説明

包装機

【課題】フィルムを確実に把持することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】計量包装値付機1は、ストレッチフィルムSFの両端部(−X側端部及び+X側端部)のそれぞれを把持してから当該両端部を互いに離れる方向に引っ張る左右側把持機構34を備える。左右側把持機構34の右側把持機構34Rは、ストレッチフィルムの両端部のうちの右側(+X側)端部を互いに協働して把持する、右側上方把持部材34aと右側下方把持部材34bとを備える。右側上方把持部材34aと、右側下方把持部材34bの上方鏡面345とは、ストレッチフィルムSFの右側端部を把持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムを使用して被包装物を包装する包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フィルムを使用して被包装物を包装する包装機に関して様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1,2に記載の包装機では、広げられたフィルムに対して、被包装物が突き上げられることによって当該被包装物が当該フィルムで覆われた後、当該フィルムの周縁部が当該被包装物の下側に折り込まれて当該被包装物が包装される。特許文献1,2に記載の包装機では、被包装物が突き上げられる前に、フィルムの左右端部のそれぞれが把持機構に把持されて互いに離れる方向に引っ張られる。これにより、フィルムが伸張されて大きくなるため、フィルムに皺が生じることなく被包装物をフィルムで包装できるとともに、大きな被包装物をフィルムで包装できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−97309号公報
【特許文献2】特開2005−96797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、上述の包装機では、装置小型化の観点から、小さなフィルムを用いて、被包装物を包装することが望まれている。これを実現する方法として、装置にセットされたフィルムの左右端部をより強い張力で外側に引っ張って伸張することにより、包装前のフィルムのサイズをより大きくすることが考えられるが、フィルムの復元力もより強くなるため、フィルムが左右の把持機構から抜け出てしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、フィルムを確実に把持することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、フィルムを伸張し、当該フィルムに対して被包装物を突き上げて当該フィルムで当該被包装物を覆った後、当該フィルムの周縁部を当該被包装物の下側に折り込んで当該被包装物を包装する包装機であって、フィルムの第1両端部のそれぞれを把持してから当該第1両端部を互いに離れる方向に引っ張る第1把持機構を備え、前記第1把持機構は、前記フィルムの前記第1両端部のうちの一方の第1端部を互いに協働して把持する、一方把持部材及び他方把持部材を備え、前記一方把持部材と、前記他方把持部材の鏡面加工された第1表面とが、前記フィルムの前記第1端部を把持する。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の包装機であって、前記フィルムにおける、前記第1両端部と異なる第2両端部を把持する第2把持機構をさらに備え、前記フィルムの前記第1端部は、終端部分と、当該終端部分よりも内側の内側部分とを含み、前記一方把持部材と前記他方把持部材とは、前記一方把持部材を上側にして上下に配置されており、前記他方把持部材は、前記第1表面が前記内側部分を押し上げて前記一方把持部材と把持した際に、前記第2把持機構により伸張されている前記終端部分と対向する第2表面をさらに有し、前記第2表面は、前記第1表面が前記内側部分を前記一方把持部材と把持した状態で前記第1把持機構が前記第1両端部を引っ張る際に前記終端部分に当接する。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の包装機であって、前記一方把持部材は、前記フィルムの前記第1端部を、前記他方把持部材の前記第1表面と把持するクッション部材を有する。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の包装機であって、前記一方把持部材は、前記フィルムの前記周縁部が前記被包装物の下側に折り込まれる際に、前記被包装物の下側に移動して前記フィルムの前記第1端部を前記被包装物の下側に折り込む折込部材として機能し、前記第1把持機構は、前記一方把持部材が前記被包装物の下側に移動する際に、前記フィルムの前記第1端部の把持を解放し、前記フィルムの前記第1端部を前記他方把持部材の前記第1表面と把持する、前記一方把持部材の表面は、粗面化されている。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の包装機であって、前記一方把持部材は、開口穴を有し、前記他方把持部材には、前記開口穴と係合可能な係合部材が設けられ、前記一方把持部材を、前記フィルムの前記第1両端部のうちの他方の第2端部から前記第1端部に向かう方向に移動させる駆動手段をさらに備え、前記第1把持機構が前記フィルムの前記第1端部を把持する際に、前記係合部材が前記開口穴に係合することにより、前記他方把持部材が前記一方把持部材と一体的に移動可能となる。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の包装機であって、前記第1把持機構が前記フィルムを引っ張る方向である引っ張り方向において第1の長さを有する前記被包装物が包装される際の、前記第1把持機構が前記フィルムの前記第1両端部を把持する把持位置は、前記引っ張り方向において前記第1の長さよりも小さい第2の長さを有する前記被包装物が包装される際の前記把持位置よりも内側に設定される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至請求項6に係る発明によれば、一方把持部材とフィルムの第1端部を把持する、他方把持部材の第1表面が鏡面加工されているため、他方把持部材とフィルムの第1端部との密着性を高めることができる。したがって、フィルムの第1端部に対する第1把持機構の把持力を高めることができるので、第1把持機構がフィルムを引っ張る際に、第1把持機構からフィルムが抜けるのを抑制することができる。
【0013】
特に、請求項2に記載の発明によれば、第1把持機構が第1両端部を引っ張る際には、他方把持部材の第2表面が、第2把持機構により伸張されている終端部分に当接するため、当該終端部分が他方把持部材の第2表面に押付けられるようになる。よって、第1把持機構がフィルムを引っ張る際に、第1把持機構からさらにフィルムが抜けにくくなる。
【0014】
特に、請求項3に記載の発明によれば、一方把持部材のクッション部材と他方把持部材とがフィルムの第1端部を把持するため、一方把持部材とフィルムとの接触面積を増やすことができる。したがって、フィルムの第1端部に対する第1把持機構の把持力をより高めることができるので、第1把持機構がフィルムを引っ張る際に、第1把持機構からフィルムが抜けるのを確実に抑制することができる。
【0015】
特に、請求項4に記載の発明によれば、フィルムの第1端部を他方把持部材と把持する、一方把持部材の表面が、粗面化されているため、一方把持部材とフィルムの第1端部とがくっつくことを抑制することができる。したがって、フィルムの第1端部を被包装物の下側に折り込むために、一方把持部材が被包装物の下側に移動する際に、フィルムの第1端部が一方把持部材から離れずにフィルムが破れるのを抑制することができる。
【0016】
特に、請求項5に記載の発明によれば、駆動手段が一方把持部材を移動させると、他方把持部材も移動させることができる。したがって、他方把持部材を移動させるための専用の駆動手段が不要となり、包装機の構成を容易にすることができる。
【0017】
特に、請求項6に記載の発明によれば、第1把持機構がフィルムを引っ張る方向である引っ張り方向において第1の長さを有する被包装物が包装される際の、第1把持機構がフィルムの第1両端部を把持する把持位置が、当該引っ張り方向において第1の長さよりも小さい第2の長さを有する被包装物が包装される際の当該把持位置よりも内側に設定されているため、当該引っ張り方向の長さが異なる被包装物を同じサイズのフィルムを用いて包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態に係る計量包装値付機を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る計量包装値付機の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る計量包装機構と包装機の構成を示す側面図である。
【図4】実施の形態に係る前フィーダ及び後フィーダの構成を示す平面図である。
【図5】実施の形態に係る前フィーダの構成を示す正面図である。
【図6】実施の形態に係る前フィーダ及び後フィーダの動作を示す平面図である。
【図7】実施の形態に係る前フィーダ及び後フィーダの動作を示す平面図である。
【図8】実施の形態に係る右側把持部材の構成を示す斜視図である。
【図9】実施の形態に係る左右側把持機構の動作を示す正面図である。
【図10】実施の形態に係る左右側把持機構の動作を示す正面図である。
【図11】実施の形態に係る左右側把持機構の動作を示す正面図である。
【図12】実施の形態に係る左右側把持機構の動作を示す正面図である。
【図13】実施の形態に係る左右側把持機構の動作を示す平面図である。
【図14】実施の形態に係る左右側把持機構の動作を示す正面図である。
【図15】実施の形態に係るフィルム折込機構の構成を示す斜視図である。
【図16】実施の形態に係るフィルム折込機構の動作を示す正面図である。
【図17】実施の形態に係るリフト部材の構成を示す平面図である。
【図18】実施の形態に係る後側フィーダの動作を示す正面図である。
【図19】実施の形態に係るフィルム折込機構の動作を示す正面図である。
【図20】実施の形態に係るフィルム折込機構の動作を示す正面図である。
【図21】実施の形態に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図22】実施の形態に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図23】実施の形態に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図24】実施の形態に係る後側フィーダの動作を示す正面図である。
【図25】実施の形態に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図26】実施の形態に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図27】実施の形態に係るストレッチフィルムの長さを比較する図である。
【図28】実施の形態に係るストレッチフィルムの長さを比較する図である。
【図29】変形例1に係るストレッチフィルムの長さを比較する図である。
【図30】計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図31】計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図32】変形例2に係る後側フィーダの動作を示す正面図である。
【図33】変形例2に係る後側フィーダの動作を示す正面図である。
【図34】変形例2に係る後側フィーダの動作を示す正面図である。
【図35】計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図36】計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図37】変形例3に係る計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図38】変形例3に係る計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図39】計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図40】変形例4に係る計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図41】変形例4に係る計量包装値付機の動作を示す平面図である。
【図42】変形例5に係るリフト部材の構成を示す斜視図である。
【図43】変形例5に係るフィルム折込機構の動作を示す正面図である。
【図44】変形例5に係るフィルム折込機構の動作を示す正面図である。
【図45】変形例5に係るフィルム折込機構の動作を示す正面図である。
【図46】変形例5に係るフィルム折込機構の動作を示す正面図である。
【図47】変形例5に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図48】変形例5に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図49】変形例5に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図50】変形例5に係るフィルム折込機構の動作を示す側面図である。
【図51】リフト部材の動作を示す正面図である。
【図52】変形例6に係るリフトヘッドの構成を示す斜視図である。
【図53】変形例6に係るリフトヘッドの動作を示す正面図である。
【図54】変形例7に係るリフトヘッドの動作を示す正面図である。
【図55】変形例7に係るリフトヘッドの動作を示す正面図である。
【図56】変形例7に係るリフトヘッドの動作を示す正面図である。
【図57】変形例8に係るリフトヘッドの構成を示す正面図である。
【図58】変形例9に係るリフト折込機構の構成を示す正面図である。
【図59】変形例9に係るリフト折込機構の動作を示す正面図である。
【図60】変形例9に係るリフト折込機構の構成を示す正面図である。
【図61】変形例9に係るリフト折込機構の構成を示す正面図である。
【図62】変形例10に係る計量包装値付機の構成を示すブロック図である。
【図63】変形例11に係る計量包装値付機の構成を示すブロック図である。
【図64】変形例12に係る計量包装値付機の構成を示すブロック図である。
【図65】変形例12に係るトレーを示す平面図である。
【図66】変形例12に係るリフト部材の構成を示す平面図である。
【図67】変形例12に係るトレーを示す平面図である。
【図68】変形例12に係るリフト部材の構成を示す平面図である。
【図69】変形例13に係る計量包装値付機の構成を示すブロック図である。
【図70】計量包搬送機構の構成を示す断面図である。
【図71】計量包搬送機構の構成を示す断面図である。
【図72】変形例15に係る計量包搬送機構の構成を示す断面図である。
【図73】変形例15に係る計量包搬送機構の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明の実施の形態に係る包装機3を備える計量包装値付機1の外観を示す斜視図である。図2は計量包装値付機1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る計量包装値付機1は、商品を計量した後に包装する。そして、計量包装値付機1は、包装後の商品を排出するとともに、価格等が印字されたラベル11を排出する。以下の説明では、計量包装値付機1の前後方向、左右方向及び上下方向をそれぞれX方向、Y方向、Z方向とするXYZ直交座標系(図1参照)を適宜使用する。
【0020】
図1及び図2に示されるように、計量包装値付機1は、計量搬送機構2と、包装機3と、ラベル発行装置6と、表示部7と、操作部8と、記憶部9と、これらの構成要素を制御する制御部10とを備える。
【0021】
制御部10は、筐体12内に収納されており、CPUなどで構成されている。記憶部9は、筐体12内に収納されており、ハードディスクなどで構成されている。記憶部9には、動作プログラムなどの情報が記憶されており、制御部10はその動作プログラムに基づいて、各構成要素を制御することにより、計量包装値付機1全体の動作を統括的に制御する。表示部7は例えばタッチパネルであって、操作部としても機能する。操作部8は、例えば複数の操作キーで構成されている。表示部7及び操作部8に対してユーザから入力された操作情報は制御部10に入力される。制御部10は、入力された操作情報に応じた動作を行う。
【0022】
本実施の形態に係る計量包装値付機1では、計量搬送機構2に対して、食品等の商品が搭載されたトレーが投入される。以下、商品が搭載されたトレーを「商品搭載トレー」と呼ぶ。計量搬送機構2は、投入された商品搭載トレーを包装機3に向けて搬送しながら当該商品搭載トレーの計量を行う。計量搬送機構2での計量結果は制御部10に入力される。制御部10は、表示部7を制御して、入力された計量結果を表示部7に表示させる。
【0023】
包装機3は、リフト部材31を使用して、計量搬送機構2から搬送されてきた商品搭載トレーを包装エリアPAまで持ち上げる。このとき、包装機3では、フィルム供給機構32からストレッチフィルムSFが包装エリアPAに供給されている。包装機3は、リフト部材31によって商品搭載トレーを持ち上げることによって、包装エリアPAに供給されたストレッチフィルムSFに対して商品搭載トレーを突き上げて、当該商品搭載トレーをストレッチフィルムSFで覆う。その後、包装機3は、ストレッチフィルムSFで覆われた商品搭載トレーの下側に、当該ストレッチフィルムSFの周縁部を折り込むことによって、当該商品搭載トレーを包装する。包装機3は、包装後の商品搭載トレーを排出台42に向けて排出する。このとき、ラベル発行装置6が外部に向けてラベル11を発行する。このラベル11には、商品搭載トレーの商品の重量や、当該商品の価格が印字されている。これらの重量や価格については、制御部10が計量搬送機構2での計量結果に基づいて求める。包装機3は、フィルム保持棒(図示せず)を有し、そのフィルム保持棒には、ストレッチフィルムSFがロール状に巻回された紙管(以後、「フィルムロール」と呼ぶことがある)が挿入される。フィルム保持棒に取り付けられたフィルムロールは、包装機3が有するフィルム格納部43に格納される。
【0024】
<計量搬送機構の構成>
図3は、計量包装値付機1のうち計量搬送機構2及び包装機3の構成を示す側面図である。計量搬送機構2は、重量センサ20と、処理対象の商品搭載トレーTRが搭載される載置部21と、載置部21に搭載された商品搭載トレーTRをリフト部材31に搬送する搬送部材22と、載置部21を支持する支持部材23とを備えている。重量センサ20は、載置部21に載置された物の重量を計測する。載置部21には商品搭載トレーTRが搭載されるので、通常、重量センサ20は、商品搭載トレーTRを計量する。載置部21は、商品搭載トレーTRが搭載される、X方向に沿って配列された複数の搭載部分21aを有している。各搭載部分21aはY方向に沿って延在している。
【0025】
搬送部材22は、商品搭載トレーTRを支持する、X方向に沿って配列された複数の支持部分22aを有している。各支持部分22aは、Y方向に沿って延在している。複数の支持部分22aと、載置部21の複数の搭載部分21aとは、交互に配置されている。搬送部材22が、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されると、各支持部分22aの上端が、載置部21の各搭載部分21aの上端よりも上方(+Z側)となるように搬送部材22が図に示す位置から+Z方向に移動する。これにより、搬送部材22が、載置部21上の商品搭載トレーTRを下側から少し持ち上げるようになり、当該商品搭載トレーTRが搬送部材22に支持される。その後、搬送部材22は、同駆動手段によって、−Y方向に移動する。そして、搬送部材22は、商品搭載トレーTRがリフト部材31の上側に移動した際に、搬送部材22の各支持部分22aの上端が、リフト部材31のリフトヘッド310の上端よりも下方(−Z側)となるように、同駆動手段によって−Z方向に移動する。これにより、商品搭載トレーTRが、リフト部材31のリフトヘッド310に載置される。その後、搬送部材22は、同駆動手段によって、再び図3に示す位置に戻るように+Y方向に移動する。
【0026】
<包装機の構成>
まず、最初に図2,図3を参照して包装機3についての概略の構成及び動作について説明する。なお、図3では包装機3において商品搭載トレーTRが移動する様子を二点差線で示している。図2,3に示されるように、計量搬送機構2から搬送されてきた商品搭載トレーTRは、Z方向に沿って移動可能なリフト部材31に載置される。前側フィーダ321及び後側フィーダ322は、ストレッチフィルムSFを包装エリアPAに供給するフィルム供給機構32として機能する。また、前側フィーダ321及び後側フィーダ322は、包装エリアPAに供給したストレッチフィルムSFのY方向の両端部を把持しながら、互いに離れる方向(Y方向)に引っ張ることにより、ストレッチフィルムSFを伸張する前後側把持機構33として機能する。左右側把持機構34(図3では示されていない)は、フィルム供給機構32により供給されたストレッチフィルムSFのX方向の両端部を把持しながら、互いに離れる方向(X方向)に引っ張ることにより、ストレッチフィルムSFを伸張する。なお、前後側把持機構33及び左右側把持機構34が、ストレッチフィルムSFの両端部を互いに離れる方向に引っ張るのは、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じるのを抑制するとともに、装置小型化の観点から大きな商品搭載トレーTRを小さなストレッチフィルムSFで包装するためである。
【0027】
リフト部材31は、載置された商品搭載トレーTRを+Z方向に持ち上げて、包装エリアPAにおいて伸張されているストレッチフィルムSFに対して商品搭載トレーTRを突き上げる。これにより、商品搭載トレーTRの上部分がストレッチフィルムSFで覆われる。
【0028】
商品搭載トレーTRがストレッチフィルムSFに覆われると、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部が左側折込部材35b及び右側折込部材35aによって商品搭載トレーTRの下側に折り込まれてから、ストレッチフィルムSFの−Y側の端部が後側折込部材36によって商品搭載トレーTRの下側に折り込まれる。その後、ストレッチフィルムSFの商品搭載トレーTRは排出プッシャー38によって排出台42に向かって(+Y方向に)押動される。このとき、ストレッチフィルムSFの+Y側の端部が前側折込部材37によって商品搭載トレーTRの下側に折り込まれる。また、商品搭載トレーTRが排出台42に向けて押動される際には、商品搭載トレーTRは2つのヒータローラ39,40上を移動し、当該ヒータローラ39,40によって、ストレッチフィルムSFにおける、商品搭載トレーTRの底面で重なっている部分が熱溶着される。その後、商品搭載トレーTRは、搬送ローラ41上を移動して、排出台42まで搬送される。
【0029】
次に、包装機3の詳細な構成及び動作について説明する。
【0030】
<フィルム供給機構・前後側把持機構>
図4,6,7は、包装機3が有する前側フィーダ321及び後側フィーダ322を+Z側から見た平面図である。図4,6,7には、左右側把持機構34として機能する左側上方把持部材34c及び右側上方把持部材34aも図示されている。図5は、後側フィーダ322を+Y側から見た際の後側フィーダ322の構成を示す正面図である。
