説明

包装硬貨処理機、自動取引装置

【課題】装置の大型化を抑制し、包装硬貨の読取り性能を向上させ、補充時に係員の包装硬貨の汚損選別業務を低減する。
【解決手段】複数本の包装硬貨29を並べて収納可能なトレー27と、トレー27内の包装硬貨29の端面を検知する反射型センサ31と包装硬貨29の並び方向に沿って反射型センサ31を移動させる本数検知駆動モータ32と、本数検知駆動モータ32が反射型センサ31を移動させ、反射型センサ31による包装硬貨29の端面の検知結果に基づき、包装硬貨29の有無を検知する制御部とを有する。また、制御部は、包装硬貨29の有無を検知する感度を高低に変化させることで、包装硬貨29の端面に汚れがあっても本数判定することができ、本数の読取り率を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の自動両替装置や釣銭販売機などに適用されるような包装硬貨処理装置及び、包装硬貨処理装置を搭載した自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、包装硬貨処理機は、複数本の包装硬貨を並べて収納可能なトレーの両面にスリットを設け、トレー内の包装硬貨の有無を検出する透過型センサを配した本数検知機構を有して、透過型センサを移動し、発光素子からの光がスリットを通過し受光素子に光が入射するか否かでその出力がON、OFFに変化し、得られたON、OFF回数およびON、OFFの変化の間隔から装填されている包装硬貨の本数を検出している。このような従来の装置としては、特開平10−188069(特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-188069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような透過型センサを用いた本数検知機構を設けようとすると包装硬貨の両端面を挟み込むように投光側と受光側の素子を配置しなければならず、装置が大型化することがある。
【0005】
本発明の目的は、装置の大型化を抑制することを目的とする。また、包装硬貨の読取り性能を向上させ、補充時に係員の包装硬貨の汚損選別業務を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。 本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、複数本の包装硬貨を並べて収納可能なトレーと、トレー内の包装硬貨の端面を検知する反射型センサを有する計数手段と、包装硬貨の並び方向に沿って反射型センサを移動させる移動手段と、移動手段が反射型センサを移動させた場合に、計数手段は、反射型センサによる包装硬貨の端面の検知結果に基づき、包装硬貨の有無を判定し、包装硬貨の本数を計数することを特徴とする。これにより、装置を小型化することが可能となる。
【0007】
また、計数手段は、包装硬貨の有無を検知する感度を高低に変化させることを特徴とする。又は、計数手段は、センサ移動手段が反射型センサを移動させる場合に、反射型センサの発光量を強弱に変化させ、包装硬貨の有無を検知することを特徴とする。これにより、包装硬貨の本数の正確な検出が可能となる。例えば、通常の発光量では包装硬貨の汚れ度合いにより有りと見える十分な受光量が得られず、強い発光量では包装硬貨の汚れに依存することなく有りと見えるものの隣り合う包装硬貨同士の接点下部の無し部分が見えず1本と判断できない場合でも、包装硬貨の本数の計数が可能となる。
【0008】
また、計数手段は、前記反射型センサを一の方向に移動させる場合の発光量の強さを、他の方向に移動させる場合の発光量の強さよりも強く又は弱くすることを特徴とする。これにより、1個のトレーに対してセンサ1個で発光量の強弱の受光量を得られることから複数個のセンサは不要となりコストダウンが可能となる。
【0009】
