説明

包装材の巻取紙を給紙するための装置及び方法

包装材の巻取紙3を経路Pに沿ってアプリケーション・ステーション26に向かって給紙する装置10が記載されており、包装材は、アプリケーション・ステーション26がそれぞれの開封装置4を付与する複数の積層加工前の孔を有し、装置10は、前記巻取紙3を経路Pに平行な第1の方向Aに沿って巻取紙3を前進させる前進手段11、12と、積層加工前の孔の位置に関連付けられた測定信号M1、M2、M3を発生するセンサ15と、測定信号M1、M2、M3に基づいて制御可能とされた第1のモータ14とを備え、第1のモータ14は、前進手段11、12を経路Pを横断する第2の方向Tに沿って移動させるため、前進手段11、12に動作可能に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用中に複数の開封装置を包装材のそれぞれの領域に付与するアプリケーション・ステーションに向かって、包装材の巻取紙を経路に沿って給紙する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、フルーツ・ジュース、UHT(超高温処理)ミルク、ワイン、トマト・ソースなどの注ぐことができる食品の多くは、滅菌包装材で作られた包装体で販売されている。
【0003】
このタイプの包装体の代表的な例は、テトラ・ブリック・アセプティック(登録商標)として知られる液体用又は注ぐことができる食品用の平行六面体の形状とされた包装体であり、この包装体は、積層ストリップ包装材を折り曲げて封をすることで製作される。
【0004】
この包装材は、例えば紙又はミネラル充填ポリプロピレン材料(mineral−filled polypropylene material)などの繊維性材料の層を含み得る、剛性及び強度のための基層と、この基層の両面を覆う、例えばポリエチレン・フィルムなどの熱シール樹脂材の複数の積層とを実質的に含む多層構造を有している。
【0005】
UHTミルクなどの長期保存品用の無菌包装体の場合には、包装材は、例えばアルミ箔又はエチル・ビニル・アルコール(EVOH)・フィルムなどのガス・バリア材の層も含んでいる。このガス・バリア材の層は、熱シール樹脂材の層に重ねられ、さらに、食品に接触することになる包装体の内側面を形成する熱シール樹脂材の別の層で覆われる。
【0006】
この種の包装体は、通常、全自動の包装機で製作され、包装機では、連続するチューブが巻取紙供給の包装材から形成される。包装材の巻取紙は、例えば、過酸化水素溶液などの化学滅菌剤を施すことによって包装機おいて滅菌され、この化学滅菌剤は、滅菌が完了すると、例えば、加熱によって蒸発させられ、包装材の表面から除去される。このように滅菌された包装材の巻取紙は、密閉された無菌環境中に維持され、縦方向に折り曲げられて封がされて垂直なチューブを形成する。
【0007】
このチューブは、滅菌された又は無菌処理された食品で充填されて封がされ、続いて、等間隔とされた横断面に沿って実質的に切断されてピロー・パック(pillow pack)を形成し、ピロー・パックは次に、機械的に折り曲げられ、例えば実質的に平行六面体形状とされた、完成した個々の包装体を形成する。
【0008】
代わりに、包装材がブランク(blank)に切断されてもよく、ブランクは成形スピンドル上で包装体に形成され、包装体は食品で充填されて封がされる。このタイプの包装体の一例は、商標名テトラ・レックス(登録商標)によって知られる、いわゆる「ゲーブル・トップ」包装体である。
【0009】
上記の包装体を開封するために、開封装置の様々な解決策が提案されてきた。
【0010】
開封装置の第1の解決策は、熱シール樹脂材の小さなシートによって画成されるパッチを含み、そのパッチは、巻取紙における包装体の内側を形成することになる側で、対応する孔の上に熱融着される。また、この第1の解決策は、包装材の反対側に付与され、パッチに熱融着された引き剥がし式のタブを含む。タブとパッチとは互いに接着されており、タブが引き剥がされるとき、タブに熱融着されたパッチの一部もまた取り外されて孔が現れる。
【0011】
また、第2の解決策は、巻取紙の孔に直接プラスチック材料を注入することで付与される、閉じることのできる開封装置を含む。この場合、アプリケーション・ステーションは成形ステーションである。
【0012】
最後に、開封装置の第3の解決策は、開口を画成し、包装材の貫通可能又は取り外し可能な部分の周りに装着されたフレームを含む。
【0013】
