説明

包装容器用の切断刃及び包装容器

【課題】包装物の切断性を維持しながら、ロール状の包装物の縦裂けを抑えた切断刃及び該切断刃を備える包装容器を提供することにある。
【解決手段】切断刃20の中央エリアCAは、大歯21の斜辺(大歯右辺21C)と中歯22の斜辺(中歯左辺22E)とが弧によって連結され、各斜辺の延長線が交差する第1基準点P1と弧との間の距離を第1平滑距離D1とし、第1基準点P1と第1直線L1との間の距離を右側大歯高H1Cとし、第1基準点P1と第2直線L2との間の距離を左側中歯高H2Eとするとき、右側大歯高H1Cに対する第1平滑距離D1の割合と、左側中歯高H2Eに対する第1平滑距離D1の割合とが、それぞれ5%〜40%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器用の切断刃及び包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ラップフィルム用の包装容器は、ロール状に巻かれたラップフィルムを収容する厚紙製の容器本体と、容器本体に一体形成された蓋体と、蓋体に取り付けられてラップフィルムを切断する鋸歯状の切断刃とを備えている。
【0003】
包装容器用の切断刃には、ラップフィルムの切断性の向上を図るため、ロールの軸方向に延びる直線形状に代えて、切断刃の中央エリアを端部エリアよりも容器の底辺へ近づけたV字形状が提案されている。V字状をなす切断刃は、V字の頂点からラップフィルムを切断するため、ラップフィルムの切断を確実に、かつ、容易に実施できる。また、こうした包装容器用の切断刃には、切断性や耐久性を向上させる観点から、従来から、金属製のものが利用されているが、近年では、環境への影響や使用者に対する安全性への配慮から、紙製や樹脂製等、非金属製の切断刃の適用が検討されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方、非金属製の切断刃は、金属製の切断刃に比べて良好な切断性を得難く、特に、伸縮性に富むポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等からなるラップフィルムの切断には、より大きな力を必要とすることから、切断性の向上が望まれている。そこで、従来から、包装容器の切断刃においては、上記の要求に応えるため、各種の形状が提案されている。
【0005】
特許文献2及び特許文献3は、それぞれ直線状の切断刃を用い、切断刃の端部エリアにそれぞれ歯先が外側に向いた歯を形成し、これによりラップフィルムへ歯を刺し込み易くする。特許文献4及び特許文献5は、それぞれV字状の切断刃を用い、V字の中央エリアに相対的に大きな歯を形成し、これにより切断初期のラップフィルムへ歯を刺し込み易くする。また、特許文献6は、逆V字状の切断刃を用い、切断刃の端部エリアに歯先が外側に向いた歯を形成し、これによりラップフィルムへ歯を刺し込み易くする。
【0006】
ラップフィルムの切断方法は、切断刃の形状に応じて異なる。例えば、V字状の切断刃を用いる場合には、ロール状のラップフィルムの先端(以下単に、「ロールの先端」と言う。)を包装容器から引き出し、所望量だけ引き出したラップフィルムの終端中央部を、切断刃の中央エリアに押し当てる。そして、中央エリアの各歯をラップフィルムの終端中央部へ刺し込み、包装容器を捻ることによって、所望量のラップフィルムが切り取られる。一方、直線状又は逆V字状の切断刃を用いる場合には、所定量のラップフィルムを包装容器から引き出し、引き出したラップフィルムの一端部を、切断刃の一端部に押し当てる。そして、一方の端部エリアの各歯をラップフィルムの一端部へ刺し込み、その後、ラップフィルムを引き上げることによって、所望量のラップフィルムが切り取られる。
【特許文献1】特許第3573605号公報
【特許文献2】実開平6−20224号公報
【特許文献3】実開平11−151号公報
【特許文献4】登録実用新案第2547868号公報
【特許文献5】特開平5−178344号公報
【特許文献6】特開平8−40433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
包装容器の前面壁には、ロールの先端が包装容器の内部へ巻き戻る現象を防ぐため、ロールの先端を一旦前面壁へ仮留めするための仮留め部が形成されている。ロールの先端は、所望量のラップフィルムが切り取られた後、仮留め部に剥離可能に仮留めされて保持される。そして、再び切断処理が実行されるとき、ロールの先端は、仮留め部から剥がされ、包装容器から外方へ引き出される。
【0008】
ロールの先端形状は、ラップフィルムが切断刃の歯先に沿って切り裂かられることから、切断刃の歯の形状と同じ形状に形成される。ロールの先端に転写された切断刃の歯形は、ロールの先端を仮留め部から剥がして引き出すときに、該歯形の谷部からロールの周方向に沿って、容易に裂け目を形成してしまう(縦裂けを形成してしまう)。ロールの先端に形成される縦裂けは、ロールの周方向の全体にわたり容易に伝播し、終には、ロール状のラップフィルムを使用不能にしてしまう。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、包装物の切断性を維持しながら、ロール状の包装物の縦裂けを抑えた切断刃及び該切断刃を備える包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の包装容器用の切断刃は、ロール状包装物を収容する包装容器に取り付けられて前記ロール状包装物を切断する非金属製のV字状の切断刃であって、当該切断刃は、
(a)中央エリアと、前記中央エリアの両端に形成された一対の側部エリアとを有し、
(b)前記中央エリアは、複数の第1歯と複数の第2歯とを有し、一つの前記第1歯が前記V字の頂点に形成されると共に、他の第1歯がそれぞれ前記頂点の第1歯を中心にして所定の間隔で形成され、かつ、前記各第2歯がそれぞれ前記第1歯の間に形成され、
(c)前記各第1歯の歯先を結ぶ第1直線と、前記各第2歯の歯先を結ぶ第2直線とが互いに平行であり、かつ、前記第2直線が前記第1直線と歯元との間に形成され、
(d)前記側部エリアは、複数の側部歯を有し、前記各側部歯の歯先が前記第2直線上又は前記第2直線と前記歯元との間に形成され、
(e)前記中央エリアは、前記第1歯の斜辺と前記第2歯の斜辺とが弧によって連結され、
(f)前記各斜辺の延長線が交差する点と前記弧との間の距離を平滑距離、前記点と前記第1直線との間の距離を第1距離、前記点と前記第2直線との間の距離を第2距離とするとき、前記第1距離に対する平滑距離の割合と、前記第2距離に対する平滑距離の割合とが、それぞれ5%〜40%であることを特徴とする。
【0011】
本発明の包装容器用の切断刃は、中央エリアの各歯を包装物へ刺し込み、次いで、側部エリアの各歯を包装物へ刺し込む。本包装容器用の切断刃は、切断初期に刺し込む歯が第1歯のみであることから、切断初期に必要とする力を小さくできる。また、本包装容器用の切断刃は、先行する第1歯の刺し込み及び切り開きが包装物を脆弱化させることから、後続する歯の刺し込み及び切り開きを、それぞれ円滑に実行でき、切断時のフィーリングを向上できる。
