説明

包装材料チューブに注入可能な食品の密閉パッケージを製造するための包装ユニット

【課題】チューブの横断部分の熱シール作業で食品が上方へ押上げられる際に、ダクトからフランジのロック状態が外れてしまい、充填される食品量が制御不能となること、または、ロック手段を破壊して、そのロック手段の幾つかの部分がチューブ内に落下して密閉パッケージ内に残されることの少なくとも1つに対して率直に且つ低コストに設計された、包装材料チューブに注入可能な食品の密閉パッケージを製造するための包装ユニットの提供。
【解決手段】包装ユニットは、ダクト、フランジ25、およびダクトとフランジ25を連結する連結手段35を含む。連結手段35は、2つの連結部材40a,40bと、ロック部材50と、ロック部材50を連結部材40a,40bに対して拘束する拘束手段49とを含む。ロック部材50は連結部材40a,40bに対して移動可能であって、ロック部材50の移動を第1拘束手段49が阻止する位置を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装材料チューブに注入可能な食品の密閉パッケージを製造するための包装ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フルーツ・ジュース、殺菌処理またはUHT(超高温処理)のミルク、ワイン、トマト・ソース等の多くの食品は、殺菌した包装材料で作られたパッケージに詰めて販売されている。
【0003】
この形式のパッケージの典型例は、テトラ・ブリック・アセプティック(登録商標)として公知の液体または流動食品用の平行六面体形状のパッケージであり、このパッケージは積層した包装材料ストリップを折曲げ、シールして作られている。
【0004】
この包装材料は多層構造を有しており、堅さおよび強度を得るための、例えば紙のような繊維質材料または鉱物充填ポリプロピレン材料の層で構成できる基礎層と、この基礎層の両面を覆う例えばポリエチレン薄膜のような熱シール性プラスチック材料の複数の層とを実質的に含む。
【0005】
UHTミルクのような長期保存製品用の無菌パッケージの場合には、包装材料は、例えばアルミニュウム箔またはエチル・ビニル・アルコール(EVOH)薄膜のようなガスおよび液体遮断材料の層を含み、この層は熱シール性プラスチック材料の層に重ねられ、さらにその上から、最終的に食品に接触するパッケージ内面を形成することになる他の熱シール性プラスチック材料の層で覆われる。
【0006】
公知のように、この種のパッケージは全自動包装ユニットで製造されており、このユニットでは、ウェブとして給送される包装材料から連続チューブが形成される。この包装材料ウェブは包装ユニットにおいて例えば過酸化水素溶液のような化学殺菌剤を付与することで殺菌され、殺菌剤は引続いて例えば加熱して蒸発させることで包装材料表面から除去される。
【0007】
殺菌された包装材料ウェブは閉じた無菌環境内に保持され、折曲げて長手方向にシールしてチューブが形成される。
【0008】
チューブはその軸線と平行に垂直方向へ送られ、殺菌済みまたは殺菌処理した食品を連続的に充填され、等間隔な横断部分で熱シール加工されて、この横方向シール帯によりチューブに連結された枕形パックが形成される。
【0009】
包装ユニットは、食品を下方へ向けてチューブ内へと運ぶダクトと、チューブ内に同軸的に差込まれる複数の貫通穴を有するフランジとを含むものが知られている。
【0010】
さらに正確には、各横断部分の熱シール作業は食品を上方へ押上げ、食品はフランジに形成されている穴を通って移動する。このように、フランジは各横断部分の熱シール作業で上方へ押上げられる食品の流動を制御する。
【0011】
フランジおよびダクトはロック手段によって互いに連結される。
【0012】
この工業分野では、食品の上方へ向かう流動で生じる振動および応力によってダクトからフランジのロック状態が外れてしまい、これによりパッケージに充填される食品量が制御不能となることを避ける必要があると思われている。
【0013】
この工業分野では、そのような振動および応力がロック手段を破壊して、そのロック手段の幾つかの部分がチューブ内に落下して密閉パッケージ内に残される危険性が生じることを避ける必要があることも考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上述の必要性の少なくとも1つに対して率直に且つ低コストに設計された、包装材料チューブに注入可能な食品の密閉パッケージを製造するための包装ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明により、請求項1に記載されるような包装材料チューブに注入可能な食品の密閉パッケージを製造する包装ユニットが提供される。