包装体の貫通可能な部分は、いわゆる「積層加工前の」孔、つまり、基層のみに形成された孔によって画成され、ガス・バリア材の層を含む他の積層によって覆われていてもよい。この場合もまた、アプリケーション・ステーションは成形ステーションである。
【0014】
より正確に言えば、巻取紙は、包装材工場で複数の積層加工前の孔を備え、次いで、包装機に供給される。
【0015】
次いで、巻取紙は包装機内でリールから巻き出される。その結果、巻取紙は、包装材が折り曲げられてチューブを形成する前に、アプリケーション・ステーションに段階的に給紙される。具体的には、巻取紙は、成形ステーションに向かって第1の方向に沿って給紙される。
【0016】
成形ステーションにおいて開封装置を成形するには、積層加工前の孔が成形ステーションに対して正しい位置に供給されることが必要とされる。
【0017】
しかしながら、例えば、リール内でのずれといったいくつかの理由のため、積層加工前の孔の実際の位置は、成形ステーションにおいて開封装置を正確に成形するために必要とされる理論的な位置とは異なる場合がある。
【0018】
したがって、巻取紙が成形ステーションに到達する前に、その巻取紙の位置を調整することが必要である。
【0019】
本発明と同一出願人名義の特許文献1には、包装機における包装材の巻取紙の位置を、第1の方向を横断する第2の方向に沿って調整する装置が開示されている。
【0020】
より詳細に言うと、包装材の巻取紙は、複数の駆動ローラ又は伝達ローラによって画定される経路に沿って、包装機を通って供給される。この経路は、具体的には、第1の方向と平行である。
【0021】
この装置は、第2の方向に沿って移動可能な送り台と、巻取紙を把持して第2の方向に移動させるための把持部材と、送り台を制御するモータとを備えている。
【0022】
装置はまた、巻取紙の位置を検出する1対のセンサと、それらのセンサに接続されており、モータを制御し、センサによって検出された値に応じて送り台を第2の方向に沿って移動させる制御ユニットとを備えている。
【0023】
包装材は、固定ローラによって支持されているのと同時に、把持部材によってそれらローラに対して移動させられることになるため、応力を受け、そのため損傷する可能性がある。
【0024】
当業界では、開封装置が正確な位置に付与されることになる領域を有する包装材をアプリケーション・ステーションに給紙しつつ、包装材を損傷させる危険性を減らす必要性を感じている。
【0025】
さらに、特許文献1に開示される装置の把持部材は、送り台に蝶着された支持板を有している。支持板には、使用中に巻取紙の端と協働するシューを支持するアームが装着されている。把持部材は、締結部材と、板から横断的に突出する補助アームとの間に張り渡された低剛性のばねの弾性力を受ける。板はまた、巻取紙の反対側で回転する遊動ローラが装着された2本のシャフトを支持している。したがって、把持部材は、使用中に、ばねの作用、シューに対する巻取紙の反作用、移動する巻取紙とローラとの間の摩擦力のバランスによって決まる位置で前方に傾斜する。
【0026】
また、当業界では、開封装置が正確な位置に付与されることになる領域を有する包装材をアプリケーション・ステーションに給紙しつつ、装置の全構成要素の数を減らす必要性を感じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】欧州特許出願公開第122169号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明の目的は、経路に沿ってアプリケーション・ステーションに向かって包装材の巻取紙を給紙し、上記で特定した要求のうちの少なくとも1つを満たすように考案された装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明によれば、請求項1に記載した、包装材の巻取紙を経路に沿ってアプリケーション・ステーションに向かって給紙する装置が提供される。
【0030】
本発明は、請求項9に記載した、包装材の巻取紙を経路に沿ってアプリケーション・ステーションに向かって給紙する方法にも関する。
【0031】
本発明の好ましいが限定されることのない実施例が、下記に示される添付の図を参照しつつ、例示として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】成形ステーションに給紙する本発明による装置を備え、包装材の巻取紙のそれぞれの積層加工前の孔に複数の開封装置を成形するユニットの斜視図である。
【図2】明確にするために部品を取り除いた図1の装置の拡大した斜視図である。
【図3】図1の装置のある特定物のさらに拡大した斜視図である。
