説明

包装体及びその製造方法

【課題】開封性の良好な包装体を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる包装体(1)は、基材層(101)と、シール層(104)と、基材層(101)とシール層(104)との間に介在し、シール層(104)に疑似接着された中間層(103)と、の少なくとも3層で構成した積層フィルム(F)を、筒状に湾曲させてシール層(104)同士を重ね合わせて溶着して形成したシール部(22)を有し、シール層(104)は、中間層(103)よりも融点が高く、易開封性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、易開封性に優れ、内容物を容易に取り出すことが可能な包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2層の線状低密度ポリエチレンフィルムが製造時の熱及び/又は圧力によりブロッキング接着しているフィルムと、2軸延伸ナイロンや2軸延伸ポリエステル等の基材フィルムと、を積層した積層フィルムを製袋し、二重の包装体としたものがある。
【0003】
上記の積層フィルムは、ブロッキング接着している線状低密度ポリエチレンフィルムは、内容物を充填するまでの間は1枚のフィルムとして挙動し、内容物を充填して包装体を製造した後は、衝撃が加わったときに容易にブロッキング接着が剥がれ、2枚のフィルムとして挙動する。その結果、耐ピンホール性、耐衝撃性、引裂伝搬強度を向上させることができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、押出しラミネート法によって積層された積層フィルムからなる二重の包装体が開示されている。しかし、この上記特許文献1に開示された包装体は、開封性に乏しく、はさみや切れ目などがないと開封が困難である。
【0005】
そこで、近年では、易開封性の包装体が求められており、例えば、特許文献2(特許第4490045号公報)には、チューブ状に押し出した多重フィルムを筒状に湾曲させた両側縁部に縦シール部を形成するとともに、縦シール部に対して交差する方向の上方横シール部および下方横シール部を形成し、その形成した縦シール部、上方横シール部、下方横シール部を易開封性にした二重包装体について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−36462号公報
【特許文献2】特許第4490045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献2に記載された二重包装体においては、内容物と接するフィルムと外気と接するフィルムとが同一材料となるため、汎用性にかけていた。
【0008】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ラミネート製法を用いた開封性の良好な包装体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
【0010】
本発明にかかる包装体は、
基材層と、シール層と、前記基材層と前記シール層との間に介在し、前記シール層に疑似接着された中間層と、の少なくとも3層で構成した積層フィルムを、筒状に湾曲させて前記シール層同士を重ね合わせて溶着して形成したシール部を有し、
前記シール層は、前記中間層よりも融点が高く、易開封性を有することを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる包装体の製造方法は、
基材層と、シール層と、前記基材層と前記シール層との間に介在する中間層と、の少なくとも3層をラミネートし、前記シール層と前記中間層とが疑似接着された積層フィルムを形成し、該形成した積層フィルムを、筒状に湾曲させて前記シール層同士を重ね合わせて溶着してシール部を形成し、前記シール層が前記中間層よりも融点が高く、易開封性を有する包装体を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ラミネート製法を用いた開封性の良好な包装体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の包装体1の構成例を示す図であり、(a)は、包装体1の全体構成例を示し、(b)は、(a)のA方向から見た側面構成例を示す図である。
【図2】本実施形態の包装体1を形成する積層フィルムFの構成例を示す図であり、(a)は、積層フィルムFの構成例を示し、(b)は、(a)に示す積層フィルムF同士を重ね合わせた状態を示す図である。
【図3】本実施形態の包装体1の製造方法例を示す図である。
【図4】本実施形態の包装体1を成形する積層フィルムFの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<包装体1の概要>
