説明

包装媒体収納容器および包装媒体パッケージ

【課題】包装媒体が変形せず、抑え板が抵抗とならず、収納容器からスムーズに包装媒体を引き出せる収納容器を提供する。
【解決手段】包装媒体巻回体2を収納する収納容器3であり、底板4と、前板5と、後板6と、側面板71、72とを備え、直方体に形成され、底板に対向する一面30が開口し、後板に回動可能に連接され、回動により開口した一面を塞ぐ蓋板22と、前板に連接され、包装媒体が収納容器の外へ飛び出すのを抑え、開口面を部分的に覆う抑え板34とを備え、包装媒体は、開口面を通して収納容器の外へ引き出され、抑え板は、連接辺に対向する対向辺37を有し、対向辺は、抑え板の中央部の幅が両端部34Aの幅より狭く形成され、対向辺は、抑え板の長手方向の両端部の幅が、開口面の短辺30Aの長さの20%〜98%に形成され、抑え板の中央部の幅が、短辺の長さの0%〜50%に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装媒体が円筒状に巻かれた包装媒体巻回体を収納する包装媒体収納容器、当該包装媒体収納容器を備える包装媒体パッケージに関し、特に、包装媒体収納容器から包装媒体を抵抗感が少なくスムーズに引き出すことができる包装媒体収納容器、当該包装媒体収納容器を備える包装媒体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
図7の斜視図、図8の断面図に示すように、従来のラップフィルムパッケージ101は、ラップ巻回体102(以下、適宜、巻回体102)と、巻回体102を収納するラップフィルム収納容器103(以下、適宜、収納容器103)とを含んで構成される。巻回体102は、食品包装用等に使用されるラップフィルム112を円筒状の巻芯110に巻きつけたものである。巻回体102は、細長い直方体形状である紙製の収納容器103の中に収納される。
【0003】
収納容器103は、図7中、一面全体に渡って開口している開口部130を、上部に有する容器本体115と、容器本体115の開口部130を覆って蓋をするように形成され、一端が容器本体115に回動可能に連接された蓋板122とを含んで構成されている。
【0004】
容器本体115は、底板104と、前板105と、後板106とを有する。収納容器103は、蓋板122に立設された蓋前板123であって、蓋板122が開口部130を塞いだときに、前板105に重なる蓋前板123を備える。蓋前板123の長辺140であって蓋前板123の蓋板122に連接された長辺140に対向する他端には、カッター124が形成されている。
【0005】
容器本体115は、さらに、長手方向Zに長い山型の抑え板134を有する。抑え板134は、連接辺139で前板105に連接される。抑え板134は、蓋板122が開となっているとき、前板105の内側面105Aと92度〜125度の角度βをなすよう構成されている。抑え板134の連接辺139に連接されている箇所の長手方向Zの長さは、開口部130の長手方向Zの長さに等しく形成されている。抑え板134の幅は長手方向Zの中点139Aにおいて最大となり、中点139Aにおける幅は、開口部130の幅より短く形成されている。よって、抑え板134は、開口部134を部分的に覆い、抑え板134の連接辺139とは反対側の辺134Bとの間には、隙間143が形成される。ラップフィルム112は、隙間143を通って収納容器103の外部に引き出される。抑え板134は、容器本体115に連接辺139で固定されて取り付けられているが、連接辺139以外では固定されておらず、連接辺139周りに回動可能である。ラップフィルム112を収納容器103から引き出すときに、ラップフィルム112は抑え板134に接触し、抑え板134を収納容器103の内部側に向かって押すので、角度βの値は減少する。
【0006】