【0031】
前側フィーダ321及び後側フィーダ322は、フィルム格納部43から図示しないフィルム搬送部によって送り出されるストレッチフィルムSFを包装エリアPAに供給するフィルム供給機構32として機能する。また、前側フィーダ321及び後側フィーダ322は、包装エリアPAに供給したストレッチフィルムSFのY方向の両端部を把持しながらY方向に引っ張る前後側把持機構33としても機能する。
【0032】
図4,6,7に示すように、前側フィーダ321は、後側フィーダ322よりも前側(+Y側)に配置されている。左側上方把持部材34c及び右側上方把持部材34aは、上面視において前側フィーダ321及び後側フィーダ322の間に位置するように、前側フィーダ321及び後側フィーダ322よりも上方(+Z)に配置されている。上面視において、左側上方把持部材34cは、前側フィーダ321と後側フィーダ322との間の中央部よりも左側(−X側)に位置し、右側上方把持部材34aは、当該中央部より右側(+X側)に位置している。
【0033】
後側フィーダ322は、X方向に並ぶ3つの後側上方把持部材322b,322c,322dと、それらの下方(−Z側)に配置された後側下方把持部材322eとを備える。後側上方把持部材322b〜322dの前側フィーダ321側の端部には、X方向に並ぶ複数の凸部322aが形成されている。これより、後側上方把持部材322b〜322dの前側フィーダ321側の端部は櫛歯形状となる。同様に、後側下方把持部材322eの前側フィーダ321側の端部には、X方向に並ぶ複数の凸部322gが形成されている。これより、後側下方把持部材322eの前側フィーダ321側の端部は櫛歯形状となる。後側上方把持部材322b〜322dのそれぞれは、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることにより、個別に+Z方向及び−Z方向に移動可能である。
【0034】
−X側の後側上方把持部材322bと後側下方把持部材322eとの間にストレッチフィルムSFが存在する際に、−X側の後側上方把持部材322bが−Z方向に移動すると、後側上方把持部材322bと後側下方把持部材322eとによって、ストレッチフィルムSFの−Y側端部のうち−X側の部分が把持される(図5)。
【0035】
+X側の後側上方把持部材322dと後側下方把持部材322eとの間にストレッチフィルムSFが存在する際に、+X側の後側上方把持部材322dが−Z方向に移動すると、後側上方把持部材322dと後側下方把持部材322eとによって、ストレッチフィルムSFの−Y側端部のうち+X側の部分が把持される(図5)。
【0036】
中央の後側上方把持部材322cと後側下方把持部材322eとの間にストレッチフィルムSFが存在する際に、中央の後側上方把持部材322cが−Z方向に移動すると、後側上方把持部材322cと後側下方把持部材322eとによって、ストレッチフィルムSFの−Y側端部の中央部分が把持される(図5)。
【0037】
前側フィーダ321は、これまで説明した後側フィーダ322と同様に構成されている。具体的には、図4に示すように、前側フィーダ321は、X方向に並ぶ3つの前側上方把持部材321b,321c,321dと、それらの下方(−Z側)に配置された前側下方把持部材321eとを備える。前側上方把持部材321b〜321dの後側フィーダ322側の端部には、X方向に並ぶ複数の凸部321aが形成されており、前側下方把持部材321eの後側フィーダ322側の端部には、X方向に並ぶ複数の凸部321gが設けられている。
【0038】
前側フィーダ321及び後側フィーダ322のそれぞれは、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることにより、個別に+Y方向及び−Y方向に移動可能である。前側フィーダ321が−Y方向に移動し、後側フィーダ322が+Y方向に移動すると、前側フィーダ321における、櫛歯状の前側上方把持部材321b〜321dの端部と、後側フィーダ322における、櫛歯状の後側上方把持部材322b〜322dの端部とが互いに嵌合するとともに、前側フィーダ321における、櫛歯状の前側下方把持部材321eの端部と、後側フィーダ322における、櫛歯状の後側下方把持部材322eの端部とが互いに嵌合する。
【0039】
前側上方把持部材321b〜321dのそれぞれは、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることにより、個別に+Z方向及び−Z方向に移動可能である。
【0040】
−X側の前側上方把持部材321bと前側下方把持部材321eとの間にストレッチフィルムSFが存在する際に、−X側の前側上方把持部材321bが−Z方向に移動すると、前側上方把持部材321bと前側下方把持部材321eとによって、ストレッチフィルムSFの+Y側端部のうち−X側の部分が把持される。
【0041】
+X側の前側上方把持部材321dと前側下方把持部材321eとの間にストレッチフィルムSFが存在する際に、+X側の前側上方把持部材321dが−Z方向に移動すると、前側上方把持部材321dと前側下方把持部材321eとによって、ストレッチフィルムSFの+Y側端部のうち+X側の部分が把持される。
【0042】
中央の前側上方把持部材321cと前側下方把持部材321eとの間にストレッチフィルムSFが存在する際に、中央の前側上方把持部材321cが−Z方向に移動すると、前側上方把持部材321cと前側下方把持部材321eとによって、ストレッチフィルムSFの+Y側端部の中央部分が把持される。
【0043】
以下、後側上方把持部材322b〜322dのそれぞれが、ストレッチフィルムSFの把持を解放できる程度に後側下方把持部材322eから離れている状態、及び前側上方把持部材321b〜321dのそれぞれが、ストレッチフィルムSFの把持を解放できる程度に前側下方把持部材321eから離れている状態を、「把持解放状態」と呼ぶ。
【0044】
フィルム格納部43に格納されたロール状のストレッチフィルムSFは、制御部10によって制御されるフィルム搬送部により、フィルム格納部43から後側フィーダ322まで引き出されて、ストレッチフィルムSFの端部が、後側上側把持部材322b〜322dの複数の凸部322aと、後側下側把持部材322eの複数の凸部322gとの間にまで搬送される。後側フィーダ322が把持解放状態にある場合に、複数の凸部322aの間、及び複数の凸部322gの間から露出するストレッチフィルムSFの端部が、後述するように前側フィーダ321によって+Y方向に引っ張られると、シート状のストレッチフィルムSFが、後側フィーダ322から次々に引き出されていく。
【0045】
後側フィーダ322の内部には、ストレッチフィルムSFを切断する内部カッター322fが設けられている。また、後側フィーダ322の内部には、後側フィーダ322内にストレッチフィルムSFが有るか否かを検出するフィルム検出部50(図2)が設けられている。制御部10は、フィルム検出部50の検出結果を表示部7に表示する。
【0046】
フィルム格納部43には、包装エリアPAに供給されるストレッチフィルムSFを温める伸張用ヒータ(図示せず)が設けられている。一般に、ストレッチフィルムSFは冷えると張力を受けても伸びにくく、ストレッチフィルムSFが伸びにくい状態で商品搭載トレーTRの包装が行われると、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じて、包装の見栄えが悪くなる。本実施の形態では、計量包装値付機1の設置場所の温度が低くても、伸張用ヒータが、包装エリアPAに供給されるストレッチフィルムSFを温めるので、当該ストレッチフィルムSFが伸びやすくなっている。
【0047】
次に、以上のように構成される前側フィーダ321及び後側フィーダ322の動作について詳細に説明する。
【0048】
まず、駆動手段によって駆動されることにより、前側フィーダ321及び後側フィーダ322のそれぞれは把持解放状態となる。その後、フィルム搬送部は、ストレッチフィルムSFの端部を、フィルム格納部43から、後側フィーダ322における、上側の複数の凸部322aと下側の複数の凸部322gとの間まで搬送する。これにより、ストレッチフィルムSFの端部の一部分は、図4に示すように、後側下方把持部材322eの複数の凸部322gにより支持され、残りの部分は、複数の凸部322gの隙間及び複数の凸部322aの隙間に現れる。
【0049】
次に、前側フィーダ321は駆動手段によって駆動されることにより−Y方向に移動する。一方、後側フィーダ322は、駆動手段によって駆動されることにより+Y方向に移動する。これにより、図6に示すように、前側フィーダ321の櫛歯状の上側端部と、後側フィーダ322の櫛歯状の上側端部とが互いに嵌合するとともに、前側フィーダ321の櫛歯状の下側端部と、後側フィーダ322の櫛歯状の下側端部とが互いに嵌合する。
【0050】
この際、後側フィーダ322の複数の凸部322aの隙間及び複数の凸部322gの隙間に現れている、ストレッチフィルムSFの+Y側端部が、前側フィーダ321において、前側上方把持部材321b〜321dと、前側上方把持部材321eとの間に挿入される。そして、前側上方把持部材321b〜321dのそれぞれと前側下方把持部材321eとが、ストレッチフィルムSFの+Y側端部を把持する。つまり、ストレッチフィルムSFの+Y側端部が、前側フィーダ321により把持される。なお、ストレッチフィルムSFの+Y側端部が前側フィーダ321により把持される際には、当該+Y側端部は後側下方把持部材322eの複数の凸部322gにより支持されている。これにより、ストレッチフィルムSFの+Y側端部が下側(−Z側)に垂れるのを抑制することができるため、前側フィーダ321は、当該+Y側端部を確実に把持することができる。
【0051】
ストレッチフィルムSFの+Y側端部が、前側フィーダ321により把持されている状態で、前側フィーダ321は+Y方向に移動し、後側フィーダ322は−Y方向に移動する。そうすると、図7に示すように、前側フィーダ321と後側フィーダ322との間、つまり、包装エリアPAにストレッチフィルムSFが供給される。
【0052】
制御部10は、商品搭載トレーTRのY方向の長さに応じた前側フィーダ停止位置及び後側フィーダ停止位置を取得する。ここで、前側フィーダ停止位置とは、前側フィーダ321が+Y方向への移動を停止する位置であって、後側フィーダ停止位置とは、後側フィーダ322が−Y方向への移動を停止する位置である。本実施の形態では、記憶部9には、トレーの種類と、当該トレーの種類に応じた包装条件とを対応付けるファイルが記憶されている。このファイル内の包装条件には、後側フィーダ停止位置、前側フィーダ停止位置などが含まれている。制御部10は、当該ファイルを参照して、包装対象のトレーに応じた包装条件を取得し、当該包装条件から後側フィーダ停止位置及び前側フィーダ停止位置を特定する。これにより、包装対象の商品搭載トレーTRのY方向での長さが大きい場合には、前側フィーダ停止位置と後側フィーダ停止位置との間の距離が大きくなり、包装対象の商品搭載トレーTRのY方向での長さが小さい場合には、前側フィーダ停止位置と後側フィーダ停止位置との間の距離が小さくなる。
【0053】
なお、包装対象のトレーの種類は、ユーザがタッチパネルである表示部7を操作することによって、一度、制御部10に入力されて、その後記憶部9に記憶される。制御部10は、記憶部9から、包装対象のトレーの種類を取得する。
【0054】
後側フィーダ322及び前側フィーダ321が後側フィーダ停止位置及び前側フィーダ停止位置にそれぞれ到達する前、後側上方把持部材322b〜322dのそれぞれと後側下方把持部材322eとが、ストレッチフィルムSFの−Y側端部を把持する。つまり、ストレッチフィルムSFの−Y側端部が、後側フィーダ322により把持される。その後、内部カッター322fは、包装エリアPAに張られたストレッチフィルムSFのうち、後側フィーダ322の内の部分をX軸に沿って切断する。それから、後側フィーダ322及び前側フィーダ321が後側フィーダ停止位置及び前側フィーダ停止位置までそれぞれ移動する。これにより、前側フィーダ321及び後側フィーダ322は、ストレッチフィルムSFの+Y側端部及び−Y側端部のそれぞれを把持した状態で、当該ストレッチフィルムSFをY方向に伸張する。
【0055】
なお、前側フィーダ321が前側フィーダ停止位置に到達した後であって、後側フィーダ322が後側フィーダ停止位置に到達する前に、後側フィーダ322がストレッチフィルムSFの−Y側端部を把持しても良い。また、後側フィーダ322が後側フィーダ停止位置に到達した後であって、前側フィーダ321が前側フィーダ停止位置に到達する前に、後側フィーダ322がストレッチフィルムSFの−Y側端部を把持しても良い。
【0056】
<左右側把持機構>
包装機3が有する左右側把持機構34は、前側フィーダ321及び後側フィーダ322によりY方向の両端部が伸張されているストレッチフィルムSFにおいて、X方向の両端部をX方向に引っ張る。左右側把持機構34は、左側把持部材34Lと、右側把持部材34Rとを備えている。
【0057】
図8は、左右側把持機構34が有する右側把持部材34Rの斜視図である。右側把持部材34Rは、ストレッチフィルムSFの+X側端部を把持して+X側に引っ張る。右側把持部材34Rは、右側上方把持部材34aと、右側下方把持部材34bと、右側下方把持部材34bを包装機3内に取り付けるための取付部材341と、右側下方把持部材34b及び取付部材341を連結する連結部材342と、右側下方把持部材34bに接続された係合部材343とを備える。
【0058】
左側把持部材34Lは、ストレッチフィルムSFの−X側端部を把持して−X側に引っ張る。ここでは図示しないが、左側把持部材34Lは、右側把持部材34Rを左右反転させたものであり、右側上方把持部材34aを左右反転させた左側上方把持部材34c、及び、右側下方把持部材34bを左右反転させた左側下方把持部材34d等を備える。このように、左側把持部材34Lは、右側把持部材34Rを左右反転させたものなので、以下、右側把持部材34Rの詳細な説明のみ行う。
【0059】
取付部材341は、第1直方体部分341aと、それよりも短い第2直方体部分341bとを備える。第1直方体部分341aの底面には、その長辺方向に沿って凹溝341cが設けられている。第2直方体部分341bは、第1直方体部分341aにおける長辺方向の一方の端部上に配置されている。取付部材341は、その長辺方向がX方向に沿った状態で包装機3の内部に取り付けられる。包装機3の内部における、取付部材341のX方向の位置は、ユーザによる手動、あるいは、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)による駆動により変更される。例えば、X方向の長さが大きいストレッチフィルムSFが使用される場合には、取付部材341は+X側に移動され、X方向の長さが小さいストレッチフィルムSFが使用される場合には、取付部材341は−X側に移動される。包装機3の内部に取り付けた取付部材341の上方には、右側下方把持部材34bが位置し、さらに上方には、右側上方把持部材34aが位置する。
【0060】
連結部材342は、4つの長板状部材から構成され、そのうちの2つの長板状部材は、取付部材341の第2直方体部分341b及び右側下方把持部材34bのそれぞれの+Y側側面に接続され、残りの2つの長板状部材は、取付部材341の第2直方体部分341b及び右側下方把持部材34bのそれぞれの−Y側側面に接続される。連結部材342は、取付部材341と接続されている端部を支点として回動し、また、右側下方把持部材34bと接続されている端部を支点として回動する。これにより、右側下方把持部材34bは、その姿勢を保ったまま、取付部材341に対してほぼX方向に移動することが可能となっている。
【0061】
右側上方把持部材34aには開口穴348が設けられており、右側下方把持部材34bに接続された係合部材343は、当該開口穴348に係合可能となっている。
【0062】
右側上方把持部材34aと右側下方把持部材34bとの間に、ストレッチフィルムSFの+X側端部が配置された場合に、取付部材341は、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)により駆動されることにより、右側上方把持部材34aに向かって(+Z側に)移動する。これに伴い、取付部材341と連結する右側下方把持部材34bも、右側上方把持部材34aに向かって移動する。そうすると、右側上方把持部材34aに向かって移動する右側下方把持部材34bが、ストレッチフィルムSFの+X端部を間に挟んで右側上方把持部材34aと当接する。つまり、右側下方把持部材34bが、ストレッチフィルムSFの+X端部を下側から右側上方把持部材34aに押付ける。こうして、右側上方把持部材34a及び右側下方把持部材34bは、互いに協働してストレッチフィルムSFの+X側端部を把持する。
【0063】
右側下方把持部材34bの上面、及び、右側下方把持部材34bの+X側の側面のそれぞれは鏡面加工されている。以下、鏡面加工された上面を、「上方鏡面345」と呼び、鏡面加工された側面を「側方鏡面346」と呼ぶ。本実施の形態では、側方鏡面346における、上方鏡面345と接続する部分は滑らかに湾曲している。
【0064】
右側上方把持部材34aは、上述の開口穴348が形成された板状部材349と、板状部材349の下面に設けられたクッション部材347とを備えている。右側上方把持部材34aでは、板状部材349がXY平面に沿うように配置されている。本実施の形態に係るクッション部材347は、面ファスナーのループ部材である。クッション部材347の表面は、一般的な面ファスナーのループ部材と同様、粗面となっている。
【0065】
右側上方把持部材34aは、制御部10によって制御される上方把持部材駆動手段134に駆動されることにより、−X側及び+X側に移動する。
【0066】
次に、左右側把持機構34が、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部を把持して引っ張る際の動作を説明する。図9は、左右側把持機構34が、ストレッチフィルムSFの両端部を把持する前の様子を、+Y側から見たときの正面図である。図9以降の図において、簡単のため、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rのそれぞれの、取付部材341、連結部材342及びクッション部材347は省略されている。
【0067】
前側及び後側フィーダ321,322が、包装エリアPAにストレッチフィルムSFを供給すると、図9に示すように、ストレッチフィルムSFの+X側端部が、右側上方把持部材34aと隙間をあけた状態で、右側上方把持部材34aと右側下方把持部材34bとの間に挿入される。それとともに、ストレッチフィルムSFの−X側端部が、左側上方把持部材34cと隙間をあけた状態で、左側上方把持部材34cと左側下方把持部材34dとの間に挿入される。
【0068】
その後、図10に示すように、左側及び右側下方把持部材34d,34bは、駆動手段によって駆動されることにより+Z方向に移動し、ストレッチフィルムSFの−X側端部及び+X側端部を、左側及び右側上方把持部材34c,34aのクッション部材349にそれぞれ押付ける。これにより、右側上方把持部材34a及び右側下方把持部材34bは、互いに協働してストレッチフィルムSFの+X側端部を把持し、左側上方把持部材34c及び左側下方把持部材34dは、互いに協働してストレッチフィルムSFの−X側端部を把持する。
【0069】
ここで、右側上方把持部材34aと協働してストレッチフィルムSFの+X側端部を把持する、右側下方把持部材34bの表面は、図8に示される上方鏡面345である。そのため、右側把持部材34RがストレッチフィルムSFを把持する際には、右側下方把持部材34bとストレッチフィルムSFの+X側端部との密着性を高めることができる。したがって、ストレッチフィルムSFの+X側端部に対する右側把持部材34Rの把持力を高めることができる。左側把持部材34Lは右側把持部材34Rと同じように構成されているため、ストレッチフィルムSFの−X側端部に対する左側把持部材34Lの把持力を高めることができる。
【0070】
また、図8に示されるクッション部材347は、ストレッチフィルムSFの+X側端部を、右側下方把持部材34bの上方鏡面345と把持する。そのため、右側把持部材34RがストレッチフィルムSFの+X側端部を把持する際には、右側上方把持部材34aとストレッチフィルムSFの+X側端部との接触面積を増やすことができる。したがって、ストレッチフィルムSFの+X側端部に対する右側把持部材34Rの把持力を高めることができる。右側把持部材34Rと同じように構成されている左側把持部材34Lについても同様である。
【0071】
なお、図10に示すように、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、ストレッチフィルムSFの−X側端部及び+X側端部をそれぞれ把持する際には、左側及び右側下方把持部材34d,34bにそれぞれ接続された係合部材343が、左側及び右側上方把持部材34c,34aの開口穴348にそれぞれ係合する。
【0072】
図11は、右側把持部材34RがストレッチフィルムSFを把持している様子を示す拡大図である。この図では、右側上方把持部材34aの開口穴348がさらに省略され、右側下方把持部材34bに接続された係合部材343がさらに省略されている。図に示すように、ストレッチフィルムSFの+X側端部は、終端部分SF1と、終端部分SF1よりも内側の内側部分SF2とを含む。同様に、ストレッチフィルムSFの−X側端部は、終端部分SF1と、終端部分SF1よりも内側の内側部分SF2とを含む。
【0073】
右側下方把持部34bが上方に移動してストレッチフィルムSFの+X側端部を右側上方把持部34aに押し付ける際には、右側下方把持部34bの上方鏡面345が、ストレッチフィルムSFの+X側端部の内側部分SF2を押し上げて当該内側部分SF2を右側上方把持部材34aと把持する。この際、前側及び後側フィーダ321,322が、右側上方把持部材34aの下側でストレッチフィルムSFのY方向の両端部を把持しているため(図7)、ストレッチフィルムSFのうち内側部分以外の部分が、内側部分SF2から下側に傾斜する。そのため、右側把持部材34Rが、ストレッチフィルムSFの+X側端部を把持する場合には、図11に示すように、右側把持部材34Rの側方鏡面346は、ストレッチフィルムSFの+X側端部の終端部分SF1と対向する。左側把持部材34Lは右側把持部材34Rと同じように構成されているため、左側把持部材34Lが、ストレッチフィルムSFの−X側端部を把持する場合には、左側把持部材34Lの側方鏡面346は、ストレッチフィルムSFの−X側端部の終端部分SF1と対向する。
【0074】
左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、ストレッチフィルムSFの−X側端部及び+X側端部をそれぞれ把持した後(図10)、上方把持部材駆動手段134により、左側上方把持部材34cは−X側に移動し、右側上方把持部材34aは+X側に移動する。このとき、右側下方把持部材34bに接続された係合部材343が、右側上方把持部材34aの開口穴348に係合しているので、右側下方把持部材34bは、右側上方把持部材34aと一体的に+X側に移動する。同様に、左側下方把持部材34dに接続された係合部材343が、左側上方把持部材34cの開口穴348に係合しているので、左側下方把持部材34dは、左側上方把持部材34cと一体的に−X側に移動する。その結果、図12に示すように、右側把持部材34Rは、ストレッチフィルムSFの+X側端部を把持しながら+X側に引っ張り、左側把持部材34Lは、ストレッチフィルムSFの−X側端部を把持しながら−X側に引っ張る。
