説明

包装容器

【課題】十分な記憶容量を備えた小型の情報記録媒体が添付され、当該情報記録媒体を、内容物を開封状態にすることなく取り出すことができるとともに容易に再生することのできる、包装容器を提供する。
【解決手段】包装容器は、ジッパーを有するカートンと、前記カートンに前記カートンの外部に突出するように取り付けられたスパウトと、前記スパウトに保持された、USBメモリあるいはカード型メモリからなる情報記録媒体と、前記スパウトを、前記情報記録媒体を内部に収容するように封栓するキャップと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物が密封充填される包装容器に関し、より特定的には、内容物に加えて情報記録媒体が添付されたカートンを備える包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食料品、飲料品、日用品、医薬品などを収容する包装容器に、これら内容物に加えて情報記録媒体を添付する技術が開示されている。当該情報記録媒体には、商品情報、キャンペーン情報、映像、音楽、ゲームといった商品の購入者に対して提供する情報が格納されている。購入者は、購入商品の開梱とともに情報記録媒体の取り出しが可能であり、情報記録媒体を再生機器で再生することにより、製造元あるいは販売元から提供された情報を取得することができる。
【0003】
特許文献1には、図9に示すように、カップ本体101の中に商品102と個包装された情報記録媒体103とが収容されるとともに蓋体104によりカップ本体101の開口部が密封された構成の包装容器P1が記載されている。ここでは、情報記録媒体103としてCDやDVDなどのディスク状の記録媒体が挙げられている。また、情報記録媒体103の個包装として、情報記録媒体103をプラスチックフィルム等で作製された袋体P2の中に収納することが行われている。
【0004】
また、上記特許文献1の技術とは別に、商品や製品に関する情報が記録された媒体が商品あるいは製品に付加される例として、包装容器にICチップや無線ICタグを取り付ける技術が一般的に実施されている。
【0005】
また、情報記録媒体を添付する代わりに、包装容器に二次元バーコード等の読取りマークを印刷することも行われている。この場合には、商品の購入者に携帯端末のカメラ等を用いて当該読み取りマークを読み取らせる。そして、購入者にこれにより得たインターネットアドレスにアクセスさせることで、製造元あるいは販売元から購入者に商品情報やキャンペーン情報を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−27710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1の技術のように、内容物が密封される容器と同じ容器内に情報記録媒体が収容される構成では、商品の購入者は内容物を開封状態としなければ情報記録媒体から情報を取得することができない。従って、商品購入後にまず提供された情報だけを閲覧あるいは視聴して、内容物は後で開封したいという購入者の要望に応えることができない。また上記の収容態様では、購入者は、情報記録媒体の情報を再生するまでに、包装容器全体の開封を行って情報記録媒体を商品とは選別して取り出し、さらに情報記録媒体を個別の包装体から取り出してから、再生機器に装填する動作を行うこととなる。従って、購入者は、情報記録媒体を商品自体から分離するための多くのアクションを強いられ、情報再生意欲を削がれやすい。
【0008】
一方、包装容器にICチップや無線ICタグを取り付けることによる情報記録媒体の添付については、これら情報記録媒体は、内容物と分離された箇所に配置され得るものの、記憶容量が小さい上に、一般の購入者がこれらの情報記録媒体を読み取る装置を有していないことから、購入者向けの汎用の情報記録媒体としては採用しにくい。また、CDやDVDなどのディスク状の記録媒体は、大容量であって汎用の再生装置が普及しているが、包装容器に添付するには嵩張るほどの大きさであるので、単に貼り付けたり同梱したりする程度に留まり、購入者による取り扱いの利便性を配慮した添付レイアウトを提供するまでには至っていない。
【0009】
