説明

包装容器及びその製造方法

【課題】内容液が熱間充填されている非結晶ボトルにキャップを螺子締結する際のボトル口部の内倒れを有効に抑制することができ、しかも、開栓トルクの増大が有効に防止され、キャップの開封を容易に行うことが可能な包装容器を提供する。
【解決手段】内容液が熱間充填された非結晶ポリエステルボトル50と、ボトル口部51に螺子締結されたキャップ1とからなり、キャップは頂板部3の内面に設けられた円板形状の合成樹脂製ライナー17を有し、ライナーは周縁部に形成された環状外側突部17aと、環状外側突部17aとは間隔をおいて形成された内側突部17bとを有しており、内側突部は頂板部3のフラットな内面3a上に位置しており、ボトルは内容液の熱間充填前において含水率が5000ppm以下に保持されているものであり、ボトル口部の上端部分は環状外側突部と内側突部との間に形成されている凹部17cに嵌合固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、非結晶化口部を有するポリエステルボトルに内容液が熱間充填され、且つプラスチックキャップが該ボトルの口部に螺子締結された包装容器及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラスチックキャップには、容器口部壁との螺子係合により装着される螺子タイプのものが、例えば飲料容器用のキャップとして広く使用されており、キャップの頂板部の内面に密封用ライナーを設けたライナー付螺子キャップも実用に供されている。
【0003】
上記のようなキャップでシールされるプラスチックボトルとしては、結晶化口ポリエステルボトルと口部を含めて全体が非結晶化状態にある非結晶ボトルとが代表的である。これらの内、結晶化ボトルは、耐熱性が良好であり、内容液を殺菌を兼ねて熱間充填する用途に広く採用されている。一方、非結晶ボトルは、耐熱性が低いため、ボトルやキャップを過酸化水素水などの殺菌液で殺菌処理し、次いで内容液を常温充填する所謂アセプティック充填(無菌充填)用として広く使用されている。
【0004】
ところで、非結晶ボトルは、結晶化のための熱処理が不要であり、製造が容易であるため、最近では、熱間充填用の用途としても検討されている。
【0005】
しかしながら、口部が非結晶状態にある非結晶ボトルでは、上記でも述べたように耐熱性が低いため、内容液を熱間充填した後にキャップを螺子締結したときに、容器口部壁が熱収縮やキャップ締結時の外圧によって内側に傾倒(内倒れ)してしまうことが多い。
【0006】
一方、ボトルの口部に螺子締結されるキャップとしては、特許文献1に示されているように、キャップの頂板部内面に設けられている円板形状の合成樹脂製ライナーに環状の凹部を形成し、キャップを螺子締結したときに、この凹部内にボトルの口部上端部分が嵌合固定されるような構造のキャップが広く採用されている。
【0007】
また、特許文献2及び3には、キャップの頂板部内面に環状突起を設け、ライナーをこの環状突起を覆うように形成すると共に、ライナーに形成されている前記環状凹部を構成している内側の環状突部を、頂板部内面の上記環状突起上に位置せしめた構造のキャップが提案されている。
【特許文献1】実開平2−56158号公報
【特許文献2】実公平6−37963号公報
【特許文献3】実開平6−87248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかるに、特許文献1のキャップでは、内容液が熱間充填されている非結晶ボトルに螺子締結したときに、ボトル口部の内倒れを防止することが困難であり、内倒れにより、ライナーのボトル口部への接触面圧が低下してしまい、シール性が低下してしまうという問題がある。
【0009】
また、特許文献2及び3のキャップでは、環状凹部を構成している内側の環状突部が、キャップの頂板部内面に形成されている環状突起によりがっちりと保持されているため、内容液が熱間充填されている非結晶ボトルに螺子締結したときにおけるボトル口部の内倒れを幾分か抑制することができたとしても、これらのキャップでは、ライナーのボトル口部への接触面圧が過度に高くなってしまい、この結果、キャップの開栓トルクが著しく高く、キャップの開封が困難になってしまうという問題がある。
【0010】
従って本発明の目的は、内容液が熱間充填されている非結晶ボトルにキャップを螺子締結する際のボトル口部の内倒れを有効に抑制することができ、しかも、開栓トルクの増大が有効にされ、キャップの開封を容易に行うことが可能な包装容器及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上記課題について鋭意検討した結果、熱間充填時における非結晶ボトルの口部壁の内倒れは、該ボトルの含水率に大きく依存し、この含水率が一定値以下に抑制されている状態で特殊なキャップの螺子締結を行うときには、このような内倒れを抑制することが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