【0075】
以上のように、左右側把持機構34が、ストレッチフィルムSFにおけるX方向の両端部を把持しながら互いに離れる方向に引っ張る際に、上方把持部材駆動手段134が、右側上方把持部材34a及び左側上方把持部材34cを移動させると、右側下方把持部材34b及び左側下方把持部材34dも移動するようになる(図10、図12)。したがって、本実施の形態に係る計量包装値付機1によれば、右側下方把持部材34bを移動させるための専用の駆動手段が不要となるとともに、左側下方把持部材34dを移動させるための専用の駆動手段も不要となるので、計量包装値付機1の構成を簡素化することができる。
【0076】
図13は、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFのX方向の両端部を引っ張っている様子を示す平面図である。図14は、右側把持部材34Rが、ストレッチフィルムSFのX方向の+X側端部を引っ張っている様子を示す拡大図である。図14では、図11と同様、右側上方把持部材34aのクッション部材347、及び、開口穴348が省略され、右側下方把持部材34bに係る取付部材341、連結部材342及び係合部材343が省略されている。
【0077】
図13に示すように、前側及び後側フィーダ321,322がストレッチフィルムSFのY方向の両端部を引っ張っているため、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部は、Y方向に引っ張られることになる。その結果、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部は外側に移動しにくくなる。
【0078】
このような状態において、右側把持部材34Rが、ストレッチフィルムSFの+X側端部の内側部分SF2を+X側に引っ張ると、図14に示すように、右側下方把持部材34bの側方鏡面346は、Y方向に引っ張られてX方向に移動しにくくなっている、当該+X側端部の終端部分SF1と当接するようになる。これにより、右側下方把持部材34bの側方鏡面346が、ストレッチフィルムSFの+X側端部の終端部分SF1に押付けられるようになる。その結果、右側把持部材34RがストレッチフィルムSFの+X側端部を+X側に引っ張る際に、右側把持部材34RからストレッチフィルムSFが抜けにくくなる。
【0079】
同様に、左側把持部材34Lが、ストレッチフィルムSFの−X側端部の内側部分SF2を−X側に引っ張ると、左側下方把持部材34dの側方鏡面346は、Y方向に引っ張られてX方向に移動しにくくなっている、当該−X側端部の終端部分SF1と当接するようになる。これにより、左側下方把持部材34dの側方鏡面346が、ストレッチフィルムSFの−X側端部の終端部分SF1に押付けられるようになる。その結果、左側把持部材34LがストレッチフィルムSFの−X側端部を−X側に引っ張る際に、左側把持部材34LからストレッチフィルムSFが抜けにくくなる。
【0080】
<フィルム折込機構>
包装機3は、包装エリアPAにおいて伸張されたストレッチフィルムSFに対して突き上げられた商品搭載トレーTRの下側に、ストレッチフィルムSFの周縁部を折り込むためのフィルム折込機構を備えている。図15は、フィルム折込機構の一部を示す斜視図である。フィルム折込機構は、一対の左側折込部材35b及び右側折込部材35aと、後側折込部材36と、前側折込部材37とを備えている。また、フィルム折込機構は、上述の左右側把持機構34の一対の左側及び右側上方把持部材34c,34aを備える。つまり、左側及び右側上方把持部材34c,34aのそれぞれは、左右側把持機構34及びフィルム折込機構に共用される。
【0081】
この図15を用いてフィルム折込機構の概要について説明する。図15及び上述の図3に示されるように、前側折込部材37は、X方向に沿って延在する丸棒状部材であって、包装エリアPAの+Y側端部に配置されている。左側及び右側折込部材35b,35a及び後側折込部材36のそれぞれは、板状部材であって、左側及び右側折込部材35b,35aは、包装エリアPAの−X側及び+X側の端部にそれぞれ配置され、後側折込部材36は、包装エリアPAの−Y側の端部に配置されている。そして、左側及び右側折込部材35b,35aは、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることによって、X方向に沿って移動可能であって、後側折込部材36は、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることによって、Y方向に沿って移動可能である。
【0082】
以上のようなフィルム折込機構においては、包装エリアPAに配置されたストレッチフィルムSFに対して商品搭載トレーTRが突き上げられて、商品搭載トレーTRがストレッチフィルムSFに覆われると、まず、左側及び右側折込部材35b,35aが+X方向及び−X方向にそれぞれ移動する。つまり、左側及び右側折込部材35b,35aが互いに接近するように移動する。そうすると、−X側の左側折込部材35bが、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している−X側端部に当接しながら商品搭載トレーTRの下側に潜り込み、+X側の右側折込部材35aが、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している+X側端部に当接しながら商品搭載トレーTRの下側に潜り込むようになる。その結果、左側折込部材35bによってストレッチフィルムSFの−X側端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれていき、右側折込部材35aによってストレッチフィルムSFの+X側端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれていく。
【0083】
ストレッチフィルムSFの−X側端部及び+X側端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれると、今度は、後側折込部材36が、+Y方向に移動する。そうすると、後側折込部材36が、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している−Y側端部に当接しながら商品搭載トレーTRの下側に潜り込むようになる。その結果、後側折込部材36によってストレッチフィルムSFの−Y側端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれていく。
【0084】
ストレッチフィルムSFの−Y側端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれると、排出プッシャー38によって商品搭載トレーTRが+Y方向に押動される。そうすると、前側折込部材37が、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している+Y側端部に当接しながら商品搭載トレーTRの下側に潜り込むようになる。その結果、前側折込部材37によってストレッチフィルムSFの+Y側端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれていく。以下、フィルム折込機構が、ストレッチフィルムSFの周縁部を折り込む動作について詳細に説明する。
【0085】
<左右方向の折込動作>
まず、フィルム折込機構が、ストレッチフィルムSFの左右方向(X方向)の両端部を折り込む動作について説明する。図16は、商品搭載トレーTRの下側に、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部を折り込む前の様子を+Y側から見たときの図である。図に示すように、左側折込部材35b及び右側折込部材35aは、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rの上側にそれぞれ配置されている。
【0086】
この図16には、複数のリフトヘッド310と、複数のリフトヘッド310を支持する支持ベース311とを備えるリフト部材31が示されている。図に示すように、各リフトヘッド310は、固定部310aと、固定部310aと接続するヘッド310bとを有する。固定部310aは、棒状部材であり、支持ベース311から+Z方向に延在するように支持ベース311に設けられている。ヘッド310bは、弾性体(図示せず)により、当該ヘッド310bと接続されている固定部310aと一直線に延びる姿勢に付勢されている。
【0087】
図17はリフト部材31を示す平面図である。図に示すように、複数のヘッド310が平面視でY方向に沿って等間隔に並べられることにより列が形成されており、当該列がX方向に複数並べられている。複数の列のうち、−X側の端一列、+X側の端一列、X方向において中央の一列は、他の列からY方向に少しずれている。
【0088】
Y方向に一列に並ぶ中央の複数のリフトヘッド310のそれぞれでは、ヘッド310bが、+Y方向に倒れることができるように、+X側から見て、固定部310aと一直線に延びる姿勢から、固定部310aと接続された部分を支点に反時計方向に回動可能となっている。
【0089】
Y方向に一列に並ぶ中央の複数のリフトヘッド310よりも−X側に配置された各リフトヘッド310では、ヘッド310bが、+X方向に倒れることができるように、+Y側から見て、固定部310aと一直線に延びる姿勢から、固定部310aとの接続部分を支点に時計方向に回動可能となっている。また、当該各リフトヘッド310では、ヘッド310bが、+Y方向に倒れることができるように、+X側から見て、固定部310aと一直線に延びる姿勢から、固定部310aと接続された部分を支点に反時計方向に回動可能となっている。
【0090】
Y方向に一列に並ぶ中央の複数のリフトヘッド310よりも+X側に配置された各リフトヘッド310では、ヘッド310bが、−X方向に倒れることができるように、+Y側から見て、固定部310aと一直線に延びる姿勢から、固定部310aとの接続部分を支点に反時計方向に回動可能となっている。また、当該各リフトヘッド310では、ヘッド310bが、+Y方向に倒れることができるように、+X側から見て、固定部310aと一直線に延びる姿勢から、固定部310aと接続された部分を支点に反時計方向に回動可能となっている。
【0091】
図16に示されるように、商品搭載トレーTRが、リフト部材31によって、包装エリアPAに配置されたストレッチフィルムSFに対して突き上げられると、商品搭載トレーTRの上面がストレッチフィルムSFに覆われる。商品搭載トレーTRがストレッチフィルムSFと衝突する際には、ストレッチフィルムSFの端部を引っ張っている前側フィーダ321、後側フィーダ322、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rのそれぞれは、ストレッチフィルムSFを引っ張っている方向とは逆方向に少しだけ移動する。これにより、ストレッチフィルムSFに対する引っ張りが少し緩められた状態で商品搭載トレーTRがストレッチフィルムSFに衝突するため、ストレッチフィルムSFが破れるのを防ぐことができる。
【0092】
次に、図18に示すように、後側フィーダ322における後側上方把持部材322b,322dが+Z方向に移動することにより、ストレッチフィルムSFの−Y側の端部のうちの−X側部分及び+X側部分の把持が解放される。それとともに、前側フィーダ321における前側上方把持部材321b,321dが+Z方向に移動することにより、ストレッチフィルムSFの+Y側端部のうちの−X側部分及び+X側部分の把持が解放される。これにより、左側折込部材35b及び右側折込部材35aが移動して、ストレッチフィルムSFのX方向の端部と当接する際に、ストレッチフィルムSFが破れてしまうのを防ぐことができる。
【0093】
前側及び後側フィーダ321,322による、ストレッチフィルムSFのY方向の両端部の把持が解放された後、図19に示すように、左側折込部材35bが商品搭載トレーTRの下側に向かって(+X方向)に移動し、右側折込部材35aが商品搭載トレーTRの下側に向かって(−X方向)に移動する。そうすると、−X側の左側折込部材35bが、商品搭載トレーTRの下側に潜り込む前に、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している−X側端部に当接する。また、+X側の右側折込部材35aが、商品搭載トレーTRの下側に潜り込む前に、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している+X側端部に当接する。
【0094】
ここで、左側及び右側折込部材35b,35aがストレッチフィルムSFと当接した後も、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rのそれぞれが、そのままの位置でストレッチフィルムSFを把持し続けると、商品搭載トレーTRの下側に向かっている左側及び右側折込部材35b,35aが、ストレッチフィルムSFを破ってしまうことがある。一方、左側及び右側折込部材35b,35aが、ストレッチフィルムSFと当接してすぐに、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFの把持を解放すると、ストレッチフィルムSFのX方向の張りが弛むため、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じてしまう。
【0095】
本実施の形態に係る計量包装値付機1ではこの点を改良するために、図19に示すように、左側折込部材35bが+X方向に移動してストレッチフィルムSFと当接する際に、左側把持部材34Lが、上方把持部材駆動手段134によって駆動されることによって、ストレッチフィルムSFの−X側端部を把持しながら、左折込部材35bよりも遅い速度で+X方向に移動し始める。同様に、右側折込部材35aが−X方向に移動してストレッチフィルムSFと当接する際に、右側把持部材34Rが、上方把持部材駆動手段134によって駆動されることによって、ストレッチフィルムSFの+X側端部を把持しながら、右側折込部材35aよりも遅い速度で−X方向に移動し始める。
【0096】
これにより、左側及び右側折込部材35b,35aは、ストレッチフィルムSFの−X側端部及び+X側端部をそれぞれ折り込んでいく間、常に、ストレッチフィルムSFと適度な力で当接することができる。したがって、ストレッチフィルムSFのX方向の端部が破れるのを防止しつつ、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じることを抑制することができる。
【0097】
ストレッチフィルムSFと当接している−X側の左側折込部材35bは、商品搭載トレーTRを支持する、−X側に配置されたリフトヘッド310のヘッド310bを+X方向に押しながら+X方向に移動する。このとき、当該ヘッド310bは、図19に示すように+X方向に倒れていく。同様に、ストレッチフィルムSFと当接している+X側の右側折込部材35aは、+X側に配置されたリフトヘッド310のヘッド310bを−X方向に押しながら−X方向に移動する。このとき、当該ヘッド310bは−X方向に倒れていく。
【0098】
+X方向に移動する左側把持部材34Lでは、左側下方把持部材34dが、リフト部材31と接触する前に、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることにより、−Z方向に移動する。これにより、左側把持部材34Lによる、ストレッチフィルムSFの−X側端部の把持が解放される。左側把持部材34Lでは、左側下方把持部材34dが−Z方向に移動した後も、左側上方把持部材34cが+X方向に移動する。
【0099】
同様に、−X方向に移動する右側把持部材34Rでは、右側下方把持部材34bが、リフト部材31と接触する前に、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることにより、−Z方向に移動する。これにより、右側把持部材34Rによる、ストレッチフィルムSFの+X側端部の把持が解放される。右側把持部材34Rでは、右側下方把持部材34bが−Z方向に移動した後も、右側上方把持部材34aが−X方向に移動する。
【0100】
ここで、左側把持部材34LがストレッチフィルムSFの把持を解放した後に、左側折込部材35bだけが、ストレッチフィルムSFと当接しながら商品搭載トレーTRの下側を+X方向に移動していくと、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側折込部材35bよりも先の部分が、左側折込部材35bの下側に回り込んで、左側折込部材35bの下面とくっつく場合がある。この場合に、左側折込部材35bが、さらに+X方向に移動していくと、ストレッチフィルムSFが破れてしまうことがある。
【0101】
同様に、右側把持部材34RがストレッチフィルムSFの把持を解放した後に、右側折込部材35aだけが、ストレッチフィルムSFと当接しながら商品搭載トレーTRの下側を−X方向に移動していくと、ストレッチフィルムSFの+X側端部のうち右側折込部材35aよりも先の部分が、右側折込部材35aの下面とくっつく場合がある。この場合に、右側折込部材35aが、さらに−X方向に移動していくと、ストレッチフィルムSFが破れてしまうことがある。
【0102】
そこで、本実施の形態に係る計量包装値付機1では、図20に示すように、左側上方把持部材34cが、左側折込部材35bの下側を+X方向に移動する。そして、左側上方把持部材34cが、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側折込部材35bよりも先の部分に当接して、当該部分を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいく。これにより、左側折込部材35bが、ストレッチフィルムSFの−X側端部が商品搭載トレーTRの底面と接触するように当該端部を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいくとともに、左側上方把持部材34cが、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側折込部材35bよりも先の部分を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいく。その結果、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側折込部材35bよりも先の部分が、左側折込部材35bの下側に回りこんで、左側折込部材35bの下面とくっつくのを防ぐことができる。
【0103】
同様に、本実施の形態に係る計量包装値付機1では、右側上方把持部材34aが、右側折込部材35aの下側を−X方向に移動する。そして、右側上方把持部材34aが、ストレッチフィルムSFの+X側端部のうち右側折込部材35aよりも先の部分に当接して、当該部分を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいく。これにより、右側折込部材35aが、ストレッチフィルムSFの+X側端部が商品搭載トレーTRの底面と接触するように当該端部を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいくとともに、右側上方把持部材34aが、ストレッチフィルムSFの+X側端部のうち右側折込部材35aよりも先の部分を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいく。その結果、ストレッチフィルムSFの+X側端部のうち右側折込部材35aよりも先の部分が、右側折込部材35aの下面とくっつくのを防ぐことができる。
【0104】
なお、このように構成にした場合であっても、左側上方把持部材34cが、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側折込部材35bよりも先の部分を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいく際に、当該先の部分が長い場合には、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側上方把持部材34cよりも先の部分が、左側上方把持部材34cの下側に回り込んで、左側上方把持部材34cの下面とくっつくことがあり、上述と同じ問題が生じる可能性がある。同様に、ストレッチフィルムSFの+X側端部のうち右側上方把持部材34aよりも先の部分が、右側上方把持部材34aの下側に回り込んで、右側上方把持部材34aの下面とくっつくことがある。
【0105】
本実施の形態に係る計量包装値付機1ではこの点を改良するため、図8に示したように、左側上方把持部材34cの下面に、粗面化されたクッション部材347が設けられている。そのため、左側上方把持部材34cの下面とストレッチフィルムSFの−X側端部とがくっつくのを抑制することができる。したがって、左側上方把持部材34cが、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側折込部材35bよりも先の部分を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいく際に、ストレッチフィルムSFが破れるのを抑制することができる。同様に、右側上方把持部材34aの下面には、粗面化されたクッション部材347が設けられているため、右側上方把持部材34aが、ストレッチフィルムSFの+X側端部のうち右側折込部材35aよりも先の部分を商品搭載トレーTRの下側に折り込んでいく際に、ストレッチフィルムSFが破れるのを抑制することができる。
【0106】
<前後方向の折込動作>
次に、ストレッチフィルムSFの左右方向(X方向)の両端部が折り込まれた後に、フィルム折込機構が、ストレッチフィルムSFの前後方向(Y方向)の両端部を折り込む動作について説明する。図21は、後側折込部材36及び前側折込部材37が、商品搭載トレーTRの下側に、ストレッチフィルムSFのY方向の両端部を折り込む直前の様子を+X側から見たときの図である。図21及び後述の図22では、右側上方把持部材34a、及び、右側折込部材35aが想像線(二点鎖線)で示されている。図21に示すように、後側フィーダ322、右側上方把持部材34a(左側上方把持部材34c)、後側折込部材36、右側折込部材35a(左側折込部材35b)及び排出プッシャー38は、+Z方向において、この順で配置される。また、商品搭載トレーTRは、リフト部材31、及び、左側及び右側折込部材35b,35aによりストレッチフィルムSFを介して支持されている。
【0107】
図21に示すように、後側折込部材36及び前側折込部材37が、ストレッチフィルムSFのY方向の両端部を商品搭載トレーTRの下側に折り込む直前においては、前側及び後側フィーダ321,322が、ストレッチフィルムSFのY方向の両端部を把持している。具体的には、前側フィーダ321における、上述の図13に示される中央の前側上方把持部材321c及び前側下方把持部材321eが、ストレッチフィルムSFの+Y側端部の中央部分を把持しており、後側フィーダ322における、中央の後側上方把持部材322c及び後側下方把持部材322eが、ストレッチフィルムSFの−Y側端部の中央部分を把持している。
【0108】