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態の包装体1の概要について説明する。
【0015】
本実施形態の包装体1は、図2(a)に示す基材層101と、シール層104と、基材層101とシール層104との間に介在し、シール層104に疑似接着された中間層103と、の少なくとも3層で構成した積層フィルムFを、図2(b)に示すように筒状に湾曲させてシール層104同士を重ね合わせて溶着して形成したシール部22を有し、シール層104は、中間層103よりも融点が高く、易開封性を有することを特徴とする。
【0016】
本実施形態の包装体1は、シール層104同士を重ね合わせて溶着して形成したシール部22が、易開封性を有するため、包装体1を開封する際に、シール層104同士を重ね合わせて溶着せずに形成した図2(b)に示す把持部21を指で持ってシール部22を容易に開封することができる。その結果、ラミネート製法を用いた開封性の良好な包装体1を得ることができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の包装体1について詳細に説明する。
【0017】
<包装体1の構成例>
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態の包装体1の構成例について説明する。図1は、本実施形態の包装体1の構成例を示す図であり、図1(a)は、包装体1の全体構成例を示し、図1(b)は、図1(a)のA方向から見た側面構成例を示す図である。図2は、本実施形態の包装体1を形成する積層フィルムFの構成例を示す図であり、図2(a)は、積層フィルムFの構成例を示し、図2(b)は、図2(a)に示す積層フィルムF同士を重ね合わせた状態を示す図である。
【0018】
本実施形態の図1に示す包装体1は、図2(a)に示す積層フィルムFのシール層104同士を図2(b)に示すように重ね合わせて溶着して形成する。図2(a)に示す積層フィルムFは、基材層101、緩衝層102、中間層103、シール層104を有し、中間層103とシール層104とは疑似接着されている。それ以外の層同士は、接着されている。本実施形態での疑似接着とは、中間層103とシール層104とが接着剤や熱融着により接着されて完全に一体化して硬くなったものではなく、中間層103とシール層104とが粘着(疑似接着)して柔軟な状態になっていることを意味する。疑似接着は、中間層103とシール層104との間の全面にわたって接着されていても良く、また、中間層103とシール層104との間の全面の一部に部分的に接着されていても良い。中間層103とシール層104との接着強度は、180°剥離法で引張速度50mm/分で測定した値が、10〜200g/15mm、好ましくは、20〜100g/15mm、より好ましくは、30〜70g/15mmである。疑似接着している中間層103とシール層104とは、内容物を充填するまでの間は1枚のフィルムとして挙動し、内容物を充填して包装体1を製造した後は、衝撃が加わったときに容易に疑似接着が剥がれ、中間層103とシール層104とが剥離し、2枚のフィルムとして挙動する。その結果、耐ピンホール性、耐衝撃性、引裂伝搬強度を向上させることができる。
【0019】
図2(a)に示す積層フィルムFは、ドライラミネート法や押出ラミネート法等を用いて構成することができる。例えば、ドライラミネート法を用いて図2(a)に示す積層フィルムFを構成する場合は、基材層101で構成するフィルムと、緩衝層102、中間層103、シール層104で構成するフィルムと、をポリウレタン系接着剤等でドライラミネートして積層フィルムFを形成することができる。また、押出ラミネート法を用いて図2(a)に示す積層フィルムFを構成する場合は、基材層101で構成するフィルムと、中間層103、シール層104で構成するフィルムと、をTダイより押し出した緩衝層102を構成する溶融樹脂でラミネートして積層フィルムFを形成することができる。本実施形態の積層フィルムFは、基材層101で構成するフィルムと、それ以外の層102〜104を構成するフィルムと、を用いて構成するため、基材層101に印刷処理を施すことができる。その結果、所望の印刷処理が施された積層フィルムFを形成することができる。
【0020】
基材層101は、無延伸ポリアミド、延伸ポリアミド、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ナイロンなどの樹脂で構成する。基材層101は、10〜30μmの厚さで構成することが好ましく、15〜25μmの厚さで構成することが更に好ましい。
【0021】
緩衝層102は、基材層101とシール層104との間に介在する層であり、基材層101と中間層103とを接着させたり、緩衝材として機能させたりする。緩衝層102は、例えばポリエチレン系の樹脂で構成され、基材層101と中間層103との間の強度を有する樹脂で構成することが好ましい。なお、緩衝層102は、10〜30μmの厚さで構成することが好ましく、15〜25μmの厚さで構成することが更に好ましい。
