説明

包装済み冷凍パンおよびその製造方法

【課題】所定の温度に設定した家庭用オーブンで一定時間焼成するだけでいつでも、焼きたての高品質なパンを提供する。
【解決手段】成形し最終発酵させた後に凍結させたパン生地5と、少なくとも1のパン生地5を収容しオーブンで加熱可能な耐熱紙製の箱体2と、この箱体を流通可能に収容する包装体とを有することを特徴とする包装済み冷凍パンおよびその製造方法による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱紙製の箱体に収容される冷凍パンをそのまま所定の温度に設定した家庭用オーブンで一定時間焼成するだけでいつでも、焼きたてのパンを提供することができる包装済み冷凍パン及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常パンは、生物であるパン酵母を用いて複数回の発酵工程を経て作製され、手間と時間がかかる上、発酵時の温度,湿度,発酵時間の見極めは素人には難しく、手間と時間をかけて作っても失敗におわる可能性が高かった。
このような従来の課題に対処する目的でいくつかの発明が開示されている。
【0003】
例えば特許文献1には、「冷凍パン生地の製造方法」という名称で、パン生地を作製し冷凍パン生地として流通する際の、冷凍パン生地とその製造方法に関する技術が開示されている。
上記特許文献1に記載の発明は、成形したパン生地を、最終発酵させる前または最終発酵させた後に、含水液体を塗布してある疎水性基体上に載置させ、その後冷凍してなる冷凍パン生地及びその製造方法であり、疎水性基体上にパン生地を載せる際に、水分を多量に含んでいて食品に使用可能な含水液体を疎水性基体上に塗布することを特徴とするものである。そして、このような含水液体として、水、牛乳、全卵、卵黄、果汁;食塩、有機酸(例えばアスコルビン酸、乳酸等)、アルカリ剤、増粘剤(例えばペクチン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム)、糖類(例えばデキストリン、ソルビトール、還元麦芽糖、水飴及び砂糖)などを含む水溶液;食用可能な油脂を含むO/W型エマルジョンなどを採用することを特徴とするものである。
上記構成の特許文献1に記載の発明によれば、含水液体を塗布した疎水性基体上に成形したパン生地を載置し、その後このパン生地を冷凍するという極めて簡便な方法を行うだけで、冷凍障害のない冷凍パン生地を円滑に得ることができるという効果を有する。よって、本発明に係る方法により作成された冷凍パン生地を焼成した場合には、パン体積が大きく、外観、内相、食感および風味に優れた高品質のパン類、特にパン底部に白色化(白墨状化)の生じていない、高品質の焼きたて、蒸したてまたは揚げたてのパン類を、タイムリーに提供することができるという効果を有する。
【0004】
また、特許文献2にも、「発酵ずみ冷凍パン生地の製造方法」という名称で、最終発酵ずみのパン生地を冷凍させたパン生地およびその製造方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に記載の発明は、パン生地にイーストを配合して混捏し、発酵、成形し、さらに0〜10℃で4〜24時間最終発酵させた後に、冷凍保存することを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に記載の冷凍パン生地によれば、解凍後、最終発酵を行うことなくそのまま焼成するだけで良質のパンを得ることができるという効果を有する。
【0005】
【特許文献1】特開平11−89508号公報
【特許文献2】特公平6−14827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示される冷凍パン生地は、焼成前に一旦解凍処理する必要があり、その際には、醗酵室や冷蔵庫、恒温質などの収納庫に入れて解凍するか、あるいは、焼成用の天板にのせて常温で解凍する必要があった。また、常温で解凍する際には、パン生地を布で覆って氷の融解点以上の温度条件下となるよう雰囲気温度を管理する必要があり、一般家庭においてこの作業は煩雑であるという課題があった。
また、凍結したパン生地内の酵母は、凍結した状態では活動を休止しているものの、パン生地が解凍されるとその活動を再開するため、すなわち、パン生地中の糖分を分解してガスを生成してパン生地の内部に気泡を形成するのであるが、解凍の仕方によってはパン生地の発酵が必要以上に進んでしまい、この結果、焼成後のパンの品質が一定に保たれ難いという課題があった。
さらに、特許文献1に記載の発明であるパン生地を家庭向けのオーブンで焼成する際には、天板への焦げ付きを防止する目的で別途焦げ付き防止用のシートを準備する必要もあり、頻繁にオーブンを使わない家庭では出費がかさむ上、手間がかかるという課題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明に係る冷凍パン生地も、一旦解凍してから焼成する必要があるため、特許文献1に記載の発明と同様の課題を有していた。