即ち、本発明によれば、内容液が熱間充填された非結晶化口部を有するポリエステルボトルと、該口部に螺子締結されたプラスチックキャップとからなる包装容器において、
前記プラスチックキャップは、頂板部と、該頂板部の周縁部から降下しており且つ内面に前記ボトルの外面に形成されている螺条と係合する螺条を備えたスカート状側壁と、該頂板部の内面に設けられた円板形状の合成樹脂製ライナーとから成り、
前記ライナーは、周縁部に形成され且つ下方に降下した環状外側突部と、該環状外側突部とは間隔をおいて形成され且つ下方に突出している内側突部とを有しており、該内側突部は、前記頂板部のフラットな内面上に位置しており、
前記ボトルは、内容液の熱間充填前において含水率が5000ppm以下に保持されているものであり、
前記ボトルの口部上端部分は、前記ライナーの環状外側突部と偏平状突部との間に形成されている凹部に嵌合固定されていることを特徴とする包装容器が提供される。
【0013】
本発明の包装容器においては、
(1)前記内側突部が偏平状突部であり、該偏平状突部が0.3乃至2.0mmの厚みtと1.6乃至2.2mmの幅wとを有していること、
(2)前記偏平状突部が環状に形成されていること、
(3)前記偏平状突部の複数が、所定間隔をおいて、全体として環状に配置されていること、
(4)前記ボトルの口部の上端部分の厚みtが1.3乃至1.9mmの厚みを有していること、
が好ましい。
【0014】
本発明によれば、また、非結晶化口部を有するポリエステルボトルに内容液を充填し、内容液が充填された該ボトルの口部に、プラスチックキャップを螺子締結することによって包装容器を製造する方法において、
前記プラスチックキャップは、頂板部と、該頂板部の周縁部から降下しており且つ内面に前記ボトルの外面に形成されている螺条と係合する螺条を備えたスカート状側壁と、該頂板部の内面に設けられた円板形状の合成樹脂製ライナーとから成り、該ライナーは、周縁部に形成され且つ下方に降下した環状外側突部と、該環状外側突部とは間隔をおいて形成され且つ下方に突出している内側突部とを有しており、該内側突部は、前記頂板部のフラットな内面上に位置しているものであり、
前記ボトルが含水率が5000ppm以下に保持されている状態で、73乃至85℃の温度で内容液を該ボトル内に熱間充填し、
内容液の熱間充填後、直ちに前記プラスチックキャップを該ボトルの非結晶化口部に螺子締結し、該ボトルの口部上端部分を、前記ライナーの環状外側突部と内側突部との間に形成されている凹部に嵌合固定することを特徴とする包装容器の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、キャップの頂板部の内面に設けられている合成樹脂製ライナーは、その周縁部に下方に降下している環状外側突部と、該環状外側突部とは間隔をおいて下方に突出して形成されている内側突部とを有しており、このような環状外側突部と内側突部とによって形成される凹部内にボトルの口部上端部分が嵌合固定されることにより、所定のシール構造が形成される。しかるに、このようなライナーの内側突部が、キャップ頂板部のフラットな内面上に位置していることが第一の特徴である。即ち、このような位置に内側突部を形成することにより、ライナーとボトル口部との接触面圧を適度な範囲とし、開栓トルクの増大を回避し、キャップの開封を容易に行うことが可能となる。例えば、ライナーが設けられるキャップ頂板部の内面に突起を形成し、このような突起上に前記内側突部が位置するような場合には、ライナーとボトル口部との接触面圧が著しく高くなってしまい、この結果、開栓トルクが増大し、キャップの開封が困難となってしまう。
【0016】
また、本発明においては、非結晶化口部を有するポリエステルボトル(以下、単に非結晶ボトルと呼ぶことがある)に内容液が熱間充填され且つキャップが螺子締結されるが、かかる非結晶ボトルが、内容液の熱間充填前において含水率が5000ppm以下に保持されていることが第二の特徴である。即ち、このような低含水率の状態に保持されている非結晶ボトルについて、内容液の熱間充填及びキャップの螺子締結を行うときには、キャップ頂板部のフラットな内面上に位置している内側突部によって、ボトル口部壁の内倒れを有効に抑制でき、シール性の低下を有効に回避することができるのである。例えば、含水率が上記範囲よりも多い状態に保持されている非結晶ボトルについて、内容液の熱間充填及びキャップの螺子締結を行うと、ボトル口部壁の内倒れを抑制することが困難となり、シール性の低下を回避することが困難となってしまう。