また、複数本の包装硬貨を並べて収納可能なトレーに、装填される包装硬貨の端面が見えるように包装硬貨の並び方向に沿ってスリットを設け、トレー内の包装硬貨の端面が見えるように反射型センサを配置して、トレーのスリットに沿ってセンサを移動させる手段と、センサの移動時に発光量を強弱に切替え可能な発光素子を設け、受光素子に光が入射して得られる受光量を発光量ごとに二値化する手段を設け、弱めの発光量で得た二値化情報から有り長さ、無し長さを算出し、有り長さと無し長さから媒体有無を判定し、判定で媒体無しとなった場合、強めの発光量で得た二値化情報を用いて有り長さを算出し、媒体有無を再判定する手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、強弱に発光量を切替える代わりに、一定の発光量で得た受光量を低い感度の閾値と高い感度の閾値を用いて、それぞれ二値化情報を生成する手段を備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、反射型センサを用いることにより装置を小型化することが可能となる。また、反射型センサを用いた本数検知機構を用いた場合でも、包装硬貨の汚損による読取り不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】自動両替装置の図
【図2】包装硬貨処理機の内部図
【図3】包装硬貨処理機の部分拡大図
【図4】包装硬貨処理機の内部制御ブロック図
【図5】端面に汚れのない包装硬貨の本数の判定方法図
【図6】端面に汚れのある包装硬貨の本数の判定方法図
【図7】計数動作処理フロー図
【図8】本数判定処理フロー図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、銀行等の金融機関に設置され、顧客及び係員の操作により、両替用包装硬貨の出金等の取引を行う自動両替装置に内蔵される包装硬貨処理機に関する。
【0014】
図1は、包装硬貨の両替に使用される自動両替装置の外観図を示す。自動両替装置11は図1のような形状をしており、自動両替装置11の正面には、利用者への利用方法等のガイダンスを表示し、利用者が取扱手順に従い希望する取引内容等の選択入力に使用する操作・表示部12を装備し、利用者が両替を希望する硬貨、両替に必要な手数料を投入するための硬貨投入口15を備えている。
【0015】
自動両替装置11内部には両替のための紙幣を投入できる紙幣投入口14を備え、投入された紙幣を計数し収納する機能を有した紙幣処理機13、両替として利用者へ包装硬貨を放出し、利用者が包装硬貨を取出し、受取りできる包装硬貨取出口17を備え、払出す包装硬貨を格納、繰出し、放出する包装硬貨処理機16を備えている。紙幣投入口14、包装硬貨取出口17はいずれも自動両替装置11の前面に開口部として位置し、利用者が紙幣投入、包装硬貨受取りができるものとしている。
【0016】
図2は包装硬貨処理機16の内部構造を、側面から示した図である。同図に示すように、包装硬貨処理機16は、フィーダ部21とワゴン部26とで構成し、フィーダ部21とワゴン部26は前後に配置されている。
【0017】
上述のフィーダ部21は、バケット23とバケット昇降モータ25で構成されている。同バケット23は、上面が開口した直方体形状からなり、同バケット23は、フィーダ部21内を2本のガイドレールに沿って上下に移動することができる構造となっており、バケット昇降モータ25によって、同バケット23は、フィーダ部21内を上昇移動、及び重力による自由落下により、下降移動することができる。
【0018】
対面するフィーダ部21とワゴン部26の間には、媒体情報28の読取り位置ならびにバケット23の繰出し停止位置を示すスリットレールを取付けている。
バケット23側面には、回転可能なローラ形状をしたエンコーダを取付け、同エンコーダは、ガイドレールに接触しており、バケット23の上下移動に同期しながら回転できるものとしている。
【0019】
同バケット23内部にはトレー27に装填された包装硬貨29をバケット23へ繰出すための繰出しアームを備えている。同繰出しアームは、T字型形状をし、円弧状に回転運動できる構造となっている。
【0020】
フィーダ部21の上面には、各トレー27より繰出した包装硬貨29をバケット23から取出すために水平方向に開閉移動できる取出口シャッタ22を備えている。バケット23には包装硬貨29有無状態を検出することができる抜取検知センサを備えている。
【0021】
また、同トレー27のワゴン部26に対面する側面には、各トレー27に付加された媒体情報28を読取る手段、上下に昇降移動するバケット23を繰出し位置に停止させる手段、トレー27の空状態を検知する手段を持ったセンサ部24を備えている。
