説明

包装ユニット

包装ユニット(12)が、充填物、例えば有効物質調合薬を収容する取り込みチャンバ(6)を形成するキャビティ(5)を備えたブリスターユニット(1)と、ブリスターユニットに取り外し可能に連結された状態でこれを支持した支持ユニット(7)とを有し、支持ユニットは、ブリスターユニット(1)に対応したサイズを有する。ブリスターユニット(1)は、少なくとも1つのロック開口部(3)を有し、支持ユニット(7)は、ブリスターユニット(1)を隆起縁部(8)で周方向に掴む支持ボウル(12)を形成し、支持ボウルの少なくとも1つの締結要素(10a,10b)は、支持ボウルの底面(9)から突き出てロック開口部(3)内に嵌まり込み、それによりブリスターユニット(1)を支持ボウル(12)内に取り外し可能にクランプ状態に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填材料、特に有効物質調合薬が充填されたブリスターユニット、受け入れチャンバを形成するキャビティ及びブリスターユニットに取り外し可能に連結された状態でブリスターユニットを支持し、ブリスターユニットに対応したサイズの支持ユニットを有する包装ユニットに関する。本発明は更に、このような包装ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブリスターパックは、医薬品業界で用いられる場合が多く、ブリスターパック内に入れられている充填物、即ち有効物質調合薬を外部環境の影響から保護すると共に問題の有効物質調合薬の薬学的品質に対する関連の悪影響を防止するのに役立つ。ブリスターパックは、充填物、特に特定の有効物質調合薬を収容するキャビティが形成された底部又はキャリヤフィルムと、それぞれの下側又はキャリヤフィルムの頂部を覆い、特に密閉受け入れチャンバを形成するようキャビティを閉鎖する上側フィルムとから成る少なくとも1つのブリスターユニットを有する。上側フィルム及び下側又はキャリヤフィルムは、同種又は異種の材料の1つ又は2つ以上の層で構成されている場合がある。上側フィルムは、例えば接着、溶接又は封着(シーリング)、特にホットグルー又はシールワックス法により下側又はキャリヤフィルムに取り付けられる。さらに、上側フィルム及び/又は下側又はキャリヤフィルムは、金属及び/又はプラスチック及び/又はペーパフィルムの形態をしている。典型的な金属フィルムとしては、例えば、アルミニウムフィルムや複合アルミニウムフィルムが挙げられる。多くの場合、この種のブリスターユニットは、深絞り成形されたアルミニウムの下側又はキャリヤフィルムを閉鎖するアルミニウムの上側フィルムを有している。この深絞り下側又はキャリヤフィルムも又、キャビティ内への水の流入を阻止するようアルミニウムフィルムを覆っているのが良く、キャビティ内に水が入ると、これは、薬剤により吸収されることになる。別の拡散バリヤを形成すると共に/或いはブリスターユニットの機械的安定性を増大させるため、下側若しくはキャリヤフィルム又は上側フィルムのアルミニウム箔は、オプションとして、一方の面又は両方の面が追加のプラスチック及び/又はペーパフィルムで覆われるのが良い。上側フィルム及び下側又はキャリヤフィルムの材料も又、複数の層をなして存在するのが良い。金属フィルムとは別に、プラスチックフィルムの製造にとって典型的な材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロ‐オレフィン‐コポリマー(COC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(UP)、ポリアクリレート、ポリアミド(PA)又はポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)とポリ塩化ビニル(PVC)との組み合わせ又はポリ塩化ビニル(PVC)とポリビニリデンクロリド(PVdC)の組み合わせから成る多層複合フィルムプラスチックが挙げられる。
【0003】
国によっては、子供が、特に有毒作用を持ち又は不適切に用いられた場合には健康に対して比較的深刻な危害をもたらす薬剤を手に入れることが困難であるようにするために医薬品の子供にとって安全な、即ちチャイルドプルーフ式の包装に関する規則が、検討されているか又は既に存在している。これは、ブリスターパックにも当てはまる。
【0004】