【0012】
中央エリアによる刺し込み段階は、第1歯による刺し込み段階と、第2歯による刺し込み段階とに分割される。第1歯だけで刺し込み段階を実行する場合には、第1歯間の谷部(歯元)が切り開きの大きな抵抗になるため、包装物の切断に大きな力を要してしまう。本包装容器用の切断刃は、第2歯による刺し込み段階を経る分だけ、包装物の切り開きを円滑にできる。
【0013】
そして、第1距離に対する平滑距離の割合と、第2距離に対する平滑距離の割合とが、それぞれ40%以下であることから、第1歯と第2歯との連結部における切り開きの抵抗
を、確実に抑えられる。また、第1距離に対する平滑距離の割合と、第2距離に対する平滑距離の割合とが、それぞれ5%以上であることから、第1歯と第2歯との連結部に関わる縦裂きを、確実に抑えられる。したがって、包装容器用の切断刃によれば、包装物の切断性を維持しながら、ロール状の包装物の縦裂けを抑えた切断刃を提供できる。
【0014】
この包装容器用の切断刃は、前記側部エリアが、複数の第1側部歯と複数の第2側部歯とを交互に有し、前記各第1側部歯の歯先を結ぶ第1側部直線と、前記各第2側部歯の歯先を結ぶ第2側部直線とが前記第1直線と平行であり、かつ、前記第2側部直線が前記第1側部直線と歯元との間に形成され、前記第1側部歯の斜辺と前記第2側部歯の斜辺とが第2の弧によって連結され、前記第1側部歯の斜辺の延長線と前記第2側部歯の斜辺の延長線とが交差する第2の点と、前記第2の弧との間の距離を第2平滑距離、前記第2の点と前記第1側部直線との間の距離を第1側部距離、前記第2の点と前記第2側部直線との間の距離を第2側部距離とするとき、前記第1側部距離に対する前記第2平滑距離の割合と、前記第2側部距離に対する前記第2平滑距離の割合とが、それぞれ5%〜40%である構成が好ましい。
【0015】
この包装容器用の切断刃によれば、第1側部距離に対する第2平滑距離の割合と、第2側部距離に対する第2平滑距離の割合とが、それぞれ40%以下であることから、第1側部歯と第2側部歯との連結部における切り開きの抵抗を、確実に抑えられる。また、第1側部距離に対する第2平滑距離の割合と、第2側部距離に対する第2平滑距離の割合とが、それぞれ5%以上であることから、第1側部歯と第2側部歯との連結部に関わる縦裂きを、確実に抑えられる。したがって、包装容器用の切断刃によれば、包装物の切断性を維持しながら、ロール状の包装物の縦裂けを、さらに抑えられる。
【0016】
この包装容器用の切断刃は、前記V字の端部を含む一対の端部エリアを有し、前記各端部エリアは、それぞれ前記中央エリアとの間に前記側部エリアを有し、複数の第1端歯と複数の第2端歯とを交互に有し、前記各第1端歯の歯先を結ぶ第1端線と、前記各第2端歯の歯先を結ぶ第2端線とが前記第1直線と平行であって、前記第2端線が前記第1端線と歯元との間に形成され、かつ、前記第1端線が前記第2直線に対して前記第1直線の側に形成され、前記第1端歯の斜辺の延長線と前記第2端歯の斜辺の延長線とが交差する第3の点と、前記第3の弧との間の距離を第3平滑距離、前記第3の点と前記第1端線との間の距離を第1端部距離、前記第3の点と前記第2端線との間の距離を第2端部距離とするとき、前記第1端部距離に対する前記第3平滑距離の割合と、前記第2端部距離に対する前記第3平滑距離の割合とが、それぞれ5%〜40%である構成が好ましい。
【0017】
この包装容器用の切断刃によれば、第1端線が第2直線に対して第1直線の側に形成されることから、第1端歯の歯先が側部歯の歯先よりも突出するようになる。そのため、切断刃のV字の頂点から切断を行う場合と、切断刃のV字の端部から切断を行う場合とにおいて、それぞれ良好な切断性を得られる。
【0018】
そして、第1端部距離に対する第3平滑距離の割合と、第2端部距離に対する第3平滑距離の割合とが、それぞれ40%以下であることから、第1端歯と第2端歯との連結部における切り開きの抵抗を、確実に抑えられる。また、第1端部距離に対する第3平滑距離の割合と、第2端部距離に対する第3平滑距離の割合とが、それぞれ5%以上であることから、第1端歯と第2端歯との連結部に関わる縦裂きを、確実に抑えられる。したがって、包装容器用の切断刃によれば、包装物の切断性を向上しながら、ロール状の包装物の縦裂けを、一層抑えられる。
【0019】
この包装容器用の切断刃は、前記斜辺が内側へ凹んだ円弧に形成される構成が好ましい。この包装容器用の切断刃によれば、歯先角度を鋭角にして、かつ、歯元幅を広げること
が可能となる。これにより、同じ長さのエリア内で歯の本数を削減できることから、包装物への歯の刺し込みに必要とされる力が抑えられる。また、歯元のサイズが大きくなることから、歯の耐久性を向上できる。
【0020】
本発明の包装容器は、ロール状包装物を収容して前記ロール状包装物を切断する切断刃を具備する包装容器であって、前記切断刃が、上記の切断刃であることを特徴とする。本発明の包装容器は、包装物の切断性を維持しながら、ロール状の包装物の縦裂けを抑えられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、包装物の切断性を維持しながら、ロール状の包装物の縦裂けを抑えた切断刃及び該切断刃を備える包装容器を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(包装容器10)
以下、本発明を具体化した一実施形態の包装容器を図面に従って説明する。図1は包装容器10を示す斜視図である。包装容器10は、円筒状の紙管11にロール状に巻き付けられたラップフィルム12を収納するための容器本体13と、容器本体13に一体形成された蓋体14とによって構成される。包装容器10は、1枚の厚紙、好ましくはコートボール紙によって形成されている。
【0023】
容器本体13は、上方を開放した箱体状に形成され、容器本体13の上部からラップフィルム12を引き出し可能にする。容器本体13の前面壁の外側中央には、図示しない仮留め部が形成され、ロール状のラップフィルム12の先端を仮留めする。蓋体14は、容器本体13の後面壁の頂縁13aから容器本体13の開口の全体を覆うように形成され、容器本体13の上部を開閉可能にする。蓋体14の前面壁の先端縁14aは、V字状に形成され、該前面壁の裏面には、先端縁14aに沿ったV字状の切断刃20が取り付けられている。包装容器10は、蓋体14が閉じた状態で略直方体形状を呈し、蓋体14が開いた状態でラップフィルム12を取り出し可能にする。なお、本実施形態におけるラップフィルム12は、ポリ塩化ビニリデンからなる。
【0024】
ラップフィルム12を中央から切断する場合には、一方の手でラップフィルム12の先端部を把持し、他方の手で包装容器10を握ると共に、他方の手の親指を蓋体14の前面壁の中央部に押し当て、包装容器10を前側、すなわち矢印Aの方向に捻る。これによって、切断刃20の中央エリアの各歯がラップフィルム12へ刺し込まれ、包装容器10を更に捻ることによって、ラップフィルム12が切り開かれて切断される。
