説明

包装容器

【課題】加工がし易く、包装作業のし易い材料で形成した場合であっても比較的大きな収納空間の高さを維持することができる包装容器を提供することを目的とする。
【解決手段】第1,第2,第3側板(S1,S2,S3)で形成された筒状の先端の開口(Z)を、折り曲げられた第1,第2,第3フラップ(F1,F2,F3)の先端の相互を係合させて閉塞状態にして収納空間(K)を形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧用ブラシを輸送または陳列に際しては、軸の先端に形成されている穂先の形状ならびに毛先を痛めないように、筆本体に対して筆穂を出退可能に構成したり、筆穂に被せるキャップを設けたものが主流である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−268100号公報
【特許文献2】特開2010−162190号公報
【特許文献3】特開2010−200923号公報
【特許文献4】特開2011−087675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化粧パウダーなどを塗布する化粧用ブラシの筆穂の形状は様々であって、肌触りを考えて、肌に触れる面積が大きくなるように、筆軸の先端に取り付けられた筆穂は、筆軸の直径よりも太く膨らんでいるものが多い。
【0005】
このように筆穂の大きい化粧用ブラシの包装容器としては、図30,図31に示すものが考えられる。
図30は展開図、図31(a)は組み立てた包装容器1によって化粧用ブラシ2の筆穂2bを包装した状態を示している。
【0006】
包装容器1は、ポリプロピレン製シートを折り畳んで構成されている。略三角状の第1側板S1と第2側板S2の互いの一辺は、第1折線L1で接続されている。第1側板S1の先端には、内側に向かって折り曲げられる第1フラップF1が第2折線L2で接続されている。第2側板S2の先端には、内側に向かって折り曲げられる第2フラップF2が第3折線L3で接続されている。
【0007】
第2側板S2の第1折線L1で第1側板S1と接続された反対側の辺には、第1折線L1で折り曲げられた第1側板S1の外側に被せられるフラップF4が折線L7で接続されている。さらに、フラップF4の内側には雌の面ファスナ片P1が接着されている。面ファスナ片P1に対応する第1側板S1の外側の位置には、雄の面ファスナ片P2が接着されている。
【0008】
なお、第1側板S1と第1フラップF1を接続している第2折線L2は、第1側板S1の先端両側に比べて中央が第1側板S1の内側に入り込むように湾曲している。第2側板S2と第2フラップF2を接続している第3折線L3も同様に、第2側板S2の先端両側に比べて中央が第2側板S2の内側に入り込むように湾曲している。
【0009】
この場合、化粧用ブラシ2を入れて第1側板S1と第2側板S2を第1折線L1で折り曲げて、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合させた後に、第1,第2フラップF1,F2をそれぞれ第2,第3折線L2,L3で折り曲げることによって、筆穂2bを取り囲む収納空間Kが第1,第2側板S1,S2と第1,第2フラップF1,F2で囲まれて形成される。
【0010】
収納空間Kの形状を保持する力は、第1,第2側板S1,S2などを形成する材料とその板厚によって左右される。加工がし易く、包装作業のし易さから、100μm〜200μmの厚さのポリプロピレンシートを使用した場合、収納空間Kを押し潰そうとする設定以上の外力が作用した場合、第1,第2フラップF1,F2が外側に開いてしまって、図31(b)に示すように収納空間Kの高さが、h1からh3に半減する。
【0011】
このように収納空間Kの高さがh3に半減した場合には、化粧用ブラシ2の筆穂2bの膨らんだ形状を損なう。さらに、化粧用ブラシ2の筆穂2bの形状が平丸の場合には収納空間Kの高さがh1で保護できたとしても、筆穂2bの形状が高さ方向にも膨らんで高さh1を越える丸形状の筆穂2bの化粧用ブラシ2を包装した場合には、筆穂2bの変形が発生する。
【0012】