【0016】
本発明の好ましいが限定する意図のない実施例が添付図面を参照して例を挙げて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による包装材料チューブに注入可能な食品のパッケージを製造する包装ユニットの、明瞭とするために部品が取除かれている斜視図を示す。
【図2】図2は連結グループを使用して図1のユニットの充填ダクトとフランジとを連結する操作の段階を斜視図で示す。
【図3】図2の段階の次の段階を示す斜視図である。
【図4】図3の段階の次の段階を示す斜視図である。
【図5】図4の段階の次の段階を示す斜視図である。
【図6】図2〜図5の連結グループの第1作動位置における拡大図を示す。
【図7】図2〜図5の連結グループの第2作動位置における拡大図を示す。
【図8】図7の線VIII−VIIIに沿う断面図である。
【図9】第3の作動位置における図2および図7の連結グループを示す。
【図10】図9の線X−Xに沿う断面図である。
【図11】第4の作動位置における図2〜図10の連結グループを示す。
【図12】図11の線XII−XIIに沿う断面図である。
【図13】第5の作動位置における図2〜図12の連結グループを示す。
【図14】図13における線XIV−XIVに沿う断面図である。
【図15】第6の作動位置における図2〜図14の連結グループを示す。
【図16】図2〜図15の連結グループの、瞭とするために部品が取除かれている下視図である。
【実施例1】
【0018】
図1の符号1は、リールから繰出されて成形通路に沿って送られる包装材料ウェブ3から食品の密閉パッケージを連続的に製造する包装ユニット1を全体的に指し示す。
【0019】
ユニット1は、殺菌処理またはUHT処理したミルク、フルーツ・ジュース、ワインなどの流動食品の密閉パッケージ(図1に示されていない)を製造することが好ましい。
【0020】
ユニット1はまた、パッケージの製造時に流動可能で、パッケージを密閉した後に固まる食品の密閉パッケージも製造できる。そのような食品の一例は、パッケージの製造時に溶融され、パッケージが密閉された後に固まるチーズ部分である。
【0021】
包装材料は多層構造を有しており、堅さおよび強度を得るための、例えば紙のような繊維質材料または鉱物充填ポリプロピレン材料の層で構成できる基礎層と、この基礎層の両面を覆う例えばポリエチレン薄膜のような熱シール性プラスチック材料の複数の層とを実質的に含む。
【0022】
さらに詳しくは、ウェブ3はガイド部材(図示せず)、例えばローラーなどによって成形通路に沿って送られ、ウェブ3にシール用ストリップを付与する第1ステーション(図示せず)、包装材料チューブ10を形成する第2ステーション(図示せず)、チューブ10に沿って長手方向シールの熱シール加工を行う第3ステーション(図示せず)を順次通過される。特に、チューブ10は軸線Aを有している。
【0023】
ユニット1はまた、殺菌済みまたは殺菌処理した食品を下方へ向けて包装材料チューブ10内へ注入する充填装置12と、パッケージの連続体を形成するために等間隔の横断部分に沿ってチューブ10をグリップし、シール加工し、切断するジョー形式の成形組立体(図示せず)とを含む。
【0024】
さらに詳しくは、充填装置12はダクト20、フランジ25、およびダクト20とフランジ25とを連結する連結手段35を含む。
【0025】
ダクト20はチューブ10に差込まれ、軸線Aに沿って伸長する主部21と、主部21からチューブ10の外部へ伸長して食品入口開口23を形成する端部24とを有する。
【0026】
図2〜図5を参照すれば、フランジ25は軸線Aの周囲に対称的に広がり、チューブ10に同軸的に差込まれ、ダクト20の主部21を同軸的に取囲む。
【0027】
特に、フランジ25は軸線Aに関する2つの軸線方向端部26,27と、これらの端部26,27の間に軸線方向に挟まれた主部28とを含む。
【0028】
端部26は主部28の上側に位置し、円筒形をしている。
【0029】
端部27は主部28の下側に位置し、一対の溝29を形成され、これらの溝は軸線Aに対して反対両側にそれぞれ位置されて、軸線Aに直角なそれぞれの水平軸線に沿って主に伸長する。
【0030】
各溝29は円筒形部分と入口端部分とを実質的に含み、湾曲され、主部を横切るように位置する。
【0031】
さらに、各溝29は軸線Aと逆側にて開かれている。