【図4】図1の装置の別の特定物の拡大した斜視図である。
【図5】図1のユニットの別の装置の拡大した斜視図である。
【図6】図1のユニットのいくつかの構成要素を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1の番号1は、包装材の巻取紙3のそれぞれの積層加工前の孔に複数の開封装置4を成形するユニットの全体を示す。
【0034】
包装材は、殺菌された又はUHTのミルク、フルーツ・ジュース、ワインなどの注ぐことができる食品を入れるのに好ましい包装体を複数形成するためのものである。
【0035】
包装体にはまた、包装体を製作するときに包装材のチューブ内に注ぐことができ、包装体が封をされた後に固まる食品が入れられてもよい。このような食品の一例は一部のチーズであり、その一部のチーズは、包装体を製作するときに溶かされ、包装体が封をされた後に固まる。
【0036】
チューブは、既知の熱シール・シート材料の巻取紙3を縦方向に折り曲げて封をすることで、ユニット1の下流に既知の手法で形成される。熱シール・シート材料は、例えばポリエチレンなどの熱シール樹脂材の層で両側が覆われた紙材の層を有している。UHTミルクなどの長期保存品用の無菌包装体の場合には、包装材は、例えばアルミ箔の酸素バリア材の層を有する。この酸素バリア材の層は、食品と接する包装体の内側面を形成することになる1つ又は複数の熱シール樹脂材の層に重ねられる。
【0037】
次いで、包装材のチューブは、包装する食品で充填され、封がされて等間隔とされた横断面に沿って切断されて複数のピロー・パック(図示せず)を形成し、これらのピロー・パックは次に折り曲げユニットに移動され、そこで機械的に折り曲げられて個々の包装体を形成する。
【0038】
開封装置4の第1の解決策は、熱シール樹脂材の小さなシートによって画成されるパッチを含み、そのパッチは、巻取紙における包装体の内側を形成することになる側で、対応する孔の上に熱融着される。また、この第1の解決策は、包装材の反対側に付与され、パッチに熱融着された引き剥がし式のタブを含む。タブとパッチとは互いに接着されており、タブが引き剥がされるとき、タブに熱融着されたパッチの一部もまた取り除かれて孔が現れる。
【0039】
また、第2の解決策は、巻取紙3の孔に直接プラスチック材料を注入することで付与される、閉じることのできる開封装置4を含む。
【0040】
第3の解決策では、巻取紙3は、包装材の長さ方向Aにおいて等間隔に置かれた複数の取り外し可能部(図示せず)を有し、取り外し可能部には開封装置4が注入成形される。
【0041】
ここで示す実施例では、取り外し可能部は、いわゆる積層加工前の孔、つまり包装材の基層を挿通して形成された孔(又は開口)によって画成され、孔がそれぞれのシート・カバー部によって封をされるように積層によって覆われる。
【0042】
最後に、巻取紙3は複数の磁気標識C1、C2、C3を有している(明確にするために図6では示されているが、実際、見ることはできない)。
【0043】
ここで示す実施例では、磁気標識C1、C2、C3は、後で磁化された磁化可能なインクで印刷されている。より正確に言うと、各磁気標識C1、C2、C3は、経路Pに沿って並べられたN極及びS極を有している。
【0044】
磁気標識C1、C2、C3は、積層加工前の孔と揃えられて巻取紙3に付されている。
【0045】
ユニット1は、以下のものを実質的に備えている(図1)。
− 経路Pに平行な方向Aに沿って、リールの下流に配置され、巻取紙3を前進させるように適合された装置10、
− 装置10によって巻取紙3が段階的に給紙され、複数の、ここで示す実施例では3個の開封装置4を巻取紙3上へ、巻取紙3のそれぞれの積層加工前の孔に射出成形するように適合された成形ステーション26、及び
− 経路Pに沿って成形ステーション20の下流に配置され、方向Aに沿って巻取紙3を前進させるように適合された装置25。
【0046】
ユニット1はまた、複数の遊動ローラ7を有しており、それら遊動ローラ7は、装置10の上流と、装置25の下流とに配置されており、巻取紙3が経路Pに沿って前進する間、巻取紙3を支持するように適合されている。
【0047】
より正確に言うと、装置10は、一定の数、ここで示す実施例では3個の積層加工前の孔をそれぞれが含む、巻取紙3の複数の部分24を、成形ステーション26に向かって段階的に順次給紙し、成形ステーション26は、複数の、ここで示す実施例では3個のモールド27を有し、モールド27は、巻取紙3上へ、それぞれの積層加工前の孔に開封装置4をそれぞれ形成する樹脂材を射出する。
【0048】
