説明

包装充填装置及び包装充填方法

【課題】チューブ内の液体圧力が変動によって圧力が下がっても、陰圧へ下降することを防止して、チューブへ外部雰囲気物質が侵入することを防止することができる包装充填を提供する。
【解決手段】ウェブ状包装材料1aに次の包装材料1bを継ぎ目1cで継いで連続的に供給し、チューブ状に成形し、包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、チューブ内に充填パイプから液体食品を充填し、液面下でチューブ横断方向に横シールし、チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造し、プレッシャーフランジがチューブ内の液体食品の圧力を陽圧にし、継ぎ目の部分が、チューブ状成形時にずれて継がれ、継ぎ目の端部であって、チューブ外側に対応する位置に、端部から突出するように、熱シール性フィルム23を貼着し、熱シール性フィルム23で継ぎ目の部分を覆ってシールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性食品などが充填されたチューブ包装材料を容器毎に横シールして切断して容器とする包装充填に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳、ミネラルウォーター、茶、ジュース、スープ、アルコール類等の流動食品を収容する包装容器を製造する場合、ウェブ状(帯状)の包装積層材料が使用され、包装積層材料を次の包装積層材料に継ぎ目で継いで、包装積層材料を連続的にヒートシール、超音波シール等によってシールされることにより、包装容器が形成される。例えば、包装充填装置において、包装積層材料を次の包装積層材料に継ぎ目で継いで、包装積層材料を連続的に包装材料の縁部にストリップを前もって接合し、包装積層材料をチューブ状に成形し、チューブの内側から、包装積層材料の重ね合わされた両縁部同士を、縦シール部の内側端面を保護するストリップと共に押し当てて縦シール装置によって長手方向(縦方向)にシールした後、無菌的に収容する無菌室内の雰囲気下で、チューブ状の包装積層材料の中に液体食品を充填しながら、横シール装置によって横方向にシールして切断し、枕状の予備容器を形成し、予備容器を更に所定の形状に成形して包装容器を完成させる。
【0003】
図7は、包装充填装置の一例を示す概略斜視図である。ウェブ状の包装積層材料1は、リールの状態で包装充填装置に装填される。包装積層材料1は、紙基材、及び紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、必要に応じて紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔、ガスバリヤ性樹脂等から成るバリヤ層が形成され、包装容器14の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0004】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段の送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経て、ストリップ貼着装置3に送られ、ストリップ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップ2が貼着される。
【0005】
包装積層材料1は、必要に応じて、プルタブ貼着装置によってプルタブが貼着されてる。包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフ5に送られ、エアナイフ5によって乾燥させられた後、チューブ状包装材料内に液体食品を無菌雰囲気で充填することを保証する無菌室40の室内に送られる。包装積層材料1は、成形リング6、その他の成形リングによって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
チューブ状包装積層材料1は、縦シール装置の予熱手段8によって予熱されて、縦方向にシールされ、充填パイプ7の下端から流動性食品がチューブ状包装積層材料1内に充填される。
【0006】
図6に、チューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を所定の液面レベルまで充填する形態の一例を示す。
充填パイプ7の垂直部分は、チューブ状包装材料1の内部に下方に挿入されている。上流側の部分は、制御弁32に接続されている。充填パイプ7の垂直部分の外周囲には、円筒状のフロート34が配置されている。その液体に浮かんだフロート34は、チューブ包装材料1と充填パイプ7の間にあって、充填パイプ7の垂直部分の外面に、上下方向に移動自在に嵌められている。フロート11には、被検出手段35(マグネット、発信器または、タグなど)が取付けられている。チューブ1の外部に検出器31が配されている。検出器31は、被検出手段との間の信号の強弱の変化を電流に変えて電気信号として出力する。所定レベル若しくはそれ以上では停止信号を、所定レベル以下であると開放信号をそれぞれ制御装置33に出力する。一方、充填パイプ7の上流側部分には、電磁式流量制御弁32が設けられており、電磁式流量制御弁32は、制御装置33により制御される。
【0007】
