包装体
【課題】包装体に表示する装飾デザインの自由度を高めることができる技術を提供する。
【解決手段】ウェットティッシュ収容空間200aを有する本体を形成する基材シート210には、第1の蓋部材213の外周縁に沿って切込み212が形成されている。中間シート220には、第2の蓋部材223の外周縁に沿って切込み222が形成されている。内部シートには、開口232aの外周縁に沿って切込み232が形成されている。中間シート220の一方の面は、第1の接着剤224により、第2の蓋部材223が第1の蓋部材213と対向する位置に配置された状態で、基材シート210の裏面に接着される。中間シート220の他方の面は、第2の接着剤225により、開口232aが第2の蓋部材223と対向する位置に(開口232aが第2の蓋部材223によって覆われるように)配置された状態で、内部シートの一方の面に接着される。
【解決手段】ウェットティッシュ収容空間200aを有する本体を形成する基材シート210には、第1の蓋部材213の外周縁に沿って切込み212が形成されている。中間シート220には、第2の蓋部材223の外周縁に沿って切込み222が形成されている。内部シートには、開口232aの外周縁に沿って切込み232が形成されている。中間シート220の一方の面は、第1の接着剤224により、第2の蓋部材223が第1の蓋部材213と対向する位置に配置された状態で、基材シート210の裏面に接着される。中間シート220の他方の面は、第2の接着剤225により、開口232aが第2の蓋部材223と対向する位置に(開口232aが第2の蓋部材223によって覆われるように)配置された状態で、内部シートの一方の面に接着される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容空間に収容されているウェットティッシュ等のシート状物品を、開口から順次取り出すことができる包装体に関し、特に、包装体に表示する装飾デザインの自由度を高めることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚等に付着した汚れを落とすために、ウェットティッシュ等の種々のシート状物品が用いられている。ウェットティッシュは、通常、包装体に収容されている。ウェットティッシュを収容する包装体は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。特許文献1に開示されている包装体は、物品収容空間を形成する基材シートと、補強シートにより構成されている。補強シートは、基材シートに形成されている開口を覆うように、基材シートの外面に接着されている。補強シートには切込みが形成されており、この切込みによって囲まれる部分が、開口を開閉する蓋として用いられる。特許文献2に開示されている包装体は、物品収容空間を形成する基材シートと、補強シートと、可撓性シートにより構成されている。補強シートは、基材シートに形成されている開口の周りを覆うように、基材シートの外面に接着されている。可撓性シートは、基材シートに形成されている開口を覆うように、補強シートに接着されている。可撓性シートは、開口を開閉する蓋として用いられる。特許文献3に開示されている包装体は、物品収容空間を形成する基材シートと、プラスチックシートと、蓋用シートにより構成されている。蓋用シートは、プラスチックシートに形成されている開口を開閉可能に、プラスチックシートに接着されている。そして、蓋用シートが接着されたプラスチックシートは、蓋用シートが基材シートに形成されている開口に配置されるように、基材シートの内面に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−229681号公報
【特許文献2】特開平6−293368号公報
【特許文献3】特開2002−249184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている包装体では、開口を開閉するための補強シートが、基材シートの外面に接着されている。また、特許文献2に開示されている包装体では、開口を開閉するための補強シートおよび可撓性シートが、基材シートの外面に接着される。このため、包装体に表示する装飾デザイン(基材シートに表示される装飾デザインと補強シート等に表示される装飾デザインを組み合わせた装飾デザイン)が制約される。一方、特許文献3に開示されている包装体では、開口を開閉するためのプラスチックシートおよび蓋用シートは、基材シートの内面に接着されている。しかしながら、特許文献3に開示されている包装体では、蓋用シートが、プラスチックシートに接着された状態で基材シートの開口に配置されている。このため、包装体に表示する装飾デザイン(基材シートに表示される装飾デザインと蓋用シートに表示される装飾デザインを組み合わせた装飾デザイン)が制約される。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、シート状物品を開口から取り出し可能に収容する包装体に表示する装飾デザインの自由度を高めることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の包装体は、シート状に形成された物品、好適にはウェットティッシュを取り出し可能に収容する包装体として使用される。
本発明は、第1のシートと、第2のシートと、第3のシートにより構成される。
第1のシートとしては、例えば、加熱することによって融着可能な熱融着シートが用いられる。好適には、物品を湿潤状態(湿った状態)に保持可能なシートが用いられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成される保護層、アルミニウムにより形成される湿潤保持層(乾燥防止層)、二軸延伸ポリプロピレン樹脂により形成される熱融着層(ヒートシール層)が積層された積層シートが用いられる。第1のシートによって、物品を収容する物品収容空間を有する本体が形成される。第1のシートには、第1の蓋部材が設けられている。
第2のシートとしては、好適には、剛性を有するシートが用いられる。例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成されたフィルムや合成紙が用いられる。第2のシートには、第2の蓋部材が設けられている。
第3のシートとしては、好適には、剛性を有するシートが用いられる。例えば、第2のシートと同じシートが用いられる。第3のシートには、物品収容空間に収容されている物品を取り出すための開口が形成されている。
第1のシート、第2のシートおよび第3のシートを接着することによって包装体が構成される。第2のシートの一方の面は、第2のシートに設けられている第2の蓋部材が第1のシートに設けられている第1の蓋部材と対向する位置に配置された状態で、第1のシートの物品収容空間側の面(裏面)に接着される。また、第2のシートの他方の面は、第3のシートに設けられている開口が第2のシートに設けられている第2の蓋部材によって覆われるように(第2の蓋部材と対向する位置に配置された状態で)、第3のシートの一方の面に接着される。この時、少なくとも第2の蓋部材が剥離可能に、第2のシートと第3のシートが接着される。
本発明では、物体収容空間を有する本体を形成する第1のシートに設けられている第1の蓋部材によって、第1のシートの裏面側に配置されている第3のシートに形成されている開口を開閉するため、包装体に表示する装飾デザインを第1のシートの表面にのみ表示すればよい、このため、包装体に表示する装飾デザインの自由度が高まる。また、第1のシートと第2のシートの間に、第2の蓋部材が設けられている第2のシートを介在させているため、開口部の強度および蓋の強度が高まる。
【0006】
本発明の一つの形態では、第1の蓋部材は第1の摘み部を有し、第2の蓋部材は第2の摘み部を有している。そして、第2の蓋部材の第2の摘み部が第1の蓋部材の第1の摘み部と対向する位置に配置されている状態で、第2のシートが第1のシートに接着される。本形態では、第1の蓋部材の摘み部と第2の蓋部材の摘み部が対向した状態で第1の蓋部材と第2の蓋部材が接着される。これにより、第1の蓋部材と第2の蓋部材により構成される蓋を容易に操作することができる。
【0007】
本発明の他の形態では、第1のシートに形成された第1の切込みによって第1の蓋部材が形成され、第2のシートに形成された第2の切込みによって第2の蓋部材が形成されている。そして、第1の切込みおよび第2の切込みの少なくとも一方は、閉じている切込みである。「切込み」として、一定間隔で形成される穴(典型的には、ミシン目)、一部を残して切断される部分切断線、全部が切断される切断線等を用いることができる。なお、「切込み」を形成する態様には、部分的に切断されている態様および全部が切断されている態様が包含される。「シートに形成されている切込みが閉じている」という記載は、切込みで囲まれている部分全体をシートから切り離し可能に、切込みが形成されることを意味する。本形態では、第1のシートと第2のシートに切込みを形成することによって蓋部材を容易に形成することができる。
【0008】
本発明の異なる他の形態では、第1のシートに形成された第1の切込みによって第1の蓋部材が形成され、第2のシートに形成された第2の切込みによって第2の蓋部材が形成されている。そして、第1の切込みおよび第2の切込みの少なくとも一方は、開口と対向する部分を挟んで第1の摘み部および第2の摘み部の少なくとも一方と反対側の個所が開いている。「シートに形成されている切込みが開いている」という記載は、切込みで囲まれている部分の一部がシートに接続された状態を保持するように、切込みが形成されることを意味する。本形態では、少なくとも一方の蓋部材は、一部がシートに接続されているため、紛失を防止することができる。
【0009】
本発明のさらに異なる他の形態では、第2の蓋部材は、第2の摘み部と、開閉部と、基部を有している。開閉部は、第3のシートに形成される開口を開閉可能な大きさ(開口を覆う大きさ)を有している(開閉部の面積>開口の面積)。基部は、開閉部を挟んで第2の摘み部と反対側に配置されている。そして、第2のシートの他方の面は、少なくとも第2の蓋部材が剥離可能に、第3のシートの一方の面に接着される。本形態では、第2のシートの他方の面は、第2の蓋部材の第2の摘み部の箇所では第3のシートの一方の面に接着されていない。これにより、ユーザは、第2の摘み部(第2の摘み部と第1の摘み部からなる摘み部)を指で容易に摘むことができ、第2の蓋部材(第1の蓋部材と第2の蓋部材からなる蓋部材)を第3のシートから剥離する操作が容易となる。また、本形態では、第2のシートの他方の面は、開閉部の箇所における接着強度(接着力)が、基部の箇所における接着強度(接着力)以上となるように、第3のシートの一方の面に接着される。「開閉部の個所における接着強度が、基部の個所における接着強度以上である。」という記載は、「開閉部の個所における接着強度が、基部の個所における接着強度より大きい。」構成だけでなく、「開閉部の個所における接着強度が、基部の個所における接着強度と同等である。」構成(例えば、同じ接着剤を用いて接着する)も意味する。「開閉部の個所における接着強度が、基部の個所における接着強度より大きい。」場合には、第2の蓋部材(第2の蓋部材と第1の蓋部材からなる蓋部材)が、開閉部と基部の境界箇所まで剥離されると、ユーザの指に印加される力が変化するため、ユーザは、第2の蓋部材(第2の蓋部材と第1の蓋部材からなる蓋部材)を開閉部と基部の箇所の境界まで剥離したことを容易に判別することができる。なお、第2のシートの他方の面の、第2の蓋部材の箇所を除く箇所における接着強度は、第2の蓋部材の個所における接着強度と同等であってもよい(例えば、同じ接着材を用いて接着する)が、第2の蓋部材の箇所における接着強度より大きい方が好ましい。典型的には、剥離不能に接着される。
第2のシートの他方の面を、第2の蓋部材が剥離可能に、第3のシートの他方の面に接着する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、第2のシートの他方の面に接着剤を塗布する。そして、接着剤を塗布した面の所望の箇所に、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のメジウムを印刷して、接着剤の接着強度(接着力)を調節する方法が用いられる。この場合、第2の蓋部材を除く箇所は、メジウムが印刷されない。これにより、第2の蓋部材を除く箇所は、接着剤によって強固に接着され、剥離が防止される。第2の蓋部材の開閉部と基部の箇所は、メジウムが、ドットやメッシュ等のパターンで印刷される。これにより、開閉部と基部の箇所における接着強度が、剥離可能な適宜の接着強度に調節される。接着強度は、ドットやメッシュの間隔等によって設定される。第2の蓋部材の第2の摘み部の箇所は、全面にメジウムが印刷される。これにより、第2の蓋部材の第2の摘み部は、接着されない。あるいは、第2のシートの他方の面に接着剤を塗布するとともに、第3のシートの一方の面の所望の箇所にシリコーン等の離型剤を塗布する方法を用いる。
なお、好適には、第1の蓋部材は、第2の蓋部材と同じ形状に形成される。また、第2のシートの一方の面を1のシートの裏面(物品収容空間側の面)に接着する方法としては、第1の蓋部材と第2の蓋部材からなる蓋部材を開閉操作する際に、第1の蓋部材と第2の蓋部材が剥離しない適宜の接着方法を用いることができる。
【0010】
本発明のさらに異なる他の形態では、第1の切込みおよび第2の切込みの少なくとも一方は、端部が剥離防止形状に形成されている。剥離防止形状には、例えば、切込みの両端部が、互いに対向する側に曲げられて曲線状に形成されている形状、切込みの端部が曲線状(典型的には、円弧状)に形成されている形状等が含まれる。本形態では、蓋部材が端部の箇所まで剥離された場合には、剥離防止形状によって、ユーザの指に印加され反力が変化するため、ユーザは、蓋部材を端部の箇所まで剥離したことを容易に判別することができる。これにより、端部の箇所が損傷するのを防止することができる。
【0011】
本発明のさらに異なる他の形態では、第1の蓋部材および第2の蓋部材の少なくとも一方は、開口と対向する部分を挟んで第1の摘み部および第2の摘み部の少なくとも一方と反対側の個所に、第1の蓋部材および第2の蓋部材の少なくとも一方を剥離する方向と交差する方向に沿って形成されたスリットを有している。「剥離する方向」は、蓋部材の摘み部を指で摘み、開口が開く方向に引っ張った時に、蓋部材が剥離されていく方向を意味する。また、「スリット」は、典型的には、シートの厚さ以下の深さを有する溝により構成される。スリットとしては、2点の間に連続して形成されたスリット(連続スリット)を用いることもできるし、2点の間に離間して形成された複数のスリット(分割スリット)を用いることもできる。本形態では、スリットがヒンジ構造の回動軸として作用するため、蓋部材が開方向に戻る力が小さくなる。これにより、蓋部材を手で押さえることなく、物品収容区間に収容されている物品を開口から容易に取り出すことができる。
【0012】
本発明のさらに異なる他の形態では、第1の蓋部材および第2の蓋部材の少なくとも一方は、蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って離間して形成された複数のスリットを有している。蓋部材を剥離する方向と交差する方向は、典型的には、剥離する方向と直交する(略直交を含む)方向が対応する。本形態では、蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って形成されている複数のスリット(分割スリット)がヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、物品収容区間に収容されている物品を開口から容易に取り出すことができる。また、離間して複数のスリットが形成されているため、強度の低下を防止することができる。
【0013】
本発明のさらに異なる他の形態では、第2の蓋部材は、開口と対向する部分を挟んで第2の摘み部と反対側であって、第2の蓋部材を剥離する方向に沿って離間した複数の個所に、第2の蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って形成された複数のスリットを有している。本形態では、離間して形成されたスリットのうち、摘み部から離れている側のスリットが、ヒンジ構造の回動軸として作用する場合に、摘み部に近い側に形成されているスリットによって、蓋部材が開方向に戻る力がより小さくなる。これにより、物品収容区間に収容されている物品を開口からより容易に取り出すことができる。
【0014】
本発明のさらに異なる他の形態では、第2の蓋部材は、開口と対向する部分を挟んで第2の摘み部と反対側であって、第2の蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って欠如している欠如部を有している。欠如部の形状は適宜選択することができる。本形態では、欠如部の、摘み部と反対側の縁部がヒンジ構造の回動軸として作用する時、欠如部によってヒンジ構造の剛性が低下する。これにより、品収容区間に収容されている物品を開口からより容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の包装体では、物品を取り出し可能に物品収容空間に収容する包装体に表示する装飾デザインの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態の、開口が閉じている状態の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の、開口が開いている状態の斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の概要を説明する図である。