【0025】
(切断刃20)
図2は、蓋体14の前面壁の先端部を示す断面図である。図2において、蓋体14の前面壁の裏面14bには、シーラント材15と、接着層16と、切断刃20とが裏面14bから順に積層されている。切断刃20は、ポリウレタン系の接着剤からなる接着層16によって、エチレンメタクリル酸共重合体を主成分とするシーラント材15に接着され、シーラント材15と蓋体14の裏面14bとが超音波接着法で接着されることによって、蓋体14の裏面14bに取り付けられる。シーラント材15を介して蓋体14に取り付けられた切断刃20は、十分な接着力の下で蓋体14に固定され、蓋体14から容易に剥離しない。
【0026】
次に、本実施形態に関わる切断刃20について以下に詳細に説明する。図3は切断刃20の全体を示す平面図である。図3において、切断刃20は、V字の頂点(以下単に、頂点と言う。)を通る中心線CLを中心にして左右方向(包装容器10の長手方向)に対称
に形成され、歯の形状に基づいて、頂点を含む中央エリアCAと、中央エリアCAの左右両側に設けられた一対の中間エリアMAと、V字の両端を含む一対の端部エリアEAとに区分されている。
【0027】
V字の中心角θは、例えば172.5°に形成されている。切断刃20の左右方向の幅が304mmの場合、例えば中央エリアCAの幅Wcは36.6mmであり、各中間エリアMAの幅Wmはそれぞれ116.5mmであり、各端部エリアEAの幅Weはそれぞれ17.2mmである。切断刃20の左右方向の幅が222mmの場合、例えば中央エリアCAの幅Wcは36.6mmであり、各中間エリアMAの幅Wmはそれぞれ75.5mmであり、各端部エリアEAの幅Weはそれぞれ17.2mmである。
【0028】
切断刃20は、樹脂製であり、本実施形態では、各種の樹脂材料を用いることができる。その例としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(PET系樹脂)、塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリグリコール酸系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。その中でも、熱可塑性であり加工が容易で、実用上十分な硬度ならびに強度を有するPET系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリグリコール酸系樹脂が好ましい。特に環境に配慮すべく、生分解性樹脂が採用されている。生分解性樹脂としては、代表的なものとしてポリ乳酸、ポリグリコール酸等が挙げられる。その中でも、本発明においては、特許文献1に開示されたポリ乳酸系の樹脂組成物を2軸延伸したものが好適に用いられる。更に具体的には、切断刃20は、ポリ乳酸系の樹脂組成物を2軸延伸して得たシートを用い、該シートにプレス加工やレーザ切削等を施して各種の歯を成形することにより得られる。なお、樹脂以外の成分としては、特許文献1に開示される無機充填剤、さらには熱安定剤、光安定剤、防水材、離型剤、顔料、染料等を含む構成であっても良い。
【0029】
図4は切断刃20の中央エリアCA及び中間エリアMAを拡大した図であり、図5は切断刃20の中央エリアCA及び端部エリアEAを拡大した図である。なお、切断刃20が中心線CLを中心にして左右対称であることから、以下においては、説明の便宜上、図3における左側について説明する。
【0030】
図4において、中央エリアCAの左側には、3本の大歯21と、4本の中歯22と、1本の小歯23とが形成されている。各大歯21の歯先は、それぞれ一つの直線(以下単に、第1直線L1と言う。)上に形成されている。また、各中歯22の歯先は、それぞれ一つの直線(以下単に、第2直線L2と言う。)上に形成されている。第1直線L1と第2直線L2とは、それぞれ実質的に平行であり、第2直線L2が第1直線L1よりも歯元方向に形成されている。なお、本実施形態では、第1直線L1と直交する方向であって、各歯の歯元から歯先へ向かう方向を、歯先方向とし、反対に各歯の歯先から歯元へ向かう方向を、歯元方向と言う。
【0031】
1本の大歯21は、V字の頂点に形成され、他の2本の大歯21は、それぞれ頂点から端部へ向かって一定の間隔を置いて形成されている。4本の中歯22は、それぞれ頂点近傍から端部へ向かって一定の間隔を置いて形成されている。頂点近傍の2本の中歯22は、それぞれ大歯21の間に形成されている。小歯23は、中央エリアCAの左端に形成された2本の中歯22の間に形成されている。小歯23は、ラップフィルム12への歯の刺し込みやラップフィルム12の切り開きを、中央エリアCAから中間エリアMAへ円滑に移行させるための歯である。
【0032】
本実施形態では、大歯21の斜辺であってV字の頂点側の斜辺を、大歯右辺21Cとし、大歯21の斜辺であってV字の端側の斜辺を大歯左辺21Eと言う。また、中歯22の
斜辺であってV字の頂点側の斜辺を、中歯右辺22Cとし、中歯22の斜辺であってV字の端側の斜辺を中歯左辺22Eと言う。
【0033】
大歯右辺21Cと大歯左辺21Eとは、それぞれ歯先から歯元へ向けて延びる円弧であり、歯先において所定の角度をなす。また、中歯右辺22Cと中歯左辺22Eとは、それぞれ歯先から歯元へ向けて延びる円弧であり、歯先において所定の角度をなす。本実施形態では、斜辺を構成する各円弧の歯の頂点部での接線同士がなす角度を、歯先角度と言う。
【0034】
例えば、大歯右辺21Cと大歯左辺21Eとからなる歯先角度は45°であり、中歯右辺22Cと中歯左辺22Eとからなる歯先角度は45°である。大歯21、中歯22、及び小歯23の歯先角度は、ラップフィルム12への刺し込みに適した角度であり、ラップフィルム12がポリ塩化ビニリデンからなる場合には、30°〜90°が好ましく、さらには40°〜70°がより好ましい。歯先角度が90°よりも大きくなると、ラップフィルム12への刺し込みに多大な力が必要となり、歯先角度が30°よりも小さくなると、歯自体の耐久性が損なわれてしまう。
【0035】
大歯右辺21C、大歯左辺21E、中歯右辺22C、及び中歯左辺22Eは、それぞれ所定の半径を有する。例えば、大歯右辺21Cと大歯左辺21Eとは、それぞれ3.19mmと3.42mmとからなる半径を有し、中歯右辺22Cと中歯左辺22Eとは、それぞれ2.08mmと2.31mmとからなる半径を有する。
【0036】
本実施形態では、図4の二点鎖線で示すように、大歯右辺21Cの延長線と中歯左辺22Eの延長線との交点を、第1基準点P1とし、大歯左辺21Eの延長線と中歯右辺22Cの延長線との交点を、第2基準点P2と言う。また、本実施形態では、第1基準点P1と第1直線L1との間における歯先方向の距離を、右側大歯高H1Cとし、第2基準点P2と第1直線L1との間における歯先方向の距離を、左側大歯高H1Eと言う。また、第2基準点P2と第2直線L2との間における歯先方向の距離を、右側中歯高H2Cとし、第1基準点P1と第2直線L2との間における歯先方向の距離を、左側中歯高H2Eと言う。