本発明は、加工がし易く、包装作業のし易い材料で形成した場合であっても比較的大きな外力に対向して収納空間Kの高さを維持することができる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の包装容器は、互いの接続辺を第1折線として内側に折り曲げられた第1,第2側板と、前記第2側板の前記第1側板との接続された辺とは別の辺に接続され、この接続辺を第2折線として前記第1側板と同じ内側に折り曲げられた第3側板と、前記第1側板の先端に接続され前記内側に向かって折り曲げられる第1フラップと、前記第2側板で前記第1フラップが接続された前記第1側板の前記先端と同じ側に設けられ前記内側に向かって折り曲げられる第2フラップと、前記第3側板で前記第2フラップが接続された前記第2側板の前記先端と同じ側に設けられ前記内側に向かって折り曲げられる第3フラップと、前記第2側板と前記内側に折り曲げられた前記第1,第3側板を前記第1,第2折線で折り曲げられ筒状を形成した状態に係止する係止部とを設け、さらに、前記第1,第2,第3側板で形成された前記筒状の先端の開口を、折り曲げられた前記第1,第2,第3フラップの先端を係合させて閉塞状態にして収納空間を形成したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の包装容器は、請求項1において、前記第1側板の前記第2側板が接続された辺とは反対側の辺に互いの接続辺を折線として内側に折り曲げられた補助側板を設け、前記第1フラップの前記第2フラップが接続された辺とは反対側の辺に内側に折り曲げられる補助フラップを設け、前記第1フラップと前記補助側板が内側に折り曲げられた状態で前記補助フラップの先端が補助側板の外面に係合し、かつ前記第3側板が前記補助フラップと補助側板の外面を覆っていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の包装容器は、筒状の包装容器本体と、各先端が前記包装容器本体の前記一端開口の内側に向かって延び、各基端が前記包装容器本体の一端開口の外周部に接続された複数枚のフラップとを有し、前記複数枚のフラップの一部は、隣接するフラップの下側に交互に挿入されて前記一端開口を閉塞状態にして、前記包装容器本体の内側に収納空間を形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1,第2,第3側板で形成された筒状の先端の開口を、第1,第2,第3フラップによって閉塞して収納空間を形成しているため、比較例における収納空間よりも大きな収納空間を確保することができる。さらに、第1,第2,第3フラップの先端の相互を係合させて筒状の先端の開口を閉塞状態にして収納空間を形成しているため、加工がし易く、包装作業のし易い材料で形成した場合であっても比較的大きな外力に対向して収納空間の高さを維持することができる。
【0017】
また、前記補助側板と前記補助フラップを設けることによって、より大きな外力に対向して収納空間の高さを維持できる。
また、筒状の包装容器本体の開口を、隣接するフラップの下側に交互に挿入された複数枚のフラップの下側に挿入して閉塞状態にして、収納空間を形成することによって、包装作業のし易さを改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における包装容器の展開図
【図2】本発明の実施の形態1における包装容器によって保護対象品を包装した状態の斜視図
【図3】(a)(b)(c)本発明の実施の形態1における包装容器によって保護対象品を包装する過程の斜視図
【図4】(a)比較例と、(b)本発明の実施の形態1の包装容器の包装状態の端面図
【図5】本発明の実施の形態2における包装容器の展開図
【図6】本発明の実施の形態3における包装容器の展開図
【図7】本発明の実施の形態3における包装容器によって保護対象品を包装した状態の斜視図
【図8】(a)(b)本発明の実施の形態3における包装容器によって保護対象品を包装する過程の斜視図
【図9】本発明の実施の形態4における包装容器の展開図
【図10】本発明の実施の形態5における実施例1の包装容器の展開図
【図11】同実施例1の包装容器の組み立て工程図
【図12】同実施例1の包装容器の組み立て工程図
【図13】同実施例1の包装容器の組み立て工程図
【図14】同実施例1の包装容器によって保護対象品を包装した状態の斜視図
【図15】本発明の実施の形態5における実施例2の包装容器の展開図
【図16】同実施例2の包装容器の組み立て工程図
【図17】同実施例2の包装容器の組み立て工程図
【図18】実施例2の包装容器によって保護対象品を包装した状態の斜視図
【図19】本発明の実施の形態5における実施例3の包装容器の展開図
【図20】同実施例3の包装容器の組み立て工程図
【図21】同実施例3の包装容器の組み立て工程図
【図22】実施例3の包装容器によって保護対象品を包装した状態の斜視図
【図23】実施例1の図13(b)に代わる組み立て工程図
【図24】本発明の実施の形態6における包装容器の展開図
【図25】本発明の実施の形態6における包装容器によって保護対象品を包装した状態の斜視図
