説明

包装充填装置

【課題】成形用フラップによる予備成形を容易にし、液体食品圧力の変動によって液体食品圧力が下がっても、チューブへ外部雰囲気物質が侵入することを防止することができる包装充填装置を提供する。
【解決手段】包装充填装置が、プレッシャーフランジ36と陽圧維持手段とを有し、プレッシャーフランジ36が、チューブ状包装材料1内の液面レベル37下であって充填パイプ7外周上に設けられ、充填されたチューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、プレッシャーフランジ36下方のチューブ内の液体食品の圧力を陽圧にし、予備成形を容易にし、プレッシャーフランジ36上方のチューブ内の液体食品の圧力の変動を緩和して、液体食品圧力が陰圧に下降することを防止し、プレッシャーフランジ36上方の液体食品圧力を陽圧に維持する陽圧維持手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料などを充填して容器に包装する包装充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳、ミネラルウォーター、茶、ジュース、スープ、アルコール類等の流動食品を収容する包装容器を製造する場合、ウェブ状(帯状)の包装積層材料が使用され、包装積層材料を次の包装積層材料に継ぎ目で継いで、包装積層材料を連続的にヒートシール、超音波シール等によってシールされることにより、包装容器が形成される。例えば、包装充填装置において、包装積層材料を次の包装積層材料に継ぎ目で継いで、包装積層材料を連続的に包装材料の縁部にストリップを前もって接合し、包装積層材料をチューブ状に成形し、チューブの内側から、包装積層材料の重ね合わされた両縁部同士を、縦シール部の内側端面を保護するストリップと共に押し当てて縦シール装置によって長手方向(縦方向)にシールした後、無菌的に収容する無菌室内の雰囲気下で、チューブ状の包装積層材料の中に液体食品を充填しながら、横シール装置によって横方向にシールして切断し、枕状の予備容器を形成し、予備容器を更に所定の形状に成形して包装容器を完成させる。
【0003】
図4は、包装充填装置の一例を示す概略斜視図である。ウェブ状の包装積層材料1は、リールの状態で包装充填装置に装填される。包装積層材料1は、紙基材、及び紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、必要に応じて紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔、ガスバリヤ性樹脂等から成るバリヤ層が形成され、包装容器14の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0004】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段の送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経て、ストリップ接合装置3に送られ、ストリップ接合装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップ2が、次のストリップを継ぎ目で継ぎながら、連続的に接合される。
【0005】
包装積層材料1は、必要に応じて、プルタブ接合装置によってプルタブが接合されている。包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフ5に送られ、エアナイフ5によって乾燥させられた後、チューブ状包装材料内に液体食品を無菌雰囲気で充填することを保証する無菌室40の室内に送られる。包装積層材料1は、成形リング6、その他の成形リングによって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
チューブ状包装積層材料1は、縦シール装置の予熱手段8からのホットエアーによって予熱されて、縦方向にシールされ、充填パイプ7の下端から流動性食品がチューブ状包装積層材料1内に充填される。
【0006】
図5に、チューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を所定の液面レベルまで充填する形態の一例を示す。
充填パイプ7の垂直部分は、チューブ状包装材料1の内部に下方に挿入されている。上流側の部分は、制御弁32に接続されている。充填パイプ7の垂直部分の外周囲には、円筒状のフロート34が配置されている。液体食品に浮かんだフロート34は、チューブ包装材料1と充填パイプ7の間にあって、充填パイプ7の垂直部分の外面に、上下方向に移動自在に嵌められている。フロート34には、被検出手段35(マグネット、発信器または、タグなど)が取付けられている。チューブ1の外部に検出器31が配されている。検出器31は、被検出手段との間の信号の強弱の変化を電流に変えて電気信号として出力する。所定レベル若しくはそれ以上では停止信号を、所定レベル以下であると開放信号をそれぞれ制御手段33に出力する。すなわち、充填パイプ7の上流側部分には、流量制御弁32が設けられており、流量制御弁32は、制御手段33により制御される。
液体の液面レベルが所定レベルに調整される。(参考特許文献1)
【0007】
