包装容器
【課題】 密閉性の向上、及び蓋体の貼り直しを容易にする。
【解決手段】 収容した湿式シート5を取り出すための取出口6を有し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなる容器本体2と、取出口6よりも大きく形成され、容器本体2の取出口6の周囲と貼り合わされ、取出口6を開閉し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなり、容器本体2と対向する面11に、容器本体2に対して、再接着再剥離可能な接着層12を有する蓋体4とを備え、容器本体2の蓋体4が貼り合わされる面3に、突起状の補強部7が形成されている。
【解決手段】 収容した湿式シート5を取り出すための取出口6を有し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなる容器本体2と、取出口6よりも大きく形成され、容器本体2の取出口6の周囲と貼り合わされ、取出口6を開閉し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなり、容器本体2と対向する面11に、容器本体2に対して、再接着再剥離可能な接着層12を有する蓋体4とを備え、容器本体2の蓋体4が貼り合わされる面3に、突起状の補強部7が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水やアルコール等を含む薬液を含浸させた湿式シートを収容した包装容器に関するものであり、湿式シートを取り出すための取出口を蓋体で閉塞して、湿式シートの乾燥を防止した包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、湿式シート、例えばアルコール、保湿剤、界面活性剤等を含む薬液を紙、織布又は不織布の繊維素材に含浸させたウェットティッシュは、乾燥しないように、気密性及び不透水性を有する包装容器に収容される。湿式シートには、皮膚の汚れを拭き取ったり、化粧落とし、幼児のお尻拭き、掃除用のウェットシート等、様々なものがある。
【0003】
湿式シートを収容する包装容器は、湿式シートの薬液が乾燥しないように、気密性及び不透水性を有する可撓性の樹脂フィルムからなる容器本体を有する。この容器本体に、湿式シートが多数枚折り畳まれて収容される。この容器本体の上面には、湿式シートを取り出すための取出口が形成されている。また、包装容器は、容器本体の取出口を開閉するために、可撓性の樹脂フィルムからなる蓋体を有する。
【0004】
このような包装容器には、気密性及び不透水性を有する容器本体の取出口に蓋体を貼り付けることにより、湿式シートの乾燥を防止している。包装容器では、湿式シートの使用時において、容器本体の上面の表面に、繰り返して、接着・剥離が可能な蓋体を容器本体から剥離することで、取出口を開口し、取出口から湿式シートを一枚ずつ引き出すことができる。使用後は、再び蓋体を容器本体の取出口に貼り付け、取出口を閉塞することで、再び密閉し、湿式シートの乾燥を防止する。
【0005】
包装容器は、容器本体及び蓋体が可撓性の樹脂フィルム等で形成されているため、取出口や蓋体に弛みや皺が生じやすく、容器本体に蓋体を貼り付ける際、取出口の周囲や蓋体の弛みや皺がなくなるように、容器本体や蓋体を引っ張り、張った状態を維持しなら、蓋体を貼り付けなければならず、取出口を閉じるのに手間がかかってしまう。
【0006】
また、包装容器では、取出口や蓋体に弛みや皺が生じているまま蓋体を容器本体に貼り付けた場合、容器本体と蓋体との間に隙間ができ、密閉性が低下し、湿式シートが乾燥してしまう。
【0007】
特に、可撓性を有する容器本体では、湿式シートの残量が少なくなると、可撓性の容器本体の変形が大きくなり、取出口の周囲に生じる弛みや皺も大きくなり、容器本体と蓋体との隙間が大きくなるため、より密閉性が低下してしまう。例えば、幼児のお尻拭き用としての湿式シートでは、使用枚数が多いことから湿式シートの枚数を増量することが求められており、湿式シートの枚数を増量した場合、容器本体の高さも高くなるため、湿式シートの残量が少なくなった際の容器本体の変形が更に大きくなってしまう。これにより、湿式シートの枚数を増量した場合には、湿式シートの残量が少なくなった際の密閉性が更に低下してしまう。
【0008】
包装容器では、湿式シートの乾燥を防止するため、容器本体に対して蓋体が接着される接着領域が平面で広いため、蓋体が容器本体に一度貼り付くと、剥離しにくく、蓋体の貼り直しが面倒となる。また、包装容器では、容器本体に対して蓋体が接着される接着領域が広いため、蓋体と容器本体との間に隙間がある状態で蓋体を貼り付けてしまうと、蓋体を容器本体に押し付けても、隙間をなくすことが困難である。このため、包装容器では、蓋体を容器本体から一度剥離して、容器本体の接着領域に皺や弛みがなくなるように、容器本体を引っ張り、引っ張った状態を維持しながら、蓋体を貼り付け直さなければならず、面倒となる。
【0009】
下記の特許文献1には、図13に示すように、取出口30の周縁部に、比較的硬質の合成樹脂材料製の補強部材31を貼り付け、取出口30の周縁部の強度を補強し、皺等の発生を防止することが記載されている。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されている包装容器32では、上述した包装容器と同様に、蓋体33の容器本体34に対する接着力が高く、接着領域35が広いため、蓋体33が曲がったり、皺になった状態で蓋体33が一度貼り付いてしまうと、蓋体33が剥離しにくく、貼り直しが面倒になることに変わりがない。蓋体33と容器本体34との間に隙間が生じないように、蓋体33を貼り直すことができなかった場合には、密閉性が十分にならず、湿式シート36が乾燥してしまう。
【0011】
また、特許文献1に記載されている包装容器32は、取出口30の周縁部に補強部材31を貼り付けるため、取出口30と補強部材31との位置合わせが必要であり、製造工程が煩雑となり、補強部材31という他の部材を必要とするため、その分、製造コストが高くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実公平6−8274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、容器本体に、隙間なく、蓋体を貼り付けることができ、密閉性を維持することができ、蓋体の貼り直しを容易に行うことができる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成する本発明に係る包装容器は、収容した湿式シートを取り出すための取出口を有し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなる容器本体と、取出口よりも大きく形成され、容器本体の取出口の周囲と貼り合わされ、取出口を開閉し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなり、容器本体と対向する面に、容器本体に対して、再接着再剥離可能な接着層を有する蓋体とを備え、容器本体の蓋体が貼り合わされる面に、突起状の補強部が形成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、可撓性を有する容器本体の取出口の周囲に、容器本体の取出口の周囲を補強する補強部を突起状に設けることによって、取出口の周囲が弛んだり、皺が発生することを防止できる。また、本発明では、取出口の周囲に補強部を設けることによって、蓋体で取出口を閉塞する際に、突起状の補強部に蓋体が仮接着され、容器本体と蓋体との接着面積が少なくなるため、蓋体の容器本体に対する貼り直しを容易に行うことができる。これらのことから、本発明では、容器本体と蓋体との間に隙間が生じず、容器本体と蓋体との密着性を向上させることができ、また、蓋体の容器本体に対する貼り直しを容易に行うことができ、湿式シートの乾燥や埃等の侵入を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した包装容器の斜視図である。