【0037】
大歯右辺21Cと中歯左辺22Eとの間は、それぞれ第1基準点の歯先方向にある弧によって連結されている。また、大歯左辺21Eと中歯右辺22Cとの間は、それぞれ第2基準点P2の歯先方向にある弧によって連結されている。
【0038】
本実施形態では、大歯右辺21Cと中歯左辺22Eとの間を結ぶ弧と、大歯左辺21Eと中歯右辺22Cとの間を結ぶ弧とを、それぞれ中央連結弧と言う。また、大歯右辺21Cと中歯左辺22Eとの間を結ぶ中央連結弧と、第1基準点P1との間における歯先方向の距離を、第1平滑距離D1と言う。また、大歯左辺21Eと中歯右辺22Cとの間を結ぶ中央連結弧と、第2基準点P2との間における歯先方向の距離を、第2平滑距離D2と言う。
【0039】
第1平滑距離D1と第2平滑距離D2とは、それぞれ近傍の歯の歯高に応じて設定され、以下の範囲を満たしている。すなわち、第1平滑距離D1は、右側大歯高H1Cの5%〜40%であり、かつ、左側中歯高H2Eの5%〜40%である。より好ましくは、第1平滑距離D1は、右側大歯高H1Cの10%〜30%であり、かつ、左側中歯高H2Eの10%〜30%である。また、第2平滑距離D2は、左側大歯高H1Eの5%〜40%であり、かつ、右側中歯高H2Cの5%〜40%である。より好ましくは、第2平滑距離D2は、左側大歯高H1Eの10%〜30%であり、かつ、右側中歯高H2Cの10%〜30%である。
【0040】
なお、本実施形態では、右側大歯高H1C又は左側中歯高H2Eに対する第1平滑距離D1の割合、左側大歯高H1E又は右側中歯高H2Cに対する第2平滑距離D2の割合を、それぞれ平滑率と言う。
【0041】
図4において、中間エリアMAには、複数の第1中間歯24と、複数の第2中間歯25とが形成されている。各第1中間歯24の歯先は、それぞれ一つの直線(以下単に、第1中間線Lm1と言う。)上に形成されている。各第2中間歯25は、第1中間歯24の間に形成され、その歯先がそれぞれ一つの直線(以下単に、第2中間線Lm2と言う。)上に形成されている。第1中間線Lm1と第2中間線Lm2とは、それぞれ実質的に平行であり、第2中間線Lm2が第1中間線Lm1の歯元方向に形成されている。また、これら第1中間線Lm1と第2中間線Lm2とは、それぞれ第1直線L1の歯元方向に形成されている。
【0042】
本実施形態では、第1中間歯24の斜辺であってV字の頂点側の斜辺を、第1中間歯右辺24Cとし、第1中間歯24の斜辺であってV字の端側の斜辺を第1中間歯左辺24Eと言う。また、第2中間歯25の斜辺であってV字の頂点側の斜辺を、第2中間歯右辺25Cとし、第2中間歯25の斜辺であってV字の端側の斜辺を第2中間歯左辺25Eと言う。
【0043】
第1中間歯右辺24Cと第1中間歯左辺24Eとは、それぞれ歯先から歯元へ向けて延びる円弧であり、歯先において所定の角度をなす。また、第2中間歯右辺25Cと第2中間歯左辺25Eとは、それぞれ歯先から歯元へ向けて延びる円弧であり、歯先において所定の角度をなす。例えば、第1中間歯右辺24Cと第1中間歯左辺24Eとは、歯先で60°をなし、第2中間歯右辺25Cと第2中間歯左辺25Eとは、歯先で60°をなす。第1中間歯24の歯先角度と第2中間歯25の歯先角度とは、ラップフィルム12への刺し込みに適した角度であり、ラップフィルム12がポリ塩化ビニリデンからなる場合には、30°〜90°が好ましく、さらには40°〜70°がより好ましい。歯先角度が90°よりも大きくなると、ラップフィルム12への刺し込みに多大な力が必要となり、歯先角度が30°よりも小さくなると、歯自体の耐久性が損なわれてしまう。
【0044】
第1中間歯右辺24C、第1中間歯左辺24E、第2中間歯右辺25C、及び第2中間歯左辺25Eは、それぞれ所定の半径を有する。例えば、第1中間歯右辺24Cと第1中間歯左辺24Eとは、それぞれ3.8mmからなる半径を有し、第2中間歯右辺25Cと第2中間歯左辺25Eとは、それぞれ3.2mmとからなる半径を有する。
【0045】
本実施形態では、図4の二点鎖線で示すように、第1中間歯右辺24Cの延長線と第2中間歯左辺25Eの延長線との交点を、第4基準点P4とし、第1中間歯左辺24Eの延長線と第2中間歯右辺25Cの延長線との交点を、第5基準点P5と言う。また、本実施形態では、第4基準点P4と第1中間線Lm1との間における歯先方向の距離を、右側第1中間歯高H4Cとし、第5基準点P5と第1中間線Lm1との間における歯先方向の距離を、左側第1中間歯高H4Eと言う。また、第5基準点P5と第2中間線Lm2との間における歯先方向の距離を、右側第2中間歯高H5Cとし、第4基準点P4と第2中間線Lm2との間における歯先方向の距離を、左側第2中間歯高H5Eと言う。
【0046】
第1中間歯右辺24Cと第2中間歯左辺25Eとの間は、それぞれ第4基準点の歯先方向にある弧によって連結されている。また、第1中間歯左辺24Eと第2中間歯右辺25Cとの間は、それぞれ第5基準点P5の歯先方向にある弧によって連結されている。
【0047】
本実施形態では、第1中間歯右辺24Cと第2中間歯左辺25Eとの間を結ぶ弧と、第
1中間歯左辺24Eと第2中間歯右辺25Cとの間を結ぶ弧とを、それぞれ中間連結弧と言う。また、第1中間歯右辺24Cと第2中間歯左辺25Eとの間を結ぶ中央連結弧と、第4基準点P4との間における歯先方向の距離を、第4平滑距離D4と言う。また、第1中間歯左辺24Eと第2中間歯右辺25Cとの間を結ぶ中央連結弧と、第5基準点P5との間における歯先方向の距離を、第5平滑距離D5と言う。
【0048】
第4平滑距離D4と第5平滑距離D5とは、それぞれ近傍の歯の歯高に応じて設定され、以下の範囲を満たしている。すなわち、第4平滑距離D4は、右側第1中間歯高H4Cの5%〜40%であり、かつ、左側第2中間歯高H5Eの5%〜40%である。第4平滑距離D4は、より好ましくは、右側第1中間歯高H4Cの10%〜30%であり、かつ、左側第2中間歯高H5Eの10%〜30%である。また、第5平滑距離D5は、左側第1中間歯高H4Eの5%〜40%であり、かつ、右側第2中間歯高H5Cの5%〜40%である。第5平滑距離D5は、より好ましくは、左側第1中間歯高H4Eの10%〜30%であり、かつ、右側第2中間歯高H5Cの10%〜30%である。
【0049】
なお、本実施形態では、右側第1中間歯高H4C又は左側第2中間歯高H5Eに対する第4平滑距離D4の割合、左側第1中間歯高H4E又は右側第2中間歯高H5Cに対する第5平滑距離D5の割合を、それぞれ平滑率と言う。
【0050】
図5において、端部エリアEAには、複数の第1端歯27と、複数の第2端歯28とが形成されている。各第1端歯27の歯先は、それぞれ一つの直線(以下単に、第1端線Le1と言う。)上に形成されている。各第2端歯28は、第1端歯27の間に形成され、その歯先がそれぞれ一つの直線(以下単に、第2端線Le2と言う。)上に形成されている。第1端線Le1と第2端線Le2とは、それぞれ実質的に平行であり、第2端線Le2が第1端線Le1の歯元方向に形成されている。また、第1端線Le1は、第2直線L2の延長線上、あるいは第2直線L2の歯先方向に形成されている。