【図26】図25の要部断面図
【図27】同実施の形態のフラップの重なり状態を示す拡大図
【図28】同実施の形態における包装容器によって保護対象品を包装する過程の斜視図
【図29】同実施の形態における実施例2を示す断面図
【図30】比較例の包装容器の展開図
【図31】(a)比較例の包装容器によって保護対象品の包装が完了した状態の斜視図と(b)包装容器の収納空間が外力で潰れた状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の各実施の形態を、図1〜図29に基づいて説明する。
なお、図30,図31に示した比較例と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明
する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は展開図、図2は組み立てた包装容器1によって化粧用ブラシ2の筆穂2bを包装した状態を示している。図3(a)(b)(c)は包装の途中を示している。
【0021】
図30と図31に示した比較例との違いは、この実施の形態1では第1,第2,第3側
板S1,S2,S3の3枚の側板によって筒状の収納空間を形成し、図3に示すようにその先端の開口Zを第1,第2,第3フラップF1,F2,F3の3枚のフラップによって閉塞している。
【0022】
包装容器1は、包装作業のし易さから、100μm〜300μm程度の厚さのポリプロピレンシートを使用して折り畳んで構成されている。略三角状の第1側板S1と第2側板S2の互いの一辺は、第1折線L1で接続されている。略三角状の第3側板S3は、第2側板S2の第1側板S1が接続された辺とは別の辺に接続され、この接続辺を第2折線L2として第1側板S1と同じ内側に折り曲げられている。
【0023】
なお、図1に仮想線68で示すように略三角状の第1,第2,第3側板S1,S2,S3の基端(頂点)を長く作成しておき、包装しようとする化粧用ブラシ2の形状に合わせてカットして使用することができる。
【0024】
第3側板S3の第2側板S2が接続された辺とは別の辺には、第3折線L3で内側に折り曲げられるフラップF4が設けられている。フラップF4の内側の一部には、雌の面ファスナ片P1が接着されている。面ファスナ片P1に対応する第1側板S1の外側の位置には、雄の面ファスナ片P2が接着されている。
【0025】
第1側板S1の先端には、内側に向かって折り曲げられる第1フラップF1が第4折線L4で接続されている。第2側板S2の先端には、内側に向かって折り曲げられる第2フラップF2が第5折線L5で接続されている。第3側板S3の先端には、内側に向かって折り曲げられる第3フラップF3が第6折線L6で接続されている。
【0026】
なお、第1側板S1と第1フラップF1を接続している第4折線L4は、第1側板S1の先端両側に比べて中央が第1側板S1の内側に入り込むように湾曲している。第2側板S2と第2フラップF2を接続している第5折線L5も同様に、第2側板S2の先端両側に比べて中央が第2側板S2の内側に入り込むように湾曲している。第3側板S3と第3フラップF3を接続している第6折線L6も同様に、第3側板S3の先端両側に比べて中央が第3側板S3の内側に入り込むように湾曲している。
【0027】
第2フラップF2には切れ込みm1が形成されている。第3フラップF3には切れ込みm2が形成されている。
包装容器1による包装は次のように実施する。
【0028】
包装しようとする化粧用ブラシ2を、第2側板S2の上に載せる。
次ぎに、第2側板S2に対してその両側の、第1側板S1を第1折線L1で折り曲げ、第3側板S3を第2折線L2で折り曲げて、第3折線L3で折り曲げたフラップF4を第1側板S1の外側に被せ、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合させることによって、 第1,第2折線L1,L2で折り曲げられた第1,第2,第3側板S1,S2,S3を筒状態に係止する。
【0029】
面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合させた後に、図3(a)に示すように切れ込みm1が形成された第2フラップF2と、切れ込みm2が形成された第3フラップF3を、それぞれ第5,第6折線L5,L6で折り曲げる。
【0030】