【0017】
このように本発明によれば、非結晶化口部を有する非結晶ボトルについて、内容液の熱間充填後にキャップの螺子締結を行うときに発生するボトル口部壁の内倒れを有効に抑制し、内倒れによるシール性の低下を回避すると同時に、開栓トルクの増大を回避し、キャップの易開封性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を、以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の包装容器の半断面側面図であり、
図2は、図1の包装容器に使用されるキャップの下面図であり、
図3は、図1に示されている包装容器に使用されているキャップの要部を拡大して示す側断面図である。
【0019】
図1及び図2を参照して、この包装容器は、全体として50で示す非結晶ボトルと、全体として1で示すキャップとからなり、ボトル50の内部には、内容液(図において省略)が熱間充填されている。
【0020】
非結晶ボトル50は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等のポリエステルからなっており、その口部51の外面には、螺条53が形成されており、さらに螺条53の下方には、顎部55が形成されている。この非結晶ボトル50は、口部51を含めて全体が非結晶であり、透明性に優れたものである。
【0021】
キャップ1は、頂板部3と、頂板部3の周縁部から垂下しているスカート状側壁5とを有しており、スカート状側壁5の下端には、破断可能なブリッジ7を介して開封履歴明示バンド(TEバンド)9が設けられている。
【0022】
頂板部3の内面には、スカート状側壁5とは小間隔を置いて下方に延びており且つ先端が内方に屈曲しているライナー規制リング11が形成されている。このライナー規制リング11は、スカート状側壁5の付け根部分から延びているリブ13によって補強されている。
【0023】
スカート状側壁5の内面には、螺条15が形成されており、この螺条15は、ボトル口部51の外面に形成されている螺条53と係合する。即ち、スカート状側壁5を閉栓方向に旋回し(即ち、巻き締め)、螺条15とボトル口部51の外面の螺条53とを螺子係合することにより、このキャップは、ボトル口部51に螺子締結される。
【0024】
また、頂板部3の内面には、例えばインシェルモールドにより成形された円板形状の合成樹脂製ライナー17が設けられている。
【0025】
上記のライナー17は、その周縁部に下方に降下した環状外側突部17aを有しており、この環状外側突部17aの外面がライナー規制リング11の内面に密着し、保持されている。また、環状外側突部17aとは間隔を置いて、下方に突出している内側突部である偏平状突部17bが形成されており、図1から理解されるように、螺子締結されたボトル50の口部51の上端部分が、この環状外側突部17aと偏平状突部17bとにより形成されている凹部17c内に嵌合固定され、特に環状外側突部17aの内面がボトル50の口部51の外面に密着することにより、ボトル50がシールされる構造となっている。
【0026】
また、スカート状側壁5の外面には、滑り止め用のローレット19が形成されており、キャップの閉栓方向及び開栓方向への旋回をスムーズに行い得るようになっている。また、スカート状側壁5の上方部分には、適当な間隔でスリット20が形成されており、キャップ1とボトル口部51との間を洗浄できるようになっている。
【0027】
TEバンド9の内面には、それ自体公知の可撓性フィン21が適当な間隔で複数設けられており、ボトル口部51の外面に形成されている顎部55と係止し得るようになっている。即ち、ボトル口部51に巻き締められたキャップ1を開栓したとき、このフィン21が上記顎部55に当接し、TEバンド9の上昇が制限される。一方、スカート状側壁5は、そのまま開栓方向に回転して上昇する。従って、シール部(ライナー17とボトル口部51との密着部分)が解除される前に、スカート状側壁5の下端とTEバンド9を繋ぐブリッジ7が破断し、TEバンド9は、キャップ1から離脱する。かくして、TEバンド9がキャップ1から離脱していることにより、キャップ1が一度開栓され或いはシール部の破断が生じていたという事実を認識することが可能となるものである。
【0028】
尚、図1に示されているように、TEバンド9の下端には、その全周にわたって内方カール部23が形成されており、フィン21がボトル50の顎部55に当接したとき、このカール部23がフィン21の下部を押えることにより、フィン21の変形を抑制し、TEバンド9のすっぽ抜けを防止するようになっている。