【0032】
端部26から端部27へ向かって主部28は円錐台形の形状をした頂部30と、円筒形の底部31とを含む。
【0033】
頂部30は端部26へ向かってテーパー形状を付されており、軸線Aの回りに等角度間隔に複数の貫通穴22を含む。
【0034】
底部31の直径は端部26,27の直径よりも大きい。
【0035】
チューブ10の横断部分の熱シール加工は、食品を上方へ、フランジ25の穴22を通して押上げる。これにより穴22は上方へ押上げられる食品の流れを制御する。
【0036】
連結手段35は連結解除可能であり、また、以下の部材を含んで成ることが有利である。すなわち、それらの部材とは、
ダクト20の主部21に対して、主部21およびフランジ25に固く連結された第1状態(図5)および主部21およびフランジ25から取外された第2状態(図3)の間で移動可能な2つの連結部材40a,40b、
第1状態に配置された連結部材40a,40bに対して通路P(図6、図7、図9、図11、図13、図14)に沿って、連結部材40a,40bを第1状態に保持する位置P(図6)と連結部材40a,40bが前記第2状態へ向けて移動自由とされる位置P(図15)との間を移動可能なロック部材50、および
連結部材40a,40bに対するロック部材50を通路Pに沿う位置Pおよび位置Pの間の位置P(図7、図8)に拘束するための第1拘束手段であって、ロック部材50は位置Pにおいて連結部材40a,40bに対して通路Pを横切る方向へ、また第1拘束手段が通路Pに沿って位置Pへ向かうロック部材50の移動を阻止する複数の第1阻止位置と、ロック部材50が通路Pに沿って位置Pへ向けて自由に移動できる位置Q(図8)との間を移動可能である第1拘束手段である。
【0037】
特に、位置Pにおいてロック部材50は連結部材40a,40bに対して通路Pを横切る線Yに沿って移動する。
【0038】
複数の第1阻止位置は、ロック部材50が線Yに沿って位置Qを除く位置Pに達することのできる全ての位置である。
【0039】
さらに、ユニット1は連結部材40a,40bと通路Pに沿って位置Pおよび位置Pの間の位置Pに配置されたロック部材50との間に配置された第2拘束手段を含んで成る。
【0040】
位置Pにおいてロック部材50はまた、第2拘束手段が通路Pに沿って位置Pへ向かうロック部材50の移動を阻止する複数の第2阻止位置と、ロック部材50が通路Pに沿って位置Pへ向けて自由に移動できる位置Qとの間を線Yと平行に連結部材40a,40bに対して移動可能である。
【0041】
複数の第2阻止位置は、ロック部材50が線Yに沿って位置Qを除く位置Pに達することのできる全ての位置である。
【0042】
特に、位置Qおよび位置Qは線Yに平行な線に沿って間隔を隔てられている。
【0043】
詳しく説明すれば、連結部材40a,40bはそれぞれ突起48,49を形成し、また、ロック部材50は受入部58,59を形成する。
【0044】
第1拘束手段は、突起49および受入部59を含み、第2拘束手段は突起48および受入部58を含む。
【0045】
ロック部材50が線Yに沿う位置Qおよび通路Pに沿う位置Pに位置するとき(図7および図8)、突起49は間隙を有して受入部59に受入れられる。
【0046】
これとは異なって、ロック部材50が線Yに沿う何れかの第1阻止位置および通路Pに沿う位置Pに位置するとき、突起49はロック部材50と協働する。
【0047】
ロック部材50が線Yに沿う位置Qおよび通路Pに沿う位置Pに位置するとき(図11および図12)、突起48は間隙を有して受入部58に受入れられる。
【0048】
これとは異なって、ロック部材50が線Yに沿う何れかの第2阻止位置および通路Pに沿う位置Pに位置するとき、突起48はロック部材50と協働する。
【0049】
各連結部材40a,40bは閉じた環状体の形状をしており、軸線Bの回りに伸長している。
【0050】
さらに、各連結部材40a,40bは以下の部材を実質的に含む。すなわち、それらの部材とは、
軸線Aおよび関係する軸線Bに直角な軸線に沿って伸長する円筒形部分41a,41b、
関係する軸線Bに対して関係する円筒形部分41a,41bと反対側の部分42a,42b、および
凹部をそれぞれの部分41a,42a;41b,42bに向けて配置されている2つの逆湾曲されたC字形の部分43a,44a;43b,44bである。
【0051】
特に、部分41a,41bはそれぞれフランジ25の端部27の溝29と係合し、また、それぞれストップ端部45a,45bを含んでいる。
【0052】