【0022】
上述のワゴン部26は、2つ以上の同一構造とするトレー27を垂直方向に積上げ状に配置され、同図に示すように前述フィーダ部21に面する側を下方になるように、斜めに配置されている。
【0023】
同トレー27には、フィーダ部21に対面する側面には、装填された包装硬貨29の金種を表すために、媒体情報28を付加してあり、同トレー27には、媒体情報28で表す、500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨、1円硬貨について、同一金種硬貨を重ね合わせ、棒状に包装した包装硬貨29を同一金種毎にまとめて横一線状に置き装填してある。
【0024】
各トレー27はワゴン部26内の何れの位置にも配置でき、装填される包装硬貨29の端面が見えるように包装硬貨29の並び方向に沿ってスリットを設けた構造になっている。
【0025】
ワゴン部26には本数検知部30を設け、本数検知駆動モータ32でトレー27のスリットに沿って移動する。ワゴン部26には回転可能なローラ形状をしたエンコーダ33を取付け、同エンコーダ33は、本数検知部30の移動に同期しながら回転できるものとしている。
【0026】
図3は、トレー27と反射型センサ31の部分拡大図を示す。本数検知部30にはトレー27の側面に装填された包装硬貨29の端面が見えるようにスリット34を設け、スリット34上を走査する本数有無を検知する手段を持った反射型センサ31を備える。ここで、反射型センサ31は、光を発光、照射する発光素子と、当該発光素子による発光に基づく拡散光、反射光などを受光する受光素子とを備える。また、これらの発光素子と受光素子は、透過型センサのよう(包装硬貨29を挟むように)包装硬貨29の両端面のそれぞれと対向する位置に配されるのではなく、いずれも包装硬貨29の一の端面と対向する位置に配される。
【0027】
図4は、包装硬貨処理機16の制御ブロック図を示したものである。CPU41は、ROM47に格納されたプログラムにしたがって各制御部を制御し、トレー情報などの制御データを記憶部48に記憶する。
【0028】
各制御部は、自動両替装置11からの計数動作指示を受取る上位制御部49と、バケット昇降モータ25を制御し、バケット23を上下移動制御するバケット昇降制御部42と、トレー27に付加された媒体情報28をセンサ部24から読取るための媒体情報読取り制御部43と、本数検知駆動モータ32を制御し、本数検知部30を後端から先端方向へ移動時には反射型センサ31の発光量を弱い発光量に設定し、あるいは先端から後端方向へ移動時には反射型センサ31の発光量を強い発光量に設定し、移動制御する本数駆動制御部44と、本数検知部30の移動時にエンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取り、閾値から包装硬貨有無の二値化情報を生成し、それぞれの二値化情報から本数を判定する本数判定制御部45から構成される。
【0029】
なお、本数検知部30、反射型センサ31、本数判定制御部45などの、包装硬貨を計数する手段を総称して計数手段ともいう。
【0030】
図5に端面に汚れのない包装硬貨29の本数の判定方法を詳細に記す。図に示す例は、反射型センサ31の発光量を弱い発光量に設定し、反射型センサ31を後端から先端方向へ移動しながら、エンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取るものである。
【0031】
包装硬貨がある区間は包装硬貨の端面に反射し受光量は大きくなり、包装硬貨がない区間は反射がないため受光量は小さくなる傾向がある。発光量が強い発光量であると、包装硬貨と包装硬貨の接点下部の無し部分に乱反射が入り受光量が増大するため接点下部の無し部分が判断できない。そこで、包装硬貨と包装硬貨の接点下部の無し部分を見るために発光量は弱めに設定されている。
【0032】
エンコーダ33の出力信号と同期させながら読取った受光量を閾値Xで二値化し、包装硬貨がある区間はONの出力となり、包装硬貨がない区間はOFFの出力となる。連続してONするエンコーダ数と連続してOFFするエンコーダ数をそれぞれ算出し、金種ごとの1本とするON回数の規定量の範囲内にあれば1本と計数することができる。