【0008】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、冷凍パン生地を可食の状態に焼成する際にパン生地を解凍する必要がなく、所定の温度に設定した家庭用のオーブンで一定時間焼成することで、一定の品質のパンをいつでも手軽に提供することができる包装済み冷凍パン及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である包装済み冷凍パンは、成形し最終発酵させた後に凍結させたパン生地と、少なくとも1のパン生地を収容しオーブンで加熱可能な耐熱紙製の箱体と、この箱体を流通可能に収容する包装体とを有することを特徴とするものである。
上記構成の包装済み冷凍パンにおいて箱体は、冷凍パンの搬送時においては商品である冷凍パンが荷重により圧潰したり、損傷するのを妨げるという作用を有する。
また、箱体は耐熱性を有しており、冷凍パンを家庭用のオーブンで焼成する際の焼成用容器となり、冷凍パンの焼成時にオーブンの天板にパン生地が焦げ付くのを妨げるという作用を有する。また、包装体は箱体に収容された冷凍パンを外気から遮断することで、品質の劣化を妨げるという作用を有する。
【0010】
請求項2記載の発明である包装済み冷凍パンは、成形し最終発酵させた後に凍結させたパン生地と、複数のパン生地を収容しオーブンで加熱可能な耐熱紙製の箱体と、パン生地の間に設けられる仕切体と、箱体を流通可能に収容する包装体とを有することを特徴とするものである。
上記構成の包装済み冷凍パンは請求項1に記載の発明と同様の作用に加え、仕切体は箱体に収容される冷凍パンが搬送時に互いに接触して損傷するのを防止するという作用を有する。
【0011】
請求項3記載の発明である包装済み冷凍パンは、請求項1又は請求項2に記載の包装済み冷凍パンであって、パン生地は、最終発酵させた後に一旦半焼成し、その後パン生地を凍結させたことを特徴とするものである。
上記構成の包装済み冷凍パンは、請求項1又は請求項2記載の発明と同様の作用に加え、最終発酵が完了したパンを半焼成することで、パン生地中の酵母を死滅させ、それ以上パン生地が発酵するのを妨げるという作用を有する。
【0012】
請求項4記載の発明である包装済み冷凍パンは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の包装済み冷凍パンであって、パン生地と箱体の間に、パン生地の焦げ付きを防止するための耐熱シート体を備えることを特徴とするものである。
上記構成の包装済み冷凍パンは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の発明と同様の作用に加え、耐熱シート体は、冷凍パンの焼成時にパン生地が箱体に焦げ付くのを妨げるという作用を有する。また、耐熱シート体の表面において熱を反射することで、耐熱シート体に近接するパン生地に熱を供給するという作用を有する。
さらに、耐熱シート体は冷凍パンの焼成時にパン生地から染み出る油脂分が冷凍パンを収容する箱体にしみ込むのを妨げるという作用も有する。
【0013】
請求項5記載の発明である包装済み冷凍パンは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の包装済み冷凍パンであって、包装体からパン生地を箱体に収容した状態のまま取り出した後、約180℃の温度条件下で10〜20分間の加熱によって、パン生地が可食に焼成されることを特徴とするものである。
上記構成の包装済み冷凍パンは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の発明と同様の作用に加え、約180℃の温度条件下で10〜20分間加熱することで、パン生地を可食に焼成するという作用を有する。
【0014】
請求項6記載の発明である包装済み冷凍パンの製造方法は、パン生地を作製して成形する工程と、パン生地を最終発酵させる工程と、最終発酵が完了したパン生地を凍結させる工程と、凍結したパン生地を箱体に収容する工程と、パン生地を収容した箱体を包装体に収容する工程とを有することを特徴とするものである。
上記構成の包装済み冷凍パンの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明を方法発明として捉えたものであるため、請求項1又は請求項2に記載された発明と同様の作用を有する。
【0015】
請求項7記載の発明である包装済み冷凍パンの製造方法は、パン生地を作製して成形する工程と、パン生地を最終発酵させる工程と、最終発酵が完了したパン生地を一旦半焼成する工程と、半焼成したパン生地を凍結させる工程と、凍結したパン生地を箱体に収容する工程と、パン生地を収容した箱体を包装体に収容する工程とを有することを特徴とするものである。
上記構成の包装済み冷凍パンの製造方法は、請求項3に記載の発明を方法発明として捉えたものであるため、請求項3に記載された発明と同様の作用を有する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の請求項1記載の発明において、冷凍パンは箱体に収容された状態で消費者の手元に搬送されるので、搬送時にパン生地が圧潰等により損傷するのを防止することができるという効果を有する。