より正確に言うと、各部分24は、装置10から成形ステーション26に向かって進む、磁気標識C1、C2、C3とそれぞれ関連付けられた第1、第2、第3の積層加工前の孔を有している。具体的には、磁気標識C1、C2、C3の位置は、第1、第2、第3の積層加工前の孔の位置に関連付けられている。
【0049】
より詳細には、装置10は以下のものを備えている(図2〜4)。
− 巻取紙3を方向Aに沿って水平な状態で段階的に前進させるモータ11、
− 巻取紙3を方向Aに沿って導く複数のローラ12及び対向ローラ(図示せず)、
− 垂直面において巻取紙3の振動を減衰する1対のローラ13、
− 巻取紙3の磁気標識C1、C2、C3の位置を検出し、第1、第2、第3の積層加工前の孔の実際の位置にそれぞれ関連付けられた測定信号M1、M2、M3を発生する磁気センサ15、及び
− 測定信号M1、M2、M3に基づいて制御可能なモータ14。
【0050】
ローラ12は、介在するベルト8を通じてモータ11によって回転駆動される。より正確に言えば、ベルト8は、モータ11によって回転駆動されるプーリ9aと、ローラ12を回転駆動するプーリ9bとに巻かれている。
【0051】
ローラ12と対応する対向ローラとは、成形ステーション26に向かって前進させられている巻取紙3の反対側と協働する。
【0052】
モータ14は、モータ11及びローラ12を、経路P及び方向Aを横断する方向Tに沿って移動させるため、それらに具合よく動作可能に連結されている。具体的には、方向Tは、方向Aに対して直角であり、使用中には水平に配向される。
【0053】
センサ15は、ここに示す実施例では、磁気標識C1、C2、C3それぞれのN極からS極への遷移を検出し、その結果、磁気標識C1、C2、C3の位置を検出するため、関連する第1、第2、第3の積層加工前の孔の位置を方向Aに沿って検出する。さらに、センサ15は、磁気標識C1、C2、C3によって発生する磁界の強度を検出し、その結果、磁気標識C1、C2、C3の相対的な位置を検出するため、関連する第1、第2、第3の積層加工前の孔の位置を方向Tに沿って検出する。
【0054】
より詳細には、装置10は以下のものを備えている。
− モータ14及びセンサ15を支持する固定フレーム16、
− 方向Tに沿ってフレーム16に対して移動可能であり、モータ11、ローラ12及び各々の対向ローラを保持する構造体17。
【0055】
フレーム16は、具体的には、構造体17の両側に方向Tに沿ってそれぞれ配置され、クロス・バー32によって連結される1対の要素31を支持している(図4)。
【0056】
センサ15は、方向A及び方向Tに沿った、磁気標識C1、C2、C3にそれぞれ対応する第1、第2、第3の積層加工前の孔の実際の位置に関連付けられる測定信号M1、M2、M3を発生する。
【0057】
ユニット1はまた以下のものを備えている(図3)。
− モータ14によって方向Tの回りに回転駆動されるローラねじ部19、
− ローラねじ部19にねじ込まれ、ローラねじ部19が方向Tの回りに回転するときに方向Tに沿って移動する雌ねじ部20、及び
− 図示しない方法により雌ねじ部20及び構造体17に連結された板21。
【0058】
構造体17の底壁22は、フレーム16に対して固定されたそれぞれのガイド18上を方向Tに沿ってスライドできる複数の送り台23を有している(図2)。
【0059】
ユニット1はまた、測定信号M1、M2、M3をセンサ15から受信し、制御信号S1、S2をモータ11、14に向けて発生する制御部30(図6に略図としてのみ示す)を備えている。
【0060】
具体的には、制御部30は、モールド27に対する積層加工前の孔の理論的な位置を記憶部に保管しており、第1、第2、第3の積層加工前の孔の検出された位置と、それぞれの理論的な位置との差を評価する。
【0061】
モータ11に向けた制御信号S1は、方向Aに沿って巻取紙3を追加的に変位させることになる。
【0062】
したがって、モータ11は、制御信号S1に応じた追加変位、つまり名目上の一定変位の代数和の長さだけ、方向Aに沿って巻取紙3を移動させる。
【0063】
より正確に言えば、制御信号S1によって生じる方向Aに沿った巻取紙3の追加変位は、1つだけの、つまり、第2の積層加工前の孔の検出された位置と理論的な位置との差に関連付けられる。
【0064】
モータ14に向けた制御信号S2は、方向Tに沿って巻取紙3を変位させることになり、次の方法で生成される。
【0065】