そして、切れ込みが形成されていない第1フラップF1を、第4折線L4で折り曲げて図3(b)に示すように第2,第3フラップF2,F3の上に折り返す。更に、第1フラップF1を矢印Y1で示すように指で押し下げて、第1フラップF1の先端が切れ込みm1,m2の開口を通過させてから、この押し下げを解除すると、第1,第2,第3フラップF1,F2,F3が図3(c)に矢印Y2で示すように元の位置に自己復帰することによって、第1フラップF1の先端が切れ込みm1,m2に係合して、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合させて筒状態に係止した第1,第2,第3側板S1,S2,S3の先端を、第1,第2,第3フラップF1,F2,F3で閉塞して、図2に示したように、化粧用ブラシ2の筆穂2bを包む収納空間Kが形成されている。第1,第2,第3側板S1,S2,S3の第1,第2,第3フラップF1,F2,F3が設けられた側と反対側の基端Bは、化粧用ブラシ2の筆軸2aが通過するように開放されている。開口を設けずに基端Bが閉塞されていても包装対象によっては実施できる。
【0031】
図4(a)は図31(a)に示した比較例の包装完了状態の包装空間Kの厚みh1を示す。図4(b)は本実施の形態1の包装完了状態を示す図2の包装空間Kの厚みh2を示す。
【0032】
このように、第1,第2,第3側板S1,S2,S3の3枚の側板を、図4(b)のように断面形状が略三角形になるように折り曲げて収納空間Kを形成しているので、図4(a)の比較例のように2枚の側板だけで筒形状にした場合に比べて、横幅が略同じであっても高さをh1からh2に大きくできるため、図4(b)に破線で示すように筆穂2bが丸形状の化粧用ブラシ2であっても、筆穂2bの形状を損なうことなく包装できる。
【0033】
さらに、第1フラップF1の先端が、第2,第3フラップF2,F3の切れ込みm1,m2に係合しているので、図4に矢印A−AAで示すように押し潰そうとする力が作用しても、略三角形の収納空間Kが潰れないように外力に対向することができ、筆穂2bの形状を比較例の場合よりも確実に保護できる。
【0034】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2を示す。
実施の形態1では、図1と図2では、第1,第2,第3側板S1,S2,S3を筒状態に係止する係止部を、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合によって実現したが、この実施の形態2では、フラップF4に切り込みJ1を形成して挿入片Qを形成し、挿入片Qに対応して第1側板S1に挿入片Qが差し込まれる挿入孔Rを形成して構成することもできる。その他は実施の形態1と同じである。
【0035】
(実施の形態3)
図6〜図8は本発明の実施の形態3を示す。
実施の形態1では、第2,第3フラップF2,F3の切れ込みm1,m2に、第1フラップF1の先端を係合させて、第1,第2,第3フラップF1,F2,F3の先端の相互を係合させて、第1,第2,第3側板S1,S2,S3で形成された筒状体の先端の開口Zを閉塞状態にして収納空間Kを形成したが、この実施の形態3では第1,第2,第3フラップF1,F2,F3の形状が実施の形態1とは異なっており、切れ込みm1,m2は設けられていない。
【0036】
図6の展開図に示すように、第1,第2,第3フラップF1,F2,F3の先端には突部V1,V2,V3が形成されており、この第1,第2,第3フラップF1,F2,F3によって、第1,第2,第3側板S1,S2,S3で形成された筒状体の先端の開口Zが、次のようにして閉塞されている。その他は実施の形態1と同じである。
【0037】
図8(a)に示すように、第5折線L5の位置で内側に折り曲げられた第2フラップF2の上に、第3フラップF3が第6折線L6の位置で折り曲げられる。次ぎに、第3フラップF3の上に、第4折線L4の位置で第1フラップF1を折り曲げるとともに、図8(b)に示すように、第1フラップF1の先端の突部V1を、第2フラップF2の先端の突部V2の下側を通過させて第3フラップF3の上に係合させて、図7に示すように、第1,第2,第3側板S1,S2,S3で形成された筒状体の先端の開口Zを閉塞して収納空間Kを形成している。この状態では第3フラップF3の突部V3が第2フラップF2の上に乗り上げている。また、この閉塞状態では各突部V1,V2,V3の基端の変向点X1,X2,X3が一点で互いに当接している。
【0038】
このように構成したため、筆穂2bが丸形状の化粧用ブラシ2であっても、筆穂2bの形状を損なうことなく包装できる。さらに、第4折線L4,第5折線L5,第6折線L6の何れも直線であったため、内側に折り曲げた第1,第2,第3フラップF1,F2,F3の姿勢が、実施の形態1における第4折線L4,第5折線L5,第6折線L6のように湾曲させた場合に比べて不安定になるが、この実施の形態3では第2フラップF2の上に第3フラップF3の先端が乗り上げ、第2フラップF2の先端が第1フラップF1の上に乗り上げ、第1フラップF1の先端が第3フラップF3の上に乗り上げることによって、第1,第2,第3フラップF1,F2,F3を閉塞状態にして収納空間Kを維持している。