ラップフィルム112を使用するときは、収納容器103を手(不図示)に持ち、蓋板122を開け、ラップフィルム112を摘んで引き出すと、巻回体102は収納容器103内で回転し、ラップフィルム112を巻回体102から剥離させ、隙間143を通し、収納容器103の外部に引き出すことができる。必要な長さのラップフィルム112を引き出した後に、蓋板122を閉め、カッター124を使用してラップフィルム112を切断し、切り離したラップフィルム112を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−291543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、抑え板134は山型をしているので、ラップフィルム112を収納容器103から引き出す場合に、ラップフィルム112が抑え板134に対し押し付けられ、ラップフィルム112が変形する可能性があり、このため抑え板134が抵抗となり、ラップフィルム112を収納容器103からスムーズに引き出すことができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、収納容器から包装媒体を引き出すときに、包装媒体が変形することがなく、抑え板が包装媒体に対して抵抗とならず、包装媒体を収納容器からスムーズに引き出すことができる包装媒体収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1に示すように、包装媒体12が円筒状に巻かれた包装媒体巻回体2を収納する包装媒体収納容器3であって;長方形の底板4と;底板4の長辺の一に立設された前板5と;底板4の他の長辺に立設された前板5に対向する後板6と;底板4と前板5と後板6とに接続された左側面板72と;底板4と前板5と後板6とに接続され左側面板72に対向する右側面板71とを備えて、直方体に形成され;前記直方体の6面のうち底板4に対向する一面30が開口し;さらに、後板6に回動可能に連接され、前記回動により開口した一面30を塞ぐように構成された蓋板22と;底板4に対向した状態で、連接辺39を介して前板5に連接され、包装媒体12が包装媒体収納容器3の外へ飛び出すのを抑える抑え板34であって、開口した一面30を部分的に覆う抑え板34とを備え;抑え板34は、連接辺39に対向する対向辺37を有し;対向辺37は、抑え板34の中央部34Bにおける幅Hc(図4)が両端部34Aの幅Hb(図4)よりも狭くなるように形成される。
【0011】
このように構成すると、包装媒体収納容器は、抑え板を備え、抑え板は、連接辺に対向する対向辺を有し、対向辺は、抑え板の中央部における幅が両端部の幅よりも狭くなるように形成されるので、収納容器から包装媒体を引き出すときに、抑え板に接触した包装媒体が変形することがなく、抑え板が包装媒体に対して抵抗とならず、包装媒体を収納容器からスムーズに引き出すことができる。
【0012】
包装媒体が、開口した一面を通過して包装媒体収納容器の外へ引き出されるように包装媒体収納容器を構成するとよい。対向辺は、抑え板が、抑え板の長手方向の中央部において、抑え板が前板に連接される連接辺に向かって退行して、抑え板の中央部における幅が両端部の幅より狭くなるよう曲線状に形成してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1に示すように、第1の態様の包装媒体収納容器において、対向辺37は、抑え板34の長手方向Zの両端部34Aの幅Hb(図4)が、開口した一面30の短辺30Aの長さHa(図4)の20%から98%の間になるように形成され、抑え板34の長手方向Zの中央部34Bの幅Hc(図4)が、短辺30Aの長さHaの0%から50%の間になるように形成される。
【0014】
このように構成すると、対向辺は、抑え板の長手方向の両端部の幅が、開口した一面の短辺の長さの20%から98%の間になるように形成され、抑え板の長手方向の中央部の幅が、短辺の長さの0%から50%の間になるように形成されるので、収納容器から包装媒体を引き出すときに、抑え板に接触した包装媒体が変形することがなく、抑え板が包装媒体に対して抵抗とならず、包装媒体を収納容器からよりスムーズに引き出すことができる。
【0015】
本発明の第3の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1に示すように、第1の態様または第2の態様の包装媒体収納容器において、対向辺37は、抑え板34の幅Hが、抑え板34の長手方向Zに沿って中央部34B(図4)から端部34Aに向かって、増加させるように形成される。
【0016】
