説明

包装容器

【課題】商品に付加価値を加え商品価値が高められるばかりでなく、容器本体を利用してジグソーパズルが楽しめるといった遊技機能も備えた包装容器を提供する。
【解決手段】上面が開口する容器本体1と、該容器本体1の上面に被さる蓋体2と、前記容器本体1の上面であって前記蓋体2の天板15の裏側に配置されるジグソーパズル3とからなり、前記容器本体1の裏面には前記ジグソーパズル3を構成するピース3aを並べて組立てるための組立凹部8を成形した構成からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジグソーパズルを収納してなる包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子類を収納する包装容器として、例えば上面が開口する容器本体と該容器本体の上面に被さる蓋体とからなるものがある。そして、容器本体内に菓子を収納した後にその上面に蓋体を被せて商品としている(例えば、特許文献1参照。)。通常、前記蓋体の上面には、菓子に関する宣伝用の文字・図形が印刷される。
【特許文献1】特開平11−91783号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1の包装容器は、商品を包装するといった本来的な機能を有するのみであって空箱はほとんどそのまま廃棄されており、商品がマンネリ化して付加価値に乏しく、需要者の要求に合わせ購買意欲を増す上での工夫に欠けている。例えば、包装容器に他の利用方法があれば需要者に興味を抱かせることができ好ましい。
【0004】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、商品に付加価値を加え商品価値が高められるばかりでなく、容器本体を利用してジグソーパズルが楽しめるといった遊技機能も備えた包装容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するため本発明に係る包装容器は、上面が開口する容器本体と、該容器本体の上面に被さる蓋体と、前記容器本体の上面であって前記蓋体の天板の下側に配置されるジグソーパズルとからなり、前記容器本体の裏面には前記ジグソーパズルを構成するピースを並べて組立てるための組立凹部を成形した構成からなる。
【0006】
また、前記蓋体の天板は透明であり、前記天板を介してジグソーパズルが見られるようにすることが好ましい。
【0007】
更に、前記ジグソーパズルが前記組立凹部に入った状態で飾るために適宜位置に保持手段を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る包装容器は、包装容器内にジグソーパズルを収納し、しかも、包装容器の裏面を使ってジグソーパズルが組立てられるようにしたので、商品に付加価値が加えられて購買意欲をそそり商品価値が高められるばかりでなく、容器本体を利用してジグソーパズルが楽しめるといった遊技機能も備えられ、需要者は楽しく遊ぶこともでき便利であるという効果がある。また、空箱が再使用されることから、ゴミ問題にも寄与できる。
【0009】
また、請求項2に係る包装容器のように、蓋体の天板を透明にすると共に該天板を介してジグソーパズルが見られるようにすれば、需要者は該ジグソーパズルに印刷して描出されるキャラクター、自動車または風景画等の絵・図柄を直接見ることができ、これにより商品価値が高められる。更に、容器本体裏面の組立凹部で組立てられたジグソーパズルに蓋体を被せることにより、フレームで固定されたような体裁を作ることができ見て楽しめ、保管するにもピースがバラバラにならず便利である。
【0010】
更に、ジグソーパズルが組立凹部に嵌った状態で蓋体を被せて飾るために、適宜位置に保持手段を設けるようにすれば、ジグソーパズルの嵌った容器本体を例えば机の上に置いたりまたは壁に掛けられ、インテリアとして飾って楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る包装容器の実施の形態を図面に基づき説明する。包装容器には、例えば菓子、食品または日用品、文房具等であって比較的小さいものを収容する包装容器を含む。図1は本発明に係る包装容器の斜視図、図2は同分解斜視図、図3は同裏側から見た斜視図である。
【0012】