包装機3では、ストレッチフィルムSFの左右方向の両端部が折り込まれた後、図22に示すように、後側折込部材36が、商品搭載トレーTRの下側に向かって(+Y方向に)移動する。具体的には、後側折込部材36が、左側上方把持部材34cと左側折込部材35bとの間、及び、右側上方把持部材34aと右側折込部材35aとの間のそれぞれを通って+Y方向に移動する。そうすると、後側折込部材36が、商品搭載トレーTRの下側に潜り込む前に、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している−Y側端部に当接する。
【0109】
ここで、後側折込部材36がストレッチフィルムSFと当接する際には、図22に示すように、後側フィーダ322が、ストレッチフィルムSFの−Y側端部を把持しながら、後側折込部材36よりも遅い速度で+Y方向に移動し始める。この移動は、左側及び右側折込部材35b,35aがストレッチフィルムSFと当接する際に、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが行った上述の移動と同様である。したがって、後側折込部材36は、ストレッチフィルムSFの−Y側端部を折り込んでいく間、常に、ストレッチフィルムSFと適度な力で当接することができるため、ストレッチフィルムSFの−Y側端部が破れたり、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じたりするのを抑制することができる。
【0110】
ストレッチフィルムSFと当接している後側折込部材36は、リフトヘッド310のヘッド310bを+Y方向に押しながら+Y方向に移動する。そうすると、当該ヘッド310bは、図23に示すように、当該ヘッド310bは+Y方向に倒れていく。
【0111】
後側折込部材36が移動を開始すると、排出プッシャー38が、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることにより+Y方向に向かって移動する。
【0112】
後側フィーダ322は、リフト部材31と接触する前に+Y方向への移動を停止する。それから、後側フィーダ322では、図24に示すように、中央の後側上方把持部材322cが+Z方向に移動することにより、ストレッチフィルムSFの−Y側端部における中央部分の把持が解放される。この際にも、後側折込部材36は、ストレッチフィルムSFと当接しながら+Y方向に移動しているので、後側折込部材36によりストレッチフィルムSFの−Y側端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれていく。
【0113】
ストレッチフィルムSFの−Y側端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれていく間に、図25に示すように、+Y方向に向かっている排出プッシャー38が、商品搭載トレーTRの横側を−Y方向から+Y方向に押動するようになる。そうすると、前側折込部材37が、ストレッチフィルムSFにおける傾斜している+Y側端部に当接しながら商品搭載トレーTRの下側に潜り込むようになる。
【0114】
それから、図24に示す後側上方把持部材322cの動作と同様に、前側フィーダ321における中央の前側上方把持部材321cが+Z方向に移動することにより、ストレッチフィルムSFの+Y側端部における中央部分の把持を解放する。その後も、排出プッシャー38が+Y側に移動し続けることにより、図26に示すように、ストレッチフィルムSFにおける+Y側端部が、前側折込部材37により商品搭載トレーTRの下側に折り込まれる。これにより、ストレッチフィルムSFの周縁部が、商品搭載トレーTRの下側に折り込まれる。その後、リフト部材31が−Z方向に移動する。
【0115】
<ヒータローラ>
包装機3が有するヒータローラ39,40及び搬送ローラ41のそれぞれは、Y方向に沿って延在する丸棒状部材である。前側折込部材37、ヒータローラ39、ヒータローラ40、搬送ローラ41は、この順で+Y方向に沿って配置されている(図26)。ヒータローラ39,40は、制御部10によって制御される加熱手段(図示せず)によって加熱される。ヒータローラ39,40のそれぞれは、排出プッシャー38により搬送されてくる商品搭載トレーTRの底面と当接する位置に配置される。そのため、ストレッチフィルムSFにおける、商品搭載トレーTRの底面で重なっている部分が、ヒータローラ39,40によって熱溶着される。
【0116】
<ストレッチフィルムの伸張>
上述のように、ストレッチフィルムSFは、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rによって伸張される。ここで、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rの動作によってストレッチフィルムSFが伸びる方向を「伸張方向」と呼び、ストレッチフィルムSFの全体あるいはその一部の伸張方向の長さを「伸張方向長さ」と呼ぶ。
【0117】
本実施の形態に係る計量包装値付機1では、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rのそれぞれが、ストレッチフィルムSFの終端部分SF1よりも内側に位置する内側部分SF2を把持して引っ張る。これに対して、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rのそれぞれが、ストレッチフィルムSFの終端部分SF1を把持して引っ張る場合を考える。この場合の計量包装値付機1を「対比計量包装値付機」と呼ぶ。本実施の形態に係る計量包装値付機1と、対比計量包装値付機との差異点は、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが把持する、ストレッチフィルムSFの部分の位置だけであるが、本実施の形態に係る計量包装値付機1は、対比計量包装値付機よりも、商品搭載トレーTRを包装する際のストレッチフィルムSFの伸張方向長さを大きくすることができる。以下、このことについて説明する。
【0118】
図27は、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFの終端部分SF1を把持する対比計量包装値付機における、当該ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを模式的に示す図である。なお、この図及び後述の図28では、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rのそれぞれは、より簡略されて二つの板で示されている。
【0119】
図27(a)は、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、例えば、ストレッチフィルムSFの−X側及び+X側の終端部分SF1をそれぞれ把持した直後の、ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。
【0120】
図27(b)は、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、図27(a)に示される状態のストレッチフィルムSFのX方向における両端部を互いに離れる方向に引っ張ったときの、当該ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。
【0121】
図27(c)は、図27(b)に示される状態のストレッチフィルムSFにおけるX方向の両端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれた際の、当該ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。なお、図27(c)では、図27(a)及び図27(b)のストレッチフィルムSFとの間の長さ関係が理解し易いように、商品搭載トレーTRの下側に折り込まれたX方向の両端部を仮想的に広げた状態でストレッチフィルムSFを示している。
【0122】
ここで、図27(a)のストレッチフィルムSFにおいて、−X側及び+X側の終端部分SF1の伸張方向長さはそれぞれAであるものとする。また、当該ストレッチフィルムSFにおいて、商品搭載トレーTRの上面を覆う部分(以後、「中央部分SF3」と呼ぶ)の伸張方向長さをB3とする。また、当該ストレッチフィルムSFにおいて、中央部分SF3と−X側の終端部分SF1との間の部分(以後、「−X側部分SF4」と呼ぶ)の伸張方向長さをB4、中央部分SF3と+X側の終端部分SF1との間の部分(以後、「+X側部分SF5」と呼ぶ)の伸張方向長さをB5とする。このように定義した場合、図27(a)に示されるストレッチフィルムSF全体の伸張方向長さは、(2×A+B3+B4+B5)と表すことができる。
【0123】
図27(b)に示されるように、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、ストレッチフィルムSFのX方向における両端部を互いに離れる方向に引っ張ると、−X側及び+X側の終端部分SF1のそれぞれにおいてはX方向に沿った張力が生じないが、中央部分SF3、−X側部分SF4及び、+X側部分SF5のそれぞれにおいてはX方向に沿った張力が生じる。その結果、−X側及び+X側の終端部分SF1の伸張方向長さは変わらないが、中央部分SF3、−X側部分SF4、及び、+X側部分SF5の伸張方向長さが大きくなる。ここで、ストレッチフィルムSFが、図27(a)の状態から図27(b)の状態となる際の、ストレッチフィルムSFの単位長さ当たりの伸び量をs1(>1)とすると、中央部分SF3、−X側部分SF4及び+X側部分SF5の伸張方向長さは、(s1×B3)、(s1×B4)、(s1×B5)とそれぞれ表すことができる。
【0124】
ストレッチフィルムSFに対して商品搭載トレーTRが突き上げられると、(s1×B3)の長さを有する中央部分SF3が、商品搭載トレーTRの上面を覆うようになる。商品搭載トレーTRが突き上げられることにより、ストレッチフィルムSFには張力がさらに加わるため、中央部分SF3、−X側部分SF4及び+X側部分SF5の伸張方向長さは実際にはさらに大きくなるが、話を簡単にするため、以下では、その影響を無視することにする。
【0125】
フィルム折込機構が、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部を商品搭載トレーTRの下側に折り込む際には、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFに対する把持を解放するため、ストレッチフィルムSFの−X側部分SF4及び+X側部分SF5の伸張方向長さは元に戻ろうとする。その結果、図27(c)に示されるように、−X側部分SF4及び+X側部分SF5の伸張方向長さは、ほぼそれぞれB4,B5となる。一方で、ストレッチフィルムSFにおける、商品搭載トレーTRの上面を覆う中央部分SF3では、ストレッチフィルムSFにおけるX方向の両端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれているため、伸張方向に張力が加わったままであり、図27(c)に示されるように、中央部分SF3の伸張方向長さはほぼ(s1×B2)に保たれる。その結果、商品搭載トレーTRを包装する際のストレッチフィルムSF全体の伸張方向長さは、(2×A+(s1×B3)+B4+B5)となり、その元の長さである(2×A+B3+B4+B5)よりも、((s1×B3)−B3)だけ大きくなる。つまり、中央部分SF3が伸びた分だけ、ストレッチフィルムSF全体の伸張方向長さが大きくなる。
【0126】
図28は、図27と比較される図であり、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFのより内側を把持する、本実施の形態に係る計量包装値付機1における、当該ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを模式的に示す図である。
【0127】
図28(a)は、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、例えば、ストレッチフィルムSFの−X側及び+X側の内側部分SF2をそれぞれ把持した直後の、ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。
【0128】
図28(b)は、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、図28(a)に示される状態のストレッチフィルムSFのX方向における両端部を互いに離れる方向に引っ張ったときの、当該ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。
【0129】
図28(c)は、図28(b)に示される状態のストレッチフィルムSFにおけるX方向の両端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれた際の、当該ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。なお、図28(c)では、図27(c)と同様に、図28(a)及び図28(b)のストレッチフィルムSFとの間の長さ関係が理解し易いように、商品搭載トレーTRの下側に折り込まれたX方向の両端部を仮想的に広げた状態でストレッチフィルムSFを示している。
【0130】
ここで、図28(a)のストレッチフィルムSFにおいて、−X側の終端部分SF1及び内側部分SF2の伸張方向長さの合計と、+X側の終端部分SF1及び内側部分SF2の伸張方向長さの合計とが、それぞれCであるものとする。また、当該ストレッチフィルムSFにおいて、商品搭載トレーTRの上面を覆う部分(以後、「中央部分SF13」と呼ぶ)の伸張方向長さをD3とする。また、当該ストレッチフィルムSFにおいて、中央部分SF13と−X側の内側部分SF2との間の部分(以後、「−X側部分SF14」と呼ぶ)の伸張方向長さをD4、中央部分SF13と+X側の内側部分SF2との間の部分(以後、「+X側部分SF15」と呼ぶ)の伸張方向長さをD5とする。このように定義した場合、図28(a)に示されるストレッチフィルムSF全体の伸張方向長さは、(2×C+D3+D4+D5)と表すことができる。
【0131】
また、ストレッチフィルムSFが、図28(a)の状態から図28(b)の状態となる際の、ストレッチフィルムSFの単位長さ当たりの伸び量をs2(>1)とすると、上述の図27(b)と同様に、図28(b)のストレッチフィルムSFでは、中央部分SF13、−X側部分SF14及び+X側部分SF15の伸張方向長さは、それぞれ(s2×D3)、(s2×D4)及び(s2×D5)となる。そして、図28(c)に示される、商品搭載トレーTRを包装する際のストレッチフィルムSFの伸張方向長さは、上述の図27(c)と同様に、(2×C+(s2×D3)+D4+D5)となり、その元の長さである(2×C+D3+D4+D5)よりも、((s2×D3)−D3)だけ大きくなる。
【0132】
次に、図27の場合のストレッチフィルムSFが伸びた長さ((s1×B2)−B2)と、図28の場合のストレッチフィルムSFが伸びた長さ((s2×D2)−D2)とを比較する。
【0133】
図27(a)のストレッチフィルムSFと図28(a)のストレッチフィルムSFとの間では、伸張方向長さが互いに同一である。そして、図27(a)では、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが終端部分SF1を把持しているのに対し、図28(a)では、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、終端部分SF1よりも内側の内側部分SF2を把持している。その結果、図27(a)のストレッチフィルムSFにおける、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rの間の部分(中央部分SF3、−X側部分SF4及び+X側部分SF5)の伸張方向長さは、図28(a)のストレッチフィルムSFにおける、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rの間の部分(中央部分SF13、−X側部分SF14及び+X側部分SF15)の伸張方向長さよりも大きくなる。したがって、下記の式(1)が成立する。
(B3+B4+B5)>(D3+D4+D5)・・・(1)
また、図27の場合と図28の場合とで、ストレッチフィルムSFを伸張する際の左側把持部材34L及び右側把持部材34Rの移動量が一定であるとすると、図27(b)のストレッチフィルムSFと図28(b)のストレッチフィルムSFとの間では、伸張方向長さが互いに同一である。つまり、ストレッチフィルムSFが左側把持部材34L及び右側把持部材34Rにより引っ張られることにより、図27(a)の状態から図27(b)の状態となる間にストレッチフィルムSF全体で伸びた量(=(s1−1)×(B3+B4+B5))と、図28(a)の状態から図28(b)の状態となる間にストレッチフィルムSF全体で伸びた量(=(s2−1)×(D3+D4+D5))とは互いに同じである。したがって、下記の式(2)が成立する。
(s1−1)×(B3+B4+B5)=(s2−1)×(D3+D4+D5)・・・(2)
式(1)と式(2)より、下記の式(3)が得られる。
s1<s2・・・(3)
このように、ストレッチフィルムSFを同じ量だけ引っ張る場合には、ストレッチフィルムSFのより内側を把持して当該ストレッチフィルムSFを伸張する方が、当該ストレッチフィルムSFの伸張部分における伸び率(ストレッチフィルムSFの単位長さ当たりの伸び量)は大きくなる。
【0134】
また、図27のストレッチフィルムSFで包装される商品搭載トレーTRのX方向の長さと、図28のストレッチフィルムSFで包装される商品搭載トレーTRのX方向の長さとが、互いに同じであるとすると、下記の式(4)が成立する。
s1×B3=s2×D3・・・(4)
式(3)と式(4)より、下記の関係が得られる。
B3>D3・・・(5)
そして、図27(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s1×B3)−B3)と、図28(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s2×D3)−D3)との差をとると、以下の式(6)が得られる。
(s2×D3−D3)−(s1×B3−B3)
=(s1×B3−D3)−(s1×B3−B3) (∵式(4))
=−D3+B3
>0 (∵式(5)) ・・・(6)
この式(6)は、図28の場合のストレッチフィルムSFが伸びた長さ((s2×D2)−D2)が、図27の場合のストレッチフィルムSFが伸びた長さ((s1×B2)−B2)よりも大きいことを意味する。したがって、本実施の形態に係る計量包装値付機1によれば、商品搭載トレーTRを包装する際のストレッチフィルムSFの伸張方向長さを、対比計量包装値付機よりも大きくできる。よって、本実施の形態に係る計量包装値付機1では、対比計量包装値付機と比較して、小さなストレッチフィルムSFを用いて商品搭載トレーTRを包装することができる。
【0135】
また、図28(b)に示される−X側及び+X側の把持間部分SF14,SF15は、図27(b)に示される−X側及び+X側の把持間部分SF4,5よりも伸び率が大きくなっているので、図28(b)の状態を得るための、ストレッチフィルムSFに加えるべき張力は、図27(b)の状態を得るための、ストレッチフィルムSFに加えるべき張力よりも大きくなっている。したがって、図28(b)に示される−X側及び+X側の把持間部分SF14,SF15は、図27(b)に示される−X側及び+X側の把持間部分SF4,5よりも大きな張力を受けるため、塑性変形がより生じやすくなる。よって、このことからも、本実施の形態に係る計量包装値付機1によれば、伸張後のストレッチフィルムSFの伸張方向長さをより大きくすることができるので、商品搭載トレーTRをより小さなストレッチフィルムSFを用いて包装することができる。
【0136】
さて、小さなストレッチフィルムSFを用いて、大きな商品搭載トレーTRを包装するためには、上述したように、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFに加えるべき張力を大きくする必要がある。そのため、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rの、ストレッチフィルムSFに対する把持力が弱いと、左側把持部材34L及び右側把持部材34RからストレッチフィルムSFが抜け出てしまうおそれがある。
【0137】
しかしながら、本実施の形態に係る計量包装値付機1では、右側上方把持部材34aと協働してストレッチフィルムSFの+X側の端部を把持する、右側下方把持部材34bの表面が、鏡面加工されている(図8、図10)ため、右側下方把持部材34bとストレッチフィルムSFの−X側端部との密着性を高めることができる。左側把持部材34Lについても同様である。したがって、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部に対する左右側把持機構34の把持力を高めることができるので、左右側把持機構34がストレッチフィルムSFを引っ張る際に、左右側把持機構34からストレッチフィルムが抜けるのを抑制することができる。
【0138】
また、本実施の形態に係る計量包装値付機1によれば、左右側把持機構34がX方向の両端部を引っ張る際には、右側下方把持部材34bの側方鏡面346が、X方向に移動しにくくなっている終端部分SF1と当接するため(図14)、終端部分SF1に押付けられるようになる。左側把持部材34Lについても同様である。よって、左右側把持機構34がストレッチフィルムSFを引っ張る際に、左右側把持機構34からストレッチフィルムSFがさらに抜けにくくなる。
【0139】
また、本実施の形態に係る計量包装値付機1によれば、右側上方把持部材34aのクッション部材347は、ストレッチフィルムSFの+X側端部を、右側下方把持部材34bの上方鏡面345と把持する(図8、図10)。そのため、右側把持部材34RがストレッチフィルムSFを把持する際には、右側上方把持部材34aとストレッチフィルムSFとの接触面積を増やすことができる。左側把持部材34Lについても同様である。したがって、ストレッチフィルムSFの+X側端部に対する左右側把持機構34の把持力をより高めることができるので、左右側把持機構34がストレッチフィルムSFを引っ張る際に、左右側把持機構34からストレッチフィルムSFが抜けるのを確実に抑制することができる。
【0140】
<変形例1>
上述の計量包装値付機1では、商品搭載トレーTRをより小さなストレッチフィルムSFを用いて包装することができるように、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rのそれぞれが、ストレッチフィルムSFの内側部分SF2を把持して引っ張ることにより、商品搭載トレーTRを包装する際のストレッチフィルムSFの伸張方向長さを大きくしている。
【0141】
しかしながら、商品搭載トレーTRのX方向の長さが小さいときに、商品搭載トレーTRを包装する際のストレッチフィルムSFの伸張方向長さが大きいと、商品搭載トレーTRの下側に重ねられる(折り込まれる)ストレッチフィルムSFの量が多くなる。そうすると、ヒータローラ39,40によるストレッチフィルムSFの熱溶着が不十分となり、熱溶着された部分が剥がれる可能性がある。
【0142】