また、包装済み冷凍パンが消費者の手元に届いた後は、箱体は冷凍パンの焼成容器として使用可能であるので、消費者はオーブンにパン生地を焦げ付かせることなく焼成することができるので、焼成した後の後片付けの手間を軽減することができるという効果を有する。
また、請求項1記載の発明においては、パン生地が凍結した状態のままオーブンで焼成することができる。このことはつまり、パン生地を一旦解凍してから焼成する場合とは異なり、パン生地内の酵母が休眠状態にあるままオーブンで焼成するので、最終発酵が完了した時点の状態を超えてパン生地の発酵が進行するおそれがない。この結果、パン生地を焼成する人の熟練の程度に関わらず、すなわち、パン生地を焼成する人が誰であっても、高品質でおいしいパンを確実に焼き上げることができるという効果を有する。特に、パン生地の熟練職人が高度の技術をもって仕込んだものが、そのまま品質を維持しながら凍結された状態で消費者の手元に届きそのまま焼成可能であるので、パンに関する知識を持ち合わせない消費者であってもパン職人の卓越した技術をそのまま維持しつつ焼きたてのパンを食することができるのである。
また、包装済み冷凍パンが消費者の手元に届くまでの間、パン生地は包装体により外気から遮断されるので、パン生地が酸化する等して風味が損なわれる心配がない。このことによっても、消費者に高品質でおいしいパンを確実に提供できるという効果を有する。
【0017】
本発明の請求項2記載の包装済み冷凍パンは、請求項1記載の発明と同様の効果に加え、複数の冷凍パンの間には仕切体が設けられるので、パン生地の搬送時にパン生地同士が互いに触れ合って破損するのを防止することができるという効果を有する。
一般に商品としての食品は食味の良さだけでなく、視覚的な美味しさも重要である。また、冷凍されたパンは固く、搬送時にパン生地同士が触れ合うことで欠け等の欠損が生じた場合には、商品価値が著しく損なわれる可能性がある。よって、仕切体を備えることで商品の損傷を確実に防止することができ、この結果、包装済み冷凍パンの商品価値を高めることができるという効果を有する。
【0018】
本発明の請求項3記載の包装済み冷凍パンは、請求項1又は請求項2に記載のそれぞれの発明の効果に加え、パン生地を半焼成した後凍結することで、パンの作製に必要な工程のほとんどが完了した状態のパン生地を消費者に提供することができるという効果を有する。
この結果、消費者が家庭用のオーブンでパン生地を焼成する際の焼損じを防止することができ、美味しい焼きたてのパンを一層確実に供給できるという効果を有する。
【0019】
本発明の請求項4記載の包装済み冷凍パンは、箱体と冷凍パンとの間に耐熱シートを備えることで、焼成中にパン生地が箱体に焦げ付くのを防止して、焼きたてのパンを箱体から取り出し易くするという効果を有する。
また、耐熱シート体の表面において熱が反射されることで、パン生地の側面や底面周辺部にも十分に熱を伝えることができるという効果を有する。
この結果、規格の異なるオーブンでパン生地を焼成した場合でも、焼き上がったパンの品質を略均質にできるという効果を有する。
また、耐熱シート体を備えることで、パン生地を加熱した際に、パン生地内の油脂分が染み出てパン生地を収容する箱体を透過し、オーブンの天板に付着するのを防止するという効果を有する。この結果、請求項4記載の包装済み冷凍パンを焼成した際にオーブンの天板が汚れる心配がなく、後片付けの手間を軽減できるという効果を有する。
【0020】
本発明の請求項5記載の包装済み冷凍パンは、請求項1乃至請求項4に記載のそれぞれの発明の効果に加えて、パンを作製する際の複雑な工程や手順を全く知らなくとも、家庭にあるオーブンで簡単に美味しい焼きたてのパンを確実に提供することができるという効果を有する。
【0021】
本発明の請求項6記載の包装済み冷凍パンの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明と同じ効果を有する。
【0022】
本発明の請求項7記載の包装済み冷凍パンの製造方法は、請求項3に記載の発明と同じ効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る包装済み冷凍パンとその製造方法の実施例について説明する。
【実施例1】
【0024】
本発明の実施例1係る包装済み冷凍パン及びその製造方法、さらに包装済み冷凍パンを可食にするための焼成方法について図1乃至図3を参照しながら説明する。
本発明の実施例1に係る包装済み冷凍パンは、常法のパンの作製方法により作成されたパン生地を成形後に最終発酵を完了させ、その後、このパン生地を半焼成してから急速凍結して包装し流通することを特徴とするものであり、このような包装済み冷凍パンを購入した消費者は、冷凍パンを凍結したままの状態で所定の温度で一定時間焼成するだけで可食にできるものである。
【0025】
以下に、図1を参照しながら本発明の実施例1に係る包装済み冷凍パンについて説明する。
図1(a)は本発明の実施例1に係る包装済み冷凍パンの概念図であり、(b)は図1(a)中のA−A線における矢視断面図である。