このように構成すると、対向辺は、抑え板の幅が、抑え板の長手方向に沿って中央部から端部に向かって、増加させるように形成されるので、収納容器から包装媒体を引き出すときに、抑え板に接触した包装媒体が変形することがなく、抑え板が包装媒体に対して抵抗とならず、包装媒体を収納容器からよりスムーズに引き出すことができる。
【0017】
本発明の第4の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1に示すように、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1の態様の包装媒体収納容器において、対向辺37は、抑え板34の長手方向Zに沿って凹に形成される。
【0018】
このように構成すると、対向辺は、抑え板の長手方向に沿って凹に形成されるので、収納容器から包装媒体を引き出すときに、抑え板の長手方向に沿った全体に渡って、抑え板に接触した包装媒体が変形することがなく、抑え板が包装媒体に対して抵抗とならず、包装媒体を収納容器からよりスムーズに引き出すことができる。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の第5の態様に係る包装媒体パッケージ1は、例えば図3において、第1の態様乃至第4の態様のいずれか1の態様に記載の包装媒体収納容器3(図1)と;包装媒体12の先端部17に引き出しシート20を有し、引き出しシート20が、引き出しシート20を摘んで、包装媒体12を包装媒体収納容器3(図1)の外へ引き出すことができるよう構成された包装媒体巻回体2とを備える。
【0020】
このように構成すると、包装媒体巻回体が引き出しシートを有するので、引き出しシートを摘んで、包装媒体を包装媒体収納容器の外へ容易に引き出すことができる。なお、包装媒体の先端部とは、包装媒体巻回体の最外周に巻かれた包装媒体の自由端を含む、包装媒体巻回体の外周の長さ程度の部分をいう。引き出しシートが、包装媒体巻回体の回りに巻きつけられる場合も、包装媒体収納容器が、包装媒体の先端部に引き出しシートを有するものとする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明の包装媒体収納容器によれば、抑え板を備え、抑え板は、連接辺に対向する対向辺を有し、対向辺は、抑え板の中央部における幅が両端部の幅よりも狭くなるように形成されるので、収納容器から包装媒体を引き出すときに、抑え板に接触した包装媒体が変形することがなく、抑え板が包装媒体に対して抵抗とならず、包装媒体を収納容器からスムーズに引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る包装媒体収納容器を備える包装媒体パッケージの斜視図である。
【図2】図1の包装媒体収納容器に収納された包装媒体巻回体の長手方向の中央部における径方向の断面図である。
【図3】包装媒体の先端部に引き出しシールが貼付された包装媒体巻回体の斜視図である。
【図4】図1の抑え板を備える、蓋板を省略した、包装媒体巻回体を収納する包装媒体収納容器の平面図である。
【図5】他の形状を有する抑え板を備える、蓋板を省略した、包装媒体巻回体を収納する包装媒体収納容器の平面図である。
【図6】さらに他の形状を有する抑え板を備える、蓋板を省略した、包装媒体巻回体を収納する包装媒体収納容器の平面図である。
【図7】従来の包装媒体パッケージの斜視図である。
【図8】図7の包装媒体パッケージの長手方向に直角な方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0024】
図1(A)の斜視図を参照して、本発明の第1の実施の形態の包装媒体収納容器3(以下、適宜、収納容器3)を備える包装媒体パッケージ1(以下、適宜、パッケージ1)の構成を説明する。
【0025】
パッケージ1は、巻回体2と、巻回体2を収納する収納容器3とを含んで構成される。パッケージ1は、典型的には、幅44mm、高さ44mm、長さ310mmの大きさである。巻回体2は、食品包装用等に使用される包装媒体12を円筒状の巻芯10(図2)に巻きつけて巻回体2としたものである(図2参照)。巻回体2は、収納容器3の中に収納される(図2参照)。収納容器3は、例えば、厚紙またはボール紙などの紙素材(不図示)により形成される。収納容器3は、複数枚、または、1枚の紙素材(不図示)から形成することが可能である。
