説明

包装容器、パッケージ及び漏斗パーツ

【課題】詰め替え作業時に内容物をこぼすことなく、保存容器へ容易に詰め替えを行うことができる包装容器、パッケージ及びこれらに用いる漏斗パーツを提供する。
【解決手段】パッケージ401は、漏斗パーツ410を取り付けた容器本体450に内容物460を充填し、容器本体450の開放端をメンブレン470で封止したものである。このパッケージ401は、漏斗420の側壁の端面431が、容器本体450の開放端を含む平面より、容器本体450の底部側に位置し、かつ、漏斗420の狭口側の開口部422が容器本体450の開放端を含む平面より突出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒状または液状の材料を包装し、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器、パッケージ及びこれらに用いられる漏斗パーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インスタントコーヒー等の粉末状の食品は、保存時の密閉性を保持できるように、一般に、キャップ付き瓶のような密閉性の高い包装容器に充填した状態で販売される。また、内容物を再充填して保存容器を再利用する目的で、内容物を簡易に包装した詰め替え用パッケージも知られている。このような詰め替え用パッケージの包装容器としては、例えばパウチやガゼット袋、カップ状容器が用いられている。
【0003】
また、特許文献1〜3には、軽量で廃棄が容易な紙製のカップ容器を補強するために、カップ容器の開口部に樹脂製の補強リングを取り付けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭63−24464号公報
【特許文献2】特開平8−58764号公報
【特許文献3】特開2002−264918号公報
【特許文献4】特許第2895556号公報
【特許文献5】特開2009−7072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パウチ等の従来の詰め替え用パッケージから保存容器への内容物の再充填は、例えば、開封した詰め替え用パッケージの開口部を保存容器の開口部に宛がい、内容物を徐々に保存容器内へと流し込むことによって行う。しかしながら、この詰め替え作業時には、内容物がこぼれて手や周囲を汚してしまう場合があり、使い勝手が良いとは言えなかった。
【0006】
それ故に、本発明は、詰め替え作業時に内容物をこぼすことなく、保存容器への内容物の詰め替えを容易に行うことができる包装容器、パッケージ及びこれらに用いられる漏斗パーツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、粉粒状または液状の材料を包装し、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器に関するものである。この包装容器は、開放端と底部とを有する筒形状の容器本体と、広口側から狭口側にかけて径が狭くなる漏斗及び漏斗の外面を取り囲んで漏斗に接続される筒状の側壁を含む漏斗パーツとを備える。漏斗パーツは、側壁の狭口側の端面が容器本体の開放端を含む平面より容器本体の底部側に位置するように、容器本体の開放端に嵌め込まれる。
【0008】
また、本発明は、粉粒状または液状の材料を包装し、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器に関するものである。この包装容器は、開放端と底部とを有する筒形状の容器本体と、広口から狭口にかけて径が狭くなる漏斗とを備える。漏斗は、漏斗の狭口側の開口部が容器本体の開放端を含む平面より突出するように、容器本体の内側に取り付けられる。
【0009】
更に、本発明は、粉粒状または液状の材料を包装し、内容物を保存容器に移し替えるため、容器本体の開放端に嵌め込まれる漏斗パーツに関するものである。漏斗パーツは、広口側から狭口側にかけて径が狭くなる漏斗と、漏斗の外面を取り囲んで漏斗に接続される筒状の側壁とを備える。漏斗の狭口側の開口部は、側壁の狭口側の端面を含む平面より突出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の包装容器を用いると、容器本体内に収納された漏斗の開口部を保存容器内に挿入した状態で内容物の詰め替えを行うことができるので、内容部を外部にこぼすことなく、詰め替え作業ができるパッケージが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るパッケージの概略構成を示す斜視図