図1(a)に示すように、実施例1に係る包装済み冷凍パン1aは、上部に開口を有する耐熱性の紙製の箱体2内に、半焼成した冷凍パン生地5が複数収容されるものであり、冷凍パン生地5,5の間には、冷凍パン生地5同士の接触を妨げるための仕切体3が挿入されている。もちろん、箱体2内に単数の冷凍パン生地5を収容する場合には仕切体3を設ける必要はない。
このような実施例1に係る包装済み冷凍パン1aは、箱体2に冷凍パン生地5を収容したままオーブンで焼成することができる。
また、図1(b)に示すように、本実施例に係る包装済み冷凍パン1aは、箱体2の底と、冷凍パン生地5の間に耐熱シート体4を備えている。このように、耐熱シート体4を備えることで、箱体2に冷凍パン生地5を収容したままオーブンで焼成する際に、冷凍パン生地5が箱体2の底面に焦げ付くのを防止して、焼き上がったパンを箱体2から取り出しやすくするという効果を有する。
また、耐熱シート体4は、オーブン内において熱源から放射される熱をその表面で反射するので、冷凍パン生地5の裏面近傍も十分加熱することができ、パン全体を色よく焼き上げるという効果も有する。
さらに、耐熱シート体4として、耐油性の素材を採用した場合には、冷凍パン生地5の焼成時に、冷凍パン生地5から染み出る油脂類が箱体2に染み込むのを防止して、オーブン用の天板が汚れるのを防止することができる。この結果、パンを焼成した後の後片付けの手間を軽減することができるという効果を有する。また、油脂類が箱体2に染み込み難いため、箱体2の状態を良好に保つことが可能であるため、箱体2のリサイクルも可能である。リサイクルは消費者の家庭内部で再利用することも可能であるし、家庭外で収集・リサイクルも可能である。
【0026】
次に、実施例1に係る包装済み冷凍パン1aの製造方法について詳細に説明する。
本実施例に係る包装済み冷凍パン作製工程は主に、パン生地を作製するパン生地作製工程と、作製されたパン生地を流通可能に包装するパン生地凍結・包装工程により構成されるものであり、包装済み冷凍パン作製工程におけるパン生地作製工程は、常法のロールパン,バゲット等のパン生地の作製工程とほぼ同じである。ここでは、その一例について図2を参照しながら説明する。
図2は本発明の実施例1に係る包装済み冷凍パンの製造方法に係るフローチャートである。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2に示すように、包装済み冷凍パン作製工程8aにおけるパン生地作製工程9aでは、強力粉、乾燥酵母、塩、砂糖、バター、水等の原材料11をそれぞれ所望の量だけ計量(S11)した後、これらの原材料11を混捏(S12)して生地を一つにまとめ、平板状に伸ばして(S13)、常温で湿度を保った状態で生地を寝かせて1次発酵(S14)を行う。
なお、この1次発酵(S14)は必ずしも常温で行なう必要ななく、使用する酵母菌の性質にもよるが、冷蔵庫内の低温条件下において1次発酵(S14)を行なってもよい。
そして、1次発酵(S14)が完了したパン生地を、個別の製品として適当な大きさに分割・計量し(S15)、それぞれを成形する(S16)。この後、必要に応じて成形したパン生地にトッピング12を追加する。
【0027】
その後、焼成用の天板に成形したパン生地、再度常温で湿度を保った状態で最終発酵である2次発酵(S17)を行なう。
そして、2次発酵(S17)が完了した後、常法で焼成する場合よりも高い温度条件下において、より具体的には、常法で焼成する場合よりも20〜40℃程度高い温度条件下において、パン生地を半焼成する(S18)。これは、半焼成する際の温度が、常法により焼成温度に対して20℃以下の場合には、パン生地が半焼成されるまでの時間が長くなってしまい、パン生地から必要以上に水分が蒸発して再度焼成した際のパンの食味や食感が低下するという不具合が生じる可能性があり、半焼成する際の温度が、常法により焼成温度に対して40℃以上の場合には、パン生地が急激に膨張してしまい、半焼成後に形状が崩れるいわゆる焼落ちが起こる可能性があるためである。
なお、本実施例における半焼成(S18)の程度は、具体的には、パン生地を常法により完全に焼成した状態と同程度にまでパン生地を膨らませ、かつ焼き色がつかない程度にまで焼成することである。より具体的には、半焼成されて冷凍された状態の冷凍パン生地5を、180℃の温度条件下で10〜20分間再度焼成した際に、凍結状態にあるパン生地を完全に解凍して焼色をつけると同時に、可食となる程度にまで焼成することである。
一般に、パンを作製するには多くの工程が必要であり、出来上がりのパンの品質を略均質に保つためには、それぞれの工程における温度や時間を厳密に管理する必要がある。また、数多い工程の中でも2次発酵(S17)とその後の焼成は、出来上がりのパンの食味や外観に特に大きく影響する工程であり、それゆえ、パンの作製工程において最も失敗し易い工程であるともいえる。
このため、本実施例における包装済み冷凍パン作製工程8aにおいては、パンの出来上がりに最も大きな影響を及ぼす工程である2次発酵(S17)とその後の焼成の一部をパン生地作製工程9aに予め組み入れることで、消費者が最終的にパン生地を可食の状態まで焼成する際に、失敗するリスクが最少となるよう工夫しているのである。