【0026】
収納容器3は、容器本体15を備える。容器本体15は略直方体形状をなす。容器本体15は、紙素材(不図示)を折り曲げて形成される。容器本体15は、包装媒体12が円筒状に巻かれた巻回体2を収容し、略長方形の開口した一面としての開口部30を有し、当該開口部30から巻回体2を出し入れすることができる。開口部30は、長手方向Zの中心線16(図1(A)に一点鎖線で表示)を有する。
【0027】
巻芯10(図2)に巻かれた包装媒体12は、ポリ塩化ビニリデンを原材料とする透明フィルムであるが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、もしくはこれらを組み合わせた多層フィルムであってもよい。また、包装媒体12は、ロール紙、キッチンペーパ、アルミホイル、加熱調理用紙シート等であってもよい。
【0028】
収納容器3は、底板4と、底板4の長辺31に底板4に対し直角に立設された前板5と、長辺31に対向する底板4の他の長辺32に底板4に対し直角に立設された後板6と、底板4の長辺31に対向する第2の連接辺39を有する抑え板34を備える。底板4、前板5、後板6、抑え板34は、容器本体15を構成する。底板4は、開口部30に対向するよう配置されている。抑え板34は、第2の連接辺39において前板5に連接される。
【0029】
抑え板34は、略直方体形状の容器本体15の形成に際し、第2の連接辺39に沿って、開口部30を部分的に塞ぐように前板5に対し90度の角度で折り曲げられる。折り曲げは、第2の連接辺39上で行われる。底板4、前板5、後板6は、長手方向Zに長い略長方形である。
【0030】
底板4は長辺31および他の長辺32に加えて、長辺31および他の長辺32に直角な短辺61を有する。収納容器3は、図中右側の右側面板71と、図中左側の左側面板72(以下、右側面板71と、左側面板72を区別する必要のない場合は、両者をひとくくりに側面板71、72と記載する。)とをさらに備える。側面板71、72は、それぞれ短辺61(底板4の長手方向Zの端)に立設されている。側面板71、72は略正方形である。
【0031】
収納容器3は、さらに、蓋板22と、蓋前板23とを備える。蓋板22は、長手方向Zに直角な方向で底板4に平行な(蓋板22が閉の場合に平行)長い略長方形である。蓋板22は、底板4の他の長辺32に対向する第1の連接辺38を有し、第1の連接辺38において後板6に回動可能に連接され、開口された開口部30を塞ぐよう構成される。蓋前板23は、第1の連接辺38に対向する蓋板22の長辺40に蓋板22に対して直角に立設され、蓋板22が開口部30を塞いだ状態のとき、前板5に沿って前板5の外側に重なるよう配置される。
【0032】
蓋板22は長辺である第1の連接辺38と長辺40に加えて、短辺63を有する。収納容器3は、蓋側面板73をさらに備える。蓋側面板73は、それぞれ短辺63に立設されている。蓋側面板73は長手方向Zに直角な方向で底板4に平行な方向(蓋板22が閉じた場合に平行)に長い略長方形である。
【0033】
蓋前板23は長辺40に対向する側に下端辺46を有し、包装媒体12を切断するためのカッター24が下端辺46に沿って設けられている。カッター24の先端には複数の刃を有する鋸刃80が形成されている。カッター24の一部は、蓋板22を完全に閉じて(すなわち、蓋板22が底板4に平行になって)、開口している開口部30を塞いだ場合、底板4に直角で底板4に向かう方向に蓋前板23から突出するように構成されている。
【0034】
抑え板34は、底板4に平行に配置されている状態にあるときに、開口部30の中心線16に一致する、長手方向Zに直角で底板4に平行な中心線(不図示)を有する。抑え板34は、中心線16を通る底板4に直角な面(不図示)に対し面対称である。
【0035】
抑え板34の端部34Aには、長手方向Zに直角に、折線54がそれぞれ両方の端部34Aに重ねて形成されている。一方の折線54と他方の折線54との長手方向Zの間隔は、第1の連接辺38と第2の連接辺39を通る平面である開口部30の長手方向Zの長さL1に等しく形成されている。抑え板34には、開口部30を越え長手方向Zに配置される延在部55が設けられている。延在部55は、折線54で折り曲げられ、底板4に直角に、側面板71、72に沿って側面板71、72に平行に配置される。