【0039】
実施の形態3では、第1,第2,第3側板S1,S2,S3を筒状態に係止する係止部を、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合によって実現したが、実施の形態2と同じように、フラップF4に切り込みJ1を形成して挿入片Qを形成し、挿入片Qに対応して第1側板S1に挿入片Qが差し込まれる挿入孔Rを形成して構成することもできる。
【0040】
(実施の形態4)
図9は本発明の実施の形態4を示す。
実施の形態3では第4折線L4,第5折線L5,第6折線L6の何れも直線であったが、この実施の形態4では図9の展開図に示すように、実施の形態3の第4折線L4,第5折線L5,第6折線L6を、実施の形態1の第4折線L4,第5折線L5,第6折線L6と同じように湾曲させて構成することもできる。
【0041】
実施の形態4では、第1,第2,第3側板S1,S2,S3を筒状態に係止する係止部を、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合によって実現したが、実施の形態2と同じように、フラップF4に切り込みJ1を形成して挿入片Qを形成し、挿入片Qに対応して第1側板S1に挿入片Qが差し込まれる挿入孔Rを形成して構成することもできる。
【0042】
(実施の形態5)
図10〜図22は本発明の実施の形態5を示す。
図10〜図14と図23は実施例1を示す。
【0043】
図15〜図18は実施例2を示す。
図19〜図22は実施例3を示す。
実施例3が上記の実施の形態3に最も近い構成である。この実施例3の一部を変更した構成が実施例2であり、実施例2の一部を更に変更した構成が実施例1である。
− 実施例3 −
先ず、実施例3を説明する。
【0044】
図19に実施例3の展開図を示す。図1に示した実施の形態1の展開図と比較すると、第1,第2,第3側板S1,S2,S3と第1,第2,第3フラップF1,F2,F3などの基本的な構成は同じであるが、この実施例3では第2,第3フラップF2,F3に設けられていた切れ込みm1,m2は設けられていない。この切れ込みm1,m2に代わって第2フラップF2に係合孔51を形成し、第3フラップF3の先端52の形状が係合孔51に対応して変更されている。その他は実施の形態3と同じである。
【0045】
組み立ては図20〜図21(a)(b)の工程で行われる。
先ず、図20に示すように、第1,第3側板S1,S3を第1,第2折線L1,L2で内側に折り曲げるとともに、第1フラップF1を第4折線L4で内側に折り曲げ、更にフラップF4を第1側板S1の外側に被せて、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合させる。これによって、図21(a)に示すように第1,第2,第3側板S1,S2,S3を筒状態に係止できる。
次ぎに、図21(b)に示すように、第5折線L5で折り曲げて第2フラップF2を第1フラップF1の上に折り返す。そして、第1フラップF1を第3フラップF3を第6折線L6で折り曲げて、第3フラップF3の先端52を矢印53で示すように第2フラップF2の係合孔51に差し込む。化粧用ブラシ2の筆穂2bを包装した状態を図22に示す。
− 実施例2 −
実施例2の展開図を図15に示す。
【0046】
実施例3では第1フラップF1と第2フラップF2が、第1側板S1と第2側板S2を介して接続されていたが、この実施例2では、第1フラップF1と第2フラップF2の間に設けた連結面54によって更に連結されている。
【0047】
組み立ては図16〜図17(a)(b)の工程で行われる。
先ず、図16に示すように、第1,第3側板S1,S3を第1,第2折線L1,L2で内側に折り曲げるとともに、第1フラップF1を第4折線L4で内側に折り曲げ、更にフラップF4を第1側板S1の外側に被せて、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合させる。これによって、図17(a)に示すように第1,第2,第3側板S1,S2,S3を筒状態に係止できる。
【0048】
次ぎに、図17(b)に示すように、第5折線L5で折り曲げて第2フラップF2を第1フラップF1の上に折り返す。そして、第3フラップF3を第6折線L6で折り曲げて、第3フラップF3の先端を第2フラップF2の係合孔51に差し込む。化粧用ブラシ2の筆穂2bを包装した状態を図18に示す。