【0051】
本実施形態では、第1端歯27の斜辺であってV字の頂点側の斜辺を、第1端歯右辺27Cとし、第1端歯27の斜辺であってV字の端側の斜辺を第1端歯左辺27Eと言う。また、第2端歯28の斜辺であってV字の頂点側の斜辺を、第2端歯右辺28Cとし、第2端歯28の斜辺であってV字の端側の斜辺を第2端歯左辺28Eと言う。
【0052】
第1端歯右辺27Cと第1端歯左辺27Eとは、それぞれ歯先から歯元へ向けて延びる円弧であり、歯先において所定の角度をなす。また、第2端歯右辺28Cと第2端歯左辺28Eとは、それぞれ歯先から歯元へ向けて延びる円弧であり、歯先において所定の角度をなす。例えば、第1端歯右辺27Cと第1端歯左辺27Eとは、歯先で45°をなし、第2端歯右辺28Cと第2端歯左辺28Eとは、歯先で45°をなす。第1端歯27の歯先角度と第2端歯28の歯先角度とは、ラップフィルム12への刺し込みに適した角度であり、ラップフィルム12がポリ塩化ビニリデンからなる場合には、30°〜90°が好ましく、さらには40°〜70°がより好ましい。歯先角度が90°よりも大きくなると、ラップフィルム12への刺し込みに多大な力が必要となり、歯先角度が30°よりも小さくなると、歯自体の耐久性が損なわれてしまう。
【0053】
第1端歯右辺27C、第1端歯左辺27E、第2端歯右辺28C、及び第2端歯左辺28Eは、それぞれ所定の半径を有する。例えば、第1端歯右辺27Cと第1端歯左辺27Eとは、それぞれ3.19mmと3.42mmとからなる半径を有し、第2端歯右辺28Cと第2端歯左辺28Eとは、それぞれ2.08mmと2.31mmとからなる半径を有する。
【0054】
本実施形態では、図5の二点鎖線で示すように、第1端歯右辺27Cの延長線と第2端
歯左辺28Eの延長線との交点を、第7基準点P7とし、第1端歯左辺27Eの延長線と第2端歯右辺28Cの延長線との交点を、第8基準点P8と言う。また、本実施形態では、第7基準点P7と第1端線Le1との間における歯先方向の距離を、右側第1端歯高H7Cとし、第8基準点P8と第1端線Le1との間における歯先方向の距離を、左側第1端歯高H7Eと言う。また、第8基準点P8と第2端線Le2との間における歯先方向の距離を、右側第2端歯高H8Cとし、第7基準点P7と第2端線Le2との間における歯先方向の距離を、左側第2端歯高H8Eと言う。
【0055】
第1端歯右辺27Cと第2端歯左辺28Eとの間は、それぞれ第7基準点の歯先方向にある弧によって連結されている。また、第1端歯左辺27Eと第2端歯右辺28Cとの間は、それぞれ第8基準点P8の歯先方向にある弧によって連結されている。
【0056】
本実施形態では、第1端歯右辺27Cと第2端歯左辺28Eとの間を結ぶ弧と、第1端歯左辺27Eと第2端歯右辺28Cとの間を結ぶ弧とを、それぞれ端部連結弧と言う。また、第1端歯右辺27Cと第2端歯左辺28Eとの間を結ぶ端部連結弧と、第7基準点P7との間における歯先方向の距離を、第7平滑距離D7と言う。また、第1端歯左辺27Eと第2端歯右辺28Cとの間を結ぶ端部連結弧と、第8基準点P8との間における歯先方向の距離を、第8平滑距離D8と言う。
【0057】
第7平滑距離D7と第8平滑距離D8とは、それぞれ近傍の歯の歯高に応じて設定され、以下の範囲を満たしている。すなわち、第7平滑距離D7は、右側第1端歯高H7Cの5%〜40%であり、かつ、左側第2端歯高H8Eの5%〜40%である。第7平滑距離D7は、より好ましくは、右側第1端歯高H7Cの10%〜30%であり、かつ、左側第2端歯高H8Eの10%〜30%である。また、第8平滑距離D8は、左側第1端歯高H7Eの5%〜40%であり、かつ、右側第2端歯高H8Cの5%〜40%である。第8平滑距離D8は、より好ましくは、左側第1端歯高H7Eの10%〜30%であり、かつ、右側第2端歯高H8Cの10%〜30%である。
【0058】
なお、本実施形態では、右側第1端歯高H7C又は左側第2端歯高H8Eに対する第7平滑距離D7の割合、左側第1端歯高H7E又は右側第2端歯高H8Cに対する第8平滑距離D8の割合を、それぞれ平滑率と言う。
【0059】
(切断方法)
次に、上記包装容器10を用いてラップフィルム12を切断する方法について以下に説明する。図1に示すように、一方の手で包装容器10を握り、他方の手でラップフィルム12の先端部を把持し、所定量のラップフィルムを容器本体13から引き出す。そして、包装容器10を握っている手の親指を蓋体14の前面壁の中央部に押当て、包装容器10を前側へ、すなわち矢印Aの方向へ捻ることによって、ラップフィルム12の切断を開始する。
【0060】
ラップフィルム12の切断を開始すると、V字の頂点に形成された大歯21が、最初にラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。続いて、他の2つの大歯21が、V字の頂点に近いものから順に、ラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。ラップフィルム12は、各大歯21が深く刺し込まれることによって切り開かれる。
【0061】
ラップフィルム12へ各大歯21を刺し込むための力は、一度に刺し込む歯の本数が多くなるほど大きくなり、一度に刺し込む歯の本数が少なくなるほど小さくなる。本実施形態の包装容器10においては、包装容器10を矢印Aの方向へ捻るに連れて、ラップフィルム12と接触する大歯21の位置が、V字の頂点からV字の端へ順に変位する。そのた
め、包装容器10は、一度に刺し込む大歯21の本数を最小にすることから、刺し込みに必要な力を小さくできる。よって、包装容器10は、ラップフィルム12の切断初期において、使用者への抵抗感を軽減でき、良好なフィーリングを実現できる。しかも、歯元のサイズが大きい大歯21は、歯元のサイズが小さい歯よりも、機械的に高い耐久性を有する。そのため、中央エリアCAにおいては、大歯21の本数の分だけ、その耐久性を向上できる。
【0062】
包装容器10を矢印Aの方向へ更に捻ると、4つの中歯22が、それぞれV字の頂点に近いものから順に、ラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。次いで、小歯23が、ラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。ここで、仮に中歯22が無いと仮定すると、大歯21の歯元幅が大きいため、大歯21の歯元(隣接する大歯21の間)がラップフィルム12の切り開きに対して大きな抵抗となり、ラップフィルム12の切り開きに大きな力を要してしまう。
【0063】
本実施形態の包装容器10においては、中歯22が大歯21の間に形成され、小歯23が中歯22の間に形成されることから、歯元における抵抗を大幅に軽減でき、中央エリアCAによるラップフィルム12への刺し込みとラップフィルム12の切り開きとを円滑に実行できる。さらには、中央エリアCAにおける平滑率が5%〜40%であることから、中央エリアCAは、使用者に対して歯間に関わる抵抗感(ラップフィルム12の引っ掛かり)を与えることなく、大歯21による切断と、中歯22による切断と、小歯23による切断とを円滑に実行できる。