【0033】
図6に端面が汚れのある包装硬貨35の本数の判定方法を詳細に記す。
【0034】
図に示す例は、本数検知部30の反射型センサ31の発光量を弱い発光量に設定し、本数検知部30を後端から先端方向へ移動し、反射型センサ31の発光量を強い発光量に設定し、先端から後端方向へ移動する例を示す。いすれも移動しながら、エンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取るものである。弱い発光量で得た受光量をみると、包装硬貨の端面が汚れている区間は反射する受光量が小さくなり、包装硬貨がない区間と受光量の差が少ない傾向がある。
【0035】
一方、強い発光量で得た受光量をみると、包装硬貨の端面が汚れている区間でも反射する受光量は大きなものとなり、包装硬貨がない区間との差が大きい傾向がある。
【0036】
弱い発光量で読取った受光量を閾値Xで二値化すると、端面が汚れた包装硬貨の区間はOFFの出力となる。連続してOFFするエンコーダ数が1本相当あった場合、包装硬貨の汚れにより検出できないのか、異常装填で実際に包装硬貨がないのかを切り分けることができない。そこで、弱い発光量の連続してOFFするエンコーダ数が1本相当となる区間について、強い発光量で読取った受光量を閾値Yで二値化し、ONするエンコーダ数を算出する。算出されたONするエンコーダ数が予め設定された1本と計数するON回数の規定量の範囲内にあれば1本と計数することができる。
【0037】
このように構成された自動両替装置11より計数指示する包装硬貨処理機16の計数動作を図7の処理フローに示す。
【0038】
包装硬貨処理機16は、バケット23を初期位置である上端位置より下端移動する(ステップL1)。バケット23は下降移動しながら、トレー29に付加された媒体情報28を読取り、各トレーの金種情報を記憶する(ステップL2)。
【0039】
次に、初期位置が後端位置にある本数検知部30の反射型センサ31のLED発光量を弱い発光量に設定する(ステップL3)。本数検知部30を後端位置から先端位置へ移動しながら、エンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取り、低い受光量の閾値で二値化情報を生成する(ステップL4)。先端位置にある本数検知部30の反射型センサ31のLED発光量を強い発光量に設定する(ステップL5)。本数検知部30を先端位置から後端位置へ移動しながら、エンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取り、高い受光量の閾値で二値化情報を生成する(ステップL6)。
【0040】
全トレーについて生成された低感度の二値化情報と高感度の二値化情報を用いて、それぞれのトレーごとで本数判定処理を行う(ステップL7)。全トレーで本数判定された計数結果を記憶し(ステップL8)、下端位置にあるバケット23を初期位置である上端位置に移動する(ステップL9)。最後に、自動両替機11に包装硬貨処理機16で得られた計数結果を返す。
【0041】
本処理フローにおける本数判定処理(ステップL7)について、図8に詳細に記述する。
【0042】
まず、該当トレーの本数を0に初期化し、金種情報を取得する(ステップL10)。
【0043】
次に、該当トレーの低感度の二値化情報から連続するON回数および連続するOFF回数を算出する(ステップL11)。
OFF回数が該当金種のn本分(n=1〜フル本数)の規定量ないか判定する(ステップL12)。規定量なければ隣り合う包装硬貨同士の接点下部の無し部分と判断し、ON回数を参照する。ON回数が該当金種の1本とする規定量の範囲内ならば(ステップL13)、該当トレーの本数を1本カウントアップし(ステップL14)、1本とする規定量の範囲外ならば(ステップL13)、該当トレーに異常装填を記憶する(ステップL15)。
【0044】
判定後は、次のOFF回数、ON回数を参照し(ステップL16)、ステップL12から繰り返す。
【0045】