【図2】図1中の線分A−Aにおける一部断面図である。
【図3】表面に接着層を設けた補強部を有する包装容器の一部断面図である。
【図4】補強部を2重に設けた包装容器の斜視図である。
【図5】補強部を2重に設け、外側の補強部の高さを内側の補強部の高さよりも低くして設けた状態を示す包装容器の一部断面図である。
【図6】補強部をU字状に設けた包装容器の斜視図である。
【図7】蓋体の断面図である。
【図8】蓋体が補強部に仮接着されている状態を示す包装容器の一部断面図である。
【図9】蓋体が容器本体に接着されている状態を示す包装容器の一部断面図である。
【図10】蓋体に凹部を設けた包装容器の斜視図である。
【図11】補強部と蓋体の凹部が係合した状態を示す包装容器の一部断面図である。
【図12】従来の包装容器と本発明を適用した包装容器の比較を示す図である。
【図13】従来の包装容器の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を適用した包装容器について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
包装容器1は、図1に示すように、気密性及び不透水性を有するフィルム素材からなる容器本体2と、この容器本体2の上面3の略中央に接着される蓋体4とを有する。この包装容器1には、容器本体2の内部に、一枚毎に繰り出し可能に積層された湿式シート、例えばウェットティッシュの束体5が収納されている。容器本体2の上面3の略中央部には、湿式シートを取り出すための取出口6が形成されている。なお、以下では、湿式シートとして、ウェットティッシュを用いた場合を説明する。
【0019】
容器本体2は、柔軟で気密性及び不透水性を有するシート、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂の単材又は複合材で形成されている。なお、容器本体2は、上述に限らず、上述の合成樹脂とアルミホイル、紙等とを貼りあわせた複合材からなるものであってもよい。この容器本体2は、フィルムの長手方向の両端部がシールされた、いわゆるピロータイプの包装体であり、その内部には、ウェットティッシュの束体5が封入されている。
【0020】
なお、包装容器1は、上述のようないわゆるピロータイプに限らず、柔軟で気密性及び不透水性を有するシート状のものからなり、その内部にウェットティッシュ等を収容できる包装体であれば、どのようなものであってもよい。
【0021】
容器本体2に形成される取出口6は、図1に示すように、上面3の略中央部に、容器本体2の長手方向に平行で両端が円弧をなすように形成されている。なお、取出口6は、蓋体4によって全体が被覆され、ウェットティッシュを取出すことができれば、図1に示すような形状に限らず、楕円形や矩形であってもよい。また、取出口6は、予め取出口6を形成したものに限らず、容器本体2に取出口6を形成するためのミシン目又はミシン目に相当する部分の容器本体2の厚みを薄くして、容器本体2の取出口6部分を切り取れるようにすることで形成してもよい。容器本体2にミシン目等を設けた場合には、蓋体4の容器本体2と対向する面に塗布された接着剤により、蓋体4に取出口6となる部分が貼り付くようになる。そして、ウェットティッシュを最初に使用する際に、容器本体2から蓋体4を剥離することによって、蓋体4と共に取出口6となる部分が容器本体2から切り取られ、取出口6が形成される。
【0022】
容器本体2には、上面3の表面において、取出口6の周囲を補強する補強部7が取出口6の周囲、例えば取出口6からわずかに外側に略線状に形成されている。補強部7は、例えば幅が0.5mm〜5mm程度であり、高さが0.05mm〜0.5mm程度であり、取出口6から5mm〜30mm程度の位置に設ける。この補強部7の幅、高さ及び取出口6からの位置は、この範囲に限定されず、容器本体4や取出口6の大きさによって、適宜決定する。補強部7は、取出口6の周囲に形成されることによって、取出口6の周囲を補強し、取出口6の周囲に弛みや皺が生じることを防止する。これにより、包装容器1では、容器本体2と蓋体4との間に隙間がなく、蓋体4を容器本体2に接着させることができる。更に、容器本体2に補強部7を設けることによって、後述するように、蓋体4を容器本体2に対して貼り直す際に、容易に貼り直しすることができるようになる。
【0023】
この補強部7は、例えば図1及び図2に示すように、容器本体2の上面3の表面に、断面が略半円形の突起で、略線状に形成されている。補強部7の形状は、断面が略半円形状に限定されず、略矩形状等であってもよく、また線状に限定されず、帯状であってもよい。なお、補強部7は、容器本体2の上面3だけではなく、更に、容器本体2の裏面の取出口6の周囲にも設けて、取出口6の周囲を更に補強するようにしてもよい。
【0024】
補強部7は、取出口6の周囲の上面3の表面に、樹脂として、例えばホットメルト接着剤を凹版コータ、凸版コータ、グラビア印刷等により塗布することによって、形成される。使用する樹脂は、容器本体2を形成するシートの強度等に応じて、取出口6の周囲に必要な強度を確保できるようなものを用いる。ホットメルト接着剤としては、例えばディスポメルト(ヘンケルテクノロジーズジャパン株式会社製)等を用いることができる。補強部7は、容器本体2に対する接着力が、蓋体4の接着層12の容器本体2に対する接着力よりも高くすることが好ましい。補強部7の接着力を高くすることによって、蓋体4を容器本体2から剥がした際に、蓋体4側に補強部7が貼り付いてしまうことを防止できる。
【0025】
補強部7は、取出口6の周囲にフィルム状の補強部材を貼り付けた場合や取出口6の周囲に平面状に樹脂を塗布した場合と比べて、フィルム等の他の補強部材を必要とせず、また使用する樹脂の量が少ないため、製造コストを低減することができる。また、フィルム状の補強部材を用いた場合には、取出口6との位置合わせが必要であるが、補強部7を取出口6の周囲に、略線状に形成することによって、フィルムを用いた場合のような位置合わせが必要なく、製造工程を簡略化することができる。
【0026】
補強部7は、図1に示すように、容器本体2の上面3のうち、蓋体4が貼り合わされる接着領域3a内の取出口6の周囲に形成する。補強部7は、取出口6を全周に亘って形成することによって、取出口6の周囲全体を補強することができる。容器本体2の一部を切り取って取出口6を形成する場合には、切り取り前のミシン目上に補強部7を形成してしまうと、ミシン目に沿って容器本体2を切り取ることができず、取出口6が形成されないといった不具合が生じる場合がある。このため、容器本体2の一部を切り取って取出口6を形成する場合には、確実に取出口6を形成できるように、ミシン目よりも外側に補強部7を形成する。
【0027】
他の補強部7の形成パターンとしては、蓋体4との接着力を向上させるために、図3に示すように、更に、表面に再接着再剥離可能な接着層8を形成するようにしてもよい。補強部7に接着層8を設けることによって、容器本体2と蓋体4の密着性が向上し、より密閉性を向上させることができ、ウェットティシュの乾燥を長期間防止することができる。接着層8としては、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤である。
【0028】