【0064】
包装容器10を矢印Aの方向へ更に捻ると、各第1中間歯24が、それぞれラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれ、次いで、各第2中間歯25が、それぞれラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。これによって、ラップフィルム12の切り開きが、包装容器10の長手方向に沿って進行する。この際、中央エリアCAの左側(中間エリアMAの側)に小歯23が形成されるため、中央エリアCAと中間エリアMAとの間では、ラップフィルム12の切断が円滑に移行する。しかも、中間エリアMAにおける平滑率が5%〜40%であることから、中間エリアMAは、使用者に対して歯間に関わる抵抗感(ラップフィルム12の引っ掛かり)を与えることなく、第1中間歯24による切断と、第2中間歯25による切断とを円滑に実行できる。また、先行する中央エリアCAの切り開きによって、ラップフィルム12に十分な大きさの初期刺し込み部が形成されるため、以降においては、ラップフィルム12を切断するために特に大きな力を必要としない。
【0065】
包装容器10を矢印Aの方向へ更に捻ると、各第1端歯27が、それぞれラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれ、次いで、各第2端歯28が、それぞれラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。これによって、ラップフィルム12の切り開きが、包装容器10の長手方向の両端にまで進行する。この際、端部エリアEAにおける平滑率が5%〜40%であることから、端部エリアEAは、使用者に対して歯間に関わる抵抗感(ラップフィルム12の引っ掛かり)を与えることなく、第1端歯27による切断と、第2端歯28による切断とを円滑に実行できる。
【0066】
したがって、包装容器10は、中央エリアCA、各中間エリアMA及び各端部エリアEAによって、ラップフィルム12の切り開きを円滑に拡張でき、ラップフィルム12を円滑に切断できる。
【0067】
なお、本実施形態の包装容器10では、一方の端部エリアEAからラップフィルム12へ歯を刺し込むことによって、ラップフィルム12を切断しても良い。
すなわち、一方の手で包装容器10を握り、他方の手でラップフィルム12の一端を把
持し、所定量のラップフィルムを容器本体13から引き出す。そして、包装容器10を握っている手で蓋体14の前面壁を固定しながら、ラップフィルム12を上方へ引き上げることによって、ラップフィルム12の一端から切断を開始しても良い。
【0068】
ラップフィルム12の一端から切断を開始すると、V字の右端に形成された第1端歯27が、最初にラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。続いて、右側の端部エリアEAに形成された他の第1端歯27が、それぞれ右端から順にラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。ラップフィルム12は、各第1端歯27が深く刺し込まれることによって順に切り開かれる。
【0069】
ラップフィルム12へ各第1端歯27を刺し込むための力は、一度に刺し込む歯の本数が多くなるほど大きくなり、一度に刺し込む歯の本数が少なくなるほど小さくなる。本実施形態の包装容器10においては、ラップフィルム12を引き上げるに連れて、ラップフィルム12と接触する第1端歯27の位置が、右端から中央へ向かって順に変位する。そのため、包装容器10は、一度に刺し込む第1端歯27の本数を最小にすることから、刺し込みに必要な力を小さくできる。よって、包装容器10は、ラップフィルム12の切断初期において、使用者への抵抗感を軽減でき、良好なフィーリングを実現できる。しかも、歯元のサイズが大きい第1端歯27は、歯元のサイズが小さい歯よりも、機械的に高い耐久性を有する。そのため、端部エリアEAにおいては、第1端歯27の本数の分だけ、その耐久性を向上できる。
【0070】
ラップフィルム12を更に上方へ引き上げると、第2端歯28が、それぞれ右端から順に、ラップフィルム12に接触してラップフィルム12へ刺し込まれる。ここで、仮に第2端歯28が無いと仮定すると、第1端歯27の歯元幅が大きいため、第1端歯27の歯元(隣接する第1端歯27の間)がラップフィルム12の切り開きに対して大きな抵抗となり、ラップフィルム12の切り開きに大きな力を要してしまう。
【0071】
本実施形態の包装容器10においては、第2端歯28が第1端歯27の間に形成されることから、歯元における抵抗を大幅に軽減でき、右端の端部エリアEAによるラップフィルム12への刺し込みとラップフィルム12の切り開きとを円滑に実行できる。しかも、先行する第1端歯27の刺し込みによってラップフィルム12が脆弱化していることから、第2端歯28の刺し込みに必要とされる力は、第1端歯27の刺し込みに必要とされる力に比べて、小さいもので足りる。したがって、包装容器10は、第1端歯27による切断と、第2端歯28による切断とを、使用者へ抵抗感を与えることなく、円滑に実行できる。さらには、端部エリアEAにおける平滑率が5%〜40%であることから、端部エリアEAは、使用者に対して歯間に関わる抵抗感(ラップフィルム12の引っ掛かり)を与えることなく、第1端歯27による切断と、第2端歯28による切断とを円滑に実行できる。
【0072】
ラップフィルム12を更に上方へ引き上げると、右側の中間エリアMA、中央エリアCA、左側の中間エリアMA、左側の端部エリアEAの順に、各歯がラップフィルム12へ刺し込まれる。この際、中央エリアCA、中間エリアMA、及び端部エリアEAにおける平滑率が5%〜40%であることから、中央エリアCA、中間エリアMA、及び端部エリアEAは、それぞれ使用者に対して歯間に関わる抵抗感(ラップフィルム12の引っ掛かり)を与えることなく、ラップフィルム12を円滑に切断できる。また、先行する右側の端部エリアEAの切り開きによって、ラップフィルム12に十分な大きさの初期刺し込み部が形成されるため、以降においては、ラップフィルム12を切断するために特に大きな力を必要としない。これによって、一方の端部エリアEAからラップフィルム12へ歯を刺し込む場合であっても、包装容器10は、ラップフィルム12を円滑に切断できる。
【0073】
(縦裂け強度)
まず、平滑率が5%〜40%の切断刃20を用いてラップフィルム12を切断し、図6(a)に示すように、サイズが100mm×40mmであり、長手方向に沿って切り口12aを有する実施例を得た。また、実施例における平滑率を0%、50%、60%に変更し、他を同じくして比較例を得た。
【0074】
