説明

包装媒体収納容器

【課題】収納容器の製造に際し、巻回体を長手方向から収納容器に収納でき、かつ巻回体の収納容器内でのがたつきを抑制できる収納容器を提供する。
【解決手段】包装媒体12が円筒状に巻かれた巻回体2を収納し、開口部30を有する収納容器3であって、開口部に対向する底板4と、底板の一辺31に立設された前板5と、底板の一辺に対向する他の一辺32に立設された後板6と、後板に回動可能に連接され、開口部を塞ぐように構成された蓋板22とを備え、底板と、前板と、後板との少なくともいずれか一の外周線82の内側の領域にフラップ5A1が形成され、フラップは、フラップを内側に向かって押すと切れ目が生じる切込線5B1と、フラップを内側に押すと切れ目は生じない折曲線5C1であって長手方向Xに配置された折曲線とに囲まれ、フラップは、折曲線に沿っていずれか一の内側に曲がり、フラップは、切れ目が生じた部分が収納された巻回体を拘束する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装媒体が円筒状に巻かれた包装媒体巻回体を収納する包装媒体収納容器に関し、特に、包装媒体収納容器から包装媒体を引き出したときに、包装媒体巻回体の包装媒体収納容器内でのがたつきを抑制できる包装媒体収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
図7の断面図に示すように、従来の包装媒体供給具101は、包装媒体巻回体102(以下、適宜、巻回体102)と、巻回体102を収納する包装媒体収納容器103(以下、適宜、収納容器103)とを含んで構成される。巻回体102は、食品包装用等に使用される包装媒体112を円筒状の巻芯110に巻きつけて巻回体102としたものである。巻回体102は、細長い直方体形状である紙製の収納容器103の中に収納される。
【0003】
収納容器103は、一面全体に渡って開口している開口部130を、図中、上部に有する容器本体115と、開口部130を覆って蓋をするように形成され、一端が容器本体115に回動可能に連接された蓋板122とを含んで構成されている。
【0004】
容器本体115は、底板104と、前板105と、後板106と、側面板171、172とを有する。収納容器103は、蓋板122に立設された蓋前板123であって、蓋板122が開口している開口部130を塞いだときに、前板105に重なる蓋前板123を備える。前板105の底板104とは反対側であって連接辺138に振動抑え板108が連接されている。振動抑え板108は、巻回体102を立体に形成された収納容器103に収納する前に、容器本体115の内側に折り曲げられる。振動抑え板108の幅W2は、前板105の幅W1より長く、このため、振動抑え板108は、前板105に対して角度θを持って配置される。巻回体102は、後板106と振動抑え板108に挟まれて収納容器103に収納されている。このため、巻回体102の収納容器103内での振動、すなわちがたつきが、振動抑え板108によって抑制される(例えば、特許文献1、図4参照)。なお、図は、蓋板122を閉めた状態を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平3−15333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、振動抑え板108は前板105に対して角度θを持って収納容器103内に配置されているので、収納容器103の製造に際し振動抑え板108が邪魔になり、巻回体102を、例えば一方の側面板171を開状態にし、他方の閉状態の側面板172に垂直な方向(長手方向X(図1(A)))から立体に形成された容器本体115内に挿入することはできず、蓋板122を開けて開口している開口部130から容器本体115に収納していた。このため、巻回体102の収納容器103内への収納に手間がかかっていた。
【0007】