そこで、本変形例では、商品搭載トレーTRのX方向の長さ、言い換えれば、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFを引っ張る方向(以後、「引っ張り方向」と呼ぶ)における商品搭載トレーTRの長さに応じて、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFを把持する把持位置を変更する。具体的には、引っ張り方向における長さが大きい商品搭載トレーTRを包装する場合には、例えば、上述の例と同様に、左側及び右側把持部材34L,34Rのそれぞれは、ストレッチフィルムSFの内側部分SF2を把持する。一方で、引っ張り方向における長さが小さい商品搭載トレーTRを包装する場合には、例えば、対比計量包装値付機と同様に、左側及び右側把持部材34L,34Rのそれぞれは、ストレッチフィルムSFの終端部分SF1を把持する。これにより、引っ張り方向の長さが異なる商品搭載トレーTRを同じサイズのストレッチフィルムSFを用いて適切に包装することができる。以下このことについて詳細に説明する。
【0143】
図29は、引っ張り方向(X方向)における長さが小さい商品搭載トレーTRを包装するときのストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す図である。図29に示す商品搭載トレーTRの長さは、図28に示す商品搭載トレーTRの長さよりも、引っ張り方向において小さい、左側及び右側把持部材34L,34Rは、ストレッチフィルムSFの終端部分SF1を把持する。
【0144】
図29(a)は、左側及び右側把持部材34L,34Rが、ストレッチフィルムSFの−X側及び+X側の終端部分SF1をそれぞれ把持した直後の、ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。
【0145】
図29(b)は、左側及び右側把持部材34L,34Rが、図29(a)に示される状態のストレッチフィルムSFのX方向における両端部を互いに離れる方向に引っ張ったときの、当該ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。
【0146】
図29(c)は、図29(b)に示される状態のストレッチフィルムSFにおけるX方向の両端部が商品搭載トレーTRの下側に折り込まれた際の、当該ストレッチフィルムSFの伸張方向長さを示す。なお、図29(c)では、図28(c)と同様に、図29(a)及び図29(b)のストレッチフィルムSFとの間の長さ関係が理解し易いように、商品搭載トレーTRの下側に折り込まれたX方向の両端部を仮想的に広げた状態でストレッチフィルムSFを示している。
【0147】
ここで、図29(a)のストレッチフィルムSFにおいて、商品搭載トレーTRの上面を覆う部分(以後、「中央部分SF23」と呼ぶ)の伸張方向長さをE3とする。また、当該ストレッチフィルムSFにおいて、中央部分SF23と−X側の終端部分SF1との間の部分(以後、「−X側部分SF24」と呼ぶ)の伸張方向長さをE4、中央部分SF23と+X側の終端部分SF1との間の部分(以後、「+X側部分SF25」と呼ぶ)の伸張方向長さをE5とする。このように定義した場合、図29(a)に示されるストレッチフィルムSF全体の伸張方向長さは、(2×A+E3+E4+E5)と表すことができる。
【0148】
また、図29(b)に示すストレッチフィルムSFの単位長さ当たりの伸び量は、図27(b)に示すストレッチフィルムSFの単位長さ当たりの伸び量と同じであるから、s1(>1)となる。そうすると、上述の図28(b)と同様に、図29(b)のストレッチフィルムSFでは、中央部分SF23、−X側部分SF24及び+X側部分SF25の伸張方向長さは、それぞれ(s1×E3)、(s1×E4)及び(s1×E5)となる。そして、図29(c)のストレッチフィルムSFの伸張方向長さは、上述の図28(c)と同様に、(2×A+(s1×E3)+E4+E5)となり、その元の長さである(2×A+E3+E4+E5)よりも、((s1×E3)−E3)だけ大きくなる。
【0149】
また、図29(b)に示される商品搭載トレーTRの引っ張り方向の長さ(s1×E3)は、図28(b)に示される商品搭載トレーTRの引っ張り方向の長さ(s2×D3)よりも小さいため、下記の式(7)が成立する。
s1×E3<s2×D3・・・(7)
次に、式(3)及び式(7)を用いて、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが内側部分SF2を把持する場合(図28)に、ストレッチフィルムSFが伸びた量((s2×D3)−D3)が、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが終端部分SF1を把持する場合(図29)に、ストレッチフィルムSFが伸びた量((s1×E3)−E3)よりも大きくなることについて以下示す。
【0150】
まず、
D3>E3(式(8))
の場合を考える。この場合において、図28(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s2×D3)−D3)と、図29(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s1×E3)−E3)との差をとると、
(s2×D3−D3)−(s1×E3−E3)
>(s1×D3−D3)−(s1×E3−E3) (∵式(3))
そして、
(s1×D3−D3)−(s1×E3−E3)
=(s1−1)(D3−E3)
>0 (∵s1>1,式(8))
よって、D3>E3の場合には、
(s2×D3−D3)−(s1×E3−E3)>0
また、
D3<E3(式(9))
の場合に、図28(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s2×D3)−D3)と、図29(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s1×E3)−E3)との差をとると、
(s2×D3−D3)−(s1×E3−E3)
>(s1×E3−D3)−(s1×E3−E3) (∵式(7))
そして、
(s1×E3−D3)−(s1×E3−E3)
=−D3+E3
>0 (∵式(9))
よって、D3<E3の場合には、
(s2×D3−D3)−(s1×E3−E3)>0
また、
D3=E3(式(10))
の場合に、図28(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s2×D3)−D3)と、図29(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s1×E3)−E3)との差をとると、
(s2×D3−D3)−(s1×E3−E3)
>(s1×E3−D3)−(s1×E3−E3) (∵式(7))
そして、
(s1×E3−D3)−(s1×E3−E3)
=−D3+E3
=0 (∵式(10))
よって、D3=E3の場合には、
(s2×D3−D3)−(s1×E3−E3)>0
以上より、図28(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s2×D3)−D3)は、図29(c)に示すストレッチフィルムSFが伸びた量((s1×E3)−E3)よりも常に大きくなることが言える。よって、引っ張り方向において長さが大きい商品搭載トレーTRを包装する際には、図28に示されるように、左側把持部材34L及び右側把持部材34RがストレッチフィルムSFの内側の部分を把持し、引っ張り方向において長さが小さい商品搭載トレーTRを包装する際には、図29に示されるように、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rが、ストレッチフィルムSFの外側の部分を把持することによって、両方の商品搭載トレーTRを同じサイズのストレッチフィルムSFを用いて適切に包装することができる。
【0151】
なお、上述のように、右側把持機構34Rでは、取付部材341がX方向に移動することが可能であるため、それに連結部材342で接続された右側下方把持部材34bもX方向に移動可能である。また、右側把持機構34Rでは、右側上方把持部材34aは、上方把持部材駆動手段134によってX方向に移動可能である。よって、右側把持機構34Rでは、右側上方把持部材34a及び右側下方把持部材34bをX方向に移動させることによって、ストレッチフィルムSFに対するX方向の把持位置を変化させることができる。同様に、左側把持機構34Lでは、左側上方把持部材34c及び左側下方把持部材34dをX方向に移動させることによって、ストレッチフィルムSFに対するX方向の把持位置を変化させることができる。
【0152】
<変形例2>
図30及び図31は、上述の計量包装値付機1において、左側及び右側折込部材35b,35aが移動する直前の包装エリアPAの様子を示す平面図である。図30及び図31に示される2本の二点鎖線は、ストレッチフィルムSFにおいて、前側フィーダ321及び後側フィーダ322で把持されている部分を示している。言い換えれば、当該2本の二点鎖線は、中央の前側上方把持部材321c及び前側下方把持部材321eにより−Y方向に引っ張られ、かつ、中央の後側上方把持部材322c及び後側下方把持部材322eにより+Y方向に引っ張られている、ストレッチフィルムSFの部分を示している。図に示される2本の二点鎖線より内側のストレッチフィルムSFの部分は、Y方向に引っ張られているため、X方向に移動しにくくなっている。
【0153】
このような計量包装値付機1では、左側及び右側折込部材35b、35aが、ストレッチフィルムSFのX方向における両端部を、X方向の長さが小さい商品搭載トレーTRの下側に折り込む際(図30)には、図に示される2本の二点鎖線よりもかなり内側の位置まで移動するため、ストレッチフィルムSFを破ってしまう可能性がある。また、ストレッチフィルムSFのX方向における両端部が、X方向の長さが大きい商品搭載トレーTRの下側に折り込まれる際(図31)には、図に示される2本の二点鎖線の外側のストレッチフィルムSFの部分は、Y方向に引っ張られていないため、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じる可能性がある。
【0154】
以下、この点を改良する本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。本変形例に係る計量包装値付機1は、図32〜図34に示すような後側フィーダ322を備える。この後側フィーダ322は、3つの後側上方把持部材322b〜322dの代わりに、1つの後側上方把持部材322hを有する。この後側上方把持部材322hは、厚さが一定の弾性変形可能な板状部材であって、延在方向の中央部が凸となるように厚み方向に湾曲している。後側上方把持部材322hは、後側下方把持部材322eとの距離が、後側下方把持部材322eのX方向における一方端部から中央部に向かうにつれて徐々に小さくなるとともに、後側下方把持部材322eのX方向における他方端部から中央部に向かうにつれて徐々に小さくなるように、後側下方把持部材322eに沿って配置されている。前側フィーダ321も、3つの前側上方把持部材322b〜322dの代わりに、後側上方把持部材322hと同じ構造の前側下方把持部材(図示せず)を備える。
【0155】
次に、後側フィーダ322がストレッチフィルムSFを把持する動作について説明する。まず、後側上方把持部材322hがストレッチフィルムSFから離れた状態で、後側上方把持部材322hと後側下方把持部材322eとの間にストレッチフィルムSFが配置される(図32)。それから、後側上方把持部材322hの両端部が、制御部10によって制御される駆動手段(図示せず)によって駆動されることにより−Z側に移動する。そうすると、後側上方把持部材322h全体が−Z側に移動し、後側上方把持部材322hのX方向の中央部が、ストレッチフィルムSFを介して、後側下方把持部材322eのX方向の中央部を押圧する(図33)。これにより、ストレッチフィルムSFの−Y側端部におけるX方向の中央部分が、後側上方把持部材322h及び後側下方把持部材322eにより把持される。さらに、後側上方把持部材322hの両端部が−Z側に移動すると、後側上方把持部材322hが変形して、後側上方把持部材322hでは、ストレッチフィルムSFを介して後側下方把持部材322eを押圧する部分が、X方向の中央部から両端部に向かって広がっていく。これにより、ストレッチフィルムSFの−Y側端部では、X方向の中央部だけではなく、当該中央部よりも端部よりの部分も後側上方把持部材322h及び後側下方把持部材322eにより把持される。その後、さらに、後側上方把持部材322hの両端部が−Z側に移動していくと、ストレッチフィルムSFの−Y側端部全体が、後側上方把持部材322h及び後側下方把持部材322eにより把持されるようになる。
【0156】
図34の状態の後側上方把持部材322hの両端部が+Z側に移動していくと、後側上方把持部材322hは、弾性力により、図32に示す元の形状に戻っていく。
【0157】
なお、後側フィーダ322の動作について説明したが、前側フィーダ321の動作も同様である。
【0158】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1によれば、ストレッチフィルムSFの−Y側端部において後側フィーダ322により把持される部分のX方向の長さ、及び、ストレッチフィルムSFの+Y側端部において前側フィーダ321により把持される部分のX方向の長さを、所望の大きさにすることができる。例えば、図30に示すような、X方向の長さが小さい商品搭載トレーTRに対しては、ストレッチフィルムSFの+Y側端部及び−Y側端部において、前側フィーダ321及び後側フィーダ322にそれぞれ把持される部分のX方向の長さを小さくすることができる。これにより、ストレッチフィルムSFが破れるのを抑制することができる。一方、図31に示すような、X方向の長さが大きい商品搭載トレーTRに対しては、ストレッチフィルムSFの+Y側端部及び−Y側端部において前側フィーダ321及び後側フィーダ322にそれぞれ把持される部分のX方向の長さを大きくすることができる。これにより、引っ張られていないストレッチフィルムSFの部分を低減することができるため、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じるのを抑制することができる。
【0159】
<変形例3>
図35に示すように、左側及び右側把持部材34L,34RのY方向の長さが、商品搭載トレーTRのY方向の長さよりも小さい場合には、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部のそれぞれにおける−Y側部分及び+Y側部分が、左側及び右側把持部材34L,34Rにより引っ張られることがない。そのため、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じる可能性がある。
【0160】
一方、図36に示すように、左側及び右側把持部材34L,34RのY方向の長さが、商品搭載トレーTRのY方向の長さよりも大きい場合には、前側フィーダ321の−Y側への移動、及び、後側フィーダ322の+Y側への移動は、左側及び右側把持部材34L,34Rにより妨げられることになる。そのため、前側及び後側フィーダ321,322のそれぞれは、ある程度の距離までしか商品搭載トレーTRに近づくことができない。そのため、商品搭載トレーTRの裏面で重ねられるストレッチフィルムSFの量が多くなる場合がある。この場合、ヒータローラ39,40によるストレッチフィルムSFの熱溶着が不十分となり、熱溶着された部分が剥がれる可能性がある。
【0161】
以下、この点を改良する本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。本変形例に係る計量包装値付機1は、図37及び図38に示すように、右側上方把持部材34a、右側下方把持部材34b、左側上方把持部材34c、及び、左側下方把持部材34dのそれぞれは、+Z側から見て、長方形となっている。右側上方把持部材34a、右側下方把持部材34b、左側上方把持部材34c、及び、左側下方把持部材34dのそれぞれは、Z軸に沿った軸の周りに回転可能となっており、長辺方向がY方向に沿うように配置される状態と、短辺方向がY方向に沿うように配置される状態とを選択的に取ることができる。
【0162】
図37に示すように、Y方向の長さが大きい商品搭載トレーTRを包装する際には、右側上方把持部材34a、右側下方把持部材34b、左側上方把持部材34c、及び、左側下方把持部材34dのそれぞれは、長辺方向がY方向に沿うように配置される。これにより、ストレッチフィルムSFにおいて、左側及び右側把持部材34L,34Rが引っ張らない部分を低減することができる。したがって、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じるのを抑制することができる。
【0163】
一方、図38に示すように、Y方向の長さが小さい商品搭載トレーTRを包装する際には、右側上方把持部材34a、右側下方把持部材34b、左側上方把持部材34c、及び、左側下方把持部材34dのそれぞれは、短辺方向がY方向に沿うように配置される。これにより、前側及び後側フィーダ321,322のそれぞれは、商品搭載トレーTRにより近づくことができる。したがって、商品搭載トレーTRの下側に重ねられるストレッチフィルムSFの量を適正にすることができる。
【0164】
なお、以上では、右側上方把持部材34a、右側下方把持部材34b、左側上方把持部材34c、及び、左側下方把持部材34dを回転させることによって、商品搭載トレーTRのY方向の長さに応じて、右側上方把持部材34a、右側下方把持部材34b、左側上方把持部材34c、及び、左側下方把持部材34dのY方向の長さを変更した。しかし、これに限ったものではなく、例えば、右側上方把持部材34a、右側下方把持部材34b、左側上方把持部材34c、及び、左側下方把持部材34dのそれぞれをY方向に伸縮可能に構成し、商品搭載トレーTRのY方向の長さに応じて、右側上方把持部材34a、右側下方把持部材34b、及び、左側上方把持部材34c、左側下方把持部材34dのそれぞれのY方向の長さを変更するものであってもよい。
【0165】
<変形例4>
以上のような計量包装値付機1では、より小さなストレッチフィルムSFを用いて、商品搭載トレーTRを包装するために、前側及び後側フィーダ321,322が、ストレッチフィルムSFのY方向の両端部をそれぞれ強く引っ張りすぎると、ストレッチフィルムSFのY方向における中央部分において大きな応力が生じ、図39に示すように、当該中央部分が細くなる。その結果、ストレッチフィルムSFにおいて、左側及び右側把持部材34L,34Rにより把持される部分の面積が減少するため、ストレッチフィルムSFが左側及び右側把持部材34L,34Rから抜け出てしまう可能性がある。
【0166】
以下、この点を改良する本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。図40に示すように、後側フィーダ322が後側フィーダ停止位置に到達する前、及び、前側フィーダ321が前側フィーダ停止位置に到達する前に、左側及び右側把持部材34L,34Rは、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部を把持する。その後、図41に示すように、後側フィーダ322が後側フィーダ停止位置まで移動し、前側フィーダ321が前側フィーダ停止位置まで移動する。これにより、前側フィーダ321及び後側フィーダ322は、ストレッチフィルムSFの+Y側端部及び−Y側端部のそれぞれを把持した状態で、当該ストレッチフィルムSFをY方向に伸張する。
【0167】
このような本変形例に係る計量包装値付機1によれば、ストレッチフィルムSFのY方向における中央部分が細くなる前に、左側及び右側把持部材34L,34RがストレッチフィルムSFを把持するため、左側及び右側把持部材34L,34RのそれぞれからストレッチフィルムSFが抜け出てしまうのを確実に抑制することができる。
【0168】
<変形例5>
本変形例に係る計量包装値付機1は、上述の計量包装値付機1と異なり、トレーに搭載されていない食品等の商品MDをストレッチフィルムSFで包装する。商品MDとしては、例えば、スイカ、バナナ、ナス、サンマなどがある。本変形例に係る計量包装値付機1が、上述の計量包装値付機1の構成と異なる点は、リフト部材が異なる点と、排出プッシャー38を有しない点と、フィルム折込機構によるストレッチフィルムSFの折込動作が異なる点である。以下、これらの差異点について説明する。
【0169】
図42は、本変形例に係るリフト部材46が備える複数のリフトヘッド460を示す斜視図である。複数のリフトヘッド460は、X方向に沿って配置されており、回動機構を有しない中央のリフトヘッド461と、それぞれが回動機構を有する複数のリフトヘッド462とから構成されている。
【0170】
中央のリフトヘッド461は、固定部461aと、固定部461aに固定されている2つの台座461bと、固定部461aに固定されている2つの支持部材461cとを備える。固定部461aは、長方形の板状部材であり、厚み方向がX方向に、長辺方向がY方向に、短辺方向がZ方向にそれぞれ沿うように配置される。
【0171】
二つの台座461bは、板状部材であり、そのうちの一方は、固定部461aの+Z側端面のうちの+Y側端部と固定され、そのうちの他方は、固定部461aの+Z側端面のうちの−Y側端部と固定されている。+Y側の台座461bの上面は−Y側に向かって傾斜しており、−Y側の台座461bの上面は+Y側に向かって傾斜している。
【0172】
二つの支持部材461cのそれぞれは、略長方形の板状部材において、短辺方向で対向する2つの端面のそれぞれに凹部が形成された形状を成している。二つの支持部材461cは、長辺方向がY方向に沿うようにX方向で互いに対向して配置されている。そして、各支持部材461cは、固定部461aの+Z側端面におけるY方向の中央部から外側に傾きながら+Z側に延びている。
【0173】
以上のような構造を有する中央のリフトヘッド461では、商品MDが例えばキャベツのように転がりやすいものであっても、2つの台座461bの上面の傾斜により、Y方向に不要に移動するのを抑制することができる。
【0174】
複数のリフトヘッド462のそれぞれは、固定部462aと、固定部462aと接続するヘッド462bとを有する。固定部462aは、長方形の板状部材であり、厚み方向がX方向に、長辺方向がY方向に、短辺方向がZ方向にそれぞれ沿うように配置される。
ヘッド462bは、略等脚台形の板状部材であり、厚み方向がX方向に沿った状態で、その略等脚台形の平行な二辺のうち短辺側の端面と固定部462aの+Z側側面とが互いに接続している。ヘッド462bの略等脚台形の平行な二辺のうち長辺側の端面には、X方向に延在する複数の溝462cがY方向に沿って並ぶように設けられている。ヘッド462bは、弾性体(図示せず)により、当該ヘッド462bと接続されている固定部462aと一直線に延びる姿勢に付勢されている。
【0175】
中央のリフトヘッド461よりも−X側に配置されたリフトヘッド462では、ヘッド462bが、+X方向に倒れることができるように、+Y側から見て、固定部462aと一直線に延びる姿勢から、固定部462aとの接続部分を支点に時計方向に回動可能となっている。中央のリフトヘッド461よりも+X側に配置されたリフトヘッド462では、ヘッド462bが、−X方向に倒れることができるように、+Y側から見て、固定部462aと一直線に延びる姿勢から、固定部462aとの接続部分を支点に反時計方向に回動可能となっている。
【0176】
なお、各リフトヘッド462は、ヘッド462bがY方向に倒れないように構成されている。そのため、リフト部材46に載置された商品MDが、例えばキャベツのように転がりやすいものであっても、Y方向に不要に移動するのを抑制することができる。
