説明

包装棒状食品及び包装シート

【課題】内フィルムと外フィルムとの間に海苔を挟んでなる包装シートによって、棒状飯を包装した包装棒状飯の包装を解く際に、一方の手で包装棒状飯を丸掴みして安定して支持して包装を解くことを可能とする。
【解決手段】内、外両フィルム2、3の間に海苔海苔41を挟んで成り、外フィルム2は略中央部に2分可能な断続的な切込み22が設けられ、一端に断続的な切込み22に掛かる三角形の切欠24を有し、内フィルム3は2枚の略同形のフィルム片31、31の内端どうしを前記外フィルム2の断続的な切込み上で重ね合わせて形成された包装シートの内フィルム3を内側にして、包装シート1を棒状飯71に巻き付け、ラベル61にて巻付け終端を止めている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内フィルムと外フィルムの間にシート状食品を挟んでなる包装シート、及び該包装シートによって棒状食品を包装した包装棒状食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、長方形の外フィルムと内フィルムの間にシート状海苔を挟んで、内外の両フィルムの外周部を溶着して成る包装シートを、棒状飯の周面に巻いて包装した包装棒状飯が知られている。
外フィルムは略中央部に2分可能な分断可能部が設けられ、内フィルムは2枚の略同形のフィルム片の内端どうしを前記外フィルムの分断可能部上で重ね合わせて形成されている。
包装棒状飯は、包装シートの内フィルム上にそのフィルム片の重なり部に直交して棒状飯を載せ、包装シートを棒状飯の周面に巻き付け、巻付け終端をラベルで止めている。
【0003】
包装棒状飯の包装を解くには、ラベルを剥がし、包装棒状飯の一端側のフィルムを外側に引っ張って外フィルムを分断すると共に外フィルムの半分と内フィルムの片方のフィルム片を一緒に引き出す。
棒状飯上に残った外フィルムの半分と、残りのフィルム片を反対側へ引き出す。 これによって、シート状海苔だけが棒状飯上に残って、棒状飯に直に被さる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外フィルムの分断可能部がカットテープである場合、最初にカットテープを引っ張ってフィルムを分断しておけば、カットテープを引っ張る手間が掛かるが、包装を解くのに問題はない。
しかし、外フィルムの分断可能部が、フィルムに施した断続的な切込み(所謂、「ミシン目」)である場合、該切込みが外フィルムの端縁に掛かっていない場合、外フィルムが上手く分断せず、棒状飯が型崩れする等の問題が生じることがあった。
本発明は、外フィルムの、断続的な切込みによる分断可能部を円滑に分断可能とした、包装シート及び該包装シートで包装した包装棒状飯を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の包装シートは、長方形の外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで、内外の両フィルム(2)(3)の外周部を溶着して成り、外フィルム(2)は略中央部に2分可能な分断可能部(21)が設けられ、内フィルム(3)は2枚の略同形のフィルム片(31)(31)の内端どうしを前記外フィルム(2)の分断可能部(21)上で重ね合わせて形成され、棒状食品(7)の外周面を分断可能部(21)の方向に巻き付けて包装する包装シートにおいて、
外フィルム(2)の分断可能部(21)は、該フィルムに断続的な切込み(22)を施して形成され、外フィルム(2)の巻付け開始端(23)の略中央部には切欠(24)が施され、該切欠は内端から外側へ拡大し、該内端が分断可能部(21)に掛かっている。
【0006】
請求項2は、請求項1の包装シートにおいて、内フィルム(3)上に、包装すべき棒状食品(7)の端面に被さる端面被せ片(51)(51)を突設している。
【0007】
請求項3の包装棒状食品は、請求項2の包装シート(1)の内フィルム(3)を内側にして、該端面被せ片(51)(51)を包装すべき棒状食品(7)の両端面に被せてから、包装シート(1)を棒状食品(7)に巻き付け、止着手段(6)にて巻付け終端を止めている。
【0008】
請求項4は請求項3の包装棒状食品において、包装シート(1)には、包装を解く際の包装シートの巻付け終端の開き程度の目安となる開き目印(14)が施されている。
【0009】
