説明

包装媒体収納容器および包装媒体供給具

【課題】収納容器の組み立てに際し、巻回体を収納容器に短時間で挿入できる収納容器を提供する。
【解決手段】包装媒体12の巻回体2を収納し、一面に開口部30を有する収納容器3であって、開口部に対向する底板4であって、短辺61と、当該短辺61に直角で当該短辺61より長い長辺31とを有する底板と、底板の長辺に立設された前板5と、長辺31に対向する底板の他の長辺32に立設された後板6と、後板に連接された、開口部を開閉可能なと、前板に底板の長辺に対向する連接辺で連接された抑え板と、底板、および前板、および後板の少なくともいずれかの長手方向X1の端から延在し、短辺に立設された側面板とを備え、抑え板34は、蓋板22の裏側と接着する接着面36を有し、蓋板に接着され、前記接着は、蓋板を最初に開方向に回動させたときに破壊され、蓋板と抑え板とが分離するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装媒体が円筒状に巻かれた包装媒体巻回体を収納する包装媒体収納容器、当該包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具に関し、特に、包装媒体収納容器の組み立てに際し、包装媒体巻回体を包装媒体収納容器に短時間でスムーズに挿入することができる包装媒体収納容器、当該包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具に関する。
【背景技術】
【0002】
図6の斜視図に、従来のラップフィルム供給具101を示す。図6は、開封片(図6に不図示)を除去して開封し、蓋板122を開けた状態のラップフィルム供給具101を示す。
【0003】
従来のラップフィルム供給具101は、ラップ巻回体102(図6に破線で表示)(以下、適宜、巻回体102)と、巻回体102を収納するラップフィルム収納容器103(以下、適宜、収納容器103)とを含んで構成される。巻回体102は、食品包装用等に使用されるラップフィルム112を円筒状の巻芯110に巻きつけたものである。巻回体102は、細長い直方体形状である紙製(コートボール紙)の収納容器103の中に収納される。
【0004】
収納容器103は、一面全体に渡って開口している開口部130を、図6中、上部に有する容器本体115と、容器本体115の開口部130を覆って蓋をするように形成され、一端が容器本体115に回動可能に連接された蓋板122と、開封片(図6に不図示)とを含んで構成されている。
【0005】
容器本体115は、底板104と、前板105、後板106と、側面板171と、底板104に対向して配置され開口部130を部分的に塞ぐ抑え板134とを有する。収納容器103は、蓋板122が開口部130を塞いだときに(すなわち、蓋板122が閉の場合)、前板105に重なる蓋前板123を有する。開封片は蓋前板123の一辺に断続的に形成された切込線125を介して蓋前板123に連接される(図6に不図示)。蓋前板123の一辺には、切込線125に重ねてカッター124が取り付けられている。カッター124は、蓋板122が閉の場合、切込線125を超えて底板104側に張り出すように形成され、開封片(図6に不図示)を除去したときに収納容器103から、隙間151を通って引き出したラップフィルム112を、切断できるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、巻回体102を、収納容器103内に挿入する場合、抑え板134が蓋板122の裏側から離れた状態にあるときに、巻回体102が抑え板134に当たり、巻回体102を収納容器103に挿入しにくくなる場合があった。このため、収納容器103の組み立てに時間を要する場合があり、短時間で巻回体102をスムーズに挿入することが可能な収納容器103が望まれていた。
【0007】
そこで、本発明は、包装媒体収納容器の組み立てに際し、包装媒体巻回体を包装媒体収納容器に短時間でスムーズに挿入することができる包装媒体収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1に示すように、包装媒体12が円筒状に巻かれた包装媒体巻回体2を収納し、一面に開口部30を有する包装媒体収納容器3であって;開口部30に対向する底板4であって、短辺61と、当該短辺61に直角で当該短辺61より長い長辺31とを有する底板4と;底板4の長辺31に立設された前板5と;長辺31に対向する底板4の他の長辺32に立設された後板6と;後板6に連接された、開口部30を開閉可能な蓋板22と;前板5に底板4の長辺31に対向する連接辺39で連接された抑え板34と;底板4、および前板5、および後板6の少なくともいずれかの長手方向X1の端から延在し、短辺61に立設された側面板71とを備え;抑え板34は、蓋板22の裏側と接着する接着面36を有し;蓋板22に接着され;前記接着は、蓋板22を最初に開方向に回動させたときに破壊され、蓋板22と抑え板34とが分離するよう構成される。