また、利便性及び機能の検討事項は、医薬品の包装の設計に当たり益々大きな役割を果たしている。この理由で、いわゆるウォレット(財布又は札入れ)型パックが開発された。これらは、ブリスターパックと折り畳みカートンの組み合わせである。この種のウォレットパックは、ウォレットのように指先ではじいて開閉できる。ウォレットパックは、例えば折り畳み厚紙の二次包装材にしっかりと取り付けられる1つ又は2つ以上のブリスターカードから成る。ブリスターカードは、例えば、二次包装材に接着され、封着され又はリベット止めされるのが良い。これらは又、スティッカによって二次包装材に取り付けられるのが良い。ウォレットを異なる数の厚紙層(パネル)に細分することができる。ブックレットの形状をした情報がウォレット内に納められ又はこれに取り付けられるのが良い。
【0005】
包装ユニットの一部として用いられるブリスターユニット又はブリスターカードは又、関連の法上の要件を遵守しなければならない。欧州及び米国で用いられているブリスターカードは、特にこれらのチャイルドプルーフ性(子供にとって安全なこと)及びこれらのシニアフレンドリーな性質の面で互いに異なる。
【0006】
欧州市場に関して、構造がDIN55559と示すBfArmリスト(BfArm-List)に記載されているブリスターカードが用いられている。ブリスターカード又はブリスターユニットは、ブリスター器械で不透明の異形PVC、下側又はキャリヤフィルム及びアルミニウム上側フィルムから作られている。ブリスターカードは、横方向及び長手方向ミシン目によって各々が1つのキャビティを有する個々の部分に細分可能である。錠剤又はそれぞれの有効物質調合薬を取り出すため、キャビティの上方で上側フィルムを開く。錠剤の場合、特に、錠剤をブリスターの上側フィルムから押し出すことにより行われる。BfArmリストに記載された材料及び特定の十字ミシン目の組み合わせに鑑みて、ブリスターカードは、チャイルドプルーフであると見なされる。加うるに、DIN14375規格に準拠して試験され、それによりチャイルドプルーフ性であると見なされたブリスターカードも又使用できる。
【0007】
米国市場の場合、好ましくは、透明な異形PVC、下側又はキャリヤフィルム及び幾つかの層、例えばアルミニウム/PET/ペーパ(内から外へ)で構成されたいわゆるピールプッシュ(peel-push)式上側フィルムを有するブリスターカードが用いられている。これらブリスターカード又はブリスターユニットも又、長手方向及び横方向のミシン目によって十字にミシン目が入れられており、これらブリスターカード又はブリスターユニットは、指定された箇所に非密封領域を有している。錠剤又は有効物質調合薬を取り出すため、掴みタブ(非密封領域)に接近するために最初にキャビティを切り離し、掴みタブを用いてペーパ/PETの層を引き剥がす。アルミニウム層がはぎ取られるブリスターキャビティの上方でアルミニウム層が無傷のままであるようにするために横方向ミシン目が必要である。特に、このミシン目は、引き裂き方向に対して直角に入れられるのが良い。次に、錠剤又は有効物質調合薬をアルミニウム層から押し出す。材料と十字ミシン目及び非密封領域の形態の結果として、これらブリスターカード又はブリスターユニットは、CFR16セクション1700によればチャイルドプルーフ性及び/又はシニアフレンドリーであるものと見なされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、所望ならばチャイルドプルーフ性及びシニアフレンドリーな包装ユニット及び更に所望ならばウォレット状パックを製作することができるブリスターカード又はブリスターユニット用の別の固定具及びホルダを提供することが要望されている。
【0009】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、上述した種類の包装ユニットにおいて支持ユニットへのブリスターユニットの取り外し可能な取り付け方を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明によれば、ブリスターユニットが少なくとも1つのロック開口部を有し、支持ユニットが隆起縁部でブリスターユニットを包囲した支持シェルを形成し、支持シェルの少なくとも1つの締結要素が支持シェルの底面から突き出ていて、ロック開口部内に嵌まり込んでブリスターユニットを支持シェル内に取り外し可能にクランプされた状態に保持するという構成上の特徴によって解決される。