次いで、図6(b)に示すように、実施例及び比較例の各々のラップフィルム12の長手方向の一端をチャック30で挟み、該ラップフィルム12の長手方向の他端における切り口12aを爪で押さえた。そして、チャック30にラップフィルム12の長手方向に沿う荷重を加えると共に、チャック30を100mm/minで矢印方向へ移動させ、ラップフィルム12が裂けたときの荷重を、裂け強度として検出した。
【0075】
実施例及び比較例の各々における裂け強度と、切断時のカット官能とを表1に示す。表1における◎印は、それぞれ切断刃による切断過程が円滑であり、特に良好な切断性を得たことを示す。また、表1における○印は、それぞれ切断刃による切断が円滑であったが、◎印に比べて、切断時に力を要したことを示す。また、表1における×印は、それぞれ切断刃の歯間でラップフィルム12が引っ掛り、良好な切断性を得られなかったことを示す。
【0076】
【表1】

表1に示すように、平滑率が5%〜40%の場合には、裂け強度が50g以上であって、ラップフィルム12の縦裂けを発生し難いことが分かる。しかも、平滑率が5%〜40%の場合には、十分な切断性を得られることが分かる。特に、平滑率が10%〜30%の場合には、75g以上の高い裂け強度と、良好な切断性を得られることが分かる。
【0077】
一方、平滑率が0%の場合には、十分な切断性を得られるが、裂け強度が8gと小さく、ラップフィルム12の縦裂けを非常に発生し易いことが分かる。また、平滑率が50%、60%の場合には、それぞれ十分な裂け強度を得られるが、連結弧におけるラップフィルム12の引っ掛りが顕著になり、十分な切断性を得られないことが分かる。
【0078】
なお、各歯の歯高のみが過度に大きくなると、歯の機械的強度が損なわれることから、
歯の耐久性を低下させる虞があり、また、使用者の安全性を損なう虞がある。また、各歯の歯間のピッチのみが過度に大きくなると、歯間の連結弧にラップフィルム12が引っ掛り、ラップフィルム12の切断に支障を来たしてしまう。反対に、各歯の歯間のピッチのみが過度に小さくなると、歯の本数の増加を招くことから、ラップフィルム12への刺し込みに大きな力を必要としてしまう。そこで、切断性、耐久性、安全性を十分に確保する観点から、各歯の歯高及び歯間のピッチは、以下の構成が好ましい。
【0079】
大歯21の歯高(右側大歯高H1C、左側大歯高H1E)、好ましくは1.0mm〜4.0mm、より好ましくは1.2mm〜3.5mm、さらに好ましくは1.5mm〜3.0mmとするのが良い。大歯21の歯間のピッチは、好ましくは3.0mm〜9.0mm、より好ましくは4.0mm〜7.0mm、さらに好ましくは4.5mm〜6.0mmとするのが良い。中歯22の歯高(右側中歯高H2C、左側中歯高H2E)は、好ましくは1.0mm〜3.0mm、より好ましくは1.2mm〜2.5mmとするのが良い。
【0080】
第1中間歯24の歯高(右側第1中間歯高H4C、左側第1中間歯高H4E)は、好ましくは0.3mm〜2.5mm、より好ましくは0.5mm〜2.0mmとするのが良い。第1中間歯24の歯間のピッチは、好ましくは1.0mm〜3.5mm、より好ましくは1.2mm〜3.0mmとするのが良い。第2中間歯25の歯高(右側第2中間歯高H5C、左側第2中間歯高H5E)は、好ましくは0.3mm〜1.5mm、より好ましくは0.5mm〜1.2mmとするのが良い。
【0081】
第1端歯27の歯高(右側第1端歯H7C、左側第1端歯H7E)は、好ましくは1.0mm〜4.0mm、より好ましくは1.2mm〜3.5mm、さらに好ましくは1.5mm〜3.0mmとするのが良い。第1端歯27の歯間のピッチは、好ましくは3.0mm〜9.0mm、より好ましくは4.0mm〜7.0mm、さらに好ましくは4.5mm〜6.0mmとするのが良い。第2端歯28の歯高(右側第2端歯高H8C、左側第2端歯高H8E)は、好ましくは1.0mm〜3.0mm、より好ましくは1.2mm〜2.5mmとするのが良い。
【0082】
上記一実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態の第1平滑距離D1と第2平滑距離D2とは、それぞれ近傍の歯の歯高に応じて設定され、第1平滑距離D1が、右側大歯高H1Cの5%〜40%であり、かつ、左側中歯高H2Eの5%〜40%である。また、第2平滑距離D2が、左側大歯高H1Eの5%〜40%であり、かつ、右側中歯高H2Cの5%〜40%である。したがって、切断刃20は、大歯21と中歯22との連結部における切り開きの抵抗、並びに大歯21と中歯22との連結部に関わる縦裂きを、確実に抑えられる。この結果、切断刃20は、ラップフィルム12の切断性を維持しながら、ラップフィルム12の縦裂けを抑えられる。
【0083】
(2)上記実施形態の第4平滑距離D4と第5平滑距離D5とは、それぞれ近傍の歯の歯高に応じて設定され、第4平滑距離D4が、右側第1中間歯高H4Cの5%〜40%であり、かつ、左側第2中間歯高H5Eの5%〜40%である。また、第5平滑距離D5が、左側第1中間歯高H4Eの5%〜40%であり、かつ、右側第2中間歯高H5Cの5%〜40%である。したがって、切断刃20は、第1中間歯24と第2中間歯25との連結部における切り開きの抵抗、並びに第1中間歯24と第2中間歯25との連結部に関わる縦裂きを、確実に抑えられる。この結果、切断刃20は、ラップフィルム12の切断性を向上しながら、ラップフィルム12の縦裂けをさらに抑えられる。
【0084】
(3)上記実施形態の第7平滑距離D7と第8平滑距離D8とは、それぞれ近傍の歯の歯高に応じて設定され、第7平滑距離D7が、右側第1端歯高H7Cの5%〜40%であ
り、かつ、左側第2端歯高H8Eの5%〜40%である。また、第8平滑距離D8が、左側第1端歯高H7Eの5%〜40%であり、かつ、右側第2端歯高H8Cの5%〜40%である。したがって、切断刃20は、第1端歯27と第2端歯28との連結部における切り開きの抵抗、並びに第1端歯27と第2端歯28との連結部に関わる縦裂きを、確実に抑えられる。この結果、切断刃20は、ラップフィルム12の切断性をさらに向上しながら、ラップフィルム12の縦裂けを一層抑えられる。
【0085】
(4)上記実施形態の各斜辺は、内側へ凹んだ円弧に形成される。したがって、切断刃20は、歯先角度を鋭角にして、かつ、歯元幅を広げることが可能となる。この結果、同じ長さのエリア内で歯の本数を削減できることから、ラップフィルム12への歯の刺し込みに必要とされる力が抑えられる。また、歯元の幅が広くなることから、歯の耐久性を向上できる。
【0086】
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態では、各歯の斜辺が円弧で形成される。これに限らず、図7に示すように、例えば大歯21や中歯22の斜辺が直線で形成される構成であっても良い。さらには、大歯21、中歯22、小歯23、第1中間歯24、第2中間歯25、第1端歯27、第2端歯28からなる群から選択される少なくともいずれか一つの歯の斜辺が直線で形成される構成であっても良い。
【0087】