よって、本実施例に係るパン生地作製工程9aにおいては、2次発酵(S17)が完了したパン生地を半焼成(S18)する工程を有することで、消費者がパン生地を可食の状態まで焼成する際に、焼き損じすることなく確実に美味しくパンを焼き上げることができるという効果を有する。
【0028】
上述のように半焼成(S18)したパン生地をオーブンからとり出し、常温のもと粗熱をとってから(S19)、パン生地凍結・包装工程10を経て包装済み冷凍パン1aにするのである。
そして、本実施例に係るパン生地凍結・包装工程10は主に、図2に示すように、半焼成(S18)したパン生地を氷点下の低い温度条件下において急速に凍結する工程(S51)と、この工程の後に、凍結した冷凍パン生地5を耐熱性を有する紙製の箱体2に箱詰めする工程(S52)により構成されるものであり、図示しないが、必要に応じて箱詰めされた冷凍パン生地5の間に仕切体3を挿入した後、たとえば、合成樹脂製の袋状の包装体に収容して密閉する工程とから構成されている。
なお、箱体2に冷凍パン生地5を収容する前に、箱体2の底部に予め耐熱シート体4を敷いておくとよい。耐熱シート体4の効果については、先に述べたとおりである。また、本実施例では最終発酵を2次発酵としたが、3次発酵以降が最終発酵となる可能性もある。
【0029】
このように、パン生地凍結・包装工程10において、まず、半焼成(S18)したパン生地を急速凍結(S51)することで、パン生地作製工程9aにより作製したパン生地を風味や外観を損なうことなく長期保存を可能にするという効果を有する。また、箱詰め(S52)において冷凍パン生地5を収容する箱体2は、搬送時に冷凍パン生地5が圧潰により破損するのを防止するだけでなく、箱体2が耐熱性を有する素材で構成されているため、包装済み冷凍パン1aが消費者の手元に届いた際に、冷凍パン生地5を可食の状態まで焼成する際の焼成トレーとしても利用することが可能な汎用性の高いものである。
また、箱体2に収容した冷凍パン生地5を、図示しない包装体により密閉することで、冷凍パン生地5を外気から確実に遮断することができる。このため、箱詰め(S52)が完了した後に、冷凍パン生地5の保管(S53)及び、搬送又は配送(S54)する場合に、冷凍パン生地5の品質が劣化するのを確実に防止することができるという効果を有する。
なお、必要に応じて包装体内に脱酸素剤を入れてもよく、この場合、冷凍パン生地5の品質の劣化を一層防止することができるという効果を有する。
また、パン生地を凍結させた後の、箱詰め(S52)工程以降の工程は、一旦凍結したパン生地が融解しない程度の氷点以下の温度条件下において作業を行なう必要がある。
そして、上述のような包装済み冷凍パン1aは、凍結された状態で消費者の手元に配送されるのである。なお、消費者は、手元に届いた包装済み冷凍パン1aを食する直前まで冷凍保存しておけばよい。
このように、本実例に係る包装済み冷凍パン1aは、消費者が食する直前まで冷凍保存されるため、パン生地の食味や風味の低下の原因となる鮮度の低下を極力防止することができるという効果を有する。
【0030】
続いて、実施例1に係る包装済み冷凍パン1aの冷凍パン生地5を焼成して可食の状態にする手順について図3を参照しながら説明する。
図3は本発明の実施例1に係る包装済み冷凍パンの焼成方法に係るフローチャートである。なお、図1又は図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図3に示すように、消費者は手元に届いた包装済み冷凍パン1aを食する直前まで冷凍庫に保管しておき、実際に食する時に、図1に示さない包装体を開封して、箱体2ごと冷凍パン生地5を取り出し、次に、仕切体3のみを取外して、箱体2に収容したままの冷凍パン生地5を、予め180℃に加熱しておいたオーブンで10〜20分間焼成(S60)すればよい。
このように、180℃に予め加熱したオーブン内において10〜20分間、凍結状態から冷凍パン生地6を再度焼成(S60)することで、パン生地作製工程9aにおいて半焼成(S18)された状態で急速凍結(S51)された冷凍パン生地5は解凍され、さらにその表面には焼き色が付き、最終的に、あたかもその場で原材料11からパン生地を作製して焼成したかのような状態で可食に焼成されるのである。
つまり、製造工程を厳密に管理されて作製されたパン生地を、最適な時間焼成して出来上がった高品質の焼きたてパンをいつでも食卓に提供することができるのである。
従って、消費者は凍結状態の冷凍パン生地5を一定の温度で所定の時間焼成するだけという極めて単純な作業で、包装済み冷凍パン1aを焼きたてのパンに、すなわち、完成品にすることができるため、消費者が自ら行なう作業において、パンの焼き損じ等の失敗が起こる可能性が極めて低く、この結果、高品質な焼きたてパンをタイムリーに食卓に提供することができるという優れた効果を発揮するのである。
さらに、本実施例に係る包装済み冷凍パン1aを食する際に、消費者は冷凍パン生地5を解凍する必要がない。このため、冷凍パン生地5を解凍することにより生じる品質の劣化が起こる心配もないので、焼きあがったパンの食味を高品質にすることができるという効果を有するのである。また、箱体2を焼成トレーとして用いることができるため、直接冷凍パン1aに手を触れる必要がなく衛生的でもある。