【0049】
この実施例2の場合には、第1フラップF1と第2フラップF2が連結面54によって連結されているため、係合孔51の大きさを実施例3に比べて大きくできる。また、略三角形の収納空間Kが潰れないように実施例3の場合よりも大きな外力に対向することができ、筆穂2bの形状を実施例3の場合よりも確実に保護できる。
− 実施例1 −
実施例1の展開図を図10に示す。
【0050】
実施例1では、実施例2に無かった補助側板S4と補助フラップF5が追加されている。補助側板S4は、第1側板S1の第2側板S2が接続された辺とは反対側の辺に折線L7で接続して設けられている。補助フラップF5は、第1フラップF1の第2フラップF2が接続された辺とは反対側の辺に折線L8で接続して設けられている。
【0051】
組み立ては図11〜図13(a)(b)の工程で行われる。
先ず、図11に示すように、第1,第3側板S1,S3を第1,第2折線L1,L2で内側に折り曲げるとともに、補助側板S4を折線L7で内側に折り曲げる。更に、第1フラップF1を第4折線L4で内側に折り曲げ、折線L8で折り曲げた補助フラップF5を図12に示すように補助側板S4の外側に折り返す。次ぎに、第3側板S3を補助側板S4の外側に被せ、フラップF4を第1側板S1の外側に被せて、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合させる。
【0052】
これによって、図13(a)に示すように第1,第2,第3側板S1,S2,S3を筒状態に係止できる。
次ぎに、折線L8と第5折線L5で折り曲げた補助フラップF5と第2フラップF2を第1フラップF1の上に折り返す。そして第3フラップF3の先端52を、矢印53で示すように第2フラップF2の係合孔51に差し込む。化粧用ブラシ2の筆穂2bを包装した状態を図14に示す。
【0053】
この実施例1の場合には、補助フラップF5が補助側板S4の先端に係合し、かつ補助側板S4の先端に係合した補助フラップF5が、第3側板S3と補助側板S4とで挟まれて位置決めされているため、略三角形の収納空間Kが潰れないように実施例2の場合よりも更に大きな外力に対向することができ、筆穂2bの形状を実施例2の場合よりも確実に保護できる。
【0054】
図13(b)では、第1,第2,第3側板S1,S2,S3を折り曲げて筒状にした先端の開口を、第3フラップF3の先端を第2フラップF2に係合させて第1,第2,第3フラップF1,F2,F3によって閉塞状態する部分は、第3フラップF3の先端52を第2フラップF2の係合孔51に差し込んで収納空間Kを構成したが、図23に示すように第2フラップF2の裏面と連結面54との間の隙間55に、第3フラップF3の先端52を差し込んで収納空間Kを構成することもできる。なお、この止め方の場合には係合孔51を第2フラップF2に設けなくても良い。実施例2においても隙間55に、第3フラップF3の先端52を差し込んで収納空間Kを構成することもできる。
【0055】
上記の実施の形態5において、第1,第2,第3側板S1,S2,S3を第1,第2折線L1,L2で折り曲げて筒状態に係止する係止部を、面ファスナ片P1と面ファスナ片P2、または挿入片Qと挿入孔Rなどで構成したが、接着剤または粘着テープなどで第1,第2,第3側板S1,S2,S3を筒状態に係止するように構成することもできる。または、第1,第2,第3側板S1,S2,S3を第1,第2折線L1,L2で折り曲げて筒状態の外側を取り巻く環状ベルトや、第1,第2,第3側板S1,S2,S3を第1,第2折線L1,L2で折り曲げて筒状態の外側を取り巻く袋によって構成することもできる。
【0056】
(実施の形態6)
図24〜図29は本発明の実施の形態6を示す。
− 実施例1 −
上記の各実施の形態3では、第1,第2,第3側板S1,S2,S3で形成された包装容器本体60の先端の開口Zを閉塞状態にして収納空間Kを形成したが、この実施の形態6では前記筒状体の外周部の角部の角度を小さくして丸みを持たせるために、4枚以上の側板の場合を示している。ここでは側板が6枚の場合を説明する。
【0057】
図24の展開図に示すように、第1折線L1〜第5折線L5によって接続されている第1側板S1〜第6側板S6の先端には、第6折線L6〜第11折線L11によって第1フラップF1〜第6フラップF6が接続されている。第1側板S1の第2側板S2との接続されている反対側の辺には、第6側板S6の内側に被せられるフラップF7が折線L0で接続されている。フラップF7の一部には両面接着テープ61が貼り付けられている。