図4に示すように、チューブ状包装積層材料1は、下方に案内され、横シール装置10に送られ、挟まれて横方向にシールされると共に、容器形状に成形され、横シールされた包装積層材料は、ナイフなどで切断されて枕状の予備容器(予備成形体)13が形成される。
【0008】
図6に横シール装置10の詳細一部断面図を示す。この態様では、食品が充填されたチューブ状包装材料1が、先ず、上側一対のシールジョー10a及び対向ジョー11により挟持される。包装容器1個分に相当する長さ分だけ下方に送られながら、上側一対の成形フラップ41,41により挟まれておおよその容器形状に成形される。横断方向に横シールして2本の横シール帯域を形成し、繋がった枕状予備成形体のシール帯域の中間をナイフ42により切断して個々の枕状予備成形体13に切り離す。
図6に示すこの態様では、高速に、横シール、予備成形及び切断を行うために、二対のシールジョー及び対向ジョー、並びに、成形フラップを備え、横シール、予備成形及び切断ステップを終えた一対は、横に退避し上方に戻り、次の横シール、予備成形及び切断ステップを繰返す。
【0009】
図4に示すように、予備容器13は、最終成形搬送装置15によって搬送されて最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が完成する。
【特許文献1】実開平1ー82102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の包装充填において、充填されたチューブ内の液体食品の圧力は、液面からの液体の深さに相当して陽圧である。包装材料を成形フラップで成形する際に、チューブ内の液体食品の圧力が陽圧であることによって、成形フラップの外圧と相俟って、包装材料を良好に成形することができる。
また、このような陽圧に維持されていることが、中身食品の衛生状態を維持する。すなわち、万が一に包装材料に僅かな傷、割れ目若しくはピンホールがあっても、この箇所から液体食品が外に出るだけであり、外部雰囲気物質の何らかが侵入しチューブ内の液体食品を汚染することがない。
【0011】
本発明は、チューブ内の充填液体食品の圧力を陽圧に維持し、成形用フラップによる予備成形を容易にし、液体食品圧力の変動によって液体食品圧力が下がっても、陰圧へ下降することを防止して、チューブへ外部雰囲気物質が侵入することを防止することができる包装充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の包装充填装置は、ウェブ状包装材料に次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継いでウェブ状包装材料を連続的に供給し、チューブ状に成形し、包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に連続的に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーでチューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造する包装充填装置であって、
包装充填装置が、プレッシャーフランジと陽圧維持手段とを有し、
プレッシャーフランジが、チューブ状包装材料内の液面下であって充填パイプ外周上に設けられ、充填されたチューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、プレッシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を陽圧にし、成形用フラップによる予備成形を容易にし、
プレッシャーフランジ上方のチューブ内の液体食品の圧力の変動を緩和して、液体食品圧力が陰圧に下降することを防止し、プレッシャーフランジ上方の液体食品圧力を陽圧に維持する陽圧維持手段を有する
ことを特徴とする。
【0013】
この発明の好ましい態様において、プレッシャーフランジが、所定の上限及び下限の範囲内で液体食品の流れに応じて上下動自在に充填パイプ外周に配設され、プレッシャーフランジ上方の液体食品の圧力が低下するとき、プレッシャーフランジが上方に移動し、プレッシャーフランジ下方の液体食品の圧力が低下するとき、プレッシャーフランジが下方に移動して、液体食品圧力の陰圧への下降を止めてチューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する。
【0014】
この発明の好ましい態様において、充填パイプの外周囲に液面に浮かぶフロートが配設され、フロートの横断面積が液面下から液面上にかけて連続的若しくは段階的に増加する形状を有し、液体食品圧力の陰圧への下降を止めてチューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する。
【0015】
この発明の好ましい態様において、プレッシャーフランジ上方又は上下両方の位置に、充填パイプ内の液体食品をチューブ内側に追加して供給する陽圧維持手段の追加調整手段を有し、追加調整手段が、液体食品圧力の周期的変動による液体食品圧力の陰圧への下降を止めてチューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する。
【発明の効果】
【0016】
以上の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