【実施例2】
【0031】
次に、本発明の実施例2に係る包装済み冷凍パン及びその製造方法を図4及び図5を参照しながら説明する。(主に請求項1,請求項2及び請求項4乃至請求項6に対応。)
図4は本発明の実施例2に係る包装済み冷凍パンの概念図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本発明の実施例2に係る包装済み冷凍パン1bは、図4に示すように、冷凍パン生地6が耐熱性を有する紙製の箱体2に収容され、図示しないが、箱体2の底と冷凍パン生地6の間には耐熱シート体4が設けられ、さらに、搬送中に冷凍パン生地6同士が接触して破損しないよう、冷凍パン生地6,6の隙間に仕切体3が設けられ、冷凍パン生地6を収容した箱体2は合成樹脂製あるいは紙製などの包装体により密閉されるものである。
なお、実施例2に係る包装済み冷凍パン1bにおける、箱体2,仕切体3,耐熱シート体4および図示しない包装体のそれぞれは、その構成の特徴の点で実施例1に記載の箱体2,仕切体3,耐熱シート体4および図示しない包装体と同一であるためこれらの詳細な説明については省略する。
【0032】
実施例2に係る包装済み冷凍パン1bを特徴付ける冷凍パン生地6は、焼き上げると薄い生地が積層したパイ生地のようなパンになることを特徴とするものであり、そのパン生地の作製工程は、常法のクロワッサン用のパン生地の作製工程と同様である。ここでは、その一例について図5を参照しながら説明する。
図5は本発明の実施例2に係る包装済み冷凍パンの製造方法に係るフローチャートである。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図5に示すように、実施例2に係る包装済み冷凍パン作製工程8bも、実施例1に係る包装済み冷凍パン作製工程8aと同様に、パン生地作製工程9bとパン生地凍結・包装工程10により構成されるものである。
本実施例に係るパン生地作製工程9bでは、強力粉、薄力粉、乾燥酵母、塩、砂糖、バター、水等の原材料13をそれぞれ所望の量だけ計量(S21)した後、これらの原材料11を混捏(S22)して生地を一つにまとめ、平板状に伸ばして(S23)、プラスチック製等の不透水性シートで生地を一旦包み、そして、このように生地の乾燥を防止した状態で、冷蔵庫内の低温条件下において生地を寝かせる1次発酵(S24)を行う。
なお、この1次発酵(S24)は必ずしも冷蔵状態で行なう必要ななく、使用する酵母菌の性質にもよるが常温で行なってもよい。
【0033】
次に、1次発酵(S24)が完了した生地を、たとえば、3〜4mm程度の厚さになるよう伸ばし、この生地でシート状に伸ばしたバター14を挟み込み、再度生地の厚さが3〜4mm程度になるまで伸ばしてから生地を三つ折りにし、て再度生地の厚さが3〜4mm程度になるまで伸ばす。このように、生地を三つ折りにした後、再度生地を3〜4mm程度の厚さになるよう伸す作業をシーティング(S25)と呼ぶのであるが、本実施例に係るパン生地作製工程9bでは、生地を冷却する冷蔵工程(S26)を介しながらシーティング(S25)を合計3回行なっている。
なお、このシーティング(S25)は、バター14を挟んだパン生地を幾重にも積層させることで、焼きあがったパンをパイ生地のような風合いにするための工程であり、シーティング(S25)の回数が多いほど、緻密で繊細なパンにすることができるのであるが、通常、シーティング(S25)の回数は3〜5回程度行なわれる。
また、このシーティング(S25)を行なう際に、生地の間に挟みこんだバター14が融けてしまわないよう、シーティング(S25)を一回行なうごとに生地を冷蔵庫で休ませる必要がある。
【0034】
このように、複数回のシーティング(S25)が完了した生地は、再度3〜4mm程度の厚さに伸ばしてから裁断し(S27)、個別の製品として適切な形に成形する(S28)。
具体的には、複数回のシーティング(S25)が完了した生地を略二等辺三角形状になるように裁断し(S27)、その生地を三角形の底辺側から二等辺の頂点に向って巻いてゆき(S28)クロワッサンの形に整えるのである。
さらに、パン生地作製工程9bにおいて、成形(S28)が完了した生地を、常温で、すなわち、26〜30℃程度の温度条件下において最終発酵である2次発酵(S29)を行なってパン生地作製工程9bが完了する。
なお、必要に応じて、2次発酵(S29)が完了した後の生地に、トッピング15を加えてもよい。
続いて、包装済み冷凍パン作製工程8bでは、上述のような手順により適切な時間だけ2次発酵(S29)させたパン生地を、消費者の手元に届けられるまでその状態が維持されるように、氷点下の低温条件下において急速凍結(S51)する。
なお、実施例2に係る包装済み冷凍パン作製工程8bにおいて、この急速凍結工程(S51)を含むパン生地凍結・包装工程10は、その構成の特徴の点で実施例1に係る包装済み冷凍パン作製工程8aにおけるパン生地凍結・包装工程10と同じであるため、その詳細な説明については省略する。
【0035】