また、図4に示すように、補強部7(第1の補強部7)の更に外側に第2の補強部9を形成し2重にする、又は更に補強部7を形成して3重以上設けるようにしてもよく、容器本体2の強度等との関係で適宜、補強部7の数を決める。これにより、このような包装容器1では、補強部7を1つ設けたものよりも、複数の補強部7を設けることによって、取出口6の周囲に弛みや皺が発生することをより防止することができ、密閉性をより向上させることができる。また、これらの補強部7の表面にも、接着層8を設けるようにしてもよい。
【0029】
補強部7を何重にも設ける場合には、すべて補強部7の高さを同じにしてもよく、又は図5に示すように、2重の場合には、外側の補強部9の高さを内側の補強部7の高さよりも低くし、3重以上の場合には、内側の補強部7から外側の補強部7にかけて、高さを除々に低くするようにしてもよい。内側の補強部7よりも外側の補強部9の高さの高くし、蓋体4の端部が容器本体2に接着しない場合には、密閉性が低下してしまう。一方、内側の補強部7よりも外側の補強部9の高さを低くし、蓋体4の端部が容器本体2に接着するようにすることで、密閉性の低下を防止できる。
【0030】
図6に示すように、補強部7をU字状の開ループに形成してもよい。この場合には、容器本体2の長手方向の他端側で、容器本体2と蓋体4との間に隙間が生じないように、補強部7の容器本体2の他端側にテーパ7aを形成する。このような補強部7であっても、上述した補強部7と同様に、密閉性が得られ、ウェットティッシュの乾燥を防止することができる。なお、この補強部7の表面にも接着層8を形成するようにしてもよい。
【0031】
補強部7としては、上述したものに限定されず、取出口6の周囲を補強し、容器本体2と蓋体4との密着性を維持することができれば、補強部7を形成する位置や形状は限定されるものではない。また、包装容器1では、蓋体4の端部が容器本体2の上面3と隙間なく接着するように、蓋体4の端部と対向する位置よりも、取出口6側に補強部7を形成することが好ましい。
【0032】
補強部7に囲まれた取出口6を閉塞する蓋体4は、図1に示すように、取出口6より大きく、取出口6を閉塞するような大きさに形成され、包装容器1の上面3の接着領域3aに、接着、剥離可能に貼り付けられる。
【0033】
蓋体4は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの複合材、又はこれら合成樹脂シートとアルミホイル、紙等とを貼り合わせた複合シートからなる柔軟で気密性及び不透水性を有するシートにより形成されている。具体的に、蓋体4は、図7に示すように、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート等からなる基材層10と、基材層10の容器本体2と対向する面11に、容器本体2に対して繰り返し接着、剥離することができる再接着再剥離可能な接着剤を塗布して形成された接着層12とを有する。なお、蓋体4は、この2層の他に、基材層10の接着層12が設けられた面とは反対側の面13に、所定の文字、図形等が印刷されるとともに、保護層15を貼り合わせるための接着剤が塗られた印刷接着層14と、延伸ポリプロピレンからなる保護層15とを更に有していてもよい。
【0034】
蓋体4は、取出口6の形状に合わせて形成され、例えば、図1に示すように、略矩形に形成されている。蓋体4には、長手方向の一端に、容器本体2に対して、繰り返し剥離、接着しやすくするための摘み部16が形成されている。また、蓋体4は、長手方向の他端側に、ユーザによる剥離動作において蓋体4が完全に剥がれないようにするためのストッパ17とを有する。蓋体4は、ストッパ17によって、容器本体2から剥離できなくなり、容器本体2の他端側の端部が、容器本体2に固定された固定部4aとなる。
【0035】
接着層12は、蓋体4を容器本体2に対して繰り返し接着、剥離することができるように、再接着再剥離可能な接着剤が塗布された層であり、その厚みは10〜30μmである。接着層12としては、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が用いられる。なお、接着層12は、取出口6に対向する部分に形成しないようにしてもよい。 摘み部16は、長手方向の一端に略円弧突出して形成されている。摘み部16は、摘みやすくするため、接着層12が形成されておらず、容器本体2に貼り付けられていない。なお、摘み部16は、上述に限らず、蓋体4の端部に形成されて、ユーザによって剥離動作を容易に行なえるものであればよく、その形状が、例えば、矩形、台形等であってもよい。また、摘み部16は、上述に限らず、ユーザによって摘み部16を容易に摘めるものであればよく、接着層12が塗布されていない代わりに、接着層12の所定の位置に、いわゆる糊殺しや糊抑えといった接着不能にする層をさらに形成するようにしてもよい。
【0036】
蓋体4の他端側に設けられたストッパ17は、蓋体4の長辺の他端側近傍を切り込みによって形成される。ストッパ17の形状は、蓋体4の端部から長辺の他端側に向かって、内側に斜めに直線状に切り裂いた直線部18と、直線部18に続けて、半円形に湾曲した湾曲部19とを有する。ストッパ17は、蓋体4を容器本体2から剥離したときに、図1に示すように、蓋体4の剥離を停止させるものである。
【0037】
以上のような構成からなる包装容器1に収容されるウェットティッシュの束体5は、パルプ、綿、合成繊維などからなる不織布、天然パルプ、合成パルプなどからなる紙、又はガーゼ等の布など湿潤強度を有する繊維素材等に水、アルコール、香料、化粧水、薬剤、界面活性剤などの液体成分、又は溶液を含浸させたものである。ウェットティッシュの束体5は、ウェットティッシュの一枚一枚が互いに重なりあって折り畳まれており、連続してウェットティッシュを包装容器1の取出口6から取り出せる、いわゆるポップアップ式となるように包装容器1に収納されている。
【0038】
なお、ウェットティッシュの束体5は、上述に限らず、例えば、折り畳んだウェットティッシュを重なり合わさないで積層したものであってもよい。また、包装容器1に収容する湿式シートとしては、化粧落とし、幼児のお尻拭き、掃除用のウェットシート等であってもよい。
【0039】
ウェットティッシュが収容された包装容器1は、蓋体4が接着層12によって接着領域3aに貼り付けられ、容器本体2の取出口6を閉塞している。これにより、包装容器1は、気密性及び不透水性が維持され、収容されているウェットティッシュの乾燥を防止している。
【0040】
ウェットティッシュを使用する際には、蓋体4の摘み部16を摘んで、図1中矢印X方向に、蓋体4を上方に向かって引き上げることにより、摘み部16側から固定部4a側に向けて、除々に、蓋体4を容器本体2の接着領域3aから剥離し、ストッパ17により、固定部4aまで剥離して、取出口6が露出する。
【0041】
ウェットティシュを取出した後は、蓋体4の摘み部16を摘んで、図1中矢印Y方向に、蓋体4を下ろし、蓋体4を固定部4a側から摘み部16側に向かって、除々に、容器本体2の補強部7上に、図8に示すように、仮接着させる。包装容器1では、取出口6の周囲に補強部7が形成されていることによって、取出口6の周囲に、弛みや皺が発生することなく、蓋体4を容器本体2の補強部7上に仮接着することができる。また、この仮接着では、図8に示すように、突起状に形成された補強部7上に、蓋体4が載るため、補強部7と蓋体4とが線接触となる。即ち、図8に示す状態では、補強部7と蓋体4とが線接触しているため、補強部7が形成されておらず、蓋体4が容器本体2の接着領域3aの全面に接着される場合と比べて、容器本体2と蓋体4との接着力が弱くなる。
【0042】