【0009】
このように構成すると、抑え板は、蓋板の裏側と接着する接着面を有し、蓋板に接着され、接着は、蓋板を最初に開方向に回動させたときに破壊され、蓋板と抑え板とが分離する。よって、包装媒体収納容器の製造に当たり、包装媒体収納容器を立体化させたとき、抑え板は、蓋板の裏側に接着されているので、包装媒体巻回体を包装媒体収納容器の側面から収納媒体収納容器内に挿入するとき、包装媒体巻回体が抑え板に当たらず、短時間で包装媒体巻回体を包装媒体収納容器内にスムーズに挿入することができる。さらに、使用者が購入直後の未開封の状態からの包装媒体を最初に使用する際、蓋板を最初に開方向に回動させたときに、抑え板と蓋板との接着を破壊し、抑え板と蓋板とを分離して蓋板を開状態にし、包装媒体を包装媒体収納容器から引き出して、使用することができる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1に示すように、第1の態様の包装媒体収納容器において、接着面36は、1つまたは複数の接着エリア36からなる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1に示すように、第1の態様または第2の態様の包装媒体収納容器において、抑え板34は、開口部30の長手方向X1の全幅に亘って形成され;抑え板34の幅W1の長さが、開口部30の幅W4の10%から98%の間の値を有する。
【0012】
このように構成すると、抑え板は、開口部の長手方向の全幅に亘って形成され;抑え板の幅の長さが、開口部の幅の10%から98%の間の値を有するので、包装媒体を抑え板と後板との間を通って、包装媒体収納容器から引き出すことができ、かつ抑え板を十分強度のあるものとし、抑え板により包装媒体巻回体の包装媒体収納容器からの飛び出しを防止することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第4の態様に係る包装媒体供給具1は、例えば図1に示すように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の包装媒体収納容器3と;包装媒体12が円筒状に巻かれたラップ巻回体2とを備える。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明の包装媒体収納容器によれば、抑え板は、蓋板の裏側と接着する接着面を有し、蓋板に接着され、接着は、蓋板を最初に開方向に回動させたときに破壊され、蓋板と抑え板とが分離する。よって、包装媒体収納容器の製造に当たり、包装媒体収納容器を立体化させたとき、抑え板は、蓋板の裏側に接着されているので、包装媒体巻回体を包装媒体収納容器の側面から収納媒体収納容器内に挿入するとき、包装媒体巻回体が抑え板に当たらず、短時間で包装媒体巻回体を包装媒体収納容器内にスムーズに挿入することができる。さらに、包装媒体の最初の使用に際し、蓋板を最初に開方向に回動させたときに、抑え板と蓋板との接着を破壊し、抑え板と蓋板とを分離して蓋板を開状態にし、包装媒体を包装媒体収納容器から引き出して、使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る、開封片(不図示)が除去された後の、蓋板が開となった包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具の斜視図である。
【図2】図1の包装媒体収納容器の、抑え板と包装媒体巻回体とを省略した、長手方向に直角な方向の断面図である。
【図3】図1の包装媒体収納容器の抑え板の平面図である。
【図4】抑え板の接着エリアの中心と接着エリアのニックの中心とを結んだ線が、第2の連接辺に平行な線となす角度および直角な線となす角度の関係を説明する拡大部分平面図である。
【図5】(A)は、底板と前板の間で曲げ、後板と蓋板の間で曲げ、開封片を前板に接着し、抑え板を蓋板に接着した状態の素材の長手方向に直角な方向の断面図である。(B)は、(A)の素材を立体化した状態の同断面図である。
【図6】蓋板を開にした状態の包装媒体収納容器を備える従来の包装媒体供給具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0017】
図1の斜視図を参照して、本発明の実施の形態の包装媒体収納容器3(以下、適宜、収納容器3)を備える包装媒体供給具1(以下、適宜、供給具1)の構成を説明する。
【0018】
供給具1は、巻回体2(図1に破線で記載)と、巻回体2を収納する収納容器3とを含んで構成される。巻回体2は、食品包装用等に使用される包装媒体12を円筒状の巻芯10に巻きつけて巻回体2としたものである。巻回体2は、収納容器3の中に収納される。収納容器3は、例えば、厚紙またはボール紙などの紙素材(不図示)により形成される。収納容器3は、複数枚、または、1枚の紙素材(不図示)から形成することが可能である。