【図4】中間シートの接着面を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の、開口が閉じている状態の断面図(図1のV−V線断面図)である。
【図6】第1の実施の形態の、開口が開いている状態の断面図(図2のVI−VI線断面図)である。
【図7】第2の実施の形態の、開口が閉じている状態の斜視図である。
【図8】第2の実施の形態の、開口が開いている状態の斜視図である。
【図9】第2の実施の形態の概要を説明する図である。
【図10】中間シートの接着面を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の、開口が閉じている状態の断面図(図6のXI−XI線断面図)である。
【図12】第2の実施の形態の、開口が開いている状態の断面図(図7のXII−XII線断面図)である。
【図13】第3の実施の形態の概要を説明する図である。
【図14】第4の実施の形態の概要を説明する図である。
【図15】第5の実施の形態の概要を説明する図である。
【図16】第6の実施の形態の概要を説明する図である。
【図17】第6の実施の形態の、開口が閉じている状態の斜視図である。
【図18】第6の実施の形態の、開口が開いている状態の斜視図である。
【図19】第7の実施の形態の概要を説明する図である。
【図20】第2の実施の形態の変更例を説明する図である。
【図21】第2の実施の形態の他の変更例を説明する図である。
【図22】第2の実施の形態の他の変更例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態は、ウェットティッシュ10を取り出し可能に収容する包装体として構成されている。
第1の実施の形態の包装体100を、図1〜図6を参照して説明する。なお、図1および図5は、それぞれ開口132aを閉じた状態の斜視図および断面図を示している。図2および図6は、それぞれ開口132aを開いた状態の斜視図および断面図を示している。図3は、基材シート110、中間シート120、内部シート130を示している。図4は、中間シート120の接着面を示している。
ウェットティッシュ10は、繊維材料をシート状に形成した基材(例えば、不織布、ガーゼ、コットンシート、ティッシュペーパー)に液体(例えば、アルコール、消毒液、化粧水)等を含浸させたものを意味する。ウェットティッシュ10が本発明の「物品」あるいは「シート状に形成されたシート状物品」に対応する。
【0018】
本実施の形態の包装体100は、基材シート110、中間シート120、内部シート130により構成されている。基材シート110が本発明の「第1のシート」に対応し、中間シート120が本発明の「第2のシート」に対応し、内部シート130が本発明の「第3のシート」に対応する。
基材シート110によって、ウェットティッシュ10を収容するウェットティッシュ収容空間100aを有する本体が形成される。ウェットティッシュ収容空間100aは、上壁100bと下壁100cによって形成される。ウェットティッシュ収容空間100aが本発明の「物品収容空間」に対応する。なお、ウェットティッシュ10は、後述する開口132a(122a、112a)から取り出すことができるように、ウェットティッシュ収容空間100a内に収容される。例えば、折り返されたウェットティッシュ10を積み重ねた状態でウェットティッシュ収容空間100a内に収容する。好適には、最上部のウェットティッシュ10(後述する開口132aと対向するウェットティッシュ10)の折り返し部の一部が開口132aの個所に配置されるように積み重ねられる。
【0019】
基材シート110としては、例えば、加熱することによって融着可能な熱融着フィルム等が用いられる。本実施の形態では、ウェットティッシュ10を収容するため、熱融着フィルムとしては、ウェットティッシュ10を湿潤状態(湿った状態)に保持可能、言い換えれば、乾燥を防止可能なフィルムを用いるのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成される保護層、アルミニウムにより形成される湿潤保持層(乾燥防止層)、二軸延伸ポリプロピレン樹脂により形成される熱融着層(ヒートシール層)が積層された積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。このような熱融着フィルムにより構成される基材シート110を用いて本体を形成する場合には、典型的には、基材シート110によってウェットティッシュ10を包み、重ねられている基材シート110を押圧および加熱する。これにより、対向する熱融着層(二軸延伸ポリプロピレン樹脂層)が溶融して接合され、縦シール部(図示省略)および横シール部111a、111bが形成される。縦シール部は、本体の下部に、本体の製造時における基材シート110の搬送方向に沿って形成される。横シール部は、基材シート110の搬送反双方向に沿って離間した箇所に、基材シートの搬送方向に交差する方向に沿って形成される。
なお、保護層は省略することができる。また、湿潤保持層(乾燥防止層)は、ウェットティッシュ収容空間100aに収容されているウェットティッシュ10の湿潤状態を維持する(乾燥を防止する)ことができればよく、アルミニウム層に限定されない。また、熱融着層は、加熱されることによって融着されればよく、二軸延伸ポリプロピレン樹脂層に限定されない。
【0020】
基材シート110には、上壁100bに対応する箇所に、切込み112が形成されている。この切込み112で囲まれる部分によって、基材シート側の蓋部材(以下、「第1の蓋部材」という)113が形成される。すなわち、切込み112は、第1の蓋部材113の外周縁に沿って形成される。切込み112としては、例えば、一定間隔で形成される穴(「ミシン目」と呼ばれている)、部分切断線(一部を残して切断されている)、切断線(全部が切断されている)が用いられる。ミシン目や部分切断線は、最初に、第1の蓋部材113に、第1の蓋部材113が基材シート110から離れる方向に外力が加えられた時に、第1の蓋部材113の外周縁が基材シート110から離れるように形成される。本発明では、「切込み」を形成する態様には、部分的に切断されている態様および全部が切断されている態様が包含される。基材シート110に形成されている切込み112が、本発明の「第1の切込み」に対応する。
第1の蓋部材113は、摘み部113aを有している。摘み部113aは、第1の開閉部材113を操作する摘みとして用いられる。なお、後述するように、第1の蓋部材113と第2の蓋部材123が接着されて蓋140が構成されるため、摘み部113aは、蓋140を操作する摘みとして用いられる。第1の蓋部材113の摘み部113aが、本発明の「第1の摘み部」に対応する。
なお、切込み112は、閉じているように形成することもできるし、開いているように形成することもできる。切込み112が閉じている状態は、第1の蓋部材113を基材シート110から切り離すことができるように、切込み112が形成されている状態を意味する(例えば、図3参照)。一方、切込み112が開いている状態は、第1の蓋部材113の一部が基材シート110と接続されている状態を保持するように、切り込み112が形成されている状態を意味する(例えば、図8参照)。本実施の形態では、図3に示されているように、切込み112は、閉じている。この場合、第1の蓋部材113は、摘み部113aと端壁113bを有している。
本明細書では、「シートに形成されている切込みが閉じている」という記載は、切込みで囲まれている部分全体をシートから切り離し可能に、切込みが形成されることを意味する。また、「シートに形成されている切込みが開いている」という記載は、切込みで囲まれている部分の一部がシートに接続された状態を保持するように、切込みが形成されることを意味する。
【0021】
中間シート120としては、剛性を有するシートが用いられる。例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成されたフィルムや合成紙が用いられる。中間シート120の厚さは、適宜設定される。
中間シート120の面積(大きさ)は、基材シート110に形成されている第1の蓋部材113の面積(切込み112により囲まれている領域の面積)より大きく設定されている。そして、中間シート120には、切込み122が形成されている。この切込み122で囲まれる部分によって、中間シート側の蓋部材(以下、「第2の蓋部材」という)123が形成される。すなわち、切込み122は、第2の蓋部材123の外周縁に沿って形成される。切込み122としては、前述したミシン目、部分切断線や切断線等が用いられる。本実施の形態では、切込み122としてミシン目が用いられている。そして、最初に、第2の蓋部材123に、第2の蓋部材123が中間シート120から離れる方向に外力が加えられた時に、ミシン目間の部分が切断され、第2の蓋部材123の外周縁が中間シート120から離れる。中間シート120に形成されている切込み122が、本発明の「第2の切込み」に対応する。
第2の蓋部材123は、摘み部123aを有している。摘み部123aは、第2の開閉部材123を操作する摘みとして用いられる。なお、摘み部123aは、蓋140を操作する摘みとして用いられる。第2の蓋部材123の摘み部123aが、本発明の「第2の摘み部」に対応する。
また、本実施の形態では、図3に示されているように、切込み122は、開いている。すなわち、切込み122は、端部122cと端部122dの間に形成されている。この場合、第2の蓋部材113は、端部122cと122dの箇所まで、中間シート120から離すことができる。
本実施の形態では、後述するように、第1の蓋部材113と第2の蓋部材123が接着されて蓋140が構成されるため、第1の蓋部材113の外周縁と第2の蓋部材123の外周縁を同じ形状(略同じ形状を含む)に形成するのが好ましい。例えば、第1の蓋部材113の外周縁の、端壁113bの近傍の部分を除く箇所と、第2の蓋部材123の外周縁の、端部122cおよび122dの近傍を除く箇所を同じ形状に形成する。同じ形状に形成する箇所は、後述する内部シート130に形成されている開口132aからウェットティッシュ10を取り出すことができる適宜の箇所を選択することができる。なお、第1の蓋部材113の摘み部113aと端壁113bの間の長さは、第2の蓋部材123の摘み部123aと端部122c(122d)の間の長さより長くするのが好ましい。
【0022】
内部シート130としては、剛性を有するシートが用いられる。例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成されたフィルムや合成紙が用いられる。中間シート120の厚さは、適宜設定される。
内部シート130の面積(大きさ)は、中間シート120に形成されている第2の蓋部材123の面積(切込み122で囲まれている領域の面積)より大きく設定されている。そして、内部シート130には、切込み132が形成されている。この切込み132で囲まれる部分によって開口形成片133が形成される。すなわち、切込み132は、ウェットティッシュ10をウェットティッシュ収容空間100aから取り出すための開口132aの開口縁に沿って形成される。切込み132は、閉じている。開口132aの面積(切込み132で囲まれる領域の面積)は、中間シート120に形成されている第2の蓋部材123の面積(切込み122で囲まれる領域の面積)より小さく設定されている。切込み132の形状や大きさ、すなわち、開口132aの形状や大きさは、ウェットティッシュ収容空間100aに収容されているウェットティッシュ10を取り出すことができる種々の形状や大きさに設定することができる。例えば、楕円形状、円形形状、四角形状に形成することができる。本実施の形態では、楕円形状に形成されている。内部シート130に形成されている切込み132が、本発明の「第3の切込み」に対応する。
切込み132としては、前述したミシン目、部分切断線や切断線等が用いられる。本実施の形態では、切込み132としてミシン目が用いられている。そして、最初に、開口形成片133に、開口形成片133が内部シート130から離れる方向に外力が加えられた時に、ミシン目間の部分が切断され、開口形成片133が内部シート130から離れる。
【0023】
次に、基材シート110、中間シート120および内部シート130によって包装体100を構成する方法の一実施の形態を説明する。
本実施の形態では、中間シート120の両面に接着剤が塗布される。図5、図6では、中間シート120の一方の面に第1の接着剤124が塗布され、他方の面に第2の接着剤125が塗布されている。
そして、第2の接着剤125によって、内部シート130の一方の面を中間シート120の他方の面に接着する。この場合、内部シート130に形成される切込み132で囲まれる開口形成片133(開口132a)が、中間シート120に形成されている第2の蓋部材123(切込み122で囲まれる部分)と対向する位置に配置されている状態で、内部シート130と中間シート120が接着される。第2の接着剤125としては、少なくとも第2の開閉部材123を、繰り返し剥離可能に内部シート130の一方の面に接着する接着剤が用いられる。例えば、感圧接着剤が用いられる。これにより、内部シート130に形成されている開口132aが第2の蓋部材123によって開閉される。
【0024】
中間シート120の他方の面を、第2の蓋部材123が剥離可能に、内部シート130の一方の面に接着する方法を、図4を参照して説明する。図4に示されている接着方法では、中間シート120の他方の面に第1の接着剤125を塗布し、また、第1の接着剤125を塗布した面の所望の箇所に、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のメジウムを印刷して接着強度(接着力)を調節している。
図4では、第2の接着剤125が塗布されている面のうち、第2の蓋部材123を除く箇所125aには、メジウムが印刷されていない。これにより、中間シート120の他方の面は、第2の蓋部材123を除く箇所125aでは、第2の接着剤125によって内部シート130の一方の面に強固に接着される。
また、第2の接着剤125が塗布されている面のうち、第2の蓋部材123の摘み部123aに対応する箇所125cには、全面にメジウムが印刷されている。これにより、中間シート120の他方の面は、第2の蓋部材123の摘み部123aの箇所では、内部シート130の一方の面に接着されない。このため、ユーザは、第2の蓋部材123の第2の摘み部123a(第2の蓋部材123と第1の蓋部材113からなる蓋140の摘み部)を容易に摘むことができるため、第2の蓋部材123(第2の蓋部材123と第1の蓋部材113からなる蓋140)を内部シート130から剥離する操作が容易となる。
また、第2の接着剤125が塗布されている面のうち、第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125b、基部に対応する箇所125dには、メジウムが印刷される。第2の蓋部材123の開閉部(125bに対応する箇所)は、内部シート130に形成される開口132a(切込み132で囲まれる箇所)を開閉する部分であり、開口132aの面積より大きい面積を有している。第2の蓋部材123の基部(125dに対応する箇所)は、第2の蓋部材123が内部シート130から完全に剥離されるのを防止する部分である。第2の蓋部材123の基部は、開閉部(開口132aに対向する部分b)を挟んで、摘み部材123aと反対側に配置されている。第2の蓋部材123の基部に対応する箇所125dにおける接着強度(接着力)は、第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度(接着力)以上(同等を含む)に設定される。好適には、第2の開閉部材123の基部に対応する箇所125dにおける接着強度は、第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度より大きく設定される。第2の蓋部材123の基部に対応する箇所125dにおける接着強度を開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度より大きくすることにより、ユーザは、摘み部を指で摘んで蓋140を開操作する時、指に印加される反力の変化によって、蓋140(第2の蓋部材123)が開閉部と基部の境界の箇所まで剥離されたことを判別することができる。第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度や、基部に対応する箇所125dにおける接着強度は、例えば、印刷するメジウムのドットやメッシュの大きさ、幅や間隔等によって調節することができる。第2の開閉部材123の基部に対応する箇所125dにおける接着強度を第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度と同等に設定する場合には、例えば、基部に対応する箇所125dおよび開閉部に対応する個所125bに同じドットやメッシュを印刷する。
なお、第1の接着剤125が塗布されている面のうち、内部シート130に形成されている開口132aに対向する箇所125cには、メジウムを印刷しないのが好ましい。
【0025】