【0022】
中間層103は、基材層101とシール層104との間に介在する中間層であり、少なくともシール層104より融点の低い樹脂で構成され、イージーピール適性を有する2つ以上の混合樹脂、又は線状低密度ポリエチレン系樹脂で構成される。中間層103は、例えば、密度が0.922、MIが1.2の線状低密度ポリエチレンにアンチブロッキング剤として平均粒子径が3.5μmの微粒シリカを0.0015wt%、滑剤としてエルカ酸アミドを0.03wt%添加した樹脂で構成する。また、イージーピール適性を有する樹脂としては、線状低密度ポリエチレン・エチレンーαオレフィンコポリマー等のエチレン系樹脂、ポリプロピレン・エチレンープロピレン共重合体・エチレンープロピレンーブテン三元共重合体等のプロピレン系樹脂との混合樹脂等が挙げられる。中間層103は、30〜60μmの厚さで構成することが好ましく、40〜50μmの厚さで構成することが更に好ましい。
【0023】
シール層104は、中間層103よりも融点が高いことが好ましい。本構成により、シール層104同士を重ね合わせて溶着して形成したシール部22においてシール層104間で層間剥離を生じさせやすくし、開封性を向上させることができる。なお、シール層104は、イージーピール適性を有する2つ以上の混合樹脂で構成することが好ましい。イージーピール適性を有する樹脂としては、線状低密度ポリエチレン・エチレンーαオレフィンコポリマー等のエチレン系樹脂、ポリプロピレン・エチレンープロピレン共重合体・エチレンープロピレンーブテン三元共重合体等のプロピレン系樹脂との混合樹脂等が挙げられる。なお、シール層104は、中間層103を構成する樹脂を少なくとも混合して構成することが好ましい。これにより、中間層103との接着力を向上させることができる。なお、シール層104は、中間層103を構成する樹脂を50重量%以上含んで構成することが好ましい。これにより、シール層104の組成を、中間層103の組成に近づけることができるため、中間層103との接着力を更に向上させることができる。但し、シール層104は、中間層103よりも融点が高くなるように構成するため、中間層103を構成する樹脂を50〜80重量%の範囲で含んで構成することが好ましい。これにより、シール層104は、中間層103よりも融点が高く、且つ、凝集剥離易開封性シールを構成すると共に、中間層103との接着力を向上させることができる。シール層104は、30〜60μmの厚さで構成することが好ましく、40〜50μmの厚さで構成することが更に好ましい。
【0024】
本実施形態の包装体1は、上述したラミネート製法で形成された図2(a)に示す積層フィルムFを、図2(b)に示すように筒状に湾曲させてシール層104同士を重ね合わせて溶着した部分で図1に示す縦シール部2のシール部22を形成すると共に、縦シール部2に対して交差する方向の上方横シール部3および下方横シール部4を形成する。また、シール層104同士を重ね合わせて溶着していない部分で図1に示す縦シール部2の把持部21を形成する。把持部21は、シール部22の端に形成される。本実施形態の包装体1の内部には、内容物が充填される。内容物としては、ソース、ケチャップ、ジュース、フラワーペースト等の液状食品、粘稠性食品が挙げられる。但し、内容物は特に限定せず、任意の内容物を充填することが可能である。
【0025】
縦シール部2、上方横シール部3、下方横シール部4は、内容物を取り出すために包装体1を開封する前は、縦シール部2、上方横シール部3、下方横シール部4が剥離することがなく、また、包装体1を開封する際は、縦シール部2を構成する把持部21を指で摘んでフィルムFを引っ張るだけでシール部22が剥離し、縦シール部2、上方横シール部3、下方横シール部4が容易に剥離するような凝集剥離易開封性シールを構成する。
【0026】
凝集剥離易開封性シールは、図2(b)に示すシール部22を構成するシール層104自体が破壊されて剥離するものであって、剥離時に糸引きが生じない。このため、内容物に包装体1を構成する樹脂が混入することがない。また、滑らかな剥離感でシール強度が安定しており、温度依存性が非常に少ない。さらに、剥離面は真っ白な剥離痕が生じる。この真っ白な剥離痕は、シールが適性にできているかどうかを目視で確認できるため、包装工程上でのシール状況の確認にも役立てることができる。その結果、包装体1に充填する内容物の信頼性を保つことができる。
【0027】
<包装体1の製造方法>
次に、図3を参照しながら、本実施形態の包装体1の製造方法例について説明する。
【0028】
本実施形態の包装体1は、図3に示すようなピロー包装機10を用い、縦シール部2、下方横シール部4、上方横シール部3によって密封された積層フィルムFによる袋内に内容物Wが充填された包装体1を製造する。