図7に示すように、チューブ状包装積層材料1は、下方に案内され、無菌室40の室外の下方に送られて、横シール装置10に送られる。横シール装置10において、挟まれて横方向にシールされると共に、容器形状に成形され、横シールされた包装積層材料は、ナイフなどで切断されて枕状の容器13が形成される。
【0008】
図9に横シール装置10の詳細一部断面図を示す。この態様では、食品が充填されたチューブ状包装材料1が、先ず、上側一対のシールジョー10a及び対向ジョー11により挟持される。包装容器1個分に相当する長さ分だけ下方に送られながら、上側一対の成形フラップ41,41により挟まれておおよその容器形状に成形される。横断方向に横シールして2本の横シール帯域を形成し、繋がった枕状予備成形体のシール帯域の中間をナイフ42により切断して個々の枕状予備成形体13に切り離す。
この態様では、高速に、横シール、予備成形及び切断を行うために、二対のシールジョー及び対向ジョー、並びに、成形フラップを備え、横シール、予備成形及び切断ステップを終えた一対は、横に退避し上方に戻り、次の横シール、予備成形及び切断ステップを繰返す。
【0009】
図7に示すように、容器13は、最終成形搬送装置15によって搬送されて最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が完成する。
【0010】
上述の包装充填において、充填されたチューブ内の液体食品の圧力は、液面からの液体の深さに相当して陽圧である。包装材料を成形フラップで成形する際に、チューブ内の液体食品の圧力が陽圧であることによって、成形フラップの外圧と相俟って、包装材料を良好に成形することができる。
また、このような陽圧に維持されていることが、中身食品の衛生状態を維持する。すなわち、万が一に包装材料に継ぎ目、僅かな傷、割れ目若しくはピンホールがあっても、この箇所から液体食品が外に出るだけであり、外部雰囲気物質の何らかが侵入しチューブ内の液体食品を汚染することがない。
【0011】
図6に示す充填システムでは、チューブ状包装材料内の液面下であって充填パイプ外周上に設けられたプレシャーフランジ36を有する。
チューブ状包装材料が下方に送られながら、シールジョー及び対向ジョーにより急速に挟持され、また、一対の成形フラップにより急速に挟まれる際に、チューブ状包装材料の中身の液体が押出され、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇して過剰な陽圧となる。この過剰な陽圧は、液面レベルを急激に上昇させ、不安定に揺れさせて、液面レベル制御を困難にする恐れがある。
すなわち、この過剰な陽圧は、液面レベルを急激に上昇させ、不安定に揺れさせて、図6に示すようなフロート11が大きく上下させるおそがあり、その結果、制御装置33による制御を困難にする恐れがある。
【0012】
図6に示すプレシャーフランジ36が、充填されたチューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、プレシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を十分に陽圧にし、成形用フラップによる予備成形をより容易にする。また、液体食品が下方から上方に逆流しても、その逆流を抑え、液面レベルの急激な上昇を抑えることができる。
すなわち、図8に示すように、チューブ状包装材料1内の液面下であって充填パイプ1外周上にプレシャーフランジ36を設ける。プレシャーフランジ36は、シールジョー及び対向ジョーにより急速に挟持され、また、一対の成形フラップにより急速に挟まれ液体食品が下方から上方に逆流しても、その逆流を抑え、液面レベルの急激な上昇を抑えることができる。
【0013】
しかしながら、チューブ内の液体食品圧力の変動によって、プレシャーフランジ近傍で、充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがある。
例えば、図5に示すように、横シール装置の上方位置の充填パイプ出口7a近傍において、チューブ状包装材料が矢印cの下方に送られる。図5(A)に示すように、シールジョー10a及び対向ジョー11並びに成形用フラップにより急速に矢印d方向に挟持されると、チューブ状包装材料の中身の液体が押出され、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇して矢印aの方向に逆流しようとする。プレシャーフランジ36はその逆流を抑える。
【0014】
チューブ内の液体食品の圧力は、プレシャーフランジ36の存在に拘らず、チューブ内の液体食品全体に伝播するので、図5(B)に示すように、チューブ内の液体は、慣性によって、矢印eの方向に更に逆流しようとする。しかし、プレシャーフランジ36の存在によって、フランジ下方から上方への液体移動が妨げられ、フランジ上方で液体量が不足し、不足量dが生じる。不足量dを仮想的に泡として図5(B)に図示する。その結果、充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがある。
【0015】
引く続き、チューブ状包装材料が矢印cの下方に送られ、チューブ状包装材料のプレシャーフランジ36下の容積が増える。その増加分に相当する液体食品が充填パイプ出口7aから供給されないと、プレシャーフランジ36上方の液体から矢印b(図5(C))の方向で供給されるはずであるが、プレシャーフランジ36があるためにその供給が妨げられる。図5(C)に示すように、シールジョー10a及び対向ジョー11により引き下ろされると、チューブ状包装材料のプレシャーフランジ36下の容積が急速に増え、液体食品の供給量が不足し、不足量dが生じる。不足量dを仮想的に泡として図5(C)に図示する。その結果、充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがある。