これにより、包装容器1では、補強部7により取出口6の周囲に弛みや皺がなくても、蓋体4が容器本体2にずれて貼り付いてしまった場合に、蓋体4が容器本体2に仮接着されているため、容器本体2と蓋体4との接着力が弱く、蓋体4を容易に容器本体2から剥離できる。包装容器1では、再度、蓋体4を容器本体2に接着したり、又は蓋体4を一度剥離しなくても、蓋体4を容器本体2の上面3に沿って押し付けることによっても、蓋体4がずれて貼り付いてしまったことによる蓋体4と容器本体2との間の隙間をなくすことができる。包装容器1では、容器本体2に対して、蓋体4を貼り直ししやすくなるため、弛みや皺になりやすい軟質の蓋体4を用いても、蓋体4の貼り直しや蓋体4を容器本体2に押し付けることによって、蓋体4を容器本体2に密着させることができるため、製造コストを削減することができる。また、この包装容器1では、蓋体4を容器本体2に対して容易に貼り直すことができるため、片手であっても、取出口6を蓋体4に密閉することができる。
【0043】
そして、仮接着の後、蓋体4を容器本体2に押し付けることによって、図9に示すように、蓋体4が補強部7及び容器本体2の接着領域3aに貼り付けられる。包装容器1では、ウェットティシュを使用する度に、上述した動作を繰り返すこととなる。
【0044】
この包装容器1は、容器本体2の取出口6の周囲に補強部7が形成されていることによって、取出口6の周囲に弛みや皺が発生せず、容器本体2との間に隙間が生じることなく、蓋体4を容器本体2に貼り付けることができる。これにより、包装容器1は、蓋体4で密閉することができ、ウェットティシュの乾燥を防止することができる。
【0045】
また、この包装容器1では、容器本体2に突起状の補強部7が形成されていることによって、補強部7の表面にも蓋体4が接着されるため、補強部7を形成されていない場合や取出口6の周囲をラベル状の補強部7で補強したものよりも、容器本体2と蓋体4との接着面積が広くなり、その分、接着力が高くなり、密閉性が向上する。
【0046】
また、包装容器1では、ウェットティッシュの残量が少なくなっても、取出口6の周囲に発生する弛みや皺が発生せず、取出口6を蓋体4で閉塞する際に、蓋体4がずれてしまっても、補強部7上に蓋体4が仮接着され、補強部7と蓋体4との接着力が弱いため、蓋体4を容器本体2から剥離して、容易に閉塞し直すことができる。
【0047】
更に、上述した包装容器1において、図10及び図11に示すように、蓋体4に、容器本体2の突起状に形成された補強部7と係合する凹部20を形成するようにしてもよい。このような包装容器1では、蓋体4で取出口6を閉塞する際には、蓋体4を固定部4a側から摘み部16側に向かって、除々に容器本体2の補強部7上に仮接着し、更に、蓋体4を容器本体2に押し付けることによって、補強部7と蓋体4の凹部20とが係合する。これにより、この包装容器1では、取出口6を蓋体4で閉塞した際に、蓋体4に形成された接着層12による容器本体2に対する接着力だけではなく、容器本体2の補強部7と蓋体4の凹部とが係合することによって、容器本体2と蓋体4の間に隙間が生じることにより確実に防止できると共に、容器本体2と蓋体4との接着力が向上し、密閉性をより向上させることができる。この包装容器1では、蓋体4の接着、剥離を繰り返すことによって、蓋体4の接着層12の接着力が低下しても、補強部7と蓋体4の凹部20とが係合することによって、取出口6の閉塞を維持することができる。
【0048】
なお、図10に示す包装容器1においても、補強部7の表面に接着層を設けたり、補強部7を2重以上形成するようにしてもよい。また、この包装容器1においても、上述したように、取出口6の弛みや皺の発生を防止でき、補強部7上に蓋体4が仮接着され、蓋体4の貼り直しも容易である。
【0049】
以下では、上述した包装容器1のように、容器本体の上面の表面において、取出口の周囲に突起状の補強部を設けた包装容器について、皺の発生防止、容器本体と蓋体との密着性、使用する樹脂量、蓋体の厚みについて図12に示すように評価した。
【0050】
サンプル1は、容器本体の上面の表面において、取出口の周囲に突起状の補強部をホットメルト接着剤を塗布して設けた包装容器である。サンプル2は、容器本体の上面の裏面において、取出口の周囲に突起状の補強部を設けた包装容器である。サンプル3は、容器本体の上面の表面において、取出口の周囲に平面状に樹脂を塗布した包装容器である。サンプル4は、容器本体の上面の表面に樹脂を塗布せず、容器本体の上面の裏面において、取出口の周囲に平面状に樹脂を塗布した包装容器である。
【0051】
図12に示すように、皺の発生については、サンプル1乃至サンプル4において、どのサンプルも防止することができた。密着性については、容器本体の表面に突起状の補強部を設けたサンプル1は、容器本体の裏面のみに突起状の補強部を設けたサンプル2や取出口の周囲に樹脂を平面状に塗布したサンプル3及びサンプル4と比べて、補強部の表面にも蓋体が接着されるため、容器本体と蓋体との接着面積が大きく、密着性が高くなることが分かる。
【0052】
また、樹脂の塗布量については、樹脂を塗布して突起状に補強部を設けたサンプル1及びサンプル2は、使用する樹脂の量が少ないため、製造コストを削減することができることが分かる。一方、サンプル3及びサンプル4は、取出口の周囲に平面状に樹脂を塗布しているため、使用する樹脂の量が多く、製造コストが高くなることが分かる。
【0053】
また、サンプル1は、取出口を蓋体で閉塞する際に、突起状の補強部に蓋体が仮接着されるので、蓋体が弛んだり、皺になって補強部に仮接着されても、蓋体を容器本体の上面に沿って押し付けることによって、蓋体の弛みや皺が伸ばされると共に、蓋体が容器本体に隙間なく貼り付けられる。これにより、サンプル1のような包装容器では、厚みが薄い蓋体を用いることができる。一方、サンプル2乃至サンプル4では、取出口の周囲に、仮接着されず、容器本体に接着されるために、容器本体と蓋体との接着力が高く、蓋体を容器本体に押し付けても、蓋体が伸びず、隙間なく貼り付けることができないことから、厚みの薄い蓋体は適していないことが分かる。これにより、サンプル1では、蓋体の厚みを薄くすることができ、製造コストを削減することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 包装容器、2 容器本体、3 上面、4 蓋体、4a 固定部、5 束体、6 取出口、7 補強部、8 接着層、9 補強部、10 基材層、12 接着剤層、14 印刷接着層、15 保護層、16 摘み部、17 ストッパ、18 直線部、19 湾曲部、20 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、水やアルコール等を含む薬液を含浸させた湿式シートを収容した包装容器に関するものであり、湿式シートを取り出すための取出口を蓋体で閉塞して、湿式シートの乾燥を防止した包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、湿式シート、例えばアルコール、保湿剤、界面活性剤等を含む薬液を紙、織布又は不織布の繊維素材に含浸させたウェットティッシュは、乾燥しないように、気密性及び不透水性を有する包装容器に収容される。湿式シートには、皮膚の汚れを拭き取ったり、化粧落とし、幼児のお尻拭き、掃除用のウェットシート等、様々なものがある。
【0003】
湿式シートを収容する包装容器は、湿式シートの薬液が乾燥しないように、気密性及び不透水性を有する可撓性の樹脂フィルムからなる容器本体を有する。この容器本体に、湿式シートが多数枚折り畳まれて収容される。この容器本体の上面には、湿式シートを取り出すための取出口が形成されている。また、包装容器は、容器本体の取出口を開閉するために、可撓性の樹脂フィルムからなる蓋体を有する。
【0004】