ストップ端部45a,45bは、連結部材40a,40bがそれぞれの溝29に係合されたときに端部27の対応面に当接する。
【0053】
各部分43a,43bからそれぞれの部分44a,44bへ移動すると、各部分42a,42bは歯46a,46bおよび凹空間47a,47bを実質的に含み、凹空間は孤状輪郭で形成されている。
【0054】
特に、歯46a,46bはそれぞれの部分42a,42bから関係する軸線Bに実質的に平行に突出している。
【0055】
さらに、各部分43a,43bは、連結部材40a,40bが溝29と係合するときに部分41a,41bが関係する溝29と干渉することを避けるために、溝39a,39b(図2、図7、図8、図11、図13、図15)を含む。
【0056】
突起48は、軸線Bの反対側で連結部材40aの部分44aから突出している。
【0057】
突起49は、軸線Bの反対側で連結部材40bの部分42b,44bを分ける部分から突出している。
【0058】
突起48,49はそれぞれの軸線Bとそれぞれ反対側へ向かってテーパーを付されていることが好ましい。
【0059】
したがって、突起48,49は通路Pに沿って食い違う関係にある。
【0060】
特に、突起49は通路Pに沿って突起48よりも上流側に位置している。
【0061】
連結部材40a,40bは第1状態(図5、図6、図7、図9、図11、図13、図15)において実質的に垂直である。
【0062】
この第1状態を考えると、軸線Bは軸線Aに直角で、また、部分42a,42bはそれぞれの部分41a,41bの下方に位置する。
【0063】
円筒形部分41a,41bからそれぞれの部分42a,42bへ移動すると、部分43a,43bは下へ向かう。
【0064】
部分42a,42bからそれぞれの部分41a,41bへ移動すると、部分44a,44bは上へ向かう。
【0065】
連結部材40a,40bが第1状態では実質的に垂直であるので、端部27に対する部分43a,43bの接触はそれぞれの連結部材40a,40bがフランジ25の端部27から脱落することを阻止する。
【0066】
さらに、歯46a,46bおよび凹空間47a,47bはダクト20の主部21に向けられて、ダクト20の主部21が固く係合する受け座38(図16)を形成する。
【0067】
さらに正確に説明すれば、受け座38は軸線Aに対して円周対称の弧形状をしており、第1側では歯46aおよび凹空間47aにより、また軸線Aに対して第1側と反対側の第2側では歯46bおよび凹空間47bにより形成されている。
【0068】
連結部材40a,40bは、第2状態(図3)において実質的に水平となる。
【0069】
第2状態を考えると、軸線Bは軸線Aに平行で、部分41a,41bは部分42a,42bの間に位置し、部分43a,43bは軸線Aを横切る方向にある。
【0070】
このように、連結部材40a,40bが図2に矢印で示される方向と反対方向に沿って関係する端部27へ移動するとき、部分43a,43bは端部27と干渉せず、連結部材40a,40bは端部27から自由に取外すことができる。
【0071】
ロック部材50は細長い閉じた環状体の形状とされ、一体的に以下の部分を含む。すなわち、それらの部分とは、
第1状態に配置されたそれぞれの連結部材40a,40bの関係する軸線Bに近い第1形状部分をスライドする直線部分51、
部分51と反対側の、第1状態に配置されたそれぞれの連結部材40a,40bのそれぞれの第1形状部分と反対側の第2形状部分をスライドする部分52、および
それぞれの部分51,52に凹部を向けて配置された2つの逆方向に湾曲されたC字形の部分53a,53bである。
【0072】
部分52は、部分51およびそれぞれの連結部材40a,40bの第2形状部分に凹部を向けて配置された2つの湾曲したC字形の部分を含む。
【0073】
さらに、部分52は部分54の間に配置された直線部分55を含み、部分54は受入部58,59を形成する。
【0074】
特に、連結部材40a,40bは湾曲部分43a,43b,44a,44bに亀裂が生じるリスクを低減するために鍛造される。
【0075】
ユニット1の作動が、連結部材40a,40bを第1状態(図5)とし、ロック部材50を通路Pに沿う位置P(図6)とした状態から説明が始められる。
【0076】
この状態において、連結手段35はダクト20の主部21をフランジ25にしっかりと連結する。
【0077】
非常に短く言えば、ウェブ3は成形通路に沿って送られ、チューブ10が形成され、ダクト20により食品を充填される。
【0078】
その後、ジョー形式の成形組立体が等間隔の横断部分に沿ってチューブ10をグリップしてシールし、連続的にパッケージを形成する。