【0011】
同様に、上述の課題は、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の包装ユニットの製造方法であって、ブリスターユニットを製作し、充填材料の充填後、ブリスターユニットを打ち抜いてこれに少なくとも1つの穴を形成することによって少なくとも1つのロック開口部を設け、ブリスターユニットをこのロック開口部がプラスチック支持ユニットの対応の締結要素の上に位置した状態で配置してクランプ連結部を形成することを特徴とする方法により解決される。
【0012】
本発明の有利且つ好都合な実施形態及び別の特徴は、独立形式の請求項のそれぞれの従属形式の請求項から明らかになる。
【0013】
本発明により、ブリスターユニットを容易且つ手間をかけないで対応の支持ユニットに取り付けることが可能である。包装ユニットを欧州ブリスターと米国市場向けのブリスターの両方に用いることができ、他方、支持ユニットは、両方の設計について同一の構造のものとすることができる。さらに、支持ユニット上へのブリスターユニットの固定及び配置により、例えば特に錠剤の形態の有効物質調合薬をブリスターユニットから取り出すための比較的チャイルドプルーフ性の高い包装ユニットが提供され、まず最初に、ブリスターユニットを支持シェルの形態をしている支持ユニットから取り出さなければならず、その後、錠剤又はカプセルの形態をした特定の有効物質調合薬を計画的に取り出すために受け入れチャンバを密閉している上側又は密封フィルムからこのような有効物質調合薬を押し出す。ブリスター又はブリスターユニットを取り出すため、ブリスターユニットを取り外し可能に固定している締結要素の閉鎖又は締結機構を解除する必要がある。閉鎖又は締結機構を解除する前においては、支持ユニットの隆起縁部がブリスターユニットを包囲しているので、特に子供は、ブリスターユニットを取り出すことができない。したがって、ブリスターユニットを取り出すためにはまず最初に、片手で閉鎖又は締結機構を解除して手でブリスターユニットを掴んで支持ユニットから完全に取り出すためにブリスターユニットを支持ユニットの周囲隆起縁部から十分に遠ざけることができるようにしなければならないということを知ることが必要であるという点でチャイルドプルーフ性が得られる。ブリスターを支持ユニットから取り出すのに必要なこの計画的な手順は又、十分にシニアフレンドリーである。
【0014】
子供が開けるのに一層困難である閉鎖又は締結機構体を形成するためには、一特徴によれば、ブリスターユニットは、ロック開口部を形成する2つの互いに間隔を置いた具体的には円形の穴を有し、支持ユニットは、2つの締結要素を有する。その結果、支持ユニットとブリスターユニットとの間のクランプ結合部を解除するためには、2つの互いに間隔をおいて位置する締結要素を同時に作動させて支持ユニットへのブリスターユニットのクランプ取り付け及び固定手段を解除することが必要である。これは、一方の手で行え、従って、他方の手を用いてブリスターユニットを取り出すことができる。この目的のため、別の特徴によれば、締結要素は全て、到達可能であると同時に片手の指で押し下げ可能であるように構成されている。圧力を手で加えることにより押し下げ可能な締結要素は、クランプ連結部の特に好都合な実施形態を構成する。
【0015】
ブリスターユニットを取り出した後、これを支持ユニットに戻してそれぞれの締結要素のクランプ作用によって固定して定位置に保持することができるようにするためには、1つ又は複数個の締結要素は、可撓性の、特に弾性的に動くことができるクランプ連結部を形成している。
【0016】
それぞれの締結要素を押し下げることにより閉鎖又は締結機構体の解除を達成するため、1つ又は複数個の締結要素は、締結要素が圧力の印加によりブリスターユニットを定位置にクランプする締結要素のロック位置から解除可能である。
【0017】
締結要素に形成されていて、それぞれのロック開口部を通って延びるフランジ部分を用いて特に好都合な実施形態を得ることができ、フランジ部分は、関連のロック開口部のエッジの後に係合し、これをクランプ作用で掴む。したがって、1つの締結要素又は複数個の締結要素は各々、開口部を通過した後にそれぞれの関連のロック開口部のエッジの後側に係合するフランジ部分を有する。
【0018】