そこで、本発明は、包装媒体収納容器の製造に際し、収納媒体巻回体を包装媒体収納容器の長手方向から包装媒体収納容器に挿入でき、かつ収納媒体巻回体の包装媒体収納容器内でのがたつきを抑制することができる包装媒体収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1、図2、図3において、包装媒体12が円筒状に巻かれた細長い包装媒体巻回体2を収納し、一面に開口部30を有する包装媒体収納容器3であって;開口部30に対向する底板4と;底板4の一辺31に立設された前板5と;底板4の一辺31に対向する底板4の他の一辺32に立設された後板6と;後板6に回動可能に連接され、開口部30を塞ぐように構成された蓋板22とを備え;底板4と、前板5と、および後板6の少なくともいずれかひとつの外周線81、82、83の内側の領域にフラップ4A1、5A1、6A1が形成され;フラップ4A1、5A1、6A1は、フラップ4A1、5A1、6A1を内側に向かって押すことにより切れ目が生じる切込線4B1、5B1、6B1と、フラップ4A1、5A1、6A1を内側に押すことにより切れ目は生じない折曲線4C1、5C1、6C1であって長手方向Xに配置された折曲線4C1、5C1、6C1とに囲まれて構成され;フラップ4A1、5A1、6A1は、折曲線4C1、5C1、6C1に沿って内側に曲がるよう構成され;フラップ4A1、5A1、6A1は、切れ目が生じた部分が収納された包装媒体巻回体2を拘束するように構成される。
【0009】
このよう構成にすると、折り曲げたフラップは、切れ目が生じた部分が収納された包装媒体巻回体を拘束するように構成されるので、収納媒体巻回体の包装媒体収納容器内でのがたつきを抑制することができる。また、フラップは包装媒体を使用する直前に折り曲げることができるので、包装媒体収納容器の製造に際し、収納媒体巻回体を包装媒体収納容器の長手方向から包装媒体収納容器に挿入しても干渉が生じることなく収納媒体巻回体を包装媒体収納容器内に収納できる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1、図4に示すように、包装媒体12が円筒状に巻かれた細長い包装媒体巻回体2を収納し、一面に開口部30を有する包装媒体収納容器3であって;開口部30に対向する底板4と;底板4の一辺に立設された前板5と;底板4の一辺31に対向する底板4の他の一辺32に立設された後板6と;連接辺39において後板6に回動可能に連接され、開口部30を塞ぐように構成された蓋板22とを備え;底板4と、前板5と、および後板6の少なくともいずれかひとつの外周線81の内側の領域に第1の辺14C2と該第1の辺14C2以外の第2の辺14B2を有する山形のフラップ4A2が形成され;フラップ4A2は、フラップ4A2を内側に向かって押すことにより切れ目が生じる切込線4B2と、フラップ4A2を内側に押すことにより切れ目は生じない折曲線4C2であって長手方向Xと交叉する方向に配置された折曲線4C2とに囲まれて構成され;フラップ4A2は折曲線4C2に沿って内側に曲がるよう構成され;折曲線4C2は、第1の辺14C2を構成し、切込線4B2は、第2の辺14B2を構成し;第2の辺14B2が収納された包装媒体巻回体2を拘束するように構成される。
【0011】
このように構成すると、第2の辺が収納された包装媒体巻回体を拘束するように構成されるので、収納媒体巻回体の包装媒体収納容器内でのがたつきを抑制することができる。また、フラップは包装媒体を最初に使用する直前に折り曲げることができるので、包装媒体収納容器の製造に際し、収納媒体巻回体を包装媒体収納容器の長手方向から包装媒体収納容器に挿入しても干渉が生じることなく収納媒体巻回体を包装媒体収納容器内に収納できる。
【0012】
長手方向に交叉するとは、典型的には、長手方向に対し直角な方向に交叉することである。山形とは、例えば、三角形、台形、半円形、弧形(円、楕円の一部)を含む凸形をいう。
【0013】
本発明の第3の態様に係る包装媒体収納容器3は、例えば図1、図2、図3に示すように、第1の態様または第2の態様の包装媒体収納容器において、フラップ4A1、5A1、6A1が二つ形成され、二つのフラップ4A1、5A1、6A1が形成された底板4、および前板5、および後板6の幅方向Xの中心線41W、42W、43Wを通る面25に対して面対称に配置される。