このような包装容器には、気密性及び不透水性を有する容器本体の取出口に蓋体を貼り付けることにより、湿式シートの乾燥を防止している。包装容器では、湿式シートの使用時において、容器本体の上面の表面に、繰り返して、接着・剥離が可能な蓋体を容器本体から剥離することで、取出口を開口し、取出口から湿式シートを一枚ずつ引き出すことができる。使用後は、再び蓋体を容器本体の取出口に貼り付け、取出口を閉塞することで、再び密閉し、湿式シートの乾燥を防止する。
【0005】
包装容器は、容器本体及び蓋体が可撓性の樹脂フィルム等で形成されているため、取出口や蓋体に弛みや皺が生じやすく、容器本体に蓋体を貼り付ける際、取出口の周囲や蓋体の弛みや皺がなくなるように、容器本体や蓋体を引っ張り、張った状態を維持しなら、蓋体を貼り付けなければならず、取出口を閉じるのに手間がかかってしまう。
【0006】
また、包装容器では、取出口や蓋体に弛みや皺が生じているまま蓋体を容器本体に貼り付けた場合、容器本体と蓋体との間に隙間ができ、密閉性が低下し、湿式シートが乾燥してしまう。
【0007】
特に、可撓性を有する容器本体では、湿式シートの残量が少なくなると、可撓性の容器本体の変形が大きくなり、取出口の周囲に生じる弛みや皺も大きくなり、容器本体と蓋体との隙間が大きくなるため、より密閉性が低下してしまう。例えば、幼児のお尻拭き用としての湿式シートでは、使用枚数が多いことから湿式シートの枚数を増量することが求められており、湿式シートの枚数を増量した場合、容器本体の高さも高くなるため、湿式シートの残量が少なくなった際の容器本体の変形が更に大きくなってしまう。これにより、湿式シートの枚数を増量した場合には、湿式シートの残量が少なくなった際の密閉性が更に低下してしまう。
【0008】
包装容器では、湿式シートの乾燥を防止するため、容器本体に対して蓋体が接着される接着領域が平面で広いため、蓋体が容器本体に一度貼り付くと、剥離しにくく、蓋体の貼り直しが面倒となる。また、包装容器では、容器本体に対して蓋体が接着される接着領域が広いため、蓋体と容器本体との間に隙間がある状態で蓋体を貼り付けてしまうと、蓋体を容器本体に押し付けても、隙間をなくすことが困難である。このため、包装容器では、蓋体を容器本体から一度剥離して、容器本体の接着領域に皺や弛みがなくなるように、容器本体を引っ張り、引っ張った状態を維持しながら、蓋体を貼り付け直さなければならず、面倒となる。
【0009】
下記の特許文献1には、図13に示すように、取出口30の周縁部に、比較的硬質の合成樹脂材料製の補強部材31を貼り付け、取出口30の周縁部の強度を補強し、皺等の発生を防止することが記載されている。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されている包装容器32では、上述した包装容器と同様に、蓋体33の容器本体34に対する接着力が高く、接着領域35が広いため、蓋体33が曲がったり、皺になった状態で蓋体33が一度貼り付いてしまうと、蓋体33が剥離しにくく、貼り直しが面倒になることに変わりがない。蓋体33と容器本体34との間に隙間が生じないように、蓋体33を貼り直すことができなかった場合には、密閉性が十分にならず、湿式シート36が乾燥してしまう。
【0011】
また、特許文献1に記載されている包装容器32は、取出口30の周縁部に補強部材31を貼り付けるため、取出口30と補強部材31との位置合わせが必要であり、製造工程が煩雑となり、補強部材31という他の部材を必要とするため、その分、製造コストが高くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実公平6−8274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、容器本体に、隙間なく、蓋体を貼り付けることができ、密閉性を維持することができ、蓋体の貼り直しを容易に行うことができる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成する本発明に係る包装容器は、収容した湿式シートを取り出すための取出口を有し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなる容器本体と、取出口よりも大きく形成され、容器本体の取出口の周囲と貼り合わされ、取出口を開閉し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなり、容器本体と対向する面に、容器本体に対して、再接着再剥離可能な接着層を有する蓋体とを備え、容器本体の蓋体が貼り合わされる面に、突起状の補強部が形成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、可撓性を有する容器本体の取出口の周囲に、容器本体の取出口の周囲を補強する補強部を突起状に設けることによって、取出口の周囲が弛んだり、皺が発生することを防止できる。また、本発明では、取出口の周囲に補強部を設けることによって、蓋体で取出口を閉塞する際に、突起状の補強部に蓋体が仮接着され、容器本体と蓋体との接着面積が少なくなるため、蓋体の容器本体に対する貼り直しを容易に行うことができる。これらのことから、本発明では、容器本体と蓋体との間に隙間が生じず、容器本体と蓋体との密着性を向上させることができ、また、蓋体の容器本体に対する貼り直しを容易に行うことができ、湿式シートの乾燥や埃等の侵入を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した包装容器の斜視図である。
【図2】図1中の線分A−Aにおける一部断面図である。
【図3】表面に接着層を設けた補強部を有する包装容器の一部断面図である。
【図4】補強部を2重に設けた包装容器の斜視図である。
【図5】補強部を2重に設け、外側の補強部の高さを内側の補強部の高さよりも低くして設けた状態を示す包装容器の一部断面図である。
【図6】補強部をU字状に設けた包装容器の斜視図である。
【図7】蓋体の断面図である。
【図8】蓋体が補強部に仮接着されている状態を示す包装容器の一部断面図である。
【図9】蓋体が容器本体に接着されている状態を示す包装容器の一部断面図である。
【図10】蓋体に凹部を設けた包装容器の斜視図である。
【図11】補強部と蓋体の凹部が係合した状態を示す包装容器の一部断面図である。
【図12】従来の包装容器と本発明を適用した包装容器の比較を示す図である。
【図13】従来の包装容器の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を適用した包装容器について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
包装容器1は、図1に示すように、気密性及び不透水性を有するフィルム素材からなる容器本体2と、この容器本体2の上面3の略中央に接着される蓋体4とを有する。この包装容器1には、容器本体2の内部に、一枚毎に繰り出し可能に積層された湿式シート、例えばウェットティッシュの束体5が収納されている。容器本体2の上面3の略中央部には、湿式シートを取り出すための取出口6が形成されている。なお、以下では、湿式シートとして、ウェットティッシュを用いた場合を説明する。
【0019】
容器本体2は、柔軟で気密性及び不透水性を有するシート、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂の単材又は複合材で形成されている。なお、容器本体2は、上述に限らず、上述の合成樹脂とアルミホイル、紙等とを貼りあわせた複合材からなるものであってもよい。この容器本体2は、フィルムの長手方向の両端部がシールされた、いわゆるピロータイプの包装体であり、その内部には、ウェットティッシュの束体5が封入されている。