【図2】図1に示されるパッケージの分解斜視図
【図3】図1に示されるIII−IIIラインの断面図
【図4】図2に示されるメンブレンの平面図
【図5】図4に示されるV−Vラインの断面図
【図6】本発明に係るパッケージの使用状態を示す斜視図
【図7】図6に示されるVII−VIIラインの断面図
【図8】本発明の実施形態に係るパッケージの斜視図
【図9】図8に示されるA4−A4’ラインの断面図
【図10】図8に示されるパッケージの変形状態を示す模式図
【図11】図8に示されるD2の寸法とメンブレン破れ率との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0012】
(基本構成)
まず、図1〜7を参照しながら、本発明に係るパッケージの基本的な構成を説明する。
【0013】
図1は、本発明に係るパッケージの概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示されるパッケージの分解斜視図である。また、図3は、図1に示されるIII−IIIラインの断面図である。
【0014】
パッケージ1は、粉粒状または液状の材料を包装し、他の保存容器に内容物を再充填するための詰め替え用パッケージとして使用されるものであり、包装容器2と、包装容器2の内部に充填される内容物5と、包装容器2の開放端11を封止するメンブレン3とを備える。更に、包装容器2には、メンブレン3を保護するために、高密度ポリエチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)等で形成したオーバーキャップ4が取り付けられている。内容物5は、流動性を有するものであれば特に限定されず、本発明に係る包装容器2は粉状、粒状、液状等の様々な材料に適用できる。
【0015】
包装容器2は、一端が開放された筒形状の容器本体10と、容器本体10の内部に収納された漏斗20を含む漏斗パーツ8とを備える。
【0016】
容器本体10は、側壁17と底部16と開放端11とを有する。本実施形態では、容器本体10は、矩形形状のシート材料を丸めて部分的に重ね合わせ、重なり部分を貼り合わせることによって筒状に形成されている。容器本体10の底部18は、円形状の底板19と、底板19の外周部を挟み込んで保持する折り返し部18とによって構成されている。一方、容器本体10の開放端11には、側壁17の一部を外方に折り曲げて環状に巻き込むことによって、カーリング12が形成されている。
【0017】
容器本体10の形成材料は特に限定されないが、容器の軽量化や廃棄の容易さ、省資源化を考慮して、紙を主体とする材料を用いることが好ましい。一例として、食品の包装用途では、容器本体10の内面となる側から順に、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、アルミニウム箔、紙を積層して形成され、高いガスバリア性(特に、酸素、水蒸気、芳香成分等の内容物由来の揮発成分を遮断する性質)を有するシート材料を利用できる。
【0018】
漏斗パーツ8は、一方端に向かって径の狭まる部分を有する漏斗と、これに一体化された部材からなる部品のことをいう。図1〜3に例示した漏斗パーツ8は、漏斗20と、漏斗パーツ8の広口部分に接続される円筒形状の側壁22とを備え、容器本体10の開放端11から内部へと挿入され、収納容器10に嵌め込まれている。後述するように、漏斗20は、保存容器への内容物5の詰め替えを容易にするために設けられているものであり、開放端11に向かって径が狭まるように配置されている。漏斗20のテーパー角αは、内容物の流動性に応じて適宜設定されるが、内容物が粉体の場合には、少なくとも20〜45°、より好ましくは20°に設定される。
【0019】
漏斗パーツ8は、例えば、HDPEやPP等の樹脂材料によって一体成型しても良いし、紙や樹脂、紙混合樹脂等を用いて別個に形成した漏斗20及び側壁22を互いに接続して構成しても良い。樹脂や紙混合樹脂を用いる場合、漏斗パーツ8は、例えば射出成形によって成形しても良い。漏斗20や漏斗パーツ8の形状や取り付け方法は、図1〜3の例に限らず、様々なバリエーションがある。
【0020】
図4は、図2に示されるメンブレンの平面図であり、図5は、図4に示されるV−Vラインの断面図である。
【0021】
メンブレン3は、包装容器2に材料を充填した後に、包装容器2の開放端11を封止するために用いられるものであり、包装容器2の用途に応じて、単一の層よりなるシート材料または複数層を積層したシート材料を利用できる。包装容器2の内容物が食品等の場合には、ガスバリア性を有する材料でメンブレン3を形成することが好ましい。