この発明における包装充填装置は、ウェブ状包装材料をチューブ状に成形し、包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に連続的に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、液面下でチューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーでチューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、横シール帯域で切断して包装容器を製造する。
【0017】
ウェブ状包装材料に次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継いでウェブ状包装材料を供給されるので、ウェブ状包装材料の残量が少なくなっても、次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継ぐので、停止することなく、連続的に包装充填することができる。
【0018】
液体食品が充填されたウェブ状包装材料の液面下で横シールされるので、容器内に不要な空気等が残らず、品質保持に寄与する。
上述の包装充填において、充填されたチューブ内の液体食品の圧力は、液面からの液体の深さに相当して陽圧である。包装材料を成形フラップで成形する際に、陽圧であることによって良好に成形することができる。
【0019】
この発明の特徴に於いて、チューブ状包装材料内の液面下であって充填パイプ外周上に設けられたプレッシャーフランジを有する。
チューブ状包装材料が下方に送られながら、シールジョー及び対向ジョーにより急速に挟持され、また、一対の成形フラップにより急速に挟まれる際に、チューブ状包装材料の中身の液体が押出され、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇して過剰な陽圧となる。この過剰な陽圧は、液面レベルを急激に上昇させ、不安定に揺れさせて、液面レベル制御を困難にする恐れがある。
すなわち、この過剰な陽圧は、液面レベルを急激に上昇させ、不安定に揺れさせて、例えば、図5に示すようなフロート34が大きく上下させるおそがあり、その結果、制御手段33による制御を困難にする恐れがある。
【0020】
この発明において、プレッシャーフランジが、充填されたチューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、プレッシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を十分に陽圧にし、成形用フラップによる予備成形をより容易にする。また、液体食品が下方から上方に逆流しても、その逆流を抑え、液面レベルの急激な上昇を抑えることができる。
例えば、図5に示すように、チューブ状包装材料1内の液面下であって充填パイプ1外周上にプレッシャーフランジ36を設ける。プレッシャーフランジ36は、プレッシャーフランジ下方のシールジョー及び対向ジョーにより急速に挟持され、また、一対の成形フラップにより急速に挟まれ液体食品が下方から上方に逆流しても、その逆流を抑え、液面レベルの急激な上昇を抑え、液体食品の圧力を十分な陽圧に保つことができる。
【0021】
チューブ内の液体食品圧力の変動によって、プレッシャーフランジ近傍で、充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがある。
図2に、液体食品の充填パイプ7からの供給と、シールジョー及びカウンタージョー並びに成形用フラップとによる横シールにおける液体食品の流れ、動きの概念的な例を示す。チューブ状包装材料が矢印cの下方に送られながら、図2(A)に示すように、シールジョー10a及び対向ジョー11並びに成形用フラップにより急速に挟持されると、チューブ状包装材料の中身の液体が押出され、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇して矢印aの方向に逆流しようとする。プレッシャーフランジ36はその逆流を抑え、成形に必要な陽圧に保つ。
【0022】
チューブ内の液体食品の圧力は、プレッシャーフランジ36の存在に拘らず、チューブ内の液体食品全体に伝播するので、図2(B)に示すように、チューブ内の液体は、慣性によって、矢印eの方向に更に逆流しようとする。しかし、プレッシャーフランジ36の存在によって、フランジ下方から上方への液体移動が妨げられ、フランジ上方(第2下降箇所)で液体量が不足し、不足量dが生じる。不足量dを仮想的に泡として図2(B)に図示する。その結果、充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがある。上昇した液体は上記不足によって、急激に下降し、その結果、再度液体食品の圧力が高まる。このように、高低を繰り返して振動する。
【0023】
図3は、包装充填装置の一例における、プレッシャーフランジ上方(第2下降箇所)の液体食品の圧力を示す縦軸と、横シール(シールジョーと対向ジョーとによる挟持)、予備成形及び切断ステップの一サイクルの時間経過を示す横軸との線図である。
シールジョー及び対向ジョー、並びに成形用フラップにより急速に挟持されると(矢印期間j)、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇する。図3のこれがピークh、iである。