【0014】
このように構成すると、フラップが二つ形成され、二つのフラップが形成された底板、および前板、および後板の幅方向の中心線を通る面に対して面対称に配置されるので、折り曲げたフラップによって包装媒体巻回体を安定して拘束することができる。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第4の態様に係る包装媒体供給具1は、例えば図1に示すように、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1の態様に記載の包装媒体収納容器3と;包装媒体12が円筒状に巻かれた包装媒体巻回体2とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の包装媒体収納容器によれば、折り曲げたフラップは、切れ目が生じた部分が収納された包装媒体巻回体を拘束するように構成されるので、収納媒体巻回体の包装媒体収納容器内でのがたつきを抑制することができる。また、フラップは包装媒体を使用する直前に折り曲げることができるので、包装媒体収納容器の製造に際し、収納媒体巻回体を包装媒体収納容器の長手方向から包装媒体収納容器に挿入しても干渉が生じることなく収納媒体巻回体を包装媒体収納容器内に収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る、前板の部分にフラップを有する包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具を正面上方から見た斜視図である。(B)は、包装媒体供給具の長手方向の中央部における長手方向に直角な方向の断面図である。
【図2】(A)は、本発明の他の実施の形態に係る、底板の部分にフラップを有する包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具を背面下方から見た斜視図である。(B)は、包装媒体供給具の長手方向の中央部における長手方向に直角な方向の断面図である。
【図3】(A)は、本発明のさらに他の実施の形態に係る、後板の部分にフラップを有する包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具を背面下方から見た斜視図である。(B)は、包装媒体供給具の長手方向の中央部における長手方向に直角な方向の断面図である。
【図4】(A)は、本発明の第2の実施の形態に係る、底板の部分に三角形のフラップを有する包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具を背面下方から見た斜視図である。(B)は、包装媒体供給具の長手方向の中央部における長手方向に直角な方向の断面図である。
【図5】(A)は、本発明の他の実施の形態に係る、底板の部分に台形のフラップを有する包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具を背面下方から見た斜視図である。(B)は、包装媒体供給具の長手方向の中央部における長手方向に直角な方向の断面図である。
【図6】(A)は、本発明のさらに他の実施の形態に係る、底板の部分に半円形のフラップを有する包装媒体収納容器を備える包装媒体供給具を背面下方から見た斜視図である。(B)は、包装媒体供給具の長手方向の中央部における長手方向に直角な方向の断面図である。
【図7】従来の包装媒体供給具の長手方向の中央部におけるに長手方向に直角な方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0019】
図1(A)、(B)を参照して、本発明の第1の実施の形態の、包装媒体収納容器3(以下、適宜、収納容器3)を備える包装媒体供給具1(以下、適宜、供給具1)の構成を説明する。図1(A)は、供給具1の斜視図である。図1(B)は、図1(A)の供給具1の断面図である。
【0020】
供給具1は、包装媒体巻回体2(以下、適宜、巻回体2)と、巻回体2を収納する収納容器3とを含んで構成される。巻回体2は、食品包装用等に使用される包装媒体12を円筒状の巻芯10に巻きつけて巻回体2としたものである。巻回体2は、収納容器3の中に収納される。収納容器3は、例えば、厚紙またはボール紙などの紙素材により形成される。