【0177】
<左右方向の折込動作>
次に、フィルム折込機構が、ストレッチフィルムSFの左右方向(X方向)の両端部を折り込む動作について説明する。図43〜図46は、商品MDの下側に、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部を折り込む前の様子を+Y側から見たときの図である。
【0178】
まず、商品MDが、リフト部材46によって、包装エリアPAに配置されたストレッチフィルムSFに対して突き上げられて、商品MDの上面がストレッチフィルムSFに覆われる。商品MDがストレッチフィルムSFと衝突する際には、ストレッチフィルムSFの端部を引っ張っている前側フィーダ321、後側フィーダ322、左側把持部材34L及び右側把持部材34Rのそれぞれは、ストレッチフィルムSFを引っ張っている方向と逆方向に少しだけ移動する。これにより、ストレッチフィルムSFに対する引っ張りが少し緩められた状態で商品MDがストレッチフィルムSFに衝突するため、ストレッチフィルムSFが破れるのを防ぐことができる。
【0179】
次に、後側フィーダ322の後側上方把持部材322b,322dが+Z方向に移動することにより、ストレッチフィルムSFの−Y側の端部のうちの−X側部分及び+X側部分の把持が解放される。それとともに、前側フィーダ321における前側上方把持部材321b,321dが+Z方向に移動することにより、ストレッチフィルムSFの+Y側端部のうちの−X側部分及び+X側部分の把持が解放される。これにより、左側折込部材35b及び右側折込部材35aが移動して、ストレッチフィルムSFのX方向の端部と当接する際に、ストレッチフィルムSFが破れてしまうのを防ぐことができる。
【0180】
その後、図44に示すように、左側折込部材35bが商品MDの下側に向かって(+X方向)に移動し、右側折込部材35aが商品MDの下側に向かって(−X方向)に移動する。そうすると、−X側の左側折込部材35bが、商品MDの下側に潜り込む前に、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している−X側端部に当接する。また、+X側の右側折込部材35aが、商品MDの下側に潜り込む前に、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している+X側端部に当接する。
【0181】
左側把持部材34Lは、左側折込部材35bが、ストレッチフィルムSF当接する際に、ストレッチフィルムSFの−X側端部を把持しながら、左側折込部材35bよりも遅い速度で+X方向に移動し始める。同様に、右側把持部材34Rは、右側折込部材35aが、ストレッチフィルムSF当接する際に、ストレッチフィルムSFの+X側端部を把持しながら、右側折込部材35aよりも遅い速度で−X方向に移動し始める。これにより、左側及び右側折込部材35b,35aは、ストレッチフィルムSFの−X側端部及び+X側端部のそれぞれを折り込んでいく間、常に、ストレッチフィルムSFと適度な力で当接することができる。したがって、ストレッチフィルムSFのX方向の端部が破れるのを防止しつつ、商品MDを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じることを抑制することができる。
【0182】
ストレッチフィルムSFと当接している−X側の左側折込部材35bは、商品MDを支持する、−X側に配置されたリフトヘッド462のヘッド462bを+X方向に押しながら+X方向に移動する。このとき、当該ヘッド462bは、図44に示すように+X方向に倒れていく。同様に、ストレッチフィルムSFと当接している+X側の右側折込部材35aは、+X側に配置されたリフトヘッド462のヘッド462bを−X方向に押しながら−X方向に移動する。このとき、当該ヘッド462bは−X方向に倒れていく。
【0183】
+X方向に移動する左側把持部材34Lでは、左側下方把持部材34dが、リフト部材46と接触する前に、図45に示すように、−Z方向に移動する。これにより、左側把持部材34Lによる、ストレッチフィルムSFの−X側端部の把持が解放される。左側把持部材34Lでは、左側下方把持部材34dが−Z方向に移動した後も、左側上方把持部材34cが+X方向に移動する。
【0184】
同様に、−X方向に移動する右側把持部材34Rでは、右側下方把持部材34bが、リフト部材46と接触する前に、−Z方向に移動する。これにより、右側把持部材34Rによる、ストレッチフィルムSFの+X側端部の把持が解放される。右側把持部材34Rでは、右側下方把持部材34bが−Z方向に移動した後も、右側上方把持部材34aが−X方向に移動する。
【0185】
その後、左側及び右側上方把持部材34c,34aが、左側及び右側折込部材35b,35aの下側を+X方向及び−X方向にそれぞれ移動する。そして、左側上方把持部材34cが、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側折込部材35bよりも先の部分に当接して、当該部分を商品MDの下側に折り込んでいく。その結果、ストレッチフィルムSFの−X側端部のうち左側折込部材35bよりも先の部分が、左側折込部材35bの下側に回りこんで、左側折込部材35bの下面とくっつくのを防ぐことができる。また、右側上方把持部材34aが、ストレッチフィルムSFの+X側端部のうち右側折込部材35aよりも先の部分に当接して、当該部分を商品MDの下側に折り込んでいく。その結果、ストレッチフィルムSFの+X側端部のうち右側折込部材35aよりも先の部分が、右側折込部材35aの下面とくっつくのを防ぐことができる。
【0186】
ストレッチフィルムSFの左右方向(X方向)の両端部が折り込まれた後、図46に示すように、リフト部材46が−Z方向に移動する。後述する後側折込部材36の+Y方向への移動が、Y方向に回動しないリフトヘッド461及び462により妨げられないようにするためである。リフト部材46が−Z方向に移動すると、商品MDは、左側及び右側折込部材35b,35aによりストレッチフィルムSFを介して支持される。
【0187】
<前後方向の折込動作>
次に、フィルム折込機構が、ストレッチフィルムSFの前後方向(Y方向)の両端部を折り込む動作について説明する。図47〜図50は、リフト部材46が−Z方向に移動した後、後側折込部材36及び前側折込部材37が、商品MDの下側に、ストレッチフィルムSFのY方向の両端部を折り込む様子を順に見たときの図である。図47〜図50では、右側上方把持部材34a、及び、右側折込部材35aが想像線(二点鎖線)で示されている。
【0188】
図47に示すように、後側折込部材36及び前側折込部材37が、商品MDの下側に、ストレッチフィルムSFのY方向の両端部を折り込む直前においては、前側及び後側フィーダ321,322は、ストレッチフィルムSFのY方向の両端部を把持し続けている。具体的には、前側フィーダ321における中央の前側上方把持部材321c及び前側下方把持部材321eが、ストレッチフィルムSFの+Y側端部の中央部分を把持しており、後側フィーダ322における中央の後側上方把持部材322c及び後側下方把持部材322eが、ストレッチフィルムSFの−Y側端部の中央部分を把持している。
【0189】
包装機3では、リフト部材46が−Z方向に移動した後、図48に示すように、後側折込部材36が、商品MDの下側に向かって(+Y方向に)移動する。具体的には、後側折込部材36が、左側上方把持部材34cと左側折込部材35bとの間、及び、右側上方把持部材34aと右側折込部材35aとの間のそれぞれを通って+Y方向に移動する。そうすると、後側折込部材36が、ストレッチフィルムSFにおける、傾斜している−Y側端部に当接する。
【0190】
後側フィーダ322は、後側折込部材36がストレッチフィルムSFと当接する際には、図48に示すように、ストレッチフィルムSFの+Y側端部を把持しながら+Y方向に移動する。これにより、後側折込部材36は、ストレッチフィルムSFの−Y側端部を折り込んでいく間、常に、ストレッチフィルムSFと適度な力で当接することができるため、ストレッチフィルムSFの−Y側端部が破れたり、商品MDを覆っているストレッチフィルムSFに皺が生じたりするのを抑制することができる。
【0191】
後側折込部材36がストレッチフィルムSFの−Y側端部に適度な力で当接しながら当該−Y側端部を商品MDの下側に折り込むように、後側フィーダ322が+Y方向に移動し続けると、図48に示すように、後側折込部材36がストレッチフィルムSFの−Y側端部を商品MDの下側に折り込んでいくのと並行して、後側フィーダ322がストレッチフィルムSFを利用して商品MDを−Y方向から+Y方向に牽引するようになる。これにより、商品MDは後側フィーダ322によって排出台42に向けて搬送される。
【0192】
ここで、商品MDが−Y方向から+Y方向に移動すると、ストレッチフィルムSFにおいて傾斜している+Y側端部の張りが弛む。そこで、後側フィーダ322がある程度+Y方向に移動した場合に、前側フィーダ321が、図48に示すように+Y方向に移動する。これにより、前側折込部材37が、ストレッチフィルムSFにおいて傾斜している+Y側端部と当接するため、ストレッチフィルムSFにおいて傾斜している+Y側端部の張りが弛むのを抑制することができる。
【0193】
その後、図49に示すように、後側フィーダ322は、ストレッチフィルムSFの−Y側端部の把持を解放する。以後、商品MDは慣性力によって+Y方向に移動していく。この際、前側フィーダ321は、ストレッチフィルムSFの+Y側端部が−Y側端部の下側に重なるように、−Y方向に移動していく。それから、前側フィーダ321は、ストレッチフィルムSFの+Y側端部における中央部分の把持を解放すれる。そうすると、図50に示すように、ストレッチフィルムSFにおける傾斜している+Y側端部が、前側折込部材37により商品MDの下側に折り込まれる。その後、ストレッチフィルムSFにおける、商品MDの底面で重なっている部分が、ヒータローラ39,40によって熱溶着される。
【0194】
なお、以降の各変形例は、商品搭載トレーTRをストレッチフィルムSFで包装する計量包装値付機1、及び、商品MDをストレッチフィルムSFで包装する変形例5に係る計量包装値付機1のいずれか一方を用いて説明しているが、各変形例は、両方の計量包装値付機1に適用できる。
【0195】
<変形例6>
図51は、変形例5に係る計量包装値付機1において、左側折込部材35bが、−X側に配置されたリフトヘッド462のヘッド462bをストレッチフィルムSFを介して+X方向に押す様子を示す図である。上述したように、−X側の左側折込部材35bが、−X側に配置されたリフトヘッド462のヘッド462bをストレッチフィルムSFを介して+X方向に押すと、当該ヘッド462bは、図の二点鎖線に示されるように、+Y側から見て時計方向に回動する。この際、商品MDの下面がヘッド462bの先端により擦られ、商品MDに傷が生じる可能性がある。+X側に配置されたリフトヘッド462についても同様の現象が生じる。
【0196】
以下、この点を改良する本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。本変形例に係る計量包装値付機1は、図42及び図51に示したヘッド462bの代わりに、図52に示すようなヘッド462dを備える。
【0197】
このヘッド462dは一方向に延在しており、その長辺方向がY方向に沿うように固定部462aの上面に接続されている。ヘッド462dをX方向から見た際の当該ヘッド462dの外形は、おおよそ逆等脚台形である。ヘッド462dの上端の中央部は少し凹んでおり、この凹んだ部分に商品MDが載置される。ヘッド462dにおける商品MDを支持する部分には2つのローラ462eが設けられている。この2つのローラ462eは、ヘッド462dの長辺方向に沿って互いに離れて設けられている。各ローラ462aは、ヘッド462aの長辺方向に沿った軸の周りに回転可能である。商品MDは、2つのローラ462e上に載置される。
【0198】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1によれば、リフトヘッド462の上端の中央部が凹んでいるため、当該中央部に載置された商品MDが、Y方向に不要に移動するのを抑制することができる。
【0199】
図53は、本変形例に係る計量包装値付機1において、左側折込部材35bが、−X側に配置されたリフトヘッド462のヘッド462dをストレッチフィルムSFを介して+X方向に押す様子を示す図である。上述と同様、−X側の左側折込部材35bが、−X側に配置されたリフトヘッド462のヘッド462dをストレッチフィルムSFを介して+X方向に押すと、当該ヘッド462dは、図の二点鎖線に示されるように、+Y側から見て時計方向に回動する。この際、商品MDを支持する2つのローラ462eが反時計方向に回転するので、商品MDの下面が、ヘッド462dの先端により擦られるのを抑制することができる。その結果、本変形例に係る計量包装値付機1によれば、商品MDに傷が生じるのを抑制することができる。なお、+X側に配置されたリフトヘッド462についても同様である。
【0200】
<変形例7>
本変形例では、変形例6と同様、商品MDに傷が生じるのを抑制することを目的としている。本変形例に係る計量包装値付機1は、図42に示したヘッド462bの代わりに、図54に示すようなヘッド462fを備える。ヘッド462fは、下方部分ヘッド462gと上方部分ヘッド462hとから構成されている。
【0201】
下方部分ヘッド462gは、弾性体(図示せず)により、当該下方部分ヘッド462gと接続されている固定部462aと一直線に延びる姿勢に付勢されている。上方部分ヘッド462hは、弾性体(図示せず)により、当該上方部分ヘッド462hと接続されている下方部分ヘッド462gと一直線に延びる姿勢に付勢されている。
【0202】
中央のリフトヘッド461よりも−X側に配置された各リフトヘッド462では、下方部分ヘッド462gが、+Y側から見て、固定部462aと一直線に延びる姿勢から、固定部462aと接続された下方接続部分462iを支点に時計方向に回動可能である。また、当該各リフトヘッド462では、上方部分ヘッド462hが、+Y側から見て、下方部分ヘッド462gと一直線に延びる姿勢から、下方部分ヘッド462gと接続された上方接続部分462jを支点に反時計方向に回動可能である。
【0203】
図55に示すように、ストレッチフィルムSFと当接している−X側の左側折込部材35bは、商品MDを支持する、−X側に配置されたリフトヘッド462のうち、下方接続部分462iよりも上方でかつ、上方接続部分462jよりも下方の部分を、ストレッチフィルムSFを介して+X方向に押しながら+X方向に移動する。そうすると、+Y側から見て、下方部分ヘッド462gが下方接続部分462iを支点に時計方向に回動し、上方部分ヘッド462hが上方接続部分462jを支点に反時計方向に回動する。
【0204】
その後、左側折込部材35bが、+X方向にさらに移動していくと、図56に示すように、上方部分ヘッド462hの先端は商品MDの下面から離れていくとともに、左側折込部材35bは、ストレッチフィルムSFを介して上方部分ヘッド462hを+X方向に押すようになる。そうすると、+Y側から見て、上方接続部分462jを支点に反時計方向に回動していた上方部分ヘッド462hが元に戻り、下方部分ヘッド462gと一直線に延びる姿勢となる。その結果、ヘッド462fの全体が一直線に伸びた状態で+X側に倒れる。
【0205】
次に、中央のリフトヘッド461よりも+X側に配置されたリフトヘッド462について説明する。中央のリフトヘッド461よりも+X側に配置されたリフトヘッド462の構成は、中央のリフトヘッド461よりも−X側に配置されたリフトヘッド462の構成を左右反転させたものとなっている。具体的には、当該+X側に配置された各リフトヘッド462では、下方部分ヘッド462gが、+Y側から見て、固定部462aと一直線に延びる姿勢から、固定部462aと接続された下方接続部分462iを支点に反時計方向に回動可能である。また、当該リフトヘッド462では、上方部分ヘッド462hが、+Y側から見て、下方部分ヘッド462gと一直線に延びる姿勢から、下方部分ヘッド462gと接続された上方接続部分462jを支点に時計方向に回動可能である。
【0206】
中央のリフトヘッド461よりも+X側に配置されたリフトヘッド462の動きは、図55及び図56に示される、中央のリフトヘッド461よりも−X側に配置されたリフトヘッド462の動きと左右反転した動きとなる。具体的には、ストレッチフィルムSFと当接している+X側の右側折込部材35aは、商品MDを支持する、+X側に配置されたリフトヘッド462のうち、下方接続部分462iよりも上方でかつ、上方接続部分462jよりも下方の部分を、ストレッチフィルムSFを介して−X方向に押しながら−X方向に移動する。そうすると、+Y側から見て、下方部分ヘッド462gが下方接続部分462iを支点に反時計方向に回動し、上方部分ヘッド462hが上方接続部分462jを支点に時計方向に回動する。
【0207】
その後、右側折込部材35aが、−X方向にさらに移動していくと、上方部分ヘッド462hの+Z側端部は商品MDの下面から離れていくとともに、右側折込部材35aは、ストレッチフィルムSFを介して上方部分ヘッド462hを−X方向に押すようになる。そうすると、+Y側から見て、上方接続部分462jを支点に時計方向に回動していた上方部分ヘッド462hが元に戻り、ヘッド462fの全体が一直線に伸びた状態で−X側に倒れる。
【0208】
以上のような、本変形例に係る計量包装値付機1によれば、ヘッド462fが倒れる際に、ヘッド462fの先端と商品MDの下面とが擦れることを抑制することができるので、商品MDに傷が生じるのを抑制することができる。
【0209】
<変形例8>
本変形例では、変形例6と同様、商品MDに傷が生じるのを抑制することを目的としている。本変形例に係る計量包装値付機1は、図42に示した複数のリフトヘッド462の代わりに、図57に示すような複数のリフトヘッド462を備える。複数のリフトヘッド460の高さ(Z方向の長さ)は、X方向における両端のリフトヘッド462から中央のリフトヘッド461に向かうにつれて順に高くなっている。
【0210】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1では、商品MDが、ごぼうのように、一方向に延在するものである場合に、当該商品MDが、その延在方向がX方向に沿った状態で複数のリフトヘッド460に載置されると、図57に示すように、−X側に配置された複数のリフトヘッド462と商品MDとの接触、及び、+X側に配置された複数のリフトヘッド462と商品MDとの接触のいずれかを低減することができる。その結果、商品MDに傷が生じるのを抑制することができる。
【0211】
<変形例9>
変形例5に係る計量包装値付機1では、左側及び右側折込部材35b,35aが、ストレッチフィルムSFの両端部を商品MDの下側に折り込む際に、左側及び右側折込部材35b,35aの先端とストレッチフィルムSFとが擦れてしまい、ストレッチフィルムSFが破れてしまう可能性がある。
【0212】
以下、この点を改良する本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。図58は、本変形例に係る左側折込部材35bが、ストレッチフィルムSFの−X側端部を商品MDの下側に折り込む様子を+Y側から見たときの図である。図に示すように、本変形例に係る計量包装値付機1は、左側折込部材35bの上面、下面及び+X側端(先端)を覆う布製部材49と、布製部材49と接続する弾性体50とを備える。布製部材49の一端は包装機3の−X側の内壁51に取り付けられており、布製部材49の他端は弾性体50の一端と接続されている。そして、弾性体50の他端は包装機3の−X側の内壁51に取り付けられている。弾性体50の他端は、布製部材49が内壁51と接続される位置よりも下側(−Z側)の位置で、内壁51に取り付けられている。弾性体50は、布製部材49が左側折込部材35bの先端と密着するように、布製部材49の他端を−X方向に引っ張っている。
【0213】
次に、本変形例に係る計量包装値付機1の動作について説明する前に、布製部材49及び弾性体50を有していない変形例5に係る計量包装値付機1の動作について説明する。図59は、変形例5に係る計量包装値付機1において、左側折込部材35bが+X方向に移動していく様子を示す図である。ストレッチフィルムSFに当接しながら左側折込部材35bが+Xに移動していくと、ストレッチフィルムSFにおいては、左側折込部材35bの移動に応じて、左側折込部材35bの下側に位置する部分500が、左側折込部材35bの先端に擦れながら、図の矢印方向のように左側折込部材35bの上側に回り込んでいく。このときに、ストレッチフィルムSFが破れてしまう可能性がある。
【0214】
これに対して、図58に示す本変形例に係る計量包装値付機1では、布製部材49の他端が弾性体50に接続されていることから、左側折込部材35bが+X方向に移動していくと、その移動に応じて、ストレッチフィルムSFにおける左側折込部材35bの下側の部分500と、布製部材49における左側折込部材35bの下側の部分501とが、一緒になって、図の矢印方向のように、左側折込部材35bの上側に回り込んでいく。このように、本変形例に係る計量包装値付機1では、左側折込部材35bが+X方向に移動していくと、弾性体50の適度な弾性力により、ストレッチフィルムSFと布製部材49とが擦れることなく、ストレッチフィルムSFにおける左側折込部材35bの下側の部分500と、布製部材49における左側折込部材35bの下側の部分501とが、左側折込部材35bの上側に回り込んでいく。したがって、ストレッチフィルムSFが破れることを防止できる。
【0215】
なお、図58に示す、左側折込部材35b、布製部材49及び弾性体51の代わりに、図60に示す左折込部材35bを用いても同様の効果を得ることができる。図60の左側折込部材35bは、その先端(+X側端)にローラ53を備えている。このような左側折込部材35bを使用すると、左側折込部材35bが+X方向に移動し、ストレッチフィルムSFにおける左側折込部材35bの下側の部分が、左側折込部材35bの上側に回り込む際には、左側折込部材35bの先端のローラ53が回転するため、左側折込部材35bの先端とストレッチフィルムSFとが擦れることを防止できる。
【0216】
また、図58に示す、左側折込部材35b、布製部材49及び弾性体51の代わりに、図61に示す左側折込部材35b及び環状の布製部材55を用いても同様の効果を得ることができる。図61の左側折込部材35bは、そのX方向の両端にローラ53,54をそれぞれ備えている。そして、図61の布製部材55は、左側折込部材35bの上面、下面及び両端部のローラ53,54を覆っている。図61に示す構造においては、左側折込部材35bが+X方向に移動し、ストレッチフィルムSFにおける左側折込部材35bの下側の部分が、左側折込部材35bの上側に回り込む際には、環状の布製部材55が回転する。これにより、ストレッチフィルムSFと布製部材55とが擦れることなく、ストレッチフィルムSFにおける左側折込部材35bの下側の部分が左側折込部材35bの上側に回り込んでいく。よって、ストレッチフィルムSFが破れることを防止できる。
【0217】
なお、以上、左側折込部材35bについて説明したが、本変形例は、左側折込部材35bに限ったものではなく、右側折込部材35a、後側折込部材36のそれぞれに対しても適用することができる。
【0218】
<変形例10>