【0029】
図3は、定常運転時における積層フィルムFの繰り出し完了時を示す。図3では、開閉自在なしごきロール15を閉じることで、分離前の包装体1xの上方開放部側をしごいて偏平化したしごき部8に、開閉自在な第1横シール機16、第2横シール機17を閉じて上流側から下流側に順次、下方横シール部4となる上流側溶着領域と、上方横シール部3となる下流側溶着領域と、が設けられた横シール部9を形成している。そして、開閉自在なプレス兼カッタ18を開いて、包装体1を外箱(図示せず)の中に落下させている。
【0030】
本実施形態では、前回の充填工程で上方横シール部3および下方横シール部4となる横シール部9が形成された筒状体7内に、所定量の内容物Wをホッパ11から投入する。
【0031】
次に、しごきロール15、第1横シール機16、第2横シール機17を開き、送りロール14を回転させ、分離前の包装体1xと共に筒状体7およびこれに続く積層フィルムFを所定の長さだけ繰り出す。なお、原反ローラRから繰り出された積層フィルムFは、複数の繰り出しロール20、21を経てフォーマ12に導かれ、フォーマ12を通過する間に筒状に湾曲されてシール層104同士を重ね合わせた重合部が形成される。そして、この重合部が縦シール機13を通る間に熱溶着され、積層フィルムFの内側同士が一体にシールされた縦シール部2が形成されて連続した筒状体7が形成される。基材層101の溶融温度は、250〜260℃であり、中間層103の溶融温度は、90〜100℃であり、シール層104の溶融温度は、110〜120℃であるため、シール温度は、150℃〜160℃の範囲に設定し、シール時間は、1.4〜1.5秒にすることが好ましい。これにより、中間層103とシール層104との溶着強度を、シール層104同士の溶着強度よりも高くし、シール層104同士の溶着面から開封し易くすることができる。また、シール層104同士を重ね合わせて溶着して形成したシール部22が凝集剥離易開封性シールを構成することができる。
【0032】
一方、内容物Wが充填された筒状体7がしごきロール15を通過した際に、しごきロール15を閉じ、内容物Wが充填された筒状体7の上流側をしごいて偏平化させ、しごき部8を形成する。
【0033】
次に、第1横シール機16、第2横シール機17を閉じ、しごき部8に、下流側に上方横シール部3となる下流側溶着領域および上流側に下方横シール部4となる上流側溶着領域からなる横シール部9を形成して分離前の包装体1xを製造する。なお、上方横シール、下方横シール工程においても、中間層層103とシール層104との溶着強度を、シール層104同士の溶着強度よりも高くし、シール層104同士の溶着面から開封し易くすることができる。また、シール層104同士が一体にシールされ、凝集剥離易開封性シールを構成することができる。
【0034】
次に、プレス兼カッタ18を閉じ、分離前の包装体1xが接続されている横シール部9である下方横シール部4となる上流側溶着領域および上方横シール部3となる下流側溶着領域とを挟圧すると共に、両者の境界をカッタ18aで二分割して包装体1を製造する。
【0035】
<本実施形態の包装体1の作用・効果>
このように、本実施形態の包装体1は、基材層101、緩衝層102、中間層103、シール層104を有し、シール層104は、中間層103よりも融点を高く構成し、中間層103とシール層104とは疑似接着された積層フィルムFを、筒状に湾曲させてシール層104同士を重ね合わせて溶着して形成した縦シール部2、上方横シール部3、下方横シール部4を有し、縦シール部2、上方横シール部3、下方横シール部4は、易開封性シールを構成することを特徴とする。これにより、本実施形態の包装体1は、包装体1を開封する際に、縦シール部2を構成する把持部21を指で摘んでフィルムFを引っ張るだけで縦シール部2を構成するシール部22が剥離し、縦シール部2、上方横シール部3、下方横シール部4を容易に剥離することが可能となるため、開封性の良好な包装体1を得ることができる。
【0036】
また、本実施形態のシール層104は、イージーピール適性を有する2つ以上の樹脂を混合して構成し、凝集剥離易開封性シールを構成するため、包装体1を開封する際に、縦シール部2、上方横シール部3、下方横シール部4を容易に剥離することが可能となる。
【0037】
また、本実施形態のシール層104は、シール層104と疑似接着する中間層103を構成する樹脂を含んで構成するため、中間層103との接着力を向上させることができる。その結果、包装体1を開封する際に、シール層104と中間層103との間で界面剥離するよりも、シール層104自体が凝集剥離し易くすることができる。
【0038】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0039】