【0021】
収納容器3は、容器本体15を備える。容器本体15は略直方体形状をなす。容器本体15は、紙素材を折り曲げて形成される。容器本体15は、包装媒体12が円筒状に巻かれた巻回体2を収容する。容器本体15は、略長方形である、図1(A)中、上側の一面が開口され、開口部30が形成されている。すなわち、収納容器3は、開口部30を有する。当該開口部30から巻回体2を出し入れすることができる。巻芯10に巻かれた包装媒体12は、ポリ塩化ビニリデンを原材料とする透明フィルムであるが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、もしくはこれらを組み合わせた多層フィルムであってもよい。また、包装媒体12は、ロール紙、キッチンペーパ、アルミホイル、加熱調理用紙シート等であってもよい。
【0022】
収納容器3は、開口部30に対向する底板4と、底板4の一辺31(長辺)に底板4に対し直角に立設された前板5と、一辺31に対向する底板4の他の一辺32(長辺)に底板4に対し直角に立設された後板6とを備える。底板4、前板5、後板6は、容器本体15を構成する。底板4は、開口部30に対向するよう配置されている。底板4、前板5、後板6は、略長方形である。底板4は長辺である一辺31および他の一辺32に加えて、一辺31および他の一辺32に直角な短辺61、62を有する。底板4は底板4の外周を形成する外周線81を有し、一辺31、32および短辺61、62は、外周線81を構成する。収納容器3は、側面板71、72を備える。側面板71、72は、それぞれ短辺61、62に立設されている。側面板71、72は略正方形である。供給具1の長手方向Xは、底板4、前板5、後板6の長手方向Xでもある。
【0023】
前板5は、前板5の長辺である一辺31と連接辺38に直角な短辺63、64を有する。一辺31は、底板4の構成要素であり、前板5の構成要素でもあるものとする。前板5は、前板5の外周を形成する外周線82を有し、一辺31、連接辺38、短辺63、64は、外周線82を構成する。後板6は、他の一辺32、連接辺39に直角な短辺65、66を有する。他の一辺32は、底板4の構成要素であり、後板6の構成要素でもあるものとする。後板6は、後板6の外周を形成する外周線83を有し、他の一辺32、連接辺39、短辺65、66は、外周線83を構成する。
【0024】
収納容器3は、さらに、蓋板22と、蓋前板23とを備える。蓋板22は、略長方形である。蓋板22は、底板4の他の一辺32に対向する連接辺39を有し、連接辺39において後板6に回動可能に連接され、開口部30を塞ぐよう構成される。蓋前板23は、連接辺39に対向する蓋板22の一辺40に蓋板22に対して直角に立設され、蓋板22が開口部30を塞いだ状態のとき、前板5に沿って前板5の外側に重なるよう配置される。
【0025】
蓋板22は長辺である連接辺39と一辺40に加えて、短辺67、68を有する。収納容器3は、蓋側面板73、74を備える。蓋側面板73、74は、それぞれ短辺67、68に立設されている。蓋側面板73、74は略長方形である。
【0026】
蓋前板23の底板4の一辺31に対向する側(蓋板22が閉じた状態で対向)には、包装媒体12を切断するためのカッター24が一辺46に沿って設けられている。カッター24の先端には複数の鋸刃80が形成されている。カッター24の一部は、蓋板22を完全に閉じて(すなわち、蓋板22が底板4(図1)に平行になって)、開口部30(図1)を塞いだ場合、底板4方向に突出するように構成されている。カッター24によって収納容器3から引き出した包装媒体12を切断することができる。
【0027】