チューブ内の液体食品の圧力は、チューブ内の液体食品全体に伝播し、チューブ内の液体は、慣性によって、上昇逆流しようとする。プレッシャーフランジ36の存在によって、フランジ下方から上方への液体移動が妨げられ、フランジ上方(第2下降箇所)で液体量が不足し、プレッシャーフランジ上方(第2下降箇所)の液体食品の圧力が低くなる。これが谷gである。上昇した液体は上記不足によって、急激に下降し、その結果、再度液体食品の圧力が高まる。このように、高低を繰り返す。
【0024】
引く続き、図2(C)に示すように、チューブ状包装材料1が矢印cの下方に送られ、チューブ状包装材料のプレッシャーフランジ36下方の位置(第1下降箇所)の容積が増える。その増加分に相当する液体食品が充填パイプ出口7aから供給されないと、プレッシャーフランジ36上方の液体から矢印b(図2(C))の方向で供給されるはずであるが、プレッシャーフランジ36があるためにその供給が妨げられる。図2(C)に示すように、シールジョー10a及び対向ジョー11により引き下ろされると、チューブ状包装材料のプレッシャーフランジ36下方の位置(第1下降箇所)の容積が急速に増え、液体食品の供給量が不足し、不足量dが生じる。不足量dを仮想的に泡として図2(C)に図示する。その結果、充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがある。
【0025】
図7は、包装充填装置の一例における、プレッシャーフランジ下方(第1下降箇所)の液体食品の圧力を示す縦軸と、横シール(シールジョーと対向ジョーとによる挟持)、予備成形及び切断ステップの一サイクルの時間経過を示す横軸との線図である。
シールジョー及び対向ジョー、並びに成形用フラップにより急速に挟持されると(矢印期間j)、チューブ内の液体食品の圧力が急激に上昇する。(図7ピークh参照)
シールジョー及び対向ジョーにより引き下ろされると、チューブ状包装材料のプレッシャーフランジ下方の位置(第1下降箇所)の容積が急速に増え、液体食品の供給量が不足する。充填されたチューブ内の液体食品の圧力が極めて低い陽圧若しくは陰圧になる恐れがある。(図7谷g参照)
【0026】
この発明の特徴に於いて、プレッシャーフランジ上方のチューブ内の液体食品の圧力の変動を緩和して、液体食品圧力が陰圧に下降することを防止し、液体食品圧力を陽圧に維持する陽圧維持手段を有する。
陽圧維持手段によって、液体食品の圧力変動を緩和し、液体食品圧力の陰圧下降を防止し、液体食品圧力を陽圧に維持するので、成形用フラップによる予備成形を容易にする。また、液体食品圧力が陰圧にならないので、チューブへ外部雰囲気物質が侵入することを防止することができる。
【0027】
この発明の好ましい第1の態様においてに於いて、プレッシャーフランジが、所定の上限及び下限の範囲内で液体食品の流れに応じて上下動自在に充填パイプ外周に配設される。
図1(A)に例示するように、プレッシャーフランジ36上方の液体食品の圧力が低下するとき、液体は下から上へ流れようとし、プレッシャーフランジ36が上下動自在であるので、プレッシャーフランジ36が上方に移動する。この移動により、プレッシャーフランジ36上方のチューブ内容積が減少して液体食品の圧力が上昇する。
移動に上限Hがあるので、過度に上昇してプレッシャーフランジ36下方の液体食品の圧力が低下することを防止する。
【0028】
図1(B)に例示するように、プレッシャーフランジ36下方の液体食品の圧力が低下するとき、液体は上から下へ流れようとし、プレッシャーフランジ36が上下動自在であるので、プレッシャーフランジ36が下方に移動する。この移動により、プレッシャーフランジ36下方のチューブ内容積が減少して液体食品の圧力が上昇する。
移動に下限Lがあるので、過度に下降してプレッシャーフランジ36上方の液体食品の圧力が低下することを防止する。
上記動作により、液体食品圧力の陰圧への下降を止めてチューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する。
【0029】
この発明の好ましい第2の態様に於いて、充填パイプの外周囲に液面に浮かぶフロートが配設され、フロートの横断面積が液面下から液面上にかけて連続的若しくは段階的に増加する形状を有している。
上記形状をフロートが有するので、チューブ内に占めるフロートの体積は、下から上に増加する。この増加により、シールジョー及び対向ジョー並びに成形用フラップの急速な挟持によるチューブ状包装材料内液体の押出を抑制し液体の上昇速度を緩和して液面上昇を抑えることができる。
液面上昇を抑えることにより、液面の急激な変動を緩める。また、プレッシャーフランジ上方での液体食品圧力の低下も押さえることができる。その結果、液体食品圧力の陰圧への下降を止めてチューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する。
【0030】
この発明の好ましいその他の態様に於いて、プレッシャーフランジ上方又は上下両方の位置に、充填パイプ内の液体食品を充填パイプ外側且つチューブ内側に追加供給する陽圧維持手段の追加調整手段を有し、追加調整手段が、液体食品圧力の周期的変動による液体食品圧力の陰圧への下降を止めてチューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止することができる。
