説明

包装体

【課題】簡単な構成の蓋材を有し、当該蓋材を内容物の取り出し時に邪魔にならない位置で保持できる包装体を実現する。
【解決手段】内容物を収納し、当該内容物を取り出すための開口部13が形成される袋本体10と、一端が袋本体に固定され、開口部13を開閉自在に覆う蓋材11とを有する包装体1であって、袋本体10は、蓋材11の開封時に、開口部13を開放した状態で蓋材11と係合するための本体係合部17を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュなどが収納された包装体に係り、特に内容物を取り出すための開口部を覆う蓋材を開封状態に保持するようにした開封機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェットティッシュなどをポリエチレン等のシート材で包装した包装体が知られている。
【0003】
図8(a)(b)に示すように、従来の包装体100は、ウェットティッシュを包装し、ウェットティッシュを取り出すための開口部101a(図8(b)参照)を有する袋状の袋本体101、及び開口部101aを覆う蓋材102を備えている。
【0004】
袋本体101の上面には、ウェットティッシュを取り出すための開口部101aが形成されるように、ミシン目などが形成され、その上に粘着層を有する蓋材102が粘着されるものとなっている。
【0005】
蓋材102には、切り込み103が設けられている。この切り込み103により、切り込み103から蓋材102の端部105までの部分が袋本体101との固定部106を形成するようになっている。
【0006】
例えば、図8(a)に示す状態から、ユーザにより蓋材102の先端の摘み部104が手で保持され、袋本体101から蓋材102が切り込み103まで剥がされると、図8(b)に示すように、蓋材102は、固定部106が袋本体101の表面に固定された状態となる。また、袋本体101のミシン目で囲まれた部分101bが蓋材102側に粘着する。これにより、開口部101aが開口された状態となり、ユーザは、開口部101aからウェットティッシュを取り出すことが可能となる。
【0007】
しかし、この包装体100では、蓋材102を開口部101aの部分から剥がした後に、蓋材102から手を離すと、蓋材102がそのまま開口部101aを覆う方向へ倒れやすいという欠点がある。
【0008】
手を離した直後に、蓋材102が開口部101aを覆う方向へ倒れてしまうと、蓋材102の下面の粘着層により蓋材102が袋本体101の表面に粘着されてしまう。このため、継続してウェットティッシュを取り出したいときには、蓋材102が邪魔となるので、再び蓋材102を袋本体101から引き剥がす操作が必要となる。このため、常に片手で蓋材102が開口部101aを覆う方向へ戻らないように押さえていなくてはならず、非常に不便である。
【0009】
このため、手を離しても蓋材102が開口部101aを覆う方向へ倒れないようにする包装体の開封機構が知られている。例えば、蓋材を固定端、開口部を覆う封止部及び固定端と封止部との折返し部であるヒンジ部により構成することで、蓋材が開口部の反対側へ倒れやすくするようにした包装体の開封機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、蓋材を開封したとき、蓋材を立った状態にするために、蓋シールのシールストッパー間に蓋起立用切り込みを有する包装体の開封機構が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−17037号公報
【特許文献2】特開平9−117387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1に記載の発明にあっては、固定端を180度折り返し、折り返された部分を包装体の表面に固着させ、且つ、封止部に剛性を高める層を積層する必要があった。
また、特許文献2に記載の発明にあっては、蓋材に開閉蓋起立用切込みを形成し、且つ、この起立用切込みの両側の縁部に横方向の押罫を設ける必要があった。
すなわち、特許文献1及び2に記載の発明にあっては、蓋材に多数の加工を施す必要があった。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、簡単な構成の蓋材を有し、当該蓋材を内容物の取り出し時に邪魔にならない位置で保持できる包装体を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、内容物を収納し、当該内容物を取り出すための開口部が形成される袋本体と、一端が前記袋本体に固定され、前記開口部を開閉自在に覆う蓋材とを有する包装体であって、
前記袋本体は、
前記蓋材の開封時に、前記開口部を開放した状態で前記蓋材と係合するための係合部を備えることを特徴とする包装体である。
【0014】
請求項1記載の発明によれば、ユーザが蓋材を開封し、蓋材を袋本体の係合部に係合すると、開口部が開口した状態に維持されるので、蓋材を内容物の取り出し時に邪魔にならない位置で保持することができる。また、蓋材には複数の加工を施す必要がないので、簡単な構成の蓋材を実現できる。すなわち、簡単な構成の蓋材を有し、当該蓋材を内容物の取り出し時に邪魔にならない位置で保持できる包装体を実現することができる。