【0079】
チューブ10の各横断部分の熱シール加工は食品をフランジ25へ向けて押上げる。
【0080】
その量の食品は穴22を横断し、連結部材40a,40bおよびロック部材50に応力および振動を発生させる。
【0081】
そのような振動および応力はロック部材50を連結部材40a,40bに対して通路Pに沿う、および線Yに平行な両方向へ移動させる。
【0082】
それらの振動および応力はランダムに生じることから、その振動および応力が位置Pにある、また同時に位置Qにあるロック部材50を線Yに平行に移動させ、また、通路Pに沿って位置Pに向けて移動させることは非常に稀である。
【0083】
逆に、それらの振動および応力は、突起49がC字形部分53aに当接することによってロック部材50が通路Pに沿って位置Pへ向かって移動することを阻止する何れかの第1阻止位置にロック部材50を線Yに沿って移動させやすい。
【0084】
この結果として、ロック部材50は位置Pに保持され、連結部材40a,40bは第1状態(図5)に保持される。
【0085】
振動および応力が、位置Pにある、また同時に位置Qにあるロック部材50を線Yに平行に移動させ、また、通路Pに沿って位置Pに向けて移動させる場合、突起49は間隙を有して受入部59に受入れられ、ロック部材50は通路Pに沿う位置Pおよび位置Pの間に保持される。
【0086】
振動および応力は、連結部材40a,40bに対してロック部材50を置Pおよび位置Pの間で通路Pに沿って、また線Yに平行に連続的に移動させる。
【0087】
それらの振動および応力はランダムに生じることから、その振動および応力が、位置Pにある、また同時に位置Qにあるロック部材50を線Yに平行に移動させ、また、通路Pに沿って位置Pに向けて移動させることは非常に稀である。
【0088】
逆に、それらの振動および応力は、突起48がC字形部分53bに当接することによってロック部材50(図10)が通路Pに沿って位置Pへ向かって移動することを阻止する何れかの第2阻止位置へとロック部材50を線Yに平行に移動させやすい。
【0089】
ユニット1が停止されると、オペレータは連結手段35をダクト20の主部21およびフランジ25から容易に取外せる。
【0090】
実際に、第1状態(図5)の連結部材40a,40bおよび位置P(図6)のロック部材50から始めると、オペレータは最初にロック部材50を位置Pへ押した後、ロック部材50を線Yに沿って位置Qへ移動させる。
【0091】
この段階で、オペレータはさらにロック部材50を位置Pに向けて押圧し、これにより突起49は通路Pに沿って移動する受入部59に間隙を有して受入れられる。
【0092】
ロック部材50が位置Pの近くに位置されると、オペレータはロック部材50を線Yに沿って位置Qに移動させ、ロック部材50を通路Pに沿って位置Pへ向かって押圧する。
【0093】
このようにして、突起48は通路Pに沿って移動する受入部58に間隙を有して受入れられ、ロック部材50は位置Pへ向けて容易に押圧できる。
【0094】
一旦ロック部材50が位置Pに位置されると、連結部材40a,40bは第2状態(図3)に達することができ、また、ダクト20の主部21およびフランジ25から容易に取外すことができる。
【0095】
同様に、オペレータは連結手段35を使用してダクト20の主部21をフランジ25に容易に連結することができる。
【0096】
実際に、第2状態(図2)の、およびダクト20の主部21およびフランジ25から取外された連結部材40a,40bで始まると、オペレータは最初に部分41a,41bをそれぞれの溝29へと、ストップ端部45a,45bがそれぞれの溝29を取囲む端部27の表面に当接するまで係合させた(図3)後、連結部材40a,40bを部分41a,41bに対して第1状態(図4)になるまで回転させる。
【0097】
この段階で、ロック部材50は位置Pにある(図4)。
【0098】
その後、オペレータはロック部材50を位置Pに向けて移動させ、位置Qまでロック部材50を線Yに平行に移動させ、また、ロック部材50を位置Pから位置Pまで移動させる。
【0099】
最後に、オペレータはロック部材50を先ず線Yに平行に位置Qまで移動させ、その後位置Pまで移動させる(図5)。
【0100】
この段階で、連結部材40a,40bはロック部材50により第1状態にしっかりと固定され、ユニット1を運転することができる。
【0101】
本発明によるユニット1の利点は、前述の説明で明白となるであろう。
【0102】