ステップL12でOFF回数がn本相当の規定量あれば、OFF回数に該当する区間について高感度の二値化情報を参照し、ON回数を算出する(ステップL17)。この区間の高感度のON回数が0回かそれ以外かを判断する(ステップL18)。高感度のON回数が0回ならば包装硬貨なしの終端と判断し(ステップL19)、該当トレーの本数判定は終了する。更に全トレーの判定が完了していれば(ステップL20)、本数判定終了し、全トレーの判定が完了していなければ次トレーを参照し(ステップL21)、ステップL10から繰り返す。
【0046】
ステップL18で高感度のON回数が1回以上あり、ON回数が該当金種のn本とする規定量の範囲内にあれば(ステップL22)、本数をn本カウントアップし(ステップL23)、規定量の範囲外ならば異常装填を記憶する(ステップL24)。判定後は、次のOFF回数、ON回数を参照し(ステップL25)、ステップL12から繰り返す。
【0047】
上記実施形態では、弱い発光量、強い発光量で得た受光量を閾値から包装硬貨有無の低感度、高感度の二値化情報をそれぞれ生成する方法として、本数検知部30を後端位置から先端位置へ移動しながら、エンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取り、閾値で低感度の二値化情報を生成し、本数検知部30を先端位置から後端位置へ移動しながら、エンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取り、閾値で高感度の二値化情報を生成する方法を説明したが、一方向へ移動する際に反射型センサ31の発光量を所定の間隔で強弱に切替えながら、より詳細には、一方向への移動の際に、強弱いずれの発光量においても、一の包装硬貨の有無が検知できる程度の周期で発光量の強弱を切替ながら、低感度、高感度の二値化情報を生成する方法もある。これにより、一の移動にて、低感度、高感度の両方に基づく硬貨の有無の情報を取得できることとなり、計数動作時間を短縮することが可能となる。
【0048】
また、上記実施形態では、弱い発光量、強い発光量で得た受光量を閾値から包装硬貨有無の低感度、高感度の二値化情報をそれぞれ生成する方法として、本数検知部30を後端位置から先端位置へ移動しながら、エンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取り、閾値で低感度の二値化情報を生成し、本数検知部30を先端位置から後端位置へ移動しながら、エンコーダ33の出力信号と同期させながら反射型センサ31の受光量を読取り、閾値で高感度の二値化情報を生成する方法を記述したが、発光量の強弱を切替えずに取得した受光量を感度の低い閾値と感度の高い閾値で低感度、高感度の二値化情報をそれぞれ生成してもよい。
【0049】
また、先に強い発光量で本数検知部30を移動させ、包装硬貨を検知し、後に弱い発光量で本数検知部30を移動させ包装硬貨を検知するように制御してもよい。これにより、フィーダ部から最も離れた位置にある包装硬貨の有を確実に検知することが可能となる。例えば、先端位置から後方に本数検知部30を移動させる場合に、本数検知部30が、最後の包装硬貨を検知した後、所定量の包装硬貨無しを検知した場合に、後端位置まで移動することなく、途中で逆走し、弱い発光量で計数をすることが可能となる。
【0050】
以上のように、本発明の一実施形態としては、複数本の包装硬貨を並べて収納可能なトレーと、光を照射する発光部と光を受光する受光部とを包装硬貨の一の端面に対向する位置に配し、発光部が包装硬貨に照射した光の反射光を受光部が受光することにより、トレー内の包装硬貨の端面を検知する反射型センサを有する計数手段と、包装硬貨の並び方向に沿って反射型センサを移動させる移動手段と、移動手段が反射型センサを移動させた場合に、計数手段は、反射型センサによる包装硬貨の端面の検知結果に基づき、包装硬貨の有無を判定し、包装硬貨の本数を計数することにより、包装硬貨処理装置の小型化を可能とする。
【0051】
また、計数手段は、包装硬貨の有無を検知、判定する感度を高低に変化させることにより、より具体的には、前記移動手段が前記反射型センサを移動させる場合に、前記反射型センサの発光量を強弱に変化させることにより、包装硬貨の有無の検知をより正確なものとすることが可能となる。
【0052】