さらに、包装容器に二次元バーコード等の読取りマークを印刷することによる情報提供方法には、購入者に読取りマークを読み取る手間をかけさせることになるとともに、インターネットへの接続環境が整備されていない場所ではサービスを利用することができないという不都合が発生する。従って、この方法を情報記録媒体の包装容器への添付に代えることは難しい。
【0010】
以上のように、情報記憶媒体が添付された従来の包装容器には、十分な記憶容量を備えた小型の情報記録媒体を、内容物を開封状態にすることなく取り出すことができるとともに容易に再生可能なように添付する技術が提案されていなかった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するものであり、十分な記憶容量を備えた小型の情報記録媒体が添付され、当該情報記録媒体を、内容物を開封状態にすることなく取り出すことができるとともに容易に再生することのできる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ジッパーを有するカートンと、前記カートンに前記カートンの外部に突出するように取り付けられたスパウトと、前記スパウトに保持された、USBメモリあるいはカード型メモリからなる情報記録媒体と、前記スパウトを、前記情報記録媒体を内部に収容するように封栓するキャップと、を備えている包装容器である。
【0013】
また、本発明は、ジッパーを有するカートンと、前記カートンに前記カートンの外部に突出するように取り付けられたスパウトと、前記スパウトを封栓するキャップと、前記キャップが前記スパウトを封栓した状態で前記スパウト内に収容されるように前記キャップ内に保持された、USBメモリあるいはカード型メモリからなる情報記録媒体とを備えている包装容器である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、USBメモリあるいはカード型メモリという小型大容量の情報記録媒体が、カートンに取り付けられたスパウトとスパウトを封栓したキャップとの内部に収容されることで包装容器に一体化された状態に添付されている。内容物はジッパーを引き裂いて取り出せる袋体等に別途収容可能であるので、当該情報記録媒体は、前記キャップを外すことにより、内容物を開封状態にすることなく取り出すことが可能である。また、情報記録媒体がUSBメモリまたはカード型メモリであるので、包装容器から情報記録媒体を取り出した開封者は、身近な情報再生機器によって即座に情報を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る包装容器のキャップを外した状態の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1の包装容器のキャップを取り付けた状態の外観構成を示す斜視図である。
【図3】図1の包装容器の口栓付近の構成を示す透視端面図である。
【図4】図1の包装容器から取り出した情報記録媒体を情報再生機器に接続する状態を説明する図である。
【図5】図1の包装容器から内容物を取り出すときの状態を説明する図である。
【図6】図1の包装容器のカートンにスパウトを取り付ける工程を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態の変形例に係る包装容器における口栓付近の構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態の他の変形例に係る包装容器の外観構成を示す斜視図である。
【図9】従来技術を示すものであり、包装容器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図1ないし図8を用いて説明すれば以下の通りである。
【0017】
〔包装容器の構成〕
図1に、本実施形態に係る包装容器1の外観斜視図を示す。
包装容器1は、カートン2、キャップ3、スパウト4、および、情報記録媒体5を備えている。カートン2はジッパー20を有している。
【0018】
カートン2は、図2に示すように、カートン紙が折り込まれて組み立てられることにより、上面壁2a、底面壁2b、側面壁(第1の側面壁)2c、側面壁(第2の側面壁)2d、側面壁(第3の側面壁)2e、側面壁(第4の側面壁)2f、および、傾斜面壁2gに囲まれた形状をなす。側面壁2cと側面壁2dとは互いに対向しており、側面壁2eと側面壁2fとは互いに対向している。側面壁2cと側面壁2dとが対向する方向と、側面壁2eと側面壁2fとが対向する方向とは、互いに直交している。上面壁2a、底面壁2b、側面壁2c、および、側面壁2dは、直角四辺形状の拡がりとカートン紙の厚みに応じた厚みとを有する。