【0022】
具体的には、メンブレン3は、図5に示されるように、包装容器2にシールされるシーラント層31と、シーラント層31上に積層された樹脂層32と、接着剤層33を介して樹脂層32上に張り合わされた金属箔層34とから構成される。一例として、シーラント層31をポリエチレンで形成し、樹脂層32をポリエチレンテレフタラート(PET)で形成し、金属箔層34はアルミニウムで形成しても良い。メンブレン3を構成する層の積層数や積層方法は特に限定されず、任意で良い。
【0023】
メンブレン3には、外部からの押圧によって張力が所定の大きさを超えたときに破断するように、中心から放射状に延びる6本の切断線30が形成されている。切断線30は、図4及び5に示されるように、メンブレン3の厚み方向においては、シーラント層31及び樹脂層32のみを切断し、かつ、メンブレン3の延伸方向においては、破線を描くように形成されている。
【0024】
切断線30は、メンブレン3の破断強度を調整するためのものであり、メンブレン3に加えられる押圧力に応じて、数やライン形状、切断箇所の長さ及び深さを任意に設定することができる。切断線30の理想的な数としては、中心から放射状に3〜10本の範囲で設けるのが望ましい。切断線30は、直線状でも良いし曲線状でも良い。また、メンブレン3の延伸方向において、切断線30は必ずしも破線状のミシン目である必要はなく、実線を描くように形成しても良い。
【0025】
図6は、本発明に係るパッケージの使用状態を示す斜視図であり、図7は、図6に示されるVII−VIIラインの断面図である。より特定的には、図6及び7において、(a)は、メンブレンの破断前の状態を示し、(b)は、メンブレンの破断後の状態を示す。
【0026】
パッケージ1内の内容物5を保存容器7に再充填する際には、まず、図6(a)及び7(a)に示すように、オーバーキャップを取り外した包装容器2を倒立させ、メンブレン3を保存容器7の開口部に当接させる。このとき、漏斗20の狭口側の開口部が保存容器7の開口の範囲内に配置するため、包装容器2の中心を保存容器7の中心とを合わせる。
【0027】
次に、パッケージ1の底部を図の矢印方向に押下する。このとき、メンブレン3は、包装容器2の押圧に伴って、漏斗20及び容器7の開口部から押圧力を受けるが、メンブレン3の張力が所定の破断強度を上回ると、図6(b)及び7(b)に示すように、メンブレン3が破断する。メンブレン3が破断すると、包装容器2に加えられた押圧力に従って、漏斗20は容器7の内部へと挿入され、破断したメンブレン3は、漏斗20と側壁22とで挟まれた空間内に折り込まれる。この結果、漏斗20の外方側の開口部が大きく開いた状態となるので、内容物5は、重力に従って、漏斗20のテーパーに沿って容器7の内部に流入する。
【0028】
以上説明したように、本発明に係る包装容器2及びこれを用いたパッケージ1によれば、メンブレン3と容器7の開口部とを突き合わせて、包装容器2を保存容器7に向かって押圧することにより、メンブレン3の破断とほぼ同時に漏斗20の開口部が保存容器7内に挿入される。包装容器2内の内容物5は漏斗20によって保存容器7の内部に誘導されるため、詰め替え作業時に内容物5が飛散したりこぼれたりするのを防止できる。よって、本実施形態に係る包装容器2及びパッケージ1によれば、内容物の詰め替えを容易に行うことが可能となる。
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る漏斗パーツ、これを用いた包装容器とパッケージ、及び製造方法を説明する。尚、以下で説明する図面においては、メンブレンを保護するためのオーバーキャップの図示を省略している。
【0030】
(実施形態)
図8は、本発明の実施形態に係るパッケージの斜視図であり、図9は、図8に示されるA4−A4’ラインの断面図である。
【0031】
本実施形態に係るパッケージ401は、漏斗パーツ410と、容器本体450と、内容物460と、メンブレン470とで構成される。
【0032】
漏斗パーツ410は、内容物460を保存容器に導くための漏斗420と、容器本体450に接合される円筒状の側壁430と、漏斗パーツ410を補強するためのリブ440から構成される。
【0033】
漏斗420は、広口側の開口部421と狭口側の開口部422とを備え、開口部421から開口部422にかけて径が狭まる形状を有しており、開口部422を含む一部がストレート形状を有している。
【0034】