【0016】
図8は、包装充填装置の一例における、充填されたプレシャーフランジ下方の充填パイプ付近の液体食品の圧力を示す縦軸と、横シール、予備成形及び切断ステップの時間経過を示す横軸との線図である。
シールジョー及び対向ジョー、並びに成形用フラップにより急速に挟持されると、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇する。これがピークe,fである。チューブ状包装材料が引き下ろされるとプレシャーフランジ下の容積が急速に増え、液体食品の供給量が不足し、チューブ内の液体食品の圧力が陰圧になる。これが低い陽圧若しくは陰圧の谷gである。
【0017】
上述の低い陽圧若しくは陰圧を防ぐために、継ぎ目に生じた間隙を密封部材によって密封すること(参考特許文献1)、フィルム貼着手段でフイルムを貼着して塞ぐこと(参考特許文献2)、陽圧維持手段で、プレッシャーフランジ下方又は上方のチューブ内の液体食品の圧力の変動を緩和して、液体食品圧力が陰圧に下降することを防止し、陽圧に維持すること(参考特許文献3及び参考特許文献4)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2008−296958号公報
【特許文献2】国際公開WO2009/150693号公報
【特許文献3】国際公開WO2009/139128号公報
【特許文献4】国際公開WO2009/139129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述の包装充填において、包装材料を成形フラップで成形する際に、チューブ内の液体食品の圧力が陽圧であることによって、成形フラップの外圧と相俟って、包装材料を良好に成形する。
また、このような陽圧に維持されていることが、中身食品の衛生状態を維持する。すなわち、万が一に包装材料に、継ぎ目による間隙、僅かな傷、割れ目若しくはピンホールがあっても、この箇所から液体食品が外に出るだけであり、外部雰囲気物質の何らかが侵入しチューブ内の液体食品を汚染することがない。
【0020】
本発明は、チューブ内の充填液体食品の圧力を陽圧に維持し、成形用フラップによる予備成形を容易にし、液体食品圧力の変動によって液体食品圧力が下がっても、陰圧へ下降することを防止して、チューブへ外部雰囲気物質が侵入することを防止することができる包装充填方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の包装充填方法は、ウェブ状包装材料に次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継いでウェブ状包装材料を連続的に供給し、チューブ状に成形し、包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に連続的に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーでチューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造する包装充填方法であって、
チューブ状包装材料内の液面下であって充填パイプ外周上に設けられたプレッシャーフランジが、充填されたチューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、プレッシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を陽圧にし、成形用フラップによる予備成形を容易にし、
ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、その両端部でチューブ状成形時にずれて重なり合うように、継がれ、
継がれたウェブ状包装材料の継ぎ目の部分及びその近傍の端部であって、チューブ状成形時に重なり合いかつチューブ外側に対応する位置に、端部から突出するように、熱シール性フィルムを貼着し、
縦シール時又は縦シール後に、熱シール性フィルムで、重なり合った2カ所の継ぎ目の部分を覆ってシールする、
ことを特徴とする。
【0022】
この発明の好ましい態様において、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に斜線状に形成されている。
【0023】
この発明の好ましい態様において、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に円弧状に形成されている。
【0024】
この発明の好ましい態様において、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に稲妻状に形成されている。
【0025】
この発明の好ましい態様において、重なり合ったチューブ状包装材料の両端部を外側から熱シール性フィルムで覆って、重なり合った継ぎ目の部分を覆ってシールする。
【0026】
この発明の好ましい態様において、重なり合うウェブ状包装材料の端部の端面を熱シール性フィルムで覆って、重なり合った継ぎ目の部分を覆ってシールする。
【0027】