試行されると共に試験され、製作するのが容易な締結要素の設計及び構成の一オプションによれば、1つ又は複数個の締結要素は各々、支持ユニットの底面から突き出た2つの押し下げ可能な弾性クランプ舌部を有する。圧縮力を加えると共に1つ又は複数個の締結要素を押し下げることによりブリスターユニットに対するそのクランプ作用で解除可能な締結要素のこのような締結方法は、例えば、プラスチックで作られた公知のフリップオープン(flip-open)型ケース内へのCD又はDVDの固定の際に利用される。したがって、支持ユニットを射出成形法によりプラスチックから製作することが有利である。
【0019】
従来型ブリスターカードの場合と同様、ブリスターユニットは、キャリヤフィルム及び上側フィルムを有し、他方、別の特徴によれば、ブリスターユニット、特にキャリヤフィルムを深絞り成形又は熱成形法により作ることが有利である。
【0020】
ブリスターユニットに入れた状態で提供される薬剤に関する情報も又利用できるようにするために、ブリスターユニット及び支持ユニットは、ウォレットの一部である。この場合、有効物質調合薬に関する情報の全てをウォレットによって直接提供することができる。特に安定性があり且つスリムなパッケージを製作するために、支持ユニットは、ウォレットを形成するよう折り畳み可能なブランク、特に折り畳み式厚紙ブランクに取り付けられる。この取り付けは、例えば、包装ユニットの支持ユニットを折り畳み式厚紙ブランクの側面に取り付け、例えば接着によって支持ユニットをこれに取り付けることによって実施できる。
【0021】
最後に、この方法の一特徴によれば、本発明では、2つの互いに間隔を置いた穴をブリスターユニットにあけ、穴を各々、支持ユニットの底面から突き出た締結要素上に配置する。
【0022】
支持ユニットは、支持シェルの形態をしたブリスターユニットに取り付けられるので、子供がブリスターユニットを取り出すために作動させなければならない開放機構体がどれであるかを把握することは困難である。これとは対照的に大人であれば、締結要素の数に応じて、一方の手の1本の指又は2本の指で、例えば親指と中指で、1つの締結要素又は2つの締結要素を押し下げることにより支持シェル内へのブリスターユニットの取り付け又はロックを解除することができ、そして他方の手でブリスターユニットを取り出すことができる。特に、2つの締結要素を備えた実施形態では、2つの締結要素相互間の間隔は、子供の手がこれら締結要素の両方に達してこれらを同時に押し下げることができないほど十分大きく取られる。したがって、ブリスターカードを取り出すにはもう1つの手が必要である。しかしながら、子供が押し下げた締結要素をそのままにするやいなや、その可撓性及び弾性によりこの要素は、そのロック位置に戻り、このロック位置では、この要素は、ブリスターユニットをクランプすると共に固定する。これにより、子供がブリスターユニット及び、更にこの中に包装されている有効物質調合薬を取り出すのは極めて困難になる。というのは、これには、上述した開放機構体の知識が必要だからである。
【0023】
上述した特徴及び更に以下に説明する特徴は、与えられた特定の組み合わせだけでなく、他の組み合わせでも利用できることは理解されよう。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められる。
【0024】
以下、添付の図面を参照して例示の実施形態により本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の包装ユニットのブリスターユニットの概略斜視図である。
【図2】包装ユニットの支持ユニットの概略斜視図である。
【図3】ブリスターユニット及び支持ユニットを有する包装ユニットの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1のブリスターユニット1は、2つのロック開口部3を備えた長方形のブリスターカード2から成り、これらロック開口部は、ブリスターカード2から打ち抜き形成されて、ブリスターカード2の長手方向軸線上に互いに対称に且つ所与の間隔をおいて配置された円形の穴3aの形態をしている。図1の斜視図は、キャリヤフィルム又は下側フィルム4から成るブリスターユニット1の側を示している。この側には、深絞り成形又は熱成形法により形成されていて、受け入れチャンバ6を形成する突出キャビティ5が設けられている。錠剤又はカプセルの形態をした有効物質調合薬が受け入れチャンバ6の各々の中に充填物として入れられている。異形キャビティ5から見て遠くに位置するブリスターユニット1の側では、受け入れチャンバは、キャリヤフィルムによって密閉されている。