【0031】
上述の様に、縦シール帯域であって継ぎ目に生じた間隙若しくは間隙が生じる恐れがある部位があっても、この箇所から外部雰囲気物質、何らか(汚染物質)が侵入してチューブ内の液体食品を汚染することがなく、中身食品の衛生状態を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、この発明による包装充填装置の実施例1によるプレッシャーフランジの動作を説明する断面正面図である。
【図2】図2は、プレッシャーフランジ付近の包装充填装置の動作を示す概略断面図である。
【図3】図3は、包装充填装置例における、プレッシャーフランジ上方(第2下降箇所)の液体食品の圧力を示す縦軸と、横シール(シールジョーと対向ジョーとによる挟持)、予備成形及び切断ステップの一サイクルの時間経過を示す横軸との線図である。
【図4】図4は、この発明に使用できる包装充填装置の一例を示す概略斜視図である。
【図5】図5は、包装充填装置の液面制御を説明する断面正面図である。
【図6】図6は、包装充填装置の横シール装置を説明する断面正面図である。
【図7】図7は、包装充填装置例における、プレッシャーフランジ下方(第1下降箇所)の液体食品の圧力を示す縦軸と、横シール(シールジョーと対向ジョーとによる挟持)、予備成形及び切断ステップの一サイクルの時間経過を示す横軸との線図である。
【図8】図8は、この発明による包装充填装置の実施例2によるフロートを概略的に説明する一部断面正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ・・・ チューブ状包装材料
7 ・・・ 充填パイプ
31・・・ 液面レベル検知手段
32・・・ 供給手段
33・・・ 制御手段
34・・・ フロート
36・・・ プレッシャーフランジ
37・・・ 液面レベル
40・・・ 無菌室
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態による包装充填装置は、図4に示すように、ウェブ状包装材料1をチューブ状に成形し、包装材料の両端部でチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプ7から液体食品を無菌室40内で、図5に示すように、充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、図6に示すように、液面下でチューブ横断方向にシールジョー10及びカウンタージョー11でチューブ1を挟んで引き下ろす間に横シールし、チューブを同時に成形用フラップ41、41で挟んで予備成形し、横シール帯域でナイフ42で切断して予備包装体13を製造する。
【実施例】
【0035】
この発明による包装充填装置の実施例1のプレッシャーフランジの概要を、図1及び図5を参照して、説明する。
充填パイプ7は、チューブ状包装材料1の内部に挿入されている。充填パイプ7の外周囲には、円筒状のフロート34が配置されている。液体食品の液面37に浮かんだフロート34は、チューブ包装材料1と充填パイプ7の間にあって、充填パイプ7に、上下方向に移動自在に嵌められている。フロート34の位置をチューブ1の外部の検出器31が検知する。
【0036】
この例に於いて、チューブ状包装材料1内の液面下であって充填パイプ7外周上に設けられた断面台形状のプレッシャーフランジ36を有する。プレッシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を十分に陽圧にし、成形用フラップによる予備成形をより容易にする。また、液体食品が下方から上方に逆流しても、その逆流を抑え、液面レベル37の急激な上昇を抑えることができる。
【0037】
この態様に於いて、プレッシャーフランジ36が、図1に示すように、所定の上限H及び下限Lの範囲内で液体食品の流れに応じて上下動自在に充填パイプ7外周に配設される。
プレッシャーフランジ36上方の液体食品の圧力が低下するとき(図1(A)参照)、液体は下から上へ流れようとし、プレッシャーフランジ36が上下に容易に移動できるので、プレッシャーフランジ36が上方に移動する。この移動により、プレッシャーフランジ36上方のチューブ内の容積が減少して液体食品の圧力が上昇する。
移動に上限Hがあるので、過度に上昇してプレッシャーフランジ36下方の液体食品の圧力が低下することを防止する。
上記実施例1では、図3に示す液体食品の圧力の谷Gが、の実施例1のプレッシャーフランジによって、矢印の方向に上昇し、改善することが確認された。
【0038】
また、プレッシャーフランジ36下方の液体食品の圧力が低下するとき(図1(B)参照)、液体は上から下へ流れようとし、プレッシャーフランジ36が上下に移動できるので、プレッシャーフランジ36が下方に移動する。この移動により、プレッシャーフランジ36下方のチューブ内容積が減少して液体食品の圧力が上昇する。
移動に下限Lがあるので、過度に下降してプレッシャーフランジ36上方の液体食品の圧力が低下することを防止する。
その結果、液体食品圧力の陰圧への下降を止めてチューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する。