本発明の包装充填装置は、ウェブ状包装材料に次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継いでウェブ状包装材料を連続的に供給し、チューブ状に成形し、包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に連続的に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーでチューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造する包装充填装置であって、
チューブ状包装材料内の液面下であって充填パイプ外周上に設けられたプレッシャーフランジが、充填されたチューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、プレッシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を陽圧にし、成形用フラップによる予備成形を容易にし、
継ぎ手段によって、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、その両端部でチューブ状成形時にずれて重なり合うように、継がれ、
貼着手段によって、継がれたウェブ状包装材料の継ぎ目の部分及びその近傍の端部であって、チューブ状成形時に重なり合いかつチューブ外側に対応する位置に、端部から突出するように、熱シール性フィルムを貼着し、
継ぎ目被覆手段によって、縦シール時又は縦シール後に、熱シール性フィルムで、重なり合った2カ所の継ぎ目の部分を覆ってシールする、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
以上の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
この発明における包装充填方法/装置は、ウェブ状包装材料に次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継いでウェブ状包装材料を連続的に供給する。
1単位のウェブ状包装材料の長さに限定されず、より長く連続運転/製造ができる。
ウェブ状包装材料をチューブ状に成形し、包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に連続的に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーでチューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造する。
液体食品が充填されたウェブ状包装材料の液面下で、横シールするので、容器内に不要な空気等が残らず、品質保持に寄与する。
上述の包装充填において、充填されたチューブ内の液体食品の圧力は、液面からの液体の深さに相当して陽圧である。包装材料を成形フラップで成形する際に、陽圧であることによって良好に成形することができる。
【0029】
この発明に於いて、チューブ状包装材料内の液面下であって充填パイプ外周上に設けられたプレシャーフランジを有する。
チューブ状包装材料が下方に送られながら、シールジョー及び対向ジョーにより急速に挟持され、また、一対の成形フラップにより急速に挟まれる際に、チューブ状包装材料の中身の液体が押出され、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇して過剰な陽圧となる。この過剰な陽圧は、液面レベルを急激に上昇させ、不安定に揺れさせて、液面レベル制御を困難にする恐れがある。
すなわち、この過剰な陽圧は、液面レベルを急激に上昇させ、不安定に揺れさせて、図6に示すようなフロート34が大きく上下させるおそがあり、その結果、制御装置33による制御を困難にする恐れがある。
【0030】
この発明において、プレシャーフランジが、充填されたチューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、プレシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を十分に陽圧にし、成形用フラップによる予備成形をより容易にする。また、液体食品が下方から上方に逆流しても、その逆流を抑え、液面レベルの急激な上昇を抑えることができる。
【0031】
継ぎ手段は、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料とを、それぞれの末端部分を一部重ねて、若しくは、それぞれの末端部分の端面を突き合わせて別途シール性接着テープを重ねて、継がれる。いずれも継ぎ目の部分は、他の通常ウェブ状包装材料と比べて厚みが厚くなっている。
この発明の特徴に於いて、継ぎ手段によって、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、その両端部でチューブ状成形時にずれて重なり合うように、継がれる。
この発明の好ましい態様において、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に斜線状に形成されている。
この発明の好ましい別の態様において、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に円弧状に形成されている。
この発明の好ましい別の態様において、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料のと継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に稲妻状に形成されている。