【0019】
側面壁2cは、底面壁2bから上面壁2aと底面壁2bとの間の高さHまで設けられている。傾斜面壁2gは、外面側が仰角に傾斜しており、傾斜上端で上面壁2aに隣接するとともに、高さHに位置する傾斜下端で側面壁2cに隣接している。このように、側面壁2cは、底面壁2b、側面壁2e、側面壁2f、および、傾斜面壁2gに隣接しており、直角四辺形の一角がカットされた五角形状の拡がりとカートン紙の厚みに応じた厚みとを有している。また、側面壁2dは、上面壁2a、底面壁2b、側面壁2e、および、側面壁2fに隣接しており、直角四辺形の一角がカットされた五角形状の拡がりとカートン紙の厚みに応じた厚みとを有している。側面壁2eと側面壁2fとはそれぞれ、上面壁2a、底面壁2b、側面壁2c、側面壁2d、および、傾斜面壁2gに隣接している。
【0020】
上記の上面壁2a、底面壁2b、側面壁2c、側面壁2d、側面壁2e、側面壁2f、および、傾斜面壁2gは、それぞれ、フラップを付帯するあるいは付帯しない1つの面板で構成されていてもよいし、複数のフラップが重ねて貼り合されるように構成されていてもよいし、複数のフラップが噛み合うように構成されていてもよい。これらの面壁の構成は一般に知られているカートンの構成形態で実現可能であるため、ここでは詳述しない。
【0021】
ジッパー20は、ジッパー帯21、ミシン目(第1のミシン目)22、および、ミシン目(第2のミシン目)23からなる。ジッパー帯21は、側面壁2eの、高さHより低い位置に、側面壁2cと側面壁2dとの間を亘るように設けられている。ここでは、ジッパー帯20は、側面壁2cに至る一端から側面壁2dに至る他端に向って、高さ方向に直交する横方向に引き裂き可能なように設けられているが、引き裂きの向きは逆に設定されていてもよい。
【0022】
ミシン目22は、側面壁2cの高さHより低い位置において、ジッパー帯22の前記一端と連接しているとともに、当該一端から側面壁2fとの境界まで斜め上方向に延伸するように形成されている。ミシン目23は、側面壁2dの高さHより低い位置において、ジッパー帯22の前記他端と連接しているとともに、当該他端から側面壁2fとの境界まで斜め上方向に延伸するように形成されている。ミシン目22およびミシン目23の両方とも、ジッパー帯21を形成する上下に対をなすミシン目のうちの上側のミシン目に連接している。
【0023】
側面壁2fには、ミシン目22の側面壁2f上での終端と、ミシン目23の側面壁2f上での終端とを結ぶ折罫24が予め形成されている。ジッパー帯22を引き裂き、ミシン目22・23を破断した後に、折罫24を軸としてカートン2の上部側を側面壁2e側から側面壁2f側に倒すことで、カートン2の開封を行うことができる。
【0024】
このように、上記例では、側面壁2eはカートン2の前面に相当し、側面壁2fはカートン2の後面に相当する。なお、側面壁2fにジッパー帯を形成して側面壁2fをカートン2の前面とし、側面壁2eをカートン2の後面としてもよい。
【0025】
スパウト4は、カートン2の傾斜面壁2gに取り付けられている。キャップ3はスパウト4を封栓する。キャップ3とスパウト4とは樹脂製であり、両者の組合せにより口栓が構成されている。当該口栓は、カートン2の内容物の取り出しには用いられず、情報記録媒体5の収容に用いられる。
【0026】
図3に示すように、スパウト4は、外周面にネジを有する円筒状の本体4aと、本体4aの底部に接続されたフランジ4bとを備えている。フランジ4bは本体4aよりも大径のリング状あるいは円盤状の部材である。本体4aは、傾斜面壁2gに形成された、フランジ4bよりも小径の孔を通して傾斜面壁2gの裏面側から挿し込まれている。フランジ4bが傾斜面壁2gの裏面に溶着されることにより、スパウト4が傾斜面壁2gに取り付けられている。
【0027】
図1および図3に示すように、情報記録媒体5はスパウト4に保持されている。詳細には、情報記録媒体5は、本体4aの内側に、コネクタ5aがスパウト4内からカートン2の外側に向って突出した状態で、樹脂により埋め込まれることによって固着されている。
【0028】