【0029】
ところで、本発明においては、非結晶ボトル50には、内容液が熱間充填される。即ち、この非結晶ボトル50の口部51は結晶化されていないため、耐熱性が低く、従って、内容液の熱間充填後、キャップ1を螺子締結したとき、熱収縮及び螺子締結時に加わる外圧によってボトル口部51が内倒れし、シール性が低下してしまうという問題がある。本発明では、このような内倒れを防止するために、以下のような手段を採用したものである。
【0030】
本発明の包装容器の要部を拡大して示す図3において、既に述べたように、ライナー17には、環状外側突部17aとは間隔をおいて偏平状突部17bが設けられている。即ち、この偏平状突部17bにより、ボトル口部51の内面を保持することによって内倒れを抑制するのであるが、図3から理解されるように、この偏平状突部17bが形成されている部分において、頂板部3の内面部分はフラットな面3aとなっていることが重要である。
【0031】
即ち、頂板部3の内面に突起を形成し、この突起上に偏平状突部17bが形成されていると、この偏平状突部17bの強度が増大し、ボトル口部51の内面側は、偏平状突部17bによってがっちりと保持される。この結果、ボトル口部51の内倒れは有効に抑制される。しかしながら、このようなフラットな面3a上に偏平状突部17が形成されている場合には、内倒れ時の応力が偏平状突部17bに集中し、ボトル口部51とライナー17との接触面圧が増大し、この結果、キャップ1の開栓トルクが増大してしまい、キャップ1の開封(即ち、開栓方向への旋回)が困難となってしまうのである。しかるに、本発明のように頂板部3のフラットな面3a上に偏平状突部17bが位置しているときには、偏平状突部17bが撓みやすいため、上記のような開栓トルクの増大が抑制され、キャップ1の開封性を確保することができるのである。
【0032】
また、上記のように、フラットな面3a上に偏平状突部17bを位置させたときには、この突部17bによる内倒れ防止効果は低下することとなる。しかるに、本発明においては、非結晶ボトル50として、内容液の熱間充填前において含水率が5000ppm以下に保持されているものが使用されていることが重要である。即ち、理由は明確に解明されていないが、後述する実施例及び比較例から明らかなように、ボトル口部51の内倒れは、ボトルの含水率に依存しており、この含水率が増大するほど、内倒れが著しくなり、含水率が低くなるほど、内倒れが小さくなる。従って、本発明では、非結晶ボトルの貯蔵環境を低湿度雰囲気のものとし、熱間充填前の非晶質ボトル50の含水率を上記範囲に保持し、この状態で内容液の熱間充填を行うことにより、上記のようなフラットな面3a上に位置する偏平状突部17bによってボトル口部51の内倒れを有効に抑制し、内倒れによるシール性の低下を有効に抑制することが可能となるのである。尚、非晶質ボトル50の含水率は、後述する実施例に示す方法によって測定される。
【0033】
本発明において、上記のような内容液の熱間充填は、73乃至85℃の範囲で行うのがよい。即ち、熱間充填温度が上記範囲よりも高いと、ボトル口部51の熱収縮が大きくなり、この結果、フラットな面3a上に位置する偏平状突部17bでは、内倒れを有効に抑制することが困難となり、一方、上記範囲よりも低いと、熱間充填による殺菌効果が低くなるばかりか、このような低温での充填では、元々内倒れの問題はあまり生ぜず、上記のようなキャップ1を用いる技術的意味が希薄となるからである。
【0034】
上述した本発明においては、前記偏平状突部17bの厚みt(凹部17cからの高さ)は、0.3乃至2.0mmの範囲にあり、且つその幅wは1.6乃至2.2mmの範囲にあることが、開栓性を損なわずに内倒れ防止効果を確保する上で好適である。厚みtや幅wが上記範囲外であるときには、開栓性或いは内倒れ防止効果の何れかが低下する傾向がある。
尚、前記偏平状突部17bの幅wを中心側に増大した場合には、性能上は問題を生じないが、樹脂の量が増えるため好ましくない。
【0035】
また、上述した例では、偏平状突部17bは環状に形成されているが(図2参照)、内倒れ防止効果が確保される限りにおいて、必ずしも環状に形成する必要はなく、例えば、所定間隔をおいて、偏平状突部17bの複数を、全体として環状に配置することもできる。
【0036】
さらに、ボトル口部51の上端部分の厚みtが1.3乃至1.9mmの範囲にあることが好ましい。即ち、非結晶ボトル50は、元々常温充填用に使用されるものであるため、特に耐熱性を考慮しておらず、従って、口部51の上端部分の厚みtは、比較的薄く、上記のような範囲にある。本発明では、口部51の上端部分の厚みtがこのような範囲にある非結晶ボトル50を使用した場合にも、熱間充填による内倒れを抑制することが可能であり、これは、常温充填用の非結晶ボトル50をそのまま熱間充填用のボトルとして使用することができることを意味しており、これは、本発明の大きな利点である。