また、第1の接着剤124によって、中間シート120の一方の面を基材シート110の裏面(ウェットティッシュ収容空間100a側の面)に接着する。この場合、中間シート120に形成されている第2の蓋部材123の摘み部123aが、基材シート110に形成されている第1の蓋部材113の摘み部113aと対向する位置に配置されている状態で、中間シート120と基材シート110が接着される。第1の接着剤124としては、種々の接着剤を用いることができる。好適には、第1の接着剤124として、第2の接着剤125より接着強度(接着力)が大きい接着剤が用いられる。勿論、第2の接着剤と同じ感圧接着剤を用いることもできる。これにより、第1の蓋部材113と第2の蓋部材123が接着さる。そして、第1の蓋部材113の摘み部113aを摘み、第1の蓋部材113を基材シート110から離れる方向に引っ張ると、第1の蓋部材113に接着されている第2の蓋部材123が、中間シート120から離れる方向に引っ張られる。
【0026】
次に、実施の形態の包装体100のウェットティッシュ収容空間100aに収容されているウェットティッシュ10を取り出す操作を説明する。
ウェットティッシュ10を使用しない時には、図1および図5に示されているように、第2の蓋部材123は、第2の接着剤125によって、内部シート130の一方の面に接着され、第1の蓋部材113は、第1の接着剤124によって第2の蓋部材123の一方の面に接着されている。これにより、内部シート130に形成されている開口132aは、第2の蓋部材133(第1の蓋部材113と第2の蓋部材233により構成される蓋140)によって閉じられている。
ウェットティッシュ10を使用する時には、第1の蓋部材113の摘み部113a(蓋140の摘み部)をユーザの指で摘み、図2および図6に示されている黒矢印の方向に引っ張る。これにより、第1の蓋部材113(第1の蓋部材113に接着されている第2の蓋部材123)は、摘み部113a側から端部113b側に、基材シート110の表面(ウェットティッシュ収容空間100aと反対側の面)から順次離れていく。そして、第2の蓋部材123(第2の蓋部材123に接着されている第1の蓋部材113)が、内部シート130の一方の面から離れ、開口132aが開く。第2の蓋部材123(蓋140)が開閉部と基部の境界部分(図4に示されている125bと125dの境界部分)まで剥離されると、ユーザの指に印加される反力が増大する、これにより、ユーザは、第2の蓋部材123(蓋140)が基部の箇所まで剥離されたことを判別する。
本実施の形態では、基材シート110に形成されている切込み112は閉じており、中間シート120に形成されている切込み122は開いている。また、第1の蓋部材113の摘み部113aと端壁113bの間の長さが、第2の蓋部材123の摘み部123aと端部122c(122d)の間の長さより長く設定されている。すなわち、切込み122の端部122cおよび122dが、切込み112の端壁112bより摘み部113a(123a)側に配置されている。このため、第1の蓋部材113が端壁112bの箇所まで基材シート110の表面から離れる前に、第2の蓋部材123が端部122cあるいは122dの箇所まで中間シート120の一方の面から離れた(剥離された)時点で、それ以上の剥離が防止される。本実施の形態では、中間シート120の端部122cおよび122dは、蓋140(第1の蓋部材113および第2の蓋部材123)のそれ以上の剥離を防止する剥離防止部として作用する。
【0027】
第1の実施の形態では、基材シート110に、閉じている切込み112を形成し、中間シート120に、開いている切込み122を形成したが、切込み112や122の形状はこれに限定されない。
第2の実施の形態の包装体200を、図7〜図12を参照して説明する。なお、図7および図11は、それぞれ開口232aを閉じた状態の斜視図および断面図を示している。図8および図12は、それぞれ開口232aを開いた状態の斜視図および断面図を示している。図9は、基材シート210、中間シート220、内部シート230を示している。
本実施の形態の包装体200は、基材シート210、中間シート220、内部シート230により構成されている。図10は、中間シート120の接着面を示している。なお、図7〜図12では、第1の実施の形態の構成と対応する構成には、百番代の数字を除いて同じ数字が付されている。
【0028】
基材シート210は、第1の実施の形態の基材シート110と同様のシートを用いることができる。基材シート210によって、ウェットティッシュ10を収容するウェットティッシュ収容空間200aを有する本体が形成される。ウェットティッシュ収容空間200aは、上壁200bと下壁200cによって形成される。
基材シート210には、上壁200bに対応する箇所に、切込み212が形成されている。この切込み212で囲まれる部分によって、基材シート側の蓋部材(第1の蓋部材)123が形成される。切込み212としては、ミシン目、部分切断線、切断線等を用いることができる。第1の蓋部材213は、摘み部213aを有している。
本実施の形態では、図9に示されているように、切込み212は、開いている。すなわち、切込み212は、端部212cと端部212dの間に形成されている。この場合、第1の蓋部材213は、端部212cと212dの箇所まで、基材シート210から離すことができる。
【0029】
中間シート220は、第1の実施の形態の中間シート120と同様のシートを用いることができる。中間シート220の面積(大きさ)は、基材シート210に形成されている第1の蓋部材213の面積より大きく設定されている。そして、中間シート220には、切込み222が形成されている。この切込み222で囲まれる部分によって、中間シート側の蓋部材(第2の蓋部材)223が形成される。切込み222としては、ミシン目、部分切断線、切断線を用いることができる。本実施の形態では、切込み222としてミシン目が用いられている。
本実施の形態では、図9に示されているように、切込み222は、閉じている。この場合、第2の蓋部材223は、摘み部223aと端壁223bを有している。
本実施の形態では、第1の蓋部材213と第2の蓋部材223が接着されて蓋240が構成されるため、第1の蓋部材213の外周縁と第2の蓋部材223の外周縁を同じ形状(略同じ形状を含む)に形成するのが好ましい。例えば、第1の蓋部材213の端部212cおよび212dの近傍を除く箇所と、第2の蓋部材223の端壁223bcの近傍を除く箇所を同じ形状に形成する。なお、第1の蓋部材213の摘み部213aと端部212c(212d)の間の長さは、第2の蓋部材223の摘み部223aと端壁223bの間の長さより長くするのが好ましい。
【0030】
内部シート230は、第1の実施の形態の内部シート130と同様のシートを用いることができる。内部シート230の面積(大きさ)は、中間シート220に形成されている第2の蓋部材223の面積より大きく設定されている。そして、内部シート230には、切込み232が形成されている。この切込み232で囲まれる部分によって開口形成片233が形成される。すなわち、切込み232は、ウェットティッシュ10をウェットティッシュ収容空間200aから取り出すための開口232aの開口縁に沿って形成される。切込み232は、閉じている。開口232aの面積は、中間シート220に形成されている第2の蓋部材223の面積より小さく設定されている。切込み232としては、ミシン目、部分切断線や切断線等が用いられる。本実施の形態では、切込み132としてミシン目が用いられている。
【0031】
基材シート210、中間シート220および内部シート230によって包装体200を構成する方法としては、前述した方法を用いることができる。
中間シート120の一方の面に塗布された第1の接着剤224と他方の面に塗布された第2の接着剤225によって、中間シート220の一方の面を基材シート210の裏面に接着するとともに、内部シート230の一方の面を中間シート220の他方の面に接着する。この時、内部シート230に形成されている開口形成片233(開口232a)が中間シート220に形成されている第2の蓋部材223と対向する位置に配置され、中間シート220に形成されている第2の蓋部材223の摘み部223aが基材シート210に形成されている第1の蓋部材213の摘み部213aと対抗する位置に配置されている状態で内部シート230、中間シート220、基材シート210が接着される。
また、本実施の形態の包装体200のウェットティッシュ収容空間200aに収容されているウェットティッシュ10を取り出す操作は、第1の実施の形態の包装体100と同様である。
本実施の形態では、基材シート210には、閉じている切込み212が形成されており、中間シート220には、開いている切込み222が形成されている。また、第1の蓋部材213の摘み部213aと端部212c(212d)の間の長さが、第2の蓋部材223の摘み部223aと端底223bの間の長さより長く設定されている。このため、蓋240(第1の蓋部材213と第2の蓋部材223)を端部212cあるいは212dの箇所まで開ける(剥離する)と、端壁223bがヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、端壁223bの箇所まで蓋240(第1の蓋部材213と第2の蓋部材223)を開けると、開口232aを閉じる方向(閉方向)に戻る力が弱くなる。したがって、開口232aからウェットティッシュ10を取り出す際に、蓋240を手で押さえておく必要がなくなる。すなわち、ウェットティッシュ10の取り出し性能が向上する。また、本実施の形態では、基材シート210の端部212cおよび212dは、蓋240(第1の蓋部材213および第2の蓋部材223)のそれ以上の剥離を防止する剥離防止部として作用する。
【0032】
次に、本実施の形態の包装体200のウェットティッシュ収容空間200aに収容されているウェットティッシュ10を取り出す操作を説明する。
ウェットティッシュ10を使用しない時には、図7および図11に示されているように、第2の蓋部材223は、第2の接着剤225によって、内部シート230の一方の面に接着され、第1の蓋部材213は、第1の接着剤224によって第2の蓋部材223の一方の面に接着されている。これにより、内部シート230に形成されている開口232aは、第2の蓋部材223(第1の蓋部材213と第2の蓋部材223により構成される蓋240)によって閉じられている。
ウェットティッシュ10を使用する時には、第1の蓋部材213の摘み部213a(蓋240の摘み部)をユーザの指で摘み、図8および図12に示されている黒矢印の方向に引っ張る。これにより、第1の蓋部材213(第1の蓋部材213に接着されている第2の蓋部材223)は、摘み部213a側から順次剥離されていく。そして、第2の蓋部材223(第2の蓋部材223に接着されている第1の蓋部材213)が、内部シート230の一方の面から離れ、開口232aが開く。第2の蓋部材223(蓋240)が開閉部と基部の境界部分(図10に示されている225bと225dの境界部分)まで剥離されると、ユーザの指に印加される反力が増大する、これにより、ユーザは、第2の蓋部材223(蓋240)が基部の箇所まで剥離されたことを判別する。
さらに、第1の蓋部材223(蓋240)を開操作し、第2の蓋部材223が端壁223bの箇所まで剥離されると、端壁223bがヒンジ機構の回動軸として作用する。この場合、第2の蓋部材323(蓋240)が閉方向に戻る力が弱くなる。このため、蓋240の摘み部(第1の摘み部213a、第2の摘み部223a)を引っ張る力を解除しても、蓋240(第1の蓋部材213、第2の蓋部材223)は、開口232aを開いている位置に保持される。したがって、本実施の形態では、片手でウェットティッシュ10をウェットティッシュ収容空間200aから取り出すことができる。
なお、本実施の形態では、基材シート210に形成されている切込み212は開いており、中間シート220に形成されている切込み222は閉じている。また、第1の蓋部材213の摘み部213aと端部212c(212d)の間の長さが、第2の蓋部材223の摘み部223aと端壁223bの間の長さより長く設定されている。すなわち、切込み222の端壁223bが、切込み212の端部212cおよび212dより摘み部223a(213a)側に配置されている。このため、第2の蓋部材223が端壁223bの箇所まで剥離されても、蓋240は、第1の蓋部材213によって、基材シート210に接続された状態が保持される。また、基材シート210に形成されている端部212cおよび212dは、蓋240(第1の蓋部材213および第2の蓋部材223)のそれ以上の剥離を防止する剥離防止部として作用する。
【0033】
次に、第3の実施の形態の包装体を、図13を参照して説明する。本実施の形態の基材シート310、中間シート320、内部シート330は、図13に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート310、中間シート320、内部シート330としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート310には、閉じている切込み312が形成されており、中間シート320には、閉じている切込み323が形成されている。また、第2の蓋部材323には、摘み部323aと端壁323bの間に、端壁323bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)326が形成されている。スリット326は、内部シート330に形成されている開口332aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部323aと反対側の箇所に形成される。スリット324は、中間シート320の厚さ以下の深さを有する溝により構成される。なお、スリット326は、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に沿って形成するのが好ましい。
また、第1の蓋部材313の摘み部313aと端壁313bの間の長さと、第2の蓋部材323の摘み部323aと端壁323bの間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材313と第2の蓋部材323)をスリット324の箇所まで開ける(剥離する)と、スリット324がヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、スリット324の箇所まで蓋(第1の蓋部材313と第2の蓋部材323)を開けると、蓋が開口332aを閉じる方向(閉方向)に戻る力が弱くなる。したがって、第2の実施の形態と同様に、ウェットティッシュ10の取り出し性能が向上する。
【0034】
次に、第4の実施の形態の包装体を、図14を参照して説明する。本実施の形態の基材シート410、中間シート420、内部シート430は、図14に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート410、中間シート420、内部シート430としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート410には、閉じている切込み412が形成されており、中間シート420には、閉じている切込み422が形成されている。また、第1の蓋部材413には、摘み部413aと端壁413bの間に、端壁413bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)416が形成されている。スリット416は、内部シート430に形成されている開口432aと対向する箇所を挟んで、摘み部413aと反対側の箇所に形成される。また、第2の蓋部材423には、摘み部423aと端壁423bの間に、端壁423bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)426が形成されている。スリット426は、内部シート430に形成されている開口432aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部423aと反対側の箇所に形成される。なお、スリット426は、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に沿って形成するのが好ましい。
また、第1の蓋部材413の摘み部413aと端壁413bの間の長さと、第2の蓋部材423の摘み部423aと端壁423bの間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。さらに、第1の蓋部材413の摘み部413aとスリット416の間の長さと、第2の蓋部材423の摘み部423aとスリット426の間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。すなわち、本実施の形態では、第1の蓋部材413のスリット416と第2の蓋部材423のスリット426は、対向する箇所に形成されている。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材413と第2の蓋部材423)をスリット416(426)の箇所まで開ける(剥離する)と、スリット416および426がヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、スリット416(426)の箇所まで蓋(第1の蓋部材413と第2の蓋部材423)を開けると、蓋が開口432aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。したがって、ウェットティッシュ10の取り出し性能がより向上する。
【0035】