上述のような包装済み冷凍パン作製工程8bにより作製された冷凍パン生地6は、実施例1の冷凍パン生地6と同様に、180℃に予め加温されたオーブンで10〜20分程度焼成することで、あたかも、その場でパン生地の仕込みを行なって焼成したかのような焼きたてパンと同様な状態に焼き上げることができるという効果を有する。
なお、本実施例においても、冷凍パン生地6を消費者が食する際に、急速凍結(S51)した冷凍パン生地6を凍結状態のまま一定の温度に保ったオーブンで所定の時間だけ焼成すればよく、焼成前に冷凍パン生地6を一旦解凍する必要はない。
このため、本実施例に係る包装済み冷凍パン1bによれば、一旦凍結した最終発酵済みのパン生地を解凍してから焼成する場合のように、最終発酵において最適な状態に膨らんだ冷凍パン生地からガスが抜けてしまい、最終発酵完了時のパン生地の嵩よりも小さくパンが焼きあがってしまうという不具合や、冷凍パン生地を解凍することで冷凍パン生地内の酵母菌が活動を再開してパン生地の品質が変化するという不具合が、すなわち、パン生地の発酵が進みすぎて食味が劣化してしまうという不具合が生じないという効果を有する。
つまり、本実施例のように、冷凍パン生地6を凍結したまま焼成することで、パンの作製に関して全く知識がない人が最終的な焼成を行なった場合でも、上述のような失敗が起こるリスクはほとんどなく、高品質で美味しい焼きたてのパンを確実に提供することができるという優れた効果を発揮するのである。
なお、実施例2に係る冷凍パン生地6は、180℃に予め加温されたオーブンで、箱体2に収容したまま冷凍パン生地6を10〜20分程度焼成するだけで、未焼成の冷凍パン生地6を十分可食の状態に焼成することができるので、実施例1に係る包装済み冷凍パン1aの冷凍パン生地5のように、2次発酵(S17)が完了したパン生地を予め半焼成(S18)しておく必要がないのである。
【実施例3】
【0036】
次に、本発明の実施例3に係る包装済み冷凍パン及びその製造方法を図6及び図7を参照しながら説明する。(主に請求項1,請求項2及び請求項4乃至請求項6に対応。)
図6は本発明の実施例3に係る包装済み冷凍パンの概念図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図6に示すように、本発明の実施例3に記載の包装済み冷凍パン1cは、箱体2に複数の冷凍パン生地7と、その間に仕切体3が収容されたものであり、図示しないが、箱体2の底部と冷凍パン生地7の間には耐熱シート体4が設けられたものである。
そして、冷凍パン生地7は、図示しないが、パン生地にチョコレートやクリーム,ジャム等のフィリングを巻き込んだもの、あるいは、図6に示すような、パン生地の上部に果物や野菜,クリームやソース等のトッピング7aが加えられたものである。
また、包装済み冷凍パン1cは、先に述べた実施例1,2に係る包装済み冷凍パン1a,1bの場合と同様に、箱体2に収容された冷凍パン生地7が図示しないプラスチック製の包装体により密封されることで外気から遮断されている。
なお、実施例3に係る包装済み冷凍パン1cにおける、箱体2,仕切体3,耐熱シート体4および図示しない包装体のそれぞれは、その構成の特徴の点で実施例1に記載の箱体2,仕切体3,耐熱シート体4および図示しない包装体と同一であるためこれらの詳細な説明については省略する。
【0037】
続いて図7を参照しながら、実施例3に係る冷凍パン生地7の製造工程について詳細に説明する。
図7は本発明の実施例3に係る包装済み冷凍パンの製造方法に係るフローチャートである。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図7では特に、パン生地にチョコレートやクリーム,ジャム等のフィリングを巻き込んだ冷凍パン生地7作製する場合を例に挙げて説明し、併せて、図7を用いて、パン生地の上部に果物や野菜,クリームやソース等のトッピング7aが加えられた冷凍パン生地7を作製する場合についても説明する。
本発明の実施例3に係る包装済み冷凍パン作製工程8cは、実施例2に記載のパン生地作製工程9bにフィリング16を加える工程が追加されたものであり、具体的には、図7に示すように、生地の裁断(S27)までを実施例2に係るパン生地作製工程9bと同様に行い、その後の工程において、裁断した生地にフィリング16を巻き込んで成形してから(S31)、成形後の生地を適当な大きさにカット(S32)して個別の製品とするものである。
そして、カット(S32)したパン生地を常温で、すなわち、26〜30℃程度の温度条件下において、最終発酵である2次発酵(S33)を行い、必要に応じて2次発酵(S33)が完了したパン生地にトッピング17を加え、消費者の手元に届くまでパン生地の最適な状態が維持されるよう氷点以下の低温条件下において急速凍結(S51)する。
【0038】
なお、図6に示すような、トッピング7aを有する冷凍パン生地7を作製するには、図7に示すフローチャートにおいて、生地の裁断(S27)を行なったパン生地をまず所望の形状に成形し、最終発酵である2次発酵を完了した後に所望のトッピングをパン生地に追加すればよい。
【0039】