【0027】
図2に示されていて、射出成形法によりプラスチックから作られた支持ユニット7は、周囲の隆起縁部8を有し、この隆起縁部は、長方形の領域、及びブリスターユニット1のサイズに対応した長方形の領域を包囲している。締結要素10a,10bが、互いに間隔を置いた状態で底面9から突き出ると共にロック開口部3に対応するよう配置されている。図3に示されている支持ユニット7内へのブリスターユニット1の締結又は固定位置では、締結要素10a,10bの周辺部分11a,11bが、クランプ作用を提供するよう関連のロック開口部3の内縁部に当接して隆起縁部により形成されている支持シェル12内にブリスターユニット1をクランプする。締結要素10a,10bは、片手の指で押し下げられるよう設計されており、したがって、構造上、可撓性且つ弾性である。締結要素10a,10bを押し下げることにより、それぞれの周辺部分11a,11bは、ロック開口部3の関連のこれに対応して形作られた内縁部から遠ざかり、生じる摩擦力により引き起こされているクランプ作用が解除される。締結要素10a,10bは、打ち抜き穴の形態をしたロック開口部3と関連して、解除可能なクランプ連結部を形成し、このような解除可能なクランプ連結部により、ブリスターユニット1を、このブリスターユニットを支持する支持シェル12内の支持ユニット1に解除可能に取り付けることができ、次に再び取り外すことができる。
【0028】
図3は、ブリスターユニット1及び支持ユニット7で構成された包装ユニット13をそのロック位置で示しており、この場合、締結要素10a,10bは、打ち抜き穴の形態をしたロック要素3を貫通して延び、従って、ブリスターユニット1は、支持ユニット7の底面12に載り又は底面9の近くに保持されるようになっている。ロック位置では、周辺部分11a,11bは、それぞれのロック開口部3の内縁をクランプし、ブリスターユニット1を図示のロック位置に保持する。隆起縁部8は、底面12に向いたブリスターユニット1の上側フィルム側に片手の指で到達することができないようブリスターユニット1を包囲している。ブリスターユニット1を図3に示されているロック及び固定位置から解除するため、ユーザは、2つの締結要素10a,10bを一方の手の2本の指で押し下げ、周辺部分11a,11bとロック開口部3の内壁側又は内壁面とのクランプ連結部を解除する。次に、他方の手を用いてブリスターユニット1を支持シェル12から取り外すことができる。次に、キャビティ5を内方に押すことにより、錠剤又はカプセルの形態をした有効物質調合薬を上側フィルムから押し出して取り出すことができる。これを行った後、ユーザは、締結要素10a,10bを穴3aに位置合わせしてこの上に重ね合わせるようブリスターユニット1を再び支持ユニット7上に置くのが良く、その結果、片手の指を用いて圧力を加えることにより、ブリスターユニット1を支持ユニット7の底面12に向かって押し下げることができ、その結果、締結要素10a,10bが再びロック要素3に入ることができ、そして周辺部分11a,11bが関連のロック開口部3の内壁縁にクランプ作用をなして当接するようになる。
【0029】
締結要素10a,10b及び対応のロック開口部3は、片手の指で締結要素10a,10bに同時に到達してこれらを押し下げることができるような相互の間隔をおいて配置されている。
【0030】
支持ユニット7の底面9から突き出ていて、圧力を加えると共に押し下げることによってブリスターユニット1をしっかりとクランプするこれらのロック位置から解除可能であり、圧力を解除すると、図2に示されている初期位置に自動的に戻るよう設計された円形の締結要素10a,10bの形態をした図1〜図3に示されている可撓性の、特に弾性的に動くことができるクランプ連結部に加えて、図示していない実施形態では、円の周囲に沿って配置されると共に底面から突き出た可撓性であると共に特に弾性のクランプ舌部の形態をした締結要素を設計することも又可能である。クランプ舌部は各々、特に、関連のロック開口部3を貫通した後、それぞれの打ち抜き穴3aのエッジの後に係合するフランジ部分を有する。同様に、周辺部分11a,11bは、関連の穴3aのエッジの後に係合するフランジ部分として構成可能である。