次に、第5の実施の形態の包装体を、図15を参照して説明する。本実施の形態の基材シート510、中間シート520、内部シート530は、図15に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート510、中間シート520、内部シート530としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート510には、閉じている切込み512が形成されており、中間シート520には、閉じている切込み522が形成されている。また、第1の蓋部材513には、摘み部513aと端壁513bの間に、端壁513bと平行(略平行を含む)に、複数のスリット(分割スリット)が形成されている。本実施の形態では、端壁513bと平行な線の両端側にそれぞれスリット(分割スリット)517a、517bが形成されている。スリット517a、517bは、内部シート530に形成されている開口532aと対向する箇所を挟んで、摘み部513aと反対側の箇所に形成される。
また、第2の蓋部材523には、摘み部523aと端壁523bの間に、端壁523bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)526が形成されている。スリット526は、両端の間に連続して形成されている。スリット526は、内部シート530に形成されている開口532aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部523aと反対側の箇所に形成される。なお、スリット526は、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に沿って形成するのが好ましい。
また、第1の蓋部材513の摘み部513aと端壁513bの間の長さと、第2の蓋部材523の摘み部523aと端壁523bの間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。さらに、第1の蓋部材513の摘み部513aとスリット517a(517b)の間の長さと、第2の蓋部材523の摘み部523aとスリット526の間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。すなわち、本実施の形態では、第1の蓋部材513のスリット517a(517b)と第2の蓋部材523のスリット526は、対向する箇所に形成されている。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材513と第2の蓋部材523)をスリット517a(517b)、526の箇所まで開ける(剥離する)と、スリット517a(517b)および526がヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、第4の実施の形態と同様に、スリット517a(517b)および526の箇所まで蓋(第1の蓋部材513と第2の蓋部材523)を開けると、蓋が開口532aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。したがって、ウェットティッシュ10の取り出し性能がより向上する。また、本実施の形態では、第1の蓋部材513に複数のスリット(分割スリット)517a、517bを離間して形成しているため、実施の形態4と比べて、第1の蓋部材513の強度が高い。
なお、第2の蓋部材523のスリット(連続スリット)526に代えて、分割スリットを形成してもよい。すなわち、第1の蓋部材513と第2の蓋部材523の一方に連続スリットを形成し、他方に分割スリットを形成する態様、第1の蓋部材513と第2の蓋部材523の双方に分割スリットを形成する態様、第1の蓋部材513と第2の蓋部材523の双方に分割スリットを形成する態様を用いることができる。
【0036】
次に、第6の実施の形態の包装体を、図16〜図18を参照して説明する。本実施の形態の基材シート610、中間シート620、内部シート630は、図16に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート610、中間シート620、内部シート630としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート610には、閉じている切込み612が形成されており、中間シート620には、閉じている切込み622が形成されている。また、第2の蓋部材623には、摘み部623aと端壁623bの間に、欠如部628が設けられている。欠如部628は、内部シート630に形成されている開口632aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部623aと反対側の箇所に形成される。なお、欠如部628は、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に対応する箇所に形成するのが好ましい。例えば、欠如部626の端壁623b側の縁部あるいは端壁623bと反対側の縁部を、開閉部と基部の境界線に対応する箇所に形成する。本実施の形態では、欠如部628は、第2の蓋部材623の開方向に沿った設定幅を有している。第2の蓋部材623の開方向は、摘み部623aを摘んで、開口632aが開く方向に引っ張った時に、第2の蓋部材623が内部シート630から剥離されていく方向(図16では左右方向)を意味する。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材613と第2の蓋部材623)を欠如部626の箇所まで開ける(剥離する)と、欠如部626の端壁623b側の縁部がヒンジ構造の回動軸として作用する(図18参照)。この時、欠如部626の存在によって、ヒンジ構造の強度が低下するため、蓋が開口632aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。したがって、ウェットティッシュ10の取り出し性能がより向上する。
【0037】
次に、第7の実施の形態の包装体を、図19を参照して説明する。本実施の形態の基材シート710、中間シート720、内部シート730は、図19に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート710、中間シート720、内部シート730としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート710には、閉じている切込み712が形成されており、中間シート720には、閉じている切込み722が形成されている。また、第2の蓋部材723には、摘み部723aと端壁723bの間に、第2の蓋部材723の開方向に沿って設定距離離れた箇所に、第2の蓋部材723の開方向と交差する方向に複数のスリットが形成されている。本実施の形態では、端壁723bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)726a、726bが形成されている。スリット726a、726bは、内部シート730に形成されている開口732aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部723aと反対側の箇所に形成される。なお、スリット726a、726bは、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に対応する箇所に形成するのが好ましい。例えば、スリット726a、726bの一方を、開閉部と基部の境界線に対応する箇所に形成する。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材713と第2の蓋部材723)をスリット726aの箇所まで開ける(剥離する)と、スリット726aがヒンジ構造の回動軸として作用し、蓋が開口732aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。さらに、蓋(第1の蓋部材713と第2の蓋部材723)をスリット726bの箇所まで開ける(剥離する)と、スリット726bがヒンジ構造の回動軸として作用し、蓋が開口732aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。本実施の形態では、スリット726bより摘み部723a側にスリット726aが形成されているため、蓋が開口732aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。したがって、ウェットティッシュ10の取り出し性能がより向上する。また、実施の形態6と異なり、スリット726aと726bの間に欠如部がないため、凹凸が無くなり、精度よく加工をすることができる。
【0038】
シートに、開いている切込みによって蓋部材が形成されている場合、蓋を端部の箇所まで剥離した後、さらに蓋を引っ張ると、切込みの端部が損傷する虞がある。このため、切込みの端部に剥離防止部を設けるのが好ましい。切込みの端部に剥離防止部を設けた変更例を図20に示す。図20に示す変更例では、基材シート810に、開いている切込み812が形成されている。そして、切込み812の端部が互いに対向する方向に曲げられて、曲線形状を有する剥離防止部813e、813fが形成されている。これにより、切込み813の端部の強度が向上し、切込みの端部が損傷するのを防止することができる。
切込みの端部に剥離防止部を設けた他の変更例を図21に示す。図21に示す変更例では、基材シート810に、開いている切込み812が形成されている。そして、切込み912の端部に、互いに対向する側に窪んでいる切欠からなる剥離防止部を813g、813hが形成されている。蓋が剥離防止部(切欠)の箇所まで剥離されると、ユーザの指に作用する反力が減少する。これにより、ユーザは、蓋が剥離防止部(切欠)の近傍まで剥離されたことを判別し、蓋を引っ張る操作を停止することができる。
切込みの端部に剥離防止部を設けた他の変更例を図22に示す。図22に示す変更例では、基材シート810に、開いている切込み812が形成されている。そして、切込み812の端部に、互いに対向する側に傾斜している傾斜部813j、813mと、互いに対向する側に窪んでいる切欠からなる剥離防止部813k、813mが形成されている。蓋が傾斜部813j、813mの箇所まで剥離されると、ユーザの指に作用する反力が減少する。さらに、蓋が切欠813k、813nの箇所まで剥離されると、ユーザの指に作用する反力がさらに減少する。これにより、ユーザは、蓋が剥離防止部(切欠)の近傍まで剥がれたことを確実に判別することができる。
【0039】
以上のように、本発明は、基材シートの一部を蓋として用い、開口が形成されている内部シートを基材シートの裏面側に設けているため、包装体に表示する装飾デザインを基材シートの表面にのみ表示すればよいため、包装体に表示する装飾デザインの自由度が高める。また、基材シートの表面の凹凸が少ないため、包装体の概観が向上する。また、基材シートと、開口が形成されている内部シートの間に、蓋の一部が形成されている中間シートが設けられているため、開口の周囲の強度が増大するとともに、蓋の強度も増大する。
【0040】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
基材シート(第1のシート)、中間シート(第2のシート)、内部シート(第3のシート)の材質や形状は、種々選択可能である。
基材シート(第1のシート)、中間シート(第2のシート)、内部シート(第3のシート)を接着する方法としては、少なくとも、中間シート(第2のシート)に形成されている第2の蓋部材が、内部シート(第3のシート)に剥離可能な、種々の接着方法を用いることができる。
蓋の形状や開口の形状は、種々選択可能である。
蓋部材や開口を形成する切込みとしては、開いている切込みおよび閉じている切込みを適宜選択可能である。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数を組み合わせて用いることもできる。
包装体に収容するシート状物品は、ウェットティッシュに限定されない。
【符号の説明】
【0041】
100、200 包装体
100a、200a ウェットシート収容空間(物品収容空間)
100b、200b 上壁
100c、200c 下壁
110、210、310、410、510、610、710、810 基材シート(第1のシート)
111a、111b、211、211b 横シール部
112、212、312、412、512、612、712、812 切込み(第1の切込み)
112a、212a、612a 開口
113、213、313、413、513、613、713、813 第1の蓋部材
113a、213a、313a、413a、513a、613a、713a 摘み部(第1の摘み部)
113b、223b、313b、323b、413b、513b、523b、613b、623b、713b、723b 端壁
120、220、320、420、520、620、720 中間シート(第2のシート)
122、222、322、422、522、622、722 切込み(第2の切込み)
122a、622a 開口
122b、122c、212c、212d 端部
123、323、423、523、623、723 第2の蓋部材
123a、223a、323a、423a、523a、623a、723a 摘み部(第2の摘み部)
124、224、624 第1の接着剤
125、225、625 第2の接着剤
130、230、330、430、530、630、730 内部シート(第3のシート)
132、232、332、432、532、632、732 切込み(第3の切込み)
132a、232a、632a 開口
133、233、333、433、533、633、733 開口形成片
140、240、640 蓋
324、414、424、515a、515b、524、727a、727b スリット
326、416、426、526、726a、726b スリット(連続スリット)
517a、517b すりと(分割スリット)
626 欠如部
813a、813f、813g、813h、813k、813n 切欠(剥離防止部)
813j、813m 傾斜部
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容空間に収容されているウェットティッシュ等のシート状物品を、開口から順次取り出すことができる包装体に関し、特に、包装体に表示する装飾デザインの自由度を高めることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚等に付着した汚れを落とすために、ウェットティッシュ等の種々のシート状物品が用いられている。ウェットティッシュは、通常、包装体に収容されている。ウェットティッシュを収容する包装体は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。特許文献1に開示されている包装体は、物品収容空間を形成する基材シートと、補強シートにより構成されている。補強シートは、基材シートに形成されている開口を覆うように、基材シートの外面に接着されている。補強シートには切込みが形成されており、この切込みによって囲まれる部分が、開口を開閉する蓋として用いられる。特許文献2に開示されている包装体は、物品収容空間を形成する基材シートと、補強シートと、可撓性シートにより構成されている。補強シートは、基材シートに形成されている開口の周りを覆うように、基材シートの外面に接着されている。可撓性シートは、基材シートに形成されている開口を覆うように、補強シートに接着されている。可撓性シートは、開口を開閉する蓋として用いられる。特許文献3に開示されている包装体は、物品収容空間を形成する基材シートと、プラスチックシートと、蓋用シートにより構成されている。蓋用シートは、プラスチックシートに形成されている開口を開閉可能に、プラスチックシートに接着されている。そして、蓋用シートが接着されたプラスチックシートは、蓋用シートが基材シートに形成されている開口に配置されるように、基材シートの内面に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−229681号公報
【特許文献2】特開平6−293368号公報
【特許文献3】特開2002−249184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている包装体では、開口を開閉するための補強シートが、基材シートの外面に接着されている。また、特許文献2に開示されている包装体では、開口を開閉するための補強シートおよび可撓性シートが、基材シートの外面に接着される。このため、包装体に表示する装飾デザイン(基材シートに表示される装飾デザインと補強シート等に表示される装飾デザインを組み合わせた装飾デザイン)が制約される。一方、特許文献3に開示されている包装体では、開口を開閉するためのプラスチックシートおよび蓋用シートは、基材シートの内面に接着されている。しかしながら、特許文献3に開示されている包装体では、蓋用シートが、プラスチックシートに接着された状態で基材シートの開口に配置されている。このため、包装体に表示する装飾デザイン(基材シートに表示される装飾デザインと蓋用シートに表示される装飾デザインを組み合わせた装飾デザイン)が制約される。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、シート状物品を開口から取り出し可能に収容する包装体に表示する装飾デザインの自由度を高めることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の包装体は、シート状に形成された物品、好適にはウェットティッシュを取り出し可能に収容する包装体として使用される。
本発明は、第1のシートと、第2のシートと、第3のシートにより構成される。