以上の計量包装値付機1では、左側折込部材35b及び右側折込部材35aの動作が正常に完了したか、あるいは、故障により途中で停止したかにかかわらず、後続の処理が続けて行われる。そのため、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部が折り込まれていない状態で商品搭載トレーTRが排出台42に排出される可能性がある。また、以上の計量包装値付機1では、後側折込部材36の動作が正常に完了したか、あるいは、故障により途中で停止したかにかかわらず、次の包装処理を行う操作をユーザから受け付けると、フィルム搬送部は次のストレッチフィルムSFの搬送を行う。そのため、フィルム搬送部によるストレッチフィルムSFの搬送が正常に行われない可能性がある。
【0219】
そこで、本変形例では、この点を改良することを目的としている。図62は、本変形例に係る計量包装値付機1の構成を示すブロック図である。本変形例に係る計量包装値付機1は、左側折込部材35b、右側折込部材35a、及び、後側折込部材36のそれぞれが動作しているか否かを個別に検出する動作停止検出部60を、図2に示したブロック構成に加えたものである。左側、右側及び後側折込部材35b,35a,36を動作させる複数の駆動手段のそれぞれが、例えば、モータである場合には、動作停止検出部60は、それらモータが回転しているか否かに基づいて、左側、右側及び後側折込部材35b,35a,36が動作しているか否かをそれぞれ検出する。
【0220】
制御部10は、動作停止検出部60での検出結果に基づいて、左側折込部材35bの動作が完了したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、動作停止検出部60での検出結果に基づいて、左側折込部材35bの動作が正常に行われた否かを判定する。制御部10は、左側折込部材35bの動作が正常に行われた場合には、左側折込部材35bの動作が完了したと判定する。一方、制御部10は、左側折込部材35bの動作が故障等により途中で停止し、正常に行われなかった場合には、左側折込部材35bの動作が完了しなかったと判定する。制御部10は、右側折込部材35a、後側折込部材36についても、左側折込部材35bと同様の判定を行う。
【0221】
制御部10は、左側折込部材35bの動作が完了しなかったと判定した場合には、計量包装値付機1における、左側折込部材35b以外の構成、例えば、右側折込部材35aや後側折込部材36の動作を停止する。その後、故障した左側折込部材35bが修理されて左側折込部材35bの動作が再開し、動作停止検出部60が左側折込部材35bの動作を検出すると、制御部10は、計量包装値付機1の他の構成の動作を再開する。制御部10は、右側折込部材35aについても、左側折込部材35bと同様の制御を行う。
【0222】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1では、左側及び右側折込部材35b,35aの動作が完了しなかった場合には、それ以外の構成の動作が停止する。したがって、ストレッチフィルムSFのX方向の両端部が折り込まれていない状態で商品搭載トレーTRが排出台42に排出されるのを抑制できる。また、本変形例に係る計量包装値付機1では、左側及び右側折込部材35b,35aの動作が再開すると、それ以外の他の構成の動作も自動的に再開する。したがって、本変形例に係る計量包装値付機1は、すぐに動作を再開できる。
【0223】
また、制御部10は、後側折込部材36の動作が完了しなかったと判定した場合には、計量包装値付機1における、後側折込部材36以外の構成、例えば、フィルム搬送部の動作を停止する。その後、ユーザにより後側折込部材36の故障が修理され、ユーザにより計量包装値付機1の動作再開を指示する操作が表示部7あるいは操作部8に行われると、制御部10は、計量包装値付機1の再起動を行う。
【0224】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1では、後側折込部材36の動作が完了しなかった場合には、それ以外の構成の動作が停止する。したがって、フィルム搬送部によるストレッチフィルムSFの搬送が正常に行われないことを防止することができる。また、本変形例に係る計量包装値付機1では、後側折込部材36の動作が再開すると、それ以外の他の構成の動作も自動的に再開する。したがって、本変形例に係る計量包装値付機1は、すぐに動作を再開できる。
【0225】
<変形例11>
本変形例では、商品搭載トレーTRが、ストレッチフィルムSFに対して突き上げられる(図16)際の、商品搭載トレーTRとストレッチフィルムSFとの衝突を緩和して、ストレッチフィルムSFが破れたり、商品搭載トレーTRが損傷したりすることを確実に防ぐことを目的とする。
【0226】
図63は、本変形例に係る計量包装値付機1の構成を示すブロック図である。本変形例に係る計量包装値付機1は、商品搭載トレーTRの高さを測定する高さ検出部62を、図2に示したブロック構成に加えたものである。この高さ検出部62は、計量搬送機構2に設けられており、カメラ等で構成されている。高さ検出部62は、商品搭載トレーTRが計量搬送機構2の載置部21に載置されている際に、商品搭載トレーTRの高さを測定する。ここでいう商品搭載トレーTRの高さとは、商品搭載トレーTRのトレー下端からトレー上端までのZ方向における長さ、及び、商品搭載トレーTRのトレー下端から商品上端までのZ方向における長さのうち、大きい方を意味する。
【0227】
制御部10は、リフト部材31が商品搭載トレーTRをストレッチフィルムSFに対して突き上げる際のリフト部材31の移動速度を制御する。具体的には、制御部10は、高さ検出部62で検出された商品搭載トレーTRの高さが高い場合には、リフト部材31が+Z方向に比較的小さい距離を移動したときに、リフト部材31の移動速度を低減する。一方、制御部10は、高さ検出部62で検出された商品搭載トレーTRの高さが低い場合には、リフト部材31が+Z方向に比較的大きい距離を移動したときに、リフト部材31の移動速度を低減する。このように、制御部10は、商品搭載トレーTRの高さが高くなるほど、リフト部材31の移動速度を低減する時点を早くしていく。
【0228】
このように、本変形例に係る計量包装値付機1では、商品搭載トレーTRの高さに応じて、リフト部材31の移動速度を低減する時点を変更するため、商品搭載トレーTRの高さが高くても、リフト部材31の移動速度を低減させた状態で、商品搭載トレーTRをストレッチフィルムSFに衝突させることができる。したがって、ストレッチフィルムSFが破れるのを防ぐことができる。その一方で、商品搭載トレーTRの高さが低い場合に、リフト部材31の移動速度が低減する時点を遅くすることができるため、計量包装値付機1の処理速度が低下するのを抑制することができる。
【0229】
<変形例12>
商品搭載トレーTRのトレーに関して、近年、寸法だけでなく、形状も多様化している。計量包装値付機1においては、様々な寸法及び形状のトレーを均一な仕上がりで包装できることが理想的であるが、どうしても包装の仕上がりにばらつきが生じる。また、寸法及び形状によっては、トレーが破損したり、トレーがリフト部材31で上方に搬送できなかったりする可能性もある。
【0230】
そこで、本変形例では、包装対象となるトレーの種類に応じて、複数のリフト部材31を準備し、各リフト部材31、包装機3の内部に着脱可能とする。そして、準備した複数のリフト部材31から、包装対象のトレーの種類に応じたリフト部材31を包装機3の内部に取り付けて使用する。
【0231】
図64は包装対象となるトレー700の一例を示す上面図である。図65は図64のトレー700に最適なリフト部材31を示す上面図である。図64のトレー700は上面視で長方形を成している。図65に示すリフト部材31では、6つのリフトヘッド310が設けられており、当該6つのリフトヘッド310は2行×3列の行列状に配列されている。
【0232】
図66は包装対象となるトレー700の他の一例を示す上面図である。図67は図66のトレー700に最適なリフト部材31を示す上面図である。図66のトレー700は、上面視でホームベース形を成している。図67に示すリフト部材31では、径が比較的大きい4つのリフトヘッド310と、径が比較的小さい2つのリフトヘッド310とが設けられている。径が大きい4つのリフトヘッド310では、3つのリフトヘッド310が1列に配列されており、残りの1つのリフトヘッド310は、当該3つのリフトヘッド310の配列方向において、当該3つのリフトヘッド310の中央のリフトヘッド310に並んで配置されている。径の小さい2つのリフトヘッドは、当該3つのリフトヘッド310の配列方向に沿って、当該残りの1つのリフトヘッド310を挟むように配置されている。
【0233】
このように、本変形例に係る計量包装値付機1では、包装対象のトレー700に最適なリフト部材31を使用することができるため、包装の仕上がりのばらつきを抑制できる。また、トレー700が破損したり、トレー700がリフト部材31で上方に搬送できなかったりすることを抑制できる。
【0234】
以上のような計量包装値付機1では、ユーザがリフト部材31の交換を行うため、包装対象のトレー700に最適なリフト部材31ではないリフト部材31が包装機3の内部に取り付けられる可能性がある。
【0235】
以下、この点を改良する本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。図68は、本変形例に係る計量包装値付機1の構成を示すブロック図である。本変形例に係る計量包装値付機1は、包装機3の内部に装着されたリフト部材31に固有のリフト固有番号を検出するリフト固有番号検出部64を、図2に示したブロック構成に加えたものである。各リフト部材31には、例えば、リフト固有番号を示すバーコードが印字されていたり、リフト固有番号を記憶した非接触型ICが取り付けられたりしている。リフト固有番号検出部64は、リフト部材31に示されたバーコードから、当該リフト部材31のリフト固有番号を取得したり、リフト部材31の非接触方ICから、当該リフト部材31のリフト固有番号を取得したりする。
【0236】
記憶部9には、トレー700の種類と、当該トレー700の種類に最適なリフト部材31のリフト固有番号とが対応付けられて予め記憶されている。
【0237】
制御部10は、記憶部9から、包装対象のトレー700に最適なリフト部材31のリフト固有番号を取得する。それとともに、制御部10は、包装機3の内部に装着されたリフト部材31のリフト固有番号を、リフト固有番号検出部64を用いて検出する。
【0238】
その後、制御部10は、記憶部9から取得したリフト固有番号と、リフト固有番号検出部64が検出したリフト固有番号とが互いに一致するか否かを判定する。そして、制御部10は、その判定結果を表示部7に表示する。具体的には、制御部10は、両者が互いに一致しないと判定した場合には、ユーザに対して、包装機3の内部に取り付けられたリフト部材31を確認する旨を表示する。一方、制御部10は、両者が互いに一致すると判定した場合には、ユーザに対して、包装可能である旨を表示する。
【0239】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1によれば、包装対象のトレー700に最適なリフト部材31を確実に使用して包装処理を行うことができる。
【0240】
<変形例13>
以上の計量包装値付機1では、フィルム検出部50が、後側フィーダ322内にストレッチフィルムSFがあるか否かを検出し、表示部7がその検出結果を表示する。しかし、以上の計量包装値付機1では、フィルム格納部43に格納されたロール状のストレッチフィルムSFが残りわずかであることを検出する手段は設けられていない。そのため、ストレッチフィルムSFが、包装エリアPAに供給され始める時点では後側フィーダ322内に存在していたとしても、包装エリアPAに供給されている途中で不足してしまう可能性がある。このような場合、ストレッチフィルムSFが包装エリアPAに中途半端に供給されてしまうため、ユーザは、そのストレッチフィルムSFを包装機3から取り外さなければならず、手間がかかっていた。
【0241】
以下、この点を改良する本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。図69は、本変形例に係る計量包装値付機1の構成を示すブロック図である。本変形例に係る計量包装値付機1は、自己が受けた荷重を検出する荷重検出部66を、図2に示したブロック構成に加えたものである。荷重検出部66は、包装機3に設けられており、例えば圧電素子やロードセルが用いられる。包装機3には、フィルム保持棒の回転軸を軸支する軸受け部分(図示せず)が設けられている。荷重検出部66は、フィルム保持棒等の重量を検出するように、例えば軸受け部分に設けられる。記憶部9には、紙管だけの重量が予め記憶されている。
【0242】
このような変形例に係る計量包装値付機1では、まず、包装処理を開始する前段階として、フィルムロールが取り付けられていないフィルム保持棒が、軸受け部分により軸支される。制御部10は、このときに荷重検出部66が検出するフィルム保持棒のみの重量を記憶部9に記憶する。
【0243】
次に、計量包装値付機1では、包装処理を開始するにあたり、フィルムロールが取り付けられたフィルム保持棒が、軸受け部分により軸支される。そうすると、荷重検出部66は、ストレッチフィルムSF、紙管及びフィルム保持棒の合計重量を検出することになる。制御部10は、商品搭載トレーTRの包装を開始するたびに、荷重検出部が検出した合計重量を取得し、当該合計重量から、記憶部9に記憶されている紙管及びフィルム保持棒の重量を減算して、ストレッチフィルムSFの重量を算出する。
【0244】
以上のような計量包装値付機1において、ストレッチフィルムSFが使用され続けると、制御部10が算出するストレッチフィルムSFの重量は小さくなっていく。制御部10は、ある商品搭載トレーTRの包装を開始する際に算出したストレッチフィルムSFの重量が閾値以下の場合には、ストレッチフィルムSFの残量が少ない旨を表示部7に表示する。なお、閾値には、例えば、1つの商品搭載トレーTRを適切に包装することが可能なサイズのストレッチフィルムSFの重量よりも小さい重量が用いられる。
【0245】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1では、ストレッチフィルムSFが不足する前に、ユーザに対してストレッチフィルムSFの残量が少ない旨を通知することができる。そのため、ユーザは、事前にフィルムロールの入れ替えを行うことができ、包装エリアPAに中途半端に供給されたストレッチフィルムSFを取り外す作業の発生を抑制することができる。
【0246】
なお、荷重検出部66によって、フィルム保持棒のみの重量を検出する処理を定期的に行い、記憶部9内のフィルム保持棒の重量を更新しても良い。
【0247】
<変形例14>
本変形例では、変形例13と同様、ストレッチフィルムSFが不足する前に、ユーザに対してストレッチフィルムSFの残量が少ない旨を通知することを目的とする。
【0248】
本変形に係る制御部10は、操作部8において新品のフィルムロールに関する情報、例えば、ストレッチフィルムSFの巻量、幅、種類などの情報を受け付けると、当該新品のフィルムロールに対して固有のフィルム固有番号を割り当てる。そして、制御部10は、当該フィルム固有番号が印字されたラベル11をラベル発行装置6により発行する。このラベル11は、ユーザにより、新品のフィルムロールの使用に邪魔にならない箇所、例えば、その紙管の内壁に貼付される。それとともに、制御部10は、操作部8で受け付けた、新品のフィルムロールに関する情報を、当該フィルムロールのフィルム固有番号に対応付けて記憶部9に記憶する。また、制御部10は、フィルムロールのストレッチフィルムSFの累積使用量を、当該フィルムロールの固有番号に対応付けて記憶部9に記憶する。なお、新品のフィルムロールについての累積使用量は零となる。
【0249】
制御部10は、包装処理が開始すると、商品搭載トレーTRの包装が行われるたびに、その包装で使用されたストレッチフィルムSFの量を、記憶部9に記憶されている累積使用量に加算する。そして、制御部10は、商品搭載トレーTRの包装が行われるたびに、ストレッチフィルムSFの巻量から、累積使用量を減じた量を、残り使用可能量として算出する。制御部10は、残り使用可能量が閾値以下になった場合に、ストレッチフィルムSFの残量が少ない旨を表示部7に表示する。
【0250】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1では、ストレッチフィルムSFが不足する前に、ユーザに対してストレッチフィルムSFの残量が少ない旨を通知することができる。そのため、包装エリアPAに中途半端に供給されたストレッチフィルムSFを取り外す作業の発生を抑制することができる。
【0251】
次に、計量包装値付機1においてストレッチフィルムSFがある程度使用された後に、計量包装値付機1から取り外されたフィルロール(以下、「使用途中のフィルムロールと呼ぶ)が、計量包装値付機1に再び取り付けられて使用される場合について説明する。
【0252】
まず、ユーザにより、現在取り付けられているフィルムロールが計量包装値付機1から取り外されて、使用途中のフィルロールが、計量包装値付機1に取り付けられる。そして、使用途中のフィルムロールに貼付されているラベル11に印字されたフィルム固有番号が、ユーザにより操作部8に入力される。この際、制御部10は、操作部8が受け付けたフィルム固有番号に対応付けられている累積使用量を記憶部9から取得する。
【0253】
その後、制御部10は、商品搭載トレーTRの包装が行われるたびに、その包装で使用されたストレッチフィルムSFの量を累積使用量に加算する。そして、制御部10は、上述と同様に残り使用可能量を算出し、当該残り使用可能量が閾値以下になった場合に、ストレッチフィルムSFの残量が少ない旨を表示部7に表示する。
【0254】
このように、本変形例に係る計量包装値付機1では、計量包装値付機1からフィルムロールが取り外される前までのストレッチフィルムSFの累積使用量に対して、当該フィルムロールが計量包装値付機1において再度使用された量が加算されていく。したがって、フィルムロールが計量包装値付機1から一度取り外され、再び計量包装値付機1に取り付けられても、当該フィルムロールのストレッチフィルムSFの残りの使用可能量を算出することができる。
【0255】
また複数台の計量包装値付機1でフィルムロールが共用される場合においても、本変形例に係る技術は有効である。この場合には、各計量包装値付機1は、使用しているフィルムロールについての累積使用量を、更新するたびに、各計量包装値付機1を制御する上位の制御装置に受け渡す。そして、ある計量包装値付機1で使用されていたフィルムロールが、他の計量包装値付機1で使用される場合には、上位の制御装置が、当該フィルムロールの累積使用量を、当該他の計量包装値付機1に受け渡す。これにより、各計量包装値付機1は、他の計量包装値付機1で使用されていたフィルムロールを使用する場合であっても、そのストレッチフィルムSFの残りの使用可能量を算出することができる。
【0256】
<変形例15>
以上の計量包装値付機1では、計量搬送機構2により商品搭載トレーTRの重量が測定される重量測定処理、包装機3により商品搭載トレーTRが包装される包装処理、及び、ラベル発行装置6によりラベル11が発行されるラベル発行処理を行う包装モードと、重量測定処理及びラベル発行処理のみを行う非包装モードとを選択的に行うことも可能である。図70は、計量包装値付機1が包装モードと非包装モードを選択的に行う場合の計量搬送機構2の一例を示す断面図である。
【0257】
この計量搬送機構2は、計量皿68と、載置部69と、計量部70と、カバー部材71と、撮像部(図示せず)とを備える。撮像部は、例えば、カメラ等で構成されており、計量皿68上に載置された商品搭載トレーTRを、当該商品搭載トレーTRの上側(+Z側)から撮像し、当該商品搭載トレーTRの画像を取得する。制御部10は、撮像部で取得された画像に基づいて、上側(+Z側)から見た際の商品搭載トレーTRのサイズ等を検出する。カバー部材71は、計量皿68、載置部69及び計量部70の側方に設けられ、これらを保護する。
【0258】
計量皿68は、底面部60aと当該底面部60aの周縁を取り囲むように当該周縁から上方に伸びる側面部60bとで構成されている。側面部60bは、底面部60aの周辺からやや外側に広がるように伸び、その上端部では底面部60aに対して垂直に伸びている。商品搭載トレーTRは、計量皿68の底面部60aに載置される。このような形状の計量皿68は、商品搭載トレーTRが計量皿68以外の部材と接触して計量精度が劣化することを防止するのに適しているとともに、商品搭載トレーTRのサイズの検出精度を向上するのに適している。計量部70は、計量皿68に載置された商品搭載トレーTRの重量を測定する。ラベル発行装置6は、制御部10の制御により、計量部70が測定した重量をラベル11に印字し、当該印字したラベル11を発行する。
【0259】
以上のような計量包装値付機1では、非包装モードが行われる際には、包装処理が行われないことから、包装機3では包装できない、サイズが大きい商品搭載トレーTRの重量が測定されることがある。商品搭載トレーTRが、計量皿68の底面部68aに載置できないほど大きい場合には、図71に示されるように、商品搭載トレーTRが、計量皿68の周辺のカバー71などの他の部材と接触してしまい、計量誤差が生じる可能性がある。
【0260】
そこで、本変形例では、この点を改良することを目的としている。図72は、本変形例に係る計量搬送機構2を示す断面図である。
【0261】
図72に示すように、載置部69の上面には環状の突起部72が設けられている。計量包装値付機1で包装モードが行われる場合、あるいは、サイズが小さい商品搭載トレーTRの重量を測定する非包装モードが行われる場合には、図72に示すように、計量皿68は、通常通りに、底面部68aを下側にした状態で、計量皿68が載置部69に取り付けられる。このとき、計量皿68の底面部68aは、載置部69の環状の突起部72の内側に収まるようになっている。そして、商品搭載トレーTRは、計量皿68の底面部68aの上に載置される。
【0262】
一方、計量包装値付機1において、サイズが大きい商品搭載トレーTRの重量を測定する非包装モードが行われる場合には、図73に示すように、計量皿68はひっくり返されて載置部69に取り付けられる。言い換えれば、計量皿68は、底面部68aを上側にして載置部69に取り付けられる。このとき、計量皿68は、側面部68bの下端面が、載置部69の環状の突起部72の上端面と接触するように載置部69に取り付けられる。これにより、計量皿68は、突起部72によって支持される。突起部72上の、ひっくり返された状態の計量皿68の上面は、カバー部材71等の周辺の部材の上面よりも高くなっている。サイズの大きい商品搭載トレーTRは、計量皿69のその上面上に載置される。したがって、当該商品搭載トレーTRは、計量皿68の周辺の部材に接触することはない。
【0263】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1によれば、商品搭載トレーTRのサイズが大きくても、商品搭載トレーTRが、カバー71などの、計量皿68の周辺の部材と接触するのを抑制することができる。したがって、計量誤差が生じるのを抑制することができる。
【0264】
なお、計量包装値付機1は、計量皿68がひっくり返されているかどうかを検出するセンサ類を備えてもよい。そして、当該センサ類が、計量皿69がひっくり返されていると検出した場合には、制御部10は、包装動作の開始を禁止しても良い。また、制御部10は、自動的に非包装モードで動作しても良い。ひっくり返された状態の計量皿68に載置された商品搭載トレーTRに対して包装処理を行うことは、計量包装値付機1の故障の原因となることから、制御部10がこのように動作することによって、計量包装値付機1での故障の発生を抑制することができる。