キャップ3は、一端が閉塞された円筒状の部材からなる。キャップ3の内周には、スパウト4の本体4aのネジと螺合するネジ溝が形成されている。図2および図3に示すように、キャップ3がスパウト4の本体4aに螺嵌された状態では、キャップ3は情報記録媒体5を内部に収容する。なお、キャップ3とスパウト4とは螺嵌により口栓を構成している必要はなく、どのような係合形態でもよい。また、これらの口栓に再封性が備わっている必要もない。
【0029】
情報記録媒体5は、USBメモリあるいはカード型メモリからなる。すなわち、情報記録媒体5は、パーソナルコンピュータ、携帯端末などのコンピュータ構成を有する機器に備えられたインタフェース・コネクタへの接続によって情報再生機器に接続可能な小型大容量のメモリである。図1には情報記録媒体5としてUSBメモリを備える例が示されている。これらUSBメモリおよびカード型メモリとしてフラッシュメモリを内蔵したものが一般的に使用可能である。カード型メモリの形態としては、一般にメモリカードと呼ばれるフラッシュメモリを内蔵したものの他に、磁気抵抗メモリ、強誘電体メモリ、相変化メモリなど、考えられる任意の種類のメモリデバイスが使用可能である。また、カード型メモリにUSBコネクタが付属していてもよい。
【0030】
図3に一点鎖線で示すように、上面壁2aの延長面と、側面壁2cの延長面と、側面壁2eの延長面と、側面壁2fの延長面と、傾斜面壁2gとで囲まれる仮想空間K内に、口栓、すなわち、スパウト4とスパウト4を封栓したキャップ3とが収まっている。この構成によれば、口栓が包装容器1の包絡的な形状である直方体状の占有空間から飛び出すことがない。従って、包装容器1の搬送や運搬に際して、複数の包装容器1が積載されたり、並べられたり、梱包されたりしても、包装容器1どうしが干渉することがない。
【0031】
図4に示すように、口栓の開封者は、スパウト4から露出したコネクタ5aをそのまま、ノート型、携帯型、デスクトップ型、タブレット型などのパーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、PHS、電子手帳などの携帯端末、あるいは、パーソナルコンピュータや携帯端末に接続された周辺機器、といった情報再生機器10のインタフェース・コネクタ10aに接続することができる。例えば、情報記録媒体5がUSBメモリであれば、コネクタ5aはインタフェース・コネクタ10aとしてのUSB接続端子に挿入される。また、情報記録媒体5がカード型メモリであれば、情報記録媒体5をスパウト4から取り外せるようにしておくことで、情報記録媒体5をインタフェース・コネクタ10aとしてのカードスロットあるいはカードアダプタに装着することができる。なお、USBメモリとしての情報記録媒体5がスパウト4から取り外し可能であってもよい。また、情報記録媒体5がUSBコネクタの付属したカード型メモリであれば、情報記録媒体5をスパウト4に対して固着してあるいは取り外し可能として、コネクタ5aはインタフェース・コネクタ10aとしてのUSB接続端子に挿入される。
【0032】
小型大容量の情報記録媒体5には予め、商品自体の情報、販売メーカーの広告、キャンペーン情報などが格納されている。また、商品に関連した映像、ゲーム等も格納対象となる。情報記録媒体5は、キャップ3とスパウト4とで構成される口栓内に備えられているので、内容物を開封することなく取り出すことが可能である。また、情報記録媒体5がUSBメモリまたはカード型メモリであるので、包装容器1から情報記録媒体5を取り出した開封者は、対応するインタフェース・コネクタ10aを標準装備していることが多い身近な情報再生機器10によって即座に情報を再生して、メッセージや映像を閲覧したりゲームを楽しんだりすることができる。情報記録媒体5は、CDやDVDなどのディスク状の記録媒体のように包装容器に添付するのに嵩張ることはない。また、包装容器に取り付けられたICチップや無線ICタグよりも十分に大きな記憶容量を有している。また、情報記録媒体5が包装容器1に添付されることにより、2次元バーコードなどの読取りマークの読み取りのような面倒な作業やインターネット接続環境も不要である。
【0033】
開封者は、内容物を取り出すときには、図5に示すように、ジッパー帯21を引き裂き、ミシン目22・23を破断することによりカートン2を開封する。続いて、カートン2の上部側を前面側から後面側に倒し、カートン2の開口から内容物を収容した袋体50を取り出す。
【0034】
〔スパウトの取付け工程〕
図6に、カートン2にスパウト4を取り付ける工程の一例を示す。
【0035】