また、低感度で包装硬貨の本数を検知した後で、高感度で検知することにより、汚れのない包装硬貨は低感度で得た結果から一方向のみで本数確定できるため、高感度の結果を使用することなく判定時間を短縮できる効果を有する。
【符号の説明】
【0053】
11・・・自動両替装置、12・・・操作・表示部、13・・・紙幣処理機、14・・・紙幣投入口、15・・・硬貨投入口、16・・・包装硬貨処理機、17・・・包装硬貨取出口、21・・・フィーダ部、22・・・取出口シャッタ、23・・・バケット、24・・・センサ部、25・・・バケット昇降モータ、26・・・ワゴン部、27・・・トレー、28・・・媒体情報、29・・・包装硬貨、30・・・本数検知部、31・・・反射型センサ、32・・・本数検知駆動モータ、33・・・エンコーダ、34・・・スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の包装硬貨を並べて収納可能なトレーと、
光を照射する発光部と光を受光する受光部とを包装硬貨の一の端面に対向する位置に配し、前記発光部が包装硬貨に照射した光の反射光を前記受光部が受光することにより、前記トレー内の包装硬貨の端面を検知する反射型センサを有する計数手段と、
包装硬貨の並び方向に沿って前記反射型センサを移動させる移動手段と、
前記移動手段が前記反射型センサを移動させた場合に、前記計数手段は、前記反射型センサによる包装硬貨の端面の検知結果に基づき、包装硬貨の有無を判定し、包装硬貨の本数を計数することを特徴とする包装硬貨処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の包装硬貨処理装置であって、
前記計数手段は、包装硬貨の有無を検知する感度を高低に変化させることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装硬貨処理装置であって、
前記計数手段は、前記移動手段が前記反射型センサを移動させる場合に、前記反射型センサの発光量を強弱に変化させることを特徴とする。
【請求項4】
請求項3に記載の包装硬貨処理装置であって、
前記計数手段は、前記反射型センサを一の方向に移動させる場合の発光量の強さを、他の方向に移動させる場合の発光量の強さよりも強く又は弱くすることを特徴とする。
【請求項5】
複数本の包装硬貨を並べて収納可能なトレーに、装填される包装硬貨の端面が見えるように包装硬貨の並び方向に沿ってスリットを設け、
前記トレー内の包装硬貨の端面が見えるように反射型センサを配置して、トレーのスリットに沿って前記センサを移動させる手段と、
前記センサ移動時にセンサの発光量を強弱に切替え可能とし、
弱い発光量、強い発光量で得た受光量を閾値から包装硬貨有無の低感度、高感度の二値化情報をそれぞれ生成する手段ど、
低感度の二値化情報から包装硬貨が検知できる有り長さ、包装硬貨が検知できない無し長さを算出し、包装硬貨の本数を検知する手段と、
低感度で有りを検知できない場合は、高感度の二値化情報から有り長さを算出し、包装硬貨の本数を計数する手段と、を備えることを特徴とする包装硬貨処理装置。
【請求項6】
複数本の包装硬貨を並べて収納可能なトレーに、装填される包装硬貨の端面が見えるように包装硬貨の並び方向に沿ってスリットを設け、
前記トレー内の包装硬貨の端面が見えるように反射型センサを配置して、トレーのスリットに沿って前記センサを移動させる手段と、
前記センサ移動時に取得した受光量を感度の低い閾値と感度の高い閾値で包装硬貨有無の二値化情報をそれぞれ生成する手段と、
感度の低い閾値で生成した二値化情報から包装硬貨が検知できる有り長さ、包装硬貨が検知できない無し長さを算出し、包装硬貨の本数を検知する手段と、
感度の低い閾値で生成した二値化情報で有りを検知できない場合は、感度の高い閾値で生成した二値化情報から有り長さを算出し、包装硬貨の本数を計数する手段と、を備えることを特徴とする包装硬貨処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−168672(P2012−168672A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28085(P2011−28085)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】