前板5には、切込線5B1と折曲線5C1とが形成されている。折曲線5C1は長手方向Xに平行な線分である。切込線5B1は、長手方向Xに平行な線分と、一端が当該線分に接続された二つの4分円弧からなる。4分円弧の他端は、折曲線5C1の一端にそれぞれ接続されている。切込線5B1はミシン目とすることができる。切込線5B1には断続的に切り込みが入れられ、切込線5B1と折曲線5C1とに囲まれた部分を指で前板5の内側に押すことにより、切込線5B1の一端から一端へ連続的に切れ目が生じ、切込線5B1が形成されている部分が分離し、折曲線5C1において収納容器3の内側に折り曲がり(折曲線5C1には切れ目は生じない)、折り曲げたフラップ5A1が形成される。フラップ5A1は平らな面から折り曲げられて起こされる。すなわち、フラップ5A1は、折り曲げ前において切込線5B1と折曲線5C1とにより平らな面に形成されている。フラップ5A1の折り曲げは、巻回体2が収納容器3の内部に収納されているときに行うことができる。なお、図において、切込線は、切れ目が生じた状態で描かれている。また、図には、折り曲げられ起こされたあとのフラップ5A1が描かれている。
【0028】
切込線5B1と折曲線5C1とは前板5に二ヶ所形成されており、したがって、フラップ5A1も二ヶ所に形成されている。切込線5B1と折曲線5C1とは、前板5の外周線82の内側の領域に形成され、したがって、フラップ5A1も前板5の外周線82の内側の領域に形成されている。フラップが外周線の内側の領域にあるとは、フラップの切込線または折曲線が外周線と重なる場合を含むものとする。フラップ5A1は幅方向の中心線41W(図1(A)中、一点鎖線にて表示)を通り側面板71、72に平行な面25(図1(A)中、一点鎖線にて表示)に対して互いに面対称に配置されている。中心線41Wは、前板5の長手方向Xの中心を通り、長手方向Xに対し直角な方向に延在する。
【0029】
折り曲げられたフラップ5A1の、切込線5B1を境に切れ目が生じ切り取られた側の先端部(切れ目が生じた部分)は、収納容器3に収納された巻回体2の外周部に接触し、巻回体2の動きを拘束する。すなわち、フラップ5A1は、折り曲げることにより巻回体2の包装媒体12の外周部に接触するよう配置される。巻回体2は、フラップ5A1が外周部に接触することにより、フラップ5A1に押されて後板6側に移動し、使用開始直後には後板6の内側に接触している。フラップ5A1は長手方向Xの2ヶ所に配置されているが、長手方向Xの中央部に1ヶ所配置されてもよく、あるいは長手方向Xに3ヶ所以上配置されてもよい。
【0030】
フラップ5A1は、前板5の長手方向Xに延在する長手方向Xの中心線41L(幅方向の中心線41Wに直角)(図1(A)中、一点鎖線にて表示)に対して底板4側に配置されているが、開口部30側に配置してもよく、あるいは底板4側および開口部30側の両方に配置してもよい(フラップは、外周線の内側の領域にあればよい。)。両方に配置することにより巻回体2をより確実に拘束することができる。
【0031】
以上、二つのフラップ5A1は、面25に対して互いに面対称に前板5に配置されるとして説明した。しかし、二つのフラップ5A1´(図1(B)に一方を破線で図示)を、底板4に接して収納容器2に収納されるラップ巻回体3の中心軸線26を通り底板4に平行な面27と前板5との交線である線分(不図示)の中点(不図示)を通る底板4に平行な回転軸線28であって、前板5に垂直な回転軸線28を中心に前板5に沿って180度回転したときに、一方が他方に重なるよう配置してもよい。
【0032】
第1の実施の形態の、収納容器3を備える供給具1によれば、折り曲げられた二つのフラップ5A1が前板5に形成されるので、切込線5B1を境に切れ目が生じ切り取られた側の先端部(切れ目が生じた部分)は、収納容器3に収納された巻回体2の外周部に接触し、巻回体2の動きを安定して拘束することができる。また、二つのフラップ5A1は包装媒体12を使用する直前に折り曲げることができるので、収納容器3の製造に際し、巻回体2を収納容器3の長手方向Xから収納容器3に挿入しても干渉が生じることなく巻回体2を収納容器3内に収納でき、供給具1を簡易に製造することができる。
【0033】
図2(A)、(B)を参照して、他の実施の形態の供給具1を説明する。図2(A)は、供給具1の斜視図である。図2(B)は、図2(A)の供給具1の断面図である。以下、主として図1の供給具1と相違する部分を説明する。
【0034】