請求項5は請求項3又は4の包装棒状食品において、包装シート(1)には巻付け終端を開き、次に棒状食品(7)の一端側のフィルムを外側に引っ張る際に、棒状食品(7)の他端側を支持する手指の位置の目安となる指位置目印(12)が施されている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の包装シート(1)の内フィルム(3)上に、棒状食品(7)を載せる。このとき棒状食品(7)の略中央部がフィルム片(31)(31)の重なり部(30)に位置し且つ該重なり部の方向に対して棒状食品(7)が直交する様にする。包装シート(1)を棒状食品(7)に巻き付けて包装する。
【0011】
包装棒状食品の包装を解くには、止着手段(6)による包装シート(1)の巻付け終端(13)の止着を外して該巻付け終端を開く。
次に、一方の手で、包装シート(1)の上から棒状食品(7)の一端側を掴み、包装シート(1)の他端側を外側に引っ張る。このとき引っ張る手指は、巻付け開始端(12)側を摘む。該外フィルム(2)には巻付け開始端の中央部にて、切欠(24)が施され、該切欠は内端から該終端側(23)へ拡大し、該内端が分断可能部(21)に掛かっているから、前記フィルムの引っ張り応力は、切欠(24)の内端に集中する。
【0012】
従って、たとえ切欠(24)の内端が分断可能部(21)の断続的な切込み(22)の、切込みと切り込みの間に位置していても、前記引っ張り応力の集中によって簡単に切込みに繋がり、後は断続的な切込み(22)がスムーズに繋がって、外フィルム(2)を分断でき、そのまま外フィルム(2)の半分と、該半分に繋がっている内フィルム(3)の一方のフィルム片(31)を一緒に引き出すことができる。
【0013】
外フィルム(2)の半分と、内フィルム(3)の半分が引き出されてシート状食品(4)が露出した側の棒状食品(7)を、シート状食品(4)の上から掴み、包装シート(1)の残り半分を、前記とは反対側に引っ張って引き出す。これによってシート状食品(4)が完全に露出して、棒状食品(7)に直接に被さる。
【0014】
請求項2の包装シート(1)は、内フィルム(3)上に突設した端面被せ片(51)(51)にて、棒状食品(7)の端面を外気から遮断できるから、衛生的であり、且つ、異物混入を防止できる。
【0015】
請求項3の包装棒状食品の効果は請求項1と同様である。
【0016】
請求項4の包装棒状食品は、包装を解く際に、開き目印(14)が見えるまで包装シートの巻付け終端を開けばよいから、開き過ぎたり、開き足なかったりして、上手く包装が解けなくなることを防止できる。
【0017】
請求項5の包装棒状食品は、棒状食品(7)の一端側のフィルムを外側に引っ張る際に、棒状食品(7)を支持する手指の位置が、指位置目印(14)によって指示されているから、スムーズに包装を解くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1乃至図3示す如く、包装シート(1)は、透明外フィルム(2)と半透明の内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟み、内フィルム(3)上に両端を内フィルム(3)から大きくはみ出させて被せフィルム(5)を被せて構成されている。
【0019】
実施例のシート状食品(4)は、長さ約130m、幅長さ約100mmのシート状海苔(以下、単に「海苔」とする)である。
外フィルム(2)及び内フィルム(3)は、海苔(41)よりも少し大きな長方形である。
棒状食品(7)の長さと太さは、海苔(41)が棒状食品(7)の外周を1周強巻き付け可能な大きさである。
棒状食品(7)は、長さ約100mm、直径約40mmのロール状であり、実施例では棒状飯(71)である。
【0020】
外フィルム(2)は、幅方向の中央部に、長手方向に沿って外フィルム(2)を2分可能な分断可能部(21)を有している。
分断可能部(21)は、断続的な切込み(22)(所謂、「ミシン目」)である。
更に、外フィルム(2)には、棒状飯(71)への巻付け開始端(23)の中央部に切欠(24)が開設されている。
【0021】
切欠(24)は、内端から外側(巻き付け開始端(23)側)へ拡大し、内端の幅狭部が分断可能部(21)に掛かっている。実施例の切欠(32)は、内端が一点に集中する様に尖っている三角形を呈している。
切欠(32)の内端は、分断可能部(21)の分断予定線上にあれば、切込みと切込みとの間のフィルムの繋がり部分に位置していてもよい。
【0022】
外フィルム(2)の内面には、断続的な切込み(22)に被さって通気を遮断する帯フィルム(8)が外フィルム(2)の全長に亘って被せられ、外フィルム(2)の分断に支障のない様に、外フィルム(2)に溶着されている。
【0023】
内フィルム(3)は、2枚の略同形状のフィルム片(31)(31)の内端部を約10m幅で単に重ね合わせて形成されている。
【0024】