【0020】
なお、包装容器1は、上述のようないわゆるピロータイプに限らず、柔軟で気密性及び不透水性を有するシート状のものからなり、その内部にウェットティッシュ等を収容できる包装体であれば、どのようなものであってもよい。
【0021】
容器本体2に形成される取出口6は、図1に示すように、上面3の略中央部に、容器本体2の長手方向に平行で両端が円弧をなすように形成されている。なお、取出口6は、蓋体4によって全体が被覆され、ウェットティッシュを取出すことができれば、図1に示すような形状に限らず、楕円形や矩形であってもよい。また、取出口6は、予め取出口6を形成したものに限らず、容器本体2に取出口6を形成するためのミシン目又はミシン目に相当する部分の容器本体2の厚みを薄くして、容器本体2の取出口6部分を切り取れるようにすることで形成してもよい。容器本体2にミシン目等を設けた場合には、蓋体4の容器本体2と対向する面に塗布された接着剤により、蓋体4に取出口6となる部分が貼り付くようになる。そして、ウェットティッシュを最初に使用する際に、容器本体2から蓋体4を剥離することによって、蓋体4と共に取出口6となる部分が容器本体2から切り取られ、取出口6が形成される。
【0022】
容器本体2には、上面3の表面において、取出口6の周囲を補強する補強部7が取出口6の周囲、例えば取出口6からわずかに外側に略線状に形成されている。補強部7は、例えば幅が0.5mm〜5mm程度であり、高さが0.05mm〜0.5mm程度であり、取出口6から5mm〜30mm程度の位置に設ける。この補強部7の幅、高さ及び取出口6からの位置は、この範囲に限定されず、容器本体4や取出口6の大きさによって、適宜決定する。補強部7は、取出口6の周囲に形成されることによって、取出口6の周囲を補強し、取出口6の周囲に弛みや皺が生じることを防止する。これにより、包装容器1では、容器本体2と蓋体4との間に隙間がなく、蓋体4を容器本体2に接着させることができる。更に、容器本体2に補強部7を設けることによって、後述するように、蓋体4を容器本体2に対して貼り直す際に、容易に貼り直しすることができるようになる。
【0023】
この補強部7は、例えば図1及び図2に示すように、容器本体2の上面3の表面に、断面が略半円形の突起で、略線状に形成されている。補強部7の形状は、断面が略半円形状に限定されず、略矩形状等であってもよく、また線状に限定されず、帯状であってもよい。なお、補強部7は、容器本体2の上面3だけではなく、更に、容器本体2の裏面の取出口6の周囲にも設けて、取出口6の周囲を更に補強するようにしてもよい。
【0024】
補強部7は、取出口6の周囲の上面3の表面に、樹脂として、例えばホットメルト接着剤を凹版コータ、凸版コータ、グラビア印刷等により塗布することによって、形成される。使用する樹脂は、容器本体2を形成するシートの強度等に応じて、取出口6の周囲に必要な強度を確保できるようなものを用いる。ホットメルト接着剤としては、例えばディスポメルト(ヘンケルテクノロジーズジャパン株式会社製)等を用いることができる。補強部7は、容器本体2に対する接着力が、蓋体4の接着層12の容器本体2に対する接着力よりも高くすることが好ましい。補強部7の接着力を高くすることによって、蓋体4を容器本体2から剥がした際に、蓋体4側に補強部7が貼り付いてしまうことを防止できる。
【0025】
補強部7は、取出口6の周囲にフィルム状の補強部材を貼り付けた場合や取出口6の周囲に平面状に樹脂を塗布した場合と比べて、フィルム等の他の補強部材を必要とせず、また使用する樹脂の量が少ないため、製造コストを低減することができる。また、フィルム状の補強部材を用いた場合には、取出口6との位置合わせが必要であるが、補強部7を取出口6の周囲に、略線状に形成することによって、フィルムを用いた場合のような位置合わせが必要なく、製造工程を簡略化することができる。
【0026】
補強部7は、図1に示すように、容器本体2の上面3のうち、蓋体4が貼り合わされる接着領域3a内の取出口6の周囲に形成する。補強部7は、取出口6を全周に亘って形成することによって、取出口6の周囲全体を補強することができる。容器本体2の一部を切り取って取出口6を形成する場合には、切り取り前のミシン目上に補強部7を形成してしまうと、ミシン目に沿って容器本体2を切り取ることができず、取出口6が形成されないといった不具合が生じる場合がある。このため、容器本体2の一部を切り取って取出口6を形成する場合には、確実に取出口6を形成できるように、ミシン目よりも外側に補強部7を形成する。
【0027】
他の補強部7の形成パターンとしては、蓋体4との接着力を向上させるために、図3に示すように、更に、表面に再接着再剥離可能な接着層8を形成するようにしてもよい。補強部7に接着層8を設けることによって、容器本体2と蓋体4の密着性が向上し、より密閉性を向上させることができ、ウェットティシュの乾燥を長期間防止することができる。接着層8としては、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤である。
【0028】
また、図4に示すように、補強部7(第1の補強部7)の更に外側に第2の補強部9を形成し2重にする、又は更に補強部7を形成して3重以上設けるようにしてもよく、容器本体2の強度等との関係で適宜、補強部7の数を決める。これにより、このような包装容器1では、補強部7を1つ設けたものよりも、複数の補強部7を設けることによって、取出口6の周囲に弛みや皺が発生することをより防止することができ、密閉性をより向上させることができる。また、これらの補強部7の表面にも、接着層8を設けるようにしてもよい。
【0029】
補強部7を何重にも設ける場合には、すべて補強部7の高さを同じにしてもよく、又は図5に示すように、2重の場合には、外側の補強部9の高さを内側の補強部7の高さよりも低くし、3重以上の場合には、内側の補強部7から外側の補強部7にかけて、高さを除々に低くするようにしてもよい。内側の補強部7よりも外側の補強部9の高さの高くし、蓋体4の端部が容器本体2に接着しない場合には、密閉性が低下してしまう。一方、内側の補強部7よりも外側の補強部9の高さを低くし、蓋体4の端部が容器本体2に接着するようにすることで、密閉性の低下を防止できる。
【0030】
図6に示すように、補強部7をU字状の開ループに形成してもよい。この場合には、容器本体2の長手方向の他端側で、容器本体2と蓋体4との間に隙間が生じないように、補強部7の容器本体2の他端側にテーパ7aを形成する。このような補強部7であっても、上述した補強部7と同様に、密閉性が得られ、ウェットティッシュの乾燥を防止することができる。なお、この補強部7の表面にも接着層8を形成するようにしてもよい。
【0031】
補強部7としては、上述したものに限定されず、取出口6の周囲を補強し、容器本体2と蓋体4との密着性を維持することができれば、補強部7を形成する位置や形状は限定されるものではない。また、包装容器1では、蓋体4の端部が容器本体2の上面3と隙間なく接着するように、蓋体4の端部と対向する位置よりも、取出口6側に補強部7を形成することが好ましい。
【0032】
補強部7に囲まれた取出口6を閉塞する蓋体4は、図1に示すように、取出口6より大きく、取出口6を閉塞するような大きさに形成され、包装容器1の上面3の接着領域3aに、接着、剥離可能に貼り付けられる。
【0033】