また、蓋材を内容物の取り出し時に邪魔にならない位置で保持することができるので、ユーザは、容易に内容物を取り出すことができる。
また、蓋材を内容物の取り出し時に邪魔にならない位置で保持できるので、蓋材と内容物とが接触することで、蓋材に薬液等が付着して蓋材の粘着力が低下することを防ぐことができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の包装体において、
前記蓋材は、
前記蓋材を開封するための摘み部と、
前記摘み部側の端部に前記係合部に係合される被係合部と、を備え、
前記袋本体は、
前記袋本体の長手方向両端部の対向する面同士を接合して形成した接合部を備え、
前記係合部は、
前記摘み部から遠い方に位置する前記接合部に設けられてなることを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、蓋材は、被係合部を備える構成とすればよいので、蓋材に複数の加工を施す必要はない。このため、簡単な構成の蓋材を実現できる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の包装体において、
前記係合部及び前記被係合部は、
前記袋本体及び前記蓋材よりも剛性が高く、
前記被係合部は、
前記係合部と係合する方向に屈曲した屈曲部が設けられてなることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、係合部及び被係合部は、本体部及び蓋材よりも剛性が高く、被係合部は係合部と係合する方向に屈曲した屈曲部が設けられているので、ユーザは、手間を要することなく簡単に被係合部を係合部に係合させることができる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の包装体において、
前記蓋材は、
前記蓋材を開封するための摘み部を備え、
前記本体部は、
前記本体部の長手方向両端部の対向する面同士を接合して形成した接合部を備え、
前記係合部は、
前記摘み部から遠い方に位置する前記接合部に設けられたスリットであり、前記スリットに前記蓋材の前記摘み部側の端部が係合可能に構成されることを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、蓋材には何も加工を行う必要がない。このため、簡単な構成の蓋材を実現することができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の包装体において、
前記スリットは、
前記接合部の長手方向の一端部よりも内側の位置から長手方向に沿って他端部に到る途中まで延びることを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、接合部の長手方向の一端部よりも内側の位置から長手方向に沿って他端部に到る途中まで延びる切り欠きを設ければ、蓋材には何も加工を施す必要がない。このため、簡単な構成の蓋材を実現することができる。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の包装体において、
前記スリットは、
前記接合部の短手方向の一端部から斜め方向に沿って他端部に到る途中まで延びることを特徴とする。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、接合部の短手方向の一端部から斜め方向に沿って他端部に到る途中まで延びる切り欠きを設ければ、蓋材には何も加工を施す必要がない。このため、簡単な構成の蓋材を実現することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡単な構成の蓋材を有し、当該蓋材を内容物の取り出し時に邪魔にならない位置で保持できる包装体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る包装体の斜視図である。
【図2】(a)は、蓋材係合部と本体係合部とが係合した状態における包装体の平面図である。(b)は、蓋材係合部と本体係合部とが係合した状態における包装体の側面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る包装袋の斜視図である。
【図4】(a)は、蓋材とスリットとが係合した状態における包装体の側面図である。(b)は、図4(a)の矢印方向から見た包装体を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る包装体の斜視図である。
【図6】蓋材と斜めスリットとが係合した状態における包装体の平面図である。
【図7】斜めスリットを複数設けた場合における包装体の斜視図である。
【図8】(a)は、蓋材が閉じられている状態を示した従来の包装体の斜視図である。(b)は、蓋材が開けられている状態を示した従来の包装体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1、第2、第3の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0028】