図は、蓋板22を閉めた状態を示す。二つのフラップ4A1は、底板4に形成されている。二つのフラップ4A1は、前板5に形成されている図1のフラップ5A1と形状が同一であり、同様に形成される。フラップ4A1は平らな面から折り曲げられて起こされる。底板4は底板4の外周を形成する外周線81を有し、短辺61、62および一辺31、32が、外周線81を構成する。二つのフラップ4A1は、底板4の長手方向X(図1(A))に対し直角な幅方向の中心線42W(図2(A)中、一点鎖線にて表示)を通り側面板71、72に平行な面25(図2(A)中、一点鎖線にて表示)に対し互いに面対称に形成されている。フラップ4A1は、底板4の長手方向Xに延在する長手方向Xの中心線42L(中心線42Wに直角)(図2(A)中、一点鎖線にて表示)に対して後板6側に配置されているが、前板5側に配置してもよく、あるいは後板6側および前板5側の両方に配置してもよい。
【0035】
図3(A)、(B)を参照して、さらに他の実施の形態の供給具1を説明する。図3(A)は、供給具1の斜視図である。図3(B)は、図3(A)の供給具1の断面図である。以下、主として図1の供給具1と相違する部分を説明する。
【0036】
図は、蓋板22を閉めた状態を示す。二つのフラップ6A1は、後板6に形成されている。二つのフラップ6A1は、前板5に形成されている図1のフラップ5A1と形状が同一であり、同様に形成される。フラップ6A1は平らな面から折り曲げられて起こされている。後板6の短辺65、66および一辺32、連接辺39は後板6の外周を形成する外周線83を構成する。二つのフラップ6A1は、後板6の長手方向X(図1(A))に対し直角な幅方向の中心線43W(図3(A)中、一点鎖線にて表示)を通り側面板71、72に平行な面25(図3(A)中、一点鎖線にて表示)に対し互いに面対称に形成されている。フラップ6A1は、後板6の長手方向Xに延在する長手方向Xの中心線43L(中心線43Wに直角)(図3(A)中、一点鎖線にて表示)に対して底板4側に配置されているが、蓋板22側に配置してもよく、あるいは底板4側および蓋板22側の両方に配置してもよい。
【0037】
図4(A)、(B)を参照して、本発明の第2の実施の形態の、収納容器3を備える供給具1の構成を説明する。図4(A)は、供給具1の斜視図である。図4(B)は、図4(A)の供給具1の断面図である。以下、主として図1の第1の実施の形態の供給具1と相違する部分を説明する。図は、蓋板22を閉めた状態を示し、後板6側から見て、供給具1の左側の一部のみ記載し、他を省略してある。図4の供給具1は、図1の供給具1と、フラップ4A2の形状および配置のみ相違し、他は同一である。図4(A)は、二つのフラップの4A2の一方を示す。
【0038】
底板4には、切込線4B2と折曲線4C2とが形成されている。折曲線4C2は、長手方向X(図1(A))に対し直角な(長手方向Xに対し交叉し、交叉する角度が直角な)線分である。切込線4B2は、長手方向Xに平行な線分である部分4B2を有し、部分4B2の一端が折曲線4C2の一端に接続されている。切込線4B2は、部分4B2をさらに有し、部分4B2の一端は折曲線4C2の他端に接続され、部分4B2の他端は部分4B2の他端に接続され、切込線4B2と折曲線4C2とで直角三角形が形成される。直角三角形のフラップ4A2は、第1の辺14C2と第1の辺14C2以外の第2の辺14B2(辺14B2と辺14B2)を有する。折曲線4C2は第1の辺14C2を構成する。切込線4B2は、第2の辺14B2(辺14B2と辺14B2)を構成する。なお、折曲線は、長手方向Xに対し交叉するよう配置され、交叉する角度は直角未満であってもよい。
【0039】
切込線4B2と折曲線4C2とに囲まれた部分を底板4の内側に指で押すことにより、折曲線4C2において収納容器3の内側に折り曲がり、折り曲げられたフラップ4A2が形成される。フラップ4A2は平らな面から起こされている。フラップ4A2は、底板4に対して垂直となるように折り曲げるとよい。直角三角形のフラップ4A2の辺14B2(第2の辺14B2の一部)が収納容器3に収納された巻回体2の外周部に接触し、巻回体2の動きを安定して拘束することができる。また、フラップ4A2は包装媒体12を使用する直前に折り曲げることができるので、収納容器3の製造に際し、巻回体2を収納容器3の長手方向Xから収納容器3に挿入しても干渉が生じることなく巻回体2を収納容器3内に収納できるので供給具1を簡易に製造することができる。