例えば、上述する包装体1は、図2(a)に示す積層フィルムFを用いて形成することにした。図2(a)に示す積層フィルムFは、基材層101、緩衝層102、中間層103、シール層104を有し、中間層103とシール層104とを疑似接着させ、他の層は接着させて構成した。しかし、図2(a)に示す積層フィルムFは一例であり、例えば、図4(a)に示すように、積層フィルムFは、基材層101、緩衝層102、第1の中間層103、第2の中間層105、シール層104を有し、中間層103,105同士を疑似接着させ、他の層同士を接着(溶着)させる構成にすることも可能である。これにより、衝撃が加わったときに第1の中間層103と第2の中間層105とが剥離することになる。なお、図4(a)に示す第2の中間層105は、上述した実施形態で説明した中間層103と同様な樹脂で構成することができる。図4(a)に示す積層フィルムFは、例えば、基材層101はナイロンで構成し、緩衝層102はポリエチレンで構成し、第1の中間層103、第2の中間層105は線状低密度ポリエチレンで構成し、シール層104はイージーピール適性を有する2つ以上の混合樹脂で構成することができる。なお、ドライラミネート法を用いて図4(a)に示す積層フィルムFを構成する場合は、基材層101、緩衝層102、第1の中間層103で構成するフィルムと、第2の中間層105、シール層104で構成するフィルムと、をドライラミネートして積層フィルムFを形成することができる。
【0040】
また、図2(a)に示す緩衝層102を無くし、図4(b)に示すように、基材層101、中間層103、シール層104を有し、中間層103とシール層104とを疑似接着させ、他の層同士を接着(溶着)させる構成にすることも可能である。これにより、衝撃が加わったときに中間層103とシール層104とが剥離することになる。図4(b)に示す積層フィルムFは、例えば、基材層101はナイロンで構成し、中間層103は線状低密度ポリエチレンで構成し、シール層104はイージーピール適性を有する2つ以上の混合樹脂で構成することができる。なお、ドライラミネート法を用いて図4(b)に示す積層フィルムFを構成する場合は、基材層101で構成するフィルムと、中間層103、シール層104で構成するフィルムと、ドライラミネートして積層フィルムFを形成することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 包装体
2 縦シール部
21 把持部
22 シール部
3 上方横シール部
4 下方横シール部
F 積層フィルム
101 基材層
102 緩衝層
103 中間層(第1の中間層)
104 シール層
105 中間層(第2の中間層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、シール層と、前記基材層と前記シール層との間に介在し、前記シール層に疑似接着された中間層と、の少なくとも3層で構成した積層フィルムを、筒状に湾曲させて前記シール層同士を重ね合わせて溶着して形成したシール部を有し、
前記シール層は、前記中間層よりも融点が高く、易開封性を有することを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記シール部の端には、前記シール層同士を溶着せずに形成した把持部を有することを特徴とする請求項1記載の包装体。
【請求項3】
前記シール層は、前記中間層を構成する樹脂を含む2つ以上の樹脂を混合した樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1または2記載の包装体。
【請求項4】
前記中間層は、2つ以上の樹脂を混合した樹脂組成物からなることを特徴とする請求項3記載の包装体。
【請求項5】
前記基材層と前記中間層との間に、前記基材層と前記中間層との間の強度を有する樹脂からなる緩衝層を有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の包装体。
【請求項6】
基材層と、シール層と、前記基材層と前記シール層との間に介在する中間層と、の少なくとも3層をラミネートし、前記シール層と前記中間層とが疑似接着された積層フィルムを形成し、該形成した積層フィルムを、筒状に湾曲させて前記シール層同士を重ね合わせて溶着してシール部を形成し、前記シール層が前記中間層よりも融点が高く、易開封性を有する包装体を形成することを特徴とする包装体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−95475(P2013−95475A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239682(P2011−239682)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000104674)キョーラク株式会社 (292)
【Fターム(参考)】