いずれの態様も、チューブ状成形時に、両端2カ所の継ぎ目の部分がずれて重なり合う。
上記態様において、継ぎ目の部分の重なり箇所の厚みは、継ぎ目の部分同士が重なる場合と比べて厚みが薄くなる。薄い重なりが、継ぎ目における間隙を少なく小さくすることができ、それだけ包装衛生上のリスクを低減する。
【0032】
この発明の特徴に於いて、貼着手段によって、継がれたウェブ状包装材料の継ぎ目の部分及びその近傍の端部であって、チューブ状成形時に重なり合いかつチューブ外側に対応する位置に、端部から突出するように、熱シール性フィルムを貼着する。
この発明において、熱シール性フィルムは、チューブ状成形前のウェブ状包装材料に貼着され、チューブ状成形後に貼着されない。
チューブ状成形前であるので、工程の自由度がある。チューブ成形後の液体食品を無菌雰囲気で充填することを保証する無菌室の室内では、衛生上、装置デザイン上、機能上、また操作上、設置に困難性がある。無菌室の下流側に設置すると、衛生上リスクがある。
【0033】
この発明の特徴に於いて、継ぎ目被覆手段によって、縦シール時又は縦シール後に、熱シール性フィルムで、重なり合った2カ所の継ぎ目の部分を覆ってシールする。
包装充填システムにおいて、充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがある。
この発明の特徴において、継ぎ目被覆手段が、縦シール帯域であって継ぎ目に生じた間隙若しくは間隙が生じる恐れがある部位を塞ぐので、この箇所から外部雰囲気物質、何らか(汚染物質)が侵入してチューブ内の液体食品を汚染することがなく、中身食品の衛生状態を維持することができる。
【0034】
上述のように、本発明の包装充填方法/装置によって、チューブ内の充填液体食品の圧力を陽圧に維持し、成形用フラップによる予備成形を容易にし、液体食品圧力の変動にって液体食品圧力が万が一に陰圧へ下降しても、チューブへ外部雰囲気物質が侵入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明による継がれたウェブ状包装材料の外側継ぎ目部分を示す平面図である。
【図2】継がれたチューブ状包装材料の外側継ぎ目部分を示す外観斜視図である。
【図3】この発明による継がれたウェブ状包装材料の継ぎ目部分をフィルムで覆う第1の態様の横断方向の断面図である。
【図4】この発明による継がれたウェブ状包装材料の継ぎ目部分をフィルムで覆う第2の態様の横断方向の断面図である。
【図5】プレシャーフランジ下の包装充填装置の動作を示す概略断面図である。
【図6】包装充填装置の液面制御を説明する断面正面図図である。
【図7】この発明に使用できる包装充填装置の一例を示す概略斜視図である。
【図8】包装充填装置における、充填されたプレシャーフランジ下の液体食品の圧力の縦軸と、横シール、予備成形及び切断ステップの時間経過の横軸との線図である。
【図9】包装充填装置の横シール装置を説明する断面正面図である。
【図10】この発明による別の態様による、継がれたウェブ状包装材料の継ぎ目部分を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態による包装充填装置では、ウェブ状包装材料1に次のウェブ状包装材料1を継ぎ目で継いでウェブ状包装材料を連続的に供給する。図7に示すように、ウェブ状包装材料1をチューブ状に成形し、包装材料の両端部でチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプ7から液体食品を無菌室40内で、図6に示すように、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、図9に示すように、液面下でチューブ横断方向にシールジョー10a及びカウンタージョー11でチューブ1を挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時に成形用フラップ41、41で挟んで予備成形し、横シール帯域でナイフ42で切断して予備包装体13を製造する。
【0037】
この態様では、1単位のリール状のウェブ状包装材料1aに次の1単位のリール状のウェブ状包装材料1bを継ぎ目1cで継いでウェブ状包装材料を連続的に供給する。
図1に、継がれたウェブ状包装材料の外側継ぎ目部分を示す。この態様では、継ぎ手段(図示せず)によって、ウェブ状包装材料1aと次のウェブ状包装材料1bのと継ぎ目の部分1cが、その両端部でチューブ状成形時にずれて重なり合うように、継がれる。
図1に示す態様において、ウェブ状包装材料1aと次のウェブ状包装材料1bのと継ぎ目の部分1cが、包装材料の横断方向に斜線状に形成されている。
継ぎ手段は、ウェブ状包装材料と次のウェブ状包装材料とを、それぞれの末端部分を一部重ねて、若しくは、それぞれの末端部分の端面を突き合わせて別途シール性接着テープを重ねて、継がれるが、いずれも継ぎ目の部分は、他の通常ウェブ状包装材料と比べて厚みが厚くなっている。
しかしながら、この態様では、チューブ状成形時に、両端2カ所の継ぎ目の部分1c.1cがずれて重なり合う。従って、継ぎ目の部分の重なり箇所の厚みは、継ぎ目の部分同士が重なる場合と比べて厚みが薄くなる。薄い重なりが、継ぎ目における間隙を少なく小さくすることができ、包装衛生上のリスクを低減する。
【0038】