また、実施例3に係る包装済み冷凍パン作製工程8bにおいて、急速凍結工程(S51)を含むパン生地凍結・包装工程10は、その構成の特徴の点で、先に述べた実施例1に記載の包装済み冷凍パン作製工程8aにおけるパン生地凍結・包装工程10と同じであるため、その詳細な説明については省略する。
そして、上述のような工程により作製された実施例3に係る包装済み冷凍パン1cも、図6に示さない包装体を開封して、180℃に予め加熱したオーブンで冷凍パン生地7を箱体2ごと10〜20分間焼成だけで、あたかも、その場でパン生地を作製して焼成したかのような焼きたてのパンにすることができるのである。
よって、上記構成の実施例3に係る包装済み冷凍パン1c及びその製造方法によれば、実施例2に記載の発明の効果と同様の効果を発揮する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る請求項1乃至請求項8に記載された発明は、所定の温度に設定した家庭用オーブンで一定時間焼成するだけでいつでも、焼きたての高品質なパンを提供することができ、食品の製造の分野において利用の可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a)本発明の実施例1に係る包装済み冷凍パンの概念図であり、(b)図1(a)中のA−A線における矢視断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る包装済み冷凍パンの製造方法に係るフローチャートである。
【図3】本発明の実施例1に係る包装済み冷凍パンの焼成方法に係るフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2に係る包装済み冷凍パンの概念図である。
【図5】本発明の実施例2に係る包装済み冷凍パンの製造方法に係るフローチャートである。
【図6】本発明の実施例3に係る包装済み冷凍パンの概念図である。
【図7】本発明の実施例3に係る包装済み冷凍パンの製造方法に係るフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1a〜1c…包装済み冷凍パン 2…箱体(焼成トレー) 3…仕切体 4…シート体 5〜7…冷凍パン生地 7a…トッピング 8a〜8c…冷凍パン生地作製工程 9a〜9c…パン生地作製工程 10…パン生地凍結・包装工程 11…原材料 12…トッピング 13…原材料 14…バター 15…トッピング 16…フィリング 17…トッピング


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形し最終発酵させた後に凍結させたパン生地と、少なくとも1の前記パン生地を収容しオーブンで加熱可能な耐熱紙製の箱体と、この箱体を流通可能に収容する包装体とを有することを特徴とする包装済み冷凍パン。
【請求項2】
成形し最終発酵させた後に凍結させたパン生地と、複数の前記パン生地を収容しオーブンで加熱可能な耐熱紙製の箱体と、前記パン生地の間に設けられる仕切体と、前記箱体を流通可能に収容する包装体とを有することを特徴とする包装済み冷凍パン。
【請求項3】
前記パン生地は、最終発酵させた後に一旦半焼成し、その後前記パン生地を凍結させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装済み冷凍パン。
【請求項4】
前記パン生地と前記箱体の間に、前記パン生地の焦げ付きを防止するための耐熱シート体を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の包装済み冷凍パン。
【請求項5】
前記包装体からパン生地を前記箱体に収容した状態のまま取り出した後、約180℃の温度条件下で10〜20分間の加熱によって、前記パン生地が可食に焼成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の包装済み冷凍パン。
【請求項6】
パン生地を作製して成形する工程と、前記パン生地を最終発酵させる工程と、最終発酵が完了した前記パン生地を凍結させる工程と、凍結した前記パン生地を箱体に収容する工程と、前記パン生地を収容した箱体を包装体に収容する工程とを有することを特徴とする包装済み冷凍パンの製造方法。
【請求項7】
パン生地を作製して成形する工程と、前記パン生地を最終発酵させる工程と、最終発酵が完了した前記パン生地を一旦半焼成する工程と、半焼成した前記パン生地を凍結させる工程と、凍結した前記パン生地を箱体に収容する工程と、前記パン生地を収容した箱体を包装体に収容する工程とを有することを特徴とする包装済み冷凍パンの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−330221(P2007−330221A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169091(P2006−169091)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(506206708)株式会社 ル・ギャルソン (1)
【Fターム(参考)】