【0037】
上述した本発明において、キャップ1を構成する本体部分(ライナー17を除く部分)は、各種のプラスチック、例えば、低−、中−または高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等であり、特に硬質の樹脂を用いての射出成形、圧縮成形等の一体成形により製造される。
【0038】
また、ライナー17は、比較的軟質の樹脂乃至エラストマーを用いて、インシェルモールドにより成形される。例えば、ライナー形成用樹脂を頂板部3の中心部分に溶融滴下し、この溶融物をポンチ等の押し型により押し広げることにより形成される。
【0039】
尚、ボトル50内に充填される内容液としては、前述した熱間充填温度で充分な殺菌が行われるお茶などが特に好適に使用される。
【0040】
上述した本発明の包装容器は、所定の含水率に保持された非結晶ボトル50に所定の温度で内容液を熱間充填し、次いで、直ちにキャップ1をボトル口部51に螺子締結し、その後、冷却水を吹き付けて冷却及び洗浄を行うことにより、市販に供される。
【実施例】
【0041】
本発明を次の例で説明する。
<試験用PETボトル>
アサヒ飲料株式会社製口部呼び径28mmの500ml「ASPボトル」(非結晶PETボトル)を用いて、含水率が4000、5000、6000ppmの3種類に調整された試験用PETボトルを用意した。含水率が調整された試験用PETボトルの作成は、以下のように行った。
ボトルを恒温恒湿環境下に一定時間保存して含水処理した後、ボトル胴部を切取って刻んだ1gの試料採取する。これを、三菱化学株式会社製水分気化装置VA−07型に投入し、試料から気化した水分を三菱化学株式会社製微量水分測定装置(電量滴定方式)CA−07型を用いて、試料採取量あたりの水分量を求める。その水分量からボトル全体の含水率を推定する。
この上記方法を用いて、含水処理時間の異なる複数の試料を作成し、含水率測定することにより、恒温恒湿環境下の含水処理時間と含水率との関係式を求め、その関係式から上記3種類の含水処理時間を決定して、所定の含水率に調整された3種類の試験用PETボトルを作成した。
尚、ボトルの口部の上端部分の厚みtは1.6mmである。
【0042】
<試験用キャップ>
試験用キャップは図1に記載の形状で容器口部呼び径28mm用を試作した。各寸法は以下の通りである。
偏平状突部厚みt=0.6mm
偏平状突部幅w=1.8mm
また、比較のためのキャップとして、図4に記載の形状の日本クラウンコルク株式会社製「28AP−3D」を使用した。(このキャップでは、容器口部上端がライナーの環状外側突部と内側突部との間に嵌合固定されていない。)
【0043】
<試験用サンプル>
試験用サンプルは以下のように作成した。
(1)各含水率の試験用ボトルに78℃の温水を充填し、キャッピングヘッド荷重200N、キャッピング巻締トルク168N・cm、回転数200rpmの条件でキャップを巻締める。
(2)10秒間倒立させ、その後正立状態に戻して100秒間保持する。
(3)28℃−2.35分、22℃−2.35分、18℃−2.35分の順に冷却水シャワーで冷却する。
(4)その後、5℃に設定されている恒温室内で2日間保管する。
上記手順で作成された試験サンプルを用いて評価試験(閉栓性能試験及び落下衝撃試験)を行った。
【0044】
尚、評価試験において、実施例及び比較例で用いた試験サンプルにおけるボトルとキャップとの組み合わせは以下の通りである。
実施例1:含水率4000ppmの試験用ボトル−試作キャップ
実施例2:含水率5000ppmの試験用ボトル−試作キャップ
比較例1:含水率6000ppmの試験用ボトル−試作キャップ
比較例2:含水率4000ppmの試験用ボトル−「AP−3D」キャップ
【0045】
<開栓性能試験>
以下の3項目を測定し、その結果を表1に記載した。
(1)1st(キャップが開栓方向に動き始めた時のトルク)
(2)2nd(1stトルク測定後、キャップ開栓完了までの最大トルク)
(3)リーク角度(開栓に伴い、容器内の減圧状態(密封状態)が解除され、液面が低下した時の角度)
【0046】
<落下衝撃試験>
以下の方法を用いて落下衝撃による密封破壊の有無を確認し、その結果を表2に記載した。
キャップ裾部より容器口部とキャップとの間にメチレンブルー溶液を入れ、上面の傾斜が10°の鉄柱に50cmの高さより倒立落下させる。落下直後及び1日後に内容液の色の変化を確認する。色の変化があったものは落下衝撃によって密封が破壊されたものと判断する。