【0019】
収納容器3は、容器本体15を備える。容器本体15は略直方体形状をなす。容器本体15は、紙素材(不図示)を折り曲げて形成され、略長方形の一面に開口した開口部30を有する。
【0020】
巻芯10に巻かれた包装媒体12は、ポリ塩化ビニリデンを原材料とする透明なラップフィルムであるが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、もしくはこれらを組み合わせた多層フィルムであってもよい。また、包装媒体12は、ロール紙、キッチンペーパ、アルミホイル、加熱調理用紙シート等であってもよい。
【0021】
収納容器3は、底板4と、底板4の長辺31に底板4に対し直角に立設された前板5と、長辺31に対向する底板4の他の長辺32に底板4に対し直角に立設された後板6と、底板4の長辺31に対向する第2の連接辺39を有する抑え板34を備える。底板4、前板5、後板6、抑え板34は、容器本体15を構成する。底板4は、開口部30に対向するよう配置されている。抑え板34は、第2の連接辺39において前板5に連接される。
【0022】
抑え板34は、略直方体形状の容器本体15の形成に際し、第2の連接辺39に沿って、開口部30を部分的に塞ぐように前板5に対し90度の角度で折り曲げられる。
【0023】
底板4は長辺31および他の長辺32に加えて、長辺31および他の長辺32に直角な短辺61を有する。収納容器3は、側面板71をさらに備える。側面板71は、それぞれ短辺61(底板4の長手方向X1の端)に立設されている。
【0024】
収納容器3は、さらに、蓋板22と、蓋前板23とを備える。蓋板22は、長手方向X1に直角な方向で底板4に平行な(蓋板22が閉の場合に該当する)長い略長方形である。蓋板22は、底板4の他の長辺32に対向する第1の連接辺38を有し、第1の連接辺38において後板6に回動可能に連接され、開口された開口部30を塞ぐよう構成される。蓋前板23は、第1の連接辺38に対向する蓋板22の長辺40に蓋板22に対して直角に立設され、蓋板22が開口部30を塞いだ状態のとき、前板5に沿って前板5の外側の外側面7に重なるよう配置される。
【0025】
蓋板22は長辺である第1の連接辺38と長辺40に加えて、短辺63を有する。収納容器3は、蓋側面板73をさらに備える。蓋側面板73は、それぞれ短辺63に立設されている。蓋側面板73は長手方向X1に直角な方向で底板4に平行な方向(蓋板22が閉じた場合に該当する)に長い略長方形である。
【0026】
蓋前板23は長辺40に対向する側に下端辺60を有し、包装媒体12を切断するためのカッター24が下端辺60に沿って設けられている。カッター24の先端には複数の刃を有する鋸刃80が形成されている。蓋板22を完全に閉じて(すなわち、蓋板22が底板4に平行になって)、開口している開口部30を塞いだ場合、カッター24の一部は、底板4に直角で底板4に向かう方向に蓋前板23から突出するように構成されている。
【0027】
収納容器3は、さらに開封片(図1に不図示)を備える。開封片は、蓋板22の長辺40に対向する蓋前板23の下端辺60に断続的に切り込みが形成された切込線25を介して蓋前板23に連接されている。
【0028】
抑え板34は、蓋板22が閉となった場合に、蓋板22に対向する面に、接着面としての接着エリア36を有する。蓋板22の裏側には、接着面42が設けられる。収納容器3の組み立てに際して、抑え板34を蓋板22に重ねた場合、接着エリア36が接着面42の部分に当たるように構成されている。接着剤としては、酢酸ビニル樹脂水性エマルジョン、変性酢酸ビニル−アクリル樹脂共重合体、酢酸ビニル−アクリル樹脂共重合体、エチレン−酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤+酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
図3の平面図に示すように、抑え板34は、第2の連接辺39(図1)側の長手方向X2に沿う長辺59(第2の連接辺39に一部重なる)と、長辺59に対向する後板6(図1)側(端部34Aがスリット部52(図3)に係合した状態のときに該当する)の長辺58と、端部34Aを含む短辺53とを有する。抑え板34は、後板6側の長手方向X2の長さL1を有し、長さL1は、開口部30(図1)の底板4(図1)の長辺31(図1)に平行な方向の長さL4(図1)に等しく形成されている。抑え板34の長さL1を、開口部30の長さL4よりわずかに長く形成し、抑え板34のスリット部52への係合が確実なものとなるようにしてもよい。この場合、抑え板34は、長手方向X2と幅方向Wとに直角な方向に、わずかにふくらんで撓む。
【0030】