内フィルム(3)と外フィルム(2)の外周縁は、上記互いの上記フィルム片(31)(31)の重なり部(30)に掛からない様に、線状に溶着して接合されている。
【0025】
被せフィルム(5)は、外フィルム(2)と直交する方向に長い長方形を呈し、内フィルム(3)の2枚のフィルム片(31)(31)に跨がり、両端を内フィルム(3)からはみ出し、且つ前記外フィルム(2)の切欠(32)に接近して、内フィルム(3)に被さっている。
被せフィルム(5)の長さは、前記棒状飯(71)の長さに棒状飯(71)の直径の約4倍を加えた長さ、実施例では約260mmである。被せフィルム(5)の幅は棒状飯(71)の太さの約2倍の長さ、実施例では約80mmである。
被せフィルム(5)は、棒状飯(71)の直径の2倍程度の長さで内フィルム(3)の両端からはみ出している。
被せフィルム(5)は、その端面被せ片(51)(51)と海苔(41)の間にて、被せフィルム(5)の幅方向に向けて内フィルム(3)に線状に溶着(53)(53)されている。
被せフィルム(5)は長さ中央で切断(52)されている。
【0026】
実施例の包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)の外周を溶着した後に、外フィルム(2)に切欠(24)を開設するから、帯フィルム(8)と内フィルム(3)にも、外フィルムの切欠(24)と同じ位置に、同じ形状の切欠(81)(32)が開設される。
包装シート(1)は、切欠(24)(81)(32)側の端部が棒状飯(71)に対する巻付け開始端(12)となり、反対側の端部が、巻付け終端(13)となる。
【0027】
包装シート(1)には、巻付け終端(13)から棒状飯(71)の直径程度の長さ分だけ内側位置の両端に、開き目印(11)(11)が施されている。
開き目印(11)は、後記の如く、包装棒状おにぎりの包装を解く際に、包装シート(1)の巻付け終端(13)をどの程度開けばよいのかの目安となるものである。
実施例の開き目印(11)(11)は、外フィルム(2)に施されており、内フィルム(3)を透して見える。
又、包装シート(1)には、包装シート(1)の巻付け終端(13)を開いた後、後記の如く、棒状飯(71)の一端側を外側に引っ張り出すとき、棒状飯(71)の他端を掴む手指の親指の位置と方向を示す、指位置目印(14)が施されている。
指位置目印(14)は親指の先端を図示することによって施されている。
実施例では、指位置目印(14)は左手の親指に対するものであり、図4aに示す如く、切欠(24)を上に向けた状態の包装シート(1)の上端左端寄りに、親指が切欠(24)の方向を向く様に図示されている。
【0028】
又、実施例の包装シート(1)の巻付け終端(13)に、該終端を止着する止着手段(6)であるラベル(62)が取り付けられている。
ラベル(61)は、長さが棒状飯(71)の長さ程度もあり、裏面が粘着面となっている。
ラベル(61)は、全長に亘ってその幅長さの1/2程度が包装シート(1)の巻付け終端(13)からはみ出している。
【0029】
然して、上記包装シート(1)によって棒状飯(71)を包装するには、図1に示す如く、包装シート(1)の巻付け開始端(12)側に位置する被せフィルム(5)上に棒状飯(71)を載せ、被せフィルム(5)の端面被せ片(51)(51)を棒状飯(6)の両端面に被さる様に内側へ折り返す。
【0030】
次に、包装シート(1)を巻付け開始端(12)側から棒状飯(71)の周面に巻き付け、巻付け終端(13)を巻き付け開始端(12)の上に重ねると共に、ラベル(61)によって巻付け終端(13)を止着する。
ラベル(61)の横長さは、棒状飯(71)の長さ程度もあるから、該巻付け終端(13)をその両端側が捲れることのない様に、しっかりと止着できる。
【0031】
上記包装棒状飯の海苔(41)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)に挟まれており、外気や棒状飯(71)からの湿気から遮断され、パリパリ感を失わない。棒状飯(71)は、その周面は勿論のこと端面にも端面被せ片(51)(51)が被さっているため、衛生的であり、又、棒状飯(71)の乾燥が防止され風味を損なわない。異物の混入も防止できる。
【0032】
棒状飯(71)を食するには、図4aに示す如く、ラベル(61)を剥がして、包装シート(1)の巻付け終端(13)を開く。前記した包装シート(1)の開き目印(11)が包装シート(1)の内側から見える程度に開けばよい。
ラベル(61)を完全に包装シート(1)から剥がすのは面倒であり、又、後記する理由により、ラベル(61)は巻付け終端(13)上に残しておく方がよい。
【0033】