【0058】
このシート状の材料は、図25に示すように第1折線L1〜第5折線L5で第1側板S1〜第6側板S6とフラップF7を筒状にして、両面接着テープ61によってフラップF7が第6側板S6の内側に貼り付けられている。さらに、第1フラップF1〜第6フラップF6は第6折線L6〜第11折線L11において、図26に示すようにそれぞれが接続されている第1側板S1〜第6側板S6に対して90°に折り曲げられ、第1側板S1〜第6側板S6で形成されている筒状体の先端の開口部を被って閉塞している。
【0059】
図27に示すように、第1フラップF1〜第6フラップF6は、隣接するフラップの下側に交互に挿入されている。具体的には、第6フラップF6の片側である左半分が第5フラップF5の下側に挿入され、第5フラップF5の左半分が第4フラップF4の下側に挿入され、第4フラップF4の左半分が第3フラップF3の下側に挿入され、第3フラップF3の左半分が第2フラップF2の下側に挿入され、第2フラップF2の左半分が第1フラップF1の下側に挿入され、第1フラップF1の左半分が第6フラップF6の下側に挿入されている。
【0060】
このように第1フラップF1〜第6フラップF6は、隣接するフラップの下側に交互に挿入することによって筒状体の先端の開口部を被って閉塞している。この状態から化粧用ブラシ2を収納空間Kに収納する際には、基端Bの開口を片方の掌で受けながら、図28に示すように、筆軸2aを掴んだ化粧用ブラシ2を閉塞状態の第1フラップF1〜第6フラップF6の上に差し込んで離すと、第1フラップF1〜第6フラップF6は、シート材の腰の強さが化粧用ブラシ2の自重に負けて、基端の第6折線L6〜第11折線L11から先端部分が、収納空間Kに向かって弾性変形して、開口が開いて化粧用ブラシ2が収納空間Kに入って収納される。化粧用ブラシ2が通過した第1フラップF1〜第6フラップF6は元の位置に自己復帰する。
【0061】
ここで基端Bの開口の大きさは、化粧用ブラシ2の筆軸2aの中間部の最大径よりも僅かに小さくなるように加工されており、収納空間Kに入った化粧用ブラシ2は、受けていた掌を外しても脱落しない。第6側板S6とフラップF7との重ね合わせられている部分には、両面接着テープ61によって貼り合わせられていない部分があるため、化粧用ブラシ2を基端Bの開口を通して取り出す際には、基端Bの開口から露出した筆軸2aを掴んで引っぱると、この部分が拡がることで化粧用ブラシ2の筆軸2aの最大径の部分が通過して取り出すことができる。
− 実施例2 −
図26では第1フラップF1〜第6フラップF6を第1側板S1〜第6側板S6に対して90°に折り曲げた場合を説明したが、図29に示すように90°よりも大きく折り曲げて開口を閉塞するように構成することもできる。
【0062】
上記の説明では第6側板S6とフラップF7との重ね合わせられている部分には、両面接着テープ61によって貼り合わせられていない部分があったが、収納空間Kに収納するものに応じては、第6側板S6とフラップF7との重ね合わせられている部分の全部を両面接着テープ61によって貼り合わせたり、または第6側板S6とフラップF7との重ね合わせられている部分の少なくとも先端と基端を両面接着テープ61によって貼り合わせて構成することもできる。
【0063】
上記の実施の形態6では、第6側板S6とフラップF7の一部または全部を両面接着テープ61によって貼り合わせたが、両面接着テープ61を使用せずに、第6側板S6とフラップF7の一部を熱溶着したり、あるいはその他の実施の形態に見られた面ファスナ片P1と面ファスナ片P2を係合によって連結することもできる。
【0064】
上記の説明では第1側板S1〜第6側板S6と第1フラップF1〜第6フラップF6はシート材に一体に形成されていたが、筒状形成体の先端に、この先端の開口を閉塞するように、第1フラップF1〜第6フラップF6の基端を貼り付けて構成することもできる。
【0065】
上記の各実施の形態では、樹脂シート素材の一例として、単体のポリプロピレンシートの場合を例に挙げて説明したが、その他の樹脂シートの場合、樹脂シートの少なくとも一部を別素材でラミネートした場合でも同様に実施できる。ラミネートに使用する具体的な素材としては、織布,不織布,紙などを使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、化粧用ブラシなどの商品のように軸の先端に形成された保護対象を確実に包装することができ、壊れやすい商品の流通中だけでなく、商品の保管に有効である。
【符号の説明】
【0067】
1 包装容器
2 化粧用ブラシ
2a 筆軸
2b 筆穂