側壁430は、漏斗420を取り囲む円筒形状を有し、肉盗みのための矩形状の複数の開口が周方向に間欠的に形成されている。
【0035】
リブ440は、漏斗420の外面及び側壁430の内面に接続され、周方向に間欠的に配置されている。
【0036】
容器本体450は、開放端と底部とを備えた円筒形状を有し、開放端には垂直外側に突出するフランジが設けられている。このフランジは、容器本体450の側壁の端縁部分を外側に複数回折り曲げて層状にしたり、側壁の端縁を外側に折り曲げると共に外周縁に環状に巻き込んだカーリングを設けたり、カーリングを扁平状に押しつぶしたりすることにより形成できる。
【0037】
尚、容器本体450の開放端に漏斗パーツ410を嵌め込み、内容物460を充填した後、メンブレン470で開放端を封止する。本発明に係るパッケージは、上述したような使用方法(図6及び7)を想定しているため、メンブレン470にはその破断強度を調整するための切断線471が形成されている。
【0038】
図9に示すように、本実施形態に係る漏斗パーツ410では、漏斗420の狭口側の開口部422が、容器本体450の開放端を構成する側壁端面431を含む平面より寸法Dだけ突出している。
【0039】
容器本体450の開放端にカーリング等が形成されることにより、容器本体450の開放端側の内径が他の部分の内径に比べて小さくなっており、漏斗パーツ450を容器本体450に挿入する時の抵抗となる。しかし、上述したように側壁430の高さ(中心軸方向)の寸法を漏斗420の広口側から狭口側までの高さ(中心軸方向)より小さく設計することより、容器本体450に漏斗パーツ410を挿入するのに要する時間の短縮や側壁430が受ける抵抗量を減少することができるため、容器本体450の開放端に漏斗パーツ410を容易に嵌め込むことができる。この時、寸法Dが3mm以上になると嵌め込みがさらに容易となる。
【0040】
図9に示すように、容器本体450の端面451を含む平面より漏斗420の狭口側の開口部422が寸法D1だけ突出している。このように構成することにより、開口部422とメンブレン470の内面とが密着状態に保たれる。
【0041】
D1の寸法は5mm以下に設定することが好ましい。D1が5mmを超えると、漏斗420の狭口側の開口部422がメンブレン470を突き破る可能性が高くなる。また、D1は−2mmまでの範囲内であれば、輸送時等においてパッケージ401の内容物460が漏斗420の外側に回り込まず、パッケージ401の開封時に内容物460が外部に漏れ出すことがない。尚、D1がマイナスの値である場合は、開口部422が容器本体450の端面451を含む平面より容器本体450の底部側に位置することを意味する。
【0042】
ただし、内容物460の粒径が小さい場合(直径2mm以下の場合)は、D1の寸法が0mm(容器本体450の開放端と漏斗420の狭口側端部とが同レベル)を下回ると内容物460が漏斗420の外側に回り込み、パッケージ401の開封時に内容物460が外部に漏れ出す可能性がある。従ってこのような回り込みを効果的に防止するために、D1の寸法を0mm以上5mm以下、より好ましくは0.5mm以上5mm以下に設定すると良い。D1がこの範囲内であれば、漏斗420の狭口側の端面423がメンブレン470に押し当たり、両者の隙間が埋められる。それ故、粒径の小さな内容物460であっても、漏斗420の外部に内容物460が回り込むことがない。
【0043】
一方、容器本体450の端面451を含む平面に対して漏斗パーツ410の側壁端面431は寸法D2だけ容器本体450の底部側に位置している。
【0044】
図10は、図8に示されるパッケージの変形状態を示す模式図である。
【0045】
容器本体450の開放端を斜め下に向けた状態でパッケージ401が落下した場合、図10に示すように、地面に衝突したパッケージ401に図中の矢印方向の押圧力が加わる。本実施形態のように漏斗パーツの取り付け位置を設定すれば、容器本体450の開放端付近のみが部分的に変形して衝撃を吸収し、メンブレン470に対して広い範囲に張力が発生しないため、メンブレン470の破断が抑制される。一方、漏斗420の側壁の端面431が容器本体450の端面451と同一平面にある(D2=0)パッケージでは、容器本体450の開放端近傍に押圧力が加わると、容器本体450と共に漏斗パーツ410が変形する。その結果、メンブレン470の広い範囲に張力が発生し、メンブレン470が破断する可能性が高くなる。
【0046】