【0031】
図3に示されている包装ユニット13を製作するため、ブリスターストリップを深絞り成形又は熱成形法によって通常の仕方で製造し、キャビティに所望の有効物質調合薬を充填した後、ブリスターストリップに上側フィルムを設け、そしてこれを打ち抜いてカードの形をしたブリスターユニット1を製作する。同時に又は次に、ブリスターカード材料を打ち抜くことによりこの充填ブリスターユニット1に穴の形をしたロック開口部3を形成する。次に、ロック開口部3を備えたブリスターユニット1を支持シェル12内に配置する一方で、締結要素10a,10bを穴の形をしたロック開口部3に位置合わせしてこれらにかぶせ、そして、ブリスターユニット1と支持ユニット7を互いに近づけることによってこれらの相互ロック位置に配置する。このように、ブリスターユニット1を支持ユニット7に装着する。
【0032】
図示の実施形態では、ブリスターユニット1は、2つのロック開口部3を有し、支持ユニット7は、2つの締結要素10a,10bを有する。しかしながら、ブリスターユニット1が少なくとも1つのロック開口部3を有すると共に支持ユニット7が少なくとも1つの締結要素10a又は10bを備えるだけで十分である。
【0033】
使用のため、ユーザは、図3に示されている包装ユニット13の2つの締結要素10a,10bを押し下げて周辺部分11a,11bとロック開口部3の内縁領域により形成されているクランプ連結部を解除してブリスターユニット1を取り出すことができるようにする。ブリスターユニット1のキャビティ5又は受け入れチャンバ6からの有効物質調合薬の取り出し後、ロック開口部3を再び締結要素10a,10bの頂部上の位置合わせ又は整列位置に動かし、ブリスターユニット1を締結要素10a,10bに押し付ける。周辺部分11a,11bの下に形成されている支持面14a,14bに鑑みて、ブリスターユニット1は、支持ユニット7の底面9上には位置せず、この近くで支持面14a,14b上に位置する。周囲隆起縁部8は、ブリスターユニット1の上側フィルム側が図3に示されているように支持ユニット7上のブリスターユニット1のロック位置では、手で掴まれることがないようにする。ブリスターユニット1を支持ユニット7から取り外したりこれを支持ユニット7内に戻したりすることを繰り返すことにより、受け入れチャンバ6を1つずつ次々に空にすることができ、その間、ブリスターユニット1を支持シェル12内に戻すのが良い。
【0034】
ブリスターユニット1を取り外さないで締結要素10a,10bを押し下げた場合、圧力を解除すると、締結要素10a,10bは、これらのロック位置に戻り、ブリスターユニットを定位置にクランプする。これは又、包装ユニット13のチャイルドプルーフ性に寄与する。
【0035】
包装ユニット13は、例えば支持ユニット7が折り畳み可能なブランク、特に折り畳み式厚紙ブランクに取り付けられた場合にいわゆるウォレットの一部をなすのが良く、このブランクの個々の折り畳み可能なパネル又は側部は、相互の上に折り畳み可能である。ブリスターユニット1内に包装された有効物質調合薬に関する必要な情報を納めた小冊子も又、このようなウォレット内に入れられるのが良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填剤、特に有効物質調合薬を収容する受け入れチャンバ(6)を形成するキャビティ(5)を備えたブリスターユニット(1)と、前記ブリスターユニット(1)に解除可能に取り付けられた状態で前記ブリスターユニット(1)を支持する支持ユニット(7)とを有する包装ユニットであって、前記支持ユニットが前記ブリスターユニット(1)に対応したサイズのものである包装ユニットにおいて、
前記ブリスターユニット(1)は、少なくとも1つのロック開口部(3)を有し、前記支持ユニット(7)は、隆起縁部(8)で前記ブリスターユニット(1)を包囲した支持シェル(12)を形成し、前記支持シェル(12)の少なくとも1つの締結要素(10a,10b)は、前記支持シェルの底面(9)から突き出ていて、前記ロック開口部(3)内に嵌まり込んで前記ブリスターユニット(1)を前記支持シェル(12)内に取り外し可能にクランプされた状態に保持する、
ことを特徴とする包装ユニット。
【請求項2】
前記ブリスターユニット(1)は、前記ロック開口部(3)を形成する2つの互いに間隔を置いた具体的には円形の穴(3a)を有し、前記支持ユニット(7)は、2つの締結要素(10a,10b)を有している、