別の態様において、図10(A)に示すように、ウェブ状包装材料1aと次のウェブ状包装材料1bのと継ぎ目の部分1cが、包装材料の横断方向に円弧状に形成されている。
この態様では、チューブ状成形時に、両端2カ所の継ぎ目の部分1c.1cがずれて重なり合うので、継ぎ目の部分の重なり箇所の厚みは、継ぎ目の部分同士が重なる場合と比べて厚みが薄くなる。薄い重なりが、継ぎ目における間隙を少なく小さくすることができ、包装衛生上のリスクを低減する。
【0039】
別の態様において、図10(B)に示すように、ウェブ状包装材料1aと次のウェブ状包装材料1bのと継ぎ目の部分1cが、包装材料の横断方向に稲妻状に形成されている。
この態様では、チューブ状成形時に、両端2カ所の継ぎ目の部分1c.1cがずれて重なり合うので、継ぎ目の部分の重なり箇所の厚みは、継ぎ目の部分同士が重なる場合と比べて厚みが薄くなる。薄い重なりが、継ぎ目における間隙を少なく小さくすることができ、包装衛生上のリスクを低減する。
【0040】
この態様において、充填されたチューブ内の液体食品の圧力は、液面からの液体の深さに相当して陽圧である。包装材料を成形フラップで成形する際に、陽圧であることによって良好に成形することができる。
この態様に於いて、図5及び図6に示すように、チューブ状包装材料内の液面下であって充填パイプ7外周上に設けられたプレシャーフランジ36を有する。
チューブ状包装材料が下方に送られながら、シールジョー及び対向ジョーにより急速に挟持され、また、一対の成形フラップにより急速に挟まれる際に、チューブ状包装材料の中身の液体が押出され、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇して陽圧となる。
【0041】
この態様において、プレシャーフランジ36が、充填されたチューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、プレシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を十分に陽圧にし、成形用フラップによる予備成形をより容易にする。また、液体食品が下方から上方に逆流しても、その逆流を抑え、液面レベルの急激な上昇を抑えることができる。
【0042】
この態様に於いて、貼着手段(図示せず)によって、図1に示すように、継がれたウェブ状包装材料1a、1bの継ぎ目の部分1c及びその近傍の端部であって、チューブ状成形時に重なり合いかつチューブ外側に対応する位置に、端部から突出するように、熱シール性フィルム23を貼着する。
熱シール性フィルム23が貼着する端部と反対側の端部には、容器内側端面を保護するストリップ2が貼着されている。
この態様において、熱シール性フィルム23は、継ぎ目1cを形成したときに、又はストリップ2をウェブ状包装材料の端部に貼着したときに、貼着する。
チューブ状成形前のウェブ状包装材料に貼着され、チューブ状成形後に貼着されない。
【0043】
図2に、継がれたチューブ状包装材料1a、1bの継ぎ目部分1cを示す。図示するように、継ぎ目部分1cは、ずれて重なり合わない。
図2に示すように、継ぎ目部分1cの隣接箇所で間隙1eが形成されることがある。
この態様に於いて、継ぎ目被覆手段(図示せず)によって、縦シール時又は縦シール後に、熱シール性フィルム23(図2に図示せず)で、2カ所の継ぎ目の部分1c、1cを覆ってシールする。
1片若しくは2片の熱シール性フィルム23は、2カ所の継ぎ目の部分1c、1cをまとめて、若しくは各々、覆ってシールする。
【0044】
包装充填システムにおいて、充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがあるが、この態様の継ぎ目被覆手段が、縦シール帯域であって継ぎ目に生じた間隙若しくは間隙が生じる恐れがある部位1eを塞ぐので、この箇所から外部雰囲気物質、何らか(汚染物質)が侵入してチューブ内の液体食品を汚染することがなく、中身食品の衛生状態を維持することができる。
【0045】
好ましい態様において、図3に示すように、重なり合ったチューブ状包装材料の両端部(縦シール部1d)を外側から熱シール性フィルム23で覆って、重なり合った継ぎ目の部分1eを覆ってシールする。
継ぎ目に生じた間隙1eを覆うので、この箇所から外部雰囲気物質が侵入してチューブ内の液体食品を汚染することがなく、中身食品の衛生状態を維持することができる。
【0046】
別の態様において、図4に示すように、重なり合うウェブ状包装材料の端部(1d)の端面を熱シール性フィルム23で覆って、重なり合った継ぎ目の部分1eを塞いでシールする。
継ぎ目に生じた間隙1eを塞ぐので、この箇所から外部雰囲気物質が侵入してチューブ内の液体食品を汚染することがなく、中身食品の衛生状態を維持することができる。
【0047】
上述のように、上記実施態様の包装充填方法/装置によって、チューブ内の充填液体食品の圧力を陽圧に維持し、成形用フラップによる予備成形を容易にし、液体食品圧力の変動にって液体食品圧力が万が一に陰圧へ下降しても、チューブへ外部雰囲気物質が侵入することを防止することができる。
【0048】
なお、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
この発明は、液体食品の包装充填の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1,1a,1b 包装材料
1c 継ぎ目
1d 縦シール帯域
1e 間隙