(第1の実施の形態)
図1及び図2を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。
【0029】
図1に示すように、包装体1は、ウェットティッシュを包装し、ウェットティッシュを取り出すための開口部13(図2(a)参照)を有する袋状の袋本体10、及び開口部13を覆う蓋材11を備えている。
【0030】
なお、本実施の形態では、包装体1に収納される内容物をウェットティッシュとして説明するが、内容物はウェットティッシュに限定されない。例えば、不織布やコットン等の繊維素材に化粧水や乳液を含浸させた化粧品;ガーゼ等の医療品;ビス、ナット、釘等の工具類;ピンクリップ等の文具類、ドライ菓子、ウエット菓子、固形調味料等の食品等であってもよい。
【0031】
包装体1の袋本体10は、シート材により構成される。シート材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの単材か又は複合材、あるいは、これら合成樹脂シートとアルミフォイル、紙等を張り合わせた複合シートを用いればよい。
【0032】
なお、袋本体10を構成するシート材は、収納する内容物に応じた気密性や液密性を有する素材のものを使用すればよい。例えば、ウェットティッシュ、化粧水や薬剤を含浸させた繊維素材、ウエット菓子等は液密性または気密性を有するシート材を用いるのが好ましい。また、ドライ菓子に乾燥剤を同封したり、釘等に防錆材を同封した場合は、同封の薬剤の効果を持続させるために気密性を有するシート材を用いるとよい。
【0033】
また、袋本体10を構成するシート材は、袋本体10の底面側(図示省略)で袋本体10の長手方向Xに沿って接合されているとともに、袋本体10の長手方向Xの両端部で対向する面同士が接合されている。これにより、袋本体10の長手方向Xの両端部には、接合部12、12が形成される。
【0034】
袋本体10に設けられる開口部13は、ウェットティッシュを取り出すための部分である。開口部13は、楕円形、円形、長方形、菱形等の適宜の形状とする。また、開口部13が形成されるように、ミシン目(図示省略)からなる閉ループ部が袋本体10の上面に形成されている。
【0035】
蓋材11は、袋本体10とは別体のシート片である。蓋材11の材質は、袋本体10と同様に、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの単材か又は複合材、あるいは、これら合成樹脂シートとアルミフォイル、紙等を張り合わせた複合シートからなる液密性シートを用いる。本実施の形態では、袋本体10及び蓋材11のシートは、共に液密性シートとする。
【0036】
蓋材11の形状は、開口部13を完全に覆うことができれば特に限定されず、例えば、長方形でも、楕円形でも適宜の形状とすることができる。また、蓋材11の一端には、蓋材11を開封するための摘み部14が形成されている。また、摘み部14の形状は、蓋材11を摘むことのできる形状であれば、特に限定されない適宜の形状とすることができる。
【0037】
袋本体10に形成された閉ループ部は、ウェットティッシュを使用するために蓋材11を最初に開閉する際に袋本体10から切り離されて蓋材11に粘着したままとなる。例えば、図2(a)に示すように、閉ループ部13aが袋本体10から切り離されて蓋材11に粘着したままとなる。そして、袋本体10において、閉ループ部13aが切り離された部分が開口部13となる。
【0038】
蓋材11の片面(袋本体10に接する側の面)には、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が塗布されており、蓋材11は袋本体10に形成された開口部13を覆って、繰返し開閉可能に袋本体10に粘着される。なお、摘み部14には、感圧接着剤は塗布されていない。
【0039】
また、図1に示すように、蓋材11には、摘み部14と反対側に位置する端部11a付近に切り込み15が設けられている。この切り込み15により、切り込み15から端部11aまでが固定部18を形成し、当該固定部18により蓋材11の剥離時に蓋材11が袋本体10へ固定される。例えば、図2(b)に示すように、固定部18が形成されて、蓋材11が袋本体10に固定される。
【0040】
また、蓋材11の摘み部14側の端部11bには、被係合部としての蓋材被係合部16が設けられている。蓋材被係合部16は、本体係合部17に係合される部材である。蓋材被係合部16が本体係合部17に係合されることにより、開口部13が開放された状態、即ち、ウェットティッシュの取り出し時に蓋材11が邪魔にならない位置で保持された状態となる。
【0041】
また、蓋材被係合部16は、袋本体10及び蓋材11よりも剛性の高い材質のものにより構成される。例えば、蓋材被係合部16は、厚紙などにより構成される。また、蓋材被係合部16には、本体係合部17と係合する方向に屈曲された屈曲部16aが設けられている。この屈曲部16aが本体係合部17に引っ掛かることで、蓋材被係合部16が本体係合部17に係合される。
【0042】