抑え板34は、第2の連接辺39(図1)上の長辺59側の長手方向X2の長さL2を有し、長さL2は、長さL1より、例えば10mmから20mm(片側、5mmから10mm)ほど短く形成されている。
【0031】
抑え板34の幅W1は、開口部30の幅の10%から98%の間の値とするとよい。このようにすると抑え板34の強度を保持しつつ、隙間51(図1)から包装媒体12を引き出せる構成とすることができる。なお、抑え板34は、開口部30の長手方向X1(図1)の全幅に亘って形成されている。
【0032】
幅W1は、好ましくは開口部30の幅の50%から90%の間になるように形成するとよい。このようにすると、抑え板34を変形しにくい構造とし、巻回体2の飛び出し防止効果を増すことができる。幅W1は、さらに好ましくは開口部30の幅の70%から85%の間になるように形成するとよい。このようにすると、抑え板34をより変形しにくい構造とし、巻回体2の飛び出し防止効果をさらに増すことができる。
【0033】
図3の平面図、図4の拡大部分平面図を参照して、抑え板34上に形成された接着エリア36について説明する。抑え板34の外側である外側面34Bにある接着エリア36は、ニック44を残して接着エリア36の外縁(円形の縁)を囲むように半切り線46がそれぞれ形成されている。ニック44は、接着エリア36の外縁の、第2の連接辺39(図1)側に設けられる。例えば、接着エリア36の中心49とニック44の中心50を結んだ線P2(図4中、一点鎖線)が、第2の連接辺39に平行な線N2に対して90度の角度をなし、すなわち線N2に対して直角な線M2に平行になるように設けるとよい。なお、図4において、ニック44は、大きさを誇張して描いている。
【0034】
さらに詳細に説明すると、ニック44を、図4中、接着エリア36の外縁を構成する円の6時方向(第2の連接辺39に直角な方向)の間に形成するとよい。なお、図4においては、12時(0時)方向が上側である。半切り線46とは、接着エリア36の外縁を囲むようにニック44を残して連続的に切り込みが入れられた線であり、ニック44には半切り線は形成されておらず、切り込みが入れられていない。抑え板34は、蓋板22(図1)を第1の連接辺38(図1)の周りに開方向に回動させ最初に開にしたときに、蓋板22から剥ぎ取られ、抑え板34と蓋板22とが分離される。蓋板22から分離された抑え板34は、端部34Aがスリット部52(図2)に係合され、底板4(図1)に対向するよう配置される。
【0035】
このように構成すると、接着エリア36の外縁の全周を半切り線46が囲むように形成されている場合と相違し、収納容器3(図1)の組立時や運搬時などに収納容器3に衝撃が加わった際、接着エリア36全体に収納容器3の素材(不図示)の層間剥離が起こらないようにし、蓋板22(図1)が接着エリア36のある抑え板34から剥離してしまうのを、ニック44を残して接着エリア36の外縁を囲むように形成した半切り線46により、より確実に防ぐことができる。
【0036】
また、接着エリア36には、ニック44を残して接着エリア36の外縁を囲むように半切り線46がそれぞれ形成されているので、接着エリア36の寸法、ニック44の寸法を調整することにより蓋板22(図1)と抑え板34を分離させるのに必要な力を調整することができる。ニック44の長さは、外縁の周の長さの1%から15%、好ましくは3%から7%とするとよい。ニック44の長さが、外縁の周の長さの1%未満だと、蓋板22と抑え板34が容易に分離してしまい、15%を超えると蓋板22と抑え板34との分離が難しくなる。
【0037】
図5(A)、(B)に示すように、収納容器3の組み立ては、以下のように行う。紙素材(不図示)を打ち抜いて形状を収納容器3(図1)用の素材(不図示)とする。素材に必要な箇所に折線(不図示)を形成する。素材(不図示)の必要な箇所に接着剤を塗布する。
【0038】
次に、後板6と蓋板22との間の折線56で、後板6と蓋板22とが重なるように折り曲げる。さらに、底板4と前板5との間の折線57で、底板4と前板5とが重なるように折り曲げる。このとき抑え板34が蓋板22の裏側に接着されて張り付き、開封片26の裏側が前板5に接着されて張り付くようにする。
【0039】
次に、後板6と蓋板22との角度、後板6と底板4との角度、底板4と前板5との角度がそれぞれ90度となるように収納容器3を立体化させる。次に、収納容器3の一方の側面を、側面板71、第2の副側面板71B、第1の副側面板71Aで形成し、当該一方の側面を閉とする。開となっている他方の収納容器3の側面(不図示)から巻回体2を収納容器3の内部に挿入する。このとき、抑え板34は蓋板22の裏側に張り付いているので、巻回体2の挿入に際し、抑え板34が障害となることがなく、巻回体2を短時間でスムーズに挿入することができる。その後に、他方の側面を側面板71、第2の副側面板71B、第1の副側面板71Aで形成し、当該他方の側面を閉とする。