【0036】
図1(B)の部分斜視図に、延在部55が、底板4に平行であり、折線54で折り曲げられる前の状態を示す。延在部55は、先端部75に係合片76を有する。延在部55の先端部75に重ねて折線66が形成され、係合片76は、折線66で折り曲げができる。
【0037】
左側面板72は、底板4に直角に立設されている。左側面板72には、左側面板72を貫通して、折線54に平行にスリット部77が形成されている。延在部55を折線54で折り曲げ、左側面板72に重ね、さらに係合片76を折線66で折り曲げ、係合片76とスリット部77とを係合させる。延在部55は、左側面板72の外側に重なるように折り曲がっている(図1(A)参照)。この段落の左側面板72に関する記載は、右側面板71(図1(A))にも該当する。
【0038】
図1(A)に戻り、併せて図2を参照して説明する。スリット部77に係合した係合片76(図1(B))は、側面板71、72を貫通して、収納容器3の内部に入り込み、さらに、巻回体2の巻芯10の内周部8に接触し、巻回体2を支持するように構成されている。包装媒体12の使用の開始前において、収納容器3内部の巻回体2の外周部9は、底板4の内側に接していてもよく、底板4の内側と外周部9との間に隙間(不図示)があって、係合片76に支持されて巻回体2が底板4から浮き上がるようにしてもよい。
【0039】
図1(A)の矢視図、併せて図4の平面図を参照して説明する。抑え板34は、第2の連接辺39に対向する対向辺37を有する。抑え板34の長手方向Zの中央に形成された直線形状の中央部34B(典型的には、長さが40mm)における幅Hcは、抑え板34の端部34Aの幅Hbよりも狭くなるよう形成されている。対向辺37は、抑え板34の長手方向Zの両端部34Aの幅Hbが、開口した一面30の短辺30Aの長さHaの20%から98%の間になるように形成されている。幅Hbは、好ましくは長さHaの50%から90%の間、さらに好ましくは70%から85%の間になるように形成するとよい。対向辺37は、抑え板34の長手方向Zの中央の中央部34Bの幅Hcが、短辺30Aの長さHaの0%から50%の間になるように形成される。幅Hcは、好ましくは10%から45%の間の、さらに好ましくは、20%から40%の間になるように形成するとよい。典型的には、長さHaは43mm、幅Hbは35mm、幅Hcは15mmとするとよい。
【0040】
抑え板34の幅Hcが、開口部30の短辺30Aの長さHaの0%の場合は、図示していないが、抑え板34は、中央部34Bを有さず、収納容器3は、長手方向Zに、典型的には40mm離れて分離された、開口部30と重なる部分が略直角三角形の二つの抑え板34を備えることになる。
【0041】
図3の斜視図に示すように、収納容器3(図1(A))は、包装媒体12の先端部17に貼付して、包装媒体12を収納容器3から引き出すときに、指(不図示)で摘む引き出しシートとしての引き出しシール20を備えるようにしてもよい。引き出しシール20の材質は、紙製としてもよく、フィルム製としてもよい。包装媒体12の最初の使用時に、先端部17が、包装媒体12の幅方向W1で中央が突出する形状になっているようにし、さらに、引き出しシール20は粘着層(不図示)を有し、使用者が包装媒体12の先端部17の中央に引き出しシール20を貼付するようにするとよい。引き出しシール20は、販売時に包装媒体パッケージ1(図1(A))の表面に貼付されているようにしてもよく、巻回体2の外周部9(図2)であって巻回体2の長手方向の中央部に巻きつけるようにしてもよい(不図示)。引き出しシール20を巻回体2の回りに巻きつける場合、引き出しシール20の長さは、幅の倍程度から、販売時の巻回体2の外周と同じ程度、あるいはわずかに長い程度とするとよい。粘着層を有する引き出しシール20の代わりに、引き出しシートとしての、粘着層を有しない引き出しテープ(不図示)(紙製、またはフィルム製)とし、販売時に、包装媒体12に挟んで巻回体2の回りに巻き付け(不図示)、最初の使用時に引き出しテープを指で摘み引っ張ることにより、包装媒体12を収納容器3から引き出して、包装媒体12を使用できるようにしてもよい。
【0042】