蓋体4は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの複合材、又はこれら合成樹脂シートとアルミホイル、紙等とを貼り合わせた複合シートからなる柔軟で気密性及び不透水性を有するシートにより形成されている。具体的に、蓋体4は、図7に示すように、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート等からなる基材層10と、基材層10の容器本体2と対向する面11に、容器本体2に対して繰り返し接着、剥離することができる再接着再剥離可能な接着剤を塗布して形成された接着層12とを有する。なお、蓋体4は、この2層の他に、基材層10の接着層12が設けられた面とは反対側の面13に、所定の文字、図形等が印刷されるとともに、保護層15を貼り合わせるための接着剤が塗られた印刷接着層14と、延伸ポリプロピレンからなる保護層15とを更に有していてもよい。
【0034】
蓋体4は、取出口6の形状に合わせて形成され、例えば、図1に示すように、略矩形に形成されている。蓋体4には、長手方向の一端に、容器本体2に対して、繰り返し剥離、接着しやすくするための摘み部16が形成されている。また、蓋体4は、長手方向の他端側に、ユーザによる剥離動作において蓋体4が完全に剥がれないようにするためのストッパ17とを有する。蓋体4は、ストッパ17によって、容器本体2から剥離できなくなり、容器本体2の他端側の端部が、容器本体2に固定された固定部4aとなる。
【0035】
接着層12は、蓋体4を容器本体2に対して繰り返し接着、剥離することができるように、再接着再剥離可能な接着剤が塗布された層であり、その厚みは10〜30μmである。接着層12としては、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が用いられる。なお、接着層12は、取出口6に対向する部分に形成しないようにしてもよい。 摘み部16は、長手方向の一端に略円弧突出して形成されている。摘み部16は、摘みやすくするため、接着層12が形成されておらず、容器本体2に貼り付けられていない。なお、摘み部16は、上述に限らず、蓋体4の端部に形成されて、ユーザによって剥離動作を容易に行なえるものであればよく、その形状が、例えば、矩形、台形等であってもよい。また、摘み部16は、上述に限らず、ユーザによって摘み部16を容易に摘めるものであればよく、接着層12が塗布されていない代わりに、接着層12の所定の位置に、いわゆる糊殺しや糊抑えといった接着不能にする層をさらに形成するようにしてもよい。
【0036】
蓋体4の他端側に設けられたストッパ17は、蓋体4の長辺の他端側近傍を切り込みによって形成される。ストッパ17の形状は、蓋体4の端部から長辺の他端側に向かって、内側に斜めに直線状に切り裂いた直線部18と、直線部18に続けて、半円形に湾曲した湾曲部19とを有する。ストッパ17は、蓋体4を容器本体2から剥離したときに、図1に示すように、蓋体4の剥離を停止させるものである。
【0037】
以上のような構成からなる包装容器1に収容されるウェットティッシュの束体5は、パルプ、綿、合成繊維などからなる不織布、天然パルプ、合成パルプなどからなる紙、又はガーゼ等の布など湿潤強度を有する繊維素材等に水、アルコール、香料、化粧水、薬剤、界面活性剤などの液体成分、又は溶液を含浸させたものである。ウェットティッシュの束体5は、ウェットティッシュの一枚一枚が互いに重なりあって折り畳まれており、連続してウェットティッシュを包装容器1の取出口6から取り出せる、いわゆるポップアップ式となるように包装容器1に収納されている。
【0038】
なお、ウェットティッシュの束体5は、上述に限らず、例えば、折り畳んだウェットティッシュを重なり合わさないで積層したものであってもよい。また、包装容器1に収容する湿式シートとしては、化粧落とし、幼児のお尻拭き、掃除用のウェットシート等であってもよい。
【0039】
ウェットティッシュが収容された包装容器1は、蓋体4が接着層12によって接着領域3aに貼り付けられ、容器本体2の取出口6を閉塞している。これにより、包装容器1は、気密性及び不透水性が維持され、収容されているウェットティッシュの乾燥を防止している。
【0040】
ウェットティッシュを使用する際には、蓋体4の摘み部16を摘んで、図1中矢印X方向に、蓋体4を上方に向かって引き上げることにより、摘み部16側から固定部4a側に向けて、除々に、蓋体4を容器本体2の接着領域3aから剥離し、ストッパ17により、固定部4aまで剥離して、取出口6が露出する。
【0041】
ウェットティシュを取出した後は、蓋体4の摘み部16を摘んで、図1中矢印Y方向に、蓋体4を下ろし、蓋体4を固定部4a側から摘み部16側に向かって、除々に、容器本体2の補強部7上に、図8に示すように、仮接着させる。包装容器1では、取出口6の周囲に補強部7が形成されていることによって、取出口6の周囲に、弛みや皺が発生することなく、蓋体4を容器本体2の補強部7上に仮接着することができる。また、この仮接着では、図8に示すように、突起状に形成された補強部7上に、蓋体4が載るため、補強部7と蓋体4とが線接触となる。即ち、図8に示す状態では、補強部7と蓋体4とが線接触しているため、補強部7が形成されておらず、蓋体4が容器本体2の接着領域3aの全面に接着される場合と比べて、容器本体2と蓋体4との接着力が弱くなる。
【0042】
これにより、包装容器1では、補強部7により取出口6の周囲に弛みや皺がなくても、蓋体4が容器本体2にずれて貼り付いてしまった場合に、蓋体4が容器本体2に仮接着されているため、容器本体2と蓋体4との接着力が弱く、蓋体4を容易に容器本体2から剥離できる。包装容器1では、再度、蓋体4を容器本体2に接着したり、又は蓋体4を一度剥離しなくても、蓋体4を容器本体2の上面3に沿って押し付けることによっても、蓋体4がずれて貼り付いてしまったことによる蓋体4と容器本体2との間の隙間をなくすことができる。包装容器1では、容器本体2に対して、蓋体4を貼り直ししやすくなるため、弛みや皺になりやすい軟質の蓋体4を用いても、蓋体4の貼り直しや蓋体4を容器本体2に押し付けることによって、蓋体4を容器本体2に密着させることができるため、製造コストを削減することができる。また、この包装容器1では、蓋体4を容器本体2に対して容易に貼り直すことができるため、片手であっても、取出口6を蓋体4に密閉することができる。
【0043】
そして、仮接着の後、蓋体4を容器本体2に押し付けることによって、図9に示すように、蓋体4が補強部7及び容器本体2の接着領域3aに貼り付けられる。包装容器1では、ウェットティシュを使用する度に、上述した動作を繰り返すこととなる。
【0044】
この包装容器1は、容器本体2の取出口6の周囲に補強部7が形成されていることによって、取出口6の周囲に弛みや皺が発生せず、容器本体2との間に隙間が生じることなく、蓋体4を容器本体2に貼り付けることができる。これにより、包装容器1は、蓋体4で密閉することができ、ウェットティシュの乾燥を防止することができる。
【0045】
また、この包装容器1では、容器本体2に突起状の補強部7が形成されていることによって、補強部7の表面にも蓋体4が接着されるため、補強部7を形成されていない場合や取出口6の周囲をラベル状の補強部7で補強したものよりも、容器本体2と蓋体4との接着面積が広くなり、その分、接着力が高くなり、密閉性が向上する。
【0046】
また、包装容器1では、ウェットティッシュの残量が少なくなっても、取出口6の周囲に発生する弛みや皺が発生せず、取出口6を蓋体4で閉塞する際に、蓋体4がずれてしまっても、補強部7上に蓋体4が仮接着され、補強部7と蓋体4との接着力が弱いため、蓋体4を容器本体2から剥離して、容易に閉塞し直すことができる。
【0047】