包装容器Aは、例えば直径20cm、高さ3cmの大きさからなり平面円形状に成形される。そして、容器本体1と蓋体2とジグソーパズル3と該ジグソーパズル3の台板4とから構成される。この場合、ジグソーパズル3はこれを構成する各ピース3aにより組立てられ平面的に完成したものをいう。包装容器Aは平面円形状に限られるものではなく、例えば正方形、長方形、三角形、五角形または六角形等の多角形であっても良い。
【0013】
容器本体1は厚紙から成形され、円板状の底板5とその周縁に立設される周側板6からなり、周側板6の上端縁は内側へ円弧状に屈曲したカール部7が設けられる。この場合、周側壁6の内側に補強板6aが重ねられている。また、容器本体1裏面すなわち底板5の下面の外周縁は、周側板6の下端縁が底板5の下面よりも少し下方へ突出している。これにより、底板5の下面に各ピース3aによりジグソーパズル3を組立てるための組立凹部8が成形される。
【0014】
底板5の上面には、包装容器Aを机の上などの水平な面に立てて飾るため、容器本体1に保持手段としての保持部材9が取り付けられる。該保持部材9は、周縁を底板5上面に糊付けされた基板10を切り抜いて成形され、両側に所定の間隔離して位置する側片部11,11と両側片部11,11間に位置する中間片部12とからなる。各側片部11は内側一辺11aのみ残され基板10と連結しており、残りの周辺11bは切り抜かれている。また、中間片部12は下辺12aのみが残され基板11と連結しており、残りの周辺12bは切り抜かれている。
【0015】
これにより、各側片部11は一辺11aを中心として引き起すことができ、中間片部12は下辺12aを中心として引き起すことができるようになっている。また、各側片部11の後端部位に切欠13が設けられる。そして、前記中間片部12を二つ折りすると共にその先端部を前記切欠13,13に係合させることにより、容器本体1すなわち包装容器Aが水平な面に立つことになる。また、周側板6の2箇所に所定の間隔離して保持手段としての吊下孔14,14が開設される。これは、これら吊下孔14,14に後記する保持手段としての紐19を挿通して包装容器Aが壁などの鉛直面に吊下げられるようにするためである。各保持手段は前記保持部材9や吊下孔14に限られるものではなく、他の構成であっても良い。
【0016】
蓋体2は、円形の透明な合成樹脂板からなる天板15と、該天板15の周縁に該周縁を囲うようにして下方へ突出する厚紙製の蓋側板16からなる。そして、前記周側板6と同様に蓋側板16の上端縁にカール部17が設けられる。また、蓋側板16に前記周側板6の吊下孔14,14と対応位置して同じく吊下孔18,18が開設されている。前記天板15は不透明な厚紙により成形するようにしても良い。
【0017】
ジグソーパズル3は、厚紙から成形され平面円形状をなし、複数の連結可能なピース3aが並べられて構成される。このジグソーパズル3の上面にはキャラクター、自動車または風景画等の絵・図柄が印刷して描出される。また、商品に関する宣伝用の文字・図形であっても良い。ジグソーパズル3の下面に敷かれる台板4は、該ジグソーパズル3とほぼ同じ大きさをなし、ジグソーパズル3が包装容器A内に収納されている間に各ピース3aがバラバラにならないように保持している。また、台板4の一側面に前記ジクソーパズル3に描出された絵・図柄と同じ絵・図柄が印刷され、ジグソーパズル3を組立てる際の助けとなるようにしている。
【0018】
そして、図4に示すように容器本体1内に、例えば菓子であるキャンディKを詰め、その上に台板4に載せたジグソーパズル3を載せ、さらに蓋体2を被せる。更に、その外側には、印刷されたまたは印刷なしの透明なフィルムによるシュリンプ包装をするようにしても良い。なお、蓋体2または容器本体1の外周面に、組立凹部8にピース3aを並べてジグソーパズル3が組立てて遊べる旨の表示をしておく。
【0019】
このようにして包装容器Aは需要者に渡されるが、需要者は、中身のキャンディKを食した後に、ジグソーパズル3で遊ぼうとする場合は次のようにして行なう。すなわち、バラバラにした複数のピース3aを傍に置く。そして、容器本体1を裏返して組立凹部8を上側に向け、図5に示すように各ピース3aを組立ててゆく。この際、組立凹部8の外周縁には周側板6が突設されるので、組立てる各ピース3aの横ずれがなく組立て易い。図6に示すようにジグソーパズル3の組立が完成したら、図7、図8に示すように各吊下孔14,18を合致させた状態でジグソーパズル3の上面に蓋体2を被せる。このようにして保管しておけばジグソーパズル3がバラバラになることなく便利であり、また、蓋体2を開けていつでも遊ぶことができる。
【0020】