図4の平面図に示すように、対向辺37は第2の連接辺39に平行な平行部37Aと、平行部37Aを挟んで平行部37Aの両側に配置された、図中、下に(第1の連接辺38から第2の連接辺39に向かう方向に)凸に形成された下凸部37Bとを有する。対向辺37は、抑え板34の幅Hが、抑え板34の長手方向Zに沿って、中央部としての平行部37Aから端部34Aに向かって、増加するように形成されている。対向辺37は、抑え板34の長手方向Zに沿って凹の形状に形成されている。ここで、増加するとは、途中で減少することなく単調に増加することや、あるいは途中で減少することがあっても全体で増加することをいう。凹の形状に形成されているとは、直線部や、途中、変曲点を含む上に凸(第2の連接辺39から第1の連接辺38に向かう方向に凸)となる部分があっても、全体として凹の形状になっていればよい。このように抑え板34を形成したので、対向辺37と第1の連接辺38との間に指を入れる隙間が確保され、包装媒体12の先端部17(図3)に、引き出しシール20(図3)を貼り付け、包装媒体12を容易に引き出せるようにすることができる。
【0043】
図1(A)の斜視図に示すように、本実施の形態の収納容器3によれば、対向辺37が、上述のように形成されているので、収納容器3から引き出される包装媒体12が、対向辺37に接触しても、対向辺37が包装媒体12の引き出しに際し抵抗とならず、対向辺37と包装媒体12が接触することにより、包装媒体12は変形せず、包装媒体12を収納容器3からスムーズに引き出すことができる。
【0044】
係合片76とスリット部77とが係合するので、抑え板34は、底板4に対向して配置され、収納容器3から包装媒体12(図2)を引き出すときに、巻回体2(図2)が収納容器3内で浮き上がると、抑え板34により抑えられる。よって、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことを抑え板34により確実に防止できる。抑え板34は、蓋板22が開の状態になっているときでも、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことを確実に防止できる。また、抑え板34は、蓋板22が開の状態になっているときであって、包装媒体12が収納容器3内に戻ってしまったときでも、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことを確実に防止でき、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことによる包装媒体12の汚染を防止できる。
【0045】
蓋板22が開の状態になっているときに、収納容器3から引き出された包装媒体12を手から離しても、包装媒体12は、抑え板34にかぶさり、包装媒体12と抑え板34との間に摩擦力が働き、この摩擦力が、包装媒体12が収納容器3に戻ろうとする力に対して抵抗力として働き、包装媒体12が収納容器3に戻りにくい構造となっている。
【0046】
抑え板34は、第2の連接辺39にて前板5に連接され、収納容器3に対して回動しないように固定されている。したがって、抑え板34の前板5の連接に対し、回動に対処するため連接を強固にする等の対策が不要となる。抑え板34は、素材の段階で前板5と一体に形成することにより、接着剤を使用しないで収納容器3に固定することができる。
【0047】
図5(図4との共通の符号は適宜記載を省略している)の平面図に示すように、対向辺37は第2の連接辺39に平行な平行部37Aと、平行部37Aを挟んで形成された、第2の連接辺39に対し斜めの直線形状に形成された斜め直線部37Cとを有するようにしてもよい。この場合も、対向辺37は、抑え板34の幅Hが、抑え板34の長手方向Zに沿って、平行部37Aから端部34Aに向かって、増加するように形成される。また、対向辺37は、抑え板34の長手方向Zに沿って凹の形状に形成される。このように構成すると、対向辺37は、3つの直線部から構成されているので、対向辺37の形成が容易となる。
【0048】