次に、左手で包装シート(1)の上から棒状飯(71)を掴み、右手で棒状飯(71)の反対側のフィルムを外側に引っ張る。
包装シート(1)の指位置目印(14)に左手の親指を載せる様にして、棒状飯(71)を支持すればよいので、棒状飯(71)を持つ位置に迷うことがない。
上記の様に、フィルムを引っ張ると、包装シート(1)の巻付け開始端(12)の中央部にて、外フィルム(2)には切欠(24)(81(32)が施され、該切欠は、内端から該終端側(23)へ拡大し、内端の幅狭部が分断可能部(21)に掛かっているから、前記フィルムの引っ張り応力は、切欠(24)の内端に集中する。
【0034】
従って、たとえ切欠(24)の内端が分断可能部(21)の断続的な切込み(22)の、切込みと切り込みの間のフィルムの繋がり部分に位置していても、前記引っ張り応力の集中によって簡単に切込みに繋がり、後は断続的な切込み(22)がスムーズに繋がって、外フィルム(2)を分断でき、そのまま外フィルム(2)の半分と、該半分に繋がっている内フィルム(3)の一方のフィルム片(31)を一緒に引き出すことができる。
内フィルム(3)のフィルム片(31)(31)は単に重なっているだけであり、又、被せフィルム(5)は中央部で分断されているから、外フィルム(2)の分断に何ら支障はない。
【0035】
外フィルム(2)の半分と、内フィルム(3)の半分が引き出されて海苔(41)が露出した側の棒状飯(71)を、シート状食品(4)の上から掴み、包装シート(1)の残り半分を、前記とは反対側に引っ張って引き出す。これによって海苔(4)が完全に露出して、棒状飯(71)に直接に被さり包装を解く作業が終了する。
左右に分断された包装シート(1)は、前記ラベル(61)で繋がっているから、散らからず、後始末が簡単である。
【0036】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】包装シートの斜視図である。
【図2】図1A−A線に沿う断面図である。
【図3】包装シートの分解斜視図である。
【図4】a図は包装シートの巻付け終端を開いた状態の斜視図、b図は包装シートを分断し始めた状態の斜視図、c図は包装シートの左半分を引っ張り出した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 包装シート
2 外フィルム
21 分断可能部
22 断続的な切込み
31 フィルム片
4 シート状食品
5 被せフィルム
51 端面被せ片
6 止着手段
61 ラベル
7 棒状食品
71 棒状飯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで、内外の両フィルム(2)(3)の外周部を溶着して成り、外フィルム(2)は略中央部に2分可能な分断可能部(21)が設けられ、内フィルム(3)は2枚の略同形のフィルム片(31)(31)の内端どうしを前記外フィルム(2)の分断可能部(21)上で重ね合わせて形成され、棒状食品(7)の外周面を分断可能部(21)の方向に巻き付けて包装する包装シートにおいて、
外フィルム(2)の分断可能部(21)は、該フィルムに断続的な切込み(22)を施して形成され、外フィルム(2)の巻付け開始端(23)の略中央部には切欠(24)が施され、該切欠は内端から外側へ拡大し、該内端が分断可能部(21)に掛かっている、包装シート。
【請求項2】
内フィルム(3)上に、包装すべき棒状食品(7)の端面に被さる端面被せ片(51)(51)を突設してなる、請求項1に記載の包装シート。
【請求項3】
請求項2に記載の包装シート(1)の内フィルム(3)を内側にして、該端面被せ片(51)(51)を包装すべき棒状食品(7)の両端面に被せてから、包装シート(1)を棒状食品(7)に巻き付け、止着手段(6)にて巻付け終端(13)を止めている、包装棒状食品。
【請求項4】
包装シート(1)には、包装を解く際の包装シートの巻付け終端(13)の開き程度の目安となる開き目印(14)が施されている、請求項1に記載の包装棒状食品。
【請求項5】
包装シート(1)には、該包装シートの巻付け終端(13)を開き、次に棒状食品(7)の一端側のフィルムを外側に引っ張る際に、棒状食品(7)の他端側を支持する手指の位置の目安となる指位置目印(12)が施されている、請求項3又は4に記載の包装棒状食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−13117(P2010−13117A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172024(P2008−172024)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】