また、蓋材被係合部16は、蓋材11に塗布された感圧接着剤により摘み部14を含む端部11b側に接着されており、袋本体10とは接着されていない。この構成により、ユーザが蓋材11を剥がす際は、蓋材被係合部16が把持される。すなわち、蓋材被係合部16は、摘み部14の機能も有する。
【0043】
また、摘み部14から遠い方に位置する袋本体10の接合部12には、係合部としての本体係合部17が設けられている。本体係合部17は、蓋材11の蓋材被係合部16を係合させるための部材である。本体係合部17は、蓋材係合部16と同様に、袋本体10及び蓋材11よりも剛性の高い材質のものにより構成される。例えば、本体係合部17は、厚紙などにより構成される。また、本体係合部17は、接合部12と接着されている。
【0044】
次に、ユーザが袋本体10から蓋材11を引き剥がす動作について説明する。
例えば、包装体1が図1の状態である場合、ユーザにより蓋材被係合部16が把持される。そして、ユーザにより蓋材被係合部16が把持された状態で、蓋材11が袋本体10から引き剥がされて蓋材11が開封される。そして、ユーザにより蓋材被係合部16が本体係合部17に係合される。蓋材被係合部16が本体係合部17に係合されると、図2(a)(b)に示すように、ウェットティッシュの取り出し時に蓋材11が邪魔にならない位置で保持された状態となる。
【0045】
以上、第1の実施の形態によれば、蓋材11に蓋材被係合部16、袋本体10に本体係合部17を備える。このため、ユーザが蓋材11を開封し、蓋材被係合部16を本体係合部17に係合すると、開口部13が開放した状態に維持されるので、蓋材11をウェットティッシュの取り出し時に邪魔にならない位置で保持することができる。また、蓋材11は、蓋材被係合部16を備える構成とすればよいので、蓋材11に複数の加工を施す必要はない。このため、簡単な構成の蓋材11を実現できる。すなわち、簡単な構成の蓋材11を有し、当該蓋材11をウェットティッシュの取り出し時に邪魔にならない位置で保持できる包装体1を実現することができる。
【0046】
また、蓋材11をウェットティッシュの取り出し時に邪魔にならない位置で保持することができるので、ユーザは、容易にウェットティッシュを取り出すことができる。
【0047】
また、蓋材11をウェットティッシュの取り出し時に邪魔にならない位置で保持できるので、蓋材11とウェットティッシュとが接触することで、蓋材11に薬液等が付着して蓋材11に塗布された感圧接着剤の粘着力が低下することを防ぐことができる。
【0048】
また、蓋材被係合部16及び本体係合部17は、袋本体10及び蓋材11よりも剛性の高い材質のものにより構成され、蓋材被係合部16は本体係合部17と係合する方向に屈曲した屈曲部16aが設けられているので、ユーザは、手間を要することなく簡単に蓋材被係合部16を本体係合部17に係合させることができる。
【0049】
(第2の実施の形態)
図3及び図4を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。以下、第1の実施の形態と同様な部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を援用し、異なる部分について以下説明する。
【0050】
図3は、本実施の形態に係る包装体1Aの斜視図である。図1と異なる部分は、蓋材11に蓋材係合部16は設けられておらず、摘み部14から遠い方に位置する接合部12に係合部としてのスリット21を設けたことである。この構成により、スリット21に蓋材11の摘み部14側の端部11bが係合可能となる。
【0051】
具体的には、スリット21は、接合部12の長手方向Yの一端部12aよりも内側の位置から長手方向Yに沿って他端部12bに到る途中まで延びている。
【0052】
次に、ユーザが袋本体10から蓋材11を引き剥がす動作について説明する。
例えば、包装体1Aが図3の状態である場合、ユーザにより摘み部14が把持される。なお、本実施の形態における摘み部14には、間圧接着剤が塗布されていないものとする。そして、ユーザにより摘み部14が把持された状態で、蓋材11が袋本体10から引き剥がされて蓋材11が開封される。そして、ユーザにより蓋材11がスリット21に係合される。蓋材11がスリット21に係合されると、図4(a)(b)に示すように、蓋材11が切れ込み21に挟まり、ウェットティッシュの取り出し時に蓋材11が邪魔にならない位置で保持された状態となる。
【0053】
以上、第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、接合部12の長手方向Yの一端部12aよりも内側の位置から長手方向Yに沿って他端部12b到る途中まで延びるスリット21を設ければ、蓋材11には何も加工を施す必要がない。このため、簡単な構成の蓋材11を実現することができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
図5及び図6を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。以下、第1の実施の形態と同様な部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を援用し、異なる部分について以下説明する。
