7から簡単に抜けてしまう。このような点を考慮すると、差込み片6の横幅6Wと差込み口7の横幅7Wの差は、1mm〜8mmが好ましく、さらに、2mm〜6mmがより好ましい。
【0025】
差込み片6の平面視形状は特に限定されず、四角形状、半円形状、台形状、三角形状などに形成できる。好ましくは、先端側に向かうに従って幅狭に形成された形状(例えば、図示したような台形状の他、三角形状、半円状など)が好ましい。
【0026】
上記第2折り罫線92は、差込み片6と蓋フラップ片5の第2領域52の境界に沿って形成されている。必要に応じて、第2折り罫線92の両端部に、切り目が形成されていてもよい。具体的には、図示したように、差込み片6と第2領域52の境界上において、差込み片6(又は第2領域52)の左右端縁から中央方向に一対の切り目2C,2Cが形成され、この一対の切り目2C,2Cの間に第2折り罫線92が形成されている。
【0027】
好ましくは、前記一対の切り目2C,2Cは、非直線状に形成される。具体的には、一対の切り目2C,2Cは、左右端縁から中央方向に直線状に延びる第1切り目2C’と、この第1切り目2C’の端部から差込み片6の先端中央方向に延びる傾斜状の第2切り目2C”と、からなる。もっとも、前記一対の切り目2C,2Cは、その全体が直線状(第2折り罫線92の延長線上)に形成されていてもよい。
上記非直線状の切り目2Cが形成されていることにより、差込み片6の両端部には、第2折り罫線92よりも蓋フラップ片5側に延出した左右一対の延出部61,61が形成される。左側の延出部61の外端と右側の延出部61の外端の間の長さが、差込み片6の横幅6Wに相当する。
【0028】
上記差込み片6を差込み口7に差し込んだとき、図4に示すように、第2折り罫線92が裏面シート片4の内面側に入り込むと共に、差込み片6の両延出部61,61の外端が湾曲切込み72,72よりも外側に位置し且つ差込み片6の両延出部61,61が前記湾曲切込み72,72上に交わる(第1切り目2C’が湾曲切込み72,72上に交わる)。
従って、差し込まれた差込み片6は差込み口7から簡単に抜けない。特に、上記両延出部61,61を有する差込み片6によれば、差込み口7から抜けることを効果的に防止できる。
【0029】
また、差込み片6の面内には、第2折り罫線92と略直交する方向に延びる第4折り罫線94が形成されており、好ましくは前記第4折り罫線94は所定間隔を開けて2本形成される。本実施形態においては、差込み片6の面内であって、前記切り目2C,2Cの端部から差込み片6の先端側に向かって第2折り罫線92と略直交する方向に、2本の第4折り罫線94,94が形成されている。かかる第4折り罫線94が設けられていることにより、差込み口7に差込み片6を差し入れるときに、第4折り罫線94において差込み片6が折れて湾曲し得る。湾曲した差込み片6はその横幅の直線長さが短くなるので、差込み口7に差込み片6を更に差し入れ易くなる。
【0030】
包装ケース1を形成するシート材は、特に限定されず、従来公知のシートを用いることができる。シート材としては、例えば、合成樹脂製シート、金属蒸着層を有する合成樹脂製シート、厚紙、及びこれらの積層シートなどが挙げられる。好ましくは、合成樹脂製シートを含むシートが用いられ、より好ましくは、合成樹脂製シート(2枚以上の合成樹脂製シートが積層された樹脂製シートを含む)が用いられる。合成樹脂製シートの材質としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系などが挙げられる。特に、耐屈曲性(ヒンジ特性)に優れていることから、ポリプロピレン製シート、又はポリプロピレン製シートが積層された樹脂製シートが好ましい。上記シート材は、無色であることが好ましいが、透明性を損なわない範囲で着色されていてもよい。また、シート材には、必要に応じて、デザインが印刷されていてよいし、或いは、デザインが印刷されたラベルが貼付されていてもよい。シート材の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.2mm〜1.0mm程度である。ポリプロピレン製シートを用いる場合には、適度な剛性を有することから、シート材の厚みは、0.2mm〜0.6mmが好ましい。
【0031】
上記構成からなる包装ケース1は、下記のようにして使用される。
商品を入れた収納カバー8を商品出入れ口から挿入し、窓部35に嵌め入れる。
次に、第1折り罫線91において蓋フラップ片5を表面シート片3に対して折り曲げ、さらに、第3折り罫線93において蓋フラップ片5を略90度に折り曲げ且つ第2折り罫線92において差込み片6を蓋フラップ片5に対して鈍角に折り曲げる。
そして、図7及び図8に示すように、差込み片6の先端を差込み口7に挿入する。
【0032】
次に、蓋フラップ片5の第1領域51(第1折り罫線91と第3折り罫線93の間の領域)を指で裏面シート片4側に押し込む。
この押し込みによって、図9及び図10に示すように、前記第1領域51が裏面シート片4の外面に接すると同時に、蓋フラップ片5の第2領域52(第3折り罫線93と第2折り罫線92の間の領域)が裏面シート片4に対して略直角状に立ち上がると共に、先端部が差込み口7に差し込まれた差込み片6が前記第2領域52の内面及び裏面シート片4に対して鋭角状になって起立する。
この立ち上がった第2領域52の外面を差込み口方向に押し込むと、差込み片6は簡単に差込み口7内に差し込まれる。このとき、第4折り罫線94において差込み片6が若干湾曲するので、差込み片6を特に簡単に差し込むことができる。このようにして、図1〜図4に示すような包装ケース1が得られる。
本発明によれば、差込み片6を差込み口7に比較的容易に差し込むことができる。従って、差込み片6の差し込み作業の短時間化を図ることができ、さらに、差込み片6や蓋フラップ片5の折れ曲がりに起因する製品不良発生率を低くできる。
【0033】