特に、たとえ同時に線Yに沿って位置Qに位置され、通路Pに沿って位置Pに位置されるとしても、また、同時に線Yに平行に位置Qおよび通路Pに沿って位置Pに位置されるとしても、ロック部材50は位置Pから位置Pまで通路Pに沿って移動することができる。
【0103】
食品の上方への移動により生じて連結手段35に作用する振動および応力がロック部材50のそのような動きの組合せを引起すことは非常に稀なので、連結手段35が不用意にダクト20の主部21およびフランジ25から取外れることは非常に稀である。
【0104】
同様に、そのような振動および応力がロック部材50または連結部材40a,40bを破損することは非常に稀なので、それら部材の破片がチューブ10内に落下してパッケージ内に留まる危険は徹底的に減少される。
【0105】
特に、連結部材40a,40bがそれぞれ閉じた環状体として成形されているので、そのような連結部材40a,40bの潜在的な亀裂でそれらの破片がチューブ10内に落下することは阻止される。
【0106】
最後に、ユニット1が停止されたときにオペレータがロック部材50を位置Pから位置Pまで、またその逆方向に容易に移動させることができるので、連結部材40a,40bはオペレータにより第1状態と第2導体との間で容易に移動することができる。
【0107】
しかしながら、添付請求項に記載された精神から逸脱することなく、ユニット1を変形させることができることは明白である。
【0108】
特に連結部材40a,40bはそれぞれ複数の突起48,49を含むことができる。
【符号の説明】
【0109】
1 包装ユニット
3 ウェブ
10 包装材料チューブ
12 充填装置
20 ダクト
21 主部21
22 穴
23 食品入口開口
24 端部
25 フランジ
26,27 端部
28 主部
29 溝
30 頂部
31 底部
35 連結手段
38 受け座
39a,39b 溝
40a,40b 連結部材
41a,41b 円筒形部分
42a,42b 部分
43a,43b 部分
44a,44b 部分
45a,45b ストップ端部
48,49 突起
50 ロック部材
51 直線部分
52 部分
53a,53b 部分
54 部分
58,59 受入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料チューブ(10)に注入可能な食品の密閉パッケージを製造するための、
前記チューブ(10)に前記食品を注入するためのダクト(20)、
前記チューブ(10)に受入れられるフランジ(25)、および
前記ダクト(20)を前記フランジ(25)に連結するための連結解除可能な連結手段(35)を含んで成る包装ユニット(1)であって、
前記連結手段(35)がさらに、
第1状態および第2状態の間で前記ダクト(20)に対して移動可能で、前記第1状態において前記ダクト(20)および前記フランジ(25)にしっかりと連結されており、また、前記第2状態において前記ダクト(20)および前記フランジ(25)から取外されている2つの連結部材(40a,40b)と、
前記第1状態に配置された前記連結部材(40a,40b)に対して通路(P)に沿って、前記連結部材(40a,40b)を前記第1状態に保持する第1位置(P)、および前記連結部材(40a,40b)が前記第2状態へ向けて自由に移動できるようにする第2位置(P)の間を移動できるロック部材(50)と、
前記通路Pに沿う前記第1位置(P)と第2位置(P)との間に位置する少なくとも第3位置(P)において前記ロック部材(50)を前記連結部材(40a,40b)に対して拘束するための第1拘束手段(49,59)とを含んでおり、
前記ロック部材(50)は前記第3位置(P)において前記連結部材(40a,40b)に対して移動可能であって、前記通路(P)に沿って前記第2位置(P)へ向けて前記ロック部材(50)が移動することを前記第1拘束手段(49;59)が阻止する少なくとも第4位置と、前記通路(P)に沿って前記第2位置(P)へ向かって前記ロック部材(50)が自由に移動できる第5位置(Q)との間を前記通路(P)を横切るように移動できることを特徴とする包装ユニット(1)。
【請求項2】
前記通路(P)に沿う少なくとも第6位置(P)において前記ロック部材(50)を前記連結部材(40a,40b)に対して拘束するための第2拘束手段(48;58)を含んでおり、