より正確に言えば、制御部30は、部分24の第1、第2、第3の積層加工前の孔の各々について、理論的な位置と検出された位置との間の距離を評価し、その距離の最大値と最小値とを評価する。次いで、制御部30は、最大値と最小値との平均に等しい、方向Tに沿った巻取紙3の変位をもたらす制御信号S2を発生する。
【0066】
換言すれば、最大値及び最小値と異なる積層加工前の孔の理論的な位置と検出された位置との距離は考慮されない。
【0067】
装置25は以下のものを備えている(図5)。
− 方向Tに沿って延びる複数のガイド42を有する固定フレーム40、
− 方向Tに対して固定された位置にあるフレーム40によって支持されたモータ41、
− フレーム40及びモータ41に対して方向Tに沿って移動可能な構造体43、及び
− 構造体43に装着され、方向Aに沿って成形ステーション26の反対側で巻取紙3を前進させるように適合されたモータ44(図1に示す)。
【0068】
装置25はまた、巻取紙3を方向Aに沿って導き、介在するベルトを通じてモータ44によって回転駆動される1対のゴム・ホイール55(それらのうちの1つだけが図5に示される)を有する。より正確に言えば、ベルトは、モータ44によって回転駆動される第1のプーリと、回転ホイール55を回転駆動する第2のプーリとに巻かれている。
【0069】
モータ41は、構造体43を移動させることで、方向Tに沿ってモータ44を移動させ、そのため巻取紙3もまた方向Tに沿って移動する。
【0070】
この目的のため、モータ41は、以下の介在するものを通じて構造体43に動作可能に連結されている。
− モータ41によって方向Tの回りに回転駆動されるローラねじ部45、
− ローラねじ部45にねじ込まれ、ローラねじ部45が方向Tの回りに回転するときに方向Tに沿って移動する雌ねじ部46、及び
− 雌ねじ部46及び構造体43の底板49に(図示しない方法により)連結された板47。
【0071】
構造体43の底板49は、それぞれのガイド42上を方向Tに沿ってスライドできる複数の送り台50を有している。
【0072】
モータ41、44は、センサ15が発生する測定信号M1、M2、M3に基づいて、制御部30によって制御される。
【0073】
より正確に言えば、制御部30は、方向Aに沿って巻取紙3を追加的に変位させることになる制御信号S3をモータ44に向けて発生する。
【0074】
したがって、モータ44は、制御信号S3に応じた追加変位、つまり名目上の一定変位の代数和の長さだけ、方向Aに沿って巻取紙3を移動させる。
【0075】
より正確に言えば、制御信号S3が生じさせる方向Aに沿った巻取紙3の追加変位は、1つだけの、つまり、第2の積層加工前の孔の検出された位置と理論的な位置との差に関連付けられる。
【0076】
モータ14に向けた制御信号S4は、方向Tに沿って巻取紙3を追加的に変位させることになり、次の方法で生成される。
【0077】
より正確に言えば、制御部30は、部分24の第1、第2、第3の積層加工前の孔の各々について、理論的な位置と検出された位置との間の距離を評価し、その距離の最大値と最小値とを評価する。次いで、制御部30は、最大値と最小値との平均に等しい、方向Tに沿った巻取紙3の変位をもたらす制御信号S4を発生する。
【0078】
換言すれば、最大値及び最小値と異なる積層加工前の孔の理論的な位置と検出された位置との距離は考慮されない。
【0079】
モータ11、44は、巻取紙3を同じ長さだけ方向Aに沿って移動させる。より正確に言えば、モータ44が巻取紙3を経路Pに沿ってモールド27に向かって引っ張る一方で、モータ11は、巻取紙3の張力の程度を正しくする。
【0080】
モータ14、41はそれぞれ、構造体17、43を移動させ、そのため巻取紙3を同じ長さだけ方向Tに沿って移動させる。
【0081】
換言すれば、モータ11、44、及びモータ14、41は、同期されている。
【0082】
装置10の作動、及びユニット1の作動は、以降においては、1つだけの部分24、並びに、関連する第1、第2、第3の積層加工前の孔、及び対応する磁気標識C1、C2、C3を参照して説明する。
【0083】
積層加工前の孔、及び磁気標識C1、C2、C3を有する巻取紙3は、リール3から経路Pに沿って巻き出される。
【0084】
装置10、25は、成形ステーション26及びモールド27において、巻取紙3を水平な状態で段階的に通過させ、巻取紙3上へ、それぞれの積層加工前の孔に開封装置4をそれぞれ形成する樹脂材を射出する。
【0085】
センサ15は、磁気標識C1、C2、C3の存在を検出し、対応する第1、第2、第3の積層加工前の孔の方向A及び方向Tに沿った実際の位置に関連付けられた測定信号M1、M2、M3を発生する。
【0086】