図6(図4との共通の符号は適宜記載を省略している)の平面図に示すように、対向辺37は、図中、下に(第1の連接辺38から第2の連接辺39に向かう方向に)凸に形成された下凸部37Bと、図中、上に(第2の連接辺39から第1の連接辺38に向かう方向に)凸に形成された上凸部37Dとを有するようにしてもよい。対向辺37は、下凸部37Bと上凸部37Dとの間に変曲点47を有する。この場合も、対向辺37は、上に凸に形成された上凸部37Dとを有していても、抑え板34の幅Hが、抑え板34の長手方向Zに沿って中点37Eから端部34Aに向かって増加する傾向にあり、増加するように形成される。このように構成すると、図4に記載の対向辺37を有する場合と同様に、包装媒体12は変形せず、包装媒体12を収納容器3(図4)からスムーズに引き出すことができる。
【符号の説明】
【0049】
1 包装媒体パッケージ(パッケージ)
2 包装媒体巻回体(巻回体)
3 包装媒体収納容器(収納容器)
4 底板
5 前板
6 後板
8 内周部
9 外周部
10 巻芯
12 包装媒体
15 容器本体
16 中心線
17 先端部
20 引き出しシール
22 蓋板
23 蓋前板
24 カッター
30 開口部
30A 一面の短辺
31 底板の長辺
32 底板の他の長辺
34 抑え板
34A 端部
34B 中央部
37 対向辺
37A 平行部
37B 下凸部
37C 斜め直線部
37D 上凸部
37E 中点
38 第1の連接辺
39 第2の連接辺
40 蓋板の長辺
46 蓋前板の下端辺
47 変曲点
54 折線
55 延在部
61 底板の短辺
63 蓋板の短辺
66 折線
71 右側面板
72 左側面板
73 蓋側面板
75 先端部
76 係合片
77 スリット部
80 鋸刃
H 抑え板の幅
Ha 短辺の長さ
Hb 抑え板の端部の幅
Hc 抑え板の中央部の幅
L1 開口部の長手方向の長さ
W1 幅方向
Z 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装媒体が円筒状に巻かれた包装媒体巻回体を収納する包装媒体収納容器であって;
長方形の底板と;
前記底板の長辺の一に立設された前板と;
前記底板の他の長辺に立設された前記前板に対向する後板と;
前記底板と前板と後板とに接続された左側面板と;
前記底板と前板と後板とに接続され前記左側面板に対向する右側面板とを備えて、直方体に形成され;
前記直方体の6面のうち前記底板に対向する一面が開口し;
さらに、前記後板に回動可能に連接され、前記回動により前記開口した一面を塞ぐように構成された蓋板と;
前記底板に対向した状態で、連接辺を介して前記前板に連接され、前記包装媒体が前記包装媒体収納容器の外へ飛び出すのを抑える抑え板であって、前記開口した一面を部分的に覆う抑え板とを備え;
前記抑え板は、前記連接辺に対向する対向辺を有し;
前記対向辺は、前記抑え板の中央部における幅が両端部の幅よりも狭くなるように形成される;
包装媒体収納容器。
【請求項2】
前記対向辺は、前記抑え板の長手方向の両端部の幅が、前記開口した一面の短辺の長さの20%から98%の間になるように形成され、前記抑え板の長手方向の中央部の幅が、前記短辺の長さの0%から50%の間になるように形成された;
請求項1に記載された包装媒体収納容器。
【請求項3】
前記対向辺は、前記抑え板の幅が、前記抑え板の長手方向に沿って前記中央部から前記端部に向かって、増加させるように形成された;
請求項1または請求項2に記載された包装媒体収納容器。
【請求項4】
前記対向辺は、前記抑え板の長手方向に沿って凹に形成された;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された包装媒体収納容器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された包装媒体収納容器と;
前記包装媒体の先端部に引き出しシートを有し、前記引き出しシートが、前記引き出しシートを摘んで、前記包装媒体を前記包装媒体収納容器の外へ引き出すことができるよう構成された装媒体巻回体とを備える;
包装媒体パッケージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−250754(P2012−250754A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126749(P2011−126749)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】