請求項1記載の包装ユニット。
【請求項3】
前記締結要素(10a,10b)は全て、到達可能であると同時に片手の指で押し下げ可能であるように構成されている、
請求項1又は2記載の包装ユニット。
【請求項4】
1つの前記締結要素又は複数個の前記締結要素(10a,10b)は、可撓性の、特に弾性的に動くことができるクランプ連結部を形成している、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項5】
1つの前記締結要素又は複数個の前記締結要素(10a,10b)は、前記締結要素が圧力の印加により前記ブリスターユニット(1)を定位置にクランプする前記締結要素のロック位置から解除可能である、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項6】
1つの前記締結要素又は複数個の前記締結要素(10a,10b)は各々、前記開口部を通過した後にそれぞれの関連の前記ロック開口部(3)のエッジの後側に係合するフランジ部分を有する、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項7】
1つの前記締結要素又は複数個の前記締結要素(10a,10b)は各々、前記支持ユニット(7)の前記底面(9)から突き出た2つの押し下げ可能な弾性クランプ舌部を有する、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項8】
前記ブリスターユニット(1)は、キャリヤフィルム(4)及び上側フィルムを有する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項9】
前記ブリスターユニット(1)は、前記上側フィルムが前記支持ユニット(7)の前記底面(9)に向いた状態で前記支持シェル(12)内に保持される、
請求項8記載の包装ユニット。
【請求項10】
前記ブリスターユニット(1)、特に前記キャリヤフィルム(4)は、深絞り成形又は熱成形法により作られている、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項11】
前記支持ユニット(7)は、射出成形法によりプラスチックから作られている、
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項12】
前記ブリスターユニット(1)及び前記支持ユニット(7)は、ウォレットの構成要素である、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項13】
前記支持ユニット(7)は、ウォレットを形成するよう折り畳み可能なブランク、特に折り畳み可能な厚紙ブランクに取り付けられている、
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の包装ユニットの製造方法であって、
ブリスターカードを製作し、充填材料の充填後、ブリスターカードユニット(1)を打ち抜いてこれに少なくとも1つの穴(3a)を形成することによって少なくとも1つのロック開口部を設け、前記ブリスターカードユニット(1)を前記ロック開口部がプラスチックで作られたシェル型支持ユニット(7)の対応の締結要素(10a,10b)の上に位置した状態で配置し、前記支持ユニットは、クランプホルダを形成する、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
2つの互いに間隔をおいた穴(3a)を前記ブリスターユニット(1)にあけ、前記穴を各々、前記支持ユニット(7)の底面(9)から突き出た締結要素(10a,10b)上に配置する、
請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−501923(P2012−501923A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526490(P2011−526490)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061760
【国際公開番号】WO2010/029128
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】