制御部30は、測定信号M1、M2、M3を受信し、方向A及び方向Tに沿った第1、第2、第3の積層加工前の孔の実際の位置と理論的な位置との差を評価し、制御信号S1、S2、S3、S4をモータ11、14、44、41に向けて発生する。
【0087】
具体的には、モータ11、44は、巻取紙3を同じ長さだけ方向Aに沿って同時に移動させる。より正確に言えば、モータ44が巻取紙3を経路Pに沿ってモールド27に向かって引っ張る一方で、モータ11は、巻取紙3の張力の程度を正しくする。
【0088】
制御信号S1は、第2の積層加工前の孔の方向Aに沿う検出された位置と理論的な位置との差に関連付けられる。
【0089】
モータ11は、名目上の変位、つまり、制御信号S1に応じた追加変位の代数和の長さだけ、方向Aに沿って巻取紙3を前進させる。
【0090】
モータ14は、制御部30が発生する制御信号S2によって決定される長さだけ方向Tに沿って巻取紙3を変位させる。
【0091】
具体的には、制御部30は以下のことを行う。
− 部分24の第1、第2、第3の積層加工前の孔の各々に対する、理論的な位置と検出された位置との間の距離の評価、
− その距離の最大値と最小値の評価、及び
− 最大値と最小値との平均に等しい、方向Tに沿った巻取紙3の変位をもたらす制御信号S2の発生。
【0092】
モータ14は、制御信号S2によって制御され、ローラねじ部19を方向Tの回りに回転させ、雌ねじ部20、板21、及び構造体17全体を方向Tに沿って移動させる。
【0093】
より正確に言えば、板21が方向Tに沿って移動するにつれて、送り台23はそれぞれのガイド18の上を先の方向Tに沿ってスライドする。
【0094】
構造体17を方向Tに沿って変位させると、モータ11及びローラ12が移動させられることで巻取紙3も方向Tに沿って移動させられ、第1、第2、第3の積層加工前の孔が成形ステーション26に到達する際に、それらをそれぞれの正確な位置に配置させる。
【0095】
第1、第2、第3の積層加工前の孔が成形ステーション26に到達すると、それぞれのモールド27は樹脂材を巻取紙3上に射出し、関連する積層加工前の孔において対応する開封装置4を形成する。
【0096】
制御信号S3は、第2の積層加工前の孔の方向Aに沿う検出された位置と理論的な位置との差に関連付けられている。
【0097】
モータ44は、名目上の変位、つまり、制御信号S3に応じた追加変位の代数和の長さだけ、方向Aに沿って巻取紙3を前進させる。
【0098】
モータ41は、制御部30が発生する制御信号S4によって決定される長さだけ方向Tに沿って巻取紙3を変位させる。
【0099】
具体的には、制御部30は以下のことを行う。
− 部分24の第1、第2、第3の積層加工前の孔の各々に対する、理論的な位置と検出された位置との間の距離の評価、
− その距離の最大値と最小値の評価、及び
− 最大値と最小値の平均に等しい、方向Tに沿った巻取紙3の変位をもたらす制御信号S2の発生。
【0100】
モータ41は、ローラねじ部45を方向Tの回りに回転させ、雌ねじ部46、板47、及び構造体43全体を方向Tに沿って移動させる。
【0101】
より正確に言えば、板47が方向Tに沿って移動するにつれて、この方向Tに沿って送り台50がそれぞれのガイド42の上をスライドする。
【0102】
構造体43を移動させると、モータ44及びホイール55が移動させられることで巻取紙3も方向Tに沿って移動させられ、積層加工前の孔が成形ステーション26に到達する際に、それらをそれぞれの正確な位置に配置させる。
【0103】
制御信号S2、S4は等しいため、モータ14、41は、巻取紙3を同じ長さだけ方向Tに沿って移動させる。
【0104】
本発明による装置10及び方法の有利性は、上述の記載から明らかとなるであろう。
【0105】
具体的には、モータ14が作動すると、方向Tに沿ってモータ11及びローラ12を移動させ、そのため巻取紙3も移動させられる。したがって、巻取紙3の第1、第2、第3の積層加工前の孔を対応するモールド27に対して方向Tに沿って正確な位置に配置し、リール内で起こり得る積層加工前の孔のずれを修正することができる。
【0106】
巻取紙3がローラ12に対して方向Tに沿って移動されることは実質的にないため、巻取紙3に結果的に生じる全体の応力は、特許文献1に開示され、本発明の記載の導入部分で参照された装置の把持部材の作動によって生じる応力と比較すると、大幅に減少させられる。
【0107】
さらに、装置10は、把持部材、又は、把持部材を巻取紙3に向かって傾斜させるように適合された機械群のいずれも備えていない。したがって、装置10の全体的な設計は、特許文献1に開示された装置と比較すると、かなりシンプルである。