・上記実施形態では、中間エリアMAが第1中間歯24と第2中間歯25とを具備する。これに限らず、図8に示すように、中間エリアMAが第1中間歯24のみを具備する構成であっても良い。また、上記実施形態では、端部エリアEAが第1端歯27と第2端歯28とを具備する。これに限らず、端部エリアEAが第1端歯27のみを具備する構成であっても良い。すなわち、本発明は、中間歯や端歯の種類や数量に限定されるものではない。
【0088】
・上記実施形態では、ロール状被包装物を、ラップフィルム12に具体化した。これに限らず、ロール状被包装物は、アルミフォイルや紙であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明が適用された包装容器の形態を示す斜視図。
【図2】本発明が適用された包装容器の形態を示す要部断面図。
【図3】本発明の切断刃の全体を示す図。
【図4】本発明の切断刃の中央エリアと中間エリアを示す図。
【図5】本発明の切断刃の中央エリアと端部エリアを示す図。
【図6】(a)、(b)は、それぞれ本発明の裂け強度の測定方法を示す図。
【図7】変更例における切断刃の中央エリアを示す図。
【図8】変更例における切断刃の中間エリアを示す図。
【符号の説明】
【0090】
CA…中央エリア、D1…第1平滑距離、D2…第2平滑距離、D4…第2平滑距離を構成する第4平滑距離、D5…第2平滑距離を構成する第5平滑距離、D7…第3平滑距離を構成する第7平滑距離、D8…第3平滑距離を構成する第8平滑距離、MA…側部エリアとしての中間エリア、EA…端部エリア、L1…第1直線、L2…第2直線、Lm1…第1側部直線としての第1中間線、Lm2…第2側部直線としての第2中間線、Le1…第1端線、Le2…第2端線、P1…第1基準点、P2…第2基準点、P4…第2の点を構成する第4基準点、P5…第2の点を構成する第5基準点、P7…第3の点を構成する第7基準点、P8…第3の点を構成する第8基準点、H1C…第1距離を構成する右側大歯高、H1E…第1距離を構成する左側大歯高、H2C…第2距離を構成する右側中歯
高、H2E…第2距離を構成する左側中歯高、H4C…第1側部距離を構成する右側第1中間歯高、H4E…第1側部距離を構成する左側第1中間歯高、H5C…第2側部距離を構成する右側第2中間歯高、H5E…第2側部距離を構成する左側第2中間歯高、H7C…第1端部距離を構成する右側第1端歯高、H7E…第1端部距離を構成する左側第1端歯高、H8C…第2端部距離を構成する右側第2端歯高、H8E…第2端部距離を構成する左側第2端歯高、10…包装容器、12…包装物としてのラップフィルム、20…切断刃、21…第1歯としての大歯、22…第2歯としての中歯、24…側部歯を構成する第1側部歯としての第1中間歯、25…側部歯を構成する第2側部歯としての第2中間歯、27…第1端歯、28…第2端歯。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状包装物を収容する包装容器に取り付けられて前記ロール状包装物を切断する非金属製のV字状の切断刃であって、
中央エリアと、前記中央エリアの両端に形成された一対の側部エリアとを有し、
前記中央エリアは、複数の第1歯と複数の第2歯とを有し、一つの前記第1歯が前記V字の頂点に形成されると共に、他の第1歯がそれぞれ前記頂点の第1歯を中心にして所定の間隔で形成され、かつ、前記各第2歯がそれぞれ前記第1歯の間に形成され、前記各第1歯の歯先を結ぶ第1直線と、前記各第2歯の歯先を結ぶ第2直線とが互いに平行であり、かつ、前記第2直線が前記第1直線と歯元との間に形成され、
前記側部エリアは、複数の側部歯を有し、前記各側部歯の歯先が前記第2直線上又は前記第2直線と前記歯元との間に形成され、
前記中央エリアは、
前記第1歯の斜辺と前記第2歯の斜辺とが弧によって連結され、
前記各斜辺の延長線が交差する点と前記弧との間の距離を平滑距離とし、前記点と前記第1直線との間の距離を第1距離とし、前記点と前記第2直線との間の距離を第2距離とするとき、前記第1距離に対する平滑距離の割合と、前記第2距離に対する平滑距離の割合とが、それぞれ5%〜40%であること、
を特徴とする包装容器用の切断刃。
【請求項2】
請求項1に記載の包装容器用の切断刃であって、
前記側部エリアは、
複数の第1側部歯と複数の第2側部歯とを交互に有し、前記各第1側部歯の歯先を結ぶ第1側部直線と、前記各第2側部歯の歯先を結ぶ第2側部直線とが前記第1直線と平行であり、かつ、前記第2側部直線が前記第1側部直線と歯元との間に形成され、
前記第1側部歯の斜辺と前記第2側部歯の斜辺とが第2の弧によって連結され、
前記第1側部歯の斜辺の延長線と前記第2側部歯の斜辺の延長線とが交差する第2の点と、前記第2の弧との間の距離を第2平滑距離とし、前記第2の点と前記第1側部直線との間の距離を第1側部距離とし、前記第2の点と前記第2側部直線との間の距離を第2側部距離とするとき、前記第1側部距離に対する前記第2平滑距離の割合と、前記第2側部距離に対する前記第2平滑距離の割合とが、それぞれ5%〜40%であること、
を特徴とする包装容器用の切断刃。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装容器用の切断刃であって、
前記V字の端部を含む一対の端部エリアを有し、
前記各端部エリアは、
それぞれ前記中央エリアとの間に前記側部エリアを有し、
複数の第1端歯と複数の第2端歯とを交互に有し、前記各第1端歯の歯先を結ぶ第1端線と、前記各第2端歯の歯先を結ぶ第2端線とが前記第1直線と平行であって、前記第2端線が前記第1端線と歯元との間に形成され、かつ、前記第1端線が前記第2直線に対して前記第1直線の側に形成され、
前記第1端歯の斜辺の延長線と前記第2端歯の斜辺の延長線とが交差する第3の点と、前記第3の弧との間の距離を第3平滑距離とし、前記第3の点と前記第1端線との間の距離を第1端部距離とし、前記第3の点と前記第2端線との間の距離を第2端部距離とするとき、前記第1端部距離に対する前記第3平滑距離の割合と、前記第2端部距離に対する前記第3平滑距離の割合とが、それぞれ5%〜40%であること、
を特徴とする包装容器用の切断刃。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の包装容器用の切断刃であって、
前記斜辺が内側へ凹んだ円弧に形成されることを特徴とする包装容器用の切断刃。
【請求項5】
ロール状包装物を収容して前記ロール状包装物を切断する切断刃を具備する包装容器であって、
前記切断刃は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の切断刃であることを特徴とする包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−132406(P2009−132406A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309301(P2007−309301)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】