本体4a内に予め情報記録媒体5が樹脂で埋め込まれたスパウト4は、折り込みが完了していないカートン紙2’に前述のように孔を通して裏面側から挿し込まれる。このとき、上面壁2aや傾斜面壁2gはまだ折り込まれていない状態であり、傾斜面壁2gとなる面は側面壁2cとなる面と同じ面上にある。
【0036】
スパウト4は、一般に用いられる口栓溶着装置によってカートン紙2’に溶着可能である。図6に示すように、カートン紙2’は、例えば、鉛直上方の位置Y1で口栓溶着装置のアンビルによって固定されるとともに、鉛直下方の位置Y2で搬送装置によって保持される。口栓溶着装置に備えられた超音波溶着手段の振動ホーン11が、先端に形成された凹部11a内に本体4aが収まるようにスパウト4にあてがわれる。これによりスパウト4に超音波振動が与えられ、加熱されたフランジ4bがカートン紙2’の熱溶融層と溶着される。
【0037】
〔包装容器の変形例〕
図7に、本実施形態の変形例に係る包装容器61の構成を、口栓付近について示す。
包装容器61は、包装容器1のキャップ3をキャップ31に、スパウト4をスパウト41に、それぞれ置き換えたものである。また、情報記録媒体5はキャップ31に保持されている。
【0038】
キャップ31は、キャップ3よりも短い円筒部分31aを備えている。円筒部分31aの内面には、スパウト41のネジと螺合するネジ溝が形成されている。情報記録媒体5は、コネクタ5aがキャップ3内から外部に向って突出した状態で、樹脂により埋め込まれることによってキャップ3に固着されている。なお、情報記録媒体5はキャップ3に取り外し可能に保持されていてもよい。スパウト41の円筒状の本体41aは、スパウト4の本体4aよりも長い側壁を有しており、本体41aのネジは側壁の開口端側からキャップ31のネジ溝と係合する途中までの範囲のみに設けられている。スパウト41のフランジ41bはスパウト4のフランジ4bと同様の構成である。
【0039】
本体41aが長い側壁を有しているので、キャップ31がスパウト41を封栓した状態において、情報記録媒体5はスパウト41内に収容される。
【0040】
図7の場合にも、開封者は、キャップ31から露出したコネクタ5aをそのまま情報再生機器10のインタフェース・コネクタ10aに接続することができる。情報記録媒体5にキャップ31が付着しているだけであるので、開封者は情報記録媒体5をカートン2から離れた別の所望する場所で保管することができる。
【0041】
また、情報記録媒体5が、スパウト4あるいはキャップ31から取り外して単体で利用することができるように保持されている場合にも、情報の再生の容易さおよび迅速さは従来技術として説明したものよりも向上する。情報記録媒体5が、成形された樹脂の嵌め込み部に対して着脱可能に形成されているような場合には、開封者は、情報記録媒体5を、カートン2あるいはキャップ31との一体性を保持した状態で使用するか、単体で使用するかを選択することができる。図7に示す方法は、情報記録媒体5を単体で使用することとほぼ等しい。情報記録媒体5の全体がカードスロット内やアダプタ内に収容されて情報の再生が行われるような場合には、上記のように情報記録媒体5がスパウト4あるいはキャップ31から単体で取り出せると好都合である。
【0042】
図8に、本実施形態の他の変形例に係る包装容器71の構成を示す。
包装容器71は、包装容器1において、傾斜面壁2gに、スパウト4が取り付けられている領域を囲むミシン目25が形成された構成である。この構成によれば、ミシン目25を破断することにより、カートン2から、情報記録媒体5を保持したスパウト4あるいはキャップ3とスパウト4との組合せからなる口栓を、分離して取り出すことができる。従って、開封者は情報記録媒体5を口栓内に封栓したまま保管することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の包装容器は、カートンに詰めた食品、医薬品などの物品に、販売促進効果や消費者とのコミュニケーション性を付加することに特に利用効果がある。
【符号の説明】
【0044】
1 包装容器
2 カートン
2a 上面壁
2b 底面壁
2c 側面壁(第1の側面壁)
2d 側面壁(第2の側面壁)
2e 側面壁(第3の側面壁)
2f 側面壁(第4の側面壁)
3 キャップ
4 スパウト
5 情報記録媒体
5a コネクタ
10 情報再生機器
20 ジッパー
21 ジッパー帯
22 ミシン目(第1のミシン目)