更に、上述した包装容器1において、図10及び図11に示すように、蓋体4に、容器本体2の突起状に形成された補強部7と係合する凹部20を形成するようにしてもよい。このような包装容器1では、蓋体4で取出口6を閉塞する際には、蓋体4を固定部4a側から摘み部16側に向かって、除々に容器本体2の補強部7上に仮接着し、更に、蓋体4を容器本体2に押し付けることによって、補強部7と蓋体4の凹部20とが係合する。これにより、この包装容器1では、取出口6を蓋体4で閉塞した際に、蓋体4に形成された接着層12による容器本体2に対する接着力だけではなく、容器本体2の補強部7と蓋体4の凹部とが係合することによって、容器本体2と蓋体4の間に隙間が生じることにより確実に防止できると共に、容器本体2と蓋体4との接着力が向上し、密閉性をより向上させることができる。この包装容器1では、蓋体4の接着、剥離を繰り返すことによって、蓋体4の接着層12の接着力が低下しても、補強部7と蓋体4の凹部20とが係合することによって、取出口6の閉塞を維持することができる。
【0048】
なお、図10に示す包装容器1においても、補強部7の表面に接着層を設けたり、補強部7を2重以上形成するようにしてもよい。また、この包装容器1においても、上述したように、取出口6の弛みや皺の発生を防止でき、補強部7上に蓋体4が仮接着され、蓋体4の貼り直しも容易である。
【0049】
以下では、上述した包装容器1のように、容器本体の上面の表面において、取出口の周囲に突起状の補強部を設けた包装容器について、皺の発生防止、容器本体と蓋体との密着性、使用する樹脂量、蓋体の厚みについて図12に示すように評価した。
【0050】
サンプル1は、容器本体の上面の表面において、取出口の周囲に突起状の補強部をホットメルト接着剤を塗布して設けた包装容器である。サンプル2は、容器本体の上面の裏面において、取出口の周囲に突起状の補強部を設けた包装容器である。サンプル3は、容器本体の上面の表面において、取出口の周囲に平面状に樹脂を塗布した包装容器である。サンプル4は、容器本体の上面の表面に樹脂を塗布せず、容器本体の上面の裏面において、取出口の周囲に平面状に樹脂を塗布した包装容器である。
【0051】
図12に示すように、皺の発生については、サンプル1乃至サンプル4において、どのサンプルも防止することができた。密着性については、容器本体の表面に突起状の補強部を設けたサンプル1は、容器本体の裏面のみに突起状の補強部を設けたサンプル2や取出口の周囲に樹脂を平面状に塗布したサンプル3及びサンプル4と比べて、補強部の表面にも蓋体が接着されるため、容器本体と蓋体との接着面積が大きく、密着性が高くなることが分かる。
【0052】
また、樹脂の塗布量については、樹脂を塗布して突起状に補強部を設けたサンプル1及びサンプル2は、使用する樹脂の量が少ないため、製造コストを削減することができることが分かる。一方、サンプル3及びサンプル4は、取出口の周囲に平面状に樹脂を塗布しているため、使用する樹脂の量が多く、製造コストが高くなることが分かる。
【0053】
また、サンプル1は、取出口を蓋体で閉塞する際に、突起状の補強部に蓋体が仮接着されるので、蓋体が弛んだり、皺になって補強部に仮接着されても、蓋体を容器本体の上面に沿って押し付けることによって、蓋体の弛みや皺が伸ばされると共に、蓋体が容器本体に隙間なく貼り付けられる。これにより、サンプル1のような包装容器では、厚みが薄い蓋体を用いることができる。一方、サンプル2乃至サンプル4では、取出口の周囲に、仮接着されず、容器本体に接着されるために、容器本体と蓋体との接着力が高く、蓋体を容器本体に押し付けても、蓋体が伸びず、隙間なく貼り付けることができないことから、厚みの薄い蓋体は適していないことが分かる。これにより、サンプル1では、蓋体の厚みを薄くすることができ、製造コストを削減することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 包装容器、2 容器本体、3 上面、4 蓋体、4a 固定部、5 束体、6 取出口、7 補強部、8 接着層、9 補強部、10 基材層、12 接着剤層、14 印刷接着層、15 保護層、16 摘み部、17 ストッパ、18 直線部、19 湾曲部、20 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容した湿式シートを取り出すための取出口を有し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなる容器本体と、
上記取出口よりも大きく形成され、上記容器本体の上記取出口の周囲と貼り合わされ、上記取出口を開閉し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなり、上記容器本体と対向する面に、上記容器本体に対して、再接着再剥離可能な接着層を有する蓋体とを備え、
上記容器本体の上記蓋体が貼り合わされる面に、突起状の補強部が形成されている包装容器。
【請求項2】
上記補強部の表面に、再接着再剥離可能な接着層が形成されている請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
上記蓋体の上記容器本体と対向する面に、上記補強部と係合する凹部が形成されている請求項1又は請求項2記載の包装容器。
【請求項4】
上記蓋体は、一端を上記容器本体に固定された固定部とし、
上記蓋体は、上記取出口を開く際には、上記固定部とは反対側の端部から上記固定部に向かって剥離され、上記取出口を閉じる際には、上記固定部から上記固定部とは反対側の端部に向かって、上記容器本体に貼り合わされる請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の包装容器。
【請求項1】
収容した湿式シートを取り出すための取出口を有し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなる容器本体と、
上記取出口よりも大きく形成され、上記容器本体の上記取出口の周囲と貼り合わされ、上記取出口を開閉し、気密性及び不透水性を有する可撓性シートからなり、上記容器本体と対向する面に、上記容器本体に対して、再接着再剥離可能な接着層を有する蓋体とを備え、
上記容器本体の上記蓋体が貼り合わされる面に、突起状の補強部が形成されている包装容器。
【請求項2】
上記補強部の表面に、再接着再剥離可能な接着層が形成されている請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
上記蓋体の上記容器本体と対向する面に、上記補強部と係合する凹部が形成されている請求項1又は請求項2記載の包装容器。
【請求項4】
上記蓋体は、一端を上記容器本体に固定された固定部とし、
上記蓋体は、上記取出口を開く際には、上記固定部とは反対側の端部から上記固定部に向かって剥離され、上記取出口を閉じる際には、上記固定部から上記固定部とは反対側の端部に向かって、上記容器本体に貼り合わされる請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の包装容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−265010(P2010−265010A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118749(P2009−118749)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(399111462)フクヨー興産株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(399111462)フクヨー興産株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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