【0040】
図1に戻って説明する。本実施の形態の収納容器3によれば、抑え板34は端部34A(図3)を有し、端部34Aはスリット部52に係合するので、抑え板34は、底板4に対向して配置され、収納容器3から包装媒体12を引き出すときに、巻回体2が収納容器3内で浮き上がると、抑え板34により抑えられる。よって、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことを抑え板34により確実に防止できる。すなわち、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことを簡易な構成により確実に防止できる。
【0041】
抑え板34は、蓋板22が開の状態になっているときでも、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことを確実に防止できる。また、抑え板34は、蓋板22が開の状態になっているときであって、包装媒体12が収納容器3内に戻ってしまったときでも、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことを確実に防止でき、巻回体2が収納容器3の外部に飛び出すことによる包装媒体12の汚染を防止できる。
【0042】
抑え板34は、第2の連接辺39にて前板5に連接され、収納容器3に対して回動しないように固定されている。抑え板34は、素材の段階で前板5と一体に形成することにより、接着剤を使用しないで、使用時の立体化された収納容器3に固定することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 包装媒体供給具(供給具)
2 包装媒体巻回体(巻回体)
3 包装媒体収納容器(収納容器)
4 底板
5 前板
6 後板
7 外側面
9 外周部
10 巻芯
12 包装媒体
15 容器本体
22 蓋板
23 蓋前板
24 カッター
25 切込線
26 開封片
30 開口部
31 底板の長辺
32 底板の他の長辺
34 抑え板
34A 抑え板の端部
34B 抑え板の外側面
36 接着エリア
38 第1の連接辺
39 第2の連接辺
40 蓋板の長辺
42 接着面
44 ニック
46 半切り線
49 接着エリアの中心
50 ニックの中心
51 隙間
52 スリット部
53 抑え板の端部を含む短辺
56、57 折線
58 抑え板の後板側の長辺
59 抑え板の第2の連接辺側の長辺
60 蓋前板の下端辺
61 底板の短辺
63 蓋板の短辺
71 側面板
71A 第1の副側面板
71B 第2の副側面板
73 蓋側面板
80 鋸刃
L1 抑え板の後板側の長手方向の長さ
L2 抑え板の第2の連接辺上の長手方向の長さ
L4 開口部の長手方向の長さ
M2 N2に直角な線
N2 第2の連接辺に平行な線
P2 M2に平行な線
W 幅方向
W1 抑え板の幅
W4 開口部の幅
X1、X2 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装媒体が円筒状に巻かれた包装媒体巻回体を収納し、一面に開口部を有する包装媒体収納容器であって;
前記開口部に対向する底板であって、短辺と、当該短辺に直角で当該短辺より長い長辺とを有する底板と;
前記底板の長辺に立設された前板と;
前記長辺に対向する前記底板の他の長辺に立設された後板と;
前記後板に連接された、前記開口部を開閉可能な蓋板と;
前記前板に前記底板の長辺に対向する連接辺で連接された抑え板と;
前記底板、および前記前板、および前記後板の少なくともいずれかの長手方向の端から延在し、前記短辺に立設された側面板とを備え;
前記抑え板は、前記蓋板の裏側と接着する接着面を有し、前記蓋板に接着され;
前記接着は、前記蓋板を最初に開方向に回動させたときに破壊され、前記蓋板と前記抑え板とが分離するよう構成された;
包装媒体収納容器。
【請求項2】
前記接着面は、1つまたは複数の接着エリアからなる;
請求項1に記載の包装媒体収納容器。
【請求項3】
前記抑え板は、開口部の長手方向の全幅に亘って形成され;
前記抑え板の幅の長さが、前記開口部の幅の10%から98%の間の値を有する;
請求項1または請求項2に記載の包装媒体収納容器。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の包装媒体収納容器と;
前記包装媒体が円筒状に巻かれた前記ラップ巻回体とを備える;
包装媒体供給具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−1410(P2013−1410A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132561(P2011−132561)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】