23 ミシン目(第2のミシン目)
25 ミシン目(スパウトが取り付けられている領域を囲むミシン目)
31 キャップ
41 スパウト
61 包装容器
71 包装容器
H 高さ
K 仮想空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジッパーを有するカートンと、
前記カートンに前記カートンの外部に突出するように取り付けられたスパウトと、
前記スパウトに保持された、USBメモリあるいはカード型メモリからなる情報記録媒体と、
前記スパウトを、前記情報記録媒体を内部に収容するように封栓するキャップと、を備えていることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記情報記録媒体は、情報再生機器に接続するためのコネクタが前記スパウト内から前記カートンの外側へ向って突出した状態で、前記スパウトに固着されていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記カートンは、1つの上面壁、1つの底面壁、第1の側面壁、前記第1の側面壁と対向する第2の側面壁、前記第1の側面壁および前記第2の側面壁に隣接する第3の側面壁、前記第1の側面壁および前記第2の側面壁に隣接するとともに前記第3の側面壁と対向する第4の側面壁、および、1つの傾斜面壁によって囲まれた形状であり、
前記第1の側面壁は、前記底面壁に隣接するとともに、前記底面壁から前記上面壁と前記底面壁との間の高さまで設けられており、
前記傾斜面壁は、外面側が仰角に傾斜しており、傾斜上端で前記上面壁に隣接するとともに、前記高さに位置する傾斜下端で前記第1の側面壁に隣接しており、
前記第2の側面壁は、前記上面壁および前記底面壁に隣接しており、
前記第3の側面壁と前記第4の側面壁とはそれぞれ、前記上面壁、前記底面壁、および、前記傾斜面壁に隣接しており、
前記傾斜面壁に前記スパウトが取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記上面壁の延長面と、前記第1の側面壁の延長面と、前記第3の側面壁の延長面と、前記第4の側面壁の延長面と、前記傾斜面壁とで囲まれる仮想空間内に、前記スパウトと前記スパウトを封栓したキャップとが収まっていることを特徴とする請求項3に記載の包装容器。
【請求項5】
前記第3の側面壁と前記第4の側面壁とのうちの一方を前記カートンの前面とするとともに他方を前記カートンの後面としたときに、
前記ジッパーは、
前記前面の前記高さより低い位置に、前記第1の側面壁と前記第2の側面壁との間を亘るように設けられたジッパー帯と、
前記第1の側面壁の前記高さより低い位置において、前記ジッパー帯の前記第1の側面壁に至る一端に連接しているとともに、前記一端から前記後面との境界まで斜め上方向に延伸するように形成されている第1のミシン目と、
前記第2の側面壁の前記高さより低い位置において、前記ジッパー帯の前記第2の側面壁に至る他端に連接しているとともに、前記他端から前記後面との境界まで斜め上方向に延伸するように形成されている第2のミシン目とからなることを特徴とする請求項3または4に記載の包装容器。
【請求項6】
前記第1の面に、前記スパウトが取り付けられている領域を囲むミシン目が形成されていることを特徴とする請求項3から5までのいずれか1項に記載の包装容器。
【請求項7】
ジッパーを有するカートンと、
前記カートンに前記カートンの外部に突出するように取り付けられたスパウトと、
前記スパウトを封栓するキャップと、
前記キャップが前記スパウトを封栓した状態で前記スパウト内に収容されるように前記キャップ内に保持された、USBメモリあるいはカード型メモリからなる情報記録媒体とを備えていることを特徴とする包装容器。
【請求項8】
前記情報記録媒体は、情報再生機器に接続するためのコネクタが前記キャップの外部に突出した状態で前記キャップに固着されていることを特徴とする請求項7に記載の包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−56682(P2013−56682A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195499(P2011−195499)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】