【0055】
図5は、本実施の形態に係る包装体1Bの斜視図である。図1と異なる部分は、蓋材11に蓋材係合部16は設けられておらず、摘み部14から遠い方に位置する接合部12に係合部としての斜めスリット22を設けたことである。この構成により、斜めスリット22に蓋材11の摘み部14側の端部11bが係合可能となる。
【0056】
具体的には、斜めスリット22は、接合部12の短手方向Xの一端部12cから斜め方向に沿って他端部12dに到る途中まで延びている。
【0057】
次に、ユーザが袋本体10から蓋材11を引き剥がす動作について説明する。
例えば、包装体1Bが図5の状態である場合、ユーザにより摘み部14が把持される。なお、本実施の形態における摘み部14には、間圧接着剤が塗布されていないものとする。そして、ユーザにより摘み部14が把持された状態で、蓋材11が袋本体10から引き剥がされて蓋材11が開封される。そして、ユーザにより蓋材11が斜めスリット22に係合される。蓋材11が斜めスリット22に係合されると、図6に示すように、蓋材11が斜めスリットに22に挟まり、ウェットティッシュの取り出し時に蓋材11が邪魔にならない位置で保持された状態となる。
【0058】
以上、第3の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、接合部12の端手方向Xの一端部12cから斜め方向に沿って他端部12dに到る途中まで延びる斜めスリット22を設ければ、蓋材11には何も加工を施す必要がない。このため、簡単な構成の蓋材11を実現することができる。
【0059】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る包装体の一例であり、これに限定されるものではない。
【0060】
例えば、第2の実施の形態におけるスリット21の長さ、及び第3の実施の形態における斜めスリット22の長さは、蓋材11を挟むことができれば、任意の長さで構成可能である。
【0061】
また、第3の実施の形態では、斜めスリット22を1つ設ける構成としたが、蓋材11を挟みこむことができれば、斜めスリット22の数は限定されるものではない。例えば、図7に示すように、斜めスリット22を2つ設けることとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1、1A、1B 包装体
10 袋本体
11 蓋材
11a、11b 端部
12 接合部
12a、12c 一端部
12b、12d 他端部
13 開口部
13a 閉ループ部
14 摘み部
16 蓋材被係合部
16a 屈曲部
17 本体係合部
18 固定部
21 スリット
22 斜めスリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収納し、当該内容物を取り出すための開口部が形成される袋本体と、一端が前記袋本体に固定され、前記開口部を開閉自在に覆う蓋材とを有する包装体であって、
前記袋本体は、
前記蓋材の開封時に、前記開口部を開放した状態で前記蓋材と係合するための係合部を備えることを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記蓋材は、
前記蓋材を開封するための摘み部と、
前記摘み部側の端部に前記係合部に係合される被係合部と、を備え、
前記袋本体は、
前記袋本体の長手方向両端部の対向する面同士を接合して形成した接合部を備え、
前記係合部は、
前記摘み部から遠い方に位置する前記接合部に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記係合部及び前記被係合部は、
前記袋本体及び前記蓋材よりも剛性が高く、
前記被係合部は、
前記係合部と係合する方向に屈曲した屈曲部が設けられてなることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記蓋材は、
前記蓋材を開封するための摘み部を備え、
前記本体部は、
前記本体部の長手方向両端部の対向する面同士を接合して形成した接合部を備え、
前記係合部は、
前記摘み部から遠い方に位置する前記接合部に設けられたスリットであり、前記スリットに前記蓋材の前記摘み部側の端部が係合可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項5】
前記スリットは、
前記接合部の長手方向の一端部よりも内側の位置から長手方向に沿って他端部に到る途中まで延びることを特徴とする請求項4に記載の包装体。
【請求項6】
前記スリットは、
前記接合部の短手方向の一端部から斜め方向に沿って他端部に到る途中まで延びることを特徴とする請求項4に記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−66864(P2012−66864A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214819(P2010−214819)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】