第1のシートとしては、例えば、加熱することによって融着可能な熱融着シートが用いられる。好適には、物品を湿潤状態(湿った状態)に保持可能なシートが用いられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成される保護層、アルミニウムにより形成される湿潤保持層(乾燥防止層)、二軸延伸ポリプロピレン樹脂により形成される熱融着層(ヒートシール層)が積層された積層シートが用いられる。第1のシートによって、物品を収容する物品収容空間を有する本体が形成される。第1のシートには、第1の蓋部材が設けられている。
第2のシートとしては、好適には、剛性を有するシートが用いられる。例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成されたフィルムや合成紙が用いられる。第2のシートには、第2の蓋部材が設けられている。
第3のシートとしては、好適には、剛性を有するシートが用いられる。例えば、第2のシートと同じシートが用いられる。第3のシートには、物品収容空間に収容されている物品を取り出すための開口が形成されている。
第1のシート、第2のシートおよび第3のシートを接着することによって包装体が構成される。第2のシートの一方の面は、第2のシートに設けられている第2の蓋部材が第1のシートに設けられている第1の蓋部材と対向する位置に配置された状態で、第1のシートの物品収容空間側の面(裏面)に接着される。また、第2のシートの他方の面は、第3のシートに設けられている開口が第2のシートに設けられている第2の蓋部材によって覆われるように(第2の蓋部材と対向する位置に配置された状態で)、第3のシートの一方の面に接着される。この時、少なくとも第2の蓋部材が剥離可能に、第2のシートと第3のシートが接着される。
本発明では、物体収容空間を有する本体を形成する第1のシートに設けられている第1の蓋部材によって、第1のシートの裏面側に配置されている第3のシートに形成されている開口を開閉するため、包装体に表示する装飾デザインを第1のシートの表面にのみ表示すればよい、このため、包装体に表示する装飾デザインの自由度が高まる。また、第1のシートと第2のシートの間に、第2の蓋部材が設けられている第2のシートを介在させているため、開口部の強度および蓋の強度が高まる。
【0006】
本発明の一つの形態では、第1の蓋部材は第1の摘み部を有し、第2の蓋部材は第2の摘み部を有している。そして、第2の蓋部材の第2の摘み部が第1の蓋部材の第1の摘み部と対向する位置に配置されている状態で、第2のシートが第1のシートに接着される。本形態では、第1の蓋部材の摘み部と第2の蓋部材の摘み部が対向した状態で第1の蓋部材と第2の蓋部材が接着される。これにより、第1の蓋部材と第2の蓋部材により構成される蓋を容易に操作することができる。
【0007】
本発明の他の形態では、第1のシートに形成された第1の切込みによって第1の蓋部材が形成され、第2のシートに形成された第2の切込みによって第2の蓋部材が形成されている。そして、第1の切込みおよび第2の切込みの少なくとも一方は、閉じている切込みである。「切込み」として、一定間隔で形成される穴(典型的には、ミシン目)、一部を残して切断される部分切断線、全部が切断される切断線等を用いることができる。なお、「切込み」を形成する態様には、部分的に切断されている態様および全部が切断されている態様が包含される。「シートに形成されている切込みが閉じている」という記載は、切込みで囲まれている部分全体をシートから切り離し可能に、切込みが形成されることを意味する。本形態では、第1のシートと第2のシートに切込みを形成することによって蓋部材を容易に形成することができる。
【0008】
本発明の異なる他の形態では、第1のシートに形成された第1の切込みによって第1の蓋部材が形成され、第2のシートに形成された第2の切込みによって第2の蓋部材が形成されている。そして、第1の切込みおよび第2の切込みの少なくとも一方は、開口と対向する部分を挟んで第1の摘み部および第2の摘み部の少なくとも一方と反対側の個所が開いている。「シートに形成されている切込みが開いている」という記載は、切込みで囲まれている部分の一部がシートに接続された状態を保持するように、切込みが形成されることを意味する。本形態では、少なくとも一方の蓋部材は、一部がシートに接続されているため、紛失を防止することができる。
【0009】
本発明のさらに異なる他の形態では、第2の蓋部材は、第2の摘み部と、開閉部と、基部を有している。開閉部は、第3のシートに形成される開口を開閉可能な大きさ(開口を覆う大きさ)を有している(開閉部の面積>開口の面積)。基部は、開閉部を挟んで第2の摘み部と反対側に配置されている。そして、第2のシートの他方の面は、少なくとも第2の蓋部材が剥離可能に、第3のシートの一方の面に接着される。本形態では、第2のシートの他方の面は、第2の蓋部材の第2の摘み部の箇所では第3のシートの一方の面に接着されていない。これにより、ユーザは、第2の摘み部(第2の摘み部と第1の摘み部からなる摘み部)を指で容易に摘むことができ、第2の蓋部材(第1の蓋部材と第2の蓋部材からなる蓋部材)を第3のシートから剥離する操作が容易となる。また、本形態では、第2のシートの他方の面は、開閉部の箇所における接着強度(接着力)が、基部の箇所における接着強度(接着力)以上となるように、第3のシートの一方の面に接着される。「開閉部の個所における接着強度が、基部の個所における接着強度以上である。」という記載は、「開閉部の個所における接着強度が、基部の個所における接着強度より大きい。」構成だけでなく、「開閉部の個所における接着強度が、基部の個所における接着強度と同等である。」構成(例えば、同じ接着剤を用いて接着する)も意味する。「開閉部の個所における接着強度が、基部の個所における接着強度より大きい。」場合には、第2の蓋部材(第2の蓋部材と第1の蓋部材からなる蓋部材)が、開閉部と基部の境界箇所まで剥離されると、ユーザの指に印加される力が変化するため、ユーザは、第2の蓋部材(第2の蓋部材と第1の蓋部材からなる蓋部材)を開閉部と基部の箇所の境界まで剥離したことを容易に判別することができる。なお、第2のシートの他方の面の、第2の蓋部材の箇所を除く箇所における接着強度は、第2の蓋部材の個所における接着強度と同等であってもよい(例えば、同じ接着材を用いて接着する)が、第2の蓋部材の箇所における接着強度より大きい方が好ましい。典型的には、剥離不能に接着される。
第2のシートの他方の面を、第2の蓋部材が剥離可能に、第3のシートの他方の面に接着する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、第2のシートの他方の面に接着剤を塗布する。そして、接着剤を塗布した面の所望の箇所に、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のメジウムを印刷して、接着剤の接着強度(接着力)を調節する方法が用いられる。この場合、第2の蓋部材を除く箇所は、メジウムが印刷されない。これにより、第2の蓋部材を除く箇所は、接着剤によって強固に接着され、剥離が防止される。第2の蓋部材の開閉部と基部の箇所は、メジウムが、ドットやメッシュ等のパターンで印刷される。これにより、開閉部と基部の箇所における接着強度が、剥離可能な適宜の接着強度に調節される。接着強度は、ドットやメッシュの間隔等によって設定される。第2の蓋部材の第2の摘み部の箇所は、全面にメジウムが印刷される。これにより、第2の蓋部材の第2の摘み部は、接着されない。あるいは、第2のシートの他方の面に接着剤を塗布するとともに、第3のシートの一方の面の所望の箇所にシリコーン等の離型剤を塗布する方法を用いる。
なお、好適には、第1の蓋部材は、第2の蓋部材と同じ形状に形成される。また、第2のシートの一方の面を1のシートの裏面(物品収容空間側の面)に接着する方法としては、第1の蓋部材と第2の蓋部材からなる蓋部材を開閉操作する際に、第1の蓋部材と第2の蓋部材が剥離しない適宜の接着方法を用いることができる。
【0010】
本発明のさらに異なる他の形態では、第1の切込みおよび第2の切込みの少なくとも一方は、端部が剥離防止形状に形成されている。剥離防止形状には、例えば、切込みの両端部が、互いに対向する側に曲げられて曲線状に形成されている形状、切込みの端部が曲線状(典型的には、円弧状)に形成されている形状等が含まれる。本形態では、蓋部材が端部の箇所まで剥離された場合には、剥離防止形状によって、ユーザの指に印加され反力が変化するため、ユーザは、蓋部材を端部の箇所まで剥離したことを容易に判別することができる。これにより、端部の箇所が損傷するのを防止することができる。
【0011】
本発明のさらに異なる他の形態では、第1の蓋部材および第2の蓋部材の少なくとも一方は、開口と対向する部分を挟んで第1の摘み部および第2の摘み部の少なくとも一方と反対側の個所に、第1の蓋部材および第2の蓋部材の少なくとも一方を剥離する方向と交差する方向に沿って形成されたスリットを有している。「剥離する方向」は、蓋部材の摘み部を指で摘み、開口が開く方向に引っ張った時に、蓋部材が剥離されていく方向を意味する。また、「スリット」は、典型的には、シートの厚さ以下の深さを有する溝により構成される。スリットとしては、2点の間に連続して形成されたスリット(連続スリット)を用いることもできるし、2点の間に離間して形成された複数のスリット(分割スリット)を用いることもできる。本形態では、スリットがヒンジ構造の回動軸として作用するため、蓋部材が開方向に戻る力が小さくなる。これにより、蓋部材を手で押さえることなく、物品収容区間に収容されている物品を開口から容易に取り出すことができる。
【0012】
本発明のさらに異なる他の形態では、第1の蓋部材および第2の蓋部材の少なくとも一方は、蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って離間して形成された複数のスリットを有している。蓋部材を剥離する方向と交差する方向は、典型的には、剥離する方向と直交する(略直交を含む)方向が対応する。本形態では、蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って形成されている複数のスリット(分割スリット)がヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、物品収容区間に収容されている物品を開口から容易に取り出すことができる。また、離間して複数のスリットが形成されているため、強度の低下を防止することができる。
【0013】
本発明のさらに異なる他の形態では、第2の蓋部材は、開口と対向する部分を挟んで第2の摘み部と反対側であって、第2の蓋部材を剥離する方向に沿って離間した複数の個所に、第2の蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って形成された複数のスリットを有している。本形態では、離間して形成されたスリットのうち、摘み部から離れている側のスリットが、ヒンジ構造の回動軸として作用する場合に、摘み部に近い側に形成されているスリットによって、蓋部材が開方向に戻る力がより小さくなる。これにより、物品収容区間に収容されている物品を開口からより容易に取り出すことができる。
【0014】
本発明のさらに異なる他の形態では、第2の蓋部材は、開口と対向する部分を挟んで第2の摘み部と反対側であって、第2の蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って欠如している欠如部を有している。欠如部の形状は適宜選択することができる。本形態では、欠如部の、摘み部と反対側の縁部がヒンジ構造の回動軸として作用する時、欠如部によってヒンジ構造の剛性が低下する。これにより、品収容区間に収容されている物品を開口からより容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の包装体では、物品を取り出し可能に物品収容空間に収容する包装体に表示する装飾デザインの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態の、開口が閉じている状態の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の、開口が開いている状態の斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の概要を説明する図である。
【図4】中間シートの接着面を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の、開口が閉じている状態の断面図(図1のV−V線断面図)である。
【図6】第1の実施の形態の、開口が開いている状態の断面図(図2のVI−VI線断面図)である。
【図7】第2の実施の形態の、開口が閉じている状態の斜視図である。
【図8】第2の実施の形態の、開口が開いている状態の斜視図である。
【図9】第2の実施の形態の概要を説明する図である。
【図10】中間シートの接着面を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の、開口が閉じている状態の断面図(図6のXI−XI線断面図)である。
【図12】第2の実施の形態の、開口が開いている状態の断面図(図7のXII−XII線断面図)である。
【図13】第3の実施の形態の概要を説明する図である。
【図14】第4の実施の形態の概要を説明する図である。
【図15】第5の実施の形態の概要を説明する図である。
【図16】第6の実施の形態の概要を説明する図である。
【図17】第6の実施の形態の、開口が閉じている状態の斜視図である。
【図18】第6の実施の形態の、開口が開いている状態の斜視図である。
【図19】第7の実施の形態の概要を説明する図である。
【図20】第2の実施の形態の変更例を説明する図である。
【図21】第2の実施の形態の他の変更例を説明する図である。
【図22】第2の実施の形態の他の変更例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態は、ウェットティッシュ10を取り出し可能に収容する包装体として構成されている。
第1の実施の形態の包装体100を、図1〜図6を参照して説明する。なお、図1および図5は、それぞれ開口132aを閉じた状態の斜視図および断面図を示している。図2および図6は、それぞれ開口132aを開いた状態の斜視図および断面図を示している。図3は、基材シート110、中間シート120、内部シート130を示している。図4は、中間シート120の接着面を示している。
ウェットティッシュ10は、繊維材料をシート状に形成した基材(例えば、不織布、ガーゼ、コットンシート、ティッシュペーパー)に液体(例えば、アルコール、消毒液、化粧水)等を含浸させたものを意味する。ウェットティッシュ10が本発明の「物品」あるいは「シート状に形成されたシート状物品」に対応する。
【0018】
本実施の形態の包装体100は、基材シート110、中間シート120、内部シート130により構成されている。基材シート110が本発明の「第1のシート」に対応し、中間シート120が本発明の「第2のシート」に対応し、内部シート130が本発明の「第3のシート」に対応する。
基材シート110によって、ウェットティッシュ10を収容するウェットティッシュ収容空間100aを有する本体が形成される。ウェットティッシュ収容空間100aは、上壁100bと下壁100cによって形成される。ウェットティッシュ収容空間100aが本発明の「物品収容空間」に対応する。なお、ウェットティッシュ10は、後述する開口132a(122a、112a)から取り出すことができるように、ウェットティッシュ収容空間100a内に収容される。例えば、折り返されたウェットティッシュ10を積み重ねた状態でウェットティッシュ収容空間100a内に収容する。好適には、最上部のウェットティッシュ10(後述する開口132aと対向するウェットティッシュ10)の折り返し部の一部が開口132aの個所に配置されるように積み重ねられる。
【0019】
基材シート110としては、例えば、加熱することによって融着可能な熱融着フィルム等が用いられる。本実施の形態では、ウェットティッシュ10を収容するため、熱融着フィルムとしては、ウェットティッシュ10を湿潤状態(湿った状態)に保持可能、言い換えれば、乾燥を防止可能なフィルムを用いるのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成される保護層、アルミニウムにより形成される湿潤保持層(乾燥防止層)、二軸延伸ポリプロピレン樹脂により形成される熱融着層(ヒートシール層)が積層された積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。このような熱融着フィルムにより構成される基材シート110を用いて本体を形成する場合には、典型的には、基材シート110によってウェットティッシュ10を包み、重ねられている基材シート110を押圧および加熱する。これにより、対向する熱融着層(二軸延伸ポリプロピレン樹脂層)が溶融して接合され、縦シール部(図示省略)および横シール部111a、111bが形成される。縦シール部は、本体の下部に、本体の製造時における基材シート110の搬送方向に沿って形成される。横シール部は、基材シート110の搬送反双方向に沿って離間した箇所に、基材シートの搬送方向に交差する方向に沿って形成される。
なお、保護層は省略することができる。また、湿潤保持層(乾燥防止層)は、ウェットティッシュ収容空間100aに収容されているウェットティッシュ10の湿潤状態を維持する(乾燥を防止する)ことができればよく、アルミニウム層に限定されない。また、熱融着層は、加熱されることによって融着されればよく、二軸延伸ポリプロピレン樹脂層に限定されない。