上記実施例1では、図7に示す液体食品の圧力の谷Gが、矢印の方向に改善され、プレッシャーフランジ36下方(第1下降箇所)の液体食品圧力を18%上昇させることができた。
【0039】
この発明による包装充填装置の実施例のプレッシャーフランジの概要を、図8及び図5を参照して、説明する。
充填パイプ7は、チューブ状包装材料1の内部に挿入されている。充填パイプ7の外周囲には、円筒状のフロート34が配置されている。液体食品の液面37に浮かんだフロート34は、チューブ包装材料1と充填パイプ7の間にあって、充填パイプ7に、上下方向に移動自在に嵌められている。フロート34の位置をチューブ1の外部の検出器31が検知する。
【0040】
この例に於いて、チューブ状包装材料1内の液面下であって充填パイプ7外周上に設けられた断面台形状(図8)のプレッシャーフランジ36を有する。なお、図5に示すように、断面板形状のプレッシャーフランジであってもよい。プレッシャーフランジ下方のチューブ内の液体食品の圧力を十分に陽圧にし、成形用フラップによる予備成形をより容易にする。また、液体食品が下方から上方に逆流しても、その逆流を抑え、液面レベル37の急激な上昇を抑えることができる。
【0041】
図8に示す態様に於いて、充填パイプ7の外周囲に液面37に浮かぶフロート34が配設され、フロート34の横断面積が液面下から液面上にかけて連続的若しくは段階的に増加する形状を有している。断面ドーナツ状のフロート34は、外径が下から上に掛けて広くなり、懐中電灯様の外観形状をとる。
【0042】
図8に示すように、上記形状のフロート34では、チューブ内に占めるフロートの体積は、下から上に増加する。この増加により、横シールの急速な挟持によってチューブ状包装材料内の液体が上に押出され、液体が急激に速く上昇しようとするが、このフロートがストッパーになり、その速度を緩和して液面上昇を抑える。
液面上昇を抑えることにより、液面の急激な変動を緩める。また、プレッシャーフランジ上方での液体食品圧力の低下も押さえることができる。その結果、液体食品圧力の陰圧への下降を止めてチューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する。
上記実施例2では、図3に示す液体食品の圧力の谷Gが、矢印の方向に改善された。
【0043】
上述の説明は、説明と解説を目的として提示されている。発明の内容をすべてを言い尽くすものではなく、本発明の限定も、意図していない。上記の教示を踏まえて、自明な改変または変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明の包装充填装置によって、牛乳、ジュース、ミネラルウォーターなどの飲料、流動食品などの包装容器を製造する用途に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ状包装材料に次のウェブ状包装材料を継ぎ目で継いで該ウェブ状包装材料を連続的に供給し、チューブ状に成形し、該包装材料の両端部で重ね合わされたチューブの縦線方向に縦シールし、垂直に下方に連続的に搬送されるチューブ状包装材料内に充填パイプから液体食品を、該充填パイプ出口上方の所定位置の液面レベルまで充填し、該液面下で該チューブ横断方向にシールジョー及びカウンタージョーで該チューブを挟んで引き下ろす間に横シールし、該チューブを同時に成形用フラップで挟んで予備成形し、該横シール帯域で切断して包装容器を製造する包装充填装置であって、
該包装充填装置が、プレッシャーフランジと陽圧維持手段とを有し、
該プレッシャーフランジが、チューブ状包装材料内の該液面下であって該充填パイプ外周上に設けられ、充填された該チューブ内の液体食品が下方から上方に自由に流動することを抑制して、該プレッシャーフランジ下方の該チューブ内の液体食品の圧力を陽圧にし、該成形用フラップによる予備成形を容易にし、
該陽圧維持手段が、該プレッシャーフランジ上方の該チューブ内の液体食品の圧力の変動を緩和して、該液体食品圧力が陰圧に下降することを防止し、該液体食品圧力を陽圧に維持するを有する
ことを特徴とする包装充填装置。
【請求項2】
該プレッシャーフランジが、所定の上限及び下限の範囲内で該液体食品の流れに応じて上下動自在に該充填パイプ外周に配設され、該プレッシャーフランジ上方の該液体食品の圧力が低下するとき、該プレッシャーフランジが上方に移動し、該プレッシャーフランジ下方の該液体食品の圧力が低下するとき、該プレッシャーフランジが下方に移動して、該液体食品圧力の陰圧への下降を止めて該チューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する、請求項1記載の包装充填装置。
【請求項3】
該充填パイプの外周囲に該液面に浮かぶフロートが配設され、該フロートの横断面積が液面下から液面上にかけて連続的若しくは段階的に増加する形状を有し、該液体食品圧力の陰圧への下降を止めて該チューブへの外部雰囲気物質の侵入を防止する、請求項1記載の包装充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−168112(P2010−168112A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112393(P2009−112393)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】