【0040】
図5(A)、(B)を参照して、他の実施の形態の供給具1を説明する。図5(A)は、供給具1の斜視図である。図5(B)は、図5(A)の供給具1の断面図である。以下、主として図4の供給具1と相違する部分を説明する。図は、蓋板22を閉めた状態を示す。フラップ4A3は台形であり、図4のフラップ4A2と形状が異なるが、配置など、他は同一である。
【0041】
底板4には、切込線4B3と折曲線4C3とが形成されている。折曲線4C3は、長手方向X(図1(A))に対し直角な(長手方向Xに対し交叉し、交叉する角度が直角な)線分である。切込線4B3は、長手方向Xに平行な線分からなる部分4B3と部分4B3とを有し、部分4B3の一端が折曲線4C3の一端に接続され、部分4B3の一端が折曲線4C3の他端に接続されている。切込線4B3は、部分4B3をさらに有し、部分4B3の一端は部分4B3の他端に接続され、部分4B2の他端は部分4B3の他端に接続され、切込線4B3と折曲線4C3とで台形が形成される。台形のフラップ4A3は、第1の辺14C3と第1の辺14C3以外の第2の辺14B3(辺14B3、辺14B3、辺14B3)を有する。折曲線4C3は第1の辺14C3を構成する。切込線4B3は、第2の辺14B3(辺14B3、辺14B3、辺14B3)を構成する。
【0042】
切込線4B3と折曲線4C3とに囲まれた部分を底板4の内側に指で押すことにより、折曲線4C3において収納容器3の内側に折り曲がり、折り曲げられたフラップ4A3が形成される。フラップ4A3は平らな面から折り曲げて起こされている。フラップ4A3は、底板4に対して垂直となるように折り曲げるとよい。台形のフラップ4A3の辺14B3と辺14B3をつなぐ辺14B3(部分4B3から分離した辺)が収納容器3に収納された巻回体2の外周部に接触し、巻回体2の動きを安定して拘束することができる。
【0043】
図6(A)、(B)を参照して、さらに他の実施の形態の供給具1を説明する。図6(A)は、供給具1の斜視図である。図6(B)は、図6(A)の供給具1の断面図である。以下、主として図4の供給具1と相違する部分を説明する。図は、蓋板22を閉めた状態を示す。フラップ4A4は半円形であり、図4のフラップ4A2と形状が異なるが、配置など、他は同一である。半円形のフラップ4A4は、第1の辺14C4と第1の辺14C4以外の第2の辺(円弧)14B4を有する。折曲線4C4は第1の辺14C4を構成し、切取線4B4は第2の辺14B4を構成する。
【0044】
切込線4B4と折曲線4C4とは底板4に形成されている。折曲線4C4は、長手方向X(図1(A))に対し直角な(長手方向Xに対し交叉し、交叉する角度が直角な)線分である。切込線4B4は、半円の円弧であり、円弧の一端が折曲線4C4の一端に接続され、円弧の他端が折曲線4C4の他端に接続されている。
【0045】
切込線4B4と折曲線4C4とに囲まれた部分を底板4の内側に指で押すことにより、折曲線4C4において収納容器3の内側に折り曲がり、折り曲げられたフラップ4A4が形成される。フラップ4A4は平らな面から折り曲げて起こされている。フラップ4A4は、底板4に対して垂直となるように折り曲げるとよい。折り曲げられた半円形のフラップ4A4の第2の辺(円弧)14B4の部分が収納容器3に収納された巻回体2の外周部に接触し、巻回体2の動きを安定して拘束することができる。
【0046】
以上、フラップ4A2、4A3、4A4は、底板4に設けられるとして説明したが、フラップ4A2、4A3、4A4を、前板5、後板6に設けてもよく、この場合も、巻回体2の動きを安定して拘束することができる。フラップ4A2、4A3、4A4の第2の辺14B2、14B3、14B4は、直線状の辺に限らず、曲線状の辺を含むものであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 包装媒体供給具