【0020】
基材シート110には、上壁100bに対応する箇所に、切込み112が形成されている。この切込み112で囲まれる部分によって、基材シート側の蓋部材(以下、「第1の蓋部材」という)113が形成される。すなわち、切込み112は、第1の蓋部材113の外周縁に沿って形成される。切込み112としては、例えば、一定間隔で形成される穴(「ミシン目」と呼ばれている)、部分切断線(一部を残して切断されている)、切断線(全部が切断されている)が用いられる。ミシン目や部分切断線は、最初に、第1の蓋部材113に、第1の蓋部材113が基材シート110から離れる方向に外力が加えられた時に、第1の蓋部材113の外周縁が基材シート110から離れるように形成される。本発明では、「切込み」を形成する態様には、部分的に切断されている態様および全部が切断されている態様が包含される。基材シート110に形成されている切込み112が、本発明の「第1の切込み」に対応する。
第1の蓋部材113は、摘み部113aを有している。摘み部113aは、第1の開閉部材113を操作する摘みとして用いられる。なお、後述するように、第1の蓋部材113と第2の蓋部材123が接着されて蓋140が構成されるため、摘み部113aは、蓋140を操作する摘みとして用いられる。第1の蓋部材113の摘み部113aが、本発明の「第1の摘み部」に対応する。
なお、切込み112は、閉じているように形成することもできるし、開いているように形成することもできる。切込み112が閉じている状態は、第1の蓋部材113を基材シート110から切り離すことができるように、切込み112が形成されている状態を意味する(例えば、図3参照)。一方、切込み112が開いている状態は、第1の蓋部材113の一部が基材シート110と接続されている状態を保持するように、切り込み112が形成されている状態を意味する(例えば、図8参照)。本実施の形態では、図3に示されているように、切込み112は、閉じている。この場合、第1の蓋部材113は、摘み部113aと端壁113bを有している。
本明細書では、「シートに形成されている切込みが閉じている」という記載は、切込みで囲まれている部分全体をシートから切り離し可能に、切込みが形成されることを意味する。また、「シートに形成されている切込みが開いている」という記載は、切込みで囲まれている部分の一部がシートに接続された状態を保持するように、切込みが形成されることを意味する。
【0021】
中間シート120としては、剛性を有するシートが用いられる。例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成されたフィルムや合成紙が用いられる。中間シート120の厚さは、適宜設定される。
中間シート120の面積(大きさ)は、基材シート110に形成されている第1の蓋部材113の面積(切込み112により囲まれている領域の面積)より大きく設定されている。そして、中間シート120には、切込み122が形成されている。この切込み122で囲まれる部分によって、中間シート側の蓋部材(以下、「第2の蓋部材」という)123が形成される。すなわち、切込み122は、第2の蓋部材123の外周縁に沿って形成される。切込み122としては、前述したミシン目、部分切断線や切断線等が用いられる。本実施の形態では、切込み122としてミシン目が用いられている。そして、最初に、第2の蓋部材123に、第2の蓋部材123が中間シート120から離れる方向に外力が加えられた時に、ミシン目間の部分が切断され、第2の蓋部材123の外周縁が中間シート120から離れる。中間シート120に形成されている切込み122が、本発明の「第2の切込み」に対応する。
第2の蓋部材123は、摘み部123aを有している。摘み部123aは、第2の開閉部材123を操作する摘みとして用いられる。なお、摘み部123aは、蓋140を操作する摘みとして用いられる。第2の蓋部材123の摘み部123aが、本発明の「第2の摘み部」に対応する。
また、本実施の形態では、図3に示されているように、切込み122は、開いている。すなわち、切込み122は、端部122cと端部122dの間に形成されている。この場合、第2の蓋部材113は、端部122cと122dの箇所まで、中間シート120から離すことができる。
本実施の形態では、後述するように、第1の蓋部材113と第2の蓋部材123が接着されて蓋140が構成されるため、第1の蓋部材113の外周縁と第2の蓋部材123の外周縁を同じ形状(略同じ形状を含む)に形成するのが好ましい。例えば、第1の蓋部材113の外周縁の、端壁113bの近傍の部分を除く箇所と、第2の蓋部材123の外周縁の、端部122cおよび122dの近傍を除く箇所を同じ形状に形成する。同じ形状に形成する箇所は、後述する内部シート130に形成されている開口132aからウェットティッシュ10を取り出すことができる適宜の箇所を選択することができる。なお、第1の蓋部材113の摘み部113aと端壁113bの間の長さは、第2の蓋部材123の摘み部123aと端部122c(122d)の間の長さより長くするのが好ましい。
【0022】
内部シート130としては、剛性を有するシートが用いられる。例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成されたフィルムや合成紙が用いられる。中間シート120の厚さは、適宜設定される。
内部シート130の面積(大きさ)は、中間シート120に形成されている第2の蓋部材123の面積(切込み122で囲まれている領域の面積)より大きく設定されている。そして、内部シート130には、切込み132が形成されている。この切込み132で囲まれる部分によって開口形成片133が形成される。すなわち、切込み132は、ウェットティッシュ10をウェットティッシュ収容空間100aから取り出すための開口132aの開口縁に沿って形成される。切込み132は、閉じている。開口132aの面積(切込み132で囲まれる領域の面積)は、中間シート120に形成されている第2の蓋部材123の面積(切込み122で囲まれる領域の面積)より小さく設定されている。切込み132の形状や大きさ、すなわち、開口132aの形状や大きさは、ウェットティッシュ収容空間100aに収容されているウェットティッシュ10を取り出すことができる種々の形状や大きさに設定することができる。例えば、楕円形状、円形形状、四角形状に形成することができる。本実施の形態では、楕円形状に形成されている。内部シート130に形成されている切込み132が、本発明の「第3の切込み」に対応する。
切込み132としては、前述したミシン目、部分切断線や切断線等が用いられる。本実施の形態では、切込み132としてミシン目が用いられている。そして、最初に、開口形成片133に、開口形成片133が内部シート130から離れる方向に外力が加えられた時に、ミシン目間の部分が切断され、開口形成片133が内部シート130から離れる。
【0023】
次に、基材シート110、中間シート120および内部シート130によって包装体100を構成する方法の一実施の形態を説明する。
本実施の形態では、中間シート120の両面に接着剤が塗布される。図5、図6では、中間シート120の一方の面に第1の接着剤124が塗布され、他方の面に第2の接着剤125が塗布されている。
そして、第2の接着剤125によって、内部シート130の一方の面を中間シート120の他方の面に接着する。この場合、内部シート130に形成される切込み132で囲まれる開口形成片133(開口132a)が、中間シート120に形成されている第2の蓋部材123(切込み122で囲まれる部分)と対向する位置に配置されている状態で、内部シート130と中間シート120が接着される。第2の接着剤125としては、少なくとも第2の開閉部材123を、繰り返し剥離可能に内部シート130の一方の面に接着する接着剤が用いられる。例えば、感圧接着剤が用いられる。これにより、内部シート130に形成されている開口132aが第2の蓋部材123によって開閉される。
【0024】
中間シート120の他方の面を、第2の蓋部材123が剥離可能に、内部シート130の一方の面に接着する方法を、図4を参照して説明する。図4に示されている接着方法では、中間シート120の他方の面に第1の接着剤125を塗布し、また、第1の接着剤125を塗布した面の所望の箇所に、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のメジウムを印刷して接着強度(接着力)を調節している。
図4では、第2の接着剤125が塗布されている面のうち、第2の蓋部材123を除く箇所125aには、メジウムが印刷されていない。これにより、中間シート120の他方の面は、第2の蓋部材123を除く箇所125aでは、第2の接着剤125によって内部シート130の一方の面に強固に接着される。
また、第2の接着剤125が塗布されている面のうち、第2の蓋部材123の摘み部123aに対応する箇所125cには、全面にメジウムが印刷されている。これにより、中間シート120の他方の面は、第2の蓋部材123の摘み部123aの箇所では、内部シート130の一方の面に接着されない。このため、ユーザは、第2の蓋部材123の第2の摘み部123a(第2の蓋部材123と第1の蓋部材113からなる蓋140の摘み部)を容易に摘むことができるため、第2の蓋部材123(第2の蓋部材123と第1の蓋部材113からなる蓋140)を内部シート130から剥離する操作が容易となる。
また、第2の接着剤125が塗布されている面のうち、第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125b、基部に対応する箇所125dには、メジウムが印刷される。第2の蓋部材123の開閉部(125bに対応する箇所)は、内部シート130に形成される開口132a(切込み132で囲まれる箇所)を開閉する部分であり、開口132aの面積より大きい面積を有している。第2の蓋部材123の基部(125dに対応する箇所)は、第2の蓋部材123が内部シート130から完全に剥離されるのを防止する部分である。第2の蓋部材123の基部は、開閉部(開口132aに対向する部分b)を挟んで、摘み部材123aと反対側に配置されている。第2の蓋部材123の基部に対応する箇所125dにおける接着強度(接着力)は、第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度(接着力)以上(同等を含む)に設定される。好適には、第2の開閉部材123の基部に対応する箇所125dにおける接着強度は、第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度より大きく設定される。第2の蓋部材123の基部に対応する箇所125dにおける接着強度を開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度より大きくすることにより、ユーザは、摘み部を指で摘んで蓋140を開操作する時、指に印加される反力の変化によって、蓋140(第2の蓋部材123)が開閉部と基部の境界の箇所まで剥離されたことを判別することができる。第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度や、基部に対応する箇所125dにおける接着強度は、例えば、印刷するメジウムのドットやメッシュの大きさ、幅や間隔等によって調節することができる。第2の開閉部材123の基部に対応する箇所125dにおける接着強度を第2の蓋部材123の開閉部に対応する箇所125bにおける接着強度と同等に設定する場合には、例えば、基部に対応する箇所125dおよび開閉部に対応する個所125bに同じドットやメッシュを印刷する。
なお、第1の接着剤125が塗布されている面のうち、内部シート130に形成されている開口132aに対向する箇所125cには、メジウムを印刷しないのが好ましい。
【0025】
また、第1の接着剤124によって、中間シート120の一方の面を基材シート110の裏面(ウェットティッシュ収容空間100a側の面)に接着する。この場合、中間シート120に形成されている第2の蓋部材123の摘み部123aが、基材シート110に形成されている第1の蓋部材113の摘み部113aと対向する位置に配置されている状態で、中間シート120と基材シート110が接着される。第1の接着剤124としては、種々の接着剤を用いることができる。好適には、第1の接着剤124として、第2の接着剤125より接着強度(接着力)が大きい接着剤が用いられる。勿論、第2の接着剤と同じ感圧接着剤を用いることもできる。これにより、第1の蓋部材113と第2の蓋部材123が接着さる。そして、第1の蓋部材113の摘み部113aを摘み、第1の蓋部材113を基材シート110から離れる方向に引っ張ると、第1の蓋部材113に接着されている第2の蓋部材123が、中間シート120から離れる方向に引っ張られる。
【0026】
次に、実施の形態の包装体100のウェットティッシュ収容空間100aに収容されているウェットティッシュ10を取り出す操作を説明する。
ウェットティッシュ10を使用しない時には、図1および図5に示されているように、第2の蓋部材123は、第2の接着剤125によって、内部シート130の一方の面に接着され、第1の蓋部材113は、第1の接着剤124によって第2の蓋部材123の一方の面に接着されている。これにより、内部シート130に形成されている開口132aは、第2の蓋部材133(第1の蓋部材113と第2の蓋部材233により構成される蓋140)によって閉じられている。
ウェットティッシュ10を使用する時には、第1の蓋部材113の摘み部113a(蓋140の摘み部)をユーザの指で摘み、図2および図6に示されている黒矢印の方向に引っ張る。これにより、第1の蓋部材113(第1の蓋部材113に接着されている第2の蓋部材123)は、摘み部113a側から端部113b側に、基材シート110の表面(ウェットティッシュ収容空間100aと反対側の面)から順次離れていく。そして、第2の蓋部材123(第2の蓋部材123に接着されている第1の蓋部材113)が、内部シート130の一方の面から離れ、開口132aが開く。第2の蓋部材123(蓋140)が開閉部と基部の境界部分(図4に示されている125bと125dの境界部分)まで剥離されると、ユーザの指に印加される反力が増大する、これにより、ユーザは、第2の蓋部材123(蓋140)が基部の箇所まで剥離されたことを判別する。
本実施の形態では、基材シート110に形成されている切込み112は閉じており、中間シート120に形成されている切込み122は開いている。また、第1の蓋部材113の摘み部113aと端壁113bの間の長さが、第2の蓋部材123の摘み部123aと端部122c(122d)の間の長さより長く設定されている。すなわち、切込み122の端部122cおよび122dが、切込み112の端壁112bより摘み部113a(123a)側に配置されている。このため、第1の蓋部材113が端壁112bの箇所まで基材シート110の表面から離れる前に、第2の蓋部材123が端部122cあるいは122dの箇所まで中間シート120の一方の面から離れた(剥離された)時点で、それ以上の剥離が防止される。本実施の形態では、中間シート120の端部122cおよび122dは、蓋140(第1の蓋部材113および第2の蓋部材123)のそれ以上の剥離を防止する剥離防止部として作用する。
【0027】
第1の実施の形態では、基材シート110に、閉じている切込み112を形成し、中間シート120に、開いている切込み122を形成したが、切込み112や122の形状はこれに限定されない。
第2の実施の形態の包装体200を、図7〜図12を参照して説明する。なお、図7および図11は、それぞれ開口232aを閉じた状態の斜視図および断面図を示している。図8および図12は、それぞれ開口232aを開いた状態の斜視図および断面図を示している。図9は、基材シート210、中間シート220、内部シート230を示している。
本実施の形態の包装体200は、基材シート210、中間シート220、内部シート230により構成されている。図10は、中間シート120の接着面を示している。なお、図7〜図12では、第1の実施の形態の構成と対応する構成には、百番代の数字を除いて同じ数字が付されている。
【0028】
基材シート210は、第1の実施の形態の基材シート110と同様のシートを用いることができる。基材シート210によって、ウェットティッシュ10を収容するウェットティッシュ収容空間200aを有する本体が形成される。ウェットティッシュ収容空間200aは、上壁200bと下壁200cによって形成される。
基材シート210には、上壁200bに対応する箇所に、切込み212が形成されている。この切込み212で囲まれる部分によって、基材シート側の蓋部材(第1の蓋部材)123が形成される。切込み212としては、ミシン目、部分切断線、切断線等を用いることができる。第1の蓋部材213は、摘み部213aを有している。
本実施の形態では、図9に示されているように、切込み212は、開いている。すなわち、切込み212は、端部212cと端部212dの間に形成されている。この場合、第1の蓋部材213は、端部212cと212dの箇所まで、基材シート210から離すことができる。
【0029】
中間シート220は、第1の実施の形態の中間シート120と同様のシートを用いることができる。中間シート220の面積(大きさ)は、基材シート210に形成されている第1の蓋部材213の面積より大きく設定されている。そして、中間シート220には、切込み222が形成されている。この切込み222で囲まれる部分によって、中間シート側の蓋部材(第2の蓋部材)223が形成される。切込み222としては、ミシン目、部分切断線、切断線を用いることができる。本実施の形態では、切込み222としてミシン目が用いられている。