【0265】
<変形例16>
以上の例では、ユーザが、ラベル発行装置6が発行したラベル11を、ストレッチフィルムSFにより覆われた商品搭載トレーTRに貼付しているが、ラベル発行装置6を改良すれば、ラベル発行装置6がラベル11を自動的に商品搭載トレーTRに貼付することも可能である。本変形例は、このように、ラベル発行装置6が、商品搭載トレーTRを覆っているストレッチフィルムSFに対してラベル11を貼付する計量包装値付機1に関するものである。なお、本変形例は、変形例15に係る計量包装値付機1と同じ構成を有するものとして以下説明する。
【0266】
撮像部は、上述したように、計量皿68上に載置された商品搭載トレーTRをその上側から撮像し、当該商品搭載トレーTRの画像を取得する。制御部10は、撮像部で取得された画像に基づいて、商品搭載トレーTRに係る商品についての種別、個数及び向きと、付属物の有無とを検出する。なお、付属物とは、商品とともに商品搭載トレーTRに搭載されて包装されるべきもので、例えば商品が食品である場合には、ワサビやタレなどである。
【0267】
制御部10は、検出した商品の種別及び個数に基づいて、記憶部9から、当該商品についての単価を読み出し、当該単価に基づいて、商品搭載トレーTRが含む複数の商品の合計価格を算出する。そして、制御部10は、当該合計価格をラベル11に印字するとともに、当該合計価格を表示部7に表示する。なお、記憶部9には、トレーに搭載される商品の個数ごとに当該商品の単価が記憶されており、制御部10は、検出した商品の個数に応じた単価を記憶部9から読み出す。
【0268】
また、制御部10は、検出した商品の向きが、記憶部9に予め記憶されている、当該商品についての正しい向きとは異なる場合には、ラベル発行装置6を制御して、ラベル11と商品との位置関係が正しい関係となるようにラベル11の貼付位置を変更する。例えば、制御部10は、検出した商品の向きが、正しい向きと逆向きになっている場合には、上方から見た際の商品搭載トレーTRの中心に対して本来の貼付位置とは点対称な位置にラベル11を貼付する。
【0269】
また、制御部10は、商品の付属物がないと判定した場合には、包装前にその判定結果を表示部7に表示する。
【0270】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1によれば、トレーに搭載される商品の個数ごとに当該商品の単価が異なる場合であっても、商品搭載トレーTRを計量皿68に載置するだけで、当該商品搭載トレーTRの商品に係る単価が自動的に取得されるため、ユーザは、トレーに搭載される商品の個数が変化するたびに当該商品に係る単価を入力する必要はない。よって、単価の変更ミスを防止できるとともに作業効率が向上する。
【0271】
また、商品の向きが正しい向きとは異なる場合には、ラベル11が自動的に適切な位置に貼付されるので、ユーザはラベル11を貼り直す必要はなく作業効率が向上する。
【0272】
また、商品の付属物が商品搭載トレーTRに搭載されていない場合には、包装前にその旨が表示されるため、商品の付属物を商品搭載トレーTRに搭載し忘れるのを抑制することができる。
【0273】
なお、商品の向きが正しい向きとは異なっている場合などには、ラベル11の貼付位置を変更して、商品とは重ならない位置にラベル11を貼付しても良い。以下、この場合の計量包装値付機1について説明する。
【0274】
制御部10は、撮像部で取得された画像に基づいて、商品搭載トレーTRにおける、商品の範囲(サイズ)及び当該商品の特徴部分の範囲を検出する。商品の特徴部分は、商品が食品である場合には、その食品の鮮度が現れやすい部分、例えば、魚の目などが該当する。記憶部9にはラベル11の範囲(サイズ)が記憶されている。
【0275】
制御部10は、ラベル発行装置6を制御して、検出した商品の範囲とラベル11の範囲とが互いに重ならないようにラベル11を貼付する。この際、制御部10は、ラベル11をストレッチフィルムSFのどの位置に貼付しても、検出した商品の範囲とラベル11の範囲とが重なってしまうと判定した場合には、ラベル発行装置6を制御して、検出した商品の特徴部分の範囲とラベル11の範囲とが互いに重ならないようにラベル11を貼付する。
【0276】
以上のような計量包装値付機1によれば、商品と重ならないようにラベル11が貼付されるため、消費者は商品を目で確認することができる。よって、消費者の購買意欲を高めることができる。
【0277】
また、商品の特徴部分と重ならないようにラベル11が貼付されるため、消費者に商品の特徴部分をアピールすることができる。その結果、消費者の購買意欲を高めることができる。
【0278】
<変形例17>
以上の計量包装値付機1では、包装エリアPAに供給されるストレッチフィルムSFの伸びをよくするため、図1に示されるフィルム格納部43に設けられた伸張用ヒータが、当該ストレッチフィルムSFを温めている。一般的に、伸張用ヒータでの消費電力は大きいため、伸張用ヒータが、計量包装値付機1の電気使用量が高くなる要因の一つとなっている。そこで、本変形例では、伸張用ヒータによる消費電力を低減することが可能な計量包装値付機1を提供する。以下に、本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。
【0279】
本変形例に係る計量包装値付機1は、計量包装値付機1の周囲における光の量を検出する光検出部(図示せず)を備える。計量包装値付機1が商品搭載トレーTRのサイズ等を検出するカメラを備えている場合には、当該カメラによって撮像された画像を解析することによって、計量包装値付機1の周囲における光の量を検出することができる。
【0280】
制御部10は、光検出部で検出された光量が閾値以上である場合には、伸張用ヒータを発熱する。これにより、ユーザが、計量包装値付機1を使用する際に、計量包装値付機1が配置されている部屋の照明を消灯から点灯に切り替えると、伸張用ヒータは発熱を開始する。通常、ユーザは、部屋の照明を点灯させた上で、計量包装値付機1を操作することから、ユーザが計量包装値付機1を操作する前に伸張用ヒータを発熱することができる。よって、伸張用ヒータの温度が使用可能な温度になるまでの待ち時間を短くすることができる。
【0281】
また、制御部10は、光検出部で検出された光量が閾値よりも少ない場合には、伸張用ヒータの発熱を停止する。これにより、ユーザが、計量包装値付機1の使用を終了し、計量包装値付機1が設置されている部屋の照明を点灯から消灯に切り替えると、伸張用ヒータは発熱を停止する。よって、伸張用ヒータが無駄に発熱することを抑制することができる。その結果、計量包装値付機1の消費電力を低減することができる。
【0282】
なお、制御部10は、伸張用ヒータの発熱を停止する代わりに、伸張ヒータを通常時よりも低い熱で発熱するようにしてもよい。これにより、伸張用ヒータが発熱を開始してから伸張用ヒータが使用可能になるまでの待ち時間を短くすることができる。
【0283】
また、ユーザが、タッチパネルである表示部7を操作することによって、伸張用ヒータの発熱を停止するか、伸張用ヒータを通常時よりも低い熱で発熱するかを設定できるようにしても良い。さらに、ユーザが、表示部7を操作することによって、伸張用ヒータを通常時よりも低い熱で発熱する際の温度を設定できるようにしても良い。
【0284】
以上では、計量包装値付機1の周囲における光の量に応じて、伸張用ヒータの発熱を制御する計量包装値付機1について説明したが、現在の時刻に応じて、伸張用ヒータの発熱を制御する計量包装値付機1であってもよい。以下に、この場合の計量包装値付機1について説明する。
【0285】
本変形例に係る計量包装値付機1は、現在の時刻を計測するタイマー(図示せず)を備える。記憶部9には、伸張用ヒータの発熱が停止されるべき時間帯が予め記憶されている。なお、伸張用ヒータの発熱が停止されるべき時間帯とは、例えば、ユーザの休憩時間が開始する時刻から、ユーザの休憩時間が終了する少し前の時刻までの時間帯である。
【0286】
制御部10は、タイマーで計測された時刻が、記憶部9が記憶している時間帯に含まれる場合には、伸張用ヒータの発熱を停止する。これにより、現在の時刻が、休憩時間の開始時刻になった場合には、伸張用ヒータは発熱を停止する。したがって、計量包装値付機1が使用されない際には、伸張用ヒータの発熱を確実に停止することができるため、計量包装値付機1の消費電力を低減することができる。
【0287】
また、制御部10は、タイマーで計測された時刻が、記憶部9が記憶している時間帯に含まれない場合には、伸張用ヒータを発熱する。これにより、現在の時刻が、休憩時間の終了時刻よりも少し前の時刻になった場合には、伸張用ヒータは発熱を開始する。したがって、計量包装値付機1がユーザに操作される前に伸張用ヒータを発熱することができるため、伸張用ヒータの温度が使用可能な温度になるまでの待ち時間を短くすることができる。
【0288】
なお、この場合であっても、制御部10は、伸張用ヒータの発熱を停止する代わりに、伸張用ヒータを通常時よりも低い熱で発熱するようにしてもよい。
【0289】
また、ユーザが、表示部7を操作することによって、伸張用ヒータの発熱を停止するか、伸張用ヒータを通常時よりも低い熱で発熱するかを設定できるようにしても良い。さらに、ユーザが、表示部7を操作することによって、伸張用ヒータを通常時よりも低い熱で発熱する際の温度を設定できるようにしても良い。
【0290】
また、上述の光検出部を設けて、光検出部で検出された光量が閾値よりも少ない場合、及びタイマーで計測された時刻が、記憶部9が記憶している時間帯に含まれる場合のどちらかであれば、伸張用ヒータの発熱を停止しても良い。そして、光検出部で検出された光量が閾値以上の場合、及びタイマーで計測された時刻が、記憶部9が記憶している時間帯に含まれない場合のどちらかであれば、伸張用ヒータを発熱させても良い。これにより、現在の時刻が休憩時間内であっても、部屋の照明が点灯すれば、伸張ヒータを発滅することができる。
【0291】
また、伸張用ヒータの発熱を停止する際には、他の構成に対する電源供給を停止しても良い。例えば、モータ、表示部7、商品搭載トレーTRのサイズを検出するためのカメラなどに対する電源供給を停止しても良い。この場合には、ラベル11の発行機能は停止しない方が望ましい。休憩時間内においても、数パック分だけラベル11を発行する必要が良く生じるからである。
【0292】
また、ユーザが表示部7を操作することによって、計量包装値付機1の動作が、伸張用ヒータの発熱等を停止している省電力動作から通常動作に復帰できるようにしても良い。
【0293】
<変形例18>
本変形例では、変形例17と同様、計量包装値付機1の消費電力を低減することを目的とする。本変形例に係る計量包装値付機1には、モータドライバや基板など、比較的熱を発生する電子部品から発生する熱をフィルム格納部43へ流入させるための配管経路(以下、「加熱経路」と呼ぶ)と、計量包装値付機1の外部からフィルム格納部43に空気を流入させるための配管経路(以下、「冷却経路」と呼ぶ)と配管機構(図示せず)が設けられている。なお、配管機構は、電子部品からの熱、及び、外部からの空気をフィルム格納部43に流入するファン(図示せず)を有している。さらに、本変形例に係る計量包装値付機1には、フィルム格納部に対する加熱経路及び冷却経路の接続を切り替える切替機構も設けられている。この切替機構は制御部10によって制御される。
【0294】
制御部10は、フィルム格納部43の温度が閾値以下である場合には、切替機構を制御して、フィルム格納部43に対して加熱経路を接続する。これにより、フィルム格納部43の温度が低い場合には、電子部品から発生する熱がフィルム格納部43に流入するため、フィルム格納部43の温度を高めることができる。
【0295】
また、制御部10は、フィルム格納部43の温度が閾値以上である場合には、切替機構を制御して、フィルム格納部43に冷却経路を接続する。これにより、フィルム格納部43の温度が高い場合には、外部の空気がフィルム格納部43に流入するため、フィルム格納部43の温度を低下させることができる。
【0296】
制御部10が以上のような制御を継続的に行うことによって、フィルム格納部43の温度は適正な温度に保たれる。
【0297】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1では、電子部品で発生する熱を有効に使用して、フィルム格納部43におけるストレッチフィルムSFを温めることができる。したがって、伸張用ヒータによる発熱を低減する、あるいは伸張用ヒータが不要となる。その結果、計量包装値付機1の消費電力を低減することができるとともに、環境にやさしい計量包装値付機1を提供することができる。
【0298】
また、加熱経路と冷却経路とを選択的にフィルム格納部に接続することによって、ストレッチフィルムSFの温度を一定範囲内に保つことができる。その結果、ストレッチフィルムSFの伸びをほぼ一定にすることができるので、包装仕上がりを安定化することができる。
【0299】
なお、計量包装値付機1の電源投入時には、電気部品からは熱が発生していない。したがって、電源投入時には伸張用ヒータによってフィルム格納部43のストレッチフィルムSFを温め、ある程度時間が経過したら、伸張用ヒータの発熱を停止あるいは伸張用ヒータの発熱を低減して、電気部品から発生する熱を利用してストレッチフィルムSFを温めても良い。
【0300】
<変形例19>
商品搭載トレーTRがリフト部材31に向かって搬送される際に、トレーに搭載された商品の一部が、トレーからこぼれて載置部21上に残ってしまうことがある。仮に、こぼれた商品が載置部21上に残っている状態で、重量センサ20が次の商品搭載トレーTRの重量を計測すると、購入者が受け取る商品搭載トレーTRよりも重い重量が計測されることになる。この場合、本来よりも高い価格が算出されてしまうので、購入者に損害を与えてしまうと考えられる。逆に、何らかの要因で、重量センサ20の基準点(ゼロ点)が、計量前からすでにマイナスの値にずれている場合には、重量センサ20が、購入者が受け取る商品搭載トレーTRよりも軽い重量が計測されることになる。この場合、本来よりも安い価格が算出されてしまうので、販売者は損害を受けてしまうと考えられる。
【0301】
ユーザが、商品搭載トレーTRを計量包装値付機1に投入する場合には、ユーザは、表示部7の表示を確認することによって重量センサ20の計量値が異常であるかどうかを確認することができるため、上述の問題の発生を防止することができる。また、ユーザは、載置部21上に商品がこぼれているかどうかを目で確認することもできるため、上述の問題の発生を防止することができる。
【0302】
しかしながら、計量包装値付機1が工場の製造ラインに組み込まれるなどして、前段の供給機から商品搭載トレーTRが自動的に計量包装値付機1に供給される場合には、通常ユーザは計量包装値付機1の近くにいないため、上述の問題が発生してしまう。
【0303】
以下、この点を改良する本変形例に係る計量包装値付機1について説明する。なお、前段の供給機から計量包装値付機1に対して商品搭載トレーTRが供給される場合には、リフト部材31に向かって搬送されている商品搭載トレーTRが載置部21にまだ残っている時点で、次の商品搭載トレーTRが載置部21に供給される。そして、計量包装値付機1では、リフト部材31に向かって搬送されている商品搭載トレーTRが載置部21にリフト部材31に完全に搭載された時点で、載置部21上の次の商品搭載トレーTRを重量センサ20により計量する。これにより、計量包装値付機1の処理能力を高めることができる。
【0304】
制御部10は、前段の供給機より供給された商品搭載トレーTRの数をカウントする。カウントの数(以下、「供給処理数」と呼ぶ)が第1の閾値と一致すると、制御部10は、重量センサ20での計量値に誤差が生じているかを検査する計量検査処理を行う。この第1の閾値はユーザが表示部7を操作することによって設定可能としても良い。以下にこの計量検査処理について詳細に説明する。
【0305】
制御部10は、供給機に対して商品搭載トレーTRの供給を停止するように通知する。そして、制御部10は、載置部21上に残っている最後の商品搭載トレーTRがリフト部材31に完全に搬送されると、重量センサ20により、載置部21に加わる重量を測定する。
【0306】
制御部10は、重量センサ20で測定された重量に基づいて、載置部21上に物があるか重量センサ20の基準点(ゼロ点)がマイナスの値にずれているかを判定する。具体的には、制御部10は、重量センサ20で測定された重量が予め設定された第2の閾値よりも大きい場合には載置部21上に物があると判定し、当該重量が当該第2の閾値以下である場合には載置部21上に物がないと判定する。この第2の閾値はユーザが表示部7を操作することによって設定可能としても良い。また制御部10は、重量センサ20で測定された重量がマイナス値であれば、重量センサ20の基準点(ゼロ点)がマイナスの値にずれていると判定し、当該重量がマイナス値でなければ、重量センサ20の基準点(ゼロ点)がマイナスの値にずれていないと判定する。
【0307】
制御部10は、載置部21上に物があるか場合、あるいは重量センサ20の基準点(ゼロ点)がマイナスの値にずれている場合には、表示部7に対して、エラー及びチェックすべき商品搭載トレーTRの数(その時点での供給処理数)を表示するとともに、供給処理数をリセットする。さらに制御部10は、包装後の商品搭載トレーTRの後段装置への排出を停止する。ユーザは、表示部7に表示されているエラーを確認すると、載置部21上の物を除去するか、重量センサ20の基準点を調整する。また、ユーザは、表示部7に表示されている数の包装後の商品搭載トレーTRの重量を、別の計量機等で確認する。その後、ユーザが表示部7に対して動作再開を指示する操作を行うと、制御部10は、計量包装値付機1の動作を再開するとともに、供給機に対して商品搭載トレーTRの供給を再開することを通知する。これにより、計量検査処理が終了する。以後、制御部10は、供給処理数が第1の閾値と一致すると、再度、同様の計量検査処理を行う。
【0308】
一方、制御部10は、載置部21上に物がなく、かつ重量センサ20の基準点(ゼロ点)がマイナスの値にずれていない場合には、供給処理数をリセットするとともに、供給機に対して商品搭載トレーTRの供給を再開するように指示する。これにより、計量検査処理が終了する。以後、制御部10は、供給処理数が第1の閾値と一致すると、再度、同様の計量検査処理を行う。
【0309】
なお、供給処理数が閾値に一致していない場合であっても、供給機において商品搭載トレーTRが無く、供給機から商品搭載トレーTRが計量包装値付機1に供給されなくなった時点で、計量検査処理を行ってもよい。
【0310】
以上のような本変形例に係る計量包装値付機1では、重量センサ20での計量値に誤差が生じているかについて検査を行うため、誤差を含んだ重量の商品搭載トレーが出荷されることを抑制することができる。
【0311】
また、第1の閾値と同じ数の商品搭載トレーTRが計量されるごとに計量検査処理を行うため、エラーが生じた場合であっても限られた数の商品搭載トレーTRの重量をチェックするだけでよい。
【0312】
また、計量検査処理を行うことによって、計量包装値付機1の処理能力が低減するが、第1の閾値を適宜設定することによって、処理能力の低減を最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0313】
1 計量包装値付機
33 前後側把持機構
34 左右側把持機構
343 係合部材
345 上方鏡面
346 側方鏡面
347 クッション部材
348 開口穴
34a 右側上方把持部材
34b 右側下方把持部材
34c 左側上方把持部材
34d 左側下方把持部材
134 上側把持部材駆動手段
MD 商品
SF ストレッチフィルム
SF1 終端部分
SF2 内側部分
TR 商品搭載トレー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムを伸張し、当該フィルムに対して被包装物を突き上げて当該フィルムで当該被包装物を覆った後、当該フィルムの周縁部を当該被包装物の下側に折り込んで当該被包装物を包装する包装機であって、
フィルムの第1両端部のそれぞれを把持してから当該第1両端部を互いに離れる方向に引っ張る第1把持機構を備え、
前記第1把持機構は、
前記フィルムの前記第1両端部のうちの一方の第1端部を互いに協働して把持する、一方把持部材及び他方把持部材を備え、
前記一方把持部材と、前記他方把持部材の鏡面加工された第1表面とが、前記フィルムの前記第1端部を把持する、包装機。
【請求項2】
請求項1に記載の包装機であって、
前記フィルムにおける、前記第1両端部と異なる第2両端部を把持する第2把持機構をさらに備え、
前記フィルムの前記第1端部は、終端部分と、当該終端部分よりも内側の内側部分とを含み、
前記一方把持部材と前記他方把持部材とは、前記一方把持部材を上側にして上下に配置されており、
前記他方把持部材は、
前記第1表面が前記内側部分を押し上げて前記一方把持部材と把持した際に、前記第2把持機構により伸張されている前記終端部分と対向する第2表面をさらに有し、
前記第2表面は、前記第1表面が前記内側部分を前記一方把持部材と把持した状態で前記第1把持機構が前記第1両端部を引っ張る際に前記終端部分に当接する、包装機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の包装機であって、
前記一方把持部材は、
前記フィルムの前記第1端部を、前記他方把持部材の前記第1表面と把持するクッション部材を有する、包装機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の包装機であって、
前記一方把持部材は、
前記フィルムの前記周縁部が前記被包装物の下側に折り込まれる際に、前記被包装物の下側に移動して前記フィルムの前記第1端部を前記被包装物の下側に折り込む折込部材として機能し、
前記第1把持機構は、
前記一方把持部材が前記被包装物の下側に移動する際に、前記フィルムの前記第1端部の把持を解放し、
前記フィルムの前記第1端部を前記他方把持部材の前記第1表面と把持する、前記一方把持部材の表面は、粗面化されている、包装機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の包装機であって、
前記一方把持部材は、開口穴を有し、
前記他方把持部材には、前記開口穴と係合可能な係合部材が設けられ、
前記一方把持部材を、前記フィルムの前記第1両端部のうちの他方の第2端部から前記第1端部に向かう方向に移動させる駆動手段をさらに備え、
前記第1把持機構が前記フィルムの前記第1端部を把持する際に、前記係合部材が前記開口穴に係合することにより、前記他方把持部材が前記一方把持部材と一体的に移動可能となる、包装機。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の包装機であって、
前記第1把持機構が前記フィルムを引っ張る方向である引っ張り方向において第1の長さを有する前記被包装物が包装される際の、前記第1把持機構が前記フィルムの前記第1両端部を把持する把持位置は、前記引っ張り方向において前記第1の長さよりも小さい第2の長さを有する前記被包装物が包装される際の前記把持位置よりも内側に設定される、包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【公開番号】特開2011−189954(P2011−189954A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56997(P2010−56997)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】