特に、ケース本体2が扁平状である場合、差込み片6を差込み口7に差し込むことが難しいが、本発明によれば、このような扁平状のケース本体2でも、容易に差込み片6を差し込むことができる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態に示す包装ケース1に限られず、本発明の意図する範囲で適宜設計変更できる。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号を援用する。
上記実施形態では、差込み片6に第4折り罫線94が設けられているが、第4折り罫線94を有しない差込み片6でもよい。
また、上記実施形態では、切り目2Cが直線状に延びる第1切り目2C’と傾斜状に延びる第2切り目2C”とからなるが、例えば、図11に示すように、この第2切り目2C”が第2折り罫線92に略直交する方向に延びていてもよい。また、特に図示しないが、切り目2Cは、その全体が直線状(第2折り罫線92の延長線上)に形成されていてもよい。
なお、上記実施形態では、切り目2C及び切り目3Cがそれぞれ設けられているが、これらの切り目2C及び/又は切り目3Cは、設けられていなくてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、ケース本体2は、表面シート片3と裏面シート片4とを有し、商品を未収納の状態では略扁平状であるが、ケース本体2は、略扁平状に限られない。例えば、図12〜図14に示すように、ケース本体2が、表面シート片3と裏面シート片4と底面シート片11とを有していてもよい。
この他の実施形態においては、表面シート片3の第2端辺32と裏面シート片4の第2端辺42が連設され、且つ表面シート片3の第3端辺33と裏面シート片4の第3端辺43が連設され、表面シート片3の第1端辺31と裏面シート片4の第1端辺41及び表面シート片3の第4端辺34と裏面シート片4の第4端辺44は連設されていない。この表面シート片3の第4端辺34と裏面シート片4の第4端辺44の間に、底面シート片11の両側辺がそれぞれ連設されている。底面シート片11は、底面視略紡錘形状であり、表面シート片3と裏面シート片4の内面に略直交するように、両シート片3,4の間に介在されている。
そして、上記実施形態と同様に、蓋フラップ片5は、表面シート片3の第1端辺31から延設され、この第1端辺31に沿って、第1折り罫線91が形成されている。蓋フラップ片5には、同様の差込み片6が設けられ、蓋フラップ片5と差込み片6との境界に沿って、第2折り罫線92が形成されていると共に、蓋フラップ片5の面内であって第1折り罫線91と第2折り罫線92の間の領域に、第3折り罫線93が形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の包装ケースは、様々な商品を収納して陳列販売する用途に利用できる。
【符号の説明】
【0037】
1…包装ケース、2…ケース本体、3…表面シート片、31〜34…表面シート片の第1〜第4端辺、4…裏面シート片、41〜44…裏面シート片の第1〜第4端辺、5…蓋フラップ片、6…差込み片、6W…差込み片の横幅、7…差込み口、7W…差込み口の横幅、91…第1折り罫線、92…第2折り罫線、93…第3折り罫線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面シート片と裏面シート片とを有するケース本体と、前記表面シート片及び裏面シート片の第1端辺側に設けられた商品出入れ口と、前記表面シート片の第1端辺から延出され且つ前記商品出入れ口を塞ぐ蓋フラップ片と、前記蓋フラップ片の端部に設けられた差込み片と、前記裏面シート片の面内に形成され且つ前記差込み片の横幅よりも短い横幅を有する差込み口と、を備える包装ケースであって、
前記表面シート片の第1端辺に沿って第1折り罫線が形成され、
前記蓋フラップ片と差込み片との境界に沿って、前記第1折り罫線と略平行な第2折り罫線が形成され、
前記蓋フラップ片の面内であって前記第1折り罫線と第2折り罫線の間に、前記第1折り罫線と略平行な第3折り罫線が形成されていることを特徴とする包装ケース。
【請求項2】
前記表面シート片の第2端辺と裏面シート片の第2端辺とが連設され、且つ前記各第2端辺にそれぞれ対向する表面シート片の第3端辺と裏面シート片の第3端辺とが連設されており、前記ケース本体内に商品が未収納の状態において、前記表面シート片と裏面シート片の内面同士が接している請求項1に記載の包装ケース。
【請求項1】
表面シート片と裏面シート片とを有するケース本体と、前記表面シート片及び裏面シート片の第1端辺側に設けられた商品出入れ口と、前記表面シート片の第1端辺から延出され且つ前記商品出入れ口を塞ぐ蓋フラップ片と、前記蓋フラップ片の端部に設けられた差込み片と、前記裏面シート片の面内に形成され且つ前記差込み片の横幅よりも短い横幅を有する差込み口と、を備える包装ケースであって、
前記表面シート片の第1端辺に沿って第1折り罫線が形成され、
前記蓋フラップ片と差込み片との境界に沿って、前記第1折り罫線と略平行な第2折り罫線が形成され、
前記蓋フラップ片の面内であって前記第1折り罫線と第2折り罫線の間に、前記第1折り罫線と略平行な第3折り罫線が形成されていることを特徴とする包装ケース。
【請求項2】
前記表面シート片の第2端辺と裏面シート片の第2端辺とが連設され、且つ前記各第2端辺にそれぞれ対向する表面シート片の第3端辺と裏面シート片の第3端辺とが連設されており、前記ケース本体内に商品が未収納の状態において、前記表面シート片と裏面シート片の内面同士が接している請求項1に記載の包装ケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−195184(P2011−195184A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65464(P2010−65464)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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