本実施の形態では、図9に示されているように、切込み222は、閉じている。この場合、第2の蓋部材223は、摘み部223aと端壁223bを有している。
本実施の形態では、第1の蓋部材213と第2の蓋部材223が接着されて蓋240が構成されるため、第1の蓋部材213の外周縁と第2の蓋部材223の外周縁を同じ形状(略同じ形状を含む)に形成するのが好ましい。例えば、第1の蓋部材213の端部212cおよび212dの近傍を除く箇所と、第2の蓋部材223の端壁223bcの近傍を除く箇所を同じ形状に形成する。なお、第1の蓋部材213の摘み部213aと端部212c(212d)の間の長さは、第2の蓋部材223の摘み部223aと端壁223bの間の長さより長くするのが好ましい。
【0030】
内部シート230は、第1の実施の形態の内部シート130と同様のシートを用いることができる。内部シート230の面積(大きさ)は、中間シート220に形成されている第2の蓋部材223の面積より大きく設定されている。そして、内部シート230には、切込み232が形成されている。この切込み232で囲まれる部分によって開口形成片233が形成される。すなわち、切込み232は、ウェットティッシュ10をウェットティッシュ収容空間200aから取り出すための開口232aの開口縁に沿って形成される。切込み232は、閉じている。開口232aの面積は、中間シート220に形成されている第2の蓋部材223の面積より小さく設定されている。切込み232としては、ミシン目、部分切断線や切断線等が用いられる。本実施の形態では、切込み132としてミシン目が用いられている。
【0031】
基材シート210、中間シート220および内部シート230によって包装体200を構成する方法としては、前述した方法を用いることができる。
中間シート120の一方の面に塗布された第1の接着剤224と他方の面に塗布された第2の接着剤225によって、中間シート220の一方の面を基材シート210の裏面に接着するとともに、内部シート230の一方の面を中間シート220の他方の面に接着する。この時、内部シート230に形成されている開口形成片233(開口232a)が中間シート220に形成されている第2の蓋部材223と対向する位置に配置され、中間シート220に形成されている第2の蓋部材223の摘み部223aが基材シート210に形成されている第1の蓋部材213の摘み部213aと対抗する位置に配置されている状態で内部シート230、中間シート220、基材シート210が接着される。
また、本実施の形態の包装体200のウェットティッシュ収容空間200aに収容されているウェットティッシュ10を取り出す操作は、第1の実施の形態の包装体100と同様である。
本実施の形態では、基材シート210には、閉じている切込み212が形成されており、中間シート220には、開いている切込み222が形成されている。また、第1の蓋部材213の摘み部213aと端部212c(212d)の間の長さが、第2の蓋部材223の摘み部223aと端底223bの間の長さより長く設定されている。このため、蓋240(第1の蓋部材213と第2の蓋部材223)を端部212cあるいは212dの箇所まで開ける(剥離する)と、端壁223bがヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、端壁223bの箇所まで蓋240(第1の蓋部材213と第2の蓋部材223)を開けると、開口232aを閉じる方向(閉方向)に戻る力が弱くなる。したがって、開口232aからウェットティッシュ10を取り出す際に、蓋240を手で押さえておく必要がなくなる。すなわち、ウェットティッシュ10の取り出し性能が向上する。また、本実施の形態では、基材シート210の端部212cおよび212dは、蓋240(第1の蓋部材213および第2の蓋部材223)のそれ以上の剥離を防止する剥離防止部として作用する。
【0032】
次に、本実施の形態の包装体200のウェットティッシュ収容空間200aに収容されているウェットティッシュ10を取り出す操作を説明する。
ウェットティッシュ10を使用しない時には、図7および図11に示されているように、第2の蓋部材223は、第2の接着剤225によって、内部シート230の一方の面に接着され、第1の蓋部材213は、第1の接着剤224によって第2の蓋部材223の一方の面に接着されている。これにより、内部シート230に形成されている開口232aは、第2の蓋部材223(第1の蓋部材213と第2の蓋部材223により構成される蓋240)によって閉じられている。
ウェットティッシュ10を使用する時には、第1の蓋部材213の摘み部213a(蓋240の摘み部)をユーザの指で摘み、図8および図12に示されている黒矢印の方向に引っ張る。これにより、第1の蓋部材213(第1の蓋部材213に接着されている第2の蓋部材223)は、摘み部213a側から順次剥離されていく。そして、第2の蓋部材223(第2の蓋部材223に接着されている第1の蓋部材213)が、内部シート230の一方の面から離れ、開口232aが開く。第2の蓋部材223(蓋240)が開閉部と基部の境界部分(図10に示されている225bと225dの境界部分)まで剥離されると、ユーザの指に印加される反力が増大する、これにより、ユーザは、第2の蓋部材223(蓋240)が基部の箇所まで剥離されたことを判別する。
さらに、第1の蓋部材223(蓋240)を開操作し、第2の蓋部材223が端壁223bの箇所まで剥離されると、端壁223bがヒンジ機構の回動軸として作用する。この場合、第2の蓋部材323(蓋240)が閉方向に戻る力が弱くなる。このため、蓋240の摘み部(第1の摘み部213a、第2の摘み部223a)を引っ張る力を解除しても、蓋240(第1の蓋部材213、第2の蓋部材223)は、開口232aを開いている位置に保持される。したがって、本実施の形態では、片手でウェットティッシュ10をウェットティッシュ収容空間200aから取り出すことができる。
なお、本実施の形態では、基材シート210に形成されている切込み212は開いており、中間シート220に形成されている切込み222は閉じている。また、第1の蓋部材213の摘み部213aと端部212c(212d)の間の長さが、第2の蓋部材223の摘み部223aと端壁223bの間の長さより長く設定されている。すなわち、切込み222の端壁223bが、切込み212の端部212cおよび212dより摘み部223a(213a)側に配置されている。このため、第2の蓋部材223が端壁223bの箇所まで剥離されても、蓋240は、第1の蓋部材213によって、基材シート210に接続された状態が保持される。また、基材シート210に形成されている端部212cおよび212dは、蓋240(第1の蓋部材213および第2の蓋部材223)のそれ以上の剥離を防止する剥離防止部として作用する。
【0033】
次に、第3の実施の形態の包装体を、図13を参照して説明する。本実施の形態の基材シート310、中間シート320、内部シート330は、図13に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート310、中間シート320、内部シート330としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート310には、閉じている切込み312が形成されており、中間シート320には、閉じている切込み323が形成されている。また、第2の蓋部材323には、摘み部323aと端壁323bの間に、端壁323bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)326が形成されている。スリット326は、内部シート330に形成されている開口332aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部323aと反対側の箇所に形成される。スリット324は、中間シート320の厚さ以下の深さを有する溝により構成される。なお、スリット326は、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に沿って形成するのが好ましい。
また、第1の蓋部材313の摘み部313aと端壁313bの間の長さと、第2の蓋部材323の摘み部323aと端壁323bの間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材313と第2の蓋部材323)をスリット324の箇所まで開ける(剥離する)と、スリット324がヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、スリット324の箇所まで蓋(第1の蓋部材313と第2の蓋部材323)を開けると、蓋が開口332aを閉じる方向(閉方向)に戻る力が弱くなる。したがって、第2の実施の形態と同様に、ウェットティッシュ10の取り出し性能が向上する。
【0034】
次に、第4の実施の形態の包装体を、図14を参照して説明する。本実施の形態の基材シート410、中間シート420、内部シート430は、図14に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート410、中間シート420、内部シート430としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート410には、閉じている切込み412が形成されており、中間シート420には、閉じている切込み422が形成されている。また、第1の蓋部材413には、摘み部413aと端壁413bの間に、端壁413bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)416が形成されている。スリット416は、内部シート430に形成されている開口432aと対向する箇所を挟んで、摘み部413aと反対側の箇所に形成される。また、第2の蓋部材423には、摘み部423aと端壁423bの間に、端壁423bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)426が形成されている。スリット426は、内部シート430に形成されている開口432aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部423aと反対側の箇所に形成される。なお、スリット426は、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に沿って形成するのが好ましい。
また、第1の蓋部材413の摘み部413aと端壁413bの間の長さと、第2の蓋部材423の摘み部423aと端壁423bの間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。さらに、第1の蓋部材413の摘み部413aとスリット416の間の長さと、第2の蓋部材423の摘み部423aとスリット426の間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。すなわち、本実施の形態では、第1の蓋部材413のスリット416と第2の蓋部材423のスリット426は、対向する箇所に形成されている。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材413と第2の蓋部材423)をスリット416(426)の箇所まで開ける(剥離する)と、スリット416および426がヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、スリット416(426)の箇所まで蓋(第1の蓋部材413と第2の蓋部材423)を開けると、蓋が開口432aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。したがって、ウェットティッシュ10の取り出し性能がより向上する。
【0035】
次に、第5の実施の形態の包装体を、図15を参照して説明する。本実施の形態の基材シート510、中間シート520、内部シート530は、図15に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート510、中間シート520、内部シート530としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート510には、閉じている切込み512が形成されており、中間シート520には、閉じている切込み522が形成されている。また、第1の蓋部材513には、摘み部513aと端壁513bの間に、端壁513bと平行(略平行を含む)に、複数のスリット(分割スリット)が形成されている。本実施の形態では、端壁513bと平行な線の両端側にそれぞれスリット(分割スリット)517a、517bが形成されている。スリット517a、517bは、内部シート530に形成されている開口532aと対向する箇所を挟んで、摘み部513aと反対側の箇所に形成される。
また、第2の蓋部材523には、摘み部523aと端壁523bの間に、端壁523bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)526が形成されている。スリット526は、両端の間に連続して形成されている。スリット526は、内部シート530に形成されている開口532aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部523aと反対側の箇所に形成される。なお、スリット526は、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に沿って形成するのが好ましい。
また、第1の蓋部材513の摘み部513aと端壁513bの間の長さと、第2の蓋部材523の摘み部523aと端壁523bの間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。さらに、第1の蓋部材513の摘み部513aとスリット517a(517b)の間の長さと、第2の蓋部材523の摘み部523aとスリット526の間の長さが等しく(略等しいを含む)設定されている。すなわち、本実施の形態では、第1の蓋部材513のスリット517a(517b)と第2の蓋部材523のスリット526は、対向する箇所に形成されている。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材513と第2の蓋部材523)をスリット517a(517b)、526の箇所まで開ける(剥離する)と、スリット517a(517b)および526がヒンジ構造の回動軸として作用する。これにより、第4の実施の形態と同様に、スリット517a(517b)および526の箇所まで蓋(第1の蓋部材513と第2の蓋部材523)を開けると、蓋が開口532aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。したがって、ウェットティッシュ10の取り出し性能がより向上する。また、本実施の形態では、第1の蓋部材513に複数のスリット(分割スリット)517a、517bを離間して形成しているため、実施の形態4と比べて、第1の蓋部材513の強度が高い。
なお、第2の蓋部材523のスリット(連続スリット)526に代えて、分割スリットを形成してもよい。すなわち、第1の蓋部材513と第2の蓋部材523の一方に連続スリットを形成し、他方に分割スリットを形成する態様、第1の蓋部材513と第2の蓋部材523の双方に分割スリットを形成する態様、第1の蓋部材513と第2の蓋部材523の双方に分割スリットを形成する態様を用いることができる。
【0036】
次に、第6の実施の形態の包装体を、図16〜図18を参照して説明する。本実施の形態の基材シート610、中間シート620、内部シート630は、図16に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート610、中間シート620、内部シート630としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート610には、閉じている切込み612が形成されており、中間シート620には、閉じている切込み622が形成されている。また、第2の蓋部材623には、摘み部623aと端壁623bの間に、欠如部628が設けられている。欠如部628は、内部シート630に形成されている開口632aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部623aと反対側の箇所に形成される。なお、欠如部628は、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に対応する箇所に形成するのが好ましい。例えば、欠如部626の端壁623b側の縁部あるいは端壁623bと反対側の縁部を、開閉部と基部の境界線に対応する箇所に形成する。本実施の形態では、欠如部628は、第2の蓋部材623の開方向に沿った設定幅を有している。第2の蓋部材623の開方向は、摘み部623aを摘んで、開口632aが開く方向に引っ張った時に、第2の蓋部材623が内部シート630から剥離されていく方向(図16では左右方向)を意味する。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材613と第2の蓋部材623)を欠如部626の箇所まで開ける(剥離する)と、欠如部626の端壁623b側の縁部がヒンジ構造の回動軸として作用する(図18参照)。この時、欠如部626の存在によって、ヒンジ構造の強度が低下するため、蓋が開口632aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。したがって、ウェットティッシュ10の取り出し性能がより向上する。