前記ロック部材(50)が前記通路(P)に沿って前記第2位置(P)へ向けて移動することを前記第2拘束手段(48;58)が阻止する少なくとも第7位置と、前記ロック部材(50)が前記通路(P)に沿って前記第2位置(P)へ向けて自由に移動できる第8位置(Q)との間の前記第6位置(P)において前記通路(P)を横切るように前記連結部材(40a,40b)に対してロック部材(50)は移動することもできることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記第1拘束手段(49,59)が前記ロック部材(50)により形成された第1受入部(59)と、前記連結部材(40a,40b)の一方(40b)により形成されて前記第3位置(P)に配置された第1突起(49)とを含んでおり、前記第1突起(49)は前記ロック部材(50)の前記第5位置(Q)において前記第1受入部(59)内に間隙を有して受入れられ、また、前記ロック部材(50)の前記第4位置において前記ロック部材(50)に接触して前記ロック部材(50)が前記第2位置(P)へ向けて移動することを阻止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のユニット。
【請求項4】
前記ロック部材(50)が前記第3位置(P)および第6位置(P)で前記通路(P)を横切るように直線(Y)に平行に移動でき、前記第5位置(Q)および前記第8位置(Q)は前記直線(Y)に沿って間隔を隔てられていることを特徴とする請求項2または請求項2に従属するときの請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記第2拘束手段が前記ロック部材(50)により形成された第2受入部(58)と、前記連結部材(40a,40b)の他方(40a)により形成されて前記第お位置(P)に配置された第2突起(48)とを含んでおり、前記第2突起(48)は前記ロック部材(50)の前記第4位置(Q)において前記第2受入部(58)内に間隙を有して受入れられ、また、前記ロック部材(50)の前記第2位置(P)に向かう移動を阻止するために前記ロック部材(50)の前記第7位置においてロック部材(50)に接触することを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載のユニット。
【請求項6】
前記連結部材(40a,40b)がそれぞれ閉じた環状体として形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のユニット。
【請求項7】
前記連結部材(40a,40b)が前記第1状態において弧形状の第3受け座(38)を形成し、前記受け座は前記チューブ(10)と係合することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のユニット。
【請求項8】
前記連結部材(40a,40b)がそれぞれ第1部分(42a,42b)、および前記第1部分(42a,42b)と反対側の第2部分(41a,41b)を含むことを特徴とする請求項7に記載されたユニット。
【請求項9】
前記第1部分(42a,42b)がそれぞれ歯(46a,46b)と、前記連結部材(40a,40b)が前記第1状態にあるとき互いに向き合って前記第3受け座(38)を形成する凹空間(47a,47b)とを含むことを特徴とする請求項8に記載されたユニット。
【請求項10】
前記第2部分(41a,41b)が前記フランジ(25)で形成されたそれぞれの溝(29)内に係合できることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のユニット。
【請求項11】
各連結部材(40a,40b)がそれぞれの第1および第2部分(42a,42b;41a,41b)の間に位置する第3部分(44a,44b)を含み、前記連結部材(40a,40b)が前記第1状態にあるとき、前記第3部分(44a,44b)は前記それぞれの第2部分(42a,42b)から前記それぞれの第1部分(41a,41b)へ向けて移動すると高くなることを特徴とする請求項8から請求項10までのいずれか一項に記載のユニット。
【請求項12】
各連結部材(40a,40b)が、それぞれの第3部分(44a,44b)と反対側に位置して他の溝(39a,39b)を形成された第4部分(43a,43b)を含んでいることを特徴とする請求項11に記載のユニット。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−120699(P2010−120699A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−99894(P2009−99894)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】