2 包装媒体巻回体
3 包装媒体収納容器
4 底板
4A1、4A2、4A3、4A4 フラップ
4B1 切込線
4B2、4B3、4B4 切込線
4C1 折曲線
4C2、4C3、4C4 折曲線
4B2、4B2、4B3、4B3、4B3 部分
5 前板
5A1、5A1´ フラップ
5B1 切込線
5C1 折曲線
6 後板
6A1 フラップ
6B1 切込線
6C1 折曲線
10 巻芯
12 包装媒体
14B2、14B3、14B4 第2の辺
14C2、14C3、14C4 第1の辺
14B2、14B2、14B3、14B3、14B3
15 容器本体
22 蓋板
23 蓋前板
24 カッター
25 面
26 中心軸線
27 面
28 回転軸線
30 開口部
31 一辺
32 他の一辺
38、39 連接辺
40 一辺
41L、42L、43L、41W、42W、43W 中心線
61、62、63、64、65、66、67、68 短辺
71、72 側面板
73、74 蓋側面板
80 鋸刃
81、82、83 外周線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装媒体が円筒状に巻かれた細長い包装媒体巻回体を収納し、一面に開口部を有する包装媒体収納容器であって;
前記開口部に対向する底板と;
前記底板の一辺に立設された前板と;
前記底板の一辺に対向する前記底板の他の一辺に立設された後板と;
前記後板に回動可能に連接され、前記開口部を塞ぐように構成された蓋板とを備え;
前記底板と、前記前板と、および前記後板の少なくともいずれかひとつの外周線の内側の領域にフラップが形成され;
前記フラップは、前記フラップを内側に向かって押すことにより切れ目が生じる切込線と、前記フラップを内側に押すことにより切れ目は生じない折曲線であって長手方向に配置された折曲線とに囲まれて構成され;
前記フラップは、前記折曲線に沿って前記いずれかひとつの内側に曲がるよう構成され;
前記フラップは、切れ目が生じた部分が前記収納された包装媒体巻回体を拘束するように構成された;
包装媒体収納容器。
【請求項2】
包装媒体が円筒状に巻かれた細長い包装媒体巻回体を収納し、一面に開口部を有する包装媒体収納容器であって;
前記開口部に対向する底板と;
前記底板の一辺に立設された前板と;
前記底板の一辺に対向する前記底板の他の一辺に立設された後板と;
前記後板に回動可能に連接され、前記開口部を塞ぐように構成された蓋板とを備え;
前記底板と、前記前板と、および前記後板の少なくともいずれかひとつの外周線の内側の領域に第1の辺と該第1の辺以外の第2の辺を有する山形のフラップが形成され;
前記フラップは、前記フラップを内側に向かって押すことにより切れ目が生じる切込線と、前記フラップを内側に押すことにより切れ目は生じない折曲線であって長手方向と交叉する方向に配置された折曲線とに囲まれて構成され;
前記フラップは、前記折曲線に沿って前記いずれかひとつの内側に曲がるよう構成され;
前記折曲線は、前記第1の辺を構成し、前記切込線は、前記第2の辺を構成し;
前記第2の辺が前記収納された包装媒体巻回体を拘束するように構成された;
包装媒体収納容器。
【請求項3】
前記フラップが二つ形成され、前記二つのフラップが形成された前記底板、および前記前板、および前記後板の幅方向の中心線を通る面に対して面対称に配置された;
請求項1または請求項2に記載の包装媒体収納容器。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の包装媒体収納容器と;
前記包装媒体が円筒状に巻かれた前記包装媒体巻回体とを備える;
包装媒体供給具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−140157(P2012−140157A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293718(P2010−293718)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】