【0037】
次に、第7の実施の形態の包装体を、図19を参照して説明する。本実施の形態の基材シート710、中間シート720、内部シート730は、図19に示されているように構成されている。本実施の形態の基材シート710、中間シート720、内部シート730としては、それぞれ、第1の実施の形態の基材シート110、中間シート120、内部シート130と同様のシートを用いることができる。
本実施の形態では、基材シート710には、閉じている切込み712が形成されており、中間シート720には、閉じている切込み722が形成されている。また、第2の蓋部材723には、摘み部723aと端壁723bの間に、第2の蓋部材723の開方向に沿って設定距離離れた箇所に、第2の蓋部材723の開方向と交差する方向に複数のスリットが形成されている。本実施の形態では、端壁723bと平行(略平行を含む)なスリット(連続スリット)726a、726bが形成されている。スリット726a、726bは、内部シート730に形成されている開口732aと対向する箇所(前述した開閉部)を挟んで、摘み部723aと反対側の箇所に形成される。なお、スリット726a、726bは、前述した、開閉部と基部の境界線(図1の125cと125dの境界線)に対応する箇所に形成するのが好ましい。例えば、スリット726a、726bの一方を、開閉部と基部の境界線に対応する箇所に形成する。
本実施の形態では、蓋(第1の蓋部材713と第2の蓋部材723)をスリット726aの箇所まで開ける(剥離する)と、スリット726aがヒンジ構造の回動軸として作用し、蓋が開口732aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。さらに、蓋(第1の蓋部材713と第2の蓋部材723)をスリット726bの箇所まで開ける(剥離する)と、スリット726bがヒンジ構造の回動軸として作用し、蓋が開口732aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。本実施の形態では、スリット726bより摘み部723a側にスリット726aが形成されているため、蓋が開口732aを閉じる方向(閉方向)に戻る力がより弱くなる。したがって、ウェットティッシュ10の取り出し性能がより向上する。また、実施の形態6と異なり、スリット726aと726bの間に欠如部がないため、凹凸が無くなり、精度よく加工をすることができる。
【0038】
シートに、開いている切込みによって蓋部材が形成されている場合、蓋を端部の箇所まで剥離した後、さらに蓋を引っ張ると、切込みの端部が損傷する虞がある。このため、切込みの端部に剥離防止部を設けるのが好ましい。切込みの端部に剥離防止部を設けた変更例を図20に示す。図20に示す変更例では、基材シート810に、開いている切込み812が形成されている。そして、切込み812の端部が互いに対向する方向に曲げられて、曲線形状を有する剥離防止部813e、813fが形成されている。これにより、切込み813の端部の強度が向上し、切込みの端部が損傷するのを防止することができる。
切込みの端部に剥離防止部を設けた他の変更例を図21に示す。図21に示す変更例では、基材シート810に、開いている切込み812が形成されている。そして、切込み912の端部に、互いに対向する側に窪んでいる切欠からなる剥離防止部を813g、813hが形成されている。蓋が剥離防止部(切欠)の箇所まで剥離されると、ユーザの指に作用する反力が減少する。これにより、ユーザは、蓋が剥離防止部(切欠)の近傍まで剥離されたことを判別し、蓋を引っ張る操作を停止することができる。
切込みの端部に剥離防止部を設けた他の変更例を図22に示す。図22に示す変更例では、基材シート810に、開いている切込み812が形成されている。そして、切込み812の端部に、互いに対向する側に傾斜している傾斜部813j、813mと、互いに対向する側に窪んでいる切欠からなる剥離防止部813k、813mが形成されている。蓋が傾斜部813j、813mの箇所まで剥離されると、ユーザの指に作用する反力が減少する。さらに、蓋が切欠813k、813nの箇所まで剥離されると、ユーザの指に作用する反力がさらに減少する。これにより、ユーザは、蓋が剥離防止部(切欠)の近傍まで剥がれたことを確実に判別することができる。
【0039】
以上のように、本発明は、基材シートの一部を蓋として用い、開口が形成されている内部シートを基材シートの裏面側に設けているため、包装体に表示する装飾デザインを基材シートの表面にのみ表示すればよいため、包装体に表示する装飾デザインの自由度が高める。また、基材シートの表面の凹凸が少ないため、包装体の概観が向上する。また、基材シートと、開口が形成されている内部シートの間に、蓋の一部が形成されている中間シートが設けられているため、開口の周囲の強度が増大するとともに、蓋の強度も増大する。
【0040】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
基材シート(第1のシート)、中間シート(第2のシート)、内部シート(第3のシート)の材質や形状は、種々選択可能である。
基材シート(第1のシート)、中間シート(第2のシート)、内部シート(第3のシート)を接着する方法としては、少なくとも、中間シート(第2のシート)に形成されている第2の蓋部材が、内部シート(第3のシート)に剥離可能な、種々の接着方法を用いることができる。
蓋の形状や開口の形状は、種々選択可能である。
蓋部材や開口を形成する切込みとしては、開いている切込みおよび閉じている切込みを適宜選択可能である。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数を組み合わせて用いることもできる。
包装体に収容するシート状物品は、ウェットティッシュに限定されない。
【符号の説明】
【0041】
100、200 包装体
100a、200a ウェットシート収容空間(物品収容空間)
100b、200b 上壁
100c、200c 下壁
110、210、310、410、510、610、710、810 基材シート(第1のシート)
111a、111b、211、211b 横シール部
112、212、312、412、512、612、712、812 切込み(第1の切込み)
112a、212a、612a 開口
113、213、313、413、513、613、713、813 第1の蓋部材
113a、213a、313a、413a、513a、613a、713a 摘み部(第1の摘み部)
113b、223b、313b、323b、413b、513b、523b、613b、623b、713b、723b 端壁
120、220、320、420、520、620、720 中間シート(第2のシート)
122、222、322、422、522、622、722 切込み(第2の切込み)
122a、622a 開口
122b、122c、212c、212d 端部
123、323、423、523、623、723 第2の蓋部材
123a、223a、323a、423a、523a、623a、723a 摘み部(第2の摘み部)
124、224、624 第1の接着剤
125、225、625 第2の接着剤
130、230、330、430、530、630、730 内部シート(第3のシート)
132、232、332、432、532、632、732 切込み(第3の切込み)
132a、232a、632a 開口
133、233、333、433、533、633、733 開口形成片
140、240、640 蓋
324、414、424、515a、515b、524、727a、727b スリット
326、416、426、526、726a、726b スリット(連続スリット)
517a、517b すりと(分割スリット)
626 欠如部
813a、813f、813g、813h、813k、813n 切欠(剥離防止部)
813j、813m 傾斜部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシートによって形成された物品収容空間と、前記物品収容空間に収容されている物品を取り出すための開口を開閉する蓋を備える包装体であって、
前記蓋は、第1の蓋部材と第2の蓋部材により構成されており、
さらに、第2のシートと、第3のシートを備え、
前記第1の蓋部材は、前記第1のシートに設けられ、
前記第2の蓋部材は、前記第2のシートに設けられ、
前記開口は、前記第3のシートに形成されており、
前記第2のシートの一方の面は、前記第2のシートに設けられている第2の蓋部材が前記第1のシートに設けられている第1の蓋部材と対向する位置に配置された状態で、前記第1のシートの前記物品収容空間側の面に接着され、前記第2のシートの他方の面は、前記第3のシートに形成されている開口が前記第2のシートに設けられている第2の蓋部材と対向する位置に配置された状態で、前記第3のシートの一方の面に、少なくとも前記第2の蓋部材が剥離可能に接着されていることを特徴とする包装体。
【請求項2】
請求項1に記載の包装体であって、前記第1の蓋部材は第1の摘み部を有し、前記第2の蓋部材は第2の摘み部を有しており、前記第2のシートの一方の面は、第2の蓋部材の第2の摘み部が前記第1の蓋部材の第1の摘み部と対向する位置に配置された状態で、前記第1のシートの前記物品収容空間側の面に接着されることを特徴とする包装体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の包装体であって、前記第1のシートに形成された第1の切込みによって囲まれる部分が前記第1の蓋部材として用いられ、前記第2のシートに形成された第2の切込みによって囲まれる部分が前記第2の蓋部材として用いられ、前記第1の切込みおよび前記第2の切込みの少なくとも一方は閉じていることを特徴とする包装体。
【請求項4】
請求項2に記載の包装体であって、前記第1のシートに形成された第1の切込みによって囲まれる部分が前記第1の蓋部材として用いられ、前記第2のシートに形成された第2の切込みによって囲まれる部分が前記第2の蓋部材として用いられ、前記第1の切込みおよび前記第2の切込みの少なくとも一方は、前記開口と対向する部分を挟んで前記第1の摘み部および前記第2の摘み部の少なくとも一方と反対側の個所が開いていることを特徴とする包装体。
【請求項5】
請求項3または4に記載の包装体であって、前記第2の蓋部材は、前記第3のシートに形成されている開口を開閉する開閉部と、前記開閉部を挟んで前記第2の摘み部と反対側の箇所に配置されている基部を有しており、前記第2のシートの他方の面は、前記第2の摘み部の箇所では接着されず、前記開閉部の箇所における接着強度が前記基部の箇所における接着強度以上となるように、前記第3のシートの一方の面に接着されていることを特徴とする包装体。
【請求項6】
請求項4または5に記載の包装体であって、前記第1の切込みおよび前記第2の切込みの少なくとも一方は、端部が剥離防止形状に形成されていることを特徴とする包装体。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の包装体であって、前記第1の蓋部材および前記第2の蓋部材の少なくとも一方は、前記開口と対向する部分を挟んで前記第1の摘み部および前記第2の摘み部の少なくとも一方と反対側の個所に、前記第1の蓋部材および前記第2の蓋部材の少なくとも一方を剥離する方向と交差する方向に沿って形成されたスリットを有していることを特徴とする包装体。
【請求項8】
請求項7に記載の包装体であって、前記第1の蓋部材および前記第2の蓋部材の少なくとも一方は、前記剥離する方向と交差する方向に沿って離間して形成された複数のスリットを有していることを特徴とする包装体。
【請求項9】
請求項7に記載の包装体であって、前記第2の蓋部材は、前記開口と対向する部分を挟んで前記第2の摘み部と反対側であって、前記第2の蓋部材を剥離する方向に沿って離間した複数の個所に、前記第2の蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って形成された複数のスリットを有していることを特徴とする包装体。
【請求項10】
請求項2〜6のいずれかに記載の包装体であって、前記第2の蓋部材は、前記開口と対向する部分を挟んで前記第2の摘み部と反対側であって、前記第2の蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って欠如している欠如部を有していることを特徴とする包装体。
【請求項1】
第1のシートによって形成された物品収容空間と、前記物品収容空間に収容されている物品を取り出すための開口を開閉する蓋を備える包装体であって、
前記蓋は、第1の蓋部材と第2の蓋部材により構成されており、
さらに、第2のシートと、第3のシートを備え、
前記第1の蓋部材は、前記第1のシートに設けられ、
前記第2の蓋部材は、前記第2のシートに設けられ、
前記開口は、前記第3のシートに形成されており、
前記第2のシートの一方の面は、前記第2のシートに設けられている第2の蓋部材が前記第1のシートに設けられている第1の蓋部材と対向する位置に配置された状態で、前記第1のシートの前記物品収容空間側の面に接着され、前記第2のシートの他方の面は、前記第3のシートに形成されている開口が前記第2のシートに設けられている第2の蓋部材と対向する位置に配置された状態で、前記第3のシートの一方の面に、少なくとも前記第2の蓋部材が剥離可能に接着されていることを特徴とする包装体。
【請求項2】
請求項1に記載の包装体であって、前記第1の蓋部材は第1の摘み部を有し、前記第2の蓋部材は第2の摘み部を有しており、前記第2のシートの一方の面は、第2の蓋部材の第2の摘み部が前記第1の蓋部材の第1の摘み部と対向する位置に配置された状態で、前記第1のシートの前記物品収容空間側の面に接着されることを特徴とする包装体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の包装体であって、前記第1のシートに形成された第1の切込みによって囲まれる部分が前記第1の蓋部材として用いられ、前記第2のシートに形成された第2の切込みによって囲まれる部分が前記第2の蓋部材として用いられ、前記第1の切込みおよび前記第2の切込みの少なくとも一方は閉じていることを特徴とする包装体。
【請求項4】
請求項2に記載の包装体であって、前記第1のシートに形成された第1の切込みによって囲まれる部分が前記第1の蓋部材として用いられ、前記第2のシートに形成された第2の切込みによって囲まれる部分が前記第2の蓋部材として用いられ、前記第1の切込みおよび前記第2の切込みの少なくとも一方は、前記開口と対向する部分を挟んで前記第1の摘み部および前記第2の摘み部の少なくとも一方と反対側の個所が開いていることを特徴とする包装体。
【請求項5】
請求項3または4に記載の包装体であって、前記第2の蓋部材は、前記第3のシートに形成されている開口を開閉する開閉部と、前記開閉部を挟んで前記第2の摘み部と反対側の箇所に配置されている基部を有しており、前記第2のシートの他方の面は、前記第2の摘み部の箇所では接着されず、前記開閉部の箇所における接着強度が前記基部の箇所における接着強度以上となるように、前記第3のシートの一方の面に接着されていることを特徴とする包装体。
【請求項6】
請求項4または5に記載の包装体であって、前記第1の切込みおよび前記第2の切込みの少なくとも一方は、端部が剥離防止形状に形成されていることを特徴とする包装体。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の包装体であって、前記第1の蓋部材および前記第2の蓋部材の少なくとも一方は、前記開口と対向する部分を挟んで前記第1の摘み部および前記第2の摘み部の少なくとも一方と反対側の個所に、前記第1の蓋部材および前記第2の蓋部材の少なくとも一方を剥離する方向と交差する方向に沿って形成されたスリットを有していることを特徴とする包装体。
【請求項8】
請求項7に記載の包装体であって、前記第1の蓋部材および前記第2の蓋部材の少なくとも一方は、前記剥離する方向と交差する方向に沿って離間して形成された複数のスリットを有していることを特徴とする包装体。
【請求項9】
請求項7に記載の包装体であって、前記第2の蓋部材は、前記開口と対向する部分を挟んで前記第2の摘み部と反対側であって、前記第2の蓋部材を剥離する方向に沿って離間した複数の個所に、前記第2の蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って形成された複数のスリットを有していることを特徴とする包装体。
【請求項10】
請求項2〜6のいずれかに記載の包装体であって、前記第2の蓋部材は、前記開口と対向する部分を挟んで前記第2の摘み部と反対側であって、前記第2の蓋部材を剥離する方向と交差する方向に沿って欠如している欠如部を有していることを特徴とする包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
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【図6】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−228797(P2010−228797A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80623(P2009−80623)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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