試験用サンプルは高温充填してから冷却されているため、容器内は減圧状態であり、落下衝撃により密封が破壊されると、容器内にメチレンブルー溶液が吸い込むため、内容液の色が変化することとなる。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
表1及び表2の結果から、実施例1及び2で採用したボトルとキャップとの組み合わせでは、適度な開栓トルク、リーク角度を示し、また洩れも生じていないことが判る。また、比較例1の組み合わせでは、漏れは認められなかったが、含水率が6000ppmのボトルを用いているためリーク角度が低く、比較例2の組み合わせでは、含水率が4000ppmのボトルを用いているものの、外側突部と内側突部との間に容器口部上端が嵌合固定されないキャップを用いているため、リーク角度が著しく低く、且つ洩れも認められた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の包装容器の半断面側面図。
【図2】図1の包装容器に使用されるキャップの下面図。
【図3】図1に示されている包装容器に用いられているキャップの要部を拡大して示す側断面図。
【図4】比較例2で用いた包装容器におけるキャップ及びボトルの要部を示す側断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液が熱間充填された非結晶化口部を有するポリエステルボトルと、該口部に螺子締結されたプラスチックキャップとからなる包装容器において、
前記プラスチックキャップは、頂板部と、該頂板部の周縁部から降下しており且つ内面に前記ボトルの外面に形成されている螺条と係合する螺条を備えたスカート状側壁と、該頂板部の内面に設けられた円板形状の合成樹脂製ライナーとから成り、
前記ライナーは、周縁部に形成され且つ下方に降下した環状外側突部と、該環状外側突部とは間隔をおいて形成され且つ下方に突出している内側突部とを有しており、該内側突部は、前記頂板部のフラットな内面上に位置しており、
前記ボトルは、内容液の熱間充填前において含水率が5000ppm以下に保持されているものであり、
前記ボトルの口部上端部分は、前記ライナーの環状外側突部と内側突部との間に形成されている凹部に嵌合固定されていることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記内側突部が偏平状突部であり、該偏平状突部が0.3乃至2.0mmの厚みtと1.6乃至2.2mmの幅wとを有している請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記内側突部が環状に形成されている請求項1または2に記載の包装容器。
【請求項4】
複数の前記内側突部が、所定間隔をおいて、全体として環状に配置されている請求項1または2に記載の包装容器。
【請求項5】
前記ボトルの口部の上端部分の厚みtが1.3乃至1.9mmの厚みを有している請求項1乃至4の何れかに記載の包装容器。
【請求項6】
非結晶化口部を有するポリエステルボトルに内容液を充填し、内容液が充填された該ボトルの口部に、プラスチックキャップを螺子締結することによって包装容器を製造する方法において、
前記プラスチックキャップは、頂板部と、該頂板部の周縁部から降下しており且つ内面に前記ボトルの外面に形成されている螺条と係合する螺条を備えたスカート状側壁と、該頂板部の内面に設けられた円板形状の合成樹脂製ライナーとから成り、該ライナーは、周縁部に形成され且つ下方に降下した環状外側突部と、該環状外側突部とは間隔をおいて形成され且つ下方に突出している内側突部とを有しており、該内側突部は、前記頂板部のフラットな内面上に位置しているものであり、
前記ボトルが含水率が5000ppm以下に保持されている状態で、73乃至85℃の温度で内容液を該ボトル内に熱間充填し、
内容液の熱間充填後、直ちに前記プラスチックキャップを該ボトルの非結晶化口部に螺子締結し、該ボトルの口部上端部分を、前記ライナーの環状外側突部と内側突部との間に形成されている凹部に嵌合固定することを特徴とする包装容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−37492(P2008−37492A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218031(P2006−218031)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【出願人】(596126465)アサヒ飲料株式会社 (84)
【出願人】(000228442)日本クラウンコルク株式会社 (382)
【Fターム(参考)】