【0108】
最後に、モータ11、44は、制御信号S1、S3によって制御され、巻取紙3の方向Aに沿った追加的な移動を発生させる。この追加の移動によって、関連するモールド27に対して、且つ、方向Aに沿って、第1、第2、第3の積層加工前の孔は正確な位置に配置される。
【0109】
装置10及び方法には、添付する特許請求の範囲に規定された保護される請求の範囲から逸脱することなく、変更が行われてもよいことは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路(P)に沿ってアプリケーション・ステーション(26)に向かって包装材の巻取紙(3)を給紙する装置(10)であって、前記包装材は、前記アプリケーション・ステーション(26)が使用中にそれぞれの開封装置(4)を付与する複数の領域を有しており、
前記装置(10)が、
前記経路(P)に平行な第1の方向(A)に沿って前記巻取紙(3)を前進させる前進手段(11、12)と、
前記領域の位置に関連付けられた複数の測定信号(M1、M2、M3)を発生するセンサ(15)と、
前記測定信号(M1、M2、M3)のうちの少なくとも1つに基づいて制御可能な第1のモータ(14)と
を備えた、装置(10)において、
前記第1のモータ(14)が、前記経路(P)を横断する第2の方向(T)に沿って前記前進手段(11、12)を移動させるため、前記前進手段(11、12)に動作可能に連結されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
使用中に、前記センサ(15)から前記測定信号(M1、M2、M3)を受信し、前記測定信号(M1、M2、M3)のうちの少なくとも1つに基づいて、第1の制御信号(S2)を前記第1のモータ(14)に向けて発生する制御部(30)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記測定信号(M1、M2、M3)が、前記巻取紙(3)が保持するそれぞれの磁気標識(C1、C2、C3)の位置に関連付けられており、
前記磁気標識(C1、C2、C3)の位置がそれぞれの前記領域の位置に関連付けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記前進手段(11、12)が、前記第1の方向(A)に沿って前記包装材を前進させる第2のモータ(11)を有し、前記第2のモータ(11)が、前記制御部(30)によって、前記測定信号(M1、M2、M3)のうちの少なくとも1つに基づいて生成される第2の制御信号(S1)を用いて制御可能とされていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のモータ(14)を保持する固定フレーム(16)と、
前記フレーム(16)に対して前記第2の方向(T)に沿って移動可能であって、前記前進手段(11、12)が装着された構造体(17)と
を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
それぞれの前記領域に複数の前記開封装置(4)を付与するユニットであって、
前記アプリケーション・ステーション(26)と、
請求項1から5までのいずれか一項による装置であって、前記経路(P)に沿った前記包装材の前進方向において前記アプリケーション・ステーション(26)の上流に配置された装置と、
前記経路(P)に沿った前記包装材の前進方向において前記アプリケーション・ステーション(26)の下流に配置された追加の装置(25)と
を備え、
前記追加の装置(25)が、
前記経路(P)に沿って前記巻取紙(3)を前進させる追加の前進手段(44)と、
前記第2の方向(T)に沿って前記追加の前進手段(44)を移動させる前記追加の前進手段(44)に動作可能に連結された第3のモータ(41)と
を備えるユニット。
【請求項7】
前記第3のモータ(44)が、前記測定信号(M1、M2、M3)のうちの少なくとも1つに基づいて前記制御部(30)が発生する第3の制御信号(S4)によって制御可能であり、前記第2の方向(T)に沿って前記追加の前進手段(44)を移動させるため、前記追加の前進手段(44)に動作可能に連結されていることを特徴とする、請求項6が請求項2から5までのいずれか一項に付加された請求項6に記載のユニット。
【請求項8】
前記アプリケーション・ステーション(26)が成形ステーションであり、前記領域は、前記アプリケーション・ステーション(26)が使用中にそれぞれの前記開封装置(4)を付与する積層加工前の孔であることを特徴とする、請求項6又は7に記載のユニット。