F1,F2,F3 第1,第2,第3フラップ
m1,m2 切り欠き
S1,S2,S3 第1,第2,第3側板
L1〜L6 第1〜第6折線
P1,P2 面ファスナ片
K 収納空間
Q 挿入片
R 挿入孔
V1,V2,V3 突部
Z 開口
S4 補助側板
F5 補助フラップ
L7,L8 折線
51 係合孔
52 第3フラップF3の先端
54 連結面
55 隙間
60 包装容器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの接続辺を第1折線として内側に折り曲げられた第1,第2側板と、
前記第2側板の前記第1側板との接続された辺とは別の辺に接続され、この接続辺を第2折線として前記第1側板と同じ内側に折り曲げられた第3側板と、
前記第1側板の先端に接続され前記内側に向かって折り曲げられた第1フラップと、
前記第2側板で前記第1フラップが接続された前記第1側板の前記先端と同じ側に設けられ前記内側に向かって折り曲げられた第2フラップと、
前記第3側板で前記第2フラップが接続された前記第2側板の前記先端と同じ側に設けられ前記内側に向かって折り曲げられた第3フラップと、
前記第2側板と前記内側に折り曲げられた前記第1,第3側板を前記第1,第2折線で折り曲げられ筒状を形成した状態に係止する係止部と
を設け、さらに、前記第1,第2,第3側板で形成された前記筒状の先端の開口を、折り曲げられた前記第1,第2,第3フラップの先端を係合させて閉塞状態にして収納空間を形成した
包装容器。
【請求項2】
前記第1,第2,第3フラップのうちの2つのフラップの先端に切り込みを形成し、残りのフラップの先端を前記切り込みに係合させて、前記筒状の先端の開口を閉塞状態にした
請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
前記第2フラップの上に折り曲げられた前記第3フラップの上に前記第1フラップを折り返し、かつ前記第1フラップの先端を前記第2フラップの下側を通過して前記第3フラップの上に係合させて、前記筒状の先端の開口を前記第1,第2,第3フラップによって閉塞状態にした
請求項1記載の包装容器。
【請求項4】
前記第1フラップの上に前記第2フラップを折り曲げ、前記第2フラップの上に前記第3フラップを折り返し、かつ前記第3フラップの先端を前記第2フラップに係合させて、前記筒状の先端の開口を前記第1,第2,第3フラップによって閉塞状態にした
請求項1記載の包装容器。
【請求項5】
前記第1フラップと前記第2フラップの間に形成された連結面を設け、
前記第1フラップの上に前記連結面を折り曲げ、
前記連結面の上に前記第2フラップを折り返した
請求項4記載の包装容器。
【請求項6】
前記第1側板の前記第2側板が接続された辺とは反対側の辺に互いの接続辺を折線として内側に折り曲げられた補助側板を設け、
前記第1フラップの前記第2フラップが接続された辺とは反対側の辺に内側に折り曲げられる補助フラップを設け、
前記第1フラップと前記補助側板が内側に折り曲げられた状態で前記補助フラップの先端が補助側板の外面に係合し、かつ前記第3側板が前記補助フラップと補助側板の外面を覆っている
請求項1記載の包装容器。
【請求項7】
前記収納空間は、前記第1,第2,第3側板の前記第1,第2,第3フラップが設けられた先側と反対側の基端が開放されている
請求項1記載の包装容器。
【請求項8】
筒状の包装容器本体と、
各先端が前記包装容器本体の前記一端開口の内側に向かって延び、各基端が前記包装容器本体の一端開口の外周部に接続された複数枚のフラップとを有し、
前記複数枚のフラップの一部は、隣接するフラップの下側に交互に挿入されて前記一端開口を閉塞状態にして、前記包装容器本体の内側に収納空間を形成している
包装容器。
【請求項9】
前記包装容器本体は、複数の側板を折り曲げ線で連接したシートの前記連接方向の一端と他端を接合して構成され、
フラップは、前記シートの先端に接続された折り曲げ片の先端を前記側板に対して内側に向かって折り曲げて構成されている
請求項1記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−35597(P2013−35597A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236564(P2011−236564)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(593171949)友田技研工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】