組立が完成したジグソーパズル3を前記のまま飾りたい場合、例えば机の上といった水平な面に立てる場合は、図9に示すように、各側片部11を一辺11aを中心としてほぼ直角に引き起し、中間片部12を下辺12aを中心として引き起すと共に長手方向の中央で二つ折りし、その先端部を切欠13,13に係合させる。これにより、組立凹部8にジグソーパズル3が嵌った包装容器Aが水平な面に立つことになる。この場合、蓋側板16の上端縁にカール部17が設けられているので、フレームに見立てられ見栄えが良い。また、壁といった鉛直な面に前記包装容器Aを吊下げて飾る場合は、図10に示すように前記各吊下孔14,18に保持手段としての紐19を挿通して吊下げるようにする。
【0021】
このように、本発明は、包装容器A内にジグソーパズル3を収納し、しかも、包装容器Aの裏面を使ってジグソーパズル3が組立てられるようにしたので、商品に付加価値が加えられて購買意欲をそそり商品価値が高められるばかりでなく、包装容器Aを利用してジグソーパズル3が楽しめるといった遊技機能も備えられ、需要者は楽しく遊ぶこともでき便利である。また、空箱が再使用されることから、ゴミ問題にも寄与できる。
【0022】
また、蓋体2の天板15を透明にすると共に該天板15を介してジグソーパズル3が見られることにより、需要者は該ジグソーパズル3に印刷して描出されるキャラクター、自動車または風景画等の絵・図柄を直接見ることができ、これにより商品価値が高められる。更に、容器本体1裏面の組立凹部8で組立てられたジグソーパズル3に蓋体2を被せることにより、フレームで固定されたような体裁を作ることができ見て楽しめ、保管するにもピース3aがバラバラにならず便利である。
【0023】
更に、ジグソーパズル3が組立凹部8に嵌った状態で蓋体2を被せて飾るために適宜位置に保持手段を設けることにより、ジグソーパズル3の嵌った包装容器Aを例えば机の上に置いたりまたは壁に掛けられ、インテリアとして飾って楽しむことができる。
【0024】
なお、図示は省略するが、前記円形状の台板4は、その中心からずれた周縁に近い位置に親指が挿通できる程度の円孔を開設するようにすれば、例えば、前記円孔に親指を挿通して手で台板4を持つことにより、該台板4が団扇として使用でき実用的な機能を備えさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る包装容器の斜視図。
【図2】同分解斜視図。
【図3】同裏側から見た斜視図。
【図4】内部にキャンディを収納した包装容器の側面断面図。
【図5】ジグソーパズルを組立てる状態を示す容器本体の裏面斜視図。
【図6】ジグソーパズルの組立が完成した状態を示す容器本体の裏面斜視図。
【図7】蓋体を被せた容器本体の裏面斜視図。
【図8】同側面断面図。
【図9】立てて飾る場合の包装容器の裏から見た斜視図。
【図10】吊下げて飾る場合の包装容器の裏から見た斜視図。
【符号の説明】
【0026】
1 容器本体
2 蓋体
3 ジグソーパズル
3a ピース
8 組立凹部
9 保持手段(保持部材)
14 保持手段(吊下孔)
15 天板
18 保持手段(吊下孔)
19 保持手段(紐)
A 包装容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口する容器本体と、前記容器本体の上面に被さる蓋体と、前記容器本体の上面であって前記蓋体の天板の下側に配置されるジグソーパズルとからなり、前記容器本体の裏面には前記ジグソーパズルを構成するピースを並べて組立てるための組立凹部を成形したことを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記蓋体の天板は透明であり、前記天板を介してジグソーパズルが見られるようにした請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
前記ジグソーパズルが前記組立凹部に嵌った状態で飾るために適宜位置に保持手段を設けた請求項3記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−256680(P2006−256680A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79600(P2005−79600)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(594097594)藤徳紙器株式会社 (14)
【Fターム(参考)】