図11は、図8に示されるD2の寸法とメンブレン破れ率との関係を示すグラフである。より詳細には、図11は、高さ60cmの位置から容器本体450の開放端を斜め下に向けてパッケージ401を落下させる試験を行い、D2とメンブレン470の破断発生率との関係を示したものである。尚、この試験結果は、HDPE等の剛性の低い材質で作製された漏斗パーツ410を用いたパッケージ401によるものである。
【0047】
図11に示すように、D2の値が大きくなるに従ってメンブレン470の破断発生率が低下している。具体的には、D2が0mmの場合ではメンブレン470の破断発生率が50%であるが、D2が3.5mm以上になると同一の落下条件下でメンブレン470の破断発生率を0%にすることができる。
【0048】
尚、漏斗パーツ410がPP、金属等の剛性の高い材料で作製されている場合は、漏斗パーツ410の剛性によってパッケージの変形が防止されるので、D2は0mm以上であれば良い。ただし、HDPEのように剛性が高くない材料を用いる場合は、落下時におけるメンブレン470の予期しない破断を防止するため、上記の試験結果に基づき、D2を3.5mm以上に設定することが好ましい。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係るパッケージでは、漏斗パーツ410の開口部422と容器本体450の開放端とのレベル差D1と、漏斗パーツ410の側壁端面431とのレベル差D2とを適宜設定することにより、別段の部品を設けたり加工を施すことなく、内容物の回り込みとメンブレン470の破断を効果的に防止することが可能となる。
【0050】
尚、上記の実施形態では、漏斗パーツについては、一部ストレートを有するテーパー形状の漏斗を用いているが、内容物を適切に保存容器に導くことができるものであれば特に制限されず、例えば全てテーパー形状を有する漏斗を用いても良い。また漏斗の断面形状は円形であるが、例えば四角形の断面を有する漏斗を用いても良い。側壁は、横断面が円形の筒形状を用いているが、四角形の断面を有する筒形状の側壁を用いても良い。また側壁の矩形の開口やリブを設けることは任意である。
【0051】
また、上記の実施形態では、漏斗とこれに接続される側壁とを備える漏斗パーツを用いて包装容器(パッケージ)を構成する例を示したが、側壁は必ずしも必要ではなく、上記の漏斗部分のみを容器本体内部に収納した包装容器(パッケージ)を構成しても良い。この場合、漏斗を容器本体に接続するために、漏斗の広口側の開口部と容器本体内面とを接合しても良い。また、容器本体の側面内側に凸条を設け、広口側の開口部をこの凸条に当接させた状態で漏斗を取り付けても良い。
【0052】
更に、上記の実施形態では、D1の寸法は必ずしも5mm以下である必要はなく、例えば、メンブレンの材質や切断線の数やパターンによってメンブレンの破断強度を調節すれば、D1を5mm以上に設定することも可能である。
【0053】
更に、上記の実施形態では、D2の寸法は必ずしも3.5mm以上である必要はなく、3.5mmを下回ってもメンブレンの破断抑制効果を得ることが可能である。
【0054】
更に、上記の実施形態では、D1及びD2共に寸法を調整して、内容物の回り込み防止効果とメンブレンの破断防止効果との両方が得られるパッケージを示したが、いずれか一方のみの寸法を調整しても良い。例えば、漏斗の側壁端面と容器本体の開放端とを同一面上に配置し、漏斗の狭口側の開口部を容器本体の開放端から突出させても良い(すなわち、D1>0、かつ、D2=0)。あるいは、漏斗の狭口側の開口部を容器本体の開放端とほぼ同一面上に配置し、漏斗の側壁端面を容器本体の開放端より底部側に下げても良い(すなわち、D1≒0、かつ、D2>0)。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を具体的に実施した実施例について説明する。
【0056】
漏斗パーツは、高密度ポリエチレンを用いて、肉厚0.8mmにて一体的に射出成形したものを用いた。
【0057】
容器本体の側面を形成するシートは、紙シート(紙秤量300g/cm3)の一方面に厚み20μmの低密度ポリエチレン(LDPE)層を設け、その上に厚み7μmのアルミニウム層を設け、更にその上に接着剤を介して厚み12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)層を設け、更にその上に接着剤を介して厚み50μmのLDPE層を設け、他方面に、厚み20μmのLDPE層を設けたものを用いた。
【0058】
容器本体の底面を形成するシートは、紙シート(紙秤量230g/cm3)の一方面に厚み20μmのLDPE層を設け、その上に厚み7μmのアルミニウム層を設け、更にその上に接着剤を介して厚み12μmのPET層を設け、更にその上に接着剤を介して厚み50μmのLDPE層を設け、他方面に、厚み20μmのLDPE層を設けたものを用いた。