【請求項9】
経路(P)に沿ってアプリケーション・ステーション(26)に向かって包装材の巻取紙を給紙する方法であって、前記包装材は、前記アプリケーション・ステーション(26)がそれぞれの開封装置(4)を付与する複数の領域を有しており、
前記方法が、
前記経路(P)に平行な第1の方向(A)に沿って、第1の前進手段(11、12)を用いて前記巻取紙(3)を前進させるステップと、
前記領域の位置を検出するステップと、
前記領域の位置に関連付けられた複数の測定信号(M1、M2、M3)を発生するステップと
を含む、方法において、
前記測定信号(M1、M2、M3)のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1の前進手段(11、12)を、前記経路(P)を横断する第2の方向(T)に沿って横断的に移動させるステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記発生するステップが、前記巻取紙(3)が保持し、前記領域の位置に関連付けられた複数の磁気標識(C1、C2、C3)の位置を検出するステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記前進させるステップが、所与の数の領域を有する前記巻取紙の部分(24)を段階的に前進させるステップを含み、
前記発生するステップが、
前記所与の数の領域の各々の検出された位置と理論的な位置との差を評価するステップと、
前記差の最大値と最小値を評価するステップと
を含み、
前記横断的に移動させるステップが、前記第2の方向(T)に沿って、前記差の前記最大値と最小値の平均値に基づいて、前記前進手段(11、12)を移動させるステップを含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記前進させるステップが、前記測定信号(M1、M2、M3)のうちの少なくとも1つに基づいて、前記巻取紙(3)を前進させるステップを含むことを特徴とする、請求項9から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記前進させるステップが、前記所与の数のうちの1つだけの領域の検出された位置と理論的な位置との差に基づいて行われることを特徴とする、請求項11に従属する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
それぞれの前記領域に複数の前記開封装置を付与するための方法であって、
前記アプリケーション・ステーション(26)の上流に、請求項9から13までのいずれか一項に記載の給紙する方法の各ステップと、
前記経路(P)に沿って、前記アプリケーション・ステーション(26)の下流に、前記追加の前進手段(44)を用いて前記巻取紙(3)をさらに前進させるステップと、
前記測定信号(M1、M2、M3)に基づいて、前記追加の前進手段(44)を、前記経路(P)を横断する前記第2の方向(T)に沿って横断的に移動させるステップと
を含む方法。
【請求項15】
前記前進手段(11、12)を横断的に移動させる前記ステップが、前記第1の前進手段(11、12)を第1の距離だけ前記第2の方向(T)に沿って移動させるステップを含み、前記追加の前進手段(44)を横断的に移動させる前記ステップが、前記追加の前進手段(44)を前記第1の距離だけ前記第2の方向(T)に沿って移動させるステップを含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アプリケーション・ステーション(26)に向かって包装材の巻取紙を給紙する装置(10)の制御部(30)にロード可能なソフトウェア製品であって、実行されたときに、請求項9から15までのいずれか一項に記載の方法の各ステップを実施するソフトウェア製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2013−519602(P2013−519602A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552418(P2012−552418)
【出願日】平成23年2月12日(2011.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052082
【国際公開番号】WO2011/098591
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】