2・・・ ストリップ
7・・・ 充填パイプ
10・・・ シールジョー
11・・・ カウンタージョー
13,14 容器
23・・・ 熱シール性フィルム
31・・・ 液面レベル検知手段
32・・・ 供給手段
33・・・ 制御手段
34・・・ フロート
36・・・ プレッシャーフランジ
37・・・ 液面レベル
40・・・ 無菌室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ状包装材料に次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継いでウェブ状包装材料を連続的に供給し、チューブ状に成形し、包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に連続的に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーで該チューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、該チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造する包装充填方法であって、
該チューブ状包装材料内の液面下であって該充填パイプ外周上に設けられたプレッシャーフランジが、充填された該チューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、該プレッシャーフランジ下方の該チューブ内の液体食品の圧力を陽圧にし、該成形用フラップによる予備成形を容易にし、
該ウェブ状包装材料と次の該ウェブ状包装材料のと該継ぎ目の部分が、両端部でチューブ状成形時にずれて重なり合うように、継がれ、
継がれた該ウェブ状包装材料の該継ぎ目の部分及びその近傍の端部であって、チューブ状成形時に重なり合いかつチューブ外側に対応する位置に、該端部から突出するように、熱シール性フィルムを貼着し、
該縦シール時又は縦シール後に、該熱シール性フィルムで、2カ所の該継ぎ目の部分を覆ってシールする、
ことを特徴とする包装充填方法。
【請求項2】
該ウェブ状包装材料と次の該ウェブ状包装材料のと該継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に斜線状に形成されている、請求項1記載の包装充填方法。
【請求項3】
該ウェブ状包装材料と次の該ウェブ状包装材料のと該継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に円弧状に形成されている、請求項1記載の包装充填方法。
【請求項4】
該ウェブ状包装材料と次の該ウェブ状包装材料のと該継ぎ目の部分が、包装材料の横断方向に稲妻状に形成されている、請求項1記載の包装充填方法。
【請求項5】
重なり合った該チューブ状包装材料の両端部を外側から該熱シール性フィルムで覆って、重なり合った継ぎ目の部分を覆ってシールする、請求項2記載の包装充填方法。
【請求項6】
重なり合う該ウェブ状包装材料の端部の端面を該熱シール性フィルムで覆って、重なり合った継ぎ目の部分を塞いでシールする、請求項2記載の包装充填方法。
【請求項7】
ウェブ状包装材料に次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継いでウェブ状包装材料を連続的に供給し、チューブ状に成形し、包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に連続的に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーで該チューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、該チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造する包装充填装置であって、
該チューブ状包装材料内の液面下であって該充填パイプ外周上に設けられたプレッシャーフランジが、充填された該チューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、該プレッシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を陽圧にし、該成形用フラップによる予備成形を容易にし、
継ぎ手段によって、該ウェブ状包装材料と次の該ウェブ状包装材料のと該継ぎ目の部分が、その両端部でチューブ状成形時にずれて重なり合うように、継がれ、
貼着手段によって、継がれた該ウェブ状包装材料の該継ぎ目の部分及びその近傍の端部であって、チューブ状成形時に重なり合いかつチューブ外側に対応する位置に、該端部から突出するように、熱シール性フィルムを貼着し、
継ぎ目被覆手段によって、縦シール時又は縦シール後に、該熱シール性フィルムで、2カ所の該継ぎ目の部分を覆ってシールする、
ことを特徴とする本発明の包装充填装置。

【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−66861(P2012−66861A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214623(P2010−214623)
【出願日】平成22年9月26日(2010.9.26)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】