【0059】
上述の側面及び底面に相当するシートを用いて、カップ成形法によって開放端と底面を有する円筒体を形成し、容器本体とした。
【0060】
メンブレンは、厚み12μmのPETフィルムの一方面に、厚み20μmのLDPE層を設け、その上に厚み15μmのアルミニウム層を設け、他方面に、厚み40μmのLDPE層を設けたものを用いた。
【0061】
オーバーキャップは、高密度ポリエチレンを用いて、肉厚0.8mmにて一体的に射出成形したものを用いた。
【0062】
容器本体の端面を含む平面より漏斗の狭口側の開口部が1mm(図9のD1)突出するように、容器本体の開放端に漏斗パーツを嵌めこみ、漏斗パーツの側壁外面と容器本体の内面とを接合した。漏斗パーツを取り付けた容器本体の内部に内容物を充填した後、容器本体の開放端をメンブレンで封止し、更にメンブレンを覆うようにオーバーキャップを取り付けてパッケージを作成した。
【0063】
得られたパッケージを用いて、60cmの高さから容器本体の開放端を斜め下に向けた状態でパッケージを落下させたところ、メンブレンの破断は発生しなかった。また漏斗外部に内容物が回り込むことなく、詰め替えにおけるパッケージ開封時に内容物が外部に漏れ出すことはなかった。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、インスタントコーヒーや粉ミルク等の食品や、複写機やレーザープリンター用のトナーなど、粉状・顆粒状・液状の流動性を有する材料を保存容器に移し替えるための包装容器、パッケージ及びこれらに用いられる漏斗パーツに利用できる。
【符号の説明】
【0065】
1 パッケージ
2 包装容器
3 メンブレン
5 粉体
7 容器
8 漏斗パーツ
10 容器本体
11 開放端
17 側壁
20 漏斗
401 パッケージ
410 漏斗パーツ
420 漏斗
421 広口側の開口部
422 狭口側の開口部
423 狭口側の端面
430 側壁
431 側壁端面
440 リブ
450 容器本体
451 端面
460 内容物
470 メンブレン
471 切断線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒状または液状の材料を包装し、前記材料を保存容器に移し替えるための包装容器であって、
開放端と底部とを有する筒形状の容器本体と、
広口側から狭口側にかけて径が狭くなる漏斗及び前記漏斗の外面を取り囲んで前記漏斗に接続される筒状の側壁を含む漏斗パーツとを備え、
前記漏斗パーツは、前記側壁の前記狭口側の端面が、容器本体の開放端より前記容器本体の底部側に位置するように、前記容器本体の開放端に嵌め込まれる、包装容器。
【請求項2】
前記漏斗の狭口側の開口部が、容器本体の開放端を含む平面より突出する、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
内容物を保存容器に移し替えるためのパッケージであって、
請求項1に記載の包装容器と、
前記容器本体内部に充填される粉粒状または液状の材料と、
前記容器本体の開放端を封止し、外部からの押圧によって破断するメンブレンとを備える、パッケージ。
【請求項4】
粉粒状または液状の材料を包装し、前記材料を保存容器に移し替えるための包装容器であって、
開放端と底部とを有する筒形状の容器本体と、
広口から狭口にかけて径が狭くなる漏斗とを備え、
前記漏斗は、その狭口側の開口部が、容器本体の開放端を含む平面より突出するように、前記容器本体の内側に取り付けられる、包装容器。
【請求項5】
内容物を保存容器に移し替えるためのパッケージであって、
請求項5に記載の包装容器と、
前記容器本体内部に充填される粉粒状または液状の材料と、
前記容器本体の開放端を封止し、外部からの押圧によって破断するメンブレンとを備える、パッケージ。
【請求項6】
開放端を有する容器本体に嵌め込まれ、内容物を保存容器に移し替えるための包装容器を構成する漏斗パーツであって、
広口側から狭口側にかけて径が狭くなる漏斗と、
前記漏斗の外面を取り囲んで前記漏斗に接続される筒状の側壁とを備え、
前記漏斗の狭口側の開口部が、前記側壁の前記狭口側の端面を含む平面より突出する、漏斗パーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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